JP2021053737A - 動力工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉性を維持しつつ作業性を高めた動力工具を提供する。【解決手段】三相デルタ結線のブラシレスDCモータを収容する金属製のモータハウジング30と、把持部を有するリアハウジング3を有し、リアハウジング3にスイッチ92と、インバータ回路と、制御部を設けた動力工具において、モータハウジング30は、両端が開口した開口部を有する筒状部31を成し、上側の開口部31aはトップカバーによって密閉される。筒状部31の側面には開口部31aから軸方向に延びる細い切欠部33bを形成し、コイル25からの引出線26b、26eを切欠部33bを通してリアハウジング3内に伸ばして、リヤハウジング3内で結線及び接続する。切欠部33bに引出線26b、26eが配置された後には、トップカバーにて切欠部33bの開口側を閉鎖し、隙間を樹脂にて密閉するようにした。【選択図】図20

Description

本発明は動力工具に関するものである。
動力工具が二次電池を用いた電池パックにて駆動されるようになり、コードレス化が益々進んでいる。電池パックは動力工具本体に着脱可能に構成され、放電によって電圧が低下したら電池パックを取り外して、外部充電装置を用いて充電される。例えば、特許文献1ではスピンドルを支持するギヤケースの後方にモータハウジングを設け、収容されるモータの周囲に操作スイッチを配置した動力工具が開示されている。こういった動力工具において、作業者は操作スイッチを操作可能なようにモータの周囲を把持しながら作業を行う。
図25は従来のディスクグラインダ301を示す上面図である。ディスクグラインダ301は、駆動源であるモータ310を収容して成るモータハウジング302を有する。モータハウジング302の後方は、軸線C1に対して径方向に広がる拡径部302cとなり、電池パック200が装着される。また、拡径部302cにはモータ310を駆動するための制御部350が設けられる。モータ310と制御部350の間にはトリガレバー335を有するスイッチ機構が設けられる。スイッチ機構は、モータ310のON又はOFFを切り替えるもので、スイッチ332と、スイッチ332を操作する揺動式のトリガレバー335を含んで構成される。トリガレバー335にはオフロックレバー336が設けられる。
モータハウジング302の前方にはギヤケース303が設けられる。ギヤケース303は、モータ310の回転軸による動力伝達方向を約90度変換する駆動伝達手段を収容する。ギヤケース303にはスピンドル316が回転可能に軸支され、スピンドル316の上端と、モータ310の回転軸は2つの傘歯車306、307によって接続される。スピンドル316の下端には、取付リング346と取付ナット347によって砥石60が固定される。砥石60の後方側の周囲は、金属製のホイルガード345によって覆われる。モータ310とギヤケース303の間には冷却用のファン325が設けられる。モータハウジング302の拡径部302cの側面には、図示しない外気の吸入口が設けられ、モータ310の回転によって吸入口から空気がモータハウジング302の内部に吸引され、モータハウジング302の後方側から前方側に流れ、モータ310の周囲と内部を通って、ファン325付近からギヤケース303側に流れ、ギヤケース303に設けられた排気口から大気中に排出される。
特開2018−140447号公報
図25に示すような従来のディスクグラインダ1では、ブラシレスDCモータは合成樹脂製のハウジング内に配置される、その後方側のリアハウジングに設けられる制御回路基板に配線されている。モータを収容するモータハウジングは開放側の円筒形であって、モータハウジングの後方のリアハウジング側から前方側にかけて冷却のための空気流が流れる構成になっている。そのため、モータハウジングとリアハウジングの内部空間が連通しているのでモータのコイル引出線やセンサ基板への信号線の配線が容易である。発明者は、モータ内部への金属粉の混入によるトラブルを防止するために、モータを密閉式のモータハウジング内に配置すると共に、ハウジング形状を変更した動力工具の実現を検討していたが、密閉式のモータハウジング内にブラシレスDCモータを配置する場合には、コイル引出線やセンサ基板への信号線の配線をどのように引き出すかが問題になることが発明者による検討時に明らかになった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、モータを金属製の密閉ケース内に収容することにより、防塵性を高めた動力工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、モータの結線を密閉ケースの外部に引き出して行うことによりモータハウジングの軸線方向の長さを小さくした動力工具を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、密閉ケースから引き出し配線の作業性を向上させて製造コストを抑制すると共に、密閉性を維持できる配線方法を実現した動力工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、永久磁石を用いたロータと、ステータコアにコイルを巻回したステータと、ロータを保持する回転軸を有するブラシレスモータと、ブラシレスモータを駆動するスイッチと、複数のスイッチング素子を有するインバータ回路と、ブラシレスモータを制御する制御部と、ブラシレスモータとスイッチを保持するハウジングと、を有し、回転軸の回転力によって先端工具が駆動される動力工具であって、ハウジングは、ブラシレスモータを収容する密閉型のモータハウジングを有し、モータハウジングには、回転軸と交差する方向に延びるハンドル部を有するリアハウジングが接続される。インバータ回路からの配線と、ステータコアに保持されたコイルからの引出線は、リアハウジング内で接続されるように構成される。モータハウジングは、両端が開口した開口部を有する筒状部を成し、開口部は第一の蓋部と第二の蓋部によって密閉され、筒状部の開口部から軸方向に延びる細い切欠部を形成し、切欠部に引出線が配置された後に、第一の蓋部にて切欠部の開口側を閉鎖し、引出線と切欠部の間を樹脂にて密閉する。
本発明の他の特徴によれば、永久磁石を用いたロータと、ステータコアにコイルを巻回したステータと、ロータを保持する回転軸を有するブラシレスモータと、ブラシレスモータを駆動するスイッチと、複数のスイッチング素子を有するインバータ回路と、ブラシレスモータを制御する制御部と、ブラシレスモータとスイッチを保持するハウジングと、を有し、回転軸の回転力によって先端工具が駆動される動力工具において、ハウジングは、ブラシレスモータを収容する密閉型のモータハウジングと、回転軸と交差する方向に延びるハンドル部を有するリアハウジングを有し、インバータ回路からの配線と、ステータコアに保持されたコイルからの引出線が、モータハウジングの貫通穴から引き出されてリアハウジング内で接続されるように構成した。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータハウジングは、両端が開口した開口部を有する筒状部を成し、開口部は第一の蓋部(ボトムカバー)と第二の蓋部(トップカバー)によって密閉され、筒状部の開口部から軸方向に延びる細い切欠部を形成した。切欠部に、モータハウジング内部からの引出線が配置した後に、第一の蓋部にて切欠部の開口側を閉鎖し、引出線と切欠部の間を樹脂にて密閉するようにした。モータのステータコアは、3相となるようにコイルが巻かれ、コイルの各相から2本ずつ計6本の引出線(コイルの端部)が切欠部からリアハウジング側に引き出される。コイルはハンドル部の内部でデルタ結線又はスター結線となるように接続される。モータハウジング内には、ロータの磁界を検出するための磁気検出素子と、磁気検出素子を搭載するセンサ基板を収容し、センサ基板からの信号線を引出線と共に切欠部を介してリアハウジング内に引き出されるようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、円筒部に形成される切欠部は周方向に間隔を隔てて複数箇所設けられ、それぞれの切欠部の切り欠き方向が回転軸線と平行となるように配置される。また、モータハウジングは金属製とし、リアハウジングは樹脂製とした。さらに、筒状部の切欠部は、モータの回転軸線方向に見て、開口部からステータの端面と部分的にオーバーラップする位置まで形成されるように構成した。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータハウジングにはハンドル部が接続され、ハンドル部の最大径はステータコアの直径よりも小さくし、ハンドル部はブラシレスモータの軸線方向でステータの端面とオーバーラップする位置関係とした。ハンドル部の内部には、スイッチや制御部を搭載する回路基板が配置され、引出線は、回路基板に接続される。また、引出線の接続部分には、絶縁性の接続部材、例えば熱収縮チューブが設けられる。
本発明によれば、モータハウジンを金属製の密閉構造とした動力工具において、インバータ回路からの配線と、ステータコアに保持されたコイルからの引出線が、リアハウジング内で配線されるので、モータハウジングの大型化を抑制できる。また、コイルをリアハウジング内で結線するので配線作業がやりやすい上に、制御部やスイッチ機構に近い箇所で配線するので、組み立て作業性が大きく向上する。さらに、モータハウジングは金属製であり、リアハウジングは樹脂製であるが、電気的接続を樹脂筐体内部で行うので、電気的接続部から外部に電気が流れにくく、絶縁効果を高くすることができる。
本発明の実施例に係るディスクグラインダ1の縦断面図である。 本発明の実施例に係るディスクグラインダ1の左側面図である。 本発明の実施例に係るディスクグラインダ1の上面図である。 図1のスピンドル17付近の部分拡大図である。 図4のスピンドル17付近の展開図である。 図5のファン50単体の図であり、(A)は底面図であり、(B)は上面図である。 図5のファン50単体の斜視図であり、(A)は下側から見た斜視図であり、(B)、(C)は上側からみた斜視図である。 図1のA−A部の断面図である。 図1のB−B部の断面図である。 図1のディスクグラインダ1の縦断面図のうち、ロータ11を側面図にて示した図である。 図1のステータ20のモータハウジング30への固定方法を説明する図である(その1)。 図1のステータ20のモータハウジング30への固定方法を説明する図である(その2)。 図10と同じ図であり、熱の伝達経路を説明するための図である。 図1のホイルガード65単体の斜視図である。 本実施例の変形例であって、図10のC−C部に相当する断面図である。 図1の回転軸15及び永久磁石13の組み立て方法を説明するための図である。 図16とは別の永久磁石13Aを示す図である。 図17のD−D部、E−E部、F−F部の断面図と、それらの磁束の方向を示した図である。 従来例の永久磁石230の磁束の方向を示した断面図である。 図1のコイル25と引出線26b、26e付近の部分拡大図である。 図20の筒状部31単体の上面図である。 図21の筒状部31単体にステータ20を取り付けた状態の上面図である。 本実施例のディスクグラインダ1の回路図である。 図21の筒状部31からコイル引出線26a〜26fと信号線80a〜80eの引き出し状況を示すモータハウジング30の側面図である。 従来技術に係るディスクグラインダ301の縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後左右、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。本実施例においては、動力工具の一例として電池パックを電源としてモータを駆動し、円盤状の砥石を回転させるディスクグラインダ1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るディスクグラインダ1の縦断面図である。ディスクグラインダ1は、電池パック200の電力を利用してモータ10によって円盤状の砥石60を回転させる動力工具である。本実施例のディスクグラインダ1は、モータ10の配置に特徴があり、砥石60が固定されるスピンドル17に対して同軸上にモータ10を配置し、モータ10の回転軸15にて直接スピンドル17を駆動するダイレクトドライブ方式を採用した。つまり、スピンドル17とモータ10の回転軸15との間には、歯車を用いた減速機構は設けられない。モータ10は、金属製のモータハウジング30の内部に収容される。モータハウジング30には、回転軸線B1に対して直交方向、後方側にかけて、メインハウジング(リヤハウジング)2が固定される。メインハウジング2の中央付近には作業者が片手で把持する把持部(ハンドル部)2bが形成される。メインハウジング2の後方側にはレール機構86を有する拡径部2cが形成され、レール機構86を用いて電池パック200が着脱可能に設けられる。ディスクグラインダ1は、モータ10の回転軸線B1が図1に示す状態では鉛直方向になり、メインハウジング2の中心軸線A1が水平方向になる。尚、本実施例の動力工具(ディスクグラインダ1を含む)において電源は任意であり、電池パック200の代わりにAC電源を用いるようにしても良い。AC電源を用いる場合は、電池パック200の取り付けられる位置に電源コードを接続すると共に、入力された交流電源を整流する整流回路を設けて、整流回路の出力を後述するインバータ回路に供給すれば良い。
