JP2021050651A - ターボ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボ圧縮機の信頼性を向上させる。【解決手段】ターボ圧縮機(3)は、冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられる。ターボ圧縮機(3)のケーシング(10)には、インペラ(20)と、シャフト(30)と、ベアリングレスモータ(60,70)とが収容される。ケーシング(10)の内部空間(12,14)は、冷媒回路(2)に連通する。ケーシング(10)には、端子本体(91)を有する気密端子(90)が取り付けられる。端子本体(91)の一端には、ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。【選択図】図2

Description

本開示は、ターボ圧縮機に関するものである。
特許文献1には、ターボ圧縮機が開示されている。このターボ圧縮機では、インペラがシャフトに取り付けられる。また、このターボ圧縮機は、シャフトを駆動する電動機と、シャフトを支持する磁気軸受とを備える。インペラと、シャフトと、電動機と、磁気軸受とは、ケーシングの内部に収容される。また、特許文献1には、冷媒であるR1233zdをターボ圧縮機で圧縮することが開示されている。
特表2018−521291号公報
ここで、ターボ圧縮機のケーシングには、電動機と磁気軸受に電力を供給するための気密端子が設けられる。ケーシングの内部に収容された電動機と磁気軸受は、気密端子を介してケーシングの外部の電源に接続される。ケーシングの内部空間は、ターボ圧縮機が設けられた冷媒回路と連通し、冷媒回路に充填された冷媒で満たされる。
ところで、R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。従って、R1233zdを用いた冷凍装置において、冷凍サイクルの低圧は、通常、大気圧よりも低くなる。そのため、R1233zdを圧縮する特許文献1のターボ圧縮機において、ケーシングの内部空間の圧力は、冷凍サイクルの停止中は大気圧よりも高くなるが、冷凍サイクルの実行中は大気圧よりも低くなる場合がある。ケーシングの内部空間の圧力が大気圧より高くなったり低くなったりすると、気密端子の気密性を確保するのが困難となり、ターボ圧縮機の信頼性を損なうおそれがある。
本開示の目的は、ターボ圧縮機の信頼性を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられるターボ圧縮機を対象とする。そして、上記冷媒を圧縮するためのインペラ(20)と、上記インペラ(20)が固定されるシャフト(30)と、上記シャフト(30)を回転駆動し且つ磁気浮上させるベアリングレスモータ(60,70)と、上記冷媒回路(2)に連通する内部空間(12,14)を形成し、該内部空間(12,14)に上記インペラ(20)と上記シャフト(30)と上記ベアリングレスモータ(60,70)とを収容するケーシング(10)と、上記ケーシング(10)に取り付けられ、一端が上記ケーシング(10)の内部空間(12,14)に位置して他端が上記ケーシング(10)の外部に露出する端子本体(91)を有する気密端子(90)とを備え、上記ケーシング(10)の内部空間に位置する上記端子本体(91)の一端に、上記ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続されることを特徴とする。
第1の態様のターボ圧縮機(3)では、冷媒回路(2)に連通するケーシング(10)の内部空間(12,14)にベアリングレスモータ(60,70)が配置される。ケーシング(10)の内部空間(12,14)は、冷媒回路(2)に連通する。そのため、冷凍サイクル中には、ケーシング(10)の内部空間(12,14)の圧力が大気圧よりも低くなる可能性がある。
第1の態様において、ケーシング(10)には気密端子(90)が取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)の一端にベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。ベアリングレスモータ(60,70)へ電力を供給するために必要な電力線(66,67,76,77)の数は、電動機とラジアル磁気軸受とのそれぞれに電力を供給するのに必要な電力線の数よりも少ない。そのため、この態様では、電力線(66,67,76,77)が接続される端子本体(91)の数が従来よりも減少し、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になる。従って、この態様によれば、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記冷媒は、R1233zdからなる単一成分冷媒、R1224ydからなる単一成分冷媒、R1336mzzからなる単一成分冷媒、又はR1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒である
ことを特徴とする。
第2の態様において、ターボ圧縮機(3)が圧縮する冷媒は、R1233zdからなる単一成分冷媒、R1224ydからなる単一成分冷媒、R1336mzzからなる単一成分冷媒、又はR1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒である。例えば、R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、R1233zdからなる単一成分冷媒が充填された冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、大気圧よりも低くなり得る。
本開示の第3の態様は、上記第1又は第2の態様において、上記ベアリングレスモータ(60,70)の上記電力線は、上記シャフト(30)を磁気浮上させるための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の浮上用電力線(67,77)と、上記シャフト(30)を回転駆動するための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の駆動用電力線(66,76)とを含むことを特徴とする。
第3の態様において、ベアリングレスモータ(60,70)は、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の浮上用電力線(67,77)とを備える。各浮上用電力線(67,77)と、各浮上用電力線(67,77)とは、それぞれが対応する気密端子(90)の端子本体(91)の一端に接続される。
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3の態様のいずれか一つにおいて、上記気密端子(90)は、上記ケーシング(10)に固定される台座部(92)と、上記台座部(92)と上記端子本体(91)を電気的に絶縁し且つ上記台座部(92)と上記端子本体(91)の隙間を封止するガラス製の封止部(93)とを有することを特徴とする。
第4の態様の気密端子(90)では、ガラス製の封止部(93)によって台座部(92)と端子本体(91)が電気的に絶縁される。
本開示の第5の態様は、上記第1〜第4の態様のいずれか一つにおいて、上記シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を上記ベアリングレスモータ(60,70)だけによって支持するように構成されることを特徴とする。
第5の態様では、ベアリングレスモータ(60,70)だけが、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を支持する軸受けとしてターボ圧縮機(3)に設けられる。
図1は、ターボ圧縮機を備えた冷凍装置の冷媒回路を示す配管系統図である。 図2は、実施形態のターボ圧縮機の構成を示す概略断面図である。 図3は、気密端子の斜視図である。 図4は、気密端子の一部断面図である。
実施形態について説明する。本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)に設けられる。
−冷凍装置−
本実施形態のターボ圧縮機(3)を備えた冷凍装置(1)について説明する。この冷凍装置(1)は、熱媒水を冷却するチラー装置である。
図1に示すように、冷凍装置(1)は、冷媒回路(2)を備える。冷媒回路(2)は、ターボ圧縮機(3)と、凝縮器(4)と、膨張弁(5)と、蒸発器(6)とが設けられた閉回路である。冷媒回路(2)には、冷媒としてR1233zdからなる単一成分冷媒が充填される。
