JP2021069586A - 流体殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理空間に紫外光の望ましい配向パターンを設計する際の紫外光の照射に関する設計の自由度を増大することができる流体殺菌装置を提供する。【解決手段】流体殺菌装置10は、処理空間68を有する筐体11と、各々が、基端部が筐体11の端壁部14の対応する位置に取り付けられている複数の筒状部材22と、各々が、各筒状部材22の先端部に取り付けられている石英板31と、石英板31及び筒状部材22を介して筐体11内に紫外光を照射するLED光源42とを有する複数の光源モジュール25と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、筐体内を流れる被殺菌流体を紫外光により殺菌する流体殺菌装置に関する。
特許文献1−5は、筐体内の処理空間を流れる被殺菌流体に流れ方向に対して平行方向又は垂直方向から紫外光を照射して、該被殺菌流体を殺菌する流体殺菌装置を開示する。これらの特許文献の流体殺菌装置では、複数の窓が処理空間に臨んで設けられ、石英ガラス等の紫外光透過部材が各窓に取り付けられている。そして、紫外光光源が、紫外光透過部材の外面側に配置され、紫外光は、紫外光透過部材を介して紫外光透過部材の内面側の処理空間の被殺菌流体に照射するようになっている。
特開2017−74114号公報 特開2017−51289号公報 特開2019−10601号公報 国際公開第2018/047629号公報 特開2018−192403号公報
筐体が大容量になると、被殺菌流体が処理空間を通過するのに要する通過時間が、処理空間における被殺菌流体の通過位置により大きく変わってしまう。したがって、処理空間の被殺菌流体に通過位置に関係なく均等の強さで照射すると、通過時間の短い被殺菌流体に対する実質的な照射時間が短くなってしまい、殺菌の不十分なまま処理空間から流出する被殺菌流体の量が増大してしまう。
この対策として、流体殺菌装置の使用状況に応じた紫外光の強度パターンを生成する必要がある。しかしながら、特許文献1等の流体殺菌装置では、紫外光透過部材は、筐体本体に形成された窓に取り付けられており、紫外光透過部材の位置、分布密度、向き及び寸法等についての制約が大きく、使用状況に応じた紫外光の強度パターンを処理空間に生成することが難しくなっている。
本発明の目的は、紫外光透過部材の取付上の自由度を高くすることができる流体殺菌装置を提供することである。
本発明の流体殺菌装置は、
被殺菌流体が流入口から流入して流出口から流出する処理空間を有する筐体と、
各々が、前記処理空間に連通する連通空間を有し、かつ前記筐体の壁部に外方に突出して取り付けられている複数の筒状部材と、
各々が、前記筒状部材の先端部に、該先端部の開口端を覆うように取付けられた板状の紫外光透過部材と、該紫外光透過部材を経て前記処理空間に向かって紫外光を照射する紫外光光源とを有する複数の光源モジュールと、
を備える。
本発明によれば、紫外光透過部材は、処理空間を内面側に画成する筐体の壁部に直接、取り付けられるのではなく、該壁部に筒状部材を取り付けて、該取付部材の先端部に取り付けられる。該壁部への筒状部材の基端部の取付は、位置、分布密度、向き及び寸法等について、該壁部への紫外光透過部材の取付に比して自由度が高い。また、紫外光透過部材は、筒状部材の先端部には円滑に取付可能である。この結果、使用状況に応じた所望の紫外光の強度パターンを処理空間に生成する際の紫外光透過部材の取付上の自由度を高くすることができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記筐体は、軸方向の両端部にそれぞれ前記流入口と前記流出口と備え、前記被殺菌流体が前記処理空間において前記軸方向に沿って流れる管状筐体であり、
各筒状部材は、前記管状筐体の前記壁部に設けられている。
被殺菌流体が、軸方向の両端部に流入口と流出口とを有する管状筐体内を軸方向に沿って流れる場合、被殺菌流体は、層流状に流れる。したがって、処理空間に照射する各光モジュールからの紫外光を、対応する各層流に割り当てるようにすれば、処理空間を紫外光で照射されないまま通過してしまう被殺菌流体の量を減らすことができる。
