JP2021052657A - 細胞培養状態測定装置 - Google Patents

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【課題】培養容器内の細胞の培養状態を正確に把握することができる細胞培養状態測定装置を提供する。【解決手段】細胞培養状態測定装置は、投光部12aとそれに対応する受光部12bおよび導光部13を各々有する複数の光測定チャンネルを備える。導光部は、導光路と遮光部とを有し、導光路は、受光部が感度を有する光に対して透明なシリコーン樹脂によって構成され、遮光部は、光を吸収する粒子が分散されたシリコーン樹脂によって構成されている。細胞培養測定装置は、液体培地を収容する1つの収容部に対応して配置された複数の光測定チャンネルからなる測定群を用いて、当該1つの収容部に対して平面内で異なる複数点の吸光度および濁度を含む測定値を測定する測定値取得部と、測定値取得部により測定された複数点の測定値の統計量を算出する統計量算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養状態測定装置に関し、例えば、動物細胞などが培養される加湿機構付き恒温培養器の内部などで使用される細胞培養状態測定装置に関する。
従来、例えばアクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス等からなり、多数の窪み(ウェル)が設けられた平板状のマイクロプレートを用いて、試薬の分離、合成、抽出、分析、細胞培養などが行われている。例えば、抗体が固定された各ウェルに抗原を含む試薬を注入することにより発生する抗体抗原反応(酵素免疫反応)に関する測定(例えば、ELISA法による測定)が、マイクロプレートを用いて行われる。
マイクロプレートの各ウェルに収容された試料に対しては、例えば、当該試料の光学的性質が測定される。この測定は、上記試料に対して光学的測定を行う測定装置であるマイクロプレートリーダーによって行われる。マイクロプレートリーダーは、例えば、吸光、蛍光、化学発光、蛍光偏光等の光学的性質を測定可能である。
従来のマイクロプレートリーダーとして、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載のマイクロプレートリーダーでは、投光部と受光部との組が全てのウェルに対してそれぞれ設けられており、マイクロプレートの各ウェルに収容される試料の全ての光測定をほぼ同時に行うことが可能である。また、導光路を、外光や散乱光を吸収可能な顔料含有樹脂により包囲するので、簡易な構成で外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。
国際公開第2019/044969号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、各ウェルに収容された試料を通過した光を、ウェル毎に1点で測定しているため、1つのウェル内での吸光度等の分布を測定することはできない。ELISA法による測定を実施するための装置として使用する分には問題は無いが、例えばチャンネル数が24チャンネル以下の比較的面積が大きいウェルを用いて細胞を培養しているような場合には、細胞の培養状態によってはウェル内で吸光度の分布が発生する場合がある。そのため、ウェル内の1点で吸光度を測定するだけでは、当該ウェル内の細胞の培養状態を正確に把握することはできない。
そこで、本発明は、培養容器内の細胞の培養状態を正確に把握することができる細胞培養状態測定装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る細胞培養状態測定装置の一態様は、細胞を培養する培養容器内の細胞の状態および液体培地の状態を測定する細胞培養状態測定装置であって、投光部とそれに対応する受光部および導光部を各々有し、平面状に整列配置された複数の光測定チャンネルを備え、前記導光部は、対応する前記投光部から放出され、前記培養容器を透過した光を対応する前記受光部へ導光する導光路と、前記導光路の周囲に接して包囲する遮光部と、を有し、前記導光路は、前記受光部が感度を有する光に対して透明なシリコーン樹脂によって構成され、前記遮光部は、光を吸収する粒子が分散されたシリコーン樹脂によって構成され、前記培養容器において前記液体培地を収容する1つの収容部に対応して配置された複数の前記光測定チャンネルからなる測定群を用いて、当該1つの収容部に対して平面内で異なる複数点の吸光度および濁度を含む測定値を測定する測定値取得部と、前記測定値取得部により測定された前記複数点の測定値の統計量を算出する統計量算出部と、をさらに備える。
このように、液体培地を収容する1つの収容部に対して、複数の光測定チャンネルを用いて複数点での光測定を行うので、吸光度や濁度の面内分布を測定することできる。したがって、培養中の細胞の状態を正確に把握することができる。
また、光測定チャンネルは、透明なシリコーン樹脂により構成される導光路を、光を吸収する粒子が分散されたシリコーン樹脂により構成される遮光部によって包囲した導光部を備える。このように、導光路を、外光や散乱光を吸収可能なシリコーン樹脂により包囲した構成とするので、小型で効率良く外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。そのため、当該迷光による測定誤差を低減することができ、高精度な測定が可能となる。
また、上記の細胞培養状態測定装置において、前記統計量算出部は、前記統計量として、前記複数点の測定値の平均値、最大値、最小値、最大値と最小値との差、分散、標準偏差、および変動係数の少なくとも1つを含む記述統計量を算出するようにしてもよい。この場合、より正確に培養中の細胞の状態を把握することができる。
さらに、上記の細胞培養状態測定装置において、前記培養容器は、前記収容部としてウェルを備えるマイクロプレートであり、前記マイクロプレートの種類に基づいて、予め定められた測定群設定データをもとに、前記測定値の測定に用いる前記測定群を選択する選択部をさらに備え、前記測定値取得部は、前記選択部により選択された前記測定群を用いて、前記測定値を測定してもよい。
マイクロプレートの種類によってウェルの数や形状、形成位置は異なるが、使用するマイクロプレートに対応した適切な測定群を容易に選択し、分布測定を行うことができる。
また、上記の細胞培養状態測定装置において、前記測定群設定データは、前記マイクロプレートのウェル数と、前記ウェルに対応して配置される前記光測定チャンネルを特定する情報とを対応付けたデータであってよい。
この場合、マルチウェルプレートのウェルの位置が、ウェル数によってある程度定められていることを利用して、容易かつ適切に測定値の測定に用いる測定群を選択することができる。
さらに、上記の細胞培養状態測定装置は、前記測定値の測定に用いる前記測定群の指定を受け付ける入力部をさらに備え、前記測定値取得部は、前記入力部により受け付けた前記測定群を用いて、前記測定値を測定してもよい。この場合、培養容器の種類や形状によらずに、任意の光測定チャンネルを用いて測定値を測定することができる。
また、上記の細胞培養状態測定装置において、前記測定値取得部は、前記測定値の測定に用いる前記測定群に属する前記光測定チャンネルの前記投光部のみを点灯して、前記測定値を測定してもよい。この場合、測定に用いる測定群の周囲の投光部を消灯させることができる。これにより、不要な外光や迷光が受光部によって受光されることを確実に抑制することができる。
さらにまた、上記の細胞培養状態測定装置において、前記複数の光測定チャンネルは平面状に縦横に整列配置されており、その数は、縦横に2:3または3:4の比率であり、前記培養容器は、前記収容部としてウェルを備えるマイクロプレートであり、前記複数の光測定チャンネルの総数は、前記マイクロプレートのウェル数の4倍以上であってもよい。
この場合、複数の光測定チャンネルの配置を、一般的なマイクロプレートのウェルの配置に対応させることができる。これにより、例えば光測定チャンネルが2:3の比率で配置された96チャンネルである場合、96ウェルのマイクロプレートを用いた測定(1点測定)と、6ウェルや24ウェルのマイクロプレートを用いた測定(多点測定)とを共通で行うことができる。
