JP2021063048A - 害虫防除組成物、及び噴霧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】防除性能の低下が抑制された害虫防除組成物、及び比較的遠距離から噴霧しても防除性能に優れた噴霧器を提供すること。【解決手段】ハイドロクロロフルオロオレフィンと、水と、を含有する組成物であって、組成物全量に対する水の含有割合が0.001〜0.5質量%以上である、害虫防除組成物である。【選択図】図1
Description
本発明は、害虫防除組成物、及び噴霧器に関する。
害虫防除剤の有効成分として、害虫の防除性能に優れる一方、環境や人体への負荷が低い成分が求められている。
特許文献1には、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを有効成分とした害虫防除剤が開示されている。特許文献1によれば、当該害虫防除剤により、害虫を無能力にし、動きを止めて殺虫できるとされている。
特許文献1に記載の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが防除性能を発揮するためには、対象となる害虫に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを液状で付着させることが望ましい。しかしながら、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む害虫防除剤を噴霧した場合には、害虫に達する前に有効成分が揮発し防除効果が十分に発揮されないことがあった。
本発明は、防除性能に優れ、有効成分の揮発が抑えられた害虫防除組成物、及び比較的遠距離から噴霧しても防除性能を有する噴霧器の提供を目的とする。
本発明は、以下[1]〜[9]の構成を有する害虫防除組成物、及び噴霧器を提供する。
[1]ハイドロクロロフルオロオレフィンと、水と、を含有し、
ハイドロクロロフルオロオレフィン100質量部に対する水の割合が0.001〜0.5質量部である、害虫防除組成物。
[1]ハイドロクロロフルオロオレフィンと、水と、を含有し、
ハイドロクロロフルオロオレフィン100質量部に対する水の割合が0.001〜0.5質量部である、害虫防除組成物。
[2]前記ハイドロクロロフルオロオレフィンのカウリブタノール値(KB値)が、15以上である、[1]の害虫防除組成物。
[3]前記ハイドロクロロフルオロオレフィンが、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンのZ異性体、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体およびE異性体、並びに、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体より選択される1種以上を含む、[1]又は[2]の害虫防除組成物。
[4]前記害虫防除組成物の全量に対する前記ハイドロクロロフルオロオレフィンの割合が、75質量%以上である、[1]〜[3]のいずれかの害虫防除組成物。
[5]更に、昇圧剤を含有する[1]〜[4]のいずれかの害虫防除組成物。
[6]前記昇圧剤の0℃における圧力が大気圧以上である、[5]の害虫防除組成物。
[7]前記昇圧剤が、ジメチルエーテル(DME)、プロパン、ブタン、イソブタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、窒素、二酸化炭素、及び亜酸化窒素より選択される1種以上を含む、[5]又は[6]の害虫防除組成物。
[8]スプレー容器と、スプレー容器と、前記スプレー容器内に封入された[1]〜[7]のいずれかの害虫防除組成物とを有する、噴霧器。
[9]前記スプレー容器から噴射された害虫防除組成物の、噴射口から15cm離れた位置での平均液滴径が10μm以上である、[8]に記載の噴霧器。
本発明により、防除性能に優れ、有効成分の揮発が抑えられた害虫防除組成物、及び比較的遠距離から噴霧しても防除性能に優れた噴霧器が提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、例えば、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)などには、シス体(Z体)、トランス体(E体)が存在する。本明細書中では、このような幾何異性体が存在する化合物について、特に断らずに当該化合物名又はその化合物の略称をも用いた場合には、Z体及びE体から選ばれる少なくとも1種を示し、化合物名又はその化合物の略称の後ろに(E)または(Z)を付した場合には、当該化合物の(E)体または(Z)体を示す。
