JP2021061671A - 電源制御装置および電源制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置により構成された電力供給源において、複数の電源装置から出力される供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とを、精度よく一致させることができる、電源制御装置および電源制御システムを提供する。【解決手段】電源制御システムにおいて、電源制御装置50は、再生可能エネルギーを利用した、電源出力の応答特性が異なる複数の電源設備11、21から、出力電力値y1、y2に関連した検出値x1、x2を受信し、受信した複数の電源設備ごとの検出値、および複数の電源設備ごとの単位時間における応答特性に基づき、複数の電源設備から出力される出力電力値の合算値が要求電力値rsとなる、複数の電源設備ごとの制御指令値u1、u2を算出し、複数の電源設備ごとに制御指令値を指示する。【選択図】図1

Description

本実施形態は、電力供給源として設けられた複数の電源装置の制御を行う電源制御装置および電源制御システムに関する。
電力の供給を行う電力供給源は、複数の電源装置により構成される。これらの複数の電源装置から出力された電力が、負荷に供給される。複数の電源装置から出力される供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とが一致するように、複数の電源装置の出力電力を制御することが望ましい。複数の電源装置の出力電力の制御を行う電源制御装置が知られている。
特開2006−320080号公報 特開2014−200120号公報
前述のとおり、電力供給源は、複数の電源装置により構成される。昨今、再生可能エネルギーの活用が促進され、複数の電源装置として、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用した電源装置が用いられる。
電力供給源は、例えば、風力を利用した電源装置、太陽光を利用した電源装置など、異種の再生可能エネルギーをエネルギー源とした電源装置が組合わされた、複合型の電源システムとして構成される場合が多い。複合型の電源システムにおいても、複数の電源装置から出力される供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とが一致するように、複数の電源装置の出力電力を制御することが望ましい。
風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用した電源装置の出力電力は、風速や日射等の気象条件の影響を受けて時々刻々変動する。このため、再生可能エネルギーを利用した電源装置は、きめ細かな出力電力の制御を行うことが要求される。
しかしながら、風力や太陽光などの異種の再生可能エネルギーを利用した電源装置の出力電力の応答速度特性は、再生可能エネルギーの種類ごとにそれらの出力電力の調整原理によりそれぞれ異なる。このため、複数の電源装置から出力される供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とが、精度よく一致しない場合があるとの問題点があった。
異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置により構成された電力供給源において、複数の電源装置の応答速度特性は、再生可能エネルギーの種類ごとにそれぞれ異なるため、複数の電源装置から出力される電力どうしが互いに干渉し、電源システムに過渡的な出力変動が生じる場合があった。このため、負荷に供給される電力の安定性が低下する場合があった。
本実施形態は、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置により構成された電力供給源において、複数の電源装置から出力される供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とを、精度よく一致させることができる、電源制御装置および電源制御システムを提供することを目的とする。
本実施形態の電源制御装置は、次のような特徴を有する。
(1)再生可能エネルギーを利用した、電源出力の応答特性が異なる複数の電源設備から、出力電力値に関連した検出値を受信する。
(2)受信した複数の前記電源設備ごとの前記検出値、および複数の前記電源設備ごとの単位時間における応答特性に基づき、複数の前記電源設備から出力される前記出力電力値の合算値が要求電力値となる、複数の前記電源設備ごとの制御指令値を算出し、複数の前記電源設備ごとに前記制御指令値を指示する。
第1実施形態にかかる電源制御システムの構成を示す図 第1実施形態にかかる電源制御システムの制御ブロックを示す図 第1実施形態にかかる電源制御システムの制御におけるシミュレーション結果を示す図 第2実施形態にかかる電源制御システムの構成を示す図 第3実施形態にかかる電源制御システムの構成を示す図 第3実施形態にかかる電源制御システムの制御ブロックを示す図
各実施形態にかかる電源制御システム1において、以下の信号、データ、情報が、入力、出力、記憶される。
要求電力値rs:電源システム10に要求される総出力電力値
基準出力電力値r1:風力発電設備11の基準出力電力値
基準出力電力値r3:蓄電設備31の基準出力電力値
予測出力電力値f1:風力発電設備11の予測出力電力値
検出値x1:風力発電設備11から出力された検出値
検出値x2:太陽光発電設備21から出力された検出値
検出値x3:蓄電設備31から出力された検出値
制御指令値u1:風力発電設備11に対する指令値
制御指令値u2:太陽光発電設備21に対する指令値
制御指令値u3:蓄電設備31に対する指令値
出力電力値ys:電源システム10から出力された総電力の値
出力電力値y1:風力発電設備11から出力された電力の値
出力電力値y2:太陽光発電設備21から出力された電力の値
出力電力値y3:蓄電設備31から出力された電力の値
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1を参照して本実施形態の一例として、電源制御システム1について説明する。電源制御システム1は、複数の電源装置により構成され負荷への電力供給を行うシステムである。電源制御システム1は、電源制御装置50、風力発電設備11、太陽光発電設備21を有する。風力発電設備11、太陽光発電設備21により電源システム10が構成される。
(風力発電設備11)
風力発電設備11は、再生可能エネルギーである風力を受け電力を発電する電源装置である。風力発電設備11により発電された電力は、負荷に供給される。請求項における複数の電源設備の一つが、風力発電設備11に相当する。
風力発電設備11は、電源制御装置50により出力電力が制御される。風力発電設備11の検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)は、電源制御装置50に入力される。検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)は、風力発電設備11の出力電力、回転速度、ピッチ角のうち少なくとも一つのパラメータを含む。検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)に基づき電源制御装置50により演算され出力された制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)が、風力発電設備11に入力される。制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)は、風力発電設備11の出力電力、回転速度、ピッチ角のうち少なくとも一つを制御するパラメータを含む。制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)に応じ風力発電設備11の風力タービンのピッチ制御角が制御され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)が制御される。
(太陽光発電設備21)
太陽光発電設備21は、再生可能エネルギーである太陽光を受け電力を発電する電源装置である。太陽光発電設備21により発電された電力は、負荷に供給される。請求項における複数の電源設備の一つが、太陽光発電設備21に相当する。
