JP2021058819A - 分散剤、被覆着色剤、および被覆着色剤の製造方法 - Google Patents

分散剤、被覆着色剤、および被覆着色剤の製造方法 Download PDF

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Tomohiko Suzuki
智彦 鈴木
朋之 青谷
Tomoyuki Aotani
朋之 青谷
進典 鶴谷
Nobunori Tsuruya
進典 鶴谷
山口 浩司
Koji Yamaguchi
浩司 山口
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Abstract

【課題】本発明は、経時の分散安定性が良好であり、例えば、架橋剤との架橋効率が高い、着色組成物を形成できる分散剤の提供を目的とする。【解決手段】疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(ただし、(無水)マレイン酸単位を含まない)を含む重合体の分散剤であり、疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む、分散剤。【選択図】なし

Description

本発明は、インキジェット用インキ、フレキソ印刷インキ、トナー、捺染剤、文具、塗料等に好適に使用できる分散剤、および被覆着色剤に関する。
着色剤を分散した着色剤分散体は、インキジェット用インキ、フレキソ印刷インキ、トナー、捺染剤、文具、塗料等の色彩を必要とする用途に幅広く使用されている。着色剤分散体は、耐候性や耐水性の観点から、着色剤に染料に変えて顔料を使用する場合が増えている。
例えば、インキジェット用インキ用途は、インキジェットプリンターの微細なノズルからインキ液滴を直接吐出し、記録媒体に付着させて、文字や画像が記録された印刷物等を得る。そのため着色剤は、分散体を使用して微細な状態で安定的に分散する必要がある。
特許文献1では、顔料、ならびに芳香環含有アクリレート、長鎖アルキル基含有アクリレート、およびメタクリル酸の重合体である高分子分散剤を含む着色組成物が開示されている。また、特許文献2では、顔料、界面活性剤を使用した顔料分散剤、およびα−オレフィン−無水マレイン酸重合体等を使用した高分子分散安定剤を含む着色組成物が開示されている。
特開2016−69487号公報 特開2007−191556号公報
しかし、従来の顔料分散体は、分散剤の主鎖にカルボキシル基が直接結合しているため、カルボキシル基に起因する静電反発力が低く、着色剤を安定的に分散することが難しかった。また架橋剤を配合する場合、架橋効率が低い問題があった。
本発明は、経時の分散安定性が良好であり、例えば、架橋剤との架橋効率が高い、着色組成物を形成できる分散剤の提供を目的とする。
本発明の分散剤は、疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(ただし、(無水)マレイン酸単位を含まない)を含む重合体の分散剤であり、
疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む。
上記の本発明によると、経時の分散安定性が良好であり、例えば、架橋剤との架橋効率が高い、着色組成物を形成できる分散剤の提供を目的とする。
本明細書の用語を定義する。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。モノマーおよび単量体は、エチレン性不飽和基含有単量体である。モノマーは、エチレン性不飽和基含有単量体である。(無水)マレイン酸単位中の単位は、(無水)マレイン酸を重合した重合体を構成する繰り返し単位の一つを意味する。他のモノマー単位も前記同様である。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、及び「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、及び「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。分散剤は、予め微細化した着色剤を分散するために使用する化合物である。被覆着色剤は、樹脂と共に着色剤の微細化を行い、表面の少なくとも一部が樹脂で被覆された着色剤である。
本発明の分散剤は、疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(ただし、(無水)マレイン酸単位を含まない)を含む重合体の分散剤であり、
疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む。本発明の分散剤は、着色剤の分散に使用することが好ましい。
分散剤は、(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含むことで、カルボキシル基が主鎖から離れた部位に位置する。これにより着色剤の分散粒子は、カルボキシル基の静電反発力がより効果的に得られるため、着色組成物の経時の分散安定性が向上する。また、前記カルボキシル基は、モビリティが高く、架橋剤との反応がより効果的に進行する。これにより着色剤に対する分散剤の吸着がより強固となり、形成する被膜の耐水性がより向上する。
また、前記重合体は、着色剤の表面を被覆して形成する被覆着色剤の被覆用途で使用することが好ましい。
着色剤の中でも有機顔料は、微細化処理を行った後に、分散剤等を配合して着色分散体として使用することが好ましい。前記重合体を分散剤として使用する場合、微細化処理後の有機顔料に配合して使用することが好ましい。また、前記重合体を着色剤被覆用途に使用する場合、前記微細化処理時に配合して被覆着色剤を作成することが好ましい。なお、無機顔料や染料は、一般的に微細化処理を行わないことが多い。
着色分散体および被覆着色剤は、例えば、インクジェット用インキ、フレキソ印刷インキ、トナー、捺染剤、文具、または塗料等の用途に使用することが好ましい。これらの用途は、着色剤を微細な状態で安定的に分散することは共通の課題であるためである。
[分散剤]
本発明の分散剤は、疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含む重合体であり、
疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む。なお、モノマーが重合体を構成している状態をモノマー単位という。また、モノマーを重合する前の説明には単位を付けない。
[疎水基含有モノマー単位]
疎水性基含有モノマー単位は、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含む。これらの中でも、α−オレフィン単位が好ましい。α−オレフィン単位は重合体の主鎖に直接炭化水素鎖を付与することができるために着色剤への吸着に優れ、また隣接するカルボキシル基への立体相互作用が低いために架橋効率の向上に寄与し分散安定性を向上させることができる。
[α‐オレフィン単位]
α‐オレフィン単位は、α−オレフィンを制限なく使用できるところ、炭素数6〜50のα‐オレフィンが好ましく、炭素数8〜38のα‐オレフィンがより好ましく、炭素数12〜38のα‐オレフィンがさらに好ましい。適度な炭素数のα‐オレフィンを使用すると分散剤の着色剤への吸着率と高い酸価を両立できる。
α‐オレフィンは、例えば、1−ヘキセン(炭素数6)、1−ヘプテン(炭素数7)、1−オクテン(炭素数8)、1−ノネン(炭素数9)、1−デセン(炭素数10)、1−ドデセン(炭素数12)、1−テトラデセン(炭素数14)、1−ヘキサデセン(炭素数16)、1−オクタデセン(炭素数18)、1−エイコセン(炭素数20)、1−ドコセン(炭素数22)、1−テトラコセン(炭素数24)、1−オクタコセン(炭素数28)、1−トリアコンテン(炭素数30)、1−ドトリアコンテン(炭素数32)、1−テトラトリアコンテン(炭素数34)、1−ヘキサトリアコンテン(炭素数36)、1−オクタトリアコンテン(炭素数38)等が挙げられる。
[アルキル(メタ)アクリレート単位]
アルキル(メタ)アクリレート単位は、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレートから形成される。なお、アルキル基は、炭素数4〜22がより好ましく、12〜22がより好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[環含有モノマー単位]
環含有モノマー単位は、芳香環、脂肪族環、および複素環のうち1種以上を含有するモノマーから形成される。これらの中でも芳香環含有モノマーが好ましく、炭素数6〜22の芳香環を含有するモノマーが好ましく、スチレン系モノマー、芳香環含有(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、炭素数6〜22の芳香環は、芳香環が有する置換基の炭素数も含む。
スチレン系モノマーは、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレートは、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でもベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
脂肪族環を含有するモノマーは、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
複素環を含有するモノマーは、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
疎水基含有モノマーは、単独または2種類以上併用して使用できる。
[酸モノマー(A)単位]
酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位の少なくとも一方を含む。この中でも、疎水性基含有モノマー単位との重合性が向上する面で(無水)マレイン酸単位が好ましい。
[(無水)マレイン酸単位]
(無水)マレイン酸単位は、無水マレイン酸、およびマレイン酸を含む。本発明では、無水マレイン酸が好ましい。
酸モノマー(A)は、単独または2種類以上併用して使用できる。
[(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位]