本明細書において、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えた化合物をハイドロフルオロカーボン(HFC)、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子および塩素原子に置き換えた化合物をハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子、塩素原子、フッ素原子および水素原子から構成される化合物をハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)という。
なお、例えば、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)などには、シス体(Z体)、トランス体(E体)が存在する。本明細書中では、このような幾何異性体が存在する化合物について、特に断らずに当該化合物名又はその化合物の略称をも用いた場合には、Z体及びE体から選ばれる少なくとも1種を示し、化合物名又はその化合物の略称の後ろに(E)または(Z)を付した場合には、当該化合物の(E)体または(Z)体を示す。
本明細書において、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えた化合物をハイドロフルオロカーボン(HFC)、飽和炭化水素化合物の水素原子の一部をフッ素原子および塩素原子に置き換えた化合物をハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、炭素−炭素二重結合を有し、炭素原子、塩素原子、フッ素原子および水素原子から構成される化合物をハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)という。
本明細書における物質の沸点は、大気圧(1.013×105Pa)における沸点である。
また、カウリブタノール値(KB値)は油脂の溶解性を示す指標である。本明細書においてKB値は、ASTM法(D−1133:炭化水素溶媒のカウリブタノール値に関する標準試験法)を用いて測定された値である。
また、カウリブタノール値(KB値)は油脂の溶解性を示す指標である。本明細書においてKB値は、ASTM法(D−1133:炭化水素溶媒のカウリブタノール値に関する標準試験法)を用いて測定された値である。
[害虫防除組成物]
本発明の害虫防除組成物(以下、本組成物ともいう。)は、ハイドロクロロフルオロオレフィン(以下、「HCFO」ともいう。)と、水と、を含有する組成物であって、HCFO 100質量部に対する水の割合が0.001〜0.5質量部である。
本発明の害虫防除組成物(以下、本組成物ともいう。)は、ハイドロクロロフルオロオレフィン(以下、「HCFO」ともいう。)と、水と、を含有する組成物であって、HCFO 100質量部に対する水の割合が0.001〜0.5質量部である。
本組成物は、HCFOに対し、少量の水を組み合わせて用いることにより、防除性能に優れ、HCFOの揮発が抑えられた害虫防除組成物となる。本組成物の有効成分であるHCFOが防除性能を有する理由は、HCFOが害虫の体表に付着することによって、当該体表の油など害虫に必須の物質を除去するためと推定される。また、害虫の気門がHCFOで塞がれることにより、窒息する効果もあると推定される。
HCFOがこのような効果を発揮するためには、該害虫防除組成物を液状で害虫の体表に付着させる必要がある。例えば、噴霧器により噴霧した場合に、害虫に達する前にHCFOが揮発し防除効果が十分に発揮されないことがあった。本組成物は、HCFO100質量部に対し0.001〜0.5質量部の水を組み合わせることにより、HCFOと水との相互作用によりHCFOの揮発が抑制されるものと推定される。これにより、噴霧した場合にも比較的長時間HCFOが液状を維持できる。その結果、例えば遠方にいる害虫に対しても確実に液体状態のHCFOを付着することができる。
また、本組成物を噴射すると、HCFOが先に蒸発するため、害虫に付着した際、HCFOの揮発にともない水分濃度が高まり、害虫の体表に水分が析出すると考えられ、その際に、HCFOと水の比重差により、比重の小さな水がHCFOの上部を覆ってHCFOの揮発を妨げると推定される。そのため、害虫体表にHCFOが維持され、油など必須の物質を除去する効果が高まると推定される。このような効果から、水との組合せにより害虫体表に残存する時間も比較的長くなるものと推定される。これらのことから、本組成物は防除性能に優れ、比較的遠距離から噴霧しても防除性能を有するものと推定される。
HCFOがこのような効果を発揮するためには、該害虫防除組成物を液状で害虫の体表に付着させる必要がある。例えば、噴霧器により噴霧した場合に、害虫に達する前にHCFOが揮発し防除効果が十分に発揮されないことがあった。本組成物は、HCFO100質量部に対し0.001〜0.5質量部の水を組み合わせることにより、HCFOと水との相互作用によりHCFOの揮発が抑制されるものと推定される。これにより、噴霧した場合にも比較的長時間HCFOが液状を維持できる。その結果、例えば遠方にいる害虫に対しても確実に液体状態のHCFOを付着することができる。