ターボ圧縮機(3)が作動すると、冷媒回路(2)において冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。具体的に、ターボ圧縮機(3)から吐出された冷媒は、凝縮器(4)において冷却水へ放熱して凝縮する。続いて、冷媒は、膨張弁(5)を通過する際に膨張し、その後に蒸発器(6)へ流入する。蒸発器(6)では、冷媒が熱媒水から吸熱して蒸発し、熱媒水が冷却される。蒸発器(6)において冷却された熱媒水は、ファンコイルユニット等の利用側機器へ供給される。蒸発器(6)において蒸発した冷媒は、ターボ圧縮機(3)へ吸入される。ターボ圧縮機(3)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
例えば、蒸発器(6)で冷却された熱媒水を室内の冷房に利用する場合、蒸発器(6)における冷媒の蒸発温度は5℃程度に設定される。一方、冷媒回路(2)に充填された冷媒であるR1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、通常、大気圧よりも低くなる。冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、蒸発器(6)における冷媒の蒸発圧力、及びターボ圧縮機(3)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しい。
−ターボ圧縮機−
図2に示すように、ターボ圧縮機(3)は、ケーシング(10)と、インペラ(20)と、シャフト(30)とを備える。また、ターボ圧縮機(3)は、ベアリングレスモータ(60,70)と、タッチダウン軸受(40,41)と、スラスト磁気軸受(50)とを備える。
〈ケーシング〉
ケーシング(10)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、その中心軸が実質的に水平となる姿勢で配置される。ケーシング(10)内の内部空間(12,14)は、壁部(11)によって区画される。壁部(11)によって区画された一方の空間(図2における右側の空間)は、インペラ(20)を収容するインペラ室(12)を構成する。また、インペラ室(12)の外周部には、圧縮空間(13)が形成される。壁部(11)によって区画された他方の空間(図2における左側の空間)は、第1ベアリングレスモータ(60)および第2ベアリングレスモータ(70)を収容する電動機室(14)を構成する。
ケーシング(10)は、吸入管(15)と吐出管(16)とを備える。吸入管(15)は、ケーシング(10)の一方の端部(図2における右端部))に接続され、インペラ室(12)の中央部に開口する。吐出管(16)は、ケーシング(10)の側部に接続され、圧縮空間(13)に開口する。
吸入管(15)は、配管を介して冷凍装置(1)の蒸発器(6)に接続される。吐出管(16)は、配管を介して冷凍装置(1)の凝縮器(4)に接続される。吸入管(15)及び吐出管(16)が開口するインペラ室(12)は、冷媒回路(2)に連通する。また、電動機室(14)は、インペラ室(12)と連通する。従って、ケーシング(10)の内部空間であるインペラ室(12)及び電動機室(14)は、冷媒回路(2)に連通し、冷媒回路(2)に充填された冷媒で満たされる。
ケーシング(10)には、各ベアリングレスモータ(60,70)に対応する駆動用端子(81,86)及び浮上用端子(82,87)と、スラスト磁気軸受(50)に対応するスラスト軸受用端子(55)とが設けられる。これらの端子(55,81,82,86,87)については後述する。
〈インペラ、シャフト〉
インペラ(20)は、外形が略円錐形状の部材であって、複数の羽根を備える。インペラ(20)は、インペラ室(12)に収容される。
シャフト(30)は、インペラ(20)を駆動するための棒状の部材である。シャフト(30)の一端には、インペラ(20)が同軸に取り付けられる。シャフト(30)の他端には、円板部(31)が設けられる。円板部(31)は、円板状に形成されてシャフト(30)と同軸に配置される。シャフト(30)のうちインペラ(20)と円板部(31)の間の部分には、後述するベアリングレスモータ(60,70)の回転子(61,71)が取り付けられる。
〈タッチダウン軸受〉
ターボ圧縮機(3)には、2つのタッチダウン軸受(40,41)が設けられる。これらのタッチダウン軸受(40,41)は、ケーシング(10)に取り付けられた転がり軸受けである。
一方のタッチダウン軸受(40)は、シャフト(30)の一端部(インペラ(20)寄りの部分)の外周を囲うように配置される。他方のタッチダウン軸受(41)は、シャフト(30)の他端部(円板部(31)寄りの部分)の外周を囲うように配置される。これらのタッチダウン軸受(40,41)は、ベアリングレスモータ(60,70)への通電が停止しているときにシャフト(30)を支持する。
〈スラスト磁気軸受〉
スラスト磁気軸受(50)は、シャフト(30)に作用する荷重のうち、シャフト(30)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持するための軸受けである。
スラスト磁気軸受(50)は、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)を有する。第1電磁石(51)と第2電磁石(52)のそれぞれは、円環状に形成され、シャフト(30)の円板部(31)の外周寄りの部分と向かい合うように配置される。第1電磁石(51)は、円板部(31)の図2における右側面と向かい合う。第2電磁石(52)は、円板部(31)の図2における左側面と向かい合う。スラスト磁気軸受(50)は、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)に流れる電流を制御することによって、シャフト(30)に作用するスラスト荷重を支持する。
第1電磁石(51)は、第1電磁石(51)へ電流を供給するための二本の第1電力線(51a)を備える。第2電磁石(52)は、第2電磁石(52)へ電流を供給するための二本の第2電力線(52a)を備える。第1電力線(51a)及び第2電力線(52a)は、スラスト軸受用端子(55)に接続される。
〈ベアリングレスモータ〉
第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)とは、電動機室(14)に収容される。第1ベアリングレスモータ(60)は、インペラ(20)寄りに配置され、第2ベアリングレスモータ(70)は、円板部(31)寄りに配置される。
これらのベアリングレスモータ(60,70)は、表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)のベアリングレスモータである。各ベアリングレスモータ(60,70)は、電磁力によってシャフト(30)を回転駆動すると共に、電磁力によってシャフト(30)に作用するラジアル荷重を支持する。
第1ベアリングレスモータ(60)は、第1回転子(61)と第1固定子(62)とを備え、第2ベアリングレスモータ(70)は、第2回転子(71)と第2固定子(72)とを備える。また、第1ベアリングレスモータ(60)の第1固定子(62)は、第1固定子コア(63)と第1コイル部(64)とを備え、第2ベアリングレスモータ(70)の第2固定子(72)は、第2固定子コア(73)と第2コイル部(74)とを備える。
各ベアリングレスモータ(60,70)の回転子(61,71)は、概ね円柱状に形成されてシャフトに固定される。この回転子(61,71)は、シャフト(30)と実質的に同軸に配置される。この回転子(61,71)は、鋼板を積層することによって構成される。また、図示しないが、回転子(61,71)は、には、複数の永久磁石が設けられる。
各ベアリングレスモータ(60,70)の固定子(62,72)は、厚肉の円筒状に形成され、固定子(62,72)の外周を囲うように配置される。この固定子(62,72)は、ケーシング(10)に固定される。固定子(62,72)は、固定子コア(63,73)とコイル部(64,74)とを備える。固定子コア(63,73)は、鋼板を積層することによって構成される。図示しないが、コイル部(64,74)は、駆動用コイルと浮上用コイルとを備える。駆動用コイルは、シャフト(30)を回転駆動するためのトルクを発生させるコイルである。浮上用コイルは、シャフト(30)を浮上させ、且つシャフト(30)に作用するラジアル荷重を支持するための電磁力を発生させるコイルである。
各ベアリングレスモータ(60,70)の固定子(62,72)に設けられたコイル部(64,74)は、駆動用コイルに三相交流を供給するための三本の駆動用電力線(66,76)と、浮上用コイルに三相交流を供給するための三本の浮上用電力線(67,77)とを備える。第1コイル部(64)の第1駆動用電力線(66)は、第1駆動用端子(81)に接続される。第1コイル部(64)の第1浮上用電力線(67)は、第1浮上用端子(82)に接続される。第2コイル部(74)の第2駆動用電力線(76)は、第2駆動用端子(86)に接続される。第2コイル部(74)の第2浮上用電力線(77)は、第2浮上用端子(87)に接続される。
