以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3として、後述のユーザ端末装置4等のゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよいが、図1の例では商業用(業務用)のゲーム機が利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
ゲーム機3は、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、或いはタイミングゲーム等の適宜のゲームを提供してよいが、一例としてシミュレーションゲームを提供する。また、ゲーム機3は、適宜にシミュレーションゲームを提供してよいが、一例としてカードゲーム形式でシュミレーションゲームを提供する。このため、ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲーム機として構成される。また、ゲーム機3は、適宜のシュミレーションゲームを提供してよいが、各選手への指示や育成等を通じて監督としての役割をシミュレーションする野球ゲームを提供する。具体的には、この野球ゲームは、各選手に対応するカード(以下、選手カード)を利用し、各選手カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、育成するゲームとして構成される。
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に野球ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、ゲーム機用サービスには、店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスが含まれる。店舗抽選サービスは、店舗6毎に用意された景品群の各景品を抽選により各ユーザに付与するイベント(以下、店舗抽選イベントと呼ぶ場合がある)を実現するためのサービスである。つまり、店舗抽選サービスは、店舗6の単位で景品群を用意し、抽選を通じてその景品群を店舗6の単位のユーザで分け合うためのサービスである。一方、全国抽選サービスは、全国(全店舗6)を対象に用意された景品群の各景品を抽選により各ユーザに付与するイベント(以下、全国抽選イベントと呼ぶ場合がある)を実現するためのサービスである。つまり、全国抽選サービスは、全国(全店舗6)の単位で景品群を用意し、抽選を通じてその景品群を全国(全店舗6)のユーザで分け合うためのサービスである。また、全国抽選サービスは、店舗抽選サービスを補助するサービスとして提供される。店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスの詳細は後述する。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに野球ゲームを含む各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、野球ゲーム用の各種のデータを含み得るが、このようなデータとして図2の例では店舗抽選データ25及び全国抽選データ26が示されている。
店舗抽選データ25は、上述の店舗抽選イベントを実現するためのデータである。具体的には、店舗抽選データ25は店舗6毎の景品群の管理に使用される。一方、全国抽選データ26は、上述の全国抽選イベントを実現するためのデータである。具体的には、全国抽選データ26は、全国(全店舗6)を対象に設定される景品群の管理に使用される。店舗抽選データ25及び全国抽選データ26の詳細は更に後述する。なお、サーバ用データSDは、例えばその他にもユーザID等の各種IDを管理するIDデータ、過去のプレイ実績を次回以降に引き継ぐためのプレイデータ、或いは野球ゲームに登場する各選手(キャラクタ)のパラメータを管理するためのパラメータデータ等を野球ゲーム用のデータとして適宜に含んでいてよい。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、サービス提供部24が設けられる。サービス提供部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。このような処理には、店舗抽選サービスを実現するための処理、及び全国抽選サービスを実現するための処理が含まれる。例えば、サービス提供部24は、店舗抽選サービスを実現するための処理として店舗抽選処理を、全国抽選サービスを実現するための処理として全国抽選処理を、それぞれ実行する。店舗抽選処理、及び全国抽選処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の処理、或いはゲーム機用サービスの享受に必要な各種の処理(ゲームの進行に必要な処理を含む)を実行する。このような処理には、店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスを享受するための処理が含まれる。具体的には、ゲーム提供部33は、店舗抽選サービスを享受するための処理として店舗抽選処理を、全国抽選サービスを享受するための処理として全国抽選処理を、それぞれ実行する。これらの処理は、センターサーバ2のサービス提供部24との協働により実現される。また、ゲーム提供部33は、店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスの両方を実現するための処理として抽選切替処理を実行する。抽選切替処理の手順の詳細は、店舗抽選処理、及び全国抽選処理の手順とともに後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザに所定の野球ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、野球ゲーム用の各種のデータを適宜に含んでいてよいが、図2の例では店舗抽選データ25、及び全国抽選データ26が示されている。店舗抽選データ25、及び全国抽選データ26は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にも野球ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、上述のIDデータ、パラメータデータ、或いはプレイデータ等の各種のデータを野球ゲーム用のデータとして適宜に含んでいてよい。
