以下実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、ユーザは主として金融機関の職員、特に銀行で融資、コンサルティング、ビジネスマッチングを担当し、顧客企業に対して種々の提案を行っている行員を想定している。ユーザ企業はユーザが所属する企業である。業者は主として企業向けに問題・課題解決のためのソリューションを提供している企業を想定している。顧客はエンドユーザを想定している。顧客は上記ユーザから見た顧客である。以下の説明において、「問題」は、企業が目標とするものと、現状との間にあるギャップのことであり、目標達成のために、解決しなければならない事柄を示す。「課題」は、目標と現状とのギャップを埋めるために、やるべきことを示す。
(実施の形態1)
図1は提供システムの構成例を示す説明図である。提供システム100は提供サーバ1、ユーザ端末2、業者端末3及び顧客端末4を含む。提供サーバ1、ユーザ端末2、業者端末3及び顧客端末4は、ネットワークNにより、互いに通信可能に接続されている。図1ではユーザ端末2、業者端末3及び顧客端末4は1台ずつしか記載されていないが、それぞれが2台以上であってもよい。
図2は提供サーバのハードウェア構成例を示す説明図である。提供サーバ1(出力装置)はサーバコンピュータ、ワークステーション、ブレードサーバ等で構成する。提供サーバ1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。また、提供サーバ1の機能をクラウドサービスにより提供してもよい。
提供サーバ1は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15を含む。制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15はバスBにより接続されている。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。制御部11は、補助記憶部13に記憶された制御プログラム1P(コンピュータプログラム)を読み出して実行することにより、提供サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う機能部(取得部、特定部、出力部)として、機能する。
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は主として制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
補助記憶部13はハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等であり、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pや各種DB(Database)を記憶する。補助記憶部13は、ユーザDB131、ユーザ企業DB132、対象企業DB133、課題類型DB134、典型課題DB135、検索履歴DB136、事例DB137、依頼DB138、商材DB139、商材実績DB13A、商材評価DB13B、登録商材DB13C、閲覧履歴DB13D、ブックマークDB13E及び業者DB13F等を記憶する。補助記憶部13は提供サーバ1に内蔵されるのではなく、提供サーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。補助記憶部13に記憶する各種DB等を、データベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
通信部14はネットワークNを介して、ユーザ端末2、業者端末3及び顧客端末4と通信を行う。また、制御部11が通信部14を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。
読み取り部15はCD(Compact Disc)−ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)−ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部15を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、補助記憶部13に記憶してもよい。また、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
図3はユーザ端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2はノートパソコン、パネルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等で構成する。ユーザ端末2は制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、入力部25及び表示部26を含む。各構成はバスBで接続されている。
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部21は、補助記憶部23に記憶された制御プログラム2Pを読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。
主記憶部22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部22は主として制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
補助記憶部23はハードディスク又はSSD等であり、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P等を記憶する。
通信部24はネットワークNを介して、提供サーバ1と通信を行う。また、制御部21が通信部24を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム2Pをダウンロードし、補助記憶部23に記憶してもよい。
入力部25はキーボードやマウス等である。表示部26は液晶表示パネル等を含む。表示部26は提供サーバ1が出力した顧客が抱えていると予想される問題・課題やその解決事例などを表示する。また、表示部26は入力部25と一体化したタッチパネルディスプレイでもよい。なお、ユーザ端末2は外部の表示装置に表示を行ってもよい。
図4は業者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。業者端末3はノートパソコン、パネルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等で構成する。業者端末3は制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35及び表示部36を含む。各構成はバスBで接続されている。制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35及び表示部36はそれぞれ、ユーザ端末2の制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、入力部25及び表示部26と同様であるから説明を省略する。さらに顧客端末4もユーザ端末2とハードウェア構成が同様であるから、図示及び説明を省略する。
次に提供システム100が用いるデータベースについて説明する。図5はユーザDBの例を示す説明図である。ユーザDB131はユーザの情報を記憶する。ユーザDB131はユーザID列、氏名列、氏名カナ列、企業ID列、部署名列、役職列、メールアドレス列、及び電話番号列を含む。ユーザID列はユーザを特定するIDを記憶する。氏名列はユーザの氏名を記憶する。氏名カナ列はユーザの氏名のカタカナ表記を記憶する。企業ID列はユーザが所属している企業(ユーザ企業)の企業IDを記憶する。部署名列はユーザが所属する部署名を記憶する。役職列はユーザの役職を記憶する。ユーザが役職を持たない場合、「なし」空白、又は空の文字列を記憶する。メールアドレス列はユーザのメールアドレスを記憶する。電話番号列はユーザの連絡先電話番号を記憶する。なお、ユーザIDでユーザ一意に特定可能であることが望ましいが、ユーザID及び企業IDでユーザを一意に特定可能であってもよい。
図6はユーザ企業DBの例を示す説明図である。ユーザ企業DB132はユーザ企業の情報を記憶する。ユーザ企業DB132は企業ID列、企業名列、法人番号列及び金融機関コード列を含む。企業ID列はユーザ企業を一意に特定可能であるIDを記憶する。企業名列はユーザ企業の名称を記憶する。法人番号列は企業に付与された法人番号を記憶する。金融機関コード列は企業が金融機関であって、金融機関コードを付与されている場合に当該金融機関コードを記憶する。
