JP2021063502A - 内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021063502A JP2021063502A JP2020067629A JP2020067629A JP2021063502A JP 2021063502 A JP2021063502 A JP 2021063502A JP 2020067629 A JP2020067629 A JP 2020067629A JP 2020067629 A JP2020067629 A JP 2020067629A JP 2021063502 A JP2021063502 A JP 2021063502A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- combustion engine
- internal combustion
- variable
- execution device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】機械学習によって学習済みの写像からは、許容できるデータの範囲を超えて、出力層からデータが出力されるおそれがある。【解決手段】CPUは、取得処理によって取得値を取得する(S10)。CPUは、取得値を写像に入力して、触媒温度Tcatを算出する(S14)。S14において算出した触媒温度Tcatが上限ガード値ULを超えている場合には(S18:NO)、ガード処理によって、触媒温度Tcatが上限ガード値ULと同一値に設定しなおされる。また、S14において算出した触媒温度Tcatが下限ガード値LLを超えている場合には(S20:NO)、ガード処理によって、触媒温度Tcatが下限ガード値LLと同一値に設定しなおされる(S24)。【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に記載の触媒温度予測装置では、内燃機関の負荷に相関のあるパラメータを入力層に入力し、現在から予測時間後までのエンジントルクの値を出力するように構成されたニューラルネットワークが用いられている。ニューラルネットワークは、教師あり学習をされたものとなっている。
特許文献1に記載のようなニューラルネットワークを利用した触媒温度予測装置においては、例えば、学習時には想定していなかったパラメータが入力された場合であっても、学習済みの情報に基づいて処理が行われる。そのため、特許文献1に記載のような触媒温度予測装置においては、許容できるデータの範囲を超えて、出力層からデータが出力されるおそれが捨てきれない。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.記憶装置と、実行装置と、を備え、前記記憶装置は、内燃機関の状態を示すパラメータである内燃機関状態変数を入力として、内燃機関の状態を推定するための推定値を出力する写像を規定するデータである写像データを記憶しており、前記実行装置は、前記内燃機関状態変数を取得する取得処理、前記内燃機関状態変数を入力とする前記写像の出力に基づき前記推定値を推定する推定処理、を実行し、前記写像データは、機械学習によって学習済みのデータであり、前記実行装置は、前記推定値が許容範囲外である場合に、前記推定値を前記許容範囲に近づけるまたは前記許容範囲内の値にするガード処理を実行し、前記ガード処理を実行した場合には、前記ガード処理後の値を前記推定値として算出する内燃機関の状態推定装置である。
1.記憶装置と、実行装置と、を備え、前記記憶装置は、内燃機関の状態を示すパラメータである内燃機関状態変数を入力として、内燃機関の状態を推定するための推定値を出力する写像を規定するデータである写像データを記憶しており、前記実行装置は、前記内燃機関状態変数を取得する取得処理、前記内燃機関状態変数を入力とする前記写像の出力に基づき前記推定値を推定する推定処理、を実行し、前記写像データは、機械学習によって学習済みのデータであり、前記実行装置は、前記推定値が許容範囲外である場合に、前記推定値を前記許容範囲に近づけるまたは前記許容範囲内の値にするガード処理を実行し、前記ガード処理を実行した場合には、前記ガード処理後の値を前記推定値として算出する内燃機関の状態推定装置である。
上記構成によれば、推定処理によって算出される推定値が許容範囲外である場合には、ガード処理前の推定値よりも許容範囲に近づけられるか、または許容範囲内の値とされる。そのため、推定処理によって得られる推定値が、過度に想定外の値となることを抑制する。
2.前記実行装置は、前記推定値が前記許容範囲よりも大きい場合には、前記推定値を前記許容範囲の上限値に一致させるガード処理を実行し、前記推定値が前記許容範囲よりも小さい場合には、前記推定値を前記許容範囲の下限値に一致させるガード処理を実行する上記1に記載の内燃機関の状態推定装置。
上記構成によれば、推定処理によって算出される推定値は、許容範囲内の値であって最もガード処理前に近い値とされる。そのため、ガード処理前の推定値の値を踏襲しつつも、推定処理によって得られる推定値が想定外の結果になってしまうことを抑制する。
3.前記内燃機関の状態は、前記内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定値であり、前記写像データは、前記内燃機関の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数と前記内燃機関の燃焼室内の混合気の空燃比を理論空燃比とする上で必要な燃料量に対する実際の噴射量の過剰量に応じた変数である過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数、前記触媒に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数、および前記触媒の温度の推定値の前回値を入力とし、前記触媒の温度の推定値を出力する写像を規定するものであり、前記実行装置は、前記取得処理において、前記少なくとも1つの変数、前記流体エネルギ変数、および前記推定値の前回値を取得する上記1又は上記2に記載の内燃機関の状態推定装置である。上記構成によれば、触媒温度を推定するうえで、ガード処理の技術を適用できる。
4.前記実行装置は、前記許容範囲を算出する許容範囲算出処理を実行し、前記記憶装置は、前記内燃機関状態変数および前記内燃機関状態変数から導き出される変数の少なくとも一方を代入することにより、前記許容範囲の上限値が得られる上限値算出関数および前記許容範囲の下限値が得られる下限値算出関数を記憶しており、前記実行装置は、前記許容範囲算出処理において、前記取得処理によって取得した前記内燃機関状態変数を、前記上限値算出関数に代入して前記上限値を算出し、前記取得処理によって取得した前記内燃機関状態変数を、前記下限値算出関数に代入して前記下限値を算出する上記1〜上記3のいずれか1つに記載の内燃機関の状態推定装置である。
上記構成によれば、取得処理によって取得される内燃機関状態変数に基づいて、許容範囲の上限値および下限値が得られる。そのため、内燃機関の駆動状態が変化し続けても、適切な許容範囲を設定しやすい。
5.前記実行装置は、前記推定処理による前記推定値の今回値と前回値との差を示す乖離度が、所定の範囲外となった場合に、前記推定値の今回値が前記許容範囲外であると判定する上記1〜上記3のいずれか1つに記載の内燃機関の状態推定装置である。
上記構成によれば、推定処理によって算出される推定値の今回値と前回値との差を示す乖離度の大きさによって、推定値の今回値が許容範囲外であるか否かが判定される。算出される推定値の乖離度の算出によって許容範囲外であるか否かの判定ができるため、比較的に簡単な計算で許容範囲外か否かの判定を実現できる。
6.上記1または上記2に記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、前記実行装置は、第1実行装置および第2実行装置を含み、前記第1実行装置は、車両に搭載されて且つ、前記取得処理と、前記取得処理によって取得されたデータを車両の外部に送信する車両側送信処理と、前記推定処理によって算出された出力に基づく信号を受信する車両側受信処理と、を実行し、前記第2実行装置は、前記車両の外部に配置されて且つ、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する外部側受信処理と、前記推定処理と、前記推定処理によって算出された出力に基づく信号を前記車両に送信する外部側送信処理と、を実行する内燃機関の状態推定システムである。上記構成によれば、推定処理を車両の外部において実行することにより、車載装置の演算負荷を軽減できる。
7.上記6記載の前記第2実行装置および前記記憶装置を備えるデータ解析装置である。
8.上記6記載の前記第1実行装置を備える内燃機関の制御装置である。
8.上記6記載の前記第1実行装置を備える内燃機関の制御装置である。
<第1の実施形態>
以下、触媒温度推定装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す車両VCに搭載された内燃機関10において、吸気通路12から吸入された空気は、過給機14を介して下流へと流動し、吸気バルブ16の開弁に伴って燃焼室18に流入する。内燃機関10には、燃焼室18に燃料を直接噴射する筒内噴射弁20や、火花放電を生じさせる点火装置22が設けられている。燃焼室18において、空気と燃料との混合気は、燃焼に供され、燃焼によって生じたエネルギは、クランク軸24の回転エネルギとして取り出される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ26の開弁に伴って、排気として、排気通路30に排出される。排気通路30のうち過給機14の下流には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって酸素吸蔵能力を有した三元触媒が担持されたフィルタであるGPF34が設けられている。また、GPF34の下流には、酸素吸蔵能力を有した三元触媒である触媒36が設けられている。また、排気通路30は、過給機14を迂回してGPF34へと排気を流動させる迂回通路40を備えている。迂回通路40には、その流路断面積を調整するウェストゲートバルブ(以下、WGV42)が設けられている。なお、クランク軸24には、トルクコンバータ50および変速装置52を介して駆動輪60が機械的に連結されている。
