JP2021063523A - 酸素ガス供給設備及び酸素ガス供給方法 - Google Patents

酸素ガス供給設備及び酸素ガス供給方法 Download PDF

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JP2021063523A JP2019187082A JP2019187082A JP2021063523A JP 2021063523 A JP2021063523 A JP 2021063523A JP 2019187082 A JP2019187082 A JP 2019187082A JP 2019187082 A JP2019187082 A JP 2019187082A JP 2021063523 A JP2021063523 A JP 2021063523A
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彰大 樋口
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彰大 樋口
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Abstract

【課題】酸素ガス製造に伴い発生する液体酸素を有効に用い、酸素供給コストの削減を目的とする。【解決手段】深冷分離方式の酸素製造装置1が製造した酸素ガスを圧縮機で昇圧して酸素使用設備20に供給すると共に、上記酸素ガスの製造に伴い上記酸素製造装置1で発生した液体酸素を液酸タンク2に貯留し、上記液酸タンク2内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、上記液酸タンク2内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスを、上記昇圧した酸素ガスと共に上記酸素使用設備20に供給し、上記昇圧による酸素ガスの酸素供給量を、上記酸素使用設備20での要求酸素量と、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスの供給量とに基づき決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、転炉その他の酸素使用設備に高圧の酸素ガスを供給する酸素ガス供給設備及び酸素ガス供給方法に関する。本発明は、特に、鉄鋼設備のような、酸素ガス使用量の変動の大きな製造設備への高圧の酸素ガスを供給する技術に有効である。
本明細書で、高圧の酸素ガスとは、例えば1.0MPa以上の圧力の酸素ガスである。
酸素ガス使用量の変動の大きな鉄鋼設備への酸素ガス供給の技術としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1では、算出した酸素使用量に基づき、酸素プラント(酸素製造装置)からの酸素ガスを圧縮機で所定の圧力まで圧縮し、酸素ホルダー(アキュムレータ)に一旦貯留した後に、その酸素ガスを各工場に供給する。このとき、酸素使用量の予測値(要求酸素量)に応じて、酸素プラントで製造する酸素製造量の増減を行いつつ圧縮機を稼働することで、酸素ホルダーのガス圧、つまり、供給する酸素ガスの圧力が一定の範囲内に保つように管理される。
このとき、酸素ホルダーのガス圧が一定の管理範囲よりも下回る場合には、例えば、液酸タンクに貯留されている液体酸素を昇圧し加熱蒸発させて、不足する酸素量を補うなど、従来にあっては、液酸タンク(液体酸素を貯留するためのタンク)に貯留されている液体酸素をバッファ的に使用する。そして、特許文献1には、酸素使用量の予測をより精度良くすることで、より酸素製造量の最適化を行う方法の一例について開示されている。
特許第4681520号公報
特許文献1では、酸素使用量の予測として、製鋼プロセスにおける転炉、鋼種、溶銑配合率、酸素使用実績量、酸素使用実績時間の操業データをデータベース化しておき、それに基づき使用量予測を算出し、使用量・使用時間の予測と実績の差分を以後の予測に反映させる。
