JP2021070598A - 一酸化炭素製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良くCOを製造する装置を提供する。【解決手段】触媒極層101と、触媒極層101と配線104により電気的に接続される対極層102と、触媒極層101と対極層102の間に配置される固体電解質層103と、を備え、固体電解質はイオン伝導体を含み、触媒極層101は、H2を生成する電極と、逆シフト反応を選択的に進行させる逆シフト反応触媒とを有し、通電することによりCOが生成することを特徴とする一酸化炭素製造装置。【選択図】図2
Description
本発明は、一酸化炭素製造装置に関する。
一酸化炭素(CO)は、燃焼させることで熱を取り出すことができる。また、固体酸化物形燃料電池の燃料ガスとすることで電気エネルギーを取り出すことができる。さらに、メタノール等の液体燃料の原料とすることができるため、効率良くCOを製造する装置が求められている。
従来電解セルの技術として、特許文献1には、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、または、これらの混合物などの含酸素分子を還元して、酸素イオンと水素(H2)、COまたは、これらの混合物などの燃料分子を製造する電解セルを提供するため、電子伝導相であるペロブスカイト結晶性構造、またはそれに類似する構造を有するセルが提案されている。
上記特許文献1では、CO2とH2Oを同時に電気分解してH2とCOを製造する装置である。この反応は、CO2を直接電気分解するために電極反応抵抗が大きく、例えば750℃以上といった高温で動作させる必要があるため、熱利用効率の観点から、改善の余地があった。さらに、このような高温では、生成物であるCOとH2Oが電極表面で反応してCO2とH2が生成する。このため、COへの変換効率の観点から、改善の余地があった。
このような観点から、本発明は、効率良くCOを製造する装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明に係る一酸化炭素製造装置は、触媒極層と、前記触媒極層と配線により電気的に接続される対極層と、前記触媒極層と前記対極層の間に配置される固体電解質層と、を備え、前記固体電解質層はイオン伝導体を含み、前記触媒極層は、H2を生成する電極と、逆シフト反応を選択的に進行させる逆シフト反応触媒とを有し、通電することによりCOが生成することを特徴とする。
本発明によれば、効率よくCOを製造する装置を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係るCO製造装置の断面図である。CO製造装置は、触媒極層101と、対極層102と、触媒極層101と対極層102の間に配置される固体電解質層103とを備える。触媒極層101と対極層102とは、配線104により電気的に接続されている。
触媒極層101は、H2を生成する電極と、逆シフト反応を選択的に進行させる逆シフト反応触媒とを有する。固体電解質層103は、イオン伝導体である。外部電源105を用いて通電することにより、触媒極層101においては、電極では、水素の発生を伴う電気化学反応が選択的におこり、逆シフト反応触媒では、逆シフト反応が選択的におこりCOが生成する。ここで、逆シフト反応とは、反応式CO2+H2→CO+H2Oで表される二酸化炭素と水素から一酸化炭素と水蒸気(水)を生成する反応である。本明細書において、逆シフト反応を選択的に進行させる触媒を逆シフト反応触媒という。
<各層の配置>
本発明で提案するCO製造装置では、固体電解質層103と、逆シフト反応触媒と電極を含む触媒極層101と、対極層102を少なくとも含む必要があり、機械的強度を保った構成にする必要がある。
本発明で提案するCO製造装置では、固体電解質層103と、逆シフト反応触媒と電極を含む触媒極層101と、対極層102を少なくとも含む必要があり、機械的強度を保った構成にする必要がある。
固体電解質層103が厚すぎると、イオン伝導抵抗が大きくなり、CO製造量が少なくなる可能性がある。一方、固体電解質層103が薄すぎると、機械強度が弱くなり、ガス組成や温度の変化、振動などによってわれ等の破損が起こる可能性が高くなる。固体電解質層103を薄くするための構成として、厚みのある触媒極層101、あるいは対極層102の表面にディップコート法などで塗布する方法がある。
触媒極層101を厚くしすぎると、気相と触媒極層101内のガスの交換が遅くなり、CO製造量が少なくなる可能性がある。一方、触媒極層101を薄くしすぎると、電極での集電抵抗が大きくなる、あるいは、逆シフト反応を十分に促すためのガスの滞留時間が短くなるため、CO製造量が少なくなる可能性がある。
