JP2021058118A - 二酸化炭素を固定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気エネルギーの供給が無い場合であっても、また電気エネルギーの供給があったとしても電気分解が殆ど起こらないマイルドな条件(例えば−350mV(対標準水素電極)程度)の場合であっても、二酸化炭素固定が可能である、微生物による二酸化炭素固定方法を提供すること。【解決手段】酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養する工程を含む、二酸化炭素を固定する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化炭素を固定する方法等に関する。
還元的酢酸生成による生物学的二酸化炭素固定は、地球温暖化ガスである二酸化炭素を酢酸等の有機化合物に変換する方法として注目されている。ただし、還元的酢酸生成には、水素等の電子供与体が必要である。したがって、還元的酢酸生成のために電子供与体をどのように供給するかが重要な問題である。
非特許文献1、2には、酢酸生成菌であるSporomusa属細菌を−400mV(対 標準水素電極)や−690mV(対 標準水素電極)の電位をかけて電気培養することにより二酸化炭素を固定して酢酸を生産することが、報告されている。この条件では、水の電気分解により生じた電子供与体が供給されている。
Applied and Environmental Micrbiology, 77 (2011) 2882-2886. Bioresource Technology 233 (2017) 184-190.
電気培養を行う場合、当然、電気エネルギーの供給が必要である。このため、例えば二酸化炭素を持続的に固定することが必要な環境下では、それに要する電気エネルギー量が多くなってしまう。また、従来技術は、水の電気分解が起こる程度に強い電気エネルギーを必要とするので、電気エネルギーの供給量が多くなってしまう。
そこで、本発明は、電気エネルギーの供給が無い場合であっても、また電気エネルギーの供給があったとしても電気分解が殆ど起こらないマイルドな条件(例えば−350mV(対標準水素電極)程度)の場合であっても、二酸化炭素固定が可能である、微生物による二酸化炭素固定方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養する工程を含む、二酸化炭素を固定する方法、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者は、この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養する工程を含む、二酸化炭素を固定する方法。
項2. 前記培養が嫌気的条件下で行われる、項1に記載の方法。
項3. 前記培養が独立栄養条件下で行われる、項1又は2に記載の方法。
項4. 前記培養が非電気培養である、項に記載の方法。
項5. 前記酢酸生成菌がFirmicutes門細菌、Proteobacteria門細菌、Bacteroidetes門細菌、Actinobacteria門細菌、Chloroflexi門細菌、Acidobacteria門細菌、及びSpirochaetes門細菌からなる群より選択される少なくとも1種の細菌を含む、項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6. 前記固体腐植ヒューミンが土壌の化学洗浄残渣である、項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7. 前記化学洗浄がアルカリ洗浄を含む、項6に記載の方法。
項8. 前記洗浄がアルカリ洗浄及び酸洗浄を含む、項6又は7に記載の方法。
項9. 前記工程により酢酸を生成させる、項1〜8のいずれかに記載の方法。
項10. 酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養して二酸化炭素固定を行う工程、並びに前記二酸化炭素固定を経て生成された炭素化合物を回収する工程を含む、炭素化合物の製造方法。
項11. 前記炭素化合物が酢酸、メタン、及びギ酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項10に記載の製造方法。
項12. 固体腐植ヒューミンを含有する、項1〜9に記載の方法又は項10若しくは11に記載の製造方法に用いるための電子供与剤。
項13. 固体腐植ヒューミンを含有する、項1〜9に記載の方法又は項10若しくは11に記載の製造方法に用いるための培地。
