JP2021062487A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の目的は、印字液滴が同伴する空気の流出に伴ってカバー部の外側からインク液滴通過孔を通じてカバー部の内側に流入する空気の流れを抑制することにある。【解決手段】インク柱１０７を吐出するインク室１０１、インク柱１０７から生成したインク液滴１０６を帯電させる帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂ、及び帯電したインク液滴１０６Ａを偏向する偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂを有する記録機構（印字機構）と、偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂにより偏向されたインク液滴１０６Ａが通過するインク液滴通過孔１１７を有すると共に記録機構を覆うカバー部１１８と、を含む記録ヘッド１００を備え、記録ヘッド１００に対して相対移動する記録対象物１１６にインク液滴１０６Ａを着滴させて記録を行うインクジェット記録装置において、カバー部１１８の側面に通気口１３０を設ける。【選択図】図１

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。

本技術分野の背景技術として、特開２０１９−５９１９９号公報（特許文献１）に記載されたインクジェット記録装置が知られている。

特許文献１には、印字ヘッド（記録ヘッド）内部に流入するインク粒子の量を低減することを目的としたインクジェット記録装置が記載されている。このインクジェット記録装置は、インク粒子に分離させるノズルと、インク粒子を帯電させる帯電電極と、帯電したインク粒子を偏向させる偏向電極と、偏向されたインク粒子を印字対象物に吐出させるインク粒子通過孔を有する印字ヘッドカバーとを備えている。印字ヘッドカバーは、印字ヘッドカバーの先端部と印字対象物との間に形成される流路を縮小させる流路縮小部を備える。流路縮小部は、インク粒子通過孔から近い方の断面積が、インク粒子通過孔から遠い方の断面積より大きい突形状を有する（要約）。

特許文献１では、印字ヘッドカバーの先端部と印字対象物の表面との間に構成される領域に、クエット流れに類似した流速分布が形成され、この流速分布に応じて生じる気流が印字ヘッドカバーの上流側側面に衝突してよどむことによって生じる高圧領域に着目している。すなわち、この高圧領域が印字ヘッドカバーのインク粒子通過孔付近まで広がり、かつ印字ヘッド内部はほぼ大気圧であり、高圧領域よりも低圧であるため、印字ヘッドカバーの外側の高圧領域から印字ヘッド内部へ向かう方向の気流が発生する。印刷対象物に着滴した帯電粒子群が乾燥する前に次の帯電粒子群が衝突することで生じるインクミスト群は、この印字ヘッド内部に向かう気流に乗って印字ヘッド内部に侵入しやすい状況となる（段落００１８）。

特開２０１９−５９１９９号公報

特許文献１では、印字ヘッドカバー（記録ヘッドカバー：以下、カバー部という）の先端部と印字対象物（印字体）の表面との間に構成される領域が高圧になることによって、記録ヘッド内部に侵入するインクミスト（飛散液滴）に配慮しているものの、インク粒子（印字液滴）がインク粒子通過孔（インク液滴通過孔）を通ってカバー部の外側に流出する際に同伴する空気に対する配慮がない。すなわち、印字液滴が同伴する空気を補うためにカバー部の外側から内側に向かって空気の流れ（気流）が生じ、この空気の流れが飛散液滴を記録ヘッド内部に同伴する可能性がある。

本発明の目的は、印字液滴が同伴する空気の流出に伴ってカバー部の外側からインク液滴通過孔を通じてカバー部の内側に流入する空気の流れを抑制し、カバー部内部の印字機構における飛散液滴による汚れを防ぐことにある。

上記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録装置は、
インク柱を吐出するインク室、インク柱から生成したインク液滴を帯電させる帯電電極、及び帯電したインク液滴を偏向する偏向電極を有する記録機構と、前記偏向電極により偏向されたインク液滴が通過するインク液滴通過孔を有すると共に前記記録機構を覆うカバー部と、を含む記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドに対して相対移動する記録対象物にインク液滴を着滴させて記録を行うインクジェット記録装置において、
前記カバー部の側面に通気口を設ける。

