JP2021060100A - 高圧タンク - Google Patents

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秀夫 渡邉
俊彦 金崎
Toshihiko Kanezaki
俊彦 金崎
暁 河瀬
Akira Kawase
暁 河瀬
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Naoki Ogiwara
直貴 荻原
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Abstract

【課題】高圧タンクにおいて流体の内圧によってライナが膨張した場合であっても、ライナと補強層との間に溜まった透過流体を円滑且つ確実に外部へと排出する。【解決手段】高圧タンク10は、樹脂製材料で形成される中空状のライナ12と、該ライナ12の外側を覆う補強層14と、前記ライナ12に対して水素ガスを供給・排出するための給排孔16が形成された口金18とを備え、前記口金18は、前記ライナ12と前記補強層14との間に保持されるフランジ部34を有し、前記フランジ部34と前記補強層14との間に保護シート20が設けられている。そして、保護シート20の表面58a及び裏面58bには、ライナ12を透過して補強層14との間に滞留した透過ガスを前記口金18の口金本体32側へと流通させる第1及び第2溝部64、66が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂製材料から形成され補強層で覆われたライナの端部に口金を備えた高圧タンクに関する。
従来から、円筒状に形成され高圧のガスを内部に充填可能な高圧タンクが用いられており、この高圧タンクは、例えば、特許文献1に開示されるように、樹脂材から形成され最も内側に設けられた樹脂ライナーと、該樹脂ライナーの外周側に設けられたFRP層とから二重構造で構成され、その軸方向に沿った両端部には口金部がそれぞれ設けられている。
そして、口金部を通じて高圧タンク内に充填された水素ガスは、その一部が内層となる樹脂ライナーを徐々に透過して外層となるFRP層と前記樹脂ライナーとの間の空間に滞留してしまうことがあり、この透過した水素ガス(透過ガス)を空間から口金部まで導いて外部へと放出する必要がある。
特開2011−231900号公報
しかしながら、上述した高圧タンクにおいて、その樹脂ライナー内に水素ガスが残存して内圧がまだ高い場合には、内層である樹脂ライナーが前記内圧によって外側へと変形して外層であるFRP層に対して押し付けられることで、前記樹脂ライナーと前記FRP層との間の空間が圧迫されて潰れてしまい、該空間を通じた透過ガスの外部への排出ができないという問題が生じる。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、流体の内圧によってライナが膨張した場合であっても、ライナと補強層との間に溜まった透過流体を円滑且つ確実に外部へと排出することが可能な高圧タンクを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の態様は、樹脂製材料で形成される中空状のライナと、ライナの外表面を覆う補強層と、ライナに対して流体を供給・排出するための給排孔を有した口金とからなる高圧タンクであって、
口金は、ライナと補強層との間に介在するフランジ部と、フランジ部からライナの軸方向へ延在して内部に給排孔の形成される筒部とを備え、
フランジ部と補強層との間には保護部材が配設され、保護部材には、ライナを透過して補強層との間へ流出した透過流体を筒部側に向かって流通させる流路が設けられる。
本発明によれば、樹脂製材料から中空状に形成されたライナの外表面が補強層で覆われると共に、ライナに対して流体を供給・排出するための給排孔を有した口金を備え、この口金のフランジ部がライナと補強層との間に設けられると共に、フランジ部と補強層との間に流路を有した保護部材を配設している。
これにより、高圧タンク内に充填された流体の内圧によってライナが膨張し、ライナによって押圧されたフランジ部が補強層に対して相対移動する際に、フランジ部との擦れによる補強層の損傷が保護部材によって確実に防止され、しかも、透過流体の流出したライナと補強層との間と筒部側とを保護部材の流路を介して確実に連通させることで、透過流体を円滑且つ確実に筒部側から外部へと排出することができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、樹脂製材料から中空状に形成されたライナの外表面が補強層で覆われると共に、ライナに対して流体を供給・排出するための給排孔を有した口金を備え、この口金のフランジ部がライナと補強層との間に設けられ、フランジ部と補強層との間には保護部材を設けている。