この構成によれば、筐体を、被殺菌流体が処理空間において軸方向に沿って流れる管状筐体にすることにより、処理空間に被殺菌流体の層流を形成して、処理空間に照射する各光モジュールからの紫外光を、対応する各層流に割り当てるようにして、被殺菌流体の殺菌効果を高めることができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記管状筐体は、周壁部と、該周壁部の両側を覆う端壁部とを有し、
前記軸方向に少なくとも一側の端壁部は、前記軸方向の外側に凸となる曲面形状を有し、
各筒状部材は、前記曲面形状の端壁部に設けられている。
管状筐体の端壁部の耐圧を強化するために、端壁部は、平板形状より軸方向外側に凸の曲面形状とする方が望ましい。一方、曲面形状の端壁部は、紫外光透過部材を直付けするときの取付構造を複雑化する。
この構成によれば、紫外光透過部材の取付上の自由度が高められているので、端壁部が曲面形状であっても、紫外光の望ましい強度パターンを処理空間に生成するときの望ましい取付位置に紫外光透過部材を支障なく取り付けることができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記筐体に対する各筒状部材の傾斜角は、前記処理空間の形状に応じて、設定されている。
端壁部が曲面形状であるときは、平面形状にあるときよりも、端壁部に傾斜して部材を取り付けることは難しくなる。この構成によれば、紫外光透過部材は筒状部材を介して取り付けられるので、壁部に対して傾斜させて紫外光透過部材を設けるときの紫外光透過部材の取付上の制約を低減することができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記複数の光源モジュールの各々の前記紫外光透過部材は、前記被殺菌流体の圧力に応じた厚さを有する。
この構成によれば、紫外光透過部材を必要最小限の厚さに設定することができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記筒状部材は、内面に前記紫外光を反射する反射面を有する。
この構成によれば、筒状部材が内面に紫外光を反射する反射面を有することにより、紫外光透過部材から筒状部材の連通空間に進入した紫外光が、筒状部材の基端部に達するまでの減衰量を低下させることができる。
好ましくは、本発明の流体殺菌装置において、
前記複数の光源モジュールの各々は、
前記紫外光光源が表面に取付けられている基板と、
前記基板の裏面に取り付けられた液冷モジュールと、
を備え、
前記液冷モジュールは、
冷媒液が循環する循環路と
前記冷媒液を前記循環路に循環させるポンプと、
前記循環路に設けられるとともに、前記基板の裏面に当接される液冷ヒートシンクと、
前記循環路に設けられ、前記冷媒液と外気との間の熱交換を行う熱交換部と、
を有する。
この構成によれば、各光源モジュールが、基板の裏面に冷媒液で冷却する液冷モジュールを備える。そして、液冷モジュールは、循環路、ポンプ、液冷ヒートシンク及び熱交換部を備えるので、冷媒液は、液冷モジュールの中で循環可能になっている。これにより、各光源モジュールから循環路を外に引き出す必要がなくなるので、筐体の外に冷媒液の循環用管路が長く延び出す弊害を排除することができる。
流体殺菌装置(第1実施形態)の側面図である。 図1において筒状部材と光源モジュールとの接合部の内部構造の詳細図である。 図2Aの接合部の変形例を示した図である。 図1において筒状部材から取り外した光源モジュールを筒状部材の側から見た図である。 図1において流体殺菌装置から光源モジュールを外した状態で流体殺菌装置を光源モジュールの側から見た図である。 図1の流体殺菌装置において筒状部材側の部分を、筒状部材と光源モジュールとの接合部の内部を透過して示した図である。 水冷モジュールの詳細図である。 筐体内の処理空間における紫外光の照射状態を示す図である。 筐体内の処理空間における紫外光の別の照射状態を示す図である。 窓径と石英板の厚さの関係を示すグラフである。 第2実施形態の主要部を示す図である。 第2実施形態を軸方向に端壁部側から見た図である。 第3実施形態の主要部を示す図である。 第3実施形態において処理空間内の紫外光の照射状態を示す図である。 第4実施形態の主要部を示す図である。 第5実施形態の主要部を示す図である。 第5実施形態において処理空間内の紫外光の照射状態を示す図である。 第6実施形態の主要部を示す図である。 第7実施形態の主要部を示す図である。
以下に、本発明の好適な複数の実施形態を詳細に説明する。以下の説明において、各実施形態において実質的に同一又は等価な要素及び部分については、共通の参照符号を使用している。