対極層102を厚くしすぎると、電極表面からの気相への酸素ガスの放出が遅くなり、CO製造量が少なくなる可能性がある。一方、対極層102を薄くしすぎると、集電抵抗が大きくなり、酸素ガスの発生速度が遅くなって、CO製造量が少なくなる可能性がある。
いずれの層も薄膜化した上で機械強度を高めるためには、固体電解質層103、触媒極層101および対極層102とは別に、多孔質の支持層を導入しても良い。支持層に用いる材料に特に制約はないが、ガス通気性を高めるため、多孔質体である必要がある。また、この支持層を、触媒極層101、対極層102、あるいはこの両方の層上に配置する場合、焼結プロセスや運転中に、支持層と触媒極層101、支持層と対極層102の間で抵抗層の形成が起こらない材料を選定することが望ましい。固体電解質層103は、触媒極層101と対極層102にそれぞれ導入される、組成の異なるガスが混合しないよう、緻密である必要がある。
<動作原理>
以下、本発明の一実施形態に係るCO製造装置のCO生成原理を説明する。図2に固体電解質層に酸化物イオン伝導体を用いた場合のCO製造装置の反応を説明する模式図を示す。
以下、本発明の一実施形態に係るCO製造装置のCO生成原理を説明する。図2に固体電解質層に酸化物イオン伝導体を用いた場合のCO製造装置の反応を説明する模式図を示す。
固体電解質層103に酸化物イオン伝導体を用いた場合、触媒極層101に含まれる電極では、電気化学反応により水を還元分解(H2O+2e−→H2+O2−)する。逆シフト反応触媒では、二酸化炭素と水の電気分解により生成された水素とから、一酸化炭素と水を生成する反応(CO2+H2→CO+H2O)が進行する。触媒極層101において、逆シフト反応触媒により生成された水は、電極での水の電気分解に利用される。酸化物イオンO2−は、固体電解質層103を伝導し、対極層102に供給される。対極層102では、電気化学反応により、酸素が生成する(O2−→1/2O2+2e−)。
図3に固体電解質層にプロトン伝導体を用いた場合のCO製造装置の反応を説明する模式図を示す。対極層102では、電気化学反応により、水が分解して酸素が発生する(H2O→2H++2e−+1/2O2)。この反応により生成したプロトンは、固体電解質層103を伝導し、触媒極層101に供給される。触媒極層101の電極では、電気化学反応により、プロトンと電子とから水素が生成する(2H++2e−→H2)。触媒極層101の逆シフト反応触媒は、二酸化炭素と電極で生成した水素とから一酸化炭素と水とを生成する反応を促進する(CO2+H2→CO+H2O)。
図2、図3に係るCO製造装置では、上記反応が一段で起こる。電気化学反応と化学反応とを用いることにより、CO2の還元反応は高温で動作させる必要があるが、高温動作が必要な電気化学反応(CO2の還元反応)に代り、化学反応(CO2+H2→CO+H2O)を利用することにより、低温動作が可能となり、熱利用効率が向上する。
本発明で提案するCO製造装置では、700℃以下200℃以上、より望ましくは450℃以下300℃以上で動作させる。温度が高いとCO2ガスが触媒電極層101の電極表面で分解してコーキングが起こり、電気化学反応活性を低下させるためである。また、生成したCOとH2Oが反応してCO2となり、CO製造効率が低下するためである。動作温度が低すぎると、逆シフト反応が十分に進行しないため、効率良くCOが製造できないためである。
<固体電解質層>
固体電解質層103は、電極(触媒極層101)と対極層102間に通電することにより、酸化物イオンを伝導する酸化物イオン(O2−)伝導体、プロトン(H+)伝導体、および酸化物イオンとプロトンの混合伝導体がある。酸化物イオン伝導体は、代表的には、ZrO2やCeO2など、蛍石型構造を有する酸化物の金属元素を、低原子価カチオンで置き換えることで、結晶構造に酸素欠損を導入し、この酸素欠損が酸化物イオンキャリアとなる酸化物の材料群がある。
固体電解質層103は、電極(触媒極層101)と対極層102間に通電することにより、酸化物イオンを伝導する酸化物イオン(O2−)伝導体、プロトン(H+)伝導体、および酸化物イオンとプロトンの混合伝導体がある。酸化物イオン伝導体は、代表的には、ZrO2やCeO2など、蛍石型構造を有する酸化物の金属元素を、低原子価カチオンで置き換えることで、結晶構造に酸素欠損を導入し、この酸素欠損が酸化物イオンキャリアとなる酸化物の材料群がある。
置換元素としては、例えば、アルカリ土類金属や、ランタノイドを含む、第3族元素などを選ぶことができる。具体的には、ZrO2のZrサイトをYで置換した(Zr,Y)O2や、CeO2のCeサイトをSmで置換した(Ce,Sm)O2等が挙げられる。例えば、ZrO2に0.08mоlのY2O3を固溶させた場合、化学式はZr0.84Y0.16O1.92であり、1mоlあたり、0.08mоlの酸素欠損が導入されて酸化物イオンキャリアとなる。以降、ZrO2の結晶構造を有しつつ、置換元素を含む材料をZrO2系と称する。蛍石型構造を有するものを2種類以上、固溶させても良い。また、置換元素は2種類以上であっても良い。
