JP2021061071A - 駐車場用発券システム - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する技術において、チケットを受領する権限を有しない者にチケットが不正に発行されることを抑止する。【解決手段】ユーザが、通信端末90上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場20として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、通信端末90を介し、管理サーバ40に対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードを、通信端末と、標的駐車場に設置されている標的発券機30とにそれぞれ送信し、その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、チケットをユーザにオフラインで発行する。【選択図】図1
Description
本発明は、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する技術に関するものである。
対象物(例えば、不動産、不動産に定着した建物、動産)の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する技術、すなわち、前記対象物の位置に居るユーザにチケットを発行する技術が既に存在する。
ここに、「対象物」としては、例えば、公共交通機関(例えば、列車、バス、飛行機など)の停車場(例えば、駅、バス停、空港など)または公共交通機関内の各座席がある。さらに、駐車場(駐輪場を含む。)または駐車場内の各車室もある。さらに、観客収容施設もある。ここに、「観客収容施設」としては、例えば、コンサート・ホールまたはそれの各座席、野球場またはそれの各座席、映画館またはそれの各座席などがあるが、これらに限定されない。
「対象物」としては、さらに、飲食店または飲食店内の各テーブルもある。さらに、図書館などの公共施設またはそれの各座席もある。さらに、宿泊施設(例えば、ホテルまたはそれの各部屋、旅館またはそれの各部屋、民泊(住宅宿泊)のための居宅またはそれの各部屋)もある。さらに、ロッカー・ルーム、ロッカー・ルーム内の各ロッカーまたは各ロッカー内の各個室などがあるが、これらに限定されない。
ここに、「チケット」という用語は、広義に解釈され、例えば、一定の権限を有することを示す証拠(例えば、代金支払い済みの証拠)となる物体であり、入場券、乗車券、食券、駐車券、切符、カード、トークン、許可証などと称されることもある。
また、対象物の利用権限を獲得するために、ユーザが料金を支払うことを条件とする場合もあれば、ユーザが料金を支払うことを条件とはしない場合もある。後者の場合、対象物の利用権限を獲得するための他の条件として、例えば、ユーザが特定の場所に住んでいるという条件、ユーザが特定の事業体に関係しているという条件、ユーザが特定のクラブ、協会または団体の会員であるという条件、ユーザが特定の資格(例えば、ユーザが、対象物にとっての隣接店舗で所定額以上の買い物をすることによって取得される資格)を有するという条件などがあるが、これらに限定されない。
対象物の一例として駐車場があり、以下、駐車場を例にとり、具体的に検討する。
車両のための複数の駐車位置(駐車スペース、車室など)を有する駐車場が既に広く普及している。この種の駐車場は、駐車位置への車両の搬送方式の観点で分類すると、ユーザが自ら車両を運転して駐車位置に搬送する方式と、パレットやケージを機械的に移動させて車両を機械的に駐車位置に搬送する機械式とに分類される。また、その駐車場は、ユーザに無料で貸される場合もあれば、有料で貸される場合もある。有料駐車場は、ユーザに貸す時間の長さという観点で分類すれば、月極めと、時間貸し(「日貸し」を含む。)とに分類される。
時間貸し駐車場は、駐車料金の支払い方式という観点で分類すれば、駐車開始に先立ってユーザが駐車料金を支払う前払い式(ただし、出庫時に、駐車料金の不足分を支払う可能性を含む。)と、駐車終了時にユーザが駐車料金を支払う後払い式とに分類される。
前払い式の場合には、駐車に先立ち、ユーザが、駐車時間の長さすなわち駐車料金の額を選択するため、駐車場内の設備であるか駐車場外の設備であるかを問わず、それら設備が駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することは不可欠ではない。
これに対し、後払い式の場合には、駐車が終了したときにはじめて、駐車時間の長さすなわち駐車料金の額が決まるため、駐車場内の設備および/または駐車場外の設備(または、ユーザの端末)が駐車時間の長さを計算して駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することが必要となる。
また、前払い式の場合であっても、ユーザの実際の駐車時間の長さが、最初に選択した駐車時間の長さ、すなわち、ユーザが前払いした駐車料金の額に見合う有効駐車時間の長さを超える場合には、ユーザは、その超過分の長さに見合う額の追加駐車料金を後払いすることが必要となる。
そのため、そのような追加駐車料金の後払いに対応可能とするために、前払い式の場合であっても、駐車場内の設備および/または駐車場外の設備(または、ユーザの端末)が駐車時間の長さを計算して駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することが必要となる。
このような背景を有する駐車場においては、駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムが使用される。
この駐車場用発券システムは、有料かつ前払い駐車場については、例えば、ユーザが駐車場に関連付けて駐車料金を前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムとして具体化される可能性がある。
特許文献1−6には、駐車場内に設置された場内設備(例えば、精算機、駐車場端末など)と、駐車場外に設置された場外設備(例えば、サーバ、中央端末など)と、ユーザの端末(例えば、携帯通信端末など)とをそれぞれハードウエア資源として用いて駐車場を管理する技術が開示されている。
それら6件の特許文献のうち、特許文献6には、駐車場の利用権限を有するユーザの通信端末に管理サーバがパスワードを送信し、そのパスワードを通信端末から管理サーバに送信することにより、ユーザが駐車場の利用権限を有するか否かを管理サーバが判定する技術が開示されている。
しかし、それら6件の特許文献はいずれも、駐車場の利用権限を有するユーザにその駐車場の位置において物理的な媒体としてのチケットを発行する点を開示していない。
ユーザによる対象物の利用が行われる現場においてユーザに物理的なチケットを発行するという発券方法は、ユーザが自身の携帯端末自体を物理的なチケットまたは許可証の代替物として使用したり、ユーザが携帯端末上での仮想的なチケットまたは許可証を使用するという商行為が普及する社会にあっては、いささか古典的に見えるかもしれない。
しかし、発券というステージおよびユーザによるチケットの受領というステージに関し、前記対象物を提供、管理または運営する事業体が、携帯端末を有しないか有していてもその使用に不慣れなユーザにも漏れなく対応しようとすることは、すべてのユーザの利便性の向上につながる。
よって、上述の発券方法を存置することは少なくとも公益的観点から望ましい。
一方、ユーザが対象物を利用する権限を獲得するために、ユーザが特定の行為、例えば、対価を支払うという行為を要求されるのが通常である。そして、その特定の行為が、ユーザによる対象物の利用が行われる現場にある設備に対してではなく、その現場とは別の場所にある設備に対して、ユーザが携帯端末などの通信端末を介して行われる場合がある。
この場合、ユーザが特定の行為を行ったという事実、すなわち、原因行為の成立を契機として、現場において発券を行うべきところ、原因行為が成立したという事実を正しく現場に伝えることが必要である。