(第1実施形態)
図1は、流体殺菌装置10の側面図である。この流体殺菌装置10は、横置きで配置され、流体殺菌装置10は、軸方向を水平方向に合わせた筐体11を有している。筐体11は、軸方向に一端側から他端側に順番に、テーパ部12、円筒管部13及び端壁部14を有し、軸方向に長い管状筐体の構造となっている。
この実施形態では、流体殺菌装置10の大まかな寸法として、円筒管部13の内径は、リザーバ30cmから数mまでの範囲を想定している。
流入管17は、内面側に流入口を有し、中心線を筐体11の中心線に揃えて、テーパ部12の小径側の端部に接続されている。流出管18は、内面側に流出口を有し、円筒管部13の端壁部14側の端部の外周部に接続され、筐体11の径方向に突出している。
不図示のポンプは、被殺菌流体(例:水)を圧送して、流入管17の流入口から筐体11内に流入させる。そして、被殺菌流体を筐体11内において軸方向に流した後、流出管18の流出口から、筐体11の外に流出させる。
複数の筒状部材22は、基端部において端壁部14の外面の対応位置に溶接あるいはボルト締め等により取り付けられている。筒状部材22は、直管型であり、連通空間69(図7)を内面側に有している。各筒状部材22は、先端部にフランジ27を有している。
端壁部14は、筐体11の軸方向の外側に凸の曲面形状(椀形)に形成され、耐圧性を強化している。各筒状部材22の基端部は、該筒状部材22の中心線が端壁部14の外面の法線方向に一致するように、端壁部14の外面に固定されている。したがって、径方向の中心に位置する筒状部材22は、筐体11の軸方向に延び出し、その他の筒状部材22は、基端側を円筒管部13の中心線の方へ向けるように、延び出している。
図2Aは、図1において筒状部材22と光源モジュール25との接合部の内部構造の詳細図である。筒状部材22は、光源モジュール25側の端部においてフランジ27を有する。フランジ27は、部分27a,27bを備える。部分27aは、筒状部材22の本体に一体に形成され、内周側に凹所として形成され窓部29を有する。部分27bは、石英板31が窓部に29に嵌挿されてから、部分27aに接合される。
石英板31は、所定の耐圧を有する厚さで平板の板状に形成されている。図示は省略しているが、石英板31の周縁からの水漏れを防止するために、例えばシールリングが石英板31の周縁に嵌着されている。なお、窓部29は、連通空間69(図7)の先端側の開口でもある。
光源モジュール25は、リフレクタ36、LED基板37及び水冷モジュール47(図6)を有している。図2Aでは、水冷モジュール47の水冷ヒートシンク39のみを示し、その他の部分の図示を省略している。水冷モジュール47は、ブラケット33を筒状部材22のフランジ27に接合することにより、筒状部材22に取り付けられる。
複数のLED光源42は、均一の分布密度でLED基板37の表面に実装されている。LED光源42は、例えば、深紫外光(UV)を生成するUV−LEDである。複数のLED光源42の光軸は、相互に平行になっている。光源モジュール25において、LED光源42の光軸は、光源モジュール25の中心線に平行に揃えられている。光源モジュール25が筒状部材22に取り付けられた状態では、LED光源42の光軸は、石英板31の面に垂直になる。
リフレクタ36は、各LED光源42に対応する位置にリフレクタ面44を有している。各LED光源42が出射する紫外光は、リフレクタ面44で反射することにより径方向外側への広がりを抑制されて、リフレクタ36から石英板31に入射する。
図2Bは、図2Aの接合部の変形例を示した図である。図2Aの構造との相違点は、光源モジュール25がリフレクタ36の代わりに、TIRレンズ40を備えることである。各TIRレンズ40は、共通のレンズ基板41に形成されて、突出側においてLED光源42を覆っている。TIRレンズ40及びレンズ基板41は、共に石英から成る。LED光源42からの紫外光は、TIRレンズ40内を全反射しつつ、石英板31の方へ出射する。
LED光源42からの紫外光が、図2BのTIRレンズ40を介して石英板31に入射する状態は、図2Aのリフレクタ面44を介して石英板31に入射する状態と同一になるように、TIRレンズ40の寸法等の諸元が設定される。
図3は、図1において筒状部材22から取り外した光源モジュール25を筒状部材22の側から見た図である。図3の光源モジュール25は、図2BのTIRレンズ40を備える光源モジュールとなっている。継手54a,54bについては、図6で説明する。