〈駆動用端子、浮上用端子、スラスト軸受用端子〉
ケーシング(10)に設けられた駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)は、気密端子によって構成される。気密端子の詳細な構造は、後述する。
第1駆動用端子(81)と第2駆動用端子(86)のそれぞれは、三つの端子本体(91)を備える。第1駆動用端子(81)の端子本体(91)は、第1駆動用電力線(66)と一対一に対応する。第1駆動用端子(81)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第1駆動用電力線(66)が接続する。第2駆動用端子(86)の端子本体(91)は、第2駆動用電力線(76)と一対一に対応する。第2駆動用端子(86)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第2駆動用電力線(76)が接続する。各駆動用端子(81,86)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
第1浮上用端子(82)と第2浮上用端子(87)のそれぞれは、三つの端子本体(91)を備える。第1浮上用端子(82)の端子本体(91)は、第1浮上用電力線(67)と一対一に対応する。第1浮上用端子(82)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第1浮上用電力線(67)が接続する。第2浮上用端子(87)の端子本体(91)は、第2浮上用電力線(77)と一対一に対応する。第2浮上用端子(87)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第2浮上用電力線(77)が接続する。各浮上用端子(82,87)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
スラスト軸受用端子(55)は、四つの端子本体(91)を備える。スラスト軸受用端子(55)の端子本体(91)は、スラスト磁気軸受(50)に設けられた四本の電力線(51a,52a)と一対一に対応する。スラスト軸受用端子(55)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する電力線(51a,52a)が接続する。スラスト軸受用端子(55)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
−気密端子−
駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子について、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、図3及び図4に示す気密端子(90)は、三つの端子本体(91)を備えた気密端子(つまり、駆動用端子(81,86)又は浮上用端子(82,87)を構成する気密端子)である。スラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子の構造は、端子本体(91)の数が四つである点を除き、図3及び図4に示す気密端子(90)と同じである。
気密端子(90)は、端子本体(91)と、台座部(92)と、封止部(93)とを備える。端子本体(91)は、棒状に形成された金属製の部材である。台座部(92)は、円形のキャップ状に形成された金属製の部材である。端子本体(91)は、台座部(92)に形成された貫通孔に挿し通される。封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)の隙間を埋めるように設けられたガラス製の部材である。封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)の両方に密着し、端子本体(91)と台座部(92)の隙間を封止する。また、封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)を電気的に絶縁する。
気密端子(90)は、台座部(92)がケーシング(10)に溶接等によって接合される。気密端子(90)の各端子本体(91)は、それぞれの一端がケーシング(10)の電動機室(14)に位置し、それぞれの他端がケーシング(10)の外部に露出する。
−実施形態の特徴(1)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられる。ターボ圧縮機(3)は、冷媒を圧縮するためのインペラ(20)と、インペラ(20)が固定されるシャフト(30)と、シャフト(30)を回転駆動し且つ磁気浮上させるベアリングレスモータ(60,70)とを備える。また、ターボ圧縮機(3)は、ケーシング(10)と、気密端子(90)とを備える。
ケーシング(10)は、冷媒回路(2)に連通する内部空間(12,14)を形成し、この内部空間(12,14)にインペラ(20)とシャフト(30)とベアリングレスモータ(60,70)とを収容する。気密端子(90)は、端子本体(91)を有し、ケーシング(10)に取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)は、一端がケーシング(10)の内部空間(12,14)に位置し、他端がケーシング(10)の外部に露出する。ケーシング(10)の内部空間に位置する端子本体(91)の一端には、ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。
本実施形態のターボ圧縮機(3)では、冷媒回路(2)に連通するケーシング(10)の内部空間(12,14)にベアリングレスモータ(60,70)が配置される。ケーシング(10)の内部空間(12,14)は、冷媒回路(2)に連通する。そのため、冷凍サイクル中には、ケーシング(10)の内部空間(12,14)の圧力が大気圧よりも低くなる可能性がある。
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、ケーシング(10)には気密端子(90)が取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)の一端にベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。ベアリングレスモータ(60,70)へ電力を供給するために必要な電力線(66,67,76,77)の数は、電動機とラジアル磁気軸受とのそれぞれに電力を供給するのに必要な電力線の数よりも少ない。そのため、本実施形態では、電力線(66,67,76,77)が接続される端子本体(91)の数が従来よりも減少し、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になる。従って、本実施形態によれば、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(2)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)が設けられる冷媒回路(2)には、冷媒としてR1233zdからなる単一成分冷媒が充填される。本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷媒回路(2)を循環する冷媒であるR1233zdを圧縮する。R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、大気圧よりも低くなり得る。
−実施形態の特徴(3)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)のそれぞれが備える電力線には、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の駆動用電力線(66,76)とが含まれる。三本の浮上用電力線(67,77)は、シャフト(30)を磁気浮上させるための電力を、ベアリングレスモータ(60,70)に供給する。三本の駆動用電力線(66,76)は、シャフト(30)を回転駆動するための電力を、ベアリングレスモータ(60,70)に供給する。
ここで、従来のターボ圧縮機には、電動機と磁気軸受とが設けられる。この場合、電動機は、三本の電力線を備える。電動機の電力線は、駆動用電力線に相当する。また、例えばヘテロポーラ型ラジアル磁気軸受は、八本の電力線を備える。磁気軸受の電力線は、浮上用電力線に相当する。