さらに、原因行為が成立したという事実が偽造されることを防止する対策を講じることが、当該システムの信頼性を高めるために重要である。
以上説明した事情を背景とし、本発明は、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する技術であって、チケットを受領する権限を有しない者にチケットが不正に発行されることを抑止し、それにより、不正行為に対する当該システムの耐性を向上させるものを提供することを課題としてなされたものである。
その課題を解決するために、本発明の第1の側面によれば、駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の発券機を前記複数の駐車場にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システムが提供される。
複数の駐車場にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の発券機を前記複数の駐車場にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システムが提供される。
また、本発明の第2の側面によれば、ユーザが駐車場に関連付けて駐車料金を前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場のそれぞれの発券機を前記複数の駐車場にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システムが提供される。
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場のそれぞれの発券機を前記複数の駐車場にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システムが提供される。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
複数の駐車場にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
(2) 前記必要な行為は、前記標的駐車場に関連付けて、ユーザが駐車料金を電子決済によって前払いする行為を含む(1)項に記載の駐車場用発券システム。
(3) ユーザが駐車場に関連付けて駐車料金を前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
(4) 前記通信端末は、前記認証コードを画面上に表示し、その表示された認証コードは、ユーザによって読み取られて前記標的発券機に入力される(1)ないし(3)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(5) 前記通信端末は、自身の現在位置を測定する測位部を有し、その測位部によって測定された現在位置と前記標的駐車場の位置とが互いに実質的に一致することを条件に、前記認証コードを前記画面上に表示する(4)項に記載の駐車場用発券システム。
(6) 前記発券機は、前記通信端末との距離が設定距離以内であることを条件に前記通信端末との間で近距離無線通信を行う通信デバイスであって、前記通信端末が前記認証コードを送信するとその認証コードを近距離無線通信方式で受信するものを含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(7) 前記通信端末は、ユーザによって携帯される携帯通信端末である(1)ないし(6)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(8) 前記通信端末は、ユーザが乗車して各駐車場に駐車される車両に搭載される車載通信端末である(1)ないし(6)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(9) 前記認証コードは、一度使用されると失効するワンタイムパスワードまたは所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成される(1)ないし(8)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(10) 前記認証コードは、イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成されるか、またはイメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列、英字列もしくは英数字列として構成される(1)ないし(9)項のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
(11) (1)ないし(1)項のいずれかに記載の通信端末としてコンピュータを機能させるプログラム。
本明細書の全体を通じて、「プログラム」という用語は、例えば、それの機能を果たすためにコンピュータにより実行される指令の組合せを意味するように解釈したり、それら指令の組合せのみならず、各指令に従って処理されるファイルやデータをも含むように解釈することが可能であるが、それらに限定されない。
また、このプログラムは、それ単独でコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとしたり、他のプログラムと共にコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとすることができるが、それらに限定されない。後者の場合、本項に係るプログラムは、データを主体とするものとすることができるが、それに限定されない。
(12) (10)または(11)項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
本明細書の全体を通じて、「記録媒体」という用語は、種々な形式の記録媒体を意味するように解釈することが可能であり、そのような記録媒体は、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等を含むが、それらに限定されない。
(13) 前払い式の駐車場に関連付けて駐車料金をユーザが前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが現金決済またはプリペイドカード決済を含む非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが現金決済またはプリペイドカード決済を含む非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
(14) 前記通信端末は、前記複数の駐車場のうち、ユーザの現在位置の近傍にある複数の候補駐車場を画面上に表示し、
それら候補駐車場のうちのいずれかが標的駐車場としてユーザによって選択されると、前記管理サーバは、複数種類の駐車条件を前記通信端末の画面上に表示するための駐車条件データと、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものを含むものを前記通信端末の画面上に表示するための決済方式データとを前記通信端末に送信し、
その管理サーバは、ユーザが、前記通信端末の画面上で、前記複数種類の駐車条件のうちのいずれかと前記複数種類の決済方式のうちのいずれかであって前記電子決済に属するものとを選択すると、前記選択された駐車条件に見合う額の駐車料金を電子決済によって決済し、その後、ユーザに固有の認証コードを前記通信端末と前記標的発券機とに送信し、
前記発券機は、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものと非電子決済に属するものとを含むもののうちのいずれかをユーザが選択することを可能にし、
ユーザが、駐車料金を電子決済するために、前記発券機において、前記電子決済に属する決済方式を選択し、かつ、前記認証コードを入力すると、前記発券機は、前記管理サーバとの通信により、その入力された認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、ユーザにチケットを発行する(13)項に記載の駐車場用発券システム。