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、このような出力装置として図2の例ではモニタMO、及びプリンタ38が設けられている。モニタ11は、野球ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。プリンタ38は、制御ユニット31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。ゲーム機3は、このようなプリンタ38を介して印刷によりカード39を生成(排出)するように構成されている。
一方、ゲーム機3には、上述のような入力装置の一例として、図2の例ではリーダ36、及びタッチパネルTPが設けられている。リーダ36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための周知の装置である。リーダ36として、ICチップ等の電子的記録媒体に記録された情報を各種の近距離無線通信規格を通じて受信するための受信機等の各種の装置がカード39への情報の記録方法に応じて適宜に利用されてよいが、一例としてカメラが利用される。カメラは、所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して各種の情報がカード39に記録されている場合に、そのようなコードを介して(それを読み取ることにより)そのコードに含まれる情報を取得するリーダ36である。例えば、カード39として選手カードがリーダ36を介して読み取られる場合、そのようなカード39には各選手を定義するパラメータを特定するための各種の情報が記録される。このような情報として、カード39にはパラメータの情報自体、或いはそのようなパラメータを特定するための各種の間接的情報等の適宜の情報が記録され得るが、一例としてカード39毎にユニークなカードIDの情報(間接的情報の一例)が記録される。そして、各選手のパラメータは、カードID毎に各選手のパラメータを管理するパラメータデータによって特定される。カード39がユーザIDの情報を記録するIDカード等の場合も同様である。リーダ36(カメラ)は、このような情報の取得(読み取り)に使用される。
次に、図3及び図4を参照して、店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスの詳細について説明する。図3は、店舗抽選サービス、及び全国抽選サービスの概要を説明するための説明図である。上述のように、店舗抽選サービスは店舗抽選イベントを、全国抽選サービスは全国抽選イベントを、それぞれ実現するためのサービスである。図3に示すように、店舗抽選イベント及び全国抽選サービスはいずれも景品群GGから景品Gを抽選するためのイベントであるが、店舗抽選イベントには店舗抽選用の景品群GGとして店舗景品群GG1が、全国抽選サービスには全国抽選用の景品群GGとして全国景品群GG2が、それぞれ別々に用意される。なお、図3及び図4のそれぞれにおいて景品群GGの抽選が提供されていないイベント(抽選開始前、或いは終了後のイベント)、及びそのような景品群GGと各店舗6との関連設定はグレーにて示されている。
具体的には、店舗景品群GG1は店舗6(店舗6に設置されるゲーム機3を一つのグループとするグループ)毎に用意され、店舗6毎に設定される景品群GGである。店舗イベントでは、このような店舗景品群GG1を対象に各店舗6の単位で抽選が実行される。このような店舗イベントは、店舗6毎に別々の時期、所定数の店舗6毎に別々の時期等の適宜の時期に開催されてよいが、一例として全店舗6において同時に開催される。一方、全国景品群GG2は全店舗6(全国)を対象に用意され、全店舗6(全ゲーム機3)に共通に設定される景品群GGである。全国抽選イベントでは、このような全国景品群GG2を対象に全店舗6に共通の抽選が実行される。店舗景品群GG1、及び全国景品群GG2として、互いに別々の景品Gが利用されてもよいが、一例として互いの同じ景品Gが利用される。ただし、全国抽選イベントは、店舗抽選イベントを補助するイベントとして、店舗抽選イベントにおいて解禁条件が満たされる場合にのみ解禁(開放)されるイベントである。つまり、全国抽選イベントにおける全国抽選(全国景品群GG2を対象にする抽選)を提供する条件として解禁条件が利用され、全国抽選は店舗抽選イベントにおいて解禁条件が満たされるまで制限される。
解禁条件は、複数の店舗6を含むグループ(全店舗6の場合を含む)毎等の適宜の単位において満たされてよいが、一例として店舗6毎に満たされる。また、このような解禁条件は、店舗景品群GG1において特定の景品G(一つの景品Gだけでなく、種類の単位であってよく、特定の種類の景品Gを含む)がなくなった場合(あるいは単に特定の景品Gが当選された場合でもよい)、景品G(特定の景品G等の一部の景品G、及び全景品Gの両方を含む)の当選率が所定値未満となった場合等の店舗景品群GG1の景品Gに関連する適宜の場合に満たされてよいが、一例として店舗景品群GG1の景品Gが全てなくなった場合に満たされる。つまり、全国景品群GG2を対象にする抽選(全国抽選イベントの実際の開催)は、店舗景品群GG1の景品Gが全てなくなった店舗6毎にその店舗6に限定して実行される。
