JP2021066887A - 容器又は平板の成形物、樹脂組成物及びその樹脂ペレットの製造方法 - Google Patents

容器又は平板の成形物、樹脂組成物及びその樹脂ペレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物由来の木材から抽出される非晶質樹脂材料成分を応用することで、耐熱性、硬度、コスト、生分解性において優れた成形用の樹脂組成物を提供する。【解決手段】 樹脂組成物は、ヘミセルロースをメタクリレート化をもしくはアクリレート化の化学反応を適用し、ヘミセルロース自体もしくはヘミセルロース誘導体にメタクリル基もしくはアクリロイル基が付いている分子構造を有するヘミセルロースモノマーである。このヘミセルロースモノマーは、射出成形に優れた樹脂組成物である。【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂組成物及びその樹脂組成物を使用した容器又は平板の成形物、樹脂ペレットの製造方法に関する。特には生分解性を有している成形用の樹脂組成物に関する。
従来から成形用樹脂材料としてはPP、PE、PET、PC、PMMA、PS、COP、COCなどの化学合成のプラスチックが使われている。現状、これら化学合成のプラスチックは二酸化炭素発生と環境汚染の問題があるものの、これらの問題はほぼ無視されて使われている。
このような状況から、作成時に二酸化炭素発生をしないように、植物のような自然の材料の成分から作られる樹脂組成物が開発されている。また、微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解される生分解性を持つ樹脂組成物が開発された。このような植物由来の材料であって生分解性を有する樹脂組成物としてはPLA(ポリ乳酸)がある。ポリ乳酸を使った成形物が特許文献1に開示されている。
特開2016−179694号公報
しかしながら、PLAはとうもろこしやサトウキビから作られるためCO発生は少ないが作成プロセスが多く作成コストが高いという問題があった。また、PLAは50℃以上の高温でないと生分解しないといった材料である。このため廃棄された環境では生分解性が全く得られない。また、耐熱性が悪くコップなどの飲料容器といった成形物の場合は熱湯を注ぐと変形してしまうといった問題がある。また、強度的にも弱く成形物を落下させたり、曲げたり、押したりするとひび割れや傷が発生したり破壊したりする。さらに、成形物を射出成形で作成しようとすると、PLAは流動性が悪く射出成形のサイクル時間が長くなったり、射出成形不良が生じやすいといった成形物の量産上の問題があったりもする。つまり、従来のPLAは、耐熱性、硬度、コスト及び生分解性において課題があった。
本発明者らが鋭意研究した結果、植物由来の木材から抽出される非晶質樹脂材料成分を応用することで、耐熱性、硬度、コスト、生分解性において優れた成形用の樹脂組成物を提供する。またこの樹脂組成物を使用した成形方法を提供する。
本実施形態の樹脂組成物は、植物由来の以下の構造式(化1)の第1樹脂である。化1
Figure 2021066887
また、以下の構造式(化2)である第2樹脂を含んでも良い。
Figure 2021066887

さらに第2樹脂として、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリブテン(PB)、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、アイオノマー樹脂(IO)、フッ素樹脂(FR)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアリルサルホン(PASF)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリルスチレン(MS)、ブタジエン樹脂(BDR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステルカーボネート(PPC)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ノルボルネン樹脂(NB)、ポリアミド(ナイロン)(PA)、テフロン(登録商標)、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシヘキサン酸共重合体(PHBH)、アセチルセルロース(CA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、シリコン樹脂(SI)、エポキシ樹脂(EP)及びポリ乳酸(PLA)のいずれかでもよい。またはそれらの複数でもよい。
また、樹木、竹、草を凍結粉砕して粉体またはペレット状にした木質粉や木質ペレット、竹粉や竹ペレット、草粉体や草ペレット、あるいは紙を凍結粉砕し粉体化させた紙パウダーを第1樹脂に混練しても良いし上記の第1樹脂と第2樹脂に混練しても良い。これらは非常に低価格であることから混練した樹脂ペレット自体の低コスト化が可能であり低価格化が期待できる。木質粉や木質ペレット、竹粉や竹ペレット、草粉体や草ペレット、あるいは紙パウダーや紙ペレットはそのまま第2樹脂と混合すると耐熱性と強度と流動性が劣化するが第1樹脂と混練することによって耐熱性と強度と流動性は向上し、かつ、生分解性も得られる。
樹脂組成物は、第2樹脂として以下の構造式(化3)である第2樹脂を含んでもよい。化3
Figure 2021066887
樹脂組成物は、第1樹脂が10〜90重量%、2樹脂が90〜10重量%であることが好ましい。第1樹脂のR1又はR2の1つ以上がアセチル基であり、第2樹脂はポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン,ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのいずれか1以上を含み、第1樹脂が10〜90重量%、前記第2樹脂が90〜10重量%であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の成形方法は、上述した樹脂組成物を固化したまま樹脂射出部に投入する工程と、樹脂射出部にて前記樹脂組成物を加熱及び圧縮して液体化する工程と、液体化した前記樹脂組成物を加圧して前記樹脂射出部から金型部に射出する工程と、前記金型部にて前記樹脂組成物を冷却して固化させ、前記金型部から成形物を取り出し工程と、とを備える。また液体化した前記樹脂組成物にガスを導入して、該ガスを前記樹脂組成物中に拡散する工程を備えることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は耐熱性、硬度、コスト、生分解性において優れている。
射出成形機10及び金型50を使って、射出成形物を成形する概念図である(ガス無し)。 射出成形機10及び金型50を使って、射出成形物を成形する概念図である(ガス有り)。
<ヘミセルロース、ヘミセルロースポリマー、及びヘミセルロースポリマー>
本実施形態における樹脂組成物は、植物由来の樹脂成分を含んでいる。この樹脂成分は主として木を構成する成分の1種である。木は主として、セルロース、ヘミセルロース、リグニンという3種類の成分から構成されている。ヘミセルロースは非晶質であり非常に均一性が良く、また、融解した後の液体は流動性も良く射出成形材料としては好適である。セルロースは結晶性が高く、また、繊維状の物質であり射出成形材料の主成分としては適していない。また、リグニンも結晶性が高く、流動性が悪いことから射出成形材料の主成分としては適していない。ヘミセルロースだけが非晶質材料であり液化した際に射出成形におけるシリンダ内部に均一に流れることが可能である。