本発明によれば、電気エネルギーが無い場合であっても、また電気エネルギーの供給があったとしても電気分解が殆ど起こらないマイルドな条件(例えば−350mV(対標準水素電極)程度)の場合であっても、二酸化炭素固定が可能である、微生物による二酸化炭素固定方法を提供することができる。
実施例1の結果を示す。縦軸は、培養液中の酢酸濃度を示す。横軸は、培養開始からの経過日数を示す。PCPA0-C1は固体腐植ヒューミンを添加しない場合を示し、PCPA0-C2は固体腐植ヒューミンを添加した場合を示す。 実施例2の結果を示す。縦軸及び横軸が示すものは、図1と同じである。PCPA0は図1のPCPA0-C2と同様の条件である。PCPA0-C3は、MOPSを使用し且つヘッドスペースの雰囲気を窒素のみとした場合を示し、PCPA0-C4は、MOPSを使用し且つヘッドスペースの雰囲気を窒素/二酸化炭素の混合気体とした場合を示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.二酸化炭素を固定する方法
本発明は、その一態様において、酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養する工程を含む、二酸化炭素を固定する方法(本明細書において、「本発明の方法」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
本発明の方法に使用する細菌は、酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む。細菌は酢酸生成菌を含むことが好ましい。また、本発明の方法に使用する細菌としては、酢酸生成菌、メタン生成菌、及びギ酸生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を使用することも可能である。
酢酸生成菌は、二酸化炭素等の無機炭素源を還元して酢酸等の有機化合物を生成することができる嫌気性細菌である限り、特に制限されない。酢酸生成菌としては、好ましくはWood-Ljungdahl経路により酢酸を生成する細菌が挙げられる。酢酸生成菌の具体例としては、好ましくはFirmicutes門細菌、Proteobacteria門細菌、Bacteroidetes門細菌、Actinobacteria門細菌、Chloroflexi門細菌、Acidobacteria門細菌、Spirochaetes門細菌等が挙げられ、より好ましくはFirmicutes門細菌が挙げられ、さらに好ましくはClostridia綱細菌が挙げられ、よりさらに好ましくはClostridiales目細菌が挙げられる。より具体的な例としては、Acetohalobium属細菌(例えばAcetobacterium woodii、Acetohalobium arabaticum等)、Carboxydothermu属細菌(例えばCarboxydothermus hydrogenoformans等)、Clostridium属細菌(例えばClostridium aceticum、Clostridium autoethanogenum、Clostridium carboxidivorans、Clostridium ljungdahlii、Clostridium scatologenes、Clostridium sticklandii、Clostridium difficile等)、Moorella属細菌(例えばMoorella thermoacetica等)、Thermacetogenium属細菌(例えばThermacetogenium phaeum、Thermoanaerobacter kivui等)、Sporomusa属細菌(例えばSporomusa ovata等)、Treponema属細菌(例えばTreponema primitia等)等が挙げられる。酢酸生成菌は、1種単独で使用することができ、2種以上を組合わせて使用することができる。
メタン生成菌は、二酸化炭素等の無機炭素源を還元してメタンを生成することができる嫌気性古細菌である限り、特に制限されない。メタン生成菌としては、例えばMethanobacteria綱古細菌等が挙げられ、好ましくはMethanobacteriales目古細菌等が挙げられ、より好ましくはMethanobacteriaceae科古細菌等が挙げられる。より具体的な例としては、Methanobacterium属古細菌、Methanobrevibacter属古細菌等があげられる。メタン生成菌は、1種単独で使用することができ、2種以上を組合わせて使用することができる。