その結果、高圧タンク内に流体が充填されてライナが膨張することでフランジ部が補強層に対して相対移動した場合でも、保護部材によって両者の擦れを防止できるため補強層の損傷が確実に防止され、しかも、ライナを透過した透過流体を保護部材に形成された流路を通じてライナと補強層との間から筒部側に向かって円滑且つ確実に流通させることで高圧タンクの外部へと排出することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る高圧タンクの全体断面図である。 図1の高圧タンクにおける口金近傍を示す拡大断面図である。 図3Aは、図1の高圧タンクにおける保護シートを表面側から見た外観斜視図であり、図3Bは、図3Aの保護シートを裏面側から見た外観斜視図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図である。 高圧タンクの内圧及び透過ガスの流量と時間との関係を示す特性曲線図である。
本発明に係る高圧タンクについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
この高圧タンク10は、例えば、燃料電池車に搭載され、燃料電池システムに供給するための水素ガスを貯留するものとして用いられ、図1及び図2に示されるように、内層としてのライナ12と、該ライナ12の外側を覆う外層としての補強層14と、給排孔16が形成され該ライナ12に連結される口金18と、該口金18の外縁部(フランジ部34)とライナ12とに跨るように設けられる保護シート(保護部材)20を含む。
ライナ12は、例えば、樹脂製材料から形成された中空体であり、その内部には、水素ガス等の流体が収容可能に形成される。このライナ12は、外面(外表面)が補強層14で覆われる本体部22と、該本体部22の軸方向両端に形成され内部に向かって陥没した一対の陥没部24a、24bと、該陥没部24a、24bから前記本体部22の外部に向かって突出した一対の筒状部26a、26bとを有している。
この筒状部26a、26bは、陥没部24a、24bの底部からライナ12の軸方向(矢印A1、A2方向)に沿ってそれぞれ所定長さだけ突出し、その外周面には雄ねじ部28が形成されると共に、内部には軸方向(矢印A1、A2方向)に貫通して本体部22の内部と連通した貫通孔30が形成されている。
また、陥没部24a、24b及び筒状部26a、26bは、本体部22の軸方向(図1中、矢印A1、A2方向)に沿った軸方向両端にそれぞれ対となり、且つ、一直線状となるように形成されている。
補強層14は、例えば、繊維強化樹脂からなり、ライナ12の本体部22に強化繊維を巻き付けた後、該強化繊維に対して母材樹脂を含浸することで前記ライナ12の外周側を所定厚さで覆うように構成されている。
口金18は、例えば、金属製材料から形成され、中央に形成され内部に給排孔16を有した円筒状の口金本体(筒部)32と、該口金本体32に対して略直交するように径方向外側へ拡がるフランジ部34とを有している。
口金本体32には、その中央に軸方向(矢印A1、A2方向)に沿って一直線状に貫通するように給排孔16が形成され、該給排孔16は、先端側で開口して図示しない配管等が接続されると共に、ライナ12側となる基端側内周面に雌ねじを有したねじ穴36が形成されている。そして、給排孔16において、ねじ穴36に対して口金本体32の先端側には環状溝を介してОリング38が装着されている。
また、口金本体32には、給排孔16と略平行に延在する排出用通路(排出路)40が形成され、この排出用通路40は、前記給排孔16に対して外側に形成されフランジ部34のライナ側端面42に開口した挿入孔44と連通すると共に、口金本体32の先端側において給排孔16と連通している。この排出用通路40及び挿入孔44は、例えば、口金18の周方向に沿って互いに所定間隔離間するように複数設けられる。
挿入孔44は、排出用通路40よりも大径となる断面円形状に形成され、その内部には連通路46を有したプラグ48が挿入されている。この連通路46は、挿入孔44において排出用通路40と一直線状となるように形成され、該排出用通路40側となる大径路50と、該大径路50に接続されライナ12側に向かって延在すると共に該大径路50よりも小径な小径路52とから構成される。すなわち、連通路46は、図2に示されるように、直径の異なる大径路50及び小径路52とから段付状に形成されている。
そして、排出用通路40は、プラグ48の連通路46を介して口金18におけるフランジ部34のライナ側端面42に開口し、該ライナ側端面42と前記ライナ12の陥没部24a、24bとの間にそれぞれ連通している。