モータハウジング30に収容されるモータ10はブラシレスDCモータである。ここでは回転軸15にロータ11が設けられ、外周側にステータ20が設けられる形式である。ロータコア12の外側に円筒状の永久磁石13を有するロータ11を用い、外周側にステータコア21に巻回されるコイル25を配置したステータ20を有する。つまり、モータ10はインナーロータ型のブラシレスDCモータである。ステータコア21は、積層鉄心によって構成され、円筒形のモータハウジング30の内側に固定される。モータハウジング30は密閉式であって、金属製のモータハウジング30を外気で冷却する空冷式とする。ここで、密閉式とは、外部と隔離され、外部との空気交換が完全に、又は、ほぼ行われないようにした構造をいい、ここではモータハウジング30の側面の開口が、モータ10からの必要な配線を通す最小限の通路(配線穴)のみであり、モータハウジング30の内部には冷却用のファンが設けられない構成である。
モータ10の冷却は、モータハウジング30を冷却風で冷却することによって間接的に行う。モータハウジング30は、例えばモータハウジング30の外面に、法線方向に延在する冷却用のフィンを形成することで放熱性を向上させ、外気との接触だけで冷却することも可能である。しかしながら、本実施例ではフィンを設ける代わりに、軸線B1方向に見てモータハウジング30のモータ収容部と砥石60の間に冷却用のファン50を設けた。つまり、密閉空間を構成するモータ収容部の外側部分にファン50を配置した。ファン50は、回転軸線B1方向に見てモータハウジング30と先端工具たる砥石60の間に配置されるもので、本実施例ではファン50の羽根部(図6、図7で後述)の一部がモータハウジング30の下側に延在する延出部の内側に設けられる。ファン50は回転軸15と一体に形成されたスピンドル17に固定されることによって、モータ10の回転と同期して回転する。
メインハウジング2の把持部2bには、パドル式のスイッチ機構91が設けられる。スイッチ機構91は、スイッチ92と、スイッチ92のプランジャ93(後述の図2参照)を押圧するパドルレバー95を含んで構成される。パドルレバー95は揺動軸94を中心にしてわずかな回動角だけ動作し、スイッチ92をオン又はオフするための操作部である。図1の状態は作業時に作業者がパドルレバー95を引いていない未操作状態(モータ10の回転が停止状態)である。ここで特徴的なことは、パドルレバー95を操作した状態において、パドルレバー95の先端部95aがモータハウジング30に近接した位置まで前方に延びていることである。この際、パドルレバー95の先端部95aとホイルガード65の上面との距離が十分確保されているので、作業者は、モータハウジング30に十分近い部分を把持することができる。また、把持部2bのモータハウジング30に十分近い部分把持しても、作業者の指が入るスペースが、回転軸線B1方向に見て把持部2bとホイルガード65の間に十分確保される点である。
メインハウジング2の拡径部2cは、把持部2bに比べて中心軸線A1から径方向外側に広がるように形成され、拡径部2cの内部には制御部70が収容される。制御部70は、制御回路基板72を収納ケース71内に搭載したものである。収納ケース71は、開口面が前方を向いたトレイ状であって、その内部に制御回路基板72が収容され、制御回路基板72には、ブラシレスDCモータ10を駆動するためのインバータ回路や、マイコンを有する演算部等が搭載される。インバータ回路は図では見えない6個のFET(Field Effect Transistor)により構成され、FETは放熱のための冷却フィン74が設けられる。冷却フィン74は所定の肉厚や十分な大きさを有するアルミニウム合金製であり、冷却フィン74はその面方向が中心軸線A1に沿うように配置される。
収納ケース71の後方側であって電池パック200に面する部分には、電池パック200との接続用のレール機構86が設けられ、レール機構86の内側には複数の接続端子87が設けられる。本実施例ではレール機構86が電池パック200の着脱部となるが、その構造は2本の平行する溝部とラッチ機構で構成される。しかしながら、電池パック着脱部の構造は任意であり、レールやレール溝を用いない形状であっても良い。接続端子87の対向する位置には電池パック200側の接続端子(図示せず)が位置する。電池パック200は、電動工具等で広く用いられているものであり、合成樹脂製の上側ケース201と下側ケース202の内部に、複数の2次電池セルを収容したもので、ここではリチウムイオン電池セルを用いている。上側ケース201には図示しないレール機構と図示しない接続端子が設けられる。電池パック200は、下から上方向に相対移動させることによってメインハウジング2に装着される。電池パック200を取り外すときは、ラッチボタン203を押しながら電池パック200を下方向に移動させる。電池パック200の上側中央のメインハウジング2部分には、電池パックサポート部材2dが後方側に突出するように形成される。
スピンドル17と回転軸15は、回転軸線B1方向に並べて配置される。モータ10は回転軸15がメインハウジング2の把持部2bの中心軸線A1と交差する方向、ここではモータの回転軸線B1が、中心軸線A1と直交するように配置される。モータ10の回転軸15の端部は、2つのボール式の軸受38、48によってモータハウジング30に固定される。モータハウジング30は、回転軸線B1に沿って上下に開口面を有する筒状部31と、筒状部31の上側開口を閉塞するトップカバー(上蓋部)35と、筒状部31の下側開口を閉塞するボトムカバー(下蓋部)40によって形成されるもので、密閉式(全閉式)とされる。これらは共に非磁性体の金属、例えばアルミニウム合金によって形成される。上側の軸受38はトップカバー35にて保持され、下側の軸受48はボトムカバー40によって保持される。このように軸受38、48が金属製のモータハウジング30によって保持されるので、強度面だけでなく放熱性の面からも有利である。
コイル25はステータコア21に所定の巻き方で巻かれると共に、ステータコア21の上側及び下側から突出する部分を含めたステータ20の全体を熱硬化性樹脂27にてモールドされる。つまり、ステータ20は樹脂にて浸潤させた後に、硬化された構成である。熱硬化性樹脂27によってコイル25が振動等で動かないように強固に保持されると共に、その外周側にて筒状部31の内壁面に密着させたので、ステータコア21を筒状部31に安定して保持させることができる。また、熱硬化性樹脂27として熱伝導特性の良いものを用いることにより、ステータコア21及びコイル25からの熱を効率的に筒状部31に伝達できるので、モータ10の放熱性を高めることができる。
トップカバー35とコイル25の間には、円環状のセンサ基板28が配置される。センサ基板28は3つのホールIC29(図では1つしか見えない)を搭載するためであって、中央に回転軸15を貫通する穴を有するFPC基板にて構成される。センサ基板28は、回転軸線B1と直交するように配置され、底面側にはホールIC29が永久磁石13の上端面と対向するようにして、回転方向に所定間隔を空けて配置される。センサ基板28の底面側からホールICの出力伝達用の信号線が引き出され、メインハウジング2側へ配線されるが、詳細は図10等を用いて後述する。
ボトムカバー40は、スピンドル17を軸支する軸受48の固定部材として機能する。また、ボトムカバー40の外面側には円筒状のホイルガード取付部46が形成され、ホイルガード取付部46の外周面を用いてホイルガード65が取り付けられる。ボトムカバー40の中央には貫通孔42が形成され、貫通孔42を貫通してスピンドル17が延出する。スピンドル17にはホイルワッシャ62が設けられ、ホイルワッシャ62とホイルナット64で挟持するようにして砥石60がスピンドル17に固定される。回転軸15からスピンドル17への回転力の伝達は、減速ギヤを介さずに行われるので、モータ10の回転時にギヤの噛合いによる動作音を生ずることがない。特に本実施例では回転軸15とスピンドル17が一体で構成されるので、静音化には有利である。また、ギヤの噛合いがないため、動力工具の寿命が長くなる等の複数のメリットが得られる。
砥石60は、例えば直径100mmのレジノイドフレキシブルトイシ、フレキシブルトイシ、レジノイドトイシ、サンディングディスク等であり、用いる砥粒の種類の選択により金属、合成樹脂、大理石、コンクリートなどの表面研磨、曲面研磨が可能である。砥石60の後方側上面、後側面、下面は金属製のホイルガード65にて覆われる。ホイルガード65は、研削された部材や破損した砥粒等の飛散から作業者を保護する保護カバーである。
把持部2bとホイルガード65とは把持部の中心軸線A1方向において部分的にオーバーラップしている。ここでは作業時にパドルレバー95を引く(上方に揺動させる)と、ホイルガード65の上面延長上と把持部2bとの間に、作業者の指の入るスペースが十分確保されるので、作業者は把持部2bの前側の、回転軸線B1近くを把持しながら作業を行うことが可能である。つまり作業者は、従来のディスクグラインダ301(図25参照)よりもスピンドル17の回転軸線B1に近い部分を把持できるので、作業者の把持部分が作業時の砥石60の押し付け箇所(砥石60の先端60a)に近くなり、軽い押し付け力で作業を行うことができる。
メインハウジング2は、4本の図示しないネジによって左右部分が固定され、そのため、右側のメインハウジング2には、ネジボス9e〜9hが設けられる。スイッチ92は鉛直方向に延在するプランジャ93を有し、プランジャ93は図示しないバネによって下方向に付勢される。パドルレバー95の上面には押圧部95bが形成され、押圧部95bがプランジャ93の下端部に接する。パドルレバー95は、図示しないストッパによって図中で反時計回りの揺動角が制限される。パドルレバー95の前方端部付近にはオフロックレバー96が設けられる。作業者がスイッチ機構をオンにするには、オフロックレバー96の下端を前方側に揺動させてパドルレバー95の上端位置を後方に移動させる。この結果、作業者が把持部2bとパドルレバー95を一緒に掴んで上方に移動させるとオフロックレバー96の上端が、把持部2bの底面に形成された穴部2eに入るので、パドルレバー95を上方に回動させることができる。オフロックレバー96は、ねじりコイルばね97によって図中の反時計回りに付勢されるため、作業者がパドルレバー95の操作を解除すると、オフロックレバー96の上端が、穴部2eよりも前側に移動することによって、オフロックレバー96の操作なしでパドルレバー95を上側には操作できないようになり、ロック状態が維持される。
本実施例では、砥石60をダイレクトドライブ方式にて駆動し、モータ10と電池パック200の間に把持部2bを設置したので、把持部2bの太さTが細くなり、製品全長Lが従来のディスクグラインダ301(図25参照)の全長Lよりも短くでき、コンパクトなディスクグラインダ1を実現できた。また、把持部2bの太さTをモータ10の直径D(=モータハウジング30のモータ収容部分の内径)よりも小さくすることができた。なお、本実施例において把持部2bの外形は、断面形状が真円状でも良いし、楕円形状や略多角形状であっても良い。
