JP2021060288A - 偏光測定装置及び偏光測定方法 - Google Patents

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大谷 幸利
Yukitoshi Otani
幸利 大谷
秀平 柴田
Shuhei Shibata
秀平 柴田
ヘーガン ネイザン
Hagen NATHAN
ヘーガン ネイザン
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Abstract

【課題】測定対象のフルストークス・パラメータを高速に測定できる偏光測定装置を提供する。【解決手段】入射光が透過光と反射光とに分岐される分岐面21を有する分岐部20と、分岐面で分岐された透過光L2の偏光方向を所定の角度変更する偏光方向変更部22と、偏光方向変更部で偏光方向を変更され且つ互いに異なる偏光方向の透過光を通過させる複数の第1微小偏光子を有する第1受光部30と、互いに異なる偏光方向の反射光を通過させる複数の第2微小偏光子を有する第2受光部40と、複数の第1微小偏光子を通過して受光された複数の第1光強度と、複数の第2微小偏光子を通過して受光された複数の第2光強度とを同時に取得し、複数の第1光強度と前記複数の第2光強度とに基づいてフルストークス・パラメータを算出する計算部60と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光測定装置及び偏光測定方法に関する。
近年、測定対象の偏光状態や偏光分布を可視化する偏光測定装置が提案されている。偏光測定装置は、例えば、視覚的に認識できない物体や歪みの測定等への応用が期待されている。
例えば、非特許文献1には、連続回転する位相差板と偏光カメラとを備えた偏光測定装置が開示されている。非特許文献1の偏光測定装置では、回転中の位相差板に配列された複数の方位領域の光強度が検出されることで、フルストークス・パラメータが得られる。フルストークス・パラメータが得られるということは、直線偏光状態以外の偏光状態を含む全ての偏光状態を測定できることを意味する。非特許文献1の偏光測定装置によれば、測定対象の部分的或いは全体について直線偏光状態以外の偏光状態を含む任意の偏光状態や偏光分布を取得できる。
Shuhei Shibata, Nathan Hagen, and Yukitoshi Otani, "Robust full Stokes imaging polarimeter with dynamic calibration," Optics Letters, Vol. 44, Issue 4, pp. 891-894 (2019).
しかしながら、上述の非特許文献1の偏光測定装置では、測定対象のある瞬間の偏光状態や偏光分布を得るために、位相差板を互いに異なる角度に回転させ、各角度に位相差板が回転したときに位相差板を透過した光の強度を偏光カメラで取得する。測定対象のある瞬間の偏光状態を得るために、複数の光強度分布を複数回取得しなければならないため、非特許文献1の偏光測定装置における偏光状態の測定速度は、例えばビデオレートよりも遅い。
また、上述の非特許文献1の偏光測定装置では、測定範囲が位相差板のモータのアパーチャーの大きさに制約される。そのため、非特許文献1の偏光測定装置の測定範囲は、モータを備えていない偏光測定装置に比べて縮小される。
本発明は、上述の問題を解決するためになされており、測定対象の偏光状態に関するフルストークス・パラメータをビデオレート以下の測定速度で測定でき、且つモータを備える装置に比べて測定範囲を広く確保できる偏光測定装置及び偏光測定方法を提供する。
本発明に係る偏光測定装置は、入射光が透過光と反射光とに分岐される分岐面を有する分岐部と、前記分岐面で分岐された前記透過光の偏光方向を所定の角度変更する偏光方向変更部と、前記偏光方向変更部で偏光方向を所定の角度変更され且つ互いに異なる偏光方向の前記透過光を通過させる複数の第1微小偏光子を有する複数の第1受光素子が設けられた第1受光部と、互いに異なる偏光方向の前記反射光を通過させる複数の第2微小偏光子を有する複数の第2受光素子が設けられた第2受光部と、前記複数の第1微小偏光子を通過して前記複数の第1受光素子の各々で受光された複数の第1光強度と、前記複数の第2微小偏光子を通過して前記複数の第2受光素子の各々で受光された複数の第2光強度とを、互いに対応する位置に設けられた前記複数の第1受光素子及び前記複数の第2受光素子ごとに同時に取得し、前記複数の第1光強度と前記複数の第2光強度とに基づいてフルストークス・パラメータを算出し、前記入射光の偏光情報を得る計算部と、を備える。
上述の偏光測定装置によれば、第1受光部と第2受光部とで、互いに対応する位置に設けられた受光素子同士の複数の第1光強度と複数の第2光強度とが同時に1回の受光動作によって得られる。複数の第1光強度及び複数の第2光強度の総数と、複数の第1微小偏光子の各々が通す透過光の偏光の向き及びこれらの偏光の向きに対応する複数の第2微小偏光子の各々が通す透過光の偏光の向きと、偏光方向変更部に関する所定の角度に応じて、計算部で入射光に関するフルストークス・パラメータが算出される。上述の偏光測定装置によれば、複数の第1受光素子及び複数の第2受光素子の各々について、少なくともビデオレートと略同等の測定速度で、フルストークス・パラメータを算出し、測定対象の偏光状態を測定できる。また、上述の偏光測定装置では、従来の装置のようにモータで波長板等の偏光方向変更部を光軸に対して回転させる必要がないため、モータによる測定範囲の制約を受けず、従来の装置に比べて測定範囲を広く確保できる。
