JP2021056225A - 肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法 - Google Patents

肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 検査対象物の所定箇所の肉厚を簡便に且つ高精度に測定することの可能な肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法を提供すること。【解決手段】 検査部100sは、X線の照射軸A上において、X線照射装置2に対向する第一肉厚部101aとこの第一肉厚部101aに間隔をおいて対向する第二肉厚部101bとを有し、遮蔽部材4は、第一肉厚部101aにおけるX線照射装置2に対向する面に配置され、第二肉厚部101bで生じた第二後方散乱X線を遮断し、X線検出装置3は、第一肉厚部101aで生じた第一後方散乱X線11を含む後方散乱X線を検出すると共にそのX線線量及びエネルギー量を測定し、算出装置5は、検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量に基づいて第一肉厚部101aの肉厚を求める。【選択図】 図1

Description

本発明は、肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法に関する。さらに詳しくは、検査対象物の検査部に向けて所定のエネルギーのX線を照射するX線照射装置と、前記X線によって前記検査部で生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置と、前記後方散乱X線の一部を前記X線検出装置の手前で遮蔽する遮蔽部材と、検出した後方散乱X線に基づいて前記検査部の肉厚を算出する算出装置とを備えた肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法に関する。
従来、上述の如き肉厚測定装置としては、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。この装置は、流体が収納された容器の内壁面に付着した凝固体付着物の厚みを特性X線量のみに基づいて求めるものであり、容器の肉厚を求めるものではない。また、特性X線量にのみ基づいて肉厚を求める場合、測定精度に限界があり、更なる測定精度の向上が望まれていた。
一方、配管の肉厚測定方法として、配管をX線やγ線で撮影しその透過画像から肉厚を測定する方法や超音波肉厚計で測定する方法が知られている。しかし、透過画像の場合、暗室での現像作業やフィルム観察器等が必要であり、作業が煩雑となっていた。また、超音波肉厚計の場合、高温配管では常温になるまで測定作業ができず、低温配管では保温材を撤去しなければ測定することができない。
特開昭60−21405号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、検査対象物の所定箇所の肉厚を簡便に且つ高精度に測定することの可能な肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る肉厚測定装置の特徴は、検査対象物の検査部に向けて所定のエネルギーのX線を照射するX線照射装置と、前記X線によって前記検査部で生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置と、前記後方散乱X線の一部を前記X線検出装置の手前で遮蔽する遮蔽部材と、検出した後方散乱X線に基づいて前記検査部の肉厚を算出する算出装置とを備えた構成において、前記検査部は、前記X線の照射軸上において、前記X線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に間隔をおいて対向する第二肉厚部とを有し、前記遮蔽部材は、前記第一肉厚部における前記X線照射装置に対向する面に配置され、前記第二肉厚部で生じた第二後方散乱X線を遮断し、前記X線検出装置は、前記第一肉厚部で生じた第一後方散乱X線を含む後方散乱X線を検出すると共にそのX線線量及びエネルギー量を測定し、前記算出装置は、検出した後方散乱X線の特定のエネルギー帯域におけるX線線量に基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求めることにある。
検査対象物の検査部は、X線の照射軸上においてX線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に間隔をおいて対向する第二肉厚部とを有しているので、この検査部に向けてX線を照射すると、第一肉厚部と第二肉厚部の両方で後方散乱X線が発生する。そのため、双方の後方散乱X線に基づいて第一肉厚部のみの肉厚を測定することは困難である。
上記構成によれば、遮蔽部材が第一肉厚部におけるX線照射装置に対向する面に配置されるので、遮蔽部材により第二肉厚部で生じた第二後方散乱X線が遮断され、X線検出装置に第二後方散乱X線を除く後方散乱X線を検出させることができる。そして、X線検出装置は、検出した第一肉厚部で生じた第一後方散乱X線を含む後方散乱X線のX線線量のみならずX線のエネルギー量をも測定する。ここで、後方散乱X線のエネルギー量は、後方散乱X線の散乱角と照射X線のエネルギーとを用いたコンプトン散乱式によって求められる。すなわち、後方散乱X線の散乱角と照射X線のエネルギーとを特定すれば、着目すべき第一後方散乱X線のエネルギーが分かる。よって、検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量に基づいて第一肉厚部の肉厚を求めることで、検出した後方散乱X線の内の第一後方散乱X線のX線線量を抽出でき、高精度に肉厚を求めることが可能となる。
