JP2021063710A - 形状測定装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この手順を簡単に説明する。
まず、外部のCADシステム等から経路情報を含んだCADデータ(例えばNURBSデータ)を受け取り、このCADデータを点群のデータに変換する。
各点のデータは、座標値(x、y、z)と法線方向(P、Q、R)とを組み合わせたデータである(つまり(x、y、z、P、Q、R)である)。本明細書では、(x、y、z、P、Q、R)の情報をもつ点群のデータを輪郭点データと称することにする。
「アクティブ設計値倣い測定」では、次の(式1)で表わされる合成速度ベクトルVをプローブの移動指令とする。プローブが合成速度ベクトルVに基づく移動を行うと、プローブ(測定子)はPCC曲線に沿うように移動しつつ、押込み量を一定としたワーク表面倣い測定、つまり、「アクティブ設計値倣い測定」が実現される。
なお、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば、補間点(i)におけるPCC曲線の曲率に基づいて決定される(例えば特許文献3)。
点P1から点P7まで一続きのPCC曲線L_PCCがあり、PCC曲線L_PCCは、点Pにより複数のセグメントに分割されている。(各セグメントもPCC曲線である。)
各セグメントの終了点は、次のセグメント(PCC曲線)の開始点となっている。セグメントの開始点の座標を(KX0、KY0、KZ0)と表わし、そのPCC曲線における始点と終点との間の直線の長さをDとする。このように定義すると、PCC曲線上の任意の位置における座標{X(S)、Y(S)、Z(S)}は、3次曲線を表わすための係数(KX3、KX2・・・・KZ1、KZ0)を用い、次の式(2)で表される。
Y(S)=KY3S3+KY2S2+KY1S+KY0
Z(S)=KZ3S3+KZ2S2+KZ1S+KZ0 ・・・(式2)
しかし、現行の三次元測定機では、測定対象物が複雑になってくると、それだけプローブの動きが複雑になるため、プローブの移動速度が遅くなり、測定時間が非常に長く掛かってしまっていた。あるいは、ワークの形状によってはプローブのスタイラスがワークと干渉してしまって、測定できない場合も有り得る。
並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路とともに前記回転駆動機構の回転角指令を設定しておき、
前記倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記回転角指令に基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記角速度パターンで与えられる回転指令の分を減じるように前記並進速度パターンを補正して補正後並進速度パターンを生成し、
前記補正後並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする。
並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路とともに前記回転駆動機構の回転角指令を設定しておき、
前記回転角指令の分を減じるように前記倣い経路のデータを補正して補正後倣い経路データを生成し、
前記補正後倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記回転角指令と前記セグメントごとの前記並進速度パターンに基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、
さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする。
並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路を設定し、
前記倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記倣い経路のデータに基づいて、前記プローブが前記倣い経路に沿って移動するように前記並進移動機構を駆動制御する並進速度ベクトル指令を生成し、
前記並進速度ベクトル指令に基づいて前記回転テーブル機構への回転指令を生成し、
前記回転角指令に基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記角速度パターンで与えられる回転指令の分を減じるように前記並進速度パターンを補正して補正後並進速度パターンを生成し、
前記補正後並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする。
前記セグメントごとに角速度パターンを生成する工程において、角加速度の大きさは所定の固定値とし、
先頭の前記セグメントから計算を開始して、角速度が一定であるパターンか、最初に加速してその後一定の角速度になるパターンか、最初に一定の角速度でその後減速するパターンか、のいずれかのパターンを各セグメントに当てはめて角速度パターンを生成する
