JP2021050150A - シート化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用後の肌に適度なハリ感を付与することができるシート化粧料を提供する。【解決手段】本発明のシート化粧料は、シート基材と、前記シート基材に含浸された化粧料組成物とを含み、前記化粧料組成物は、成分(A):オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシド、成分(B):数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコール、成分(C):水酸化レシチン、及び成分(D):水を含有し、前記化粧料組成物100質量%に対する、前記成分(A)の含有割合が0.3〜5.0質量%、前記成分(B)の含有割合が0.2〜3.0質量%、前記成分(C)の含有割合が0.03〜0.5質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、シート化粧料に関する。
皮膚などに潤い及び保湿感を与える化粧料として、シート化粧料が知られている。シート化粧料は、織布又は不織布などからなるシート基材に化粧料組成物を含浸させたシート形状の化粧料である(特許文献1及び2参照)。
特に、顔用のシート化粧料(所謂フェイスマスク、シートマスク等)は、例えば、顔の形に適合するよう成型されたシート基材に、保湿、肌荒れ改善、及び美白等の機能を有する化粧水、乳液、又は美容液等の化粧料組成物を含浸させたものである。
特開2014−43428号公報 特開2011−105665号公報
近年、従来のシート化粧料よりも、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができるシート化粧料が求められている。
従って、本発明の目的は、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができるシート化粧料を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シート基材と、上記シート基材に含浸された化粧料組成物とを含み、上記化粧料組成物は、成分(A):オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシド、成分(B):数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコール、成分(C):水酸化レシチン、及び成分(D):水を含有し、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の含有割合がそれぞれ特定範囲内であるシート化粧料によれば、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、シート基材と、上記シート基材に含浸された化粧料組成物とを含み、
上記化粧料組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、上記化粧料組成物100質量%に対する、上記成分(A)の含有割合が0.3〜5.0質量%、上記成分(B)の含有割合が0.2〜3.0質量%、上記成分(C)の含有割合が0.03〜0.5質量%である、シート化粧料を提供する。
成分(A):オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシド
成分(B):数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコール
成分(C):水酸化レシチン
成分(D):水
上記化粧料組成物は、さらに、下記成分(E)を含有し、上記化粧料組成物100質量%に対する上記成分(E)の含有割合が0.05〜3.0質量%であることが好ましい。
成分(E):カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
上記シート基材の目付は10〜45g/m2であることが好ましい。
上記シート基材100質量部に対する上記化粧料組成物の含浸量は1200〜2000質量部であることが好ましい。
本発明のシート化粧料によれば、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。なお、本明細書において、「ハリ感」とは、肌の柔軟性は保たれたまま肌がのばされるような感触(肌がピンと張るような感触)をいうものとする。
本発明のシート化粧料は、シート基材と、上記シート基材に含浸された化粧料組成物とを含む。なお、本明細書において、本発明のシート化粧料を構成する上記化粧料組成物を「本発明の化粧料組成物」と称する場合がある。本発明のシート化粧料は、上記シート基材及び上記シート基材に含浸された上記化粧料組成物以外の構成成分を含んでいてもよい。
<化粧料組成物>
本発明の化粧料組成物は、オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシド、数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコール、水酸化レシチン、及び水を少なくとも含む。なお、本明細書において、オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシドを「成分(A)」、数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコールを「成分(B)」、水酸化レシチンを「成分(C)」、水を「成分(D)」とそれぞれ称する場合がある。
