JP2021063536A - 車両用駆動伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の進行方向によらずに被潤滑部位の潤滑を十分に行うことができる車両用駆動伝達装置を実現する。【解決手段】車両用駆動伝達装置は、第1軸部材に形成された第1ギヤ(7B)の下部領域と水平方向第2側(H2)の領域とを経由して上部領域まで延在し上部領域での延在方向が油貯留部(79)の開口部(79a)を向く第1カバー部と、第1ギヤ(7B)の下部領域と第2軸部材に形成された第2ギヤ(52B)の下部領域とに亘って延在する第2カバー部と、第2ギヤ(52B)の水平方向第2側(H2)の領域から上部領域まで延在し上部領域での延在方向が油貯留部(79)の開口部(79a)を向く第3カバー部(CV3)とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用駆動伝達装置に関する。
ギヤが形成された複数の軸部材を備える車両用駆動伝達装置が利用されている。このような車両用駆動伝達装置の一例が、特開2018−48685号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の車両用駆動伝達装置は、第1ギヤ(出力歯車14a)が形成された第1軸部材(出力歯車軸14L)と、第2ギヤ(出力側小径歯車13b)が形成された第2軸部材(中空軸部35)とを備えている。第1軸部材及び第2軸部材は、それぞれ軸受を介してケースに対して回転可能に支持されている。
特許文献1の車両用駆動伝達装置において、各軸受の潤滑は「油浴潤滑や歯車の回転による跳ね掛け潤滑(特許文献1の段落0106)」により行われている。この跳ね掛け潤滑では、ケースの下部に形成された油溜まり部(油溜まり75)から掻き上げられて飛散した潤滑油が、ケース上部に設けられた油貯留部で捕集された後、各軸受が配置された部位(潤滑を要する被潤滑部位)に供給されるようになっている。
ここで、特許文献1を含む従来仕様の潤滑構造は、車両の前進走行時に十分な潤滑を行うことを意図した設計となっていることがほとんどであった。これは、車両用駆動伝達装置の使用態様を考慮したとき、前進走行時と後進走行時とでは、前進走行時における使われ方がより厳しいためであると考えられる。しかし、車両用駆動伝達装置は特定の車両だけでなく多様な車両に搭載できることが好ましいことから、汎用性の高い設計となっていることが好ましい。例えば、車両の進行方向に依存することなく、前進走行時及び後進走行時の両方で被潤滑部位の潤滑を十分に行えるようになっていることが好ましい。
特開2018−48685号公報
そこで、車両の進行方向によらずに被潤滑部位の潤滑を十分に行うことができる車両用駆動伝達装置の実現が望まれる。
本開示に係る車両用駆動伝達装置は、
第1ギヤが形成された第1軸部材と、
前記第1軸部材に対して少なくとも一部が上方かつ水平方向における一方側である水平方向第1側に配置され、前記第1ギヤとは逆回転する第2ギヤが形成された第2軸部材と、
前記第1ギヤ及び前記第2ギヤに対して上方かつ前記水平方向第1側に配置され、上方に開口した開口部を有し、被潤滑部位に油を供給する油貯留部と、
前記第1ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第1ギヤの下部領域と前記水平方向第1側とは反対側の水平方向第2側の領域とを経由して前記第1ギヤの上部領域まで延在し、前記第1ギヤの上部領域での延在方向が前記開口部へ向かう方向となっている第1カバー部と、
前記第1ギヤ及び前記第2ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第1ギヤの下部領域と前記第2ギヤの下部領域とに亘って延在する第2カバー部と、
前記第1カバー部よりも前記第2ギヤに近い位置において前記第2ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第2ギヤの前記水平方向第2側の領域から上部領域まで延在し、前記第2ギヤの上部領域での延在方向が前記開口部へ向かう方向となっている第3カバー部と、
を備える。
この構成によれば、車両の前進走行時又は後進走行時、第1ギヤの下部領域に溜まった油は、第1軸部材の周方向第1側への回転に伴い第1ギヤにより掻き上げられ、第1カバー部によってガイドされて油貯留部に貯留される。また、逆方向への進行時には、第1ギヤの下部領域に溜まった油は、第1軸部材の周方向第2側への回転に伴い第1ギヤにより掻き上げられ、第2カバー部によってガイドされて第2ギヤの下部領域へと送られる。そして、第2ギヤの下部領域に送られた油は、第2軸部材の周方向第1側への回転に伴い第2ギヤ又は当該第2ギヤと一体回転するギヤにより掻き上げられ、第3カバー部によってガイドされて油貯留部に貯留される。このように、本構成によれば、車両の進行方向によらずに、第1ギヤの下部領域に溜まった油を、上部に設けられた油貯留部に貯留することができる。そして、油貯留部に貯留された油を、供給油路を介して被潤滑部位へと導き、被潤滑部位の潤滑を十分に行うことができる。従って、車両の進行方向によらずに被潤滑部位の潤滑を十分に行うことができる車両用駆動伝達装置を実現することができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
実施形態の車両用駆動装置のスケルトン図 車両用駆動装置の断面図 差動歯車機構の速度線図 第5カバー部の斜視図 第2カバー部を軸方向第1側から見た図 第1カバー部及び第5カバー部を軸方向第2側から見た図 ギヤ列の歯面の様子を示す図 別形態の第2カバー部を軸方向第1側から見た図 別形態の第2カバー部を軸方向第1側から見た図 別形態の車両用駆動装置のスケルトン図 別形態の車両用駆動装置のスケルトン図 別形態の車両用駆動装置のスケルトン図
車両用駆動伝達装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、車輪W1,W2の駆動力源としての第1回転電機1A及び第2回転電機1Bと共に車両用駆動装置100に備えられる車両用駆動伝達装置90を例として説明する。図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、第1回転電機1Aと、第2回転電機1Bと、車両用駆動伝達装置90とを備えている。車両用駆動伝達装置90は、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bの駆動力を第1車輪W1及び第2車輪W2に伝達する。
車両用駆動伝達装置90は、第1車輪W1に駆動連結される第1出力部材2Aと、第2車輪W2に駆動連結される第2出力部材2Bと、動力伝達装置3とを備えている。また、車両用駆動装置100(車両用駆動伝達装置90)は、第1回転電機1A、第2回転電機1B、第1出力部材2Aの一部、第2出力部材2Bの一部、及び動力伝達装置3を収容するケースCSを備えている。なお、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bの残りの一部は、ケースCSの外部に露出している。
ここで、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、2つの回転要素が1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bは、第1軸X1上に配置されている。具体的には、第1回転電機1Aの第1ロータ12A及び第2回転電機1Bの第2ロータ12Bのそれぞれが、第1軸X1を中心として回転する。第1出力部材2A及び第2出力部材2Bは、第1軸X1とは異なる第3軸X3上に配置されている。具体的には、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bのそれぞれが、第3軸X3を中心として回転する。