他の酸化物イオン伝導体として、LaGaO3など、希土類元素を含むペロブスカイト型構造を有するものもある。Laサイト、Gaサイト、あるいは、これらの両サイトに低原子価カチオンを置換することで、酸化物イオンキャリアを導入することができる。LaサイトおよびGaサイトの置換元素として、例えば、アルカリ土類金属などを選ぶことができる。具体的には、LaGaO3のLaサイトをSrで、GaサイトをMgで置換した(La,Sr)(Ga,Mg)O3等が挙げられる。例えば、LaGaO3のLaサイトに0.05mоlのSrOを、Gaサイトに0.05mоlのMgOを固溶させた場合、化学式はLa0.95Sr0.05Ga0.95Mg0.05O2.95であり、1mоlあたり、0.05mоlの酸素欠損が導入されて酸化物イオンキャリアとなる。また、LaGaO3のようなペロブスカイト型酸化物の場合、LaサイトをAサイト、GaサイトをBサイトと呼ぶが、AサイトとBサイトのいずれかが相対的に過剰組成になっていても良い。
プロトン伝導体は、代表的には、SrZrO3など、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型の結晶構造をとる酸化物のBサイト元素を、低原子価カチオンで置き換えることで、結晶構造に酸素欠損を導入し、さらに、この酸素欠損に雰囲気水蒸気(H2O)が溶解することでプロトンキャリアが導入される酸化物の材料群がある。
置換元素としては、例えば、ランタノイドを含む、第3族元素などを選ぶことができる。具体的には、SrZrO3のZrサイトをYで置換したSr(Zr,Y)O3等が挙げられる。例えば、SrZrO3のZrサイトに0.05mоlのY2O3を溶解させた場合、化学式は、SrZr0.9Y0.1O2.95であり、1mоlあたり、0.05mоlの酸素欠損が導入される。さらに、この酸素欠損に水が溶解することで水1molあたり、2molのプロトンキャリアが導入される。この導入反応は、Kroger-Vinkの表記表で、
H2O+VO ・・+OO X = 2(OH)O ・
で表現される。なお、VO ・・は、酸素欠損を、OO Xは、酸素サイトに存在する酸素イオンを、(OH)O ・は、酸素サイトに存在するプロトン欠陥をそれぞれ表す。
H2O+VO ・・+OO X = 2(OH)O ・
で表現される。なお、VO ・・は、酸素欠損を、OO Xは、酸素サイトに存在する酸素イオンを、(OH)O ・は、酸素サイトに存在するプロトン欠陥をそれぞれ表す。
他のプロトン伝導体として、希土類リン酸塩(LaPO4、LaP3O9、LaP5O14)や希土類ホウ酸塩(LaBO4)、シェーライト型構造を有するLi1−xSrxNbO4(0<x≦1)、LaNbO4、LaWO4等が挙げられる。これらの希土類サイトをアルカリ土類金属で置換することにより、プロトンキャリアを導入することができる。雰囲気にCO2が存在する場合、主構成元素としてアルカリ土類金属が含まれると、アルカリ土類金属が炭酸塩を形成して分解する。製造装置の長寿命化の観点から、アルカリ土類金属を主構成材料として含まないプロトン伝導体を用いるのが望ましい。また、プロトン伝導体は、例えば600℃以上の高温領域では、プロトン伝導体に溶解した水が脱離してプロトン欠陥濃度が減少し、酸化物イオン伝導が支配的になるものもあるが、本発明においては、可動種がプロトンと酸化物イオンの混合伝導であっても成立する。上記、同一結晶構造を有するものを2種類以上固溶させても良い。また、これらイオン伝導体を2種類以上混合させても良い。
例えば、ZrO2系固体電解質を用いる場合、後述の対極層102とZrO2界面において、焼結過程、あるいは、長時間の動作によって構成元素が相互拡散し、La2Zr2O7系パイロクロア等の高抵抗層を形成する。このような劣化を促す反応を抑制するため、他の固体電解質を反応バリア層とするなど、2層以上の層状構造としても良い。具体的には、ZrO2系固体電解質層と対極層102の間に、CeO2系固体電解質を配置する方法である。この場合、CeO2系固体電解質は、多孔質であっても良い。
COを高純度で製造するためには、酸化物イオン伝導体を用いるのが望ましい。酸化物イオン伝導体を用いる場合、触媒極層101の逆シフト反応の反応生成物であるH2Oを電解し、電解によって生じたH2を逆シフト反応の原料として使用することができるので、不純物であるH2Oの濃度を低減してよりCO濃度を高めることができるためである。
<触媒極層>
触媒極層101は、前記のとおり、逆シフト反応触媒と電極とを含む。逆シフト反応触媒は、CO2とH2の化学反応を選択的に進行させる。