(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(以下、カルボキシル基含有モノマー(M)という)は、(ポリ)アルキレンオキシ鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M1)、およびアルキル鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M2)を含む。カルボキシル基含有モノマー(M)は、重合部位であるエチレン性不飽和基から(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を介してカルボキシル基を有するため、カルボキシル基の静電反発力がより効果的に得られる。そのため着色分散体や被覆着色剤の分散安定性を経時で維持し易い。なお、カルボキシル基含有モノマー(M)単位は、(無水)マレイン酸単位を含まない。
[(ポリ)アルキレンオキシ鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M1)]
(ポリ)アルキレンオキシ鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M1)は、下記一般式(1)で示す化合物である。
一般式(1)
Figure 2021058819
一般式(1)において、Rは、エチレン性不飽和基を1つ有し、エーテル結合を有する炭化水素基であり、AOは炭素数2〜18の(ポリ)アルキレンオキシ鎖でありアルキレンオキシ鎖の種類は、1種または2種以上であってもよい。n1は1〜1000の整数であり、Xは酸無水物残基である。
一般式(1)のRにおけるエチレン性不飽和基を1つ有し、エーテル結合を有する炭化水素基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基もしくはアリル基等が挙げられる。
一般式(1)のAOにおける(ポリ)アルキレンオキシ鎖を形成するアルキレン鎖は、直鎖または分岐のアルキレン鎖が好ましく、直鎖アルキレン鎖がより好ましく、炭素数2〜18のアルキレン鎖が好ましく、エチレン鎖、プロピレン鎖がより好ましい。
一般式(1)のn1は、(−アルキレン鎖−酸素原子−)の繰り返し単位の数であり、分散剤単位質量あたりのカルボキシル基含有モノマー(M)由来のカルボキシル基導入量を多くするために、1〜100であることが好ましく、1〜50であることがより好ましく、3〜35であることが特に好ましい。
(ポリ)アルキレンオキシ鎖は、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、テトラメチレンオキシ基、スチレンオキシ基、ドデシレンオキシ基、テトラデシレンオキシ基、ヘキサデシレンオキシ基、オクタデシレンオキシ基などが挙げられ、好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基である。
一般式(1)における酸無水物残基Xは、例えば、無水トリメリット酸、無水フタル酸または無水マレイン酸が水酸基と反応してそれぞれ生成する官能基が挙げられる。酸無水物残基は、2種類以上併用できる。
(ポリ)アルキレンオキシ鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M1)は、水酸基と(ポリ)アルキレンオキシ鎖とエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体(e1)(以下、単量体(e1))、および多価カルボン酸無水物(u)のエステル反応物が好ましい。
[単量体(e1)]
単量体(e1)は、水酸基1つと(ポリ)アルキレンオキシ鎖とエチレン性不飽和基1つを有していれば特に制限はない。
単量体(e1)におけるアルキレンオキシ鎖は、一般式(1)におけるAOと同様である。単量体(e1)におけるエチレン性不飽和基は、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基が挙げられる。単量体(e1)の質量平均分子量(または式量)は、20〜3000が好ましい。
また、水酸基と多価カルボン酸無水物(u)の反応速度の面から、水酸基は1級の水酸基が好ましく、(ポリ)アルキレンオキシ鎖の末端に位置する1級の水酸基であることがより好ましい。
[単量体(e1)]
単量体(e1)は、例えば、水酸基含有アリルエーテルが挙げられる。水酸基含有アリルエーテルは、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル、下記一般式(2)で示されるアリルエーテルが挙げられる。
一般式(2)CH=CHCHO(AO)
一般式(2)において、AOは、炭素数2〜18のアルキレンオキシ鎖である。アルキレンオキシ鎖は、単独または2種類以上を有することできる。また、アルキレンオキシ鎖を2種以上有する場合、ブロック状またはランダム状に付加できる。AOで示される炭素数2〜18のアルキレンオキシ鎖は、一般式(1)におけるAOと同様である。pはアルキレンオキシ鎖のモル数で1〜1000であり、好ましくは1〜100であり、より好ましくは1〜50であり、特に好ましくは3〜35である。
[多価カルボン酸無水物(u)]
多価カルボン酸無水物(u)は、2価または3価の多価カルボン酸無水物が好ましく、3価がより好ましい。2価または3価であると、多価カルボン酸無水物(u)1分子に対して単量体(e)1分子がエステル化反応により付加するため、生成物であるカルボキシル基含有モノマー(M)のエチレン性不飽和基が1分子あたり1個となる。そのため、カルボキシル基含有モノマー(M)を重合して得られる分散剤は、適度な分子量が得られる。また、3価の多価カルボン酸無水物の場合、分散剤中のカルボキシ基が高密度になるため分散安定性の面でより好ましい。なお、酸無水物部位の一部が水で開環していても構わない。
多価カルボン酸無水物(u)は、例えば、ジカルボン酸無水物、脂肪族トリカルボン酸無水物、芳香族トリカルボン酸無水物、多環式トリカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの中でもジカルボン酸無水物、芳香族トリカルボン酸無水物が好ましく、コハク酸無水物、トリメリット酸無水物がより好ましい。
ジカルボン酸無水物は、例えば、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、イタコン酸無水物、グルタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、クロレンディック酸無水物等が挙げられる。
脂肪族トリカルボン酸無水物は、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
芳香族トリカルボン酸無水物、多環式トリカルボン酸無水物は、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)など)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物など)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
[アルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M2)]
アルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M2)は、一般式(3)で示す化合物である。
Figure 2021058819
一般式(3)において、Rは、エチレン性不飽和基を1つ有し、かつエーテル結合を有する炭化水素基であり、一般式(1)におけるRと同義である。
一般式(3)において、Rは炭素数1〜50のアルキレン鎖である。
一般式(3)において、Xは酸無水物残基であり、一般式(1)におけるXと同義である。
一般式(3)における炭素数1〜50のアルキレン鎖としては、炭素数1〜50のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜10であり、特に好ましくは炭素数1〜6である。
アルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M2)は、例えば、水酸基とアルキレン鎖とエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体(e2)(以下、単量体(e2))、および多価カルボン酸無水物(u)のエステル反応物が挙げられる。
[単量体(e2)]
単量体(e2)は、水酸基1つとアルキレン鎖とエチレン性不飽和基1つを有していれば特に制限はなく、好ましくは質量平均分子量20〜3000である。
単量体(e2)におけるアルキレン鎖は、一般式(3)における炭素数1〜50のアルキレン鎖と同義である。
単量体(e2)においてエチレン性不飽和基は、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基である。
単量体(e2)における水酸基は、水酸基と多価カルボン酸無水物(u)の反応速度の面から、1級の水酸基であることが好ましく、アルキル鎖の末端に位置する1級の水酸基であることがより好ましい。
[単量体(e2)]
単量体(e2)は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリルアミド、水酸基含有ビニルエーテル等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、炭素数1〜6のアルキレン基をもつヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。
水酸基含有(メタ)アクリルアミドは、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
水酸基含有ビニルエーテルは、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテルが挙げられる。
本明細書の分散剤は、その他モノマー単位を含有できる。例えば、例えば、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類が挙げられる。
[分散剤の製造]
本明細書の分散剤である重合体は、以下の方法で合成できる。