上述したように、ベアリングレスモータ(60,70)は、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の駆動用電力線(66,76)とを備える。従って、ベアリングレスモータ(60,70)を備える本実施形態のターボ圧縮機(3)では、電動機と磁気軸受とを備える従来のターボ圧縮機に比べて、浮上用電力線に対応する電力線の本数が大幅に少ない。
このように、ベアリングレスモータ(60,70)によってシャフト(30)を支持する本実施形態のターボ圧縮機(3)では、ケーシング(10)に取り付けられる気密端子(90)において、ケーシング(10)の内部から外部に亘って配置される端子本体(91)の数を、従来よりも大幅に削減できる。従って、本実施形態によれば、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になり、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(4)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子(90)は、端子本体(91)に加えて、台座部(92)と封止部(93)とを更に備える。台座部(92)は、ケーシング(10)に固定される。封止部(93)は、ガラス製の部材であって、台座部(92)と端子本体(91)を電気的に絶縁すると共に、台座部(92)と端子本体(91)の隙間を封止する。
ここで、上述したように、電動機と磁気軸受とを備える従来のターボ圧縮機では、磁気軸受の電力線(浮上用電力線に相当)を接続するための端子本体を、気密端子に設ける必要がある。このため、従来のターボ圧縮機では、比較的多数の端子本体を設けることが可能な樹脂封止タイプの気密端子を用いる必要がある。なお、樹脂封止タイプの気密端子は、台座部と端子本体を電気的に絶縁する封止部の材質が樹脂である気密端子である。
ガラス封止タイプの気密端子(90)では、ガラス製の封止部(93)が端子本体(91)と台座部(92)の間に設けられるため、一つの台座部(92)に設けることができる端子本体(91)の数がそれほど多くない。一方、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、上述したように、ケーシング(10)の内部から外部に亘って配置される端子本体(91)の数を、従来よりも大幅に削減できる。このため、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、樹脂封止タイプの気密端子に比べて少数の端子本体(91)しか設けられないガラス封止タイプの気密端子(90)を用いることが可能である。そして、本実施形態によれば、ガラス製の封止部(93)を備えた気密性の高い気密端子(90)を用いることによって、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(5)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)は、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を、ベアリングレスモータ(60,70)だけによって支持するように構成される。
本実施形態のターボ圧縮機(3)では、ケーシング(10)内に配置された二つのベアリングレスモータ(60,70)だけによって、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重が支持される。つまり、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、電力線(66,67,76,77)の本数が少ないベアリングレスモータ(60,70)だけによって、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重が支持される。このため、ケーシング(10)に取り付けられた気密端子(90)の端子本体(91)の数を最小限に抑えることができ、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の変形例1−
冷媒回路(2)に充填される冷媒(言い換えると、ターボ圧縮機(3)によって圧縮される冷媒)は、大気圧における飽和温度が10℃以上の冷媒であれば、R1233zdからなる単一成分冷媒に限定されない。大気圧における飽和温度が10℃以上の冷媒は、冷凍サイクル中に大気圧寄りの低い圧力になり得る冷媒である。この冷媒としては、R1233zdからなる単一成分冷媒の他に、R123からなる単一成分冷媒と、R245faからなる単一成分冷媒と、R1224ydからなる単一成分冷媒と、R1336mzzからなる単一成分冷媒と、R1336mzzとR1130とを含む混合冷媒であるR514Aとが例示される。R514Aは、“R1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒”の一例である。
−実施形態の変形例2−
本実施形態のターボ圧縮機(3)には、駆動用電力線(66,76)と同数(本実施形態では、六つ)の駆動用端子が設けられていてもよい。この場合、各駆動用端子には、端子本体が一つずつ設けられる。
また、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、一つの気密端子に駆動用電力線(66,76)と浮上用電力線(67,77)の両方が接続されていてもよい。この場合、ターボ圧縮機(3)には、六つの端子本体を有する気密端子が、各ベアリングレスモータ(60,70)に対応して一つずつ設けられる。第1ベアリングレスモータ(60)に対応する気密端子には、三本の第1駆動用電力線(66)と、三本の第1浮上用電力線(67)とが接続される。第2ベアリングレスモータ(70)に対応する気密端子には、三本の第2駆動用電力線(76)と、三本の第2浮上用電力線(77)とが接続される。
−実施形態の変形例3−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、各ベアリングレスモータ(60,70)は、表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)のベアリングレスモータ以外の任意のタイプのベアリングレスモータであってもよい。例えば、各ベアリングレスモータ(60,70)は、コンシクエントポール型、回転子の内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石内蔵型(IPM:Interior Permanent Magnet)、インセット型、BPM型(Buried Permanent Magnet)、順突極型、同期リラクタンス型、スイッチトリラクタンス型、および誘導型のいずれかのタイプのベアリングレスモータであってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、ターボ圧縮機について有用である。
2 冷媒回路
3 ターボ圧縮機
10 ケーシング
12 インペラ室(内部空間)
14 電動機室 (内部空間)
20 インペラ
30 シャフト
60 第1ベアリングレスモータ
66 第1駆動用電力線(電力線)
67 第1浮上用電力線(電力線)
70 第2ベアリングレスモータ
76 第2駆動用電力線(電力線)
77 第2浮上用電力線(電力線)
90 気密端子
91 端子本体
92 台座部
93 封止部
本開示は、ターボ圧縮機に関するものである。
特許文献1には、ターボ圧縮機が開示されている。このターボ圧縮機では、インペラがシャフトに取り付けられる。また、このターボ圧縮機は、シャフトを駆動する電動機と、シャフトを支持する磁気軸受とを備える。インペラと、シャフトと、電動機と、磁気軸受とは、ケーシングの内部に収容される。また、特許文献1には、冷媒であるR1233zdをターボ圧縮機で圧縮することが開示されている。
特表2018−521291号公報
ここで、ターボ圧縮機のケーシングには、電動機と磁気軸受に電力を供給するための気密端子が設けられる。ケーシングの内部に収容された電動機と磁気軸受は、気密端子を介してケーシングの外部の電源に接続される。ケーシングの内部空間は、ターボ圧縮機が設けられた冷媒回路と連通し、冷媒回路に充填された冷媒で満たされる。
ところで、R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。従って、R1233zdを用いた冷凍装置において、冷凍サイクルの低圧は、通常、大気圧よりも低くなる。そのため、R1233zdを圧縮する特許文献1のターボ圧縮機において、ケーシングの内部空間の圧力は、冷凍サイクルの停止中は大気圧よりも高くなるが、冷凍サイクルの実行中は大気圧よりも低くなる場合がある。ケーシングの内部空間の圧力が大気圧より高くなったり低くなったりすると、気密端子の気密性を確保するのが困難となり、ターボ圧縮機の信頼性を損なうおそれがある。
