JP2021065183A - 植物育成棚 - Google Patents

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雅幸 関戸
大介 後藤
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Abstract

【課題】光源としてLEDを用い、PPFDの値を高水準で一定以上に保ちつつ、植物の生育のばらつきを抑制できる植物育成棚を提供する。【解決手段】植物を載置可能な複数の棚部と、複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明300と、を備えた植物育成棚200であって、複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、LED照明300により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように複数のLEDが配置されている。【選択図】図1

Description

本開示は植物育成棚に関する。
野菜などの植物を安定的に生育するため、植物育成工場の建屋内において植物を栽培することが行われている。植物育成工場内での植物の育成方法には、大別して、太陽光の代わりに照明装置による人工光だけを照射する育成方法と、太陽光と人工光を併用する育成方法とがある。人工光を生成する照明装置の例としては、特許文献1に記載されているような複数のLEDを有するLEDバーが等間隔で配置されたバータイプの照明装置がある。
植物の栽培面にどの程度の光が照射されているかの評価は、光合成にとって有効な400nmから700nmまでの波長の光量子束の密度である光合成光量子束密度(PPFD:photosynthetic photon flux density)を測定して行われることが通常である。一般にPPFDを上げることで生育速度が上がるので、PPFDを高めることができるような照明装置の開発がなされている。
特開2008−118957号公報
ところが、バータイプの照明装置を用いて単にPPFDを上げただけでは、植物の生育速度にばらつきが生じてしまい、生産された植物全体に占める良品の割合である良品率が下がるという問題が生じることが判明した。このような問題が生じる原因は、植物に対して万遍なく光が当たっていないことが原因であると考えられる。このような問題を解消するため、面発光する有機EL照明を用いて植物に光を照射することも考えられるが、有機EL照明は発光効率が悪くランニングコストがかかるので、費用対効果が求められる植物育成工場での利用には適していない。
本開示の実施形態の一側面は、このような背景からなされたものであり、光源としてLEDを用い、PPFDの値を高水準で一定以上に保ちつつ、植物の生育のばらつきを抑制できる植物育成棚、及びこの植物育成棚を用いた植物工場を提供することを目的とする。
本開示の実施形態に係る植物育成棚の一側面によれば、前記植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明と、
を備えた植物育成棚であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDが配置されている。
本開示の実施形態に係る植物育成棚の他の側面によれば、前記植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部と、
LED照明シートであって、
基板フィルムと、
前記基板フィルムの表面に形成された電力供給のための金属配線部と、
前記金属配線部に電気的に接続され、前記基板フィルムの一方の面に、互いに所定の範囲内の離間距離を有するように平面的に分散して配置された複数のLEDと、
を備えたLED照明シートと、
を備えた植物育成棚であって、
前記LED照明シートは、前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に、前記少なくとも1つの棚空間を照光するように配置され、
前記LED照明シートは、前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDを備える。
本開示の実施形態に係る植物育成棚の他の側面によれば、前記植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明と、
を備えた植物育成棚であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
前記複数のLEDのうちの任意のLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲と、前記任意のLEDに隣接する複数のLEDのうち最短距離に存在するLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲とが重なるように、前記複数のLEDが配置されている。
本開示の実施形態に係る植物育成棚の更に別の側面によれば、前記植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に格子状に配置された複数のLEDを有するLED照明と、
を備えた植物育成棚であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
前記複数のLEDのうちの任意のLEDと、前記任意のLEDの8近傍に位置するLEDのうち最も遠くのLEDとの離間距離Ldis[mm]が、次の式を満たすように配置されている。
Figure 2021065183
但し、αは、LEDの指向角の半値である。
本開示の実施形態に係る植物育成工場の一側面によれば、上記のいずれかの植物育成棚を備える。
本開示の実施形態に係る植物育成棚の一側面によれば、植物育成棚は複数のLEDを有するLED照明又はLED照明シートを備え、複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均は2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であるので、従来にない高水準のPPFDをランニングコスト良く提供できる。しかも、1)PPFDの標準偏差のばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満であるか、2)複数のLEDのうちの任意のLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲と、その任意のLEDに隣接する複数のLEDのうち最短距離に存在するLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲とが重なるように複数のLEDが配置されているか、又は3)複数のLEDのうちの任意のLEDと、その任意のLEDの8近傍に位置するLEDのうち最も遠くのLEDとの離間距離Ldis[mm]が、αをLEDの指向角の半値として、式
Figure 2021065183
を満たすように配置されているので、LEDにより光の照射のばらつきが前記仮想面において抑制される。したがって、本開示の実施形態に係る植物育成棚は、植物の生育のばらつきを抑制できる。
本開示の実施形態に係る植物育成工場は、このような効果を奏する植物育成棚を備えているので、均等に育った植物を従来よりも効率良く生産することができる。