係る場合、前記算出装置は、前記検査部と同等の材料よりなる試験体に向けて照射された前記所定のエネルギーのX線によって生じる後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量と当該試験体の既知の肉厚との関係を示す検量線データを有し、前記検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量と前記検量線データとに基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求めるとよい。X線線量と既知の肉厚との関係を示す検量線データを用いることで、さらに高精度に第一肉厚部の肉厚を求めることができる。
前記X線照射装置は、前記X線を照射するX線焦点の近傍に一端が取り付けられ他端が前記第一肉厚部近傍に位置する遮蔽筒体と、前記遮蔽筒体の前記他端に設けられ且つ1カ所に開口を有するコリメーターとをさらに備えるとよい。
係る場合、前記コリメーターは、前記検査部の一定方向に摺動可能であり、前記X線検出装置は、前記コリメーターの摺動方向に直交する方向に移動可能であり、前記算出装置は、前記検査部の所定範囲における走査情報を生成する走査情報生成部を有するとよい。これにより、2次元方向への走査(ラスタースキャン)が行え、検査部における平面画像や肉厚増減のマッピング(分布)といった走査情報を得ることができる。
さらに、前記X線照射装置は、前記コリメーターの摺動方向に直交する方向に移動可能な移動機構に固定され、前記移動機構には、前記遮蔽部材が固定されているとよい。この移動機構により、X線照射装置と遮蔽部材とが一体に移動するので、検査対象上でのX線照射位置と遮蔽部材の位置がズレず、必要な後方散乱X線を安定して検出することができる。
前記X線は、前記第一肉厚部に入射する際のビーム直径が10mm以下であるとよい。このように細く絞られたX線を用いることで、X線の照射範囲を特定部分に制限して、測定に不必要な後方散乱X線の発生を抑制でき、測定精度を向上させる。
前記検査対象物は、筒状体であるとよく、例えば前記筒状体は、外周を保温材で覆われた配管である。
係る場合、前記遮蔽部材は、前記保温材の外面に沿う板状本体と、前記第一後方散乱X線を通過させる窓部とを有するとよい。さらに、前記X線検出装置は、その検出方向の中心軸が前記照射軸に対し135°で交差するように配向されているとよい。そして、前記X線照射装置は、前記検査部の表面に対する前記X線の入射角が0°となるように配置され、前記板状本体は、この板状部材の照射軸側端部が前記照射軸から前記配管の軸方向に沿う管軸方向に前記X線のビーム半径に等しい距離で離隔するように配置され、前記板状本体の管軸方向幅の最小は、前記板状本体の肉厚と前記保温材の肉厚と前記配管の外径の総和であり、前記照射軸に直交し且つ前記配管の接線方向に沿う前記板状本体の直交方向幅の最小は、前記保温材の外径であり、前記窓部は、前記管軸方向において前記照射軸側端部から前記保温材の肉厚と前記X線のビーム直径との差に等しい距離で離隔し且つ前記直交方向において前記直交方向幅の中央に位置し、前記窓部の管軸方向開口幅の最小は、前記配管の肉厚と前記X線のビーム直径と前記板状本体の肉厚の総和であり、前記窓部の直交方向開口幅の最小は、前記X線のビーム直径であることが望ましい。これにより、入射角0°のX線において、第二肉厚部で散乱する第二後方散乱X線に加え、保温材で散乱する後方散乱X線も遮断できるので、検出される後方散乱X線の大部分を第一肉厚部で生じた散乱角θが135°前後の第一後方散乱X線とすることができ、さらに測定精度を向上させることができる。
一方、前記X線照射装置は、前記検査部の表面に対する前記X線の入射角が45°となるように配置され、前記板状本体は、この板状部材の照射軸側端部が前記照射軸から前記配管の軸方向に沿う管軸方向に前記X線のビーム半径の√2倍に等しい距離で離隔するように配置され、前記板状本体の管軸方向幅の最小は、前記保温材の肉厚と前記配管の外径との和であり、前記照射軸に直交し且つ前記配管の接線方向に沿う前記板状本体の直交方向幅の最小は、前記保温材の外径であり、前記窓部は、前記管軸方向において前記照射軸側端部から前記保温材の肉厚と前記X線のビーム直径の√2倍との差に等しい距離で離隔し且つ前記直交方向において前記直交方向幅の中央に位置し、前記窓部の管軸方向開口幅の最小は、前記配管の肉厚と前記X線のビーム直径の√2倍との和であり、前記窓部の直交方向開口幅の最小は、前記X線のビーム直径であってもよい。入射角が45°の場合、散乱角θが135°前後の後方散乱X線の検査対象物中の光路長が最短となるため、後方散乱X線の減衰を抑制することができる。よって、例えば、肉厚(板厚)の大きい検査対象物に対して、入射角が45°となるようにX線照射装置を配置することで、高精度に肉厚の測定が可能となる。また、上記と同様に、第二肉厚部で散乱する第二後方散乱X線に加え、保温材で散乱する後方散乱X線も遮断できるので、検出される後方散乱X線の大部分を第一肉厚部で生じた散乱角θが135°前後の第一後方散乱X線とすることができ、さらに測定精度を向上させることができる。