それら候補駐車場のうちのいずれかが標的駐車場としてユーザによって選択されると、前記管理サーバは、複数種類の駐車条件を前記通信端末の画面上に表示するための駐車条件データと、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものを含むものを前記通信端末の画面上に表示するための決済方式データとを前記通信端末に送信し、
その管理サーバは、ユーザが、前記通信端末の画面上で、前記複数種類の駐車条件のうちのいずれかと前記複数種類の決済方式のうちのいずれかであって前記電子決済に属するものとを選択すると、前記選択された駐車条件に見合う額の駐車料金を電子決済によって決済し、その後、ユーザに固有の認証コードを前記通信端末と前記標的発券機とに送信し、
前記発券機は、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものと非電子決済に属するものとを含むもののうちのいずれかをユーザが選択することを可能にし、
ユーザが、駐車料金を電子決済するために、前記発券機において、前記電子決済に属する決済方式を選択し、かつ、前記認証コードを入力すると、前記発券機は、前記管理サーバとの通信により、その入力された認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、ユーザにチケットを発行する(13)項に記載の駐車場用発券システム。
(15) ユーザが複数の候補対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を有することを条件にユーザにチケットを発行する発券システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記複数の候補対象物にそれぞれ設置された複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の候補対象物のうちのいずれかを前記標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、チケットをユーザにオフラインで発行する発券システム。
ユーザの通信端末と、
前記複数の候補対象物にそれぞれ設置された複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の候補対象物のうちのいずれかを前記標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、チケットをユーザにオフラインで発行する発券システム。
本発明によれば、ユーザは、駐車場の利用権限を有することを条件に、その駐車場の位置においてチケットを受領できるため、そのユーザが、駐車が必要であるときには、通信端末を携帯していることも、その通信端末上で仮想的なチケットを生成することも不要となる。
したがって、本発明によれば、ユーザは、駐車が必要であるときに、通信端末を携帯していなくても、駐車場を利用することが可能となり、その結果、駐車場を所有および/または管理する側としては、広範なユーザ層を駐車場の顧客として取り込むことが可能となる点で有利である。
さらに、本発明によれば、ユーザ全員に通信端末を携帯していることを強制すれば技術的にはユーザ全員がチケットレス化という利便性を享受することが可能であるところ、ユーザ全員に差別なく、物理的な媒体としてのチケットが発行され、ユーザ全員が差別なく統一的にチケットの使用を強制され、その代わりに、ユーザ全員が通信端末の携帯を強制されずに済むというユーザ側の自由度が生まれる。
さらに、本発明によれば、駐車場に設置されている設備が電子決済に対応できない場合であっても、ユーザは、自身が通信端末を携帯することを条件に、駐車料金を電子決済すなわちオンライン決済によって支払うことが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上し、さらに、キャッシュレス社会の普及にも資する。
さらに、本発明によれば、ユーザは、電子決済を行うために、通信端末を介して駐車場外の設備にアクセスして駐車場の利用権限を獲得する一方で、利用権限を獲得すると、駐車場内の設備からチケットを受領するというように、利用権限を獲得するための原因行為と、利用権限を獲得した代償としてチケットを受領するという結果行為とが、同じ場所で同時に発生するのではなく、異なる場所で異なる時刻に発生する。
このように、原因行為と結果行為との間に同地性および同時性が成立しないと、別の者が本人になりすましてチケットを受領するという不正行為が発生する余地がある。
これに対し、本発明によれば、原因行為が発生した時点で、利用権限が存在することを表す認証コードであってユーザに固有のものが駐車場外の設備からユーザ本人の通信端末のみに個別に送信される。
ユーザは、その認証コードを、秘密に管理しつつ、駐車場内の設備に通信端末を介するかまたは介することなく入力する。
したがって、その認証コードがユーザの意に反して漏洩しない限り、別の者が本人になりすましてチケットを受領するという不正行為が発生する余地がなくなり、その結果、当該システムの信頼性が向上する。
以下、本発明のさらに具体的な例示的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
<全体のハードウエア構成>
まず、図1を参照するに、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場管理システム(以下、単に「システム」という。)10は、複数の駐車場20(図1には、それら駐車場20のうちの代表的な駐車場20のみが図示されている)を管理するためのシステムである。各駐車場20は、複数台の車両24が駐車可能な複数の車室26を備えている。このシステム10は、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場用発券システムの一例(発券システムの一例)を組み込んでいる。
具体的には、このシステム10は、ユーザの携帯端末すなわち携帯通信端末(前記「通信端末」の一例)90と、各駐車場20に設置される券売機(前記「発券機」の一例)30と、各駐車場20にとっての遠隔地にある管理センタ40によって運営・管理される管理サーバ50とを有するように構成される。
券売機30は、後に詳述するが、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、発券機能と、通信機能とを有するように設計されている。これに対し、管理サーバ50は、複数の駐車場20、すなわち、それら駐車場20にそれぞれ設置された複数の券売機30を遠隔地において集中的に管理する。
ここに、「電子決済」は、現金およびプリペイド式ICカードを用いないで行う決済をいい、例えば、クレジットカード決済、キャリア決済、電子マネー決済などが該当する。また、「非電子決済」は、例えば、現金決済、プリペイド式ICカード決済(単に「カード決済」ともいう。)、ユーザごとに個別に会員ポイント・カードに電子的に記録された特典としてのポイントから代金を支払うポイント決済など)が該当する。
また、「電子決済」および「非電子決済」は、それぞれ、オンライン決済およびオフライン決済として分類することが可能であり、また、それぞれ、遠隔決済および現地決済として分類することも可能である。
このシステム10は、概略的に説明すれば、複数の駐車場20(複数の候補対象物)にとっての遠隔地においてユーザがそれら駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20としてオンラインで選択するとその標的駐車場20がある現場においてユーザに対してチケット(駐車券、利用権限証など)34(図8(c)参照)をオフラインで発行するように構成される。