CO2 + H2 → CO + H2O
触媒極層101は、前記のとおり、逆シフト反応触媒と電極とを含む。逆シフト反応触媒は、CO2とH2の化学反応を選択的に進行させる。
CO2 + H2 → CO + H2O
触媒極層101の逆シフト反応触媒は、遷移金属と担体となる酸化物の混合物からなる。遷移金属としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Ru、Rh等が挙げられる。このうち、逆シフト反応に対する触媒活性を高める、第4周期のDブロック元素であるMn、Co、Cuを組み合わせるのが望ましい。金属触媒はこれらの金属を少なくとも1種類以上含む合金、あるいは、混合物としても良い。また、担体となる酸化物としては、焼成や焼結温度において他の構成材料との反応が起こりにくく、還元雰囲気でも安定な酸化物を選ぶのが望ましい。具体的には、CeO2、ZrO2、Al2O3、MgOや、LaAlO3等の複合酸化物等が挙げられる。このうち、遷移金属との組み合わせにより、逆シフト反応に対する触媒活性をより高める、CeO2、ZrO2、Al2O3を組み合わせるのが望ましい。これら酸化物は、一部が他の元素に置換されていても良い。また、これら酸化物を少なくとも1種類以上含む混合物としても良い。
触媒極層101の電極は、固体電解質に酸化物イオン伝導体を用いる場合、以下の電気化学反応により、選択的に水を還元分解する。
H2O + 2e− → H2 + O2−
H2O + 2e− → H2 + O2−
電極としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の遷移金属や、Pt等の第10族元素やAu等の第11族元素等が挙げられる。このうち、水の還元分解反応を促進する、NiやPt等を用いるのが望ましい。電極に含まれる金属は、これらの金属を少なくとも1種類以上含む合金としても良い。
また、電極は、固体電解質にプロトン伝導体を用いる場合、以下の電気化学反応により、選択的に水素を発生する。
2H+ + 2e− → H2
2H+ + 2e− → H2
電極としては、PdやPt等の白金族元素やAu等が挙げられる。このうち、水素発生反応の活性が高く、水素の溶解度が高いPdを用いるのが望ましい。電極に含まれる金属は、これらの金属を少なくとも1種類以上含む合金としても良い。さらに、固体電解質との接触面積を増やし、反応抵抗を低減するため、固体電解質と混合して使用するのが望ましい。
触媒極層101は、逆シフト反応と電気化学反応を選択的に進行させれば良いため、逆シフト反応触媒の金属元素と、電極の金属元素と、固体電解質粒子を混合して1層としても良い。また、異なる金属と酸化物を組み合わせた2層以上の積層構造としても良い。
<対極層>
対極層102は、固体電解質に酸化物イオン伝導体を用いる場合、以下の電気化学反応により、酸素ガスが発生する。
O2− → 1/2O2 + 2e−
対極層102は、固体電解質に酸化物イオン伝導体を用いる場合、以下の電気化学反応により、酸素ガスが発生する。
O2− → 1/2O2 + 2e−
対極層102としては、希土類元素と遷移金属元素を含み、電子伝導性を有するペロブスカイト型酸化物等が挙げられる。例えば、LaMnO3、LaCoO3、LaFeO3、SmCoO3等の希土類元素をアルカリ土類金属元素に置換したものが挙げられ、化学式としては、(La,Sr)MnO3、La1−xSrxMnO3(0<x≦1)等で表記される。置換元素は、CaやBa等、他のアルカリ土類金属元素を2種類以上含んでいても良い。また、遷移金属元素を2種類以上含んでいても良い。また、これら酸化物を2種類以上含む混合物であっても良い。
固体電解質層103にプロトン伝導体を用いる場合、以下の電気化学反応により、酸素が発生する。
H2O → 2H+ + 2e− + 1/2O2
H2O → 2H+ + 2e− + 1/2O2
対極層102としては、PdやPt等の白金族元素やAu等が挙げられる。このうち、酸素発生反応の活性が高いPtを用いるのが望ましい。対極層102に含まれる金属は、これらの金属を少なくとも1種類以上含む合金としても良い。さらに、固体電解質層103との接触面積を増やし、反応抵抗を低減するため、固体電解質層103と混合して使用するのが望ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、(適宜図1〜図3を参照)本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
<固体電解質層103の作製>