動力伝達装置3は、第1回転電機1Aのトルクを少なくとも第1出力部材2Aに伝達するとともに第2回転電機1Bのトルクを少なくとも第2出力部材2Bに伝達する。本実施形態の動力伝達装置3は、第1回転電機1Aのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに分配して伝達するとともに第2回転電機1Bのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに分配して伝達する。すなわち、動力伝達装置3は、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bのトルクを、第1出力部材2Aと第2出力部材2Bとに分配して伝達する。このような動力伝達装置3は、第1回転電機1Aに駆動連結された第1入力ギヤ4Aと、第2回転電機1Bに駆動連結された第2入力ギヤ4Bと、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに駆動連結される差動歯車機構6と、第1入力ギヤ4Aと差動歯車機構6との動力伝達経路に配置された第1カウンタギヤ機構5Aと、第2入力ギヤ4Bと差動歯車機構6との動力伝達経路に配置された第2カウンタギヤ機構5Bとを備えている。
第1入力ギヤ4A及び第2入力ギヤ4Bは、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bと共に、第1軸X1上に配置されている。具体的には、第1入力ギヤ4A及び第2入力ギヤ4Bのそれぞれが、第1軸X1を中心として回転する。差動歯車機構6は、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bと共に、第3軸X3上に配置されている。具体的には、差動歯車機構6の複数の回転体(第1サンギヤS61、第2サンギヤS62、キャリヤC6、及びリングギヤR6)のそれぞれが、第3軸X3を中心として回転する。第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bは、第1軸X1及び第3軸X3とは異なる第2軸X2上に配置されている。具体的には、第1カウンタギヤ機構5Aの回転体(第1カウンタ入力ギヤ51A及び第1カウンタ出力ギヤ52A)及び第2カウンタギヤ機構5Bの回転体(第2カウンタ入力ギヤ51B及び第2カウンタ出力ギヤ52B)のそれぞれが、第2軸X2を中心として回転する。
第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3は、互いに異なる仮想軸であり、互いに平行に配置されている。以下の説明では、第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3に平行な方向を、車両用駆動装置100(車両用駆動伝達装置90)の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、第1回転電機1Aが配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側(第2回転電機1Bが配置される側)を「軸方向第2側L2」とする。また、第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。
第1回転電機1Aは、ケースCSに固定された第1ステータ11Aと、この第1ステータ11Aの径方向内側に回転自在に支持された第1ロータ12Aとを備えている。第1回転電機1Aは、蓄電装置(図示せず)から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両の慣性力等によって発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。第1ロータ12Aは、第1ロータ軸13Aと一体的に回転するように連結されており、その第1ロータ軸13Aは、第1入力軸14Aと一体的に回転するように連結されている。
第2回転電機1Bは、ケースCSに固定された第2ステータ11Bと、この第2ステータ11Bの径方向内側に回転自在に支持された第2ロータ12Bとを備えている。第2回転電機1Bは、蓄電装置(図示せず)から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両の慣性力等によって発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。第2ロータ12Bは、第2ロータ軸13Bと一体的に回転するように連結されており、その第2ロータ軸13Bは、第2入力軸14Bと一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第2回転電機1Bが「回転電機」に相当し、第2ロータ12Bが「ロータ」に相当する。
第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとは、独立して回転可能に設けられている。すなわち、第1ロータ12Aと第2ロータ12Bとは、一体的に回転するようには連結されておらず、第1ロータ12Aの回転速度と第2ロータ12Bの回転速度との比は、車両用駆動装置100の状態に応じて変化する。本実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bとして、互いに同じ出力特性を備える2つの回転電機が用いられている。なお、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとで、異なる出力特性を備える回転電機を用いても良い。
動力伝達装置3を構成する第1入力ギヤ4Aは、第1ロータ軸13Aを介して第1回転電機1Aの第1ロータ12Aと一体的に回転する第1入力軸14Aに形成されている。第1入力ギヤ4Aは、第1入力軸14Aにおける軸方向Lの中央よりも軸方向第2側L2の部分の外周面に形成されている。
動力伝達装置3を構成する第2入力ギヤ4Bは、第2ロータ軸13Bを介して第2回転電機1Bの第2ロータ12Bと一体的に回転する第2入力軸14Bに形成されている。第2入力ギヤ4Bは、第2入力軸14Bにおける軸方向Lの中央よりも軸方向第1側L1の部分の外周面に形成されている。本実施形態では、第2入力ギヤ4Bが「第4ギヤ」に相当し、第2入力軸14Bが「第3軸部材」及び「入力軸」に相当する。
動力伝達装置3を構成する第1カウンタギヤ機構5Aは、第1カウンタ入力ギヤ51Aと、第1カウンタ出力ギヤ52Aと、第1カウンタ軸53Aとを備えている。第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1カウンタギヤ機構5Aの入力要素である。第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1入力ギヤ4Aに噛み合っている。第1カウンタ出力ギヤ52Aは、第1カウンタギヤ機構5Aの出力要素である。第1カウンタ出力ギヤ52Aは、第1カウンタ軸53Aを介して、第1カウンタ入力ギヤ51Aと一体的に回転するように連結されている。第1カウンタ入力ギヤ51Aと第1カウンタ出力ギヤ52Aとは、軸方向Lの異なる位置で一体回転する。本実施形態では、第1カウンタ軸53Aに形成された円板状部の外周面に第1カウンタ出力ギヤ52Aが形成されている。