本発明によれば、インクジェット記録装置において、インク液滴が同伴する空気の流出に伴ってカバー部の外側からインク液滴通過孔を通じてカバー部の内側に流入する空気の流れを抑制することができ、インク液滴の着滴時に生じる飛散液滴がこの流入空気に同伴してカバー部内部に侵入するのを抑制して、カバー部内部の記録機構の汚れを抑制することができる。これにより印字の高品質化が得られる。

上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

本発明の第１実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。 従来の連続吐出型インクジェット記録装置における課題を説明する図である。 本発明の第１実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。 本発明の第２実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。 本発明の第３実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。 本発明の第４実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。

インクジェット記録装置のうち、連続吐出型インクジェット記録装置（CIJP：Continuous inkjet printer）は、家庭用又はオフィス用プリンタで使用されるオンデマンド型インクジェット装置に比較し、高信頼性及び高メンテナンス性を有した高安定な液滴吐出装置である。このため、連続吐出型インクジェット記録装置は、高信頼性、高メンテナン性、及び高安定性が要求される、液体を利用した機能インク塗布やパターニングが必要な電子機器などの製造装置にも応用が可能である。また、本装置は３次元の造形、例えば３Ｄプリンタとしても使用できる。

連続吐出型インクジェット記録装置では、インクタンクに蓄えられた液体（インク）をポンプなどで加圧し、微細なノズルから連続的に噴出させる。噴出する液体（インク柱）を圧電素子等による加振により振動させて揺らぎを与えることで、インク柱を切断し、生じたインクの微小液滴を飛翔させる。このとき、インク柱を切断する液滴形成位置に帯電電極を近接配置し、インクの微小液滴に電界を付与することで、形成される液滴を帯電する。

帯電した液滴は、帯電電極の下流位置に配置された偏向電極に電圧が印加されることで発生する電界の中で、帯電有無やその大きさ（帯電量）により、その飛翔する方向が制御される（偏向プロセス）。

この偏向プロセスは、マルチ偏向式と二値偏向式との二つの方式に大きく分類される。これらの何れの方式においても、吐出後の液体（インク）への帯電量を制御して液体を偏向させることから、液滴の吐出制御を１滴ごとに行う必要がなく、装置の構成が単純になる。また、連続して液滴吐出を行うため、ノズルつまりが発生し難く、高い信頼性を確保できる。

連続吐出型インクジェット記録装置では、記録ヘッドの印字機構を覆うカバー部が設けられており、印字用の液滴はカバー部にスリット状に形成されたインク液滴通過孔（以下、スリットという）を通過して印字体に着滴する。印字用の液滴（印字液滴）が印字体に着滴すると、その衝撃により液滴の一部や先に着滴して乾燥する前の液滴が微細な飛散液滴となって周囲に浮遊し、その一部がスリットからカバー部内部に侵入してカバー部内部の印字機構を汚す問題がある。

そのため、カバー部に設けたスリットから、飛散液滴がカバー部内部に侵入するのを防ぐ必要がある。

以下、図面を参照して、本発明に係る連続吐出型インクジェット記録装置の実施例について説明する。各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。なお、本発明は以下に説明する各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、以下に説明する実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

また以下の説明では、例えば「印字体」や「印字パターン」のように「印字」という用語を使用しているが、印刷する対象は文字に限定される訳ではなく、絵柄や線なども含まれる。

［実施例１］
図１を用いて、第１実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の構成について説明する。図１は、本発明の第１実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。なお、印字体（印字対象物）１１６は図１の紙面に垂直な方向に搬送される。