重合体は、疎水性基含有モノマー、酸モノマー(A)単位、およびカルボキシル基含有モノマー(M)を使用して重合する。重合方法は、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の方法が挙げられる。また、重合手法は、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。また、重合体は、ランダム重合やブロック重合で合成してもよい。
本明細書では、ランダムのラジカル重合で溶液重合により重合体を合成することが好ましい。前記合成は、例えば、特開2007−58125号公報記載の方法が挙げられる。
重合体の合成は、例えば、疎水性基含有モノマー、酸モノマー(A)、およびカルボキシル基含有モノマー(M)を含むモノマー混合物に、ラジカル重合開始剤、および必要に応じて連鎖移動剤を使用して重合することが好ましい。
カルボキシル基含有モノマー(M)単位の含有量は、重合体を構成する全モノマー単位中、0.1〜50mol%が好ましく、1〜30mol%がより好ましく、1〜20mol%がさらに好ましい。適量含有すると分散安定性がより向上する。
酸モノマー(A)単位の含有量は、重合体を構成する全モノマー単位中、1〜98mol%が好ましく、10〜90mol%がより好ましく、40〜70mol%がさらに好ましい。適量含有すると分散安定性がより向上する。
疎水性基含有モノマー単位の含有量は、重合体を構成する全モノマー単位中、1〜98mol%が好ましく、9〜88mol%がより好ましく、29〜59mol%がさらに好ましい。適量含有すると分散安定性がより向上する。
ラジカル重合開始剤は、アゾ化合物、過酸化物が挙げられる。
アゾ化合物は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。過酸化物は、例えば、キュメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
溶液重合に使用する有機溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
有機溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合体の質量平均分子量は、2,000〜50,000が好ましく、4,000〜25,000がより好ましく、6,000〜20,000がさらに好ましい。適度な分子量により経時の分散安定性がより向上する。
重合体の酸価は、30〜600mgKOH/gが好ましく、100〜500mgKOH/gがより好ましく、140〜350mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価により経時の分散安定性がより向上する。
本明細書で重合体は、酸モノマー(A)単位に無水マレイン酸を使用する場合、酸無水物基を変性してエステル結合部位、アミド結合部位、またはイミド結合部位を有することが好ましく、エステル結合部位、アミド結合部位がより好ましい。これらの結合部位は、酸無水物基に特定の化合物を反応させて形成する。これにより着色剤の分散安定性がより向上する。また、無水マレイン酸の酸無水物基に予めこれらの変性を行った上で重合することもできる。
エステル結合部位、アミド結合部位、またはイミド結合部位は、酸無水物基100モル%中、30〜100%の割合で形成することが好ましい。エステル化又はアミド化等することで、重合体にカルボキシル基部位を付与することができ、優れた静電反発効果を得られる。特にエステル化するとバインダー樹脂との相溶性がより向上する。
エステル結合部位の形成には、水又はアルコールを使用することが好ましい。
アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、α−オキシ酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、乳酸、タルトロン酸、リンゴ酸、4−ヒドロキシフタル酸。クエン酸等が挙げられる。これらの中でもメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、乳酸が好ましい。
また、アルコールは、炭素数1〜6のアルキレンオキシ鎖を含むことができる。具体的には下記一般式(4)で示す化合物、下記一般式(5)で示す化合物が挙げられる。
一般式(4)
Figure 2021058819
一般式(4)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレンオキシ鎖を表し、m及びnはアルキレンオキシ鎖の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+nは1以上を満たす。
一般式(5)
Figure 2021058819
一般式(5)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレンオキシ鎖を表し、m及びnはアルキレンオキシ鎖の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+n=1以上を満たす。
上記一般式(4)及び(5)における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、及びブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
上記一般式(4)及び(5)における炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(4)及び(5)において、m及びnはアルキレンオキシ鎖の平均付加モル数を表し、0以上100以下の整数である。m+nは溶媒揮発時のインキ粘度を低くし、疎水性の高い基材への印字性を向上させ、顔料インキの分散安定性及び吐出性を向上させる観点から、4以上100以下が好ましく、4以上70以下がより好ましく、9以上40以下がさらに好ましく、9以上30以下が特に好ましい。m+nが9〜30の範囲にあると、着色組成物の分散安定性が向上する。一般式(4)及び(5)において、AO及びAOは炭素数1〜6のアルキレンオキシ鎖であり、インキ中での水及び水溶性溶剤との親和性向上に寄与する。また、被覆着色剤では、アルキレンオキシ鎖がインキ中で拡がりを持ち、立体障害基として作用し、被覆着色剤の分散安定化に寄与する。
一般式(4)で示す化合物は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシモノメチルエーテル、ポリプロピレンオキシモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシ−2−エチルヘキシルエーテル、ポリエチレンオキシイソデシルエーテルなどのポリアルキレンオキシアルキルエーテル等が挙げられる。これらの中でもポリエチレンオキシモノメチルエーテルが好ましい。市販品は、ユニオックスM−400、同M−550、同M−1000(以上、日油社製)が挙げられる。
一般式(5)で示す化合物は、例えば、ポリエチレンオキシモノラウリレート、ポリエチレンオキシモノステアリレート、ポリエチレンオキシモノオレートなど挙げられる。これらの中でもポリエチレンオキシモノラウリレートが好ましい。市販品は、ノニオンL−2、同L−4、同S−4、同O−4(以上、日油社製)が挙げられる。
アルコールは、単独または2種類以上を併用して使用できる。
[着色剤]
本明細書で着色剤は、粒子を形成する化合物であり、無機顔料、有機顔料、染料から適宜選択して使用できる。
無機顔料は、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属錯塩、その他無機顔料等が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化鉄、水酸化鉄、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。
その他無機顔料は、例えば、群青、黄鉛、硫化亜鉛、コバルトブルー等が挙げられる。
有機顔料は、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックスでいうと、例えば、C.I.PigmentRed1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、32、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、147、148、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、266、269、270、272、279、
C.I.PigmentYellow1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214、
C.I.PigmentOrange2、5、13、16、17:1、31、34、
36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73、
C.I.PigmentGreen7、10、36、37、58、59、62、63、
C.I.PigmentBlue1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79、80
C.I.PigmentViolet1、19、23、27、32、37、42
C.I.PigmentBrown25、28
C.I.PigmentBlack1、7
C.I.PigmentWhite1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28等が挙げられる。
これらの中でもC.I.PigmentRed31、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、122,146、147、148、150、170、176、177、184、185、202、242、254、255、264、266、269、
C.I.PigmentYellow12、13、14、17、74、83、108、109、120、150、151、154、155、180、185、213
C.I.PigmentOrange36,38、43、64、73
C.I.PigmentGreen7、36、37、58、62、63、