しかしながら、酸素プラントで製造した酸素ガスを圧縮機で圧縮して予測酸素量(要求酸素量)に対応する方法では、予測と実績の差が大きい場合、酸素プラント及び圧縮機で調整可能な限られた圧力の範囲内ではその変動を吸収することが出来ないおそれがある。このため、圧力が管理範囲を下回る場合には、液酸タンクに貯蔵された液体酸素を昇圧し加熱蒸発させて一時的に不足する酸素を補うと、合計量が想定より多くなるおそれがある。一方、圧力が管理範囲を上回る場合には、酸素プラントが製造する酸素ガスを大気へ放散する必要があるといった課題があった。
また、一時的に液体酸素を昇圧し加熱蒸発させ、不足分の酸素量として供給する場合、その量が多くなると、液酸タンクへの貯蔵量を調整するために、製造した酸素ガスを液化装置で液化して貯蔵する必要がある。このことは、液化装置での電力使用により、通常の供給以上のコストが掛かるといった課題もある。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、酸素ガス製造に伴い発生する液体酸素を有効に用い、酸素供給コストの削減を目的とする。
深冷分離方式を用いた酸素製造装置においては、酸素の製造時に液体酸素中の不純物が濃縮されるのを防ぐために、酸素の製造に伴い液体酸素を一定量抜き出す必要がある。この抜き出した液体酸素は酸素製造装置が稼働している際には常時発生するため、液酸タンクの貯蔵レベルが所定以上まで上昇すると、液体酸素を廃棄することなく蒸発させて使用する必要がある。そして、発明者は、酸素の製造に伴い液体酸素を一定量抜き出すことを考慮し、その抜き出し量内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させて供給するようにすると、酸素ガス製造に伴い発生する液体酸素を有効に用いることで、酸素供給コスト削減ができることを見いだした。このような知見に基づき本発明はなされたものである。
すなわち、課題解決のために、本発明の一態様は、酸素使用設備に酸素ガスを供給する酸素ガス供給設備であって、深冷分離方式で酸素ガスを製造すると共にその酸素ガスの製造に伴い発生する液体酸素を液酸タンクに供給する酸素製造装置と、上記液酸タンク内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、上記液酸タンク内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を演算する第1系統用酸素演算部と、上記第1系統用酸素演算部が演算した酸素供給量となるように、上記液酸タンク内の液体酸素をポンプ及び蒸発器で昇圧し加熱蒸発して上記酸素使用設備に酸素ガスを供給する第1酸素供給系統と、上記酸素使用設備での要求酸素量と、上記第1酸素供給系統から供給される酸素供給量との基づき、上記酸素製造装置が製造した酸素ガスを昇圧して供給する酸素供給量を演算する第2系統用酸素演算部と、上記第2系統用酸素演算部が演算した酸素供給量となるように、上記酸素製造装置が製造した酸素ガスを酸素圧縮機で昇圧して上記酸素使用設備に供給する第2酸素供給系統と、を備えることを要旨とする。
また、本発明の一態様は、深冷分離方式の酸素製造装置が製造した酸素ガスを圧縮機で昇圧して酸素使用設備に供給すると共に、上記酸素ガスの製造に伴い上記酸素製造装置で発生した液体酸素を液酸タンクに貯留し、上記液酸タンク内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、上記液酸タンク内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスを、上記昇圧した酸素ガスと共に上記酸素使用設備に供給し、上記昇圧による酸素ガスの酸素供給量を、上記酸素使用設備での要求酸素量と、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスの供給量とに基づき決定することを要旨とする。
本発明の態様によれば、酸素ガスの製造に伴い発生する液体酸素を有効活用して、液酸タンク内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発してなる酸素ガスを前提とし、要求酸素量として足りない分を、製造した酸素ガスを昇圧して供給する構成となっている。このため、従来発生していた、製造した酸素ガスを液化して供給するための電力を削減できるため、酸素供給コストを低減させることが出来る。
すなわち、本発明の態様によれば、従来に比べて、圧縮機での昇圧で調整可能な圧力範囲に余裕ができる結果、予測と実績の差による変動を、従来に比べ、圧縮機での昇圧で吸収可能となる。
