JP2021063561A - ガス制御装置およびガス制御方法 - Google Patents

ガス制御装置およびガス制御方法 Download PDF

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Naoki Ogiwara
直貴 荻原
暁 河瀬
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暁 河瀬
俊彦 金崎
Toshihiko Kanezaki
俊彦 金崎
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Abstract

【課題】流量制限の発生を抑制することができるガス制御装置およびガス制御方法を提供する。【解決手段】ガス制御装置18は、ライナ62と補強層64との間に空間部68が形成される高圧タンク20と、ライナ62の内部の圧力を検出する圧力センサ44と、ライナ62の内部の圧力と空間部68の体積との相関関係情報を記憶する記憶部56と、圧力センサ44が検出する圧力と記憶部56が記憶する相関関係情報に基づいて放出孔70から放出される流体の流量制限を開始して空間部68の体積を所定体積以下にする流体制御部58と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、高圧タンクから放出されるガスの流量を制御するガス制御装置およびガス制御方法に関する。
燃料電池車両等は、燃料ガスとしての水素ガスを高圧タンクから燃料電池スタックに供給する。近年の高圧タンクは、水素ガスが充填される樹脂製のライナと、ライナの外表面を覆う補強層と、を有する。樹脂製のライナは、高圧タンクの軽量化という利点を有する一方で、僅かではあるが水素ガスが透過するという課題もある。ライナを透過した水素ガスは、ライナと補強層との間の空間部に溜まる。
燃料電池スタックで水素ガスが消費されると、ライナの内部の圧力は徐々に低下する。一方、ライナと補強層との間の空間部に水素ガスが溜まると、空間部の圧力が上昇する。空間部の圧力がライナの内部の圧力を超えてある程度大きくなると、ライナの変形、所謂バックリングが発生する。
特許文献1は、バックリングを抑制するシステムを開示する。このシステムは、ライナの内部の圧力(タンク内圧力)が空間部の圧力(残留ガス圧力)以下に低下したときに、水素ガスの消費量上限値を最大値よりも小さくなるように制限することによって水素ガスの消費量を抑制し、バックリングを抑制する。この制御を流量制限と称する。
特開2013−127295号公報
特許文献1のシステムは、ライナの内部の圧力が比較的高い状態で水素ガスの流量制限を開始する。流量制限が行われると燃料電池スタックの発電量が低下する。このため、流量制限はできる限り行われないことが望ましく、行われるとしても発生頻度を減らすことが望ましい。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、流量制限の発生を抑制することができるガス制御装置およびガス制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、
高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
前記ライナの外表面を覆う補強層と、
前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
前記ライナの内部の圧力を検出する圧力センサと、
前記ライナの内部の圧力と前記空間部の体積との相関関係情報を記憶する記憶部と、
前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を備える。
本発明の第2態様は、
高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
前記ライナの外表面を覆う補強層と、
前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
前記排出流路から排出される前記流体の流量を検出する流量センサと、
前記流量センサが検出する流量に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を備える。
本発明の第3態様は、
高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
前記ライナの外表面を覆う補強層と、
前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
前記ライナの内部の圧力を検出する圧力センサと、
前記ライナの内部の圧力と前記空間部の体積との相関関係情報を記憶する記憶部と、
前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を用いて前記流体の流量を制御する。
本発明の第4態様は、
高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
前記ライナの外表面を覆う補強層と、
前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
前記排出流路から排出される前記流体の流量を検出する流量センサと、
前記流量センサが検出する流量に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を用いて前記流体の流量を制御する。