一実施形態による植物育成工場の構成を示す概略図である。 一実施形態による植物育成棚に植物が載置された状態を示す斜視図である。 一実施形態による植物育成棚の斜視図である。 一実施形態によるLED照明装置の概略構成図である。 一実施形態によるLED照明シートが有するLEDチップの配置例を説明するための要部説明図である。 従来のバータイプのLED照明装置の照度分布を示すシミュレーション結果を示す図である。図6AはLEDバーの配置構成を示す図であり、図6BはLEDバーを設けた平面から50mm離れた面における照度分布を示す図であり、図6CはLEDバーを設けた平面から100mm離れた面における照度分布を示す図である。 一実施形態によるLED照明装置の照度分布を示すシミュレーション結果を示す図である。図7AはLEDが分散配置されたLEDシートの配置構成を示す図であり、図7BはLEDシートを設けた平面から50mm離れた面における照度分布を示す図であり、図7CはLEDシートを設けた平面から100mm離れた面における照度分布を示す図である。 光源の配置の仕方に関する技術的思想を説明するための説明図である。 図9A及び図9Bは、それぞれLED照明シートの変形例を示す平面図である。 図5のVV断面図である。 一実施形態によるLED照明シートの裏面の斜視図である。 図12A〜図12Eは、一実施形態によるLED照明シートの製造方法を示す図である。 図13A〜図13Cは、それぞれ一実施形態によるLED照明シートの取付け例を示す図であり、植物育成棚にLED照明シートを取り付けた上で図2の矢印Aの方向から見た図を表している。 一実施形態によるLED照明シートの取付け例を示す斜視図である。 一変形実施形態による反射シートの取付け例を示す斜視図である。
以下、本発明をより詳細に説明するため、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。同一又は類似の部材には同一又は類似の参照番号を付すことにより、重複する説明は省略する。なお、本発明を分かりやすく説明するため、図面のスケールは一定ではない。
1. 植物育成工場及び植物育成棚
図1から図3を参照して、植物育成工場及び植物育成棚の構成について説明する。図1は、植物育成工場100の構成を示す概略図である。植物育成工場100は、建屋101と、建屋101の内部に配置された複数の植物育成棚200とを備える。図2に示されているように、植物育成棚200には植物育成用トレー(パレット)201が載置され、植物育成用トレー201内には植物PLが収容される。建屋101内の植物育成棚200が配置される空間が植物PLの育成にとって適切な環境となるよう、不図示の制御装置によって温度や湿度などのパラメータが制御される。
各植物育成棚200は、図2又は図3に示されているように、複数の四角状又は円筒状のパイプ部材211、212と、パイプ部材211、212を連結する複数の連結部材213とが組み付けられることにより形成されている。パイプ部材211、212の形状は他のものであってもよく、これに応じて連結部材213の形状も異なりうる。パイプ部材パイプ部材211、212及び連結部材213は、たとえば、スチールや樹脂からなる。パイプ部材211、212のうち水平に配置されるパイプ部材211は、植物育成用トレー201を載置するための棚部220として用いられる。但し、水平に配置されるパイプ部材211のうち最上段のパイプ部材211については、植物育成用トレー201を物理的に載置可能ではあるが、実際には植物育成用トレー201は載置されずに天井部としてのみ用いることが想定されている。パイプ部材211、212のうち鉛直に配置される各パイプ部材212は、上側に設けられた第1の係合部214と、下側に設けられた第2の係合部215とを有する。また、水平に配置されるパイプ部材211のうち最下以外のパイプ部材211も、植物育成棚200の周縁部に長手方向に沿って第3の係合部216を有する。植物育成棚200のサイズは、たとえば、横1200mm、奥行き400mm、高さ1500mmである。このサイズの場合、水平に配置されるパイプ部材211と鉛直に配置されるパイプ部材212によって画された、横1200mm、奥行き400mm、高さ約500mmの棚空間が3つ形成されることとなる。各棚空間は、1つの天井部と、4つの側部と、1つの底部により画された空間である。なお、植物育成棚はパイプ状の部材によって組み立てられている必要はなく、他の部材、たとえば板状の部材を用いて組み立てられていてもよい。
各棚空間の上部にはLED照明シート300が備えられている。各棚空間の上部に備えられるLED照明はシート状のものに限られず、他の形態、たとえばパネル状のLED照明であってもよい。
各植物育成棚200に対して1つの制御部400が備えられる。制御部400は、対応する植物育成棚200が備える複数のLED照明シート300への電力供給を一括して制御する。
2. LED照明装置及びLED照明シート
以下、図4から図11を参照して、LED照明装置及びLED照明シートの構成について説明する。図4に示されているように、LED照明装置500は、LED照明シート300、700と、制御部400とを備える。なお、LEDとの用語は、無機タイプと有機タイプの両方を含む。
制御部400は、図4に示されているように、電源プラグ410と、AC/DCコンバータ420と、PWM制御部430とを備える。電源プラグ410には、たとえば100Vから240Vの範囲内の任意の電圧の交流電圧が供給される。AC/DCコンバータ420は、交流電圧を所定の電圧、たとえば50Vの直流電圧に変換する。PWM制御部430は、AC/DCコンバータ420から供給される直流電圧に対して、一定の周期で高速スイッチングを行ってパルス化する。高速スイッチングされるので、PWM制御部430からは直流電圧が出力される。デューティー比を任意に変化させることにより、LED照明シート300に供給される直流電圧が所望の電圧、たとえば44Vとなるように制御がなされる。PWM制御部430から出力される電圧は、コネクタ440を介してLED照明シート300に印加される。
図4のLED照明シート300は、フレキシブル配線基板310と、コネクタ320と、電力供給ライン330と、電流制御部340と、金属配線部350と、LEDチップ360と、コネクタ325と、を備える。LED照明シート300(フレキシブル配線基板310)の大きさは、たとえば、Lx=600mm、Ly=400mmであるが(図5を参照)、他の大きさであってもよい。また、シートの形状は長方形以外の四角形でもよく、四角形以外の形状でもよく、3次元形状でもよい。
図5に示されているように、複数のLEDチップ360が平面視で格子状又はアレイ状に分散して配置されている。より具体的には、フレキシブル配線基板310上に、140個のLEDチップ360が、たとえば、Px=Py=40mmのピッチで配置されている。第1の配置方向(X方向)に沿って配置された14個のLEDチップ360は、金属配線部350を介して電気的に直列に接続されて列Rを構成する。なお、LEDチップ360の配置は、それぞれのLEDチップ360同士の間の距離が概ね等間隔であれば、必ずしも格子状やアレイ状でなくてもよい。
各列Rには1個の電流制御部340が備えられ、金属配線部350を介してLEDチップ360と電気的に直列に接続されている。電流制御部340は対応する列のLEDチップ360に供給される電流を一定に保つ機能を有する機能部であり、たとえば、電流レギュレータICと抵抗を含む。可変抵抗を直列に接続することで、電流レギュレータICは対応する列に供給される電流を調節でき、電流制御部340(電流レギュレータIC)から供給される電流を調光することができる。
LED照明シート300は図10に示されているような断面構造を有する。図10は図5のVV断面図である。図10に示すように、LED照明シート300は、基板フィルム311と、接着剤層312と、金属配線部313と、光反射性絶縁保護膜314とが、この順に積層された構造を有する。基板フィルム311と、接着剤層312と、金属配線部313とがフレキシブル配線基板310を構成し、フレキシブル配線基板310上にLEDチップ360が実装され、LEDチップ360と金属配線部313とが半田部317により電気的に接続される。光反射性絶縁保護膜314と、LEDチップ360と、半田部317とを覆うように、透明保護膜316が備えられている。