図4は、図1において流体殺菌装置10から光源モジュール25を外した状態で流体殺菌装置10を光源モジュール25の側から見た図である。なお、水冷ヒートシンク39は、その外形の寸法をフランジ27の寸法と対比するために、破線で示している。フランジ27の内周側に石英板31が露出し、水冷ヒートシンク39は、石英板31を覆いかつフランジ27から径方向外側にはみ出ない寸法となっている。
図5は、図1の流体殺菌装置10において筒状部材22側の部分を、筒状部材22と光源モジュール25との接合部の内部(簡略した内部構造)を透過して示した図である。なお、図5以降、該接合部の内部を透過して示した図では、部分27a,27bの細かな輪郭は、省略している。詳細な輪郭は、図2A又は図2Bのとおりである。
図6は、水冷モジュール47の詳細図である。水冷モジュール47は、水冷ヒートシンク39、ハウジング48、ポンプ49、リザーバ50、ラジエータ51、ファン52、チューブ53a,53b、及び継手54a,54bを備えている。
ポンプ49及びリザーバ50は、ハウジング48の内側に収容されている。ブラケット33、水冷ヒートシンク39、ハウジング48及びラジエータ51は、結合して、一体となって、フランジ27に取り付けられる。チューブ53aは、リザーバ50と継手54aとを接続している。チューブ53bは、ラジエータ51と継手54bとを接続している。
ポンプ49、ラジエータ51、チューブ53b、水冷ヒートシンク39、チューブ53a及びリザーバ50は、冷媒液としての水の循環路を形成する。詳細には、ポンプ49から吸入した水をラジエータ51へ吐出する。ラジエータ51は、ファン52からの空気により冷却され、水と空気との熱交換器として作用する。
ラジエータ51から出た水は、チューブ53bを経て液冷ヒートシンクとしての水冷ヒートシンク39に流入する。冷媒は、水冷ヒートシンク39を通過中、LED基板37を冷却し、その後、チューブ53aを経てラジエータ51に戻る。
液冷モジュールは、例えば冷媒液を水とする水冷モジュール47である。水冷モジュール47は、ブラケット33をフランジ27に固定することにより、光源モジュール25に装備される。水冷モジュール47は、循環路、ポンプ49、水冷ヒートシンク39及びラジエータ51を備えるので、冷媒液としての水は、水冷モジュール47の中で循環可能になっている。これにより、各光源モジュール25から循環路を外に引き出す必要がなくなるので、筐体11の外に水の循環用管路が長く延び出す不都合が排除される。
図7及び図8は、筐体11内の処理空間68における紫外光の相互に異なる照射状態を示す図である。各光源モジュール25は、複数のLED光源42を備えるので、図7に図示の紫外光は、各光源モジュール25の複数のLED光源42からの紫外光透過部材を重ね合わせたものになっている。
なお、図7以降において、流体殺菌装置10の形状の輪郭線と、光源モジュール25から出射する紫外光の光縁とが混在する際は、両者を区別するために、輪郭線は実線で図示し、光縁は破線で図示する。
処理空間68は、筐体11の内面側に形成されて、被殺菌流体が流れる空間と定義する。処理空間68には、全部ではないが、光源モジュール25からの所定の閾値以上の強度の紫外光が照射され、通過中の被殺菌流体が該紫外光により殺菌されるようになっている。
連通空間69は、筒状部材22の内側に形成された空間と定義する。処理空間68と連通空間69とは、連通空間69の基端側の開口において相互に連通している。筐体11内が被殺菌流体により満たされると、連通空間69も被殺菌流体により満たされることになる。
筐体11及び筒状部材22は、この例では、ステンレスで作られている。ステンレスは、紫外光に対する反射率が高い材料でもある。この結果、光源モジュール25から連通空間69の先端側に入射した紫外光は、強度の減衰を十分に抑えられて、連通空間69の基端側から処理空間68内に照射される。
光源モジュール25が出射する紫外光の強度は、LED光源42の通電電流の増大に連れて、増大する。各光源モジュール25へのLED光源42の通電電流は、全部の光源モジュール25に共通の図示していない給電装置が供給することになっている。該給電装置は、光源モジュール25ごとに通電電流を設定することができる。
なお、紫外光は、所定の広がり角で広がりつつ前進する。図7及び図8においても、紫外光が各筒状部材22から遠方に進むほど、径方向に広がって、径方向の照射範囲が増大している。