本発明によれば、流量制限の発生を抑制することができる。
図1は燃料電池を使用する車両の構成を示す図である。 図2は各実施形態に係るガス制御装置の構成を示す図である。 図3は高圧タンクの一部断面を示す図である。 図4は高圧タンクの口金周辺の断面を示す図である。 図5Aはライナ内圧が高圧である場合のライナから補強層までの断面を示す図であり、図5Bはライナ内圧が低圧である場合のライナから補強層までの断面を示す図である。 図6はライナの内面から補強層の外面までの各位置の圧力を示す図である。 図7は水素ガスの消費に伴うライナ内圧と空間部の圧力の変化を示す図である。 図8は空間部における等温線を示す図である。 図9は第1実施形態の処理フローを示す図である。 図10はライナ内圧の減圧速度−排出ガス量の関係を示す図である。 図11Aは流量制限が行われない場合の時間−ライナ内圧の関係および時間−排出ガス流量の関係を示し、図11Bは流量制限が行われない場合の時間−ライナ内圧の関係および時間−空間体積の関係を示す。 図12Aは流量制限が行われる場合の時間−ライナ内圧の関係および時間−排出ガス流量の関係を示し、図12Bは流量制限が行われる場合の時間−ライナ内圧の関係および時間−空間体積の関係を示す。 図13は第1実施形態の変形例の処理フローを示す図である。 図14は第2実施形態の処理フローを示す図である。
以下、本発明に係るガス制御装置およびガス制御方法について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1.車両10]
図1に示されるように、以下の実施形態では、車両10の燃料電池システム12に設けられるガス制御装置18を想定する。車両10は、燃料電池車両であり、燃料電池システム12とPCU(パワーコントロールユニット)14と負荷としての走行用のモータ16とを有する。燃料電池システム12は、ガス制御装置18を有し、水素と酸素の電気化学反応により発電する。PCU14は、DC/DCコンバータとインバータ(いずれも不図示)を有する。PCU14は、車両10の駆動系統を制御する走行ECU(不図示)の指令信号に応じて燃料電池システム12の出力を制御してモータ16に供給する。モータ16は、車両10の駆動力を発生させる。
[1.2.ガス制御装置18の構成]
図2に示されるように、ガス制御装置18は、高圧タンク20とパワープラント30とセンサ群40とガス制御ECU50を有する。
図3、図4に示されるように、高圧タンク20は、ライナ62と補強層64と口金66を有する。ライナ62は、例えば樹脂で形成され、内部に水素ガスが充填される。補強層64は、例えばCFRPで形成され、ライナ62の外周面を覆う。ライナ62に充填される水素ガスは、ライナ62および補強層64を透過する。
ライナ62の内側の圧力(ライナ内圧)が大気圧である場合、ライナ62と補強層64との間には隙間が形成される。この隙間を空間部68と称する。ライナ内圧が高圧である場合、図5Aに示されるように、ライナ62は内側から外側に押されて補強層64に接触するため、空間部68は塞がれる。一方、ライナ62の内側の圧力(ライナ内圧)が低圧である場合、図5Bに示されるように、ライナ62は通常の形態(内側の圧力が大気圧であるときの形態)となり補強層64から離隔するため、空間部68が形成される。なお、ライナ内圧が大気圧であるときの空間部68の体積をVrとし、体積閾値と称する。体積閾値は、高圧タンク20毎に決められる。
口金66は、例えば金属(アルミ)で形成され、高圧タンク20のガス吸入側とガス放出側にそれぞれ1つずつ配置される。ガス放出側の口金66には放出孔70と排出孔72が形成される。放出孔70は、ライナ62の内側と外側とを連通させる。放出孔70は、ライナ62に充填される水素ガスを燃料電池スタック38(流体消費物)に向けて放出する。排出孔72は、口金66の裏面側すなわちライナ62に臨む対向面側と放出孔70の内側とを連通させる。口金66の裏面には、空間部68と排出孔72に繋がる溝74が形成される。空間部68と溝74と排出孔72は、空間部68に溜まる水素ガスを空間部68から放出孔70に排出する排出流路76を形成する。
パワープラント30は、主止弁32と減圧弁34とインジェクタ36と燃料電池スタック38を有する。主止弁32は、高圧タンク20の放出孔70または放出孔70に連通する配管に設けられる。主止弁32は、ガス制御ECU50から出力される制御信号に応じて開閉する。減圧弁34は、主止弁32の下流側の配管に設けられる。減圧弁34は、主止弁32から流出する水素ガスを減圧する。インジェクタ36は、減圧弁34の下流側の配管に設けられる。インジェクタ36は、ガス制御ECU50から出力される制御信号に応じて燃料電池スタック38に対する水素ガスの供給量(流量)を調整する。燃料電池スタック38は、複数の発電セル(不図示)を有する。発電セルは、電極構造体と、電極構造体を挟持する1対のセパレータと、を有する。電極構造体は、アノード電極およびカソード電極と、両電極の間に介在する電解質と、を有する。発電セルにおいて、一方のセパレータとアノード電極との間には水素ガスが供給され、他方のセパレータとカソード電極との間には空気(酸素)が供給される。
センサ群40は、流量センサ42と圧力センサ44と温度センサ46を有する。流量センサ42は、高圧タンク20の排出流路76を流れる水素ガスの流量(排出ガス流量ともいう)を検出する。圧力センサ44は、ライナ62の内側の圧力(ライナ内圧)を検出する。なお、圧力センサ44は、主止弁32の上流側の配管を流れる水素ガスの圧力を検出してもよいし、主止弁32と減圧弁34の間の配管を流れる水素ガスの圧力を検出してもよい。高圧タンク20から減圧弁34までの水素ガスの圧力はライナ内圧に相当する。温度センサ46は、ライナ62の内部の温度を検出する。