ヘミセルロースには、マンナン、グルカン、キシラン、キシログルカンといった複合多糖がある。本実施形態においてはこれらのいずれも使うことができる。また、ヘミセルロースにはセルロースが少量含まれていても良いしリグニンが少量含まれていてもいい。ヘミセルロースの中で、キシランが使用されることが好ましい。ヘミセルロースの分子量(重量平均分子量Mw)は一般に1,000〜100,000であるが、分子量30,000〜100,000の場合、射出成形が行われた際の成形物として強度が良好である。
ヘミセルロースは生分解性が良好である。ヘミセルロースはセルロース及びリグニンよりも生分解速度が早く、また、低温、例えば摂氏5度ら高温まで生分解性が良好である。常温においてもヘミセルロースは微生物により分解されて3ヶ月後には水と炭酸ガスとになる。土の中に埋められた場合、ヘミセルロースは土壌中の微生物によって分解される。海水中においてもヘミセルロースは微生物によって分解される。ヘミセルロースは環境に調和した材料である。
ヘミセルロースは木の成分であるから化学合成自体が不要である。すなわち、原料の化学合成に伴う二酸化炭素が発生することなく、また植物由来の木は光合成によって二酸化炭素を消費する。
ヘミセルロースは以下の構造式を有する。分子構造中に以下の構造を含んでいるものを本実施形態においては使うことができる。化3
Figure 2021066887

R5及びR6は置換基を表す。R5及びR6は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基などであるがこれらに限定されない。それらを構造中に含む置換基であってもよい。また、フッ素、臭素 、塩素、ヨウ素などでも良いし、それらを構造中に含む置換基であってもいい。また、イオン液体構造を形成するカチオンやアニオンといったイオン化置換基であってもよいし、それらを構造中に含む置換基であってもよい。R5の置換基とR6の置換基とが異なっていてもよい。
この基本構造を含むことで生分解性が得られ、また、耐熱性、強度、流動性、透明性が得られる。射出成形が可能であり、射出成形で得られた成形物は、生分解性が有り、耐熱性、強度、流動性、透明性は良好である。なお、nは2以上の整数である。なお、後述するように、木材チップからヘミセルロースの成分が抽出された状態では、R5及びR6が水素である。R5及びR6が水素の場合が一般には「ヘミセルロース」と呼ばれている。R5及びR6が水素であるヘミセルロース自体は、親水性が高いことから水分を取り込みやすい。吸水性が高いと、成形品の用途によっては、寸法、体積、重量が経時的に変化しやすいため好ましくない場合がある。また成型品の用途によっては、成形物の強度、透明性もしくは耐熱性が悪くなる。このような吸水による問題を解決するにはヘミセルロースの分子におけるRを上述のような置換基、アセチル基、アセトニル基、イオン化置換基といった置換基に変更した方が好ましい。水素以外の様々な置換基に置換されたものをヘミセルロース誘導体という。代表的なヘミセルロース誘導体においてはR5及びR6がアセチル基となっている。
また本実施形態の第1樹脂であるヘミセルロースポリマーは、ヘミセルロース自体もしくはヘミセルロース誘導体に他の樹脂が結合した分子構造を有する。ヘミセルロースポリマーは以下の構造式を有する。分子構造中に以下の構造を含んでいるものを本実施形態においては使うことができる。化1
Figure 2021066887
R1、R2及びR3は置換基を表す。R1、R2及びR3は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基などであるがこれらに限定されない。それらを構造中に含む置換基であってもよい。また、フッ素、臭素 、塩素、ヨウ素などでも良いし、それらを構造中に含む置換基であってもいい。また、イオン液体構造を形成するカチオンやアニオンといったイオン化置換基であってもよいし、それらを構造中に含む置換基であってもよい。R1の置換基とR2の置換基とが異なっていてもよい。
A、Qはそれぞれ独立に単結合または連結基を表し、Qが連結基である場合、Qとしては、アルキレン基、−O−、−NH2−、カルボニル基などを含む基が挙げられる。Aが連結基である場合、Aとしては、アルキレン基、−O−、−C(=O)O−などを含む基が挙げられる。なお、nは2以上の整数であり、mは1以上の整数である。mが2以上の場合には上記構造式のR3が同一でも異なっても良く、Qも同一であっても異なっていてもよく、AとQとが同一であっても異なっていてもよい。ヘミセルロースポリマーの分子量(重量平均分子量Mw)は1,000〜10,000,000であるが、分子量30,000〜1,000,000の場合、射出成形が行われた際の成形物として強度が良好である。
<ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、及びヘミセルロースモノマーの作成>
木材を小さく粉砕した破片を木材チップと呼ばれる。この木材チップがブタノールを含んだ水溶液に入れて加熱される。するとこの液体は、ブタノール及びリグニンの相と水及びヘミセルロースの相とに分離する。セルロースは固体として沈殿する。水及びヘミセルロースの相から水を除去することでヘミセルロースの粉体を得ることができる。この粉体のヘミセルロースは構造式におけるR5及びR6が水素である。この場合、親水性が高いことから水分を取り込みやすい。このように吸水性が高いと成形物における寸法、体積、重量が経時的に変化しやすく、また成形物自体の強度、透明性、耐熱性が悪くなることがある。
そのため、ヘミセルロース自体にアセチル化反応が行われることで構造式におけるR5及びR6の水素をアセチル基に変更し、ヘミセルロース誘導体を作成することができる。アセチル基以外にも、化学反応により構造式におけるR1及びR2を、アセトニル基、プロぺニル基、カルボキシル基等の置換基に変更してこれらのヘミセルロース誘導体を作成することが可能である。このヘミセルロース誘導体の作成は、従来の糖誘導体作成技術で実施された。この糖誘導体作成技術は、山形大学、日本化薬株式会社、株式会社堀場エステック、神戸天然物化学株式会社又は株式会社林原がそれぞれ提案している技術である。
ヘミセルロース自体及びヘミセルロース誘導体は、メタクリレート化をもしくはアクリレート化の化学反応を適用することができる。この化学反応を適用すると、ヘミセルロースメタクリレート、ヘミセルロースアクリレートというモノマーとなる。このモノマーはヘミセルロース自体もしくはヘミセルロース誘導体にメタクリル基もしくはアクリロイル基が付いている分子構造を有する。特にメタクリレート、アクリレートに限られるものではない。これをヘミセルロースモノマーと呼ぶ。ヘミセルロースモノマーを重合反応することで樹脂となりヘミセルロースポリマーが得られる。ヘミセルロースポリマーには様々な樹脂材料の性質を持たせることができる。ヘミセルロースメタクリレートを重合することで得られるポリヘミセルロースメタクリレートは、ヘミセルロースとポリメチルメタクリレート(PMMA)との両方の性質を持っており、生分解性を持つと同時に透明性が高く強度も良好なプラスチックとなる。メタクリレート化やアクリレート化は、従来の紫外線硬化樹脂の原料モノマーであるメタクリレートモノマーやアクリレートモノマーを合成する技術を使うことができる。本実施形態におけるヘミセルロースモノマーの作成は、神戸天然物化学株式会社、日本化薬株式会社又は大阪有機化学工業株式会社が有する、従来のモノマー合成技術を使って実施した。ヘミセルロースモノマーの重合反応には従来のポリマーの重合やブロックコポリマーなどの重合に使われているラジカル重合やアニオン重合やリビングラジカル重合やリビングアニオン重合などの重合技術を使うことができる。本実施形態におけるヘミセルロースポリマーの作成にも従来技術が用いられた。この重合反応は、株式会社堀場エステック、アルケマ株式会社又は日本化薬株式会社が提案するポリマーソースの重合技術を使うことで実施した。