また、本組成物を噴射すると、HCFOが先に蒸発するため、害虫に付着した際、HCFOの揮発にともない水分濃度が高まり、害虫の体表に水分が析出すると考えられ、その際に、HCFOと水の比重差により、比重の小さな水がHCFOの上部を覆ってHCFOの揮発を妨げると推定される。そのため、害虫体表にHCFOが維持され、油など必須の物質を除去する効果が高まると推定される。このような効果から、水との組合せにより害虫体表に残存する時間も比較的長くなるものと推定される。これらのことから、本組成物は防除性能に優れ、比較的遠距離から噴霧しても防除性能を有するものと推定される。
本組成物におけるHCFOは、防除性能を示す有効成分である。当該HCFOは害虫体表の油分等を除去する観点から、カウリブタノール値(KB値)が、10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
また、HCFOの沸点は、害虫体表への残存時間の点から、8℃以上が好ましく、12℃以上がより好ましい。
また、蒸発速度が速く、蒸発熱が大きいと、害虫に付着したのちに単位時間で害虫から奪う熱量が大きく、害虫の体温を下げる効率が高くなる。すなわち、早い蒸発速度、大きな蒸発熱は害虫の動きを止める効果も高い。さらに害虫表面に付着するだけでなく害虫表面の脱脂に十分な効果を示す点から、HCFOの25℃における蒸発速度はジエチルエーテルの蒸発速度を基準の100として、50以上が好ましく、90以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。また、HCFOの沸点での蒸発熱は、揮発時に害虫から熱を奪う効果に優れる点から、120kJ/kg以上が好ましく、140kJ/kg以上がより好ましく、160kJ/kgがさらに好ましい。
HCFOの蒸発速度は、一例として一定温度の条件において、直径100mmのシャーレに100gのHCFOを入れ、1時間静置したときの質量変化を経時的に測定して、その値から蒸発速度を求める方法で測定できる。比較対象としてジエチルエーテルを測定し、これを蒸発速度の基準値として各HCFOの蒸発速度を求める。
また、HCFOの沸点は、害虫体表への残存時間の点から、8℃以上が好ましく、12℃以上がより好ましい。
また、蒸発速度が速く、蒸発熱が大きいと、害虫に付着したのちに単位時間で害虫から奪う熱量が大きく、害虫の体温を下げる効率が高くなる。すなわち、早い蒸発速度、大きな蒸発熱は害虫の動きを止める効果も高い。さらに害虫表面に付着するだけでなく害虫表面の脱脂に十分な効果を示す点から、HCFOの25℃における蒸発速度はジエチルエーテルの蒸発速度を基準の100として、50以上が好ましく、90以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。また、HCFOの沸点での蒸発熱は、揮発時に害虫から熱を奪う効果に優れる点から、120kJ/kg以上が好ましく、140kJ/kg以上がより好ましく、160kJ/kgがさらに好ましい。
HCFOの蒸発速度は、一例として一定温度の条件において、直径100mmのシャーレに100gのHCFOを入れ、1時間静置したときの質量変化を経時的に測定して、その値から蒸発速度を求める方法で測定できる。比較対象としてジエチルエーテルを測定し、これを蒸発速度の基準値として各HCFOの蒸発速度を求める。
HCFOは、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。中でも、害虫に付着したのちに速やかに害虫の体温を下げながら急激に蒸発して単位時間で害虫から奪う熱量が大きいことから、HCFOが、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224yd)のZ異性体およびE異性体、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd)のZ異性体およびE異性体、並びに、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)のZ異性体およびE異性体より選択される1種以上を含むことが好ましく、
1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンのZ異性体、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体およびE異性体、並びに、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体より選択される1種以上を含むことがより好ましく、
中でも、沸点の低い、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224yd)のZ異性体を含むことがさらに好ましい。