図１において、本実施例の連続吐出型インクジェット記録装置の記録ヘッド（インクジェットヘッド、印字ヘッド又は印字装置）１００は、液柱（インク柱）１０７を吐出するインク室１０１を備えたノズルヘッド１０２と、形成した液滴（インク液滴）１０６を個別に帯電するための帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂと、帯電した液滴１０６を電界により偏向するための一対の偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂと、印字に使われなかった液滴１０６Ｂを再使用するため、当該液滴を回収するガター１１３と、カバー部（印字ヘッドカバー、記録ヘッドカバー）１１８と、を備えている。

偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂは互いに平行な対向面をもつように設置されている。液滴１０６Ａの粒子が印字体１１６に着滴することで印字される。

カバー部１１８は、印字液滴が通過する通過孔であるスリット（インク液滴通過孔）を有し、インク室１０１、ノズルヘッド１０２、帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂ、偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂ、及びガター１１３等により構成される印字機構（記録機構）を覆う、記録ヘッド１００の一部品である。

図１に示した構成において、ノズルヘッド１０２のノズルから吐出した液柱１０７は、ノズルヘッド１０２におけるインク室１０１の上部から付与される振動により切断され、図示するように、液滴１０６の列（液滴列）が形成される。ここで、ノズルヘッド１０２の筐体全体は電気的に接地状態となっている。そして、形成された液滴１０６は、帯電電極基板１０４Ａ，１０４Ｂ上に形成され、液滴の飛翔方向と平行になるように近接して配置された帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂにより負に帯電される。

ここで、帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂは、任意のタイミングで任意の電圧を帯電電圧コントローラ１１４より液滴に投入（印加）することにより、個々の液滴を、目的とする印字形態に応じて帯電することができる構成となっている。

なお、このとき、液柱１０７の切断点は、液滴列に対応して設けられた帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂ上に位置するようになっている。また、帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂは、液滴列がその幅方向（図の紙面に垂直な方向）における中心付近を通過するように配置されていることが好ましい。

ここで、帯電工程のインク飛翔方向の下部（上記帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂの下方）には、電界により帯電液滴１０６Ａを任意の方向に偏向するための偏向電界を形成する、所謂、偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂが設置されている。これら偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂは、接地偏向電極（第１偏向電極）１０５Ａと高電圧偏向電極（第２偏向電極）１０５Ｂとから構成される。接地偏向電極１０５Ａ及び高電圧偏向電極１０５Ｂは互いに平行に向かい合う形で配置されており、電気力線は接地偏向電極１０５Ａ及び高電圧偏向電極１０５Ｂの電極面に垂直で、かつ互いに平行に生成される。

偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂ間に発生する偏向電界の大きさは、高電圧偏向電極１０５Ｂに印加する電圧の大きさを偏向電圧コントローラ１１５で制御することにより、制御される。

この偏向電界が形成された領域内を、帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂを通過した後の液滴（帯電した液滴１０６Ａと帯電していない液滴１０６Ｂとを含む）が飛翔することにより、帯電液滴１０６Ａは、偏向電界の影響により、帯電符号と逆の電極１０５Ｂに接近する方向に偏向され、印字体１１６に着滴して印字パターンを形成する。

帯電量の多い液滴が正側電極１０５Ｂに近づくため、大きな字を印字するために、インク入射線１０１’は高電圧偏向電極１０５Ｂの電極面よりも接地偏向電極１０５Ａの電極面に近い位置に設定される。

また、液滴（インク粒子）１０６の飛行により、偏向電圧１０５Ａ，１０５Ｂ間には気流１０８が誘起される。このとき、無帯電粒子１０６Ｂはこの直線のインク入射線１０１’上を飛行しガター１１３に入射する。