そして、口金18は、フランジ部34が陥没部24a、24bを覆うようにそれぞれ設けられると共に(図1参照)、口金本体32のねじ穴36に対してライナ12の筒状部26a、26bが挿入され雄ねじ部28に対してそれぞれ螺合される。この際、Оリング38が筒状部26a、26bと口金本体32との間に保持されシールがなされる。
これにより、ライナ12における軸方向両端に一対の口金18がそれぞれ同軸状に装着された状態で、フランジ部34が前記ライナ12と共に前記補強層14で覆われ、前記口金本体32の先端が前記補強層14から外部へと露呈するように所定長さだけ突出している。
また、給排孔16の内部には、例えば、金属製材料から円筒状に形成されたカラー54が設けられ、その一部がライナ12における筒状部26a、26bの内部へと挿入されると共に、その端部に形成された鍔部56が前記筒状部26a、26bと前記給排孔16との間に保持されることで同軸状に固定されている。そして、カラー54の内部を通じて給排孔16とライナ12の貫通孔30とが連通している。
保護シート20は、図1〜図4に示されるように、例えば、樹脂製材料から円環状のシート状に形成され、シート本体58と、該シート本体58から断面略三角形状に突出した環状突部60とを含み、該環状突部60がフランジ部34及びライナ12側となるように配置される(図2参照)。
シート本体58は、その中央に形成された孔部62を介して口金本体32の外周側に挿通され、口金18と同軸状に配置されると共に、補強層14側となる表面(他方の表面)58aには、前記孔部62から径方向外側となる外縁部(周縁部)63に向かって延在する複数の第1溝部(外側溝、流路)64が形成されている。
第1溝部64は、例えば、断面矩形状に窪んでシート本体58の径方向へ一直線状に形成されると共に、前記シート本体58の周方向に沿って互いに等間隔離間して孔部62から外縁部63に向かって放射状に形成されている。すなわち、複数の第1溝部64が、シート本体58の外縁部63と孔部62とをそれぞれ連通している(図2及び図3A参照)。
一方、シート本体58の裏面(一方の表面)58bは、ライナ12及びフランジ部34側となるように配置され、前記シート本体58の外縁部63から所定距離だけ径方向内側となる位置に環状の環状突部60が形成されると共に、前記外縁部63から前記環状突部60まで延在するように第2溝部(内側溝、流路)66が形成される。
第2溝部66は、例えば、第1溝部64と同様に断面矩形状に窪んでシート本体58の径方向へ一直線状に形成され、該シート本体58の径方向内側となる内端部が、陥没部24a、24bに臨む環状突部60の傾斜面に沿って延在している。すなわち、第2溝部66は、裏面58bに沿って平坦状に延在した部位に対し、内端部側が環状突部60によって所定角度だけ傾斜することで屈曲して該環状突部60の頂部67まで延在している。
また、第2溝部66は、シート本体58の周方向に沿って互いに等間隔離間して放射状に形成されると共に、シート本体58の厚さ方向(図3A〜図4中、矢印B方向)において、第1溝部64と同一深さに形成される。
さらに、シート本体58の厚さ方向(図3B及び図4中、矢印B方向)から見て、第1溝部64と第2溝部66とが、前記シート本体58の周方向(矢印C方向)において交互となるように配置されている。
さらにまた、シート本体58の周方向(矢印C方向)において、図4に示されるように、第2溝部66の幅寸法D2が、第1溝部64の幅寸法D1よりも大きく形成されている(D2>D1)。すなわち、第1及び第2溝部64、66の延在方向と略直交する方向(矢印C方向)における第2溝部66の断面積(通路断面積)が第1溝部64の断面積(通路断面積)に対して大きく設定される。
なお、第2溝部66の幅寸法D2を第1溝部64の幅寸法D1に対して大きく設定する代わりに、例えば、第2溝部66の深さを第1溝部64の深さに対して深く設定することで前記第2溝部66の断面積を前記第1溝部64の断面積に対して大きく設定してもよい。すなわち、第2溝部66の断面積が常に第1溝部64の断面積に対して大きく設定されていれば、特に第1及び第2溝部64、66の形状は限定されるものではない。
そして、保護シート20は、環状突部60に対して孔部62側となる径方向内側が補強層14と口金18のフランジ部34との間に挟持され、その表面58aが前記補強層14の内面に当接し、裏面58bがフランジ部34の補強層側端面68に当接している。また、保護シート20は、環状突部60に対して外縁部63側となる径方向外側が、前記補強層14の内面とライナ12の本体部22との間に挟持される。さらに、環状突部60は、フランジ部34の外縁とライナ12の陥没部24a、24bとの境界部70に収納され、前記フランジ部34及びライナ12と補強層14の内面との間に挟持される。