以下、触媒温度推定装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す車両VCに搭載された内燃機関10において、吸気通路12から吸入された空気は、過給機14を介して下流へと流動し、吸気バルブ16の開弁に伴って燃焼室18に流入する。内燃機関10には、燃焼室18に燃料を直接噴射する筒内噴射弁20や、火花放電を生じさせる点火装置22が設けられている。燃焼室18において、空気と燃料との混合気は、燃焼に供され、燃焼によって生じたエネルギは、クランク軸24の回転エネルギとして取り出される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ26の開弁に伴って、排気として、排気通路30に排出される。排気通路30のうち過給機14の下流には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタであって酸素吸蔵能力を有した三元触媒が担持されたフィルタであるGPF34が設けられている。また、GPF34の下流には、酸素吸蔵能力を有した三元触媒である触媒36が設けられている。また、排気通路30は、過給機14を迂回してGPF34へと排気を流動させる迂回通路40を備えている。迂回通路40には、その流路断面積を調整するウェストゲートバルブ(以下、WGV42)が設けられている。なお、クランク軸24には、トルクコンバータ50および変速装置52を介して駆動輪60が機械的に連結されている。
制御装置70は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量であるトルクや排気成分比率等を制御するために、筒内噴射弁20や、点火装置22、WGV42等の内燃機関10の操作部を操作する。なお、図1には、筒内噴射弁20、点火装置22、およびWGV42のそれぞれの操作信号MS1〜MS3を記載している。
制御装置70は、制御量の制御に際し、エアフローメータ80によって検出される吸入空気量Gaや、GPF34の上流に設けられた排気温センサ82によって検出される排気温Texu、GPF34の上流側に設けられた上流側空燃比センサ84の検出値である上流側検出値Afuを参照する。また制御装置70は、GPF34と触媒36との間に設けられた下流側空燃比センサ86の検出値である下流側検出値Afdや、クランク角センサ88の出力信号Scr、車速センサ90によって検出される車速SPD、外気温センサ92によって検出される外気温TOを参照する。
制御装置70は、CPU72、ROM74、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである記憶装置76、および周辺回路77を備え、それらがローカルネットワーク78によって通信可能とされたものである。なお、周辺回路77は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。
制御装置70は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって、上記制御量の制御を実行する。
図2に、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって実現される処理の一部を示す。
図2に、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって実現される処理の一部を示す。
ベース噴射量算出処理M10は、充填効率ηに基づき、燃焼室18内の混合気の空燃比を目標空燃比とするための燃料量のベース値であるベース噴射量Qbを算出する処理である。詳しくは、ベース噴射量算出処理M10は、たとえば充填効率ηが百分率で表現される場合、空燃比を目標空燃比とするための充填効率ηの1%当たりの燃料量QTHに、充填効率ηを乗算することによりベース噴射量Qbを算出する処理とすればよい。ベース噴射量Qbは、燃焼室18内に充填される空気量に基づき、空燃比を目標空燃比に制御するために算出された燃料量である。本実施形態では、目標空燃比として、理論空燃比を例示する。なお、充填効率ηは、燃焼室18内に充填される空気量を定めるパラメータであり、CPU72により回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づき算出される。また、回転速度NEは、クランク角センサ88の出力信号Scrに基づきCPU72により算出される。
フィードバック処理M12は、上流側検出値Afuを目標値Afu*にフィードバック制御するための操作量であるフィードバック操作量としてのベース噴射量Qbの補正比率δに「1」を加算したフィードバック補正係数KAFを算出して出力する処理である。詳しくは、フィードバック処理M12は、上流側検出値Afuと目標値Afu*との差を入力とする比例要素および微分要素の各出力値と、同差に応じた値の積算値を保持し出力する積分要素の出力値との和を補正比率δとする。
触媒温度抑制処理M14は、GPF34の温度の推定値である触媒温度Tcatが所定温度以上となる場合、GPF34を保護すべく、増量係数Kotを「1」よりも大きい値に算出する処理である。なお、触媒温度Tcatが所定温度未満の場合、増量係数Kotは、「1」とされる。
要求噴射量算出処理M16は、ベース噴射量Qbに、フィードバック補正係数KAFと増量係数Kotを乗算することによって、要求噴射量Qdを算出する処理である。なお、本実施形態では、増量係数Kotが「1」よりも大きい場合には、フィードバック処理M12を停止し、フィードバック補正係数KAFを固定することとする。
噴射弁操作処理M18は、要求噴射量Qdに基づき、筒内噴射弁20を操作すべく、筒内噴射弁20に操作信号MS1を出力する処理である。
触媒温度推定処理M20は、触媒温度Tcatを推定する処理である。これについては、後に詳述する。
触媒温度推定処理M20は、触媒温度Tcatを推定する処理である。これについては、後に詳述する。
PM堆積量算出処理M22は、回転速度NEや充填効率η、上流側検出値Afu、触媒温度Tcat等に基づき、PM堆積量DPMを算出する処理である。ここで、PM堆積量DPMは、GPF34に堆積された粒子状物質であるPMの量である。詳しくは、PM堆積量算出処理M22は、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし、排気通路30に排出されるPMの量を出力変数とするマップデータに基づき、排出されるPMの量をマップ演算する処理を含む。また、PM堆積量算出処理M22は、排出されたPMのうちのGPF34によって捕集される割合を、PM堆積量DPMが小さい場合に多い場合よりも大きく算出する処理を含む。また、PM堆積量算出処理M22は、上流側検出値Afuが理論空燃比よりもリーンである場合に、GPF34において酸化されるPM量を触媒温度Tcatが高い場合に低い場合よりも大きく算出する処理を含む。
なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
再生処理M24は、PM堆積量DPMが所定量以上となる場合、筒内噴射弁20や点火装置22等の内燃機関10の操作部のうちの排気の温度を上昇させるための操作部を操作して、GPF34の温度を上昇させる昇温制御を実行し、GPF34に捕集されたPMを酸化除去する処理である。詳しくは、再生処理M24は、昇温制御によって触媒温度Tcatが所定範囲内となるように制御する処理を含む。
下流側通電処理M26は、内燃機関10の始動後、触媒温度Tcatに基づき、下流側空燃比センサ86の通電を開始する処理である。本実施形態において、下流側通電処理M26は、触媒温度Tcatを下流側空燃比センサ86の温度とみなして、触媒温度Tcatが規定値以上となることで、下流側空燃比センサ86の通電を開始する処理とする。
図3に、触媒温度推定処理M20の手順を示す。図3に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU72は、まず、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれについての、所定期間における時系列データと、前回、図3の処理によって算出された触媒温度Tcatである触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)と、を取得する(S10)。以下では、サンプリングタイミングが古い順に、「1,2,…,sn」として、たとえば回転速度NEの時系列データを「NE(1)〜NE(sn)」と記載する。ここで、「sn」は、各変数の時系列データに含まれるデータ数である。
排気温平均値Texuaveは、上記時系列データのサンプリング間隔における排気温Texuの平均値である。すなわち、CPU72は、時系列データのサンプリング間隔の間に、排気温Texuを複数回サンプリングし、それらの平均値を算出し、排気温平均値Texuaveとする。同様に、上流側平均値Afuaveは、上記時系列データのサンプリング間隔における上流側検出値Afuの平均値である。
次にCPU72は、触媒温度Tcatを出力する写像の入力変数x(1)〜x(5sn+1)に、S10の処理によって取得した値を代入する(S12)。すなわち、CPU72は、m=1〜snとすると、入力変数x(m)に排気温平均値Texuave(m)を代入し、入力変数x(sn+m)に上流側平均値Afuave(m)を代入し、入力変数x(2sn+m)に吸入空気量Ga(m)を代入し、入力変数x(3sn+m)に回転速度NE(m)を代入する。またCPU72は、入力変数x(4sn+m)に充填効率η(m)を代入し、入力変数x(5sn+1)に触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)を代入する。