C.I.PigmentBlue15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.PigmentViolet19、23、32、
C.I.PigmentBrown25、
C.I.PigmentBlack1、7
C.I.PigmentWhite6が好ましい。
染料は、分散染料が好ましい。分散染料は、加熱により昇華する性質を有する染料である。分散染料は、例えば、C.I.ディスパースイエロー3、7、8、23、39、51、54、60、71、86;C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、5、20、25、25:1、33、56、76;C.I.ディスパースブラウン2;C.I.ディスパースレッド11、50、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240、343;C.I.バットレッド41;C.I.ディスパースバイオレット8、17、23、27、28、29、36、57;C.I.ディスパースブルー19、26、26:1、35、55、56、58、60、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、165、359、360等が挙げられる。
着色剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
着色剤の平均一次粒子径は、通常5〜1,000nmである。なお、平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡を使用した2000〜10万倍の範囲から選択した拡大画像から任意の約20個の粒子の平均値である。粒子が楕円形の場合、縦軸長さを用いる。
本明細書の被覆着色剤は、着色剤の表面を、疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含む重合体で被覆してなる。前記重合体は、既に分散剤として説明した重合体を同じ化合物である。
本明細書の被覆着色剤の製造方法は、公知の方法を利用できるところソルトミリング法が好ましい。ソルトミリング法は、水溶性有機溶剤、水溶性無機塩、着色剤、ならびに疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含む重合体である分散剤を混練機で混合して被覆着色剤を作製し、次いで水溶性無機塩および水溶性有機溶剤を除去することが好ましい。この方法により着色剤を微細化できる。
まず、水溶性溶剤、水溶性無機塩、着色剤、ならびに重合体を混練して着色剤の表面を重合体で被覆する。
前記混練により着色剤を微細化しつつ、その表面を重合体で被覆する。ソルトミリング法で摩砕混練すると着色剤を効率よく微細化できる。
ソルトミリング法に使用する混練装置は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、横型サンドミル、縦型サンドミル及び/又はアニューラ型ビーズミル等が挙げられる。これらの中でも着色剤の表面を効率的に被覆できる面でニーダーが好ましい。混練条件は、着色剤の種類、微細化の程度等に応じて、適宜調整できる。また必要に応じて加熱するとも冷却することもできる。
水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、水溶性無機塩の硬度の高さを利用して着色剤を破砕する。水溶性無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。
水溶性溶剤は、着色剤および水溶性無機塩を湿潤する。水溶性溶剤は、水に溶解(混和)しつつ、水溶性無機塩を溶解しない化合物である。
水溶性溶剤は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール類;ラウリン酸プロピレングリコール等のグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシル等のエーテル;プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブ等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール等のアルコール類;スルホラン;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン等のラクタム類;グリセリン等が挙げられる。これらの中でもジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
水溶性溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
水溶性溶剤の使用量は、着色剤100質量部に対し、5〜1,000質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。
水溶性無機塩の使用量は、着色剤100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、300〜1,000質量部がより好ましい。
重合体の使用量は、着色剤100質量部に対し、5〜100質量部が好ましく、10〜80質量部が好ましい。適量使用すると分散安定性および再分散性がより向上する。
次に得られた被覆着色剤を含む混合物から水溶性無機塩および水溶性溶剤を除去する。
まず、混練装置から前記混合物を取り出し、イオン交換水を投入して撹拌を行い、懸濁液を得る。イオン交換水の使用量は、混練装置に投入した質量の10〜10,000倍の質量が好ましい。撹拌温度は、25〜90℃が好ましい。次いでろ過を行い被覆着色剤を得る。これらの操作により水溶性溶剤、水溶性無機塩を除去できる。なお、さらにイオン交換水を除去する工程を行ってもよい。水の除去は、乾燥処理が好ましい。乾燥条件は、例えば、常圧下、80〜120℃の範囲で12〜48時間程度の乾燥を行う方法、減圧下、25〜80℃の範囲で12〜60時間程度の乾燥を行う方法が挙げられる。乾燥処理は、スプレードライ装置が好ましい。また、乾燥処理と同時もしくは乾燥処理後に粉砕処理を行うことができる。
被覆着色剤の平均一次粒子径は、通常7〜1,000nmである。なお、平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡を使用した2000〜10万倍の範囲から選択した拡大画像から任意の約20個の粒子の平均値である。粒子が例えば、楕円形のように長軸長さおよび短軸長さを有する場合、縦軸長さを用いる。
[着色組成物]
本明細書の着色組成物の第一の態様は、被覆着色剤、および架橋剤を含むことが好ましい。また、さらに塩基性化合物、pH調整剤、および水を含むことがより好ましく、さらにバインダー樹脂を含むことがより好ましい。
本明細書の着色組成物の第二の態様は、着色剤、重合体を含むことが好ましく、さらに架橋剤を含むことが好ましい。また、さらに塩基性化合物、pH調整剤、および水を含むことがより好ましく、さらにバインダー樹脂を含むことがより好ましい。前記重合体は、本明細書で分散剤として説明した化合物である。なお、着色組成物は、水に代えて、無溶剤、有機溶剤(水との併用を含む)を含有できる。
[架橋剤]
架橋剤は、被覆着色剤の重合体に由来するカルボキシル基を架橋するために使用する。架橋剤は、カルボキシル基と反応可能な官能基(以下、反応性官能基という)を2以上有する化合物である。架橋により重合体が着色剤を強固に被覆し、被覆着色剤の分散安定性がより向上する。
反応性官能基は、例えば、イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基、エポキシ基が好ましく、アジリジン基、カルボジイミド基、エポキシ基がより好ましく、エポキシ基がさらに好ましい。インキジェット用インキとしての分散安定性を向上させる観点からも架橋剤の添加は好ましい。具体的な架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキセタン化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物は、例えば、有機ポリイソシアネート又はイソシアネート基末端プレポリマーが挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;脂環式ジイソシアネート;芳香族トリイソシアネート;それらのウレタン変性体等の変性体が挙げられる。イソシアネート基末端プレポリマーは、有機ポリイソシアネート又はその変性体と低分子量ポリオール等とを反応させることにより得ることができる。
アジリジン化合物は、例えば、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2,2'−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
カルボジイミド化合物は、例えば、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが挙げられる。このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。
オキセタン化合物は、例えば、4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレン等が挙げられる。
オキサゾリン化合物は、例えば、脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2〜3個のオキサゾリン基が結合した化合物、より具体的には2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,3−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
エポキシ化合物は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられる。
これらの中では、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
架橋剤は、水中で効率よく重合体のカルボキシル基と反応させる面で適度な水溶性があることが好ましい。水溶性は、架橋剤の25℃の水100gに対する溶解量が0.1〜50gが好ましく、0.2〜40gがより好ましく、0.5〜30gがさらに好ましい。