図7は対象企業DBの例を示す説明図である。対象企業DB133はユーザがコンサルティングの対象として企業の情報を記憶する。対象企業DB133はユーザがコンサルティングを行う対象と選定し、提供システム100にデータを入力した際に、レコードの追加を行う。同一企業に複数回コンサルティングを行った場合、各回、対象企業DB133にレコードが追加される。各コンサルティングはそれぞれケースと呼ぶ。したがって、対象企業DB133が記憶する企業の情報は、同一企業であってもケースIDが発番される毎に追加されるので、トランザクションデータである。対象企業DB133はケースID列、企業名列、法人番号列、業種列、売上規模列、所在地列、従業員数列、創業年数列、業績傾向列及び登録日列を含む。ケースID列は各ケースを一意に特定可能なIDを記憶する。ケースIDは対象企業DB133にレコードを追加する際に発行される。企業名列は企業の名称を記憶する。法人番号列は企業に付与された法人番号を記憶する。業種列は企業の業種を記憶する。売上規模列は企業の売上規模を記憶する。図7に示す例では、売上規模列の値はランク分けした値としている。所在地列は対象企業の所在地を記憶する。図7に示す例では、所在地列の値は都道府県名としている。従業員数列は対象企業の従業員数を記憶する。図7に示す例では、従業員数列の値はランク分けした値としている。創業年数列は対象企業の創業年数を記憶する。図7に示す例では、創業年数列の値はランク分けした値としている。業績傾向列は対象企業の業績傾向を記憶する。業績傾向列は値を正規化するため、複数の選択肢の中から選択された値を記憶する。選択肢は例えば、「激増傾向」、「増加傾向」、「横ばい」、「激増傾向」及び「激減傾向」である。登録日列はレコードが追加された日付を記憶する。
図8は課題類型DBの例を示す説明図である。課題類型DB134は企業が抱える問題・課題をテーマ毎に類型化した各類型を記憶する。課題類型DB134はテーマ列、番号列及び課題列を含む。テーマ列は複数の類型を束ねうる共通のテーマを記憶する。番号列は各問題・課題を識別する番号を記憶する。課題列は問題・課題の内容を記憶する。
図9は典型課題DBの例を示す説明図である。典型課題DB135は業種、従業員数、売上規模など企業の基本的属性に対応して、典型的に発生する問題・課題についての情報を記憶する。典型課題DB135は業種列、売上規模列、従業員数列、創業年数列、業績傾向列、テーマ列、課題列を含む。業種列、売上規模列、従業員数列、創業年数列及び業績傾向列はそれぞれ問題・課題と対応する業種、売上規模、従業員数、創業年数、業績傾向を記憶する。これらの値は、対象企業DB133が記憶する値と同様な値とする。テーマ列は問題・課題のテーマを記憶する。課題列は問題・課題に付された番号を記憶する。テーマ列及び課題列の値は、課題類型DBのテーマ列及び番号列と対応が取れる値とする。
図10は検索履歴DBの例を示す説明図である。検索履歴DB136はユーザが事例(過去のケース)を検索した場合のその履歴を記憶する。検索履歴DB136はケースID列、テーマ列、課題列及び検索日時列を含む。ケースID列はケースIDを記憶する。テーマ列は検索条件とした問題・課題のテーマを記憶する。課題列は検索条件とした問題・課題の番号を記憶する。検索日時列は検索日時を記憶する。
図11は事例DBの例を示す説明図である。事例DB137は過去のコンサルティングの事例を記憶する。事例DB137はケースID列、業者ID列、テーマ列、課題列、効果要約列、リード文列、課題1_見出し列、課題1_説明文列、課題2_見出し列、課題2_説明文列、課題3_見出し列、課題3_説明文列、背景列、解決策列、画像列、選定理由列、効果列、費用列、期間列及び取材日列を含む。ケースID列はケースIDを記憶する。業者ID列はケースを担当した業者の業者IDを記憶する。テーマ列は解決した問題・課題のテーマを記憶する。課題列は解決した問題・課題に対応する課題番号を記憶する。効果要約列は問題・課題が解決したことにより得た効果の要約を記憶する。リード文列は事例内容を端的に表現した文を記憶する。課題1_見出し列、課題2_見出し列及び課題3_見出し列はそれぞれ解決した問題・課題を説明する見出しを記憶する。課題1_説明文列、課題2_説明文列及び課題3_説明文列は解決した問題・課題についての説明文を記憶する。解決した問題・課題が1つの場合、課題2_見出し列及び課題2_説明文列、並びに、課題3_見出し列及び課題3_説明文列の値は空文字列とする。解決した問題・課題が2つの場合、課題3_見出し列及び課題3_説明文列の値は空文字列とする。背景列は問題・課題が発生した背景を記憶する。解決策列は課題を解決するために採用した策を記憶する。解決策として業務システムや業務サービス等の商材を導入した場合、それらの情報も解決策列に記憶する。画像列はケースを説明するための画像を記憶する。画像データを記憶するのではなく、画像データを記憶しているファイルの名称を記憶してもよい。選定理由列は解決策を選定した理由を記憶する。効果列は解決策を採用して得られた効果を記憶する。費用列は問題・課題解決のために費やした費用を記憶する。期間列は問題・課題解決に要した期間を記憶する。取材日列は当該ケースの内容を取得した日付を記憶する。
図12は依頼DBの例を示す説明図である。依頼DB138はユーザから業者に対する依頼の内容を記憶する。依頼は、ユーザが顧客企業の問題・課題を解決するために、業者に対して顧客との面談依頼などである。依頼DB138は選択事例列、依頼内容列、ケースID列、ユーザID列、企業ID列、及びステータス列を含む。選択事例列は依頼を行うに際して、ユーザが参照した過去の事例のケースIDを記憶する。依頼内容列はユーザから業者への依頼の内容を記憶する。ケースID列はケースIDを記憶する。ユーザID列はユーザIDを記憶する。企業ID列はコンサルティングを受けている企業のIDを記憶する。ステータス列はケースの状況を記憶する。
図13は商材DBの例を示す説明図である。商材DB139は業者が販売する商材の情報を記憶する。商材DB139は商材ID列、商材名列、業者ID列、テーマ列及び課題列を含む。商材ID列は商材を一意に特定可能なIDを記憶する。商材名列は商材の名称を記憶する。業者ID列は商材を提供している業者の業者IDを記憶する。テーマ列及び課題列は商材の導入により解決につながる問題・課題のテーマと課題の番号を記憶する。なお、商材DB139が記憶する商材については、ユーザ企業が販売代理店となることを希望すれば、業者の承認なく、提供システム100が販売代理権を付与する仕組みとなっている。
図14は商材実績DBの例を示す説明図である。商材実績DB13Aは商材の採用実績を記憶する。商材実績DB13AはケースID列及び商材ID列を含む。ケースID列はケースIDを記憶する。商材ID列はケースIDに対応した事例において採用された商材の商材IDを記憶する。
図15は商材評価DBの例を示す説明図である。商材評価DB13Bは商材に対する評価を記憶する。商材評価DB13Bは商材ID列、評価列、利用者数列、価格帯列、顧客層列、商材画像列、説明テキスト列及び動画列を含む。商材ID列は商材IDを記憶する。評価列は商材に対するユーザ又は顧客からの評価値を記憶する。例えば、評価値は5点満点として、各ユーザ又は各顧客からの評価点の平均値を評価値とする。利用者数列は商材を利用している顧客の数を記憶する。価格帯列は商材の価格帯を記憶する。顧客層列は商材の顧客層を記憶する。商材画像列は商材のロゴ等を記憶する。説明テキスト列は商材につての説明文を記憶する。動画列が商材についての説明動画を記憶する。動画列は動画データを記憶するのではなく、動画データを記憶したファイルのファイル名を記憶してもよい。
図16は登録商材DBの例を示す説明図である。登録商材DB13Cはユーザ企業が販売代理契約を結んでいる商材を記憶する。登録商材DB13Cは企業ID列及び商材ID列を含む。企業ID列は企業IDを記憶する。商材ID列は販売代理契約を結んでいる商材の商材IDを記憶する。
図17は閲覧履歴DBの例を示す説明図である。閲覧履歴DB13Dはユーザが閲覧した事例を記憶する。閲覧履歴DB13DはケースID列、ユーザID列、閲覧事例列、閲覧日時列及び滞在時間列を含む。ケースID列は対応するケースのケースIDを記憶する。ユーザID列は閲覧したユーザのユーザIDを記憶する。閲覧事例列はユーザが閲覧した事例のケースIDを記憶する。閲覧日時列はユーザが閲覧した日時を記憶する。滞在時間列は事例の詳細情報を表示するページをユーザが表示していた時間を記憶する。
図18はブックマークDBの例を示す説明図である。ブックマークDB13Eは事例をブックマークとして記憶する。ブックマークを用いることで、ユーザは過去に閲覧した事例を容易に読み出すことが可能となる。ブックマークDB13EはユーザID列、ケースID列、メモ列及び登録日時列を記憶する。ユーザID列はブックマークを関するユーザのユーザIDを記憶する。ケースID列はブックマークしている事例のケースIDを記憶する。メモ列はユーザが記入したメモを記憶する。登録日時列はブックマークが登録された日時を記憶する。
図19は業者DBの例を示す説明図である。業者DB13Fは商材を提供している業者の情報を記憶する。業者DB13Fは業者ID列、名称列、住所列、電話番号列、電子メール列及び担当者名列を含む。業者ID列は業者を一意に特定するIDを記憶する。名称列は業者の名称を記憶する。住所列は業者の所在地住所を記憶する。電話番号列は業者の連絡先電話番号を記憶する。電子メール列は業者の連絡先電子メールアドレスを記憶する。担当者名列は業者の連絡先担当者名を記憶する。