太陽光発電設備21は、電源制御装置50により出力電力が制御される。太陽光発電設備21の検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)は、電源制御装置50に入力される。検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)は、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つのパラメータを含む。検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)に基づき電源制御装置50により演算され出力された制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)が、太陽光発電設備21に入力される。制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)は、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つを制御するパラメータを含む。制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)に応じ太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの出力が制御され、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)が制御される。
風力発電設備11から出力された出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力と太陽光発電設備21から出力された出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力とが加算され、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)にかかる電力が電源システム10から出力され、負荷に供給される。
(電源制御装置50)
電源制御装置50は、コンピュータ等により構成された装置である。電源制御装置50は、風力発電設備11から出力される出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力、太陽光発電設備21から出力される出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力の制御を行う。電源制御装置50は、電力系統の監視制御を行う給電指令所、系統制御所、集中制御所、または発電所などの指令室等に設置される。
電源制御装置50は、検出部51、入力部52、出力部53、記憶部54、演算部55を有する。
検出部51は、測定回路により構成される。検出部51は、出力電力、回転速度、ピッチ角、変換比率の検出を行う。検出部51は、入力側が風力発電設備11、太陽光発電設備21に、出力側が演算部55に接続される。検出部51は、風力発電設備11から出力された出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)に関連する検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)に関連する検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を受信し、演算部55に出力する。
入力部52は、送受信回路により構成される。入力部52は、入力側が図示しない電力制御用センタ装置に、出力側が演算部55に接続される。入力部52は、電力制御用センタ装置から要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)を受信し、演算部55に出力する。
出力部53は、送受信回路により構成される。出力部53は、入力側が演算部55に、出力側が風力発電設備11、太陽光発電設備21に接続される。出力部53は、演算部55にて演算された制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)を風力発電設備11に、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を太陽光発電設備21に出力する。
記憶部54は、半導体メモリやハードディスクのような記憶媒体にて構成される。記憶部54は、演算部55によりデータの書き込み、読出しが制御される。記憶部54は、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)を記憶する。
演算部55は、マイクロコンピュータにより構成される。演算部55は、風力発電設備11、太陽光発電設備21を制御するために後述する演算を行う。演算部55は、検出部51、入力部52、出力部53、記憶部54に接続される。演算部55は、以下の演算および制御を行う。
(A)検出部51に対する制御
演算部55は、検出部51を制御し、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を受信する。
(B)入力部52に対する制御
演算部55は、入力部52を制御し、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)を受信する。
(C)出力部53に対する制御
演算部55は、出力部53を制御し、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)を風力発電設備11に、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を太陽光発電設備21に出力させる。
(D)記憶部54に対する制御
演算部55は、記憶部54を制御し、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)にかかるデータの書き込み、読出しを行う。
(E)算出演算
演算部55は、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出する。
以上が、電源制御システム1の構成である。
[1−2.作用]
次に、図1〜3に基づき本実施形態の電源制御システム1および電源制御装置50の動作の概要を説明する。電源制御装置50は、電源出力の応答特性が異なる、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源設備である風力発電設備11に対する制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、太陽光発電設備21に対する制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)をそれぞれ演算し、風力発電設備11、太陽光発電設備21により構成された電源システム10から出力される総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とを、精度よく一致させる制御を行う。
風力発電設備11、太陽光発電設備21により構成された電源システム10から出力される総電力が、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)に、負荷から要求される需要にかかる総電力が、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)に相当する。電源制御装置50の演算部55により、以下の演算が実行される。
検出部51は、常時、風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を検出している。演算部55は、常時、検出部51から検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を受信している。
演算部55は、例えば、5分または30分等の予め定められた時間間隔にて電力制御用センタ装置から送信される要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)を、入力部52を介し受信する。
電源制御装置50は、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)に基づき、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を演算し、出力部53を介し、それぞれ風力発電設備11、太陽光発電設備21に出力する。
風力発電設備11は、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)により制御され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。太陽光発電設備21は、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)により制御され、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。
風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)は検出部51を介し、演算部55にフィードバックされる。