本発明に係る偏光測定装置では、前記計算部は、前記フルストークス・パラメータの算出において、前記分岐部の偏光依存性及び前記偏光方向変更部の波長分散の少なくとも一方による誤差を補正してもよい。
分岐部を構成する無偏光ビームスプリッタには、僅かに偏光依存性が生じる場合がある。偏光方向変更部を構成する波長板には、僅かに波長分散が生じる場合がある。上述の偏光測定装置によれば、前述のように分岐部の偏光依存性及び偏光方向変更部の波長分散の少なくとも一方が生じても、分岐部の偏光依存性及び偏光方向変更部の波長分散の少なくとも一方に起因する誤差を補正して正確なフルストークス・パラメータを算出できる。
本発明に係る偏光測定装置では、前記所定の角度はπ/2に相当し、前記複数の第1微小偏光子は、前記透過光の光軸から見て水平方向に沿った偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記透過光の光軸から見て水平方向に対して+45°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記透過光の光軸から見て水平方向に対して直交する偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記透過光の光軸から見て水平方向に対して+135°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、を備え、前記複数の第2微小偏光子は、前記反射光の光軸から見て水平方向に沿った偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記反射光の光軸から見て水平方向に対して+45°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記反射光の光軸から見て水平方向に対して直交する偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、前記反射光の光軸から見て水平方向に対して+135°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、を備えてもよい。
上述の偏光測定装置によれば、1回の受光動作によってフルストークス・パラメータの算出に有効な8種の光強度が得られる。所定の角度はπ/2に相当することと、複数の第1微小偏光子の各々及び複数の第2微小偏光子の各々の通過させる偏光方向によって、8種の光強度は、光の進行方向から見て、水平方向に沿う直線偏光に関する光強度、右回り円偏光に関する光強度、水平方向に直交する垂直方向に沿う直線偏光に関する光強度、左回り円偏光に関する光強度、水平方向に対して±45°の角度をなして傾斜する方向に沿う直線偏光に関する光強度を含む。これらの8種の光強度に基づいて、後述する行列計算を用いて、フルストークス・パラメータを効率良く算出できる。
本発明に係る偏光測定装置では、前記入射光の進行方向において前記分岐部よりも後方に配置された結像部と、前記入射光の進行方向において前記結像部と前記分岐部との間に配置され、前記入射光の進行方向に交差する方向において所定の大きさの開口が形成された開口部と、をさらに備えてもよい。
上述の偏光測定装置によれば、測定対象から発せられて開口を通る入射光のみが透過光及び反射光に分岐され、測定される。測定対象以外の物体や位置から発せられた光は開口部の壁によって遮断される。そのため、上述の偏光測定装置によれば、測定対象外の複像をカットできる。
本発明に係る偏光測定方法は、入射光を透過光と反射光とに分岐し、分岐した前記透過光の偏光方向を所定の角度変更し、前記偏光方向を所定の角度変更され且つ互いに異なる偏光方向の前記透過光を通過させる複数の第1微小偏光子を通過して複数の第1受光素子の各々で受光された複数の第1光強度と、互いに異なる偏光方向の前記反射光を通過させる複数の第2微小偏光子を通過して複数の第2受光素子の各々で受光された複数の第2光強度とを、互いに対応する位置に設けられた前記複数の第1受光素子及び前記複数の第2受光素子ごとに同時に取得し、前記複数の第1光強度と前記複数の第2光強度とに基づいてフルストークス・パラメータを算出し、前記入射光の偏光情報を得る、ことを含む。
上述の偏光測定方法によれば、上述の偏光測定装置と同様に、複数の第1光強度と複数の第2光強度とを同時に1回の受光動作によって取得し、少なくともビデオレートと略同等の測定速度で、フルストークス・パラメータを算出し、測定対象の偏光状態を測定できる。
本発明に係る偏光測定装置及び偏光測定方法によれば、測定対象の偏光状態に関するフルストークス・パラメータをビデオレート以下の測定速度で測定でき、且つモータを備える装置に比べて測定範囲を広く確保できる。
本発明の一実施形態の偏光測定装置の上面図である。 図1に示す偏光測定装置の別の上面図である。 図1に示す偏光測定装置の第1受光部を透過光の進行方向から見た側面図である。 図1に示す偏光測定装置の第2受光部を透過光の進行方向から見た側面図である。 実施例で使用した無偏光ビームスプリッタの複吸収の波長依存性を測定したグラフである。 実施例で使用した無偏光ビームスプリッタの位相遅れの波長依存性を測定したグラフである。 実施例で算出したストークスパラメータの成分sの波長依存性を示すグラフである。 実施例で算出したストークスパラメータの成分sの波長依存性を示すグラフである。 実施例で算出したストークスパラメータの成分sの波長依存性を示すグラフである。 実施例で眼鏡の偏光状態を測定したときの装置構成を示す模式図である。 実施例で測定した眼鏡の偏光状態を示す図であり、左図は強度分布を示し、中央図は楕円率の分布を示し、右図は偏光角の分布を示す。 実施例で緑色の葉と緑色のコガネムシの各々の偏光状態を測定したときの装置構成を示す模式図である。 実施例で測定した緑色の葉と緑色のコガネムシの各々の偏光状態を示す図であり、左図は強度分布を示し、右図は楕円率の分布を示す。 実施例で塩水に砂糖水を加えたときの液体の偏光状態を測定したときの装置構成を示す模式図である。 実施例で測定した液体の偏光状態を示す図であり、左図は強度分布を示し、中央図は偏光度の分布を示し、右図は偏光角の分布を示す。
