JP2021054009A - 近赤外線センサカバーの製造方法 - Google Patents

近赤外線センサカバーの製造方法 Download PDF

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晃司 奥村
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鋼司 深川
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Hiroyuki Konishi
博之 小西
達朗 伊藤
Tatsuro Ito
達朗 伊藤
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Abstract

【課題】少ない工数で近赤外線センサカバーを製造する。【解決手段】近赤外線センサカバー21は、近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆い、かつ近赤外線の透過性を有するカバー本体部23を備える。カバー本体部23は、樹脂製の基材24と、近赤外線の送信方向における基材24の前側に配置されるハードコートフィルム25と、送信方向における基材24の後側に配置されたヒータフィルム30とを備える。この近赤外線センサカバー21を、第1成形型41及び第2成形型42を備える金型40を用いて製造する。フィルムセット工程では、第1成形型41にヒータフィルム30をセットし、第2成形型42にハードコートフィルム25をセットする。基材成形工程では、金型40を型締めし、ヒータフィルム30及びハードコートフィルム25の間に溶融樹脂44を充填及び硬化させて基材24を成形する。【選択図】図7

Description

本発明は、近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆う近赤外線センサカバーを製造する方法に関する。
車両に設置される近赤外線センサは、近赤外線の送信部及び受信部を有する。送信部及び受信部は、近赤外線センサカバーのカバー本体部によって覆われる。カバー本体部は、近赤外線の透過性を有する。
上記近赤外線センサでは、送信部から近赤外線がカバー本体部を介して車両の外部へ向けて送信される。車外の先行車両、歩行者等を含む物体に当たり反射されて戻ってきた近赤外線は、カバー本体部を介して受信部で受信される。上記近赤外線センサでは、送信した近赤外線と受信した近赤外線とに基づき、車外の上記物体が認識されるとともに、車両と上記物体との距離や相対速度が検出される。
上記近赤外線センサでは、雪が付着すると、近赤外線の透過を妨げるため、検出を一時的に停止する処置を採っている。しかし、近赤外線センサの普及に伴い、降雪時でも検出を行なうことが要望されている。
そこで、融雪機能を有する近赤外線センサカバーが種々考えられている。例えば、特許文献1には、カバー本体部の骨格部分を構成する透明な基材に対し、上記近赤外線の送信方向における後側からヒータ部を積層してなる近赤外線センサカバーが記載されている。ヒータ部としては、通電により発熱する線状の発熱体を有するヒータフィルムが用いられている。ヒータフィルムは、発熱体と、樹脂材料によって形成され、かつ発熱体を上記送信方向における前後両側から挟み込んで被覆する一対の透明基材とを備える。
ここで、ヒータ部が基材に積層される際には、ヒータフィルムが基材に貼付けられる。この貼付けのために、上記送信方向におけるヒータフィルムの最前部が、接着層によって構成される。接着層としては、OCA(OPTICAL CLEAR ADHESIVE)と呼ばれるフィルム状の光学粘着シートが用いられる。そして、ヒータフィルムは、上記OCAにおいて、カバー本体部における基材に貼付けられる。
また、上記特許文献1には、上記送信方向におけるカバー本体部の最前部を構成する部材の前面に、その部材よりも硬度の高いハードコート層が積層されてもよい旨の記載がなされている。このハードコート層は、上記部材の前面に表面処理剤を塗布することによって形成される。
特開2018−31888号公報
ところが、上記特許文献1では、近赤外線センサカバーの製造に際し、ヒータフィルムをOCAにおいて、上記送信方向における基材の後面に貼り合わせる工程が必要であり、また、同方向における基材の前面に表面処理剤を塗布してハードコート層を形成する工程が必要となり、製造工数が多くなってしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、少ない工数で近赤外線センサカバーを製造することのできる近赤外線センサカバーの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する近赤外線センサカバーの製造方法は、近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆い、かつ近赤外線の透過性を有するカバー本体部を備え、前記カバー本体部が、樹脂製の基材と、近赤外線の送信方向における前記基材の前側に配置され、かつ前記基材よりも高い硬度を有するハードコートフィルムと、前記送信方向における前記基材の後側に配置され、かつ通電により発熱する線状の発熱体を有するヒータフィルムとを備える近赤外線センサカバーを、第1成形型及び第2成形型を備える金型を用いて製造する方法であって、前記第1成形型に前記ヒータフィルムをセットし、前記第2成形型に前記ハードコートフィルムをセットするフィルムセット工程と、前記金型を型締めし、前記ヒータフィルム及び前記ハードコートフィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記基材を成形する基材成形工程とを備える。