また、上記の細胞培養状態測定装置において、前記投光部は、前記培養容器の一方の側に配置され、前記受光部は、前記培養容器を挟んで前記投光部とは反対側に配置され、前記導光部は、前記受光部と前記培養容器との間に配置されており、前記複数の光測定チャンネルが備える前記受光部および前記導光部を収容し、外部の雰囲気に対して気密に封止された受光側筐体をさらに備え、前記受光側筐体は、収容された前記導光部の前記受光部とは反対側に、前記光に対して透明な材料からなる受光側窓部を有し、吸湿性を有さない材料により構成されており、前記投光部と前記受光側窓部との間に、前記培養容器を設置する設置空間を有する。
この場合、受光部および導光部を防水することができるので、導光部が吸湿性を有するシリコーン樹脂により構成されている場合であっても、測定に悪影響を及ぼす吸湿を防止することができる。したがって、例えば加湿機構付き恒温培養器の槽内などにおいても適切に使用することが可能である。
本発明によれば、1つの収容部に収容された液体培地の吸光度および濁度の面内分布を測定することができ、細胞の培養状態を正確に把握することができる。
本実施形態における細胞培養状態測定装置の概略構成図である。 マイクロプレートの一例を示す図である。 導光プレート部の一例を示す図である。 導光路に侵入する外光について説明する図である。 加湿機構付き恒温培養器の概略構成図である。 加湿機構付き恒温培養器の本体内部を示す図である。 従来の96チャンネル×96ウェルプレートの説明図である。 96チャンネル×6ウェルプレートの説明図である。 96チャンネル×24ウェルプレートの説明図である。 細胞培養状態測定装置および外部端末の機能ブロック図である。 384チャンネル×24ウェルプレートの説明図である。 384チャンネル×6ウェルプレートの説明図である。 384チャンネル×12ウェルプレートの説明図である。 細胞培養フラスコの一例を示す図である。 96チャンネル×シャーレの説明図である。 96チャンネル×細胞培養フラスコの説明図である。 96チャンネル×24ウェルプレートの別の例を示す説明図である。 細胞培養状態測定装置の点灯制御について説明する図である。 細胞培養状態測定装置の動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における細胞培養状態測定装置が備えるマルチチャンネルの測定装置10の概略構成図である。ここで、細胞培養状態測定装置は、細胞を培養しながら細胞および液体培地の状態を測定する装置である。
測定装置10は、多湿の環境、例えば、加湿機構付き恒温培養器の槽内において使用することができる。ここでいう多湿とは、例えば湿度90%以上である環境である。
この測定装置10は、投光用基板11aと、測定用基板11bと、複数の光源(投光部)12aと、複数の受光センサ(受光部)12bと、導光プレート部(導光部)13と、を備える。複数の光源12aは、投光用基板11aに設けられており、複数の受光センサ12bは、測定用基板11bに設けられている。投光用基板11aおよび複数の光源12aは、筐体15aに収容されている。測定用基板11b、複数の受光センサ12bおよび導光プレート部13は、筐体15eに収容されている。
(筐体)
筐体15aは、投光用基板11aおよび複数の光源12aを収容し、外部(例えば、恒温培養器の槽内)の雰囲気に対して気密に封止されている。筐体15aは、その下面に、光源12aからの光に対して透明な材料からなる窓部15bを有する。ここでいう透明とは、可視光に対して透明な場合に限られず、紫外光に対して透明な場合をも含む。具体的には、筐体15aは、下方に開口部を有する容器部15cと、当該開口部を気密に封止する窓部15bと、を有する。容器部15cの側壁と窓部15bの外縁部との間には環状の封止部材15dが設けられている。窓部15bの表面側(上面側)とは反対側の面、若しくは容器部15cの側壁の窓部15bと当接する面のいずれか、又は両方に、封止部材15dが嵌合される溝が設けられており、筐体15aの内部と外部が気密に遮断されている。また、筐体15a内には、投光用電源部16aも配置される。
筐体15a内の湿度は、外部(例えば、恒温培養器の槽内)の湿度よりも低く設定されている。なお、筐体15a内の湿度を低く保つために乾燥材を封入してもよい。
ここで、窓部15bは、光源12aからの光に対して透明な平板状の部材とすることができる。また、筐体15a(窓部15bおよび容器部15c)は、吸湿性を有さない材料により構成する。投光する光の波長にもよるが、例えば、窓部15bは、ガラスやアクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂により構成することができる。また、容器部15cは、例えばABS樹脂やアクリル樹脂により構成することができる。封止部材15dは、ゴムのような弾性材料、例えばポリウレタンにより構成することができる。
なお、筐体15aを構成する材料としては、水分により腐食してコンタミネーションが生じるおそれの無い材料を使用するものとする。
筐体15eは、測定用基板11b、複数の受光センサ12bおよび導光プレート部13を収容し、外部(例えば、恒温培養器の槽内)の雰囲気に対して気密に封止されている。導光プレート部13は、筐体15e内において、複数の受光センサ12bが設けられた測定用基板11bの上に配置される。
筐体15eは、その上面に、光源12aからの光に対して透明な材料からなる窓部15fを有する。具体的には、筐体15eは、上方に開口部を有する容器部15gと、当該開口部を気密に封止する窓部15fと、を有する。容器部15gの側壁と窓部15fの外縁部との間には封止部材15hが設けられている。また、筐体15e内には、測定用電源部16bも配置される。
筐体15e内の湿度は、外部(例えば、恒温培養器の槽内)の湿度よりも低く設定されている。
ここで、窓部15fは、光源12aからの光に対して透明な平板状の部材とすることができる。窓部15fと導光プレート部13との間は、離間していてもよい。また、筐体15e(窓部15fおよび容器部15g)は、吸湿性を有さない材料により構成する。
例えば、窓部15fは、ガラスやアクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂により構成することができる。また、容器部15gは、例えばABS樹脂やアクリル樹脂により構成することができる。容器部15gは、可視光、及び光源12aからの光に対して遮光性を有することが好ましい。封止部材15hは、例えばポリウレタンにより構成することができる。
なお、筐体15eを構成する材料としては、水分により腐食してコンタミネーションが生じるおそれの無い材料を使用するものとする。
筐体15aの窓部15bと筐体15eの窓部15fとの間には、支持部材15iが設けられている。支持部材15iは、例えば棒状部材であって、窓部15b、15fの四隅に設けられている。この支持部材15iによって、窓部15bと窓部15fとが上下方向に所定距離離間された状態で、筐体15aと筐体15eとが固定される。ここで、支持部材15iは、吸湿性を有さない材料、つまり、水分を吸収することで伸長することのない材料により構成することが好ましい。
測定装置10は、光源12aと窓部15fとの間に、試料を収容した試料容器を設置する試料容器設置空間を有し、試料容器設置空間に設置された試料容器が収容する試料の吸光特性を測定する。
本実施形態では、測定装置10は、受光センサ12bの上方に導光プレート部13が配置され、導光プレート部13の上方に試料容器設置空間が設定された構成を有する。具体的には、光源12aの下方に配置された窓部15bと、導光プレート部13の上方に配置された窓部15fとの間の空間が、試料容器が設置される試料容器設置空間である。そして、試料容器は、窓部15fの上に載置可能である。
図1において、筐体15eが受光側筐体に対応し、窓部15fが受光側窓部に対応している。
(試料容器)