架橋剤の使用量は、重合体のカルボキシル基100モル%に対して、反応性官能基が10〜150モル%程度になるように使用することが好ましく、20〜120モル%がより好ましく、30〜100モル%がさらに好ましい。
[塩基性化合物]
塩基性化合物は、被覆着色剤の重合体に由来するカルボキシル基を中和し、被覆着色剤を安定的に分散させる。さらに着色組成物のpHを7〜10程度に調整するために使用する。
塩基性化合物は、例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリが挙げられる。これらの中でも、トリエタノールアミンが好ましい。トリエタノールアミンのように嵩高い有機アミンを用いると、カルボキシル基と架橋剤の反応がより早く進行するためである。
重合体の中和度は、着色組成物の分散安定性の観点から、10〜100モル%反応させることが好ましく、30〜100モル%反応させることがより好ましく、50〜100モル%反応させることが特に好ましい。
ここで中和度は、塩基性化合物のモル当量を重合体のカルボキシル基のモル量で除したものである。下記式によって求めることができる。
{(塩基性化合物の質量(g)/塩基性化合物の当量)/[(重合体の酸価(KOHmg/g)×重合体の質量(g)/(56.1×1000)]}×100
塩基性化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
[pH調整剤]
pH調整剤は、カルボキシル基と架橋剤の反応が進行した際に、カルボキシル基から離脱する塩基性化合物を中和する役割がある。着色組成物のpHが7〜10となるようpH調整剤を加えることで、加水分解により架橋の切断が抑制され、着色組成物の経時安定性の向上につながる。
pH調整剤は、例えば、グリシン、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等が挙げられる。これらの中でも、ほう酸が好ましい。
本明細書で着色組成物の第一の態様の製造方法は、被覆着色剤、および架橋剤を混合し、分散剤を架橋させることが好ましい。なお、架橋剤を配合する前に、塩基性化合物、および水を混合してカルボキシル基を中和することが好ましい。混合は、例えば、ディスパー、自転・公転ミキサー等を使用することが好ましい。
本明細書で着色組成物の第二の態様の製造方法は、着色剤および分散剤を混合した後、架橋剤を混合し、架橋させることが好ましい。
前記中和は、7〜10程度に調整する。次いで、架橋剤を混合し、架橋させる。架橋温度は、室温(10〜30℃)でもよいが、40〜95℃程度に加熱することが好ましい。架橋時間は、0.5〜10時間程度が好ましい。
着色組成物の不揮発分は、5〜80質量%になる程度に水で調整することが好ましい。
バインダー樹脂は、例えば(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、着色組成物の不揮発分中、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
本明細書の着色組成物は、必要に応じて防腐剤、消泡剤等を含有できる。
被覆着色剤の含有量は、着色組成物100質量%中、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。適量含有すると印刷適正と分散安定性がより向上する。
着色組成物中の被覆着色剤の平均分散粒子径(体積メディアン径)は、20〜200nmが好ましく、25〜150nmがより好ましく、30〜130nmがさらに好ましく、35〜90nmが特に好ましい。適度な粒子径を有するとノズルからに吐出安定性が向上し、着色組成物の分散安定性がより向上する。なお、体積メディアン径の測定は、レーザー回折・散乱法を用いる。
着色組成物の用途を、インキジェット用インキを例に説明する。
<インキジェット用インキ>
本明細書のインキジェット用インキは、被覆着色剤、または着色組成物を含む。
本明細書のインキジェット用インキは、水を溶媒(媒体)として使用するが、インキの乾燥を防止するため、水溶性溶剤を併用することが好ましい。また、被覆着色剤の分散安定性が向上するため、印刷後の基材への浸透性、濡れ広がり性が向上する。
水溶性溶剤は、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他水溶性溶剤等が挙げられる。
多価アルコール類は、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−へプタンジオールが好ましい。
多価アルコールアルキルエーテル類は、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類は、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物は、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類は、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アミン類は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
等が挙げられる。
含硫黄化合物類は、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他水溶性溶剤は、糖が好ましい。糖類は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類等が挙げられる。糖は、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む。また、これらの糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH(CHOH)CHOH(ただし、n=2〜5の整数を表す)で表される〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸等が挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、マルチトール、ソルビットが好ましい。
水溶性溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
水溶性溶剤の含有量は、インキジェット用インキ中、3〜60質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましい。また、水の含有量は、インキジェット用インキ中、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。適度に水溶性溶剤を含有すると、ヘッドからのインキ吐出安定性が向上する。
インキジェット用インキは、バインダー樹脂を含有することが好ましい。これにより、印字した塗膜の耐水性、耐溶剤性などが向上する。
バインダー樹脂は、例えば(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、インキジェット用インキの不揮発分中、2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
本明細書のインキジェット用インキは、必要に応じて添加剤を含有できる。添加剤は、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、インキジェット用インキ全体に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
本明細書のインキジェット用インキは、各種のインキジェット用プリンターで使用できる。インキジェット方式は、例えば、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型等が挙げられる。
<フレキソ印刷インキ>
本明細書のフレキソ印刷インキは、被覆着色剤を含有することが好ましく、さらに、バインダー樹脂を含有することがより好ましい。バインダー樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。また、フレキソ印刷インキは、添加剤、溶剤、架橋剤を含有できる。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂は、アクリル重合体、アクリル酸−スチレン共重合樹脂、アクリル酸−マレイン酸樹脂、アクリル酸−スチレン−マレイン酸樹脂等が挙げられる。
アクリル樹脂の質量平均分子量は200,000〜800,000が好ましい。適度な質量平均分子量により耐水摩擦性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性がより向上する。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜30℃程度が好ましい。適度なTgにより耐水摩擦性、耐ブロッキング性、基材への密着性がより向上する。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂を含む。ウレタン樹脂は造膜性の観点から、酸価を有することが好ましい。ウレタン樹脂の質量平均分子量は、10,000〜100,000が好ましい。適度な分子量を有すると基材への密着性、耐水摩擦性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性がより向上する。
バインダー樹脂の酸価は、20〜180mgKOH/gが好ましく、40〜150mgKOH/gがより好ましい。適度な酸価により印刷における再溶解性、基材への密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性がより向上する。なお、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数である。
バインダー樹脂の含有量は、フレキソ印刷インキの不揮発分中、10〜40質量%が好ましい。適度に含有するとインキ塗膜の強度が向上、基材への密着性および耐水摩擦性がより向上する。
フレキソ印刷インキは、必要に応じて添加剤を含有できる。添加剤は、レベリング剤、濡れ剤、撥水剤、消泡剤、ワックス、架橋剤等が挙げられる。
フレキソ印刷インキに使用する溶剤は、水、または前述の水溶性溶剤等が挙げられる。溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