また、本発明の態様によれば、圧力の管理範囲が低い場合、液体酸素を昇圧し加熱蒸発して供給するようにしたので、圧縮機の吐出圧力を下げることが出来るようになる。この結果、本発明の態様によれば、電力使用量が削減し、また圧力の管理範囲を上回る頻度が減ることから、大気放散量を削減する効果もある。
本発明に基づく実施形態に係る酸素ガス供給設備を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る酸素製造装置の構成を示す図である。 演算器の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが出来る。
本実施形態の酸素ガス供給設備は、図1に示すように、酸素製造装置1を有する。酸素製造装置1は、後述のように、深冷分離方式で酸素ガスを製造すると共に、その酸素ガスの製造に伴い発生する液体酸素を液酸タンク2に供給する装置である。
本実施形態の酸素ガス供給設備は、更に、低圧酸素供給系統3、中圧酸素供給系統6、及び高圧酸素供給系統13の3系統を有する。
(酸素製造装置1)
酸素製造装置1は、深冷分離方式で酸素ガスを製造する装置である。本実施形態の酸素製造装置1は、深冷分離方式によって、空気から少なくとも酸素を分離・精留する公知の空気分離装置からなる。
酸素製造装置1の構成例について、図2を参照して説明する。
本実施形態の酸素製造装置1は、空気濾過機50、原料空気圧縮機51、水洗冷却塔52、MS吸着ユニット53、熱交換器54、及び精留塔55を備える。
原料空気圧縮機51は、空気濾過機50を介して原料空気である大気を吸引して圧縮する。なお、空気濾過機50は、吸引した大気中の粉塵を除去する。圧縮した空気は例えば90℃程度になっている。
水洗冷却塔52は、原料空気圧縮機51が圧縮した空気を入力し、その空気に対し冷却水を塔上部から散水して水洗及び冷却を実施する。この水洗冷却塔52での冷却によって、空気は例えば10℃程度まで冷却される。
MS吸着ユニット53は、空気から水分や二酸化炭素を除去する。なお、このMS吸着ユニット53は、通常2筒式であって、1筒で水分・二酸化炭素を吸着しているときに、もう1筒で吸着した水分・二酸化炭素を大気に放出する。
熱交換器54は、供給される空気と低温の製品ガスとの間で熱交換させることで、当該空気を低温に冷却する。熱交換器54は、空気を例えば−200℃近くまで冷却する。熱交換器で熱交換した空気は、膨張タービン56を介して精留塔55の上部塔55aに供給されると共に、精留塔55の下部塔55bに供給される。
精留塔55は、各ガスの沸点の差を利用して、空気中の酸素、窒素、及びアルゴンガスを分離する。なお、熱交換器54及び精留塔55が空気液化分離器を構成する。空気液化分離器を構成する熱交換器54及び精留塔55は、コールドボックスCB内に配置されている。
精留塔55で分離された酸素、窒素、アルゴンガスは、それぞれ個別の供給路によって製品酸素、製品窒素、製品アルゴンとして取り出される。各供給路は、熱交換器54を介してそれぞれの供給先に向けて延在している。すなわち、精留塔55で分離された酸素、窒素、アルゴンガスは、熱交換された低温の製品ガスとなる。
上記精留塔55における下部塔55bには液酸が貯留している。下部塔55bに貯留する液酸は、適宜、過冷却器57を介して上部塔55aに供給される。符号58は粗アルゴン塔、符号59は凝縮器である。
精留塔55で分離されて取り出された製品酸素は、図1のように、酸素供給路を通じて酸素使用設備20に供給可能となっている。製鉄設備であれば、酸素使用設備20として高炉、転炉、連続鋳造設備などが例示出来る。
(液酸タンク2)
酸素製造装置1で分離した液酸を貯蔵する液酸タンク2を備える。精留塔上部に貯まった液体酸素を酸液循環ポンプで循環する際に、液中の不純物濃縮防止のため、一定量、抜き出して液酸タンク2に供給される。
なお、液酸タンク2は精留塔下部55bに接続し、液酸タンク2内の液酸を精留塔55内部に注入可能となっている。
(低圧酸素供給系統3)
低圧酸素供給系統3は、図1に示すように、酸素製造装置1と低圧酸素用の酸素使用設備20(例えば、高炉)とを接続する低圧用供給管4と、その低圧用供給管4に介装された送風機5とを備える。送風機5によって、低圧(加圧していない)酸素が低圧用の酸素使用設備21に供給される。