図7の流体殺菌装置10では、光源モジュール25のLED光源42の通電電流は、どの光源モジュール25も等しく設定されている。この結果、処理空間68の所定の軸方向位置(例:円筒管部13の軸方向中心位置)の横断面(軸方向に対して垂直の断面)に紫外光の強度パターンは、径方向にほぼ一様の強度となる。
なお、紫外光の照射領域は、図7から直接読み取ることができるが、紫外光の強度は、直接、読み取ることができない。しかしながら、強度の大きい紫外光ほど、軸方向に端壁部14から遠い位置に届く。したがって、図7において、軸方向の紫外光の到達位置(照射領域の区切り線)から、おおよその強度分布を間接的に読み取ることができる。
図8の流体殺菌装置10では、鉛直方向に上側に配置された光源モジュール25ほど、出射する紫外光の強度が大きくなるように、各光源モジュール25へのLED光源42の通電電流が制御される。このようにした理由は、次のとおりである。
被殺菌流体(例:水)は、処理空間68において、少なくとも軸方向中間部では、軸方向に平行に層流で流れている。処理空間68の流速は、径方向位置による差異は小さい。これに対し、被殺菌流体が、流入管17の流入口から処理空間68に流入して、流出管18の流出口から流出するまでに要する通過時間は、流出管18に近い層流ほど、すなわち、円筒管部13内において鉛直方向に上側を流れる紫外光ほど、通過時間は短くなる。
通過時間が短いと、その分、筐体11内を通過中の紫外光の照射時間が短くなる。このことは、殺菌処理時間の減少を意味する。これに対処するため、通過時間の短い被殺菌流体に対する紫外光の強度を大きくする必要がある。鉛直方向の上側に配置された光源モジュール25からの紫外光の出射強度を増大すれば、通過時間が短いために照射時間が短い紫外光に対する殺菌を高めることができる。
径方向に流出管18に近い領域を流れる被殺菌流体に対する紫外光の上げるために、光源モジュール25の通電電流を増大する代わりに、光源モジュール25の分布密度を増大してもよい。
(紫外光透過部材の厚さ)
図9は、窓部29の径Dと紫外光透過部材の厚さtの関係を示すグラフである。窓部29の形状は、図9の例では、円としている。窓部29の径Dが増大するほど、規定の耐圧を確保するために、紫外光透過部材の厚さtは増大する。
円形の石英板31の厚さをt、窓径(窓部29の径)をD、耐圧をP、安全係数を4としたとき、それらの関係式は、次の式(1)となる。
Figure 2021069586
図9では、P=1.75MPaを想定している。P=1.75MPaを式(1)に適用すると、窓径Dと厚さtとの関係の計算結果は、次のようになる。
D=10cm:t=2.00cm
D=30cm:t=5.15cm
D=40cm:t=6.87cm
D=50cm:t=8.59cm
第1実施形態では、光源モジュール25ごとに窓部29を設けるので、所定の耐圧を確保できる厚さtは、薄くて済む。これに対し、円筒管部13の端壁部14側の端の開口の全体を窓としている流体殺菌装置もある(例:特開2019−141292号公報)。その場合、窓径は、円筒管部13の内径に等しくなってしまう。小容量型の流体殺菌装置10では、厚さtは、製造上支障の生じるほど厚い値にならないが、大容量型の流体殺菌装置10では、厚さtが製造上支障が生じるほど厚い値になってしまう。
第1実施形態では、光源モジュール25ごとに窓部29を設けるので、流体殺菌装置10の容量の増大に対しても、石英板31の製造や取付に支障が生じることを回避することができる。
第1実施形態では、円筒管部13の端壁部14側の開口の径に関係なく、Dを一律に例えば10cmに規定し、円筒管部13の端壁部14側の開口の径に応じて窓部29の個数を設定している。この場合、各窓部29の石英板31は、厚さt=2cmで十分の耐圧を確保することができる。
なお、実施形態によっては、窓部29の径を流体殺菌装置10の全体で等しくすることなく、窓部29の位置に応じて窓部29の径を設定することもできる。そして、径に応じて及び位置に応じて、基準の耐圧Pを確保できる必要最小限の厚さtの石英板31を選択することもできる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の主要部を示す図である。図11は、第2実施形態を軸方向に端壁部14側から見た図である。第2実施形態では、第1実施形態(図1、図7及び図8)に対し筒状部材22の個数が増大している。