本発明の方法に使用する細菌は、酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む限り、特に制限されない。細菌中の酢酸生成菌及びメタン生成菌の合計の割合は、より高いことが好ましい。全体の細菌数100%に対する酢酸生成菌数及びメタン生成菌の合計の割合は、例えば10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上である。全体の細菌数100%に対する酢酸生成菌数及びメタン生成菌の合計の割合は、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上であってもよい。
本発明の一態様においては、本発明の方法に使用する細菌中の、酢酸生成菌又はメタン生成菌によって生成される酢酸又はメタンを資化する細菌の割合が、より低いことが好ましい。全体の細菌数100%に対するこのような細菌の数は、例えば20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下である。
本発明の方法に使用する細菌は、野生型細菌であってもよいし、変異型細菌であってもよい。変異型細菌には、人為的に変異を導入してなる細菌も包含される。
本発明の方法に使用する細菌としては、単離菌を使用することもできるし、環境中から採取された細菌群を使用することもできる。酢酸生成菌及びメタン生成菌は、環境中に広く存在しているので、例えば土壌(好ましくは湛水土壌)から、容易に取得することができる。
本発明の方法に使用する培地は、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地である。
無機炭素源としては、二酸化炭素又は二酸化炭素を生じ得る化合物やイオンである限り、特に制限されない。無機炭素源としては、例えば二酸化炭素、炭酸イオン、重炭酸イオン、一酸化炭素等が挙げられる。無機炭素源は、1種単独で使用することができ、2種以上を組合わせて使用することができる。
無機炭素源を含有する培地は、常法に従って得ることができる。例えば、培地を二酸化炭素に曝すことにより、二酸化炭素を培地中に溶解させることができる。また、培地に、水中で炭酸イオンや重炭酸イオンを生じる化合物を溶解することによっても、無機炭素源を含有する培地を得ることができる。このような化合物としては、特に制限されないが、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸水素塩、炭酸塩等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用することができ、2種以上を組合わせて使用することができる。
培地中の二酸化炭素濃度は、例えば1〜500mmol/L、好ましくは5〜200mmol/L、より好ましくは10〜150 mmol/L、さらに好ましくは20〜100 mmol/Lである。
固体腐植ヒューミンは、腐植物質の非水溶性画分であり、この限りにおいて特に制限されない。固体腐植ヒューミンは、様々な方法で精製することができる。例えば、腐植物質を含む土壌から、必要に応じて粗大粒子を除去した後、得られた微粒子を化学洗浄することにより、精製された固体腐植ヒューミンを土壌の化学洗浄残渣として得ることができる。
粗大粒子を除去する方法としては、特に制限されず、公知の方法に従って又は準じた方法を採用することができる。例えば、土壌乾燥物を篩いにかけることにより、粗大粒子を除去することができる。また、例えば、土壌を水中で沈降させることにより、粒子をサイズ別に分離することもできる。除去方法は、1種単独を採用することもできるし、2種以上を組合わせて採用することもできる。
除去する粗大粒子のサイズは、植物の根や石、砂等をある程度除去できる限り特に制限されないが、例えば0.5mm以上、1mm以上、又は2mm以上の粒子径の粒子を除去することができる。
化学洗浄は、腐植物質中の水溶性成分(例えばフミン酸やフルボ酸等)を溶解させ、また無機成分(例えばシリカやアルミナ等)を溶解させて、残渣として固体腐植ヒューミンを得ることができる方法である限り、特に制限されない。化学洗浄は、土壌と化学洗浄液とを接触させた後、不溶画分を回収することにより、行うことができる。なお、化学洗浄を複数回行う場合は、化学洗浄対象は、前の化学洗浄により得られた不溶画分(残渣)である。