(中圧酸素供給系統6)
中圧酸素供給系統6は、図1に示すように、酸素製造装置1と中圧酸素用の酸素使用設備20(例えば、焼結設備)とを接続する中圧用供給管7と、その中圧用供給管7に介装された中圧酸素圧縮機8とを備える。中圧酸素圧縮機8は、酸素製造装置1が製造した製品酸素を例えば0.9MPa程度の中圧まで加圧して中圧酸素として、中圧用の酸素使用設備22に供給する。
(高圧酸素供給系統13)
高圧酸素供給系統13は、図1に示すように、第1酸素供給系統13Aと第2酸素供給系統13Bと、共通配管16とを備える。その高圧酸素供給系統13に、アキュムレータ17が設けられると共に、液化装置19が接続する。
<第1酸素供給系統13A>
第1酸素供給系統13Aは、液酸タンク2と共通配管16の一端部とを接続する第1供給管10を有する。この第1供給管10に、液酸用ポンプ11と蒸発器12がこの順に設けられている。そして、第1酸素供給系統13Aは、入力した第1の酸素供給量となるように液酸用ポンプ11が駆動されることで、液酸タンク2内の液体酸素がポンプ及び蒸発器12で昇圧し加熱蒸発し、共通配管16を通じて、高圧用の酸素使用設備23に酸素ガスを供給する構成となっている。第1酸素供給系統13Aからの酸素ガスは、液酸用ポンプ11による圧送によって、例えば2.0MPa程度の高圧酸素となっている。
<第2酸素供給系統13B>
第2酸素供給系統13Bは、酸素製造装置1と共通配管16の一端部とを接続する第2供給管14を有する。第2供給管14には、高圧酸素圧縮機15が設けられている。そして、第2酸素供給系統13Bは、入力した第2の酸素供給量となるように、酸素製造装置1が製造した酸素ガスを酸素圧縮機で昇圧して高圧酸素とし、その高圧酸素を、共通配管16を通じて、高圧用の酸素使用設備23に供給する構成となっている。高圧酸素圧縮機15は、酸素製造装置1が製造した約0.02MPa程度の低圧の酸素を例えば2.0MPa程度の高圧酸素に昇圧可能に構成される。
<液化装置19>
液化装置19は、入力側を共通配管16に接続し、共通配管16を流れる、酸素製造装置1が製造した酸素ガス及び液酸タンク2内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させてなる酸素ガスを、液化して液酸タンク2に貯留する装置である。液酸タンク2のレベルが下がったときに使用される。
<アキュムレータ17>
アキュムレータ17は、共通配管16に設けられている。アキュムレータ17の圧力(ACC圧とも記載する)は、圧力計18で測定されて演算器30に供給される。ACC圧は、高圧用の酸素使用設備23への供給圧力に相当する。
(演算器30)
また、本実施形態の酸素ガス供給設備は、後述の演算器30を備える。
演算器30は、図3に示すように、要求酸素量演算部30A、低圧酸素供給演算部30B、中圧酸素供給演算部30C、高圧酸素供給演算部30Dを備える。
(要求酸素量演算部30A)
要求酸素量演算部30Aは、酸素を使用する各酸素使用設備20での酸素の予測使用量(要求酸素量)を取得し、低圧酸素、中圧酸素、高圧酸素の各供給量を演算する。この演算は、特許文献1に記載のような公知に手法によって実行すればよい。本発明は、その演算方法について特に限定はない。
(低圧酸素供給演算部30B)
低圧酸素供給演算部30Bは、要求酸素量演算部30Aが演算した低圧酸素の供給量の指令値を送風機5に供給する。送風機5は、供給された指定値の送風量となるように駆動される。送風機5は、例えば、現在の送風量と指令値との差が小さくなるように、駆動状態が調整される。
(中圧酸素供給演算部30C)
中圧酸素供給演算部30Cは、要求酸素量演算部30Aが演算した中圧酸素の供給量の指令値を中圧酸素圧縮機8に供給する。中圧酸素圧縮機8は、供給された指令値に応じた圧縮量となるように駆動される。中圧酸素圧縮機8は、例えば現在の中圧空気の圧縮供給量と、指令値との差が小さくなるように駆動状態が調整される。
(高圧酸素供給演算部30D)
高圧酸素供給演算部30Dは、分配処理部30Daと、第1系統用酸素演算部30Dbと、第2系統用酸素演算部30Dcとを備える。
<分配処理部30Da>