本実施形態では、第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1カウンタ出力ギヤ52Aよりも大径に形成されている。また、第1カウンタ出力ギヤ52Aは、第1カウンタ入力ギヤ51Aに対して軸方向第1側L1に配置されている。第1カウンタ出力ギヤ52Aは、第1連結部材8Aに形成された第1差動入力ギヤ7Aに噛み合っており、これらの第1差動入力ギヤ7A及び第1連結部材8Aを介して、差動歯車機構6に駆動連結されている。
動力伝達装置3を構成する第2カウンタギヤ機構5Bは、第2カウンタ入力ギヤ51Bと、第2カウンタ出力ギヤ52Bと、第2カウンタ軸53Bとを備えている。第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2カウンタギヤ機構5Bの入力要素である。第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2入力ギヤ4Bに噛み合っている。本実施形態では、第2カウンタ入力ギヤ51Bが「第3ギヤ」に相当する。第2カウンタ出力ギヤ52Bは、第2カウンタギヤ機構5Bの出力要素である。第2カウンタ出力ギヤ52Bは、第2カウンタ軸53Bを介して、第2カウンタ入力ギヤ51Bと一体的に回転するように連結されている。第2カウンタ入力ギヤ51Bと第2カウンタ出力ギヤ52Bとは、軸方向Lの異なる位置で一体回転する。本実施形態では、第2カウンタ軸53Bに形成された円板状部の外周面に第2カウンタ出力ギヤ52Bが形成されている。本実施形態では、第2カウンタ出力ギヤ52Bが「第2ギヤ」に相当し、第2カウンタギヤ機構5Bが「第2軸部材」及び「カウンタギヤ機構」に相当する。
本実施形態では、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2カウンタ出力ギヤ52Bよりも大径に形成されている。また、第2カウンタ出力ギヤ52Bは、第2カウンタ入力ギヤ51Bに対して軸方向第2側L2に配置されている。第2カウンタ出力ギヤ52Bは、第2連結部材8Bに形成された第2差動入力ギヤ7Bに噛み合っており、これらの第2差動入力ギヤ7B及び第2連結部材8Bを介して、差動歯車機構6に駆動連結されている。本実施形態では、第2差動入力ギヤ7Bが「第1ギヤ」に相当し、第2連結部材8Bが「第1軸部材」及び「差動入力部材」に相当する。
動力伝達装置3を構成する差動歯車機構6は、第1カウンタ出力ギヤ52A及び第2カウンタ出力ギヤ52Bと、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bとを駆動連結する。本実施形態の差動歯車機構6は、第1サンギヤS61、第2サンギヤS62、キャリヤC6、及びリングギヤR6の4つの回転要素を有する遊星歯車機構により構成されている。これら4つの回転要素を、回転速度の順に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、及び第4回転要素とすると、リングギヤR6が第1回転要素となり、キャリヤC6が第3回転要素となり、第1サンギヤS61が第2回転要素となり、第2サンギヤS62が第4回転要素となる。
ここで、「回転速度の順」とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番のことである。各回転要素の回転速度は、差動歯車機構6の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、差動歯車機構6の構造によって定まるものであるため一定となる。なお、「各回転要素の回転速度の順」は、各回転要素の速度線図(共線図、図3を参照)における配置順に等しい。
第1サンギヤS61は、第1連結軸9Aの外周面に形成されており、この第1連結軸9Aが第2出力部材2Bと連結されている。第2サンギヤS62は、第2連結軸9Bの外周面に形成されており、この第2連結軸9Bが、外周面に第2差動入力ギヤ7Bが形成された第2連結部材8Bと連結されている。リングギヤR6は、外周面に第1差動入力ギヤ7Aが形成された第1連結部材8Aの内周面に形成されている。キャリヤC6は、一体的に回転する第1ピニオンギヤP61及び第2ピニオンギヤP62を回転可能に支持している。第1ピニオンギヤは、第1サンギヤS61と噛み合っている。第2ピニオンギヤP62は、第2サンギヤS62と噛み合うとともにリングギヤR6とも噛み合っている。第1ピニオンギヤと第2ピニオンギヤP62とは、ピニオン軸P63を介してキャリヤC6に対して回転可能に支持されている。なお本例では、第1ピニオンギヤP61と第2ピニオンギヤP62とは径が異なる段付きギヤとされている。また、キャリヤC6は、第1出力部材2Aと一体的に回転するように連結されている。
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bのトルクは、第1入力ギヤ4A及び第2入力ギヤ4B、第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5B、差動歯車機構6、並びに、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bを介して、第1車輪W1及び第2車輪W2に伝達される。こうして、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bのトルクを第1車輪W1及び第2車輪W2に伝達して、車両を走行させることができる。
図2に示すように、本実施形態のケースCSは、第1ケース部CS1と、第2ケース部CS2と、第3ケース部CS3と、第4ケース部CS4と、第5ケース部CS5とを備えている。第1ケース部CS1、第2ケース部CS2、第3ケース部CS3、及び第4ケース部CS4は、ケースCSの外面に露出する部分を有している。これに対して、第5ケース部CS5は、ケースCSの外面に露出する部分を有しておらず、他のケース部(本例では第1ケース部CS1及び第2ケース部CS2)の内部に収容された状態で配置されている。なお、ケースCSの下部には、油溜まり部OPが形成されている(図5及び図6を参照)。
第1回転電機1Aは、第1ケース部CS1と第3ケース部CS3との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第1回転電機1Aの回転体である第1ロータ軸13Aが、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第1ロータ軸受B1aにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第1ロータ12A及び第1ロータ軸13Aと一体的に回転する第1入力軸14Aは、第1ケース部CS1と第5ケース部CS5との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第1入力軸14Aは、一対の第1ロータ軸受B1aのうちの一方と、第1入力軸受B2aとにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第2回転電機1Bは、第2ケース部CS2と第4ケース部CS4との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第2回転電機1Bの回転体である