具体的には、店舗景品群GG1、及び全国景品群GG2は、適宜の種類の景品Gを含んでいてよいが、図3の例ではいずれも互いに価値の相違する2種類の景品Gによって構成される。このような各景品Gは、物理的な景品であってもよいし、電子的な景品であってもよいが、一例として特別な選手に対応する選手カード(図3の例では説明の便宜のために白及び黒のいずれも球体として示されている)が利用される。特別な選手として、通常のゲームのプレイでは付与されない、或いは使用できない選手等の適宜の選手が機能してよく、そこには通常のプレイで使用できる選手であって画像等の表示を含む各種パラメータが相違する選手が含まれてもよい。このような特別な選手カードは、カード39(物理的な景品)として付与されてもよいが、カード39化する(その選手カードに対応するカード39を印刷する)権利、或いはゲームで使用する権利等としてプレイデータを介して電子的に付与される。同様に、店舗景品群GG1、及び全国景品群GG2は、互いに同じ数、或いは互いに別の数(店舗景品群GG1の方が全国景品群GG2より多い場合を含む)等の適宜の数によって構成されてよいが、一例として全国景品群GG2の方が店舗景品群GG1よりも多く用意される。
また、これらの店舗抽選イベント及び全国抽選イベントはいずれもイベントとして所定期間に限定されて開催されるが、そのような所定期間はその長さも含め、互いに別々の期間、或いは同じ期間等の適宜の期間であってよい。つまり、店舗抽選イベント及び全国抽選イベントは、互いに別々の期間に開催される別々の長さのイベントであってもよいし、一部期間が重複する別々の長さのイベントであってもよいが、一例として同時に開催される同じ長さのイベントとして構成される(全国抽選イベントの開催期間は、解禁条件の具備に伴い抽選が開始される実際の抽選期間ではなく、解禁条件の具備に伴い抽選が開始され得る期間を意味する)。このため、全国抽選イベントは、店舗抽選イベントの開催期間中に店舗景品群GG1の在庫(景品)がなくなった店舗6において他の店舗6で継続される店舗抽選イベントを補助するように実行される。この例において店舗景品群GG1の各景品G、及び全国景品群GG2の各景品Gが、本発明の基礎特典、及び拡大特典としてそれぞれ機能する。また、店舗抽選イベントの店舗抽選、及び全国抽選イベントの全国抽選が、本発明の基礎抽選、及び拡大抽選としてそれぞれ機能する。
図4は、店舗抽選サービスと全国抽選サービスとの間の関係を説明するための説明図である。図4の例は、図3の例において一部の店舗6において全国抽選イベントの抽選が実行される場合、つまり解禁条件が満たされた場合を示している。より具体的には、図3の例において左端の店舗6が解禁条件を満たした場合を示している。この場合、図4に示すように、その解禁条件を満たした左端の店舗6(一部の店舗6)に全国景品群GG2を抽選対象とする抽選が提供される。つまり、その左端の店舗6を対象に全国抽選イベントが実際に開催される。一方、解禁条件の具備は、その左端の店舗6に対応する店舗景品群GG1は在庫がなくなったことを意味するため、その店舗景品群GG1対象とする抽選は終了する。つまり、そのような店舗景品群GG1を対照する抽選(店舗抽選)が左端の店舗6では終了し、その店舗抽選の代わりに全国景品群GG2を対象とする抽選(全国抽選)が開始され、提供される。換言すれば、左端の店舗6において店舗抽選イベントが終了し、全国抽選イベントが実際に開催される。このため、図3の例と比べて、図4の例では、全国抽選イベント、及び左端の店舗6と全国景品群GG2との関連設定が、いずれもグレーから黒に変化している。同様に、左端の店舗6に対応する店舗景品群GG1の景品Gがなくなり、その店舗景品群GG1の配色も黒からグレーに変化している。一方、左端の店舗6とその店舗6の店舗景品群GG1との関連設定は黒からグレーに変化している。
一方、解禁条件が満たされない限り、店舗景品群GG1を対象とする抽選が継続される。つまり、解禁条件が満たされるまで全国景品群GG2を対象とする抽選の提供(全国抽選イベントの実際の開催)は制限され、店舗抽選イベントが継続される。このため、左端の店舗6以外の店舗6では引き続き店舗景品群GG1を対象に抽選が実行され、図4の例でも各景品群GGと各店舗6との関連設定が図3の例と同様の配色で示されている。結果として、全国において、互いに別々の抽選を行う全国抽選イベント中の店舗6(左端の店舗6)と店舗抽選イベント中の店舗6とが共存している。一例として、店舗抽選サービスと全国抽選サービスとの間には、このような補助関係が設定される。この例において各店舗6、全店舗6、及び左端の店舗6が、本発明の各グループ(施設)、二以上のグループ(施設)、及び一つのグループ(解禁グループ、或いは解禁施設)としてそれぞれ機能する。