ガス制御ECU50は、入出力部52と演算部54と記憶部56を有する。入出力部52は、A/D変換回路、通信インターフェース、ドライバ等により構成される。演算部54は、例えばCPU等を備えるプロセッサにより構成される。演算部54は、記憶部56に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態において、演算部54は、流体制御部58として機能する。流体制御部58は、走行ECU(不図示)から出力される発電要求に応じて、高圧タンク20の放出孔70から放出される水素ガスの流量を制御する。更に、流体制御部58は、水素ガスの流量の上限値を設定する流量制限を開始し、また、流量制限を解除する。記憶部56は、RAM、ROM、ハードディスク等により構成される。記憶部56は、各種プログラムの他に、演算部54の処理で使用される各種情報を記憶する。本実施形態では、記憶部56は、ライナ内圧と空間部68の体積の相関関係情報を記憶する。相関関係情報については、下記[1.3]で説明する。
[1.3.空間部68から水素ガスが排出される原理と相関関係情報]
水素ガスの満充填時に、ライナ内圧は、高圧タンク20の最大使用可能圧力となる。この圧力をP0とする。このとき、空間部68の圧力は最大圧力となる。この圧力をPrとし、圧力閾値とも称する。補強層64の外側は大気圧である。大気圧をPatmとする。図6は、ライナ62の内面から補強層64の外面までの各位置の圧力を示す。図6の横軸は、ライナ62の内面から補強層64の外面までの各位置を示し、縦軸は圧力を示す。
ここで、ライナ62のガス透過係数をk1とし、ライナ62の厚みをL1とし、ライナ62を透過する水素ガスの透過量をQ1とすると、下記(1)式が成り立つ。
Figure 2021063561
また、補強層64のガス透過係数をk2とし、補強層64の厚みをL2とし、補強層64を透過する水素ガスの透過量をQ2とすると、下記(2)式が成り立つ。
Figure 2021063561
ライナ62の内面から補強層64の外面までの間において水素ガスの拡散が平衡状態となったとき、Q1とQ2は等しくなる。従って、下記(3)式が成立する。
Figure 2021063561
上記(3)式を変形した下記(4)式から、空間部68の最大圧力であるPrを求めることができる。
Figure 2021063561
図7の破線78は時間の経過(水素ガスの消費)に伴うライナ内圧の変化を示し、実線79は時間の経過に伴う空間部68の圧力の変化を示す。破線78で示されるように、ライナ内圧は、時間の経過に伴い減少する。一方、実線79で示されるように、ライナ内圧が減少し始めてから空間部68の圧力の最大圧力(Pr)に到達するまでの間、空間部68の圧力は最大圧力(Pr)に維持される。ライナ内圧がPrよりも大きい場合、図5Aに示されるように、ライナ62が補強層64に押し当てられるため、空間部68は塞がれる。このため、空間部68の水素ガスは排出孔72から排出されない。
水素ガスの消費が進み、ライナ内圧がPrに到達すると、ライナ内圧と空間部68の圧力は等圧となる。このとき、図5Bに示されるように、ライナ62と空間部68との位置が、ライナ内圧が大気圧であるときの位置と同じになる。つまりライナ62が補強層64から離隔し、空間部68が形成される。すると、排出流路76が形成され、空間部68の水素ガスは排出孔72から排出される。ライナ内圧がPrに到達した後は、ライナ内圧と空間部68の圧力は等圧を維持しつつ低下する。
図8に示されるように、一定の温度の下で、空間部68の体積は圧力に反比例する(ボイルの法則)。従って、空間部68の圧力が低下すると、空間部68の体積は大きくなる。例えば、圧力が1MPaで体積が1Lの水素ガスは、大気圧(≒0.1Mpa)に減圧すると体積が10Lになる。水素ガスの体積の膨張が過大であると、バックリングが発生する。
図7および図8の関係から次のことが解る。ライナ内圧がP0以下でありPrより大きい場合、空間部68の体積は略一定である。一方、ライナ内圧がPr以下である場合、空間部68の体積はライナ内圧(=空間部68の圧力)と反比例する。記憶部56は、ライナ内圧と空間部68の体積の相関関係情報として、これらの情報を記憶する。なお、記憶部56は、相関関係情報を空間部68の温度毎に記憶する。
[1.4.ガス制御装置18の動作]
流体制御部58は、圧力センサ44が検出する圧力と、温度センサ46が検出する温度と、記憶部56が記憶する相関関係情報に基づいて空間部68の体積を推測し、推測した体積が所定体積(体積閾値)になる場合に、放出孔70から放出される水素ガスの流量制限を開始して空間部68の体積を所定体積以下にする。図9を用いてガス制御装置18の動作を説明する。
ステップS1において、圧力センサ44は、ライナ内圧を検出する。ステップS2において、温度センサ46は、ライナ62の内部の温度を検出する。ライナ62の内部の温度は、空間部68の温度と同等である。ここでは、空間部68の温度を検出する代わりに、ライナ62の内部の温度を検出する。ステップS1およびステップS2が実行されると、処理はステップS3に移行する。ステップS3において、流体制御部58は、圧力センサ44が検出するライナ内圧と、温度センサ46が検出する空間部68の温度と、記憶部56が記憶する相関関係情報に基づいて空間部68の体積を推測する。ステップS3が実行されると、処理はステップS4に移行する。