分配処理部30Daは、要求酸素量演算部30Aが演算した高圧酸素の供給量(酸素使用設備20での要求酸素量に基づき求めた酸素供給量)を、予め設定した配分比率で分配して、第1酸素供給系統13Aから供給する酸素供給量を求める処理を行う。
本実施形態の分配処理部30Daでは、予め設定した分配比率で、要求酸素量演算部30Aが演算した高圧酸素の供給要求量を、液酸蒸発分と昇圧分とに分配する。分配比率は、酸素の製造に伴い一定量抜き出す量の計画積算量に基づき設定する。例えば、液酸蒸発分:昇圧分を3:97に設定する。
ただし、測定したアキュムレータ17の圧力(ACC圧力)が、予め設定した設定圧力以上の場合には、液酸蒸発分の分配比率と高めに設定して、高圧酸素の供給要求量を液酸蒸発分と昇圧分とに分配する。例えば、分配比率(この配分比率を第2配分比率とも呼ぶ)を、1:9とする。これによって、第1系統用酸素演算部30Dbは、アキュムレータ17の圧力が設定した設定圧以上の場合には、アキュムレータ17の圧力が上記設定圧よりも低い場合に比べて、昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を増加させることになる。
予め設定した設定圧力は、例えば、想定している高圧酸素の管理圧力範囲における中央値以上上限値未満の範囲、好ましくは、想定している高圧酸素の管理圧力範囲における上限値側(高圧側)3分の1の範囲内で設定する。
また、第2配分比率は、想定している高圧酸素の圧力範囲の上限値に近づくほど、液酸蒸発分側が大きくなるように設定しても良い。
<第1系統用酸素演算部30Db>
第1系統用酸素演算部30Dbは、液酸タンク2内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、液酸タンク2内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を演算する。
第1系統用酸素演算部30Dbは、分配処理部30Daが算出した液酸蒸発分の高圧酸素の供給量と、液酸タンク2内に存在する液体酸素量で可能な高圧酸素の供給量のセレクトローを行い、小さい側の供給量を、液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量として選択する。
液酸タンク2内に存在する液体酸素量で可能な高圧酸素の供給量は、液酸タンク2のタンクレベル(貯蔵割合)や液酸用ポンプ11の諸元による最大の圧送量などから求めることが出来る。
液酸タンク2に存在する液体酸素量で可能な高圧酸素の供給量は、例えば、タンクレベルが所定レベル以上の場合、液酸用ポンプ11の諸元による最大の圧送量とし、所定レベル未満の場合には、タンクレベルが低い程、小さく設定する。
ここで、タンクレベルは、現在の状態に限定せず、過去の酸素製造装置1から供給された液体酸素の履歴を加味して補正しても良い。
そして、第1系統用酸素演算部30Dbは、求めた高圧酸素の供給量に対応する指令値を液酸用ポンプ11に出力する。
第1系統用酸素演算部30Dbは、高圧酸素の供給量が、分配処理部30Daが算出した液酸蒸発分の高圧酸素の供給量と異なる場合には、その旨の情報を第2系統用酸素演算部30Dcに供給する。
<第2系統用酸素演算部30Dc>
第2系統用酸素演算部30Dcは、酸素使用設備20での要求酸素量と、第1酸素供給系統13Aから供給される酸素供給量との基づき、酸素製造装置が製造した酸素ガスを昇圧して供給する酸素供給量を演算する。
本実施形態の第2系統用酸素演算部30Dcは、分配処理部30Daが求めた昇圧分に対応する昇圧供給量を昇圧供給する酸素供給量とする。
ただし、第1系統用酸素演算部30Dbから、高圧酸素の供給量が、分配処理部30Daが算出した液酸蒸発分の高圧酸素の供給量と異なる旨の情報を取得した場合には、要求酸素量演算部30Aが演算した高圧酸素の供給量(酸素使用設備20での要求酸素量に基づき求めた酸素供給量)から、第1系統用酸素演算部30Dbから供給する供給量を減算した値を用いる。
そして、第2系統用酸素演算部30Dcは、演算した供給量に対応する指令値を高圧酸素圧縮機15に供給する。
<その他>
ここで、要求酸素量演算部30Aが演算した高圧酸素の供給要求量を、例えば、ACC圧力に基づき、下記のような処理で補正を行っても良い。
要求酸素量演算部30Aは、例えばACC圧力変化予測部と供給量算出部を備える。