次に、図5を参照して、店舗抽選イベントを実現するためのゲーム画面としてゲーム機3のモニタMOに表示される抽選画面について説明する。図5は、抽選画面の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、抽選画面50は、指示入力領域51、景品提示領域52、及び参考情報領域53を含んでいる。指示入力領域51は、店舗抽選(店舗景品群GG1を対象とした抽選)の実行を指示する操作を入力するための領域である。指示入力領域51には、抽選の指示に関連する適宜の選択肢、或いは各種の情報が表示されてよいが、図5の例では実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bが表示されている。実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bは、いずれもユーザのタッチ操作が実行されるべき範囲を示している。具体的には、実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bは、抽選の実行が指示される場合、或いは抽選の中止が指示される場合に、それぞれ選択(タッチ操作)される選択肢(範囲)である。つまり、実行選択肢51Aの選択(そこへのタッチ操作)に伴い実際に店舗抽選が、中止選択肢51Bの選択に伴い抽選の中止が、それぞれ実行される。実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bにも適宜の情報が表示されてよいが、一例として抽選実行を意図する“チャレンジする”、及び抽選中止を意図する“しない”の情報が表示されている。
景品提示領域52は、店舗抽選によって獲得され得る景品Gに関する情報を表示するための領域である。景品提示領域52には、景品Gに関する適宜の情報が表示されてよいが、図5の例では抽選の種類を示す抽選情報(“店舗チャレンジ”)、及びカード画像54が表示されている。抽選情報は、店舗抽選イベント、或いは全国抽選イベントといたイベントの種類、或いは対象の景品群GGといった抽選対象を示す情報である。一方、カード画像54は、各種選手カードを示す画像である。カード画像54には、各選手のパラメータ等の適宜の情報が表示され得るが、一例として選手画像54Aが表示される。また、このようなカード画像54として、各景品Gに対応する選手カードの画像のみが表示されてもよいが、一例としてそのような選手カード(景品G)と、そのカードと同様の選手に対応する通常の選手カードとにそれぞれ対応する二つのカード画像54が景品G毎に表示される。つまり、景品提示領域52には、景品Gと通常の選手カードとが対比され、その価値が把握されやすいように、景品Gに対応するカード画像54及びそれと同様の選手の選手カード(通常の選手カード)に対応するカード画像54の両方が景品G毎に表示される。
参考情報領域53は、店舗抽選イベントに関連する各種の参考情報を表示するための領域である。このような参考情報として、店舗景品群GG1の残数(景品Gの種類毎でも、合計数でもよい)等の店舗抽選イベントに関連する適宜の情報が表示されてよいが、図5の例では全国景品群GG2の残数の情報が表示されている。具体的には、参考情報領域53は、通常景品欄53A、及び特別景品欄53Bを含んでいる。通常景品欄53Aは、全国景品群GG2に含まれる2種類の景品Gのうち、比較的価値の低い方の景品G(以下、通常景品Gと呼ぶ場合がある)の残数に関する情報を表示するための領域である。一方、特別景品欄53Bは、全国景品群GG2に含まれる2種類の景品Gのうち、通常景品Gよりも価値の高い景品G(以下、特別景品Gと呼ぶ場合がある)の残数に関する情報を表示するための領域である。通常景品欄53A、及び特別景品欄53Bには、残率等の適宜の手法により残数に関する各種の情報が提示されてよいが、一例として残数を示す数字“1111”がいずれにも表示されている。つまり、全国抽選イベント(全国景品群GG2)において、通常景品G、及び特別景品Gの両方が同数残っている情報が参考情報として表示されている。このような抽選画面50を通じて店舗抽選は実現されるが、全国抽選も同様の抽選画面50を通じて実現されてよい。この場合において、抽選対象の相違(店舗抽選用の抽選画面50か、全国抽選用の抽選画面50か)は、抽選情報(例えば全国抽選の場合は“全国チャレンジ”等)を通じて提示されてよい。
次に、店舗抽選データ25、及び全国抽選データ26の詳細について説明する。図6は、店舗抽選データ25の構成の一例を示す図である。図6に示すように、店舗抽選データ25は、店舗景品群GG1の残数を店舗6毎に管理するための店舗抽選レコード25Rを含んでいる。また、店舗抽選レコード25Rは、このような管理を実現するために、“店舗ID”、“ゲーム機数”、“抽選数”、“特別景品数”、及び“通常景品数”の情報を含んでいる。
“店舗ID”は、各店舗6を識別するために店舗6毎にユニークな店舗IDを示す情報である。“ゲーム機数”は、各店舗6に設置されるゲーム機3の数を示す情報である。“抽選数”は、店舗イベントとして各ユーザに付与されるべき店舗抽選の機会数の残数を示す情報である。店舗抽選は、期間中において無制限に提供されてもよいが、一例として所定数に制限される。このような所定数が機会数であり、当選数(特別景品G及び通常景品Gの合計)、及び外れ数の合計によって設定される。そして、そのような機会数の残数の情報が“抽選数”に記述される。“特別景品数”、及び“通常景品数”は、それぞれ特別景品G及び通常景品Gの残数を示す情報である。これらの特別景品Gの数、通常景品Gの数、及び店舗抽選の機会数(いずれも分母数、つまり当初の残数)は、ゲーム機3を利用するユーザ数、或いは来店数等の各種の条件に応じて適宜に設定されてよいが、一例として各店舗6のゲーム機3の数に応じて設定される。店舗抽選レコード25Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