モータ10で大トルクを効率良く発生するためには、ステータコア21の外径Dを大きくしてステータの長さLを小さくする方がモータ体積の低減の観点では有利であるが、コードレスディスクグラインダの場合は、モータ10の直径Dを小さくしてステータ20の積厚Lを長くし、いわゆる縦長のモータ10とした方が有利である。このようにL>D/2の関係にすることにより、モータ10と電池パック200との間の把持部2b(ハンドル部)を従来よりも高い位置に設置することが可能となったので、作業者が回転軸線B1近くを把持することができるようになり作業性が良くなった。さらに本実施例では、砥石60の駆動に減速機構を持たないダイレクトドライブ方式にしたので、モータハウジング30の径を細くすることが可能になり、切断深さを大きくとれるようになった。
モータ10と電池パック200をつなぐ把持部2bの中心軸線A1は、載置面から十分高い位置に設置されるので作業性が向上する。具体的には、把持部2bの中心軸線A1は、電池パック200の上下方向中心位置よりも上方に位置するようにした。把持部2bの中心位置が電池パック200の中心位置よりも低いと、上方から把持部2bを掴む作業者の腕が電池パック200又は電池パックサポート部材2dと干渉して作業に支障がでる虞があるが、本実施例の構造ではそういった支障が生じにくい。また、把持部2bが高い位置にあると、把持部2bの下方の空間が大きく取れるので、把持しやすくなる上に把持部2bを掴む際に作業者の手指が地面等に接触することを抑制できる。また、ホイルガード65の上面延長面において、PL面からコイル25の下側端部(エンド)高さよりも、把持部2bの下部高さ2f(PL面からの高さ)の方が高くなるので、下方のコイルエンドの周囲が外気によって冷却されやすくできるためモータ冷却性能が向上する。
図2は本実施例に係るディスクグラインダ1の左側面図である。図2の状態ではスイッチ92(図1参照)がオフの状態を示す。メインハウジング2は、中心軸線A1(図1参照)を通る延直面にて左右方向に2分割されるように構成され、複数のネジ5e〜5g等によってメインハウジング2の右側パーツと左側パーツが固定される。また、メインハウジング2の取付部2aは、4本のネジ5a〜5d(図2では5aと5bは見えない)によってモータハウジング30を固定する。モータハウジング30のうち筒状部31の側面部には、上下方向に所定の距離をおいて2カ所のサイドハンドル取付穴7c、7dが形成される。筒状部31の右側側面の同じ位置にも同様にサイドハンドル取付穴7a、7b(図7では見えない)が形成される。メインハウジング2の取付部2aは、主に2つのネジ5c、5dを保持する部分を形成するものであるが、ここではさらに下方向に延在する冷却風遮蔽壁3を形成した。冷却風遮蔽壁3は、把持部2bの下端付近よりも下方に延出する部分であって、冷却風遮蔽壁3を設けたのは作業時において作業者の指がモータハウジング30の後側面に触れないようにするためである。冷却風遮蔽壁3とモータハウジング30は、ネジ5c、5dで固定される部分を除き、非接触状態で隙間4が形成されるように構成され、隙間に空気の流れを許容するように構成される。この空気が流れる隙間4の斜め後方側には、縦方向に並ぶ複数のスリット3a(開口)を形成した。図3ではメインハウジング2の左側側面に形成されたスリット3a群しか見えないが、メインハウジング2の右側側面にも同様にスリット群が形成される。スリット3aを通して隙間4側から冷却風遮蔽壁3の後方に空気が排出されるので、モータハウジング30の外周面を流れる外気の流れが良く。また、モータハウジング30の上側のコイルエンド付近(ステータコア21の上端付近)にも空気が流れるので、モータ10の冷却効率が向上する。
メインハウジング2の拡径部2cの両側側面には、内部と外部を連通させるための風窓88が形成される。風窓88は、内部の制御回路基板72(図1参照)の発熱素子を冷却するために形成されるもので、ここでは風窓88を含む外側部分を覆うように、取り外し可能なメッシュ構造のフィルタ89を設置する。フィルタ89は、金属製又は合成樹脂製のメッシュを合成樹脂製の枠部にてモールドした部材であり、メッシュ部分にて空気の連通を可能にする。
図3は本実施例に係るディスクグラインダ1の上面図である。モータハウジング30は金属製であり、モータハウジング30を保持するメインハウジング2は合成樹脂製であって、これらの2つによりディスクグラインダ1のハウジングが形成される。メインハウジング2の後方側であって、メインハウジング2のうち、モータハウジング30との接続箇所と離れる側(反モータ側)には拡径部2cが形成され、電池パック200が保持される。メインハウジング2は、取付部2a、把持部2b、拡径部2cの3つの主な部位により構成され、これらは左右2分割の合成樹脂の成形によって製造される。メインハウジング2の左側パーツと、右側パーツは中心軸線A1を通る鉛直面にて分割され、固定手段、例えば複数のネジや掛止手段によって固定される。取付部2aは水平方向に軸線を有する複数のネジ5a〜5dの4本のネジ(図では5a、5cしか見えない)によってモータハウジング30と固定される。拡径部2cの上側には、モータ10の回転速度を調整するための速度調整ダイヤル79が設けられる。作業者がディスクグラインダ1を用いて研削または切断作業を行う際には、片手(例えば利き手)で把持部2bを把持しながら行う。従って、把持部2bは、把持しやすいように最適な太さになるように設計される。
モータハウジング30は後側側面の一部だけが合成樹脂製のメインハウジング2にて外周面が覆われるが、放熱性を考慮してメインハウジング2が位置する部分以外は外気に直接晒される状態に置かれる。モータハウジング30のトップカバー35は上面が平坦に形成され、外周縁に沿った4カ所のネジ37a〜37dによって筒状部31(図1参照)にネジ止めされる。ホイルガード65は直径100mmの砥石60よりも大きい半径を有し、砥石60の回転軸よりも後方側の上側及び外周側全体を覆う。砥石60の外周縁とホイルガード65の外周側内壁面の間には必要な空間が存在し、粉塵等でつまらないように構成される。ホイルガード65は、ホイルガード取付部46に固定用のネジ69a、69b(図14にて後述)ネジにて取付けられる。ホイルガード65は、回転軸線B1(図1参照)を中心に揺動させて任意の位置にて固定可能であるし、取外しも可能である。
図4は図1のスピンドル17付近の部分拡大図であり、図5は図4の状態からモータハウジング30のモータ収容部30aよりも下側部分を分解した展開図である。ディスクグラインダ1のモータハウジング30は密閉式とするため、筒状部31の下側開口部31bがボトムカバー40によって閉鎖される。ボトムカバー40には、回転軸線B1付近にスピンドル17を貫通させるための貫通孔42が形成され、貫通孔42の上側部分には回転軸15を軸支するための軸受48が設けられる。ボトムカバー40の上側(内側)中央には、軸受保持筒43が形成され、軸受保持筒43にて軸受48の外輪及び内輪の下面と、外輪の外周面を保持する。ボトムカバー40の内周側には、2カ所のネジ穴44a、44bが形成され、ネジ穴44a、44bに螺合されるベアリング抑えネジ49e、49fの頭部下面が、軸受48の外輪と当接することによって軸受48の軸方向の動きを抑制し、ロータ11の軸方向移動を規制する。このように軸受48を保持するためと、ベアリング抑えネジ49e、49fを螺合させるために、ボトムカバー40は回転軸線B1方向に十分な厚みを有する。
ボトムカバー40は、ホイルガード65を保持するための保持部材としての機能も果たす。そのため、ボトムカバー40の下側には、中心軸線B1方向下側に延出する延出部分、即ち、ホイルガード取付部46が形成される。ホイルガード取付部46は、外周側に円筒面を形成される部分である。従来のホイルガード65の取付部の内側にはスピンドル17だけが位置していたが、本実施例ではホイルガード取付部46の内側部分を利用して、ファン50を配置した。ここではファン50が、ホイルガード取付部46の開口面46aよりも内側(上側)に位置するようにした。ファン50の反モータハウジング側の空間は、円環状の板部を有するホイルガード65によって覆われる。このようにファン50はホイルガード取付部46内に完全に収容されるので、作業者にとってはモータハウジング30のモータ収容部30aの外側にファン50が存在することを全く意図することなく、砥石60を用いた研削作業を行うことができる。ファン50は、スピンドル17にネジ止めされる。スピンドル17の外周面には雄ねじ17aが形成され、ファン50には内周側に雌ねじが形成される。また、ファン50の上端部は軸受48の内輪の下面に当接することにより、ファン50が軸受48の下側を保持する保持部材としての機能を果たす。
ファン50の下側には、ホイルワッシャ62が介在され、その下側にて砥石60を挟むようにしてホイルナット64がスピンドル17にネジ係合(螺合)される。ホイルワッシャ62には内側にスピンドル17を貫通させるための貫通穴62aが形成されるが、貫通穴62aには雌ねじは形成されない。但し、ファン50とホイルワッシャ62が相対回転しないように回り止め機構が形成される。ホイルナット64は、従来のディスクグラインダ301で使われるホイルナット347と同じ部品を用いることができる。ホイルナット64の貫通穴64aには雌ねじが形成されており、その外側に専用の締め付け工具を係合させるための小径孔64b、64cが形成される。
スピンドル17の下端には、六角穴17cが形成される。本実施例のディスクグラインダ1では、砥石60の取り付けの際に、ホイルナット64(図1参照)を緩めるためのスピンドルロック機構を有しないため、スピンドル17の先端の六角穴17cに六角レンチを差し込んでスピンドル17が回転しないように固定することによって、別の専用工具にてホイルナット64の締め付け作業又は緩め作業を行う。ホイルガード65の下側開口面65dは砥石60よりも下側に位置する。砥石60は従来のディスクグラインダ301で用いられているものと同じであり、中央に円板状の取付面61が設けられるが、取付面61は砥石60の外縁部の位置よりも回転軸線B1方向の一方側にオフセットされているので、ホイルナット64を締め付けた後には、ホイルナット64の下面は砥石60の下端位置よりも上側に位置することになる。
図5は図4のスピンドル17付近の展開図である。図5は図4の状態から、ホイルナット64を取り外して、砥石60とホイルワッシャ62を取り外した状態である。作業者による砥石60の交換作業では、ホイルナット64を緩めて取り外して、砥石60とホイルワッシャ62を回転軸線B1方向下方に移動させることで、これらを取り外すことができる。ホイルワッシャ62には、ファン50に形成された二面幅部58a、58b(後述の図6参照)と係合する二面幅部63a、63bが上側に形成される。この際、ファン50はスピンドル17に固定されたままである。図5の状態ではファン50をスピンドル17から取り外した状態を示している。このファン50の取外し作業は、専用の工具を用いてスピンドル17に対するファン50のネジ締めを緩めることで行う。このようにファン50の取外し作業は、モータハウジング30を分解せずに行うことができるので、ファン50の交換や、ファン50を取り外しての清掃等のメインテナンス作業が容易になる。
モータハウジング30の延出部30bはホイルガード65を固定する部分であり、ホイルガード取付部46が形成される。ホイルガード取付部46は円筒状であり、ボトムカバー40と一体に構成される。ホイルガード取付部46の下側には、回転軸線B1と直交する断面形状が円形の開口面46aが形成させる。開口面46aの外縁部分は、下方向から回転軸線B1上方向に、ファン50に向けて空気をスムーズに流すように面取りした傾斜面46bが形成される。傾斜面46bを設けることにより、開口面46aの外縁部分とホイルワッシャ62の外縁位置との間の距離を離すことができるので、ファン50への空気の流入抵抗を低減できる。また、ホイルガード取付部46に締め付けて固定されたホイルガード65の取付リング66、押さえリング68が下方向にずれ落ちないように、ホイルガード取付部46は上側の径が小さく、下側の径がわずかに大きくなるように拡径状に形成される。ホイルガード取付部46の周方向の4カ所には、径方向内周側から外周側に貫通する4カ所の空気穴47a〜47d(図では47dは見えない)が形成される。ここではファン50の回転によって、スピンドル17の下側から上方向に空気が吸入され、ボトムカバー40の底面に沿って径方向内側から外側に流れて、4つの空気穴47a〜47dを通ってホイルガード取付部46の外側に排出される。このような、空気の流れを形成するために、ファン50には径方向外方に向かって送風する遠心ファンが用いられる。