以下、本発明に係る偏光測定装置及び偏光測定方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
<偏光測定装置の構成>
図1に示すように、本発明の一実施形態の偏光測定装置10は、イメージングレンズ(結像部)12と、バンドパスフィルタ14と、絞り(開口部)16と、無偏光ビームスプリッタ(分岐部)20と、1/4波長板(偏光方向変更部)22と、第1偏光カメラ(第1受光部)30と、第2偏光カメラ(第2受光部)40と、計算機(計算部)60と、を備える。
不図示の被測定物から発せられた光や被測定物によって反射された光は、入射光L1として、光軸A1に沿ってイメージングレンズ12に入射した後に結像する。イメージングレンズ12と、バンドパスフィルタ14と、絞り16と、無偏光ビームスプリッタ20は、光軸A1上に配置されている。イメージングレンズ12は、入射光L1の進行方向において無偏光ビームスプリッタ20よりも後方に配置されている。バンドパスフィルタ14は、入射光L1の進行方向のイメージングレンズ12よりも前方に配置されている。バンドパスフィルタ14は、入射光L1のうち特定の波長帯域の入射光L1−2のみを透過させる。特定の波長帯域は、例えば無偏光ビームスプリッタ20が偏光無依存で作用する設計波長帯域と互いに重なっている。
絞り16は、入射光L1−2の進行方向のバンドパスフィルタ14よりも前方に配置されている。絞り16には、光軸A1を通る所定の大きさの開口17が形成されている。図2に示すように、測定対象の表面Sのある位置P1から発せられた入射光L1のみを通過させ、無偏光ビームスプリッタ20に入射させる。つまり、図2に示す入射光L1のみが絞り16に形成されている開口17を通過する。そのため、光軸A1に対して位置P1から離れた位置P11、P12の各々から発せられてイメージングレンズ12及びバンドパスフィルタ14を通過する入射光L11、L12は、開口17とはずれた位置で絞り16によって遮断される。
無偏光ビームスプリッタ20は、入射光L1−2の進行方向の絞り16よりも前方に配置され、分岐面21を有する。分岐面21は、偏光測定装置10を上面視したときに、光軸A1に対して略45°傾斜している。分岐面21によって、入射光L1−2は、透過光L2と、反射光L3とに分岐される。透過光L2は、分岐面21を透過し、光軸A1に沿って進む。反射光L3は、分岐面21で反射され、光軸A2に沿って進む。光軸A2は、上面視したときに光軸A1に略直交し且つ分岐面21に対して光軸A1と同じ側から交差して略45°傾斜している。
1/4波長板22は、入射する透過光L2の偏光方向を、光軸A1から見てλ/4に相当する角度変更する。λは、入射光L1及び透過光L2の中心波長を表す。即ち、1/4波長板22は、入射する透過光L2の偏光方向を、光軸A1から見てπ/2(即ち、90°)変更する。第1偏光カメラ30は、透過光L2−2の進行方向の1/4波長板22よりも前方に配置されている。第1偏光カメラ30は、受光面31を有し、透過光L2−2の進行方向において受光面31が1/4波長板22と向かい合うように配置されている。
第2偏光カメラ40は、反射光L3の進行方向の無偏光ビームスプリッタ20よりも前方に配置されている。第2偏光カメラ40は、受光面41を有し、透過光L3の進行方向において受光面41が無偏光ビームスプリッタ20と向かい合うように配置されている。
図3に示すように、第1偏光カメラ30の受光面31には、複数の画素(第1受光素子)32が2次元で配列されている。以降の説明のために、画素32の総数をnとし、図2の紙面上で左下から左右方向に沿って番号を付し、さらに下から上に列を変えて続きの番号を付す。画素32−1、32−2、…、32−nに共通する内容の説明では、これらの画素をまとめて画素32と記載する。
各々の画素32は、複数の微小偏光子(第1微小偏光子)33を備え、例えば4つの微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4を備える。透過光L2−2から見て、4つの微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4はそれぞれ、画素32の左上、右上、右下、左下に配置されている。微小偏光子33−1は、入射する透過光L2−2のうち水平方向と略平行な方向(以下、0°方向)の光を通過させる。微小偏光子33−2は、入射する透過光L2−2のうち光軸A1から見て水平方向に対して左下から右上に向かうように傾斜する方向(以下、+45°方向)の光を通過させる。微小偏光子33−3は、入射する透過光L2−2のうち水平方向と略直交する方向(以下、+90°方向)の光を通過させる。微小偏光子33−4は、入射する透過光L2−2のうち光軸A1から見て水平方向に対して左上から右下に向かうように傾斜する方向(以下、+135°方向)の光を通過させる。
図4に示すように、第2偏光カメラ40の受光面41には、第1偏光カメラ30の受光面31と同様に、複数の画素(第2受光素子)42が2次元で配列されている。画素42の総数mは、少なくとも画素32の総数n以上であり、全ての画素を有効に活用する観点から総数nと等しいことが好ましい。本実施形態では、m=nとする。複数の画素42についても、複数の画素32と同様に、図3の紙面上で左下から左右方向に沿って番号を付し、さらに下から上に列を変えて続きの番号を付す。画素42−1、42−2、…、42−nに共通する内容の説明では、これらの画素をまとめて画素42と記載する。
