JP2021053674A - 接合体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な複合金属材料の製造方法を提供する。【解決手段】少なくとも2つの金属を接合した接合体の製造方法である。この製造方法では、第1金属材料11に形成される第1接合面11aと、第2金属材料12に形成される第2接合面12aと、を当接させる。そして、第1接合面11aと第2接合面12aとが当接する接合部13が最も高温であり、かつ、接合部13から離れるほど低温となる温度勾配を持つように第1金属材料及び第2金属材料12を加熱する。また、当該加熱による第1金属材料11及び第2金属材料12の膨張により第1接合面11aと第2接合面12aとの間の加圧力が高まるように、第1金属材料11及び第2金属材料12を保持する。【選択図】図1

Description

本開示は、複数の金属材料を接合した接合体の製造方法に関する。
熱膨張を利用した加圧による金属材料の接合技術が知られている。例えば、下記非特許文献1には、加圧拘束ジグを利用した薄板の積層体を、電気炉で加熱して接合する技術が提案されている。
大橋修、遠藤晴之 「熱膨張を利用した加圧による木目金の接合」日本金属学会春季全国大会、2010.3.28
鉄鋼材料では、加熱温度を上昇させると、変態現象(結晶構造の変化)に伴い、材料が収縮する。接合に際しては、接合面へ加圧力が絶えず作用することが必須であるが、発明者の詳細な検討の結果、変態を有する鉄鋼材料では、変態温度領域で接合面への加圧力が作用しなくなり、接合の完全化が困難である課題が見出された。
本開示の1つの局面は、新規な複合金属材料の製造方法を提供することにある。
本開示の一態様は、少なくとも2つの金属を接合した接合体の製造方法である。この製造方法では、第1金属材料(11)に形成される第1接合面(11a)と、第2金属材料(12)に形成される第2接合面(12a)と、を当接させる。そして、第1接合面と第2接合面とが当接する接合部が最も高温であり、かつ、接合部から離れるほど低温となる温度勾配を持つように第1金属材料及び第2金属材料を加熱すると共に、当該加熱による第1金属材料及び第2金属材料の膨張により第1接合面と第2接合面との間の加圧力が高まるように、第1金属材料及び第2金属材料を保持する。
このような製造方法によれば、2つの金属の接合が可能となり、従来にない新たな接合体の製造方法を提供することができる。
本開示の別の一態様は、少なくとも2つの金属材料を接合した接合体を製造する製造装置(1)である。製造装置は、保持具(21)と、加熱装置(22)と、を備える。保持具は、第1金属材料(11)に形成される第1接合面(11a)と、第2金属材料(12)に形成される第2接合面(12a)と、を当接させた状態で保持する。加熱装置は、第1接合面と第2接合面とが当接する接合部が最も高温であり、かつ、接合部から離れるほど低温となる温度勾配を持つように第1金属材料及び第2金属材料を加熱する。また保持具は、加熱装置の加熱による第1金属材料及び第2金属材料の膨張により第1接合面と第2接合面との間の加圧力が高まるように、第1金属材料及び第2金属材料を保持する。
このような製造装置は、2つの金属の接合を可能とする、従来にない新たな接合体の製造方法を提供することができる。
実施形態の接合装置の構成を示す模式図である。 SCM440クロムモリブデン鋼のひずみ量と加熱温度の関係の傾向を示すグラフである。 従来の拘束接合ジグの構成を示す模式図である。 SCM415クロムモリブデン鋼の収縮量と接合温度の関係を示すグラフである。 加熱工程における金属材料の温度分布を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.実施形態]
[1−1.接合装置の構成]
図1に示す接合装置1は、少なくとも2つの金属材料を接合するための装置である。接合装置1は、熱膨張を利用した加圧による金属材料の接合であって、溶融部の発生のない、又は抑制された固相接合(特に、拡散接合)を行う。以下では、接合装置1により、第1金属材料11及び第2金属材料12の2つの金属材料を接合する例を説明する。