図２を用いて、従来の連続吐出型インクジェット記録装置における課題を説明する。図２は、従来の連続吐出型インクジェット記録装置における課題を説明する図である。

印字液滴１０６Ａは、スリット１１７から射出されて印字体１１６に着滴する。その際の衝撃で液滴の一部が飛散して１２１のような微小液滴（インクミスト）の浮遊が生じる。なお、印字液滴１０６Ａがスリット１１７から射出される際、液滴１０６Ａは周囲空気を同伴してカバー部１１８の外に出るため、カバー部１１８の内部の圧力が低下する。この圧力低下を補うために、スリット１１７を通して、カバー部１１８の外部から流入する気流１２２が生じる。この気流１２２が生じると、浮遊した微小液滴１２１は気流１２２に乗ってカバー部１１８の内部に侵入する。これによりカバー部１１８の内部の機器（印字機構）が汚される問題が生じる。

図３を用いて、本実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の構成について説明する。図３は、本発明の第１実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。

図１に示した本実施例の特徴は、印字装置１００のカバー部１１８に、印字体１１６の移動方向１１９に垂直な開口面を有する通気口１３０を設けたことである。図１において、通気口１３０の開口面はカバー部１１８の図１の紙面に平行な面に設けられている。

すなわち本実施例では、インク柱１０７を吐出するインク室１０１、インク柱１０７から生成したインク液滴１０６を帯電させる帯電電極１０３Ａ，１０３Ｂ、及び帯電したインク液滴１０６Ａを偏向する偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂを有する記録機構（印字機構）と、偏向電極１０５Ａ，１０５Ｂにより偏向されたインク液滴１０６Ａが通過するインク液滴通過孔１１７を有すると共に記録機構を覆うカバー部１１８と、を含む記録ヘッド１００を備え、記録ヘッド１００に対して相対移動する記録対象物１１６にインク液滴１０６Ａを着滴させて記録を行うインクジェット装置において、カバー部１１８の側面に通気口１３０を設ける。

この場合、通気口１３０を設けるカバー部１１８の側面は、記録対象物１１６に対向する底面１１８Ｃから、記録対象物１１６に対して遠ざかる方向に形成された面１１８Ａとすることが好ましい。

さらには、通気口１３０を設けるカバー部１１８の側面１１８Ａは、記録対象物１１６の相対移動方向（搬送方向）１１９に対して垂直な面として構成されることが好ましい。この場合、通気口１３０は、記録対象物１１６の相対移動方向１１９に対して垂直な開口面を有することになる。

印字体１１６が移動する際、それにともなって印字体１１６の移動と平行方向に気流１２０が生じる。本実施例では、気流１２０を利用することで、通気口１３０を通してカバー部１１８の内部に気流１２２を効率よく導入することが可能となり、スリット１１７を通じてカバー部１１８の外部から内部に流入する気流を防止又は抑制することができる。その結果、スリット１１７を通じて微小液滴（インクミスト）１２１がカバー部１１８の内部に侵入することを防止又は抑制することが可能となる。

気流１２０を利用することなくカバー部１１８の内部に気流１２２を導入することが可能な場合は、カバー部１１８の他の面、例えば印字体１１６の移動方向１１９に平行な側面に、通気口１３０を設けてもよい。

通気口１３０は、カバー部１１８の、印字体１１６の搬送方向１１９に垂直な２面に形成されている。

すなわちカバー部１１８は、通気口１３０を設ける側面として、記録対象物１１６の相対移動方向１１９において記録機構及びインク液滴通過孔（スリット）１１７を挟んで両側に位置する２つの側面１１８Ａ，１１８Ｂを有し、通気口１３０は２つの側面１１８Ａ，１１８Ｂに設けられるとよい。

本実施例では、カバー部１１８は印字体１１６の印字面に垂直な方向から見た断面が四角形に形成されており、通気口１３０はこの四角形の対向する２辺を構成する側面１１８Ａ，１１８Ｂに形成されている。カバー部１１８の内部に導入される気流１２２は、印字体１１６の搬送方向上流側（相対移動方向上流側）に位置する通気口１３０から導入されるものが主であるが、カバー部１１８の２面に通気口１３０を設けることにより、印字体１１６の搬送方向を逆向きにした場合にも、気流１２０を利用して気流１２２をカバー部１１８の内部に導入することができる。

