JP2021058946A - 電動工具の制御回路、電動工具、及び電動工具システム - Google Patents

Abstract

【課題】電動工具において、設定データの送受信を行うためのプログラムを簡素化して必要なメモリ容量を小さくすることができるようにする。【解決手段】当該電動ドライバ１の制御回路４０は、設定データを記憶するメモリ３６と、コンピュータ５６や他の電動ドライバ５８と通信接続するための通信部４２と、設定データの送受信を行うための制御部３８とを備える。電動ドライバ１とコンピュータ５６と他の電動ドライバ５８とは相互に通信接続して電動ドライバシステム１００を構成する。制御部３８からコンピュータ５６に設定データを送るための送信コマンドと、他の電動ドライバ５８に送るためのコマンドは同一な形式である。また、コンピュータ５６及び他の電動ドライバ５８から設定データを送るために送信されて制御部３８が受信した受信コマンドに関して、制御部３８は送信コマンドと同一な形式の受信コマンドのみを受け付ける。【選択図】図４

Description

本発明は、電動工具の制御を行うための制御回路、該制御回路を備える電動工具、及び複数の電動工具と外部機器とからなる電動工具システムに関する。

電動ドライバ等の電動工具において、電動工具の設定や管理を行うためのコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）などの外部機器や他の電動工具と通信接続して、電動工具のための設定データを互いに送受信できるようにしたものがある（特許文献１）。通常、外部機器から電動工具に設定データを送信するときには、外部機器から電動工具の設定を部分的に変更することを目的としているため、複数の設定データのうちの選択された設定データのみを送信する場合が多い。一方で、電動工具から他の電動工具に設定データを送信するときには、一方の電動工具の設定をそのまま他の電動工具にコピーすることを目的としているため、基本的には全ての設定データを送信する。

国際公開２０１７／１７０６４８号公報

外部機器との間での設定データの送受信と他の電動工具との間での設定データの送受信とでは、上述の通り設定データを送信する目的が異なるため、通常は異なるコマンドを使用することになる。具体的には、外部機器との間で設定データの送受信をする際には、選択された設定データのみを送信するため、複数の設定データのうちのどの設定データが選択されているのかを示す項目値と選択された設定データの設定値とを組み合わせたコマンドを順次送信する必要がある。一方で、全設定データを一括で送信するには、項目値を含まず予め決められた設定データの順番で各設定データの設定値を羅列したコマンドを送信すれば、受信した側ではどの設定値がどの項目値の設定値であるかを判断することができる。また、１つのコマンドで全設定データを一括で送信した方が送受信の時間を短縮できる。そのため、他の電動工具との間で全設定データを送信する際には、設定値を羅列したコマンドが使用される。

しかしながら、通信相手の機器に合わせて異なる送信コマンドを使用したり、各機器から送信された異なるコマンドを受信したりできるようにするためには、異なるコマンドを処理できるようなプログラムを作成する必要がある。そうすると、一般に、プログラムコードは複雑で容量の大きいものになるため、プログラムを作成することが煩雑になるとともにそのようなプログラムコードを記憶しておくためのメモリの容量も大きなものとなってしまう。

そこで本発明は、設定データの送受信を行うためのプログラムを簡素化して必要なメモリ容量を小さくすることができるようにした、電動工具のための制御回路、該制御回路を備える電動工具、及び複数の電動工具と外部機器とからなる電動工具システムを提供することを目的とする。

すなわち本発明は、
電動工具の制御を行うための制御回路であって、
該電動工具の制御条件を設定するための複数の設定データを記憶する記憶部と、
該設定データの管理や変更を行うための外部機器と他の電動工具の制御を行うための他の制御回路とに通信接続するための通信部と、
該記憶部に記憶されている該設定データを読み出して、該通信部を介して通信接続されている該外部機器または該他の制御回路に該設定データを送信するとともに、該外部機器または該他の制御回路から受信した設定データを処理する制御部と、
を備え、
該制御部から該外部機器に該設定データを送るための送信コマンドと、該制御部から該他の制御回路に該設定データを送るための送信コマンドとが同一な形式のコマンドであり、該制御部は、該外部機器及び該他の制御回路から設定データを送るために送信されて該制御部が受信した受信コマンドに関して、該送信コマンドと同一な形式の受信コマンドのみを受け付けるようにされた、制御回路を提供する。

当該制御回路においては、通信接続された外部機器や他の制御回路との間で設定データを送受信する際のコマンドが同一な形式のコマンドのみとなっているため、設定データの送受信を処理するためのプログラムはそのような同一形式のコマンドだけを処理できるように構築すればよい。これにより、プログラムをより簡易なものとすることができるため、プログラムの構築が容易になる。また、プログラム容量が小さくなり、プログラムを記憶しておくために必要なメモリの容量を小さくすることも可能になる。