ヘミセルロース自体及びヘミセルロース誘導体は、以下のように、メタクリレート化され(以下の式中、Rがヘミセルロース又は及びヘミセルロース誘導体)、このヘミセルロースメタクリレートを重合することでポリヘミセルロースメタクリレートが得られる。
Figure 2021066887

またヘミセルロース自体及びヘミセルロース誘導体は、以下のように、アクリレート化され(以下の式中、Rがヘミセルロース又は及びヘミセルロース誘導体)、このヘミセルロースアクリレートを重合することでポリヘミセルロースアクリレートが得られる。
Figure 2021066887
<成形用の樹脂組成物>
第1樹脂であるヘミセルロースポリマーは、それら自体で射出成形可能な樹脂組成物及び射出成形用の樹脂ペレットになる。第1樹脂であるヘミセルロースポリマーは、第2樹脂と混合することができる。射出成形可能な樹脂組成物を得るにはヘミセルロースポリマーの粉体と第2樹脂の紛体もしくは第2樹脂ペレット等を混合して押出混練装置に投入すればよい。
押出混練装置で、第1樹脂と第2樹脂とが溶融混練されて、混錬された樹脂組成物が押出混練装置のノズルから円筒状に押し出される。その円筒状の樹脂をペレタイザーでカッティングすることで樹脂組成物の樹脂ペレットが作成される。樹脂ペレットは、直径0.2〜3mm、長さ0.2〜5mmの樹脂細片である。
第2樹脂は、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ乳酸(PLA)などがあげられるがこれらの樹脂に限られることはない。
第2樹脂は以下の構造式の樹脂を混合することもできる。一例としてポリメチルメタクリレート(PMMA、アクリル)が含まれる。化2
Figure 2021066887
ここで、R4は置換基を表し、R1,R2又はR3の置換基と同様である。
またAは単結合を表し、Qは単結合または連結基を表し、上述したA,Qと同様である。
nは2以上の整数である。
第2樹脂の分子量(重量平均分子量Mw)は1,000〜10,000,000であるが、分子量30,000〜1,000,000の場合、射出成形が行われた際の成形物として強度が良好である。
第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物の樹脂ペレットは、射出成形装置に投入されて、成形金型に応じて様々な形状の成形物を得ることができる。本実施形態の樹脂組成物を使った成形物は、土中もしくは海水中に入れた場合、その樹脂組成物中の第1樹脂が第2樹脂に分子レベルで混ざり合っている。第1樹脂が微生物等によって生分解すると第2樹脂自体も分子レベルで分解することになり生分解が進行する。すなわち、第1樹脂は第2樹脂自体に生分解性を持たせる役割を果たす。この第2樹脂に対しても第1樹脂が生分解性を持たせる役割を果たすことは全く予測できなかったことであった。プラスチックやバイオプラスチックや生分解性プラスチックに携わっている当業者が容易に推測できないことでありこの発明の実施例の実験において実証された。第2樹脂の分子の間に第1樹脂の分子が入り込むことによって第1樹脂が生分解した際に第2樹脂の分子自体が生分解しやすくなると考えられる。
また、第1樹脂と第2樹脂を分子レベルで混合した場合、第1樹脂のみに比較し、耐熱性、強度、流動性、転写性、光学特性が向上することが判明した。これは全く予測できなかったことであった。プラスチックやバイオプラスチックや生分解性プラスチックに携わっている当業者が容易に推測できないことでありこの発明の実施例の実験において実証された。これは第1樹脂の分子と第2樹脂の分子が複雑に絡み合うことによって、高温であっても安定し、また、強度も向上し、光学的にも均一な材料となったことから全光線透過率や複屈折が向上したと考えられる。さらに、第1樹脂が融解した際に第2樹脂の溶媒としての機能もするため粘度が下がり流動性が向上し転写性も良くなったと考えられる。
<<光成形による成形物>>
<第1実施形態>
ヘミセルロースポリマーとしてはポリヘミセルロースメタクリレートを使った。ポリヘミセルロースメタクリレートの分子構造を以下の通りである。化4
Figure 2021066887

この化学式4は化学式1の構造式でR3がCH3(メチル基)でありQがメチレン基でありAが−C(=O)O−を含む構造である。mは1以上の整数である。
第1実施形態では、第1樹脂として、化学式4の構造式で、R1とR2とがアセチル基のヘミセルロース誘導体を使ったポリヘミセルロースメタクリレート100重量%の樹脂組成物の樹脂ペレット(実施例10)が作成された。同様に第1樹脂として、R1とR2とがアセトニル基のヘミセルロース誘導体を使ったポリヘミセルロースメタクリレート100重量%の樹脂組成物の樹脂ペレット(実施例60)と、R1とR2とがカルボキシル基のヘミセルロース誘導体を使ったポリヘミセルロースメタクリレート100重量%の樹脂組成物の樹脂ペレット(実施例110)とが作成された。これらポリヘミセルロースメタクリレートは、化学式4の構造式である。これらポリヘミセルロースメタクリレートの分子量(重量平均分子量Mw)は100,000である。これらの樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。また比較例としてPLA(ポリ乳酸)(PLAの分子量((重量平均分子量Mw)は100,000である。)100重量%のダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2021066887
ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%のサンプル品は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。また、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%のサンプル品は、PLA(ポリ乳酸)100重量%のサンプル品に比べ、すべての評価項目で優れている。アセチル基を有するポリヘミセルロースメタクリレート、アセトニル基を有するポリヘミセルロースメタクリレート、及びカルボキシル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートの間には、大きな差異はなかった。
なお、後述する第5実施形態から第10実施形態における実施例10、実施例60及び実施例110と比較するため、光成形による成形物による、アセチル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートを実施例10、アセトニル基のポリヘミセルロースメタクリレートを実施例60、カルボキシル基のポリヘミセルロースメタクリレートを実施例110と呼ぶ。
<第2実施形態 アセチル基>
(PMMA)
次に、ヘミセルロースポリマーであるアセチル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPMMAとの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PMMAの分子量(重量平均分子量Mw)は120,000である。