第1金属材料11と第2金属材料12は、いずれも棒状の部材であり、長手方向の両端部は、長手方向と直交する平坦面となっている。第1金属材料11における上述した平坦面の一方が第1接合面11aである。また第2金属材料12における上述した平坦面の一方が第2接合面12aである。
接合装置1は、保持具21と、加熱装置22と、を備える。
保持具21は、第1金属材料11に形成される第1接合面11aと、第2金属材料12に形成される第2接合面12aと、を当接させた状態で、第1金属材料11と第2金属材料12とを保持する。保持具21は、可動部21aと固定部21bとを有している。可動部21aは、手動又は自動で移動して、固定部21bとの間の距離を変化させることができる。可動部21a及び固定部21bは、各金属材料における接合面とは反対側の端部と当接する。また可動部21a及び固定部21bは、後述する加熱操作によって第1金属材料11及び第2金属材料12が膨張したときの長手方向の膨張長さよりも、可動部21aと固定部21bとの間の距離の変化が小さくなるように構成されている。本実施例の保持具21は、例えば、シャコ万力を用いることができる。
加熱装置22は、接合部13を中心として局所的に第1金属材料11及び第2金属材料12を加熱する。言い換えると、加熱装置22は、第1接合面11aと第2接合面12aとの接合部13が最も高温であり、かつ、接合部13から離れるほど低温となる温度勾配を持つように第1金属材料11及び前記第2金属材料12を加熱する。本実施形態においては、加熱装置22は、接合部13を中心に、第1金属材料11及び第2金属材料12の周囲を取り囲むように配置される高周波誘導加熱コイルである。
図1に示されるように、いずれか一方の金属材料における接合面とは反対の端部と保持具21との間に、カーボンシート23を配置してもよい。カーボンシート23により、第1接合面11a及び第2接合面12aにて作用する加圧力の均一化を図ることができる。
このような接合装置1において、保持具21に保持された第1金属材料11及び第2金属材料12を保持具21で加熱すると、当該加熱により、第1金属材料11及び第2金属材料12が膨張する。上述したように、加熱操作により金属材料が膨張したときの可動部21aと固定部21bとの間の距離の変化は、第1金属材料11及び第2金属材料12の長手方向の膨張長さの和よりも小さい。そのため、加熱に伴う膨張により、第1接合面11aと第2接合面12aとの間の加圧力は高まる。そして、接合部13の加熱温度、及び、膨張により生じた加圧力が、第1金属材料11及び第2金属材料12の組成等により定まる所定の値を超えると、第1金属材料11と第2金属材料12との接合が実現される。
なお接合装置1を用いた接合操作は、大気下で行ってもよいが、減圧雰囲気、窒素雰囲気、及び窒素減圧雰囲気で行ってもよい。
[1−2.金属材料]
接合材となる金属材料は、様々な材質のものが対象となる。例えば、銅合金、銀合金、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼などが接合可能である。これらは一例であり、さらに様々な材質の材料を接合できる。
なお本開示の接合装置及び製造方法は、特に、金属材料として、加熱により結晶構造が変化する変態現象を有する鋼鉄材料を用いる場合に都合がよい。ここでいう変態現象とは、一部の金属において固体状態で結晶構造を変える、いわゆる固相変態又は同素変態を指す。変態現象を有する金属としては鉄が有名である。鉄は常温での結晶構造は体心立方晶構造(BCC構造)であるが、910℃を超えると面心立方晶構造(FCC構造)へと変化する。さらに温度が上昇して1400℃を超えるとBCC構造へ変化する。
図2に、変態現象を有する鋼鉄材料の一例である機械構造用合金鋼材SCM440クロムモリブデン鋼(以下、SCM440鋼)を加熱した際の、ひずみ量(長さの変化量/加熱前の長さ)と加熱温度の関係の傾向を示す。SCM440鋼では、常温から温度の上昇に伴い単調に膨張するが、760℃に到達すると収縮を開始する。変態が終了した770℃以上になると、再度膨張し始める。850℃以上の加熱温度で変態開始前の770℃での長さとなる。