具体的には、このシステム10は、ユーザが、携帯端末90上で複数の駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択し、かつ、その標的駐車場20の利用権限を獲得するために必要な行為(例えば、駐車料金の電子決済)を、携帯端末90を介し、管理サーバ50に対して行うと、その管理サーバ50が、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コード(例えば、後述の例においては、「会員ID」)であってユーザに固有のものを、携帯端末90と、標的駐車場20に設置されている標的券売機30とにそれぞれ送信するように構成されている。
ここで、「認証コード」は、本実施形態においては、券売機30を介することなく、管理サーバ50を介して決済サーバ60を用いて電子決済を行う資格を獲得するために加入されるクラブの会員の識別情報としての会員IDである。
具体的には、会員IDは、本実施形態においては、一度使用されると失効するワンタイムパスワードとして構成されるが、これに代えて、例えば、発行時刻から所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成してもよい。後者によれば、前者より、会員IDがユーザ以外の他人に露出可能な時間が短縮されるなどの理由で、会員IDのセキュリティが向上する。
さらに、会員IDは、本実施形態においては、券売機30が有するかもしれないイメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列、英字列もしくは英数字列として構成されるが、これに代えて、例えば、前記イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成してもよい。後者によれば、前者より、会員IDがユーザ以外の他人に露出してもその会員IDが漏洩しないなどの理由で、会員IDのセキュリティが向上する。
このシステム10においては、標的券売機30が、ユーザから入力された認証コードと、管理サーバ50から受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、物理的なチケット34をユーザにオフラインで(例えば、携帯端末90の如き通信機器を使用せずに)発行するように構成されている。
<券売機のハードウエア構成>
図2には、図1に示す券売機30の例示的なハードウエア構成がブロック図で表されている。図示するように、券売機30は、プロセッサ62およびメモリ63を有するコンピュータ64を有する。
この券売機30は、さらに、入力デバイス66(例えば、タッチパネル、仮想的または物理的なキーパッド、音声入力デバイスなど)と、管理サーバ50との間で遠距離無線通信を行う通信機能を有する通信デバイス68と、必要な情報を可視化して表示する表示デバイス70(例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機ディスプレイなど)と、発券ユニット72とを有する。
通信デバイス68は、さらに、携帯端末90との間で近距離無線通信を行う通信機能も有してもよい。
図7に示す例においては、入力デバイス66および表示デバイス70が、タッチパネル80として具現化されている。タッチパネル80は、表示面と、感圧型または静電型の操作面とを有する。
図7に示す例においては、発券ユニット72が、回転可能なロール(図示しない)に巻き付けられた連続シートがそのロールから巻き剥がされながらプリンタ74に供給されるように構成される。そのプリンタ74により、必要な情報が前記連続シートに印刷され、その連続シートのうちの先端部がカッタ(図示しない)により、必要長さにカットされて券売機30から、図7(c)に例示するように、排紙される。
<携帯端末のハードウエア構成>
ユーザの携帯端末90は、ユーザによって携帯されるとともに無線通信機能を有するデバイス、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、PDAなどである。また、携帯端末90は、ユーザの通信端末の一例であり、その通信端末は、ユーザによって携帯されないもの、例えば、車載通信端末でもよい。
次に、図3を参照して携帯端末90のハードウエア構成を説明するに、携帯端末90は、プロセッサ130およびそのプロセッサ130によって実行される複数のプログラム(「アプリケーション」ともいう)を記憶するメモリ132を有するコンピュータ134を主体として構成されている。
この携帯端末90は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)136と、管理サーバ50からの信号を受信する受信部138と、信号を生成してその信号を管理サーバ50に送信する送信部140とを有する。
この携帯端末90は、さらに、ユーザからデータやコマンドを入力するための入力部150を有する。その入力部150は、例えば、所望の情報(例えば、コマンド、データなど)を携帯端末90に入力するためにユーザによって操作可能な操作部を有する。その操作部としては、ユーザによって操作可能なアイコン(例えば、仮想的なボタン)を表示するタッチスクリーン、ユーザによって操作可能な物理的な操作部(例えば、キーボード、キーパッド、ボタンなど)、音声を感知するマイクなどがあるが、これらに限定されない。
この携帯端末90は、さらに、GPS(衛星測位システム)受信機152を有する。GPS受信機152は、よく知られているように、複数のGPS衛星から複数のGPS信号を受信し、それらGPS信号に基づき、GPS受信機152の地球上における位置(緯度、経度および高度)を三角測量によって測定する。このように、携帯端末90は、自身の現在位置を測定する測位部を有する。
その測位部は、他の形式で実施することも可能であり、例えば、携帯端末90が通信中に経由する複数の基地局(図示しない)のそれぞれの空間座標値に基づき、携帯端末90の地上における位置を三角測量によって測定する形式で実施してもよい。
さらに、その測位部は、標的駐車場20に設置された発信機(図2に示す通信デバイス68内に組み込まれてもよい)であって固有の発信機IDを表す信号を発信するものを用いて、発信機IDと空間座標値との間に予め定められた関係であって携帯端末90の+メモリ132に記憶されているものに従って携帯端末90の現在位置を測定してもよい。
この携帯端末90は、さらに、自身の加速度を検出する加速度センサ154を内蔵している。その加速度センサ154は、携帯端末90に搭載されているため、携帯端末90と一体的に振動し、その結果、加速度センサ154自体に作用する加速度を、携帯端末90およびそれを携帯しているユーザに作用する加速度と等価なものとして検出する。
この加速度センサ154の型式は、例えば、半導体ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型などである。一例においては、この加速度センサ154が、X軸、Y軸およびZ軸という3軸方向の加速度Gx,Gy,Gzを個々に検出し、それら3つの検出値Gx,Gy,Gzの合成値Grとして1つの代表加速度を出力するように設計することが可能である。
<管理サーバのハードウエア構成>
次に、図4を参照して管理サーバ50のハードウエア構成を説明するに、管理サーバ50は、プロセッサ160およびそのプロセッサ160によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ162を有するコンピュータ164を主体として構成されている。
この管理サーバ50は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)166と、券売機30の通信デバイス68および携帯端末90からの信号を受信する受信部168と、信号を生成してその信号を券売機30の通信デバイス68および携帯端末90に送信する送信部170と、時計172とを有する。
<発券シーケンス>
図5には、システム10によって実行される駐車場管理方法、特に、発券シーケンスの一例が概念的に工程図で表されている。