具体的な制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)の演算は、以下により行われる。以下において検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)は、風力発電設備11から出力された電力、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)は、太陽光発電設備21から出力された電力であるものとする。したがって検出値x1=出力電力値y1、検出値x2=出力電力値y2である。
制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)が風力発電設備11に入力され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T1である一次遅れ特性により近似される。制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)が太陽光発電設備21に入力され出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T2である一次遅れ特性により近似される。
検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を状態量とする状態空間モデルは、(式1−1a)により表現される。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−1a)
(式1−1a)の形式を下記の式(式1−1b)に置き換える。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−1b)
電源システム10から出力される総電力にかかる出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)は、出力電力値ys(t)=出力電力値y1(t)+出力電力値y2(t)=検出値x1(t)+検出値x2(t)である。出力電力値ys(t)に対する要求電力は、要求電力値rs(t)である。
(式1−1b)におけるA、B、C、およびEを、以下の通りとする。
Figure 2021061671
要求電力値rs(t)(出力の要求にかかる総電力)と出力電力値ys(t)(電力供給源の出力総電力)との偏差の積分、基準出力電力値r1(t)(風力発電設備11の基準出力電力値)と出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)(=検出値x1(t))との偏差の積分、を状態変数に追加した拡大系は、(式1−2)により表現される。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−2)
ここで、x(t)、u(t)、r(t)、y(t)は、以下のとおりである。
Figure 2021061671
次に(式1−2)を制御サンプリング時間で離散化し、(式1−3)の通りとなる。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−3)
(式1−3)にかかる拡大系の差分方程式モデルに対して、極配置法または最適制御理論を適用してサーボ系を構成する。出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)の追従性が最も好適となる極配置、またはLQ最適問題の重み行列を設定する。
最適制御理論を適用してサーボ系を構成する場合、次の(式1−4)にかかる評価関数Jを最小化する離散時間のLQ最適問題を解く。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−4)
ここで、Q、Rはそれぞれ状態変数x(k)、制御入力u(k)にかかる重み行列である。
このとき、最適サーボにかかる制御入力u(k)は次の(式1−5)により与えられる。
Figure 2021061671
・・・・・ (式1−5)
(式1−5)にかかる制御ブロック図を図2に示す。図2に示す制御ブロック図にかかるフィードバックサーボ制御系が、電源制御システム1に構成される。
電源制御装置50は、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を、制御サンプリング時間ごとに取得する。電源制御装置50は、図2に示す制御ブロック図にかかるフィードバックサーボ制御系により制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)を算出し、風力発電設備11に対し出力する。また、電源制御装置50は、フィードバックサーボ制御系により制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、太陽光発電設備21に対し出力する。
電源制御装置50は、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)により、運用時間帯における定常的な風力発電の発電出力を指定し、風力発電設備11の制御を行う。基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)に代替し、電源制御装置50は、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)のうち小さい方の値を有する電力値により、風力発電設備11の制御を行うようにしてもよい。
または、電源制御装置50は、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)と出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)との差分値に基づき制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、風力発電設備11の制御を行うようにしてもよい。
電源制御装置50の検出部51は、風力発電設備11、太陽光発電設備21の出力制御に有効である100ms〜500ms程度の制御サンプリング時間で、風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)の検出を行うことが望ましい。
図3(a)に、風速が急変動した場合のシミュレーション例を示す。図3(a)に示すように、風速が急変した場合、風速に応じ検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)が変動する。電源制御装置50は、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)の変動分を、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)により打ち消す制御を太陽光発電設備21に対し行う。出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)にかかる電力の変動は、電源制御装置50により、精度よく抑制される。
図3(b)に、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)が急変動した場合のシミュレーション例を示す。図3(b)に示すように、電源制御装置50は、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)と、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)とを協調させて、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)が要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)に追従する制御を風力発電設備11、太陽光発電設備21に対し行う。
電源制御システム1は、水力または波力を利用した電源を含み、電源制御装置50は、水力または波力を利用した電源を含む電源システムを制御するものであってもよい。また、電源システムにおける各電源設備は、系統連系地点が異なるものを含んでいてもよい。
[1−3.効果]