本発明の化粧料組成物は、さらに、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有することが好ましい。なお、本明細書において、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを「成分(E)」と称する場合がある。
すなわち、本発明の化粧料組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)を少なくとも含む。本発明の化粧料組成物は、さらに成分(E)を含むことが好ましい。本発明の化粧料組成物は、上記成分(A)〜(E)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の化粧料組成物に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
[成分(A)]
成分(A)は、オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシドである。成分(A)を含むことにより、本発明のシート化粧料の使用後の肌に適度なハリ感と、優れた保湿感を付与することができる。また、ポリオキシエチレンメチルグルコシドを用いた場合に比べて、ハリ感がより適度となり、さらに、使用後の肌にしっとり感を付与することができる。成分(A)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(A)におけるオキシプロピレンの重合度は、5〜30であり、好ましくは5〜20、より好ましくは8〜15である。上記重合度が5以上であることにより、成分(A)により使用後の肌に適度に皮膜が形成され、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。上記重合度が30を超えると、使用後の肌につっぱり感が感じられる。
本発明の化粧料組成物中の成分(A)の含有割合は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.3〜5.0質量%であり、好ましくは0.5〜3.0質量%、より好ましくは0.7〜2.0質量%である。上記含有割合が0.3質量%以上であることにより、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。上記含有割合が5.0質量%を超えると、使用後の肌につっぱり感が感じられる。また、使用後の肌上に残存した化粧料組成物を肌になじませる際の肌になじむ感覚が劣る。上記成分(A)の含有割合は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(A)の含有割合の合計である。
[成分(B)]
成分(B)は、数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコールである。成分(B)を含むことにより、本発明のシート化粧料の使用後の肌に適度なハリ感と、優れた保湿感を付与することができる。成分(B)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(B)の数平均分子量は、200〜3000であり、好ましくは250〜2000である。上記数平均分子量が上記範囲内であることにより、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。
本発明の化粧料組成物中の成分(B)の含有割合は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.2〜3.0質量%であり、好ましくは0.5〜1.5質量%である。上記含有割合が0.2質量%以上であることにより、肌上に適度に皮膜が形成された感触を与え、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。上記含有割合が3.0質量%を超えると、使用後の肌につっぱり感が感じられる。また、使用後の肌上に残存した化粧料組成物を肌になじませる際の肌になじむ感覚が劣る。上記成分(B)の含有割合は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(B)の含有割合の合計である。
[成分(C)]
成分(C)は、水酸化レシチンである。成分(C)を含むことにより、本発明のシート化粧料の使用後の肌に適度なハリ感と、優れた保湿感を付与することができる。また、レシチンを用いる場合に比べて、化粧料組成物の保存時の変色を抑制し、安定性に優れ、また塗布後の肌のべたつきを抑制し、取り扱い性にも優れる。成分(C)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
水酸化レシチンは、レシチンの水酸化物である。なお、上記レシチンは、リン脂質の一種であり、例えば、大豆リン脂質、卵黄レシチンなどが挙げられる。成分(C)の市販品としては、例えば、「レシノール SH50」、「レシノール WS50」(以上、日本サーファクタント工業株式会社製)などが挙げられる。
本発明の化粧料組成物中の成分(C)の含有割合は、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、0.03〜0.5質量%であり、好ましくは0.08〜0.3質量%である。上記含有割合が0.03質量%以上であることにより、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。なお、上記含有割合が0.5質量%を超えてもハリ感はあまり向上せず、効果が頭打ちとなる。上記成分(C)の含有割合は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(C)の含有割合の合計である。