また、
該送信コマンドが、該複数の設定データのうち１つの設定データを指定する項目値と、該指定された設定データの設定値とを含む形式とされ、
該制御部は、該複数の設定データのうちの第１及び第２の設定データを送信する際に、該第１の設定データを送信するための第１の送信コマンドと該第２の設定データを送信するための第２の送信コマンドとを、順次送信するようにすることができる。

さらには、
該制御部は、該外部機器に設定データを送信する際には該複数の設定データのうちの選択された設定データのみを送信し、該他の制御回路に対して設定データを送信する際には該複数の設定データに含まれる全設定データを送信するようにすることができる。

さらに本発明は、
上述の制御回路と、
該制御回路に接続された電動工具本体と、を備える電動工具であって、
該制御回路が該記憶部に記憶された該複数の設定データを該電動工具本体に送信し、該電動工具本体が該複数の設定データを当該電動工具の制御パラメータとして設定して該複数の設定データに基づいて動作するようにされた、電動工具を提供する。

さらに本発明は、
複数の、上述の電動工具と、
各電動工具の該複数の設定データの管理や変更を行うための外部機器と、
を備え、
該複数の電動工具の各制御回路および該外部機器が相互に通信接続されて、該複数の電動工具及び該外部機器からそれぞれ設定データを送信するための送信コマンドが同一な形式のコマンドである、電動工具システムを提供する。

以下、本発明に係る電動工具の実施形態を添付図面に基づき説明する。

本発明の一実施形態にかかる電動ドライバの外観図である。 図１の電動ドライバの機能ブロック図である。 電動ドライバのメモリに記憶されている設定データを示す図である。 本発明の一実施形態に係る電動ドライバシステムの概念図である。

本発明の一実施形態にかかる電動ドライバ（電動工具）１は、図１に示すように、電動ドライバ本体（電動工具本体）１０と、電動ドライバ本体１０とは別体とされた制御装置１２とを備える。電動ドライバ本体１０と制御装置１２とはケーブル１４により通信接続されている。

電動ドライバ本体１０には、各種情報を文字または数字で表示するための情報表示部１６と、ＬＥＤにより複数の異なる色で発光可能とされた発光表示部１８とが設けられている。電動ドライバ本体１０の先端にはビットホルダ２０があり、このビットホルダ２０には対象となるネジに合わせて適宜選択されたドライバビット２２が取り外し可能に取り付けられる。

制御装置１２には、各種情報を文字または数字で表示するための情報表示部２４と、電動ドライバ１の設定を選択したり変更したりするための操作部２６とが設けられている。また、制御装置１２は、電源ケーブル２８を介して外部電源３０に接続されるようになっている。なお、制御装置１２は、他の電動ドライバの制御装置及びコンピュータやＰＬＣなどの外部装置と通信接続するための接続端子（図示しない）を背面に備えている。

図２に示すように、制御装置１２には、外部電源３０から供給される交流電流を直流電流に変換するためのＡＣ／ＤＣ変換部３２と、ＡＣ／ＤＣ変換部３２で変換された直流電流を種々の回路部品に適した電圧にまで降圧するためのＤＣ／ＤＣ変換部３４と、ＤＣ／ＤＣ変換部３４に接続されたメモリ（記憶部）３６及び制御部３８を有する制御回路４０が内蔵されている。制御回路４０はさらに上述の接続端子を有する通信部４２を有する。制御部３８には、メモリ３６、操作部２６、情報表示部２４、通信部４２、及び当該電動ドライバ１にエラーが生じたときに作業者に音声で警告するためのブザー４４が接続されている。メモリ３６には電動ドライバ１の制御条件を設定するための複数の設定データからなるデータセットが複数記憶されている。各データセットは、図３に示す２６個の設定データからなる。各設定データには項目値が割り振られており、例えば「ねじ締めタイプ」には項目値１、「カウント」には項目値２、「ねじ締め方向」には項目値２６がそれぞれ割り振られている。また、各設定データの設定値は数値になっており、例えば「ねじ締めタイプ」の設定値０はＳＯＦＴに対応し、設定値１はＨＡＲＤに対応する。当該実施形態においては、図３のような複数の設定データからなるデータセットがメモリ３６に３０個（３０チャンネル）記憶されており、図３に示すデータセットはチャンネル番号１のデータセットである。当該電動ドライバ１の初期状態においては、チャンネル番号１のデータセットに含まれる各設定データには図３に示すような初期設定値が設定されている。