図3に示す従来の拘束接合ジグ51は、コバール製の一対の丸棒ネジ部52と、SUS304ステンレス製の一対の挟圧具53及び4つのネジ54と、カーボンシート55と、を備える。接合金属材料61として銅丸棒を用いたとき、コバールの熱膨張係数(4.81×10−6)は、銅(16.8×10−6)及びSUS304ステンレス鋼(17.3×10−6)よりも小さい。そのため、一対の挟圧具53に2つの接合金属材料61を挟んでネジ54で固定し、拘束接合ジグ51ごと電気炉内へ投入すると、コバールよりも銅とステンレス鋼の膨張が大きく、2つの接合金属材料61の接合面に加圧力が加わる。
このような拘束接合ジグ51を用いて、例えばSCM440鋼のような変態現象により収縮する特性を有する金属材料を加熱接合する場合、770℃から850℃の加熱温度領域において生じた収縮が原因で、2つの金属の接合部において加圧力が作用しなくなる。そのため、変態現象を有する鋼鉄材料では、従来の接合装置では良好な接合ができない場合があった。
以下の実施例では、本開示の接合装置1を用いた接合体の製造方法により、変態現象により収縮する特性を有する鋼鉄材料を接合する。なお、変態現象により収縮する特性を有する鋼鉄材料の一例として、SCM415クロムモリブデン鋼を用いる。
[1−3.実施例]
(i)実施例1
金属材料として、SCM415クロムモリブデン鋼(以下、SCM415鋼)を使用し、2つのSCM415鋼の接合を行い、接合体を製造した。SCM415鋼は、それぞれ、長さ30mm、直径12mmの丸棒形状で、丸棒の端面を接合面とした。接合面粗さはRz:4μmであった。
図1に示す接合装置1を用い、2つのSCM415鋼の接合面で突き合わせ、接合面で均一で加圧力を作用させる目的でカーボンシート23を介して、接合装置1の可動部21aと固定部21bとの間に固定した。
加熱装置22である高周波誘導加熱コイルは、パイプ径φ6mm、コイル外径35mm、内径23mm、高さ40mm、巻数:4であり、接合部13の近傍を中心に加熱可能である。高周波の発信周波数は100kHzとした。各SCM415鋼における接合部13とは逆側の端部は加熱していないため、接合部13から離れるに従って、各SCM415鋼の温度は低下し、温度勾配が形成される。接合部13の温度(接合温度)は、890℃とした。接合部13の温度は、接合部13に固定した熱電対を用いて測定した。加熱による接合操作は、接合装置1を真空装置内に配置し、接合雰囲気圧を3×10−2Paに排気した真空中で行った。接合温度を保持する時間(接合時間)は20分とした。
(ii)実施例2
接合温度を940℃とした以外、実施例1と同様の条件で接合体を製造した。
(iii)実施例3
接合温度を1000℃とした以外、実施例1と同様の条件で接合体を製造した。
(iv)実施例4
接合温度を940℃とし、また接合雰囲気圧を3Paとして、それ以外は実施例1と同様の条件で接合体を製造した。
(v)実施例5
接合温度を1000℃とし、また接合雰囲気圧を3Paとして、それ以外は実施例1と同様の条件で接合体を製造した。
(vi)評価
表1に、実施例の接合条件及び結果を示す。
Figure 2021053674
表1に示されるように、実施例1〜5の接合体は、引張試験の結果、母材で破断した。即ち、接合部は強固に接合されていた。なお、各実施例において、接合による長手方向の収縮長さはいずれも約0.5mmであり、接合前の長さ60mmに対して約0.8%であり、接合による形状変化が非常に少なかった。
接合状態の良否は、金属材料の熱による膨張量と、変態現象による収縮量と、の影響を受けたものと推定される。
[1−4.収縮量の測定]
接合状態に影響を与える収縮量について、従来の拘束接合ジグ51(比較例)と、本開示の接合装置1(実施例)のそれぞれで測定した。
従来の拘束接合ジグ51によりSCM415鋼(直径12mm、長さ30mm)を2本突き合わせて保持させた後、拘束接合ジグ51を電気炉内へ挿入して加熱した。昇温速度:30℃/分で加熱し、接合温度で20分間保持して、炉冷した。常温へ冷却後、接合試験片を取り出して、試験片の接合による長さの変化量(収縮量)を測定した。