[成分(D)]
成分(D)は水であり、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の化粧料組成物中の成分(D)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、60.0〜92.0質量%が好ましい。
[成分(E)]
成分(E)は、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。すなわち、成分(E)は、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのうちの、いずれか一方又は両方である。成分(E)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
成分(E)を含むと、使用後の肌に皮膜が形成された感触を付与し、ハリ感がよりいっそう適度となる。また、本発明のシート化粧料の使用時にシート基材から化粧料組成物が垂れ落ちるのを抑制することができる。
カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸の重合体であるものをいい、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸とメタクリル酸アルキル(例えば炭素数が10〜30(C10〜C30))の共重合体であるものをいう。上記カルボキシビニルポリマーとしては、特に限定されないが、INCI名で「CARBOMER(カルボマー)」と表記される化合物が挙げられる。上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、特に限定されないが、INCI名「ACRYLATES/C10−30 ALKYL ACRYLATE CROSSPOLYMER((アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー)」と表記される化合物が挙げられる。
上記カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名「Carbopol 934 Polymer」、商品名「Carbopol 940 Polymer」、商品名「Carbopol 941 Polymer」、商品名「Carbopol 980 Polymer」、商品名「Carbopol 981 Polymer」、商品名「Carbopol 1342 Polymer」、商品名「Carbopol 2984 Polymer」、商品名「Carbopol Ultrez 10 Polymer」、商品名「Carbopol ETD 2050 Polymer」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、商品名「AQUPEC HV−501」、商品名「AQUPEC HV−504」、商品名「AQUPEC HV−505」(以上、住友精化株式会社製)、商品名「ハイビスワコー104」、商品名「ハイビスワコー105」(以上、富士フイルム和光純薬株式会社製)などが挙げられる。
上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名「PEMULEN TR−1」、商品名「PEMULEN TR−2」、商品名「Carbopol ETD 2020 Polymer」、商品名「Carbopol ULTREZ 20 Polymer」、商品名「Carbopol ULTREZ 21 Polymer」、商品名「Carbopol SC−200 Polymer」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)などが挙げられる。
成分(E)は、特に限定されないが、塩基性物質で中和されているか、又は塩基性物質で中和して用いられてもよい。上記塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミンやモノエタノールアミン等のアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、アルギニン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。また、上記塩基性物質の添加量は、充分に中和された成分(E)となる量であるか又は成分(E)を中和するのに充分な量であり、成分(E)及び上記塩基性物質の種類や成分(E)の使用量に応じて適宜配合すればよい。
本発明の化粧料組成物中の成分(E)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対し、0.05〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2.0質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。上記含有割合が0.05質量%以上であると、使用後の肌のハリ感がよりいっそう適度となる。また、本発明のシート化粧料の使用時にシート基材から化粧料組成物が垂れ落ちるのをより抑制することができる。上記含有割合が3.0質量%以下であると、使用後の肌におけるつっぱり感が抑制される。上記成分(E)の含有割合は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分(E)の含有割合の合計である。
[その他の成分]