前記試験体は、鋼板等の板状体であってもよく、配管等の筒状体であってもよい。さらに、係る場合、前記筒状体には、肉厚の異なる階段状の肉厚変化部が設けられているとよい。これにより、肉厚の異なる筒状体(配管)を複数本用意する必要が無く、作業効率がよい。また、筒状体では、板状体の場合に生じる試験体と検査対象物との間の空間(離隔距離)が生じないので、補正処理等も不要で解析処理が容易となり、測定精度も向上する。
上記目的を達成するため、本発明に係る肉厚測定装置を用いた肉厚測定方法の特徴は、検査対象物の検査部に向けて所定のエネルギーのX線を照射するX線照射装置と、前記X線によって前記検査部で生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置と、前記後方散乱X線の一部を前記X線検出装置の手前で遮蔽する遮蔽部材と、検出した後方散乱X線に基づいて前記検査部の肉厚を算出する算出装置とを備えた肉厚測定装置を用いた肉厚測定方法において、前記検査部は、前記X線の照射軸上において、前記X線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に間隔をおいて対向する第二肉厚部とを有し、前記遮蔽部材は、前記第一肉厚部における前記X線照射装置に対向する面に配置されるものであり、前記検査部に向けてX線を照射し、前記第二肉厚部で生じた第二後方散乱X線を前記遮蔽部材により遮断して、前記第一肉厚部で生じた第一後方散乱X線を含む後方散乱X線を検出すると共にそのX線線量及びエネルギー量を測定し、検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量に基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求めることにある。
上記本発明に係る肉厚測定装置及びこれを用いた肉厚測定方法の特徴によれば、検査対象物の所定箇所の肉厚を簡便に且つ高精度に測定することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
本発明に係る肉厚測定装置の概略図である。 図1のI−I線概略断面図である。 第2駆動手段の一例を示す概略図である。 遮蔽板支持具の一例を示す概略図である。 入射角0°のX線を用いる場合の検査対象物と遮蔽部材との位置関係を示す図である。 入射角0°のX線を用いる場合の遮蔽部材の平面図である。 肉厚測定装置のブロック図である。 X線スペクトルの一例を示す図である。 検量線データの一例を示す図である。 試験体が鋼板の場合の後方散乱X線の測定の一例を示す図である。 図9の測定結果に基づいて作成した検量線及び保温配管の肉厚測定データを示す図である。 ラスタースキャン結果の一例を示す図である。 筒状試験体の一例を示す断面図である。 (a)は入射角が0°の場合の機器配置、(b)は入射角が45°の場合の機器配置を模式的に示す図である。 (a)は入射角が0°での光路長、(b)は入射角が45°での光路長を説明する図である。 入射角45°のX線を用いる場合の検査対象物と遮蔽部材との位置関係を示す図である。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係る肉厚測定装置1は、図1〜6に示すように、大略、検査対象物100の検査部100sに向けて所定のエネルギーのX線10を照射するX線照射装置2と、X線10によって検査部100sで生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置3と、後方散乱X線の一部をX線検出装置3の手前で遮蔽する遮蔽部材4と、検出した後方散乱X線に基づいて検査部100sの肉厚を算出する算出装置5とを備える。
本実施形態において、検査対象物100は、図1,2,4に示すように、外周が保温材102で覆われた筒状体としての配管101である。配管101において、検査部100sは、X線10の照射軸A上において、X線照射装置2に対向する第一肉厚部101aとこの第一肉厚部101aに間隔Sをおいて対向する第二肉厚部101bとを有する。
配管101は、例えば鋼管であり、間隔Sは管内部空間である。保温材102は、例えば、ケイ酸カルシウムよりなる半割れ形状を呈する一対の保温部材103,103と、一対の保温部材103,103の外周を覆うカバー部材としての板金104よりなる。もちろん、配管101及び保温材102は、上記材料や形状に限定されるものではない。本発明は、保温材102を配管101から取り外すことなく、保温材102の上(外)から配管101の第一肉厚部101aの肉厚を測定する。