実施例1ではポリヘミセルロースメタクリレート10重量%とPMMA90重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例2ではポリヘミセルロースメタクリレート20重量%とPMMA80重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例3ではポリヘミセルロースメタクリレート30重量%とPMMA70重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例4ではポリヘミセルロースメタクリレート40重量%とPMMA60重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例5ではポリヘミセルロースメタクリレート50重量%とPMMA50重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例6ではポリヘミセルロースメタクリレート60重量%とPMMA40重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例7ではポリヘミセルロースメタクリレート70重量%とPMMA30重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例8ではポリヘミセルロースメタクリレート80重量%とPMMA20重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
実施例9ではポリヘミセルロースメタクリレート90重量%とPMMA10重量%との割合の樹脂組成物の樹脂ペレットが作成された。
これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表2Aに示す。なお表2Aには測定法が掲載されていないが、表1の計測法と同じである。以下の表2Bから表4Eまでも同様である。
Figure 2021066887
第2樹脂がPMMAの場合には、PMMAの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PMMAを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。例えば、耐熱温度を考慮すると、PMMAが60重量%から50重量%含まれる樹脂組成物が良く、引張強度を考慮すると、PMMAが40重量%から10重量%含まれる樹脂組成物が良い。
同様に、ヘミセルロースポリマーであるアセチル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPC,PE、PP及びPETとの組み合わせで、それぞれの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PCの分子量(重量平均分子量Mw)は140,000、PEは160,000、PPは200,000、PETは300,000である。
(PC)
実施例11から実施例19ではPCを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表2Bに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPCの場合には、PCの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPCが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PCが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例10)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
(PE)
実施例21から実施例29ではPEを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表2Cに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPEの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PEが10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれで良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、多くの評価項目で良い結果である。
(PP)
実施例31から実施例39ではPPを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表2Dに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPPの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PPを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、耐熱温度、引張強度、曲げ強度及び流動性の評価項目で良い結果である。
(PET)
実施例41から実施例49ではPETを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表2Eに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPETの場合には、PETの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPETが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PETが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例10)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
<第3実施形態 アセトニル基>
(PMMA)
次に、ヘミセルロースポリマーであるアセトニル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPMMAとの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PMMAの分子量(重量平均分子量Mw)は120,000である。
実施例51から実施例59ではPMMAを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表3Aに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPMMAの場合には、PMMAの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PMMAを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。例えば、耐熱温度を考慮すると、PMMAが60重量%から50重量%含まれる樹脂組成物が良く、引張強度を考慮すると、PMMAが40重量%から10重量%含まれる樹脂組成物が良い。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、多くの評価項目で良い結果である。