次に、提供システム100が行う処理について説明する。図20は業務処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザはコンサルティングを予定している顧客企業の企業情報をユーザ端末2に入力する。ユーザ端末2の制御部21は企業情報を取得し、提供サーバ1へ送信する(ステップS1)。提供サーバ1の制御部11は企業情報を受信する(ステップS2)。この際、制御部11は新たなケースIDを発番し、当該ケースIDと受信した企業情報とを対応付けて、対象企業DB133に記憶する。制御部11は企業情報に基づいて、当該企業が抱えていると予想される問題・課題を抽出し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS3)。制御部11は企業情報に含まれる業種、売上規模、従業員数、創業年数、業績傾向と、典型課題DB135に記憶されているこれらの情報とを対照し、値が一致するレコードを抽出する。5項目全てが一致するレコードだけでなく、4項目、3項目が一致するレコードを抽出してもよい。制御部11は抽出したレコードのテーマ及び課題番号を取得する。制御部11は課題番号に対応付けられた問題・課題を課題類型DB134から取得する。制御部11はテーマを含む問題・課題をユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2の制御部21は問題・課題を受信し表示する(ステップS4)。制御部21は検索対象にする問題・課題を受け付け、提供サーバ1へ送信する(ステップS5)。提供サーバ1の制御部11はテーマを含む問題・課題を受信する(ステップS6)。制御部11はテーマと問題・課題とをキーに事例DB137を検索する(ステップS7)。この際、制御部11は検索履歴をテーマ、問題・課題、ケースIDを対応付けて、検索履歴DB136に記憶する。制御部11は検索結果をユーザ端末2へ送信する(ステップS8)。ユーザ端末2の制御部21は検索結果を受信し、表示部26に表示する(ステップS9)。検索結果は事例の一覧である。ユーザは事例一覧から顧客企業に適合しそうな事例を選択し、詳細表示を指示する。制御部21は詳細要求を送信する(ステップS10)。提供サーバ1の制御部11は詳細要求を受信する(ステップS11)。制御部11は選択された事例についての履歴を閲覧履歴DB13Dに記憶する(ステップS12)。制御部11は閲覧履歴DBにケースID、ユーザID及び参照された事例のケースIDを対応付けて記憶する。制御部11は選択された事例についての詳細画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS13)。ユーザ端末2の制御部21は詳細画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS14)。ユーザは事例の詳細情報を確認し、顧客企業に適合するか否かを検討する。この際、ユーザは顧客企業にも当てはまると予想される事例についての提案書を作成し、顧客企業に提案を行ってもよい。ユーザは一覧画面と詳細画面とを行き来し、事例を1つ選択する。ユーザは選択した事例の詳細画面で、事例を掲載した業者への依頼(マッチング依頼)を行う。なお、事例を複数選択し、複数の業者へ依頼を行ってもよい。すなわち、制御部21は事例に掲載された問題・課題を解決に導いた業者への依頼を提供サーバ1へ送信する(ステップS15)。提供サーバ1の制御部11は依頼を受信し、依頼先の業者端末3へ送信する(ステップS16)。業者端末3の制御部31は依頼を受信、表示部36に表示する(ステップS17)。業者は依頼を元に提案内容を検討し、提案の送信を業者端末3に指示をする。ここで、業者への依頼は提案を求めるものだけでなく、提案に向けての打ち合わせの依頼等でもよい。ユーザ及び顧客企業と業者とのやり取りは数度、行われてもよい。ユーザ又は顧客企業と業者とのやり取りが煮詰まった段階で、業者はユーザ及び顧客企業へ提案を行う。制御部31は提案を提供サーバ1へ送信する(ステップS18)。提供サーバ1の制御部11は提案を受信し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS19)。ユーザ端末2の制御部21は提案を受信し、表示部26に表示する(ステップS20)。ユーザは顧客企業ともに提案内容の確認を行い、提案に基づく発注を行う。この際に、必要な経費を調達するために、ユーザが所属する銀行から顧客企業に対して、融資を行ってもよい。制御部21は発注する旨を提供サーバ1へ送信する(ステップS21)。提供サーバ1の制御部11は発注する旨を受信し、発注されたことを業者端末3へ通知する(ステップS22)。業者端末3の制御部31は通知を受信し表示する(ステップS23)。業者は発注に基づき、顧客企業に対して商材の導入やコンサルティングを行い。問題・課題の解決を行う。業者は業務の完了後、当該業務を事例として登録する。業者は解決策等を業者端末3に入力する。業者端末3の制御部31は事例を提供サーバ1へ送信する(ステップS24)。提供サーバ1の制御部11は事例を受信し、事例DB137に記憶する(ステップS25)。ユーザから業者への依頼や発注、業者からユーザへの提案等は、両者が自発的に提供サーバ1にアクセスしなくとも迅速に伝達できるように、提供サーバ1がユーザ及び業者へ電子メールを送信することが望ましい。電子メールは依頼を受信した旨のみの内容でもよいし、依頼内容を含めたものでもよい。
ユーザは検索の結果として得られた事例を後に迅速に読み出せるように記憶することが可能である。図21はブックマーク登録処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは事例の詳細画面において、ブックマーク登録を選択する。ユーザ端末2の制御部21は登録指示を受け付ける(ステップS127)。制御部21はブックマークに付加するコメント入力画面を表示する(ステップS128)。ユーザは必要に応じてコメントを入力し、送信を指示する。制御部21は、ケースIDとユーザIDとコメントとを含む登録要求を提供サーバ1へ送信する(ステップS129)。提供サーバ1の制御部11は登録要求を受信する(ステップS130)。制御部11は登録要求に基づき、ブックマークDB13EにユーザID、事例ID、及びコメントが対応付けられたブックマークを登録する(ステップS131)。なお、コメントはなくともよい。制御部11は完了をユーザ端末2へ送信する(ステップS132)。ユーザ端末2の制御部21は完了を受信し、表示部26に表示する(ステップS133)。制御部21は処理を終了する。
続いて、業務処理において使用する画面について、説明する。図22から図24は企業情報入力画面の例を示す説明図である。企業情報入力画面d01は図20のステップS1で使用される画面である。企業情報入力画面d01は会社名入力欄d011、業種設定ボタンd012、その他業種リンクd013、売上規模設定ボタンd014、その他売上規模リンクd015、詳細入力ボタンd016及び課題検索ボタンd017を含む。会社名入力欄d011は顧客企業の名称を入力する欄である。業種設定ボタンd012は顧客企業の業種を入力するボタンである。表示している業種に該当するものがない場合は、その他業種リンクd013を選択すると図23に示すように業種設定ボタンd012の数が増える。業種設定ボタンd012の並び順、その他業種リンクd013を選択する前に表示する業種はユーザ毎、ユーザの所属部署毎に設定可能としてもよい。売上規模設定ボタンd014は顧客企業の売上規模を入力するボタンである。表示している金額に該当するものがない場合は、その他売上規模リンクd015を選択すると図23に示すように売上規模設定ボタンd014の数が増える。売上規模設定ボタンd014の並び順、その他売上規模リンクd015を選択する前に表示する金額はユーザ毎、ユーザの所属部署毎に設定可能としてもよい。詳細入力ボタンd016は上述した情報以外の顧客企業情報を入力する場合に選択する。詳細入力ボタンd016を選択すると図24に示す従業員数選択ボタンd019、創業年数選択ボタンd01a、業績傾向選択ボタンd01bが表示される。従業員数選択ボタンd019により顧客企業の従業員数を設定する。創業年数選択ボタンd01aにより顧客企業の創業年数を設定する。業績傾向選択ボタンd01bにより顧客企業の業績傾向を設定する。課題検索ボタンd017を選択すると、企業情報に基づいて想定される問題・課題が表示される。
図25は課題選択画面の例を示す説明図である。課題選択画面d02は図20のステップS5で使用される画面である。課題選択画面d02は企業情報欄d021、課題選択ボタンd022及び事例検索ボタンd023を含む。企業情報欄d021は企業情報入力画面d01により設定した企業情報を表示する。課題選択ボタンd022は顧客企業が抱えている問題・課題を入力するボタンである。事例検索ボタンd023は選択された問題・課題を解決した過去の事例を検索し、一覧表示する。
図26は事例一覧画面の例を示す説明図である。事例一覧画面d03は図20のステップS9で表示される画面である。事例一覧画面d03は事例表示欄d031及びページ制御ボタンd032を含む。事例表示欄d031は課題表示欄d0311、企業情報欄d0312、テーマ表示アイコンd0313、効果表示欄d0314及び詳細表示リンクd0315を含む。課題表示欄d0311は解決した問題・課題の概要を表示する。課題表示欄d0311に表示する内容は、事例DB137の課題1_見出し列、課題2_見出し列及び課題3_見出し列の値に基づく。企業情報欄d0312は対象となった企業の情報を表示する。企業情報欄d0312に表示する内容は、対象企業DB133に記憶している値に基づく。企業情報は問題・課題が解決する前の情報である。テーマ表示アイコンd0313は解決した問題・課題のテーマを表示する。テーマ表示アイコンd0313は事例DB137のテーマ列の値に基づいて表示する。効果表示欄d0314は問題・課題解決により得られた効果を表示する。効果表示欄d0314に表示する内容は、事例DB137の効果要約列に記憶している値に基づく。詳細表示リンクd0315を選択する事例の詳細を表示する事例詳細画面に遷移する。ページ制御ボタンd032は一覧が複数ページにわたる場合にページ遷移を行うための複数のボタンを含む。各ボタンによる制御は公知であるから説明を省略する。