本開示の目的は、ターボ圧縮機の信頼性を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられるターボ圧縮機を対象とする。そして、上記冷媒を圧縮するためのインペラ(20)と、上記インペラ(20)が固定されるシャフト(30)と、上記シャフト(30)を回転駆動し且つ磁気浮上させるベアリングレスモータ(60,70)と、上記冷媒回路(2)に連通する内部空間(12,14)を形成し、該内部空間(12,14)に上記インペラ(20)と上記シャフト(30)と上記ベアリングレスモータ(60,70)とを収容するケーシング(10)と、上記ケーシング(10)に取り付けられ、一端が上記ケーシング(10)の内部空間(12,14)に位置して他端が上記ケーシング(10)の外部に露出する端子本体(91)を有する気密端子(90)とを備え、上記ケーシング(10)の内部空間に位置する上記端子本体(91)の一端に、上記ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続されることを特徴とする。
第1の態様のターボ圧縮機(3)では、冷媒回路(2)に連通するケーシング(10)の内部空間(12,14)にベアリングレスモータ(60,70)が配置される。ケーシング(10)の内部空間(12,14)は、冷媒回路(2)に連通する。そのため、冷凍サイクル中には、ケーシング(10)の内部空間(12,14)の圧力が大気圧よりも低くなる可能性がある。
第1の態様において、ケーシング(10)には気密端子(90)が取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)の一端にベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。ベアリングレスモータ(60,70)へ電力を供給するために必要な電力線(66,67,76,77)の数は、電動機とラジアル磁気軸受とのそれぞれに電力を供給するのに必要な電力線の数よりも少ない。そのため、この態様では、電力線(66,67,76,77)が接続される端子本体(91)の数が従来よりも減少し、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になる。従って、この態様によれば、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
また、本開示の第1の態様は、上記の構成に加えて、上記ベアリングレスモータ(60,70)の上記電力線は、上記シャフト(30)を磁気浮上させるための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の浮上用電力線(67,77)と、上記シャフト(30)を回転駆動するための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の駆動用電力線(66,76)とを含むことを特徴とする。
第1の態様において、ベアリングレスモータ(60,70)は、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の浮上用電力線(67,77)とを備える。各浮上用電力線(67,77)と、各浮上用電力線(67,77)とは、それぞれが対応する気密端子(90)の端子本体(91)の一端に接続される。
また、本開示の第1の態様は、上記気密端子(90)が、上記ケーシング(10)の内部空間に位置する上記端子本体(91)の一端に、上記駆動用電力線(66,76)が接続される駆動用端子(81,86)と、上記ケーシング(10)の内部空間に位置する上記端子本体(91)の一端に、上記浮上用電力線(67,77)が接続される浮上用端子(82,87)とを含み、一つの上記浮上用端子(82,87)に三つの上記端子本体(91)が設けられ、該浮上用端子(82,87)の各端子本体(91)に、対応する一本の上記浮上用電力線(67,77)が接続されることを特徴とする。
第1の態様において、一つのベアリングレスモータ(60,70)に電力を供給する三本の浮上用電力線(67,77)は、三つの端子本体(91)が設けられた一つの浮上用端子(82,87)に接続される。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記冷媒は、R1233zdからなる単一成分冷媒、R1224ydからなる単一成分冷媒、R1336mzzからなる単一成分冷媒、又はR1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒である
ことを特徴とする。
第2の態様において、ターボ圧縮機(3)が圧縮する冷媒は、R1233zdからなる単一成分冷媒、R1224ydからなる単一成分冷媒、R1336mzzからなる単一成分冷媒、又はR1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒である。例えば、R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、R1233zdからなる単一成分冷媒が充填された冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、大気圧よりも低くなり得る。
本開示の第3の態様は、上記第1又は第2の態様において、上記駆動用電力線(66,76)と同数の上記駆動用端子(81,86)を備え、各上記駆動用端子(81,86)に上記端子本体(91)が一つずつ設けられることを特徴とする。
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3の態様のいずれか一つにおいて、上記気密端子(90)は、上記ケーシング(10)に固定される台座部(92)と、上記台座部(92)と上記端子本体(91)を電気的に絶縁し且つ上記台座部(92)と上記端子本体(91)の隙間を封止するガラス製の封止部(93)とを有することを特徴とする。
第4の態様の気密端子(90)では、ガラス製の封止部(93)によって台座部(92)と端子本体(91)が電気的に絶縁される。
本開示の第5の態様は、上記第1〜第4の態様のいずれか一つにおいて、上記シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を上記ベアリングレスモータ(60,70)だけによって支持するように構成されることを特徴とする。
第5の態様では、ベアリングレスモータ(60,70)だけが、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を支持する軸受けとしてターボ圧縮機(3)に設けられる。
図1は、ターボ圧縮機を備えた冷凍装置の冷媒回路を示す配管系統図である。 図2は、実施形態のターボ圧縮機の構成を示す概略断面図である。 図3は、気密端子の斜視図である。 図4は、気密端子の一部断面図である。
実施形態について説明する。本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)に設けられる。
−冷凍装置−
本実施形態のターボ圧縮機(3)を備えた冷凍装置(1)について説明する。この冷凍装置(1)は、熱媒水を冷却するチラー装置である。
図1に示すように、冷凍装置(1)は、冷媒回路(2)を備える。冷媒回路(2)は、ターボ圧縮機(3)と、凝縮器(4)と、膨張弁(5)と、蒸発器(6)とが設けられた閉回路である。冷媒回路(2)には、冷媒としてR1233zdからなる単一成分冷媒が充填される。
ターボ圧縮機(3)が作動すると、冷媒回路(2)において冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。具体的に、ターボ圧縮機(3)から吐出された冷媒は、凝縮器(4)において冷却水へ放熱して凝縮する。続いて、冷媒は、膨張弁(5)を通過する際に膨張し、その後に蒸発器(6)へ流入する。蒸発器(6)では、冷媒が熱媒水から吸熱して蒸発し、熱媒水が冷却される。蒸発器(6)において冷却された熱媒水は、ファンコイルユニット等の利用側機器へ供給される。蒸発器(6)において蒸発した冷媒は、ターボ圧縮機(3)へ吸入される。ターボ圧縮機(3)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