第2ロータ軸13Bが、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第2ロータ軸受B1bにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第2ロータ12B及び第2ロータ軸13Bと一体的に回転する第2入力軸14Bは、第2ケース部CS2と第5ケース部CS5との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第2入力軸14Bは、一対の第2ロータ軸受B1bのうちの一方と、第2入力軸受B2bとにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第1カウンタギヤ機構5Aは、第1ケース部CS1と第5ケース部CS5との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第1カウンタギヤ機構5Aの第1カウンタ軸53Aが、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第1カウンタ軸受B3aにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第2カウンタギヤ機構5Bは、第2ケース部CS2と第5ケース部CS5との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第2カウンタギヤ機構5Bの第2カウンタ軸53Bが、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第2カウンタ軸受B3bにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第1カウンタギヤ機構5Aと差動歯車機構6とを駆動連結する第1連結部材8Aは、第5ケース部CS5に支持された状態で配置されている。本実施形態では、第1連結部材8Aは、第1差動入力ギヤ7Aよりも径方向Rの内側において軸方向Lに沿って延びる筒状部を有している。そして、この第1連結部材8Aの筒状部が、軸方向Lの異なる位置に配置された一対の第1連結軸受B4aにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
第2カウンタギヤ機構5Bと差動歯車機構6とを駆動連結する第2連結部材8Bは、第2ケース部CS2と第5ケース部CS5との軸方向Lの間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第2連結部材8Bは、第2差動入力ギヤ7Bよりも径方向Rの内側において軸方向Lに沿って延びる筒状部を有している。そして、この第2連結部材8Bの筒状部が、一対の第2連結軸受B4bにより、ケースCSに対して回転可能に支持されている。
差動歯車機構6は、第3ケース部CS3と第2ケース部CS2との間に、これらに支持された状態で配置されている。本実施形態では、第3ケース部CS3を貫通する状態で第1出力部材2Aが配置されており、第2ケース部CS2を貫通する状態で第2出力部材2Bが配置されている。第1出力部材2Aは、第1ブッシュBU1を介して第3ケース部CS3に対して回転可能に支持され、第2出力部材2Bは、第2ブッシュBU2を介して第2ケース部CS2に対して回転可能に支持されている。差動歯車機構6は、キャリヤC6と一体的に回転するように連結された第1出力部材2Aを介して、第3ケース部CS3に対して回転可能に支持されているとともに、第1サンギヤS61が形成された第1連結軸9Aと一体的に回転するように連結された第2出力部材2Bを介して、第2ケース部CS2に対して回転可能に支持されている。
上述したように、ケースCSの下部には、油溜まり部OPが形成されている(図5及び図6を参照)。そして、第2連結部材8Bに形成された第2差動入力ギヤ7Bの一部が、油溜まり部OPの中に配置されている。すなわち、第2差動入力ギヤ7Bの一部が油溜まり部OPの油面よりも鉛直方向Vの下方に位置するように、第2連結部材8Bが配置されている。なお、「油溜まり部OPの油面」とは、車両用駆動装置100(車両用駆動伝達装置90)が搭載された車両の走行中の定常状態での油面である。このように、第2差動入力ギヤ7Bの一部が油溜まり部OPの中に配置されることにより、第2連結部材8Bが回転したとき、当該第2連結部材8Bの回転に伴い、第2差動入力ギヤ7Bによって油溜まり部OPから油が掻き上げられる。第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられた油は、ケースCSの上部に設けられた油貯留部79に貯留され、その後、潤滑を要する部位(被潤滑部位)に供給されるようになっている。
本実施形態では、第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられた油を油貯留部79へと導くための構造が、第5ケース部CS5と第2ケース部CS2とに設けられている。
図4に示すように、第5ケース部CS5は、第1支持部71と、第2支持部72と、第3支持部73とを備えている。また、第5ケース部CS5は、連結フランジ74と、一対の膨出壁部75,76(第1膨出壁部75及び第2膨出壁部76)と、対向壁部77とを備えている。さらに、第5ケース部CS5は、油貯留部79を備えている。これらは、一体的に形成されている。
第1支持部71は、第1入力軸14A及び第2入力軸14Bを支持するための部位である。第1支持部71は、第2支持部72及び第3支持部73に対して、鉛直方向Vにおける上側であって、かつ、水平方向Hにおける一方側(「水平方向第1側H1」とする。)に配置されている。本実施形態では、第1支持部71は、互いに独立した、第1入力軸14Aを支持するための部位(軸方向第1側L1を向く凹部)と、第2入力軸14Bを支持するための部位(軸方向第2側L2を向く凹部)とを有している。これらの凹部に、第1入力軸受B2aと第2入力軸受B2bとが内嵌されている。第1支持部71は、第1入力軸受B2aを介して第1入力軸14Aを回転可能に支持するとともに、第2入力軸受B2bを介して第2入力軸14Bを回転可能に支持する。
第2支持部72は、第1カウンタ軸53A及び第2カウンタ軸53Bを支持するための部位である。第2支持部72は、第1支持部71に対して斜め下方に配置されている。第2支持部72は、軸方向視で、第1支持部71に対して鉛直方向Vにおける下側であって、かつ、水平方向Hにおける他方側(「水平方向第2側H2」とする。)に配置されている。本実施形態では、第2支持部72は、第1カウンタ軸53A及び第2カウンタ軸53Bを共通に支持するための、軸方向Lに貫通する貫通孔を有している。この貫通孔に、第1カウンタ軸受B3aと第2カウンタ軸受B3bとが内嵌されている。第2支持部72は、第1カウンタ軸受B3aを介して第1カウンタ軸53Aを回転可能に支持するとともに、第2カウンタ軸受B3bを介して第2カウンタ軸53Bを回転可能に支持する。
第3支持部73は、第1連結部材8A及び第2連結部材8Bを支持するための部位である。第3支持部73は、第2支持部72に対して第1支持部71側とは反対側の斜め下方に配置されている。第3支持部73は、軸方向視で、第2支持部72に対して、さらに、鉛直方向Vにおける下側であって、かつ、水平方向第2側H2に配置されている。本実施形態では、第3支持部73は、第1連結部材8A及び第2連結部材8Bを共通に支持するための、軸方向Lに貫通する貫通孔を有している。この貫通孔に、第1連結軸受B4aと第2連結軸受B4bとが内嵌されている。第3支持部73は、第1連結軸受B4aを介して第1連結部材8Aを回転可能に支持するとともに、第2連結軸受B4bを介して第2連結部材8Bを回転可能に支持する。