被覆着色剤の含有量は、フレキソ印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちフレキソ印刷インキの全量中、1〜50質量%が好ましい。
フレキソ印刷インキ組成物の粘度は、被覆着色剤の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
フレキソ印刷インキは、例えば、被覆着色剤に加え、任意成分としてワックス、ぬれ剤等を添加して撹拌混合して作製できる。撹拌混合は、例えば、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、トリミックス、ニーダー、エクストルーダー、横型サンドミル、縦型サンドミルまたは/およびアニューラ型ビーズミル、ペイントシェイカー、ボールミル等、超音波発振子を備える分散機、2本ロールミル、3本ロールミル等が挙げられる。
<トナー>
本明細書でトナーは、被覆着色剤を含有する。トナーは、さらに、結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等から適宜選択して使用できる。
(結着樹脂)
結着樹脂は、各色の被覆着色剤の色相を阻害しないために無色、透明あるいは白色、淡色の樹脂を使用することが好ましい。
結着樹脂は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン重合体、スチレン−ビニルトルエン重合体、スチレン−ビニルナフタレン重合体、スチレン−アクリル酸エステル重合体、スチレン−メタクリル酸エステル重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル重合体、スチレン−アクリロニトリル重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル重合体、スチレン−ビニルメチルケトン重合体、スチレン−ブタジエン重合体、スチレン−イソプレン重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン重合体などのスチレン系重合体また架橋されたスチレン系重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリエステル樹脂、スチレン系重合体が好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃が好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、本発明においては示差走査熱量計(島津製作所社製DSC−60)を用いて、昇温速度10℃/minで測定した時のTg以下のベースラインの延長線と、Tg近傍の吸熱カーブの接線との交点の値を求め測定する。
また、結着樹脂は、フローテスターによる軟化温度Tsが60〜90℃が好ましい。適度な軟化温度により被覆着色剤との相溶性がより向上する。なお、軟化温度Tsの測定は、島津製作所製フローテスターCFT−500Dを用いて、開始温度40℃、昇温速度6.0℃/min.、試験荷重20kg、予熱時間300秒、ダイ穴径0.5mm、ダイ長さ1.0mmの条件にて行った。
離型剤は、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる。離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、質量平均分子量(Mw)が500〜8000程度のエチレンホモポリマー、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。離型剤の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して通常0.5〜10質量%程度が好ましい。
荷電制御剤は、現像によって得られる画像鮮明性を向上させる目的で、トナーに摩擦帯電性を付与するために使用される。荷電制御剤の使用により、適正な帯電量を有するように調整できる。荷電制御剤は、トナーに応じて正荷電制御剤又は負荷電制御剤が用いられる。
正荷電制御剤は、例えば、四級アンモニウム塩化合物(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、4級アンモニウム塩有機錫オキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)、アミノ基を有するポリマー等が挙げられる。
負荷電制御剤は、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸の亜鉛塩、カルシウム塩、クロム塩等、サリチル酸あるいはサリチル酸誘導体などのアリールオキシカルボン酸の二価又は三価の金属塩や金属キレート(錯体)、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。
トナーは、溶融混練法による粉砕トナー法で作製することが好ましい。これにより生産性や被覆着色剤の分散性がより向上する。粉砕トナー法、例えば、被覆着色剤、結着樹脂、荷電制御剤等の原料を混合機で均一に混合した後、混錬機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して作製できる。混錬機は、例えば、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
被覆着色剤の含有量は、トナー中10〜70質量%が好ましい。適量含有すると生産性や着色剤の分散性がより向上する。
本明細書でトナーは、粒子状であり、平均粒径が3〜15μmであることが好ましく、5〜10μmがより好ましい。トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンター(マルチサイザー3、ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
<塗料>
本明細書で塗料は、被覆着色剤を含有する。塗料は、さらにバインダー樹脂を含有することが好ましく、架橋剤を含有することがより好ましい。塗料は、被覆着色剤、バインダー樹脂を含む水性塗料が好ましい。被覆着色剤とバインダー樹脂との比率は、求められる用途によって異なり、特に限定されるものではない。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、例えば、架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン含有樹脂等が挙げられる。架橋剤は、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物等が挙げられる。これらの中でもアクリル樹脂とメラミン樹脂との併用が好ましい。
塗料は、さらに必要に応じて、水、有機溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、架橋剤、体質顔料等を適宜含有できる。
塗料は、前記の材料を混合・分散して作製できる。
塗料は、様々な基材に塗工できる。基材は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム等及びその表面処理物等の金属基材;セメント類、石灰類、石膏類等のセメント系基材;ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリル類等のプラスチック系基材等が挙げられる。
塗料の塗工は、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等が挙げられる。塗工後、常温また加熱乾燥して被膜を形成する。被膜の厚みは、通常5〜70μm程度である。
<文具>
本明細書の文具は、被覆着色剤を含み、筆記具等の用途に使用できる。文具は、被覆着色剤の他、水、更にバインダーを含むことが好ましい。文具は、各用途(例えば、ボールペン、マーキングペン等)に応じて、任意に、水溶性有機溶剤、増粘剤、分散剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤、防菌剤等を含有できる。被覆着色剤とバインダー樹脂との比率は、求められる用途によって異なり、特に限定されるものではない。
文具は、被覆着色剤の高濃度水分散液を作成し、それを更に水で希釈し前記バインダー樹脂、必要に応じてその他の添加剤を添加して調製することが好ましい。前記被覆着色剤の分散方法は、特に限定されず前述の公知の分散方法でよい。
文具は、例えば、チキソトロピー性インキ(例えば、ゲルインキ水性ボールペン用インキ)、ニュートニアン性インキ(例えば、低粘度水性ボールペン用インキ)等の用途がより好ましい。
また、文具のpH(25℃)は、使用性、安全性、インキ自身の安定性、インキ収容体とのマッチング性の点からpH調整剤などにより5〜10に調整されることが好ましく、6〜9.5がより好ましい。
被覆着色剤の含有量は、文具の描線濃度に応じて適宜調整できるところ、文具用インキ組成物全量中0.1〜40質量%程度が好ましい。
<捺染剤>
本明細書の捺染剤は、被覆着色剤、水、バインダー樹脂を含むことが好ましい。捺染剤は、織布や不織布、編布などの布帛に、文字、絵、図柄などの画像を記録できる。なお、覆着色剤とバインダー樹脂との比率は、求められる用途によって異なり、特に限定されるものではない。
バインダー樹脂は、水分散粒子、水溶性樹脂等いずれの形態でも使用できる。バインダー樹脂は、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂は、前述のバインダー樹脂を使用できる。
捺染剤は、被覆着色剤の水分散液を作製した後、さらに水と、バインダー樹脂と、その他必要に応じた添加剤を混合して、着色したい繊維に応じて浸染、捺染など好ましい処理方法に合わせて捺染剤を作製できる。
スクリーン記録用の捺染剤は、添加剤として、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、架橋剤等を含有することが好ましい。スクリーン記録用の捺染剤の着色剤濃度は、1〜10質量%が好ましい。
また、浸染用の捺染剤は、添加剤として、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、架橋剤等を含有することが好ましい。浸染用の捺染剤の着色剤濃度は、1〜10質量%の範囲であるものを使用することが好ましい。浸染用の捺染剤の粘度は、1mPa・s〜100mPa・sの範囲で印捺装置に合わせて任意に設定される。