各々の画素42は、複数の微小偏光子(第2微小偏光子)43を備え、例えば4つの微小偏光子43−1、43−2、43−3、43−4を備える。微小偏光子43−1、43−2、43−3、43−4のそれぞれの構成及び作用は、微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4のそれぞれの構成及び作用と同じである。
計算機60は、第1偏光カメラ30から、複数の画素32−iの各々の微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4をそれぞれ通過して受光された透過光L2−2の光強度(第1光強度)I0−i、I1−i、I2−i、I3−iを受信する。計算機60は、第2偏光カメラ40から、複数の画素42−iの各々の微小偏光子43−1、43−2、43−3、43−4をそれぞれ通過して受光された反射光L3の光強度(第2光強度)I4−i、I5−i、I6−i、I7−iを受信する。iは、1からnまでの自然数である。計算機60は、光強度I0−i〜I7−iを用いて、入力光L1のフルストークス・パラメータS={s0−i,s1−i,s2−i,s3−i}を算出する。
次に、計算機60がフルストークス・パラメータSiの4つの成分s0−i,s1−i,s2−i,s3−iを算出する原理を説明する。成分sは、光強度に関する。成分sは、光の進行方向から見たときの水平方向及び垂直方向に関する。成分sは、光の進行方向から見たときの水平方向に対して+45°傾斜した方向及び水平方向に対して−45°傾斜した方向に関する。成分sは、光の進行方向から見たときの右回り方向及び左回り方向に関する。
4つの成分s0−i,s1−i,s2−i,s3−iを備えるベクトルをsとする。ベクトルsは、行列形式でs=[s0−i,s1−i,s2−i,s3−iと表される。ここで、次の(1)式に示す計算用の理想測定行列Wを導入する。
Figure 2021060288
理想測定行列Wの1行目及び5行目の各々は、光の進行方向から見たときの水平方向に沿う直線偏光を表す。理想測定行列Wの2行目は、右回りの円偏光を表す。理想測定行列Wの3行目及び7行目の各々は、水平方向に直交する方向に沿う直線偏光を表す。理想測定行列Wの4行目は、左回りの円偏光を表す。理想測定行列Wの6行目は、水平方向に対して−45°傾斜した方向に沿う直線偏光を表す。理想測定行列Wの8行目は、水平方向に対して+45°傾斜した方向に沿う直線偏光を表す。
8つの光強度I1−i〜I8−iを備えるベクトルをIとする。ベクトルIは、行列形式でI=[I0−i,I1−i,I2−i,I3−i、I4−i,I5−i,I6−i,I7−iと表される。ベクトルs、I及び理想測定行列Wの関係は、I=WSであって、S=Wである。Wは、理想測定行列Wの擬似逆行列である。具体的には、次に示す(2)式及び(3)式が得られる。
Figure 2021060288
Figure 2021060288
上述の(3)式に基づき、計算機60は、光強度I0−i〜I7−iを用いて、フルストークス・パラメータS(i)={s0−i,s1−i,s2−i,s3−i}(i=1〜n)を算出できる。画素32−iに照射される透過光L2−2の位置に対応する測定対象の位置の偏光度(degree of polarization、偏光情報)DOPは、次に示す(4)式で表され、0≦DOP≦1である。画素32−iに照射される透過光L2−2の位置は、画素42−iに照射される透過光L3の位置でもある。
Figure 2021060288
画素32−iに照射される透過光L2−2の位置に対応する測定対象の位置の楕円率(ellipticity、偏光方向)eは、次に示す(5)式のように表され、−1≦e≦1である。
Figure 2021060288
画素32−iに照射される透過光L2−2の位置に対応する測定対象の位置の配向角(orientation angle、偏光方向)θは、次に示す(6)式のように表され、−90°≦θ≦90°である。
Figure 2021060288
なお、図3に示す複数の画素32が水平方向にK個並び、複数の画素32が水平方向に直交する垂直方向にL個並んでいるものとする。つまり、K×L=nである。図3のディ面に向かって左側からk番目且つ下からl行目の画素を32−k,lと記載する。各々の画素32−k,lの成分s0−k,lは、次に示す(7)式示す透過光L2−2の光強度I(k,l)及び(8)式に示す反射光L3の光強度I(k,l)に基づいて得られる。
Figure 2021060288
Figure 2021060288
光軸A1、A2を互いに揃えたとき、理想的には画素32−k,lに照射される光の位置と画素42−k,lに照射される光の位置とは、互いに重なる。しかしながら、偏光測定装置10が設けられている環境の空気揺らぎ等によって、画素42−k,lに照射される反射光L3の位置が画素32−k,lに照射される透過光L2−2の位置に対してずれる場合がある。ここで、画素42−k,lに照射される反射光L3の位置が画素32−k,lに照射される透過光L2−2の位置にずれたと想定する。この想定では、次に示す(9)式が成り立つ。
Figure 2021060288
(9)式をフーリエ変換すると、次に示す(10)式及び(11)式が得られる。(10)式における(「xi」,η)は、(k,l)の複素共役を表す。前述の「xi」は、ギリシャ文字の“クサイ(xi)”の小文字を表す。
Figure 2021060288
Figure 2021060288