連結フランジ74は、第5ケース部CS5における第1ケース部CS1への取付部位である。連結フランジ74は、板状であって、概ね、各回転電機1A,1Bの各ロータ12A,12B、各カウンタギヤ機構5A,5B、及び差動歯車機構6を包含する軸方向視形状に形成されている。第1膨出壁部75は、連結フランジ74から軸方向第2側L2に向かって膨出している。第2膨出壁部76は、第1膨出壁部75に対して軸方向第2側L2に隙間を空けた状態で、当該第1膨出壁部75に対向して配置されている。対向壁部77は、第2膨出壁部76における軸方向第2側L2(第1膨出壁部75側とは反対側)の端部において、連結フランジ74と対向するように配置されている。
図4及び図6に示すように、第2膨出壁部76は、第2支持部72の周囲に下方被覆壁76Aと側方被覆壁76Bと上方被覆壁76Cとを有している。下方被覆壁76Aは、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ入力ギヤ51B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ入力ギヤ51Bの下部領域を覆う。側方被覆壁76Bは、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ入力ギヤ51B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ入力ギヤ51Bの水平方向第2側H2の領域を覆う。上方被覆壁76Cは、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ入力ギヤ51B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ入力ギヤ51Bの上部領域を覆う。上方被覆壁76Cの側方被覆壁76B側とは反対側の部分の延在方向は、油貯留部79の開口部79aへ向かう方向となっている。下方被覆壁76Aと側方被覆壁76Bと上方被覆壁76Cとは、滑らかに連続して一体的に形成されている。
本実施形態では、上方被覆壁76Cにより第3カバー部CV3が構成されている。この第3カバー部CV3は、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ入力ギヤ51B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ入力ギヤ51Bの水平方向第2側H2の領域から上部領域まで延在している。そして、第3カバー部CV3は、第2カウンタ入力ギヤ51Bの上部領域での延在方向が油貯留部79の開口部79aへ向かう方向となっている。また、下方被覆壁76Aと側方被覆壁76Bとにより第4カバー部CV4が構成されている。この第4カバー部CV4は、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ入力ギヤ51B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ入力ギヤ51Bの下部領域と水平方向第2側H2の領域とを経由して第2カウンタ入力ギヤ51Bの上部領域まで延在している。そして、第4カバー部CV4は、第2カウンタ入力ギヤ51Bの上部領域において、第3カバー部CV3と一体化されている。
油貯留部79は、第5ケース部CS5における上部領域に設けられている。本実施形態では、第1連結部材8A及び第2連結部材8Bを支持する第3支持部73に対して上方かつ水平方向第1側H1に、第1カウンタ軸53A及び第2カウンタ軸53Bを支持する第2支持部72が配置されている。また、第2支持部72に対して上方かつ水平方向第1側H1に、第1入力軸14A及び第2入力軸14Bを支持する第1支持部71が配置されている。油貯留部79は、第3支持部73、第2支持部72、及び第1支持部71に対して、さらに上方かつ水平方向第1側H1に配置されている。また、油貯留部79は、第3カバー部CV3を構成する上方被覆壁76Cの延在方向の先に位置するように配置されている。油貯留部79は、上方に開口した開口部79aを有している。
図5に示すように、第2ケース部CS2は、第2回転電機1Bの収容空間と第2カウンタギヤ機構5Bの収容空間とを区画する中間支持壁部72m(図2を参照)から軸方向第1側L1に突出するガイドリブ81を備えている。ガイドリブ81は、第2連結部材8B及び第2カウンタギヤ機構5Bの周囲を覆うように形成されている。ガイドリブ81は、下方延在壁81Aと側方延在壁81Bと上方延在壁81Cとを有している。下方延在壁81Aは、第2差動入力ギヤ7B及び第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ出力ギヤ52B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2差動入力ギヤ7Bの下部領域と第2カウンタ出力ギヤ52Bの下部領域とに亘って延在する。側方延在壁81Bは、第2差動入力ギヤ7Bに対して径方向Rに対向して配置され、第2差動入力ギヤ7Bの水平方向第2側H2の領域を覆う。上方延在壁81Cは、第2差動入力ギヤ7Bに対して径方向Rに対向して配置され、第2差動入力ギヤ7Bの上部領域を覆う。上方延在壁81Cの側方延在壁81B側とは反対側の部分の延在方向は、第5ケース部CS5に設けられた油貯留部79の開口部79aへ向かう方向となっている。下方延在壁81Aと側方延在壁81Bと上方延在壁81Cとは、滑らかに連続して一体的に形成されている。
本実施形態では、側方延在壁81Bと上方延在壁81Cとにより第1カバー部CV1が構成されている。この第1カバー部CV1は、第2差動入力ギヤ7Bに対して径方向Rに対向して配置され、第2差動入力ギヤ7Bの下部領域と水平方向第2側H2の領域とを経由して第2差動入力ギヤ7Bの上部領域まで延在している。そして、第1カバー部CV1は、第2差動入力ギヤ7Bの上部領域での延在方向が油貯留部79の開口部79aへ向かう方向となっている。また、下方延在壁81Aにより第2カバー部CV2が構成されている。この第2カバー部CV2は、第2差動入力ギヤ7B及び第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ出力ギヤ52B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2差動入力ギヤ7Bの下部領域と第2カウンタ出力ギヤ52Bの下部領域とに亘って延在する。
車両の前進走行時には、第2連結部材8B及びそれに形成された第2差動入力ギヤ7Bは、図5に示す前進時回転方向FWに回転する。この第2差動入力ギヤ7Bが前進時回転方向FWに回転することにより、油溜まり部OPに溜まった油が第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられる。掻き上げられた油は、第1カバー部CV1(側方延在壁81B及び上方延在壁81C)によってガイドされて、油貯留部79の配設位置に向かって飛散する。そして、飛散した油の一部は、開口部79aから油貯留部79に入り、油貯留部79に貯留される。なお、この車両の前進走行時における油の掻き上げ動作は、従来仕様と同様である。