スプレー捺染用の捺染剤は、添加剤として、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有することが好ましい。スプレー記録用の捺染剤の着色剤濃度は、1質量%〜10質量%が好ましい。スプレー記録用の捺染剤の粘度は1mPa・s〜100mPa・sの範囲で装置に合わせて任意に設定される。
インキジェット記録用の捺染剤は、添加剤として、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を含有することが好ましい。インキジェット記録用の捺染剤の着色剤濃度は、1質量%〜20質量%が好ましい。前記添加剤は、前記被覆着色剤の水分散体に、前記バインダー樹脂ととともに添加することが好ましい。
防腐剤は、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(アーチケミカルズ社のプロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルLV、プロキセルAQ、プロキセルBD20、プロキセルDL)等が挙げられる。
粘度調整剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、スターチ等の主として水溶性の天然あるいは合成高分子物が挙げられる。
pH調整剤は、例えば、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等が挙げられる。
キレート化剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ニトリロ三酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、イミノ二酢酸、ウラミル二酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸及びこれらの塩(水和物を含む)等が挙げられる。
酸化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキノン系化合物、ホスファイト系化合物及びこれらの置換体、ハロゲン化銅、アルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の有機化合物系紫外線吸収剤;酸化チタン、酸化亜鉛等の無機化合物系紫外線吸収剤;が挙げられる。
捺染剤をインキジェット記録法に適用する場合、その表面張力を20mN/m以上60mN/m以下と調整することが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上40mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると非吸収基材でのはじきが発生し易い傾向がある。また粘度は、1.2mPa・s以上20.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2.0mPa・s以上15.0mPa・s未満、更に好ましくは3.0mPa・s以上12.0mPa・s未満である。粘度がこの範囲において、優れた吐出性と、長期間にわたる良好な噴射性の維持が達成できる。表面張力は前記界面活性剤により適宜調整可能である。
本発明の捺染剤は、布帛、人工皮革、天然皮革等に対して印捺することができる。特に布帛に対しての印捺に優れる。
布帛は、繊維で構成される媒体であることが好ましく、織物の他不織布でもよい。素材は、例えば、綿、絹、羊毛、麻、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン等が挙げられる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明は、実施例に限定されないことはいうまでもない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
(質量平均分子量(Mw))
質量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソ−社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソ−社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)である。
(酸価)
三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、蒸留水/ジオキサン(質量比:蒸留水/ジオキサン=1/9)混合液50mlを加えて溶解する。上記試料溶液に対して、電位差測定装置(京都電子工業社製、装置名「電位差自動滴定装置AT−710M」)を用いて、0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液(力価F)で滴定を行い、滴定終点までに必要な水酸化カリウム・エタノール溶液の量(α(mL))を測定した。乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×α×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
α:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の消費量(ml)
F:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の力価
(酸無水物価)
酸無水物価は、分散剤をa(g)秤量した後にキシレン中に溶解させ、酸無水物基の当量以上のオクチルアミンをb(mmol)添加することで酸無水物基と1級アミノ基を反応させた。その後、室温まで冷却し、残存するオクチルアミン量を、0.1Mエタノール性過塩素酸を用いて滴定することにより定量した。滴定量をc(ml)とすると、以下の式から分散剤の酸無水物価が求められる。
酸無水物価(mgKOH/g)=(b−0.1×c)×56.10/a
<カルボキシル基含有モノマー(M)の製造>
(製造例1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、単量体(e)としてPKA−5001(「ユニオックスPKA−5001」日油社製)を10.4g、多価カルボン酸無水物(u)としてトリメリット酸無水物を10.0g仕込み、空気で置換した後、撹拌しながら90℃に加熱し、温度を保ったまま6時間反応させた。その後、不揮発分が80%になるようメチルエチルケトンを添加し、(ポリ)アルキレンオキシ鎖を含むカルボキシル基含有モノマー(M1−1)溶液を得た。
(製造例2〜8)
製造例1に記載した原料と使用量に変更した以外はカルボキシル基含有モノマー(M1−1)と同様にして合成を行い、カルボキシル基含有モノマー(M1−2〜M1〜6、M2−1〜M2−2)を得た。なお、単量体(e)の性状は、表2に示す。
Figure 2021058819
・2HEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)
・4HBA(4−ヒドロキシブチルアクリレート)
Figure 2021058819
<分散剤の製造>
(製造例9)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、モノマー混合物として、カルボキシル基含有モノマー(M1−1)溶液を29.4g(6.0mol%)、α−オレフィンとして1−オクタデセンを118.7g(47.0mol%)、無水マレイン酸を46.1g(47.0mol%)、さらにキシレンを10g、連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチルを0.2g仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱した。そこへラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0gとキシレン20gとの混合物を、2時間かけて滴下した。その後、温度を110℃に保ったまま4時間攪拌し反応させた。温度を85℃に冷却した後、IPA(イソプロピルアルコール)を141.2g(235mol%)、触媒としてジアザビシクロウンデセンを0.2gさらに添加し、温度を85℃に保ったまま6時間撹拌して反応させた。得られた生成物の溶剤を減圧濃縮して完全に除去し、質量平均分子量は12,000、不揮発分100%の分散剤1を得た。
(製造例10〜32)
製造例9の原料、およびその配合量を表3−1および表3−2に記載した通りに変更した以外は、製造例9と同様に行い製造例10〜32の分散剤をそれぞれ作製した。なお、表中のn‐BuOHは、n‐ブタノールである。また、表中の配合量は、モル%である。また、分散剤の質量平均分子量は、表中の数値になるよう重合開始剤や連鎖移動剤により適宜調整した。
Figure 2021058819
以下、表4参照。
M−400:日油社製「M−400」
L−2:日油社製「L−2」
Figure 2021058819
(実施例1)
<被覆着色剤の製造>
着色剤としてPR122−1(C.I.ピグメントレッド122、クラリアントケミカルズ社製「トナーマゼンタE」)5.0部、塩化ナトリウム175.0部、重合体として分散剤1を1.75部、水溶性溶剤としてジエチレングリコール35.0部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で3時間混練した。この混合物を水1,000部に投入し、約40℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び水溶性有機溶剤を除き、減圧下40℃で乾燥して被覆着色剤を得た。
<着色組成物の製造>
得られた被覆着色剤を20部、塩基性化合物としてトリエタノールアミンを、被覆着色剤の製造時に用いた分散剤の酸価から中和度が100%になるように加え、防腐剤としてPROXELGXL(S)(Lonza社製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加えた。この溶液を70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌した。次いで出力600Wの超音波ホモジナイザーを使用し、内温が15℃になるように調整しながら5分間分散した。