これにより、図2及び図4に示されるように、保護シート20の第1溝部64が補強層14の内面に臨むように配置され、補強層14側となるシート本体58の外側においてフランジ部34の補強層側端面68及びライナ12と前記補強層14との間に流路を構成し、前記ライナ12と補強層14との間の間隙72と口金本体32と補強層14との間とを連通させている。一方、第2溝部66が、ライナ12における本体部22の外面に臨むように配置され、前記ライナ12側となる内側においてフランジ部34のライナ側端面42と陥没部24a、24bとの間と前記間隙72とを連通させる流路を構成している。
本発明の実施の形態に係る高圧タンク10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、ここでは、高圧タンク10における軸方向一端側の口金18を通じて水素ガスを供給・排出する場合について説明する。
先ず、高圧タンク10の内部に水素ガスを貯留する場合には、口金18の給排孔16に対して図示しない配管等を通じて前記水素ガスを供給し、前記給排孔16、カラー54、ライナ12の貫通孔30を通じて前記ライナ12の内部へと導入することで充填していく。
この際、内部に導入された水素ガスによってライナ12の内圧が上昇していき、それに伴って該ライナ12が若干膨張し、その本体部22が外側の補強層14側へと変形することで該補強層14を押圧すると共に、前記ライナ12の陥没部24a、24bが膨張することで口金18のフランジ部34が外側へと押圧される。
そして、ライナ12の内部が水素ガスで満たされた状態において、前記ライナ12の内圧が最大となり、該ライナ12の外側への膨張量、すなわち、補強層14側(外側)への押圧力が最大となる。これにより、ライナ12の本体部22が補強層14の内面へと密着して両者の間の間隙72が減少することで、該ライナ12を透過する透過ガス(透過流体)の間隙72への滞留が抑制される。
また、ライナ12の膨張によって保護シート20の外縁部63側となる径方向外側が該ライナ12と補強層14との間で圧潰されると共に、孔部62側となる径方向内側が口金18のフランジ部34によって前記補強層14との間で圧潰されることで、第1及び第2溝部64、66がそれぞれシート本体58の厚さ方向(矢印B方向)に圧縮されるように潰れる。
その結果、第1溝部64を通じた口金本体32と補強層14との間と間隙72との連通が遮断されると共に、第2溝部66を通じた前記間隙72と排出用通路40との連通が遮断される。
次に、高圧タンク10内に貯留された水素ガスを給排孔16を通じて外部へと排出する場合には、該水素ガスの排出に伴って内圧が低下するためライナ12が若干だけ収縮し、該ライナ12による口金18のフランジ部34及び補強層14への押圧力もそれぞれ減少することとなる。これにより、ライナ12の本体部22と補強層14との間に若干の間隙72が生じ、該ライナ12内の水素ガスが微量ずつ本体部22を透過して補強層14との間に流出することで前記間隙72に滞留していく。
また、ライナ12による保護シート20の圧潰が徐々に緩和されることで、該保護シート20が変形する前の元の形状へと復帰し始め、先ず、該ライナ12側となる第2溝部66が潰された状態から断面矩形状へと戻り始めて開き始めることで、ライナ12と補強層14との間の間隙72に滞留し始めた透過ガスが、図2の矢印Eに示されるように、該間隙72から複数の第2溝部66を通じて径方向内側へと流れる。
そして、透過ガスは、環状突部60に形成された第2溝部66の内端部から境界部70を経て該フランジ部34のライナ側端面42とライナ12の陥没部24aとの間へと流れた後に、プラグ48の連通路46を通じて排出用通路40へと導かれる。これにより、透過ガスは、排出用通路40を通じて給排孔16へと排出され配管等を通じて外部へと排出される。
さらに高圧タンク10の内圧が低下することで、ライナ12がさらに内側へと収縮すると共に、保護シート20の圧潰がさらに緩和されることで変形する前の元の形状へさらに近づき、第2溝部66に加えて保護シート20の第1溝部64が潰された状態から断面矩形状に戻り始め開き始める。これにより、ライナ12と補強層14との間に滞留した透過ガスは、図2の矢印Eに示されるように、間隙72から第2溝部66を通じて口金18側へと流れて排出用通路40から外部へと排出されると同時に、図2の矢印Fに示されるように、第1溝部64を通じて補強層14の内面に沿って径方向内側へと流れた後に、口金18における口金本体32の外側と補強層14との間を通じて該口金18の先端側へ向かって流れた後に外部へと排出される。
すなわち、高圧タンク10の内圧が低下し始めた際、保護シート20の第2溝部66が第1溝部64に対して先行して開くように断面積が予め大きく設定されており、前記第2溝部66を通じた透過ガスの外部へと排出が開始されると共に、前記内圧のさらなる低下に伴って、第1溝部64が開くことで前記第2溝部66を通じた透過ガスの排出に加え、該第1溝部64を通じた透過ガスの外部への排出がなされることで、前記透過ガスの外部への排出が促進される。