市販のZr0.84Y0.16O1.92(以下、YSZ)粉末を所定の重量で秤量し、油圧プレス機にてプレスした。これを、1350℃、空気中で3時間熱処理することで、直径13mmのち密な電解質膜を得ることができた。この電解質膜両面を、耐水研磨紙で研磨して厚み500μmとした。
<固体電解質層103の作製>
市販のZr0.84Y0.16O1.92(以下、YSZ)粉末を所定の重量で秤量し、油圧プレス機にてプレスした。これを、1350℃、空気中で3時間熱処理することで、直径13mmのち密な電解質膜を得ることができた。この電解質膜両面を、耐水研磨紙で研磨して厚み500μmとした。
<触媒極層101の作製>
触媒極層101の逆シフト反応触媒の出発原料として、CuOとCeO2を用いた。これらの粉末を、CuとCeO2の体積比が5:5となるよう秤量し、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した(以降、50vоl%Cu/CeO2と表記する)。また、電極の出発原料として、NiOとYSZを用いた。これらの粉末を、NiとYSZの体積比が4:6となるよう秤量し、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した。これら粉末を乾燥後、溶媒と混合してスラリーとした。固体電解質層103表面に、電極のスラリーをスクリーン印刷機を用いて直径8mmで塗布、乾燥後、さらに、電極表面に逆シフト反応触媒を直径8mmで塗布した。これを1200℃、空気中で1時間熱処理した。なお、断面SEM観察により、逆シフト反応触媒層と電極の厚みはそれぞれ50μmであった。
触媒極層101の逆シフト反応触媒の出発原料として、CuOとCeO2を用いた。これらの粉末を、CuとCeO2の体積比が5:5となるよう秤量し、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した(以降、50vоl%Cu/CeO2と表記する)。また、電極の出発原料として、NiOとYSZを用いた。これらの粉末を、NiとYSZの体積比が4:6となるよう秤量し、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した。これら粉末を乾燥後、溶媒と混合してスラリーとした。固体電解質層103表面に、電極のスラリーをスクリーン印刷機を用いて直径8mmで塗布、乾燥後、さらに、電極表面に逆シフト反応触媒を直径8mmで塗布した。これを1200℃、空気中で1時間熱処理した。なお、断面SEM観察により、逆シフト反応触媒層と電極の厚みはそれぞれ50μmであった。
<対極層102の作製>
対極層102には、La0.8Sr0.2MnO3−δ(以下、LSM)を用いた。出発原料として、La2CO3、SrCO3、Mn2O3を用いた。これらを定比組成で秤量し、ジルコニア製の乳鉢と乳棒で混合し、空気中、1200℃で5時間熱処理することでLSMを得た。結晶構造は、X線回折測定で評価し、不純物に由来する回折ピークがないことを確認した。LSMを溶媒中に分散してスラリーとした。固体電解質層103の表面の、触媒極層101の逆側に、対極のスラリーをスクリーン印刷機を用いて直径8mmで塗布、乾燥後、1000℃、空気中で1時間熱処理した。なお、断面SEM観察の結果、対極の厚みは100μmであった。
対極層102には、La0.8Sr0.2MnO3−δ(以下、LSM)を用いた。出発原料として、La2CO3、SrCO3、Mn2O3を用いた。これらを定比組成で秤量し、ジルコニア製の乳鉢と乳棒で混合し、空気中、1200℃で5時間熱処理することでLSMを得た。結晶構造は、X線回折測定で評価し、不純物に由来する回折ピークがないことを確認した。LSMを溶媒中に分散してスラリーとした。固体電解質層103の表面の、触媒極層101の逆側に、対極のスラリーをスクリーン印刷機を用いて直径8mmで塗布、乾燥後、1000℃、空気中で1時間熱処理した。なお、断面SEM観察の結果、対極の厚みは100μmであった。
<CO製造速度の評価>
作製したセルの表面に、集電体として金のリード線を取り付けた金メッシュを、触媒極層と対極層表面にそれぞれ配置し、触媒極層101と対極層102で異なるガスを導入できる2室型の評価装置にセッティングした。シーリング材として、パイレックスガラスを使用した。パイレックスガラスを溶解して気密性を付与するため、セルを900℃で保持した。このとき、触媒極層101に還元ガスを導入し、触媒極層101内のCuOとNiOを還元処理してCuとNiとした。セルを徐冷して450℃にした後、触媒極層101へは3%CO2−1.7%H2O−Arを20ccmで、対極層102へはArを20ccmで導入した。セルに500mA/cm2で通電し、触媒極層101の下流側ガス組成をガスクロマトグラフでガス組成を分析してCO濃度を計測した。