本実施形態では、車両の後進走行時には、第2連結部材8B及びそれに形成された第2差動入力ギヤ7Bは、図5及び図6に示す後進時回転方向REVに回転する。この第2差動入力ギヤ7Bが後進時回転方向REVに回転することにより、油溜まり部OPに溜まった油が第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられる。掻き上げられた油は、第2カバー部CV2(下方延在壁81A)によってガイドされて、第2連結部材8Bと第2カウンタギヤ機構5Bとの間の谷間空間に現出する一時貯留部89に一時貯留される。なお、一時貯留部89は、軸方向Lに見て第2カバー部CV2(下方延在壁81A)と第2差動入力ギヤ7Bと第2カウンタ入力ギヤ51Bとで囲まれ、かつ、軸方向Lの両側を第5ケース部CS5の第2膨出壁部76と第2ケース部CS2の中間支持壁部72mとで覆われた空間である。
図7に示すように、本実施形態では、第2差動入力ギヤ7Bは、斜歯に形成されている。第2差動入力ギヤ7Bの歯面は、後進時回転方向REVへの回転時に、第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられる油の飛散方向が軸方向第1側L1へと向かう成分を有するように設定されている。このため、第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられる油を、効率的に一時貯留部89へと導くことができる。
第2差動入力ギヤ7Bには、第2カウンタギヤ機構5Bの第2カウンタ出力ギヤ52Bが噛み合っており、第2カウンタ出力ギヤ52Bは第2差動入力ギヤ7Bと逆回転する。第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2カウンタ出力ギヤ52Bと一体回転するため、第2カウンタ入力ギヤ51Bも第2差動入力ギヤ7Bと逆回転することになる(図6を参照)。第2カウンタ入力ギヤ51Bが後進時回転方向REVとは逆方向に回転することにより、第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げられて一時貯留部89に一時貯留された油が、次は、第2カウンタ入力ギヤ51Bによって掻き上げられる。掻き上げられた油は、第4カバー部CV4(下方被覆壁76A及び側方被覆壁76B)及び第3カバー部CV3(上方被覆壁76C)によって順次ガイドされて、油貯留部79の配設位置に向かって飛散する。そして、飛散した油の一部は、開口部79aから油貯留部79に入り、油貯留部79に貯留される。
このように、本実施形態では、車両の前進走行時には従来仕様と同様の掻き上げ動作で油貯留部79に油を集めるとともに、車両の後進走行時には、一時貯留部89を利用した2段階の掻き上げ動作で油貯留部79に油を集める。従って、車両の進行方向によらずに、油溜まり部OPに溜まった油を、1段階又は2段階の掻き上げにより、油貯留部79に集めることができる。
油貯留部79は、第1油路91、第2油路92、及び第3油路93に接続されている。第1油路91は、油貯留部79と第1支持部71とを連通している。第1油路91は、油貯留部79に貯留された油を、第1支持部71に内嵌された第1入力軸受B2a及び第2入力軸受B2bに供給するための油路である。本実施形態では、第1支持部71の径方向内側には、第1入力軸受B2aと第2入力軸受B2bとの軸方向Lの間に配置された軸受間壁部71mが設けられている。第1油路91から供給された油は、軸受間壁部71mと第1入力軸受B2a及び第2入力軸受B2bのそれぞれとの軸方向Lの隙間(図2参照)を通って、第1入力軸受B2a及び第2入力軸受B2bのそれぞれの摺動部等に供給される。また、第1油路91から供給された油は、軸方向第2側L2の第1ロータ軸受B1a及び軸方向第1側L1の第2ロータ軸受B1bのそれぞれの摺動部等に供給される。
第2油路92は、油貯留部79と第2支持部72とを連通している。第2油路92は、油貯留部79に貯留された油を、第2支持部72に内嵌された第1カウンタ軸受B3a及び第2カウンタ軸受B3bに供給するための油路である。第2油路92から供給された油は、第1カウンタ軸受B3aと第2カウンタ軸受B3bとの軸方向Lの間に形成された空間P(図2参照)を通って、第1カウンタ軸受B3a及び第2カウンタ軸受B3bのそれぞれの摺動部等に供給される。
第3油路93は、油貯留部79と第3支持部73とを連通している。第3油路93は、油貯留部79に貯留された油を、第3支持部73に内嵌された第1連結軸受B4a及び第2連結軸受B4bに供給するための油路である。第3油路93から供給された油は、一対の第1連結軸受B4aの間に形成された空間Q及び第1連結軸受B4aと第2連結軸受B4bとの間に形成された空間S(図2参照)を通って、一対の第1連結軸受B4a及び第2連結軸受B4bのそれぞれの摺動部等に供給される。
本実施形態では、第1油路91、第2油路92、及び第3油路93のそれぞれが「供給油路」に相当する。また、軸方向第2側L2の第1ロータ軸受B1a、軸方向第1側L1の第2ロータ軸受B1b、第1入力軸受B2a、第2入力軸受B2b、第1カウンタ軸受B3a、第2カウンタ軸受B3b、第1連結軸受B4a、及び第2連結軸受B4bのそれぞれの摺動部が「被潤滑部位」に相当する。
以上説明したように、本実施形態の車両用駆動装置100(車両用駆動伝達装置90)では、油溜まり部OPに溜まった油を、車両の進行方向によらずに油貯留部79に集めることができる。そして、油貯留部79で捕集した油を、第1油路91、第2油路92、及び第3油路93を介して、第1入力軸受B2a、第2入力軸受B2b、第1カウンタ軸受B3a、第2カウンタ軸受B3b、第1連結軸受B4a、及び第2連結軸受B4bの摺動部等に供給することができる。よって、車両の進行方向によらずに、第1入力軸受B2a、第2入力軸受B2b、第1カウンタ軸受B3a、第2カウンタ軸受B3b、第1連結軸受B4a、及び第2連結軸受B4bの摺動部を適切に潤滑することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第2カバー部CV2を構成する下方延在壁81Aが軸方向視で直線状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図8に示すように、下方に向かって凹む凹み部81rを有するように形成されても良い。
(2)上記の実施形態では、車両の後進走行時に、油溜まり部OPに溜まった油を第2差動入力ギヤ7Bによって掻き上げるとともに、第2差動入力ギヤ7Bとは異なる軸方向Lの位置にある第2カウンタ入力ギヤ51Bによって、一時貯留部89に一時貯留された油を掻き上げる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば一時貯留部89に一時貯留された油を、第2差動入力ギヤ7Bと噛み合う第2カウンタ出力ギヤ52Bによって掻き上げるようにしても良い。この場合、例えば図9に示すように、第2ケース部CS2には、下方延在壁81A、側方延在壁81B、及び上方延在壁81Cを有するガイドリブ81に加え、第2ガイドリブ82が設けられると良い。第2ガイドリブ82は、第2カウンタギヤ機構5B(ここでは特に第2カウンタ出力ギヤ52B)に対して径方向Rに対向して配置され、第2カウンタ出力ギヤ52Bの水平方向第2側H2の領域から上部領域まで延在し、第2カウンタ出力ギヤ52Bの上部領域での延在方向が油貯留部79の開口部79aへ向かう方向となるように設けられる。このような構成では、第2ガイドリブ82により第3カバー部CV3が構成される。なお、カウンタギヤ機構5A,5Bに代えてアイドルギヤが設けられる構成においても、同様の構造を採用することができる。