ことが好ましい。
最後の前記セグメントの前記角速度パターンを生成した後、
前記倣い経路の終点で前記角速度がゼロにならない場合、
前記回転駆動機構を前記倣い経路の終点で停止させるまでに必要な減速距離を計算して、前記終点から前記必要な減速距離だけ手前から減速するように前記角速度パターンを修正する
ことが好ましい。
前記セグメントごとに生成された前記角速度パターンをブロック化し、
前記ブロック化された前記角速度パターンの加減速領域に対してS字曲線化を適用する
ことが好ましい。
(第1実施形態)
図4は、形状測定システム100の全体構成を示す図である。
形状測定システム100は、三次元測定機200と、三次元測定機200の駆動を制御するモーションコントローラ300と、モーションコントローラ300を制御すると共に必要なデータ処理を実行するホストコンピュータ500と、を備える。
モーションコントローラ300からの駆動制御信号によって各駆動モータが駆動制御される。エンコーダは、Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224それぞれの移動量を検出し、検出値をモーションコントローラ300に出力する。Zスピンドル224の下端にプローブ230が取り付けられている。
次にホストコンピュータ500について説明する。
図5は、ホストコンピュータ500およびモーションコントローラ300の機能ブロック図である。
ホストコンピュータ500は、CPU511(Central Processing Unit)やメモリ等を備えて構成され、モーションコントローラ300を介して三次元測定機200を制御する。CPU511(中央処理装置)で測定制御プログラムを実行することにより本実施形態の測定動作が実現される。ホストコンピュータ500には、必要に応じて、出力装置(ディスプレイやプリンタ)および入力装置(キーボードやマウス)が接続されている。
そして、区間ごとに、区間の始点を測定するときの回転テーブルの回転角度θS、区間の終点を測定するときの回転テーブル251の回転角度θF、を設定しておく。(区間の終点は、次の区間の始点でもある。)この回転角度指令は、CADデータとリンクするようにして倣い経路情報に埋め込まれるとする。図7の例では、最初の区間(セクション1)の始点PSでは"0度"、区間の終点PFでは"+10度"、というように回転テーブル251の回転角度を設定しておく。(実際の倣い測定動作では、測定子232が最初の区間を倣い移動する間に、回転テーブルが10度回転するということになる。)
ただし、回転角度の指令については、倣い経路情報から抜き出し、PCC曲線の生成後に、PCC曲線の対応する区間に前記回転角度指令を付け加えておく。
PCC曲線に回転角指令を加えたものを本実施形態の"測定指令データ"とする(図8参照)。
図8は、モーションコントローラ300の機能ブロック図である。モーションコントローラ300について説明する。モーションコントローラ300は、測定指令取得部310と、カウンタ部330と、駆動指令生成部340と、駆動制御部350と、を備える。
(本実施形態では、測定指令データは、PCC曲線データに回転角指令が加わったものである。)
計測されたスライダおよびプローブ230の変位から測定子232の座標位置PP(以下、プローブ位置PP)が得られる。
また、カウンタ部330にて計測されたスタイラス231の変位(プローブセンサの検出値(Px,Py,Pz))から、測定子232の押込み量(ベクトルEpの絶対値)が得られる。
同じく、カウンタ部330は、ロータリーエンコーダから検出される検出信号をカウントとして、回転テーブル機構250の回転角を得る。
まず、並進速度パターン計画部341および並進ベクトル指令生成部342は、従来通り、PCC曲線から合成速度ベクトルVを生成するものである。すなわち、本実施形態では、並進速度パターン計画部341および並進ベクトル指令生成部342は、PCC曲線から合成速度ベクトルVを生成するものである。並進速度パターン計画部341は、PCC曲線を分割して分割PCC曲線群とし、さらに、分割PCC曲線群から速度曲線を算出して並進移動機構220によるプローブ230の移動速度(移動ベクトル)を算出する(図9参照)。すなわち、分割PCC曲線群の各セグメントの曲率などに基づいて並進移動機構220によるプローブ230の移動速度(移動ベクトル)が設定され、これにより図9に例示する並進速度パターンが生成される。PCC曲線を分割したPCC曲線群の各セグメントに対し、速度パターンをどのように当てはめて図9のような一連の速度パターン(速度計画)を生成するかについては本出願人が例えば特許6063161などに詳しく開示している。
ここで、回転テーブル機構250に対する回転駆動指令というのは、座標値(角度値)でなく、時々刻々の"角速度"で与えられる必要がある。
回転指令生成部344は、測定指令データに含まれる"回転角指令"を角速度指令に変換しなければならない。
さらに、回転指令生成部344は、オペレータが設定した倣い経路に沿ってプローブ230がワーク上を倣い測定するように、並進移動機構220によるプローブ230の移動に対して回転テーブル251の回転を同期させるように回転角指令を生成する必要がある。
セグメントSeg(i)ごとに加減速時間ta、定速時間ts、が求められているので、各セグメントの開始時刻tsと終了時刻tfが分かるし、各セグメントSeg(i)に要する時間T(セグメント移動時間Tseg)も分かっている。
回転指令生成部344は、これらの情報をもとに、セグメントSeg(i)ごとに角度情報を割り振っていく。
回転指令生成部344は、セグメントごとに、セグメント開始時の回転角度値θsとセグメント終了時の回転角度値θfとを求める。
セクション1の始点における回転テーブル251の角度は0°で、セクション1の終点における回転テーブル251の角度は+10°と設定されていた。
ここで、セクション1は、並進速度パターン計画部341によりセグメント1からセグメント4に分割されている。そこで、回転指令生成部344は、セクション1の間の総回転量(ここでは10°)をセグメントごとに要する時間(セグメント移動時間T)に応じて比例配分していく。
これにより、図10に例示するように、各セグメントの開始時点と終了時点とにおける回転テーブルの回転角度θ1、θ2、θ3、・・・が得られる。すると、セグメントごとの回転テーブルの回転量Θ(セグメント回転量Θ)も得られる。
このとき、回転指令生成部344は、先頭のセグメントSeg1から順に角速度指令パターンを当てはめていく。これは、一つ前のセグメントSeg(i−1)の終角速度ωFが次のセグメントSeg(i)の開始角速度ωsになるためである。
第1角速度パターンは、ずっと一定の角速度ωで回転テーブルを回転させる角速度パターンである。
セグメントの開始角速度ωsは、一つ前のセグメントSeg(i−1)の角速度パターンにより決まってしまう。つまり、一つ前のセグメントSeg(i−1)の終角速度ωFが次のセグメントSeg(i)の開始角速度であり、第1角速度パターンを適用する場合は開始角速度ωsが一定で続くことになる。もし、ωs×T=Θが成立する場合には第1角速度パターンを適用できる。
ここで、「加速」とは、角速度の絶対値を大きくすることを意味するとする。
仮に左回転方向を正方向の回転とすると、右回転方向に加速するのは"減速"ということになるが、ここでは、負の方向に"加速"と考えて頂きたい。そして、例えば角速度ωの大きさ(回転速さ)を考えると、第2、第3角速度パターンは、いずれも最初に回転速さを大きくする調整期間taがあって、その後一定の回転速さになるということで同じと考えて頂いてもよい(回転方向が反対になるだけである)。
このとき、加速時間をta、等速時間をtc、として次の連立方程式を解く。
ωs・ta+(α・ta2/2)+ωF・tc=Θ
ωF=ωs+α・ta
なお、第2、第3パターンにおいては、ずっと加速である場合を許容する。
これは、すなわち、ta=T(tc=0)の場合のことである。
いま、あるセグメントSeg(i)に第1角速度パターンを適用したときにセグメント回転量Θが超過していたとする。
このとき、等速時間をtc、減速時間をta、として次の連立方程式を解く。
ωs・tc+ωs・ta−(α・ta2/2)=Θ
ωF=ωs−α・ta
なお、第4、第5パターンにおいては、ずっと減速である場合を許容する。
これは、すなわち、ta=T(tc=0)の場合のことである。
ブロック化処理後の並進速度パターンのブロック単位で角速度パターンを当てはめる考え方も有り得るが、ブロックが大きくなると回転テーブル251の角速度パターンが適切に求められない可能性が出てくる。角加速度αを可変にしたり、もっと多くの種類の角速度パターンを用意したりしておいてもいいかもしれないが(例えば特許6063161)、計算がとても複雑になる。
本実施形態では、ブロック化処理される前の並進速度パターンに基づいてセグメントごとに角速度パターンを当てはめることとし、角速度パターンの種類を少なく、かつ、加速度の大きさを一定として、簡単な計算で角速度パターンを割り当てるようにした。
また、セグメントごとに角速度パターンを割り当てた方が区切りが多くなるので、同期を合わせやすくなる。なお、回転テーブル251によってワークを回転させることの主目的としては、プローブ230とワークWとの干渉を回避することにあり、基本的には一定時間、一定の方向に一定の角速度で回転してくれれば十分であると考えられる。複雑で繊細な動きは、主として並進移動機構220により、補正後PCC曲線に沿ったプローブ移動およびアクティブ倣い測定による押込み制御で実現される。
例えば、図13に表れているセグメントSeg1からセグメントSeg6のすべてをブロック化してしまってもよい。例えば、セグメントSeg4の後半の減速とセグメントSeg5の前半の加速は同じ加速度であるから一連の加速時間として扱った方がよい。
このとき、合成ベクトルVに対して、回転テーブル251の回転分を減じるように補正を行えばよい。
また、回転テーブル251の角速度ベクトルをωとする。
プローブ230(測定子232)の位置における回転テーブル251の速度(ベクトル)は、Vθ=ω×R、で表わされるので、合成ベクトルVからこのVθを減じることで回転補正後合成ベクトルVAMDは次のようになる。
並進移動機構制御部351には、並進ベクトル指令補正部343から回転補正後合成速度ベクトルVAMDが与えられる。
回転駆動制御部352には、回転指令生成部344から回転駆動指令として角速度指令が与えられる。
並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルと角速度パターンに基づく回転駆動指令(角速度指令)との対応(リンク)は維持されているので、回転補正後合成速度ベクトルVAMDと回転駆動指令とは同期した状態を保ってそれぞれ並進移動機構制御部351と回転駆動制御部352とに与えられる。そして、並進移動機構制御部351からは並進移動機構220に対して回転補正後合成速度ベクトルVAMDに基づく並進移動信号が与えられ、回転駆動制御部352からは回転テーブル機構250に対して回転駆動指令に基づく回転駆動信号が与えられ、両者は同期している。
ワーク(測定対象物)の形状解析にあたっては、回転テーブル機構250の回転量を加味しなければならないのはもちろんである。
従来の三次元測定機では、互いに直交する3つの駆動軸でプローブ230とワークWとを相対移動させていたが、本実施形態では、さらに、回転テーブル機構250の回転軸を加えて、4軸でプローブ230とワークWとを相対移動させることができる。このように直交3軸の移動機構220と回転駆動の回転テーブル機構250とを協働させることにより、プローブ230の動きを少なくし、プローブ230の動きを単純化することができる。このことは、複雑な形状のワークを複雑な倣い経路で倣い測定しようとする場合に測定時間を短縮して測定効率を向上させるという効果を奏する。
回転機構としては本実施形態のように回転テーブルの場合もあれば、回転駆動軸を持った多軸プローブも知られている。しかしながら、オペレータが回転動作を含めた倣い測定指令をパートプログラムとして組み上げるのは難しく、かなりの制約があった。そのなかで難しかったのが回転指令を角速度で与える点にあった。並進移動機構と回転機構とを組み合わせてワークを倣い測定する場合、並進移動機構でプローブを所望の位置まで移動させて並進移動を停止状態にし、それから回転機構でプローブまたは回転テーブルを所定の角速度で回転させるという測定パートプログラムを組むのが通常であった。並進移動と回転移動とを同期させながらやや複雑な経路に沿って三次元測定機に倣い測定動作を行なわせるにあたっては、倣い経路情報に埋め込む角度の情報が三次元測定機の座標指令と同じように角度値であることが望ましい。ただし、回転テーブル機構250に与える回転指令は角速度であるから、回転指令生成部344で角速度指令を生成する必要がある。
この点、本実施形態によれば、オペレータが倣い経路に角度の情報を設定しておけば、回転指令生成部344が並進速度パターンに同期した角速度パターンを生成して、自動的に並進駆動と回転駆動とが同期した倣い測定が実行される。
第1実施形態において回転指令生成部344が角速度パターンを生成する工程を説明した。
ここで、倣い測定の終了点について考えてみる。
プローブ230の先端(測定子232)が設定された倣い経路の終点に達したときに、並進移動機構220によるプローブ230の移動も回転テーブル251の回転駆動もピタッと停止するのが望ましいことはもちろんである。
倣い経路の終点で並進移動機構220も回転テーブル251も停止するように最終のセグメントで減速する速度パターンを生成するのであるが、倣い経路の終了点で角速度がゼロになるように最後のセグメントで角速度を減速し切れるとは限らない。そこで、回転指令生成部344は、最後のセグメントまで角速度パターンを一旦生成したあと、もし終了点で角速度ゼロまで減速し切れないときは、停止に必要な減速時間(減速距離)を計算し、角速度パターンを修正する。例えば、図16において、最初に生成された角速度パターンが実線だとして、終了点で速度超過になっているとする。この場合、終了点で角速度がゼロになるようにもう一つ前、さらに必要であれば、二つ前のセグメントから減速を開始するように角速度パターンを修正するようにする。この角速度パターンの修正工程により、プローブ230が倣い経路の終点に達したときに、並進移動機構220によるプローブ230の移動も回転テーブル251の回転駆動もオペレータが意図した通りに停止する。
第3実施形態ではS字加減速処理を説明する。
第1実施形態では角加速度αを所定の一定値とし、加減速時の角速度は時間に関して一次関数となっていた。しかしながら、実施の回転テーブルの制御では徐々に加速し、徐々に減速するのが好ましい。一次関数で与えられた速度パターンに対してS字加減速処理することは本出願人により特許6050636にも開示されている(例えば図17参照)。S字加減速処理によって回転テーブルを滑らかに回転させることができ、さらに、例えば図13の角速度パターンにおいてセグメントSeg4とセグメントSeg5とをブロック化で連結してからS字加減速処理することで図18に例示するように滑らかに回転方向を変えられる角速度パターンが得られる。
上記実施形態の説明では、回転軸は、回転テーブル機構の一つの回転軸だけであったが、回転軸が二つ以上あってもよい。
例えば、図19に例示するように、回転テーブルをさらに傾斜させることができる傾斜回転テーブル機構を採用してもよい。この場合、回転軸は二つになる。あるいは、図20に例示するように、回転軸を二つ持ったプローブが知られており、回転軸が一つの一軸プローブを採用してもよいし、回転軸が二つの二軸プローブを採用してもよい。あとは、組み合わせのバリエーションとして、回転軸が一つの一軸プローブと回転テーブル機構とを組み合わせて採用してもよい。もちろん、回転軸が二つの二軸プローブと傾斜回転テーブル機構とを組み合わせてもよい。
次に本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態の基本的な構成は第1実施形態と同じであるが、第4実施形態では、ホストコンピュータ500の形状解析部530でPCC曲線を補正しておく点に特徴がある。
形状解析部530において、PCC曲線の生成後に、PCC曲線の対応する区間に回転角指令を付け加えて"測定指令データ"を生成するところまでは第1実施形態と同じである。第4実施形態においては、形状解析部530において、PCC曲線を回転角指令の分だけ回転移動させ、回転テーブル機構250の回転分を減じた補正後PCC曲線を求めてしまっておく。(このような座標変換処理はモーションコントローラ300よりもホストコンピュータ500で行った方が処理が速い。)
図23を参照いただきたい。
第1実施形態(図8)との違いは、第4実施形態のモーションコントローラ300には並進ベクトル指令補正部343が無い、ということである。並進速度パターン計画部341および並進ベクトル指令生成部342は、補正後PCC曲線から従来通りの方法で合成ベクトルVを生成する。つまり、並進速度パターン計画部341は、補正後PCC曲線を分割して分割PCC曲線群とし、さらに、分割PCC曲線群から速度曲線を算出してプローブ230の移動速度(移動ベクトル)を算出する(図24参照)。並進ベクトル指令生成部342は、背景技術で説明したように、合成ベクトルVを生成する。
次に本発明の第5実施形態を説明する。
第5実施形態が特徴とする点は、オペレータが回転角指令を設定するのではなく、モーションコントローラ300(あるいはホストコンピュータ500)が倣い経路のPCC曲線から自動的に回転角指令を生成する点にある。
第5実施形態において、オペレータは従来通り倣い経路を設定するだけである。
ホストコンピュータ500の形状解析部530は、その倣い経路をPCC曲線に変換して、測定指令データとし、モーションコントローラ300に与える。
ここまでは従来通りである。
第1実施形態との違いは、回転指令生成部344が回転テーブル機構250に対する回転角指令を演算で求める点である。
第5実施形態では、経路速度ベクトルVfを用いたが、第6実施形態では、押込み修正ベクトルVeを用いて回転テーブル機構250に対する回転角指令を求める。
図28を参照しながら第6実施形態を説明する。
XY面上でみたときに、プローブ230(測定子232)とワークWとの接触点において、ワークWの法線方向が前記アプローチ方向APと平行となる状態を維持すれば、プローブ230(測定子232)でワークWを測定することができる。
第5実施形態では経路速度ベクトルVfを用い、第6実施形態では押込み修正ベクトルVeを用いて回転テーブル機構250に対する回転角指令を求めたが、第7実施形態としては、合成ベクトルVから回転テーブル機構250に対する回転角指令を求める。
XY投影面で考える。
図29において、PCC曲線上の補間点としてP1、P2、P3・・・が設定されており、ベクトル指令生成部342は、合成ベクトルV1、V2・・・を生成するとする。
ここで、合成ベクトルV1の成分のうち、回転テーブル機構250の回転方向の成分については回転テーブル機構250で行えばよいわけである。
200…三次元測定機、
210…定盤、
220…移動機構、221…Yスライダ、222…Xスライダ、223…Z軸コラム、224…Zスピンドル、
230…プローブ、
231…スタイラス、232…測定子、233…支持部、
250…回転テーブル機構、251…回転テーブル、
300…モーションコントローラ、
310…測定指令取得部、330…カウンタ部、
340…駆動指令生成部、341…並進速度パターン計画部、342…並進ベクトル指令生成部、343…並進ベクトル指令補正部、344…回転指令生成部、
350…駆動制御部、351…並進移動機構制御部、352…回転駆動制御部、500…ホストコンピュータ、520…記憶部、530…形状解析部。
Claims (6)
- 並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路とともに前記回転駆動機構の回転角指令を設定しておき、
前記倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記回転角指令に基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記角速度パターンで与えられる回転指令の分を減じるように前記並進速度パターンを補正して補正後並進速度パターンを生成し、
前記補正後並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。 - 並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路とともに前記回転駆動機構の回転角指令を設定しておき、
前記回転角指令の分を減じるように前記倣い経路のデータを補正して補正後倣い経路データを生成し、
前記補正後倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記回転角指令と前記セグメントごとの前記並進速度パターンに基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、
さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。 - 並進移動機構と回転駆動機構とによってプローブとワークとを相対移動させ、前記プローブが予め設定された倣い経路に沿って前記ワークを倣い測定する形状測定装置の制御方法であって、
オペレータが倣い経路を設定し、
前記倣い経路データを複数のセグメントに分割するとともに各前記セグメントの曲率に基づいて各前記セグメントに対して前記並進移動機構の並進速度パターンを設定し、
前記倣い経路のデータに基づいて、前記プローブが前記倣い経路に沿って移動するように前記並進移動機構を駆動制御する並進速度ベクトル指令を生成し、
前記並進速度ベクトル指令に基づいて前記回転テーブル機構への回転指令を生成し、
前記回転角指令に基づいて、前記セグメントごとにセグメント開始時の回転角度値とセグメント終了時の回転角度値を求め、さらに、前記セグメントごとに角速度パターンを生成し、
前記角速度パターンで与えられる回転指令の分を減じるように前記並進速度パターンを補正して補正後並進速度パターンを生成し、
前記補正後並進速度パターンに基づく合成速度ベクトルに基づいて前記並進移動機構を駆動制御すると同時に、前記角速度パターンに基づく角速度指令に基づいて前記回転駆動機構を駆動制御する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の形状測定装置の制御方法において、
前記セグメントごとに角速度パターンを生成する工程において、角加速度の大きさは所定の固定値とし、
先頭の前記セグメントから計算を開始して、角速度が一定であるパターンか、最初に加速してその後一定の角速度になるパターンか、最初に一定の角速度でその後減速するパターンか、のいずれかのパターンを各セグメントに当てはめて角速度パターンを生成する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。 - 請求項4に記載の形状測定装置の制御方法において、
最後の前記セグメントの前記角速度パターンを生成した後、
前記倣い経路の終点で前記角速度がゼロにならない場合、
前記回転駆動機構を前記倣い経路の終点で停止させるまでに必要な減速距離を計算して、前記終点から前記必要な減速距離だけ手前から減速するように前記角速度パターンを修正する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の形状測定装置の制御方法において、
前記セグメントごとに生成された前記角速度パターンをブロック化し、
前記ブロック化された前記角速度パターンの加減速領域に対してS字曲線化を適用する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
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JP2013228326A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Mitsutoyo Corp | 形状測定方法、及び形状測定装置 |
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CN116295212A (zh) * | 2023-05-17 | 2023-06-23 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种辅助在位集成加工的轮廓检测装置和方法 |
CN116295212B (zh) * | 2023-05-17 | 2023-08-11 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种辅助在位集成加工的轮廓检测装置和方法 |
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