試料容器は、光透過特性を有する材料により構成された透明な容器である。本実施形態では、試料容器が、細胞を培養する培養容器であって、液体培地を収容する複数の収容部として複数のウェル21を有するマイクロプレート20である場合について説明する。
マイクロプレート20は、例えばアクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ガラス等からなる平板状の部材である。マイクロプレート20は、例えば図2に示すように長方形状の平板部材の表面に複数のウェル21が設けられた構成を有する。ウェル21の形状は、例えば平底を有する円柱形状である。また、ウェル21の数は、6個、12個、24個等である。96ウェルのような小さいウェルの場合、ウェル内の液体培地は、表面張力によって、同じウェル内でも、ウェルの中央と端部とで液面高さが異なってしまう。そのため、細胞を培養する場合には、上記のように比較的ウェル数が少なく、面積の大きいウェルを有するマイクロプレート20を使用する。
(投光部および受光部)
光源12aは、光を放出する投光部であり、投光用基板11aの一方の表面(本実施形態では、下部表面)に配置される。受光センサ12bは、光を受光する受光部であり、測定用基板11bの一方の表面(本実施形態では、上部表面)に配置される。光源12aは、発光素子であり、例えば白色の発光ダイオード(LED)である。受光センサ12bは、受光素子であり、例えばフォトダイオードによるRGBカラーセンサである。
RGBカラーセンサは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各波長帯に感度を有するセンサであり、画像信号ではなく各色に1つのチャンネル(ch)が割り当てられた、合計3chのセンサである。なお、ここでいうチャンネル(ch)とは、カラーセンサ内のチャンネルであって、後述する光測定チャンネルではない。
光源12aは、例えばチップLED(表面実装型LED)とすることができる。この場合、1つの光源12aは、複数の発光部(発光点)を有するチップLEDを含む。なお、光源12aは、レーザダイオード(LD)であってもよく、OLEDによる面光源、多数のLED、LDに拡散板を介した面光源であってもよい。
測定装置10は、光源12aおよび受光センサ12bを複数備える。光源12aおよび受光センサ12bは、例えば、それぞれ所定のマイクロプレート20のウェル21と同じ数だけ備えることができる。例えば、光源12aおよび受光センサ12bの数は、6個、12個、24個、96個、384個等とすることができる。複数の光源12aは1つの投光用基板11aに設けられ、複数の受光センサ12bは1つの測定用基板11bに設けられる。
(投光用基板および測定用基板)
投光用基板11aは、光源12aが接続される光源用電源ラインを有する。複数の光源12aは、投光用基板11aに設けられた光源用電源ラインに接続され、光源用電源ラインから電力を得ている。投光用基板11aの光源用電源ラインには、投光用電源部16aから電力が供給される。
同様に、測定用基板11bは、受光センサ12bが接続されるセンサ用電源ラインを有する。複数の受光センサ12bは、測定用基板11bに設けられたセンサ用電源ラインに接続され、センサ用電源ラインから電力を得ている。測定用基板11bのセンサ用電源ラインには、測定用電源部16bから電力が供給される。
(導光プレート部)
導光プレート部13は、図3に示すように、複数の受光用導光路13aを備える。受光用導光路13aは、投光用基板11aに設けられた光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に入射し、後述するようにウェル21に収容された試料30等を通過する光を受光センサ12bに導光する。
導光プレート部13は、光源12aおよび受光センサ12bの組と同じ数の受光用導光路13aを備える。光源12aと、それに対応する受光センサ12bおよび受光用導光路13aと、当該受光用導光路13aを包囲する包囲部材13bとは、1つの光測定チャンネルを構成する。つまり、測定装置10は、平面状に縦横に整列配置された複数の光測定チャンネルを備える。
なお、導光プレート部13は1つの部材により構成される場合に限られず、複数の部材により構成される場合を排除しない。例えば96個の受光用導光路を用意する場合、8個の受光用導光路が一列に並んだ棒状の導光体を12個並べて構成してもよい。
受光用導光路13aは、光源12aおよび受光センサ12bと同様に、所定のマイクロプレート20のウェル21と同じ数だけ設けられている。例えば上記の所定のマイクロプレート20は、96ウェルのマイクロプレートとすることができる。この場合、複数の受光用導光路13aは、窓部15f上に96ウェルのマイクロプレートが載置された場合に、各受光用導光路13aの光入射端が、それぞれ当該マイクロプレートのウェルの底面に対応する位置に配置されるように、導光プレート部13に設けられる。また、複数の受光用導光路13aは、各受光用導光路13aの光出射端が、それぞれ測定用基板11bに設けられた受光センサ12bに対応する位置に配置されるように、導光プレート部13に設けられる。
1つの光測定チャンネルを構成する光源12a、受光用導光路13aおよび受光センサ12bは、光源12a、受光用導光路13aの光入射端、受光用導光路13aの光出射端および受光センサ12bが、鉛直方向に一列に配置されるように設けられている。このように、複数の光測定チャンネルは、上記の所定のマイクロプレート20の各ウェル21に一対一で対応するように配置されている。
なお、光源12a、受光用導光路13aの光入射端、受光用導光路13aの光出射端および受光センサ12bの配置は、厳密に鉛直方向に一列である必要はなく、光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に収容された試料30等を通過した光が、受光センサ12bに到達可能な配置であればよい。
受光用導光路13aは、光源12aから放出され、マイクロプレート20のウェル21に収容された試料30等を通過する光に対して透明な樹脂(例えば、有色顔料不添加のシリコーン樹脂)により構成される。また、受光用導光路13aは、顔料含有樹脂からなる包囲部材13bにより包囲されている。包囲とは、導光路の伸びる方向を直進光の進行方向と考えた場合に、この進行方向に対して垂直な面において導光路の外周を包囲するという意味での包囲である。ここで、顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂(例えば、シリコーン樹脂)に、迷光を吸収する特性を有する粒子(顔料)を含有したものである。上記顔料は、例えば、黒色顔料であるカーボンブラック等を採用することができる。
本実施形態では、受光用導光路13aを構成する透明な樹脂と、顔料含有樹脂を構成する光透過性を有する樹脂との材質を同じにする。これにより、両樹脂の界面での反射および散乱が抑制される。また、顔料含有樹脂に入射した迷光は、その顔料含有樹脂で吸収され、受光用導光路13aにほとんど戻らず、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。
特に本実施形態のように、光源から受光素子に至るまでの直進光の直進光路の途中において、窓部のように有限の厚みのある透明体が配置され、その窓部の内部反射による外乱光が生じることが必定である場合、本実施形態の受光用導光路がそれを遮断する効果を奏し得る。すなわち、筐体の気密性保持と受光のために透明な窓部を配置した場合には、測定したい試料の近傍の試料を透過した光や、それ以外の光による外乱光の影響が発生してしまうが、本実施形態の受光用導光路によりその影響を大きく低減できるから、このような窓部を設置できるともいえる。
図4に示すように、受光用導光路13aに侵入する外光等のノイズ光L11のうち、受光用導光路13aの光軸と同方向に進む成分は非常に少なく、大部分は、受光用導光路13aと顔料含有樹脂からなる包囲部材13bとの界面から顔料含有樹脂へと入射し、顔料により吸収される。このとき、上記界面での反射は、受光用導光路13aを構成する透明な樹脂と、包囲部材13bを構成する顔料含有樹脂との材質を同じとすることにより、発生しない。
なお、顔料に入射する外光やその散乱光は、当該顔料によりほぼ吸収されるが、わずかながら顔料表面で散乱される。しかしながら、その散乱光は、再度顔料含有樹脂からなる包囲部材13bへと入射する場合が多く、顔料含有樹脂の顔料により吸収されることになる。
したがって、図4に示すように、受光用導光路13aから取り出される光の大部分は、受光用導光路13aの光軸に沿った直進光L1となる。
ところで、受光用導光路13aの断面積や光路長の設定によっては、顔料表面によりわずかながら散乱される散乱光の一部が、受光用導光路13aの光出射端から放出される場合がある。そのため、受光用導光路13aの断面積や光路長を適宜設定し、その強度を測定に影響しない程度にまで減衰することが好ましい。
受光用導光路13aの光入射端の面積が大きくなると、受光用導光路13aへ入射する光量は大きくなる。よって、当該光入射端の面積が大きくなると、受光用導光路13aを進む直進光の強度も、受光用導光路13aの光入射端で散乱して光出射端へと散乱光として到達する外光の強度も大きくなる。
本発明者は、受光用導光路13aの光入射端の面積に対する直進光の強度依存性、および外光の強度依存性を調査した。その結果、受光用導光路13aの直径の増加に対する外光の強度の増加量は、測定光の強度の増加量よりも大きいことがわかった。
つまり、受光用導光路13aの光入射端の面積が狭いほど、S/N比が向上することがわかった。具体的には、光入射端から光出射端までの距離(L)に対する、受光用導光路13aの光入射端の面積(A)の平方根の比(√A/L)が、0.4以下であると、S/N比が十分に高い光測定が可能となることがわかった。
したがって、受光用導光路13aの断面積や光路長は、上記の条件を満たすように設定することが好ましい。これにより、散乱光の光測定への悪影響を適切に抑制することができる。
(通信部)
測定装置10は、外部装置との間でデータのやり取りを行う通信部15jを備えていてもよい。通信部15jは、例えば無線通信により外部装置との間で通信を行うことができる。なお、通信部15jは、有線通信により外部装置との間で通信を行ってもよい。ただし、この場合、通信ケーブルには、防水ワイヤ等を使用することが好ましい。
通信部15jは、受光センサ12bにより測定された光強度情報を外部装置に送信することができる。この場合、外部装置は、通信部15jから受信した光強度情報をもとに、試料30の吸光度および濁度を測定する。ここで、外部装置は、測定装置10が設置される恒温培養器であってもよいし、当該恒温培養器とは異なる装置であってもよい。
なお、測定装置10が、受光センサ12bにより測定された光強度情報をもとに試料30の吸光度および濁度を算出する算出部を備える場合、通信部15jは、算出部により算出された吸光度情報および濁度情報を外部装置に送信してもよい。
液体培地は、培地のpHを色で示すために、フェノールレッドなどの赤色系の色素で染色されている場合がある。その場合、培地のpHが6.2〜7.4から7.4以上に変化すると、培地の色は赤から赤紫に変化する。また、培地のpHが6.2〜7.4から6.2以下に変化すると、培地の色は赤から黄色に変化する。よって、吸光度の測定は、受光センサ12bが有するRGBのチャンネル(ch)のうち、吸光度変化の大きいG(緑)、若しくはB(青)のchを用いて測定された光強度情報をもとに行うことが好ましい。得られた吸光度は、所定の算出方法を用いてpH値に換算される。
一方、液体培地の濁度は、OD600(波長600nmを有する光の光学密度)の測定値によって知ることができる。OD600の測定値は、例えばR(赤)のchを用いて波長域575nm‐660nmの透過率変化を測定することで得ることができる。
(恒温培養器)
以下、測定装置10が設置される加湿機構付き恒温培養器について説明する。
図5は、CO2インキュベータなどの加湿機構付き恒温培養器100の概略構成を示す図である。
恒温培養器100は、本体110と、扉120と、を備える。図6に示すように、本体110は、その内部に収容空間111を備える。本体110は、前面に開口部を有する箱型の収容体である。扉120は、例えば片開き式のドアであり、本体110に対して開閉可能に取り付けられている。本体110の収容空間111は、扉120により本体110の開口部が塞がれることで、外部に対する密封性と断熱性とが保持される。
図6に示すように、本体110の収容空間111内は、複数の棚板112が上下方向に離間して水平に配置されている。そして、その棚板112の上に、上述した測定装置10が複数配置されている。各測定装置10の試料容器設置空間には、それぞれマイクロプレート20を設置可能である。
なお、収容空間111内に設置される測定装置10の数は、図6に示す数に限定されるものではない。
また、図5に示すように、扉120は、本体110の収容空間111内が見えるように、透光性を有する観察窓121を備える。なお、観察窓121は、収容空間111の断熱性を確保できる材質または構成であることが好ましい。
本体110の下面の例えば四隅には、キャスタ131が設けられている。このキャスタ131により、恒温培養器100は、所望の位置に移動可能である。
また、本体110の例えば前面上部には、表示部132が設けられている。この表示部132は、例えば、収容空間111内の温度や湿度、ガス濃度、培養細胞の状態といった各種情報を表示することができる。表示部132は、液晶モニタとすることができる。なお、表示部132は、タッチパネルにより構成されていてもよい。
さらに、本体110には、制御部140が内蔵されている。制御部140は、収容空間111内が、細胞培養に好適な温度(例えば、37℃)や湿度(例えば、90%以上)に維持されるように、また、収容空間111内が、所定の二酸化炭素濃度(例えば、5%)に維持されるように、収容空間111内の状態を制御する。
また、制御部140は、収容空間111内に配置された測定装置10への給電制御や、測定装置10により測定されたデータの収集、分析等を行ってもよい。さらに、制御部140は、測定装置10や外部装置との間でデータのやり取りを行う通信機能を有していてもよい。なお、通信方式は、無線であってもよいし、有線であってもよい。
医療や創薬の分野において、培養細胞の状態管理は重要視されている。例えば、再生医療においては、iPS細胞などの幹細胞を目的の細胞へと分化誘導する際(あるいは未分化を維持する際)、培養容器中の細胞全体(群)の状態を把握する必要がある。また、創薬やバイオ分野においては、高精度かつ効率的なスクリーニングのために培養細胞群の条件統一が求められる。
従来、これらの細胞品質管理には、顕微鏡を用いた形態評価や、分光光度計による吸光度測定、濁度の測定、細胞培養技術者による培地の色変化をもとにした判断などが行われてきたが、細胞の状態を把握する度に恒温培養器から細胞サンプルを移動させる操作が必要となり、不純物混入の要因となっていた。また、それら作業を技術者の経験に依存すること、人為的ミスによる細胞の汚染、品質の不均質性など様々な課題があった。
これに対して、本実施形態における測定装置10は、加湿機構付き恒温培養器100の槽内である収容空間111に設置されて使用される。したがって、従来のように細胞の状態を把握する度に恒温培養器から細胞サンプルを移動させる操作が不要となり、上記のような不純物混入等の問題を回避することができる。
ところで、細胞を培養する場合、培養容器としては、6ウェル、12ウェル、24ウェルといった1ウェルの面積が比較的大きい(ウェル数が比較的少ない)マイクロプレートや、シャーレなどが使用される。このように液体培地が収容される収容部の面積が比較的大きい培養容器を用いる場合、収容部内の1点だけで吸光度や濁度を測定しても、細胞の培養状態を正確に把握することはできない。細胞の培養状態を正確に把握するためには、収容部内の吸光度の分布を測定する必要がある。
しかしながら、例えば図7に示すように、光測定チャンネル41を96個有する96チャンネルの測定装置10において、ウェル21を96個有する96ウェルのマイクロプレート20を用いた場合(96チャンネル×96ウェルプレートの場合)には、ウェル毎に1点で測定することになるため、ウェル内の吸光度の分布を測定することはできない。
そこで、本実施形態における細胞培養状態測定装置は、培養容器として、測定装置10が備える光測定チャンネル数よりも少ないウェル数を有するマイクロプレート20を用いる。
具体的には、ウェル内の分布を測定するために、光測定チャンネル数とウェル数との関係が、光測定チャンネル数÷2≧ウェル数であるマイクロプレート20を用いる。これにより、1つのウェル21に対して2以上の光測定チャンネルを配置し、分布測定を行うことができる。
なお、本実施形態の測定装置10は、複数の光測定チャンネルが、所定のマイクロプレート20の各ウェル21に一対一で対応するように配置されており、ウェル数が異なるマイクロプレート20に対して共通して使用できる仕様とする。具体的には、本実施形態の測定装置10は、96個の光測定チャンネルが96ウェルのマイクロプレート20の各ウェル21に一対一で対応するように配置された96チャンネルの測定装置10であり、96ウェル測定(1点測定)と、6ウェル測定や24ウェル測定(多点測定)とを共通で行う。
このような仕様の場合は、ウェル数が異なるマイクロプレート20に対して光測定チャンネルの位置が共通である(光測定チャンネルの位置を変動させることができない、つまり、固定である)ため、光測定チャンネル数とウェル数との関係は、光測定チャンネル数÷4≧ウェル数である必要がある。
図8は、96チャンネルの測定装置10において、6ウェルのマイクロプレート20を用いた場合の各ウェル21と光測定チャンネル41との位置関係を示す図である。また、図9は、96チャンネルの測定装置10において、24ウェルのマイクロプレート20を用いた場合の各ウェル21と光測定チャンネル41との位置関係を示す図である。
このように、光測定チャンネル41の総数がマイクロプレート20のウェル数の4倍であれば、1つのウェル21に対して複数(具体的には4つ)の光測定チャンネル41を適切に配置することができる。したがって、細胞培養状態測定装置は、1つの収容部(ウェル)に対して、平面内で異なる複数点での吸光度測定および濁度測定を行い、測定値(pH値および濁度)の分布を測定することができる。
図8に示すように、96チャンネル×6ウェルプレートの場合、図中の左上から右下に向けて、第1列目を第1ウェル21a、第2ウェル21b、第3ウェル21c、第2列目を第4ウェル21d、第5ウェル21e、第6ウェル21fとすると、第1ウェル21aに対しては、第1測定群42aに属する4つの光測定チャンネル41を用いてそれぞれ光測定を行い、4つの測定値が測定されることになる。ここで、第1測定群42aは、96チャンネルをA〜H、1〜12の英数字で座標を表すとすると、B2、B3、C2、C3の4つの光測定チャンネル41からなる。
同様に、第2ウェル21bに対しては、B6、B7、C6、C7の4つの光測定チャンネル41を第2測定群42bとし、第2測定群42bに属する4つの光測定チャンネル41を用いて光測定を行い、4つの測定値を測定する。第3ウェル21c〜第6ウェル21fについても同様である。
そして、本実施形態では、細胞培養状態測定装置は、1つの測定群について得られた複数の測定値の統計量を算出し、その結果を1つのウェルの測定値の分布を表す指標とする。統計量としては、例えば、複数の測定値の平均値、最大値、最小値、範囲(最大値と最小値との差)、分散、標準偏差、変動係数等の記述統計量を用いることができる。
以下、本実施形態における分布測定を行う細胞培養状態測定装置の構成について具体的に説明する。
図10は、本実施形態における細胞培養状態測定装置200の構成を示す機能ブロック図である。
細胞培養状態測定装置200は、上述した測定装置10と、外部端末210と、を備える。測定装置10は、恒温培養器100の内部に定常的に設置され、外部端末210とは物理的に分離されている。外部端末210は、例えばPC端末、タブレット端末、携帯電話端末、クラウドコンピュータなどの電子機器であり、入力装置220と出力装置230とを保持、または接続できるようになっている。入力装置220は、例えばキーボードやマウス等のポインティングディバイス、タッチパネルなどのユーザインターフェースを備え、出力装置230は、例えば文字や画像を表示可能な液晶モニタやタッチパネル等を備える。なお、外部端末210は、例えば恒温培養器100であってもよい。
外部端末210は、入力部211、処理部212、測定値取得部213、統計量算出部214、出力部215、設定記憶部216、測定値記憶部217および統計量記憶部218を備える。
入力部211は、ユーザが入力装置220を操作して入力した情報を取得し、処理部212は、入力部211により取得された情報もとに測定モードを選択する。
例えば図8に示すように、96チャンネル×6ウェルプレートの場合、光測定に必要な光測定チャンネル41は、B2、B3、B6、B7、B10、B11、C2、C3、C6、C7、C10、C11、F2、F3、F6、F7、F10、F11、G2、G3、G6、G7、G10、G11のみである。
一方、図9に示すように、96チャンネル×24ウェルプレートの場合、すべての光測定チャンネル41が光測定に必要となる。
このように、96チャンネルのうち、いずれの光測定チャンネル41が光測定に必要であるかは、測定装置10に設置されているマイクロプレート20のウェル21の数によって異なる。
そこで、細胞培養測定装置200は、例えば6ウェルのマイクロプレート20を用いる場合は「6ウェル測定モード」、12ウェルのマイクロプレート20を用いる場合は「12ウェル測定モード」、24ウェルのマイクロプレート20を用いる場合は「24ウェル測定モード」として、光測定に用いる光測定チャンネル41を切り替えて光測定を行うようにする。
外部端末210は、例えば出力装置230に測定モードの入力を促す情報を表示させ、ユーザに測定モードを入力させる。このとき、外部端末210は、ユーザに、使用するマイクロプレート20の種類、例えば、マイクロプレート20のウェル数や、ウェル数を把握できる情報(例えば型番など)を入力させてもよい。そして、入力部211は、取得した情報を、処理部212に出力する。
処理部212は、入力部211により取得された情報をもとに測定モード(ウェル測定モード)を選択し、選択した測定モードで使用する光測定チャンネル41および測定群を選択する。
一般に、マルチウェルプレートのウェルの位置は、ある程度標準化され、共通化されているため、ウェル数さえ分かれば、どの位置にウェルが来るかは既知である。
本実施形態では、処理部212は、予め定められた測定群設定データをもとに、選択した測定モードの光測定で使用する光測定チャンネル41および測定群を選択する。ここで、測定群設定データは、マイクロプレートのウェル数と、当該マイクロプレートの各ウェルに対応して配置される光測定チャンネル41を特定する情報とを対応付けたデータであり、設定記憶部216が記憶しておくことができる。
処理部212は、測定モードに基づいて、光測定に使用する光測定チャンネル41および測定群を選択すると、選択した光測定チャンネル41の情報を測定装置10の測定装置制御部17に送信する。
測定装置10と外部端末210とは、有線または無線通信によって情報通信を行うことができる。なお、有線通信の場合は、恒温培養器100の槽内に導出された通信ケーブル等を用いて情報通信を行う。
なお、本実施形態では、外部端末210の設定記憶部216が測定群設定データを格納している場合について説明したが、測定群設定データは、測定装置10本体が持つ記憶装置等に格納されていてもよい。この場合、外部端末210は、測定モードを測定装置10に送信し、測定装置10が、測定モードに基づいて光測定に使用する光測定チャンネル41を選択する。
測定装置10の測定装置制御部17は、外部端末210から光測定に使用する光測定チャンネル41の情報を取得すると、光測定に使用する光測定チャンネル41に対応する光源12aのみを点灯させ、対応する受光センサ12bにより測定された光強度情報を取得し、これを外部端末210の測定値取得部213に送信する。
測定値取得部213は、測定装置制御部17から送信された光強度情報をもとに、ウェル21毎に複数点の吸光度(pH値)および濁度を測定する。測定された測定値は、測定値記憶部217によって記憶される。
統計量算出部214は、測定値取得部213により測定された複数の測定値の統計量を算出する。このとき、統計量算出部214は、ウェル21毎(測定群毎)に統計量を算出する。算出された統計量は、統計量記憶部218によって記憶される。
出力部215は、統計量算出部214により算出された統計量をもとに、ユーザに提示すべき情報を出力装置230に出力させる。例えば、出力部215は、統計量算出部214により算出された統計量をそのまま出力装置230に表示させてもよいし、統計量算出部214により算出された統計量に基づいて細胞の培養状態を判定し、その判定結果を出力装置230に表示させてもよい。また、出力部215は、細胞の培養状態の判定結果をもとに培地の交換や継代、廃棄の要否を判定し、その判定結果を出力装置230に表示させてもよい。
培地のpHが、例えば7.4よりも大きい(アルカリ性)場合、培養中の細胞の少なくとも一部が死滅している、インキュベータ装置内のCO2濃度が所定値以下となっている、インキユベータ装置内のCO2の循環が滞り、培地のpH制御が不十分となっているなどの状況であると判定することができる。そして、この場合には、培地を交換し、再度新しい細胞を播種することが必要であると判定することができる。
また、培地のpHが、例えば6.2よりも小さい(酸性)場合で、かつ濁度が許容値よりも高い場合には、培地は何らかの不純物が混入した状態であり、細胞培養が良好に行われていないと判定することができる。この場合、培地を廃棄する必要があると判定することができる。一方、培地のpHが酸性で、かつ濁度が許容値よりも低い場合には、対数増殖期の細胞数が増加して細胞の代謝物(主に乳酸)が培地中に溜まっていると判定することができる。この場合、培地の交換または継代を行う必要があると判定することができる。
培地のpHが6.2〜7.4である場合には、細胞培養が順調に進んでおり、インキュベータ装置内部における培地外部のCO2の状況も良好であり、培地への不純物混入も殆どないと判定することができる。そして、この場合には、培地交換や継代の必要はないと判定することができる。
出力部215は、例えば1つのウェル21(1つの測定群)の測定値の平均値をもとに、上記の判定条件に従って各ウェル21の培地の状態を判定することができる。
また、例えば、出力部215は、1つのウェル21(1つの測定群)の測定値のうちの最大値と最小値との差が許容値を超えている場合など、1つのウェル21内において測定値のばらつきが大きい場合に、そのウェル21内にて細胞の凝集や細胞破壊などが発生していると判定することもできる。
なお、出力部215は、細胞培養が良好に行われていないと判定された場合、音(アラート)などにより異常を報知するようにしてもよい。
図10に示す外部端末210が備える各部の機能は、外部端末210が備えるCPUが、外部端末210のROM等に格納されたプログラムを読み出し、実行することによって実現することができる。
このように、本実施形態の細胞培養測定装置200は、光測定チャンネル数よりも少ないウェル数のマイクロプレート20を用い、1つのウェルに対して平面内で異なる複数点の吸光度測定および濁度測定を行うことで、1つのウェル内に注入された液体培地の吸光度、濁度の面内分布を測定することができる。
なお、上記の例では、光測定チャンネル数が96チャンネルである場合について説明したが、光測定チャンネル数は上記に限定されるものではなく、同様に平面状に縦横に2:3の比率で整列配置された、例えば384チャンネルであってもよい。
この場合、図11に示すように、光測定チャンネル41を、縦16チャンネル(A〜P)、横24チャンネル(1〜24)で配置する。この図11に示すように、24ウェルプレートを用いた場合には、4つの光測定チャンネル41で1つの測定群42を構成することになり、1つのウェル21に対して4点の吸光度測定および濁度測定が可能となる。
また、図12に示すように、6ウェルプレートを用いることもできる。さらに、図13に示すように、12ウェルプレートを用いることもできる。これらの場合、5つ以上の光測定チャンネル41で1つの測定群42を構成することができる。1つのウェル21に対して5点以上の吸光度測定および濁度測定が可能となるため、より高精度な分布測定が可能となる。
さらに、本実施形態では、光測定チャンネル41は、縦横に2:3の比率でアレイ配置されている場合について説明したが、上記比率は3:4であってもよい。
つまり、光測定チャンネル41のチャンネル総数は、例えば12×16=192チャンネルであってもよい。この場合、縦横に3:4の比率でウェルがアレイ配置されている12ウェルや48ウェルのマイクロプレート20に対して、より適切に分布測定が可能となる。
また、上記の実施形態では、使用するマイクロプレート20のウェル数に応じて一意に測定群を選択するウェル測定モードについて説明したが、ユーザが任意の測定群を選択して光測定を行うことができる任意測定モードがあってもよい。
培養容器は、マイクロプレート20に限定されるものではなく、シャーレや図14に示すような細胞培養フラスコ20Aであってもよい。このように、単一の収容部を有し、収容部の面積が比較的広い培養容器に対しては、ユーザが任意の複数の光測定チャンネルを指定し、指定された複数の光測定チャンネルからなる測定群を用いて光測定ができるようにしてもよい。
例えば、図15に示すように、培養容器としてシャーレ20Bを用いた場合には、ユーザは、試料容器設置空間におけるシャーレ20Bの配置位置に応じた任意の測定群42を指定することができる。同様に、培養容器として細胞培養フラスコ20Aを用いた場合には、図16に示すように、ユーザは、試料容器設置空間における細胞培養フラスコ20Aの配置位置に応じた任意の測定群42を指定することができる。
なお、試料容器設置空間には、細胞培養フラスコ20Aやシャーレ20Bを複数設置することもできる。この場合、ユーザは、任意の測定群を複数指定することもできる。
また、上記の実施形態では、光測定チャンネル41を平面状において縦横に等間隔で配置する場合について説明した。しかしながら、光測定チャンネル41の配置を上記に限定されない。例えば、マイクロプレート20のウェル21の位置に合わせて、光測定チャンネル41の位置を特定位置に密集させてもよい。
例えば、96チャンネル×24ウェルプレートの場合、図17に示すように、24個の各ウェル21の中央位置近傍にそれぞれ光測定チャンネル41を密集させて配置してもよい。これにより、24ウェルプレートに特化した測定が可能となり、図9に示すように光測定チャンネル41を等間隔で均等に整列配置させた場合と比較して、より適切に各ウェルの分布測定が可能となる。
なお、図17に示すように24ウェルプレートのウェルの位置に合わせて光測定チャンネル41の位置を設定した場合、96ウェルプレートを用いた測定(1点測定)を共通で行うことはできないが、6ウェルプレートやシャーレ等を用いた測定(多点測定)は共通で行うことができる。
さらに、上記の実施形態では、光測定に用いる光測定チャンネル41に対応する光源12aのみを点灯させる場合について説明したが、光測定チャンネル41は個別に駆動可能な構成に限定されない。
例えば、全ての光源12aを点灯し、設定された測定群42に属する光測定チャンネル41に対応する受光センサ12bの測定信号をもとに測定値を測定するようにしてもよい。つまり、光測定に使用する全ての光測定チャンネル41(全ての測定群)について、同時に測定値を測定してもよい。本実施形態における光測定チャンネル41の構造によれば、隣接する光源12aが点灯していても、それによるノイズ光を除去することができるため、測定精度には殆ど影響がない。
ただし、ノイズ光を確実に除去するためには、光測定に用いる光測定チャンネル41に対応する光源12aのみを点灯させる方が好ましい。
さらに、測定群42が複数設定されている場合には、測定群42毎に光測定を行ってもよい。つまり、図18に示すように、第1測定群42aと第2測定群42bとが設定されている場合、まずは第1測定群42aに属する光測定チャンネル41a、41bに対応する光源12aを点灯(on)して光測定を行い、その間は第2測定群42bに属する光測定チャンネル41c、41dに対応する光源12aを消灯(off)する。そして、次に、第2測定群42bに属する光測定チャンネル41c、41dに対応する光源12aを点灯(on)して光測定を行い、その間、第1測定群42aに属する光測定チャンネル41a、41bに対応する光源12aを消灯(off)する。
また、光測定に使用する光測定チャンネル毎に測定値を測定してもよい。つまり、光測定チャンネルを1つずつ点灯させ、順番に測定値を測定してもよい。
このように、測定対象とする光測定チャンネルに対応する光源12aのみを点灯させ、周囲の光源12aを消灯させることで、不要な外光、迷光が受光センサ12bに侵入することを確実に防ぎ、直進光のみを精度よく測定することができる。また、多数の光測定チャンネルについて同時測定を行うと、突入電流が発生するおそれがあるため、その対策をするための回路が必要になる。光測定に必要な光源12aのみを点灯させる構成であれば、上記回路が不要となる。
次に、細胞培養状態測定装置200の動作について、図19に示すフローチャートを用いて説明する。
細胞培養状態測定装置200を使用するユーザが、外部端末210に付随する入力装置220を操作していずれの培養容器によって細胞を培養しながらその状態を測定するかを指定すると、細胞培養状態測定装置200の入力部211は、ステップS2においてその情報を取得する。そして、処理部212は、取得した情報をもとに測定モードを選択する。例えば、ユーザが6ウェルのマイクロプレート20を指定すると、処理部212は、6ウェル測定モードを選択する。
ステップS2では、処理部212は、設定記憶部216に記憶された測定群設定データを参照し、ステップS1において選択した測定モードに基づいて、光測定に使用する光測定チャンネル41を選択する。なお、ステップS1においてユーザが任意測定モードを指定している場合、処理部212は、ユーザから複数の光測定チャンネル41の指定を受け付け、光測定に使用する光測定チャンネル41(測定群)として選択する。
ステップS3では、処理部212は、ステップS2において選択された光測定チャンネル41の情報を測定装置10に送信し、当該光測定チャンネル41に対応する光源12aを点灯させる。
ステップS4では、測定値取得部213は、ステップS2において選択された光測定チャンネル41に対応する受光センサ12bにより測定された光強度情報を取得し、取得した光照度情報をもとに吸光度(pH)および濁度(細胞数)を測定する。
ステップS5では、統計量算出部214は、1つのウェル21に対応する複数の光測定チャンネル41、すなわち1つの測定群に属する複数の光測定チャンネル41によって測定された各測定値の統計量を算出する。具体的には、統計量算出部214は、各測定値の平均値、最大値、最小値、範囲(最大値と最小値との差)、分散、標準偏差、変動係数等の記述統計量を算出する。
ステップS6では、出力部215は、ステップS5において算出された統計量や、当該統計量に基づいて判定された細胞の培養状態を出力装置230に表示したり、細胞培養が良好に行われていない場合にはこれを報知(警告)したりする。
以上説明したように、本実施形態における細胞培養状態測定装置200は、液体培地を収容する1つの収容部(例えばウェル21)に対応して配置された複数の光測定チャンネル41からなる測定群を用いて、当該1つの収容部に対して平面内で異なる複数点の測定値(吸光度および濁度)を測定する測定値取得部213と、測定値取得部213により測定された複数点の測定値の統計量を算出する統計量算出部214とを備える。
このように、細胞培養測定装置200は、液体培地を収容する1つの収容部に対して、複数の光測定チャンネル41を用いて複数点での光測定を行うので、吸光度や濁度の面内分布を測定することできる。したがって、培養中の細胞の状態を正確に把握することができる。
また、光測定チャンネル41は、投光部(光源12a)とそれに対応する受光部(受光センサ12b)および導光部を有し、導光部は、透明なシリコーン樹脂により構成される受光用導光路13aを、光を吸収する粒子が分散されたシリコーン樹脂により構成される包囲部材13bによって包囲した構成を有する。このように、導光路を、外光や散乱光を吸収可能なシリコーン樹脂により包囲した構成とするので、小型で効率良く外光や散乱光等が迷光(ノイズ光)となって受光部に入射されることを抑制することができる。そのため、当該迷光による測定誤差を低減することができ、高精度な測定が可能となる。
また、包囲部材13bを構成する顔料含有樹脂は、光透過特性を有する樹脂に顔料を含有させたものであり、受光用導光路13aは、上記の光透過特性を有する樹脂と同等の樹脂により構成することができる。この場合、両樹脂の界面での反射や散乱を適切に抑制することができる。つまり、顔料含有樹脂に入射した迷光は当該顔料含有樹脂により吸収され受光用導光路13aに殆ど戻らず、迷光の複雑な多重反射がほとんど発生しない。また、受光用導光路13aの断面積や光路長を適宜設定することにより、外光の影響を著しく抑制することもできる。
すなわち、装置内部に外光が進入したとしても、導光プレート部13における受光用導光路13aにおいて、外光の影響は著しく減衰される。よって、測定装置10内部の光学系に対して厳密にノイズ光対策を行う必要がなく、また、そのノイズ光対策のために装置自体が大がかりになることもない。
以上のようなシリコーン樹脂を用いたモノリシックな光学系の技術を、SOT(Silicone Optical Technologies)と呼称する。本実施形態では、SOT構造を測定装置10の光学系に採用することにより、外光(ノイズ光)の影響をほぼ無視することが可能となり、装置の小型化と高精度な光測定とが実現された測定装置10とすることができる。
さらに、細胞培養測定装置200において、投光部である光源12aを白色LED、受光部である受光センサ12bをRGBカラーセンサとすることができる。このように、分光機構を持ち合わせない構成で、受光部側で各色(RGB)の分布を測定することができる。例えば吸光度を測定する方法として、CCDカメラを用いる方法が知られているが、この場合、モノクロメータ等の分光機構により測定波長を設定する必要がある。本実施形態では、上記のような分光機構が不要であるため、光学系の小型化が可能である。
また、従来のCCDカメラを用いた方法では、ウェル内の吸光度の分布を測定するためには、ウェル内でCCDカメラをスキャンさせる必要がある。本実施形態では、光学系にSOT構造を採用して直進光のみを取り出すことができる構成であるので、1つのウェル内に複数の光測定チャンネルを配置し、複数点で吸光度および濁度を同時に精度良く測定することが可能である。
また、本実施形態における細胞培養測定装置200は、ウェル測定モードを備え、培養容器がマイクロプレートである場合、マイクロプレート20の種類に基づいて、予め定められた測定群設定データをもとに、測定値の測定に用いる測定群を選択することができる。ここで、測定群設定データは、マイクロプレート20のウェル数と、ウェル21に対応して配置される光測定チャンネル41を特定する情報とを対応付けたデータとすることができる。
マイクロプレートの種類によってウェルの数や形状、形成位置は異なるが、マルチウェルプレートのウェルの位置が、ウェル数によってある程度定められていることを利用して、使用するマイクロプレート20に対応した適切な測定群を容易に選択し、分布測定を行うことができる。
さらに、細胞培養測定装置200は、任意測定モードを備えることもできる。培養容器が細胞培養フラスコ20Aやシャーレ20Bである場合や、マイクロプレート20の一部のウェル21でのみ細胞を培養している場合には、ユーザから測定群の指定を受け付け、指定された測定群を用いて測定値を測定することもできる。このように、培養容器の種類や形状によらずに、任意の光測定チャンネル41を用いて測定値を測定することもできる。