作製したセルの表面に、集電体として金のリード線を取り付けた金メッシュを、触媒極層と対極層表面にそれぞれ配置し、触媒極層101と対極層102で異なるガスを導入できる2室型の評価装置にセッティングした。シーリング材として、パイレックスガラスを使用した。パイレックスガラスを溶解して気密性を付与するため、セルを900℃で保持した。このとき、触媒極層101に還元ガスを導入し、触媒極層101内のCuOとNiOを還元処理してCuとNiとした。セルを徐冷して450℃にした後、触媒極層101へは3%CO2−1.7%H2O−Arを20ccmで、対極層102へはArを20ccmで導入した。セルに500mA/cm2で通電し、触媒極層101の下流側ガス組成をガスクロマトグラフでガス組成を分析してCO濃度を計測した。
<実施例2〜8、及び比較例1〜6>
触媒極層101と対極層102の組成、導入ガス組成、通電量を表1に示すように調整した以外は、実施例1と同様にしてCO製造セルを作製し、触媒極層101の下流側ガス組成をガスクロマトグラフで分析してCO濃度を計測した。
触媒極層101と対極層102の組成、導入ガス組成、通電量を表1に示すように調整した以外は、実施例1と同様にしてCO製造セルを作製し、触媒極層101の下流側ガス組成をガスクロマトグラフで分析してCO濃度を計測した。
<実施例9>
<固体電解質層103の作製>
固体電解質層103には、プロトン伝導体であるLa0.95Sr0.05NbO4−δ(以下、LSN)を用いた。出発原料として、La2O3、Nb2O5、SrCO3を用いた。これらを定比組成で秤量し、ジルコニア製の乳鉢と乳棒で混合し、空気中、1000℃で15時間熱処理した。得られた粉末を、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した。乾燥後、油圧プレス機にてプレスした。1500℃、空気中で5時間熱処理することで、直径13mmのち密な電解質膜を得ることができた。この電解質膜両面を、耐水研磨紙で研磨して厚み1mmとした。
<固体電解質層103の作製>
固体電解質層103には、プロトン伝導体であるLa0.95Sr0.05NbO4−δ(以下、LSN)を用いた。出発原料として、La2O3、Nb2O5、SrCO3を用いた。これらを定比組成で秤量し、ジルコニア製の乳鉢と乳棒で混合し、空気中、1000℃で15時間熱処理した。得られた粉末を、遊星ボールミルにてエタノール中で300rpmで3時間処理した。乾燥後、油圧プレス機にてプレスした。1500℃、空気中で5時間熱処理することで、直径13mmのち密な電解質膜を得ることができた。この電解質膜両面を、耐水研磨紙で研磨して厚み1mmとした。
<触媒極層101の作製>
逆シフト反応触媒は、実施例1と同じものを使用した。電極は、PdペーストとLSNの混合物を用いた。PdとLSNの体積比が4:6となるよう秤量し、溶媒とともに混錬してスラリーとした。熱処理方法および、逆シフト反応触媒と電極の厚みはそれぞれ実施例1と同じであった。
逆シフト反応触媒は、実施例1と同じものを使用した。電極は、PdペーストとLSNの混合物を用いた。PdとLSNの体積比が4:6となるよう秤量し、溶媒とともに混錬してスラリーとした。熱処理方法および、逆シフト反応触媒と電極の厚みはそれぞれ実施例1と同じであった。
<対極層102の作製>
対極層102には、Ptペーストを用いた。スクリーン印刷機にて、直径8mmで塗布した後、900℃で3時間熱処理することで対極層を固体電解質表面に焼結した。断面SEM観察の結果、対極の厚みは50μmであった。
対極層102には、Ptペーストを用いた。スクリーン印刷機にて、直径8mmで塗布した後、900℃で3時間熱処理することで対極層を固体電解質表面に焼結した。断面SEM観察の結果、対極の厚みは50μmであった。
<CO製造速度の評価>
対極層102への導入ガス組成を1.7%H2O−Arとした以外は、実施例1と同様にCO濃度を計測した。
対極層102への導入ガス組成を1.7%H2O−Arとした以外は、実施例1と同様にCO濃度を計測した。
<比較例7>
セルに通電しなかった以外は、実施例9と同様にした。
セルに通電しなかった以外は、実施例9と同様にした。
<比較例8>
対極にAuペーストを使用した以外は、実施例9と同様にした。
対極にAuペーストを使用した以外は、実施例9と同様にした。
<結果と考察>
実施例1より、触媒極層101に逆シフト反応触媒と電極を導入し、これと酸素ガス発生電極で酸素イオン伝導体であるYSZ層をサンドイッチしたセルを構成し、450℃において、触媒極層101にCO2とH2O混合ガスを導入して通電した場合、触媒極層101の出口ガスでCOが検出され、その濃度は0.04%であった。一方、比較例1より、通電しない場合には、COは検出されなかった。このことは、通電により、触媒極層101に含まれる電極でH2Oが電気化学的に還元分解してH2とO2−を生じ、H2はCO2と逆シフト反応を起こしてCOとH2Oに変換されると同時に、O2−は固体電解質を移動して対極に到達し、O2として気相に放出されたことを示している。