電動ドライバ本体１０には、制御装置１２からケーブル１４を介して供給される直流電流を降圧するためのＤＣ／ＤＣ変換部４６と、ＤＣ／ＤＣ変換部４６に接続されたモータ制御部４８及び制御部５０と、が内蔵されている。制御部５０には、情報表示部１６、発光表示部１８、電動モータ５２の駆動制御を行うためのモータ制御部４８、及び電動モータ５２の回転数（回転速度）を計測するためのホールセンサ５４が接続されている。制御装置１２の制御部３８と電動ドライバ本体１０の制御部５０とは、ケーブル１４を介して互いに通信接続されている。

制御装置１２の操作部２６を操作して任意のチャンネル番号を選択すると、制御部３８は、選択されたチャンネル番号に対応したデータセットをメモリ３６から読み出す。そして制御部３８は、読み出したデータセットに含まれる各設定データをケーブル１４を介して電動ドライバ本体１０の制御部５０に送信する。電動ドライバ本体１０の制御部５０は、制御回路４０から設定データを受信すると、各設定データを電動ドライバ１の制御パラメータとして設定し、設定された制御パラメータに基づいて電動ドライバ本体１０を動作させる。

当該電動ドライバ１は、図４に示すように、設定データの管理や変更を行うためのコンピュータ（外部機器）５６と他の電動ドライバ（他の電動工具）５８とに通信接続して、電動ドライバシステム（電動工具システム）１００を構成することができる。なお、他の電動ドライバ５８は当該電動ドライバ１と同様な構成を有している。当該電動ドライバシステム１００においては、相互に通信接続された機器同士で設定データの送受信を行うことができる。電動ドライバ１からコンピュータ５６に特定の設定データの設定値を送るときには、次のような形式の送信コマンドを送信する。
「ＣＳＴ−ｃｈ：ｉｔｅｍ：ｐａｒａ」
ここで、「ＣＳＴ」は設定データを送るためのコマンドであることを示すヘッダーであり、「ｃｈ」は複数のデータセットのチャンネル番号であり、「ｉｔｅｍ」は設定データを指定する項目値であり、「ｐａｒａ」は設定データの設定値である。例えば、電動ドライバ１にチャンネル番号１のデータセットの設定データが設定されており設定データ「ねじ締めタイプ」が「ＳＯＦＴ」であるときに「ねじ締めタイプ」の設定データを送る場合には、「ねじ締めタイプ」を示す項目値は１であり「ＳＯＦＴ」を示す設定値は０であるため、制御部３８は通信部４２を介してコマンド「ＣＳＴ−１：１：０」を送信する。または、「ドライバＬＥＤ」の発光色設定が「青」に設定されている場合において「ドライバＬＥＤ」の設定データを送る場合には、制御部３８はコマンド「ＣＳＴ−１：２５：３」を送信する。電動ドライバ１から他の電動ドライバ５８に設定データを送るための送信コマンドも上述の送信コマンドと同一の形式である。電動ドライバ１、５８の間で設定データの送信を行う場合には、特定のデータセットに含まれる全ての設定データを送信することが多い。この場合には、まず第１の設定データである「ねじ締めタイプ」を送る第１の送信コマンド（例えば、ＣＳＴ−１：１：０）を送信し、次に第２の設定データである「カウント」を送る第２の送信コマンド（例えば、ＣＳＴ−１：２：４）を送信し、以降項目値の順に送信コマンドを順次送信する。

コンピュータ５６や他の電動ドライバ５８の制御回路から設定データを送るために送信されたコマンドに関して、制御部３８は上述の送信コマンドと同一な形式のコマンドのみを受け付けるようになっている。異なる形式のコマンドを受信した場合には、エラー信号を返信して、受信した設定データは処理しない。制御部３８は、コンピュータ５６や他の電動ドライバ５８の制御回路から設定データを受信した場合にはその設定データをメモリ３６に書き込む処理を行う。例えばコマンド「ＣＳＴ−１：３：９」を受信した場合には、メモリ３６に記憶されているチャンネル番号１の「締結スピード」の設定値を９（Ｌｖ９）に書き換える。

当該電動ドライバ１においては、コンピュータ５６のような外部機器に設定データを送るための送信コマンドと、他の電動ドライバ５８の制御を行うための他の制御回路に設定データを送るための送信コマンドとが同一な形式のコマンドとなっている。また、外部機器や他の制御回路から設定データを送るために送信されて制御部３８が受信した受信コマンドに関して、制御部３８は送信コマンドと同一な形式の受信コマンドのみを受け付けるようになっている。そのため、制御部３８において設定データの送信及び受信を処理するためのプログラムは、上述のような同一の形式のコマンドだけを処理できるように構築すればよい。これにより、プログラムをより簡易なものとすることができるため、プログラムの構築が容易になるとともに、プログラムを記憶しておくために必要なメモリの容量を小さくしたり、空いたメモリ容量を他の付加機能のためのプログラムを記憶するために使用したりすることが可能となる。