(1)本実施形態によれば、電源制御装置50は、再生可能エネルギーを利用した、電源出力の応答特性が異なる複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)から、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を受信し、受信した複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとの検出値x1、x2、および複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとの単位時間における応答特性に基づき、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)と出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)との合算値が要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)となる、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとの制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとに制御指令値u1、制御指令値u2を指示するので、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)により構成された電源システム10において、複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)から出力される供給にかかる総電力である出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)と、負荷から要求される需要にかかる総電力である要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)とを、精度よく一致させることができる電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
(式1−1a)における時定数T1、T2が、請求項の単位時間における応答特性に相当する。
本実施形態にかかる電源制御装置50および電源制御システム1は、異種の再生可能エネルギー源を利用した複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の、制御入力の変化に対する電源出力の応答特性を表した応答特性モデルに基づき、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の出力電力の制御を行う。
複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の電源出力(出力電力値y1、出力電力値y2)を合算した電源システムの出力電力(出力電力値ys)が、電源システム指令(要求電力値rs)に追従するように複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)への制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)が演算され、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)は、協調して制御されるので、風速変動などの外乱による出力変動を抑制した制御を行うことができる電源制御装置50および電源制御システム1が実現される。
さらに、電源制御装置50および電源制御システム1によりサーボ系の機能を持つ制御系が構成され、風力発電設備11は制御指令値u1により、風力発電設備11は制御指令値u2により、要求電力値rsに追従するように制御される電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
従来技術として、風力発電設備11、太陽光発電設備21に原動機を併設し、この併設された原動機の慣性や出力制御により、風力発電設備11または太陽光発電設備21の出力変動を抑制して出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)にかかる電力を平準化する技術が知られている。
また、従来技術として、太陽光発電設備21に併設された蓄電装置により太陽光発電設備21の短い周期の変動を平滑化し、併設した火力発電装置で電源システムの出力電力(出力電力値ys)を調整する技術が知られている。
一般に、風力を利用した風力発電設備11による発電は夜間に発電量が大きくなる傾向があり、一方、太陽光を利用した太陽光発電設備21による発電は日中に発電量が大きくなる。また、一般に、風力を利用した風力発電設備11の発電量と、太陽光を利用した太陽光発電設備21の発電量との短時間における変動の相関は、小さい。
風力発電設備11、太陽光発電設備21など異種の再生可能エネルギー源が組合わされ構成された複合型の電源システムは、単独の再生可能エネルギーを利用した単独型の電源システムに比べて、近年多用される傾向にある。複合型の電源システムは、単独型の電源システムに比べ、風力発電設備11、太陽光発電設備21などの複数の電源の合計出力の変動が相対的に小さくなるためである。また、複合型の電源システムは、系統連系容量の効率的な利用に繋がることが見込まれるためである。
一方、需給バランスを維持するために、風力発電設備11、太陽光発電設備21などの複数の電源の出力抑制が必要とされる場合もある。揚水発電や地域間電力融通による需給バランスの調整が必要とされ、また、負荷調整力を持つLNG火力発電等も調整力の確保に利用されるため、風力発電設備11、太陽光発電設備21などの複数の電源の出力抑制が必要とされる場合もある。風力発電設備11、太陽光発電設備21による過剰な出力を、精度よくかつ応答性よく抑制するためには、風力発電設備11、太陽光発電設備21を有する電源システムが、自律的な出力調整力を有することが求められる。
本実施形態によれば、異種の再生エネルギー源を利用した複数の電源である風力発電設備11、太陽光発電設備21が、出力応答特性を含め協調して制御されるので、風速変動などの外乱による出力変動が抑制され制御性能に優れ、出力指令に対する追従性に優れた電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、複数の電源設備は、風力発電設備、太陽光発電設備のうち少なくとも1つの電源設備を含むので、再生可能エネルギーを有効に利用することができる。要求される要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)の特性に応じ、適切な風力発電設備11または太陽光発電設備21を含め電源システムを構築することができ、不要な再生エネルギー源を含めずに電源システムを構築することができる。例えば、太陽光発電設備21による発電が効率的でない場合、電源システム10は、風力発電設備11と揚水発電システムにより構築される。また、例えば、風力発電設備11による発電が効率的でない場合、電源システム10は、太陽光発電設備21と揚水発電システムにより構築される。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成および作用]
第2実施形態にかかる電源制御システム1の一例について図4を参照して説明する。第2実施形態にかかる電源制御システム1は、第1実施形態にかかる電源制御システム1に加え、蓄電設備31を有する。また、第2実施形態にかかる電源制御装置50は、風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31から出力される電力の制御を行う。その他の構成は、第1実施形態にかかる電源制御システム1と同じである。
蓄電設備31は、複数のリチウムイオン電池等が組合わされて構成された蓄電池である。蓄電設備31は、風力発電設備11、太陽光発電設備21または水力、火力、原子力等の発電所により発電された電力を蓄電する。蓄電設備31に蓄電された電力は、負荷に供給される。
蓄電設備31は、電源制御装置50により出力電力が制御される。蓄電設備31の検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)は、電源制御装置50に入力される。検出値x3は、蓄電設備31に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つのパラメータを含む。検出値x3に基づき電源制御装置50により演算され出力された制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)が、蓄電設備31に入力される。制御指令値u3は、蓄電設備31に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つを制御するパラメータを含む。蓄電設備31に内蔵されたパワーコンディショナーは、制御指令値u3に応じ蓄電設備31の充放電の制御を行う。これにより蓄電設備31の出力電力値y3(蓄電設備31から出力された電力の値)が制御される。
風力発電設備11の出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)、太陽光発電設備21の出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)、蓄電設備31の出力電力値y3(蓄電設備31から出力された電力の値)が加算され、出力電力値ysとして負荷に供給される。