X線照射装置2は、図1,2に示すように、大略、X線10を発生させるX線源(焦点)21と、X線焦点21の近傍に一端22aが取り付けられ他端22bが第一肉厚部101a近傍に位置する遮蔽筒体22と、遮蔽筒体22の他端22bに設けられ且つ1カ所に開口23aを有するコリメーター23とを備える。X線10は、コリメーター23の開口23aによって細く絞られたペンシルビーム状のX線となり、検査部100sの微小なポイントを照射する。このペンシルビーム状のX線10のビーム直径は、配管101の第一肉厚部101aに入射する際のその表面において、例えば0より大で10mm以下である。このペンシルビーム状のX線10により、検査部100sにおけるX線の照射範囲が制限されるので、後方散乱X線の発生部分を限定して測定に不必要な後方散乱X線の発生を抑制し、当該部分の測定精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、そのビーム直径はφ2mmである。また、本実施形態において、X線10は、配管101の表面に対し垂直に入射(入射角0°)される。
遮蔽筒体22は、図1,2に示すように、この遮蔽筒体22の他端22bが一端22aよりも大である正面視略扇状を呈し、コリメーター23は、その他端22bに対し摺動可能に設けられている。コリメーター23は、配管101の管軸方向Yに直交する直交方向Xに移動させる第1駆動手段24によって摺動する。また、X線照射装置2は、X線照射装置2自体を管軸方向Yに移動させる第2駆動手段25をさらに備える。
第2駆動手段25は、例えば図3Aに示すように、大略、X線照射装置2が固定される固定台25aと、管軸方向Yに沿って配置されたレール25bと、固定台25aに取り付けられ、且つレール25bにスライド自在に設けられたスライダー25cとよりなる。これらは、枠体25dによって検査対象物100の上方で支持されている。また、固定台25aには、保持具45を介して遮蔽部材4としての板状本体40が固定されている。これにより、X線照射装置2と遮蔽部材4とは、ズレなく一体となって管軸方向Yに移動するので、後方散乱X線11を安定して検出することができる。
なお、保持具45は、例えば図3Bに示すように、大略、固定台25aに取り付けられる取付部46と、取付部46と板状本体40とを連結する連結フレーム47よりなる。連結フレーム47は、X線10及び後方散乱X線11を阻害しないように板状部材を組み付けてなる。また、保持具45は、検査対象物100と板状本体40とが接触しないように数mmの隙間を確保する。
そして、コリメーター23及びX線照射装置2の管軸方向Y及び直交方向Xへの各移動量は、移動量測定手段26によって測定される。このように、コリメーター23及びX線照射装置2を検査対象物100に対し相対移動させることで、照射部分の点測定でなく、配管101の一定範囲の走査情報を得ることができる。なお、移動量測定手段26には、例えばエンコーダ等の周知の測定手段を用いる。
本実施形態において、X線検出装置3は、図1に示すように、その検出方向の中心軸DがX線10の照射軸Aに対し、135°で交差するように配向されている。この角度は、散乱X線の散乱角θと一致する。この配置によって、本実施形態では、散乱X線の内、X線10の照射軸Aに対し135°の方向に散乱する第一後方散乱X線11を検出対象としている。検出される第一後方散乱X線11には、後述する遮蔽部材4によって、第二肉厚部101bで生じた第二後方散乱X線12は除かれている。
X線照射装置3には、検出したX線のX線線量及びエネルギー量の双方を測定可能なものを用いる。例えば、本実施形態では、スペクトロメーターを有するNaIシンチレーション計数管を用いる。このスペクトロメーターによって、図7に示す如く、X線のスペクトルを生成、表示することが可能となる。なお、同図において、縦軸は散乱X線量(X線光子計測数)「個」、横軸はエネルギー「MeV」を示す。
ところで、コンプトン散乱は、X線が物質に入射した場合、入射部に含まれる元素の軌道電子にX線が衝突し、電子がはじき飛ばされ(反跳電子)、X線のエネルギーは低下する。散乱X線のエネルギーは、下記数1のコンプトン散乱の式により求められる。
Figure 2021056225
そして、例えばX線照射装置2の管電圧が210kV(0.21MeV)の場合、散乱角θが135°の方向に散乱する後方散乱X線のX線エネルギーは、下記数2により求められる。
Figure 2021056225
ここで、0.10MeVは、図7に例示するように、X線検出装置3のスペクトロメーターのエネルギーチャンネルにおける35chのエネルギーに相当するものである。よって、0.10MeV近傍のエネルギー帯域(スペクトロメーターの35ch)のX線線量に着目することで、他のエネルギー帯域におけるX線線量を無視できるので、検出される後方散乱X線に含まれる保温部材103からの後方散乱X線の影響を排除できる。さらに、配管101の管内部Sに流体が存在したとしても、その流体に起因する後方散乱X線の影響をも排除でき、稼働中の配管の検査も可能となる。このように、後方散乱X線のX線線量のみならずX線エネルギーも測定するので、所定の散乱角の散乱X線(本実施形態では、散乱角θ=135°の第一後方散乱X線11)のX線線量を抽出(着目)でき、測定精度が大きく向上する。
コリメーター23の開口23aを通過したペンシルビーム状のX線10は、図4に示すように、第一肉厚部101aを透過する際に、その一部が第一肉厚部101aの表面や内部で散乱し、第一後方散乱X線11が生じる。また、第一肉厚部101aを通過したX線は、管内部Sを通過して第二肉厚部101bに入射する。そして、入射したX線の一部は、第二肉厚部101bの表面や内部で散乱し、第二後方散乱X線12が生じる。よって、検査部100sにおいて生じる後方散乱X線には、第一、第二後方散乱X線11,12が混在し、配管101の肉厚を正確に測定することができない。