図7は、全国抽選データ26の構成の一例を示す図である。図7に示すように、全国抽選データ26は、全国景品群GG2の残数を管理するための全国抽選レコード26Rを含んでいる。また、全国抽選レコード26Rは、このような管理を実現するために、“抽選数”、“特別景品数”、“通常景品数”、及び“解禁店舗”の情報を含んでいる。“抽選数”、“特別景品数”、“通常景品数”は、店舗抽選データ25の“抽選数”、“特別景品数”、及び“通常景品数”と同様の情報である。具体的には、“抽選数”、“特別景品数”、“通常景品数”は、全国抽選における抽選の機会数の残数、特別景品Gの残数、及び通常景品Gの残数をそれぞれ示す情報である。これらの店舗抽選の機会数等の数(分母数)は、店舗抽選データ25と同様に適宜に設定されてよいが、一例として全国抽選イベントの対象のゲーム機3の数(全店舗6に設置されるゲーム機3の数の合計)に応じて設定される。
一方、“解禁店舗”は、解禁条件を満たした店舗6、つまり全国抽選(全国景品群GG2を対象とした抽選)の対象の店舗6(以下、解禁店舗6と呼ぶ場合がある)を示す情報である。“解禁店舗”には、適宜の情報で解禁店舗6の情報が記述されてよいが、一例として解禁店舗6に対応する店舗IDの情報が記述される。全国抽選レコード26Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、店舗抽選データ25、及び全国抽選データ26は、これらに限定されず、店舗抽選イベントの特性等、或いは全国抽選イベントの特性等の各種の条件に応じて適宜の情報を含んでいてよい。例えば、店舗抽選データ25、及び全国抽選データ26は、機会数、特別景品G、及び通常景品Gの分母数(当初に用意された機会数等の数)の情報を含んでいてもよい。また、例えば、複数の店舗抽選イベント、或いは全国抽選イベントが開催される場合には、各抽選を識別するための抽選IDの情報が含まれていてもよい。あるいは、これらの情報は適宜に省略されてもよい。
次に、図8〜図10を参照して、抽選切替処理、店舗抽選処理、及び全国抽選処理の手順の詳細について説明する。抽選切替処理は、店舗抽選から全国抽選への切替を実現するための処理である。店舗抽選は、ゲームとは別に提供される等、適宜に提供されてよいが、一例としてゲームの一部としてゲームの終了時に店舗抽選を希望するか否かの選択機会が付与される。この場合、ゲーム提供部33は、このような選択機会において店舗抽選が希望された場合に図8の抽選切替処理を開始し、まず店舗抽選データ25を取得する(ステップS101)。
続いてゲーム提供部33は、ステップS101で取得した店舗抽選データ25を参照しつつ、解禁条件が満たされるか否か判別する(ステップS102)。具体的には、ゲーム提供部33は、まず店舗抽選データ25の“特別景品数”及び“通常景品数”(店舗抽選の抽選結果の実績)の情報を参照し、店舗景品群GG1に特別景品G或いは通常景品G(景品Gの当選)が残っているか否か判別する。このような当選が残っている場合、ゲーム提供部33は、店舗抽選の当選実績(抽選結果の累積)が解禁条件を満たさないと判別する。この場合、ゲーム提供部33は、店舗抽選用の抽選画面50をモニタMOに表示する(ステップS103)。
一方、ゲーム提供部33は、店舗景品群GG1に当選が残っていない場合、ステップS102において店舗抽選の当選実績(抽選結果の累積)が解禁条件を満たすと判別する。この場合、ゲーム提供部33は、店舗抽選用の抽選画面50の代わりに、全国抽選用の抽選画面50をモニタMOに表示する(ステップS104)。そして、ステップS103、或いはステップS104において抽選画面50を提示した後に、ゲーム提供部33は今回の抽選切替処理を終了する。これにより、解禁条件が満たされる場合には全国抽選用の抽選画面50が、解禁条件が満たされない場合には店舗抽選用の抽選画面50が、それぞれ提示される。つまり、解禁条件に応じて抽選画面50が店舗抽選用のものと、全国抽選用のものとの間で切り替えられる。より具体的には、各店舗6用に用意された店舗景品群GG1が残っている間は店舗抽選用の抽選画面50が提示され、その抽選画面50を通じて店舗抽選が実行される。換言すれば、店舗景品群GG1がなくなるまでは全国抽選用の抽選画面50は提示されず、全国抽選の提供も店舗6毎に制限される。一方、店舗景品群GG1がなくなった場合には、全国抽選用の抽選画面50が提示され、その抽選画面50を通じて全国抽選が実行される。つまり、全国抽選の制限が解禁され、店舗抽選の代わりに全国抽選が提供される。結果として、実行不可の店舗抽選が全国抽選によって補助される。
店舗抽選処理は、店舗抽選を実現するための処理である。店舗抽選は、店舗6に設置されたローカルサーバ等を通じて適宜に実現されてもよいが、図9の例はセンターサーバ2を通じて実現される場合の店舗抽選処理を示している。また、抽選結果に伴う店舗抽選データ25等のデータの更新は、センターサーバ2等の適宜の装置を通じて実行されてよいが、図9の例はゲーム機3で実行される場合の店舗抽選処理を示している。なお、このような店舗抽選処理は、上述のとおりサービス提供部24、及びゲーム提供部33を介して、センターサーバ2とゲーム機3との協働によって実現されるが、図9及び図10の例ではゲーム提供部33(ゲーム機3の制御ユニット31)によって主として実行される処理がゲーム機3として、サービス提供部24(センターサーバ2の制御ユニット21)によって主として実行される処理がセンターサーバ2として、それぞれ示されている。
ゲーム機3は、店舗用の抽選画面50において実行選択肢51Aが選択される(店舗抽選の実行が指示される)と図9の店舗抽選処理を開始し、まず店舗抽選をセンターサーバ2に要求する(ステップS201)。一方、センターサーバ2は、ゲーム機3から店舗抽選が要求されると図9の店舗抽選処理を開始、まず店舗抽選を実行する(ステップS301)。このような抽選は、乱数等を通じて適宜に実現されてよい。そして、センターサーバ2は、その抽選結果をゲーム機3に送信する(ステップS302)。