次に、本実施形態の電源制御システム1および電源制御装置50の動作の概要を説明する。電源制御装置50は、電源出力の応答特性が異なる、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源設備である風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31に対する、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)、制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)をそれぞれ演算し、風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31により構成された電源システム10の供給にかかる総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とを、精度よく一致させる制御を行う。
風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31により構成された電源システム10の供給にかかる総電力が、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)に、負荷から要求される需要にかかる総電力が、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)に相当する。電源制御装置50の演算部55により、以下の演算が実行される。
検出部51は、常時、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)を受信している。演算部55は、常時、検出部51から検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)を受信している。
演算部55は、例えば、5分または30分等の予め定められた時間間隔にて電力制御用センタ装置から送信される要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)を、入力部52を介し受信する。
電源制御装置50は、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)に基づき、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)、制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)を演算し、出力部53を介し、それぞれ風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31に出力する。
風力発電設備11は、制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)により制御され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。太陽光発電設備21は、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)により制御され、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。蓄電設備31は、制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)により制御され、出力電力値y3(蓄電設備31から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。
風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、蓄電設備31から出力された電力に関連した検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)は検出部51を介し、演算部55にフィードバックされる。
具体的な制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)、制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)の演算は、以下により行われる。
制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)が風力発電設備11に入力され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T1である一次遅れ特性により近似される。制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)が太陽光発電設備21に入力され出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T2である一次遅れ特性により近似される。制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)が蓄電設備31に入力され出力電力値y3(蓄電設備31から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T3である一次遅れ特性により近似される。
検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)を状態量とする状態空間モデルは、(式2−1a)により表現される。以下において検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)は、風力発電設備11から出力された電力、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)は、太陽光発電設備21から出力された電力、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)は、蓄電設備31から出力された電力である。したがって検出値x1=出力電力値y1、検出値x2=出力電力値y2、検出値x3=出力電力値y3である。
Figure 2021061671
・・・・・ (式2−1)
電力供給源の供給にかかる総電力にかかる出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)は、出力電力値ys(t)=出力電力値y1(t)+出力電力値y2(t)+出力電力値y3(t)=検出値x1(t)+検出値x2(t)+検出値x3(t)である。出力電力値ys(t)に対する要求電力は、要求電力値rs(t)である。
蓄電設備31は、電源制御装置50から基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)により、運用時間帯における定常的な電力を出力するように指示される。蓄電設備31に内蔵されたパワーコンディショナーは、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)に基づき蓄電設備31の充放電の制御を行う。
電源制御装置50は、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)、検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)を、制御サンプリング時間ごとに取得する。電源制御装置50は、フィードバックサーボ制御系により制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)を算出し、風力発電設備11に対し出力する。また、電源制御装置50は、フィードバックサーボ制御系により制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、太陽光発電設備21に対し出力する。また、電源制御装置50は、フィードバックサーボ制御系により制御指令値u3(蓄電設備31に対する指令値)を算出し、蓄電設備31に対し出力する。
電源制御装置50は、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)により、運用時間帯における定常的な出力電力を指定し、蓄電設備31の制御を行う。電源制御装置50は、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)に代替し、蓄電設備31に蓄電された蓄電量に基づき出力電力を算出し、蓄電設備31の制御を行うようにしてもよい。
電源制御装置50は、フィードバックされた蓄電設備31のSOC(State of Charge)に基づき、蓄電設備31が所望のSOCの範囲となるように、基準出力電力値r3(蓄電設備31の基準出力電力値)を設定するようにしてもよい。
[2−2.効果]