そこで、本実施形態では、X線検出装置3が第二後方散乱X線12を遮断して第一後方散乱X線11を検出できるように、図1,4に示すように、遮蔽部材4をX線照射装置2に対向する板金104の表面に配置する。さらに、ペンシルビーム状のX線10を阻害しないように、管軸方向Yにおいて、遮蔽部材4の板状本体40の一端である照射軸側端部40cを照射軸AからX線10の半径分離して(隙間をおいて)接近させて配置する。
そして、本実施形態における遮蔽部材4の板状本体40は、板金104の湾曲した表面に沿うように屈曲可能な板状を呈する。検査対象物100は円筒形状であるので、この板状本体40はその湾曲面に密着して配置させることができる肉厚が好ましい。本実施形態では、遮蔽部材4の板状本体40は、例えばX線を遮蔽し得る肉厚2mmの鉛板である。
また、この遮蔽部材4は、その板状本体40に第一後方散乱X線11を通過させる窓部41を有する。そして、図5に示すように、板状本体40及び窓部41の寸法及び配置は、以下のように規定されている。
なお、下記各式において、配管101の外径をRa、配管101の肉厚をt、保温部材103の外径をRb、保温部材103の肉厚をT、板金104の肉厚をΔR、板状本体40の肉厚をm、ペンシルビーム状のX線10のビーム半径をrとする。ここで、保温材102の外径はRb+2ΔR,保温材102の肉厚はT+ΔR、X線10の直径は2rでそれぞれ表される。
窓部41の管軸方向開口幅41b(配管101の軸方向)の最小幅(長さ)=t+2r+m
窓部41の直交方向開口幅41a(照射軸Aに直交し且つ配管101の接線方向に沿う方向)の最小幅(長さ)=2r
照射軸A側に位置する板状本体40の照射軸側端部40cと窓部41との離隔長さ(距離)=T+ΔR−2r
板状本体40の管軸方向幅40bの最小幅(長さ)=T+ΔR+Ra+m
板状本体40の直交方向幅40aの最小幅(長さ)=Rb+2ΔR
なお、窓部41の直交方向開口幅41aの中央は、板状本体40の直交方向幅40aの中央と一致する。また、本実施形態では、第1駆動手段24の摺動による照射軸Aの移動範囲を考慮し、窓部41の直交方向開口幅41aは、例えば配管101の外径Raに等しい。
遮蔽部材4(板状本体40)の上記寸法及び配置により、保温材102(保温部材103及び板金104)で散乱する後方散乱X線及び第二後方散乱X線12を除く第一肉厚部101aから135°の方向に散乱する後方散乱X線11を選択的にX線検出装置3で検出させることができる。
算出装置5は、図6に示すように、大略、X線10の照射を制御するX線照射制御部51と、X線照射装置2及びコリメーター23の移動を制御する移動制御部52と、コリメーター23及びX線照射装置2にて測定される各移動量を記憶する移動量記憶部53と、X線検出装置3にて測定されたX線線量及びエネルギー量の測定データを記憶する測定データ記憶部54と、後述する検量線データCdを記憶する検量線データ記憶部55と、各記憶部に記憶されたデータに基づいて肉厚を算出する肉厚算出部56と、各部を制御する制御部57と、測定データや算出した肉厚等の出力(表示)する出力部58とを有する。また、肉厚算出部56は、X線検出装置3の測定データと、コリメーター23及びX線照射装置2の各移動量とに基づいて、配管101の走査情報を生成する走査情報生成部56aを備える。
検量線データCdは、図8に示すように、配管101と同等の材料よりなり、既知の厚みの試験体201で生じる後方散乱X線の特定のエネルギー帯域におけるX線線量を測定し、そのX線線量と試験体201の既知の肉厚との関係を示すものである。
ここで、発明者らは、試験体201として肉厚が0〜7mmの複数の鋼板を用い、図9に示すように、検査対象物100と同一の保温部材103、板金104を用いた試験体保持構造体200で鋼板201を保持し、その外部からX線10を照射して鋼板201から散乱角θが135°の後方散乱X線11を測定した。測定に際しては、上記式2に示すエネルギー帯域(35ch)のX線線量を測定した。そして、横軸を鋼板201の肉厚、縦軸をX線線量(X線光子数)として、測定値をプロットし、図10に示す如き検量線データCd’を作成した。
次に、肉厚が1.5mm,2.5mm,3.8mmの鋼管201’を用いて同様の測定を行ったところ、図10に示す如く、各配管201’の測定値が検量線C’近傍にプロットされ、その肉厚は約1.7mm,2.7mm,3.9mmとなり、誤差は僅か0.2mm程度であった。この誤差は、図9に示すように、X線焦点21から試験体201までの距離及び試験体201からX線検出装置3までの距離が鋼管201’と鋼板201とでは若干異なり且つ散乱角度も異なることに起因する。これは、試験体201が配管101よりもX線照射装置2から配管101の半径程度の距離trだけ離隔しているからである。しかしながら、この誤差は、測定対象の肉厚に対し十分に小さい。すわなち、検査対象部100の配管101と形状の異なる鋼板201を試験体として検量線データCdを作成しても、十分な精度で配管101の肉厚を測定できることが判明した。また、試験体に鋼板201を用いると、鋼板を重ねることで試験体の肉厚の調整が容易であり、しかも、安価に試験体を作成できる。但し、上述の誤差の影響を排除、抑制するために、検量線を作成する際に補正する必要があり、計算が煩雑となると共に解析の効率も低下する。もちろん、試験体として、図9に1点鎖線で示すように、肉厚が既知の配管201’を複数用いても構わない。