基板フィルム311は、可撓性を有する樹脂フィルムによって形成されている。ここで、本明細書において「可撓性を有する」とは、少なくとも曲率半径が1m以下となるように曲げ可能であることをいう。基板フィルム311の材料としては、可撓性だけでなく、耐熱性、絶縁性、寸法安定性、機械的強度、及び耐久性も考慮し、ポリイミド樹脂やポリエチレンナフタレートを用いることができる。
接着剤層312は、基板フィルム311と金属配線部313を接着する層である。接着剤層312として、樹脂系接着剤やアクリル系接着剤等、種々の公知の接着剤を適宜用いることができる。基板フィルム311と金属配線部313の貼合せは、ドライラミネート法により行ってもよい。
金属配線部313は、基板フィルム311の表面(発光面側の面)に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。金属配線部313は、上述した複数の金属配線部350として用いられる。複数の金属配線部350は、第1の金属配線部350Aと、第1の金属配線部350Aから離間して位置する第2の金属配線部350Bとを含む。金属配線部350として、電気伝導性と放熱性に優れた銀、銅等の金属からなる薄膜を用いることができる。
LEDチップ360は、第1の金属配線部350Aと第2の金属配線部350Bの間に配置され、半田部317を介して、第1の金属配線部350Aと第2の金属配線部350Bに電気的に接続される。LEDチップ360からの発熱を抑えるためには、LEDチップ360として、発光効率が高いものを選択することが好ましい。たとえば、150[lm/W]以上の発光効率を有しているものや、180[lm/W]以上の発光効率を有しているものを用いることができる。発光効率に優れたLEDチップ360を採用することにより、栽培に必要な所望の光量子数をより少ない数のLEDチップで達成できるので、LEDチップ360の実装数(密度)を抑えてLEDチップ360からの発熱を少なくすることができる。したがって、LEDチップ360からの熱による植物の育成のばらつきが発生しにくくなって収量の低下を抑制することができる。
光反射性絶縁保護膜314は、LEDチップ360が設けられている領域とその周辺領域とを除く領域に形成される層である。この光反射性絶縁保護膜314は、十分な絶縁性を有することにより、フレキシブル配線基板30の耐マイグレーション特性を向上させるレジスト層であり、かつLED照明シート300により作られる光環境の向上に寄与する光反射性を備えた光反射層である。
光反射性絶縁保護膜314は、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等をベース樹脂とし、酸化チタン、アルミナ等の無機フィラーからなる白色顔料を更に含有する各種の樹脂組成物により形成することができる。
また、光反射性絶縁保護膜314は、育成対象の植物PLに多くの光量子を当てるためには、光合成にとって有効な400nmから700nmまでの範囲の任意の波長の光の反射率が高いことが好ましい。反射率は、たとえば、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。LED照明シート300は、たとえば、酸化チタンを、ウレタン系またはアクリルウレタン系のベース樹脂100質量部に対して20質量部以上含有させることで、光反射性絶縁保護膜314の厚さを8μmとする場合における同層の上記光線反射率を75%以上とすることが可能である。
透明保護膜316は、LEDチップ360を覆うように、LED照明シート300の最表面に形成されている。透明保護膜316は、防水性と透明性とを有する。透明保護膜316の防水性により、LED照明シート300を植物育成用光源として使用する場合の装置内部への水の侵入を防ぐことができる。
透明保護膜316は、アクリルウレタン系樹脂等をベース樹脂とする各種の樹脂組成物により形成することができる。透明保護膜316を形成するために用いる樹脂組成物のベース樹脂としては、アクリルウレタン系樹脂の他、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹等を適宜用いることができる。
透明保護膜316によるLED照明シート300の防水性としては、LED照明シート300に対して植物育成用の水を散布した際に、LEDチップ360の劣化を抑制することが可能となる程度であればよい。たとえば、IEC(国際電気標準会議)によって定められている防水・防塵の保護規格でIPX4以上の防水性を示すようにしてもよい。IPX4の防水性能を有するようにするためには、透明保護膜316がある程度の厚さを有するようにすることが好ましい。たとえば、10μm以上40μm以下の厚さ、あるいは15μm以上30μm以下の厚さ、あるいは20μm以上25μm以下の厚さとすることができる。透明保護膜316が厚すぎるとLED照明シート300の可撓性に影響を与えて曲げにくくなることに留意して、透明保護膜316の厚さを定めることとなる。
図4に示されているように、以上で説明したLEDチップ360及び電流制御部340を備えた列Rが、電力供給ライン330とGND線を介して、制御部400に対して電気的に並列に接続される。したがって、各電流制御部340から供給される電流を列ごとに異ならせることができる。たとえば、LED照明シート300の端部に最も近い2つ(シートの上下の2つ)のLED列Rに供給される電流を、他のLED列Rに供給される電流よりも大きくすることができる。これにより、育成棚の端部に配置されている植物PLに照射される光を、育成棚の端部以外の部分に配置されている植物PLに照射される光と同等のレベルに保つことができ、植物PLの育成のばらつきを抑えることができる。
コネクタ320に接続された電力供給ライン330は11分岐しており、そのうちの1つのラインは、LED照明シート300のLEDチップ360に電力供給せずに、コネクタ325に接続されている。コネクタ325は、LED照明シート300と同じ構成を有する他のLED照明シート700のコネクタ720に対して、コネクタ610、620を有するケーブル600を介して接続される。このように構成されているので、他のLED照明シート700に対して、LED照明シート300に対して供給される電力と同じ電力が供給される。
以上のように、LEDチップ360の列Rが複数並列に配置されることにより、ある特定の列のLEDチップ360が破損した場合でも、他の列のLEDチップ360に影響を与えないようにすることができる。これにより、LED照明シート300全体の照度が極端に低下することを抑止することができる。また、LED照明シート300の照度が低下した範囲を限定することで、不適合品が発生するおそれがある範囲を限定し、収率の低下を抑制することができる。また、ある特定の列のLEDチップ360が破損した場合、この列に隣接する列の電流制御部340から供給される電流量を上げることにより、破損した列の照光量の減衰を補償することができる。
図5の配置例では、LEDチップ360同士のピッチPxは、たとえばPx=Py=40mmであるが、他の値であってもよく、PxとPyで異なる値を取るようにしてもよい。
ここで、光源の配置の仕方に関する技術的思想及び本開示で用いる特徴的なパラメータについて、図6〜図8を参照しつつ説明する。本開示では、本開示に特徴的なパラメータPPFD50 Wを、次のとおり定義して用いる。
Figure 2021065183
PPFD50とは、直方体状の空間の天井部に複数のLEDを配置した場合において、その複数のLEDの各々から、当該LEDの中心軸方向に50mm離れた点を含むその空間内の仮想面について測定されるPPFD[μmol・m-2・s]をいう。ここで、PPFDとは、植物育成用の照明装置の性能を評価する際に用いられるパラメータであり、400nmから700nmまでの波長領域で、1秒当たり、1平方メーター当たりの光量子の数を測定して求められる。PPFDと植物の生育速度には正の相関がある(正比例する)ことが一般的に知られているので、PPFDを高めることが望ましい。また、「天井部」との用語は、天井そのものに限定する趣旨でなく、天井そのもの又は天井付近を意味する。