上記の方法によれば、近赤外線センサカバーの製造に際し、フィルムセット工程及び基材成形工程が行なわれる。
フィルムセット工程では、型開きされた金型の第1成形型にヒータフィルムがセットされる。また、同金型の第2成形型にハードコートフィルムがセットされる。
基材成形工程では、金型が型締めされる。ヒータフィルム及びハードコートフィルムの間に隙間ができる。この隙間に溶融樹脂が充填されて硬化されると、ヒータフィルム及びハードコートフィルムに密着した状態で基材が成形される。このように、基材の成形と同時に、ヒータフィルムが近赤外線の送信方向における基材の後面に密着した状態で積層される。また、基材の成形と同時に、ハードコートフィルムが上記送信方向における基材の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、基材成形工程では、基材の成形と、ヒータフィルムの積層と、ハードコートフィルムの積層とが同時に行なわれる。
従って、従来技術とは異なり、近赤外線センサカバーの製造に際し、ヒータフィルムをOCAにおいて、上記送信方向における基材の後面に貼り合わせる工程が不要となる。また、上記送信方向における基材の前面に表面処理剤を塗布してハードコート層を形成する工程も不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
上記近赤外線センサカバーの製造方法において、前記フィルムセット工程では、前記ヒータフィルムとして、前記送信方向における前面にバインダ層が形成されたものが前記第1成形型にセットされることが好ましい。
ここで、基材成形工程では、溶融状態の樹脂材料がヒータフィルムとハードコートフィルムとの間に充填される。この充填の際に、樹脂材料の熱や圧力がヒータフィルムに伝わると、そのヒータフィルムにダメージを与えるおそれがある。
この点、上記の方法によれば、フィルムセット工程において、ヒータフィルムとして、送信方向における前面にバインダ層が積層されたものが第1成形型にセットされる。そのため、基材成形工程では、溶融状態の樹脂材料の熱や圧力がバインダ層を介してヒータフィルムに伝達される。バインダ層により、ヒータフィルムに対し伝達される熱及び圧力が緩和される。そのため、バインダ層が形成されない場合に比べ、ヒータフィルムが熱及び圧力から受けるダメージが軽減される。
上記課題を解決する近赤外線センサカバーの製造方法は、近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆い、かつ近赤外線の透過性を有するカバー本体部を備え、前記カバー本体部が、加飾フィルムと、前記近赤外線の送信方向における前記加飾フィルムの前側に配置された樹脂製の前基材と、前記送信方向における前記加飾フィルムの後側に配置された樹脂製の後基材と、前記送信方向における前記前基材の前側に配置され、かつ前記前基材よりも高い硬度を有するハードコートフィルムと、前記送信方向における前記後基材の後側に配置され、かつ通電により発熱する線状の発熱体を有するヒータフィルムとを備える近赤外線センサカバーを、共通成形型及び一次成形型を備える一次金型と、前記共通成形型及び二次成形型を備える二次金型とを用いて製造する方法であって、前記共通成形型に前記ヒータフィルムを、前記一次成形型に前記加飾フィルムを、前記二次成形型に前記ハードコートフィルムをそれぞれセットするフィルムセット工程と、前記一次金型を型締めし、前記ヒータフィルム及び前記加飾フィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記後基材を成形する後基材成形工程と、前記一次金型及び前記二次金型をともに型開きし、前記後基材が前記ヒータフィルム及び前記加飾フィルムに密着してなる中間品が保持された状態の前記共通成形型を、前記一次成形型に対向する位置から前記二次成形型に対向する位置へ移動させた後、前記二次金型を型締めし、前記加飾フィルム及び前記ハードコートフィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記前基材を成形する前基材成形工程とを備える。
上記の方法によれば、近赤外線センサカバーの製造に際し、フィルムセット工程、後基材成形工程及び前基材成形工程が行なわれる。
フィルムセット工程では、共通成形型にヒータフィルムがセットされる。一次成形型に加飾フィルムがセットされる。二次成形型にハードコートフィルムがセットされる。
後基材成形工程では、一次金型が型締めされる。ヒータフィルム及び加飾フィルムの間に隙間ができる。この隙間に溶融樹脂が充填されて硬化されると、ヒータフィルム及び加飾フィルムのそれぞれに密着した状態の後基材が成形される。
このように、後基材の成形と同時に、ヒータフィルムが近赤外線の送信方向における後基材の後面に密着した状態で積層される。また、後基材の成形と同時に、加飾フィルムが上記送信方向における後基材の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、後基材成形工程では、後基材の成形と、ヒータフィルムの積層と、加飾フィルムの積層とが同時に行なわれる。このようにして、後基材成形工程を経ることで、後基材がヒータフィルム及び加飾フィルムに密着してなる中間品が形成される。