次にCPU72は、図1に示す記憶装置76に記憶された写像データ76aによって規定される写像に入力変数x(1)〜x(5sn+1)を入力することによって、触媒温度Tcatを算出する(S14)。
本実施形態において、この写像は、中間層が「α」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1〜hαが、ハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数fがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。なお、ReLUは、入力とゼロとのうちの小さくない方を出力する関数である。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数w(1)ji(j=0〜n1,i=0〜5sn+1)によって規定される線形写像に上記入力変数x(1)〜x(5sn+1)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。すなわち、m=1,2,…,αとすると、第mの中間層の各ノードの値は、係数w(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。図3に示す値n1,n2,…,nαは、それぞれ、第1、第2、…、第αの中間層のノード数である。ちなみに、w(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。
次にCPU72は、S14において算出した触媒温度Tcatに対する許容範囲を算出する許容範囲算出処理を行う(S16)。具体的には、許容範囲の上限ガード値ULおよび下限ガード値LLを、図1に示す記憶装置76に記憶されているマップデータ76bから、算出する。マップデータ76bは、上限ガード値ULを算出するための上限値算出関数としての上限マップと、下限ガード値LLを算出するための下限値算出関数としての下限マップと、を含んで構成されている。許容範囲算出処理では、上限マップに、S10において取得した回転速度NE(1)〜NE(sn)の平均値である回転速度平均値NEaveと、充填効率η(1)〜η(sn)の平均値である充填効率平均値ηaveと、を代入して、上限ガード値ULを算出する。上限マップは、予め試験やシミュレーションによって、触媒温度を低下させる要因である車速や外気温を相応に小さい条件として触媒温度が変化した場合の上限値を、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveに基づいて算出するように規定されている。
また、許容範囲算出処理では、下限マップに、回転速度平均値NEaveと充填効率平均値ηaveとを代入して、下限ガード値LLを算出する。下限マップは、予め試験やシミュレーションによって、触媒温度を低下させる要因である車速や外気温を相応に大きい条件として触媒温度が変化した場合の下限値を、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveに基づいて算出するように規定されている。そのため、下限ガード値LLは、上限ガード値ULよりも小さい値として算出される。
次にCPU72は、S14において算出した触媒温度Tcatが、S16において算出した上限ガード値UL以下であるか否かを判定する(S18)。S14において算出された触媒温度Tcatが上限ガード値UL以下である場合(S18:YES)、CPU72は、S14において算出された触媒温度Tcatが、下限ガード値LL以上であるか否かを判定する(S20)。
取得値が下限ガード値LL以上である場合(S20:YES)、CPU72は、図3に示す一連の処理を一旦終了する。ちなみに、図3の処理を最初に実行する場合には、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)として、予め定めておいたデフォルト値を用いればよい。デフォルト値が実際の温度からずれている場合であっても、図3の処理が繰り返されることにより、触媒温度Tcatは正しい値へと収束する。
ところで、S14において算出した触媒温度Tcatが、上限ガード値ULを超えている場合(S18:NO)、CPU72は、触媒温度Tcatを上限ガード値ULに一致させるガード処理を行う(S22)。これにより、上限ガード値ULを超えた触媒温度Tcatは、上限ガード値ULと同一値として設定しなおされ、図3に示す一連の処理が一旦終了される。
また、S14において算出した触媒温度Tcatが、下限ガード値LL未満である場合(S20:NO)、CPU72は、触媒温度Tcatを下限ガード値LLに一致させるガード処理を行う(S24)。これにより、下限ガード値LL未満の触媒温度Tcatは、下限ガード値LLと同一値として設定しなおされ、図3に示す一連の処理が一旦終了される。
次に写像データ76aの生成手法について説明する。
図4に、写像データ76aを生成するシステムを示す。
図4に示すように、本実施形態では、内燃機関10のクランク軸24に、トルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100を機械的に連結する。そして内燃機関10を稼働させた際の様々な状態変数がセンサ群102によって検出され、検出結果が、写像データ76aを生成するコンピュータである適合装置104に入力される。なお、センサ群102には、写像への入力を生成するための値を検出するセンサであるエアフローメータ80や、排気温センサ82、上流側空燃比センサ84等が含まれる。また、センサ群102には、GPF34の温度を検出する触媒温度センサが含まれる。
図4に、写像データ76aを生成するシステムを示す。
図4に示すように、本実施形態では、内燃機関10のクランク軸24に、トルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100を機械的に連結する。そして内燃機関10を稼働させた際の様々な状態変数がセンサ群102によって検出され、検出結果が、写像データ76aを生成するコンピュータである適合装置104に入力される。なお、センサ群102には、写像への入力を生成するための値を検出するセンサであるエアフローメータ80や、排気温センサ82、上流側空燃比センサ84等が含まれる。また、センサ群102には、GPF34の温度を検出する触媒温度センサが含まれる。
図5に、写像データの生成処理の手順を示す。図5に示す処理は、適合装置104によって実行される。なお、図5に示す処理は、たとえば、適合装置104にCPUおよびROMを備え、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより実現すればよい。
図5に示す一連の処理において、適合装置104は、まず、センサ群102の検出結果に基づき、S10の処理において取得するのと同一のデータを訓練データとして取得する(S30)。なお、ここで、取得したタイミングに同期して、上述の触媒温度センサの検出値を訓練データのうちの教師データとして取得する。
次に、適合装置104は、S12の処理の要領で、入力変数x(1)〜x(5sn+1)に教師データ以外の訓練データを代入する(S32)。そして適合装置104は、S14の処理の要領で、S32の処理によって求めた入力変数x(1)〜x(5sn+1)を用いて触媒温度Tcatを算出する(S34)。そしてCPU72は、S34の処理によって算出された触媒温度Tcatのサンプル数が所定以上であるか否かを判定する(S36)。ここで所定以上であるためには、内燃機関10の運転状態を変化させることによって、回転速度NEおよび充填効率ηによって規定される様々な動作点において触媒温度Tcatが算出されていることが要求される。
適合装置104は、所定以上ではないと判定する場合(S36:NO)、S30の処理に戻る。これに対し、CPU72は、所定以上であると判定する場合(S36:YES)、教師データとしての触媒温度センサの検出値とS34の処理によって算出された触媒温度Tcatのそれぞれとの差の2乗和を最小化するように、係数w(1)ji,w(2)kj,…,w(α)1pを更新する(S38)。そして適合装置104は、係数w(1)ji,w(2)kj,…,w(α)1pを、学習済みの写像データ76aとして記憶する(S40)。
ここで、第1の実施形態の作用および効果について説明する。
(1)上記第1の実施形態によれば、S14の処理によって写像が出力した触媒温度Tcatが、上限ガード値より大きいまたは下限ガード値より小さい場合、すなわち許容範囲外である場合には、ガード処理によって、触媒温度Tcatを許容範囲内の値にする。そのため、推定装置が推定する触媒温度Tcatが想定外の値となることはない。
(1)上記第1の実施形態によれば、S14の処理によって写像が出力した触媒温度Tcatが、上限ガード値より大きいまたは下限ガード値より小さい場合、すなわち許容範囲外である場合には、ガード処理によって、触媒温度Tcatを許容範囲内の値にする。そのため、推定装置が推定する触媒温度Tcatが想定外の値となることはない。
(2)上記第1の実施形態によれば、S14の処理によって、上限ガード値よりも大きい触媒温度Tcatの値が算出された場合には、触媒温度Tcatは、許容範囲内の値であって最もガード処理前に近い値、すなわち上限ガード値と同じ値とされる。そのため、ガード処理前の取得値の値を踏襲しつつも、写像の出力が想定外の結果となってしまうことを抑制する。この点、下限ガード値よりも小さい触媒温度Tcatの値が算出された場合も同様である。
(3)上記第1の実施形態によれば、上限マップおよび下限マップによって、一連の処理毎に取得される回転速度NEおよび充填効率ηに基づいて上限ガード値および下限ガード値が算出されている。そのため、固定の上限ガード値や下限ガード値を一律に固定の値として定める場合に比較して、内燃機関10の駆動状態の変化に合わせた適切な上限ガード値および下限ガード値を算出できる。