(1)本実施形態にかかる電源制御システム1によれば、複数の電源設備は、蓄電設備31を備え、蓄電設備31の検出値x3(蓄電設備31から出力された検出値)を含めて、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとの制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)および蓄電設備31の指令値(制御指令値u3)を算出するので、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31)により構成された電力供給源である電源システム10において、複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21、蓄電設備31)から出力される供給にかかる総電力(出力電力値ys)と、負荷から要求される需要にかかる総電力(要求電力値rs)とを、精度よく一致させることができる電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
異種の再生可能エネルギー源(風力発電設備11、太陽光発電設備21)を利用した電源システムにおいて、風力発電設備11、太陽光発電設備21に併設された蓄電設備31を協調して制御することにより、電源システムの出力変動を小さくすることができ、エネルギーロスを小さくすることができる電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.構成および作用]
第3実施形態にかかる電源制御システム1の一例について図5、6を参照して説明する。第3実施形態にかかる電源制御システム1は、第1実施形態にかかる電源制御システム1に加え、風力発電制御部12を有する。また、第3実施形態にかかる電源制御装置50は、PI制御、フィードフォワード制御により風力発電設備11、風力発電制御部12を制御する点において第1実施形態にかかる電源制御装置50と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる電源制御システム1と同じである。
風力発電制御部12は、風力発電設備11の出力電力の制御を行う制御装置により構成される。風力発電制御部12は、風力発電設備11のピッチ制御角および風力タービン回転速度を制御することにより風力発電設備11の出力電力の制御を行う。風力発電設備11により発電された電力は、負荷に供給される。
電源制御装置50は、電源出力の応答特性が異なる、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源設備である風力発電設備11、太陽光発電設備21の制御を行う。電源制御装置50は、制御指令値u1a(風力発電制御部12に対する指令値)を算出し、風力発電制御部12に出力する。風力発電制御部12は、制御指令値u1a(風力発電制御部12に対する指令値)に基づき制御指令値u1b(風力発電設備11に対する指令値)を算出し、風力発電設備11に出力する。制御指令値u1a、制御指令値u1bは、風力発電設備11の出力電力、回転速度、ピッチ角のうち少なくとも一つを制御するパラメータを含む。制御指令値u1a、制御指令値u1bは、風力発電設備11を制御するパラメータが分担され構成される。例えば制御指令値u1aは、風力発電設備11の出力電力、回転速度に関するパラメータを、制御指令値u1bは、風力発電設備11のピッチ角に関するパラメータを含むように構成される。
電源制御装置50は、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、太陽光発電設備21に出力する。制御指令値u2は、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つを制御するパラメータを含む。電源制御装置50は、風力発電設備11、太陽光発電設備21により構成された電源システム10から出力される総電力と、負荷から要求される需要にかかる総電力とを、精度よく一致させる制御を行う。
風力発電設備11、太陽光発電設備21により構成された電源システム10から出力される総電力が出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)に、負荷から要求される需要にかかる総電力が、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)に相当する。
電源制御装置50の検出部51は、風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を受信し、演算部55に出力する。検出値x1は、風力発電設備11の出力電力、回転速度、ピッチ角のうち少なくとも一つのパラメータを含む。検出値x2は、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの出力電力、変換比率のうち少なくとも一つのパラメータを含む。
電源制御装置50の入力部52は、図示しない電力制御用センタ装置から要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)を受信し、演算部55に出力する。
電源制御装置50の出力部53は、演算部55にて演算された制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)を風力発電制御部12に、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を太陽光発電設備21に出力する。
風力発電設備11の検出値x1、太陽光発電設備21の検出値x2は、検出部51を介し、演算部55にフィードバックされる。
風力発電制御部12は、制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)と検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)に基づき制御指令値u1b(風力発電設備11に対する指令値)を演算し、風力発電設備11の風力タービンのピッチ角を制御する。これにより風力発電設備11は制御され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。風力発電設備11の風力タービンのピッチ角の制御は、PI制御にて行われる。風力発電設備11の風力タービンのピッチ角の制御は、風速変動などの外乱の影響を抑えるようPゲインが相対的に大きく調整されたPI制御定数が用いられ行われる。
太陽光発電設備21は、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)に基づき、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナー(図中不示)により出力電力が制御され出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力を出力する。
出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力が加算され、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)として負荷に供給される。
具体的な制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)、制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)の演算は、以下により行われる。
以下の演算において、ピッチ制御角および風力タービン回転速度または出力電力の2変数を状態変数である検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)とする。
制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)が風力発電制御部12に入力され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性にかかる、線形近似モデルは下記のとおりとなる。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−1a)
制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)が風力発電制御部12に入力され、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、システム行列Awt、Bwtで表した二次遅れ特性により近似される。制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)が太陽光発電設備21に入力され出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性は、時定数T2である一次遅れ特性により近似される。
(式3−1a)におけるシステム行列Awt、Bwt、時定数T2が、請求項の単位時間における応答特性に相当する。システム行列Awt、Bwtは、風力発電設備11と風力発電制御部12とが結合された系における時定数を含む行列である。