また２つの通気口１３０のうち一方（搬送方向上流側、相対移動方向上流側）の通気口１３０からカバー部１１８の内部に流入した気流は他方（搬送方向下流側、相対移動方向下流側）の通気口１３０からカバー部１１８の外部に流出するように構成することが好ましい。搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって流れる気流１２０は、微小液滴（インクミスト）１２１を搬送方向下流側に向かって押し流す。このため微小液滴１２１は搬送方向上流側の通気口１３０からカバー部１１８の内部に流入する可能性は低く、搬送方向下流側の通気口１３０からカバー部１１８の内部に流入する可能性が高くなる。搬送方向下流側の通気口１３０から気流１２２がカバー部１１８の外部に流出するように構成することにより、搬送方向下流側の通気口１３０からの微小液滴１２１の吸い込みを防止又は抑制することができる。

なお、カバー部１１８に設けた通気口１３０は、実施例では開口部として描かれているが、メッシュ状でも、多数の孔を有する構成であっても構わない。また通気口１３０の面積は、印字液滴１０６Ａが同伴することで流出する空気を補うために、スリット１１７と同等以上とすることが望ましい。すなわち通気口１３０の面積は、スリット（インク液滴通過孔）１１７の開口面積以上の大きさであることが望ましい。

さらに本実施例の記録ヘッド１００は、図３に示すように、通気口１３０の入り口（開口部外側）に、印字体（記録対象物）の移動方向１１９と平行方向にカバー部１１８の側面から突出する整流板１３１を有する。この整流板１３１によりカバー部下側に回り込む気流を低減して、より多くの気流を通気口１３０に流すことが可能となる。さらに整流板１３１により、カバー部１１８の下部に浮遊する微小液滴が通気口１３０に侵入するのを防止又は抑制することが可能となる。

整流板１３１は必須の構成ではないが、整流板１３１を備えることにより、上述した効果が得られる。

［実施例２］
図４を用いて、第２実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の構成について説明する。図４は、本発明の第２実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。

本発明では、図３に示す第１実施例の構成において、カバー部１１８の内側に、通気口１３０から流入する気流が印字液滴に直接当たるのを防ぐ遮蔽板１２３を設けたことを特徴とする。通気口１３０から流入する気流を遮蔽板１２３で遮ることが可能である。これにより、カバー部１１８の内部の圧力が低下するのを防ぎつつ、気流１２２が飛翔液滴１０６Ａの軌道に影響を及ぼすのを防ぐ効果が得られる。

なお本実施例では、印字体１１６の搬送方向を逆向きにした場合に配慮して、飛翔液滴１０６Ａの軌道、すなわちスリット１１７に対して、搬送方向上流側及び搬送方向下流側の両方に遮蔽板１２３を配置している。

本実施例では、遮蔽板１２３に係る構成以外は、第１実施例と同様な構成を有する。

［実施例３］
図５を用いて、第３実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の構成について説明する。図５は、本発明の第３実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。

本実施例では、第１実施例の整流板１３１をテーパ形状にしたことを特徴とする。すなわち、整流板１３１，１３２は、通気口１３０の入り口に、テーパ形状に配置され、気流１２２の流路をテーパ形状に形成する。これにより、より効率良く通気口１３０に気流を送ることが可能となる。

また本実施例では、第２実施例と同様に、遮蔽板１２３を配置しているが、遮蔽板１２３は必ずしも配置しなくてもよい。

［実施例４］
図６を用いて、第４実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の構成について説明する。図６は、本発明の第４実施例に係る連続吐出型インクジェット記録装置の要部構成図である。

本実施例では、図４に示す遮蔽板１２３を、前記通気口１３０から流入する気流１２２の方向に対して、傾けたことを特徴とする。すなわち遮蔽板１２３は、通気口１３０から流入する気流の方向に対して傾斜している。