センターサーバ2から抽選結果を取得すると、ゲーム機3はその取得した抽選結果を抽選画面等の適宜のゲーム画面を通じてユーザに提示する(ステップS202)。また、ゲーム機3は、そのような抽選結果を反映するために適宜のデータを更新する(ステップS203)。例えば、このようなデータには店舗抽選データ25、及びプレイデータが含まれる。具体的には、ゲーム機3は、今回の抽選回数分(図5の抽選画面50では一回ずつ抽選が実行されているが、一度に適宜の数の抽選が実行されてよい)だけ抽選機会の残数が減少するように店舗抽選データ25の“抽選数”の情報を更新する。また、ゲーム機3は、抽選結果が当選を示す(特別景品G、或いは通常景品Gが当選している)場合、当選結果に応じて当選数分だけ残数が減少するように店舗抽選データ25の“特別景品数”、或いは“通常景品数”の情報を更新する。さらに、このような場合、ゲーム機3は、その当選結果に対応する景品Gを実際に付与する。つまり、ゲーム機3は、そのような付与が実現されるように(そのような景品Gとそれが付与されるユーザのユーザIDとが関連づけられ、その景品Gの所有を示すように)付与対象のユーザのプレイデータを更新する。
続いてゲーム機3は、ステップS203で更新したデータをセンターサーバ2に送信して、今回の店舗抽選処理を終了する。一方、センターサーバ2は、ゲーム機3から更新後のデータを取得すると、そのデータに対応する記憶部23のデータを更新する(ステップS303)。具体的には、店舗抽選データ25が更新されている(更新後の店舗抽選データ25が送信されている)場合、センターサーバ2は記憶部23の店舗抽選データ25(店舗抽選を実施した店舗6に対応する店舗抽選レコード25R)を更新する。同様に、プレイデータが更新されている(景品Gが付与され、更新後のプレイデータが送信されている)場合、センターサーバ2は記憶部23のプレイデータを更新する。また、全国抽選データ26の“解禁店舗”の情報は、全国抽選用の抽選画面50の提供時、全国抽選の初回実行時等の適宜の時期に更新されてよいが、一例としてステップS303の処理において更新されてもよい。この場合、センターサーバ2は、ステップS303の処理において、更新後の店舗抽選データ25の“特別景品数”及び“通常景品数”を参照し、今回の店舗抽選に対応する店舗6用に景品Gが残っているか否か判別する。そして、景品Gが残っていない場合、センターサーバ2は全国抽選データ26の“解禁店舗”の情報を更新する。具体的には、センターサーバ2は、今回の店舗抽選の対象の店舗6が追加されるように“解禁店舗”の情報を更新する。そして、このような更新の後、センターサーバ2は今回の店舗抽選処理を終了する。これにより、店舗抽選が実現される。
全国抽選処理は、全国抽選を実現するための処理である。全国抽選は店舗抽選と同様に適宜に実現されてよいが、図10の例は図9の例と同様にセンターサーバ2を通じて実現され、かつその抽選結果に対応するデータの更新がゲーム機3側で実行される場合の店舗抽選処理を示している。また、図10の全国抽選処理におけるステップS401〜S404の処理は、図9の店舗抽選処理におけるステップS201〜S204の処理にそれぞれ対応し、ステップS401〜S404の処理では店舗抽選の代わりに全国抽選が要求等され、店舗抽選データ25の代わりに全国抽選データ26が更新される。
同様に、図10の全国抽選処理におけるステップS501〜S503の処理は、図9の店舗抽選処理におけるステップS301〜S303の処理にそれぞれ対応し、ステップS501〜S503の処理では店舗抽選の代わりに全国抽選が要求等され、店舗抽選データ25の代わりに全国抽選データ26が更新される(ただし、“解禁店舗”の情報の更新は省略されてよい)。これらにより、全国抽選が実現される。
以上に説明したように、この形態によれば、店舗抽選の抽選結果が解禁条件を満たした店舗6、より具体的には店舗抽選における抽選結果として当選がなくなった店舗6には店舗抽選の代わりに全国抽選が提供される一方で、店舗抽選の当選がなくなるまで(解禁条件が満たされるまで)全国抽選は提供されない。つまり、全店舗6には店舗6毎の店舗抽選と全店舗6(全国)を対象にする全国抽選とが重複的に用意されるものの、店舗抽選の当選(景品G)がなくなった(解禁条件が満たされた)場合にのみ抽選対象が店舗抽選から全国抽選に切り替えられる。結果として、早期に店舗抽選の抽選結果が解禁条件を満たした店舗6、つまり早期に店舗抽選の景品Gがなくなった店舗6には、店舗抽選(店舗抽選イベント)に加えて全国抽選(全国抽選イベント)の機会を付与することができる。これにより、このような全国抽選の機会がなく、景品Gの終了とともに一部の店舗6においいてのみ早期に店舗抽選が終了してしまう場合に比べて、他の店舗6よりも早期に店舗抽選の景品Gがなくなってしまった店舗6におけるユーザの満足度を向上させることができる。結果として、店舗抽選の終了とともに早期にイベントが終了してしまう場合に比べて、店舗抽選後の全国抽選イベントを通じて引き続きゲームの利用を促進することができる。つまり、このようなユーザの満足度の向上を通じて、各店舗6の利用を促進することができる。さらに、仮にイベント期間の途中において店舗抽選の景品Gがなくなってしまったとしても、その店舗抽選は全国抽選によってカバーされるため、店舗抽選の景品Gがイベント期間において維持されるような厳密な在庫管理を行う必要がない。結果として、このような厳密な在庫管理が必要な場合(店舗抽選の代替として全国抽選が用意されていない場合)と比べて、各店舗6における在庫管理の管理者(店舗6、或いはイベントの運営者等)の負担を軽減することができる。これらにより、各店舗6の運営者等の満足度も向上させることができる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図8の手順を実行することにより本発明の条件判別手段、及び拡大抽選手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が図8のステップS102を実行することにより本発明の条件判別手段として機能する。