同様に、ヘミセルロースポリマーであるアセトニル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPC,PE、PP及びPETとの組み合わせで、それぞれの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PCの分子量(重量平均分子量Mw)は140,000、PEは160,000、PPは200,000、PETは300,000である。
(PC)
実施例61から実施例69ではPCを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表3Bに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPCの場合には、PCの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPCが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PCが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例60)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
(PE)
実施例71から実施例79ではPEを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表3Cに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPEの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PEが10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれで良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、多くの評価項目で良い結果である。
(PP)
実施例81から実施例89ではPPを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表3Dに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPPの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PPを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、耐熱温度、引張強度、曲げ強度及び流動性の評価項目で良い結果である。
(PET)
実施例91から実施例99ではPETを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表3Eに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPETの場合には、PETの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPETが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PETが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例60)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
<第4実施形態 カルボキシル基>
(PMMA)
次に、ヘミセルロースポリマーであるカルボキシル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPMMAとの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PMMAの分子量(重量平均分子量Mw)は120,000である。
実施例101から実施例109ではPMMAを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Aに示す。
これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Aに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPMMAの場合には、PMMAの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PMMAを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。例えば、耐熱温度を考慮すると、PMMAが60重量%から50重量%含まれる樹脂組成物が良く、引張強度を考慮すると、PMMAが40重量%から10重量%含まれる樹脂組成物が良い。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、多くの評価項目で良い結果である。
同様に、ヘミセルロースポリマーであるカルボキシル基を有するポリヘミセルロースメタクリレートとPC,PE、PP及びPETとの組み合わせで、それぞれの割合を変えて、それらを押出混練機で溶融混練し、これらの樹脂組成物の樹脂ペレットを3kg作成した。PCの分子量(重量平均分子量Mw)は140,000、PEは160,000、PPは200,000、PETは300,000である。
(PC)
実施例111から実施例119ではPCを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Bに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPCの場合には、PCの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPCが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PCが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例110)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
(PE)
実施例121から実施例129ではPEを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Cに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPEの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PEが10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれで良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、多くの評価項目で良い結果である。
(PP)
実施例131から実施例139ではPPを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Dに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPPの場合には、全光線透過率および複屈折位相差が悪いので、光学部品又は透過性が要求される成形物には適用できない。しかしながら、それ以外の評価項目は、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。PPを10重量%から90重量%(ヘミセルロースポリマー90重量%から10重量%)に変化させても、それぞれの樹脂組成物で良い点がある。ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%と比べても、耐熱温度、引張強度、曲げ強度及び流動性の評価項目で良い結果である。