HCFOは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。各物質に異性体が存在する場合は、E異性体、Z異性体のどちらか一方でも良く、各異性体の混合物でもよい。なお、HCFOは合成してもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、蒸発速度は前述のジエチルエーテルを100とした相対値である。
HCFO−1224yd(Z):AMOLEA 1224yd(AGC株式会社)沸点14.5℃、KB値20〜25、蒸発熱168kJ/kg
HCFO−1233yd(HCFO−1233yd(Z)とHCFO−1233yd(E)の混合物):AMOLEA AS−300(AGC株式会社)沸点54℃、KB値44、蒸発熱213kJ/kg、蒸発速度64
HCFO−1233zd(Z):CELEFINE1233Z(セントラル硝子株式会社)沸点40℃、KB値34、蒸発熱194kJ/kg、蒸発速度107
HCFO−1233zd(E):SolsticePF(Honeywell International Inc.)沸点19℃、KB値25、蒸発熱210kJ/kg
1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンのZ異性体、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体およびE異性体、並びに、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体より選択される1種以上を含むことがより好ましく、
中でも、沸点の低い、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224yd)のZ異性体を含むことがさらに好ましい。
HCFOは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。各物質に異性体が存在する場合は、E異性体、Z異性体のどちらか一方でも良く、各異性体の混合物でもよい。なお、HCFOは合成してもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、蒸発速度は前述のジエチルエーテルを100とした相対値である。
HCFO−1224yd(Z):AMOLEA 1224yd(AGC株式会社)沸点14.5℃、KB値20〜25、蒸発熱168kJ/kg
HCFO−1233yd(HCFO−1233yd(Z)とHCFO−1233yd(E)の混合物):AMOLEA AS−300(AGC株式会社)沸点54℃、KB値44、蒸発熱213kJ/kg、蒸発速度64
HCFO−1233zd(Z):CELEFINE1233Z(セントラル硝子株式会社)沸点40℃、KB値34、蒸発熱194kJ/kg、蒸発速度107
HCFO−1233zd(E):SolsticePF(Honeywell International Inc.)沸点19℃、KB値25、蒸発熱210kJ/kg
本組成物において、水は、前記HCFOとの相互作用により、当該HCFOの揮発を抑制する。HCFO100質量部に対して水の割合を0.001質量部以上とすることで、揮発抑制の効果に優れている。また、HCFO100質量部に対して水の割合を0.5質量部以下とすることで、相対的にHCFOの割合が上昇して、防除性能に優れた組成物となる。
HCFOの揮発抑制と、防除性能とを両立する点から、本組成物における水の割合は、HCFO100質量部に対して、0.01〜0.3質量部が好ましく、0.02〜0.2質量部がより好ましい。
本組成物の全量に対する前記HCFOの割合は、防除性能に優れる点から5〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
HCFOの揮発抑制と、防除性能とを両立する点から、本組成物における水の割合は、HCFO100質量部に対して、0.01〜0.3質量部が好ましく、0.02〜0.2質量部がより好ましい。
本組成物の全量に対する前記HCFOの割合は、防除性能に優れる点から5〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
本組成物は、必要に応じて更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、防腐剤、共力剤、溶解性調整剤等が挙げられる。これらの成分は1種又は2種以上含有してもよい。芳香剤、消臭剤、殺菌剤、防腐剤、共力剤を用いる場合、これらの含有割合は、本組成物全質量に対して5質量%以下が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。