本発明の化粧料組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上記成分(A)〜(E)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されず、例えば、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分などが挙げられる。具体的には、例えば、エタノール等の低級アルコール;油脂、成分(A)及び成分(B)以外の多価アルコール、高級アルコール、エステル油、植物油、炭化水素油等の油性成分;界面活性剤;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、多糖増粘剤等の成分(E)以外の増粘剤;保湿剤;殺菌剤;パール化剤;スクラブ剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;メントール等の清涼剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤(キレート剤);成分(B)及び成分(E)以外の皮膜形成性高分子化合物;粉体;色素;顔料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;酸;アルカリ、繊維状セルロースなどが挙げられる。
本発明の化粧料組成物は、上述のように、さらに、成分(A)及び成分(B)以外の多価アルコール(「その他の多価アルコール」と称する場合がある)を含んでいてもよい。本発明の化粧料組成物は、さらに上記その他の多価アルコールを含む場合、使用後の肌によりいっそう高い保湿感を付与することができる。上記その他の多価アルコールは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記その他の多価アルコールとしては、化粧品原料の保湿剤として用いられている公知乃至慣用の多価アルコールを使用することができる。上記その他の多価アルコールの具体例としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、成分(B)以外のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ガラクチトール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、糖アルコールなどが挙げられる。
上記その他の多価アルコールとしては、使用後の肌のべたつきが少ない観点から、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及びプロピレングリコールからなる群より選択される1以上の多価アルコール(「多価アルコール(I)」と称する場合がある)が好ましい。また、上記その他の多価アルコールとしては、使用後の肌の保湿感がよりいっそう優れる観点から、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンからなる群より選択される1以上の多価アルコール(「多価アルコール(II)」と称する場合がある)が好ましい。
本発明の化粧料組成物中の上記その他の多価アルコールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、3.0〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは4.0〜15.0質量%である。上記含有割合が3.0質量%以上であると、使用後の肌によりいっそう高い保湿感を付与することができる。上記含有割合が20.0質量%以下であると、使用後の肌のべたつきをより抑制することができる。
本発明の化粧料組成物中の上記多価アルコール(I)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の化粧料組成物100質量%に対して、3.0〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは4.0〜10.0質量%である。上記含有割合が3.0質量%以上であると、使用後の肌によりいっそう高い保湿感を付与することができる。上記含有割合が15.0質量%以下であると、使用後の肌のべたつきをより抑制することができる。
<シート基材>
本発明のシート化粧料におけるシート基材は、本発明の化粧料組成物を含浸可能なシート状の支持体である。
上記シート基材としては、特に限定されないが、例えば、紙、織布、不織布などが挙げられる。上記シート基材は、積層体(すなわち、積層シート)であってもよく、例えば、織布の積層体、不織布の積層体、織布と不織布の積層体などであってもよい。上記シート基材は、使用感、加工のし易さ等の観点から、不織布を含むシート基材であることが好ましく、より好ましくは不織布である。上記不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布などが挙げられる。
上記織布や不織布を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維などが挙げられる。上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、カポックなどが挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)などが挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、アセテートなどが挙げられる。上記繊維は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。また、二種以上の上記繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。