図27及び図28は事例詳細画面の例を示す説明図である。事例詳細画面d04は図20のステップS14で表示される画面である。事例詳細画面d04は効果表示欄d041、効果リード文欄d042、課題見出し欄d043、課題説明欄d044、背景表示ボタンd045、解決策欄d046、選定理由表示ボタンd047、効果説明欄d048、取材日表示欄d049、企業情報表示欄d04a、依頼ボタンd04b及びブックマークアイコンd04cを含む。効果表示欄d041は、は問題・課題解決により得られた効果を表示する。効果表示欄d041に表示する内容は、事例DB137の効果要約列に記憶している値に基づく。効果リード文欄d042は効果について簡単な説明文を表示する。効果リード文欄d042に表示する内容は、事例DB137のリード文列に記憶している値に基づく。課題見出し欄d043は解決した問題・課題の概要を表示する。課題見出し欄d043に表示する内容は、事例DB137の課題1_見出し列、課題2_見出し列及び課題3_見出し列の値に基づく。課題説明欄d044は問題・課題の内容を表示する。課題説明欄d044に表示する内容は、事例DB137の課題1_説明文列、課題2_説明文列及び課題3_説明文列の値に基づく。背景表示ボタンd045は背景を表示するボタンである。背景表示ボタンd045を選択すると、背景表示ボタンd045は非表示となり、図28Aで示すように検討の背景についての説明文が表示される。当該説明文は事例DB137の背景列の値に基づく。解決策欄d046は解決策を表示する。解決策欄d046の表示内容は、事例DB137の解決策列の値に基づく。選定理由表示ボタンd047は解決策の選定理由を表示するボタンである。選定理由表示ボタンd047を選択すると、選定理由表示ボタンd047は非表示となり、図28Bで示すように選定の理由についての説明文が表示される。当該説明文は事例DB137の選定理由列の値に基づく。効果説明欄d048は得られた効果を表示する。効果説明欄d048の表示内容は事例DB137の効果列の値に基づく。取材日表示欄d049は事例の内容を取得した日付を表示する。取材日表示欄d049の表示内容は事例DB137の取材日列の値に基づく。企業情報表示欄d04aは企業情報を選択する。企業情報表示欄d04aの表示内容は、対象企業DB133に記憶している値に基づく。依頼ボタンd04bを選択すると依頼入力画面に遷移する。ブックマークアイコンd04cを選択すると、表示している事例がブックマークとして保存される。
図29及び図30は依頼入力画面の例を示す説明図である。依頼入力画面d05は選択事例表示欄d051、種別選択ボタンd052、依頼内容入力欄d053、企業情報表示欄d054、担当者入力欄d055及び確認ボタンd056を含む。選択事例表示欄d051は選択した事例を表示する。依頼入力画面d05は事例詳細画面d04から遷移するので、依頼入力画面d05において、事例の変更はできない。種別選択ボタンd052は依頼の種別を選択するボタンである。依頼内容入力欄d053は依頼の具体的内容を入力する欄である。企業情報表示欄d054は顧客企業の情報を表示する。顧客企業の情報は、事例検索時に企業情報入力画面d01にて入力しているので、その内容を引き継ぐ。依頼入力画面d05において、企業情報入力画面d01において未入力であった項目を追加入力したり、入力済みの項目を変更したりしてもよい。担当者入力欄d055はユーザの情報を入力する欄である。ユーザは提供システム100にログインしている場合、ユーザDB131に記憶している値が、担当者入力欄d055に入力された状態で依頼入力画面d05が表示される。金融機関名はユーザDB131の企業ID列の値に基づき、ユーザ企業DB132を検索し、ヒットしたレコードの企業名列の値が入力される。確認ボタンd056は依頼内容を確定し、確認画面に遷移するためのボタンである。
確認画面は図示を省略するが、表示内容は依頼入力画面d05と同様である。確認画面では確認ボタンd056はなく、修正ボタン及び依頼ボタンが表示される。修正ボタンを選択すると、確認画面から依頼入力画面d05へ戻る。依頼ボタンが選択すると、依頼内容が提供サーバ1へ送信され記憶される。そして、提供サーバ1は業者の電子メールアドレス宛(送信先)へ電子メールを送信する。電子メールアドレスは業者IDを検索キーにより業者DB13Fを検索し習得する。例えば、依頼内容が電子メールで送信される。または、依頼内容が送信された旨の電子メールが送信され、メールを表示している業者端末3において、メールに含まれるリンクを選択すると、業者端末3が提供システム100に接続され、依頼内容が業者端末3に表示されるようにしてもよい。
図31は通知メールの例を示す説明図である。図31に示す例は、依頼内容がメールにすべて含まれている例である。メールに含まれるURL311は過去の事例を表示するためのURLであり、当該URL311を選択することにより、提供システム100に登録した事例が表示されるので、業者は過去のどのような事例に基づいて、依頼がされたことを把握することが可能となる。
業者が依頼内容を受け取った後、顧客企業と業者とは打ち合わせやWeb会議の日程調整を行う。業者が行うコンサルティングの内容、導入する商材、総費用について、双方が同意すれば受発注が行われる。その後、業者がソリューションを提供し、問題・課題が解決されて、ケースは終了する。これらの業務に関して、提供システム100がサービスを提供するが、これらについては、公知のワークフローシステム、プロジェクト管理システムなどで実現可能であるので、ここでは説明を省略する。提供システム100がサービスを提供するのではなく、ワークフローシステム、プロジェクト管理システムなどと連携してもよい。他のシステムと連携する場合でも、ケースの最新の状態(最新の状況)を提供システム100が取得し、依頼DB138のステータス列が最新のステータスを記憶していることが望ましい。
続いて、事例登録機能について述べる。終了したケースは事例として登録する。図32は事例登録処理の手順例を示すフローチャートである。事例登録処理はバッチ処理により、繰り返し実行する。または、各ケースのステータスを管理している依頼DB138が更新されたら実行する。提供サーバ1の制御部11は完了ケースがあるか否かを判定する(ステップS31)。制御部11は依頼DB138を検索し、ステータスが完了となっているケースがあるか否かを判定する。例えば、ステータス列の値が「完了」であるケースである。制御部11は完了ケースがないと判定した場合(ステップS31でNO)、処理を終了する。制御部11は完了ケースがあると判定した場合(ステップS31でYES)、依頼メールを業者宛に送信する(ステップS32)。業者端末3の制御部31は依頼メールを受信する(ステップS33)。依頼メールを読んだ業者は作業を開始する。制御部31は登録画面の要求を提供サーバ1へ送信する(ステップS34)。登録画面の要求は例えばHTTPリクエストである。提供サーバ1の制御部11は要求を受信する(ステップS35)。制御部11は登録画面を生成し業者端末3へ送信する(ステップS36)。前記要求にはケースを特定するケースIDが含まれており、対象企業DB133に記憶されている企業情報など既に既知の項目については、生成した登録画面において、入力済みとなっていることが望ましい。業者端末3の制御部31は登録画面を受信し、表示部36に表示する(ステップS37)。業者は登録画面に事例情報を入力し、送信を指示する。制御部31は事例情報を受け付け、提供サーバ1へ送信する(ステップS38)。提供サーバ1の制御部11は事例情報を受信し、事例DB137に記憶する(ステップS39)。制御部11はケースのステータスを、事例が登録されたことを示す登録済に変更し、処理を終了する(ステップS40)。
図33及び図34は事例登録画面の例を示す説明図である。事例登録画面d06は概要セクションd061、課題セクションd062、解決策セクションd063、効果セクションd064、その他セクションd065及び企業セクションd066、並びに、確認ボタンd067を含む。概要セクションd061には事例の概要を入力する。概要セクションd061は項目としてテーマ、効果及びリード文を含む。テーマはプルダウンメニューにより最適なテーマを選択する。課題セクションd062には問題・課題の内容を入力する。課題セクションd062は項目として、見出し1〜3、見出しについての説明、背景及び検索タグを含む。検索タグは問題・課題の類型を付与する。検索タグの付与は、プルダウンメニューで表示される選択肢の中から問題・課題に対応したものを選択することで行う。選択肢の内容は課題類型DB134に基づく。解決策セクションd063には問題・課題に対して採用した解決策を入力する。解決策セクションd063は項目として説明、画像及び選定の理由を含む。解決策セクションd063では画像の登録が可能である。設定された画像のサムネイルd0631が表示される。設定ボタンd0632を選択することにより、登録する画像ファイルを設定する。削除ボタンd0633を選択することにより、画像ファイルの設定をクリアする。解決策セクションd063は項目として説明を含む。効果セクションd064には対象企業が得た効果を入力する。その他セクションd065にはその他の情報を入力する。その他セクションd065は項目として、費用、期間、取材日を含む。なお、取材日は完了後に業者が対象企業に対してヒアリングを行った日付、事例情報を入力した日等を入力する。確認ボタンd067を選択すると、入力内容を確認する確認画面へ遷移する。確認画面において確定ボタンを選択すると、入力内容が事例DB137に記憶される。