化学洗浄液としては、腐植物質中の水溶性成分(例えばフミン酸やフルボ酸等)を溶解させることができる液、無機成分(例えばシリカやアルミナ等)を溶解することができる液、タンパク質や脂質を溶解することができる溶液等を使用することができる。化学洗浄液として、具体的には、例えばアルカリ水溶液(例えば水酸化ナトリウム水溶液等の強アルカリの水溶液、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液)、酸水溶液(例えばフッ化水素水溶液、塩化水素水溶液、硫化水素水溶液等の強酸の水溶液、好ましくはフッ化水素水溶液)、有機溶媒(例えばメチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、ブロモホルム等)等が挙げられる。アルカリ水溶液及び酸水溶液と有機溶媒とは、混合して使用することもできる。また、複数種のアルカリ水溶液同士又は複数種の酸水溶液同士を混合して使用することもできる。
アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は、特に制限されないが、例えば0.05〜0.2N、好ましくは0.08〜0.15Nである。酸水溶液中の酸濃度は、特に制限されないが、例えば1〜4%、好ましくは1.5〜3%である。
化学洗浄は、通常、異なる化学洗浄液を使用して、複数回繰り返して行われる。例えば、化学洗浄は、ある化学洗浄液(化学洗浄液1)を使用して1回又は複数回(例えば2〜20回)化学洗浄した後、別の化学洗浄液(化学洗浄液2)を使用して1回又は複数回(例えば2〜20回)化学洗浄し、必要に応じてさらに、それ以前に使用した化学洗浄液と同一又は異なる化学洗浄液を使用して1回又は複数回(例えば2〜20回)化学洗浄する工程を1サイクル又は複数サイクル行うことにより、実行することができる。本発明の好ましい一態様においては、化学洗浄は、アルカリ水溶液を使用した化学洗浄(アルカリ洗浄)を含むことが好ましく、アルカリ洗浄及び酸水溶液を使用した化学洗浄(酸洗浄)を含むことがより好ましい。
化学洗浄の回数は、特に制限されるものではないが、例えば5〜30回、好ましくは10〜20回である。
土壌と化学洗浄液との接触は、特に制限されないが、例えば土壌を、化学洗浄液中で攪拌することにより、実行することができる。より具体的には、例えば化学洗浄液及び土壌を含む容器をシェーカーで攪拌する方法が挙げられる。
土壌と化学洗浄液との接触時間は、特に制限されないが、1回の化学洗浄あたり、例えば1〜48時間、好ましくは12〜36時間、より好ましくは18〜30時間である。
不溶画分の回収は、特に制限されない。例えば遠心分離、ろ過、自然沈降等の固液分離方法により、不溶画分である残渣を回収することができる。
化学洗浄残渣は、必要に応じて、水で洗浄することができる。また、さらに機械的に破砕することもできる。さらに、乾燥処理(例えば、凍結乾燥処理)に供することもできる。
本発明の方法において、固体腐植ヒューミンとして、精製された固体腐植ヒューミンを使用することが好ましいが、固体腐植ヒューミンを含む土壌または底質又はその粗精製物を使用することもできる。
固体腐植ヒューミンは、1種単独で使用することができ、2種以上を組合わせて使用することができる。
培地中の固体腐植ヒューミンの含有量は、特に制限されないが、培地100質量%に対して、例えば0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
培地は、二酸化炭素及び固体腐植ヒューミン以外に、培地として必要な他の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば緩衝剤、窒素源、無機成分、ビタミン等が挙げられる。緩衝剤としては、培地に使用され得る各種緩衝剤を使用することができる。これらの中でも、無機炭素源となり得ることから、重炭酸ナトリウムが好ましい。窒素源としては、特に制限されないが、例えば無機アンモニウム塩、硝酸塩等の無機窒素源が挙げられる。無機成分は、生育に必要な元素(例えばP、S、K、Na、Mg、Ca、Fe、Cu、Zn、Mn、W、Se等)の供給源である。無機成分は、これらの元素を含むリン酸塩、硝酸塩、その他の塩類として添加され得る。
培地は、有機炭素源等の有機化合物の添加・含有量がより少ないことが好ましい。培地の有機化合物の添加・含有量は、培地100質量%に対して、例えば1質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下、0.001質量%以下、0.0001質量%以下、0.00001質量%以下、0.000001質量%以下である。本発明の方法において、培養は、独立栄養条件下で行われることが好ましい。
培養の雰囲気条件は、特に制限されない。好ましくは、培養は嫌気的条件下で行われる。具体的には、例えば、培養を行う雰囲気中の酸素濃度は、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下、よりさらに好ましくは0.01%以下である。培養を行う雰囲気中には、二酸化炭素が含まれることが好ましい。これにより、炭素源である二酸化炭素を継続的に培地に供給することができる。