従って、従来技術とは異なり、近赤外線センサカバーの製造に際し、ヒータフィルムをOCAにおいて、上記送信方向における後基材の後面に貼り合わせる工程が不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
前基材成形工程では、一次金型及び二次金型がともに型開きされる。上記中間品が保持された状態の共通成形型が、一次成形型に対向する位置から二次成形型に対向する位置へ移動させられた後、二次金型が型締めされる。この型締めにより、加飾フィルム及びハードコートフィルムの間に隙間ができる。この隙間に溶融樹脂が充填されて硬化されると、加飾フィルム及びハードコートフィルムのそれぞれに密着した状態の前基材が成形される。
このように、前基材の成形と同時に、加飾フィルムが上記送信方向における前基材の後面に密着した状態で積層される。また、前基材の成形と同時に、ハードコートフィルムが上記送信方向における前基材の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、前基材成形工程では、前基材の成形と、加飾フィルムの積層と、ハードコートフィルムの積層とが同時に行なわれる。このようにして、前基材成形工程を経ることで、目的とする近赤外線センサカバーが形成される。
従って、従来技術とは異なり、上記送信方向における前基材の前面に表面処理剤を塗布してハードコート層を形成する工程が不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
上記近赤外線センサカバーの製造方法において、前記フィルムセット工程では、前記ヒータフィルムとして、前記送信方向における前面にバインダ層が積層されたものが前記共通成形型にセットされることが好ましい。
ここで、後基材成形工程では、溶融状態の樹脂材料がヒータフィルムと加飾フィルムとの間に充填される。このときに、樹脂材料の熱や圧力がヒータフィルムに伝わると、そのヒータフィルムにダメージを与えるおそれがある。
この点、上記の方法によれば、フィルムセット工程において、ヒータフィルムとして、送信方向における前面にバインダ層が積層されたものが共通成形型にセットされる。そのため、後基材成形工程では、溶融状態の樹脂材料の熱や圧力がバインダ層を介してヒータフィルムに伝達される。バインダ層により、ヒータフィルムに対し伝達される熱及び圧力が緩和される。そのため、バインダ層が形成されない場合に比べ、ヒータフィルムが熱や圧力から受けるダメージが軽減される。
上記近赤外線センサカバーの製造方法によれば、少ない工数で近赤外線センサカバーを製造することができる。
第1実施形態における近赤外線センサカバーによってカバーが構成された近赤外線センサの側断面図。 図1におけるカバー本体部の一部を拡大して示す部分側断面図。 第1実施形態におけるヒータフィルムの層構成を説明する部分側断面図。 第1実施形態におけるフィルムセット工程を説明する側断面図。 図4における第1成形型、反射抑制層、ヒータフィルム及びバインダ層の部分側断面図。 第1実施形態の基材成形工程で金型を型締めした状態を示す側断面図。 図6の状態からヒータフィルムとハードコートフィルムとの間に溶融樹脂を充填及び硬化させた状態を示す側断面図。 近赤外線センサとは別に設けられた第2実施形態における近赤外線センサカバーを、近赤外線センサとともに示す側断面図。 図8におけるカバー本体部の一部を拡大して示す部分側断面図。 第2実施形態におけるフィルムセット工程の一部を説明する側断面図。 図10における共通成形型、反射抑制層、ヒータフィルム及びバインダ層の部分側断面図。 第2実施形態の後基材成形工程でヒータフィルムと加飾フィルムとの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて後基材を成形し、中間体を形成した状態を示す側断面図。 図12の中間体が保持された共通成形型を、ハードコートフィルムがセットされた二次成形型に対向させた状態を示す側断面図。 第2実施形態の前基材成形工程で二次金型を型締めした状態を示す側断面図。 図14の状態から加飾フィルムとハードコートフィルムとの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前基材を成形した状態を示す側断面図。
(第1実施形態)
以下、近赤外線センサカバーの製造方法を具体化した第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、図1〜図7の各図では、近赤外線センサカバーにおける各部を認識可能な大きさとするために、縮尺を適宜変更して各部を示している。この点は、第2実施形態を示す図8〜図15についても同様である。
図1に示すように、車両10の前端部には、近赤外線センサ11が設置されている。近赤外線センサ11は、900nm付近の波長を有する近赤外線IR1を車両10の前方へ向けて送信し、かつ先行車両、歩行者等を含む車外の物体に当たって反射された近赤外線IR2を受信する。近赤外線センサ11は、送信した近赤外線IR1と受信した近赤外線IR2とに基づき、車外の上記物体を認識するとともに、車両10と上記物体との距離、相対速度等を検出する。
