JP2021050764A - 車両用パーキングロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーキングギヤシャフトを手動で回転させる作業性の低下を抑制させる車両用パーキングロック装置を提供する。【解決手段】アクチュエータ56は、トランスアクスルケース16aからの分離状態では、車体部品32に当接するまでに軸線O方向の所定距離すなわち距離Ta以上の移動が制限されている。先端部58aは、アクチュエータ56とトランスアクスルケース16aとが固定された状態においてアクチュエータ56に向かって突出して嵌合穴56aに操作力を伝達可能に嵌め入れられている。嵌合穴56aと先端部58aとの嵌合が外された状態において、パーキングギヤシャフト58の軸線O方向におけるトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との隙間Tbに露出する部分に、隙間Tbに挿入される回転操作具90と係合する工具係合部58bが形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、車両用パーキングロック装置に関し、特にシフト操作に応じて電気的に車両のシフトポジションを切り換えるアクチュエータを含む車両用パーキングロック装置に関するものである。
シフト操作に応じて電気的に車両のシフトポジションを切り換えるアクチュエータと、アクチュエータに形成された嵌合穴に先端部が嵌合して、アクチュエータによって軸線まわりに回転させられるパーキングギヤシャフトとを含んで構成される車両用パーキングロック装置が知られている。たとえば特許文献1に記載の車両用パーキングロック装置がそれである。特許文献1に記載の車両用パーキングロック装置では、たとえばアクチュエータの機械的あるいは電気的な故障によってパーキングギヤシャフトが動作不能になった場合には、パーキングギヤシャフトを手動で回転させて、シフトポジションの切り換えすなわちパーキングロック状態を解除することが可能であった。
ところで、特許文献1に記載の車両用パーキングロック装置は、たとえばアクチュエータの故障によってパーキングギヤシャフトが動作不能になった場合には、工具としての回転操作具を用いて手動でパーキングギヤシャフトを回転させることによってシフトポジションを切り換えてパーキングロック状態を解除する。このとき、回転操作具をパーキングギヤシャフトに形成された工具係合部に係合させて手動によって回転操作具を回転させることにより、パーキングギヤシャフトは回転操作具とともに手動で回転させられる。工具係合部は、たとえば回転操作具の形状に対応した二面幅形状に形成され、パーキングギヤシャフトの先端に設けられている。したがって、上記特許文献1に記載の車両用パーキングロック装置では、たとえばアクチュエータの故障時に手動でパーキングギヤシャフトを回転させる場合には、工具係合部である二面幅を露出させるために十分な作業スペースを確保する必要すなわちアクチュエータをトランスアクスルケースから完全に取り外す必要があるので、パーキングギヤシャフトを手動で回転させる作業性が低下する可能性があった。特に、アクチュエータをトランスアクスルケースから取り外すと他の車体部品に干渉してアクチュエータをトランスアクスルケースから充分に離すことができない場合には、その車体部品も取り外す必要があるので、このような場合には、パーキングギヤシャフトを手動で回転させる作業性の低下が顕著であった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、パーキングギヤシャフトを手動で回転させる作業性の低下を抑制させる車両用パーキングロック装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、シフト操作に応じて電気的に車両のシフトレンジを切り換えるアクチュエータと、前記アクチュエータに形成された嵌合穴に先端部が嵌合して、前記アクチュエータによって軸線まわりに回転させられるパーキングギヤシャフトとを含んで構成される車両用パーキングロック装置であって、前記アクチュエータは、トランスアクスルケースに着脱可能に固定され、前記トランスアクスルケースからの分離状態では、車体に固定された車体部品に当接するまでに前記軸線方向の所定距離以上の移動が制限されており、前記パーキングギヤシャフトの先端部は、前記アクチュエータと前記トランスアクスルケースとが固定された状態において前記トランスアクスルケースから前記アクチュエータに向かって突出して、前記嵌合穴に前記軸線まわりの操作力を伝達可能に嵌め入れられ、前記アクチュエータが前記トランスアクスルケースから分離されて前記軸線に沿って前記所定距離以上の移動が制限されて前記嵌合穴と前記先端部との嵌合が外された状態において、前記パーキングギヤシャフトの前記軸線方向における前記トランスアクスルケースと前記アクチュエータとの隙間に露出する部分に、前記隙間に挿入される回転操作具と係合する工具係合部が形成されていることにある。
本発明の車両の制御装置によれば、前記アクチュエータは、トランスアクスルケースに着脱可能に固定され、前記トランスアクスルケースからの分離状態では、車体に固定された車体部品に当接するまでに前記軸線方向の所定距離以上の移動が制限されている。また、前記パーキングギヤシャフトの先端部は、前記アクチュエータと前記トランスアクスルケースとが固定された状態において前記トランスアクスルケースから前記アクチュエータに向かって突出して、前記嵌合穴に前記軸線まわりの操作力を伝達可能に嵌め入れられている。前記アクチュエータが前記トランスアクスルケースから分離されて前記軸線に沿って前記所定距離以上の移動が制限されて前記嵌合穴と前記先端部との嵌合が外された状態において、前記パーキングギヤシャフトの前記軸線方向における前記トランスアクスルケースと前記アクチュエータとの隙間に露出する部分に、前記隙間に挿入される回転操作具と係合する工具係合部が形成されている。これにより、前記パーキングギヤシャフトは、前記工具係合部に係合する前記回転操作具を用いることによって手動で前記軸線まわりに回転させられる。前記工具係合部は、前記パーキングギヤシャフトの前記軸線方向における前記トランスアクスルケースと前記アクチュエータとの前記隙間に露出する部分に形成されているので、前記アクチュエータを前記トランスアクスルケースから前記軸線に沿って前記所定距離移動させることによって前記工具係合部と前記回転操作具とを係合させることができる。そのため、たとえば前記アクチュエータを前記トランスアクスルケースから完全に取り外す場合に比べて、手動で前記パーキングギヤシャフトを回転させる作業性の低下を抑制させることができる。
本発明は、走行用の駆動力源としてエンジンの他に走行用回転機すなわち駆動用電動機を有するハイブリッド車両や、電気自動車等に適用される。本発明が適用される車両は、たとえばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型あるいは4輪駆動型の動力伝達装置などを備えるものであっても良い。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両用パーキングロック装置10(以下、パーキングロック装置10という)を備えた車両12の要部の一部の概略構成を示す概略図である。図1に示すように、車両12は、運転者の近傍に配設されたシフトレバー14によって選択されたシフトレンジいわゆるシフトポジションに応じてトランスアクスル16に設けられる自動変速部18のシフトポジションを電気的すなわち電気制御により切り換えるシフトバイワイヤシステム20を備えている。シフトバイワイヤシステム20は、シフトレバー14などを備えるシフト操作装置22、電子制御装置24およびシフト切換装置すなわちパーキングロック装置10などを含んで構成されている。自動変速部18は、たとえば図示しない遊星歯車装置を含んで構成される自動変速機として機能する多段変速機である。
シフト操作装置22は、シフトレバー14と、シフトレバー14が所定のシフトポジションに移動操作されたことを電気的信号に応じて検出するシフトポジションセンサ26とを備えている。シフトポジションセンサ26は、たとえば運転席近傍の内装パネル28の下側などに配設される。シフトレバー14は、たとえば運転者のシフトポジションの選択に応じて操作されるものである。シフトレバー14は、Rポジション、Nポジション、Dポジションの3つの位置に移動操作されることにより、たとえば後進走行用のRポジション、動力伝達を遮断するNポジション、前進走行用のDポジションの3つのシフトポジションを択一的に選択できる。また、シフト操作装置22には、駐車する際に押圧操作される押釦式の図示しないPスイッチが設けられている。運転者は、シフトレバー14の操作とは別のシフトポジションとして駐車用のPポジションを選択できる。すなわち、シフトポジションセンサ26は、シフトレバー14の各操作位置のRポジション、Nポジション、Dポジションに操作されたことを電気的に検出するとともに、図示しないPスイッチのON操作あるいはOFF操作されたことを電気的に検出する。
電子制御装置24は、車両12に備えられ、シフトポジションセンサ26により検出されたシフトポジションおよび車両状態などに基づいて自動変速部18の目標シフトポジションを判断し、その目標シフトポジションに応じて後述するアクチュエータ56を制御する。また、電子制御装置24は、たとえばパーキングロック装置10が非パーキングロック状態にあるときの図示しないPスイッチの電気的信号に応じて、後述するアクチュエータ56を制御してパーキングロック装置10をパーキングロック状態にする制御を実行する。ここでパーキングロック状態とは、たとえばパーキングロック装置10によって自動変速部18の図示しない出力軸の回転が阻止された状態をいう。また、非パーキングロック状態とは、自動変速部18の図示しない出力軸の回転が許容された状態をいう。
図2は、車両12に備えられるパーキングロック装置10の構成を示す斜視図である。パーキングロック装置10は、シフト操作に応じて出力される電気的信号に基づいて作動させられるアクチュエータ56と、アクチュエータ56に連結されたパーキングギヤシャフト58とを備えて構成されている。また、パーキングロック装置10は、パーキングギヤシャフト58に固設されるとともにマニュアルバルブ40のスプール弁子44と係合させられ、各シフトポジションに応じて予め設定されたスプール弁子44の複数の移動位置に対応する複数の回動位置のいずれか1に位置決めされる板状のディテントプレート60を備えて構成されている。アクチュエータ56の作動位置すなわちアクチュエータ56のロータの回転角度は、たとえばロータリーエンコーダ62により検出される。
パーキングロック装置10は、自動変速部18の図示しない出力軸に連結されたパーキングギヤ48と、一軸まわりに回動させられることによってパーキングギヤ48に接近及び離間可能にされ、パーキングギヤ48に接近させられたときにパーキングギヤ48に噛み合う爪部80aを有するパーキングロックポール80とを備えている。パーキングロックポール80は、爪部80aがパーキングギヤ48に噛み合わされることによって自動変速部18の図示しない出力軸を回転不能に固定させる。また、パーキングロック装置10は、パーキングロックポール80に係合するテーパ部材82が挿し通されて、そのテーパ部材82を一端部において支持するパーキングロッド84と、テーパ部材82をその小径側に付勢するスプリング86とを備えている。パーキングロッド84の他端部は、ディテントプレート60の下端部に連結されており、テーパ部材82は、ディテントプレート60が回動させられることでそのテーパ部材82の小径側または大径側に移動させられるようになっている。
ディテントプレート60は、一側面から板厚方向へ突設され、スプール弁子44の軸線方向においてスプール弁子44と係合するスプール弁子係合ロッド64を備えている。スプール弁子44は、ディテントプレート60がパーキングギヤシャフト58の軸線Oまわりに回動させられると、その回動位置に応じて、スプール弁子係合ロッド64によりスプール弁子44の軸線方向へ移動させられる。
ディテントプレート60は、その外周端縁部のカム面形状に従って、スプール弁子44を予め設定された複数の移動位置のいずれか1に位置決めする機能を備えている。図2に示すように、ディテントプレート60の上方に位置する外周端縁部のカム面66には、スプール弁子44をPポジション、NポジションあるいはDポジションに対応する移動位置に位置決めするための複数の凹部が形成されている。カム面66には、基端部が固定された板ばね76の先端部に回転可能に支持された係合ローラ78が当接されている。板はね76は、カム面66に向けて係合ローラ78を所定の押圧力で付勢している。これにより、係合ローラ78が上記複数の凹部のうちのいずれか1に落ち込むことによりディテントプレート60が複数の移動位置のいずれか1に位置決めされ、スプール弁子44が各シフトポジションに応じて予め設定された複数の移動位置のいずれか1に位置決めされるようになっている。
図2は、ディテントプレート60がたとえばPポジションに対応する回動位置に位置させられている状態を示している。図2に示す状態では、マニュアルバルブ40のスプール弁子44がPポジションに対応する移動位置に位置させられ、また、パーキングロックポール80の爪部80aがパーキングギヤ48に噛み合うことで自動変速部18の図示しない出力軸の回転が阻止されている。図2に示す状態から、たとえばアクチュエータ56によってパーキングギヤシャフト58が図2に示す矢印Aの方向に回転させられると、スプール弁子44が矢印Bの方向へ移動させられて他のシフトポジションに対応する移動位置に位置させられる。また、パーキングロッド84の一端部が矢印Cの方向へ移動させられてその一端部の先端部に設けられたテーパ部材82の移動によりパーキングロックポール80が矢印Dの方向へ移動させられる。そして、パーキングロックポール80が矢印Dの方向へ移動させられることで爪部80aがパーキングギヤ48に噛み合わない位置へ回動させられると、自動変速部18の図示しない出力軸の回転が許容されて自動変速部18の図示しない出力軸のロックが解除される。すなわちパーキングロック状態から非パーキングロック状態になる。
図3および図4は、パーキングロック装置10の要部の一部を拡大して示す拡大図である。図3は、アクチュエータ56がトランスアクスル16に固定されている状態を示している。具体的には、図3は、トランスアクスル16の外装ケースであるトランスアクスルケース16aに図示しないボルトなどによってアクチュエータ56が固定されている状態を示している。アクチュエータ56は、トランスアクスルケース16aに着脱可能に固定されている。図3に示すように、アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aに固定されている状態の車両12では、軸線O方向において、アクチュエータ56に対してトランスアクスルケース16aとは反対側たとえば車両12の前方側に車体部品32が配設されている。車体部品32は、たとえば軸線O方向において、トランスアクスルケース16aに固定されたアクチュエータ56から距離Ta分離れた位置に配設されている。車体部品32は、たとえばフレームなどの車体に固定された車両用部品である。アクチュエータ56は、車体部品32に当接するまでに軸線O方向の所定距離すなわち距離Ta以上の移動が制限されている。
アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aに固定されている状態において、パーキングギヤシャフト58は、軸線O方向の基端部がトランスアクスル16内部すなわちトランスアクスルケース16a内部に連結されている。軸線O方向における基端部がトランスアクスルケース16a内部に連結されたパーキングギヤシャフト58は、先端部58aがトランスアクスルケース16aの軸線O方向の外部に向かってトランスアクスルケース16aから突出するように形成されている。パーキングギヤシャフト58は、アクチュエータ56の内部に形成された後述する挿通穴56bに挿通されて且つアクチュエータ56の内部に形成された後述する嵌合穴56aに先端部58aが嵌合されることにより、アクチュエータ56に連結されている。パーキングギヤシャフト58の先端部58aは、アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aに固定されている状態において、トランスアクスルケース16aからアクチュエータ56に向かって突出して、アクチュエータ56に軸線Oまわりの操作力いわゆるトルクを伝達可能に嵌合穴56aに嵌め入れられる。
パーキングギヤシャフト58の先端部58aは、外周面に一対の平行面が設けられたいわゆる二面幅形状に形成されている。また、パーキングギヤシャフト58には、第1の二面幅部である先端部58aよりも基端側すなわち先端部58aよりもトランスアクスルケース16a側に第2の二面幅部の工具係合部58bが形成されている。たとえば工具係合部58bは、図3に示すように、アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aに固定されている状態において、アクチュエータ56の内部すなわち軸線O方向において挿通穴56bに位置にするようにパーキングギヤシャフト58に形成されている。工具係合部58bは、外周面に一対の平行面が設けられたいわゆる二面幅形状に形成され、たとえば後述するスパナなどの回転操作具90が係合可能に形成されている。回転操作具90は、たとえば手動によってパーキングギヤシャフト58を回転させるためにパーキングギヤシャフト58に操作力を伝達させるための工具である。
アクチュエータ56には、嵌合穴56aと挿通穴56bとが同心に形成され、且つ軸線O方向に連通するように形成されている。挿通穴56bは、パーキングギヤシャフト58が挿入可能に形成され、嵌合穴56aは、パーキングギヤシャフト58の先端部58aが相対回転不能に嵌合可能に形成されている。嵌合穴56aおよび挿通穴56bは、軸線Oに同心に形成され、且つ軸線O方向に伸びるように形成されている。
挿通穴56bは、図3に示すように、軸線O方向におけるアクチュエータ56のトランスアクスルケース16a側に開口し軸線O方向に伸びるように形成されている。図3に示す挿通穴56bは、軸線O方向においてトランスアクスルケース16a側から車体部品32側に向かって直径寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されているが、たとえば直径寸法が均一に形成されていてもよい。すなわち挿通穴56bは、少なくともパーキングギヤシャフト58が挿通可能に形成されていればよい。
嵌合穴56aは、軸線O方向において挿通穴56bに対してトランスアクスルケース16a側から離れる側すなわち挿通穴56bに対して車体部品32側に設けられるとともに、挿通穴56bに連通するように形成されている。嵌合穴56aは、軸線O方向において車体部品32側に底部を有する非貫通に形成されている。嵌合穴56aは、パーキングギヤシャフト58の先端部58aすなわち第1の二面幅部と嵌合可能な二面幅に形成されている。嵌合穴56aは、たとえば二面幅寸法が先端部58aの一対の平行面間の面間距離よりもわずかに小さくなるように形成されている。すなわちパーキングギヤシャフト58の先端部58aは、嵌合穴56aに圧入されて、先端部58aと嵌合穴56aとが嵌合する。嵌合穴56aの最大開口長さ寸法は、挿通穴56bの最小開口長さ寸法すなわち最小直径寸法よりも小さくなるように形成されている。図3に示すように、アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aに固定されている状態では、先端部58aと嵌合穴56aとが嵌合した状態となっている。
図4は、アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aから取り外された分離状態を示している。具体的には、図4は、トランスアクスルケース16aとアクチュエータ56とを固定している図示しないボルトが緩められ、トランスアクスルケース16aに固定されたアクチュエータ56が矢印K方向すなわちトランスアクスルケース16aから軸線O方向に離れる方向に移動させられた状態を示している。図4に示すように、アクチュエータ56は、矢印K方向にトランスアクスルケース16aから距離Tb分離れた位置まで移動させられている。距離Tbは、アクチュエータ56の移動に基づいて軸線O方向におけるトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との間に形成される隙間Tbである。
隙間Tbは、距離Taよりも小さい寸法あるいは距離Taと略同じ寸法であって、先端部58aと嵌合穴56aとの嵌合が外れる移動距離寸法である。アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aから分離されて軸線Oに沿って距離Ta以上の移動が制限された場合すなわちトランスアクスルケース16aに固定されたアクチュエータ56が隙間Tb分移動させられた場合には、第1の二面幅部が嵌合穴56aから外れて、先端部58aと嵌合穴56aとの嵌合が外される。ここで、隙間Tb分移動させられたアクチュエータ56は、パーキングギヤシャフト58の先端部58aとの嵌合が外れた状態であって、パーキングギヤシャフト58あるいはトランスアクスルケース16aから完全に取り外されてはいない。
パーキングギヤシャフト58には、軸線O方向におけるトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との隙間Tbに露出する部分に工具係合部58bが形成されている。すなわち工具係合部58bは、先端部58aと嵌合穴56aとの嵌合が外れる位置且つトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との隙間Tbの位置に形成されている。
図4の一点鎖線は、回転操作具90を示している。回転操作具90は、パーキングギヤシャフト58を手動によって回転させるために隙間Tbに挿入されて工具係合部58bに係合させられる。たとえばアクチュエータ56の機械的あるいは電気的な故障によってパーキングギヤシャフト58が動作不能になった場合には、アクチュエータ56を車体部品32に干渉する手前まですなわち隙間Tb分移動させることによりトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との間に隙間Tbを形成させ、隙間Tbに回転操作具90を挿入して回転操作具90と工具係合部58bとを係合させる。これにより、回転操作具90によってパーキングギヤシャフト58に操作力を伝達させることができるので、回転操作具90を軸線Oまわりに手動で回転させることによってパーキングギヤシャフト58を軸線Oまわりに手動で回転させることができる。そのため、たとえばシフトポジションがPポジションであるときにアクチュエータ56が故障した場合に、パーキングギヤシャフト58を手動で回転させてパーキングロック状態を解除させることができる。ここで、アクチュエータ56は、隙間Tb分移動させられた状態であるので、パーキングギヤシャフト58あるいはトランスアクスルケース16aから完全に取り外すことなく隙間Tbに回転操作具90を挿入させてパーキングギヤシャフト58を手動で回転させることができる。
このように、本実施例のパーキングロック装置10によれば、アクチュエータ56は、トランスアクスルケース16aに着脱可能に固定され、トランスアクスルケース16aからの分離状態では、車体に固定された車体部品32に当接するまでに軸線O方向の所定距離すなわち距離Ta以上の移動が制限されている。また、パーキングギヤシャフト58の先端部58aは、アクチュエータ56とトランスアクスルケース16aとが固定された状態においてトランスアクスルケース16aからアクチュエータ56に向かって突出して、嵌合穴56aに軸線Oまわりの操作力を伝達可能に嵌め入れられている。アクチュエータ56がトランスアクスルケース16aから分離されて軸線に沿って距離Ta以上の移動が制限されて嵌合穴56aと先端部58aとの嵌合が外された状態において、パーキングギヤシャフト58の軸線O方向におけるトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との隙間Tbに露出する部分に、隙間Tbに挿入される回転操作具90と係合する工具係合部58bが形成されている。これにより、パーキングギヤシャフト58は、工具係合部58bに係合する回転操作具90を用いることによって手動で軸線Oまわりに回転させられる。工具係合部58bは、パーキングギヤシャフト58の軸線O方向におけるトランスアクスルケース16aとアクチュエータ56との隙間Tbに露出する部分に形成されているので、アクチュエータ56をトランスアクスルケース16aから軸線Oに沿って隙間Tb分移動させることによって工具係合部58bと回転操作具90とを係合させることができる。そのため、たとえばアクチュエータ56をトランスアクスルケース16aから完全に取り外す場合に比べて、手動でパーキングギヤシャフト58を回転させる作業性の低下を抑制させることができる。また、手動でパーキングギヤシャフト58を回転させる場合に、工具係合部58bが隙間Tbに露出する分だけアクチュエータ56を移動させるだけでいいため、たとえばアクチュエータ56をトランスアクスルケース16aから完全に取り外す場合に比べて、車両12の省スペース構造が実現できる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
たとえば、前述の実施例においては、工具係合部58bは、一対の平行面が設けられたいわゆる二面幅形状に形成されているが、必ずしもこれに限らず、少なくとも1つの平面が形成されていればよい。すなわち、工具係合部58bは、スパナなどの回転操作具90に係合可能であって、回転操作具90を用いることにより手動でパーキングギヤシャフト58を回転可能な形状であればよい。
また、前述の実施例においては、アクチュエータ56は、シフト操作に応じてシフトポジションを電気的に切り換えるものであるが、必ずしもこれに限らず、たとえば少なくともPポジションとPポジション以外のポジション(not Pポジション)とを切り換えるものであってもよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:パーキングロック装置(車両用パーキングロック装置)
16a:トランスアクスルケース
32:車体部品
56:アクチュエータ
56a:嵌合穴
58:パーキングギヤシャフト
58a:先端部
58b:工具係合部
O:軸線
Tb:隙間
16a:トランスアクスルケース
32:車体部品
56:アクチュエータ
56a:嵌合穴
58:パーキングギヤシャフト
58a:先端部
58b:工具係合部
O:軸線
Tb:隙間
Claims (1)
- シフト操作に応じて電気的に車両のシフトポジションを切り換えるアクチュエータと、前記アクチュエータに形成された嵌合穴に先端部が嵌合して、前記アクチュエータによって軸線まわりに回転させられるパーキングギヤシャフトとを含んで構成される車両用パーキングロック装置であって、
前記アクチュエータは、トランスアクスルケースに着脱可能に固定され、前記トランスアクスルケースからの分離状態では、車体に固定された車体部品に当接するまでに前記軸線方向の所定距離以上の移動が制限されており、
前記パーキングギヤシャフトの先端部は、前記アクチュエータと前記トランスアクスルケースとが固定された状態において前記トランスアクスルケースから前記アクチュエータに向かって突出して、前記嵌合穴に前記軸線まわりの操作力を伝達可能に嵌め入れられ、
前記アクチュエータが前記トランスアクスルケースから分離されて前記軸線に沿って前記所定距離以上の移動が制限されて前記嵌合穴と前記先端部との嵌合が外された状態において、前記パーキングギヤシャフトの前記軸線方向における前記トランスアクスルケースと前記アクチュエータとの隙間に露出する部分に、前記隙間に挿入される回転操作具と係合する工具係合部が形成されている
ことを特徴とする車両用パーキングロック装置。
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2019
- 2019-09-24 JP JP2019173589A patent/JP2021050764A/ja active Pending
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