(3)上記の実施形態では、掻き上げ潤滑のための構造が第2ケース部CS2と第5ケース部CS5との間に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、掻き上げ潤滑のための構造が例えば第1ケース部CS1と第5ケース部CS5との間に設けられても良い。詳細な説明はここでは省略するが、車両の前進走行時には、油溜まり部OPに溜まった油を第1差動入力ギヤ7Aによって掻き上げて油貯留部79で捕集する。車両の後進走行時には、油溜まり部OPに溜まった油を第1差動入力ギヤ7Aによって一時貯留部89まで掻き上げ、その後、一時貯留部89に一時貯留された油を第2カウンタ入力ギヤ51Bによって掻き上げて油貯留部79で捕集する。
(4)上記の実施形態では、動力伝達装置3が第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、動力伝達装置3が第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bを備えなくても良い。この場合、第1入力ギヤ4A及び第2入力ギヤ4Bは、それぞれ第1差動入力ギヤ7A及び第2差動入力ギヤ7Bに噛み合うように設けられると良い。このような構成では、第2入力ギヤ4Bが「第2ギヤ」に相当し、その第2入力ギヤ4Bが形成された第2入力軸14Bが「第2軸部材」に相当する。
(5)上記の実施形態では、差動歯車機構6が、第1サンギヤS61、第2サンギヤS62、キャリヤC6、及びリングギヤR6の4つの回転要素を有する遊星歯車機構により構成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図10に示すように、差動歯車機構6が、サンギヤ、キャリヤ、及びリングギヤの3つの回転要素を有それぞれする第1遊星歯車機構6Aと第2遊星歯車機構6Bとを組み合わせて構成されても良い。なお、図示の例では、第1遊星歯車機構6A及び第2遊星歯車機構6Bとしていずれもダブルピニオン型の遊星歯車機構が用いられているが、これらのうちの少なくとも一方をシングルピニオン型の遊星歯車機構としても良い。
(6)上記の実施形態では、動力伝達装置3が、第1回転電機1Aのトルク及び第2回転電機1Bのトルクを、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに分配して伝達する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図11に示すように、動力伝達装置3が、第1回転電機1Aのトルクを専ら第1出力部材2Aに伝達するとともに第2回転電機1Bのトルクを専ら第2出力部材2Bに伝達するように構成されても良い。
(7)上記の実施形態では、動力伝達装置3が差動歯車機構6を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図11に示すように、動力伝達装置3が差動歯車機構6を備えなくても良い。図11の例では、動力伝達装置3が、互いに独立した第1減速機構60Aと第2減速機構60Bとを備えて構成されている。第1減速機構60Aは、第1カウンタギヤ機構5Aからの回転を減速して第1出力部材2Aに伝達する。第2減速機構60Bは、第2カウンタギヤ機構5Bからの回転を減速して第2出力部材2Bに伝達する。第1減速機構60A及び第2減速機構60Bは、図示された構造のものに限定されることなく、例えば遊星歯車機構等で構成されても良い。
(8)上記の実施形態では、2つの駆動力源として第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、2つの駆動力源のうちの少なくとも一方が例えば内燃機関であっても良い。
(9)上記の実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bという2つの駆動力源を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図12に示すように、駆動力源が1つだけであっても良い。図12の例では、単一の駆動力源として回転電機1が備えられ、この回転電機1が、入力軸14、入力ギヤ4、カウンタギヤ機構5、及び差動歯車機構6を介して、それぞれ車輪に駆動連結される一対の出力部材2A,2Bに駆動連結されている。
(10)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る車両用駆動伝達装置は、好適には、以下の各構成を備える。
車両用駆動伝達装置(90)であって、
第1ギヤ(7B)が形成された第1軸部材(8B)と、
前記第1軸部材(8B)に対して上少なくとも一部が方かつ水平方向(H)における一方側である水平方向第1側(H1)に配置され、前記第1ギヤ(7B)とは逆回転する第2ギヤ(52B)が形成された第2軸部材(5B)と、
前記第1ギヤ(7B)及び前記第2ギヤ(52B)に対して上方かつ前記水平方向第1側(H1)に配置され、上方に開口した開口部(79a)を有し、被潤滑部位(B1a,B1b,B2a,B2b,B3a,B3b,B4a,B4b)に油を供給する油貯留部(79)と、
前記第1ギヤ(7B)に対して径方向(R)に対向して配置され、前記第1ギヤ(7B)の下部領域と前記水平方向第1側(H1)とは反対側の水平方向第2側(H2)の領域とを経由して前記第1ギヤ(7B)の上部領域まで延在し、前記第1ギヤ(7B)の上部領域での延在方向が前記開口部(79a)へ向かう方向となっている第1カバー部(CV1)と、
前記第1ギヤ(7B)及び前記第2ギヤ(52B)に対して径方向(R)に対向して配置され、前記第1ギヤ(7B)の下部領域と前記第2ギヤ(52B)の下部領域とに亘って延在する第2カバー部(CV2)と、
前記第1カバー部(CV1)よりも前記第2ギヤ(52B)に近い位置において前記第2ギヤ(52B)に対して径方向(R)に対向して配置され、前記第2ギヤ(52B)の前記水平方向第2側(H2)の領域から上部領域まで延在し、前記第2ギヤ(52B)の上部領域での延在方向が前記開口部(79a)へ向かう方向となっている第3カバー部(CV3)と、
を備える。
この構成によれば、車両の前進走行時又は後進走行時、第1ギヤ(7B)の下部領域に溜まった油は、第1軸部材(8B)の周方向第1側への回転に伴い第1ギヤ(7B)により掻き上げられ、第1カバー部(CV1)によってガイドされて油貯留部(79)に貯留される。また、逆方向への進行時には、第1ギヤ(7B)の下部領域に溜まった油は、第1軸部材(8B)の周方向第2側への回転に伴い第1ギヤ(7B)により掻き上げられ、第2カバー部(CV2)によってガイドされて第2ギヤ(52B)の下部領域へと送られる。そして、第2ギヤ(52B)の下部領域に送られた油は、第2軸部材(5B)の周方向第1側への回転に伴い第2ギヤ(52B)又は当該第2ギヤ(52B)と一体回転するギヤにより掻き上げられ、第3カバー部(CV3)によってガイドされて油貯留部(79)に貯留される。このように、本構成によれば、車両の進行方向によらずに、第1ギヤ(7B)の下部領域に溜まった油を、上部に設けられた油貯留部(79)に貯留することができる。そして、油貯留部(79)に貯留された油を、供給油路(91,92,93)を介して被潤滑部位(B2a,B2b,B3a,B3b,B4a,B4b)へと導き、被潤滑部位(B2a,B2b,B3a,B3b,B4a,B4b)の潤滑を十分に行うことができる。従って、車両の進行方向によらずに被潤滑部位(B2a,B2b,B3a,B3b,B4a,B4b)の潤滑を十分に行うことができる車両用駆動伝達装置(90)を実現することができる。