そして、PPFD50 W とは、PPFD50をLEDに投入した電力量Pで除したパラメータ又はその値であり、LEDに投入した電力の単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)を表す。
本開示が50mm離れた位置でのPPFDをパラメータとして定義したのは、植物の生育条件と植物を育成する空間の有効利用とを考慮したことによる。たとえば、光源から100mm離れた位置では、植物が生育できる空間が広く残されているので、植物育成棚が提供する空間の効率的利用という観点からは、100mmの位置でのPPFDを議論しても有意義でない。他方、たとえば、光源から20mm離れた位置では、植物が光源に近く急速に成長するので、植物の適切な成長にとって必要なカルシウムの供給が追い付かず、植物の葉先(チップ)が焼けたようになるチップバーンという育成障害が生じることが判明した。また、光源から20mmのような近距離まで植物が成長している段階では、植物の育成にとって重要である風の通り道を塞いでしまい、育成障害が生じるという問題もある。そこで、植物育成棚が提供する空間の効率的利用を図りつつ、かつチップバーンの発生を抑えられ、風の通り道を確保できるような距離を問題とするのが良い。本発明の発明者らによれば、そのような距離は50mmであるとの知見が得られた。
なお、PPFD自体は当業者間において慣用されているものであるので、50mm離れた位置でのPPFDであるPPFD50の意味は、当業者が容易に理解できるものである。また、PPFD50 W は、PPFD50をLEDに投入した電力量Pで除しただけであるので、当業者が容易に理解できるものである。
そこで、植物育成棚を利用して植物を育成する際は、光源から50mm離れた位置でPPFDを高めることが望ましい。ところが、従来のバータイプの照明装置を用いて単にPPFDを上げると、植物の生育速度にばらつきが生じてしまい、良品の全体に占める割合である良品率が下がるという問題が生じることが判明した。この点について図6A〜図6Cを用いて説明する。図6A〜図6Cは、LEDバーで光を照射した際の照度分布を説明するための図である。図6AはLEDバーの配置を示し、図6B、図6Cは照度分布のシミュレーション結果を示す図である。図6Aは、縦横それぞれ1200mmの領域に、指向角が±60°のLEDを140個有するLEDバーを、6本平行に互いに200mm離して配置した構成を示す。図6B、図6Cは、この構成において、各LEDを100[lm]で発光させた場合のシミュレーション結果を示す。図6BはLEDからの距離が50mmの面内での照度分布、図6CはLEDからの距離が100mmの面内での照度分布をそれぞれ示す。図6Cと図6Bを対比すると明らかなように、図6Cでは照度のばらつきは比較的小さいが、図6Bでは照度のばらつきは比較的大きい。なお、照度とPPFDの間には正比例の関係があり、白色光の場合は色温度を指定することにより、有色光の場合は波長を指定することにより相互に換算可能である。したがって、PPFDの分布の様子は照度分布のそれと同様となる。
図6Bで照度のばらつきが大きくなることを、図8を用いて説明する。図8において、指向角±60°のLED1、LED2が200mm離れて配置されていると想定する。すなわち、α=β=60°、L1=200mmである。L2=L3=50mmとして、LED1、LED2から鉛直下方にL2+L3=100mm離れた第1の仮想面IP1に着目すると、この仮想面IP1上のどの点も指向角の範囲内に入っている。ところが、LED1、LED2から鉛直下方にL2=50mmだけ離れた第2の仮想面IP2に着目すると、LED1、LED2の中間点の下方に、どちらのLEDの指向角の範囲にもカバーされない領域ができる。ピタゴラスの定理からL4=L5=約86.5mmであるので、その領域の端部間の長さL6=約27mmである。第2の仮想面IP2のこの中央部の領域は、植物に対して照射される光が弱い照度不足の領域であることを意味する。その結果、照度不足の領域と照度十分の領域との間で植物の育成にばらつきが生じてしまい、良品率が低下してしまうこととなる。
このような照度不足の領域が生じないようにするためには、照度のばらつきが生じないようにすればよい。たとえば、PPFDのばらつきが平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように、図5に示されたようにLEDを配置すればよい。このことを説明するために、先のシミュレーションで用いた140個×6=840個のLEDを、分散して配置した場合についてシミュレーションを行い、その結果が図7に示されている。図7Aにおいて、1枚当たり140個のLEDが格子状に分散配置された縦横それぞれ400mm、600mmのLEDシートLSが、6枚平面上に配置され隣接して配置されている。したがって、LEDシートLS1〜LS6全体では縦横それぞれ1200mmの広さとなる。図7B、図7Cは、各LEDを100[lm]で発光させた場合のシミュレーション結果を示す図である。図7BはLEDからの距離が50mmの面内での照度分布、図7CはLEDからの距離が100mmの面内での照度分布をそれぞれ示す。図7Bと図7Cを対比しても、照度分布に有意な差は認められない。図6Bと図7Bを対比すれば理解できるように、図7Bでは照度分布のばらつきが抑えられていることが分かる。
このように、同じ数のLEDを用いて光を照射する場合であっても、LEDバーのようにLEDが列状に密に配置されたものを複数用いるよりも、LEDを略均等に分散配置した方が、光源からの距離が近い距離、たとえば50mmであっても照度分布のばらつきを抑えられることが分かる。したがって、光源からの距離が近い距離での植物の育成のばらつきを抑えることができる。
また、LEDの配置の仕方について、以下のような幾何学的観点から説明することもできる。図6のシミュレーション結果が示唆するような植物の育成のばらつきを抑えるためには、LED1、LED2の指向角の範囲内に入らない領域をなくすことが好ましい。図8の例においては、LED1、LED2の離間距離を、臨界的距離となるL4+L5未満、即ち約173mm未満とすることが必要となる。このような臨界的距離に関する考察を図5のような配置例に適用すると、LED照明シート300の対角方向に位置するLEDチップ360の離間距離が約173mm未満であること、Px=Py=約123mm(173/√2)未満であることが好ましい。この数値例は、あくまで指向角±60°のLEDについて考えた場合であるので、これとは異なる指向角を有するLEDを用いる場合は離間すべき距離も変わってくる。LEDの指向角の範囲が±60°よりも狭ければLED同士の距離を173mm未満にする必要があるが、LEDの指向角の範囲が±60°よりも広ければLED同士の距離を173mmよりも長くしてもよい。また、臨界的距離未満で間隔を詰めればより多くの光が照射されるので、ばらつきを抑えつつ育成が促進される。
一般に、光源から垂直に50mmだけ離れた仮想面において、光源の指向角の範囲内の光が重なるようにするためには、光源間の距離Ldis[mm]が次の式を満たすように光源を配置すればよい。
Figure 2021065183
ここで、α、βは光源の中心軸に対する片側の角度、すなわち指向角の半値である。α=βの場合、式(2)は、次のとおりとなる。
Figure 2021065183
光源が格子状に配置されている場合には、ある中心光源と、これに隣接する8近傍の光源のうち最も遠くに位置する光源との離間距離が式(3)を満たすように光源を配置すれば、その仮想面において両光源からの光が重なることとなる。
また、その中心光源と、その8近傍の外側の16近傍の光源のうち最も遠くに位置する光源との離間距離2Ldisが式(3)を満たすように光源を配置すれば、その仮想面において両光源からの光が重なっているので、中心光源に隣接する列に含まれる光源が故障した場合であっても照度のバラつきを抑えることができる。