ここで、高圧タンク10の内圧及び透過ガスの流量(排出量)との関係について図5の特性曲線を参照しながら説明する。なお、透過ガスの流量は、保護シート20に第1及び第2溝部64、66を有した本実施の形態の高圧タンク10に関する特性曲線L1を実線で示し、保護シートに溝部を備えていない比較例に係る高圧タンクの特性曲線L2を二点鎖線で示している。
この図5からも諒解されるように、貯留された水素ガスが排出され始め、時間の経過と共に高圧タンク10の内圧が徐々に低下した際、特性曲線L1で示される第1及び第2溝部64、66を有した本実施の形態では、比較例に係る高圧タンクと比較して透過ガスが先行して排出され始める。換言すれば、比較例に係る高圧タンクでは、本実施の形態に係る高圧タンク10に比べて透過ガスの排出が所定時間だけ遅れて開始されている。
また、特性曲線L1で示される高圧タンク10から排出される透過ガスは、その流量が、特性曲線L2で示される比較例に係る高圧タンクから排出される透過ガスの流量に対して多く、しかも、前記透過ガスの排出されている排出時間t1も、比較例に係る高圧タンクから透過ガスが排出されている排出時間t2と比較して長く確保されることで(t1>t2)、排出される透過ガスの総流量S1も比較例に係る高圧タンクにおける透過ガスの総流量S2に比べて多くなることが諒解される(S1>S2)。
すなわち、第1及び第2溝部64、66を備えた保護シート20を設けることで、滞留した透過ガスをより迅速且つ大流量で外部へと排出することが可能となる。
さらに、上述したように高圧タンク10に対する水素ガスの供給・排出が繰り返されることにより、ライナ12の膨張・収縮が繰り返され、それに伴って、金属製材料からなる口金18のフランジ部34が補強層14に対して相対移動するが、前記ライナ12及び前記口金18と前記補強層14との間に保護シート20が設けられているため、前記補強層14に対する該ライナ12及び前記口金18の擦れが保護シート20によって好適に防止される。
以上のように、本実施の形態では、樹脂製材料から中空状に形成されたライナ12と、該ライナ12の外表面を覆う補強層14と、前記ライナ12に対して水素ガスを供給・排出するための給排孔16を有した口金18とを備え、前記口金18のフランジ部34と前記補強層14との間にシート状の保護シート20が設けられ、この保護シート20には、前記ライナ12を透過して補強層14との間に滞留した透過ガスを前記口金18側に向かって流通させる第1及び第2溝部64、66が形成されている。
従って、口金18のフランジ部34とライナ12の外側を覆う補強層14との間に保護シート20を介在させることで、高圧タンク10に水素ガスが充填され、その内圧によってライナ12が膨張した際に、前記フランジ部34と前記補強層14とが相対移動することで補強層14が擦れて傷ついてしまうことが確実に防止される。また、ライナ12が膨張した場合でも、保護シート20に形成された第1及び第2溝部64、66によって前記ライナ12と補強層14との間の間隙72に流出した透過ガスを口金18の給排孔16及び口金本体32と補強層14との間へと確実に導いて外部へと円滑に排出することができる。その結果、滞留した透過ガスによってライナ12の補強層14から離間した部位が内側へ向かって膨出する、いわゆるバックリング(座屈)の発生を抑制することが可能となる。
さらに、保護シート20において、補強層14に臨む表面58aに第1溝部64を形成し、ライナ12の本体部22に臨む裏面58bに第2溝部66を形成することで、ライナ12と補強層14との間に滞留した透過ガスを前記保護シート20の表面58a及び裏面58bに設けられた第1及び第2溝部64、66を通じて効率よく口金18側へと流通させて外部へと排出できるため、バックリングの原因となる透過ガスの圧力を好適に低下させ発生を回避することができる。
さらにまた、保護シート20は、口金18のフランジ部34からライナ12の本体部22へと跨るように設けられると共に、その裏面58bに形成された第2溝部66が、少なくとも前記保護シート20の外縁部63から前記フランジ部34と前記ライナ12との間の境界部70まで延在するように形成されている。
そのため、ライナ12と補強層14との間に滞留した透過ガスを間隙72から前記第2溝部66を通じてライナ12の陥没部24a、24bと口金18のフランジ部34(ライナ側端面42)との間まで好適に導いて排出用通路40を通じて外部へと排出することができる。
またさらに、フランジ部34に臨む保護シート20の裏面58bには、環状突部60に対して径方向内側となる部位に第2溝部66を設けていないため、その径方向内側となる部位を前記フランジ部34の補強層側端面68に対して全面的に面接触させることができる。そのため、ライナ12の膨張に伴ってフランジ部34から保護シート20へと付与される圧力(押圧力)を接触面全体で好適に分散させることが可能となる。