ACC圧力変化予測部は、アキュムレータ17の圧力(ACC圧力)を取得し、その取得したアキュムレータ17の圧力、要求酸素量演算部30Aした高圧酸素の要求供給量、現在の高圧酸素の供給量、及びアキュムレータ17の容量から、ACC圧力の変化量を予測する。
供給量算出部は、ACC圧力変化予測部が算出したACC圧力の変化の予測量から、高圧酸素の圧力管理上の圧力範囲内での運用可能な供給量を算出する。この算出した運用可能な供給量を、高圧酸素の要求供給量とする。
(動作その他)
本実施形態では、高圧酸素の要求供給に対し、液体酸素を昇圧し加熱蒸発させ、その昇圧し加熱蒸発させて生成した高圧の酸素ガスを供給し、その供給量では足りない分を、高圧酸素圧縮機15で昇圧した高圧酸素で補う。
すなわち、本実施形態では、液酸タンク2内の液体酸素で可能な量の、昇圧し加熱蒸発させた高圧酸素の供給を前提とし、予測された高圧酸素の要求供給量となるように高圧酸素圧縮機15で昇圧した酸素ガスを発生させる。
このため、高圧酸素の要求供給量の変化(予測と実績の差)に応じた、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給する高圧酸素の増減が小さく抑えられる。
予測量(要求供給量)と実績とに差がある場合、高圧酸素圧縮機15の限られた圧力の範囲内では変動を吸収することとなるが、本実施形態では、予め液体酸素を昇圧し加熱蒸発させた高圧酸素が存在するため、高圧酸素圧縮機15側で吸収すべき予測量(要求供給量)と実績との差を従来よりも小さく抑えることができる。この結果、高圧酸素圧縮機15の限られた圧力の範囲内で、従来よりも変動を吸収可能となり、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給する高圧酸素の平均圧力を、先行文献1に記載のような方法に比べて小さく抑えることが可能となる。
また、従来にあっては、高圧酸素の圧力が管理範囲を下回る場合には液酸タンク2に貯蔵された液体酸素を昇圧し加熱蒸発させて不足する酸素を補う際に、液酸タンク2のタンクレベルが低い場合には液化装置19を駆動して液体酸素を生成する処理を行う必要が有るが、本実施形態では、高圧酸素の圧力が管理範囲を下回る前に、液酸タンク2のタンクレベルに応じて液体酸素を昇圧し加熱蒸発させた高圧酸素を供給し、残りの高圧酸素を、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給しているため、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給する分で対応可能となる。従って、液化装置19の駆動を減らすことが可能となる。
このように、本実施形態では、深冷分離方式を用いた酸素製造装置1で酸素ガスの製造に伴い発生する液体酸素量に応じた昇圧し加熱蒸発させた高圧酸素を前提として、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給する高圧酸素を供給するようにしたので、酸素ガスを液化して供給する電力を削減できるようになる。また、高圧酸素圧縮機15の吐出圧力を下げることが出来るようになり、圧力の管理範囲を上回る頻度が減ることから、酸素製造装置1で製造する大気放散量を削減することもできる。
特に、ACC圧すなわち、供給する高圧酸素の圧力が高い場合には、昇圧し加熱蒸発させた高圧酸素の量を相対的に増加させることで、高圧酸素圧縮機15で昇圧供給する高圧酸素量を相対的に減少及び減圧可能となることから、更に、圧力の管理範囲を上回る頻度を減らすことが可能となり、更に酸素製造装置1で製造する大気放散量を削減することができる。
1 酸素製造装置
2 液酸タンク
3 低圧酸素供給系統
4 低圧用供給管
5 送風機
6 中圧酸素供給系統
7 中圧用供給管
8 中圧酸素圧縮機
11 液酸用ポンプ
12 蒸発器
13 高圧酸素供給系統
13A 第1酸素供給系統
13B 第2酸素供給系統
15 高圧酸素圧縮機
16 共通配管
17 アキュムレータ
18 圧力計
19 液化装置
20 酸素使用設備
21 低圧用の酸素使用設備
22 中圧用の酸素使用設備
23 高圧用の酸素使用設備
30 演算器
30A 要求酸素量演算部
30B 低圧酸素供給演算部
30C 中圧酸素供給演算部
30D 高圧酸素供給演算部
30Da 分配処理部
30Db 第1系統用酸素演算部