第1実施形態では、複数の光源モジュール25は、円筒管部13の径方向の中心の1つの光源モジュール25を包囲する複数の光源モジュール25の円周配列は、1つになっている。これに対し、第2実施形態では、径方向内側と外側との2つになっている。
図11からわかるように、径方向の内側及び外側の円周配列共に、光源モジュール25は等角度間隔で配置されている。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態の主要部を示す図である。図13は、第3実施形態において処理空間68内の紫外光の照射状態を示す図である。第1実施形態(図1)に対する第3実施形態の相違点は、筒状部材22が、円筒管部13の軸方向に平行に端壁部14の外面に取り付けられている点である。したがって、全部の筒状部材22の中心線は、円筒管部13の軸方向に対して傾斜することなく、平行になっている。
第3実施形態では、各光源モジュール25からの紫外光は、中心線を円筒管部13の中心線に平行に揃えつつ、テーパ部12の方へ所定の広がり角で進んでいくことになる。
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態の主要部を示す図である。第3実施形態(図13)に対する第4実施形態の相違点は、光源モジュール25の取付け個数が、増大した点である。光源モジュール25の個数を増大した分、処理空間68における紫外光の強度を増大することができる。あるいは、処理空間68の紫外光に対する殺菌力を維持したまま、各光源モジュール25からの紫外光の強度を低下することができる。
第4実施形態では、複数の筒状部材22の各長さは、等しくなっているが、相違させてもよい。筒状部材22の先端を軸方向に段違いにすることにより、光源モジュール25が各筒状部材22の先端に取り付け易くなることがある。
(第5実施形態)
図15は、第5実施形態の主要部を示す図である。図16は、第5実施形態において処理空間68内の紫外光の照射状態を示す図である。
第5実施形態では、筒状部材22は、端壁部14ではなく、テーパ部12の外面に取り付けられている。テーパ部12の外面において、径方向の中心部には流入管17が存在するので、筒状部材22の取付は、テーパ部12の外面の径方向の周辺部となる。テーパ部12の外面は、平面ではなく、テーパの曲面(ほぼ円錐側面)になっている。
各光源モジュールからの紫外光の一部は、連通空間69では、筒状部材22の内面で反射して、径方向の向きを変える。したがって、紫外光は、処理空間68において隅々まで照射される。
このような曲面に石英板31を直付けするときは、取り付け構造が複雑になるが、筒状部材22の基端部をテーパ部12の曲面に取り付けることになるので、取付構造の複雑化は、回避される。
筒状部材22は、基端側が円筒管部13の中心線に向くような傾斜角でテーパ部12に取り付けられている。紫外光のうち、処理空間68において径方向の最も外側を端壁部14の方へ進む紫外光は、円筒管部13の内面に当たることなく、円筒管部13の軸方向に平行に進むように、各筒状部材22の取付上の傾斜角が設定されている。
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態の主要部を示す図である。第5実施形態(図15)に対する第6実施形態の相違点は、流入管17を径方向外側から包囲する光源モジュール25の円周配列が1つではなく、2つ存在することである。この結果、流体殺菌装置10が大容量化しても、基準以上の強度の紫外光で処理空間68内を照射することができる。
(第7実施形態)
図18は、第7実施形態の主要部を示す図である。第7実施形態では、筒状部材22は、円筒管部13の軸方向に対して平行にテーパ部12の外面に取り付けられている。
(変形例)
実施形態では、筒状部材22を、反射率の高いステンレスで生成することにより、筒状部材22内での紫外光の強度の減衰を抑制している。本発明では、筒状部材22の内面に反射材料を被覆(コーティング)したりして、被覆材で覆ったりして、反射率を一層高めることができる。
実施形態では、本発明の筒状部材として筒状部材22が備えられている。本発明の筒状部材は、直線状の連通空間69が内面側に形成されていれば、円筒構造でなくても、角柱構造であってもよい。
実施形態では、それぞれ流入口及び流出口を有する流入管17及び流出管18は、それぞれ1本ずつ設けられている。本発明の流体殺菌装置は、流入管17又は流出管18を2本以上備えていてもよい。