(PET)
実施例141から実施例149ではPETを90重量%から10重量%(ポリヘミセルロースメタクリレート10重量%から90重量%)に変化させた。これら9種類の樹脂ペレットを使って光成形によって、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。これらのサンプル品を使い、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率を評価した。その評価結果を表4Eに示す。
Figure 2021066887
第2樹脂がPETの場合には、PETの割合にかかわらず、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、流動性、転写性、全光線透過率、複屈折位相差、不純物濃度、及び生分解率が目標値を上回った。特にPETが60重量%から30重量%(ヘミセルロースポリマー40重量%から70重量%)の樹脂組成物が耐熱温度、引張強度、曲げ強度等が良い。PETが10重量%から90重量%の樹脂組成物は、ポリヘミセルロースメタクリレート100重量%(実施例110)の樹脂組成物と比べても、ほとんどの評価項目で良い結果である。
以上をまとめると、従来のPLA100%重量のものと比較して、アセチル基のヘミセルロースポリマー100重量%、アセトニル基のヘミセルロースポリマー100重量%及びカルボキシル基のヘミセルロースポリマー100重量%は、全ての評価項目において良好な結果となっている。さらに、ヘミセルロースポリマーである第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物は、また、第1樹脂が10〜90重量%、第2樹脂が90〜10重量%である場合が良好な結果が得られていることが理解される。
<<射出成形(ガス無し)による射出成形物>>
<第5実施形態から第7実施形態>
第1実施形態から第4実施形態(実施例1から実施例149)において説明された、第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物の樹脂ペレットを使い、射出成形物が作成された。
図1は、射出成形機10及び金型50を使って、射出成形物を成形する概念図である。図1(a)は、樹脂組成物の樹脂ペレットRPを樹脂射出部にて加熱し液体化する状態を示した図である。(b)は、液体化された樹脂組成物を樹脂射出部から金型部に射出する状態を示した図である。(c)は、金型部を開いて樹脂成形物を取り出す状態を示した図である。
(射出成形機の構成)
射出成形機10は、樹脂組成物の樹脂ペレットRPを入れるホッパー11と、ホッパー11から樹脂ペレットRPが入るシリンダ12と、シリンダ12内に配置される回転可能なスクリュー13と、シリンダ12の外側に配置されたヒータ14とを備えている。またスクリュー13は、駆動部15によって金型方向とその逆方向に移動可能である。シリンダ12の先端のノズル16から液体化した樹脂組成物が射出される。
金型50は、固定側金型52と移動側金型54とからなり、固定側金型52と移動側金型54とが密着した状態で、空洞のキャビティ56が形成される。キャビティ56には、液体化した樹脂組成物が入る孔であるスプールブッシュ55が形成されている。
(射出成形機の成形方法)
樹脂ペレットRPは、スクリュー13の回転によって計量されながらホッパー11から落ちていく。そして、樹脂ペレットRPは、スクリュー13の回転・混練によって発生する摩擦熱及びヒータ14の熱によって溶融(液体化)される。そして計量され液体化された樹脂組成物は、スクリュー13を金型方向に駆動部15によって移動することで、シリンダ12の先端のノズル16から樹脂組成物が金型50のスプールブッシュ55を通ってキャビティ56に射出される。キャビティ56に射出された樹脂組成物は、金型50内で冷却され固化される。その後の移動側金型54が移動し、射出成形機10のノズル16もスプールブッシュ55から離れて、成形物MDが取り出される状態となる。成形物MDは、金型50から自動落下で取り出されたり不図示の取り出し器で取り出されたりする。
成形物MDは、第1実施形態から第4実施形態と同様に、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。評価結果を表5A(第5A実施形態)から表7E(第7E実施形態)に示す。成型品であるので、新たに成形サイクルタイム、成形物欠陥密度、成形物重さの項目が評価対象として追加された。一方、流動性、複屈折位相差及び不純物濃度の項目が評価対象から外れた。なお、樹脂組成物に関しては、第1実施形態(実施例10、実施例60及び実施例110)及び第2A実施形態の実施例1から第4E実施形態の実施例149が第5A実施形態の実施例1から第7E実施形態の実施例149に対応する。
Figure 2021066887
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第1実施形態の実施例10と第5A実施形態の実施例10とを比べて理解されるように、光成形によるアセチル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品と、射出成形によるアセチル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品とは、耐熱強度、引張強度等はほぼ同じである。また第1実施形態の実施例60と第6A実施形態の実施例60とを比べて理解されるように、光成形によるアセトニル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品と、射出成形によるアセトニル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品とは、耐熱強度、引張強度等はほぼ同じである。また第1実施形態の実施例110と第7A実施形態の実施例110とを比べて理解されるように、光成形によるカルボキシル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品と、射出成形によるカルボキシル基のヘミセルロースポリマー100重量%のサンプル品とは、耐熱強度、引張強度等はほぼ同じである。
第5A実施形態、第6A実施形態及び第7A実施形態に示されるように、第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物は、従来のPLA100%重量のものと比較し射出成形に関する、成形サイクル時間、成形物欠陥密度、及び成形物重さの評価項目において良好な結果となっている。また、第1樹脂が40〜70重量%、第2樹脂が60〜30重量%である場合が良好な結果が得られていることが理解される。第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物は、環境問題及び海洋汚染問題を解決する生分解性が高く、また射出成形物が容易に作成可能となる。
<<射出成形(ガスあり)による射出成形物>>
<第8実施形態から第10実施形態>
第1実施形態から第5実施形態(実施例1から実施例149)において説明された、第1樹脂と第2樹脂とからなる樹脂組成物の樹脂ペレットを使い、射出成形物が作成された。第5実施形態から第7実施形態と異なり、第8実施形態から第10実施形態では、射出成形機10又は金型50の少なくとも一方に不活性ガスを供給している。