実施例1より、触媒極層101に逆シフト反応触媒と電極を導入し、これと酸素ガス発生電極で酸素イオン伝導体であるYSZ層をサンドイッチしたセルを構成し、450℃において、触媒極層101にCO2とH2O混合ガスを導入して通電した場合、触媒極層101の出口ガスでCOが検出され、その濃度は0.04%であった。一方、比較例1より、通電しない場合には、COは検出されなかった。このことは、通電により、触媒極層101に含まれる電極でH2Oが電気化学的に還元分解してH2とO2−を生じ、H2はCO2と逆シフト反応を起こしてCOとH2Oに変換されると同時に、O2−は固体電解質を移動して対極に到達し、O2として気相に放出されたことを示している。
比較例2より、触媒極層に電極を導入しないセルでは、内部抵抗が増大して通電することができなかった。H2O電解反応が進行しないため、COは検出されなかった。
実施例2では、CO濃度は0.04%であり、実施例1と同程度であった。このことから、触媒極層101の逆シフト反応触媒に含まれるCeO2のCeサイトを他の元素で部分置換しても、触媒活性は損なわれないことがわかった。
実施例2では、CO濃度は0.04%であり、実施例1と同程度であった。このことから、触媒極層101の逆シフト反応触媒に含まれるCeO2のCeサイトを他の元素で部分置換しても、触媒活性は損なわれないことがわかった。
実施例3では、CO濃度は0.081%であり、実施例1の2倍以上であった。触媒極層101に導入するガスの流速を低減させることで、CO2の逆シフト反応触媒表面での滞留時間が長くなり、逆シフト反応が促進されたことを示している。
実施例4では、動作温度を300℃とした。通電電流量が実施例1と同じであることから、H2Oの水電解量、すなわち、H2の発生量も実施例1と同じであるが、CO濃度は0.017%まで低下した。このことから、動作温度が高いほど、逆シフト反応が進行しやすいことが分かった。
実施例5と実施例6では、逆シフト反応触媒に含まれる金属元素をそれぞれ、MnとCoとした。実施例5と実施例6におけるCO濃度はそれぞれ、0.028%、0.04%と金属元素組成に依存した。COが製造できたことから、使用する金属元素は、Cu、Mn、Coが望ましいことが分かった。
実施例7では、固体電解質層103にCe0.9Gd0.1O1.95(以降、GDCと表記する)を使用した。CO濃度は、YSZを使用するセル(実施例1)と同じ0.04%であったことから、固体電解質層103として使用する酸素イオン伝導体は、組成に依らず適用可能であることが分かった。
比較例3では、逆シフト反応触媒をCeO2のみとしたが、Cuを含まないために集電抵抗が大きくなり、通電できなかった。
実施例1では、触媒極層101の逆シフト反応触媒と電極を2層構造としたのに対し、実施例8では、逆シフト反応触媒と電極に含まれる金属元素とGDCを混合して1層構造としたが、0.014%のCOが検出された。このことから、触媒極層101には逆シフト反応とH2O電解を促す金属元素と酸化物が同一層内に含まれていても良いことがわかった。
比較例4では、触媒極層内の電極に含まれる金属元素をCuとしたが、H2O電解活性が低く、セルが高抵抗化して通電できなかった。このことは、H2O電解活性は、電極内の金属元素に依存し、Niを使用するのが望ましいことが分かった。
比較例5では、電極内の酸化物にCeO2を使用したが、置換元素を含まないために酸化物イオンキャリアの濃度がごく微量であり、酸化物イオン伝導率の乏しいために、セル抵抗が大きく、通電できなかった。このことから、H2O電解活性を高めるためには、電極内の酸化物に酸素イオン伝導体を使用するのが望ましいことが分かった。
比較例5では、電極内の酸化物にCeO2を使用したが、置換元素を含まないために酸化物イオンキャリアの濃度がごく微量であり、酸化物イオン伝導率の乏しいために、セル抵抗が大きく、通電できなかった。このことから、H2O電解活性を高めるためには、電極内の酸化物に酸素イオン伝導体を使用するのが望ましいことが分かった。
比較例6では、対極にO2ガス化反応活性の低いAuを使用したが、セルの内部抵抗が大きく、通電できなかった。
実施例9では、固体電解質層103をプロトン伝導体のLSNとして通電した場合、0.008%のCOが検出できた。これに対し、通電しない比較例7では、CO濃度は0.002%未満であった。さらに、対極層102をH2O分解活性の低いAu電極とした比較例8では、セル抵抗が大きく、通電ができなかった。