ここで、肉厚測定手順を説明する。
肉厚測定に先立ち、上述の如く肉厚が既知の試験体201を用いて検量線データCdを作成し、検量線データ記憶部55に記憶させる。
検査対象物100での測定に際し、板状本体40の照射軸側端部40cを照射軸A近傍に位置させた状態で遮蔽部材4を板金104の外面に配置する。そして、X線10を検査部100sに向けて所定時間照射し、第二肉厚部101bで生じた第二後方散乱X線12を除く第一後方散乱X線11を検出する。そして、X線検出装置3のスペクトロメーターは、検出した第一後方散乱X線11のX線線量及びエネルギー量を測定する。測定された各種データは、測定データ記憶部54に送られ記憶される。そして、肉厚算出部56は、検出した第一後方散乱X線11の内、上述の如きスペクトロメーターの35ch相当のエネルギー帯域におけるX線線量を求める。この帯域は、散乱角θが135°のX線エネルギーに相当するので、この帯域の大部分は、第一肉厚部101aで生じた第一後方散乱X線11に起因する。その帯域のX線線量を検量線Cに代入して第一肉厚部101aの肉厚を求める。
次に、第1駆動手段24によりコリメーター23を配管101の管軸方向Yに直交する直交方向Xに所定量(例えば、X線10のビーム直径2mmと同じ2mm)摺動させて、上記と同様の測定を行う。これを所定距離で繰り返し行うことで、直交方向Xの走査が完了する。さらに、第2駆動手段25によりX線照射装置2を管軸方向Yに上記と同量移動させて、上述の管軸方向Yの走査を行う。これを所定距離で繰り返し行う。そして、この測定結果に基づいて、走査情報生成部56aは、ラスタースキャンの結果として、例えば図11に示す如きマッピングを生成し、表示する。同図の例では、8×13画素の画像であり、1画素(セル)がX線10の照射地点を示す。そして、各画素の色の濃淡により、肉厚変化の状態を表す。このように、検査部100sの特定の地点(ポイント)の点測定だけではなく、検査部100sの面測定も可能である。
最後に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、第1,第2駆動手段24,25によって、コリメーター23及びX線照射装置2を移動させたが、相対移動であればよく、X線照射装置2や検査対象物100のみを単独で移動させても構わない。
上記実施形態において、検量線データCdの作成に当たり、試験体201として検査対象の配管101と同等の材料よりなる鋼板を用いた。しかし、試験体201は鋼板に限らず、筒状試験体201’’として、配管101と同等の材料よりなる鋼管を用いることも可能である。係る場合、例えば図12に示すように、鋼管201’’の管軸方向Yに沿って肉厚の異なる階段状の肉厚変化部210を設けるとよい。肉厚変化部210は、減肉のない通常の肉厚D0の部分や、減肉を想定した肉厚d1,d2・・・の複数の減肉部分を有する。これにより、管軸方向YにX線照射装置2を相対移動させるだけで検量線データCdが作成でき、複数の鋼管を用意する必要も無く、作業効率が極めてよい。また、筒状試験体201’’では、配管101とほぼ同じ位置となるので、上記実施形態の如き誤差は生じず、補正等の計算も不要となり、解析効率も向上する。
なお、発明者らは、階段状の肉厚変化部210を有する筒状試験体201’’(鋼管)を用いて検量線を作成し、上記実施形態と同様に、肉厚が1.5mm,2.5mm,3.8mmの鋼管を用いて肉厚測定を行った。その結果、各測定値は検量線C近傍にプロットされ、肉厚の誤差は0.14mm,0.17mm,0.016mmとなり、上記実施形態の結果よりも精度が向上した。これは、上記実施形態と異なり余分な距離(離隔距離tr)の延長がない分、測定精度が向上したと考えられる。
上記実施形態では、図13(a)に示す如く、X線10が配管101の表面に対し垂直入射(入射角0°)となるようにX線照射装置2を配置した。しかし、散乱角θが135°の後方散乱X線11を測定するには、垂直入射(入射角0°)の他、同図(b)に示す如く、X線10が配管101の表面に対し入射角αが45°となるようにX線照射装置2を配置してもよい。
図14(a)に示す垂直入射(入射角0°)の場合、X線10の配管101内の光路長L1aを1とすると、散乱角θが135°の後方散乱X線11の配管101内の光路長L2aは、1.41となる。一方、同図(b)に示す斜め入射(入射角45°)の場合、X線10の光路長L1bは、垂直入射の場合の光路長L1aの1.41倍となり、後方散乱X線11の光路長L2bは、1.0倍となる。このように、入射角45°の配置が、配管101内の光路長が最短となり、後方散乱X線11の減衰を最も抑制できるので、検出されるX線光子数を相対的に多くすることができる。よって、例えば、肉厚の大きい(厚い)検査対象物では、斜め入射(入射角45°)となるようにX線照射装置2を配置するとよい。
なお、斜め入射(入射角45°)の場合、図15に示すように、板状本体40及び窓部41の寸法及び配置は、以下のように規定されている。
窓部41の管軸方向開口幅41bの最小幅(長さ)=t+2√2r
窓部41の直交方向開口幅41aの最小幅(長さ)=2r
照射軸A側に位置する板状本体40の照射軸側端部40cと窓部41との離隔長さ(距離)=T+ΔR−2√2r