上述では、提供システム100を通じて発生したケースが完了した場合での事例登録としたが、提供システム100とは別のルートで発生したケースも事例登録画面d06を用いて事例DB137に登録してもよい。この場合、対象企業DB133にもレコードを追加する。
本実施の形態においては、コンサルティングの対象とする企業の基本的情報を入力すると、当該企業が抱えていると予想される問題・課題が得られる。また、問題・課題を選択すると、過去の事例から同様な問題・課題を解決した事例を検索することが可能となる。さらに、参照した事例に含まれる問題・課題を解決した業者に連絡が可能である。以上により、コンサルティングに不慣れなユーザであっても、企業に的確なコンサルティングが行なえ、業者と協力して顧客企業の問題・課題を解決することが可能となる。特にユーザが銀行等の行員である場合は、コンサルティングに伴い、顧客企業に対しての融資が可能となる。また、過去の事例に基づいて問題・課題解決を行うので、顧客企業は着実に効果を得られる可能性が高くので、融資が焦げ付くことなく回収することが期待される。また、ユーザは提供システム100を利用することで、課題解決のためのコンサルティングを提供する業者や、課題解決に役立つ商品等の外部リソースを用いた幅広いコンサルティングを行うことが可能となる。ユーザは顧客企業と業者とを結びつけるビジネスマッチングを行うことにより、両者の発展に寄与するだけでなく、マッチングについての手数料収入を得ることが可能となる。提供システム100は顧客企業、金融機関及び業者の三者が協力して、当該顧客企業が抱える問題・課題を解決するので、問題解決プラットホームとも称すべきものと言える。
(実施の形態2)
本実施の形態は顧客企業の問題・課題を、他システムのデータに基づいて特定する形態に関する。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。以下の説明においては、主として実施の形態1と異なる点について説明する。
ここで、他システムは予約システム、POS(Point of sale system)システム、勤怠システム、会計システム、給与システム、受発注システム、日報システム、SNS(Social Networking Service)を含む。予約システムは医療機関の診察予約、飲食店の座席予約、貸会議室に関する施設予約、旅行に関するツアー予約、交通機関に関する切符予約、語学学習に関するレッスン予約、エステサロン・ネールサロンに関する施術予約など、種々の予約を行うシステムを含む。POSシステムは物品販売の売上実績を単品単位で集計する一般的なシステム以外に、サービス業におけるサービスの売上実績をサービスメニュー単位で集計するものも含む。勤怠システムは正社員、契約社員、パートタイマーなどを含む従業員の勤怠を管理するシステムである。会計システムは管理会計システム、財務会計システム等である。給与システムは従業員に支払うべき給与を計算するとともに給与支払いの履歴を保存するシステムである。受発注システムは商品やサービスの受注及び発注を行うためのシステムである。日報システムは社員が就業日毎に作成する日報を作成、記憶するシステムである。
図35は課題判定処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは問題・課題を特定したい企業の識別情報(会社名、法人番号等)を提供サーバ1へ送信する。提供サーバ1の制御部11は対象企業の識別情報を取得する(ステップS51)。制御部11は他システムから対象企業の情報を取得する(ステップS52)。制御部11は取得した情報の変化傾向を解析する(ステップS53)。例えば、売上の変化、離職状況、受注状況を解析する。制御部11は解析内容より課題を特定する(ステップS54)。課題の特定については後述する。制御部11は特定した課題を出力する(ステップS55)。ユーザは特定された課題に基づき、事例検索等を行う。以降の処理は実施の形態1と同様であるから、省略する。
図36は課題判定DBの例を示す説明図である。図36に示すように、課題判定DB13Gは複数のテーブルから構成されていてもよい。課題判定DB13Gはシステム列、項目列、傾向列及び課題列を含む。システム列は情報源となる他システムの識別子、例えばシステムの略称を記憶する。項目列は解析対象の識別子、例えば項目名を記憶する。傾向列は解析対象の値の傾向を記憶する。課題列は予想される問題・課題を記憶する。図36Aは対象企業が飲食業の場合の例である。例えば、POSシステムから売上(POS情報の一例)を取得し、前後する所定期間での変化が、10%減少であった場合、売上減少を解決すべき問題・課題と判定する。また、日報システムから日々の日報で使われている特定の語を検索する。例えばクレームという語が増加傾向にある場合、人員不足による業務負荷増を解決すべき問題・課題と判定する。この場合、勤怠システムから得た人員数(人財情報の一例)の傾向も見ることにより、業務負荷増の原因は人員不足であると確定する。図36Bは取引形態がB to Bの企業向けである。例えば、営業情報システムから得た受注率(会計情報の一例)の傾向が、低下傾向であった場合、営業力低下を解決すべき問題・課題と判定する。
図35のステップS53で行う解析は、課題判定DB13Gに特定されているレコードに合わせて行ってもよい。それにより、解析処理を最低限の処理量とすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は顧客企業の問題・課題を、他システムのデータに基づいて特定する形態に関する。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。以下の説明においては、主として実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては予め判定ロジックを決め、当該判定ロジックを記憶した課題判定DB13Gを用意する必要があったが、本実施の形態においては機械学習により得た判定モデル(学習モデル)を用いて判定することにより、判定ロジックの検討が不要となる。
図37は判定モデル生成処理に関する説明図である。図37機械学習を行って判定モデル16を生成する処理を概念的に示している。判定モデル16は補助記憶部13に記憶する。
提供サーバ1は、判定モデル16として、定量データ及び定性データ並びに問題・課題を含む教師データとして、ディープラーニングを行う。それによって、定量データ及び定性データを入力とし、問題・課題を出力とするニューラルネットワークを生成する。ニューラルネットワークは例えばCNN(Convolution Neural Network)であり、対象企業に対する定量データ及び定性データの入力を受け付ける入力層と、対象企業が抱えている問題・課題を出力する出力層と、定量データ及び定性データの特徴量を抽出する中間層とを有する。
定量データは、POS、請求システム、予約データ、会計データ、勤怠データ、社員のモチベーションデータ、CRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)から得られる営業情報等である。定性データは、電子メール、社内SNS、従業員アンケートの回答結果、日報、コールセンターにおける対応履歴、Webページにより収集した問い合わせデータ、顧客アンケートの回答データ、SNSの口コミ、スコア、ソーシャルリスニングツールから得たデータ等である。
入力層は、定量データ及び定性データに含まれる各種データの入力を受け付ける複数のニューロンを有し、入力された各種データを中間層に受け渡す。中間層は複数のニューロンを有し、定量データ及び定性データの特徴量を抽出して出力層に受け渡す。例えば判定モデル16がCNNである場合、中間層は、入力層から入力された各種データを畳み込むコンボリューション層と、コンボリューション層で畳み込んだ定量データ及び定性データをマッピングするプーリング層とが交互に連結された構成を有し、定量データ及び定性データの特徴量を抽出する。出力層は判定器であり、問題・課題を出力する一又は複数のニューロンを有し、中間層から出力された特徴量に基づいて、問題・課題を判定する。本実施の形態では判定モデル16がCNNであるものとして説明するが、判定モデル16はCNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、決定木など、他の学習アルゴリズムで構築された学習済みモデルであってよい。
提供サーバ1は、定量データ及び定性データと、問題・課題の正解値とが対応付けられた教師データを用いて学習を行う。例えば図37に示すように、教師データは、定量データ及び定性データと問題・課題とがラベル付けされたデータである。