(4)写像データ76aは、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれの時系列データと、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)と、を入力とし、触媒温度Tcatを出力とする写像を規定するものとして、学習される。ここで、吸入空気量Gaおよび排気温平均値Texuaveは、GPF34に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数を構成する。また、吸入空気量Gaおよび上流側平均値Afuaveは、GPF34に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対する実際の燃料量の過剰量に応じた変数である過剰量変数を構成する。ただし、過剰量は、負の値となることもある。すなわち、GPF34に流入する流体に含まれる酸素と過不足なく反応する燃料量に対して実際の燃料量が不足する場合、負の値となる。
GPF34は、GPF34に流入する流体と熱交換をすることに加えて、流体中の酸素を吸蔵する際に発熱したり、流体中の燃料と吸蔵されている酸素との酸化反応で発熱したりする。これらによる触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)からの変化量は、排気エネルギ変数と過剰量変数とによって把握できることから、排気エネルギ変数と過剰量変数とによって触媒温度Tcatを算出できると考えられる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
第2の実施形態では、触媒温度Tcatの算出処理を車両の外部で行う。
図6に第2の実施形態にかかる温度推定システムを示す。なお、図6において、図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図6に第2の実施形態にかかる温度推定システムを示す。なお、図6において、図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図6に示す車両VC内の制御装置70は、通信機79を備えている。通信機79は車両VCの外部のネットワーク110を介してセンター120と通信するための機器である。
センター120は、複数の車両VCから送信されるデータを解析する。センター120は、CPU122、ROM124、記憶装置126、周辺回路127および通信機129を備えており、それらがローカルネットワーク128によって通信可能とされるものである。ROM124には、温度推定メインプログラム124aが記憶されており、記憶装置126には、写像データ126aが記憶されている。
センター120は、複数の車両VCから送信されるデータを解析する。センター120は、CPU122、ROM124、記憶装置126、周辺回路127および通信機129を備えており、それらがローカルネットワーク128によって通信可能とされるものである。ROM124には、温度推定メインプログラム124aが記憶されており、記憶装置126には、写像データ126aが記憶されている。
図7に、図6に示したシステムが実行する処理の手順を示す。図7(a)に示す処理は、図6に示すROM74に記憶された温度推定サブプログラム74cをCPU72が実行することにより実現される。また、図7(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている温度推定メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。以下では、温度推定処理の時系列に沿って、図7に示す処理を説明する。
図7(a)に示すように、車両VCにおいてCPU72は、まず、S10の処理において取得する時系列データを取得する(S10)。
次にCPU72は、S10の処理によって取得したデータを、車両の識別情報を示すデータである車両IDとともに、センター120に送信する(S90)。
次にCPU72は、S10の処理によって取得したデータを、車両の識別情報を示すデータである車両IDとともに、センター120に送信する(S90)。
これに対し、センター120のCPU122は、図7(b)に示すように、送信されたデータを受信し(S110)、S110の処理によって取得されたデータを写像の入力変数xに代入する(S112)。ここでCPU122は、入力変数x(1)〜x(5sn+1)については、S12の処理と同様の値を代入する。
そして、CPU122は、写像データ126aによって規定される写像に、S92によって生成した入力変数x(1)〜x(5sn+1)を入力して、触媒温度Tcatを算出する(S114)。ここで、写像データ126aによって規定される写像は、S14の処理において用いたものと同様である。
次にCPU122は、許容範囲算出処理を行う(S116)。具体的には、マップデータ126bによって規定される上限マップおよび下限マップに、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveを代入して、上限ガード値ULおよび下限ガード値LLを算出する。ここで、マップデータ126bによって規定される上限マップおよび下限マップは、S116の処理において用いたものと同様である。
次にCPU122は、S114において算出した触媒温度Tcatが、S116において算出した上限ガード値UL以下であるか否かを判定する(S118)。S114において算出された触媒温度Tcatが上限ガード値UL以下である場合(S118:YES)、CPU122は、S114において算出された触媒温度Tcatが、下限ガード値LL以下であるか否かを判定する(S120)。
触媒温度Tcatが下限ガード値以上である場合(S120:YES)、通信機129を操作することによって、S90の処理によって受信したデータが送信された車両VCに触媒温度Tcatに関する信号を送信し(S122)、図7(b)に示す一連の処理を一旦終了する。これに対し、図7(a)に示すように、CPU72は、触媒温度Tcatに関する信号を受信し(S92)、図7(a)に示す一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、図7の処理を最初に実行する場合には、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)として、予め定めておいたデフォルト値を用いればよい。デフォルト値が実際の温度からずれている場合であっても、図7の処理が繰り返されることにより、触媒温度Tcatは正しい値へと収束する。
ところで、S114において算出した触媒温度Tcatが、上限ガード値ULを超えている場合(S118:NO)、CPU122は、触媒温度Tcatを上限ガード値ULに一致させるガード処理を行う(S124)。これにより、上限ガード値ULを超えた触媒温度Tcatは、上限ガード値ULと同一値として設定しなおされ、S122の処理が行われる。
また、S114において算出した触媒温度Tcatが、下限ガード値LL未満である場合(S120:NO)、CPU72は、触媒温度Tcatを下限ガード値LLに一致させるガード処理を行う(S126)。これにより、下限ガード値LL未満の触媒温度Tcatは、下限ガード値LLと同一値として設定しなおされ、S122の処理が行われる。
ここで、第2の実施形態の作用および効果について説明する。
このように、第2の実施形態では、センター120において触媒温度Tcatを算出することとしたため、CPU72の演算負荷を軽減できる。
このように、第2の実施形態では、センター120において触媒温度Tcatを算出することとしたため、CPU72の演算負荷を軽減できる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の第3の実施形態の説明では、第1の実施形態の同様の構成については、同一の符号を付して、具体的な説明を省略又は簡略化する。
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の第3の実施形態の説明では、第1の実施形態の同様の構成については、同一の符号を付して、具体的な説明を省略又は簡略化する。
図8に、第3の実施形態における触媒温度推定処理M20の手順を示す。図8に示す処理は、図1に示すROM74に記憶された温度推定プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図8に示す一連の処理において、S10〜S14までの処理は、第1の実施形態と同様の処理である。
ここで、S14において算出した触媒温度Tcatを、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)とし、図8の一連の処理によって得られた触媒温度Tcatを、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)とする。そして、CPU72は、今回値Tcat(n)から前回値Tcat(n−1)を減算して得られた差ΔTcatを乖離度として算出する(S216)。
ここで、S14において算出した触媒温度Tcatを、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)とし、図8の一連の処理によって得られた触媒温度Tcatを、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)とする。そして、CPU72は、今回値Tcat(n)から前回値Tcat(n−1)を減算して得られた差ΔTcatを乖離度として算出する(S216)。
次に、CPU72は、S216において算出した差ΔTcatが、予め定められた所定の範囲Rから外れているか否かを判定する。ここで、触媒温度Tcatは、時間の経過とともに、連続的に変化する。そして、図8の処理が繰り返される周期の時間内において、触媒温度Tcatの変化する量には、限界がある。そのため、この第3の実施形態では、予め試験やシミュレーションによって、図8の処理が繰り返される周期において、触媒温度Tcatが最も昇温するときの温度変化量が上限変化量ULCとして定められている。同様に、図8の処理が繰り返される周期において、触媒温度Tcatが最も降温するときの温度変化量が下限変化量LLCとして定められている。そして、上限変化量ULCから下限変化量LLCの範囲が、所定の範囲Rとして設定されている。