なお、上述したように、近赤外線センサ11が車両10の前方に向けて近赤外線IR1を送信することから、近赤外線センサ11による近赤外線IR1の送信方向は、車両10の後方から前方へ向かう方向である。近赤外線IR1の送信方向における前方は、車両10の前方と概ね合致し、同送信方向における後方は車両10の後方と概ね合致する。そのため、以後の記載では、近赤外線IR1の送信方向における前方を単に「前方」、「前」等といい、同送信方向における後方を単に「後方」、「後」等というものとする。
近赤外線センサ11の外殻部分の後半部はケース12によって構成され、前半部分はカバー17によって構成されている。ケース12は、筒状をなす周壁部13と、周壁部13の後端部に形成された底壁部14とを備えており、前面が開放された有底筒状をなしている。ケース12の全体は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材料によって形成されている。底壁部14の前側には、近赤外線IR1を送信する送信部15と、近赤外線IR2を受信する受信部16とが配置されている。
近赤外線センサ11のカバー17は、近赤外線センサカバー21によって構成されている。近赤外線センサカバー21は、筒状をなす周壁部22と、周壁部22の前端部に形成された板状のカバー本体部23とを備えている。
カバー本体部23は、上記ケース12の前端開放部分を塞ぐ大きさに形成されている。カバー本体部23は底壁部14の前方に位置しており、送信部15及び受信部16を前方から直接覆っている。
図2に示すように、カバー本体部23の骨格部分は、基材24によって構成されている。基材24は、近赤外線IR1,IR2の透過性を有する透明な樹脂材料によって形成されている。ここでの透明には、無色透明のほか、着色透明(有色透明)も含まれる。第1実施形態では、基材24はPC(ポリカーボネート)によって形成されているが、そのほかにも、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、COP(シクロオレフィンポリマー)等によって形成されてもよい。
基材24の前面には、近赤外線IR1,IR2の透過性を有するとともに、基材24よりも高い硬度を有するハードコートフィルム25が密着状態で配置されている。ハードコートフィルム25は、PC、PMMA等の透明な樹脂材料からなるフィルム基材上に、公知の表面処理剤を塗布することにより形成されている。表面処理剤としては、例えば、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等の有機系ハードコート剤、無機系ハードコート剤、有機無機ハイブリッド系ハードコート剤等が挙げられる。また、ハードコートフィルム25として転写フィルムが用いられてもよい。
基材24の後面には、通電により発熱する線状の発熱体(ヒータ線)を有するヒータフィルム30が積層されている。図3に示すように、ヒータフィルム30は、前から後に向けて順に配置された前透明基材31、発熱体32、後透明基材33及びOCA34からなる。
発熱体32は、銀、銅等の金属、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化スズ等の酸化金属系導電性材料、カーボン発熱体、導電性ペースト等によって形成されている。前透明基材31及び後透明基材33は、いずれもPC等の透明な樹脂材料によって形成されており、上記発熱体32を前後両側から挟み込んで被覆している。
なお、ヒータフィルム30において前透明基材31の前側にはOCAが配置されていない。
図1及び図2に示すように、ヒータフィルム30の後側には、透明な薄膜からなる反射抑制層(ARコートとも呼ばれる)35が形成されている。反射抑制層35は、近赤外線IR1のカバー本体部23の後面での反射を同近赤外線IR1の干渉により低減し、反射が原因でカバー本体部23を通過する近赤外線IR1の量が少なくなるのを抑制する機能を担っている。反射抑制層35は、例えば、MgF2 (フッ化マグネシウム)等の誘電体が用いられて、真空蒸着、スパッタリング、WETコーティング等が行なわれることによって形成されている。
なお、反射抑制層35は単層の薄膜によって構成されてもよいし、多層の薄膜によって構成されてもよい。後者の場合、多数の薄膜として、屈折率や厚みが互いに異なるものが用いられてもよい。このようにすると、広範囲での波長について、近赤外線IR1の反射を低減することができる。
また、反射抑制層35として、TiO2 (二酸化チタン)、SiO2 (二酸化ケイ素)等の金属酸化物を積層したものが用いられてもよい。
上記反射抑制層35は、上記OCA34を介してヒータフィルム30の後透明基材33に貼り合わされている。
そして、上記のように構成されたカバー本体部23における近赤外線IR1,IR2の透過率は60%以上であり、同カバー本体部23の後面での近赤外線IR1の反射率は10%以下である。
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について、近赤外線センサカバー21を製造する方法とともに説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
近赤外線センサカバー21は、図4及び図5に示すように、第1成形型41及び第2成形型42を備える金型40が用いられて、フィルムセット工程及び基材成形工程を経ることにより製造される。