一態様として、
前記第2軸部材(5B)は、前記第1ギヤ(7B)に噛み合う前記第2ギヤ(52B)と、当該第2ギヤ(52B)と軸方向(L)の異なる位置で一体回転する第3ギヤ(51B)と、を備えたカウンタギヤ機構であり、
前記第3ギヤ(51B)に対して径方向(R)に対向して配置され、前記第3ギヤ(51B)の下部領域と前記水平方向第2側(H2)の領域とを経由して前記第3ギヤ(51B)の上部領域において前記第3カバー部(CV3)と一体化された第4カバー部(CV4)をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、第2ギヤ(52B)の下部領域に一時貯留された油を、第1ギヤ(7B)に噛み合う第2ギヤ(52B)と軸方向(L)の異なる位置で一体回転する第3ギヤ(51B)で掻き上げるので、その第3ギヤ(51B)に対向する第4カバー部(CV4)を、第3ギヤ(51B)の下部領域や水平方向第2側(H2)の領域にも設けることができる。よって、第3ギヤ(51B)で掻き上げる油を、第4カバー部(CV4)によって効率的に第3ギヤ(51B)の上部領域へと導き、さらに第4カバー部(CV4)と一体化された第3カバー部(CV3)によって効率的に油貯留部(79)へと導くことができる。よって、第1軸部材(8B)が周方向第2側に回転する状態での2段階の掻き上げによる油貯留部(79)への油の貯留を、効率的に行うことができる。
一態様として、
前記第2軸部材(5B)に対して上方かつ前記水平方向第1側(H1)に配置され、第4ギヤ(4B)が形成された第3軸部材(14B)と、前記第1軸部材(8B)、前記第2軸部材(5B)、及び前記第3軸部材(14B)を収容するケース(CS)と、をさらに備え、
前記第1軸部材(8B)は、外周面に前記第1ギヤ(7B)が形成された、差動歯車機構(6)の差動入力部材であり、
前記第2軸部材(5B)は、前記第1ギヤ(7B)に噛み合う前記第2ギヤ(52B)と、当該第2ギヤ(52B)と軸方向(L)の異なる位置で一体回転する第3ギヤ(51B)と、を備えたカウンタギヤ機構であり、
前記第3軸部材(14B)は、回転電機(1B)のロータ(12B)と一体的に回転し、前記第3ギヤ(51B)に噛み合う前記第4ギヤ(4B)が外周面に形成された入力軸であり、
前記第1ギヤ(7B)の一部が、前記ケース(CS)の下部に形成された油溜まり部(OP)の中に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、差動歯車機構(6)の差動入力部材の回転に伴い、ケース(CS)下部の油溜まり部(OP)の中に一部が配置される第1ギヤ(7B)によって油を掻き上げて、上述したように油貯留部(79)に油を供給することができる。このような掻き上げによる油の供給構造は、ポンプ等の特別な動力源を用いないので、コスト及びエネルギー効率の点で有利である。よって、回転電機(1B)、カウンタギヤ機構、及び差動歯車機構(6)が互いに異なる軸上に配置された三軸構成の車両用駆動伝達装置(90)において、コストの上昇を抑えながらエネルギー効率良く、かつ、車両の進行方向によらずに被潤滑部位(B2a,B2b,B3a,B3b,B4a,B4b)の潤滑を十分に行うことができる。
本開示に係る車両用駆動伝達装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
90 車両用駆動伝達装置
1B 第2回転電機(回転電機)
4B 第2入力ギヤ(第4ギヤ)
5B 第2カウンタギヤ機構(第2軸部材、カウンタギヤ機構)
6 差動歯車機構
7B 第2差動入力ギヤ(第1ギヤ)
8B 第2連結部材(第1軸部材、差動入力部材)
12B 第2ロータ(ロータ)
14B 第2入力軸(第3軸部材、入力軸)
51B 第2カウンタ入力ギヤ(第3ギヤ)
52B 第2カウンタ出力ギヤ(第2ギヤ)
79 油貯留部
79a 開口部
91 第1油路(供給油路)
92 第2油路(供給油路)
93 第3油路(供給油路)
CV1 第1カバー部
CV2 第2カバー部
CV3 第3カバー部
CV4 第4カバー部
B1a 第1ロータ軸受(被潤滑部位)
B1b 第2ロータ軸受(被潤滑部位)
B2a 第1入力軸受(被潤滑部位)
B2b 第2入力軸受(被潤滑部位)
B3a 第1カウンタ軸受(被潤滑部位)
B3b 第2カウンタ軸受(被潤滑部位)
B4a 第1連結軸受(被潤滑部位)
B4b 第2連結軸受(被潤滑部位)
CS ケース
OP 油溜まり部
L 軸方向
R 径方向
H 水平方向
H1 水平方向第1側
H2 水平方向第2側

Claims (3)

  1. 第1ギヤが形成された第1軸部材と、
    前記第1軸部材に対して少なくとも一部が上方かつ水平方向における一方側である水平方向第1側に配置され、前記第1ギヤとは逆回転する第2ギヤが形成された第2軸部材と、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤに対して上方かつ前記水平方向第1側に配置され、上方に開口した開口部を有し、被潤滑部位に油を供給する油貯留部と、
    前記第1ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第1ギヤの下部領域と前記水平方向第1側とは反対側の水平方向第2側の領域とを経由して前記第1ギヤの上部領域まで延在し、前記第1ギヤの上部領域での延在方向が前記開口部へ向かう方向となっている第1カバー部と、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第1ギヤの下部領域と前記第2ギヤの下部領域とに亘って延在する第2カバー部と、
    前記第1カバー部よりも前記第2ギヤに近い位置において前記第2ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第2ギヤの前記水平方向第2側の領域から上部領域まで延在し、前記第2ギヤの上部領域での延在方向が前記開口部へ向かう方向となっている第3カバー部と、
    を備える、車両用駆動伝達装置。
  2. 前記第2軸部材は、前記第1ギヤに噛み合う前記第2ギヤと、当該第2ギヤと軸方向の異なる位置で一体回転する第3ギヤと、を備えたカウンタギヤ機構であり、
    前記第3ギヤに対して径方向に対向して配置され、前記第3ギヤの下部領域と前記水平方向第2側の領域とを経由して前記第3ギヤの上部領域において前記第3カバー部と一体化された第4カバー部をさらに備える、請求項1に記載の車両用駆動伝達装置。
  3. 前記第2軸部材に対して上方かつ前記水平方向第1側に配置され、第4ギヤが形成された第3軸部材と、前記第1軸部材、前記第2軸部材、及び前記第3軸部材を収容するケースと、をさらに備え、
    前記第1軸部材は、外周面に前記第1ギヤが形成された、差動歯車機構の差動入力部材であり、
    前記第2軸部材は、前記第1ギヤに噛み合う前記第2ギヤと、当該第2ギヤと軸方向の異なる位置で一体回転する第3ギヤと、を備えたカウンタギヤ機構であり、
    前記第3軸部材は、回転電機のロータと一体的に回転し、前記第3ギヤに噛み合う前記第4ギヤが外周面に形成された入力軸であり、
    前記第1ギヤの一部が、前記ケースの下部に形成された油溜まり部の中に配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動伝達装置。
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