収縮量は、接合工程における膨張量に対応するパラメータである。加熱時に金属材料が膨張すると、接合装置により長手方向の伸びは抑制されるため、金属材料は長手方向と交差する方向に拡径するように広がる。冷却後は、膨張が収まり金属材料全体として小さくなるが、膨張時の拡径が大きいほど、収縮時に長手方向の長さが短くなる。即ち、加熱時の膨張量が大きいほど、収縮量が大きくなる。
図4のうち、「○」のプロット及び破線は、拘束接合ジグ51にて各種接合温度で接合した際の、接合体の長さの変化量(収縮量)と接合温度の関係を示す。図4から明らかなように、接合温度の上昇とともに、接合体の収縮量が増加する。しかし、750℃を超えると、収縮量の増加が認められず、ほぼ一定となる。この原因は、SCM415鋼の変態による収縮が原因である。
図2にて示したように、SCM440鋼(SCM415鋼と比べて炭素量が多い)は、760℃に到達すると急激に収縮を開始する。850℃に到達すると、変態前の長さに戻り、850℃以上の加熱で770℃での長さとなる。図4において、750℃を超えると、収縮量の増加が認められず、ほぼ一定となることは、上記の収縮が理由であると考えられる。そして、接合温度約750℃以上から約850℃の温度範囲である収縮温度領域で膨張が行われない結果、収縮温度領域では金属材料の膨張による加圧力が低下してしまう。
一方、図4のうち、「△」のプロット及び実線は、本開示の接合装置1を用いてSCM415鋼の接合部13を高周波誘導加熱で選択的に加熱した際の、接合体の長さの変化量(収縮量)と接合温度の関係を示す。接合装置1を用いた場合、接合温度の上昇とともに接合体の収縮量が連続的に増加する。すなわち、金属材料の収縮に起因する接合面の加圧力の低下が抑制されることが推定できる。
[1−5.接合装置による加熱時の温度分布]
図5に、接合装置1によりSCM415鋼を加熱し、接合部13の温度を200,400,600,800,1000℃となるように加熱したときの、接合試験片(各金属材料)の長手方向に沿った温度分布を示す。
接合温度200,400,600℃に加熱した際には、接合部の温度が最も高く、接合試験片の端部へ向かって、温度が低下する。この温度領域では、金属材料が温度勾配を有するものの、全ての温度領域で接合材料が膨張するので、接合面に加圧力が絶えず作用し続ける。
一方、SCM415鋼は760℃を超えると、変態で材料が収縮する。変態が終了した770℃以上になると再膨張し始め、850℃以上の温度で変態開始前の760℃での長さになる。850℃以上の温度で、材料全体に長さが、膨張で長くなり始める。760〜850℃の加熱温度領域では変態のため収縮する。その結果、接合材料における上記範囲の温度を有する部分は長さが収縮する。接合部13の接合温度が800℃に到達すると、図5に示したように、760℃〜800℃の温度範囲での材料が収縮するが、760℃以下の温度領域では膨張する。つまり、金属材料の長手方向に沿って、変態に伴う「収縮温度領域」と温度上昇に伴う「膨張温度領域」が共存する。「収縮温度領域」での収縮量より、「膨張温度領域」での膨張量の大きければ、接合試料に絶えず膨張力が作用して接合できることになる。
例えば、接合温度1000℃では、760℃〜850℃の加熱領域で収縮するが、他の領域では、膨張する。800℃以上で接合材料を加熱した際には、接合部から離れた760℃〜850℃の加熱領域で収縮するが、温度の上昇で膨張する領域が大半を占める。
このように、温度勾配を有しつつ接合部の温度を上昇させると、絶えず接合面へ熱膨張力が作用する。
なお、SCM415鋼では760℃〜850℃の加熱領域で収縮した。鉄鋼材料では、組成、加熱速度に依存するが、収縮温度領域の幅は約100℃である。この収縮温度幅の2倍の200℃以上の温度差が発生するように加熱すると、収縮する領域に対して膨張する領域の割合が充分に大きくなり、接合面の加圧力を高度に高く保つことができる。