フィルムセット工程では、後面に反射抑制層35が貼り合わされ、かつ前面に対しバインダ層29が形成されたヒータフィルム30が、型開きされた金型40の第1成形型41にセットされる。バインダ層29は、基材24の成形時の熱及び圧力が、ヒータフィルム30に伝わるのを抑制するためのものであり、ヒータフィルム30の前面に積層される。また、型開きされた金型40の第2成形型42にハードコートフィルム25がセットされる。
基材成形工程では、図6に示すように金型40が型締めされる。上記型締めに伴い、ヒータフィルム30及びハードコートフィルム25の間に隙間(キャビティ)43が生ずる。図7に示すように、上記隙間43に溶融樹脂44が充填される。このときに、溶融樹脂44の熱や圧力がヒータフィルム30に伝わると、そのヒータフィルム30にダメージを与えるおそれがある。
この点、ヒータフィルム30として、前面にバインダ層29が形成されたものが第1成形型41にセットされる第1実施形態では、溶融樹脂44の熱や圧力がバインダ層29を介してヒータフィルム30に伝達される。バインダ層29により、ヒータフィルム30に対し伝達される熱及び圧力が低減される。そのため、バインダ層29が形成されない場合に比べ、ヒータフィルム30が熱及び圧力から受けるダメージが軽減される。なお、バインダ層29は、溶融樹脂44の熱により溶けて無くなる。
そして、上記溶融樹脂44が硬化されると、ヒータフィルム30及びハードコートフィルム25に密着した状態で基材24が成形される。また、周壁部22が基材24に繋がった状態で成形される。
このように、基材24の成形と同時に、ヒータフィルム30が基材24の後面に密着した状態で積層される。また、基材24の成形と同時に、ハードコートフィルム25が基材24の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、基材成形工程では、基材24の成形と、ヒータフィルム30の積層と、ハードコートフィルム25の積層とが同時に行なわれる。
従って、従来技術とは異なり、近赤外線センサカバー21の製造に際し、ヒータフィルム30を基材24の後面に貼り合わせる工程が不要となる。また、基材24の前面に表面処理剤を塗布してハードコート層を形成する工程も不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
上記のようにして製造された近赤外線センサカバー21は、図1に示すように、近赤外線センサ11のカバー17として用いられる。この近赤外線センサ11が設置された車両10において、近赤外線センサ11の送信部15から近赤外線IR1が送信されると、その近赤外線IR1は、カバー本体部23の後面に照射される。この際、照射された近赤外線IR1が、カバー本体部23の後面で反射されることは、反射抑制層35によって抑制される。近赤外線IR1の反射率は10%以下に抑制される。この抑制の分、反射抑制層35を透過する近赤外線IR1の量が多くなる。
反射抑制層35を透過した近赤外線IR1は、ヒータフィルム30、基材24及びハードコートフィルム25を順に透過する。このようにして、近赤外線IR1がカバー本体部23を透過する。
カバー本体部23を透過した近赤外線IR1は、先行車両、歩行者等を含む物体に当たって反射される。反射された近赤外線IR2は、再びカバー本体部23におけるハードコートフィルム25、基材24、ヒータフィルム30及び反射抑制層35を順に透過する。カバー本体部23を透過した近赤外線IR2は受信部16によって受信される。近赤外線センサ11では送信及び受信した近赤外線IR1,IR2に基づき、上記物体の認識や、車両10と同物体との距離、相対速度等の検出が行われる。
上述したように反射抑制層35で近赤外線IR1の反射が抑制される分、カバー本体部23を透過する近赤外線IR1,IR2の量が多くなる。
カバー本体部23における近赤外線IR1,IR2の透過率が、60%以上であるため、同カバー本体部23は近赤外線IR1,IR2の透過の妨げとなりにくい。近赤外線IR1,IR2のうち、カバー本体部23によって減衰される量を許容範囲にとどめることができる。そのため、近赤外線センサ11は、上記物体を認識する機能や、上記距離、相対速度等を検出する機能を発揮しやすい。
さらに、近赤外線センサカバー21では、基材24の前面に形成されたハードコートフィルム25が、カバー本体部23の耐衝撃性を高める。従って、カバー本体部23の前面に飛び石等により傷が付くのをハードコートフィルム25によって抑制することができる。また、ハードコートフィルム25は、カバー本体部23の耐候性を高める。従って、太陽光、風雨、温度変化等が原因で、カバー本体部23が変質したり劣化したりするのをハードコートフィルム25によって抑制することができる。この点でも、近赤外線センサ11は、上記物体を認識する機能や、上記距離、相対速度等を検出する機能を発揮しやすい。
一方、ヒータフィルム30における発熱体32は通電されると発熱する。この熱の一部は、カバー本体部23の前面に伝達される。そのため、カバー本体部23の前面に雪が付着しても、通電により発熱体32が発熱されることで、その雪は、発熱体32から伝わる熱によって溶かされる。降雪時でも近赤外線センサ11に、物体を認識する機能や、距離、相対速度等を検出する機能を発揮させることができる。