上記シート基材は、エンボス加工処理が施されていてもよい。上記エンボス加工処理としては、特に限定されないが、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式などが挙げられる。
上記シート基材の目付は、特に限定されないが、10〜45g/m2が好ましく、より好ましくは20〜40g/m2である。上記目付が10g/m2以上であると、化粧料組成物を充分に含浸させることができる。上記目付が45g/m2以下であると、使用時の肌への密着感が特に優れる。また、シート化粧料の透明性が高くなる。さらに、目付が小さいとシート基材が薄くなり、化粧料組成物の含浸量が少なくなるため、通常はシート化粧料の効果が得にくくなるが、本発明のシート化粧料においては適度な含浸量となり、適度なハリ感を充分に付与することができる。
上記シート基材は、織布や不織布等の種類に応じて、公知乃至慣用の製造方法により製造することができる。また、上記シート基材は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「RH」、商品名「AS」(以上、ダイワボウポリテック株式会社製)、商品名「TCF」(フタムラ化学株式会社製)、商品名「コットエース」(ユニチカ株式会社製)、商品名「クラフレックス」(株式会社クラレ製)、商品名「ベンリーゼ」(旭化成株式会社製)、商品名「サンモア」(三昭紙業株式会社製)などが挙げられる。
<シート化粧料>
本発明のシート化粧料における、含浸された本発明の化粧料組成物の質量割合(含浸量)は、特に限定されないが、シートの濡れ性及び密着性の観点から、上記シート基材100質量部に対して、1200〜2000質量部が好ましく、より好ましくは1400〜1800質量部である。
本発明のシート化粧料の形状はシート状である。これにより、使用時の簡便性に優れ、携帯性にも優れる。シートの平面形状は、特に限定されないが、例えば、顔型;四角形(例えば、正方形、長方形など)、三角形等の多角形;円形、楕円形、半円形;三日月形;樽形;鼓形、キャラクターの形状などが挙げられる。本発明のシート化粧料には、切れ込み部、くり抜き部、凹凸部などの成型が施されていてもよい。特に、本発明のシート化粧料が顔用のシート化粧料である場合、上記シート化粧料は、目、鼻、口に相当する部位に切れ込み又はくり抜き部が設けられた略円形又は略楕円形であってもよい。本発明のシート化粧料のシートの片面の表面積は、特に限定されないが、使用性、携帯性、及び包装性に優れることから、100〜3000cm2が好ましく、より好ましくは150〜1000cm2である。
本発明のシート化粧料は、上記シート基材に本発明の化粧料組成物を含浸させることにより製造することができる。上記シート基材に本発明の化粧料組成物を含浸させる方法は、特に限定されず、例えば、折りたたんだ状態及び/又は重ね合わせた状態の上記シート基材に本発明の化粧料組成物を注入し含浸させる方法、上記シート基材に本発明の化粧料組成物をスプレーする方法、印刷法を用いて上記シート基材に本発明の化粧料組成物を含浸させる方法、本発明の化粧料組成物中に上記シート基材を浸す方法などが挙げられる。
本発明の化粧料組成物は、従来の化粧料組成物と比較して含浸性に優れるものである。このため、上述したいずれの方法によっても、本発明の化粧料組成物を上記シート基材に効率的に含浸させることができる。また、本発明の化粧料組成物は、複数枚のシート基材に一度に効率よく含浸させることができ、例えば、複数枚のシート基材と化粧料組成物とを接触させるだけで、特に圧力付加などの操作を必要とすることなく、効率的にシート基材に含浸させることができる。
なお、本発明の化粧料組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、化粧料組成物に配合する各成分を混合し、ホモミキサー、パドルミキサーなどで攪拌して製造することができる。
<シート化粧料製品>
本発明のシート化粧料は、外出時の携帯性、使用時の取り扱い性などの観点から、容器(包装容器)に収納して、シート化粧料製品とすることが好ましい。本発明のシート化粧料製品は、容器と、上記容器内に収容された本発明のシート化粧料とを少なくとも含む。本発明のシート化粧料は、防腐性、含浸量の均一性の観点などから、1枚ごとに個別包装されていることが好ましいが、生産コスト、生産効率などの観点からは、複数枚の本発明のシート化粧料が同一容器内に収納されていてもよい。
1つの容器内に収納される本発明のシート化粧料の枚数は、特に限定されないが、2枚以上が好ましく、より好ましくは5枚以上、より好ましくは10枚以上、さらに好ましくは20枚以上である。当該構成によると、持ち運び時に場所を取らず携帯性に優れ、何度も取り出して使用できるという利点を有する。携帯性に優れることから、1つの容器内に収容されるシート化粧料の枚数の上限は、50枚以下であることが好ましい。
本発明のシート化粧料製品において、シート化粧料は、二つ折り、三つ折り、四つ折りなどに折り畳んで包装容器に収納されていることが好ましい。
上記容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器などが挙げられる。上記容器は、本発明の化粧料組成物の揮発を抑制できるものが好ましい。上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの樹脂;アルミニウムなどの金属などが挙げられる。上記容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有することから、金属(特に、アルミニウム)層と樹脂層とが積層(例えば、ラミネート又は蒸着)された材質の包装容器(特に、包装袋)が好ましい。