次に、CPU72は、S216において算出された差ΔTcatが上限変化量ULC以下であるか否かを判定する(S218)。S216において算出された差ΔTcatが上限変化量ULC以下である場合(S218:YES)、CPU72は、S216において算出された差ΔTcatが、下限変化量LLC以上であるか否かを判定する(S220)。
次に、差ΔTcatが下限変化量LLC以上である場合(S220:YES)、CPU72は、図8に示す一連の処理を一旦終了する。ちなみに、図8の処理を最初に実行する場合には、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)として、予め定めておいたデフォルト値を用いればよい。デフォルト値が実際の温度からずれている場合であっても、図8の処理が繰り返されることにより、触媒温度Tcatは正しい値へと収束する。
ところで、S216において算出した差ΔTcatが、上限変化量ULCを超えている場合(S218:NO)、CPU72は、今回値Tcat(n)を、前回値Tcat(n−1)に上限変化量ULCを加算した値とするガード処理を行う(S222)。その後、図8に示す一連の処理が一旦終了される。
また、S216において算出した差ΔTcatが、下限変化量LLC未満である場合(S220)、CPU72は、今回値Tcat(n)を、前回値Tcat(n−1)に下限変化量LLCを加算した値とするガード処理を行う(S224)。その後、図8に示す一連の処理が一旦終了される。
次に、上記第3の実施形態における作用について説明する。
図9に示すように、内燃機関10が始動してから最初に図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻t1、時刻t1の次に図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻t2とする。同様に、内燃機関10が始動してからn回目の図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻tnとする。このとき、時刻t1では触媒温度Tcat(1)が算出され、時刻t2におけるS14の処理では、触媒温度Tcat(2)が算出されると、S16において今回値Tcat(2)から前回値Tcat(1)を減算して、差ΔTcatが算出される。この場合、差ΔTcatは、上限変化量ULCより小さく、下限変化量LLCよりも大きいため、所定の範囲Rよりも小さい。よって、時刻t2における触媒温度Tcat(2)は、S14において算出された触媒温度Tcat(2)とされる。
図9に示すように、内燃機関10が始動してから最初に図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻t1、時刻t1の次に図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻t2とする。同様に、内燃機関10が始動してからn回目の図8に示す一連の処理が行われる時刻を時刻tnとする。このとき、時刻t1では触媒温度Tcat(1)が算出され、時刻t2におけるS14の処理では、触媒温度Tcat(2)が算出されると、S16において今回値Tcat(2)から前回値Tcat(1)を減算して、差ΔTcatが算出される。この場合、差ΔTcatは、上限変化量ULCより小さく、下限変化量LLCよりも大きいため、所定の範囲Rよりも小さい。よって、時刻t2における触媒温度Tcat(2)は、S14において算出された触媒温度Tcat(2)とされる。
次に、上記第3の実施形態における効果について説明する。
(6)第3の実施形態によれば、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)と、前回値Tcat(n−1)との差ΔTcatが、所定の範囲R外である場合に、今回値Tcat(n)が許容範囲外と判定している。触媒温度Tcatは、内燃機関10の駆動によって上昇することから、図8に示す一連の処理が繰り返し行われる周期の間に上昇する温度も、相応の範囲に収まる。よって、比較的に簡単な計算で、今回値Tcat(n)が許容範囲外か否かの判定を実現できる。
(6)第3の実施形態によれば、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)と、前回値Tcat(n−1)との差ΔTcatが、所定の範囲R外である場合に、今回値Tcat(n)が許容範囲外と判定している。触媒温度Tcatは、内燃機関10の駆動によって上昇することから、図8に示す一連の処理が繰り返し行われる周期の間に上昇する温度も、相応の範囲に収まる。よって、比較的に簡単な計算で、今回値Tcat(n)が許容範囲外か否かの判定を実現できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]内燃機関の状態は、GPF34の温度に対応する。内燃機関の状態を推定するための推定値は、触媒温度Tcatに対応する。内燃機関状態変数は、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、充填効率η、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)に対応する。実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。取得処理は、S10の処理に対応する。温度算出処理は、S12〜S24の処理や、S112〜S120,S122,S124の処理に対応する。ガード処理は、S22,S24の処理や、S124,S126の処理に対応する。[2]許容範囲の上限値は、上限ガード値ULに対応し、許容範囲の下限値は、下限ガード値LLに対応する。[3]触媒は、GPF34に対応する。流体エネルギ変数は、排気温平均値Texuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等に対応する。外気温変数は、外気温TOに対応し、過剰量変数は、上流側平均値Afuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等に対応する。[4]許容範囲算出処理は、S16の処理に対応する。上限値算出関数は、上限マップに対応し、下限値算出関数は、下限マップに対応する。[5]乖離度は、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)と前回値Tcat(n−1)との差ΔTcatに対応する。[6]触媒温度推定システムは、制御装置70およびセンター120に対応する。実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。第2実行装置は、CPU122およびROM124に対応する。取得処理は、S10の処理に対応し、車両側送信処理は、S90の処理に対応し、車両側受信処理は、S92の処理に対応する。外部側受信処理は、S110の処理に対応する。[7]データ解析装置は、センター120に対応する。[8]内燃機関の制御装置は、制御装置70に対応する。
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]内燃機関の状態は、GPF34の温度に対応する。内燃機関の状態を推定するための推定値は、触媒温度Tcatに対応する。内燃機関状態変数は、排気温平均値Texuave、上流側平均値Afuave、吸入空気量Ga、回転速度NE、充填効率η、触媒温度Tcatの前回値Tcat(n−1)に対応する。実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。取得処理は、S10の処理に対応する。温度算出処理は、S12〜S24の処理や、S112〜S120,S122,S124の処理に対応する。ガード処理は、S22,S24の処理や、S124,S126の処理に対応する。[2]許容範囲の上限値は、上限ガード値ULに対応し、許容範囲の下限値は、下限ガード値LLに対応する。[3]触媒は、GPF34に対応する。流体エネルギ変数は、排気温平均値Texuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等に対応する。外気温変数は、外気温TOに対応し、過剰量変数は、上流側平均値Afuaveおよび吸入空気量Gaの組データ等に対応する。[4]許容範囲算出処理は、S16の処理に対応する。上限値算出関数は、上限マップに対応し、下限値算出関数は、下限マップに対応する。[5]乖離度は、触媒温度Tcatの今回値Tcat(n)と前回値Tcat(n−1)との差ΔTcatに対応する。[6]触媒温度推定システムは、制御装置70およびセンター120に対応する。実行装置は、CPU72およびROM74に対応する。第2実行装置は、CPU122およびROM124に対応する。取得処理は、S10の処理に対応し、車両側送信処理は、S90の処理に対応し、車両側受信処理は、S92の処理に対応する。外部側受信処理は、S110の処理に対応する。[7]データ解析装置は、センター120に対応する。[8]内燃機関の制御装置は、制御装置70に対応する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「内燃機関状態変数について」
上記各実施形態において、写像に入力する内燃機関状態変数は、上記実施形態の例に限られない。内燃機関状態変数は、内燃機関10の状態を示すパラメータであれば特に限定されない。例えば、第1の実施形態において、上流側平均値Afuaveに代えて、内燃機関10の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数として機能する外気温TOとしてもよい。