(11)式で表されるクロス・パワー・スペクトラムに基づいて、第1偏光カメラ30の受光面31において各々の画素32−k,lに照射される透過光L2−2と、第2偏光カメラ40の受光面41において各々の画素42−k,lに照射される反射光L3との位置合わせが可能である。
また、無偏光ビームスプリッタ20は名前の通り、入射する偏光の向きに依存せずに入射した光を分岐する。しかしながら、偏光測定装置10に実装される無偏光ビームスプリッタでは、僅かに偏光依存性が存在する場合がある。ここで、無偏光ビームスプリッタ20に線形性を有する複吸収が発生していると想定する。無偏光ビームスプリッタ20の透過光L2−2に対する複吸収値をDとし、無偏光ビームスプリッタ20の反射光L3に対する複吸収値をDとする。無偏光ビームスプリッタ20の透過光L2−2に対する位相遅れをδとし、無偏光ビームスプリッタ20における反射光L3に対する位相遅れをδとする。なお、理想的な無偏光ビームスプリッタ20、即ち偏光依存性が全く存在しない偏光ビームスプリッタでは、複吸収値D、D及び位相遅れδ、δはそれぞれ零である。
さらに、1/4波長板22として、偏光測定装置10に実装される波長板にも、波長分散が存在する場合がある。そこで、1/4波長板22における透過光L2−2に対する位相遅れをδQWPとする。無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性と1/4波長板22とを考慮すると、透過光L2−2に対する位相遅れδTOTALは、次に示す(12)式で表される。
Figure 2021060288
上述の複吸収値D、D及び位相遅れδ、δ、δTOTALを用いると、(13)式に示すミュラー行列M及び(14)式に示すミュラーMが得られる。
Figure 2021060288
Figure 2021060288
ミュラー行列Mは、透過光L2−2に作用する無偏光ビームスプリッタ20及び1/4波長板22の偏光状態を示す。ミュラー行列Mは、反射光L3に作用する無偏光ビームスプリッタ20の偏光状態を示す。これらのミュラー行列M、Mを用いると、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性と1/4波長板22とを考慮したときの理想測定行列W´は、次に示す(15)式で表される。
Figure 2021060288
理想測定行列W´を用いると、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性と1/4波長板22とを考慮したときのフルストークス・パラメータSは、(3)式に替わり、次に示す(16)式及び(17)式にのように表される。
Figure 2021060288
Figure 2021060288
但し、(17)式では、q=2,3,4の何れかとしたとき、(18)式に示す近似を採用した。
Figure 2021060288
前述のように、(11)式で表されるクロス・パワー・スペクトラムに基づいて、各々の画素32−k,lに照射される透過光L2−2と、各々の画素42−k,lに照射される反射光L3との位置合わせをする場合、複吸収値D、D及び位相遅れδ、δ、δTOTALは、次に示す(19)式のように補正される。
Figure 2021060288
以上説明した本実施形態の偏光測定装置10は、上述のイメージングレンズ12と、バンドパスフィルタ14と、絞り16と、無偏光ビームスプリッタ20と、1/4波長板22と、第1偏光カメラ30と、第2偏光カメラ40と、計算機60と、を備える。
本実施形態の偏光測定装置10及び偏光測定方法によれば、第1偏光カメラ30と第2偏光カメラ40とで、互いに対応する位置に設けられた画素32−i、42−i同士の複数の光強度(第1光強度)I0−i〜I3−iと複数の第2光強度とが同時に1回の受光動作によって得られる。本実施形態の偏光測定装置10によれば、画素32−i、42−iの各々について、少なくともビデオレートと略同等の測定速度で、フルストークス・パラメータSを算出し、測定対象の偏光状態を測定できる。また、本実施形態の偏光測定装置10では、従来の装置のようにモータで波長板等の偏光方向変更部を光軸に対して回転させる必要がないため、モータによる測定範囲の制約を受けず、従来の装置に比べて測定範囲を広く確保できる。
本実施形態の偏光測定装置10によれば、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性及び1/4波長板22の波長分散に起因する誤差を補正して正確なフルストークス・パラメータを算出できる。例えば、フルストークス・パラメータSを算出するための理想測定行列Wの所定の成分を、(16)式及び(17)式に関して説明したように、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性及び1/4波長板22の波長分散に基づいて補正することで、前述の偏光依存性及び波長分散に起因する誤差を補正し、正確なフルストークス・パラメータを算出できる。
本実施形態の偏光測定装置10によれば、画素32−i、42−iの各々について、1回の受光動作によってフルストークス・パラメータSの算出に有効な8種の光強度I0−i〜I8−iが得られる。所定の角度はπ/2に相当することと、複数の第1微小偏光子の各々及び複数の第2微小偏光子の各々の通過させる偏光方向が水平方向に対して0°、+45°、+90°、+135°をなす4種類の方向であることによって、8種の光強度I0−i〜I8−iは、光の進行方向から見て、水平方向に沿う直線偏光に関する光強度、右回り円偏光に関する光強度、水平方向に直交する垂直方向に沿う直線偏光に関する光強度、左回り円偏光に関する光強度、水平方向に対して±45°の角度をなして傾斜する方向に沿う直線偏光に関する光強度を含む。したがって、8種の光強度I1−i〜I8−iに基づいて、(3)式や(16)式の行列計算を用いて、フルストークス・パラメータSを効率良く算出できる。