板状本体40の管軸方向幅40bの最小幅(長さ)=T+ΔR+Ra
板状本体40の直交方向幅40aの最小幅(長さ)=Rb+2ΔR
遮蔽部材4(板状本体40)の上記寸法及び配置により、斜め入射(入射角45°)の場合においても、上記実施形態と同様に、保温材102(保温部材103及び板金104)で散乱する後方散乱X線及び第二後方散乱X線12を除く第一肉厚部101aから135°の方向に散乱する後方散乱X線11を選択的にX線検出装置3で検出させることができる。
上記実施形態において、遮蔽筒体22を他端22bが一端22aよりも大である正面視扇状に形成し、コリメーター23を他端22bに対し摺動可能に構成した。しかし、検査部100sにペンシルビーム状のX線10が照射できる態様のものであれば、特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、外周を保温材102で覆われた配管101を例に説明したが、保温材102で覆われていない配管であっても適用可能である。
上記実施形態において、X線検出装置3をその検出方向の中心軸DがX線10の照射軸Aに対し135°で交差するように配向させた。そして、散乱角θが135°の散乱X線が窓部41を通過するように遮蔽部材4を形成した。しかし、検出する第一後方散乱X線11は、散乱角θが135°の散乱X線に限られるものではなく、例えば、120°以上150°以下の散乱角の散乱X線を用いることも可能である。係る場合、その散乱角に合わせて板状本体40及び窓部41の寸法を適宜設定すればよい。また、X線検出装置3のスペクトロメーターのエネルギーチャンネルも散乱角に応じて適宜変更するとよい。
本発明は、例えば、保温材付き配管の肉厚測定装置及び肉厚測定方法として利用することができる。また、検査部は、X線の照射軸上において、X線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に空隙を挟んで対向する第二肉厚部とを有するものであれば、第一肉厚部の肉厚を求めることが可能であり、配管等の筒状体に限らず、容器等でもよい。さらに、本発明は、例えば、保温材で覆われたタンク側板の肉厚測定や電車車両の側板の肉厚測定など内部へ近接不可能な部位に適用可能であり、このような検査対象は上記に限られず数多く存在する。
1:肉厚測定装置、2:X線照射装置、3:X線検出装置、4:遮蔽部材、5:算出装置、10:X線、11:第一後方散乱X線、12:第二後方散乱X線、20:筐体、21:X線源(焦点)、22:遮蔽筒体(コリメーター)、22a:一端、22b:他端、23:コリメーター(スイングコリメーター)、23a:開口、24:第1駆動手段、25:第2駆動手段、25a:固定台、25b:レール、25c:スライダー、25d:枠体、26:移動量測定手段、40:板状本体(鉛板)、40a:直交方向幅、40b:管軸方向幅、40c:照射軸側端部、41:窓部、41a:直交方向開口幅、41b:管軸方向開口幅、45:保持具、46:取付部、47:連結フレーム、51:X線照射制御部、52:移動制御部、53:移動量記憶部、54:測定データ記憶部、55:検量線データ記憶部、56:肉厚算出部、56a:走査情報生成部、57:制御部、58:出力部、100:検査対象物、100s:検査部、101:配管(筒状体)、101a:第一肉厚部、101b:第二肉厚部、102:保温材、103:保温部材、104:板金(カバー部材)、200:試験体保持構造体、201:鋼板(試験体)、201’:鋼管(試験体)、201’’:筒状試験体、210:肉厚変化部、A:照射軸、Cd,Cd’:検量線データ、C,C’:検量線、D:中心軸、Ra:配管の外径、Rb:保温部材の外径、ΔR:板金の板厚、r:ビーム半径、tr:離隔距離(半径)、S:管内部(間隔)、T:保温部材の肉厚、X:直交方向、Y:管軸方向

Claims (16)

  1. 検査対象物の検査部に向けて所定のエネルギーのX線を照射するX線照射装置と、前記X線によって前記検査部で生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置と、前記後方散乱X線の一部を前記X線検出装置の手前で遮蔽する遮蔽部材と、検出した後方散乱X線に基づいて前記検査部の肉厚を算出する算出装置とを備えた肉厚測定装置であって、
    前記検査部は、前記X線の照射軸上において、前記X線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に間隔をおいて対向する第二肉厚部とを有し、
    前記遮蔽部材は、前記第一肉厚部における前記X線照射装置に対向する面に配置され、前記第二肉厚部で生じた第二後方散乱X線を遮断し、
    前記X線検出装置は、前記第一肉厚部で生じた第一後方散乱X線を含む後方散乱X線を検出すると共にそのX線線量及びエネルギー量を測定し、
    前記算出装置は、検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量に基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求める肉厚測定装置。