提供サーバ1は、教師データである定量データ及び定性データを入力層に入力し、中間層での演算処理を経て、出力層から問題・課題を取得する。提供サーバ1は、出力層から出力された結果を、教師データにおいて定量データ及び定性データに対しラベル付けされた問題・課題、すなわち正解値と比較し、出力層からの出力値が正解値に近づくように、中間層での演算処理に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、例えばニューロン間の重み(結合係数)、各ニューロンで用いられる活性化関数の係数などである。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、例えば提供サーバ1は誤差逆伝播法を用いて各種パラメータの最適化を行う。
図38は判定モデル生成処理の手順例を示すフローチャートである。図38に基づき、教師データから判定モデル16を生成する機械学習処理の内容について説明する。提供サーバ1の制御部11は過去の事例を収集する(ステップS61)。制御部11は処理対象とする事例を選択する(ステップS62)。制御部11は事例の対象となった企業の情報を収集する(ステップS63)。収集する情報は、事例のおける問題・課題が解決する以前の定量データ及び定性データである。制御部11は収集した定量データ及び定性データ、並びに事例に含まれる解決した問題・課題より教師データを作成する(ステップS64)。制御部11は教師データにより学習を行う(ステップS65)。制御部11は未処理の事例があるか否かを判定する(ステップS66)。制御部11は未処理の事例があると判定した場合(ステップS66でYES)、処理をステップS62へ戻し、未処理の事例についての処理を行う。制御部11は未処理の事例がないと判定した場合(ステップS66でNO)、判定モデル16についてのパラメータ等を記憶し(ステップS67)、処理を終了する。
判定モデル16を用いた課題判定処理について説明する。図35に示した処理手順の一部が異なる。図35のステップS53は不要である。ステップS54及びステップS55は次のように変更する。制御部11はステップS52で取得した情報を判定モデル16に入力し、出力として予測される問題・課題を取得する。制御部11は取得した問題・課題を出力する。
本実施の形態においては、企業の問題・課題が含まれた過去の事例と、事例の対象となった企業についての種々の情報とに基づいて、学習を行った判定モデル16を用いる。ユーザは、コンサルティング対象の企業についての情報を収集し、判定モデル16に入力することで、対象の企業が抱えていると予想される問題・課題を得ることが可能となる。
本実施の形態において、判定モデル16としてRNN(Recurrent Neural Network)を採用し、定性データ及び定量データを時系列データとし、各時系列データと問題・課題とを対応付けた教師データで、判定モデル16の学習を行ってもよい。判定モデル16で問題・課題を判定する際には、定性データ及び定量データの時系列データを判定モデル16に入力し、判定モデル16に出力として、問題・課題を習得する。
(実施の形態4)
本実施の形態は、事例から顧客企業向けの提案書を作成する機能に関する。当該機能は、上述の実施の形態1から3に追加されるものである。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。
図39は提案書作成処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは提案書の作成対象とするケースを選択する。例えば、対象企業DB133に基づいて作成した顧客企業の一覧から1つの顧客企業を選択する。選択情報はユーザ端末2から提供サーバ1へ送信される。制御部11は選択された顧客企業に対応するケースIDを取得する(ステップS81)。制御部11は顧客企業が抱えていると予想されるテーマ及び問題・課題を取得する(ステップS82)。制御部11はケースIDをキーに検索履歴DB136を検索し、ヒットしたレコードのテーマ列の値、課題列に記憶してある課題番号を取得する。さらに、課題番号に対応した問題・課題を、課題類型DB134の課題列から取得する。制御部11は事例を取得する(ステップS83)。ユーザが閲覧した事例については、閲覧履歴DB13Dの閲覧事例列に記憶してあるケースIDを取得し、当該ケースIDに対応付いた事例情報を事例DB137から取得する。閲覧履歴に加えて、ブックマークしている事例を取得してもよい。ブックマークDB13EのケースID列に記憶してあるケースIDを取得し、当該ケースIDに対応付いた事例情報を事例DB137から取得する。制御部11は取得した事例をユーザ端末2へ送信し、ユーザ端末2は取得した事例を表示する。ユーザは提案書に含める事例を選択する。事例の選択情報はユーザ端末2から提供サーバ1へ送信される。制御部11は事例の選択情報を取得する(ステップS84)。制御部11は選択された事例に対応した商材及び業者の情報を取得する(ステップS85)。制御部11はケースIDを検索キーにして商材実績DB13Aを検索し、各事例で採用された商材の商材IDを取得する。取得した商材IDを検索キーに商材DB139を検索し、商材の情報を取得する。また、制御部11は事例情報に対応した業者IDを検索キーに業者DB13Fを検索し、業者の情報を取得する。制御部11は上記で取得した情報を元に提案書を作成する(ステップS86)。提案書は例えばPDF形式とする。制御部11は作成した提案書を出力し(ステップS87)、処理を終了する。
図20で示したステップS14とステップS15との間で提案書を提案書作成処理により、作成することが可能である。すなわち、ユーザは、検索結果として得た事例の一覧から、顧客企業に適合しそうな事例を選択し、詳細を確認する。ユーザは事例の詳細情報を確認し、顧客企業に適合する事例を選択する。ユーザは選択した事例に基づく提案書の作成を指示する。図39のステップS85以降が実行され、提案書が作成される。
図40及び図41は提案書の例を示す説明図である。図40Aは表紙ページの例を示す。表紙ページは宛名401、ロゴ402及びタイトル403を含む。タイトル403は選択した事例等に基づき作成する。または、ユーザの入力による。宛名401はケースの対象となっている顧客企業の名称が入力される。当該名称は対象企業DB133の企業名列から取得する。ロゴ402はユーザ企業のロゴマークである。ロゴマークは例えばユーザ企業DB132に記憶しておく。図40Bは問題・課題の表示ページである。当該ページは、顧客企業が抱えていると予想される経営課題のテーマ、問題及び課題をノードで示し、互いの関係をリンクで表現したグラフ図404を含む。グラフ図404は事例を検索する際に指定した問題・課題や、選択した事例に基づき作成される。図40Cは解決事例ページの例を示す。例えば、ユーザが選択した課題が3つであり、各課題についての事例が1つずつ選択したのであれば、解決事例ページは3つの事例を含む。解決事例ページに記載される内容は、図27及び図28に示した事例詳細画面d04の表示内容と同様である。図41Aは企業・商品の紹介ページである。選択した事例に対応付けられた商品の情報や、事例を登録した業者の情報が表示される。図41Bはその他ページの例を示す。その他ページは事例に対応付いた補足情報が記載される。提案書のフォーマットはユーザ企業毎に用意され、ユーザの所属するユーザ企業のフォーマットを制御部11は選択して、提案書を作成する。
本実施の形態においては、提案書作成に不慣れなユーザであっても、顧客企業向けの提案書を簡単かつ迅速に作成可能である。
(実施の形態5)
上述したように、商材DB139が記憶する商材については、ユーザ企業が販売代理店となることを希望すれば、業者の承認なく、提供システム100が販売代理権を付与する仕組みとなっている。本実施の形態は当該業務を支援する機能に関する。当該機能は、上述の実施の形態1から4に追加されるものである。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。
提供システム100の運営会社(管理者)は、商材を販売する業者と包括的な販売契約を行い、提供システム100のユーザであれば、運営会社は業者の許可なく、ユーザに商材の販売代理権を付与できるものとする。業者は対象とする商材を商材DB139に登録する。
一方、ユーザは商材DB139に登録してある商材を提供システム100で利用登録することで、顧客企業へ販売することが許可される。図42は利用登録処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザはユーザ端末2の表示部26に表示された機能一覧から商材の利用登録を選択する。ユーザ端末2の制御部21は商材一覧要求を提供サーバ1へ送信する(ステップS101)。提供サーバ1の制御部11は商材一覧要求を受信する(ステップS102)。制御部11は一覧を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS103)。ユーザ端末2の制御部21は一覧を受信し、表示部26に表示する(ステップS104)。ユーザは一覧から登録したい商材を選択する。制御部21は選択情報を取得し、提供サーバ1へ送信する(ステップS105)。提供サーバ1の制御部11は選択情報を受信する(ステップS106)。制御部11は選択された商材の詳細画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS107)。ユーザ端末2の制御部21は詳細画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS108)。ユーザ端末2は処理を選択する。制御部21は選択された処理が登録であるか否かを判定する(ステップS109)。制御部21は選択された処理が登録であると判定した場合(ステップS109でYES)、登録要求を提供サーバ1へ送信する(ステップS110)。提供サーバ1の制御部11は登録要求を受信する(ステップS111)。制御部11は登録を行う(ステップS112)。制御部11はユーザIDに対応付いている企業IDと、選択されている商材の商材IDとを対応付けて、登録商材DB13Cに記憶する。制御部11は登録完了をユーザ端末2へ送信する(ステップS113)。ユーザ端末2は完了を受信し、表示部26に表示した(ステップS114)後に、処理を終了する。制御部21は選択された処理が登録であると判定しなかった場合(ステップS109でNO)、選択された処理が戻るであるか否かを判定する(ステップS115)。制御部11は選択された処理が戻るであると判定した場合(ステップS115でYES)、処理をステップS101へ戻す。制御部11は選択された処理が戻るでないと判定した場合(ステップS115でNO)、処理を終了する。