上記各実施形態において、写像に入力する内燃機関状態変数は、上記実施形態の例に限られない。内燃機関状態変数は、内燃機関10の状態を示すパラメータであれば特に限定されない。例えば、第1の実施形態において、上流側平均値Afuaveに代えて、内燃機関10の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数として機能する外気温TOとしてもよい。
・「内燃機関の状態について」
推定処理が推定する推定値は、触媒温度Tcat以外の、内燃機関10の状態であってもよい。たとえば、PM堆積量DPMであってもよいし、筒内噴射弁20に供給される燃料の圧力である燃圧であってもよい。
推定処理が推定する推定値は、触媒温度Tcat以外の、内燃機関10の状態であってもよい。たとえば、PM堆積量DPMであってもよいし、筒内噴射弁20に供給される燃料の圧力である燃圧であってもよい。
・「ガード処理について」
上記各実施形態において、写像の出力として得られた触媒温度Tcatが上限ガード値ULを超えている場合には、上限ガード値ULと同一値と設定しなおしているが、設定しなおす値は、上限ガード値ULに近づけられればよい。また、触媒温度Tcatが下限ガード値LL未満である場合に、設定しなおす値は、下限ガード値LLに近づけられればよい。すなわち、写像の出力として得られた触媒温度Tcatが許容範囲外である場合には、設定しなおす値は、許容範囲に近づけられるまたは許容範囲内の値にすればよい。この場合、たとえば写像の出力が、未学習範囲等の入力値が入力されることによって、極端に大きい値や小さい値になった場合に、写像の出力として得られた触媒温度Tcatを許容範囲に近づけることができる。
上記各実施形態において、写像の出力として得られた触媒温度Tcatが上限ガード値ULを超えている場合には、上限ガード値ULと同一値と設定しなおしているが、設定しなおす値は、上限ガード値ULに近づけられればよい。また、触媒温度Tcatが下限ガード値LL未満である場合に、設定しなおす値は、下限ガード値LLに近づけられればよい。すなわち、写像の出力として得られた触媒温度Tcatが許容範囲外である場合には、設定しなおす値は、許容範囲に近づけられるまたは許容範囲内の値にすればよい。この場合、たとえば写像の出力が、未学習範囲等の入力値が入力されることによって、極端に大きい値や小さい値になった場合に、写像の出力として得られた触媒温度Tcatを許容範囲に近づけることができる。
・「許容範囲について」
上記第1および第2の実施形態において、許容範囲は、上限ガード値ULおよび下限ガード値LLによって定められており、上限ガード値ULおよび下限ガード値LLは、上限マップおよび下限マップによって定められているが、許容範囲は、予め定められた固定された範囲であってもよい。例えば、触媒温度Tcatは、実験やシミュレーションによって、一定の範囲となることが得られており、この一定の範囲を超えた推定値を除外する点においては、固定された範囲とすることで実現できる。
上記第1および第2の実施形態において、許容範囲は、上限ガード値ULおよび下限ガード値LLによって定められており、上限ガード値ULおよび下限ガード値LLは、上限マップおよび下限マップによって定められているが、許容範囲は、予め定められた固定された範囲であってもよい。例えば、触媒温度Tcatは、実験やシミュレーションによって、一定の範囲となることが得られており、この一定の範囲を超えた推定値を除外する点においては、固定された範囲とすることで実現できる。
・「乖離度について」
上記第3の実施形態において、乖離度として差ΔTcatを算出しているが、乖離度としては、前回値Tcat(n−1)を今回値Tcat(n)で除算した比を用いてもよい。
上記第3の実施形態において、乖離度として差ΔTcatを算出しているが、乖離度としては、前回値Tcat(n−1)を今回値Tcat(n)で除算した比を用いてもよい。
・「所定の範囲について」
上記第3の実施形態において、所定の範囲Rは、常に一定ではなく、各時刻tにおける触媒温度Tcatに基づいて、変化していてもよい。例えば、触媒温度Tcatの低温範囲、中温範囲、高温範囲において、それぞれ所定の範囲Rが定められていてもよい。具体的には、触媒温度Tcatが中温範囲の際には、上限変化量ULCおよび下限変化量LLCが相応の大きさに設定されているとする。この場合、触媒温度Tcatが低温範囲の際には、上限変化量ULCは、中温範囲の場合と比べて大きく設定され、下限変化量LLCは、中温範囲の場合と比べて小さく設定されてもよい。またこの場合、触媒温度Tcatが高温範囲の際には、上限変化量ULCは、中温範囲の場合と比べて小さく設定され、下限変化量LLCは、中温範囲の場合と比べて大きく設定されてもよい。これは、触媒温度Tcatは、昇温する要因と降温する要因との収支によって定まるところ、触媒温度Tcatが高温範囲であるときに、さらに高温になることは相応に時間が必要である。よって、上限変化量ULCを上述のように設定することで、所定の範囲Rを触媒温度Tcatに併せて設定できる。
上記第3の実施形態において、所定の範囲Rは、常に一定ではなく、各時刻tにおける触媒温度Tcatに基づいて、変化していてもよい。例えば、触媒温度Tcatの低温範囲、中温範囲、高温範囲において、それぞれ所定の範囲Rが定められていてもよい。具体的には、触媒温度Tcatが中温範囲の際には、上限変化量ULCおよび下限変化量LLCが相応の大きさに設定されているとする。この場合、触媒温度Tcatが低温範囲の際には、上限変化量ULCは、中温範囲の場合と比べて大きく設定され、下限変化量LLCは、中温範囲の場合と比べて小さく設定されてもよい。またこの場合、触媒温度Tcatが高温範囲の際には、上限変化量ULCは、中温範囲の場合と比べて小さく設定され、下限変化量LLCは、中温範囲の場合と比べて大きく設定されてもよい。これは、触媒温度Tcatは、昇温する要因と降温する要因との収支によって定まるところ、触媒温度Tcatが高温範囲であるときに、さらに高温になることは相応に時間が必要である。よって、上限変化量ULCを上述のように設定することで、所定の範囲Rを触媒温度Tcatに併せて設定できる。
また、上記第3の実施形態において、所定の範囲Rは、時刻tによって変化していてもよい。例えば、内燃機関10が始動してから、触媒温度Tcatが相応の温度に昇温されるまでの一定期間は、所定の範囲Rを示す上限変化量ULCから下限変化量LLCまでの範囲は、時刻tが経過するにつれて、所定の時刻までは、徐々に小さく変化していてもよい。なお、所定の時刻は、予め試験やシミュレーションによって、内燃機関10が相応の時間停止しておりGPF34が冷えた状態から、GPF34が充分に高温になったときの時刻と設定されている。また、所定の範囲Rは、予め定められた値でなくても、マップデータや関数などによって、図8に示す一連の処理の都度、算出されるものであってもよい。
・「流体の温度変数について」
流体エネルギ変数を構成する流体の温度変数としては、排気温平均値Texuaveに限らず、排気温Texuであってもよい。また、排気温センサ82による排気温の検出値に基づくものに限らず、たとえば、推定値であってもよい。
流体エネルギ変数を構成する流体の温度変数としては、排気温平均値Texuaveに限らず、排気温Texuであってもよい。また、排気温センサ82による排気温の検出値に基づくものに限らず、たとえば、推定値であってもよい。
・「流体エネルギ変数について」
たとえば、図3、図7の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において、回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、排気温平均値Texuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって流体エネルギ変数が構成される。
たとえば、図3、図7の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において、回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、排気温平均値Texuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって流体エネルギ変数が構成される。
またたとえば、流体エネルギ変数の時系列データを、排気温平均値Texuaveの時系列データと、単一の吸入空気量Gaとによって構成したり、排気温平均値Texuaveの時系列データと、単一の吸入空気量平均値Gaaveとによって構成したりしてもよい。またたとえば、流体エネルギ変数の時系列データを、排気温平均値Texuaveの時系列データと、回転速度NEおよび充填効率ηの単一のサンプリング値とによって構成したり、排気温平均値Texuaveの時系列データと、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveの単一のサンプリング値によって構成したりしてもよい。
・「過剰量変数について」
たとえば、図3、図7の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、上流側平均値Afuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって過剰量変数が構成される。
たとえば、図3、図7の処理において、吸入空気量Gaを入力変数に含めなくてもよい。この場合であっても、これらの処理において回転速度NEおよび充填効率ηが入力変数となっていることから、上流側平均値Afuave、回転速度NEおよび充填効率ηの3つの変数によって過剰量変数が構成される。
また、上記において、上流側平均値Afuaveに代えて、上流側検出値Afuを用いてもよい。またたとえば、過剰量変数の時系列データを、上流側平均値Afuaveの時系列データと、単一の吸入空気量Gaとによって構成したりしてもよい。またたとえば、過剰量変数の時系列データを、上流側平均値Afuaveの時系列データと、回転速度NEおよび充填効率ηの単一のサンプリング値とによって構成したり、上流側平均値Afuaveの時系列データと、回転速度平均値NEaveおよび充填効率平均値ηaveの単一のサンプリング値とによって構成したりしてもよい。