あるいは、ある光源が照射する仮想面内の照射範囲の面積と、これに隣接する8近傍又はその外側の16近傍の光源のうち最も遠くに位置する光源が照射する仮想面内の照射範囲の面積とが一定の割合で重なるようにしてもよい。このように照射面積が一定の割合で重なるように光源を配置した場合も、いずれかの光源が故障した場合に光が照射されなくなる領域ができることを極力抑えることができる。
LEDチップ360の配列は、平面視格子点状に限られるものではなく、図9Aに示されたLED照明シート800のように、LEDチップ360が平面視で千鳥状に配置されていてもよい。また、LEDチップは、LED照明シートの面内で均一に配置されていなくてもよい。たとえば、LED照明シートの周縁部において、LEDチップの密度をより高めてもよい。具体的には、図9Bに示すように、LED照明シート900の中央部(図9Bの下部)でLEDチップ360を格子点状に配置し、LED照明シート900の周縁部(図9Bの上部)でLEDチップ360を千鳥状に配置してもよい。このように、図9Bでは、LEDチップ360が千鳥状に配置されたLED照明シートの領域の面積に対するLEDチップ360の個数であるLEDの面密度は、LEDチップ360が格子状に配置された領域におけるLEDの面密度よりも大きくなるように配置されている。これにより、図5のLED照明シート300の周縁部におけるLED照明シート300の輝度の低下を抑制することができるので、LED照明シートの輝度を面内で均一にして、植物に照射される光のばらつきを更に抑制することができる。
図11に示されているように、LED照明シート300の裏面には、係止部材37011〜37055が規則的に一定の間隔を開けて設けられている。この係止部材370は樹脂又は軽量の金属でできている。S字フックのような連結部材の一端が係止部材370に係合され、連結部材の他端が植物育成棚200に係合されることで、植物育成棚200にLED照明シート300が備えられる。図1では、LED照明シート300が各棚空間の天井部分に平張りされた状態を示している。
3. LED照明装置の動作
次に、LED照明装置500の動作について説明する。まず、LED照明装置500の電源プラグ410を電源に接続し、電源プラグ410に、たとえば100V乃至240Vの任意の電圧を供給する。次に、電源プラグ410に入力された電圧は、AC/DCコンバータ42によって所定の、たとえば50Vの直流電圧に変換される。続いて、AC/DCコンバータ42からの直流電圧は、PWM制御部43において所定のデューティー比、たとえば88%のデューティー比で高速でスイッチングされてパルス化され、44Vの直流電圧に変換される。その後、PWM制御部43からの直流電圧はLED照明シート300に供給され、LED照明シート300の電流制御部340によりLED照明シート300の各列Rを流れる電流が所望のものとなるように電流が制御される。たとえば、ある列Rを流れる電流は70mAとなるように制御される。すべての列Rに流れる電流が同じとなるようにしてもよいが、列ごとに流れる電流を異ならせることも可能である。たとえば、LED照明シート300の端部に近い列Rを流れる電流を80mAとなるように制御してもよい。このような電流制御は、電流制御部340としてレギュレータICを用いる場合は、レギュレータICに外部接続される抵抗の抵抗値を異ならせることにより行うことができる。これにより、LEDチップ360が発光し、植物PLに対して光が照射される。
4. LED照明シートの製造方法
次に、LED照明シート300の製造方法について、図12A〜図12Eを参照して説明する。
まず、基板フィルム311を準備し、基板フィルム311の表面に、接着剤層33を介して、金属配線部350の材料となる銅箔等の金属箔313を積層する(図12A)。接着剤層33を介するのでなく、金属箔313を、基板フィルム311の表面に電解メッキ方法や気相製膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等)により、直接形成してもよい。あるいは、基板フィルム311と金属箔313を直接溶着してもよい。
次に、金属箔313の表面に、不図示のエッチングマスクをパターニングし、エッチングマスクにより覆われていない箇所に位置する金属箔313を浸漬液により除去し、アルカリ性の剥離液を使用してエッチングマスクを除去する(図12B)。これにより、金属箔313が金属配線部350に形成される。
次に、金属配線部350上に光反射性絶縁保護膜314を積層形成する(図12C)。光反射性絶縁保護膜314の形成は、光反射性絶縁保護膜314を構成する材料樹脂組成物を均一に塗工できる塗工手段であれば特に限定されず、たとえば、スクリーン印刷、オフセット印刷、ディップコータ、刷毛塗り等の方法を使用することができる。または、光感光性を有する絶縁保護膜材料を全面に塗工し、必要な箇所のみフォトマスクを通して感光させた後に現像することによって光反射性絶縁保護膜314を形成してもよい。
次に、金属配線部350上にLEDチップ360、電流制御部340及びコネクタ320、360を実装する(図12E)。この際、LEDチップ360は、金属配線部350にハンダ部317を介するハンダ加工によって接合される。このハンダ加工による接合は、リフロー方式、あるいは、レーザー方式によることができ、または導電性樹脂による接合でもよい。
次に、光反射性絶縁保護膜314、LEDチップ360、電流制御部340及びコネクタ320、360を覆うように透明保護膜316を形成する(図12E)。この透明保護膜316は、透明樹脂組成物をスプレー処理により吹付けて形成する方法(以下、「スプレーコート法」という。)、又はカーテンコート法により形成する方法により行うことができる。スプレーコート法による透明保護膜316の形成は、たとえば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むスプレーコート処理用の塗工液を、スプレー塗装機によってフレキシブル配線基板310上の所望の領域に噴霧して塗工膜を形成することにより行うことができる。カーテンコート法による透明保護膜316の形成は、たとえば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むカーテンコート処理用の塗工液を、カーテン塗装機によってフレキシブル配線基板310上の所望の領域に滴下して塗工膜を形成することにより行うことができる。
次に、LED照明シート300の裏面に、係止部材37011〜37055が、たとえば接着剤により固定される。
なお、本実施の形態によるLED照明シート300は、上述した方法に限らず、従来公知のLEDチップ用のフレキシブル配線基板や、これにLEDチップを実装してなる各種のLEDモジュールを製造する公知の方法により製造することもできる。
5. LED照明シートの植物育成棚への取付け形態
次に、図1、図13〜図15を参照して、以上のようにして製造されたLED照明シート300の植物育成棚200への取付け形態について説明する。図1では、LED照明シート300が、棚空間の天井部に平張りされた場合を示している。図13A〜図13Cは、植物育成棚200にLED照明シート300を取り付けた上で図2の矢印Aの方向から見た図を表している。図13A〜図13C及び図15では、最上部の棚空間にLED照明シート300が設けられた場合が示されているが、別の棚空間にも同様にLED照明シート300が設けられてもよい。以下、より詳しく説明する。