以上より、適切な触媒、電極、固体電解質と対極を組み合わせ、低温で通電した場合、COが製造できることが分かった。さらに、触媒極層で水を生成するプロトン伝導体を用いるセルよりも、水を消費してCOをより高濃度化する酸素イオン伝導体を用いるセルの方が、高純度でCOを製造できることが分かった。
101 触媒極層
102 対極層
103 固体電解質層
104 配線
105 外部電源
102 対極層
103 固体電解質層
104 配線
105 外部電源
Claims (13)
- 触媒極層と、前記触媒極層と配線により電気的に接続される対極層と、前記触媒極層と前記対極層の間に配置される固体電解質層と、を備え、
前記固体電解質層はイオン伝導体を含み、
前記触媒極層は、H2を生成する電極と、逆シフト反応を選択的に進行させる逆シフト反応触媒とを有し、
通電することによりCOが生成することを特徴とする一酸化炭素製造装置。 - 前記固体電解質層が酸化物イオン伝導体であり、
前記電極では、
H2O + 2e− → H2 + O2−
が選択的起こり、
前記逆シフト反応触媒では、
CO2 + H2 → CO + H2O
が選択的に起こり、
前記対極層では、
O2− → 1/2O2 + 2e−
が起こることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素製造装置。 - 前記固体電解質層が、蛍石型構造あるいはペロブスカイト型構造を有する酸化物イオン伝導体を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記逆シフト反応触媒は、遷移金属と、担体となる酸化物と、を含む混合物であって、
前記遷移金属はCu、Mn、Coを少なくとも1種類以上含み、
前記担体となる酸化物はCeO2、ZrO2、Al2O3、及び、これらの一部が他の元素に置換されたものを少なくとも1種類以上含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の一酸化炭素製造装置。 - 前記電極は、Ni、Pt、又は、これらのいずれかを含む合金を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記対極層は、電子伝導性を有するペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記対極層は、La1−xSrxMnO3(0<x≦1)であることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記固体電解質層がプロトン伝導体であり、
前記電極では、
2H+ + 2e− → H2
が選択的に起こり、
前記逆シフト反応触媒では、
CO2 + H2 → CO + H2O
が選択的に起こり、
前記対極層では、
H2O → 2H+ + 2e− + 1/2O2
が起こることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素製造装置。 - 前記固体電解質層が、シェーライト型構造を有するプロトン伝導体を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする請求項8に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記固体電解質層が、Li1−xSrxNbO4(0<x≦1)であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記逆シフト反応触媒は、遷移金属と、担体となる酸化物と、を含む混合物であって、
前記遷移金属がCu、Mn、Coを少なくとも1種類以上含み、
前記担体となる酸化物がCeO2、ZrO2、Al2O3、及び、これらの一部が他の元素に置換されたものを少なくとも1種類以上含むことを特徴とする請求項8又は請求項10に記載の一酸化炭素製造装置。 - 前記電極は、Pd、Pt、Au、又は、これらのいずれかを含む合金、を含むことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の一酸化炭素製造装置。
- 前記対極層は、Pd、Pt、Au、又は、これらのいずれかを含む合金、を含むことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載の一酸化炭素製造装置。
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JP2018202332A (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 合成ガス製造用触媒、合成ガスの製造方法、リアクター、及び合成ガス製造システム |
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