図2は、射出成形機10及び金型50を使って、射出成形物を成形する概念図である。図2(a)は、樹脂組成物の樹脂ペレットRPを樹脂射出部にて加熱し液体化する状態を示した図である。(b)は、液体化された樹脂組成物を樹脂射出部から金型部に射出する状態を示した図である。(c)は、金型部を開いて樹脂成形物を取り出す状態を示した図である。
(射出成形機の構成)
図1で描かれた射出成形機10及び金型50と同一の部材には同じ符号が付されている。図1と異なる点について説明し、同じ符号については説明を割愛する。シリンダ12には、ポンプPPがつながったガス供給管18が備えられている。またポンプPPがつながったガス供給管58が備えられている。ポンプPPは、不活性ガスなどを液体化した樹脂組成物に供給する。これにより成形物が発泡を有することになる。なお、液体化した樹脂組成物への不活性ガスなどの供給は、射出成形機10又は金型50の少なくとも一方に設けられれば良い。
発泡用のガスは、窒素、ヘリウムやアルゴンなどの希ガスに代表される不活性ガス、熱可塑性樹脂に溶解しやすく良好な可塑剤効果を示す二酸化炭素、炭素数1〜5の飽和炭化水素およびその一部水素をフッ素で置換したフロン、水、アルコールなどの液体の蒸気等などである。本実施形態では、発泡用のガスとして二酸化炭素を使用した。
(射出成形機の成形方法)
以下の成形方法は、射出成形機10及び金型50の両方で液体化した樹脂組成物へガスを供給する方法である。
樹脂ペレットRPは、スクリュー13の回転によって計量されながらホッパー11から落ちていく。そして、樹脂ペレットRPは、スクリュー13の回転・混練によって発生する摩擦熱及びヒータ14の熱によって溶融(液体化)される。溶融した樹脂組成物に、ポンプPPからガスが導入され液体中にガスが拡散させられる。そして計量され液体化された樹脂組成物は、スクリュー13を金型方向に駆動部15によって移動することで、シリンダ12の先端のノズル16からガスが拡散した樹脂組成物が金型50のスプールブッシュ55を通ってキャビティ56に射出される。
キャビティ56に射出された樹脂組成物は、まずポンプPPからガスが導入され液体中にガスが拡散させられる。その後ガスを含む樹脂組成物は金型50内で冷却され固化される。その後の移動側金型54が移動し、射出成形機10のノズル16もスプールブッシュ55から離れて、成形物MDが取り出される状態となる。成形物MDは、金型50から自動落下で取り出されたり不図示の取り出し器で取り出されたりする。
成形物MDは、第1実施形態から第4実施形態と同様に、ダンベル試験片、短冊試験片、ディスク基板、コップ及び平板のサンプル品が作成された。評価結果を表8A(第8A実施形態)から表10E(第10E実施形態)に示す。成型品であるので、新たに成形サイクルタイム、成形物欠陥密度、成形物重さの項目が評価対象として追加された。一方、流動性、複屈折位相差及び不純物濃度の項目が評価対象から外れた。なお、樹脂組成物に関しては、第1実施形態(実施例10、実施例60及び実施例110)及び第2A実施形態の実施例1から第4E実施形態の実施例149が第8A実施形態の実施例1から第10E実施形態の実施例149に対応する。
Figure 2021066887
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第5A実施形態の実施例10と第8A実施形態の実施例10とを比べてみると、評価項目には大きな差異がない。第6A実施形態の実施例60と第9A実施形態の実施例60とを比べてみると、評価項目には大きな差異がない。第7A実施形態の実施例110と第10A実施形態の実施例110とを比べてみると、評価項目には大きな差異がない。
一方、第1樹脂が30〜70重量%、第2樹脂が30〜70重量%である場合、発泡射出成形による樹脂組成物のサンプル品が良好な結果が得られていることが理解される。射出成形によるアセチル基のヘミセルロースポリマー及び第2樹脂のサンプル品と発泡射出成形によるヘミセルロースポリマー及び第2樹脂のサンプル品とは、発泡射出成形によるヘミセルロースポリマー及び第2樹脂のサンプル品が、成形サイクル時間等の射出成形に関する評価項目も、耐熱強度、引張強度等の項目も良くなっている。
さらに、第5Aから第7E実施形態の表と第8Aから第10E実施形態の表とを比べて理解されるように、第2樹脂が、PMMA、PC、PE、PP、PETのすべてで、成形サイクルタイム、成形物欠陥密度、成形物重さ、耐熱温度、引張強度、曲げ強度、転写性、全光線透過率、及び生分解率で性能が向上している。この結果から、本実施形態の樹脂組成物は、特にガスを使った発泡射出成形の成形方法が好ましい。
特に実施例として挙げられていないが、樹脂ペレットとともに発泡剤をホッパーから供給して、発泡射出成形する技術がある。本実施形態の樹脂組成物は、発泡剤をホッパーから供給する場合でも性能が向上すると予想できる。また樹脂ペレット内に発泡剤を含んでいる樹脂ペレットを供給しても良い。さらに、樹脂ペレット内に発泡用のガスとして、窒素、ヘリウムやアルゴンなどの希ガスに代表される不活性ガス、熱可塑性樹脂に溶解しやすく良好な可塑剤効果を示す二酸化炭素、炭素数1■5の飽和炭化水素およびその一部水素をフッ素で置換したガス等などを含むものを供給しても良い。
10… 射出成形機、 11…ホッパー、 12…シリンダ、 13…スクリュー
14…ヒータ、 15…駆動部、 16…ノズル、 18…ガス供給管
50…金型、 52…固定側金型、 54…移動側金型、 55…スプールブッシュ
56…キャビティ、 58…ガス供給管
PP…ガスポンプ

Claims (12)

  1. 植物由来の以下の構造式を有する第1樹脂
    Figure 2021066887

    を含む容器もしくは平板の成形物。
    (式中、R1、R2およびR3は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。
    R1、R2およびR3は、同一又は不同である。
    Aは単結合または連結基を示す。Qは単結合または連結基を示す。
    nは、2以上の整数を示す。mは、1以上の整数を示す。)
  2. 以下の構造式である第2樹脂を
    Figure 2021066887

    含む請求項1に記載の容器もしくは平板の成形物。
    (式中、R4は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。
    Aは単結合を示す。Qは単結合または連結基を示す。nは1以上の整数を示す。)
  3. さらにポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリブテン(PB)、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、アイオノマー樹脂(IO)、フッ素樹脂(FR)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアリルサルホン(PASF)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリルスチレン(MS)、ブタジエン樹脂(BDR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステルカーボネート(PPC)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ノルボルネン樹脂(NB)、ポリアミド(ナイロン)(PA)、テフロン(登録商標)、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシヘキサン酸共重合体(PHBH)、アセチルセルロース(CA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、シリコン樹脂(SI)、エポキシ樹脂(EP)、木質粉、木質ペレット、竹粉、竹質ペレット、草粉体、草ペレット、紙パウダー、紙ペレット及びポリ乳酸(PLA)のいずれか1つを含む第2樹脂を含む、