本発明のシート化粧料及びシート化粧料製品の用途は、特に限定されないが、皮膚化粧料が好ましく、より具体的には、例えば、スキンケア化粧料である。上記スキンケア化粧料としては、例えば、保湿化粧料、美白化粧料、アクネケア用化粧料、アンチエージング化粧料(しわ抑制、たるみ抑制などを目的とする化粧料)などが挙げられる。本発明のシート化粧料及びシート化粧料製品は、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨などいずれであってもよい。
本発明のシート化粧料を適用する部位としては、特に限定されないが、例えば、顔(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中などが挙げられる。中でも、本発明のシート化粧料は、塗布後の肌に保湿感及び適度なハリ感を付与することができる観点から、顔用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)であることが好ましい。本発明のシート化粧料は、特に顔全体を覆う顔用のシート化粧料として好ましく用いることができる。
本発明のシート化粧料の使用方法としては、例えば、皮膚表面の所望の部位に貼り付ける方法、皮膚の所望の部位を拭くことによりシート基材に含浸した本発明の化粧料組成物を皮膚に塗布する方法などが挙げられる。中でも、本発明のシート化粧料は、塗布後の肌に保湿感及び適度なハリ感を付与することができる観点から、皮膚表面の所望の部位に貼り付ける方法が好ましい。すなわち、本発明のシート化粧料は、貼り付ける方法で用いられる、貼り付け用のシート化粧料(所謂、パック化粧料)であることが好ましく、より好ましくは顔面(特に顔全体)への貼り付け用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)である。上記顔面への貼り付け用のシート化粧料は、顔面上にシート化粧料を密着するように貼り付けて用いられる。本発明のシート化粧料を顔面上に貼り付ける時間は、皮膚の乾燥状態に応じて、例えば、5〜20分が好ましい。そして、本発明のシート化粧料の使用後は、シート化粧料を剥がし、手でなじませることで、適度に皮膜が形成された感覚が得られ、肌に保湿感及び適度なハリ感が得られる。本発明のシート化粧料の使用後は、洗い流しを行っても行わなくてもよいが、保湿感及び適度なハリ感を維持する観点から、洗い流しを行わない方が好ましい。
本発明のシート化粧料は、化粧料組成物がシート基材に含浸されており、上記化粧料組成物は、水[成分(D)]を媒体とする組成物において、特定のポリオキシプロピレンメチルグルコシド[成分(A)]、特定のポリエチレングリコール[成分(B)]、及び水酸化レシチン[成分(C)]をそれぞれ特定割合で組み合わせて用いることで、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。成分(A)及び成分(B)を配合せず成分(C)を多量に配合しても適度なハリ感を得ることはできない。成分(C)に加えて成分(B)を配合しても、ハリ感は向上するものの、成分(B)は肌に浸透しやすいため適度なハリ感を得ることができない。なお、成分(B)を多量に配合した場合はつっぱり感が生じる。これに対し、成分(C)及び成分(B)に加えて成分(A)を配合し、成分(A)〜(C)をそれぞれ特定割合で配合することにより、使用後の肌に適度なハリ感を付与することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。また、水酸化カリウムは、化粧料組成物のpHが6.7となるように添加した。
実施例1〜4、比較例1〜5
表1に記した組成に従い、実施例及び比較例の各化粧料組成物を常法により調製した。次に、シート基材(スパンレース不織布、略楕円状、目付:35g/m2、面積:約300cm2)1枚を四つ折りにした後、上記シート基材1枚を包装袋(長さ約10cm×幅約15cm)に入れた。上記包装袋中に、各化粧料組成物を注入することより、各化粧料組成物を包装袋内のシート基材に含浸させて、実施例及び比較例の各シート化粧料を作製した。なお、上記各実施例及び比較例では、シート基材100質量部に対して、各化粧料組成物を約1600質量部含浸させた。
表に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
<成分(A)>
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド:商品名「マクビオブライド MG−10P」(日油株式会社製)、ポリオキシプロピレンの重合度:10
<成分(B)>
ポリエチレングリコール:商品名「PEG#1500」(日油株式会社製)、数平均分子量:1500
<成分(C)>
レシノール:商品名「レシノール SH50」(日本サーファクタント工業株式会社製)、水酸化大豆リン脂質50質量%、濃グリセリン50質量%
<成分(E)>
アルキル変性カルボキシビニルポリマー:商品名「PEMLEN TR−1」(Lubrizol Advanced Materials社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
<その他の成分>
ポリオキシエチレンメチルグルコシド:商品名「マクビオブライド MG−20E」(日油株式会社製)、ポリオキシエチレンの重合度:20
糖アルコール:商品名「トルナーレ」(株式会社林原製)、グリコシルトレハロース及び加水分解水添デンプン含有
(評価)
実施例及び比較例で得られた各シート化粧料について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
[試験例:なじみ、ハリ感、保湿感]