培養温度は、特に制限されず、酢酸生成菌又はメタン生成菌の至適温度に応じて、適宜設定することができる。培養温度は、至適温度を中心として、例えば±10℃、好ましくは±5℃、より好ましくは±2℃、さらに好ましくは±1℃に設定することができる。培養温度の上限は、酢酸生成菌又はメタン生成菌の生育可能温度に応じて、適宜設定することができる。該上限は、例えば90℃、70℃、60℃、50℃、40℃、38℃である。培養温度の下限も、酢酸生成菌又はメタン生成菌の生育可能温度に応じて、適宜設定することができる。該下限は、例えば5℃、10℃、15℃、20℃である。
培養方法は、特に制限されない。例えば、静置培養を採用することができる。
本発明の方法は、電気エネルギー供給が無い場合であっても、また電気エネルギーの供給があったとしても電気分解が殆ど起こらないマイルドな条件の場合であっても、二酸化炭素固定が可能である。このため、培養は、非電気培養であること、又は電気分解が殆ど起こらないマイルドな条件(例えば−350mV (対 標準水素電極)程度またはそれよりも酸化的な条件)での電気培養が好ましい。また、固体腐植ヒューミンを継続的又は断続的に供給する、電気エネルギーを継続的又は断続的に供給する(電気培養する)等の処置によって、より長期に亘って二酸化炭素固定を行うことができる。
斯かる本発明の方法により、二酸化炭素を固定することができる。これにより、有機化合物が生成される。有機化合物には、主に酢酸が含まれる。有機化合物としては、酢酸以外にも、例えばギ酸、メタン等が挙げられる。
2.炭素化合物の製造方法
本発明は、その一態様において、酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養して二酸化炭素固定を行う工程(工程A)、並びに前記二酸化炭素固定を経て生成された炭素化合物を回収する工程(工程B)を含む、炭素化合物の製造方法(本明細書において、「本発明の製造方法」と示すこともある。)に関する。
工程Aについては、「1.二酸化炭素を固定する方法」の項における説明の通りである。
炭素化合物としては、特に制限されず、二酸化炭素固定により生成される化合物、二酸化炭素固定により生成された化合物が代謝されることにより得られる化合物等を包含する。炭素化合物として、具体的には、例えば酢酸、ギ酸、メタン等が挙げられる。
工程Bにおける回収の方法は、特に制限されない。簡便には、培地や気相を回収することにより、炭素化合物を得ることができる。炭素化合物は、その種類に応じて、公知の方法に従って又は準じて精製することができる。
3.電子供与剤
本発明は、その一態様において、固体腐植ヒューミンを含有する、本発明の方法又は本発明の製造方法に用いるための電子供与剤に関する。
固体腐植ヒューミンについては、「1.二酸化炭素を固定する方法」の項における説明の通りである。
4.培地
本発明は、その一態様において、固体腐植ヒューミンを含有する、本発明の方法又は本発明の製造方法に用いるための培地に関する。
固体腐植ヒューミン、培地については、「1.二酸化炭素を固定する方法」の項における説明の通りである。
本項における培地には、液体上の培地以外にも、溶媒(水)以外の成分が配合されてなるものも包含される。後者の場合は、水(及び必要な他の成分)を添加してから、本発明の方法又は本発明の製造方法に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
参考例1.固体腐植ヒューミンの調製
2 mmφゲージサイズでふるいにかけた空気乾燥鎌島土壌100 gと150 mlの蒸留水(DW)とを、250 ml容量の遠心分離管中で、機械式シェーカーで30分間、均一になるまで混合した。次に、7秒静置後、デカンテーションを30秒間で行うことにより、粗大粒子を除去した。デカンテーションによって得られた微粒子を、次の方法で化学洗浄した。すなわち、0.1N NaOH水溶液150 mlで2回洗浄し、2%HF水溶液150 mlで4回洗浄し、0.1N NaOH水溶液75 mlで2回洗浄し、2%HF水溶液75 mlで2回洗浄し、最後に0.1N NaOH水溶液で4回洗浄した(各洗浄は24時間)。次に、得られた残渣を蒸留水で2回洗浄した(各洗浄は12時間)。残渣を含む溶液の中和は、0.1 N HClを使用してpH 7.0±0.2まで行った。得られた残渣を蒸留水で2回洗浄した(各洗浄は12時間)。得られた残渣を、3日間、凍結乾燥した後、セラミック乳鉢と乳棒を使用して細かく粉末化した。このようにして得られた粉末を、固体腐植ヒューミンとして以下の参考例及び実施例で使用した。
なお、上記の全ての洗浄は、機械式シェーカーを用いて液を攪拌することによって行い、攪拌後、遠心分離(23℃、8000 rpm、15分間)後に液相を除去して、得られた残渣を次の洗浄に供した。