例えば、蒸発器(6)で冷却された熱媒水を室内の冷房に利用する場合、蒸発器(6)における冷媒の蒸発温度は5℃程度に設定される。一方、冷媒回路(2)に充填された冷媒であるR1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、通常、大気圧よりも低くなる。冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、蒸発器(6)における冷媒の蒸発圧力、及びターボ圧縮機(3)へ吸入される冷媒の圧力と実質的に等しい。
−ターボ圧縮機−
図2に示すように、ターボ圧縮機(3)は、ケーシング(10)と、インペラ(20)と、シャフト(30)とを備える。また、ターボ圧縮機(3)は、ベアリングレスモータ(60,70)と、タッチダウン軸受(40,41)と、スラスト磁気軸受(50)とを備える。
〈ケーシング〉
ケーシング(10)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、その中心軸が実質的に水平となる姿勢で配置される。ケーシング(10)内の内部空間(12,14)は、壁部(11)によって区画される。壁部(11)によって区画された一方の空間(図2における右側の空間)は、インペラ(20)を収容するインペラ室(12)を構成する。また、インペラ室(12)の外周部には、圧縮空間(13)が形成される。壁部(11)によって区画された他方の空間(図2における左側の空間)は、第1ベアリングレスモータ(60)および第2ベアリングレスモータ(70)を収容する電動機室(14)を構成する。
ケーシング(10)は、吸入管(15)と吐出管(16)とを備える。吸入管(15)は、ケーシング(10)の一方の端部(図2における右端部))に接続され、インペラ室(12)の中央部に開口する。吐出管(16)は、ケーシング(10)の側部に接続され、圧縮空間(13)に開口する。
吸入管(15)は、配管を介して冷凍装置(1)の蒸発器(6)に接続される。吐出管(16)は、配管を介して冷凍装置(1)の凝縮器(4)に接続される。吸入管(15)及び吐出管(16)が開口するインペラ室(12)は、冷媒回路(2)に連通する。また、電動機室(14)は、インペラ室(12)と連通する。従って、ケーシング(10)の内部空間であるインペラ室(12)及び電動機室(14)は、冷媒回路(2)に連通し、冷媒回路(2)に充填された冷媒で満たされる。
ケーシング(10)には、各ベアリングレスモータ(60,70)に対応する駆動用端子(81,86)及び浮上用端子(82,87)と、スラスト磁気軸受(50)に対応するスラスト軸受用端子(55)とが設けられる。これらの端子(55,81,82,86,87)については後述する。
〈インペラ、シャフト〉
インペラ(20)は、外形が略円錐形状の部材であって、複数の羽根を備える。インペラ(20)は、インペラ室(12)に収容される。
シャフト(30)は、インペラ(20)を駆動するための棒状の部材である。シャフト(30)の一端には、インペラ(20)が同軸に取り付けられる。シャフト(30)の他端には、円板部(31)が設けられる。円板部(31)は、円板状に形成されてシャフト(30)と同軸に配置される。シャフト(30)のうちインペラ(20)と円板部(31)の間の部分には、後述するベアリングレスモータ(60,70)の回転子(61,71)が取り付けられる。
〈タッチダウン軸受〉
ターボ圧縮機(3)には、2つのタッチダウン軸受(40,41)が設けられる。これらのタッチダウン軸受(40,41)は、ケーシング(10)に取り付けられた転がり軸受けである。
一方のタッチダウン軸受(40)は、シャフト(30)の一端部(インペラ(20)寄りの部分)の外周を囲うように配置される。他方のタッチダウン軸受(41)は、シャフト(30)の他端部(円板部(31)寄りの部分)の外周を囲うように配置される。これらのタッチダウン軸受(40,41)は、ベアリングレスモータ(60,70)への通電が停止しているときにシャフト(30)を支持する。
〈スラスト磁気軸受〉
スラスト磁気軸受(50)は、シャフト(30)に作用する荷重のうち、シャフト(30)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持するための軸受けである。
スラスト磁気軸受(50)は、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)を有する。第1電磁石(51)と第2電磁石(52)のそれぞれは、円環状に形成され、シャフト(30)の円板部(31)の外周寄りの部分と向かい合うように配置される。第1電磁石(51)は、円板部(31)の図2における右側面と向かい合う。第2電磁石(52)は、円板部(31)の図2における左側面と向かい合う。スラスト磁気軸受(50)は、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)に流れる電流を制御することによって、シャフト(30)に作用するスラスト荷重を支持する。
第1電磁石(51)は、第1電磁石(51)へ電流を供給するための二本の第1電力線(51a)を備える。第2電磁石(52)は、第2電磁石(52)へ電流を供給するための二本の第2電力線(52a)を備える。第1電力線(51a)及び第2電力線(52a)は、スラスト軸受用端子(55)に接続される。
〈ベアリングレスモータ〉
第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)とは、電動機室(14)に収容される。第1ベアリングレスモータ(60)は、インペラ(20)寄りに配置され、第2ベアリングレスモータ(70)は、円板部(31)寄りに配置される。
これらのベアリングレスモータ(60,70)は、表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)のベアリングレスモータである。各ベアリングレスモータ(60,70)は、電磁力によってシャフト(30)を回転駆動すると共に、電磁力によってシャフト(30)に作用するラジアル荷重を支持する。
第1ベアリングレスモータ(60)は、第1回転子(61)と第1固定子(62)とを備え、第2ベアリングレスモータ(70)は、第2回転子(71)と第2固定子(72)とを備える。また、第1ベアリングレスモータ(60)の第1固定子(62)は、第1固定子コア(63)と第1コイル部(64)とを備え、第2ベアリングレスモータ(70)の第2固定子(72)は、第2固定子コア(73)と第2コイル部(74)とを備える。
各ベアリングレスモータ(60,70)の回転子(61,71)は、概ね円柱状に形成されてシャフトに固定される。この回転子(61,71)は、シャフト(30)と実質的に同軸に配置される。この回転子(61,71)は、鋼板を積層することによって構成される。また、図示しないが、回転子(61,71)は、には、複数の永久磁石が設けられる。
各ベアリングレスモータ(60,70)の固定子(62,72)は、厚肉の円筒状に形成され、固定子(62,72)の外周を囲うように配置される。この固定子(62,72)は、ケーシング(10)に固定される。固定子(62,72)は、固定子コア(63,73)とコイル部(64,74)とを備える。固定子コア(63,73)は、鋼板を積層することによって構成される。図示しないが、コイル部(64,74)は、駆動用コイルと浮上用コイルとを備える。駆動用コイルは、シャフト(30)を回転駆動するためのトルクを発生させるコイルである。浮上用コイルは、シャフト(30)を浮上させ、且つシャフト(30)に作用するラジアル荷重を支持するための電磁力を発生させるコイルである。
各ベアリングレスモータ(60,70)の固定子(62,72)に設けられたコイル部(64,74)は、駆動用コイルに三相交流を供給するための三本の駆動用電力線(66,76)と、浮上用コイルに三相交流を供給するための三本の浮上用電力線(67,77)とを備える。第1コイル部(64)の第1駆動用電力線(66)は、第1駆動用端子(81)に接続される。第1コイル部(64)の第1浮上用電力線(67)は、第1浮上用端子(82)に接続される。第2コイル部(74)の第2駆動用電力線(76)は、第2駆動用端子(86)に接続される。第2コイル部(74)の第2浮上用電力線(77)は、第2浮上用端子(87)に接続される。
〈駆動用端子、浮上用端子、スラスト軸受用端子〉
ケーシング(10)に設けられた駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)は、気密端子によって構成される。気密端子の詳細な構造は、後述する。
第1駆動用端子(81)と第2駆動用端子(86)のそれぞれは、三つの端子本体(91)を備える。第1駆動用端子(81)の端子本体(91)は、第1駆動用電力線(66)と一対一に対応する。第1駆動用端子(81)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第1駆動用電力線(66)が接続する。第2駆動用端子(86)の端子本体(91)は、第2駆動用電力線(76)と一対一に対応する。第2駆動用端子(86)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第2駆動用電力線(76)が接続する。各駆動用端子(81,86)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