なお、上記実施形態においては、設定データを１つずつ送信するコマンドを使用しているが、送信コマンド及び受信コマンドはこれ以外の形式とすることもできる。例えば、項目値や設定値を数値ではなく文字列とした、「ＣＳＴ−１：tightening_type：soft」のようなコマンドに統一しても良い。または、選択したチャンネル番号の全ての設定データの設定値を項目値順に羅列して全設定データを一括で送信する、例えば「ＣＳＴ−１：０：４：５：３０：０：・・・：０：０」のようなコマンドに統一しても良い。

以上に本発明の実施形態について説明をしたが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。例えば、制御装置が備える主としてメモリと制御部と通信部とからなる制御回路や操作部などの各構成要素を電動ドライバ本体に設けて、電動ドライバ本体と制御装置とを一体とした電動ドライバとしてもよい。また、図３に示した設定データの項目は例示に過ぎず、図示の項目以外の項目を含むようにすることもできる。また、上記実施形態においては本発明にかかる電動工具を電動ドライバを例として説明しているが、例えば電動ドリルや電動研磨機などの電動ドライバ以外の電動工具とすることもできる。複数のデータセットを記憶するための記憶部として半導体メモリを使用しているが、ハードディスクなどの他の形態の記憶装置を使用しても良い。複数の電動工具と外部機器との通信接続は、有線接続であっても無線接続であっても良い。また、３台以上の電動工具が相互に通信接続されるようにしてもよい。

１ 電動ドライバ（電動工具）
１０ 電動ドライバ本体（電動工具本体）
１２ 制御装置
１４ ケーブル
１６ 情報表示部
１８ 発光表示部
２０ ビットホルダ
２２ ドライバビット
２４ 情報表示部
２６ 操作部
２８ 電源ケーブル
３０ 外部電源
３２ ＡＣ／ＤＣ変換部
３４ ＤＣ／ＤＣ変換部
３６ メモリ（記憶部）
３８ 制御部
４０ 制御回路
４２ 通信部
４４ ブザー
４６ ＤＣ／ＤＣ変換部
４８ モータ制御部
５０ 制御部
５２ 電動モータ
５４ ホールセンサ
５６ コンピュータ（外部機器）
５８ 他の電動ドライバ（他の電動工具）
１００ 電動ドライバシステム（電動工具システム）

Claims (5)

1. 電動工具の制御を行うための制御回路であって、
   該電動工具の制御条件を設定するための複数の設定データを記憶する記憶部と、
   該設定データの管理や変更を行うための外部機器と他の電動工具の制御を行うための他の制御回路とに通信接続するための通信部と、
   該記憶部に記憶されている該設定データを読み出して、該通信部を介して通信接続されている該外部機器または該他の制御回路に該設定データを送信するとともに、該外部機器または該他の制御回路から受信した設定データを処理する制御部と、
   を備え、
   該制御部から該外部機器に該設定データを送るための送信コマンドと、該制御部から該他の制御回路に該設定データを送るための送信コマンドとが同一な形式のコマンドであり、該制御部は、該外部機器及び該他の制御回路から設定データを送るために送信されて該制御部が受信した受信コマンドに関して、該送信コマンドと同一な形式の受信コマンドのみを受け付けるようにされた、制御回路。
2. 該送信コマンドが、該複数の設定データのうち１つの設定データを指定する項目値と、該指定された設定データの設定値とを含む形式とされ、
   該制御部は、該複数の設定データのうちの第１及び第２の設定データを送信する際に、該第１の設定データを送信するための第１の送信コマンドと該第２の設定データを送信するための第２の送信コマンドとを、順次送信するようにされた、請求項１に記載の制御回路。
3. 該制御部は、該外部機器に設定データを送信する際には該複数の設定データのうちの選択された設定データのみを送信し、該他の制御回路に対して設定データを送信する際には該複数の設定データに含まれる全設定データを送信するようにされた、請求項２に記載の制御回路。
4. 請求項１乃至３のいずれか一項に記載の制御回路と、
   該制御回路に接続された電動工具本体と、を備える電動工具であって、
   該制御回路が該記憶部に記憶された該複数の設定データを該電動工具本体に送信し、該電動工具本体が該複数の設定データを当該電動工具の制御パラメータとして設定して該複数の設定データに基づいて動作するようにされた、電動工具。
5. 複数の、請求項４に記載の電動工具と、
   各電動工具の該複数の設定データの管理や変更を行うための外部機器と、
   を備え、
   該複数の電動工具の各制御回路および該外部機器が相互に通信接続されて、該複数の電動工具及び該外部機器からそれぞれ設定データを送信するための送信コマンドが同一な形式のコマンドである、電動工具システム。

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