ここで図6及び図7を用いてファン50の詳細形状を説明する。図6は図5のファン50単体の斜視図であり、(A)は下側から見た斜視図である。ファン50には中央の内筒部51から径方向外側に向けて延在する複数の羽根部(フィン)54が形成される。フィン54の径方向外側であって底面側の端部には、円環状の板部55によって連結された形状となる。つまり、径方向に見て内筒部51と板部55の間、周方向に見て隣接するフィン54の間の空間(貫通部)59が、吸引される風の風路となる。内筒部51の下側の端面は円環状の取付面51aとなり、ここに当接するようにホイルワッシャ62が取り付けられる。尚、ホイルワッシャ62がファン50に対して空回りしないように、平行な面取りをした二面幅部58a、58bが形成され、ホイルワッシャ62の対応する平行な二面幅部63a、63b(図5参照)と係合する。
図6(B)(C)はファン50を上側から見た斜視図である。内筒部51は回転軸線B1方向上側まで延びるように配置されるが、内筒部51から径方向外側に所定の空間を隔てるように同心の中筒部53が形成される。中筒部53と内筒部51の間がラビリンス溝57となり、ボトムカバー40の貫通孔42の周囲に形成される円筒部(図5で示すラビリンス筒45)がラビリンス溝57内に収容される。ラビリンス溝57の底面部分は、中筒部53と内筒部51を径方向に連結した円環状の連結部52となっている。連結部52の下側部分には傾斜部56が形成される。傾斜部56は回転軸線B1と平行に下側から上側に吸引される空気の向きを、ファン50の回転力、吸引力によって径方向外側にスムーズに向くようにガイドするために形成される傾斜面である。また、板部55の上側部分は、回転軸線B1と直交面ではなくて、径方向外側に行くにつれて上側に移動するような傾斜面となるように傾斜部55aが形成される。つまり、傾斜部55aと、傾斜部56は、図5のファン50の断面図で明白なように、吸引される空気の流れに沿うようにほぼ平行な円錐面となるように形成される。このようにファン50の周方向に見て隣接する羽根部54の間において、内周側と外周側に軸方向から径方向外方に向かって傾斜する傾斜部55a、56を対向するように形成したので、回転軸線B1方向に見て下側から上側に吸引される空気の方向を、径方向外側に向けてスムーズにガイドすることが可能となる。
図7は図5のファン50単体の図であり、(A)は底面図であり、(B)は上面図である。ファン50はアルミニウム合金等の金属の鋳造品である。(A)の底面図で見ると明らかなように、ファン50の底面側(反モータハウジング側)を部分的に覆う板部55が形成される。板部55は径方向外側に向けて延在する羽根部54の外周側を連結するような円環状であって、上面側に傾斜部55aが形成される。板部55を外周側に設けることによってファン50のイナーシャを確保することができるとともに、径方向外側に送る空気が下側に戻ってしまうことを抑制できる。また、板部55を設けることによって砥石60を用いた切削加工で発生する金属粉などの異物が直接モータハウジング30の底面や羽根部54に当たる虞を削減できる。さらに、板部55を設けたことによって剛性の大幅アップを実現できる。さらに、羽根部54の周囲の軸方向の窪みや貫通部59の大きさが小さくなるので、異物がファン50の内部(羽根部54同士の間)に入りにくくなり、例えば比較的大きいサイズの切削片がファン50によって径方向外側に排出され、加工材に傷をつけるなどの不具合を抑制することができる。
図7(B)において、羽根部54は板部55の上側部分に接触するように配置される。上面視でわかるように、回転軸線B1方向にみた貫通部59の投影開口面積は小さい。ファン50は内筒部51と中筒部53の間が軸方向に向けて下方にくぼむような周方向に連続する溝(ラビリンス溝57)となる。ラビリンス溝57の底面は連結部52によって閉鎖される。ラビリンス溝57の内部には、ボトムカバー40に形成されたラビリンス筒45(図5参照)が位置するが、互いに接触はしない状態でファン50が回転する。このようにラビリンス筒45(図5参照)とラビリンス溝57によるラビリンス機構(ラビリンス部)を形成したので、モータハウジング30の内部に空気や粉塵が入り込むことを大幅に制限することができる。
図8は図1のA−A部の断面図である。延出部たるホイルガード取付部46は、外周側に取付面46cを有する筒状であって、一端(下端)に開口する開口面46aを有する。ホイルガード取付部46の側面には空気穴(通気口)47a〜47dが設けられる。モータ10の回転軸15が回転してファン50が回転すると、ファン50の吸引によって、開口面46aの内側から空気穴47a〜47dに至る冷却風の流れが形成される。ここではスピンドル17、ホイルガード取付部46、ホイルガード取付部46は断面を示し、それ以外のボトムカバー40は、底面を示している。図から理解できるようにボトムカバー40は回転軸線B1と平行方向に向いた4本のネジ49a〜49dによって筒状部31(図4参照)にネジ止めされる。ホイルガード取付部46は、粉塵が軸受48にまで侵入しないように、スピンドル17との隙間を小さくしている。ホイルガード取付部46は円筒状であり、その外周の取付面46cにホイルガード65の上側に形成された取付リング66と押さえリング68(ともに図14で後述)が固定される。ホイルガード取付部46の内側空間は、中空になっている。
以上説明したように、本実施例では金属でモータハウジング30を構成することで、製品を小形化したまま製品バランスの良い手持ち式のディスクグラインダ1を提供できるようになった。また、モータ10の放熱性が良くなるので、製品小形化とモータ防塵性を達成した状態でモータ10を効率良く冷却でき、この結果、モータ10の高性能化を達成できた。さらに、製品の質量バランスが良くなり、ダイレクトドライブ方式の採用によって騒音低減(−15dB)も達成できた。
図9は図1のB−B部の断面図である。図9に示すように、モータハウジング30は、左右両側面に形成された固定部31e、31fにおいてメインハウジング2の取付部2aに形成された当接面8a、8bと密着するように固定される。モータハウジング30の筒状部31の内側断面形状は円形であり、内周面にはステータコア21が挿入される。ステータコア21の隣接するティース21bの周囲には、コイル25とステータコア21を電気絶縁させるためのスロットライナ22を介在させている。モータハウジング30の内部には放熱用のフィン形成されないため、ステータコア21と筒状部31が密接するようにステータコア21の直径D(符号は図1参照)が設定され、ステータコア21から筒状部31への熱の伝達性を向上させている。ステータコア21は積層鉄心によって構成され、外周側の円筒部21aから内側に向けて6つのティース21bを有し、各ティース21bの周囲にコイル25を巻き、コイル25の周囲を熱硬化性樹脂27にてモールドする。ティース21bの先端は、ステータの外周面に沿って周方向に広がる内側磁芯部21cが形成される。回転軸15には永久磁石13を有するロータ11が取り付けられる。ロータ11は、ロータコア12とロータコア12の外周面に設けられる円筒状の永久磁石13によって構成される。永久磁石13は、その内部で磁束が径方向に反転するような磁石であり、ロータシャフトとなる回転軸15に磁束が流れなくなって回転軸15が磁化しにくくなるため好都合である。
筒状部31の後方側と合成樹脂製のメインハウジング2との間は、非接触状態となるように隙間4が設けられる。隙間4は回転軸線B1(図1参照)方向に連通しており、隙間4内を空気がメインハウジング2内を上方向に流れることができる。このように隙間4を形成することで、把持部2bを把持する作業者の手に筒状部31からの熱が伝わりにくくなる。また、冷却風遮蔽壁3は合成樹脂製であって金属に比べて熱の伝導率が小さいので、取付部2aから作業者へ伝わる熱の保護壁となる。
筒状部31の左右両側は、径方向の肉厚が厚く形成され、回転軸線B1方向に連続するキー溝たる凹部32a、32bが形成される。また、ステータコア21の外周の2カ所には、回転軸線B1方向に連続するキー21dが形成される。ここでは円筒部31の凹部32a、32bとの間には隙間形成されるように構成されるが、ここにも熱硬化性樹脂27を充填させることによって、ステータコア21が周方向に回転しないように保持しながらステータコア21から円筒部31への熱伝導性を高めている。
図10は図1のディスクグラインダ1の縦断面図のうち、ロータ11だけ側面図で示した図である。モータハウジング30の延出部30bとなるホイルガード取付部46は、略円筒形であって、金属製のモータハウジング30の筒状部31の下側開口の閉鎖面(ボトムカバー40)と一体に形成される。ホイルガード取付部46にはホイルガード65が取り付けられる。ホイルガード取付部46とモータハウジング30との接続部付近には、排出風を排気するために径方向内側から外側に貫通させる空気穴47a〜47d(図では47c、47dは見えない)が形成される。モータハウジング30の延出部30bは、円筒状の中心線が回転軸線B1と同軸に延びる部分である。この延出方向は、把持部2bの中心軸線A1(図1参照)と直交する方向である。この延出部30bの内部空間にファン50が配置され、ファン50の回転により、砥石60の上のホイルワッシャ62の周囲から上方方向に向けて矢印に示すように空気が吸引される。ファン50に到達した吸引された空気は、羽根部54の回転によって径方向外側に向けて排出され、4つの空気穴47a〜47d(図では47c、47は見えない)から、回転軸線B1から離れる方向に排出される。前方側に存在する空気穴47aから排出される空気は、ボトムカバー40の底面に沿って前方側に排出される。この際、ボトムカバー40に接するように流れて熱を奪うことによりモータハウジング30の冷却に貢献する。図10では見えないが、右側側面に設けられる空気穴47cから右側に排出される空気と、左側側面に設けられる空気穴47dから左側に排出される空気は、空気穴47aから排出される空気と同様にボトムカバー40の底面に沿って右側又は左側に流れ、ボトムカバー40から熱を奪い、モータハウジング30の冷却に貢献する。
メインハウジング2の延出部30bの後方側には冷却風遮蔽壁3が形成される。冷却風遮蔽壁3はメインハウジング2と一体に成形されるもので、合成樹脂製である。モータハウジング30と冷却風遮蔽壁3との間には、空気が流れる隙間4が形成され、隙間4は冷却風遮蔽壁3からモータハウジング30の内部に連通するように掛止される。冷却風遮蔽壁3には、図2に示したように複数のスリット3aが形成され、隙間4からメインハウジング2の外部に至る空気の流れを許容する。ファン50に矢印98aのように流入して、矢印98b、98cのように流れて後方側に存在する空気穴47bから排出される空気は、ボトムカバー40の底面に沿って後方側に流れて、冷却風遮蔽壁3に突き当たる。冷却風遮蔽壁3に突き当たった空気は、上方、右側方、左側方、又は、下方に拡散しながら流れる。モータハウジング30と冷却風遮蔽壁3の間の空間を左右方向に分流して矢印99aのように最下方のスリット3a(図2参照)から排出され、左右及び上方向に流れる空気は、矢印99b〜99eに示すようにモータハウジング30の外周面に沿って上側に流れて、冷却風遮蔽壁3に形成されたスリット3a(図2参照)を通過してメインハウジング2の外部に排出される。尚、ここでは矢印99a〜99eの5カ所の排出風だけを説明したが、図3の側面図のようにメインハウジング2の取付部2aの左右には8カ所ずつのスリット3a(図3参照)が形成される。このように、モータハウジング30の筒状部31の外周面に沿って上方向に流れる空気によって、モータハウジング30が冷却されるため、内部に設けられたステータ20からの放熱をさらに促進する。なお、図2においては、スリット3aから排出される空気を後方への矢印にて表現したが、スリット3aは左右方向に面しているため、スリット3aからの空気は主に左右方向に広がるように排出され、後方に位置する作業者の手に当たりにくいように工夫されている。