また、ゲーム提供部33が図8のステップS103及びステップS104を実行することにより本発明の拡大抽選手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、店舗抽選、及び全国抽選では、同じ景品Gが利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。上述のとおり、店舗抽選及び全国抽選では適宜の景品が採用されてよく、結果としてそれらの景品は一致していても、一致していなくもよい。このため、例えば、店舗抽選と全国抽選との間で価値の相違する景品が利用されてもよい。この場合、店舗抽選の方の景品の価値が全国抽選の方の景品の価値よりも高くてもよいし、反対に低くてもよい。上述のとおり、全国抽選は店舗抽選の補助として解禁条件を満たす一部の店舗6に提供されるため、全国抽選が提供されない店舗6も生じ得る。例えば、店舗抽選の景品の価値が全国抽選の景品の価値よりも高い(つまり全国抽選の景品として店舗抽選の景品よりも価値の低い景品が採用される)場合、このような全国抽選が提供されない店舗6のユーザ(或いは運営者)が感じる可能性がある不公正感を比較的抑制することができる。
また、上述の形態では、店舗抽選及び全国抽選の景品Gとして選手カードが利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。上述のとおり、店舗抽選及び全国抽選では適宜の景品が提供されてよく、店舗抽選等の付与対象は物、アイテム、或いはキャラクタ等の景品にも限定されない。例えば、ゲームに関連する各種の要素(ゲームの進行に有利な影響を与える要素だけでなく、ゲーム画面の背景、特定の称号等のユーザの嗜好性等に関連する各種の要素が含まれてよい)、或いは条件(例えばキャラクタに関する特定のスキルの解禁、或いは特定の進行等のイベントの付与等)等の各種の特典が店舗抽選等によって景品として付与されてよい。
また、上述の形態では、ゲーム機としてアーケートゲーム機が利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。ゲーム機として、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置や上述のとおりユーザ端末装置4等が利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。あるいは、反対にセンターサーバ2単体(複数サーバ装置によって構成される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
同様に、店舗抽選、或いは全国抽選に限定されず、これらに対応する抽選(それぞれ基礎抽選、及びそれよりも範囲の広い拡大抽選と呼ぶ場合がある)は適宜のゲーム機(或いはそれを利用するユーザ)によって形成される各種のグループの単位で実現されてよい。このようなグループは、例えば、各ゲーム機を利用するユーザの属性(例えば性別、年齢、或いは住所等)に応じて設定されてもよいし、各ユーザのプレイ状況(例えば進行状況、キャラクタのレベル等)に応じて設定されてもよい。つまり、各グループは、ゲーム機のユーザに関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてよい。あるいは、複数のゲーム機は、位置に応じて市町村等の単位でグループ化されてもよい。そして、例えば、市町村の単位で基礎抽選が、それらを含む都道府県の範囲で拡大抽選が、それぞれ提供されてもよい。つまり、各グループは、ゲーム機に関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてもよい。また、複数のゲーム機が複数の施設に設置される場合には、各グループはそれらの施設の位置等の施設(施設もゲーム機に関する条件の一種として判断されてもよい)に関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてもよい。したがって、各グループに属するゲーム機の数も適宜でよい。つまり、各グループ間においてゲーム機の数は一致していてもよいし、相違していてもよい。さらに、拡大抽選は、一つに限定されない。基礎抽選を補助する限り、適宜の数の拡大抽選が実行されてよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、基礎特典(G)を付与するための基礎抽選が、ゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機(3)によって形成される複数のグループ(6)のグループ毎に各グループに限定されるように各グループに属するゲーム機を介して提供される場合に、前記複数のゲーム機にネットワーク(5)を介して接続されるゲームシステム(1)であって、前記複数のグループのうちの二以上のグループを対象に拡大特典(G)を付与するための拡大抽選を実行する条件として前記二以上のグループの少なくとも一つのグループに対応する前記基礎抽選の抽選結果が解禁条件を満たすか否か判別する条件判別手段(33)と、前記解禁条件が満たされる場合に当該解禁条件を満たすグループとしての解禁グループを対象に前記基礎抽選の代わりに前記拡大抽選を提供する一方で、前記拡大抽選の対象が前記二以上のグループのうち前記解禁グループに限定されるように前記解禁条件が満たされるまで前記拡大抽選の提供をグループ毎に制限する拡大抽選手段(33)と、を備えるものである。