なお、下記「写像の入力について」の欄に記載したように、GPF34を触媒36の下流に配置してGPF34の温度を推定する場合、上流側検出値Afuに代えて下流側検出値Afdやその平均値を用いて過剰量変数を構成する。
たとえば、下記「フィルタについて」の欄に記載したように、GPF34を触媒36の下流にして、GPF34の温度を推定する場合には、上流側検出値Afuやその平均値に代えて、下流側検出値Afdやその平均値を写像の入力とする。また、排気温の検出値やその平均値を写像への入力とする場合、GPF34と触媒36との間に配置されるセンサの検出値を用いる。
なお、ニューラルネットワークへの入力や回帰式への入力等としては、各次元が単一の物理量からなるものに限らない。たとえば上記実施形態等において写像への入力とした複数種類の物理量の一部については、ニューラルネットワークや回帰式への直接の入力とする代わりに、それらの主成分分析によるいくつかの主成分を、ニューラルネットワークや回帰式への直接の入力としてもよい。もっとも、主成分をニューラルネットワークや回帰式の入力とする場合に、ニューラルネットワークや回帰式への入力の一部のみが主成分となることは必須ではなく、全部を主成分としてもよい。なお、主成分を入力に含める場合、写像データ76a,126aには、主成分を定める写像を規定するデータが含まれることとなる。
・「写像データについて」
上記各実施形態では、S14,14a,S74,S94の処理における活性化関数h1,h2,…hαや、図3の処理における活性化関数h1,h2,…,hαf,h1,h2,…,hαs,h1,h2,…,hαtを、ハイパボリックタンジェントとし、活性化関数fをReLUとしたが、これに限らない。たとえばS14,S114の処理における活性化関数h1,h2,…hαを、ReLUとしてもよく、またとえば、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。またたとえば、活性化関数fを、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。図に示したニューラルネットワークは、中間層が2層よりも多い記載となっているが、これに限らず、1層または2層であってもよい。
上記各実施形態では、S14,14a,S74,S94の処理における活性化関数h1,h2,…hαや、図3の処理における活性化関数h1,h2,…,hαf,h1,h2,…,hαs,h1,h2,…,hαtを、ハイパボリックタンジェントとし、活性化関数fをReLUとしたが、これに限らない。たとえばS14,S114の処理における活性化関数h1,h2,…hαを、ReLUとしてもよく、またとえば、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。またたとえば、活性化関数fを、ロジスティックジグモイド関数としてもよい。図に示したニューラルネットワークは、中間層が2層よりも多い記載となっているが、これに限らず、1層または2層であってもよい。
・「写像データの生成について」
上記各実施形態では、クランク軸24にトルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100が接続された状態で内燃機関10を稼働した時のデータを訓練データとして用いたが、これに限らない。たとえば車両VCに搭載された状態で内燃機関10が駆動されたときにおけるデータを訓練データとして用いてもよい。
上記各実施形態では、クランク軸24にトルクコンバータ50および変速装置52を介してダイナモメータ100が接続された状態で内燃機関10を稼働した時のデータを訓練データとして用いたが、これに限らない。たとえば車両VCに搭載された状態で内燃機関10が駆動されたときにおけるデータを訓練データとして用いてもよい。
・「データ解析装置について」
図7(b)の処理を、たとえばユーザが所持する携帯端末によって実行してもよい。
・「実行装置について」
実行装置としては、CPU72(122)とROM74(124)とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
図7(b)の処理を、たとえばユーザが所持する携帯端末によって実行してもよい。
・「実行装置について」
実行装置としては、CPU72(122)とROM74(124)とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
・「記憶装置について」
上記各実施形態では、写像データ76a,126aが記憶される記憶装置を、温度推定プログラム74aや温度推定メインプログラム124aが記憶される記憶装置(ROM74,124)とを別の記憶装置としたが、これに限らない。
上記各実施形態では、写像データ76a,126aが記憶される記憶装置を、温度推定プログラム74aや温度推定メインプログラム124aが記憶される記憶装置(ROM74,124)とを別の記憶装置としたが、これに限らない。
・「温度推定対象について」
温度推定対象としては、GPF34に限らず、たとえば三元触媒であってもよい。
・「フィルタについて」
GPF34と触媒36との配置を逆としてもよい。またフィルタとしては、三元触媒が担持されたものに限らない。たとえば単一の触媒コンバータの上流側に三元触媒を備え、その下流に、三元触媒が担持されていないフィルタを備えるものであってもよい。
温度推定対象としては、GPF34に限らず、たとえば三元触媒であってもよい。
・「フィルタについて」
GPF34と触媒36との配置を逆としてもよい。またフィルタとしては、三元触媒が担持されたものに限らない。たとえば単一の触媒コンバータの上流側に三元触媒を備え、その下流に、三元触媒が担持されていないフィルタを備えるものであってもよい。
・「内燃機関について」
上記各実施形態では、燃料噴射弁として、燃焼室18内に燃料を噴射する筒内噴射弁を例示したがこれに限らない。たとえば吸気通路12に燃料を噴射するポート噴射弁であってもよい。またたとえば、ポート噴射弁と筒内噴射弁との双方を備えてもよい。
上記各実施形態では、燃料噴射弁として、燃焼室18内に燃料を噴射する筒内噴射弁を例示したがこれに限らない。たとえば吸気通路12に燃料を噴射するポート噴射弁であってもよい。またたとえば、ポート噴射弁と筒内噴射弁との双方を備えてもよい。
内燃機関としては、火花点火式内燃機関に限らず、たとえば燃料として軽油などを用いる圧縮着火式内燃機関等であってもよい。
内燃機関が駆動系を構成すること自体必須ではない。たとえば、車載発電機にクランク軸が機械的に連結され、駆動輪60とは動力伝達が遮断されたいわゆるシリーズハイブリッド車に搭載されるものであってもよい。
内燃機関が駆動系を構成すること自体必須ではない。たとえば、車載発電機にクランク軸が機械的に連結され、駆動輪60とは動力伝達が遮断されたいわゆるシリーズハイブリッド車に搭載されるものであってもよい。
・「車両について」
車両としては、車両の推進力を生成する装置が内燃機関のみとなる車両に限らず、たとえば「内燃機関について」の欄に記載したシリーズハイブリッド車以外にも、パラレルハイブリッド車や、シリーズ・パラレルハイブリッド車であってもよい。
車両としては、車両の推進力を生成する装置が内燃機関のみとなる車両に限らず、たとえば「内燃機関について」の欄に記載したシリーズハイブリッド車以外にも、パラレルハイブリッド車や、シリーズ・パラレルハイブリッド車であってもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…過給機、16…吸気バルブ、18…燃焼室、20…筒内噴射弁、22…点火装置、24…クランク軸、26…排気バルブ、30…排気通路、32…上流側触媒、34…GPF、36…触媒、40…迂回通路、42…WGV、50…トルクコンバータ、52…変速装置、60…駆動輪、70…制御装置、72…CPU、74…ROM、74a…温度推定プログラム、74c…温度推定サブプログラム、76…記憶装置、76a…写像データ、77…周辺回路、78…ローカルネットワーク、79…通信機、80…エアフローメータ、82…排気温センサ、84…上流側空燃比センサ、86…下流側空燃比センサ、88…クランク角センサ、90…車速センサ、92…外気温センサ、100…ダイナモメータ、102…センサ群、104…適合装置、110…ネットワーク、120…センター、122…CPU、124…ROM、124a…温度推定メインプログラム、126…記憶装置、126a…写像データ、127…周辺回路、128…ローカルネットワーク、129…通信機、Tcat…触媒温度、UL…上限ガード値、LL…下限ガード値。
Claims (8)
- 記憶装置と、実行装置と、を備え、
前記記憶装置は、内燃機関の状態を示すパラメータである内燃機関状態変数を入力として、内燃機関の状態を推定するための推定値を出力する写像を規定するデータである写像データを記憶しており、
前記実行装置は、前記内燃機関状態変数を取得する取得処理、前記内燃機関状態変数を入力とする前記写像の出力に基づき前記推定値を推定する推定処理、を実行し、
前記写像データは、機械学習によって学習済みのデータであり、
前記実行装置は、
前記推定値が許容範囲外である場合に、前記推定値を前記許容範囲に近づけるまたは前記許容範囲内の値にするガード処理を実行し、
前記ガード処理を実行した場合には、前記ガード処理後の値を前記推定値として算出する
内燃機関の状態推定装置。 - 前記実行装置は、
前記推定値が前記許容範囲よりも大きい場合には、前記推定値を前記許容範囲の上限値に一致させるガード処理を実行し、前記推定値が前記許容範囲よりも小さい場合には、前記推定値を前記許容範囲の下限値に一致させるガード処理を実行する
請求項1に記載の内燃機関の状態推定装置。 - 前記内燃機関の状態は、前記内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定値であり、