実施形態では、流出管18は、円筒管部13から径方向外側に突出している。本発明では、流出管18は、中心線を円筒管部13の中心線に揃えて端壁部14に取り付けることもできる。その場合、筐体11内の被殺菌流体の流れは、流出管18において90°方向転換することがないので、被殺菌流体の乱流の発生を防止することができる。
実施形態では、光源としてLED光源42が用いられている。本発明では、LED以外の光源を紫外光光源として用いることができる。
実施形態では、紫外光透過部材として石英板31が用いられている。本発明では、紫外光透過部材としてフッ素樹脂、シリカガラス、サファイア及びMgOを用いることができる。
実施形態において、円筒管部13の壁部は、管状筐体としての筐体11の周壁部を構成する。テーパ部12及び端壁部14は、筐体11の軸方向の両側の端壁部を構成する。テーパ部12は流入口側の端壁部であり、端壁部14は流出口側の端壁部である。実施形態のテーパ部12及び端壁部14は、曲面形状の端壁部であるが、本発明の端壁部は、平板形状であってもよい。
10・・・流体殺菌装置、11・・・筐体(管状筐体)、12・・・テーパ部(端壁部)、13・・・円筒管部、14・・・端壁部、17・・・流入管、18・・・流出管、22・・・筒状部材、25・・・光源モジュール、29・・・窓部、31・・・石英板、33・・・ブラケット、・・・リフレクタ、37・・・LED基板、39・・・水冷ヒートシンク、42・・・LED光源、47・・・水冷モジュール、68・・・処理空間、69・・・連通空間。

Claims (7)

  1. 被殺菌流体が流入口から流入して流出口から流出する処理空間を有する筐体と、
    各々が、前記処理空間に連通する連通空間を有し、かつ前記筐体の壁部に外方に突出して取り付けられている複数の筒状部材と、
    各々が、前記筒状部材の先端部に、該先端部の開口端を覆うように取付けられた板状の紫外光透過部材と、該紫外光透過部材を経て前記処理空間に向かって紫外光を照射する紫外光光源とを有する複数の光源モジュールと、
    を備えることを特徴とする流体殺菌装置。
  2. 請求項1に記載の流体殺菌装置において、
    前記筐体は、軸方向の両端部にそれぞれ前記流入口と前記流出口と備え、前記被殺菌流体が前記処理空間において前記軸方向に沿って流れる管状筐体であり、
    各筒状部材は、前記管状筐体の前記壁部に設けられていることを特徴とする流体殺菌装置。
  3. 請求項2に記載の流体殺菌装置において、
    前記管状筐体は、周壁部と、該周壁部の両側を覆う端壁部とを有し、
    前記軸方向に少なくとも一側の端壁部は、前記軸方向の外側に凸となる曲面形状を有し、
    各筒状部材は、前記曲面形状の端壁部に設けられていることを特徴とする流体殺菌装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体殺菌装置において、
    前記筐体に対する各筒状部材の傾斜角は、前記処理空間の形状に応じて、設定されていることを特徴とする流体殺菌装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体殺菌装置において、
    前記複数の光源モジュールの各々の前記紫外光透過部材は、前記被殺菌流体の圧力に応じた厚さを有することを特徴とする流体殺菌装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体殺菌装置において、
    前記筒状部材は、内面に前記紫外光を反射する反射面を有することを特徴とする流体殺菌装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体殺菌装置において、
    前記複数の光源モジュールの各々は、
    前記紫外光光源が表面に取付けられている基板と、
    前記基板の裏面に取り付けられた液冷モジュールと、
    を備え、
    前記液冷モジュールは、
    冷媒液が循環する循環路と
    前記冷媒液を前記循環路に循環させるポンプと、
    前記循環路に設けられるとともに、前記基板の裏面に当接される液冷ヒートシンクと、
    前記循環路に設けられ、前記冷媒液と外気との間の熱交換を行う熱交換部と、
    を有することを特徴とする流体殺菌装置。
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