この工程図は、複数のフェーズが時系列的に並んでいる。まず、予約フェーズにおいて、第1工程においては、タイミングt1で、図6(a)に例示するように、ユーザの現在位置の周辺にある複数の駐車場20が複数の候補駐車場20(P1,P2,P3)として携帯端末90の画面92上に表示され、これにより、ユーザが複数の候補駐車場20に仮想的に案内される。その表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
この予約フェーズは、ユーザが標的駐車場20に到着する前に、地図上の任意の位置で実行される。もちろん、ユーザが標的駐車場20に到着した後に、その場所で予約フェーズを実行してもよい。
同じ予約フェーズにおいて、第2工程においては、ユーザが画面92上で、複数の候補駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択する。図6(a)に示す例においては、駐車場P1が標的駐車場20として選択された。
次に、決済フェーズにおいて、第1工程においては、タイミングt2で、図6(b)に例示するように、画面92上に複数の候補駐車条件が表示される。本実施形態においては、駐車条件が券種、すなわち、チケット34である駐車券の種類として定義されている。例えば、ユーザは、券種Aを購入すると、300円の駐車料金で、その金額に見合う長さの時間、標的駐車場20に駐車することを許可される。前記複数の候補駐車条件の表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
同じ決済フェーズにおいて、第2工程においては、タイミングt3で、図7(a)に例示するように、画面92上に会員決済という区分と、現金決済という区分とが表示される。
ユーザが会員決済を選択すると、ユーザが、会員として登録され、その特典として、券売機30が電子決済に対応できないにもかかわらず、ユーザは携帯端末90を介し、オンラインで電子決済によって駐車料金を前払いすることが可能となる。会員決済が選択されると、複数の候補電子決済条件が表示される。複数の候補電子決済条件の表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
これに対し、ユーザが現金決済を選択すると、ユーザが標的駐車場20において券売機30に現金を投入して決済するか、ICカードを券売機30のスロット内に挿入して決済するか、ユーザに付与されているポイント・カードを用いて決済することが可能となる。
図7(a)に示す例においては、ユーザによって会員決済が選択され、さらに、電子決済Xが選択された。
同じ決済フェーズにおいて、第3工程においては、タイミングt4で、図7(b)に例示するように、選択された券種に対応する駐車料金が、選択された電子決済方法を用いて電子決済される。具体的には、携帯端末90から管理サーバ50に電子決済リクエストが送信され、それを受けて管理サーバ50が決済サーバ60に電子決済を指示する。
同じ決済フェーズにおいて、第4工程においては、タイミングt5で、図7(c)に例示するように、駐車料金の決済が完了した代償として、標的駐車場20を利用する権限がユーザに付与されたことを表す認証コードとしての会員IDが管理サーバ50によって設定される。
管理サーバ50は、その会員IDをユーザの携帯端末90に送信し、その会員IDが、図7(c)に例示するように、画面92上に表示され、その結果、ユーザは、自分の会員IDを知得し、入手することになる。
やがてユーザは車両24を運転して標的駐車場20に入庫させ、このとき、利用フェーズが開始される。
この利用フェーズにおいては、車両24が標的駐車場20に入庫する入庫ステージと、車両24が標的駐車場20から出庫する出庫ステージとが順に実行される。
まず、入庫ステージにおいて、第1工程においては、タイミングt11で、図8(a)に例示するように、券売機30のタッチパネル80上に複数の候補決済方法が表示される。それら候補決済方法は、現金決済と、ICカードを用いたICカード決済と、ポイントを用いたポイント決済と、前述の会員決済とを有する。
ユーザが、上述の決済フェーズにおいて、会員決済(電子決済)ではなく、現金決済を選択した場合には、券売機30において、現金決済と、ICカードを用いたICカード決済と、ポイントを用いたポイント決済とのうちのいずれかを選択することになり、この場合には、その選択した決済を券売機30を介して実行する。
これに対し、ユーザが、上述の決済フェーズにおいて、図7(a)に示すように、会員決済(電子決済)を選択した場合には、券売機30において、会員決済を選択することになる。
同じ入庫ステージにおいては、会員決済が選択されると、第2工程に移行する。
この第2工程においては、タイミングt12で、図8(b)に例示するように、券売機30のタッチパネル80上に仮想的なテンキーが表示される。ユーザは、そのテンキーを操作することにより、携帯端末90が管理サーバ50から受信した会員IDを券売機30に入力する。
この第2工程に後続して第3工程が実行される。この第3工程においては、券売機30に入力された会員IDと、管理サーバ50に登録されている会員IDとの間の照合に成功するか否かが判定される。ユーザについて認証が行われるのである。
この認証は、会員IDがユーザまたはユーザIDと1対1に対応するという相関関係に着目すると、個人認証と考えることが可能である。これに対し、この認証は、会員IDがユーザの車両24と1対1に対応するという相関関係に着目すると、車両認証と考えることが可能であり、さらに、会員IDが標的駐車場20という不動産(土地への定着物)またはその標的駐車場20が設置されている地図上位置と1対1に対応するという相関関係に着目すると、駐車場認証または場所認証と考えることも可能である。
一例においては、券売機30が、管理サーバ50と通信することにより、券売機30に入力された会員IDと同一のものが管理サーバ50に登録されているか否かを判定する。
この第3工程に後続して第4工程が実行される。この第4工程においては、券売機30の発券ユニット72が、ユーザに適合したチケット34を作成して発行する。ユーザは、その発行されたチケット34を携帯する。一例においては、そのチケット34に、標的駐車場20の名称、ユーザが選択した券種、駐車料金の額、チケット34の発行日時(または入庫時刻)などの駐車関連情報が印刷される。
<システムのソフトウエア構成>
<駐車場の予約および電子決済による駐車料金の前払い>
図9は、ユーザによる駐車場の予約および電子決済による駐車料金の前払い(前述の予約フェーズおよび決済フェーズにおいて実行される処理)を可能にするために携帯端末90および管理サーバ50によってそれぞれ実行されるプログラムの一例が概念的にフローチャートで表されている。
駐車料金を任意の場所でオンラインで電子決済することを希望するユーザは、図9のプログラムの実行により、標的駐車場20の予約(駐車を行う場所の予約と、チケット34の券種に応じて決まる駐車時間帯の予約)と前払い駐車料金の電子決済とをいずれもオンラインで行うことになる。
これに対し、駐車料金を標的駐車場20の位置においてオフラインで非電子決済することを希望するユーザは、図9のプログラムの実行により、標的駐車場20の予約はオンラインで行われるが、前払い駐車料金の非電子決済はオフラインで行うことになる。
携帯端末90は、まず、ステップS901において、ユーザが管理サーバ50に対するログイン・リクエストを指令し、次に、ステップS902において、そのログイン・リクエストを、ユーザのユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS931において、前記ログイン・リクエストを受信し、次に、ステップS932において、携帯端末90との間での接続(通信)を確立する。
これに対し、携帯端末90は、ステップS903において、前記GPSを用いることにより、自身の現在位置を測定する。続いて、ステップS904において、その測定された現在位置をユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS933において、それら現在位置およびユーザIDを携帯端末90から受信する。続いて、ステップS934において、メモリ162を検索することにより、管理サーバ50によって管理される複数の駐車場20のうち、受信した現在位置の近傍(現在位置を中心として半径が所定距離である範囲内)にあるものを複数の候補駐車場20として選択する。