[1−6.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)本実施形態の接合体の製造方法では、保持具21によって、第1金属材料11に形成される第1接合面11aと、第2金属材料12に形成される第2接合面12aと、を当接させた状態で保持する。また、加熱装置22により、第1接合面11aと第2接合面12aが当接する接合部13が最も高温であり、かつ、接合部13から離れるほど低温となる温度勾配を持つように第1金属材料11及び第2金属材料12を加熱する。また、保持具21は、加熱装置22の加熱による第1金属材料11及び第2金属材料12の膨張により第1接合面11aと第2接合面12aとの間の加圧力が高まるように、第1金属材料11及び第2金属材料12を保持する。よって、装置全体を加熱炉に投入することなく、熱膨張による加圧を利用した金属材料の接合を実現することができる。
(1b)本実施形態の接合体の製造方法では、特に、加熱により膨張し、かつ、所定の収縮温度領域においては変態現象により収縮する材料を、好適に接合することができる。従来のように金属材料全体を加熱する方法では、収縮温度領域における加圧力の低下の影響が大きくなるが、本実施形態の方法では加圧力の低下を抑制することができる。なお、加熱装置22によって、接合部13は収縮温度領域を上回る温度であり、かつ、接合部13とは反対の端部では収縮温度領域を下回る温度となるように加熱を行うことで、より確実に加圧力の低下を抑制することができる。また、加熱装置22によって、金属材料に、収縮温度領域の上限と下限の温度幅の2倍の温度幅以上となる温度勾配が形成されるように加熱を行うことで、より高度に加圧力の低下を抑制することができる。
(1c)本実施形態の接合体の製造方法では、加熱装置22として高周波誘導加熱コイルを用いて接合部13の加熱を行う。そのため、金属材料の間の接合部13を集中的に加熱することができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(2a)上記実施形態では、良好な温度勾配の条件を2つ例示した。第1条件は、接合部は収縮温度領域を上回る温度であり、かつ、当該金属材料における接合部から離れた少なくとも一部分では収縮温度領域を下回る温度となる条件である。第2条件は、収縮温度領域の上限と下限の温度幅の2倍の温度幅以上となる温度勾配が形成されるという条件である。しかしながら、本開示の製造方法では、両方の条件を満たすように加熱を行ってもよいし、いずれか一方の条件を満たすように加熱を行ってもよいし、両方の条件を満たさないように加熱を行ってもよい。なお、多くの条件を満たすほど、より良好な接合を実現できる。
(2b)上記実施形態では、同一の素材である2つの金属材料を接合する方法を例示した。しかしながら、異なる素材の金属材料同士を接合して接合体を製造してもよい。なお、接合される2種類の金属の一方が変態現象を有していてもよいし、両方が変態現象を有
していてもよい。両方とも変態現象を有する場合には、例えば、接合する2つの金属材料それぞれにおいて、上述した第1条件を満たすように加熱を行ってもよいし、一方のみが第1条件を満たすように加熱を行ってもよい。また、2つの金属材料それぞれにおいて、上述した第2条件を満たすように加熱を行ってもよいし、一方のみが第2条件を満たすように加熱を行ってもよい。
なお、変態現象を有する金属の例としては、鉄のほか、チタン、スズ、コバルト、ウラン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの金属を含む金属材料が、変態現象を有する金属材料となり得る。
(2c)上記実施形態では、2つの金属材料を接合する構成を例示したが、3つ以上の金属を同時に接合する構成であってもよい。その場合、接合装置は、2つ以上の接合部を中心に加熱する2つ以上の加熱装置を備えており、2箇所以上同時に加熱を行う構成であってもよい。
(2d)上記実施形態では、棒状の金属材料を接合する構成を例示したが、具体的な形状は何ら限定されず、様々な形状の金属材料を接合することができる。
(2e)上記実施形態では、保持具21として、シャコ万力を用いる構成を例示したが、シャコ万力以外の装置を用いて金属材料を保持してもよい。また上記実施形態では、保持具21が第1接合面11aと第2接合面12aとの接合部13の反対側の端部に当接して支持する構成を例示したが、それ以外の場所を支持する構成であってもよい。