第1浮上用端子(82)と第2浮上用端子(87)のそれぞれは、三つの端子本体(91)を備える。第1浮上用端子(82)の端子本体(91)は、第1浮上用電力線(67)と一対一に対応する。第1浮上用端子(82)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第1浮上用電力線(67)が接続する。第2浮上用端子(87)の端子本体(91)は、第2浮上用電力線(77)と一対一に対応する。第2浮上用端子(87)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する第2浮上用電力線(77)が接続する。各浮上用端子(82,87)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
スラスト軸受用端子(55)は、四つの端子本体(91)を備える。スラスト軸受用端子(55)の端子本体(91)は、スラスト磁気軸受(50)に設けられた四本の電力線(51a,52a)と一対一に対応する。スラスト軸受用端子(55)の各端子本体(91)の一端には、その端子本体(91)に対応する電力線(51a,52a)が接続する。スラスト軸受用端子(55)に設けられた各端子本体(91)の他端には、図外の電源が配線を介して接続される。
−気密端子−
駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子について、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、図3及び図4に示す気密端子(90)は、三つの端子本体(91)を備えた気密端子(つまり、駆動用端子(81,86)又は浮上用端子(82,87)を構成する気密端子)である。スラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子の構造は、端子本体(91)の数が四つである点を除き、図3及び図4に示す気密端子(90)と同じである。
気密端子(90)は、端子本体(91)と、台座部(92)と、封止部(93)とを備える。端子本体(91)は、棒状に形成された金属製の部材である。台座部(92)は、円形のキャップ状に形成された金属製の部材である。端子本体(91)は、台座部(92)に形成された貫通孔に挿し通される。封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)の隙間を埋めるように設けられたガラス製の部材である。封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)の両方に密着し、端子本体(91)と台座部(92)の隙間を封止する。また、封止部(93)は、端子本体(91)と台座部(92)を電気的に絶縁する。
気密端子(90)は、台座部(92)がケーシング(10)に溶接等によって接合される。気密端子(90)の各端子本体(91)は、それぞれの一端がケーシング(10)の電動機室(14)に位置し、それぞれの他端がケーシング(10)の外部に露出する。
−実施形態の特徴(1)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられる。ターボ圧縮機(3)は、冷媒を圧縮するためのインペラ(20)と、インペラ(20)が固定されるシャフト(30)と、シャフト(30)を回転駆動し且つ磁気浮上させるベアリングレスモータ(60,70)とを備える。また、ターボ圧縮機(3)は、ケーシング(10)と、気密端子(90)とを備える。
ケーシング(10)は、冷媒回路(2)に連通する内部空間(12,14)を形成し、この内部空間(12,14)にインペラ(20)とシャフト(30)とベアリングレスモータ(60,70)とを収容する。気密端子(90)は、端子本体(91)を有し、ケーシング(10)に取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)は、一端がケーシング(10)の内部空間(12,14)に位置し、他端がケーシング(10)の外部に露出する。ケーシング(10)の内部空間に位置する端子本体(91)の一端には、ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。
本実施形態のターボ圧縮機(3)では、冷媒回路(2)に連通するケーシング(10)の内部空間(12,14)にベアリングレスモータ(60,70)が配置される。ケーシング(10)の内部空間(12,14)は、冷媒回路(2)に連通する。そのため、冷凍サイクル中には、ケーシング(10)の内部空間(12,14)の圧力が大気圧よりも低くなる可能性がある。
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、ケーシング(10)には気密端子(90)が取り付けられ、気密端子(90)の端子本体(91)の一端にベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される。ベアリングレスモータ(60,70)へ電力を供給するために必要な電力線(66,67,76,77)の数は、電動機とラジアル磁気軸受とのそれぞれに電力を供給するのに必要な電力線の数よりも少ない。そのため、本実施形態では、電力線(66,67,76,77)が接続される端子本体(91)の数が従来よりも減少し、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になる。従って、本実施形態によれば、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(2)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)が設けられる冷媒回路(2)には、冷媒としてR1233zdからなる単一成分冷媒が充填される。本実施形態のターボ圧縮機(3)は、冷媒回路(2)を循環する冷媒であるR1233zdを圧縮する。R1233zdは、大気圧における飽和温度が18.3℃である。このため、冷媒回路(2)で行われる冷凍サイクルの低圧は、大気圧よりも低くなり得る。
−実施形態の特徴(3)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)のそれぞれが備える電力線には、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の駆動用電力線(66,76)とが含まれる。三本の浮上用電力線(67,77)は、シャフト(30)を磁気浮上させるための電力を、ベアリングレスモータ(60,70)に供給する。三本の駆動用電力線(66,76)は、シャフト(30)を回転駆動するための電力を、ベアリングレスモータ(60,70)に供給する。
ここで、従来のターボ圧縮機には、電動機と磁気軸受とが設けられる。この場合、電動機は、三本の電力線を備える。電動機の電力線は、駆動用電力線に相当する。また、例えばヘテロポーラ型ラジアル磁気軸受は、八本の電力線を備える。磁気軸受の電力線は、浮上用電力線に相当する。
上述したように、ベアリングレスモータ(60,70)は、三本の浮上用電力線(67,77)と、三本の駆動用電力線(66,76)とを備える。従って、ベアリングレスモータ(60,70)を備える本実施形態のターボ圧縮機(3)では、電動機と磁気軸受とを備える従来のターボ圧縮機に比べて、浮上用電力線に対応する電力線の本数が大幅に少ない。
このように、ベアリングレスモータ(60,70)によってシャフト(30)を支持する本実施形態のターボ圧縮機(3)では、ケーシング(10)に取り付けられる気密端子(90)において、ケーシング(10)の内部から外部に亘って配置される端子本体(91)の数を、従来よりも大幅に削減できる。従って、本実施形態によれば、ケーシング(10)の気密性を確保するのが容易になり、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(4)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、駆動用端子(81,86)、浮上用端子(82,87)、及びスラスト軸受用端子(55)を構成する気密端子(90)は、端子本体(91)に加えて、台座部(92)と封止部(93)とを更に備える。台座部(92)は、ケーシング(10)に固定される。封止部(93)は、ガラス製の部材であって、台座部(92)と端子本体(91)を電気的に絶縁すると共に、台座部(92)と端子本体(91)の隙間を封止する。
ここで、上述したように、電動機と磁気軸受とを備える従来のターボ圧縮機では、磁気軸受の電力線(浮上用電力線に相当)を接続するための端子本体を、気密端子に設ける必要がある。このため、従来のターボ圧縮機では、比較的多数の端子本体を設けることが可能な樹脂封止タイプの気密端子を用いる必要がある。なお、樹脂封止タイプの気密端子は、台座部と端子本体を電気的に絶縁する封止部の材質が樹脂である気密端子である。
ガラス封止タイプの気密端子(90)では、ガラス製の封止部(93)が端子本体(91)と台座部(92)の間に設けられるため、一つの台座部(92)に設けることができる端子本体(91)の数がそれほど多くない。一方、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、上述したように、ケーシング(10)の内部から外部に亘って配置される端子本体(91)の数を、従来よりも大幅に削減できる。このため、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、樹脂封止タイプの気密端子に比べて少数の端子本体(91)しか設けられないガラス封止タイプの気密端子(90)を用いることが可能である。そして、本実施形態によれば、ガラス製の封止部(93)を備えた気密性の高い気密端子(90)を用いることによって、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の特徴(5)−
本実施形態のターボ圧縮機(3)は、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を、ベアリングレスモータ(60,70)だけによって支持するように構成される。
本実施形態のターボ圧縮機(3)では、ケーシング(10)内に配置された二つのベアリングレスモータ(60,70)だけによって、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重が支持される。つまり、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、電力線(66,67,76,77)の本数が少ないベアリングレスモータ(60,70)だけによって、シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重が支持される。このため、ケーシング(10)に取り付けられた気密端子(90)の端子本体(91)の数を最小限に抑えることができ、ターボ圧縮機(3)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の変形例1−
冷媒回路(2)に充填される冷媒(言い換えると、ターボ圧縮機(3)によって圧縮される冷媒)は、大気圧における飽和温度が10℃以上の冷媒であれば、R1233zdからなる単一成分冷媒に限定されない。大気圧における飽和温度が10℃以上の冷媒は、冷凍サイクル中に大気圧寄りの低い圧力になり得る冷媒である。この冷媒としては、R1233zdからなる単一成分冷媒の他に、R123からなる単一成分冷媒と、R245faからなる単一成分冷媒と、R1224ydからなる単一成分冷媒と、R1336mzzからなる単一成分冷媒と、R1336mzzとR1130とを含む混合冷媒であるR514Aとが例示される。R514Aは、“R1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒”の一例である。
−実施形態の変形例2−
本実施形態のターボ圧縮機(3)には、駆動用電力線(66,76)と同数(本実施形態では、六つ)の駆動用端子が設けられていてもよい。この場合、各駆動用端子には、端子本体が一つずつ設けられる。
また、本実施形態のターボ圧縮機(3)では、一つの気密端子に駆動用電力線(66,76)と浮上用電力線(67,77)の両方が接続されていてもよい。この場合、ターボ圧縮機(3)には、六つの端子本体を有する気密端子が、各ベアリングレスモータ(60,70)に対応して一つずつ設けられる。第1ベアリングレスモータ(60)に対応する気密端子には、三本の第1駆動用電力線(66)と、三本の第1浮上用電力線(67)とが接続される。第2ベアリングレスモータ(70)に対応する気密端子には、三本の第2駆動用電力線(76)と、三本の第2浮上用電力線(77)とが接続される。
−実施形態の変形例3−
本実施形態のターボ圧縮機(3)において、各ベアリングレスモータ(60,70)は、表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)のベアリングレスモータ以外の任意のタイプのベアリングレスモータであってもよい。例えば、各ベアリングレスモータ(60,70)は、コンシクエントポール型、回転子の内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石内蔵型(IPM:Interior Permanent Magnet)、インセット型、BPM型(Buried Permanent Magnet)、順突極型、同期リラクタンス型、スイッチトリラクタンス型、および誘導型のいずれかのタイプのベアリングレスモータであってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、ターボ圧縮機について有用である。
2 冷媒回路
3 ターボ圧縮機
10 ケーシング
12 インペラ室(内部空間)
14 電動機室 (内部空間)
20 インペラ
30 シャフト
60 第1ベアリングレスモータ
66 第1駆動用電力線(電力線)
67 第1浮上用電力線(電力線)
70 第2ベアリングレスモータ
76 第2駆動用電力線(電力線)
77 第2浮上用電力線(電力線)
90 気密端子
91 端子本体
92 台座部
93 封止部

Claims (5)

  1. 冷凍サイクル中に大気圧よりも低い圧力になり得る冷媒が充填される冷媒回路(2)に設けられるターボ圧縮機であって、
    上記冷媒を圧縮するためのインペラ(20)と、
    上記インペラ(20)が固定されるシャフト(30)と、
    上記シャフト(30)を回転駆動し且つ磁気浮上させるベアリングレスモータ(60,70)と、
    上記冷媒回路(2)に連通する内部空間(12,14)を形成し、該内部空間(12,14)に上記インペラ(20)と上記シャフト(30)と上記ベアリングレスモータ(60,70)とを収容するケーシング(10)と、
    上記ケーシング(10)に取り付けられ、一端が上記ケーシング(10)の内部空間(12,14)に位置して他端が上記ケーシング(10)の外部に露出する端子本体(91)を有する気密端子(90)とを備え、
    上記ケーシング(10)の内部空間に位置する上記端子本体(91)の一端に、上記ベアリングレスモータ(60,70)の電力線(66,67,76,77)が接続される
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒は、R1233zdからなる単一成分冷媒、R1224ydからなる単一成分冷媒、R1336mzzからなる単一成分冷媒、又はR1233zdとR1224ydとR1336mzzの少なくとも一つを含む複数の成分で構成された混合冷媒である
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記ベアリングレスモータ(60,70)の上記電力線は、
    上記シャフト(30)を磁気浮上させるための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の浮上用電力線(67,77)と、
    上記シャフト(30)を回転駆動するための電力を上記ベアリングレスモータ(60,70)に供給する三本の駆動用電力線(66,76)とを含む
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    上記気密端子(90)は、上記ケーシング(10)に固定される台座部(92)と、上記台座部(92)と上記端子本体(91)を電気的に絶縁し且つ上記台座部(92)と上記端子本体(91)の隙間を封止するガラス製の封止部(93)とを有する
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    上記シャフト(30)に作用するラジアル方向の荷重を上記ベアリングレスモータ(60,70)だけによって支持するように構成される
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
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