図43は商材一覧画面の例を示す説明図である。商材一覧画面d07は図42のステップS104で表示される画面である。商材一覧画面d07は商材画像d071、商品概要d072及び属性アイコンd073並びに切替タブd074を含む。商材画像d071は商材のロゴ画像等である。商品概要d072は商材の名称、評価、利用者数を含む。属性アイコンd073は商材の属性を表すアイコンを含む。属性は価格、機能、ユーザ層などである。切替タブd074は商材グループを切り替えるためのタブである。グループは、おすすめ、ランキング、カテゴリ、高収益、新着などである。
図44は商材詳細画面の例を示す説明図である。商材詳細画面d08は図42のステップS108で表示される画面である。商材詳細画面d08は商材画像d081、商材概要d082、動画d083、詳細説明d084、登録ボタンd085及び戻るボタンd086を含む。商材画像d081は商材のロゴ画像等である。商材概要d082は商材の名称、評価、利用者数を含む。動画d083は商材を紹介する動画である。詳細説明d084は商材の説明文章である。登録ボタンd085を選択すると、登録の指示が送信される。戻るボタンd086を選択すると、商材一覧画面d07へ戻る。
本実施の形態にあっては、ユーザは契約手続の手間を掛けることなく、新たな商材の販売代理権を習得することが可能となる。
(実施の形態6)
上述の実施の形態では、提供システムのユーザは顧客企業に提案を行う金融機関の行員を想定していたが、それに限らず顧客企業の社員、業者の社員等をユーザに含めてもよい。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。以下、金融機関の行員を銀行ユーザ、顧客企業の社員等を企業ユーザ、業者の社員等を業者ユーザと呼ぶ。銀行ユーザ、企業ユーザ及び業者ユーザの情報は、ユーザDB131に記憶する。ユーザDB131に例えば、種別列を追加し、種別列の値で銀行ユーザ、企業ユーザ又は業者ユーザの区別が行えるようにする。また、顧客企業、業者についての情報はユーザ企業DB132に記憶する。それに伴い列を追加し、記憶できるデータ項目を増やしてもよい。例えば、ユーザ企業DB132に、顧客企業を担当する金融機関の銀行ユーザのユーザIDを記憶してもよい。
本実施の形態は、企業ユーザの閲覧履歴が所定の条件を満たす場合、銀行ユーザへ通知を行う形態に関する。企業ユーザの閲覧履歴から、顧客企業が抱えている問題・課題が浮き彫りになった場合に、当該企業を担当する銀行ユーザに通知する。企業ユーザが特定の問題・課題に対する検索を行っている場合、当該問題・課題を企業が抱えている可能性が高いと想定する。また、企業ユーザが特定の事例を短期間に繰り返し参照している場合、事例と同じ問題・課題を抱え、同様な解決手段を求めている可能性が高いと想定する。
図45は通知ポイントDBの例を示す説明図である。通知ポイントDB13Hは閲覧履歴を点数化するための情報を記憶する。通知ポイントDB13Hは条件列及びポイント列を含む。条件列はポイントを付与する条件を記憶する。ポイント列は閲覧履歴が条件にマッチした場合に付与するポイントを記憶する。
図46は通知処理の手順例を示すフローチャートである。通知処理はバッチ処理等により繰り返し実行する。提供サーバ1の制御部11は処理対象とする企業を選択する(ステップS131)。制御部11は企業に所属する企業ユーザの閲覧履歴を取得する(ステップS132)。制御部11は通知ポイントDB13Hと閲覧履歴とを対照し、通知ポイントDB13Hの条件列に適合する履歴に基づき、事例毎にポイントを合算したスコア算出する(ステップS133)。制御部11はスコアが閾値を超えているか否かを判定する(ステップS134)。閾値は予め設定しておく。制御部11はスコアが閾値を超えていると判定した場合(ステップS134でYES)、アラートを送信する(ステップS135)。アラートは例えば電子メールよる通知である。電子メールの宛先は企業を担当する銀行ユーザである。企業と銀行ユーザとの対応関係は、ユーザ企業DB132に予め記憶しておく。担当する銀行ユーザの電子メールアドレスはユーザDB131のメールアドレス列から取得する。制御部11はスコアが閾値を超えていないと判定した場合(ステップS134でNO)、処理をステップS136へ移す。制御部11は未処理の企業があるか否かを判定する(ステップS136)。制御部11は未処理の企業があると判定した場合(ステップS136でYES)、処理をステップS131へ戻し、未処理の企業に対する処理を行う。制御部11は未処理の企業がないと判定した場合(ステップS136でNO)、処理を終了する。
本実施の形態においては、企業ユーザの閲覧履歴から、顧客企業が抱えている問題・課題が浮き彫りになった場合に、当該企業を担当する銀行ユーザに通知するので、銀行ユーザは通知に基づき、顧客企業への提案を行うことが可能となる。
(実施の形態7)
本実施の形態は顧客企業へのアンケートを行う形態に関する。本実施の形態において、システム構成、提供サーバ1のハードウェア構成等は実施の形態1と同様である。以下の説明において、企業端末は上述のユーザ端末2と同様である。
図47はアンケート収集処理の手順例を示すフローチャートである。アンケート収集処理はバッチ処理により、繰り返し実行する。または、各ケースのステータスを管理している依頼DB138が更新されたら実行する。提供サーバ1の制御部11は完了ケースがあるか否かを判定する(ステップS151)。制御部11は依頼DB138を検索し、ステータスが完了となっているケースがあるか否かを判定する。例えば、ステータス列の値が「完了」であるケースである。制御部11は完了ケースがないと判定した場合(ステップS151でNO)、処理を終了する。制御部11は完了ケースがあると判定した場合(ステップS151でYES)、依頼メールを企業端末宛に送信する(ステップS152)。企業端末は依頼メールを受信する(ステップS153)。依頼メールを読んだ企業ユーザは作業を開始する。企業端末はアンケート画面の要求を提供サーバ1へ送信する(ステップS154)。登録画面の要求は例えばHTTPリクエストである。提供サーバ1の制御部11は要求を受信する(ステップS155)。制御部11はアンケート画面を生成し企業端末へ送信する(ステップS156)。企業端末はアンケート画面を受信し、表示部に表示する(ステップS157)。企業ユーザはアンケート画面に表示された質問を読み、回答を入力し、送信を指示する。企業端末は回答を受け付け、提供サーバ1へ送信する(ステップS158)。提供サーバ1の制御部11は回答を受信し、補助記憶部13に記憶する(ステップS159)。制御部11はケースのステータスを更新する(ステップS160)。ステータスが「完了」であれば、「完了・アンケート済」とする。ステータスが「登録済」であれば、「登録済・アンケート済」とする。それに伴い、事例登録処理のステップS40の処理内容を適宜変更する。制御部11はアンケート結果に基づき、業者の評価、商材の評価、参照された事例の評価等を更新し(ステップS161)、処理を終了する。
アンケートにより収集する項目としては、NPS(登録商標)(Net Promoter Score)、満足度、改善点、現在困っていること等である。NPSは、コンサルティングを受けた業者に対して、どれくらいの愛着や信頼があるかを数値化する指標である。NPSは、「今回、コンサルティングを受けた業者や購入した商材を同僚や他部署に薦めたいと考えますか?0〜10の11段階でお答えください。」、「その理由を教えてください。」等の質問により、他者への推奨度を数値化した指標である。満足度はコンサルティングの満足度や購入した商材に対する満足度である。改善点はコンサルティングや商材に対して改善すべき点である。現在困っていることはコンサルティング受けた後、商材を購入した後に新たなに発生又は気づいた業務上の問題である。購入した商材に対する評価については数値評価(5点満点で何点か)を収集してもよい。
(管理画面)
次に提供システム100の管理機能について説明する。管理機能はユーザ種別により異なる。図48及び図49は管理画面の例を示す説明図である。図48Aは企業ユーザ向けの管理画面の例を示す。管理画面d09はメニュー一覧d091及び戻るボタンd092を含む。メニュー一覧d091に含むメニューは例えば、メニュー1「ビジネスマッチング案件管理」、メニュー2「お気に入り事例、商品管理」、メニュー3「キャンペーン等お知らせ」である。メニュー1は問題・課題を解決するための依頼を、業者に送信した案件を一覧表示したり、各案件の状況を確認したりする機能を提供するメニューである。メニュー2は事例のブックマークを参照したり、提供システム100を介して購入した商品を参照したりする機能を提供するメニューである。メニュー3はキャンペーンのお知らせ等の提供システム100からの通知を表示する機能を提供するメニューである。戻るボタンd092はホーム画面等に戻るためのボタンである。