その後、管理サーバ50は、ステップS935において、それら選択された複数の駐車場20のそれぞれの空間座標値を表す駐車場データと、現在位置の近傍の地図を表す地図データとを携帯端末90に送信する。
これに対し、携帯端末90は、ステップS905において、管理サーバ50から駐車場データと地図データとを受信する。続いて、ステップS906において、その地図データに基づき、図6(a)に例示するように、画面92上に周辺地図を表示し、さらに、駐車場データによって位置が特定される複数の候補駐車場20のそれぞれの位置を示す複数のマーカー(例えば、P1,P2,P3の各記号がそれぞれ枠に囲まれて成る複数の図形)を前記周辺地図上にオーバーレイ表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS907において、画面92上をユーザが指でタップした位置に従い、複数の候補駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択する。続いて、携帯端末90は、ステップS908において、標的駐車場20を特定する情報(例えば、駐車場ID)をユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して標的駐車場20を予約することになる。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS936において、携帯端末90から標的駐車場20を特定する情報とユーザIDとを受信する。続いて、ステップS937において、図13に例示するように、標的駐車場20(駐車場ID)をユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存する。
図13には、管理サーバ50のメモリ162に保存される管理リストの一例が概念的に表されている。その管理リストには、駐車に関連する複数の情報が互いに紐付けられた状態で保存される。例えば、この管理リストにおいては、各ユーザごとに、駐車に関連する複数の情報が互いに紐付けられた状態で保存される。
管理サーバ50は、その後、ステップS938において、メモリ162を検索することにより、標的駐車場20に予め割り当てられている複数の券種(券種が選択されると、前払い駐車料金および有効駐車時間が決まる)を表すデータを料金関連情報として読み出す。さらに、標的駐車場20の名称を表す名称情報と、その標的駐車場20の所在地を表す位置情報と、標的駐車場20の概略的な外観を表す画像情報とをメモリ162から読み出す。その後、ステップS939において、それら情報の集まりを駐車関連情報として携帯端末90に送信する。
これに対し、携帯端末90は、ステップS909において、その駐車関連情報を管理サーバ50から受信する。続いて、ステップS910において、その駐車関連情報に基づき、図6(b)に例示するように、標的駐車場20の名称と、その標的駐車場20の所在地と、標的駐車場20の概略的な外観を表す画像と、ユーザが選択可能な複数の券種(例えば、券種A,券種B,券種C)とを画面92上に表示する。
続いて、携帯端末90は、ステップS911において、ユーザからの指令に応じ、いずれかの券種を選択する。図6(b)に示す例においては、券種Aが選択された。続いて、ステップS912において、選択された券種を特定するデータをユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して駐車時間帯を予約することになる。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS940において、選択された券種を特定するデータをユーザIDに関連付けて携帯端末90から受信する。続いて、ステップS941において、券種と駐車料金との間に予め定められた関係であってメモリ162に予め記憶されているものに従い、選択された券種に対応する駐車料金の額を決定する。この処理に注目することにより、管理サーバ50が駐車料金を計算する料金計算機能を有すると解釈することが可能である。
その後、管理サーバ50は、ステップS942において、標的駐車場20における複数の車室26のうち空車状態にあるもののうちのいずれかをユーザ用の車室26として選択する。続いて、ステップS943において、図13に例示するように、選択された券種と、決定された駐車料金とを、選択された車室26とをユーザIDに関連付けて管理リストに保存する。
図10には、図9に示すそれぞれのプログラムの続きの一例と、ユーザによる電子決済を可能にするために決済サーバ60によって実行されるプログラムの一例とが概念的にフローチャートで表されている。
まず、管理サーバ50は、ステップS1031において、駐車場20と、ユーザが利用可能な電子決済の方法との間に予め定められた関係であってメモリ162に予め記憶されているものに従い、標的駐車場20に対応する複数の電子決済方法を決定する。
続いて、管理サーバ50は、ステップS1032において、前記選択された車室26を特定するデータ(車室番号)と、前記決定された複数の電子決済方法を特定するデータとを携帯端末90に送信する。
これに対し、携帯端末90は、ステップS1001において、管理サーバ50から車室26と複数の電子決済方法とを受信する。続いて、ステップS1002において、図7(a)に例示するように、車室26の番号と、決済方法についての2つの選択肢としての会員決済および現金決済(前述のように、ICカード決済およびポイント決済をも含む用語、すなわち、非電子決済を意味する用語)と、会員決済を選択した場合に利用可能な複数の電子決済方法とを画面92上に表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS1003において、ユーザからの指令に従い、いずれかの決済方法を選択する。図7(a)に示す例においては、会員決済が選択された。続いて、ステップS1004において、ユーザが会員決済を選択したか否かを判定する。
会員決済を選択した場合には、ステップS1004の判定がYESとなり、ステップS1005において、ユーザからの指令に従い、いずれかの電子決済方法を選択する。図7(a)に示す例においては、電子決済方法Xが選択された。
続いて、携帯端末90は、ステップS1006においては、ユーザが、電子決済方法Xでの電子決済を決済サーバ60が実行するために必要な電子決済必要情報、例えば、ユーザの個人の銀行口座情報を入力すれば、それを受け付ける。その後、ステップS1007において、会員決済が選択されたことと、選択された電子決済方法と、ユーザから入力された電子決済必要情報とをユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して駐車料金の電子決済をリクエストすることになる。
これに対し、ユーザが会員決済ではなく現金決済(非電子決済)を選択した場合には、ステップS1004の判定がNOとなり、ステップS1005−S1011の実行がスキップされてステップS1012に移行し、そこで、携帯端末90の一回の処理が終了する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1033において、携帯端末90から、会員決済が選択されたことと、選択された電子決済方法と、ユーザから入力された電子決済必要情報とをユーザIDに関連付けて受信する。続いて、ステップS1034において、ユーザにつき、電子決済リクエストを、必要な情報(例えば、前述の銀行口座情報、金額情報など)と共に決済サーバ60に送信する。