出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)にかかる電力が出力される応答特性と(式3−1a)にかかる応答特性とを併せて、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を状態量とする状態空間モデルは、(式3−1b)により表現される。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−1b)
上記の式(3−1b)の形式を下記の式(式3−1c)に置き換える。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−1c)
電力供給源の供給にかかる総電力にかかる出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)は、出力電力値ys(t)=出力電力値y1(t)+出力電力値y2(t)である。出力電力値ys(t)に対する要求電力は、要求電力値rs(t)である。
(式3−1c)におけるA、B、C、およびEを、以下の通りとする。
Figure 2021061671
要求電力値rs(t)(電源システム10に要求される総出力電力値)と出力電力値ys(t)(電源システム10から出力された総電力の値)との偏差の積分、基準出力電力値r1(t)(風力発電設備11の基準出力電力値)と出力電力値y1(t)(風力発電設備11から出力された電力の値)との偏差の積分、を状態変数に追加した拡大系は、(式1−2)により表現される。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−2)
ここで、x(t)、u(t)、r(t)、y(t)は、以下のとおりである。
Figure 2021061671
次に(式3−2)を制御サンプリング時間で離散化し、(式3−3)の通りとなる。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−3)
(式3−3)にかかる拡大系の差分方程式モデルに対して、極配置法または最適制御理論を適用してサーボ系を構成する。出力電力値ys(t)(電力供給源の出力総電力値)の追従性が最も好適となる極配置、またはLQ最適問題の重み行列を設定する。
最適制御理論を適用してサーボ系を構成する場合、次の(式3−4)にかかる評価関数Jを最小化する離散時間のLQ最適問題を解く。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−4)
ここで、Q、Rはそれぞれ状態変数x(k)、制御入力u(k)にかかる重み行列である。
このとき、最適サーボにかかる制御入力u(k)は次の(式3−5)により与えられる。
Figure 2021061671
・・・・・ (式3−5)
(式3−5)にかかる制御ブロック図を図6に示す。図6に示す制御ブロック図にかかるフィードバックサーボ制御系が、電源制御システム1に構成される。電源制御システム1は、フィードフォワード制御系を有する。フィードフォワード制御系により要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)が、フィードフォワードされる。フィードフォワード制御系により出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)の出力追従性が向上する。
電源制御装置50は、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)、検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)を、制御サンプリング時間ごとに取得する。
電源制御装置50は、図6に示す制御ブロック図にかかるフィードバックサーボ制御系およびフィードフォワード制御系により制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)を算出する。算出された制御指令値u1(風力発電制御部12に対する指令値)は、風力発電制御部12に対し出力される。また、電源制御装置50は、フィードバックサーボ制御系およびフィードフォワード制御系により制御指令値u2(太陽光発電設備21に対する指令値)を算出し、太陽光発電設備21に対し出力する。
電源制御装置50は、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)により、運用時間帯における定常的な風力発電の発電出力を指定し、風力発電設備11の制御を行う。基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)に代替し、電源制御装置50は、基準出力電力値r1(風力発電設備11の基準出力電力値)、予測出力電力値f1(風力発電設備11の予測出力電力値)のうち小さい方の値を有する電力値により、風力発電設備11の制御を行うようにしてもよい。
または、電源制御装置50は、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)と出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)との差分値に基づき制御指令値u1(風力発電設備11に対する指令値)を算出し、風力発電制御部12を介し風力発電設備11の制御を行うようにしてもよい。
電源制御装置50の検出部51は、風力発電設備11、太陽光発電設備21の出力制御に有効である500ms〜1000ms程度の制御サンプリング時間で、風力発電設備11から出力された電力に関連した検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、太陽光発電設備21から出力された電力に関連した検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)の検出を行うことが望ましい。
また、風力発電制御部12の制御サンプリング時間は、風速変動等の外乱抑制制御に有効である20ms〜100ms程度に設定されることが望ましい。
図3(a)に示された、シミュレーション例と同様に、風速が急変した場合、風速に応じ検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)が変動する。電源制御装置50は、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)の変動分を、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)により、打ち消す制御を太陽光発電設備21に対し行う。出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)にかかる電力の変動は、電源制御装置50により、より精度よく抑制される。
図3(b)に示された、シミュレーション例と同様に、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)が急変動した場合、電源制御装置50は、出力電力値y1(風力発電設備11から出力された電力の値)と、出力電力値y2(太陽光発電設備21から出力された電力の値)とを協調させて、出力電力値ys(電源システム10から出力された総電力の値)が要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)に追従する制御を風力発電設備11、太陽光発電設備21に対し行う。
[3−2.効果]
(1)本実施形態によれば、電源制御装置50は、定常外乱および定常制御偏差を補償するサーボ制御系により、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)ごとの制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)を算出するので、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)により構成された電力供給源において、複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)から出力される供給にかかる総電力(出力電力値ys)と、負荷から要求される需要にかかる総電力(要求電力値rs)とを、精度よく一致させることができる電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
本実施形態にかかる電源制御装置50および電源制御システム1は、異種の再生可能エネルギー源を利用した複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の、制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)の変化に対する出力電力の応答特性を表した応答特性モデルに基づき、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の出力電力の制御を行う。