図1は、LED照明シート300が、植物育成棚200の棚空間に平面状に張られた状態を示している。具体的には、LED照明シート300の裏面に設けられた係止部37011〜37015、37021〜37025、37031、37033、37035、37041〜37045、37051〜37055が、不図示のS字フックを用いて、植物育成棚200のパイプ部材211に係合された状態を示している。LEDチップとして、日亜化学工業社製のNFSW757G−V2を用いて、本願が教示するようにLEDチップを分散して配置すれば、LEDチップの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、LED照明シートにより照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となる。これらのパラメータは、以下のようにLED照明シート300が非平面状に張られた場合も達成される。
なお、後述の実施例1、2、及び比較例1、2のいずれにおいても、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均は、2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であるので、この点で比較例との間に相違はない。この「2.0」という数値は、有機EL照明との差別化を図る目的で採用された値である。発光効率が150[lm/W]のLEDが存在するのに対し、有機ELの発光効率は100[lm/W]に満たないのが現状である。したがって、有機ELの発光効率は、LEDのそれの2/3と仮定できる。また、後述の表1にあるとおり、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均は、200mmでは3.1μmol・m-2・s-1・W-1以上、50mmでは3.3μmol・m-2・s-1・W-1以上である。このようにLEDでの値は3を超えている。発光効率がLEDの2/3である有機ELとの差別化を図るために、2.0という値を設定した。単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であればランニングコストの低下に貢献できる。
図13Aは、LED照明シート300の裏面に設けられた係止部37011、37015、37031、37033、37035、37051、37055が、S字フックを用いて、植物育成棚200の対応する係合部215又はパイプ部材211に非平面状に係合された状態を示している。LED照明シート300が棚空間内で植物PLに向かって凹状に曲がっているので、LED照明シート300のシート面での光が、シート面の面積よりも狭い面積に収束される。したがって、シート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきを、図1のようにLED照明シート300を平張りした場合のPPFDのばらつきに比べて抑えることができる。
図13Bは、LED照明シート300の裏面に設けられた係止部37011、37013、37015、37031、37033、37035、37051、37053、37055が、S字フックを用いて、植物育成棚200の対応する係合部214又はパイプ部材211に非平面状に係合された状態を示している。図13Aの場合と同様、LED照明シート300が棚空間内で植物PLに向かって凹状に曲がっている。より具体的には、LED照明シート300の端部が、LEDアレイ361の少なくとも一部を含んで凹状に曲がっている。図13Bの場合も、図13Aの場合と同様に、LED照明シート300のシート面での光がシート面の面積よりも狭い面積に収束される。したがって、シート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきを、LED照明シート300を平張りした場合のPPFDのばらつきに比べて抑えることができる。
図13Cは、LED照明シート300の裏面に設けられた係止部37011、37013、37015、37031、37033、37035、37051、37053、37055が、S字フックを用いて、植物育成棚200のパイプ部材211に非平面状に係合された状態を示している。LED照明シート300は、棚空間内で植物PLに向かって凹状又は凸状に曲がっている。凹状に曲がっている部分に関しては、LED照明シート300のシート面での光が、シート面の面積よりも狭い面積に収束される。したがって、シート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきを、LED照明シート300を平張りした場合のPPFDのばらつきに比べて抑えることができる。
対照的に、凸状に曲がっている部分に関しては、LED照明シート300のシート面での光が、シート面の面積よりも広い面積に拡散される。したがって、シート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきは、LED照明シート300を平張りした場合のPPFDのばらつきに比べて大きくなる。そこで、LED照明シート300が凸状に曲がっていてもシート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきが所望の範囲内となるように、LEDチップ360の配置間隔を狭めてもよい。
図14は、LED照明シート300の裏面に設けられた係止部37011、37015、37033、37051、37055が、S字フックを用いて、植物育成棚200の対応する係合部215又はパイプ部材211に係合された状態を示している。この場合、図13Cの場合と同様に、LED照明シート300は、植物PLに向かって凹状又は凸状に曲がっている。図13Cの場合と同様、LED照明シート300が凸状に曲がっていてもシート面から所定距離離れた位置でのPPFDのばらつきが所望の範囲内となるように、LEDチップ360の配置間隔を狭めてもよい。
なお、図13A〜図13C、図14で示したLED照明シート300は平らに広げた際に同一の形状であるとは限らない。図13A〜図13C、図14で示したようにLED照明シート300を張ることができるように、LED照明シート300は適当なサイズを取りうる。
6. 反射シート
次に、図15を参照して、植物育成棚の一変形実施形態について説明する。図15に示すように、植物育成棚200の側方に反射シート260を設けてもよい。反射シート260は、植物PLと対向する側にアルミニウムシート等の光反射性の材料を含んでいる。図15では植物育成棚200の長手方向に沿った面にのみ反射シート260が備えられているが、植物育成棚200の他の側面にも備えられてもよい。反射シートの可視光反射率は、たとえば90%以上とすることができる。ここで可視光とは、JIS B7079に従って波長が380nmから780nmの範囲の光をいう。反射シート260を設ける場合、植物育成棚200の長手方向に沿った側面の上方に、ロールスクリーン本体部250を設けて反射シート260が上下方向に引出し/巻取り可能な構成であってもよい。あるいは、植物育成棚200の長手方向に沿った側面の上方に、不図示のカーテンレールを設けて、反射シート260を左右方向に広げ又は折り畳めるようにしてもよい。このように植物育成棚200が反射シート260を備えることにより、照度が弱くなりやすい植物育成棚200の周縁における光量を補い、PPFDのばらつきを更に抑制することができる。
7. 実施例
次に、図1の実施形態の実施例について説明する。
<LED照明シートの作製>
実施例1、2の育成棚及び比較例1、2の育成棚をそれぞれ以下のとおり準備した。
<実施例1>
560mm×390mmサイズのフィルム基板(ポリエチレンナフタレート、厚さ50μm)の一方の表面に、金属配線部を形成するための銅箔(厚さ35μm)を積層し、その後、金属配線用の銅箔についてエッチング処理をして、金属配線部を構成した。そして、基板フィルム及び金属配線部上に、ウレタン系樹脂をベース樹脂とし、このベース樹脂に対して20質量%の割合で酸化チタンを添加してなる絶縁性インキを用いてスクリーン印刷により厚さ10μmの光反射性絶縁保護膜を形成した。次に、金属配線部に、複数のLEDチップ(「NFSW757G−V2」(日亜化学工業社製))を、X方向に40mmピッチ、Y方向に35mmピッチで、14個の列を10列、ハンダ加工により実装した。さらに、上記の絶縁性保護膜及びLEDチップを被覆する透明保護膜を、スプレーコート法により形成した。以上のとおり作製したLED照明シートは、全光束量が3950[lm]であり、総投入電力が72Wであり、LEDチップから照射される光の色温度は5000Kであった。このLED照明シートを植物育成棚の棚部の下面に2枚配置し、実施例1の植物育成棚とした。