溶解性調整剤は、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、防腐剤、共力剤等を溶解するために用いられる。溶解剤調整剤としては、エタノール等のアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、塩素化アルキル、塩素化エチレン等の含ハロゲン溶剤などが挙げられる。
溶解性調整剤は、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、防腐剤、共力剤等を溶解するために用いられる。溶解剤調整剤としては、エタノール等のアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、塩素化アルキル、塩素化エチレン等の含ハロゲン溶剤などが挙げられる。
本組成物を後述する噴霧器に充填して用いる場合には、本組成物が更に昇圧剤を含有することが好ましい。
本組成物が昇圧剤を含有することにより、噴霧器の容器内が加圧され本組成物をより遠方まで噴霧できる。本組成物を遠方まで噴霧する観点から、本組成物において昇圧剤の0℃における圧力が大気圧(1.013×105Pa)以上であることが好ましい。
本組成物が昇圧剤を含有することにより、噴霧器の容器内が加圧され本組成物をより遠方まで噴霧できる。本組成物を遠方まで噴霧する観点から、本組成物において昇圧剤の0℃における圧力が大気圧(1.013×105Pa)以上であることが好ましい。
本組成物において、昇圧剤としては、ジメチルエーテル(DME)、プロパン、ブタン、イソブタン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、例えば空気なども好適に用いることができる。
昇圧剤は、液化ガスとして用いてもよく、圧縮ガスとして用いてもよく、液化ガスと圧縮ガスとを組合せて用いてもよい。
昇圧剤として液化ガスを用いる場合、昇圧剤の含有割合は、本組成物の全量100質量%に対して、30〜95質量%、より好ましくは50〜70質量%である。
昇圧剤として液化ガスを用いる場合、前記HCFOと前記昇圧剤の合計の含有割合は本組成物の全質量に対して85〜99.9質量%が好ましく、95〜99.9質量%がより好ましい。
昇圧剤として圧縮ガスを用いる場合、本組成物の圧力を0.3〜1MPaとすることが好ましい。
昇圧剤は、液化ガスとして用いてもよく、圧縮ガスとして用いてもよく、液化ガスと圧縮ガスとを組合せて用いてもよい。
昇圧剤として液化ガスを用いる場合、昇圧剤の含有割合は、本組成物の全量100質量%に対して、30〜95質量%、より好ましくは50〜70質量%である。
昇圧剤として液化ガスを用いる場合、前記HCFOと前記昇圧剤の合計の含有割合は本組成物の全質量に対して85〜99.9質量%が好ましく、95〜99.9質量%がより好ましい。
昇圧剤として圧縮ガスを用いる場合、本組成物の圧力を0.3〜1MPaとすることが好ましい。
[噴霧器]
本発明の噴霧器(以下、本噴霧器ともいう。)は、スプレー容器と、前記スプレー容器内に封入された前記本組成物とを有することを特徴とする。前記本組成物は、昇圧剤を含有することが好ましい。本噴霧器は前記本組成物を用いているため、比較的遠距離から噴霧しても優れた防除性能を有する。
本発明の噴霧器(以下、本噴霧器ともいう。)は、スプレー容器と、前記スプレー容器内に封入された前記本組成物とを有することを特徴とする。前記本組成物は、昇圧剤を含有することが好ましい。本噴霧器は前記本組成物を用いているため、比較的遠距離から噴霧しても優れた防除性能を有する。
図1を参照して本噴霧器の構成を説明する。図1は、本噴霧器の一例を示す概略的な断面図である。本噴霧器100は、スプレー容器20と当該スプレー容器20内に封入された組成物10を有する。
スプレー容器20は、容器本体12と、容器本体の上部に設けられた弁14と、弁14を開閉操作する操作部材15と、組成物10を、弁14を介して噴射口16へ導くチューブ13とを備えている。スプレー容器20は弁14を閉じている間は密封されている。スプレー容器20内の気相11は、組成物10から気化した昇圧剤を含んでいる。操作部材15を操作して弁14を開くと、組成物10は気相11からの圧力によりチューブ13を通じて、噴射口16から噴霧される。
スプレー容器20は、容器本体12と、容器本体の上部に設けられた弁14と、弁14を開閉操作する操作部材15と、組成物10を、弁14を介して噴射口16へ導くチューブ13とを備えている。スプレー容器20は弁14を閉じている間は密封されている。スプレー容器20内の気相11は、組成物10から気化した昇圧剤を含んでいる。操作部材15を操作して弁14を開くと、組成物10は気相11からの圧力によりチューブ13を通じて、噴射口16から噴霧される。