通気口１３０から流入する気流１２２に対して遮蔽板１２３が図４のように垂直になっていると、遮蔽板１２３の前面で圧力が上昇してしまい、通気口１３０から気流が入りにくくなる。そこで遮蔽板１２３を気流の流入方向に対して傾けることで、遮蔽板前面の圧力上昇を低減して、より多くの気流を流入させることが可能となる。

特に本実施例では、遮蔽板１２３の、印字体１１６の印字面に垂直な方向から見た形状を、中央部に対して両端部が下流側に位置するようにＶ字形状にしている。遮蔽板１２３をＶ字形状に傾斜させたことにより、気流の流入方向において配置に要する寸法を小さくすることができ、遮蔽板１２３の気流の流入方向に対する傾斜角度を大きくすることができる。

図５に示す第３実施例の遮蔽板１２３を、本実施例と同様に、流入する気流１２２の方向に対して傾けてもよい。

１００…記録ヘッド、１０１…インク室、１０３Ａ，１０３Ｂ…帯電電極、１０５Ａ，１０５Ｂ…偏向電極、１０６…インク液滴、１０６Ａ…帯電したインク液滴、１０７…インク柱、１１６…記録対象物（印字体）、１１７…インク液滴通過孔（スリット）、１１８…カバー部、１１８Ａ，１１８Ｂ…カバー部１１８の側面、１１８Ｃ…カバー部１１８の底面、１１９…記録対象物１１６の相対移動方向（搬送方向）、１２３…遮蔽版、１３０…通気口、１３１，１３２…整流板。

Claims (10)

1. インク柱を吐出するインク室、インク柱から生成したインク液滴を帯電させる帯電電極、及び帯電したインク液滴を偏向する偏向電極を有する記録機構と、前記偏向電極により偏向されたインク液滴が通過するインク液滴通過孔を有すると共に前記記録機構を覆うカバー部と、を含む記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドに対して相対移動する記録対象物にインク液滴を着滴させて記録を行うインクジェット記録装置において、
   前記カバー部の側面に通気口を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 請求項１に記載のインクジェット記録装置において、
   前記カバー部の前記側面は、前記記録対象物に対向する底面から、前記記録対象物に対して遠ざかる方向に形成された面であることを特徴とするインクジェット記録装置。
3. 請求項２に記載のインクジェット記録装置において、
   前記カバー部の前記側面は、前記記録対象物の相対移動方向に対して垂直な面として構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
4. 請求項３に記載のインクジェット記録装置において、
   前記通気口は、前記記録対象物の相対移動方向に対して垂直な開口面を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
5. 請求項３に記載のインクジェット記録装置において、
   前記カバー部は、前記側面として、前記記録対象物の相対移動方向において前記記録機構を挟んで両側に位置する２つの側面を有し、
   前記通気口は、前記２つの側面に設けられることを特徴とするインクジェット記録装置。
6. 請求項１に記載のインクジェット記録装置において、
   前記通気口の入り口に、前記記録対象物の移動方向と平行方向に前記カバー部の前記側面から突出する整流板を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
7. 請求項６に記載のインクジェット記録装置において、
   前記整流板は、前記通気口の入り口に、テーパ形状に配置されることを特徴とするインクジェット記録装置。
8. 請求項１に記載のインクジェット記録装置において、
   前記カバー部の内側に、前記通気口から流入する気流がインク液滴に直接当たるのを防ぐ遮蔽板を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
9. 請求項８に記載のインクジェット記録装置において、
   前記遮蔽板は、前記通気口から流入する気流の方向に対して傾斜していることを特徴とするインクジェット記録装置。
10. 請求項１に記載のインクジェット記録装置において、
    前記通気口の面積は、前記インク液滴通過孔の開口面積以上の大きさであることを特徴とするインクジェット記録装置。

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