また、保護シート20において、ライナ12に臨む第2溝部66の断面積を補強層14に臨む第1溝部64の断面積に対して大きくなるように形成することで、前記第1溝部64に対して前記第2溝部66の透過ガスが流通する際の流通面積を大きく確保することができる。
そのため、高圧タンク10から水素ガスを排出し始め、該高圧タンク10の内圧と透過ガスの圧力とが釣り合った際に第2溝部66が圧潰から開放されて連通状態となり、その後、前記透過ガスの排出量が最大となる時に第1溝部64が連通するように断面積の大きさを設定することで、高圧タンク10からの水素ガスの排出に伴って透過ガスを好適に追従させて排出することができる。そのため、透過ガスの圧力を好適に低下させることでバックリングの発生を抑制することが可能となる。
またさらに、第1及び第2溝部64、66を、保護シート20の中心側から外縁部63に向かって放射状に延在させることで、その周方向に沿って均一な断面形状とすることができるため、ライナ12が膨張した際に該ライナ12から前記保護シート20への押圧力を周方向に均等に付与することが可能となる。
また、第2溝部66を通じて排出用通路40、給排孔16から排出される透過ガスに加え、保護シート20の第1溝部64を通って間隙72から流れてきた透過ガスを、口金18の口金本体32と補強層14との間を通じて外部へと排出できるため、前記透過ガスをより円滑且つ大流量で外部へと排出することができる。
なお、本発明に係る高圧タンクは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…高圧タンク 12…ライナ
14…補強層 16…給排孔
18…口金 20…保護シート
34…フランジ部 40…排出用通路
58…シート本体 58a…表面
58b…裏面 64…第1溝部
66…第2溝部 72…間隙

Claims (7)

  1. 樹脂製材料で形成される中空状のライナと、該ライナの外表面を覆う補強層と、前記ライナに対して流体を供給・排出するための給排孔を有した口金とからなる高圧タンクであって、
    前記口金は、前記ライナと前記補強層との間に介在するフランジ部と、前記フランジ部から前記ライナの軸方向へ延在して内部に前記給排孔の形成される筒部とを備え、
    前記フランジ部と前記補強層との間には保護部材が配設され、該保護部材には、前記ライナを透過して前記補強層との間へ流出した透過流体を前記筒部側に向かって流通させる流路が設けられる、高圧タンク。
  2. 請求項1記載の高圧タンクにおいて、
    前記流路は前記保護部材の表面に形成される溝であり、該溝が前記ライナに臨む一方の表面に形成される内側溝と、前記補強層に臨む他方の表面に形成される外側溝とから構成される、高圧タンク。
  3. 請求項2記載の高圧タンクにおいて、
    前記保護部材は、前記フランジ部から前記ライナに跨るように設けられると共に、前記内側溝は、少なくとも前記保護部材の周縁部から前記フランジ部と前記ライナとの間の境界部まで延在して形成される、高圧タンク。
  4. 請求項2記載の高圧タンクにおいて、
    前記内側溝は、前記透過流体の流通方向と略直交する通路断面積が前記外側溝の通路断面積に対して大きく形成される、高圧タンク。
  5. 請求項2記載の高圧タンクにおいて、
    前記溝は、前記給排孔を中心として径方向外側に向かって放射状に延在するように形成される、高圧タンク。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の高圧タンクにおいて、
    前記外側溝を通ってきた透過流体が、前記筒部の外側に沿って排出される、高圧タンク。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の高圧タンクにおいて、
    前記内側溝を通ってきた透過流体が、前記口金に形成された排出路を介して前記給排孔へと排出される、高圧タンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115447163A (zh) * 2021-06-08 2022-12-09 本田技研工业株式会社 高压罐及其制造方法
KR102618887B1 (ko) * 2022-11-25 2023-12-29 에너진(주) 내수소취성을 향상시킨 수소저장용기의 클로저장치 및 이를 포함하는 수소저장용기
KR102682969B1 (ko) * 2023-10-31 2024-07-09 에너진(주) 내수소취성을 향상시킨 용적 가변형 수소용기, 수소압축기

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