棚の基板の下面に2枚配置し、実施例1の植物育成棚とした。
<実施例2>
実施例1と同様に作製した植物育成棚に更に光反射シート(図15参照)を植物育成棚の側面側に設けて、実施例2の植物育成棚を作製した。
<比較例1>
市販の直管型LEDが配列されたLEDバーライト(「TECO−L40N1−50NH−T8」(東神電気株式会社製))を育成棚の基板の下面に2本配置し、比較例1の植物育成棚とした。この場合、LEDバーライトは、全光束量が2300[lm]であり、投入電力が46Wであり、照射される光の色温度は5000Kであった。
<比較例2>
比較例1と同様に作製した植物育成棚に更に光反射シート(図15参照)を植物育成棚の側面側に設けて、比較例2の植物育成棚を作製した。
実施例1、2及び比較例1、2の植物育成棚について、光合成光量子束密度(PPFD)をそれぞれ測定した。この場合、実施例1、2について、総投入電力を比較例1、2と同等になるよう調光装置にて調整し、それぞれLED照明シートの下方領域に含まれる複数の箇所(合計24箇所)でPPFDを測定した。また、比較例1、2の植物育成棚についても、実施例1、2の場合と同様の領域に含まれる複数の箇所(合計24箇所)でPPFDを測定した。なお、光合成光量子束密度(PPFD)は、光量子計(米国LI−COR社製、光量子センサーLI−190RおよびライトメーターLI−250A)により測定した。実施例1、2及び比較例1、2の植物育成棚について、それぞれLEDチップから50mm離れた箇所と200mm離れた箇所とについてPPFDを測定し、投入電力で除した値をそれぞれ算出した。また、LEDチップから50mm離れた箇所と200mm離れた箇所とのそれぞれについて、測定したPPFDの値から標準偏差を算出し、PPFDのばらつきとした。
続いて、実施例1、2及び比較例1、2の植物育成棚を用いて、植物(極早生シスコ)を実際に栽培した。その後、生育した植物の育成量として生体重(g/m2)を測定し、これを投入電力で除することにより、投入電力あたりの生体重(g/m2/W)を算出した。この生体重の測定は、栽培終了後のレタスの外観評価からチップバーン(葉先枯れ)部を除去した形で、地上部生体重を栽培パネル毎に計測し平米あたりの重量に計算することで算出した。以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2021065183
上記表1に示すように、実施例1、2の植物育成棚と比較例1、2の植物育成棚とを比較した場合、LEDチップから200mm離れた箇所におけるPPFDのばらつきに大きな差は見られなかったが、LEDチップから50mm離れた箇所ではPPFDのばらつきが大きくなった。このように、LED照明シート(実施例1、2)を用いた場合、直管型LEDが配列されたLEDバーライト(比較例1、2)を用いた場合と比較して、光源に近い位置でのPPFDのばらつきを低減することができた。
また、実施例1、2の植物育成棚を用いた場合、比較例1、2の植物育成棚を用いた場合よりも、投入電力あたりの植物の生体重を増加させることができた。50mm離れた地点において、PPFDのばらつき(平均値で規格化した際の標準偏差)が0.35(<0.4)であった実施例1、及び0.23(<0.3)であった実施例2では、ばらつきが0.83(≧0.4)であった比較例1、0.84(≧0.4)であった比較例2よりも、表1のとおり投入電力あたりの植物の生体重が増加しており、有意な差が認められた。また、50mm離れた地点において、PPFDのばらつきが0.35(<0.4)であった実施例1での投入電力あたりの植物の生体重が1.61g・m-2・W-1であり、PPFDのばらつきが0.23(<0.3)であった実施例2でのそれが1.67g・m-2・W-1であったので、実施例1、2の測定結果はばらつきを0.3未満に抑えることで更に良い結果がもたらされることを示している。さらに、実施例1、2の植物育成棚を用いた場合、比較例1、2の植物育成棚を用いた場合と異なり、チップバーン発生に差が見られた。このように、実施例1、2の植物育成棚を用いた場合、比較例1、2の植物育成棚を用いた場合と比較して、LEDチップから50mm離れた箇所でのPPFDのばらつきが低減されているので、光源直下の光強度ムラが少なく、光強度と正の相関で増えるチップバーンの発生が抑えられ、除去されるはずの不良部が少なくなったため、高い生産性につながったと考えられる。
8. 付記
以下、本明細書が開示する種々の実施形態のうち、その一部について整理する。
<付記1>
付記1による植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明と、
を備えた植物育成棚であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDが配置されている。
<付記2>
付記2による植物育成棚(200)は、
植物を載置可能な複数の棚部(220)と、
LED照明シートであって、
基板フィルム(311)と、
前記基板フィルムの表面に形成された電力供給のための金属配線部(350)と、
前記金属配線部に電気的に接続され、前記基板フィルムの一方の面に、互いに所定の範囲内の離間距離を有するように平面的に分散して配置された複数のLED(360)と、
を備えたLED照明シート(300)と、
を備えた植物育成棚であって、
前記LED照明シートは、前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に、前記少なくとも1つの棚空間を照光するように配置され、
前記LED照明シートは、前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明シートにより照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDを備える。
<付記3>
付記3による植物育成棚(200)は、付記2に記載の植物育成棚であって、前記所定の範囲は40mmから100mmである。
<付記4>
付記4による植物育成棚(200)は、付記2又は3に記載の植物育成棚であって、前記複数のLEDは、複数のLEDが直列に接続されたLED列が複数並列に接続されたLEDアレイ(361)であり、
前記LED列の少なくとも2つの列に電流制御部(340)を更に備える。
<付記5>
付記5による植物育成棚(200)は、付記2から4のいずれか1つに記載の植物育成棚であって、
前記複数のLEDは、前記LED照明シートの少なくとも一部のエリアの面密度が、前記LED照明シートの他の一部のエリアの面密度よりも高くなるように配置されている。
<付記6>
付記6による植物育成棚(200)は、付記2から5のいずれか1つに記載の植物育成棚であって、
前記LED照明シートは前記天井部に非平面状に配置されている。
<付記7>
付記7による植物育成棚(200)は、付記6に記載の植物育成棚であって、
前記非平面状は、前記棚空間内に少なくとも1つ以上の凹部又は凸部を有する形状である。
<付記8>
付記8による植物育成棚(200)は、付記6に記載の植物育成棚であって、
前記非平面状は、前記LEDアレイを含む、前記LED照明シートの周縁部の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの棚空間の内部を向くように折り曲げられた形状である。
<付記9>
付記9による植物育成棚(200)は、付記2から8のいずれか1つに記載の植物育成棚であって、前記少なくとも1つの棚空間の側方に光を反射する反射シート(260)を更に備える。
<付記10>
付記10による植物育成棚(200)は、付記9に記載の植物育成棚であって、