参考例2.被検細菌の調製
水田土集積物を、固体腐植ヒューミン、酢酸、及びペンタクロロフェノールを含有する無機培地で、窒素及び二酸化炭素からなる雰囲気下で培養した。継代と共に酢酸濃度を徐々に減らし、最終的に酢酸を含有しない培地で培養を続け、被検細菌を得た。
被検細菌に含まれる細菌組成を、以下のようにして解析した。
土壌用のFastDNA SPINキット(MP Biomedicals)をDNA抽出に使用した。細菌16S rRNA遺伝子の増幅は、V3-V4領域をターゲットとするプライマーを使用して行った。反応混合物には、KAPA HiFi HotStart Ready mix(KAPA Biosystems)12.5μL、各プライマー2.5μL(各2μM)、及びテンプレートDNA 5μL(5 ng /μL)を使用した。PCR条件は次のとおりである:94℃30秒間→(94℃10秒間→60℃30秒間→72℃30秒間)×10サイクル→(94℃10秒間→59℃30秒間→72℃30秒間)×10サイクル→(94℃10秒間→58℃30秒間→72℃30秒間)×10サイクル→72℃4分間。メーカーの指示に従って、AMPure XPキット(Beckman Coulter Genomics Inc)を使用してPCR産物を精製した。1%アガロースゲルを使用してPCR産物を確認した。QuantiFluor dsDNA System(Promega Corporation)を使用して、精製DNAの濃度を決定した。MiseqプラットフォームをMiseq試薬キットv3(600サイクル、Illumina Inc)を使用して、精製DNAの配列を決定した。USEARCH v6.1を使用した分析から得られた各リードの塩基配列に対してキメラチェックを実施した。配列類似性が97%を超える読み取りは、同じ操作上の分類単位(OTU)に分類し、QIIME 1.8ではOTUピッキングとクラスター分析を実行した。OTUは、Greengenesデータベース(ver.13_8)を使用して特定した。結果を表1に示す。
Figure 2021058118
表1より、被検細菌中には、Clostridiales目等の酢酸生成菌(acetogenic bacteria)が濃縮されていることが分かった。また、メタン生成菌も存在していることが分かった。
実施例1.二酸化炭素固定試験1
被検細菌を、1gの固体腐植ヒューミンを含有する又は含有しない50 mlの嫌気性増殖培地で培養した。
培地は次のようにして調製した。まず、次の組成の溶液を調製した:NH4Cl 1.0g/L; CaCl2.2H2O 0.05g/L; MgCl2.6H2O 0.1g/L; K2HPO4 0.4g/L; NaHCO3 4.0g/L; 亜セレン酸タングステン酸塩溶液1ml; 微量金属溶液SL-10 1 ml; レサズリン1 ml。窒素/二酸化炭素ガス混合物(比率1:4)を培地中に吹き込み、培地のpHを7.2±0.2に調整し、培地入りのボトルをブチルゴム栓で密封し、アルミニウムクリンプキャップで固定した。ボトルの滅菌を、121℃で20分間行った。その後、孔径0.22μmのフィルターユニット(Millex、Merck)を通した窒素/二酸化炭素混合ガス(1:4)でヘッドスペースを30分間再度フラッシュした。ビタミン溶液(終濃度1×)、ペンタクロロフェノールナトリウム(終濃度20μM)(> 90%純度、富士フイルム和光純薬株式会社)、及び還元剤(Ti-NTA)(終濃度20μM)を添加した。
培養後の生成物を次のようにして分析した。サンプルは、孔径0.2μmメンブレンフィルター(Omnipore)を使用して培養物をろ過することによって調製した。有機酸は、Puresil C18逆相カラム(Waters)及び210 nmのUV検出器を備えたHPLC(Shimadzu LC-10AT)で分析した。移動相は0.1% H3PO4で、孔径0.45μm PTFEメンブレンフィルター(Omnipore)を使用して事前にろ過した。純度が99%を超える氷酢酸とギ酸、及び50%の乳酸ナトリウム溶液を標準試料として使用した。ヘッドスペース内のH2、CO2、及びCH4は、熱伝導率と水素炎イオン化型検出器を備えたGC-14Bガスクロマトグラフ(Shimadzu)で測定した。キャリアガスとして窒素を使用した。ガス試料サンプリングとインジェクションは、100μl容量の圧力ロックPTFEシリンジ(VICI)を使用して実行した。
結果を図1に示す。固体腐植ヒューミンを添加した場合、培養により、主に酢酸が生成していることが分かった。また、副生成物としてメタン及びギ酸も生成していることが分かった。一方、固体腐植ヒューミンを添加しない場合は、酢酸生成がほぼ起こらないことが分かった。