これに対し、決済サーバ60は、ステップS1051において、管理サーバ50から電子決済に必要な情報を受信し、続いて、ステップS1052において、電子決済を実行する。その電子決済が完了すると、ステップS1053において、電子決済が完了したことを表す決済完了信号を管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1035において、その決済完了信号を決済サーバ60から受信し、続いて、ステップS1036において、ユーザが標的駐車場20を正当に利用できる権限を獲得したことを表す認証コードとして会員IDをユーザに固有のものとして発行する。
管理サーバ50は、その会員IDをワンタイムパスワードまたは時限パスワードとして構成し、それにより、同じ会員IDが同じユーザによって再度、不当に使用されたり、別のユーザによって不当に使用されるという不正行為を防止することができる。
会員IDがワンタイムパスワードである場合には、管理サーバ50は、券売機30から受信した信号に基づき、その会員IDがユーザによって使用されたか否かを判定し、使用済であると、その会員IDをメモリ162の管理リストから消去する。
これに対し、会員IDが時限パスワードである場合には、管理サーバ50は、その会員IDの発行時刻から所定時間が経過したか否かを判定し、経過すると、その会員IDをメモリ162の管理リストから消去する。
さらに、管理サーバ50は、図13に例示するように、その会員IDをユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存し、さらに、その会員IDを携帯端末90に送信する。
これに対し、携帯端末90は、ステップS1008において、管理サーバ50から会員IDを受信し、続いて、ステップS1009において、その会員IDをメモリ132に保存する。
その後、携帯端末90は、ステップS1010において、図7(b)に例示するように、電子決済が完了したことを表すメッセージを、決済金額および券種と共に、画面92上に表示する。続いて、ステップS1011において、図7(c)に例示するように、管理サーバ50から受信した会員IDを画面92上に表示する。その表示結果から、ユーザは、自分に付与された会員IDを知ることができる。
その後、携帯端末90は、ステップS1012に移行し、一回の処理を終了する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1036の実行後、ステップS1037において、時計166を用いて現在時刻を計測し、その時刻を、ユーザが標的駐車場20に入庫した時刻(例えば、ユーザが決済した駐車料金の額に見合う長さの有効駐車時間の開始時刻)として用いる。続いて、ステップS1038において、図13に例示するように、その入庫時刻をユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存する。
<真正な会員IDの入力と引き換えに行われる発券処理>
図11には、チケット34の発券(前述の利用フェーズのうちの入庫ステージにおいて実行される処理)のために券売機30および管理サーバ50によってそれぞれ実行されるプログラムの一例が概念的にフローチャートで表されている。
ところで、券売機30は、管理サーバ50から過去にダウンロードされたメモリ63(図2参照)に保存される会員IDの内容を適宜、最新のものに更新するために、管理サーバ50に適宜アクセスし、図13に例示する管理リストに登録されている現に有効な複数の会員IDを管理サーバ50からダウンロードする。
そのダウンロードのための管理サーバ50へのアクセスのタイミングは、図11に示す例においては、新たな会員IDがユーザから入力されたか否かを問わず、所定の時間的条件が成立する(例えば、1分ごとに、5分ごとに)と、自動的に管理サーバ50にアクセスするというものである。
このダウンロード手法によれば、券売機30は、新たな会員IDの入力を待つことなく、会員IDの最新状態を知ることができる。ここに、管理サーバ50における会員IDの変化(例えば、会員ID数の変化)は、最新の会員IDが券売機30に入力される前に出現するから、券売機30は、例えば、管理サーバ50のダウンロード結果から最新の会員ID数を把握し、それを用いて、標的駐車場20の稼働率(満空状態)の将来の変化を予想することが可能となる。
これに対し、前記ダウンロードのための管理サーバ50へのアクセスのタイミングは、新たな会員IDがユーザから券売機30に入力されると、そのタイミングで、券売機30が管理サーバ50にアクセスするというものであってもよい。
まず、券売機30が、ステップS1101において、ダウンロード・リクエストを、標的駐車場30の駐車場IDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1131において、そのダウンロード・リクエストを受信し、メモリ162において、標的駐車場30に関連付けて保存されている複数の会員ID(現時点で有効な複数の会員ID)を検索し、続いて、ステップS1133において、それら会員IDを券売機30に送信する。
これに対し、券売機30は、ステップS1102において、それら会員IDを管理サーバ50からダウンロードし、続いて、ステップS1103において、それら会員IDをメモリ63に保存し、それにより、メモリ63の内容を会員IDに関して更新する。
その後、券売機30は、ステップS1104において、図8(a)に例示するように、複数の決済方法をタッチパネル80上に表示する。図示の例においては、それら決済方法として、現金決済、ICカード決済、ポイント決済および会員決済(電子決済)がある。
続いて、券売機30は、ステップS1105において、ユーザからの指令に従い、表示されている複数の決済方法のうちのいずれかを選択する。その後、ステップS1106において、ユーザが会員決済という決済方法を選択したか否かを判定する。
会員決済が選択されなかった場合には、ステップS1106の判定がNOとなり、ステップS1107−S1111がスキップされてステップS11112に移行し、そこで、券売機30の一回の処理が終了する。
これに対し、会員決済が選択された場合には、ステップS1106の判定がYESとなり、券売機30は、ステップS1107において、図8(b)に例示するように、テンキーをタッチパネル80上に表示する。
続いて、券売機30は、ステップS1108において、ユーザが、前記テンキーを操作すると、その数字列を会員IDとして受け付ける。図示の例においては、会員IDが、イメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列として構成されているが、これに代えて、前記テンキーをそれよりキー数が多いキーパッドに交換することを条件に、英字列として構成しても英数字列として構成してもよい。
また、会員IDを、イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成してもよい。その場合には、券売機30がイメージ・リーダーを搭載することが重要であるかもしれない。
その後、券売機30は、ステップS1109において、ユーザによって入力された会員IDと、メモリ63に保存されている複数の会員IDとの間の照合に成功するか否か、すなわち、それら会員IDのうちのいずれかと一致するか否かを判定する。その照合に成功しないと、ステップS1108に戻り、ユーザに対し、会員IDの再入力を催促するが、成功すれば、ステップS1109の判定がYESとなり、ステップS1110に移行する。
券売機30は、そのステップS1110において、図8(c)に例示するように、発券ユニット72を用いてチケット34を印刷して発行する。続いて、ステップS1111において、発券が完了したことを表す発券完了信号を会員IDまたはユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1134において、発券完了信号と会員IDまたはユーザIDとを券売機30から受信し、続いて、ステップS1135において、図13に例示する管理リストを、その会員IDに対応するユーザに対してチケット34が発行されたという事実を反映するように更新することが必要となるかもしれない。
<タイミング限定型会員ID表示>