図48Bは銀行ユーザ向けの管理画面の例を示す。管理画面d10はメニュー一覧d101及び戻るボタンd102を含む。メニュー一覧d101に含むメニューは例えば、メニュー1「ビジネスマッチング実績集計、レポート作成」、メニュー2「ビジネスマッチングの傾向分析、予測」、メニュー3「ビジネスマッチング商品の追加」、メニュー4「ビジネスマッチングの案件管理」である。メニュー1は提供システム100を利用して、ユーザ企業に業者を紹介した案件の実績を集計したり、実績についてのレポートを作成したりする機能を提供するメニューである。当該メニューにより、銀行ユーザは例えば、マッチング件数、閲覧履歴、売上高、手数料、満足度、NPS、成約率、提案数、成約リードタイム、及び売れ筋等の指標を参照することが可能である。これらの指標は、行員別、エリア別、商材別に算出した値を参照することも可能である。メニュー2はビジネスマッチングの傾向分析、予測を提供するメニューである。ビジネスマッチングの傾向は、閲覧履歴から、成約した案件に多く引用されている事例の傾向等を分析する。予測機能は実施の形態3で述べた判定モデル16を用いた顧客企業の問題・課題の予測である。メニュー3はビジネスマッチング商品を追加する機能を提供するメニューである。当該機能は、実施の形態5で述べた商材の利用登録機能である。メニュー4はビジネスマッチングの案件管理機能である。当該機能は、企業ユーザ向けの管理画面d09のメニュー1で提供する機能と同様である。戻るボタンd102はホーム画面等に戻るためのボタンである。
図49Aは業者ユーザ向けの管理画面の例を示す。管理画面d11はメニュー一覧d111及び戻るボタンd112を含む。メニュー一覧d111に含むメニューは例えば、メニュー1「ビジネスマッチング実績集計、レポート作成」、メニュー2「ビジネスマッチングの傾向分析、予測」、メニュー3「ビジネスマッチング商品の編集」、メニュー4「キャンペーン管理」、メニュー5「ビジネスマッチングの案件管理」、メニュー6「事例管理」である。メニュー1及びメニュー2で提供する機能は、銀行ユーザ向けの管理画面d10のメニュー1及びメニュー2で提案される機能と同様である。メニュー3は提供している商品の情報を編集する機能を提供する。メニュー4はコンサルティングや商品の販促などのキャンペーン情報の追加、編集等の機能を提供する。メニュー5で提供する機能は、銀行ユーザ向けの管理画面d10のメニュー4で提供する機能と同様である。メニュー6は業者が過去に担当した案件を事例として登録したり、登録した事例を修正したりする機能を提供する。戻るボタンd112はホーム画面等に戻るためのボタンである。
図49Bは提供システム100の運用者向けの管理画面の例を示す。管理画面d12はメニュー一覧d121及び戻るボタンd122を含む。メニュー一覧d121に含むメニューは例えば、メニュー1「ビジネスマッチング実績集計、レポート作成」、メニュー2「ビジネスマッチングの傾向分析、予測」、メニュー3「事例管理」、メニュー4「商品管理」である。メニュー1、メニュー2及びメニュー3で提供する機能は、業者ユーザ向けの管理画面d11のメニュー1、メニュー2及びメニュー6で提供する機能と同様である。戻るボタンd122はホーム画面等に戻るためのボタンである。なお、企業ユーザ、銀行ユーザ、業者ユーザ、運用者により、参照及び変更するデータの範囲は異なる。そのため、同様な機能であっても、各ユーザが扱えるデータの範囲は異なる。
(実施の形態8)
本実施の形態は教育機能に関する。提供システム100を用いることにより、銀行ユーザや業者ユーザは顧客企業の問題・課題を予測し、当該問題・課題を解決した過去の事例を含む提案書を作成することが可能である。しかし、提案活動にはプレゼンテーションが必要なことが多い。プレゼンテーションの技能は、経験の蓄積により向上する。しかし、効果的なプレゼンテーションの例を見て学ぶことから、ある程度の技能向上は期待される。本実施の形態は、プレゼンテーションの技能向上を目指した教育機能に関する。より具体手には優秀な営業員のプレゼンテーションの内容が分かるシナリオを提供する。営業員とは銀行ユーザ又は業者ユーザであり、顧客企業においてプレゼンテーションを行う者である。
本実施の形態において、システムの全体構成は実施の形態1等と同様であるが、動画コンテンツを作成する際に、営業員が使用するユーザ端末2又は業者端末3に求められる構成が異なる。以下、営業員が使用するユーザ端末2又は業者端末3を営業員端末と呼ぶ。営業員端末はカメラやマイクを備えており、営業員がプレゼンテーションしている様子を動画として記憶可能としてある。それと同時に、プレゼンテーションで使用したスライド又はスライドを表示した画面を画像として時間データと対応付けて記憶することが可能である。
図50はシナリオDBの例を示す説明図である。シナリオDB13Iは、過去に営業員が行ったプレゼンテーションについてのシナリオを記憶する。シナリオDB13Iは提供サーバ1の補助記憶部13等に記憶する。シナリオDB13IはシナリオID列、ユーザID列、ケースID列、顧客企業ID列、番号列、配分列、利用画面列、トーク列及び音声列を含む。シナリオID列はシナリオを一意に特定可能なシナリオIDを記憶する。ユーザID列はプレゼンテーションを行ったユーザのユーザIDを記憶する。ケースID列はプレゼンテーションに対応するケースがある場合に当該ケースのケースIDを記憶する。顧客企業ID列はプレゼンテーションの対象となった顧客企業の企業IDを記憶する。番号列はプレゼンテーションの場面を示す順番号を記憶する。配分列は各場面の所要時間を記憶する。利用画面列はプレゼンテーションに使用されたスライド画像を記憶する。利用画面列は画像データを保存するのではなく、画像データを記憶した画像ファイルのファイル名を記憶してもよい。トーク列はプレゼンテーションにおける営業員の音声をテキストに起こしたものを記憶する。音声列はプレゼンテーションにおける営業員の音声を記憶する。音声列は音声データを保存するのではなく、音声データを記憶した音声ファイルのファイル名を記憶してもよい。
図51は共有設定DBの例を示す説明図である。共有設定DB13JはシナリオDB13Iに記憶しているシナリオの共有範囲、シナリオを参照できるユーザの条件を記憶する。共有設定DB13Jは提供サーバ1の補助記憶部13等に記憶する。共有設定DB13JはシナリオID列、企業ID列、エリア列、支店列及びユーザID列を記憶する。シナリオID列はシナリオIDを記憶する。企業ID列はシナリオが参照可能な企業の企業IDを記憶する。エリア列はシナリオが参照可能なエリアを記憶する。支店列はシナリオが参照可能な支店を記憶する。ユーザID列はシナリオが参照可能なユーザを記憶する。
共有設定DB13Jの値設定は例えば次のように行う。所定企業の所属する全てのユーザがシナリオを参照可能とする場合、企業ID列の値を設定し、エリア列、支店列及びユーザID列には値を設定しない。所定企業の所定エリアに所在する支店所属のユーザがシナリオを参照可能とする場合、企業ID列及びエリア列の値を設定し、支店列及びユーザID列には値を設定しない。所定企業の所定の支店所属のユーザがシナリオを参照可能とする場合、企業ID列及び支店列の値を設定し、エリア列及びユーザID列には値を設定しない。所定企業の所定のユーザがシナリオを参照可能とする場合、企業ID列及びユーザID列の値を設定し、エリア列、支店列及びユーザID列には値を設定しない。
図52はシナリオ表示画面の例を示す説明図である。シナリオ表示画面d13はシナリオDB13Iに記憶しているシナリオを表示する。シナリオ表示画面d13は時間配分領域d131、画面表示領域d132、テキスト表示領域d133、音声提供領域d134及び戻るボタンd135を含む。時間配分領域d131は各場面における所要時間を表示する。画面表示領域d132は各シーンで表示された画面を表示する。テキスト表示領域d133は各シーンで営業員が話したことをテキスト化したものを表示する。音声提供領域d134は各シーンで営業員が話した音声を提供する。各シーンに表示されているボタンを選択すると音声の再生が開始する。戻るボタンd135はホーム画面等に戻るためのボタンである。
本実施の形態においては、経験の浅い営業員に、効果的なプレゼンテーションの例を視聴できる動画シナリオを提供することで、プレゼンテーション技能の向上を図ることが可能となる。
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るコンピュータプログラムは、企業の情報を取得し、前記企業の情報に基づき、問題・課題を記憶する記憶部を参照して前記企業の問題・課題を特定し、特定した前記問題・課題を出力し、特定した前記問題・課題、前記企業の情報に基づき、前記問題・課題に関連する事例を特定し、特定した前記事例を選択可能に一覧出力し、選択された前記事例の識別情報を含むマッチング依頼を受け付け、前記事例の識別情報に対応付けられた業者の識別情報を取得し、取得した前記業者の前記識別情報に対応付けられた送信先へ前記マッチング依頼を送信する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする。