[実施例1]
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
<画像形成装置100の全体構成>
本実施形態に係る電子写真画像形成装置100(以下、画像形成装置100)の全体構成について図2を用いて説明する。
図2は、本実施例に係る画像形成装置100の概略図である。図2の上下方向は、画像形成装置100が使用される(画像形成動作が行われる)際の鉛直方向を示している。図2の左右方向は、画像形成動作が行われる際の水平方向を示している。
画像形成装置100は、装置本体100aを有する。本実施形態において、画像形成装置100は、プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)、及び、トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)を有する。プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)、及び、トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)は、装置本体100aに対して着脱自在となっている。つまり、プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)、及び、トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)は、装置本体100aに対して取り外し可能に装着されている。
第1のプロセスカートリッジ1Yは現像ユニット6にイエロー(Y)の現像剤(以下、トナー)TYを収容している。第2のプロセスカートリッジ1Mはマゼンタ(M)のトナーTMを収容している。第3のプロセスカートリッジ1Cはシアン(C)のトナーTCを収容している。第4のプロセスカートリッジ1Kはブラック(K)のトナーTKを収容している。
各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)は、後述する感光体ユニット4(4Y、4M、4C、4K)と、現像ユニット6(6Y、6M、6C、6K)を有する。各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)は、一次転写部S1(S1Y、S1M、S1C、S1K)において、後述する中間転写ベルト18にトナーを転写する。
第1のトナーカートリッジ13Yはイエロー(Y)のトナーを収容している。第2のトナーカートリッジ13Mはマゼンタ(M)のトナーを収容している。第3のトナーカートリッジ13Cはシアン(C)のトナーを収容している。第4のトナーカートリッジ13Kはブラック(K)のトナーを収容している。
各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)は、同色のトナーを収容した各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)の下方に配置されている。そして、各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)は、同色のトナーを収容した各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)にトナーを補給する。
各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)と、各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)は水平方向に並んで配置されている。
各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)の下方には、第1〜第4のトナー搬送装置14(14Y、14M、14C、14K)が配置される。各トナー搬送装置14(14Y、14M、14C、14K)は、各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)から受け取ったトナーを上方に搬送し、各現像ユニット6(6Y、6M、6C、6K)にトナーを供給する。
各トナーカートリッジ13(13Y、13M、13C、13K)の補給動作は、装置本体100aに設けられたトナー残量検知部(不図示)が、各プロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1K)のトナーが不足したことを検知した際に行われる。
本実施形態では、第1〜第4のプロセスカートリッジ(1Y、1M、1C、1K)のそれぞれは、収容するトナーの色(形成する画像の色)が異なることを除き、実質的に同じ構成を有し、同じ動作を行う。同様に、第1〜第4のトナーカートリッジ(13Y、13M、13C、13K)のそれぞれは、収容するトナーの色が異なることを除き、実質的に同じ構成を有し、同じ動作を行う。同様に、第1〜第4のトナー搬送装置(14Y、14M、14C、14K)のそれぞれは、搬送するトナーの色が異なることを除き、実質的に同じ構成を有し、同じ動作を行う。したがって、以下において、特に区別を必要としない場合は、添え字であるY〜Kを省略して説明する。
プロセスカートリッジ1は、感光ドラム7を備える感光体ユニット(第1のユニット、像担持体ユニット、感光体ユニット)4と、現像ローラ11を備える現像ユニット(第2のユニット)6を有する。プロセスカートリッジ1は、一つの感光体ユニット4と、一つの現像ユニット6を有する。すなわち、プロセスカートリッジ1は、一つの感光ドラム7と一つの現像ローラ11とを有する。
感光体ユニット4は、静電潜像を担持する像担持体(感光体)としての感光ドラム7と、感光ドラム7の表面を帯電する帯電部材としての帯電ローラ8を有する。感光体ユニット4は、感光ドラム7を清掃する清掃部材としてのクリーニングブレード10を有する。感光ドラム7は、装置本体100aから駆動力を受けることで回転する。
現像ユニット6は、トナーTを収容する。現像ユニット6は、感光ドラム7に形成された静電潜像を現像するための現像手段としての現像ローラ11を有する。現像ローラ11は、トナーTを担持して、トナーTによって感光ドラム7に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体である。現像ローラ11は、装置本体100aから駆動力を受けることで回転する。後述するように、感光体ユニット4と現像ユニット6は、揺動可能に結合されている。
プロセスカートリッジ1は、装置本体100aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、装置本体100aに対して着脱可能に構成される。本実施形態において、プロセスカートリッジ1は、感光ドラム7の回転軸線の方向に沿って装着される。なお、本実施形態において、感光ドラム7の回転軸線の方向は、現像ローラ11の回転軸線の方向と平行である。したがって、プロセスカートリッジ1は、現像ローラ11の回転軸線の方向に沿って装着される、ということもできる。
プロセスカートリッジ1が装置本体100aに装着された状態では、装置本体100aの位置決め部材によって感光体ユニット4が支持され、感光体ユニット4が装置本体100aに対して位置決めされる。これにより、プロセスカートリッジ1は、現像ユニット6が装置本体100a、および感光体ユニット4に対して移動可能な状態で、装置本体100aに対して位置決めされる。
トナーカートリッジ13は、装置本体100aに設けられたトナーカートリッジ装着ガイド、トナーカートリッジ位置決め部材などの装着手段を介して、装置本体100aに対して着脱可能に構成される。
プロセスカートリッジ1の下方には感光ドラム7を露光して、感光ドラム7に静電潜像を形成するためのスキャナ(露光装置)12が配置されている。また、装置本体100aは、除去トナー搬送ユニット23を有する。除去トナー搬送ユニット23は、感光ドラム7からクリーニングブレード10によって除去された除去トナーを除去トナー回収容器24に搬送する。除去トナー搬送ユニット23は、プロセスカートリッジ1の装着方向について、プロセスカートリッジ1の下流側に配置されている。
プロセスカートリッジ1の上方には、中間転写体としての中間転写ユニット19が設けられている。中間転写ユニット19は、一次転写部S1(S1Y、S1M、S1C、S1K)が下側に位置されるように配置されている。
中間転写ユニット19は、中間転写ベルト18、一次転写部材としての一次転写ローラ20、二次転写部材としての二次転写ローラ21、ベルトクリーニングユニット4を有する。感光ドラム7に対向する中間転写ベルト18は、矢印B方向に回転可能な無端(閉ループ)状のベルトであり、複数の張架ローラに張架されている。中間転写ベルト18の内側には、一次転写ローラ20が配置されている。一次転写ローラ20は、中間転写ベルト18を介して感光ドラム7と対向し、一次転写部S1を形成する。また、二次転写ローラ21は、中間転写ベルト18に接触し、中間転写ベルト18を介して対向ローラと対向し、二次転写部S2を形成している。さらに、左右方向において、二次転写部S2と反対側にベルトクリーニングユニット4が配置される。より具体的には、中間転写ベルト18の回転方向について、ベルトクリーニングユニット4は二次転写部S2の下流側、かつ一次転写部S1の上流側に配置される。
中間転写ユニット19のさらに上方には、定着ユニット25が配置されている。定着ユニットは加熱ユニット26と、加熱ユニットに圧接する加圧ローラ27を有する。また、装置本体100aの上側には、排出トレイ32が配置されており、排出トレイ32と中間転写ユニットの間に除去トナー回収容器24が配設されている。さらに、装置本体100aの最下部には紙などの記録材(媒体、記録媒体)3を収容するための給紙トレイ2が配置されている。
つまり、画像形成装置100においては、プロセスカートリッジ1と、スキャナ12が、中間転写ユニット19の下方に配置されている。したがって、感光ドラム7、現像ユニット6、スキャナ12が、中間転写ユニット19に対して定着ユニット25の反対側に配置される。そのため、感光ドラム7、現像ユニット6、スキャナ12を、定着ユニット25から離れた位置に配置することができる。これにより、感光ドラム7、現像ユニット6、スキャナ12が、定着ユニット25からの熱の影響を受けることを抑制することができる。
<画像形成動作>
次に、画像形成装置100における画像形成動作について、図2、及び図3を用いて説明する。
図3は、本実施例に係るプロセスカートリッジの断面図である。図3の上下方向は、画像形成動作が行われる際の鉛直方向を示している。図3の左右方向は、画像形成動作が行われる際の水平方向を示している。言い換えれば、図3は、装置本体100aに装着され、画像形成動作が行われる際のプロセスカートリッジ1を示すものである。
装置本体100aには、CPU、メモリなどを含んだ制御部100C、モータを含んだ駆動源100Mが備えられる。制御部100Cは、駆動源100Mやスキャナ12等を制御して、画像形成動作を行う。本実施形態において、駆動源100Mは、後述する力付与部101を駆動するモータを含む。駆動源100Mは、力付与部101以外の部品、例えば、感光ドラム7、現像ローラ11、中間転写ベルト18、記録材3を搬送するための搬送部材を駆動する。なお、駆動源100Mは、これらの部品を一つのモータで駆動してもよいし、複数のモータによって駆動してもよい。画像形成動作が行われる時には、感光ドラム7は図3の矢印A方向に回転される。中間転写ベルト18は、図2の矢印Bの方向に回転駆動される。
まず、感光ドラム7の表面が帯電ローラ8によって一様に帯電される。次に、スキャナ12から照射されたレーザ光によって感光ドラム7の表面が走査露光される。そして、感光ドラム7の表面に画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
感光ドラム7に形成された静電潜像は、現像ユニット6によってトナー像として現像される。より具体的には、感光ドラム7に現像ローラ11が当接することで、静電潜像がトナーTによって可視化される。後述するように、画像形成動作が行われるとき、現像ユニット6は装置本体100aに設けられた力付与部101によって押圧されることで、現像ユニット6は画像形成位置に位置されている。
感光ドラム7上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ20によって中間転写ベルト18に転写される(一次転写プロセス)。カラー画像が形成される時には、第1〜4の一次転写部S1Y〜S1Kにおいて、上述の画像形成動作が順次に行われる。これにより、中間転写ベルト18に各色のトナー像が形成される。なお、画像形成装置100は、第1〜第4のプロセスカートリッジ(1Y、1M、1C、1K)のうちの一つを用いて、単色の画像を形成することができる。また、画像形成装置100は、第1〜第4のプロセスカートリッジ(1Y、1M、1C、1K)のうちの2つ、もしくは3つを用いて画像形成動作を行うこともできる。
一方、給紙トレイ2に収容されている記録材3は、二次転写部S2へと搬送される。そして、二次転写ローラ21によって、中間転写ベルト18に担持されたトナー像は、一括して記録材3に転写される(二次転写プロセス)。
トナー像が転写された記録材3は定着ユニット25に搬送される。定着ユニット25において記録材3が加熱、加圧されることで記録材3にトナー像が定着する。トナー像が定着された記録材3は、排出トレイ32に排出される。
また、一次転写プロセスが行われた後に感光ドラム7に残留したトナーは、クリーニングブレード10によって除去される。二次転写プロセスが行われた後に中間転写ベルト18上に残留した二次転写残トナーは、ベルトクリーニングユニット22によって除去される。クリーニングブレード10、及び、ベルトクリーニングユニット22によって除去されたトナーは、除去トナー搬送ユニット23によって搬送され、除去トナー回収容器24に蓄積される。
<プロセスカートリッジ>
次に、画像形成装置100の装置本体100aに取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジ1について、図1、図3、図4を用いて説明する。
図1は、本実施例に係るプロセスカートリッジ1の断面図である。図4は本実施例に係るプロセスカートリッジ1の斜視図である。図4(a)は、底面側から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図である。図4(b)は、天面側から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図である。
図1は、画像形成動作が行われる時のプロセスカートリッジ1を示している。つまり、図1の上下方向は、画像形成動作が行われる際の鉛直方向を示している。図1の左右方向は、画像形成動作が行われる際の水平方向を示している。言い換えれば、図1は、装置本体100aに装着され、画像形成動作が行われる際のプロセスカートリッジ1を示すものである。また、図1は後述する現像ユニット6の回転軸線A1に沿って見た図である。
上述のように、プロセスカートリッジ1は、感光体ユニット4と現像ユニット6を有する。図1、図3、図4(a)、図4(b)に示すように、感光体ユニット4と現像ユニット6は結合軸であるピン30によって、揺動(回動)可能に結合される。図1に示すように、現像ユニット6は、感光体ユニット4に対して、回転軸線A1の周りに回転可能である。
図3に示すように、感光体ユニット4は、感光体ユニット4の各種部材(例えば帯電ローラ8やクリーニングブレード10)を支持する第1の支持枠体5を有する。また、感光体ユニット4は、除去トナースクリュー15を有する。除去トナースクリュー15は、感光ドラム7の回転軸線A3の方向に平行な方向に延びる軸線の周りに回転する。
図4(a)、図4(b)に示すように、感光体ユニット4は、感光ドラム7を支持するドラム軸受33(33F、33R)を有する。感光体ユニット4は、感光ドラム7から除去トナースクリュー15に駆動を伝達するためのギア列を備えている。ドラム軸受33Rは、感光体ユニット4の長手方向(感光ドラム7の回転軸線A3の方向と同じ)において、感光体ユニット4の一端側に配置されている。ドラム軸受33Fは、感光体ユニット4の長手方向において、感光体ユニット4の他端側に配置されている。言い換えれば、感光体ユニット4は、第1の枠体の一部として、第1の支持枠体5とドラム軸受33(33F、33R)とを有する。
本実施形態では、ドラム軸受33(33F、33R)と第1の支持枠体5は、装置本体100aの位置決め部に接触する被位置決め部としての機能を有する。より具体的には、ドラム軸受33(33F、33R)が装置本体100aに接触することで、感光ドラム7の回転軸線A3に直交する方向について、装置本体100aに対する感光ドラム7の回転軸線A3の位置が定められる。第1の支持枠体5が装置本体100aに接触することで、装置本体100aに対して感光体ユニット4が感光ドラム7の回転軸線A3の周りに回転することが規制される。これにより、感光ドラム7の回転軸線A3に直交する方向について、装置本体100aに対する感光体ユニット4の位置が定められる。さらに本実施形態においては、プロセスカートリッジ1の装着方向について、プロセスカートリッジ1の下流側に配置されたドラム軸受33Rが装置本体100aに接触する。これにより、感光ドラム7の回転軸線A3の方向について、装置本体100aに対する感光体ユニット4の位置が定められる。以上の位置決め構成は、必要に応じて適宜変更できる。例えば、第1の支持枠体5が装置本体100aに接触することで、感光ドラム7の回転軸線A3の方向について、装置本体100aに対する感光体ユニット4の位置が定められるようにしてもよい。
一方、図3に示すように、帯電ローラ8は、感光ドラム7に向かってバネ36で矢印C方向に付勢されている。本実施形態おいては、帯電ローラ8は感光ドラム7によって回転される。感光ドラム7が矢印A方向に回転すると、帯電ローラ8は、矢印Dの方向に回転する。
クリーニングブレード10は、一次転写プロセスが行われた後に感光ドラム7の表面に残ったトナーを除去するためのゴムブレード10aと、ゴムブレード10aを支持するブレード支持部材10bとを有する。クリーニングブレード10によって感光ドラム7から除去されたトナーは、クリーニングブレード10と第1の支持枠体5により形成される除去トナー収納室9に収容される。除去トナー収納室9に収容されたトナーは、除去トナー収納室9の内部に配置された除去トナースクリュー15によって、プロセスカートリッジ1の装着方向の下流側に向かって搬送される。除去トナースクリュー15によって搬送されたトナーは、図4(a)に示される除去トナー排出部35から排出され、除去トナー搬送ユニット23へと受け渡される。
図3に示すように、現像ユニット6は、現像枠体16を有する。現像枠体16は、仕切り壁16dを含む。現像枠体16の内部は、仕切り壁16dによって、現像室16aとトナー収納室(現像剤収納室)16bに仕切られる。現像室16aとトナー収納室16bは、仕切り壁16dに形成された第1の連通開口(第1の開口、開口)16cによって連通されている。
図4(a)、図4(b)に示すように、現像ユニット6は、現像ローラ11を支持する軸受部材としての現像軸受34(34F、34R)を有する。
現像室16aには、現像ローラ11、供給ローラ17、現像ブレード28が配置されている。画像形成動作が行われる時、現像ローラ11は、矢印E方向に回転し、感光ドラム7と接触することで感光ドラム7にトナーTを供給する。現像ユニット6の長手方向(現像ローラ11の回転軸線の方向と同じ)について、現像ローラ11の一端側は、現像軸受34Rに回転可能に支持されている。現像ユニット6の長手方向について、現像ローラ11の他端側は、現像軸受34Fに回転可能に支持されている。言い換えれば、現像ユニット6は、第2の枠体の一部として、現像枠体16と現像軸受34(34F、34R)を有する。本実施形態において、現像枠体16と現像軸受34(34F、34R)の材質は樹脂である。
ここで、図4(b)に示すように、現像軸受34(34F、34R)は、後述する力受け部34eを備える。
供給ローラ(供給部材)17は現像ローラ11と接触するように、現像軸受34(34F、34R)によって回転可能に支持されている。図3に示すように、画像形成動作が行われる時、供給ローラ14は矢印F方向に回転して、現像ローラ11にトナーTを供給する。
図3に示すように、現像ブレード(層厚規制部材、規制部材)28は、現像ローラ11の表面に接触するように配置されている。現像ブレード28は、現像ローラ11の表面に形成されるトナー層の厚みを規制する。
図3に示すように、トナー収納室16bには、トナー収納室16bに収納されたトナーTを搬送するための搬送部材29が設けられている。本実施形態においては、搬送部材29はトナー収納室16bに収納されたトナーTを撹拌する撹拌部材としての機能も有する。搬送部材29により、トナー収納室16bに収納されたトナーTが、第1の連通開口16cを介して現像室16aに搬送される。本実施形態においては、搬送部材29は、供給ローラ17へ向けてトナーTを搬送するように構成されている。
図3に示すように、搬送部材29は、搬送軸29aと、搬送部としての搬送シート29bとを有する。搬送軸29aは、現像ローラ11の回転軸線A2と平行な回転軸線の周りに回転する。搬送シート29bは可撓性を有し、搬送シート29bの一端は搬送軸29aに取り付けられ、搬送シート29bの他端は自由端である。搬送軸29aと搬送シート29bが矢印G方向に回転することで、搬送シート29bがトナー収納室16dの内壁に接触して、変形する。そして、さらに搬送軸29aが回転することで、搬送シート29bの変形が解放される。搬送シート29bの変形が解放されることで、トナーTが現像室16aに搬送される。
図1に示すように、本実施形態では、プロセスカートリッジ1が装置本体100aに装着された姿勢において、現像室16aは、トナー収納室16bの上方に位置している。さらに、本実施形態では、現像ユニット6が後述する画像形成位置にあるときに、現像室16aはトナー収納室16bの上方に位置している。さらに、本実施形態では、現像ユニット6が後述する離間位置にあるときにも、現像室16aは、トナー収納室16bの上方に位置している。
より具体的には、水平方向について、現像室16aの位置とトナー収納室16bの位置は少なくとも部分的に重なり、鉛直方向について、現像室16aの少なくとも一部は、トナー収納室16bの少なくとも一部の上方(直上)に位置する。したがって、搬送部材29は、トナー収納室16b内のトナーをくみ上げて、第1の連通開口16cを介して現像室16aに供給する。
図4(b)に示すように、現像ユニット6は、トナー搬送装置14からトナーTを受け取るトナー受入口40を備える。トナー受入口40は、プロセスカートリッジ1の装着方向について、現像ユニット6の下流側に配置されている。トナー受入口40の上部には、受入口シール45と、移動可能な受入口シャッタ41が配置されている。プロセスカートリッジ1が装置本体100aに装着されていないときは、トナー受入口40は受入口シャッタ41によって閉じられている。受入口シャッタ41は、プロセスカートリッジ1の装着動作に連動し、画像形成装置100の装置本体100aに付勢されて開く構成となっている。
図3に示すように、現像ユニット6は、トナー受入口40に連通する補給トナー搬送路42を有し、補給トナー搬送路42の内部には補給トナー搬送スクリュー43が配置されている。さらに、現像ユニット6は、補給トナー搬送路42とトナー収納室16bを連通する第2の連通開口(第2の開口)44を備える。第2の連通開口44は、現像ユニット6の長手方向について、現像ユニット6の中央付近に配置されている。
補給トナー搬送スクリュー43は現像ローラ11の回転軸線の方向と平行に延びており、トナー受入口40から受け入れたトナーTを、第2の連通開口44を介してトナー収納室16bに搬送する。
<感光体ユニットと現像ユニットの結合>
感光体ユニット4と現像ユニット6の結合について、図5を用いて説明する。図5は本実施例に係る感光体ユニットと現像ユニットの結合を示す分解斜視図である。
本実施形態においては、プロセスカートリッジ1の長手方向は、現像ローラ11の回転軸線A2(第2の軸線、現像軸線)の方向、感光ドラム7の回転軸線A3(第3の軸線、像担持体軸線)の方向と同じである。プロセスカートリッジ1の長手方向は、感光体ユニット4の長手方向、現像ユニット6の長手方向と同じである。プロセスカートリッジ1の長手方向について、プロセスカートリッジ1の一端側に現像軸受34R、ドラム軸受33Rが配置され、他端側に現像軸受34F、ドラム軸受33Fが配置される。現像ローラ11や感光ドラム7は、プロセスカートリッジ1の一端側において、装置本体100aから駆動力を受けるように構成されている。つまり、プロセスカートリッジ1の一端側は駆動側と呼ぶことができ、プロセスカートリッジ1の他端側は非駆動側と呼ぶことができる。
図5に示すように、感光体ユニット4の第1の支持枠体5には、穴5a、穴5b、穴5cが備えられる。プロセスカートリッジ1の長手方向について、第1の支持枠体5の一端側に穴5aが配置され、第1の支持枠体5の他端側に穴5b、5cが配置されている。
一方、現像軸受34Fには、穴34cが備えられる。現像軸受34Rには、穴34a、34bが備えられる。
プロセスカートリッジ1の一端側と他端側に、ピン30がそれぞれ配置される。ピン30は、大径部と小径部を含んだ円柱形状を有する。プロセスカートリッジ1の一端側において、穴5aが穴34aと穴34bの間に位置されるように、ピン30が穴34a、穴5a、穴34bに係合する。プロセスカートリッジ1の他端側において、穴34cが穴5bと穴5cの間に位置されるように、ピン30が穴5b、穴34c、穴5cに係合する。これにより、現像ユニット6は感光体ユニット4に対して回転中心(揺動中心)の周りに回転可能(揺動可能)に結合される。
本実施形態において、図1に示す現像ユニット6の回転軸線(第1の軸線、ユニット軸線)A1は、ピン30の軸線と一致する。さらに、本実施形態では、現像ユニット6の回転軸線A1の方向は、現像ローラ11の回転軸線A2、感光ドラム7の回転軸線A3の方向と平行である。本実施形態では、現像ユニット6の回転軸線A1に沿って見たとき、プロセスカートリッジ1の一端側に配置されたピン30は、プロセスカートリッジ1の他端側に配置されたピン30と同軸である。現像ユニット6は感光体ユニット4に対して分離不能に結合されている。したがって、装置本体100aからプロセスカートリッジ1が取り外された状態で、現像ユニット6は感光体ユニット4に対して、回転軸線A1の方向に移動することが規制されている。さらに、現像ユニット6は感光体ユニット4に対して、回転軸線A1の周りに回転することが許容されるが、回転軸線A1に交差する方向に平行移動することが規制される。
<現像ユニットの移動>
図1、図6を用いて、感光体ユニット4に対する現像ユニット6の移動について説明する。図6は本実施例に係る現像ユニット6の移動を説明する断面図である。図6(a)は、現像ユニット6が離間位置にあるときのプロセスカートリッジ1の断面図である。図6(b)は、現像ユニット6が画像形成位置にあるときのプロセスカートリッジ1の断面図である。図6(a)、図6(b)において、感光体ユニット4は、装置本体100aに支持された状態であり、画像形成動作が行われるときの姿勢を取っている。図6(a)、図6(b)は、図1、図3と同様に、プロセスカートリッジ1を、現像ユニット6の回転軸線A1の方向に見た時の断面図である。図6(a)、図6(b)の上下方向は、感光体ユニット4が後述する被支持姿勢を取っているときの鉛直方向を示し、左右方向は感光体ユニット4が被支持姿勢を取っているときの水平方向を示している。
現像ユニット6は、感光体ユニット4に結合されており、感光体ユニット4に対して回転軸線A1の周りに回転可能に構成されている。現像ユニット6が回転軸線A1の周りに回転することで、現像ユニット6は感光体ユニット4に対して図6(b)に示す画像形成位置と、図6(a)に示す離間位置との間で移動する。
現像ユニット6の画像形成位置(第1の位置)とは、現像ローラ11が感光ドラム7の静電潜像を現像するときの位置、と呼ぶこともできる。また、現像ユニット6の画像形成位置とは、現像ローラ11と感光ドラム7の間の距離が最も短くなる位置、と呼ぶこともできる。本実施形態においては、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、現像ローラ11は感光ドラム7に接触している。また、現像ユニット6が離間位置(第2の位置)にあるとき、現像ローラ11は感光ドラム7から離れている。つまり、現像ユニット6の離間位置とは、現像ローラ11と感光ドラム7の間の距離が、現像ユニット6が画像形成位置にあるときよりも長くなる位置、ということもできる。
上述のように、現像ユニット6が回転軸線A1の周りに回転することで、現像ユニット6は感光体ユニット4に対して画像形成位置と離間位置とを取る。
現像ユニット6は、感光体ユニット4が装置本体100aに支持された状態で、現像ユニット6は自重によって離間位置に位置する。つまり、現像ユニット6は、感光体ユニット4が、装置本体100aに支持されたときと同じ姿勢(被支持姿勢)をとったときに、現像ユニット6は自重によって離間位置に位置する。言い換えれば、現像ユニット6は、感光体ユニット4が、画像形成動作が行われるときと同じ姿勢(画像形成姿勢)をとったときに、現像ユニット6は自重によって離間位置に位置する。本実施形態では、感光体ユニット4の被支持姿勢と、感光体ユニット4の画像形成姿勢とは同じである。また、本実施形態においては、感光体ユニット4が被支持姿勢を取ったときには、感光ドラム7の一部がプロセスカートリッジ1の上方に向けて露出される。
なお、現像ユニット6は、自重のみによって離間位置に位置する必要はない。つまり、プロセスカートリッジ1は、感光体ユニット4が被支持姿勢としたときに、現像ユニット6が自然に離間位置に位置するものであればよい。
より具体的には、感光体ユニット4が被支持姿勢を取ったときの現像ユニット6の自重と、プロセスカートリッジ1の内力を総合した場合、現像ユニット6を離間位置に向けて付勢する力が、現像ユニット6を画像形成位置に向けて付勢する力よりも大きい。例えば、プロセスカートリッジ1は、現像ユニット6を離間位置に向けて付勢する力を生じる部材や、現像ユニット6を画像形成位置に向けて付勢する力を生じる部材を含んでいてもよい。ただし、いずれの場合も、プロセスカートリッジ1を、感光体ユニット4が被支持姿勢を取るような姿勢にした場合、現像ユニット6が自然に離間位置に位置する。つまり、感光体ユニット4が被支持姿勢を取っているときに、現像ユニット6は少なくとも自重によって、画像形成位置から離間位置に移動する。
図6(a)、図6(b)に示すように、現像ユニット6の重心Gdに現像ユニット6の自重(矢印方向)が作用する。感光体ユニット4が被支持姿勢を取っているとき、重心Gdに作用する現像ユニット6の自重により、現像ローラ11が感光ドラム7から離れる方向に力(回転軸線A1の周りのモーメント)が生じる。
図6(a)、図6(b)に示すように、感光体ユニット4が被支持姿勢を取っているとき、重心Gdは、鉛直方向について、現像ユニット6の回転軸線A1を通る水平線(水平方向に延びる線)hの上方に位置する。さらに、感光ドラム7、現像ローラ11、供給ローラ17、現像室16d、仕切り壁16dが、水平線hの上方に位置する。さらに、鉛直方向について、現像ローラ11の回転軸線A2は、感光ドラム7の回転軸線A3の下方に位置する。また、鉛直方向について、重心Gdは、感光ドラム7、現像ローラ11、供給ローラ17、現像室16d、仕切り壁16dの下方に位置する。
水平方向について、重心Gdは、現像ユニット6の回転軸線A1を通る鉛直線(鉛直方向に延びる線、水平線hに直交する線)iに対して、感光ドラム7の反対側に位置する。つまり、鉛直線iの一方に感光ドラム7が配置され、鉛直線iの他方に重心Gdが配置される。言い換えれば、重心Gdは、鉛直線iよりも感光ドラム7から離れた位置(遠い位置)に配置される。なお、本実施形態では、供給ローラ17も、重心Gdと同じように、鉛直線iよりも感光ドラム7から離れた位置に配置される。鉛直線iに対して、以上のような配置にすることで、現像ユニット6が自重によって離間位置に位置されやすくすることができる。
ここで、重力とプロセスカートリッジ1の内力が現像ユニット6に作用し、かつ重力を除く外力が現像ユニット6に作用していない状態を、プロセスカートリッジ1の自然状態とする。なお、プロセスカートリッジ1が現像ユニット6を付勢する付勢部材などを含んでいる場合には、当該付勢部材の力は、上記内力に含まれる。
感光体ユニット4が被支持姿勢にあり、プロセスカートリッジ1が自然状態にあるとき、現像ユニット6に対して、現像ローラ11を感光ドラム7から遠ざける方向に作用する力は、現像ローラ11を感光ドラム7に近づける方向に作用する力よりも大きい。これにより、現像ユニット6が離間位置に向けて付勢される力が、現像ユニット6が画像形成位置に向けて付勢される力よりも大きくなるため、現像ユニット6は自然に離間位置に位置される。
本実施形態では、現像ユニット6は自重によって離間位置に位置する。つまり、現像ローラ11を感光ドラム7から遠ざける方向に作用する力における現像ユニット6の自重成分が、プロセスカートリッジ1の内力における現像ローラ11を感光ドラム7に近づける方向に作用する力よりも大きい。
さらに、本実施形態では、プロセスカートリッジ1は、現像ローラ11を感光ドラム7に近づける方向に作用する力(現像ユニット6が画像形成位置に向けて付勢される力)を生じるような部材を有していない。したがって、プロセスカートリッジ1の内力においては、現像ローラ11を感光ドラム7に近づける方向に作用する力の大きさはゼロである。
このように、プロセスカートリッジ1が装置本体100aに挿入された状態で、現像ユニット6は自然に離間位置に位置する。画像形成動作が行われていないときには、現像ユニット6は離間位置で待機する。したがって、プロセスカートリッジ1が長期間放置される場合においても、現像ローラ11と感光ドラム7とが接触することを防止し、現像ローラ11の表層の変形を防止できる。
また、本実施形態のプロセスカートリッジ1とは異なり、カートリッジに備えられたバネによって、現像ローラ11が感光ドラム7に接触させる場合、バネは現像ユニット6の自重に加えて、現像ローラ11を感光ドラム7に押し付ける力を生じる必要がある。また、そのようなバネを用いたカートリッジでは、現像ローラ11が感光ドラム7から離れる方向に現像ユニット6を移動させると、バネの変形量が増えることになる。したがって、バネの力が、現像ローラ11が感光ドラム7に接触する時より現像ローラ11が感光ドラム7から離れた時に大きくなり、カートリッジが変形する可能性がある。これに対して本実施形態の構成においては、プロセスカートリッジ1がそのようなバネを備える必要がなく、プロセスカートリッジ1の変形を低減することができる。
一方、図6(a)、図6(b)に示すように、装置本体100aには、装置本体100aの一部としての力付与部101が備えられる。また、現像ユニット6には、力付与部101と接触して、力付与部101から力を受ける力受け部34eが備えられる。制御部100Cは駆動源100Mを制御し、駆動源100Mによる力付与部101の動作を制御する。駆動源100Mによって駆動された力付与部101は、画像形成時に力受け部34eに力を付与して移動させ、非画像形成時(プロセスカートリッジ1の着脱動作を含む)には力受け部34eから離れるように移動する。力付与部101の移動による、現像ローラ11の当接動作および離間動作は、感光ドラム7が回転した状態で行われることが好ましく、感光ドラム7および現像ローラ11が回転した状態で行われることがより好ましい。
力受け部34eは、回転軸線A1に直交する方向について、回転軸線A1から離れる方向に向けて突出する突出部であり、突出部の頂点において、力付与部101と接触するように構成される。本実施形態において、突出部の頂点は曲面である。これにより、力付与部101と力受け部34eが接触する位置が、一定に保たれやすい。したがって、力付与部101は、安定して力受け部34eを押すことができる。
現像ローラ11の回転軸線A2の方向について、力受け部34eは現像ユニット6の両端部に配置されている。そして、本実施形態では、力受け部34eは、現像ローラ11を支持する支持部を有する現像軸受34R、34Fに備えられている(図4(b)参照)。本実施形態においては、現像ユニット6の回転軸線A1の方向について、現像ローラ11を支持する支持部の位置と、力受け部34eの位置とが重なるように配置される。これにより、力付与部101は、現像ローラ11を感光ドラム17に効率的に押し付けることができる。また、現像ローラ11を支持する部品(現像軸受34R、34F)に力受け部34eを設けることにより、現像ローラ11に対する力受け部34eの位置精度を高くすることができる。さらに、本実施形態においては、後述のように現像ローラ11と力受け部34eの間の距離が短いため、現像ローラ11に対する力受け部34eの位置精度を容易に高くすることができる。
力付与部101は、現像ユニット6から離れる方向(退避方向、矢印V方向)と、現像ユニット6に近づく方向(加圧方向、矢印U方向)に移動可能に構成されている。そして、力付与部101は、現像ユニット6の力受け部34eから離れた位置(図6(a))と、現像ユニット6の力受け部34eに接触する位置(図6(b))との間で移動可能である。力受け部34eが力付与部101から力を受けることで、現像ユニット6は画像形成位置に位置される。
図6(b)に示すように、画像形成動作が行われる時には、力付与部101が加圧方向に移動し、力受け部34eに接触する。力受け部34eは、力付与部101から力を受け、現像ユニット6がピン30(回転軸線A1)を中心に矢印M方向へと回動する。これにより、現像ユニット6は、画像形成位置に位置される。このとき、現像ローラ11は感光ドラム7と接触する。
図6(a)に示すように、画像形成動作が終了すると、力付与部101が退避方向に移動し、力受け部34eから離れる。現像ユニット6の自重により、現像ユニット6がピン30(回転軸線A1)を中心に矢印N方向に回動する。これにより、現像ユニット6は離間位置に位置される。このとき、現像ローラ11は感光ドラム7から離れている。
上述のように、現像ユニット6は自重によって、画像形成位置から離間位置に移動する。したがって、現像ユニット6が画像形成位置に位置されている状態で、力付与部101が矢印V方向に移動すると、現像ユニット6は自然に(自動的に)離間位置に向けて移動する。そして、力付与部101は力受け部34eから離れ、現像ユニット6は離間位置に位置される。
上述したように、現像ユニット6の画像形成位置から離間位置への移動は、自重によってのみ行われるものでなくてもよい。つまり、後述するように、プロセスカートリッジ1が、現像ユニット6を画像形成位置から離間位置にむけて付勢する付勢部材50を有していてもよい。
現像ユニット6は自然に離間位置に位置されるため、画像形成動作が行われていないときに、装置本体100aの力付与部101をプロセスカートリッジ1から離しておくことができる。つまり、画像形成動作が行われていないときに、装置本体100aの力付与部101が、プロセスカートリッジ1からの力を受けないようにすることができる。したがって、力付与部101や、それを支持する部分に変形が生じることを抑制できる。一般的に、画像形成動作が行われていない期間は、画像形成動作が行われる期間よりも長いため、本実施形態の構成は、力付与部101や、それを支持する部分に変形を、有効に抑制できる。
<力受け部の配置>
本発明における力受け部34eの配置について、図1、図6(a)、図6(b)を用いて説明する。上述したように、図1は、現像ユニット6が画像形成位置にあるときのプロセスカートリッジ1の断面図である。図1において、感光体ユニット4は、装置本体100aに支持された状態であり、画像形成動作が行われるときの姿勢を取っている。図1は、プロセスカートリッジ1を、現像ユニット6の回転軸線A1に沿って見た時の図である。
図1に示すように、力受け部34e及び現像ローラ11は、現像ユニット6の回転軸線A1を通る水平線hの上方に配置されている。
ここで、図1に示すように、現像ユニット6の回転軸線A1に直交する方向について、現像ユニット6の回転軸線A1と現像ローラ11の回転軸線A2の間の距離をd1(第2の距離)とする。現像ユニット6の回転軸線A1と力受け部34e(力付与部101と接触する部分)の間の距離をd2(第3の距離)とする。力受け部34eと現像ローラ11の回転軸線A2の間の距離をd3(第1の距離)とする。なお、d1、d2、d3は、それぞれの点(現像ユニット6の回転軸線A1、現像ローラ11の回転軸線A2、力受け部34e)を結ぶ直線の長さと同じである。本実施形態においては、現像ユニット6の回転軸線A1に直交する方向は、現像ローラ11の回転軸線A2に直交する方向と同じである。
ここで、力付与部101や力受け部34e、もしくはその周辺部の変形を抑えるためには、力付与部101が力受け部34eに付与する力は、小さいことが好ましい。現像ユニット6が画像形成位置に維持されるために必要な力を確保しつつ、付与部101が力受け部34eを押す力を小さくするためには、d2は長いことが好ましい。
一方、現像ユニット6の回転量が小さいときでも、現像ローラ11を感光ドラム7から確実に離間するためには、d1は長いことが好ましい。特に、d2を長くすると、現像ユニット6が回転した時に力受け部34eが移動する距離が長くなる。したがって、力付与部101や力受け部34eが移動する距離を短くするためには、現像ユニット6の回転量が小さいことが好ましい。
つまり、d1とd2は、力受け部34eに与えられる力の大きさ、もしくは現像ユニット6の回転角度を考慮して定められる。一方で、現像ユニット6の回転軸線A1に直交する方向について、画像形成装置100におけるプロセスカートリッジ1の専有面積を小さくするために、現像ローラ11、回転軸線A1、力受け部34eの配置スペースを小さくすることが好ましい。
したがって、d3(現像ローラ11の回転軸線A2と力受け部34eの間の距離)は、d1、d2のうち、いずれか長いほうよりも短いことが好ましい。なお、d3は、d1とd2よりも短いことがさらに好ましい。
本実施形態においては、d1とd2のなす角をθとした時、θ<60度となるように配置される。この配置により、d3は、d1のd2のいずれか長いほうの距離よりも短くなる。
本実施形態のプロセスカートリッジ1においては、d3は、d1より短い。また、d3はd2より短い。つまり、現像ローラ11、回転軸線A1、力受け部34eは、d3<d1、d3<d2となるように配置される。また、本実施形態においては、現像ローラ11、回転軸線A1、力受け部34eは、d1<d2となるように配置される。
現像ローラ11、回転軸線A1、力受け部34eの配置スペースを小さくするために、回転軸線A1に沿って見た時、回転軸線A1と現像ローラ11の回転軸線A2を結ぶ直線(第1の直線)と、回転軸線A1と力受け部34eを結ぶ直線(第2の直線)のなす角θは60°よりも小さい。さらに、θは45°よりも小さいことが好ましい。θは30°よりも小さいことがさらに好ましい。本実施形態においては、θは30°よりも小さい。
さらに、本実施形態においては、力受け部34eと現像ローラ11の両方を、回転軸線A1を通る水平線に対して上方に配置する。これにより、d1とd2を長く確保することができる。したがって、力付与部101の付勢力を小さくすることができる。
また、回転軸線A1に沿って見たとき、力受け部34eを、感光ドラム7の回転軸線A3と現像ローラ11の回転軸線A2を通る線nに対して、ピン30の反対側(回転軸線A1の反対側)に設ける。言い換えれば、線nが、回転軸線A1と力受け部34eの間を通過するように配置する。これにより、力付与部101の押圧力を小さくしつつ、力受け部34e、現像ローラ11、回転軸線A1を配置するためのスペースを小さくすることができる。
また、図6(a)、図6(b)に示すように、鉛直方向について、力受け部34eは、力受け部34eの位置が、感光ドラム7の位置と重なるように配置されている。
以上のような構成によって、回転軸線A1に直交する方向について、プロセスカートリッジ1のスペースを小さくすることができる。また、力付与部101の力(力受け部34eが受ける力)を小さくすることができる。つまり、現像ユニット6を小さい力で画像形成位置に位置させることができる。また、現像ユニット6の回転角度が小さい場合であっても、現像ローラ11を感光ドラム7から確実に離すことができる。
また、力受け部34eは、仕切り壁16dの最下部16d1よりも上方に配置される。言い換えれば、鉛直方向について、現像室16aの位置と、力受け部34eの位置が重なっている。
装置本体100aには、プロセスカートリッジ1と、トナー収納室16bの容積がプロセスカートリッジ1と異なる別のプロセスカートリッジが装着される場合がある。力受け部34eを上記のような配置にすることで、トナー収納室16bの大きさが異なるプロセスカートリッジが装着される場合であっても、同じ位置に力付与部101を配置することができる。また、例えば、現像室16aの下方に力受け部34eが配置される構成と比較して、トナー収納室16bの形状を変更する際の自由度が向上する。つまり、力受け部34eよりも下方の部分では、トナー収納室16dを形成する現像枠体16の形状を、力受け部34を配置する制約を受けずに、トナー収納室16bの容積に応じて自由に変更することができる。
<現像ユニットの回転軸線と重心の位置関係>
次に、図7を用いて、現像ユニット6の回転軸線A1と、重心Gdの位置関係について説明する。
図7は、現像ユニット6の回転軸線A1と、現像ユニット6の重心Gdの位置関係を模式的に表した概略図である。図7(a)は、現像ユニット6の重心が、現像ユニット6の回転軸線A1を通る水平線の下方に位置した状態を示した図である。図7(b)は、現像ユニット6の重心が、現像ユニット6の回転軸線A1を通る水平線の上方に位置した状態を示した図である。
図7(a)、図7(b)は、現像ユニット6の回転軸線A1の方向に見た図である。図7(a)、図7(b)において、M方向は現像ユニット6の回転方向を示し、現像ローラ11が感光ドラム7に接近する回転方向である。
図7(a)、図7(b)に示すように、現像ユニット6が離間位置にあるときには、重心Gdは、回転軸線A1から水平方向にWだけ離れた位置に位置している。現像ユニット6がM方向に回転すると、重心GdもM方向に回転する。ここで、図7(a)に示すように、重心Gdが回転軸線A1を通る水平線の下方にある場合、現像ユニット6がM方向に回転すると、重心Gdは回転軸線A1に対して水平方向で離れる方向に移動する。このため、水平方向について、回転軸線A1と自重Gdの距離Wが長くなり、現像ユニット6が自重によって離間方向(M方向と反対方向)に回転するモーメントが増加する。
一方、図7(b)に示すように、重心Gdが回転軸線A1を通る水平線の上方にある場合、現像ユニット6がM方向に回転すると、重心Gdは回転軸線A1に対して水平方向で近づく方向に移動する。このため、水平方向について、回転軸線A1と自重Gdの距離Wが短くなり、現像ユニット6が自重によって離間方向(M方向と反対方向)に回転するモーメントが減少する。
つまり、重心Gdを、回転軸線A1を通る水平線よりも上方に配置することで、感光ドラム7に現像ローラ11を接触させたとき、現像ユニット6の自重による損失を抑制することができる。したがって、力付与部101の付勢力を小さくすることができる。なお、重心Gdが回転軸線A1を通る水平線の下方にある場合であっても、重心Gdの位置が高いほうが、距離Wの増加は緩やかになるため、現像ユニット6の自重による損失を小さくすることができる。
したがって、現像ユニット6の回転軸線A1に対して、重心Gdを相対的に高く配置することが好ましい。そのため、プロセスカートリッジ1において、現像ユニット6の回転軸線A1は、低い位置に配置されることが好ましい。また、プロセスカートリッジ1において、重心Gdは、高い位置に配置されることが好ましい。
<現像室の配置>
本発明における現像室16aの配置について、図6を用いて説明する。
図6(b)に示すように、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、ピン30の中心(回転軸線A1)を通る鉛直線iによって現像室16aを分ける。このとき、鉛直線iよりも感光ドラム7から遠い部分の容積が、鉛直線iよりも感光ドラム7に近い部分の容積よりも大きい。
より具体的には、鉛直線iによって、現像室16aを第1の領域S1と、第2の領域S2とに分ける。第1の領域S1は、感光ドラム7とは反対側に位置する領域である。第2の領域S2は、感光ドラム7と同じ側に位置する領域である。つまり、第2の領域S2は、第1の領域S1よりも感光ドラム7に近い位置に配置される。現像室16aは、第1の領域S1>第2の領域S2となるように配置される。つまり、現像室16aは、第1の領域S1の容積が、第2の領域S2の容積よりも大きくなるように配置される。
現像室16aには、搬送部材29によって、トナー収納室16bから搬送されたトナーが溜まる。より具体的には、現像室16aに配置された供給ローラ17と、仕切り壁16dの最下面16d1の隙間mには、トナー収納室16bから搬送されたトナーが溜まる。
ここで、本実施形態の現像ユニット6においては、現像室16aは、第1の領域S1の容積が、第2の領域S2の容積よりも大きくなるように配置されている。したがって、第1の領域S1に溜まるトナーの量は、第2の領域S2に溜まるトナーの量よりも多くなる。これにより、力付与部101が矢印V方向に移動したときに、現像室16aの第1の領域S1に溜まったトナーの重さにより、現像ローラ11が感光ドラム7から離間する方向のモーメントが働く。よって、現像ユニット6の自重による現像ローラ11の離間を、より確実に行うことができる。つまり、現像ユニット6を、自重によって離間位置に位置しやすくすることができる。
さらに、トナー収納室16bの上方に設けられた現像室16aにトナーが溜められることで、現像ユニット6のトナーが減少した場合であっても、現像ユニット6の中で、トナーを高い位置に溜めることができる。したがって、現像ユニット6の中で、トナーの重量を高い位置に集中させることができる。
また、現像ユニット6が画像形成位置にある時、トナー収納室16bを回転軸線A1を通る水平線hで分ける。このとき、水平線hの上方に位置する部分の容積は、水平線hの下方に位置する部分の容積よりも大きい。
より具体的には、水平線よりも上方の領域を第3の領域S3、水平線よりも下方の領域を第4の領域S4とする。つまり、第4の領域は、第3の領域の下方に位置する。このとき、トナー収納室16bは、第3の領域S3容積が、第4の領域S4の容積よりも大きくなるように構成されている。これにより、トナー収納室16bに収納されたトナーの量が減ってきても、現像ユニット6の重心Gdを、高い位置に保つことができる。なお、本実施形態においては、現像ユニット6の重心Gdは、トナー収納室16bに収納されたトナーの量が減ってきても、回転軸線A1を通る水平線hよりも上方に位置することができる。
また、図1、図6(b)に示すように、画像形成位置にある現像ユニット6を、回転軸線A1を通る水平線hによって第1の部分と、第1の部分の下方に位置する第2の部分とに分けたとする。なお、第1の部分とは水平線hよりも上の部分であり、第2の部分とは水平線hよりも下方の部分である。このとき、第1の部分は第2の部分よりも大きい。また、第1の部分は、第2の部分よりも重い。
<現像ローラと現像ユニットの回転軸線の関係>
現像ユニット6の回転軸線A1と、現像ローラ11の配置について、図6を用いて説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態では、ピン30よりも上方に、現像ローラ11や供給ローラ17が配置されている。現像ローラ11は、弾性層としてのゴム層11aと、ゴム層11aの内部に配置された金属製の第1シャフト11bを有する。供給ローラ17は、スポンジ層17aと、スポンジ層17aの内部に配置された金属製の第2シャフト17bを有する。スポンジ層17aは現像ローラ11から受ける反力によって変形する。本実施形態では、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、ゴム層11aは感光ドラム7から受ける反力によって変形している。また、第1シャフト11bと、第2シャフト17bは、現像軸受34(34F、34R)に支持される金属軸である。そして、現像ローラ11は、供給ローラ17よりも重い。したがって、現像ユニット6の重量において、現像ローラ11の占める割合は、供給ローラ17の占める割合よりも大きい。また、第1シャフト11bの最大径は、第2シャフト17bの最大径よりも大きい。さらに、本実施形態においては、現像ユニット6に含まれる金属部品のうち、第1シャフト11bが最も重い金属部品である。
本実施形態において、感光体ユニット4が被支持姿勢にあり、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、現像ローラ11は、鉛直線iと重なるように配置される。また、本実施形態において、感光体ユニット4が被支持姿勢にあり、現像ユニット6が離間位置にあるとき、現像ローラ11は、鉛直線iと重なるように配置される。
上述のように、現像ユニット6は、自重によって離間位置に位置される。一方で、現像ユニット6を画像形成位置に位置させるためには、力付与部101は、力受け部34eを付勢する必要がある。つまり、現像ユニット6の自重の影響が大きすぎると、力付与部101の負荷が増える。一方で、現像ユニット6の自重の影響が小さすぎると、現像ユニット6を安定して離間させることができない。
そこで、回転中心A1を通る鉛直線iに現像ローラ11が重なるように配置した。特に、本実施形態では、現像ローラ11の第1シャフト11bに鉛直線iが重なるように配置した。図6(a)に示すように、現像ユニット6が離間位置にあるとき、第1シャフト11bに鉛直線iが重なる。これにより、現像ユニット6が離間位置にあるとき、現像ローラ11の重量による影響を低減することができる。また、図6(b)に示すように、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、第1シャフト11bに鉛直線iが重なる。これにより、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、現像ローラ11の重量による影響を低減することができる。つまり、現像ユニット6が少なくとも自重によって離間位置に位置される構成において、現像ユニット6を離間位置に向かう力が大きくなりすぎることを防止できる。したがって、装置本体100aの力付与部101は、小さい力で現像ユニット6を画像形成位置に位置させることができる。
本実施形態においては、供給ローラ17よりも重い現像ローラ11を上記のように配置することで、現像ユニット6が離間する方向の力に対する寄与度の大きい部品の影響を低減させることができる。
さらに、本実施形態においては、現像ユニット6が画像形成位置にあるときは、現像ローラ11の回転軸線A2が、鉛直線iよりも感光ドラム7に近い位置に位置される。現像ユニット6が離間位置にあるときは、現像ローラ11の回転軸線A2が、鉛直線iよりも感光ドラム7から離れた位置に位置される。これにより、現像ユニット6が画像形成位置にあるときは、現像ローラ11の重量を、現像ローラ11が感光ドラム7に近づく方向に作用させることができる。一方で、現像ユニット6が離間位置にあるときは、現像ローラ11の重量を、現像ローラ11が感光ドラム7から離れる方向に作用させることができる。
<離間動作の補助>
図8を用いて、現像ユニット6の離間動作の補助について説明する。図8は、本実施形態に係るプロセスカートリッジ1の側面図である。図8は現像ユニット6の回転軸線A1の方向に見た、プロセスカートリッジ1の側面図である。
上述のように、本実施形態においては、現像ローラ11が感光ドラム7から離れるように、現像ユニット6は少なくともその自重によって画像形成位置から離間位置に位置される。しかし、現像ユニット6の画像形成位置から離間位置への移動は、自重によってのみ行われるものでなくてもよい。つまり、プロセスカートリッジ1が、現像ユニット6を画像形成位置から離間位置にむけて付勢する付勢部材50を有していてもよい。つまり、付勢部材50は、現像ユニット6が自重によって移動することを補助する。なお、本実施形態において、現像ユニット6は、離間位置において、第1の支持枠体5の一部である規制部5dに接触している。これにより、現像ローラ11が感光ドラム7から離れる方向に、現像ユニット6が移動することが規制される。
付勢部材50は、現像ユニット6の移動を補助するためのものであるため、現像ユニット6や感光体ユニット4の一部が変形するような強い力を発生させる必要はない。本実施形態では、感光体ユニット4が、被支持姿勢と鉛直方向について逆の姿勢(図1の上下を反転させた姿勢)を取った場合、現像ユニット6は付勢部材50の付勢力に抗して、自重によって画像形成位置に位置する。つまり、現像ローラ11が感光ドラム7に接触することが許容される。
なお、プロセスカートリッジ1は、付勢部材50を備えている必要はない。つまり、感光体ユニット4が被支持姿勢にあるときに、現像ユニット6が、その自重によってのみ離間位置に位置されるように構成されていてもよい。
上述のように、本実施形態における画像形成装置100は、いわゆる接触現像方式によって画像形成動作を行う。しかし、本発明は接触現像方式に限定されない。本発明は、現像ユニット6が画像形成位置にあるときに、感光ドラム7と現像ローラ11の間に隙間が形成された状態で画像形成動作を行う画像形成装置にも適用できる。この構成においては、現像ユニット6が画像形成位置にあるとき、現像ローラ11は感光ドラム7に近接した位置にある。