また、培養液中の二酸化炭素濃度は54mmol/Lであった。このことと、生成酢酸濃度 200-300μmol/L(0.2-0.3mmol/L)であったことから計算すると、酢酸への変換率は0.7-1.1%であった。
さらに、試験結果より、固体腐植ヒューミンは電子供与剤として機能していると考えられた。この固体腐植ヒューミンの電子供与能力については以下のように考えられる。
培養液量 50mL、固体腐植ヒューミン添加量 1g より
固体腐植ヒューミン1gが酢酸生成菌に電子供与して微生物反応を起こす能力
10-15μmol/gの酢酸生成、これは
40-60μmol/gの水素ガス供給量に相当する(反応式より、酢酸の4倍)
即ち、1gのヒューミンで40-60μmolの水素ガスを供給したことに相当
4H2+2HCO3 -+2H+⇔CH3COO-+H++4H2O (標準電位(pH7):-279mV)
20-30μmol/gの二酸化炭素固定量に相当する(反応式より、酢酸の2倍)。
そして、メタンガス及びギ酸の生成濃度(メタンガス:1.5μmol/50mL=30μmol/L、ギ酸:4μmol/L)であったことから計算すると、副生成物に使われた固体腐植ヒューミンの電気容量については、次のように考えられる。
メタン生成反応 (標準電位(pH7):-238mV)
4H2+HCO3 -+H+⇔CH4+3H2O
水素は生成するメタンの4倍を消費:120μmol/L相当
ギ酸生成反応
H2+HCO3 -+H+⇔HCOO-+H++H2O
水素は生成ギ酸と等モルを消費:4μmol/L相当。
実施例2.二酸化炭素固定試験2
培地として、NaHCO3に代えてMOPSを使用した培地を使用したこと以外は実施例1(固体腐植ヒューミン使用の場合)と同様に培養した場合、及びMOPSを使用し且つヘッドスペースの雰囲気を窒素のみとしたこと以外は実施例1(固体腐植ヒューミン使用の場合)と同様に培養した場合についても、生成物を分析した。
結果を図2に示す。図2に示されるように、培地を炭酸緩衝液からMOPS緩衝液に変更すると、酢酸生成効率が低下することが分かった。

Claims (13)

  1. 酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養する工程を含む、二酸化炭素を固定する方法。
  2. 前記培養が嫌気的条件下で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記培養が独立栄養条件下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記培養が非電気培養である、請求項に記載の方法。
  5. 前記酢酸生成菌がFirmicutes門細菌、Proteobacteria門細菌、Bacteroidetes門細菌、Actinobacteria門細菌、Chloroflexi門細菌、Acidobacteria門細菌、及びSpirochaetes門細菌からなる群より選択される少なくとも1種の細菌を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記固体腐植ヒューミンが土壌の化学洗浄残渣である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記化学洗浄がアルカリ洗浄を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記洗浄がアルカリ洗浄及び酸洗浄を含む、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記工程により酢酸を生成させる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 酢酸生成菌及びメタン生成菌からなる群より選択される少なくとも1種を含む細菌を、無機炭素源及び固体腐植ヒューミンを含有する培地中で培養して二酸化炭素固定を行う工程、並びに前記二酸化炭素固定を経て生成された炭素化合物を回収する工程を含む、炭素化合物の製造方法。
  11. 前記炭素化合物が酢酸、メタン、及びギ酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 固体腐植ヒューミンを含有する、請求項1〜9に記載の方法又は請求項10若しくは11に記載の製造方法に用いるための電子供与剤。
  13. 固体腐植ヒューミンを含有する、請求項1〜9に記載の方法又は請求項10若しくは11に記載の製造方法に用いるための培地。
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