第1実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・従来技術において、ヒータ部として用いられるヒータフィルムは、上述したように、線状の発熱体と、発熱体を前後両側から挟み込む一対の透明基材と、両透明基材を前後両側から挟み込む一対のOCA等によって構成されていて、多層構造を有している。層が多くなるに従い、以下に記載する種々の問題が発生する。
(a)層間の界面では、近赤外線の反射や吸収が行なわれるところ、ヒータフィルムが用いられることで界面の数が多くなる。そのため、ヒータフィルムにおける近赤外線の反射や吸収の量が多くなり、近赤外線センサの検出精度を低下させる。
(b)層間の界面では、近赤外線が少なからず屈折する。界面の数が多くなるに従い近赤外線の総屈折角度が多くなり、近赤外線センサの角度に関する検出精度を低下させる。
(c)層の数が多くなるに従い、ヒータ部の製造工数及び材料が多くなり、製造コストを上昇させる。
(d)隣り合う層では剥離の懸念があるところ、層の数が多くなるに従い、剥離の可能性のある箇所が増える。また、隣り合う層の熱膨張率の差が大きくなるに従い剥離が起りやすくなる。そのため、層の数が増えるに従い、界面での密着性を担保することが大変になる。
これに対し、第1実施形態では、バインダ層29を用いることで、図3に示すように、従来技術における前側のOCAを省略している。バインダ層29は、上述したように、基材24の成形時に熱により溶けて無くなる。この前側のOCAの省略の分、ヒータフィルム30を構成する数が少なくなる。従って、上記(a)〜(d)の事項が、前側にOCAを有する従来のヒータフィルムを用いてヒータ部を構成する場合よりも良好になる。
(第2実施形態)
次に、近赤外線センサカバーの製造方法を具体化した第2実施形態について、図8〜図15を参照して説明する。
図8及び図9に示すように、第2実施形態では、近赤外線センサカバー51が近赤外線センサ11とは別に設けられている。より詳しくは、近赤外線センサ11は、送信部15及び受信部16が組み付けられたケース12と、ケース12の前側に配置されて、送信部15及び受信部16を直接覆うカバー18とによって構成されている。カバー18は、可視光カット顔料の含有された樹脂材料、例えば、上述したPC、PMMA、COP、樹脂ガラス等によって形成されている。
近赤外線センサカバー51は、板状のカバー本体部52と、カバー本体部52の後面から後方へ突出する取付け部53とを備えている。カバー本体部52は、カバー18の前方に位置しており、送信部15及び受信部16を、前方からカバー18を介して間接的に覆っている。近赤外線センサカバー51は、取付け部53において、車両10の前端部に取付けられている。
近赤外線センサカバー51は、第1実施形態における近赤外線センサ11のカバー17と同様、送信部15及び受信部16を前方から覆う機能を有するほかに、車両10の前部を装飾するガーニッシュとしての機能も有している。
そのために、第2実施形態の近赤外線センサカバー51は、図9に示すように基本的には、第1実施形態と同様に、ハードコートフィルム25と、基材と、後面に反射抑制層35が形成されたヒータフィルム30とを備えている。ヒータフィルム30としては、上記第1実施形態と同様の層構成を有するもの(図3参照)が用いられている。
第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、基材が、その前部を構成する前基材54と、後部を構成する後基材55とに分割されている点と、前基材54及び後基材55の間に加飾フィルム56が設けられている点である。
前基材54及び後基材55は、第1実施形態における基材24と同様、透明な樹脂材料によって形成されており、近赤外線IR1,IR2の透過性を有している。加飾フィルム56は、近赤外線センサカバー51を装飾するための層であり、前後方向に凹凸状をなすように形成されている。加飾フィルム56は、可視光を反射するとともに、近赤外線IR1,IR2を透過する。
上記反射抑制層35は、図3に示すOCA34を介してヒータフィルム30の後透明基材33に貼り合わされている。
そして、上記のように構成されたカバー本体部52における近赤外線IR1,IR2の透過率は60%以上であり、同カバー本体部52の後面での近赤外線IR1の反射率は10%以下である。
上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
次に、上記のように構成された第2実施形態の作用について、近赤外線センサカバー51を製造する方法とともに説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
近赤外線センサカバー51は、図10等に示すように、共通成形型62及び一次成形型63を備える一次金型61と、図13等に示すように、上記共通成形型62及び二次成形型66を備える二次金型65とが用いられて、フィルムセット工程、後基材成形工程及び前基材成形工程を経ることにより製造される。
図10及び図11に示すように、フィルムセット工程では、後面に反射抑制層35が貼り合わされ、かつ前面に対しバインダ層29が形成されたヒータフィルム30が共通成形型62にセットされる。一次成形型63に加飾フィルム56がセットされる。また、二次成形型66にハードコートフィルム25がセットされる(図13参照)。