(2f)上記実施形態では、加熱装置22として、高周波誘導加熱コイルを用いる構成を例示した。しかしながら、接合部を局所的に加熱でき、かつ、温度勾配を形成できる加熱装置であれば、高周波誘導加熱コイル以外の加熱装置を用いてもよい。例えば、酸素アセチレンガスなどを用いたガスバーナーにより加熱してもよい。また、例えば電気炉のような加熱炉を用い、接合部以外の場所を冷却することで温度勾配を形成してもよい。
(2g)上述した接合体の製造方法の他、接合体の製造装置など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…接合装置、11…第1金属材料、12…第2金属材料、21…保持具、22…加熱装置
図2に、変態現象を有する鋼鉄材料の一例である機械構造用合金鋼材SCM440クロムモリブデン鋼(以下、SCM440鋼)を加熱した際の、ひずみ量(長さの変化量/加熱前の長さ)と加熱温度の関係の傾向を示す。SCM440鋼では、常温から温度の上昇に伴い単調に膨張するが、760℃に到達すると収縮を開始する。変態が終了した770℃以上になると、再度膨張し始める。850℃以上の加熱温度で変態開始前の760℃での長さとなる。
このような拘束接合ジグ51を用いて、例えばSCM440鋼のような変態現象により収縮する特性を有する金属材料を加熱接合する場合、760℃から850℃の加熱温度領域において生じた収縮が原因で、2つの金属の接合部において加圧力が作用しなくなる。そのため、変態現象を有する鋼鉄材料では、従来の接合装置では良好な接合ができない場合があった。

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの金属材料を接合した接合体の製造方法であって、
    第1金属材料(11)に形成される第1接合面と、第2金属材料(12)に形成される第2接合面と、を当接させ、
    前記第1接合面と前記第2接合面とが当接する接合部が最も高温であり、かつ、前記接合部から離れるほど低温となる温度勾配を持つように前記第1金属材料及び前記第2金属材料を加熱すると共に、当該加熱による前記第1金属材料及び前記第2金属材料の膨張により前記第1接合面と前記第2接合面との間の加圧力が高まるように、前記第1金属材料及び前記第2金属材料を保持する、接合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の接合体の製造方法であって、
    少なくとも前記第1金属材料は、加熱により膨張し、かつ、所定の収縮温度領域においては変態現象により収縮する材料を含む、接合体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の接合体の製造方法であって、前記接合部は前記収縮温度領域を上回る温度であり、かつ、前記第1金属材料における前記接合部から離れた少なくとも一部分では前記収縮温度領域を下回る温度となるように加熱を行う、接合体の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の接合体の製造方法であって、
    前記第1金属材料において、前記収縮温度領域の上限と下限の温度幅の2倍の温度幅以上となる温度勾配が形成されるように加熱を行う、接合体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の接合体の製造方法であって、
    高周波誘導加熱コイルにより前記接合部の加熱を行う、接合体の製造方法。
  6. 少なくとも2つの金属材料を接合した接合体を製造する製造装置(1)であって、
    第1金属材料(11)に形成される第1接合面と、第2金属材料(12)に形成される第2接合面と、を当接させた状態で保持する保持具(21)と、
    前記第1接合面と前記第2接合面とが当接する接合部が最も高温であり、かつ、前記接合部から離れるほど低温となる温度勾配を持つように前記第1金属材料及び前記第2金属材料を加熱する加熱装置(22)と、を備え、
    前記保持具は、前記加熱装置の加熱による前記第1金属材料及び前記第2金属材料の膨張により前記第1接合面と前記第2接合面との間の加圧力が高まるように、前記第1金属材料及び前記第2金属材料を保持する、製造装置。
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