モータハウジング30の内部空間からの配線は、筒状部31の側面に形成された切り欠き部33a〜33c(図では33bしか見えない)を介して外部に引き出される。配線(80c、26b等)を配置可能な位置は、トップカバー35の内側底面より下側、かつ、切り欠き部33bの下端位置よりも上側の範囲84だけなる。本実施例ではこの範囲84の内の下側部分、即ち、センサ基板28の下面と切り欠き部33a〜33c(図では33bしか見えない)の下端位置より上側の範囲84a内において、径方向内側から外側に配線(80b、26b等)を引き出すようにした。この配線の引き出し位置のうちコイル引出線(26b等)は、ステータ20の樹脂硬化部分Lの範囲と部分的に又は完全に重なるようにした。この結果、トップカバー35と熱硬化性樹脂27の上端位置との間隔Sを小さくすることが可能となるので、モータハウジング30の回転軸線B1方向の長さを小さくすることができ、コンパクトなディスクグラインダ1が実現できた。
以上、図5〜図9にて説明したように、本実施例では、メインハウジング2と直交するように取り付けられるモータハウジング30の内部にモータ10を収容し、モータハウジング30の外側であって先端工具側に延出する部分、即ちホイルガード取付部46内にファン50を設けた。この構成により、ファン50によって生成された空気流によって、モータハウジング30を効果的に冷却することができる。また、モータ10の発熱部位、特にステータ20からの熱をモータハウジング30を介して放熱できる。さらに、メインハウジング2内からの配線の引き出しを、モータハウジング30の側面の円筒面を貫通するようにして行うので、モータハウジング30の回転軸線B1方向の大きさを小さく構成できた。
図11及び図12は、ステータ20のモータハウジング30の筒状部31への取付手順を説明する図である。図11(A)の上側はステータ20を組み立てた状態を示す側面図である。最初にステータコア21にコイル25を巻くことによってステータ20を組み立てる。コイル25の形成方法は、従来のブラシレスDCモータと同じであって、ステータコア21の上側と下側の端部に合成樹脂製のインシュレータ23、24を装着し、ステータコア21のティース21b(図11参照)の周囲を囲むようにして6つのティース21bに6つの巻回部分(図示せず)を形成する。インシュレータ23、24は、コイル25とステータコア21を電気絶縁させるための非磁性体及び不導体であり、例えば合成樹脂により構成される。インシュレータ23、24の外周側にはステータコア21とほぼ同形の円筒部分が形成され、円筒部分から径方向内側に向かって複数の巻付部が形成される。回転軸線B1の軸方向から見たインシュレータ23、24の投影形状は、ステータ20の投影形状とほぼ同じである。このように合成樹脂製のインシュレータ23、24を設けたあとに、巻回される電線として銅製のエナメル線を用い、上方のインシュレータ23の巻付部から下方のインシュレータ24の巻付部にエナメル線を渡すようにして、下側のインシュレータ24のティース部の周囲を回ることで下方から上方に折り返し、上方のインシュレータ23のティース部の周囲を回るようにして1回巻きを形成し、この巻き方を10〜数十回分繰り返すことで、一つのティースの複数巻きを形成する。ここでは3相デルタ結線とするために、2つのティース分を1本のエナメル線で連続的に形成することにより1相分のコイル25を形成する。このようにして6つのティースを用いてコイルを形成すると、3相分のコイル25が形成され、コイル引出線(26b、26e等)が6本形成される。6本の引出線(図では26bと26eしか見えない)は結線せずに、束ねた状態でコイル25の上端付近から径方向(回転軸線B1と直交方向)に引き伸ばした状態とする。
次に、コイル25を巻回したステータコア21の下側に筒状部31を位置づけて、ステータコア21を筒状部31の内部に挿入する。ステータコア21の大きさは、キー21d(図9参照)の部分を除いて筒状部31の内壁面に良好に嵌合するようにして、筒状部31とステータコア21の芯出しの精度を高めると良い。ステータコア21の外周面の180度対向する位置には2つのキー21d(図9参照)が形成される。一方、筒状部31にはキー21dを収容する縦方向凹部32a(図9参照)が形成されるので、キー21dが凹部32aの内部に収まるようにする。このように筒状部31の内部に、コイル25が巻かれた状態のステータコア21を位置決めし、コイル引出線26b、26e等を切り欠き部33b等の上から下方向に差し込むようにして内側から外側に貫通させる。切り欠き部33bは、隣接する切り欠き部33a、33c(後述する図22、図24参照)と共に、筒状部31の上側開口部31aから回転軸線B1方向下向きに連続するように形成されたものである。このようにして、モータハウジング30の筒状部31に、ステータ20を挿入した状態を示すのが図11(B)である。この状態では、ステータ20は、筒状部31に仮固定されている状態である。
次に、(B)の状態の組立体の下側から凸状の金型160を挿入する。金型160は成形用の型であって、コイル25の周囲に液体の熱硬化性樹脂27を充填して硬化させる際に用いられる治具であり、ロータ11の代わりにステータ20の内側に装着される。ここでは筒状部31の中心軸が、回転軸線B1方向が鉛直に向くように位置づけて、筒状部31下側から上側に向けて上方向に軸部と凸部を有する金型160を挿入して仮固定する。金型160は、台座となる円盤状の太径部161と、太径部161から上側に凸状に形成された円柱状の中径部162と、中径部162の上面162aの軸心位置から上方向に延びる軸状の細径部163とにより構成される。太径部161の上面161aには筒状部31の下側開口部31bが位置づけられる。中径部162は、外周面が筒状部31の内壁に密接し、上面162aがステータ20の下方向位置を決定する。下側のインシュレータ24には、位置決めのためのリブ24aが周方向に複数箇所形成され、リブ24aが上面162aと当接することにより、ステータコア21と筒状部31の位置が正確に位置づけられる。金型160は回転軸線B1を中心に回転対称の形状を持つ治具であり、細径部163はロータ11の収容空間を埋めるために用いられ、中径部162は液状の熱硬化性樹脂27を流す際の底面とするために用いられる。金型160は例えば鋼材で製造され、熱硬化性樹脂27の硬化後は取り外される。尚、図11(C)のように金型160をセットする前に、離型剤等の薬剤を細径部163の外周面と、中径部162の上面に塗布しておくと、硬化後の熱硬化性樹脂27から金型160をスムーズに取り出すことができる。
次に図12(A)のように筒状部31の内部に、上から液状の熱硬化性樹脂27を流し込む。熱硬化性樹脂27は、ステータコア21のコイル25の収容される空間に充填され、その後に冷却される。熱硬化性樹脂27は、硬化後において接着性、絶縁性を有し、十分な強度を持つものである。また、熱硬化性樹脂27は非磁性体であるので、モータ10の発生する磁界にほぼ影響しない。ここでは、特に熱伝導性の高い熱硬化性樹脂27を用いることによって、コイル25やステータコア21で発生する熱を熱硬化性樹脂27を介してモータハウジング30の筒状部31に伝達できるようにした。つまり、コイル25とモータハウジング30の内筒面が熱硬化性樹脂27によって接続されるが、ここでは1.0W/m・K以上の熱伝導性を有する熱硬化性樹脂を用いる。本実施例では特に、2.0〜4.0W/m・K程度のエポキシ系樹脂を用いる。尚、熱伝導率が高いほど冷却効果が高くなるので4.0W/m・K以上のものであれば更に好ましいが、熱伝導率が高くなればなるほど流動性が悪くなるので、流動性(組み立て性)も考慮した上で熱硬化性樹脂27を選択することが重要である。市販されている熱硬化性樹脂27は、マトリックス樹脂にフィラと呼ばれる無機充填材を充填することによって、所望の熱伝導率を達成している。例えば、2.0又は4.0W/m・Kのエポキシ系樹脂では、フィラとして熱伝導率15〜30W/m・Kのアルミナ(Al)が用いられる。
熱硬化性樹脂27によって固める部分は、径方向においてステータコア21のティース21b(図9参照)の最内周位置を結ぶ円筒仮想面から、径方向の外側に位置する空間のすべてである。熱硬化性樹脂27の液体は筒状部31の露出している内壁面にも接する。このように、熱硬化性樹脂27を筒状部31の内部に流し込んで、上側の液面27aがコイル25を完全に埋没させるようにする。この際、コイル引出線26a〜26fの引き出し位置上端位置が、液面内に収まるようにすると良い。尚、熱硬化性樹脂27の上端位置は、コイル25やコイル引出線26a〜26cの取り出し部を完全に埋没させなくても、それらが実質的に動かないように固定されるならば、図12(A)の位置よりも液面27aがわずかに下側であっても良い。以上のように熱硬化性樹脂27を用いることによって、ステータコア21の外周面と筒状部31の内壁面の隙間部分は、熱硬化性樹脂27によって完全に充填され固められる。
次に、図12(A)の状態において、炉の中に入れて約100度に維持することによって熱硬化性樹脂27を硬化させる。この硬化工程は、例えば5時間程度を要する。熱硬化性樹脂27が硬化したら図12(B)に示すように、筒状部31及びステータ20の組立体から金型160を下方向に引き抜く。熱硬化性樹脂27は接着性を有するので、コイル25を含めたステータコア21、インシュレータ23、24は筒状部31に強力に固定されている。このようにしてコイル25は、回転軸線B1方向において一端側(下側)から他端側(上側)までの間を連続的に熱硬化性樹脂27によって覆われる。尚、熱硬化性樹脂27で固めた内周部分27cは、周方向に段差のないスムーズな円筒面となる。下面27b及び上面(液面27a)は、回転軸線B1と直交する面となる。固められた熱硬化性樹脂27は十分に堅く、耐電圧性、耐熱性があるので、コイル25と円筒面31との間を熱伝達用の樹脂により連絡でき、モータ10の耐久性を大幅に高めることができる。
図12(B)の上側の状態の筒状部31及びステータ20の組立体には、その後にセンサ基板28と回転軸15に固定されたロータ11を挿入して、軸受38、48を固定したトップカバー35とボトムカバー40を取り付ける。図12に図示されないセンサ基板28は、上側のインシュレータ23に形成された基板保持リブ23d、23e(図22で後述)によって固定される。その後図示しないトップカバー35とボトムカバー40が筒状部31に固定される。以上の工程によってモータハウジング30の組立体が製造される。この組立体では、筒状部31の後方側にコイルの引出線26a〜26fと、センサ基板28からの信号線80a〜80eが引き出された状態にある。コイル引出線26a〜26fと信号線80a〜80eの先端側の結線や配線は、図20〜図24で後述するようにモータハウジング30の外部であって、メインハウジング2の内側空間にて行われるので、結線や配線のために要するモータハウジング30のスペースを削減でき、モータハウジング30の大型化を抑制できる。
図13は図10と同じ図であり、熱の伝達経路を説明するための図である。ここで示す矢印は、ステータコア21やコイル25から発生した熱が、金属部分を伝達して空気流に放熱される状態を示している。熱の伝達は、発生源から多方面にわたり、金属部分の温度の低い方に伝わる。本実施例のコイル25は、熱硬化性樹脂27によってモータハウジング30の筒状部31に接続及び固定されている。また、熱硬化性樹脂27はコイル25部分を完全に包含するようにして硬化されるので、ステータコア21やコイル25から発生した熱は筒状部31にすぐに伝わる。筒状部31は外気に晒されているので、筒状部31自体で放熱効果を有するが、熱は温度の低いボトムカバー40側に伝達する。ここでは熱硬化性樹脂27の下端位置が、ボトムカバー40やボトムカバー40に設けられるベアリング抑え用ネジ49e、49fに近接して対面するように設置されるので、熱硬化性樹脂27から円筒部31を介してボトムカバー40への放熱性が向上する。ボトムカバー40には下方に延出する部分たる円筒状のホイルガード取付部46が形成され、そこにホイルガード65が取り付けられる。