本実施形態の偏光測定装置10によれば、イメージングレンズ12及び絞り16を用いて、測定対象外の複像をカットできる。このことによって、フルストークス・パラメータSを精度良く算出できる。
本実施形態の偏光測定方法では、入射光L1を透過光L2と反射光L3とに分岐し、透過光L2の偏光方向をπ/2(所定の角度)変更する。次に、第1偏光カメラ30の複数の画素32ごとに4つの微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4の各々を通過して受光された透過光L2−2の光強度I0−i〜I3−iを得る。第2偏光カメラ40の複数の画素42ごとに4つの微小偏光子43−1、43−2、43−3、43−4の各々を通過して受光された反射光L3の光強度I4−i〜I7−iを得る。光強度I0−i〜I7−iは、互いに同時に取得される。「同時に取得される」とは、光強度I0−i〜I7−iの各々を取得する間に、測定者が何らかの作業を行わずに、或いは測定者が偏光測定装置10の構成部品の動作等を変更させることなく、例えば第1偏光カメラ30及び第2偏光カメラ40のスナップショットで取得されることを意味する。光強度I0−i〜I7−iの各々を取得する間に、前述の作業や動作の変更が生じなければ、例えば1回の撮像時間以下の時間差が生じても、「同時に取得される」範囲に含まれる。本実施形態の偏光測定方法では、8種の光強度I4−i〜I7−iに基づいて(3)式や(16)式の行列計算を用いて、フルストークス・パラメータSを効率良く算出できる。
本実施形態の偏光測定装置10及び偏光測定方法によれば、算出したフルストークス・パラメータSを用いて、測定対象の位置の偏光度DOP、楕円率e、配向角θを得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、上述の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更可能である。
例えば、本発明に係る偏光測定装置では、分岐部を構成する部品は、無偏光ビームスプリッタ20に限定されず、偏波依存性が少なく、入射光L1を透過光L2と反射光L3とに分岐できる部品等であってもよい。偏光方向変更部を構成する部品は、1/4波長板22に限定されず、透過光L2の偏光方向を所定の角度変更できる部品であってもよい。第1受光部を構成する部品は、第1偏光カメラ30に限定されず、第1偏光カメラ30と同様に、互いに異なる偏光方向の透過光L2−2を通過させる複数の第1微小偏光子を有する複数の第1受光素子を備えていればよい。第2受光部を構成する部品は、第2偏光カメラ40に限定されず、第2偏光カメラ40と同様に、互いに異なる偏光方向の反射光L3を通過させる複数の第2微小偏光子を有する複数の第2受光素子を備えていればよい。結像部を構成する部品は、イメージングレンズ12に限定されず、入射光L1を受光面31、41の各々に向けて結像できるものであればよい。開口部を構成する部品は、絞り16に限定されず、入射する光のうち、受光対象の光のみを通過させる開口が形成されているものであればよい。
例えば、4つの微小偏光子33−1、33−2、33−3、33−4が通過させる透過光L2−2の偏光方向の角度は、透過光L2−2の進行方向から見て、水平方向に対して前述のように0°、+45°、+90°、+135°をなす場合が好ましいが、必ずしもこれらの角度に限定されず、フルストークス・パラメータSを算出可能な角度であればよい。また、第1偏光カメラ30の各々の画素32が有する微小偏光子33の数は、前述の角度に対応して4つが好ましいが、4つに限定されず、フルストークス・パラメータSを算出するために必要な数以上であればよい。微小偏光子43−1〜43−4の各々が通過させる反射光L3の偏光方向の角度や、第2偏光カメラ40の各々の画素42が有する微小偏光子43の数についても、同様にフルストークス・パラメータSを算出するために必要な角度及び数を満たしていればよい。また、画素32−i、42−i同士が互いに対応する位置に設けられ、計算機60が画素32−i、42−i同士の位置関係を記憶できていれば、画素32−i、42−iの各々の4つの微小偏光子の配置は上述の実施形態で説明した配置から変更されてもよい。
例えば、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性及び1/4波長板22の波長分散の一方のみが生じた場合には、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性及び1/4波長板22の波長分散の一方に起因する誤差を補正して正確なフルストークス・パラメータを算出してもよい。例えば、フルストークス・パラメータSを算出するための理想測定行列Wの所定の成分を、(16)式及び(17)式から適宜変更し、無偏光ビームスプリッタ20の偏光依存性及び1/4波長板22の波長分散の一方に基づいて補正することで、上述の実施形態と同様に、正確なフルストークス・パラメータを算出できる。
次いで、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
本実施例では、図1に示す偏光測定装置10を試作した。イメージングレンズ12として、市販の引伸用レンズ(型番;FUJINON EX 75 F4.5、富士フィルム株式会社)を使用した。使用した引伸用レンズの焦点距離は、75mmである。使用した引伸用レンズの後焦点距離は、62.1mmである。バンドパスフィルタ14として、通過波長帯域が550±5nmのバンドパスフィルタを用いた。