前記天井部に位置する棚部の側部に設けられた支持手段(250)を更に備え、
前記反射シートは前記支持手段に支持されている。
<付記11>
付記11による植物育成棚(200)は、付記9又は10に記載の植物育成棚であって、前記反射シートは可視光反射率が90%以上である。
<付記12>
付記12による植物育成棚(200)は、付記2から11のいずれか1つに記載の植物育成棚であって、前記基板フィルムは全体的に白色である。
<付記13>
付記13による植物育成棚は、
植物を載置可能な複数の棚部(220)と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLED(360)を有するLED照明(300)と、
を備えた植物育成棚(200)であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
前記複数のLEDのうちの任意のLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲と、前記任意のLEDに隣接する複数のLEDのうち最短距離に存在するLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲とが重なるように、前記複数のLEDが配置されている。
<付記14>
付記14による植物育成棚(200)は、
植物を載置可能な複数の棚部(220)と、
前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に格子状に配置された複数のLED(360)を有するLED照明(300)と、
を備えた植物育成棚(200)であって、
前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
前記複数のLEDのうちの任意のLEDと、前記任意のLEDの8近傍に位置するLEDのうち最も遠くのLEDとの離間距離Ldis[mm]が、次の式を満たすように配置されている。
Figure 2021065183
但し、αは、LEDの指向角の半値である。
<付記15>
付記15による植物工場(100)は、付記1から14のいずれか1つに記載された植物育成棚を備える。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、開示された実施形態の構成要素を組み合わせ、変形し、又は省略して実施することが可能である。
100:植物育成工場
200:植物育成棚
220:棚部
250:ロールスクリーン本体部(支持手段)
260:反射シート
300:LED照明シート(LED照明)
311:基板フィルム
313:金属配線部
340:電流制御部
360:LEDチップ
361:LEDアレイ
700:LED照明シート

Claims (15)

  1. 植物を載置可能な複数の棚部と、
    前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明と、
    を備えた植物育成棚であって、
    前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDが配置された植物育成棚。
  2. 植物を載置可能な複数の棚部と、
    LED照明シートであって、
    基板フィルムと、
    前記基板フィルムの表面に形成された電力供給のための金属配線部と、
    前記金属配線部に電気的に接続され、前記基板フィルムの一方の面に、互いに所定の範囲内の離間距離を有するように平面的に分散して配置された複数のLEDと、
    を備えたLED照明シートと、
    を備えた植物育成棚であって、
    前記LED照明シートは、前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に、前記少なくとも1つの棚空間を照光するように配置され、
    前記LED照明シートは、前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明シートにより照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、かつPPFDのばらつきが、平均値で規格化した際の標準偏差で0.4未満となるように前記複数のLEDを備えた植物育成棚。
  3. 前記所定の範囲は40mmから100mmである、請求項2に記載の植物育成棚。
  4. 前記複数のLEDは、複数のLEDが直列に接続されたLED列が複数並列に接続されたLEDアレイであり、
    前記LED列の少なくとも2つの列に電流制御部を更に備えた、請求項2又は3に記載の植物育成棚。
  5. 前記複数のLEDは、前記LED照明シートの少なくとも一部のエリアの面密度が、前記LED照明シートの他の一部のエリアの面密度よりも高くなるように配置された、請求項2から4のいずれか1項に記載の植物育成棚。
  6. 前記LED照明シートは前記天井部に非平面状に配置された、請求項2から5のいずれか1項に記載の植物育成棚。
  7. 前記非平面状は、前記棚空間内に少なくとも1つ以上の凹部又は凸部を有する形状である、請求項6に記載の植物育成棚。
  8. 前記非平面状は、前記LEDアレイを含む、前記LED照明シートの周縁部の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの棚空間の内部を向くように折り曲げられた形状である、請求項6に記載の植物育成棚。
  9. 前記少なくとも1つの棚空間の側方に光を反射する反射シートを更に備えた、請求項2から8のいずれか1項に記載の植物育成棚。
  10. 前記天井部に位置する棚部の側部に設けられた支持手段を更に備え、
    前記反射シートは前記支持手段に支持されている、請求項9に記載の植物育成棚。
  11. 前記反射シートは可視光反射率が90%以上である、請求項9又は10に記載の植物育成棚。
  12. 前記基板フィルムは全体的に白色である、請求項2から11のいずれか1項に記載の植物育成棚。
  13. 植物を載置可能な複数の棚部と、
    前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に配置される複数のLEDを有するLED照明と、
    を備えた植物育成棚であって、
    前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
    前記複数のLEDのうちの任意のLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲と、前記任意のLEDに隣接する複数のLEDのうち最短距離に存在するLEDが照射する前記仮想面内の照射範囲とが重なるように、前記複数のLEDが配置された植物育成棚。
  14. 植物を載置可能な複数の棚部と、
    前記複数の棚部によって画される複数の棚空間のうち、少なくとも1つの棚空間の天井部に格子状に配置された複数のLEDを有するLED照明と、
    を備えた植物育成棚であって、
    前記複数のLEDの各々の中心軸方向に50mm離れた点を含む、前記LED照明により照光される棚空間内の仮想面について、単位W数当たりの光合成光量子束密度(PPFD)の平均が2.0μmol・m-2・s-1・W-1以上であり、
    前記複数のLEDのうちの任意のLEDと、前記任意のLEDの8近傍に位置するLEDのうち最も遠くのLEDとの離間距離Ldis[mm]が、次の式を満たすように配置された植物育成棚。
    Figure 2021065183
    但し、αは、LEDの指向角の半値である。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載された植物育成棚を備えた植物工場。
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