容器本体12の材質は、気相11からの内圧に耐えうる耐圧性と、内容物が漏れない気密性とがあればよく、例えば、鉄(ぶりき)、およびアルミニウム等の金属類、ガラスや、ナイロンの回良品、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリブチレントリ二レート(PBT)の混合物、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、ポリエチレンナフタレート等の樹脂類が挙げられる。特に容器本体の材質が金属類の場合、内容物による容器内面の腐食の保護と、金属と内容物との接触による内容物の変化を防止する目的で、容器内面に塗料をコーティングした塗膜を有していてもよい。当該塗膜により、容器に耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性、対黄変性、衛生性、耐食性を付与して、容器内面の腐食を抑制するとともに内容物である本組成物の保存安定性を向上する。当該塗膜用の塗料としては、例えば、エポキシ―アミノ系、エポキシ−フェノール系及びポリアミドイミド系の塗料が挙げられる。塗料は本組成物により劣化し難い材質を選定することが望ましい。
なお、容器本体及び塗料の材質は、「エアゾール包装技術」(エアゾール産業新聞社刊1998年第1版)を参考に選定してもよい。
なお、容器本体及び塗料の材質は、「エアゾール包装技術」(エアゾール産業新聞社刊1998年第1版)を参考に選定してもよい。
チューブ13、弁14及び操作部材15は、組成物10により劣化し難い材質であればよく、例えば、ポリエチレンート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PP)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。
弁14と操作部材15の機械的な構造は、公知のスプレー缶などに採用されているあらゆる構成を採用することができる。
弁14と操作部材15の機械的な構造は、公知のスプレー缶などに採用されているあらゆる構成を採用することができる。
本噴霧器100から噴霧される本組成物は、噴射口から15cm離れた位置での平均液滴径が10μm以上であることが好ましく、12〜100μmがより好ましく、15〜80μmがさらに好ましい。液滴径が上記範囲内であれば、比較的遠くまで液体のHCFOを飛散することができる。
噴霧器から噴霧される液滴径は、レーザー回折法による粒度分布測定により測定することができる。例えば、スプレー粒子径分布測定装置エアロトラックLDSA−SPR(マイクロトラック株式会社製)を使用して測定することができる。液滴径の測定は、恒温水槽に浸漬して25℃±0,5℃に保った噴霧器を、検出器レンズから測定箇所まで30cm離れた場所、かつ噴射口から測定箇所まで15cmになるように設置して3秒間噴射することで計測できる。得られたデータをロジン―ラムラー分布の式に適用することで粒子径の分布を得て、これに基づいて平均液滴径が求められる。
噴霧器から噴霧される液滴径は、レーザー回折法による粒度分布測定により測定することができる。例えば、スプレー粒子径分布測定装置エアロトラックLDSA−SPR(マイクロトラック株式会社製)を使用して測定することができる。液滴径の測定は、恒温水槽に浸漬して25℃±0,5℃に保った噴霧器を、検出器レンズから測定箇所まで30cm離れた場所、かつ噴射口から測定箇所まで15cmになるように設置して3秒間噴射することで計測できる。得られたデータをロジン―ラムラー分布の式に適用することで粒子径の分布を得て、これに基づいて平均液滴径が求められる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、下記例1〜3が実施例である。
[原料]
ハイドロクロロフルオロオレフィンとして以下の化合物を用いた。
HCFO−1224yd(Z):AGC株式会社製「AMOLEA(登録商標)1224yd」
HCFO−1233yd(HCFO−1233yd(Z)とHCFO−1233yd(E)の混合物):AGC株式会社製「AMOLEA(登録商標)AS−300」
HCFO−1233zd(Z):セントラル硝子株式会社製「Celefine1233Z」
ハイドロクロロフルオロオレフィンとして以下の化合物を用いた。
HCFO−1224yd(Z):AGC株式会社製「AMOLEA(登録商標)1224yd」
HCFO−1233yd(HCFO−1233yd(Z)とHCFO−1233yd(E)の混合物):AGC株式会社製「AMOLEA(登録商標)AS−300」
HCFO−1233zd(Z):セントラル硝子株式会社製「Celefine1233Z」
[例1]
HCFO−1224yd(Z)100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(1)を200mL得た。
HCFO−1224yd(Z)100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(1)を200mL得た。
[例2]
HCFO−1233yd100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(2)を200mL得た。
HCFO−1233yd100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(2)を200mL得た。
[例3]
HCFO−1233zd(Z)100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(3)を200mL得た。
HCFO−1233zd(Z)100質量部に、水0.02質量部を添加し、組成物(3)を200mL得た。
(防除性能評価)
上部が開放したプラスチックカップの底部に、供試虫としてクロゴキブリ雌1頭を静かに置いた。
前記供試虫を仰向けにした状態で、ピペットを用いて前記組成物(1)0.5mLを胸部から腹部にかけて滴下した。次いで、当該供試虫を別のプラスチックカップに移し、室温20℃、湿度26%の部屋に放置し、24時間後の状態を確認した。組成物(2)、()についても同様に試験を行った。判定基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
○(優) :供試虫の死亡が確認された。
×(不可):供試虫の死亡が確認されなかった。
上部が開放したプラスチックカップの底部に、供試虫としてクロゴキブリ雌1頭を静かに置いた。
前記供試虫を仰向けにした状態で、ピペットを用いて前記組成物(1)0.5mLを胸部から腹部にかけて滴下した。次いで、当該供試虫を別のプラスチックカップに移し、室温20℃、湿度26%の部屋に放置し、24時間後の状態を確認した。組成物(2)、()についても同様に試験を行った。判定基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
○(優) :供試虫の死亡が確認された。
×(不可):供試虫の死亡が確認されなかった。
表1に示されるとおり本組成物である例1〜例3の害虫防除組成物は、いずれも防除性能に優れていることが示された。
10 組成物、 11 気相、 12 容器本体、 13 チューブ、 14 弁、 15 操作部材、 16 噴射口、 20 スプレー容器、 100 噴霧器
Claims (9)
- ハイドロクロロフルオロオレフィンと、水と、を含有し、
ハイドロクロロフルオロオレフィン100質量部に対する水の割合が0.001〜0.5質量部である、害虫防除組成物。 - 前記ハイドロクロロフルオロオレフィンのカウリブタノール値(KB値)が、10以上である、請求項1に記載の害虫防除組成物。
- 前記ハイドロクロロフルオロオレフィンが、1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンのZ異性体、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体およびE異性体、並びに、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ異性体より選択される1種以上を含む、請求項1又は2に記載の害虫防除組成物。
- 前記害虫防除組成物の全量に対する前記ハイドロクロロフルオロオレフィンの割合が、75質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の害虫防除組成物。
- 更に、昇圧剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の害虫防除組成物。
- 前記昇圧剤の0℃における圧力が大気圧以上である、請求項5に記載の害虫防除組成物。
- 前記昇圧剤が、ジメチルエーテル(DME)、プロパン、ブタン、イソブタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、窒素、二酸化炭素、及び亜酸化窒素より選択される1種以上を含む、請求項5又は6に記載の害虫防除組成物。
- スプレー容器と、前記スプレー容器内に封入された請求項1〜7のいずれか一項に記載の害虫防除組成物とを有する、噴霧器。
- 前記スプレー容器から噴射された害虫防除組成物の、噴射口から15cm離れた位置での平均液滴径が10μm以上である、請求項8に記載の噴霧器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019189880A JP2021063048A (ja) | 2019-10-17 | 2019-10-17 | 害虫防除組成物、及び噴霧器 |
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- 2019-10-17 JP JP2019189880A patent/JP2021063048A/ja active Pending
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