無偏光ビームスプリッタ20の水平方向及び垂直方向の各々の大きさは、20mmである。無偏光ビームスプリッタ20は、可視波長域において入射した光の偏光の向きに依存せず光を分岐するように設計されている。使用した引伸用レンズの後焦点距離が50mmより長いので、引伸用レンズと使用した無偏光ビームスプリッタとの距離を少なくとも50mmより長く確保した。1/4波長板22は、石英で形成されている。1/4波長板22の設計波長は、632.8nmである。
第1偏光カメラ30と第2偏光カメラ40の各々として、試作品の偏光カメラ(ソニー株式会社製)を使用した。使用した偏光カメラの画素のサイズは、2.5μmである。使用した偏光カメラの画素数は、光の照射方向から見たとき、水平方向に2064pixelsであり、垂直方向に1560pixelsである。使用した偏光カメラの画素の各々は、4つの微小偏光子を備える。前述の4つの微小偏光子の各々が通過させる偏光の水平方向に対してなす角度は、図2及び図3のそれぞれに示す4つの微小偏光子と同じである。
市販のポラリメータ(製品名;AxoScan、Axometrics,Inc.製)を用いて、使用した無偏光ビームスプリッタの複吸収及び位相遅れの各波長依存性を測定した。図5に、使用した無偏光ビームスプリッタの複吸収(図5の縦軸のLinear diattenuation)の波長依存性の測定結果のグラフを示した。図6に、使用した無偏光ビームスプリッタの位相遅れ(図6の縦軸のLinear retardance[°])の波長依存性の測定結果のグラフを示した。
水平方向(即ち、0°)に沿う偏光方向の光を通過させる偏光子と、光の入射方向から見て周方向に回転する1/4波長板(QWP)とを用い、1/4波長板の回転角度の変化に対するストークス・パラメータの成分s,s,sの変化を測定した。使用したバンドパスフィルタの通過波長帯域が狭く、使用した無偏光ビームスプリッタの線形的な位相遅れと減衰の変化が小さいため、キャリブレーションに対する波長分散の影響を無視した。
図7に、1/4波長板の回転角度の変化に対するストークス・パラメータの成分sの変化を測定した結果のグラフを示した。図8に、1/4波長板の回転角度の変化に対するストークス・パラメータの成分sの変化を測定した結果のグラフを示した。図9に、1/4波長板の回転角度の変化に対するストークス・パラメータの成分sの変化を測定した結果のグラフを示した。図7から図9の各グラフの測定では、回転する1/4波長板を通過した水平方向に沿う偏光方向の光について、正規化されたストークスパラメータの成分s,s,sの各々を算出した。また、10回受光して得た10個の画像情報を平均し、全ての画素の平均値を算出することで、図7から図9の各グラフに示すようにプロットした。図7から図9の各々のグラフの実線は、既知の入力状態から求まるストークスパラメータを示す。図7から図9の各々のグラフの塗りつぶされていない四角は、(3)式に基づいて算出され、キャリブレーションしていない測定値を示す。図7から図9の各々のグラフの塗りつぶされた丸は、前述の手順でキャリブレーションし、(16)式に基づいて算出された測定値を示す。
図7から図9に示すように、キャリブレーションによって推定された測定値は、既知の入力状態の理論値にかなり近い。例えば、キャリブレーションで推定された測定値と既知の入力状態の理論値との間のRMSエラーは、ストークスパラメータの成分sでは0.138から0.033に低減された。測定値と理論値との間のRMSエラーとは、測定した全ての角度での理論値と測定値との差の2乗平方根を意味する。同じく、前述のRMSエラーは、ストークスパラメータの成分sで0.082から0.015に低減され、ストークスパラメータの成分sで0.109から0.016に低減された。これらの結果から、前述の手順でキャリブレーションを行うことで、正確なフルストークス・パラメータSを得ることができることを確認した。
次に、所謂3Dメガネである眼鏡を測定対象として、眼鏡の偏光状態を測定した。詳しく説明すると、眼鏡の偏光状態として、光強度と、楕円率と、偏光角と、を測定した。図10に示すように、偏光測定装置の入射領域に眼鏡を配置し、眼鏡に対し、試作した偏光測定装置とは反対側に白色フラットLED光源を配置した。眼鏡の2つのレンズのうち、1つのレンズは、水平方向に対して0°の偏光方向の光を通過させる偏光板(以下、0°偏光板とする)と+1/4波長板(以下、+45°波長板とする。)とを備える。眼鏡の2つのレンズのうち、もう1つのレンズは、0°偏光板と、−45°波長板とを備える。
2つのレンズの各々は、1つの右回り円偏光子と1つの左回り円偏光子とを備える。初めに見ていた向きとは反対側から眼鏡を見ると、2つのレンズは、互いに同じ方向に沿った直線偏光子になった。そして、眼鏡を裏返して初めに見ていた向きに戻すと、2つのレンズは、両方ともに水平方向に沿った直線偏光子に変化した。
次に、図12に示すように、容器に緑色の葉を敷き、その上に緑色のコガネムシを置いた。葉とコガネムシとに白色光源から白色光を照射し、葉とコガネムシとからの反射光を入射光L1として、葉とコガネムシの偏光状態を試作した偏光測定装置で測定し、イメージ化した。原理的には、コガネムシから反射される光は円偏光であり、葉から反射される光は非偏光である。
図13の左側に示すように、互いに略同じ色相の歯とコガネムシからは同様の光強度分布がイメージとして観察された。図13の右側に示すように、楕円率では、葉の形状や分布が現れていないことから、葉の部分は少なくとも円偏光になっていないことがわかった。一方、コガネムシからは円偏光の入射光L1が発せられたので、図13の右側のイメージにコガネムシの体の形状が現れた。これらの結果からもわかるように、試作した偏光測定装置では、フルストークスパラメータが良好に取得できる。