後基材成形工程では、図12に示すように一次金型61が型締めされる。この型締めに伴い、ヒータフィルム30及び加飾フィルム56の間に隙間(キャビティ)67が生ずる。この隙間67に溶融樹脂68が充填される。このときに、溶融樹脂68の熱や圧力がヒータフィルム30に伝わると、そのヒータフィルム30にダメージを与えるおそれがある。
この点、ヒータフィルム30として、前面にバインダ層29が形成されたものが共通成形型62にセットされる第2実施形態では、第1実施形態と同様に、溶融樹脂68の熱や圧力がバインダ層29を介してヒータフィルム30に伝達される。バインダ層29により、ヒータフィルム30に対し伝達される熱及び圧力が低減される。そのため、バインダ層29が形成されない場合に比べ、ヒータフィルム30が熱及び圧力から受けるダメージが軽減される。なお、バインダ層29は、溶融樹脂68の熱により溶けて無くなる。
そして、上記溶融樹脂68が硬化されると、ヒータフィルム30及び加飾フィルム56に密着した状態で後基材55が成形される。また、取付け部53が後基材55に繋がった状態で成形される。
このように、後基材55の成形と同時に、ヒータフィルム30が後基材55の後面に密着した状態で積層される。また、後基材55の成形と同時に、加飾フィルム56が後基材55の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、後基材成形工程では、後基材55の成形と、ヒータフィルム30の積層と、加飾フィルム56の積層とが同時に行なわれる。このようにして、後基材成形工程を経ることで、後基材55がヒータフィルム30及び加飾フィルム56に密着してなる中間品69が形成される。
従って、従来技術とは異なり、近赤外線センサカバー51の製造に際し、ヒータフィルム30を後基材55の後面に貼り合わせる工程が不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
前基材成形工程では、一次金型61及び二次金型65がともに型開きされる。上記中間品69が保持された状態の共通成形型62が、一次成形型63に対向する位置から、図13に示すように、二次成形型66に対向する位置へ移動させられた後、図14に示すように、二次金型65が型締めされる。この型締めに伴い、中間品69の加飾フィルム56とハードコートフィルム25との間に隙間(キャビティ)71が生ずる。図15に示すように、この隙間71に溶融樹脂72が充填されて硬化されると、加飾フィルム56及びハードコートフィルム25のそれぞれに密着した状態の前基材54が成形される。
このように、前基材54の成形と同時に、加飾フィルム56が前基材54の後面に密着した状態で積層される。また、前基材54の成形と同時に、ハードコートフィルム25が前基材54の前面に密着した状態で積層される。表現を変えると、前基材成形工程では、前基材54の成形と、加飾フィルム56の積層と、ハードコートフィルム25の積層とが同時に行なわれる。
このため、従来技術とは異なり、前基材54の前面に表面処理剤を塗布してハードコート層を形成する工程が不要となる。その分、製造工数が少なくなる。
このようにして、前基材成形工程を経ることで、図8及び図9に示す近赤外線センサカバー51が形成される。
従って、第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。この効果の中には、バインダ層29が用いられることで前側のOCAが省略されたことによる効果、すなわち、ヒータフィルム30を構成する数が少なくなることによる、近赤外線IR1,IR2の透過率向上、屈折の向上、コスト削減、密着性向上等の各種効果が含まれる。
ところで、第2実施形態の近赤外線センサカバー51に対し前側から可視光が照射されると、その可視光はハードコートフィルム25及び前基材54を透過し、加飾フィルム56で反射される。車両10の前方から近赤外線センサカバー51を見ると、ハードコートフィルム25及び前基材54を通して、それらの後側(奥側)に加飾フィルム56が位置するように見える。このように、加飾フィルム56によって近赤外線センサカバー51が装飾され、同近赤外線センサカバー51及びその周辺部分の見栄えが向上する。
特に、加飾フィルム56は、前基材54及び後基材55の間に形成されていて、凹凸状をなしている。そのため、車両10の前方からは、加飾フィルム56が立体的に見える。従って、近赤外線センサカバー51及びその周辺部分の見栄えがさらに向上する。
可視光の加飾フィルム56での上記反射は、近赤外線センサ11よりも前側で行われる。加飾フィルム56は、近赤外線センサ11を覆い隠す機能を発揮する。そのため、近赤外線センサカバー51の前側からは、近赤外線センサ11が見えにくい。従って、近赤外線センサ11が近赤外線センサカバー51を介して透けて見える場合に比べて意匠性が向上する。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第2実施形態において、共通成形型62を2つの成形型によって構成する。後基材成形工程において、一方の成形型を用い、後基材55を成形する。後基材成形工程で得られた中間品69を上記成形型から取り出す。前基材成形工程では、上記中間品69を他方の成形型に移しかえる。そして、この成形型と二次成形型66とを用いて前基材54を成形するようにしてもよい。