    請求項1に記載の容器もしくは平板の成形物。
  4. 以下の構造式を有する第2樹脂を
    Figure 2021066887

    含む請求項1に記載の容器もしくは平板の成形物。
    (式中、R5およびR6は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。R5およびR6は、同一又は不同である。
    nは、2以上の整数を示す。)
  5. 前記第1樹脂が10〜90重量%、前記第2樹脂が90〜10重量%である請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の容器もしくは平板の成形物。
  6. 前記R1又はR2の1つ以上がアセチル基、アセトニル基、又はカルボキシル基であり、
    前記第2樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン,ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのいずれか1以上を含み、
    前記第1樹脂が10〜90重量%、前記第2樹脂が90〜10重量%である請求項2に記載の容器もしくは平板の成形物。
  7. 植物由来の以下の構造式を有する第1樹脂
    Figure 2021066887

    を含む樹脂組成物を押出混練装置に投入する工程と、
    前記押出混練装置のノズルから円筒状の樹脂として押し出す工程と、
    押し出された前記円筒状の樹脂をペレタイザーでカッティングする工程と、を備え、
    直径0.2〜3mm、長さ0.2〜5mmの樹脂ペレットを製造する製造方法。
    (式中、R1、R2およびR3は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。
    R1、R2およびR3は、同一又は不同である。
    Aは単結合または連結基を示す。Qは単結合または連結基を示す。
    nは、2以上の整数を示す。mは、1以上の整数を示す。)
  8. 以下の構造式である第2樹脂を
    Figure 2021066887

    含む請求項7に記載の樹脂ペレットを製造する製造方法。
    (式中、R4は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。
    Aは単結合を示す。Qは単結合または連結基を示す。nは1以上の整数を示す。)
  9. さらにポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリブテン(PB)、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、アイオノマー樹脂(IO)、フッ素樹脂(FR)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアリルサルホン(PASF)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリルスチレン(MS)、ブタジエン樹脂(BDR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステルカーボネート(PPC)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ノルボルネン樹脂(NB)、ポリアミド(ナイロン)(PA)、テフロン(登録商標)、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシヘキサン酸共重合体(PHBH)、アセチルセルロース(CA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、シリコン樹脂(SI)、エポキシ樹脂(EP)、木質粉、木質ペレット、竹粉、竹質ペレット、草粉体、草ペレット、紙パウダー、紙ペレット及びポリ乳酸(PLA)のいずれか1つを含む第2樹脂を含む、
    請求項7に記載の樹脂ペレットを製造する製造方法。
  10. 以下の構造式を有する第2樹脂を
    Figure 2021066887

    含む請求項7に記載の樹脂ペレットを製造する製造方法。
    (式中、R5およびR6は、水素、窒素、アルキル基、アセチル基、ヒドロキシ基、アシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、アリール基、ホスホニル基、プロぺニル基、プロパニル基、アセトニル基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基、シッフ基、アルキレン基、アミル基、アセトアミドメチル基、アダマンチル基、アダマンチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、、Tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシメチル基、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノエチル基、シクロへキシル基、カルボキシメチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、シクロへキシル基、グルコース、へキシル基、イソブチル基、イソプロピル基、メシチル基、トリメチルフェニル基、メトキシメチル基、メシチレンスルホニル基、メシル基、ノシル基、オクタデシルシリル基、ピバロイル基、メトキシベンジル基、メトキシフェニル基、プロピル基、エトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、シアミル基、tert-ブチル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、トリイソプロピルシリル基、トリル基、トシル基、トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、トリチル基、トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチレン基、バレリル基、メトキシ基、アセトアミド基、トリメチルアンモニウム基、ジアゾ基、炭化水素基、イオン化置換基又はフッ素、臭素 、塩素もしくはヨウ素及びそれらを含む置換基を示す。R5およびR6は、同一又は不同である。
    nは、2以上の整数を示す。)
  11. 植物由来の第1樹脂の分子が第2樹脂の分子の間に入り込んだ樹脂組成物であって、
    前記第1樹脂が生分解した際に前記第2樹脂が分子レベルで分解する樹脂組成物。
  12. 植物由来の第1樹脂の分子が第2樹脂の分子の間に入り込んだ樹脂組成物であって、
    前記第1樹脂が融解した際に前記第2樹脂の溶媒として機能することで流動性を向上する樹脂組成物。
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