  2. 前記算出装置は、前記検査部と同等の材料よりなる試験体に向けて照射された前記所定のエネルギーのX線によって生じる後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量と当該試験体の既知の肉厚との関係を示す検量線データを有し、前記検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量と前記検量線データとに基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求める請求項1記載の肉厚測定装置。
  3. 前記X線照射装置は、前記X線を照射するX線焦点の近傍に一端が取り付けられ他端が前記第一肉厚部近傍に位置する遮蔽筒体と、前記遮蔽筒体の前記他端に設けられ且つ1カ所に開口を有するコリメーターとをさらに備える請求項1又は2記載の肉厚測定装置。
  4. 前記コリメーターは、前記検査部の一定方向に摺動可能であり、前記X線検出装置は、前記コリメーターの摺動方向に直交する方向に移動可能であり、前記算出装置は、前記検査部の所定範囲における走査情報を生成する走査情報生成部を有する請求項3記載の肉厚測定装置。
  5. 前記X線照射装置は、前記コリメーターの摺動方向に直交する方向に移動可能な移動機構に固定され、前記移動機構には、前記遮蔽部材が固定されている請求項4記載の肉厚測定装置。
  6. 前記X線は、前記第一肉厚部に入射する際のビーム直径が10mm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の肉厚測定装置。
  7. 前記検査対象物は、筒状体である請求項1〜6のいずれかに記載の肉厚測定装置。
  8. 前記筒状体は、外周を保温材で覆われた配管である請求項7記載の肉厚測定装置。
  9. 前記遮蔽部材は、前記保温材の外面に沿う板状本体と、前記第一後方散乱X線を通過させる窓部とを有する請求項8記載の肉厚測定装置。
  10. 前記X線検出装置は、その検出方向の中心軸が前記照射軸に対し135°で交差するように配向される請求項9記載の肉厚測定装置。
  11. 前記X線照射装置は、前記検査部の表面に対する前記X線の入射角が0°となるように配置され、
    前記板状本体は、この板状部材の照射軸側端部が前記照射軸から前記配管の軸方向に沿う管軸方向に前記X線のビーム半径に等しい距離で離隔するように配置され、
    前記板状本体の管軸方向幅の最小は、前記板状本体の肉厚と前記保温材の肉厚と前記配管の外径の総和であり、
    前記照射軸に直交し且つ前記配管の接線方向に沿う前記板状本体の直交方向幅の最小は、前記保温材の外径であり、
    前記窓部は、前記管軸方向において前記照射軸側端部から前記保温材の肉厚と前記X線のビーム直径との差に等しい距離で離隔し且つ前記直交方向において前記直交方向幅の中央に位置し、
    前記窓部の管軸方向開口幅の最小は、前記配管の肉厚と前記X線のビーム直径と前記板状本体の肉厚の総和であり、
    前記窓部の直交方向開口幅の最小は、前記X線のビーム直径である請求項10記載の肉厚測定装置。
  12. 前記X線照射装置は、前記検査部の表面に対する前記X線の入射角が45°となるように配置され、
    前記板状本体は、この板状部材の照射軸側端部が前記照射軸から前記配管の軸方向に沿う管軸方向に前記X線のビーム半径の√2倍に等しい距離で離隔するように配置され、
    前記板状本体の管軸方向幅の最小は、前記保温材の肉厚と前記配管の外径との和であり、
    前記照射軸に直交し且つ前記配管の接線方向に沿う前記板状本体の直交方向幅の最小は、前記保温材の外径であり、
    前記窓部は、前記管軸方向において前記照射軸側端部から前記保温材の肉厚と前記X線のビーム直径の√2倍との差に等しい距離で離隔し且つ前記直交方向において前記直交方向幅の中央に位置し、
    前記窓部の管軸方向開口幅の最小は、前記配管の肉厚と前記X線のビーム直径の√2倍との和であり、
    前記窓部の直交方向開口幅の最小は、前記X線のビーム直径である請求項10記載の肉厚測定装置。
  13. 前記試験体は、板状体である請求項2記載の肉厚測定装置。
  14. 前記試験体は、筒状体である請求項2記載の肉厚測定装置。
  15. 前記筒状体には、肉厚の異なる階段状の肉厚変化部が設けられている請求項14記載の肉厚測定装置。
  16. 検査対象物の検査部に向けて所定のエネルギーのX線を照射するX線照射装置と、前記X線によって前記検査部で生じた後方散乱X線を検出するX線検出装置と、前記後方散乱X線の一部を前記X線検出装置の手前で遮蔽する遮蔽部材と、検出した後方散乱X線に基づいて前記検査部の肉厚を算出する算出装置とを備えた肉厚測定装置を用いた肉厚測定方法であって、
    前記検査部は、前記X線の照射軸上において、前記X線照射装置に対向する第一肉厚部とこの第一肉厚部に間隔をおいて対向する第二肉厚部とを有し、
    前記遮蔽部材は、前記第一肉厚部における前記X線照射装置に対向する面に配置されるものであり、
    前記検査部に向けてX線を照射し、
    前記第二肉厚部で生じた第二後方散乱X線を前記遮蔽部材により遮断して、
    前記第一肉厚部で生じた第一後方散乱X線を含む後方散乱X線を検出すると共にそのX線線量及びエネルギー量を測定し、
    検出した後方散乱X線の特定のエネルギーにおけるX線線量に基づいて前記第一肉厚部の肉厚を求める肉厚測定方法。
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