・第2実施形態のフィルムセット工程において、二次成形型66にハードコートフィルム25をセットするタイミングは、共通成形型62にヒータフィルム30をセットし、かつ一次成形型63に加飾フィルム56をセットするタイミングに対し、同時であってもよいし、ずれてもよい。例えば、ハードコートフィルム25をセットするタイミングは、後基材成形工程の実施後であって、前基材成形工程の実施前であってもよい。
・近赤外線センサ11のカバー17として機能する第1実施形態の近赤外線センサカバー21における基材の構成が、近赤外線センサ11とは別に設けられる第2実施形態の近赤外線センサカバー51における基材の構成に適用されてもよい。また、第2実施形態の近赤外線センサカバー51における基材の構成が、第1実施形態の近赤外線センサカバー21における基材の構成に適用されてもよい。
・近赤外線センサ11の送信部15から送信された近赤外線IR1のカバー本体部23,52の各後面での反射が許容できるほど少なければ、反射抑制層35が省略されてもよい。
・樹脂成形時の溶融樹脂44,68の熱、圧力等がヒータフィルム30に及ぼす影響が軽微である場合には、バインダ層29が省略されてもよい。
・近赤外線センサカバー21,51は、近赤外線センサ11が車両10の前部とは異なる箇所、例えば後部に設置された場合にも適用可能である。この場合、近赤外線センサ11は、車両10の後方に向けて近赤外線IR1を送信する。近赤外線センサカバー21,51は、近赤外線IR1の送信方向における送信部15の前方、すなわち、送信部15に対し車両10の後方に配置される。
また、近赤外線センサカバー21,51は、近赤外線センサ11が車両10の前部又は後部の両側部、すなわち、斜め前側部や斜め後側部に設置された場合にも適用可能である。
11…近赤外線センサ、15…送信部、16…受信部、21,51…近赤外線センサカバー、23,52…カバー本体部、24…基材、25…ハードコートフィルム、29…バインダ層、30…ヒータフィルム、32…発熱体、40…金型、41…第1成形型、42…第2成形型、44,68,72…溶融樹脂、54…前基材、55…後基材、56…加飾フィルム、61…一次金型、62…共通成形型、63…一次成形型、65…二次金型、66…二次成形型、69…中間品、IR1,IR2…近赤外線。

Claims (4)

  1. 近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆い、かつ近赤外線の透過性を有するカバー本体部を備え、前記カバー本体部が、樹脂製の基材と、近赤外線の送信方向における前記基材の前側に配置され、かつ前記基材よりも高い硬度を有するハードコートフィルムと、前記送信方向における前記基材の後側に配置され、かつ通電により発熱する線状の発熱体を有するヒータフィルムとを備える近赤外線センサカバーを、第1成形型及び第2成形型を備える金型を用いて製造する方法であって、
    前記第1成形型に前記ヒータフィルムをセットし、前記第2成形型に前記ハードコートフィルムをセットするフィルムセット工程と、
    前記金型を型締めし、前記ヒータフィルム及び前記ハードコートフィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記基材を成形する基材成形工程と
    を備える近赤外線センサカバーの製造方法。
  2. 前記フィルムセット工程では、前記ヒータフィルムとして、前記送信方向における前面にバインダ層が形成されたものが前記第1成形型にセットされる請求項1に記載の近赤外線センサカバーの製造方法。
  3. 近赤外線センサにおける近赤外線の送信部及び受信部を覆い、かつ近赤外線の透過性を有するカバー本体部を備え、前記カバー本体部が、加飾フィルムと、前記近赤外線の送信方向における前記加飾フィルムの前側に配置された樹脂製の前基材と、前記送信方向における前記加飾フィルムの後側に配置された樹脂製の後基材と、前記送信方向における前記前基材の前側に配置され、かつ前記前基材よりも高い硬度を有するハードコートフィルムと、前記送信方向における前記後基材の後側に配置され、かつ通電により発熱する線状の発熱体を有するヒータフィルムとを備える近赤外線センサカバーを、共通成形型及び一次成形型を備える一次金型と、前記共通成形型及び二次成形型を備える二次金型とを用いて製造する方法であって、
    前記共通成形型に前記ヒータフィルムを、前記一次成形型に前記加飾フィルムを、前記二次成形型に前記ハードコートフィルムをそれぞれセットするフィルムセット工程と、
    前記一次金型を型締めし、前記ヒータフィルム及び前記加飾フィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記後基材を成形する後基材成形工程と、
    前記一次金型及び前記二次金型をともに型開きし、前記後基材が前記ヒータフィルム及び前記加飾フィルムに密着してなる中間品が保持された状態の前記共通成形型を、前記一次成形型に対向する位置から前記二次成形型に対向する位置へ移動させた後、前記二次金型を型締めし、前記加飾フィルム及び前記ハードコートフィルムの間に溶融樹脂を充填及び硬化させて前記前基材を成形する前基材成形工程と
    を備える近赤外線センサカバーの製造方法。
  4. 前記フィルムセット工程では、前記ヒータフィルムとして、前記送信方向における前面にバインダ層が積層されたものが前記共通成形型にセットされる請求項3に記載の近赤外線センサカバーの製造方法。
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