電源制御装置50は、電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の出力電力に関連した計測情報である検出値(検出値x1、検出値x2)に基づき、電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の出力電力の変動時にも、出力電力が制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)に追従するように電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)をレギュレータ制御する。
複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)の電源出力(出力電力値y1、出力電力値y2)を合算した電源システム10の出力電力(出力電力値ys)が、電源システム指令(要求電力値rs)に追従するように複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)への制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)が演算される。制御指令値(制御指令値u1、制御指令値u2)によりサーボ出力指令され、複数の電源設備(風力発電設備11、太陽光発電設備21)は、協調して制御される。これにより、風速変動などの外乱による出力変動を抑制した制御を行うことができる電源制御装置50および電源制御システム1が実現される。
さらに、電源制御装置50および電源制御システム1によりサーボ系の機能を持つ制御系が構成され、風力発電設備11は制御指令値u1により、風力発電設備11は制御指令値u2により、要求電力値rsに追従するように制御される電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
風力発電制御部12の制御定数は、外乱抑制を指向した定数が選択される。風力発電制御部12による検出値x1(風力発電設備11から出力された検出値)、検出値x2(太陽光発電設備21から出力された検出値)の制御サンプリング時間を短くすることにより、風速変動などの外乱による出力変動が効率よく抑制され、応答性に優れた電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、電源制御装置50は、要求電力値rs(電源システム10に要求される総出力電力値)をフィードフォワードするので、異種の再生可能エネルギーを利用した複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)により構成された電力供給源において、複数の電源装置(風力発電設備11、太陽光発電設備21)から出力される供給にかかる総電力(出力電力値ys)と、負荷から要求される需要にかかる総電力(要求電力値rs)とを、より精度よく一致させることができる電源制御装置50および電源制御システム1を提供することができる。
電源制御装置50は、フィードフォワード機能を備えるので、さらに出力追従性が向上する。
(3)本実施形態によれば、電源制御装置50は、複数の電源設備のうち少なくとも一つの電源設備(風力発電設備11)を制御する、電源制御装置50と一つの電源設備(風力発電設備11)との間に直列に接続された制御部(風力発電制御部12)に対し、第1の変動に対する第1の制御指令値u1を出力し、一つの電源設備(風力発電設備11)は、第1の変動に対する第1の制御指令値u1、および第2の変動に対する第2の制御指令値u1bにより制御部(風力発電制御部12)により制御されるので、電源設備11は、電源制御装置50、制御部(風力発電制御部12)により効率よく制御される。
第1の変動は、例えば要求電力値rsの変動であり、第1の制御指令値u1は、例えば風力発電設備11の出力電力、回転速度に関するパラメータを指令するものである。第2の変動は、例えば変動風速の変動であり、第2の制御指令値u1bは、例えば風力発電設備11のピッチ角に関するパラメータを指令するものである。電源制御装置50、制御部(風力発電制御部12)は、それぞれに適した制御項目にかかる制御を行う。一つの電源設備(風力発電設備11)は、制御項目が分担された電源制御装置50、制御部(風力発電制御部12)により制御される。
[他の実施形態]
変形例を含めた実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。以下は、その一例である。
(1)上記実施形態では、検出値x1は、風力発電設備11の出力電力にかかるパラメータであるものとしたが、検出値x1は、これに限られない。例えば検出値x1は、風力発電設備11の出力電力、風力タービンの回転速度、ピッチ角のうち複数のパラメータを含むものであってもよい。また、上記実施形態では、検出値x2は、太陽光発電設備21の出力電力にかかるパラメータであるものとしたが、検出値x2は、これに限られない。例えば検出値x2は、太陽光発電設備21の出力電力、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの変換比率のうち複数のパラメータを含むものであってもよい。
(2)上記実施形態では、制御指令値u1は、風力発電設備11の出力電力にかかるパラメータを指令するものとしたが、制御指令値u1は、これに限られない。例えば制御指令値u1は、風力発電設備11の出力電力、風力タービンの回転速度、ピッチ角のうち複数のパラメータを指令するものであってもよい。また、上記実施形態では、制御指令値u2は、太陽光発電設備21の出力電力にかかるパラメータを指令するものとしたが、制御指令値u2は、これに限られない。例えば制御指令値u2は、太陽光発電設備21の出力電力、太陽光発電設備21に内蔵されたパワーコンディショナーの変換比率のうち複数のパラメータを指令するものであってもよい。
1・・・電源制御システム
10・・・電源システム
11・・・風力発電設備
12・・・風力発電制御部
21・・・太陽光発電設備
31・・・蓄電設備
50・・・電源制御装置
51・・・検出部
52・・・入力部
53・・・出力部
54・・・記憶部
55・・・演算部

Claims (8)

  1. 再生可能エネルギーを利用した、電源出力の応答特性が異なる複数の電源設備から、出力電力値に関連した検出値を受信し、
    受信した複数の前記電源設備ごとの前記検出値、および複数の前記電源設備ごとの単位時間における応答特性に基づき、
    複数の前記電源設備から出力される前記出力電力値の合算値が要求電力値となる、複数の前記電源設備ごとの制御指令値を算出し、複数の前記電源設備ごとに前記制御指令値を指示する、
    電源制御装置。
  2. 前記電源制御装置は、
    複数の電源設備のうち少なくとも一つの電源設備を制御する、前記電源制御装置と少なくとも一つの前記電源設備との間に直列に接続された制御部に対し、第1の変動に対する第1の制御指令値を出力し、
    少なくとも一つの前記電源設備は、前記第1の変動に対する前記第1の制御指令値に基づく第2の変動に対する第2の制御指令値により前記制御部により制御される、
    請求項1に記載の電源制御装置。
  3. 複数の前記電源設備は、風力発電設備、太陽光発電設備のうち少なくとも1つの電源設備を含む、
    請求項1または請求項2に記載の電源制御装置。
  4. 複数の前記電源設備のうち、少なくとも1つの電源設備は、風力発電設備であり、前記検出値は、出力電力、回転速度、ピッチ角のうち少なくとも一つのパラメータを含む、
    請求項1または請求項2に記載の電源制御装置。
  5. 複数の前記電源設備は、蓄電設備を備え、
    前記蓄電設備の出力電力値を含めて、複数の前記電源設備ごとの出力制御指令値および前記蓄電設備の制御指令値を算出する、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源制御装置。
  6. 定常外乱および定常制御偏差を補償するサーボ制御系により、複数の前記電源設備ごとの制御指令値を算出する、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源制御装置。
  7. 前記要求電力値をフィードフォワードする、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電源制御装置。
  8. 再生可能エネルギーを利用した、電源出力の応答特性が異なる複数の電源設備と、
    複数の前記電源設備から受信した複数の前記電源設備ごとの出力電力値に関連した検出値、および複数の前記電源設備ごとの単位時間における応答特性に基づき、
    複数の前記電源設備から出力される前記出力電力値の合算値が要求電力値となる、複数の前記電源設備ごとの制御指令値を算出し、複数の前記電源設備ごとに前記制御指令値を指示する電源制御装置と、
    を有する、電源制御システム。

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