30Dc 第2系統用酸素演算部

Claims (6)

  1. 酸素使用設備に酸素ガスを供給する酸素ガス供給設備であって、
    深冷分離方式で酸素ガスを製造すると共にその酸素ガスの製造に伴い発生する液体酸素を液酸タンクに供給する酸素製造装置と、
    上記液酸タンク内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、上記液酸タンク内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を演算する第1系統用酸素演算部と、
    上記第1系統用酸素演算部が演算した酸素供給量となるように、上記液酸タンク内の液体酸素をポンプ及び蒸発器で昇圧し加熱蒸発して上記酸素使用設備に酸素ガスを供給する第1酸素供給系統と、
    上記酸素使用設備での要求酸素量と、上記第1酸素供給系統から供給される酸素供給量との基づき、上記酸素製造装置が製造した酸素ガスを昇圧して供給する酸素供給量を演算する第2系統用酸素演算部と、
    上記第2系統用酸素演算部が演算した酸素供給量となるように、上記酸素製造装置が製造した酸素ガスを酸素圧縮機で昇圧して上記酸素使用設備に供給する第2酸素供給系統と、
    を備えることを特徴とする酸素ガス供給設備。
  2. 上記酸素使用設備での要求酸素量に基づき求めた酸素供給量を、予め設定した配分比率で分配して、第1酸素供給系統から供給する酸素供給量を求める分配処理部を備え、
    上記第1系統用酸素演算部は、上記分配処理部が求めた上記酸素供給量に基づき、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を演算することを特徴とする請求項1に記載した酸素ガス供給設備。
  3. 第1酸素供給系統からの酸素ガスと第2酸素供給系統からの酸素ガスとを合流し、共通配管を通じて上記酸素使用設備に供給可能となっていると共に、上記共通配管にアキュムレータが設けられ、
    上記第1系統用酸素演算部は、上記アキュムレータの圧力が設定した設定圧以上の場合には、上記アキュムレータの圧力が上記設定圧よりも低い場合に比べて、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を増加させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した酸素ガス供給設備。
  4. 深冷分離方式の酸素製造装置が製造した酸素ガスを圧縮機で昇圧して酸素使用設備に供給すると共に、上記酸素ガスの製造に伴い上記酸素製造装置で発生した液体酸素を液酸タンクに貯留し、
    上記液酸タンク内に存在する液体酸素量で可能な範囲で、上記液酸タンク内の液体酸素を昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスを、上記昇圧した酸素ガスと共に上記酸素使用設備に供給し、
    上記昇圧による酸素ガスの酸素供給量を、上記酸素使用設備での要求酸素量と、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスの供給量とに基づき決定することを特徴とする酸素ガス供給方法。
  5. 上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素ガスの供給量は、上記酸素使用設備での要求酸素量を、予め設定した配分比率で配分した量から設定することを特徴とする請求項4に記載した酸素ガス供給方法。
  6. 上記酸素使用設備に供給する酸素ガスの圧力である供給圧力が、予め設定した設定圧以上の場合には、上記供給圧力が上記設定圧よりも低い場合に比べて、上記昇圧し加熱蒸発させることによる酸素供給量を増加させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載した酸素ガス供給方法。
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WO2022211007A1 (ja) 2021-04-02 2022-10-06 日本製鉄株式会社 無方向性電磁鋼板

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