ステップS4において、流体制御部58は、推測した体積と記憶部56に記憶される体積閾値を比較する。推測した体積が体積閾値以上である場合(ステップS4:YES)、処理はステップS5に移行する。なお、推測した体積が体積閾値よりも大きいということは、バックリングが発生していることを意味する。従って、基本的には、推測した体積が体積閾値よりも大きいなることはない。一方、推測した体積が体積閾値未満である場合(ステップS4:NO)、処理はステップS1に戻る。
ステップS5において、流体制御部58は、流量制限を開始する。流体制御部58は、流量制限として、インジェクタ36に対する流量指令値の上限値を設定する。例えば、流体制御部58は、通常(流量制限を行わない場合)、インジェクタ36に対する流量指令値の上限値を設定しない。この場合、インジェクタ36は、水素ガスの流量を、許容最大値以下の範囲内で制御する。一方、流体制御部58は、流量制限を行う場合に、インジェクタ36に対する流量指令値の上限値を設定する。つまり、急加速等の負荷の増加に伴い走行ECU(不図示)から発電要求を入力したとしても、流体制御部58は、上限値を超える流量指令値を出力しない。この場合、インジェクタ36は、水素ガスの流量を、許容最大値よりも小さい上限値以下の範囲内で制御する。
図10に示されるように、ライナ内圧の減圧速度と空間部68から排出される水素ガスの量(排出ガス量)は比例関係にある。ライナ内圧の減圧速度が速くなるほど排出ガス量は少なくなり、ライナ内圧の減圧速度が遅くなるほど排出ガス量は多くなる。流体制御部58が流量制限を行うと、流量制限を行わない場合と比較して、放出孔70から放出される単位時間当たりの水素ガスの量は抑制される。すると、ライナ内圧の減圧速度は遅くなり、空間部68から排出される水素ガスの量は多くなる。つまり、流量制限を行う場合、流量制限を行わない場合と比較して、排出流路76から多くの水素ガスを迅速に排出することができる。このため、空間部68の圧力上昇が抑制され、バックリングが発生しなくなる。
流体制御部58は、走行ECUから出力される発電要求に対応する流量が、ステップS5で設定した流量上限値を下回る場合に、流量制限を解除する。
[1.5.第1実施形態の効果]
図11A、図11Bを用いて流量制限が行われない場合の特性を説明する。図11Aは、流量制限が行われない場合の時間−ライナ内圧の関係(線80)および時間−排出ガス流量の関係(線82)を示す。図11Bは、流量制限が行われない場合の時間−ライナ内圧の関係(線80)および時間−空間体積の関係(線84)を示す。なお、図11A、図11Bにおいては、線80が一時的にP0を維持する期間が示される。これは、水素ガスが消費されていないこと、すなわち車両10が走行していないことを意味する。
線80で示されるように、ライナ内圧(P)は、時間経過に伴い満充填時の圧力(P0)から徐々に低下する。この圧力の低下は、水素ガスが消費されるためである。時点t1でライナ内圧が圧力閾値(Pr)に到達すると、ライナ内圧と空間部68の内圧が等圧となる。このとき、線82で示されるように、排出流路76から水素ガスの排出が開始される。単位時間当たりの排出ガス流量(F)は、時間経過に伴い徐々に増加し、ピーク値(Fp)に達した後に徐々に減少する。時間−ライナ内圧の関係(線80)および時間−排出ガス流量の関係(線82)は、高圧タンク20毎に決まっている。
本発明者らの研究によると、バックリングは、図11Aに示される時間−排出ガス流量の関係(線82)において、排出ガス流量がピーク値(Fp)に到達した時点t2以降に発生することが判明している。上述したように、ライナ内圧がPrに到達すると、ライナ内圧と空間部68の圧力は等圧となる。このとき、図5Bに示されるように、ライナ62と空間部68との位置が、ライナ内圧が大気圧であるときの位置と同じになる。すると、排出流路76が形成され、空間部68の水素ガスは排出孔72から排出される。ガス排出に伴い空間部68の圧力は低下し、線84で示されるように空間部68の体積は大きくなる。そして、時点t2で空間部68の体積が体積閾値(Vr)に到達すると、バックリングが発生する。
図12A、図12Bを用いて流量制限が行われる場合の特性を説明する。図12Aは、流量制限が行われる場合の時間−ライナ内圧の関係(線80´)および時間−排出ガス流量の関係(線82´)を示す。図12Bは、流量制限が行われる場合の時間−ライナ内圧の関係(線80´)および時間−空間体積の関係(線84´)を示す。
流量制限が行われると、図12Bの線80´に示されるように、流量制限が行われない場合と比較して、ライナ内圧の減圧速度が低下する。図10に示される関係から、ライナ内圧の減圧速度が低下すると、排出ガス量が増加する。つまり、流量制限が行われる場合、流量制限が行われない場合と比較して、空間部68から多くの水素ガスを迅速に排出することができる。このため、図12Aの線82´に示されるように、排出流路76から排出される水素ガスの量が増加する。すると、図12Bの線84´に示されるように、空間部68の体積の単位時間当たりの増加量が低下する。その結果、バックリングが抑制される。
また、第1実施形態によれば、バックリングが抑制されるため、ライナ内圧がある程度低下してもライナ62の内部の水素ガスを使用することができる。つまり、第1実施形態によれば、使用できない水素ガスの量を低減することができ、その結果、車両10の航続距離を延ばすことができる。