本発明によれば、基礎抽選の抽選結果が解禁条件を満たした解禁グループには基礎抽選の代わりに拡大抽選が提供される一方で、解禁条件が満たされるまで拡大抽選は提供されない。つまり、二以上のグループには基礎抽選と拡大抽選とが重複的に用意されるものの、解禁条件が満たされた場合にのみ抽選対象が基礎抽選から拡大抽選に切り替えられる。結果として、早期に基礎抽選の抽選結果が解禁条件を満たしたグループには、基礎抽選に加えて拡大抽選の機会を付与することができる。これにより、このような拡大抽選の機会がない場合に比べて、他のグループよりも早期に基礎抽選の抽選結果が解禁条件を満たしたグループにおけるユーザの満足度を向上させることができる。
各グループは、各種の条件に基づいて適宜に設定されてよい。例えば、各グループは、各ゲーム機を利用するユーザの属性(例えば性別、年齢、或いは住所等)に応じて設定されてもよいし、各ユーザのプレイ状況(例えば進行状況、キャラクタのレベル等)に応じて設定されてもよい。つまり、各グループは、ゲーム機のユーザに関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてよい。あるいは、複数のゲーム機は、位置に応じて市町村等の単位でグループ化されてもよい。つまり、各グループは、ゲーム機に関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてもよい。また、複数のゲーム機が複数の施設に設置される場合には、各グループはそれらの施設の位置等の施設(施設もゲーム機に関する条件の一種として判断されてもよい)に関連する各種の条件に基づいて適宜に設定されてもよい。したがって、各グループに属するゲーム機の数も適宜でよい。つまり、各グループ間においてゲーム機の数は一致していてもよいし、相違していてもよい。
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記条件判別手段は、前記複数のゲーム機が複数の施設(6)に配置され、当該複数の施設が前記複数のグループとしてそれぞれ機能する場合に、前記二以上のグループとしてそれぞれ機能する二以上の施設の施設毎に前記解禁条件が満たされるか否か判別し、前記拡大抽選手段は、前記解禁グループとして機能する解禁施設を対象に前記拡大抽選を提供する一方で、前記拡大抽選の対象が前記二以上の施設のうち前記解禁施設に限定されるように前記解禁条件が満たされるまで前記拡大抽選の提供を施設毎に制限してもよい。この場合、ユーザの満足度の向上を通じて、各施設の利用を促進することができるので、各施設の運営者の満足度も向上させることができる。
拡大抽選の対象の二以上のグループは、適宜に設定されてよい。例えば、二以上のグループは、複数のグループの一部であっても、全部であってもよい。具体的には、例えば、グループとして施設が利用される態様において、前記条件判別手段は、前記二以上の施設として前記複数の施設の全施設が設定される場合に当該全施設の施設毎に前記解禁条件が満たされるか否か判別してもよい。
また、基礎特典、及び拡大特典として、各種の特典が利用されてよい。例えば、これらとして物理的な景品が利用されてもよいし、電子的な景品が利用されてもよい。あるいは、このような特典として、ゲームに関連する各種の要素(ゲームの進行に有利な影響を与える要素だけでなく、ゲーム画面の背景、特定の称号等のユーザの嗜好性等に関連する各種の要素が含まれてよい)、或いは条件(例えばキャラクタに関する特定のスキルの解禁、或いは特定の進行等のイベントの付与等)等が利用されてもよい。また、基礎特典、及び拡大特典は互いに一致していても、相違していてもよい。同様に、基礎特典、及び拡大特典の価値は、互いに一致していても、相違していてもよい。価値が相違する場合、いずれに価値の高い特典が採用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記拡大抽選手段は、前記拡大特典として前記基礎特典よりも価値の低い特典が付与されるように前記解禁施設に前記拡大抽選を提供してもよい。この場合、拡大抽選が提供されないグループのユーザが感じる可能性がある不公平感を比較的抑制することができる。
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記複数のゲーム機に前記ネットワーク(5)を介して接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、基礎特典(G)を付与するための基礎抽選が、ゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機(3)によって形成される複数のグループ(6)のグループ毎に各グループに限定されるように各グループに属するゲーム機を介して提供される場合に、前記複数のゲーム機にネットワーク(5)を介して接続されるゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記複数のグループのうちの二以上のグループを対象に拡大特典(G)を付与するための拡大抽選を実行する条件として前記二以上のグループの少なくとも一つのグループに対応する前記基礎抽選の抽選結果が解禁条件を満たすか否か判別する条件判別手順と、前記解禁条件が満たされる場合に当該解禁条件を満たすグループとしての解禁グループを対象に前記基礎抽選の代わりに前記拡大抽選を提供する一方で、前記拡大抽選の対象が前記二以上のグループのうち前記解禁グループに限定されるように前記解禁条件が満たされるまで前記拡大抽選の提供をグループ毎に制限する拡大抽選手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。