次いで、常温(25℃)で架橋剤としてデナコールEX321(エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq)を、前記分散剤のカルボキシル基に対してモル比で0.5eqになるように加えた。次いで、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌し架橋させた。次いで、不揮発分が22%になるようにイオン交換水で調整し、pHが9.0以上の場合はpHが9.0になるまでpH調整剤としてホウ酸を加えディスパーで約1時間撹拌し、着色組成物を得た。
<インキジェット用インキの製造>
得られた着色組成物を33.3部、プロピレングリコールを16.65部、1,2−ヘキサンジオールを16.65部、イオン交換水を33.3部、レベリング剤としてサーフィノールDF110D(エアープロダクツジャパン社製)を0.1部混合し、ディスパーで撹拌を行いインキジェット用インキを製造した。
(実施例2〜37、比較例1〜13)
使用する分散剤、分散剤使用量、着色剤、中和度を表5に従って変更した以外は、実施例1と同様にして被覆着色剤並びに着色組成物、着色組成物を含むインキジェット用インキを得た。
Figure 2021058819
・PR122−2(C.I.ピグメントレッド122、DIC社製、「FastogenSuperMagentaRG」)
・PR150(C.I.ピグメントレッド150、東京色材社製、「TOSHIKIRED150TR」)
・PR254(C.I.ピグメントレッド254、シニックケミカルズ社製「CINILEXDPPREDSR2P」)
・PV19(C.I.ピグメントバイオレット19、クラリアントケミカルズ社製、「InkJetMagentaE5B02」)
・PV23(C.I.ピグメントバイオレット23、クラリアントケミカルズ社製、「HOSTAFINEVIOLETRL」)
・PO43(C.I.ピグメントオレンジ43、クラリアントケミカルズ社製、「PVFASTORANGEGRL」)
・PO73(C.I.ピグメントオレンジ73、シニックケミカルズ社製、「CinilexDPPOrangeSJ1C」)
・PY74(C.I.ピグメントイエロー74、クラリアント社製、「Hansayellow5GX01」)
・PG7(C.I.ピグメントグリーン7、トーヨーカラー社製、「LIONOLGREEN8930−I」)
・PB15:3(C.I.ピグメントブルー15:3、トーヨーカラー社製、「LIONOLBLUEFG−7351」)
・PBl7(C.I.ピグメントブラック7、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製、「Printex35」)
<分散剤を用いた着色組成物の作製>
(実施例38)
着色剤としてC.I.ピグメントレッド122、クラリアントケミカルズ社製「トナーマゼンタE」35.0部、分散剤2を1.75部、塩基性化合物としてトリエタノールアミンを、分散剤の酸価から中和度が100%になるように加え、防腐剤としてPROXELGXL(S)(Lonza社製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加えた。さらに、2mmφジルコニアビーズ100部を加えペイントコンディショナーで3時間分散した。
次いで、常温(25℃)で架橋剤としてデナコールEX321(エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq)を、前記分散剤のカルボキシル基に対してモル比で0.5eqになるように加えた。次いで、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌し架橋させた。次いで、不揮発分が22%になるようにイオン交換水で調整し、pHが9.0以上の場合はpHが9.0になるまでpH調整剤としてホウ酸を加えディスパーで約1時間撹拌し、着色組成物を得た。
<インキジェット用インキの作製>
得られた着色組成物を33.3部、プロピレングリコールを16.65部、1,2−ヘキサンジオールを16.65部、イオン交換水を33.3部、レベリング剤としてサーフィノールDF110D(エアープロダクツジャパン社製)を0.1部混合し、インキジェット用インキを製造した。
(実施例39〜52、比較例14〜20)
使用する分散剤、分散剤使用量、着色剤、中和度を表6に従って変更した以外は、実施例38と同様にして被覆着色剤並びに着色組成物、着色組成物を含むインキジェット用インキを得た。
Figure 2021058819
・PR150(C.I.ピグメントレッド150、東京色材社製、「TOSHIKIRED150TR」)
・PV19(C.I.ピグメントバイオレット19、クラリアントケミカルズ社製、「InkJetMagentaE5B02」)
・PY74(C.I.ピグメントイエロー74、クラリアント社製、「Hansayellow5GX01」)
・PB15:3(C.I.ピグメントブルー15:3、トーヨーカラー社製、「LIONOLBLUEFG−7351」)
・PBl7(C.I.ピグメントブラック7、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製、「Printex35」)
<分散安定性試験>
得られた着色組成物を50℃環境下で30日間保管し、保管前後の着色組成物について、粒子径測定器(ELSZ‐2000S、大塚電子社製)を用いて測定した顔料分散体のキュムラント平均粒子径の変化率(保管後の平均粒子径/保管前の平均粒子径)を測定した。また、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃のインキ粘度をローターNo.2、60rpmで測定し、粘度の変化率(保管後の粘度/保管前の粘度)を評価した。これらの結果を基にして、以下の評価基準で貯蔵安定性を評価した。
(評価基準)
◎:平均粒子径の変化率が±5%以内、かつ粘度の変化率が±5%以内(極めて良好)
○:平均粒子径の変化率が±10%以内、かつ粘度の変化率が±5%以内(非常に良好)
○△:平均粒子径の変化率が±10%以内、かつ粘度の変化率が±10%以内(良好)
△:平均粒子径の変化率が±15%以内、かつ粘度の変化率が±10%以内(実用上問題ない)
×:平均粒子径の変化率が±15%を超える、又は粘度の変化率が±10%を超える(不良)
<耐水性試験>
得られたインキジェット用インキをインキジェット記録装置(商品名「PX−V630」、エプソン製)のインキヘッド部に搭載し、線画像及びベタ画像を記録媒体である王子製紙社製のコート紙「OKトップコートプラス」(坪量104.7g/m、100m秒での吸水量は4.9g/m)に記録した。得られた印字物(画像)に水を噴霧した後、シルボン紙を用いて手で1往復擦った。その後、印字物(画像)観察し、以下に示す基準に従って画像の耐水性を評価した。
◎:印字物に白地部分発生が認められない。(極めて良好)
〇:印字物に僅かに白地部分発生が認められる。(良好)
△:印字物に白地部分発生が全体の1/3未満の面積で認められる。(実用上問題なし)
×:印字物に白地部分発生が全体の1/3以上の面積で認められる。(不良)
表5、および表6の結果から、本発明の分散剤を用いると、分散安定性に優れる被覆着色剤、着色組成物、並びに耐水性に優れるインキジェット用インキが得られることが示された。
分散剤がカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含むことで、カルボキシル基が主鎖から離れたところに配され、静電反発効果が効率良く生じることで、分散安定性に優れる着色剤が得られた。また、本発明の分散剤は、カルボキシル基部位の立体的自由度(モビリティ)が高いために、架橋剤との反応がより効果的に進行する。そのために顔料と分散剤の吸着がより強固となり、耐水性に優れたインキジェット用インキが得られた。

Claims (9)

  1. 疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(ただし、(無水)マレイン酸単位を含まない)を含む重合体の分散剤であり、
    疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む、分散剤。
  2. 前記重合体の全モノマー単位中、前記カルボキシル基含有モノマー(M)単位を1〜50mol%含む、請求項1記載の分散剤。
  3. 酸価が30〜600mgKOH/gである、請求項1または2に記載の分散剤。
  4. 質量平均分子量が2,000〜50,000である、請求項1〜3いずれか1項に記載の分散剤。
  5. 着色剤の表面を、疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、ならびに(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位を含む重合体で被覆してなり
    疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む、被覆着色剤。
  6. 請求項5記載の被覆着色剤、および架橋剤を含む、着色組成物。
  7. 請求項6に記載の着色組成物を含有する、インキジェット用インキ。
  8. 水溶性有機溶剤、水溶性無機塩、着色剤、ならびに疎水性基含有モノマー単位、酸モノマー(A)単位、および(ポリ)アルキレンオキシ鎖またはアルキレン鎖を有するカルボキシル基含有モノマー(M)単位(ただし、(無水)マレイン酸単位を含まない)を含む重合体である分散剤を混練機で混合して被覆着色剤を作製し、次いで水溶性無機塩および水溶性有機溶剤を除去する、被覆着色剤の製造方法であって、
    疎水性基含有モノマー単位が、α−オレフィン単位、アルキル(メタ)アクリレート単位、および環含有モノマー単位からなる群より選択される1種以上を含み、酸モノマー(A)単位が、(メタ)アクリル酸単位および(無水)マレイン酸単位のうち少なくとも一方を含む、被覆着色剤の製造方法。
  9. 請求項8記載の製造方法で得られた被覆着色剤、および架橋剤を混合し、分散剤を架橋させる、着色組成物の製造方法。
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