本発明者らの研究によると、空間部68の体積は、バックリングの発生と密接に関係することが判明している。つまり、空間部68の体積を管理することでバックリングを防止することができる。上記構成によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68の体積と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。
[1.6.変形例1]
上述した実施形態において、流体制御部58は、推測した空間部68の体積と記憶部56に記憶される体積閾値を比較することにより流量制限の開始タイミングを判定する。これに代わり、流体制御部58は、圧力センサ44が検出した圧力と記憶部56に記憶される圧力閾値を比較することにより流量制限の開始タイミングを判定してもよい。
この場合、図13に示されるように、ステップS11〜ステップS13の処理が行われる。ステップS11、ステップS13の処理は、図9に示されるステップS1、ステップS5の処理と同じである。また、ステップS12の処理は、ステップS4の比較対象を体積から圧力に代えて行われる。
[1.7.変形例2]
流体制御部58は、流量制限を行う際に、流量指令値の上限値を一定にしてもよいし、流量指令値の上限値を時間経過とともに変化させてもよい。例えば、流体制御部58は、時間経過とともに流量指令値の上限値を徐々に低下させてもよい。
流体制御部58は、流量センサ42で検出される流量に応じて、放出孔70から放出される水素ガスの流量を変化させてもよい。このようにすることで、減圧速度を制御することができる。
[2.第2実施形態]
[2.1.ガス制御装置18の構成]
第2実施形態に係るガス制御装置18は、第1実施形態に係るガス制御装置18と同様に車両10に設けられる。また、第2実施形態に係るガス制御装置18の構成は、第1実施形態に係るガス制御装置18の構成(図2)と概ね同じである。但し、第2実施形態では圧力センサ44は不要である。また、第2実施形態では記憶部56が記憶する一部情報が第1実施形態と比較して異なる。異なる部分を説明する。
図11Aを用いて説明したように、バックリングは、排出ガス流量がピーク値(Fp)に到達した時点t2以降に発生することが判明している。本実施形態において、記憶部56は、流量制限の開始タイミングを判定するための流量閾値として、ゼロより大きくピーク値以下の排出ガス流量を予め記憶する。流量閾値は、ユーザが入力装置(不図示)等を操作することにより設定される。
[2.2.ガス制御装置18の動作]
流体制御部58は、流量センサ42が検出する流量を監視し、水素ガスの排出が開始されてから水素ガスの流量が所定のピーク値(Fp)に到達するまでの間に流量制限を開始して空間部68の体積を所定体積以下にする。図14を用いてガス制御装置18の動作を説明する。
ステップS21において、流量センサ42は、排出流路76から排出される水素ガスの流量を検出する。ステップS21が実行されると、処理はステップS22に移行する。ステップS22において、流体制御部58は、流量センサ42が検出する流量と記憶部56が予め記憶する流量閾値を比較する。流量が流量閾値以上である場合(ステップS22:YES)、処理はステップS23に移行する。一方、流量が流量閾値未満である場合(ステップS22:NO)、処理はステップS21に戻る。ステップS23において、流体制御部58は、流量制限を開始する。ここで行われる処理は、図9を用いて説明したステップS5の処理と同じである。
なお、第2実施形態でも、第1実施形態の変形例2と同じ変形が可能である。
流体制御部58は、走行ECUから出力される発電要求に対応する流量が、ステップS23で設定した流量上限値を下回る場合に、流量制限を解除する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、空間部68から多くの水素ガスを迅速に排出することができ、バックリングを抑制することができる。また、第2実施形態によれば、使用できない水素ガスの量を低減することができ、その結果、車両10の航続距離を延ばすことができる。
上述したように、本発明者らの研究によると、バックリングは、図11Aに示される時間−排出ガス流量の関係(線82)において、排出ガス流量がピーク値(Fp)に到達した時点t2以降に発生することが判明している。つまり、空間部68から排出される水素ガスの流量を管理することでバックリングを防止することができる。第2実施形態によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68から排出される水素ガスの流量と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。
[3.実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
本発明の第1態様は、
高圧の流体(水素ガス)が充填される樹脂製のライナ62と、
前記ライナ62の外表面を覆う補強層64と、
前記ライナ62と前記補強層64との間に形成され、前記ライナ62の内部の圧力に応じて体積が変化する空間部68と、
前記流体を前記ライナ62から流体消費物(燃料電池スタック38)に向けて放出する放出孔70と、
前記ライナ62を透過して前記空間部68に溜まる前記流体を前記空間部68から排出する排出流路76と、を有する高圧タンク20と、
前記ライナ62の内部の圧力を検出する圧力センサ44と、
前記ライナ62の内部の圧力と前記空間部68の体積との相関関係情報を記憶する記憶部56と、