前記写像データは、前記内燃機関の周囲の外気の温度に関する変数である外気温変数と前記内燃機関の燃焼室内の混合気の空燃比を理論空燃比とする上で必要な燃料量に対する実際の噴射量の過剰量に応じた変数である過剰量変数との2つのうちの少なくとも1つの変数、前記触媒に流入する流体のエネルギに関する状態変数である流体エネルギ変数、および前記触媒の温度の推定値の前回値を入力とし、前記触媒の温度の推定値を出力する写像を規定するものであり、
前記実行装置は、前記取得処理において、前記少なくとも1つの変数、前記流体エネルギ変数、および前記推定値の前回値を取得する
請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の状態推定装置。 - 前記実行装置は、前記許容範囲を算出する許容範囲算出処理を実行し、
前記記憶装置は、前記内燃機関状態変数および前記内燃機関状態変数から導き出される変数の少なくとも一方を代入することにより、前記許容範囲の上限値が得られる上限値算出関数および前記許容範囲の下限値が得られる下限値算出関数を記憶しており、
前記実行装置は、前記許容範囲算出処理において、
前記取得処理によって取得した前記内燃機関状態変数を、前記上限値算出関数に代入して前記上限値を算出し、
前記取得処理によって取得した前記内燃機関状態変数を、前記下限値算出関数に代入して前記下限値を算出する
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の状態推定装置。 - 前記実行装置は、前記推定処理による前記推定値の今回値と前回値との差を示す乖離度が、所定の範囲外となった場合に、前記推定値の今回値が前記許容範囲外であると判定する
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の状態推定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、
前記実行装置は、第1実行装置および第2実行装置を含み、
前記第1実行装置は、車両に搭載されて且つ、前記取得処理と、前記取得処理によって取得されたデータを車両の外部に送信する車両側送信処理と、前記推定処理によって算出された出力に基づく信号を受信する車両側受信処理と、を実行し、
前記第2実行装置は、前記車両の外部に配置されて且つ、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する外部側受信処理と、前記推定処理と、前記推定処理によって算出された出力に基づく信号を前記車両に送信する外部側送信処理と、を実行する内燃機関の状態推定システム。 - 請求項6記載の前記第2実行装置および前記記憶装置を備えるデータ解析装置。
- 請求項6記載の前記第1実行装置を備える内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020067629A JP2021063502A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020067629A JP2021063502A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019187698A Division JP6920004B2 (ja) | 2019-10-11 | 2019-10-11 | 内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定装置、内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021063502A true JP2021063502A (ja) | 2021-04-22 |
Family
ID=75487892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020067629A Pending JP2021063502A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021063502A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022107388A1 (de) | 2021-04-02 | 2022-10-06 | Denso Corporation | Steuerung für fahrzeugeigene kamera |
-
2020
- 2020-04-03 JP JP2020067629A patent/JP2021063502A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022107388A1 (de) | 2021-04-02 | 2022-10-06 | Denso Corporation | Steuerung für fahrzeugeigene kamera |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6547991B1 (ja) | 触媒温度推定装置、触媒温度推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP6547992B1 (ja) | 酸素吸蔵量推定装置、酸素吸蔵量推定システム、内燃機関の制御装置、データ解析装置、および酸素吸蔵量推定方法 | |
JP6590097B1 (ja) | Pm量推定装置、pm量推定システム、データ解析装置、内燃機関の制御装置、および受信装置 | |
US11255282B2 (en) | State detection system for internal combustion engine, data analysis device, and vehicle | |
RU2743186C1 (ru) | Обучающаяся система управления транспортным средством и устройство управления транспортным средством | |
EP3699417B1 (en) | Imbalance detection device, imbalance detection system, data analysis device, and controller for internal combustion engine | |
RU2747276C1 (ru) | Способ генерирования управляющих данных транспортного средства, устройство управления транспортного средства и система управления транспортного средства | |
US10969304B2 (en) | State detection system for internal combustion engine, data analysis device, and vehicle | |
CN111594335B (zh) | 内燃机的催化剂预热处理监视装置、系统、方法 | |
JP6624319B1 (ja) | 触媒劣化検出装置、触媒劣化検出システム、データ解析装置、内燃機関の制御装置、および中古車の状態情報提供方法 | |
US20210188276A1 (en) | Vehicle control data generating method, vehicle controller, vehicle control system, and vehicle learning device | |
JP2021063502A (ja) | 内燃機関の状態推定装置、内燃機関の状態推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP6920004B2 (ja) | 内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定装置、内燃機関の排気通路に設けられた触媒の温度の推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP2020133620A (ja) | 触媒劣化検出装置、触媒劣化検出システム、データ解析装置、内燃機関の制御装置、および中古車の状態情報提供方法 | |
JP2020133623A (ja) | Pm量推定装置、pm量推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP2020133618A (ja) | 触媒温度推定装置、触媒温度推定システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP2020176624A (ja) | 酸素吸蔵量推定装置、酸素吸蔵量推定システム、内燃機関の制御装置、データ解析装置、および酸素吸蔵量推定方法 | |
JPH10205378A (ja) | エンジン制御方式 | |
JP6879356B2 (ja) | インバランス検出装置、インバランス検出システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP2020133619A (ja) | 内燃機関の触媒暖機処理監視装置、内燃機関の触媒暖機処理監視システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JPH10205377A (ja) | エンジン制御方式 | |
JP2020133622A (ja) | インバランス検出装置、インバランス検出システム、データ解析装置、および内燃機関の制御装置 | |
JP2021032249A (ja) | 車両用学習制御システム、車両用制御装置、および車両用学習装置 | |
JP2021032246A (ja) | 車両用学習制御システム、車両用制御装置、および車両用学習装置 |