ホイルガード65は薄い鉄板で形成される上に表面積が広いため放熱効果が高く、その温度は筒状部31やホイルガード取付部46に比べて外気温に一番近い。そのため、ボトムカバー40に伝達された熱は、ホイルガード65に伝達される。このように、モータ10で発生した熱がホイルガード65に伝達して、その過程において熱が効果的に放出される。また、ホイルガード65の内部では砥石60が高速回転するので、作業中において砥石60が起こす風がホイルガード65を効果的に冷却する。さらには、スピンドル17と同軸に設けられ、モータ10の回転に伴い回転するファン50を設けたので、ファン50の生成する空気の流れによって筒状部31→ボトムカバー40→ホイルガード65へと伝達される熱の伝達経路の途中で、効果的に外気中に放熱できる。尚、図13では筒状部31から下方に向かう熱を矢印にて示したが、筒状部31よりトップカバー35側の温度が低い場合はトップカバー35側に熱が伝わり、トップカバー35から放熱される現象も生ずる。
コイル引出線26b等と信号線80c等は、センサ基板28の下面と切り欠き部33bの下端位置の間の範囲、即ち図中の“配線引き出し範囲”と記載した部分で外部に引き出される。尚、熱硬化性樹脂27の上面よりも上側の切り欠き部33a〜33c部分は、トップカバー35を被せたままでは開口する部分を残す状態になる。そのため、点線85で示す付近において樹脂を充填することによって、密閉性を確保する。尚、点線85の樹脂(第2の樹脂)は熱硬化性でなくても、良好な密閉性と耐久性さえ確保できれば良いので、熱硬化性樹脂27とは別の樹脂を塗布すれば良い。もちろん、熱硬化性樹脂27を用いて密閉するようにしても良い。切り欠き部33a〜33cの下端位置は、熱硬化性樹脂27の上端位置よりも下側に位置する。従って、配線引き出し範囲とステータ20の樹脂硬化部分Lの回転軸線B1方向の範囲は、部分的にオーバーラップする位置関係になる。
図14は図1のホイルガード65単体の斜視図である。ホイルガード65は十分な強度を有するように金属製とし、ここでは鉄板をプレス加工することによって製造される。ホイルガード65の目的は、スピンドル17を中心に回転する砥石60の回転範囲の約半分を覆うようにしたもので、外部から砥石60に触れることができないようにするカバーの役割と、砥石60で発生する切削粉が作業者側に飛散しないようにガードする役割を果たす。ホイルガード65は、半周分の取付リング66から水平状に延在する拡径上面65aと、拡径上面65aの外縁部から下方に延在する、半円筒状の外筒面65bと、外筒面65bの下側開口部を内側に向けてやや折り返した折り返し部65cを有する。これら取付リング66、拡径上面65a、外筒面65b、折り返し部65cは金属板のプレス加工で形成できる。取付リング66の周方向の両端部には、ナット67a、67bが溶接される。押さえリング68は、半周分の取付リング66に対応する部品であり、周方向両端部に折り曲げ部と貫通穴を有し、貫通穴にネジ69a、69bがと通される。取付リング66と押さえリング68をホイルガード取付部46の外周側に配置させた上でネジ69a、69bをナット67a、67bに螺合させることによって、ホイルガード65をボトムカバー40のホイルガード取付部46に固定する。
以上説明したように、本実施例のディスクグラインダ1では、スピンドル17には円形の先端工具(砥石60)が装着され、砥石60は部分的に保護カバー(ホイルガード65)によって覆われる。モータハウジング30は、ホイルガード65を固定するための支持部(ホイルガード取付部46)を有し、ファン50は、スピンドル17に固定される基台部(内筒部51、連結部52)と、基台部から径方向に延在する羽根部54とを有し、支持部の内部に羽根部54の少なくとも一部が位置するように配置される。この構成によって、モータハウジング30の内部に冷却のための空気を流すことなく、モータ10を効果的に冷却できるので、密閉式のモータハウジング30を有する動力工具を実現できた。さらに、ステータコア21とコイル25を熱伝導性の高い熱硬化性樹脂27によって強固に固定するので、筒状部31への良好な熱伝導性を実現でき、振動に強く、信頼性及び寿命を大幅に向上させることが可能となった。
次に図15を用いて、本実施例の変形例を説明する。図15は図1のB−B部に相当する部分の水平断面図である。ここでは、ステータコア21の隣接するティース21b間の空間であって、熱硬化性樹脂27によって充填される部分に、軸線方向に延びる金属製のスペーサ127を挿入したものである。スペーサ127は、ステータコア21の発生する磁界に影響を与えないように、非磁性体とすることが好ましい。また、放熱性の良い熱硬化性樹脂27よりも更に良好な熱伝導特性を有する材質とすることが好ましい。ここではスペーサ127として、アルミニウム合金製の板状のブロックを用い、図11(C)の工程で示す熱硬化性樹脂27を充填する前にティース21bの間にスペーサ127を配置して、又は、図12(A)で示した熱硬化性樹脂27の充填を完了する前に、熱硬化性樹脂27の中にスペーサ127を差し込むようにして、その後に熱硬化性樹脂27を規定位置まで充填する。この変形例のスペーサ127を用いることによって必要な熱硬化性樹脂27の充填量を節約できる。また、熱硬化性樹脂27よりも熱伝導特性に優れたスペーサ127を用いることによって、ステータ20から筒状部31への熱伝導性をさらに向上させることができる。尚、スペーサ127は金属製だけに限定されない。良好な熱伝導特性を有する材質であって、非磁性体であれば、セラミックなど他の部材であっても良い。
図16は図1の回転軸15及び永久磁石13の組み立て方法を説明するための図である。本実施例ではロータ11に取り付ける永久磁石として、円筒形の永久磁石13を用いる。また、永久磁石13の着磁方向に特徴を有する“極異方性磁石”を用いるようにして、永久磁石13の内側に位置する回転軸15が磁化されにくいように構成した。ロータシャフトとなる回転軸15の下端部には、出力軸たるスピンドル17が接続される。回転軸15とスピンドル17は別体品として、接続継手を用いたり、嵌合部による接続をしたりしても良いが、本実施例は回転軸15とスピンドル17を金属の一体品にて製造した。本実施例では回転軸15とスピンドル17部分はともに鋼材によって製造されるため、従来の永久磁石を用いると、永久磁石の発生する磁束が回転軸15の内部に到達するため、回転軸15やスピンドル17が着磁されてしまう虞がある。ディスクグラインダ1では、先端工具としてスピンドル17に砥石60を装着して鉄を研磨する作業を行うことがあり、鉄粉などが飛散した際にスピンドル17が着磁された状態であると、特にスピンドルの先端部(下端部)に鉄粉が吸着されてしまう。このスピンドル17を着磁させる磁界は、永久磁石13によるものであり、モータ10の回転停止後も消失しない。従って、スピンドル17に吸着された鉄粉はついたままとなり、動作上好ましくない。そこで、本実施例のロータ11では、永久磁石13として従来から用いている径方向に磁束が貫通する永久磁石230(図19で後述)に替えて、径方向に向かって直線的に磁束が貫通しない極異方性磁石131〜133を用いるようにした。
永久磁石13(131〜133)は、それぞれ円管形状であり、ロータコア(又はスリーブ16)を磁路として利用しない磁路を形成した。磁路は、径方向外側から内側に向かい、内側で反転して、再び径方向外側へ向かうように着磁される。永久磁石13は三分割で構成される。理想的には、永久磁石131〜133を一体に構成したような軸線方向に十分長い極異方性磁石を用いるのが好ましい。しかしながら、永久磁石131〜133は型を用いて磁石を焼き固めるようにして製造するという特殊な製造方法のため、円筒部の長さが長くなると磁束をそろえるように焼結できない。また、理想的な磁束を有する磁石が製造できても、軸方向に長い極異方性磁石を製造する場合には製造コストが大きく上昇してしまう。そこで本実施例では3つの小さな永久磁石131〜133を軸線方向に並べて配置するようにした。例えば軸方向長さが17mmの永久磁石131〜133を3つ用いることによって軸線方向に51mmの永久磁石13を実現できた。
モータ10の回転軸15は、永久磁石13の内側に位置する主軸部15aの両端に2つの軸受保持部15c、15dを形成したものである。上側の軸受保持部15dの外周面には、ボール式の軸受38(図1参照)の内輪に固定され、軸受38を介して回転軸15の上端はトップカバー35にて軸支される。下側の軸受保持部15cは、ボール式の軸受48(図1参照)の内輪に固定され、軸受48を介して回転軸15の下側はボトムカバー40にて軸支される。回転軸15の下側には出力軸部となるスピンドル17が形成される。本実施例のディスクグラインダ1では、モータ10の回転軸15に、先端工具を回転させるためのスピンドル17を減速機構なしでダイレクトに接続する。そのため、本実施例では回転軸15とスピンドル17が金属の一体品で製造できる。回転軸15は金属の鋳造品を切削することによって、主軸部15a、太径部15b、軸受保持部15c、15dが形成される。尚、切削加工の容易さの関係上、主軸部15aと軸受保持部15dの間、及び、太径部15bと軸受保持部15cの間に周方向に連続する円周溝15f、15eが形成されるが、これらの溝の形成は必須ではない。
スピンドル17の外周面には、雄ねじが形成された雄ねじ部17aとなっている。ここではファン50(図7参照)の内周面に雌ねじが形成され、ホイルナット64(図5参照)の貫通穴の内周面に雌ねじが形成され、これら雌ねじ部が雄ねじ部17aと螺合する。尚、ホイルワッシャ62(図5参照)は、貫通穴にねじ部が形成されないので、スピンドル17の軸方向に摺動可能なように構成されている。スピンドル17と軸受保持部15cの接続部には、周方向に連続する円周溝17bが形成されるが、これも切削加工、ねじ切り加工の便宜上形成されるものである。
回転軸15の主軸部15aには、円筒形のスリーブ16が設けられる。スリーブ16は、主軸部15aと永久磁石13の間の空間を埋めるために設けられるもので、ここでは非磁性体の金属、例えばアルミニウム合金にて製造され、主軸部15aに圧入されるか、又は/及び、接着により固定される。スリーブ16の外周面には、3つの永久磁石131、132、133が軸方向に挿入され、スリーブ16の外周面と永久磁石131、132、133の内周面が接着剤にて固定される。永久磁石131、132、133の外周面の一カ所には、それぞれの周方向の磁極の位置が一致するように、着磁基準位置を示す基準線131a、132a、133aが印字されている。これら基準線は、永久磁石131、132、133の4組存在するS極とN極の境界位置のうちの一つを示す線であり、この線を回転軸線方向に並ぶように合わせることよって、3つの永久磁石131〜133の磁極位置が一致する。
図16の左側の状態から、スリーブ16に永久磁石131〜133を固定した状態が右側の図16(B)である。一番下側の永久磁石133の底面側、即ち、スピンドル17に近い側の端面は、円環状に形成されたバランサー14によって位置決めされる。バランサー14は、スリーブ16と131〜133が固定されたロータ11の回転バランスをとるために回転軸15に取り付けられるもので、真鍮製の別体部品である。回転軸15にスリーブ16と永久磁石131〜133を固定した後に、これら組立体を回転させて、にバランサー14の外周面に形成された円周溝14aの任意の箇所を図示しないドリルの先端にて径方向にわずかな窪みを形成することでロータ11の回転バランスをとる。回転バランスの取り方は、公知のロータの調整方法と同じであり、ドリル溝の数、位置、直径、溝の深さ等で調整する。
図17は図16の永久磁石13の変形例を示す図である。ここでは永久磁石134〜136の3つを取り付ける点や、永久磁石134〜136が周方向に8極の極異方性磁石である点は図16に示した永久磁石131〜133と同じである。唯一の違いは、永久磁石134〜136の端部の外周面に、位置決めのための凹部134a〜136aと凹部134b〜136bをそれぞれ形成した点である。このように永久磁石131〜133の外観の変化、例えば凹凸などの形状の変化、色彩の変化等によって永久磁石134〜136の位置合わせをしやすく構成しても良い。尚、凹部134a〜136a、凹部134b〜136bはいずれも永久磁石134〜136の製造工程にて設けられるものである。