次に、図14に示すように、容器に24.2質量%の濃度の塩水を入れておき、そこに30質量%の濃度の砂糖水を加えた。容器に対して試作した偏光測定装置とは反対側に水平方向に対して+72°傾斜した方向の光を通過させる偏光板(以下、+72°偏光板)を配置した。さらに、+72°偏光板に対して容器とは反対側に、白色光を発するフラット光源を配置した。原理的には、塩水は旋光に従って垂直方向に沿った直線偏光を通過させるが、砂糖水は、水平方向に対して+72°傾斜した方向の光を通過させる。
図15の右側に示すように、塩水に砂糖水が混ざると、容器内の偏光度DOPは略1になり、容器内の偏光角θは+71°程度(即ち、図15の右側における71°程度)であることを測定できた。
上述の3つの偏光イメージングは、いずれも使用した偏光カメラの撮像レートと略同じ測定速度で行うことができた。
本発明は、上述の実施例の他に、例えば全反射現象等のため視覚的に認識できない物体の識別に適用できると考えられる。
10…偏光測定装置
12…イメージングレンズ(結像部)
16…絞り(開口部)
20…無偏光ビームスプリッタ(分岐部)
22…1/4波長板(偏光方向変更部)
30…第1偏光カメラ(第1受光部)
32…画素(第1受光素子)
33…微小偏光子(第1微小偏光子)
40…第2偏光カメラ(第2受光部)
42…画素(第2受光素子)
43…微小偏光子(第2微小偏光子)
60…計算機(計算部)

Claims (5)

  1. 入射光が透過光と反射光とに分岐される分岐面を有する分岐部と、
    前記分岐面で分岐された前記透過光の偏光方向を所定の角度変更する偏光方向変更部と、
    前記偏光方向変更部で偏光方向を所定の角度変更され且つ互いに異なる偏光方向の前記透過光を通過させる複数の第1微小偏光子を有する複数の第1受光素子が設けられた第1受光部と、
    互いに異なる偏光方向の前記反射光を通過させる複数の第2微小偏光子を有する複数の第2受光素子が設けられた第2受光部と、
    前記複数の第1微小偏光子を通過して前記複数の第1受光素子の各々で受光された複数の第1光強度と、前記複数の第2微小偏光子を通過して前記複数の第2受光素子の各々で受光された複数の第2光強度とを、互いに対応する位置に設けられた前記複数の第1受光素子及び前記複数の第2受光素子ごとに同時に取得し、前記複数の第1光強度と前記複数の第2光強度とに基づいてフルストークス・パラメータを算出し、前記入射光の偏光情報を得る計算部と、
    を備える、偏光測定装置。
  2. 前記計算部は、前記フルストークス・パラメータの算出において、前記分岐部の偏光依存性及び前記偏光方向変更部の波長分散の少なくとも一方による誤差を補正する、
    請求項1に記載の偏光測定装置。
  3. 前記所定の角度はπ/2に相当し、
    前記複数の第1微小偏光子は、
    前記透過光の光軸から見て水平方向に沿った偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記透過光の光軸から見て水平方向に対して+45°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記透過光の光軸から見て水平方向に対して直交する偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記透過光の光軸から見て水平方向に対して+135°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    を備え、
    前記複数の第2微小偏光子は、
    前記反射光の光軸から見て水平方向に沿った偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記反射光の光軸から見て水平方向に対して+45°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記反射光の光軸から見て水平方向に対して直交する偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    前記反射光の光軸から見て水平方向に対して+135°傾斜した偏光方向の前記透過光を通過させる微小偏光子と、
    を備える、
    請求項1又は2に記載の偏光測定装置。
  4. 前記入射光の進行方向において前記分岐部よりも後方に配置された結像部と、
    前記入射光の進行方向において前記結像部と前記分岐部との間に配置され、前記入射光の進行方向に交差する方向において所定の大きさの開口が形成された開口部と、
    をさらに備えた、
    請求項1から3の何れか一項に記載の偏光測定装置。
  5. 入射光を透過光と反射光とに分岐し、
    分岐した前記透過光の偏光方向を所定の角度変更し、
    前記偏光方向を所定の角度変更され且つ互いに異なる偏光方向の前記透過光を通過させる複数の第1微小偏光子を通過して複数の第1受光素子の各々で受光された複数の第1光強度と、互いに異なる偏光方向の前記反射光を通過させる複数の第2微小偏光子を通過して複数の第2受光素子の各々で受光された複数の第2光強度とを、互いに対応する位置に設けられた前記複数の第1受光素子及び前記複数の第2受光素子ごとに同時に取得し、前記複数の第1光強度と前記複数の第2光強度とに基づいてフルストークス・パラメータを算出し、前記入射光の偏光情報を得る、ことを含む、偏光測定方法。
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