前記圧力センサ44が検出する圧力と前記記憶部56が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔70から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部68の体積を所定体積以下にする流体制御部58と、を備える。
上記構成によれば、流量制限の発生を抑制することができる。これは次の理由による。空間部68の体積は、バックリングの発生と密接に関係する。つまり、空間部68の体積を管理することでバックリングを防止することができる。上記構成によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68の体積と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。ユーザは、空間部68の大きさを調整することにより、流量制限開始時のライナ内圧を設定することができる。
第1態様において、
前記流体制御部58は、前記圧力センサ44が検出する圧力と前記記憶部56が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記空間部68の体積を推測し、推測した体積が前記所定体積になる場合に、前記放出孔70から放出される前記流体(水素ガス)の前記流量制限を開始して前記空間部68の体積を前記所定体積以下にしてもよい。
本発明の第2態様は、
高圧の流体(水素ガス)が充填される樹脂製のライナ62と、
前記ライナ62の外表面を覆う補強層64と、
前記ライナ62と前記補強層64との間に形成され、前記ライナ62の内部の圧力に応じて体積が変化する空間部68と、
前記流体を前記ライナ62から流体消費物(燃料電池スタック38)に向けて放出する放出孔70と、
前記ライナ62を透過して前記空間部68に溜まる前記流体を前記空間部68から排出する排出流路76と、を有する高圧タンク20と、
前記排出流路76から排出される前記流体の流量を検出する流量センサ42と、
前記流量センサ42が検出する流量に基づいて前記放出孔70から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部68の体積を所定体積以下にする流体制御部58と、を備える。
上記構成によれば、流量制限の発生を抑制することができる。これは次の理由による。バックリングは、時間−排出ガス流量の関係において、排出ガス流量がピーク値に到達した時点以降に発生することが判明している。つまり、空間部68から排出される流体(水素ガス)の流量を管理することでバックリングを防止することができる。上記構成によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68から排出される流体の流量と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。
第2態様において、
前記流体制御部58は、前記流量センサ42が検出する流量を監視し、前記流体(水素ガス)の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に前記流量制限を開始してもよい。
上記構成によれば、流体(水素ガス)の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に流量制限が開始される。このため、流量制限の開始タイミングを遅くすることができ、かつ、バックリングを抑制することができる。
第1態様および第2態様において、
前記流体制御部58は、前記排出流路76から排出される前記流体(水素ガス)の流量に応じて、前記放出孔70から放出される前記流体の流量を変化させてもよい。
上記構成によれば、ライナ内圧が排出流路76からの流体の放出に影響する。このため、空間内から排出される流体(水素ガス)の流量に追従させて、ライナ62の内部から放出される流体の流量を変えることで、空間部68の内部の圧力とライナ内圧を略等しくすることができる。容器本体が内側に変形するバックリングを抑制することができる。また、減圧速度を制御することができる。
第1態様および第2態様において、
前記ライナ62に接続され、前記放出孔70と前記排出流路76の下流側に位置する排出孔72が形成される口金66を備え、
前記排出流路76は、前記ライナ62の内部の圧力減少に伴い前記ライナ62と前記補強層64が離間して前記空間部68が広がり、前記空間部68と前記排出孔72が連通することにより形成されてもよい。
第1態様および第2態様において、
前記流体制御部58は、前記流量制限として前記流体(水素ガス)の流量の上限値を設定してもよい。
本発明の第3態様は、
高圧の流体(水素ガス)が充填される樹脂製のライナ62と、
前記ライナ62の外表面を覆う補強層64と、
前記ライナ62と前記補強層64との間に形成され、前記ライナ62の内部の圧力に応じて体積が変化する空間部68と、
前記流体を前記ライナ62から流体消費物(燃料電池スタック38)に向けて放出する放出孔70と、
前記ライナ62を透過して前記空間部68に溜まる前記流体を前記空間部68から排出する排出流路76と、を有する高圧タンク20と、
前記ライナ62の内部の圧力を検出する圧力センサ44と、
前記ライナ62の内部の圧力と前記空間部68の体積との相関関係情報を記憶する記憶部56と、
前記圧力センサ44が検出する圧力と前記記憶部56が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔70から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部68の体積を所定体積以下にする流体制御部58と、を用いて前記流体の流量を制御する。
上記構成によれば、流量制限の発生を抑制することができる。これは次の理由による。空間部68の体積は、バックリングの発生と密接に関係する。つまり、空間部68の体積を管理することでバックリングを防止することができる。上記構成によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68の体積と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。ユーザは、空間部68の大きさを調整することにより、流量制限開始時のライナ内圧を設定することができる。
第3態様において、
前記流体制御部58は、前記圧力センサ44が検出する圧力と前記記憶部56が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記空間部68の体積を推測し、推測した体積が前記所定体積以上になる場合に、前記放出孔70から放出される前記流体(水素ガス)の前記流量制限を開始して前記空間部68の体積を前記所定体積以下にしてもよい。
本発明の第4態様は、
高圧の流体(水素ガス)が充填される樹脂製のライナ62と、
前記ライナ62の外表面を覆う補強層64と、
前記ライナ62と前記補強層64との間に形成され、前記ライナ62の内部の圧力に応じて体積が変化する空間部68と、
前記流体を前記ライナ62から流体消費物(燃料電池スタック38)に向けて放出する放出孔70と、
前記ライナ62を透過して前記空間部68に溜まる前記流体を前記空間部68から排出する排出流路76と、を有する高圧タンク20と、
前記排出流路76から排出される前記流体の流量を検出する流量センサ42と、
前記流量センサ42が検出する流量に基づいて前記放出孔70から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部68の体積を所定体積以下にする流体制御部58と、を用いて前記流体の流量を制御する。
上記構成によれば、流量制限の発生を抑制することができる。これは次の理由による。バックリングは、時間−排出ガス流量の関係において、排出ガス流量がピーク値に到達した時点以降に発生することが判明している。つまり、空間部68から排出される流体(水素ガス)の流量を管理することでバックリングを防止することができる。上記構成によれば、流体制御部58は、流量制御の開始タイミングを、空間部68から排出される流体の流量と関連付けて判定する。このため、流体制御部58は、流量制限を開始するタイミングを正確に判定することができる。その結果、流量制限開始時のライナ内圧を低くすることができる。言い換えると、ライナ内圧がある程度まで低下しない限り、流量制限は開始されなくなる。
第4態様において、
前記流体制御部58は、前記流量センサ42が検出する流量を監視し、前記流体(水素ガス)の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に前記流量制限を開始してもよい。
上記構成によれば、流体(水素ガス)の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に流量制限が開始される。このため、流量制限の開始タイミングを遅くすることができ、かつ、バックリングを抑制することができる。
第3態様および第4態様において、
前記流体制御部58は、前記排出流路76から排出される前記流体(水素ガス)の流量に応じて、前記放出孔70から放出される前記流体の流量を変化させてもよい。
上記構成によれば、ライナ内圧が排出流路76からの流体の放出に影響する。このため、空間内から排出される流体(水素ガス)の流量に追従させて、ライナ62の内部から放出される流体(水素ガス)の流量を変えることで、空間部68の内部の圧力とライナ内圧を略等しくすることができる。容器本体が内側に変形するバックリングを抑制することができる。また、減圧速度を制御することができる。
なお、本発明に係るガス制御装置およびガス制御方法は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
18…ガス制御装置 20…高圧タンク
38…燃料電池スタック(流体消費物) 42…流量センサ
44…圧力センサ 56…記憶部
58…流体制御部 62…ライナ
64…補強層 66…口金
68…空間部 70…放出孔
72…排出孔 76…排出流路

Claims (12)

  1. 高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
    前記ライナの外表面を覆う補強層と、
    前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
    前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
    前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
    前記ライナの内部の圧力を検出する圧力センサと、
    前記ライナの内部の圧力と前記空間部の体積との相関関係情報を記憶する記憶部と、
    前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を備える、ガス制御装置。