各実施例及び各比較例で得られた各シート化粧料を、手の甲に貼付した。次いで、各シート化粧料を3分間手の甲に貼付した後、各シート化粧料を剥離し、手の甲に付着している化粧料組成物を手でなじませた。その際のなじみ感について、下記基準で「なじみ」を判定した。化粧料組成物をなじませた直後に、下記基準で「ハリ感」を判定した。また、化粧料組成物をなじませた直後及び10分後に、下記基準で「保湿感」を判定した。なお、下記評価は、3人の専門評価員が実施した。
[なじみの評価基準]
◎(優れる):なじみが速い
○(良好):◎よりなじみが遅いが、実用上許容できる
×(不良):なじみが遅く、実用上許容できない
[ハリ感の評価基準]
◎(優れる):ハリ感が充分に感じられる
○(良好):◎よりハリ感が弱いが、実用上許容できる
△(不充分):ハリ感が少しだけ感じられるが、実用上不充分
×1(不良):ハリ感が感じられない
×2(不良):ハリ感が強すぎて不快
[保湿感の評価基準]
◎(優れる):しっとりとした保湿感が充分に感じられる
○(良好):しっとりとした保湿感が少し感じられる
×(不良):保湿感が感じられない
Figure 2021050150
本発明のシート化粧料(実施例)を用いた場合、シート化粧料を剥がした後の肌上の化粧料組成物を塗り広げた際のなじみが良好であり、なじませた後の肌に適度なハリ感及び優れた保湿感が感じられた。一方、成分(A)を配合しなかった場合(比較例1)、成分(B)を配合しなかった場合(比較例2)、成分(C)を配合しなかった場合(比較例3)のいずれにおいても、ハリ感が感じられないと評価された。また、成分(A)であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドの代わりにポリオキシエチレンメチルグルコシドを用いた場合(比較例4)、ハリ感が実用上不充分と評価された。また、成分(A)の配合量が過剰である場合(比較例5)、なじみが遅く、またハリ感が強すぎると評価された。
さらに、以下に、本発明のシート化粧料の処方例を示す。
[処方例1:シートマスク]
<化粧料組成物>
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(重合度:10) 1.2質量%
ポリエチレングリコール1500 0.6質量%
水酸化レシチン 0.1質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4質量%
ジプロピレングリコール 7.0質量%
濃グリセリン 0.1質量%
キサンタンガム 0.03質量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
加水分解ヒアルロン酸 0.001質量%
植物エキス 0.8質量%
オクトキシグリセリン 0.2質量%
水酸化カリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
<シート基材>
不織布(合成繊維50質量%、リヨセル50質量%) 100.0質量%
シート基材100質量部に対して、化粧料組成物を1600質量部含浸させた。
[処方例2:シートマスク]
<化粧料組成物>
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(重合度:10) 1.2質量%
ポリエチレングリコール1000 0.8質量%
水酸化レシチン 0.2質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4質量%
ジプロピレングリコール 4.0質量%
濃グリセリン 0.2質量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.05質量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
加水分解ヒアルロン酸 0.001質量%
植物エキス 0.8質量%
オクトキシグリセリン 0.2質量%
水酸化カリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
<シート基材>
不織布(合成繊維50質量%、リヨセル50質量%) 100.0質量%
シート基材100質量部に対して、化粧料組成物を1600質量部含浸させた。

Claims (4)

  1. シート基材と、前記シート基材に含浸された化粧料組成物とを含み、
    前記化粧料組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、前記化粧料組成物100質量%に対する、前記成分(A)の含有割合が0.3〜5.0質量%、前記成分(B)の含有割合が0.2〜3.0質量%、前記成分(C)の含有割合が0.03〜0.5質量%である、シート化粧料。
    成分(A):オキシプロピレンの重合度が5〜30のポリオキシプロピレンメチルグルコシド
    成分(B):数平均分子量が200〜3000のポリエチレングリコール
    成分(C):水酸化レシチン
    成分(D):水
  2. 前記化粧料組成物が、さらに、下記成分(E)を含有し、前記化粧料組成物100質量%に対する前記成分(E)の含有割合が0.05〜3.0質量%である請求項1に記載のシート化粧料。
    成分(E):カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
  3. 前記シート基材の目付が10〜45g/m2である、請求項1又は2に記載のシート化粧料。
  4. 前記シート基材100質量部に対する前記化粧料組成物の含浸量が1200〜2000質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート化粧料。
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