図18は図17のD−D部、E−E部、F−F部の断面図と、それらの磁束の方向を矢印で示す図である。極異方性磁石は、磁壁部分には径方向に所定の厚みがあり、磁区間の磁化方向を磁壁内ですこしずつ反転させて向きを約180度変えるようにしたものである。ここでは、外から内側に磁力線が向かうS極と、内側から外側に磁力線が向かうN極が、8つ設けられるものである。つまり外周面だけで見た場合は、S曲とN極が周方向に計8つ存在する。磁石131〜133は、磁石の外周側から内周面に到達する前に、磁石の内部で外側から外側に磁束の向きが反転するため、永久磁石131〜133の内周側に磁界が作用しない。また、ロータコア12部分(図16参照)や回転軸15部分(図16参照)を磁束が通らないため、磁界が磁性体を通過する際に発生する磁束の減衰がなくなる。
図19は従来例の永久磁石230の磁束の方向を示した断面図である。従来例の永久磁石230では、S極では磁束の方向が径方向外側から内側に貫通するように、N極では磁束の方向が径方向内側から外側に貫通するように磁化される。このため磁石230の内側に位置する回転軸又はスリーブを磁性体で形成して磁路とすることが必要となる。通常、ロータコア部分に磁界が伝わると、コア部分は磁気抵抗を持っているので、そこで磁束が減ってしまう。磁束量が減ると必要なモータ出力を得るために、大きな磁石を使う必要が生じるため、モータが必然的に大型化してしまう。一方、減衰する磁束量が少ないとモータを大型化しなくても済む。従来の磁石のタイプでも強力な永久磁石があったが、従来タイプで磁力を強力にすると回転軸が磁化されてしまうという問題が生じていた。本実施例では外周面から径方向内側に向かう磁力線が、内周面に至る前に反転するように磁化される極異方性磁石を用いることで、スリーブ16をアルミニウム合金製とすることができた。また、回転軸15やスピンドル17が磁化されることが大幅に抑制され、出力軸たるスピンドル17の先端に鉄粉が吸着しなくなり、信頼性を高めた動力工具を実現できた。
次に図20〜図22を用いて、コイル25からの引出線をモータハウジング30の外部に配線する方法を説明する。図20は図1のコイル25の引出線26b、26e付近の部分拡大図である。本実施例のディスクグラインダ1では密閉式のモータハウジング30を用いるために、コイル25からの引出線26a〜26cの配線と、センサ基板28からの信号線80a〜80eの取り回しが問題となる。減速機を介さず砥石などの略円板を回転する手持ち動力工具は、小形になり、ハンドルが細く握り易く、低騒音、長寿命などの多数のメリットが得られる。この場合、モータ10の出力だけで大トルクを発生させるように構成すると、コイル25に流す励磁電流の増加が必要となり、コイル25とインバータ回路73を接続するコイル引出線26a〜26cを大電流対応のため太くしなければならない。太いコイル引出線26a〜26cを用いる場合に、コイル25のコイル引出線26a〜26cをモータハウジング30の内部で結線すると、結線箇所のスペース、特にリード線や絶縁チューブ等の設置スペースを確保するためにモータハウジング30を大きくしなければならない。
本実施例では、モータハウジング30の筒状部31に、コイル引出線26a〜26cの固定用の切り欠き部33a〜33c(図では33bしか見えない)を設け、コイル引出線26a〜26c(図では26b、26eしか見えない)をメインハウジング2側に引き出してから結線し、インバータ回路73からの配線83a〜83c(図では83bしか見えない)と接続をするようにした。配線の手順としては、コイル25の各相2本のコイル引出線を、メインハウジング2内で束ねる(結線する)。束ねた2本のコイル引出線3つ(3相分)を、インバータ回路73からの配線3本に、それぞれ接続する(結線する)。デルタ結線の場合は、中性点作成のための結線は行わない。このように本実施例では、モータハウジング30の外側部分、即ち、メインハウジング2の内部にてコイル25とインバータ回路73を電気的に結線した。また、センサ基板28からの配線も、モータハウジング30の外側部分にて、制御回路基板72側と配線するようにした。本実施例の構成によってモータハウジング30の回転軸線B1方向の大型化を抑制することができ、ディスクグラインダ1の全高を低減できるという効果が得られる。
コイル25の引出線26a〜26f(図20では26b、26eしか見えない)は、モータハウジング30の切り欠き部33a〜33c(図では33bしか見えない)から外部に引き出された場所であって、メインハウジング2の余剰スペースの大きい部分にて接続される。ここでは、ネジボス9eと把持部2bの上側壁面との間を利用して、引出線26b、26eがV相出力線83bと結線される。その他、後述するが引出線26a、26c〜26d、26fも同様に出力線83a、83cと接続される。これらの結線は、ハンダ付けするか、又は、圧着端子を用いることができるが、結線された配線同士の物理的接続状態と、導電状態を長期間安定して維持できるならば、結線の方法は問われない。図20では半田付けによる結線に加えて、結線箇所に熱収縮チューブ82a〜82c(図では82bしか見えない)を被せるようにしているが、熱収縮チューブ以外の接続部材によって絶縁性を達成しても良い。
モータハウジング30の筒状部31の側面には、引出線26a〜26fを通す切り欠き(スリット)33a〜33cが設けられる(図では33a、33cは見えない)。切り欠き部33a〜33cは、筒状部31の径方向内外面だけでなく、上側開口部31aに接するような開口を有する。開口部31aは、トップカバー35によって閉鎖される。つまり、筒状部31にトップカバー35が取り付けられると、切り欠き部33a〜33cは上側部分がふさがれるため貫通穴と同等の形状になる。この配線を通す貫通穴の位置は、図10で説明したようになる。つまり、ステータ20の上側端面となるコイル25の上端位置よりも、切り欠き部33a〜33cの下端位置が下側になるように形成される。このような位置関係とすることにより、引出線26a〜26fをモータハウジング30内からメインハウジング2側に通しやすい位置関係とすることができた。また、切り欠き部33a〜33cの内側部分、又は/及び、外側部分には樹脂85(図13参照)を塗布することによって防水性、密閉性を向上させる。そうすれば切り欠き部33a〜33cを介しての水や空気の流通を抑制できるので、モータハウジング30の密閉性を確保できる。
図21は図20の筒状部31単体の上面図である。筒状部31の内側には、ステータコア21のキー21dが挿入するために回転軸線B1と平行に延びる凹部32aが形成される。また、ステータコア21の外周面との間に所定の隙間を形成して、熱硬化性樹脂27を充填することによってステータコア21と筒状部31との接着力を高めるための凹部32bが2カ所形成される。凹部32bは断面形状が半円状であり、回転軸線B1と平行に連続する。筒状部31の周方向の4カ所には、ネジ穴34a〜34dが形成される。
筒状部31の上側開口部31aから下方向に向けて延びる3カ所の切り欠き部33a〜33cが形成される。切り欠き部33a〜33cはドリルなどで形成される横穴として形成されるのではなく、上側から下側に向かうスリット状に形成されるので、コイル引出線26a〜26fを直交方向に配置して上側から下側にはめ込むように移動させるだけで良いので、モータハウジング30の組立性がきわめて良くなる。また、コイル引出線を位置決めする配線溝、即ち切り欠き部33a〜33cが複数設けられるので、液体の熱硬化性樹脂27を筒状部31内に満たすときに、コイル25が動きにくく、組み立て作業が容易となる。切り欠き部33a〜33cの周方向に見た幅Wは、コイル引出線26a〜26fの直径に、組み立てのためのわずかな隙間を加えた程度の必要最小限の幅Wとする。例えば、コイル引出線26a〜26fの直径をDとしたら、D≦W<1.5×Wの範囲とすれば良い。コイル引出線26a〜26fには、エナメルワニスを焼き付けた被膜、又は、樹脂製の被膜が形成されるが、切り欠き部33a〜33c内で容易に動かないようにすることが断線を防ぐために重要である。このようにして6本のコイル引出線26a〜26fを引き出した状態を示すのが図22である。
図22は図21の筒状部31にステータ20を取り付けた状態の上面図であって、図12(B)の状態の上面図でもある。筒状部31の内側にはステータコア21(図では見えない)と、下側のインシュレータ24(図では見えない。図12参照)と、上側のインシュレータ23が収容される。ここでは、コイル25の巻かれているコイル本体部分の詳細図示は省略し、引出線26a〜26f部分の図示をしている。上側のインシュレータ23には、ステータコア21の断面形状と同じ断面形状を有するように、径方向の形状が決定される。インシュレータ23には、センサ基板28(図20参照)を保持するための2カ所の基板保持リブ23d、23eが設けられる。基板保持リブ23d、23eは、センサ基板28をロータ11の永久磁石13から所定の距離を隔てる位置に保持するための取付基台であり、ネジ止めするためのネジ穴を有する。
ステータ20にはコイル25が巻かれているので、各ティース部分から3相分、計6本のコイル引出線26a〜26fが引き出される。ここでは、切り欠き部33aにU相用のコイル引出線26a、26dが配置され、切り欠き部33bにV相用のコイル引出線26b、26eが配置され、切り欠き部33cにW相用のコイル引出線26c、26fが配置される。コイル引出線26aと26dは、インバータ回路のV相出力線83aとハンダ付け等で接続される。結線箇所においては、熱収縮チューブ82aを被せることにより絶縁する。同様にして、コイル引出線26bと26eは、インバータ回路のW相出力線83bと接続し、熱収縮チューブ82bを被せる。コイル引出線26cと26fは、インバータ回路のW相出力線83cと接続し、熱収縮チューブ82cを被せる。
図23は本実施例のディスクグラインダ1のモータ10の駆動制御系の回路図である。この回路図で示すインバータ回路73、定電圧電源回路77、演算部75は同一の制御回路基板72(図1参照)に搭載される。電池パック200の出力はインバータ回路73に入力される。インバータ回路73は6つのスイッチング素子Q1〜Q6を含んで構成され、演算部75からの指示によって制御信号出力回路76から供給されるゲート信号H1〜H6によってスイッチング動作が制御される。インバータ回路73は、3相ブリッジ形式に接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6を含んで構成される。ここで、スイッチング素子Q1〜Q6は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いても良い。
インバータ回路73の6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレイン又は各ソースは、デルタ接続されたコイル25のU相、V相、W相に接続される。スイッチング素子Q1〜Q3のドレイン端子が電池パック200の正極側に共通に接続されている。一方、スイッチング素子Q4〜Q6のドレイン端子はモータのV相、U相、W相の端子にそれぞれ接続される。ここではコイル引出線26a、26dは結線点81aにてU相出力線83aに接続され、コイル引出線26b、26eは結線点81bにてV相出力線83bに接続され、コイル引出線26c、26eは結線点81cにてW相出力線83cに接続される。
モータ10のステータ20の内側では、永久磁石13を有するロータ11が回転する。ロータ11の永久磁石13の位置を回転位置検出素子たる3つのホールIC29にて検出することにより演算部75はモータ10の回転位置を検出することができる。
演算部75は、モータのオン・オフ及び回転制御を行うための制御手段であって、マイコンを内蔵して構成される。演算部75は、モータ10のオンオフ用のスイッチ92の操作に伴って入力される起動信号と、速度調整ダイヤル79によって設定された可変抵抗の信号に基づき、モータ10の回転速度を制御し、コイルU、V、Wへの通電時間と駆動電圧を制御する。演算部75は、インバータ回路73の6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートに出力される駆動信号H1〜H6を制御するための信号を制御信号出力回路76に出力する。
スイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路76から入力される駆動信号H1〜H6に基づきスイッチング動作を行い、電池パック200から供給された直流電圧を、3相(U相、V相、W相)電圧Vu、Vv、Vwとして、モータ10に供給する。モータ10に供給される電流の大きさは、電池パック200とインバータ回路73との間に接続されたシャント抵抗78の両端の電圧値を検出することにより演算部75によって検出される。演算部75には、モータ10の設定回転に応じた所定の電流閾値が予め設定されており、検出した電流値が閾値を超えると、モータ10の駆動を停止すべく、インバータ回路73のスイッチング動作を停止させる。これにより、過電流がモータ10に流れることによる焼損等の発生が防止される。
定電圧電源回路77は、電池パック200の出力側に直接接続され、マイコン等により構成される演算部75への安定化した基準電圧(低電圧)の直流を供給するための電源回路である。定電圧電源回路77は、ダイオード、平滑用の電解コンデンサ、IPD回路、レギュレータ等を含んで構成される。
図24は図21の筒状部31からコイル引出線26a〜26fと信号線80a〜80eの引き出し状況を示すモータハウジング30の側面図である。前述したように、コイル25からの引出線(コイル引出線)は6本であり、2本ずつが切り欠き部33a〜33cの底面側からそれぞれ配置される。ホールIC29からの信号線は、3つのホール素子からの信号線80a〜80cの3本と、図23の回路図には図示されていない共通の電源用の信号線80dとグランド用の信号線80eの計5本となる。ここでは中央の切り欠き部33bに1本の信号線80bを配置し、残りの切り欠き部33a、33cに2本ずつの信号線80a、80c〜80eを配置する。このように切り欠き部33a〜33cに配線した後に、点線85で示す箇所に、円筒部31の内側から樹脂を充填することによって切り欠き部33a〜33cの引出線が位置しない残りの空間を密封する。最後に、筒状部31の上側開口部31aにトップカバー35を被せることによって切り欠き部33a〜33cの上端開口を閉鎖する。トップカバー35には点線で示すように中挿部36が設けられるので、切り欠き部33a〜33cの上端は確実に閉鎖される。また、切り欠き部33a〜33cのコイル引出線や信号線の位置しない空間は、樹脂85によって塞がれる。尚、樹脂85は、密閉性を保つことが目的であり、熱伝導性を有する必要性は低い。従って、熱硬化性樹脂27とは別の、熱伝導率の低い樹脂(第2の樹脂)を用いるようにしても良い。
以上のように、コイル引出線26a〜26fのデルタ結線用の結線処理と、インバータ回路73(後述の図23参照)への接続をモータハウジング30の外部で行うので、モータ10の組立性が大変良くなる。また、メインハウジング2の内部で結線を行うことによりモータハウジング30内部の結線用の必要空間を節約できる。さらに、メインハウジング2は左右分割式であるので、片側のハウジング内でコイル引出線26aから26fの結線を行うと共に、その他の配線やインバータ回路73、スイッチ92等を配置し、その後にもう一方のハウジングを被せてネジ5e〜5g等で固定すれば良いので、結線のために特殊な工程が不要となり、動力工具の組立効率が良い。さらに、電気的接続を金属製のモータハウジング30内部ではなくて、樹脂製のメインハウジング2の内部で行っているので、接続部分からモータハウジング30に電気が漏電する虞がなくなり、信頼性が向上する。
以上のモータハウジング30からのコイル引出線の配置方法は、本実施例のようなダイレクトドライブ方式の動力工具であることを前提要件とはしない。例えば、モータの形状はブラシレスDCモータであるか否かは問わず、その他のモータの形式であっても、密閉式のモータハウジング30の外部にコイルの引出線やモータ及びモータ周辺回路への電源線や信号線を延在させて、メインハウジング2内で配線しても良い。そのように構成することにより、モータハウジング内部の収容空間を小さくすることができるという同様の効果が得られる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の例では動力工具の一例としてディスクグラインダにて説明したが、ディスクグラインダだけでなく、円盤状の先端工具を用いるポリッシャや切断機等にも同様に適用できる。
1 ディスクグラインダ 2 メインハウジング(リアハウジング)
2a 取付部 2b 把持部(ハンドル部) 2c 拡径部
2d 電池パックサポート部材 2e 穴部 3 冷却風遮蔽壁
3a スリット 4 隙間 5a〜5g ネジ
7a〜7d サイドハンドル取付穴 8a、8b 当接面
9e〜9h ネジボス 10 モータ 11 ロータ
12 ロータコア 13、13A 永久磁石 14 バランサー
14a 円周溝 15 回転軸 15a 主軸部 15b 太径部
15c 軸受保持部 15d 軸受保持部 15f 円周溝
16 スリーブ 17 スピンドル(出力軸部) 17a 雄ねじ部
17b 円周溝 17c 六角穴 20 ステータ 21 ステータコア
21a 円筒部 21b ティース 21c 内側磁芯部 21d キー
22 スロットライナ 23 インシュレータ(上側)
23d、23e 基板保持リブ 24 インシュレータ(下側)
24a 位置決め用リブ 25 コイル 26a〜26c コイル引出線
27 熱硬化性樹脂 27a 液面 27b 下面
27c 内周部分 28 センサ基板 29 ホールIC
30 モータハウジング 30a モータ収容部 30b 延出部
31 筒状部 31a 上側開口部 31b 下側開口部
31e 固定部 32a、32b 凹部 33a〜33c 切り欠き部
34a〜34d ネジ穴 35 トップカバー 36 中挿部
37a〜37d ネジ 38 軸受 39 スロットライナ
40 ボトムカバー 42 貫通孔 43 軸受保持筒
44a、44b ネジ穴 45 ラビリンス筒 46 ホイルガード取付部
46a 開口面 46b 傾斜面 46c 取付面
47a〜47d 空気穴 48 軸受 49a〜49d ネジ
49e、49f ベアリング抑え用ネジ 50 ファン
51 内筒部 51a 取付面 52 連結部 53 中筒部
54 羽根部(フィン) 55 板部 55a 傾斜部 56 傾斜部
57 ラビリンス溝 58a、58b 二面幅部 59 貫通部
60 砥石 60a (砥石の)先端 61 (砥石の)取付面
62 ホイルワッシャ 62a 貫通穴 63a、63b 二面幅部
64 ホイルナット 64a 貫通穴 64b、64c 小径孔
65 ホイルガード 65a 拡径上面 65b 外筒面
65c 折り返し部 65d 下側開口面 66 取付リング
67a、67b ナット 68 押さえリング 69a、69b ネジ
70 制御部 71 収納ケース 72 制御回路基板
73 インバータ回路 74 冷却フィン 75 演算部
76 制御信号出力回路 77 定電圧電源回路 78 シャント抵抗
79 速度調整ダイヤル 80a〜80e 信号線
81a〜81c 結線点 82a〜82c 熱収縮チューブ
83a U相出力線 83b V相出力線 83c W相出力線
85 樹脂 86 レール機構 87 接続端子 88 風窓
89 フィルタ 91 スイッチ機構 92 スイッチ
93 プランジャ 94 揺動軸 95 パドルレバー
95a 先端部 95b 押圧部 96 オフロックレバー
97 ねじりコイルばね 127 スペーサ
131〜136 永久磁石(極異方性磁石) 131a〜133a 基準線
133a〜136a 凹部 160 金型(治具) 161 太径部
161a (太径部の)上面 162 中径部
162a (中径部の)上面 163 細径部
200 電池パック 201 上側ケース 202 下側ケース
203 ラッチボタン 230 永久磁石 301 ディスクグラインダ
302 モータハウジング 302c 拡径部 303 ギヤケース
306、307 傘歯車 310 モータ 316 スピンドル
325 ファン 332 スイッチ 335 トリガレバー
336 オフロックレバー 345 ホイルガード 346 ホイルワッシャ
347 ホイルナット 350 制御部 A1 中心軸線
B1 回転軸線 C1 中心軸線 D (モータ10の)直径
L 製品全長 L ステータの軸方向長さ
S (熱硬化性樹脂27の上端位置とトップカバー35)の間隔
U コイル W (切り欠き部33a〜33cの)幅

Claims (13)

  1. 永久磁石を用いたロータと、ステータコアにコイルを巻回したステータと、前記ロータを保持する回転軸を有するブラシレスモータと、
    前記ブラシレスモータを駆動するスイッチと、
    複数のスイッチング素子を有するインバータ回路と、
    前記ブラシレスモータを制御する制御部と、
    前記ブラシレスモータと前記スイッチを保持するハウジングと、を有し、
    前記回転軸の回転力によって先端工具が駆動される動力工具であって、
    前記ハウジングは、前記ブラシレスモータを収容する密閉型のモータハウジングを有し、
    前記モータハウジングには、前記回転軸と交差する方向に延びるハンドル部を有するリアハウジングが接続され、
    前記ステータコアに保持されたコイルからの引出線が、前記リアハウジング内で接続されたことを特徴とする動力工具。
  2. 前記モータハウジングは、両端が開口した開口部を有する筒状部を成し、前記開口部は第一の蓋部と第二の蓋部によって密閉され、
    前記筒状部の開口部から軸方向に延びる細い切欠部を形成し、前記切欠部に前記引出線が配置されたあとに、前記第一の蓋部にて前記切欠部の開口側を閉鎖し、
    前記引出線と前記切欠部の間を樹脂にて密閉することを特徴とする請求項1に記載の動力工具。
  3. 前記ステータコアは3相となるようにコイルが巻かれ、前記コイルの各相から2本ずつ計6本の引出線が前記切欠部から前記リアハウジング側に引き出されることを特徴とする請求項2に記載の動力工具。
  4. 前記切欠部は周方向に間隔を隔てて複数箇所設けられ、それぞれの切欠部の切り欠き方向が平行となるように配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の動力工具。
  5. 前記モータハウジングは金属製であり、前記リアハウジングは樹脂製であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の動力工具。
  6. 前記ロータの磁界を検出するための磁気検出素子と、前記磁気検出素子を搭載するセンサ基板を前記モータハウジング内に搭載し、
    前記センサ基板からの信号線を、前記引出線と共に前記切欠部を介して前記リアハウジング内に引き出されることを特徴とする請求項5に記載の動力工具。
  7. 前記筒状部の前記切欠部は、前記ブラシレスモータの回転軸線方向に見て、前記開口部から前記ステータの端面と部分的にオーバーラップする位置まで形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の動力工具。
  8. 前記モータハウジングには、前記ハンドル部が接続され、
    前記ハンドル部の最大径は前記ステータコアの直径よりも小さく、
    前記ハンドル部は、前記ブラシレスモータの軸線方向で前記ステータの端面とオーバーラップする位置関係であることを特徴とする請求項6に記載の動力工具。
  9. 前記コイルは前記ハンドル部の内部でデルタ結線又はスター結線されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の動力工具。
  10. 前記ハンドル部の内部に前記スイッチが配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の動力工具。
  11. 前記リアハウジングには、前記制御部を搭載する回路基板が配置され、
    前記引出線は、前記回路基板に接続されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の動力工具。
  12. 前記引出線の接続部分には、絶縁性の接続部材が設けられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の動力工具。
  13. 前記接続部材は熱収縮チューブであることを特徴とする請求項12に記載の動力工具。


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