  2. 請求項1に記載のガス制御装置であって、
    前記流体制御部は、前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記空間部の体積を推測し、推測した体積が前記所定体積になる場合に、前記放出孔から放出される前記流体の前記流量制限を開始して前記空間部の体積を前記所定体積以下にする、ガス制御装置。
  3. 高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
    前記ライナの外表面を覆う補強層と、
    前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
    前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
    前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
    前記排出流路から排出される前記流体の流量を検出する流量センサと、
    前記流量センサが検出する流量に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を備える、ガス制御装置。
  4. 請求項3に記載のガス制御装置であって、
    前記流体制御部は、前記流量センサが検出する流量を監視し、前記流体の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に前記流量制限を開始する、ガス制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス制御装置であって、
    前記流体制御部は、前記排出流路から排出される前記流体の流量に応じて、前記放出孔から放出される前記流体の流量を変化させる、ガス制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス制御装置であって、
    前記ライナに接続され、前記放出孔と前記排出流路の下流側に位置する排出孔が形成される口金を備え、
    前記排出流路は、前記ライナの内部の圧力減少に伴い前記ライナと前記補強層が離間して前記空間部が広がり、前記空間部と前記排出孔が連通することにより形成される、ガス制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス制御装置であって、
    前記流体制御部は、前記流量制限として前記流体の流量の上限値を設定する、ガス制御装置。
  8. 高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
    前記ライナの外表面を覆う補強層と、
    前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
    前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
    前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
    前記ライナの内部の圧力を検出する圧力センサと、
    前記ライナの内部の圧力と前記空間部の体積との相関関係情報を記憶する記憶部と、
    前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始して前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を用いて前記流体の流量を制御する、ガス制御方法。
  9. 請求項8に記載のガス制御方法であって、
    前記流体制御部は、前記圧力センサが検出する圧力と前記記憶部が記憶する前記相関関係情報に基づいて前記空間部の体積を推測し、推測した体積が前記所定体積以上になる場合に、前記放出孔から放出される前記流体の前記流量制限を開始して前記空間部の体積を前記所定体積以下にする、ガス制御方法。
  10. 高圧の流体が充填される樹脂製のライナと、
    前記ライナの外表面を覆う補強層と、
    前記ライナと前記補強層との間に形成され、前記ライナの内部の圧力に応じて体積が変化する空間部と、
    前記流体を前記ライナから流体消費物に向けて放出する放出孔と、
    前記ライナを透過して前記空間部に溜まる前記流体を前記空間部から排出する排出流路と、を有する高圧タンクと、
    前記排出流路から排出される前記流体の流量を検出する流量センサと、
    前記流量センサが検出する流量に基づいて前記放出孔から放出される前記流体の流量制限を開始し、前記空間部の体積を所定体積以下にする流体制御部と、を用いて前記流体の流量を制御する、ガス制御方法。
  11. 請求項10に記載のガス制御方法であって、
    前記流体制御部は、前記流量センサが検出する流量を監視し、前記流体の排出が開始されてから流量が所定のピーク値に到達するまでの間に前記流量制限を開始する、ガス制御方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載のガス制御方法であって、
    前記流体制御部は、前記排出流路から排出される前記流体の流量に応じて、前記放出孔から放出される前記流体の流量を変化させる、ガス制御方法。
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