画面92上に表示される会員IDは、本来、正当な本人のみに知られて券売機30に入力されるというように、使用者限定の秘匿性の高い情報である。同じ会員IDを別の者が盗んでそれを勝手に券売機30に入力すると、その不正行為者は、駐車料金を支払うことなく、標的駐車場20の利用権限を獲得してしまう。
このような情報漏洩の可能性を軽減するためには、例えば、会員IDが画面92上に表示されるタイミングおよび/またはその表示が行われるときの携帯端末90の位置を制限することが有効である。
具体的には、例えば、携帯端末90が標的駐車場20に接近し、その標的駐車場20から所定距離の範囲内にある場合に、会員IDの画面92上での表示を許可したり、携帯端末90が標的駐車場20に設置されている標的券売機30に接近し、その標的券売機30から所定距離の範囲内にある場合に、会員IDの画面92上での表示を許可することが有効である。
図12には、携帯端末90が管理サーバ50から受信した会員IDを特定のタイミングで画面92上に表示するために携帯端末90によって実行されるプログラムの一例が概念的に表されている。
携帯端末90は、まず、ステップS1201において、前述の測位部を用いて現在位置を測定する。次に、ステップS1202において、その現在位置が、標的駐車場20の代表地点から所定距離の範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、標的駐車場20の空間座標値であって前述のようにして管理サーバ50からダウンロードされてメモリ132に保存されているものを、その標的駐車場20の代表地点として用いる。
現在位置が標的駐車場20の近傍でなければ、ステップS1202の判定がNOとなり、ステップS1201に戻るが、近傍であれば、その判定がYESとなり、ステップS1203において、携帯端末90はメモリ132から会員IDを読み出す。
続いて、ステップS1204において、その会員IDを画面92上に表示する。その結果、その会員IDが管理サーバ50から受信した時刻から、ステップS1202の判定がYESとなった時刻までの期間は、会員IDが、他人にはもちろん、ユーザ本人にも告知されない。
その後、携帯端末90は、ステップS1205において、ユーザにより、画面92上で確認ボタン(図示しない)がタップされたか否かを判定する。タップされていない場合には、ステップS1204に戻るが、タップされると、ユーザが会員IDを見る必要性はもはや消滅したとして、画面92からその会員IDを消去する。
以上説明した実施形態においては、会員IDが携帯端末90の画面92上に表示されると、ユーザは、その会員IDを読み取って券売機30にタッチパネル80を介して手入力する。
これに代えて、券売機30の通信デバイス68が、携帯端末90との距離が設定距離以内であることを条件に携帯端末90との間で近距離無線通信を行う受信機であって、携帯端末90が前記会員IDを送信するとその会員IDを近距離無線通信方式で受信するものを含む態様で本発明を実施してもよい。
この態様であれば、会員IDは、ユーザ本人はもとより、他人にも露出させられることはないため、その会員IDが他人によって不正に利用される可能性が解消される。
以上、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する技術の一例として、駐車場20の利用権限をユーザが有することを条件に駐車場20の位置においてユーザにチケット34を発行する技術を説明したが、「対象物」として駐車場以外のものを選択して本発明を実施することが可能である。
具体的には、「対象物」としては、例えば、公共交通機関(例えば、列車、バス、飛行機など)の停車場(例えば、駅、バス停、空港など)または公共交通機関内の各座席;観客収容施設;飲食店または飲食店内の各テーブル;図書館などの公共施設または各座席;宿泊施設(例えば、ホテルまたは各部屋、旅館または各部屋、民泊(住宅宿泊)のための居宅または各部屋);ロッカー・ルーム、ロッカー・ルーム内の各ロッカーまたは各ロッカー内の各個室などがあるが、これらに限定されない。
以上、本発明の例示的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
Claims (13)
- 駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。 - 前記必要な行為は、前記標的駐車場に関連付けて、ユーザが駐車料金を電子決済によって前払いする行為を含む請求項1に記載の駐車場用発券システム。
- ユーザが駐車場に関連付けて駐車料金を前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。 - 前記通信端末は、前記認証コードを画面上に表示し、その表示された認証コードは、ユーザによって読み取られて前記標的発券機に入力される請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 前記通信端末は、自身の現在位置を測定する測位部を有し、その測位部によって測定された現在位置と前記標的駐車場の位置とが互いに実質的に一致することを条件に、前記認証コードを前記画面上に表示する請求項4に記載の駐車場用発券システム。
- 前記発券機は、前記通信端末との距離が設定距離以内であることを条件に近距離無線通信を行う通信デバイスであって、前記通信端末が前記認証コードを送信するとその認証コードを近距離無線通信方式で受信するものを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 前記通信端末は、ユーザによって携帯される携帯通信端末である請求項1ないし6のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 前記通信端末は、ユーザが乗車して各駐車場に駐車される車両に搭載される車載通信端末である請求項1ないし6のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 前記認証コードは、一度使用されると失効するワンタイムパスワードまたは所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成される請求項1ないし8のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 前記認証コードは、イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成されるか、またはイメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列、英字列もしくは英数字列として構成される請求項1ないし9のいずれかに記載の駐車場用発券システム。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の通信端末としてコンピュータを機能させるプログラム。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の管理サーバとしてコンピュータを機能させるプログラム。
- 請求項11または12に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
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JP2021008529A Pending JP2021061071A (ja) | 2019-10-04 | 2021-01-22 | 駐車場用発券システム |
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JP (1) | JP2021061071A (ja) |
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2021
- 2021-01-22 JP JP2021008529A patent/JP2021061071A/ja active Pending
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