また、細胞培養測定装置200は、光測定チャンネル41を個別に駆動可能な構成とし、測定値の測定に用いる光測定チャンネル41の光源12aのみを点灯して、測定値を測定することもできる。この場合、測定に用いる測定群の周囲の投光部を消灯させることができるので、不要な外光や迷光が受光部によって受光されることを確実に抑制することができる。
さらにまた、複数の光測定チャンネル41は、平面状に縦横に整列配置されており、その数は、縦横に2:3または3:4の比率とすることができる。つまり、複数の光測定チャンネル41の配置を、一般的なマイクロプレートのウェルの配置に対応させた配置とすることができる。これにより、ウェル数が異なるマイクロプレート20(例えば、96ウェル、24ウェル、6ウェル)に対して共通して使用できる仕様とすることができる。
また、本実施形態における細胞培養測定装置200は、複数の光測定チャンネル41が備える受光部および導光部を収容し、外部の雰囲気に対して気密に封止された受光側筐体としての筐体15eを備えることができる。そして、その受光側筐体は、収容された導光部の受光部とは反対側に、光に対して透明な材料からなる窓部15fを有し、吸湿性を有さない材料により構成することができる。
このように、受光センサ12bおよび導光プレート部13が防水された構成とすることで、導光プレート部13が吸湿性を有するシリコーン樹脂等により構成されている場合であっても、導光プレート部13が水分を吸収することを防止することができる。その結果、シリコーン樹脂が水分を吸収することに起因する受光用導光路の光路長変化や屈折率変化を防止することができ、光測定への悪影響を防止することができる。したがって、例えば加湿機構付き恒温培養器の槽内などにおいても適切に使用することが可能である。
以上のように、本実施形態における細胞培養測定装置200は、1つの収容部に収容された液体培地の吸光度および濁度の面内分布を測定することができ、細胞の培養状態を正確に把握することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、複数の光測定チャンネル41が平面状に縦横に整列配置されている場合について説明したが、複数の光測定チャンネル41は、一列に整列配置されていてもよい。この場合、複数のウェルが一列に配列されたマイクロプレートにも適用可能である。また、シャーレや細胞培養フラスコにも同様に適用可能である。
また、上記実施形態においては、測定装置10は、マイクロプレート20のウェル21の上方から光を照射し、ウェル21を通過した光をウェル21の底面側で受光する構造である場合について説明した。しかしながら、測定装置10は、マイクロプレート20のウェル21の下方から光を照射し、ウェル21を通過した光をウェル21の上方で受光する構造であってもよい。
また、上記実施形態において、受光用導光路13aを透明な樹脂により構成する場合について説明したが、受光用導光路13aは空洞であってもよい。その場合、受光用導光路を透明な樹脂により構成した場合のような、受光用導光路とそれを包囲する顔料含有樹脂からなる包囲部材13bとの界面における迷光反射の抑制効果は得られない。しかしながら、顔料含有樹脂に入射した迷光は当該顔料含有樹脂によって吸収されるので、迷光の複雑な多重反射はある程度抑制される。
また、上記実施形態においては、必ずしも試料容器を水平配置して、その鉛直方向に投光部と受光部とを配置することに限られるものではなく、例えば試料容器を垂直配置したり、試料容器の斜め方向に投光部と受光部とを配置したりするなど、培養容器に収容されている試料が光測定できる範囲内で適宜変形可能である。
10…測定装置、12a…光源、12b…受光センサ、13…導光プレート部、13a…受光用導光路、13b…包囲部材、20…マイクロプレート、21…ウェル、30…試料、41…光測定チャンネル、42…分布測定群、100…恒温培養器、200…細胞培養状態測定装置、210…外部端末、211…処理部、212…入力部、213…測定値取得部、214…統計量算出部、215…出力部、220…入力装置、230…出力装置

Claims (8)

  1. 細胞を培養する培養容器内の細胞の状態および液体培地の状態を測定する細胞培養状態測定装置であって、
    投光部とそれに対応する受光部および導光部を各々有し、平面状に整列配置された複数の光測定チャンネルを備え、
    前記導光部は、対応する前記投光部から放出され、前記培養容器を透過した光を対応する前記受光部へ導光する導光路と、前記導光路の周囲に接して包囲する遮光部と、を有し、
    前記導光路は、前記受光部が感度を有する光に対して透明なシリコーン樹脂によって構成され、
    前記遮光部は、光を吸収する粒子が分散されたシリコーン樹脂によって構成され、
    前記培養容器において前記液体培地を収容する1つの収容部に対応して配置された複数の前記光測定チャンネルからなる測定群を用いて、当該1つの収容部に対して平面内で異なる複数点の吸光度および濁度を含む測定値を測定する測定値取得部と、
    前記測定値取得部により測定された前記複数点の測定値の統計量を算出する統計量算出部と、をさらに備えることを特徴とする細胞培養状態測定装置。
  2. 前記統計量算出部は、
    前記統計量として、前記複数点の測定値の平均値、最大値、最小値、最大値と最小値との差、分散、標準偏差、および変動係数の少なくとも1つを含む記述統計量を算出することを特徴とする請求項1に記載の細胞培養状態測定装置。
  3. 前記培養容器は、前記収容部としてウェルを備えるマイクロプレートであり、
    前記マイクロプレートの種類に基づいて、予め定められた測定群設定データをもとに、前記測定値の測定に用いる前記測定群を選択する選択部をさらに備え、
    前記測定値取得部は、前記選択部により選択された前記測定群を用いて、前記測定値を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養状態測定装置。
  4. 前記測定群設定データは、前記マイクロプレートのウェル数と、前記ウェルに対応して配置される前記光測定チャンネルを特定する情報とを対応付けたデータであることを特徴とする請求項3に記載の細胞培養状態測定装置。
  5. 前記測定値の測定に用いる前記測定群の指定を受け付ける入力部をさらに備え、
    前記測定値取得部は、前記入力部により受け付けた前記測定群を用いて、前記測定値を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養状態測定装置。
  6. 前記測定値取得部は、
    前記測定値の測定に用いる前記測定群に属する前記光測定チャンネルの前記投光部のみを点灯して、前記測定値を測定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の細胞培養状態測定装置。
  7. 前記複数の光測定チャンネルは平面状に縦横に整列配置されており、その数は、縦横に2:3または3:4の比率であり、
    前記培養容器は、前記収容部としてウェルを備えるマイクロプレートであり、
    前記複数の光測定チャンネルの総数は、前記マイクロプレートのウェル数の4倍以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の細胞培養状態測定装置。
  8. 前記投光部は、前記培養容器の一方の側に配置され、
    前記受光部は、前記培養容器を挟んで前記投光部とは反対側に配置され、
    前記導光部は、前記受光部と前記培養容器との間に配置されており、
    前記複数の光測定チャンネルが備える前記受光部および前記導光部を収容し、外部の雰囲気に対して気密に封止された受光側筐体をさらに備え、
    前記受光側筐体は、収容された前記導光部の前記受光部とは反対側に、前記光に対して透明な材料からなる受光側窓部を有し、吸湿性を有さない材料により構成されており、
    前記投光部と前記受光側窓部との間に、前記培養容器を設置する設置空間を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の細胞培養状態測定装置。
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