JP2021048537A - 圧電ウエハ、圧電振動片及び圧電振動子 - Google Patents

圧電ウエハ、圧電振動片及び圧電振動子 Download PDF

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孝史 皿田
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幸治 大町
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Abstract

【課題】圧電板の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性を有する圧電振動片を得ること。【解決手段】結晶軸であるX軸に沿って延びる一対の側面36、37と、X軸の+側を向いた基端面34と、X軸の−側を向いた先端面35とを有する圧電板30と、圧電板よりもX軸の+側に配置された支持フレーム110と、圧電板と支持フレームとをX軸に沿って連結する支持片120、130とを備え、支持片は、圧電板の側面に対して連設される外側面121、131と、圧電板の基端面に対して連設される内側面122、132とを備え、外側面は、側面からX軸の+側に向けて側面に沿って連続的に延びる第1外側面71、81と、第1外側面からX軸の+側に向けてさらに延びて支持フレームに繋がると共に、第1外側面に対して圧電板の面内方向に第1角度で傾斜した第2外側面123、133と、を備えている圧電ウエハ22を提供する。【選択図】図23

Description

本発明は、圧電ウエハ、圧電振動片及び圧電振動子に関する。
厚み滑り振動を主振動とする圧電振動片として、水晶をATカットすることで形成された圧電振動片(いわゆるATカット振動片)が知られている。ATカット振動片は、小型化、高周波数化に適し、且つ他の振動モードで振動する圧電振動片に比べて周波数温度特性が優れている特性を有しているため、各種の電子機器、電子デバイス等に好適に利用される。特に、ATカット振動片は周波数温度特性が3次曲線となるので、広範囲で安定した周波数を得ることが可能とされ、携帯電話等に好適とされている。
この種のATカット振動片は、一般的に以下の工程を経て製造される。
ATカット水晶基板から形成された圧電ウエハに対してウェットエッチング加工を行い、圧電ウエハを選択的に除去する。これにより、所望の外形形状とされた圧電板を複数形成することができると共に、複数の圧電板のそれぞれが支持片を介して共通の支持フレームに片持ち支持されるように形成することができる。
そしてウェットエッチング加工後、圧電ウエハの両面に電極膜をパターニングする。これにより、複数の圧電板のそれぞれに対して、励振電極、マウント電極及び接続電極を含む電極膜を形成することができる。これにより、圧電板の両面に電極膜が形成されたATカット振動片とすることができる。
そして最後に、支持片を切断することで、複数のATカット振動片を支持フレームからそれぞれ切り離して個片化する。これにより、複数のATカット振動片を得ることができる。
上述の製造過程において、ATカット振動片を支持フレームから切り離して個片化する際、支持片を切断し易くするために、支持片に溝部を形成することが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2007−142526号公報 特開2010−178320号公報
ところで、圧電ウエハには水晶の結晶軸方向に応じてエッチング速度が異なる、いわゆるエッチング異方性(結晶異方性)が現れることが知られている。
ATカットとは、電気軸であるX軸、機械軸であるY軸、及び光学軸であるZ軸の3つの結晶軸のうち、Z軸に対してX軸回りに35度15分、傾いたZ’軸方向に人工水晶を切り出す加工方法とされている。そのため、ATカットによって切り出されたATカット水晶基板から形成される圧電ウエハの場合には、X軸、Z’軸及びY’軸(X軸及びZ’軸に対して互いに直交する軸)方向に応じてエッチング異方性が現れる。具体的には、エッチング速度がZ’軸、X軸、Y’軸の順に速くなるようなエッチング異方性が現れる。
一般的に圧電ウエハからATカット振動片を作製する場合には、X軸とZ’軸とで画成される面内に沿って圧電板の主面が形成され、且つY’軸に圧電板の厚さ方向が一致するように形成される場合が多い。このとき、圧電板のうち支持片によって片持ち支持される基端部がX軸の+側に位置し、且つ自由端部である先端部がX軸の−側に位置するように形成される場合が多い。この場合、圧電板はX軸方向に沿って延びると共に、Z’軸に互い向かい合う一対の側面を有するように外形形成される。
ところが、圧電ウエハのウェットエッチング加工時、上述のようにエッチング速度がY’軸よりもZ’軸の方が速いので、圧電板の側面にはエッチングの入り込みによるサイドエッチング(いわゆる浸食部)が発生し易い。特に、支持片に形成した溝部が圧電板の側面側に開口している場合には、溝部の開口部分をきっかけとしてエッチングが入り込み、圧電板の側面にまでサイドエッチングが進行し易い。
そこで特許文献1に記載の従来の方法では、支持片の内側面側に溝部を形成している。例えば、支持片をY’軸に貫通し、且つ支持片の内側面からZ’軸に沿って外側面に達しない長さで、細長い平面視四角形状の溝部を形成している。
このように、支持片の内側面側に溝部を形成することで、支持片の外側面を圧電板の側面に対して連続的に繋がった状態としている。そのため、エッチングの入り込みのきっかけとなる部分をなくすことができるので、サイドエッチングの発生を抑制することが可能とされている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、支持片の内側面からZ’軸に沿って細長い溝部を形成する必要がある。ところが、このような溝部の場合には、エッチング速度の違いやエッチング液の流れの関係等の影響を受け易く、該溝部内にエッチング残りが発生し易かった。そのため、支持片を切断して圧電振動片を個片化する際に、エッチング残りによって意図しない位置で切断がされてしまうおそれがあった。その結果、切断位置にばらつきが生じ易いうえ、例えば圧電板側が抉れるような不都合が生じる可能性があった。
特許文献2に記載の従来の方法では、エッチングの入り込みが生じ易い位置を考慮して、支持片に溝部を形成している。具体的には、Y’軸に凹む有底の溝部を、Y’軸の+側で且つZ’軸の+側となる位置に形成すると共に、Y’軸の−側で且つZ’軸の−側となる位置に形成している。この場合であっても、サイドエッチングの発生を抑制することが可能とされている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、Y’軸に凹む溝部を支持片に形成するので、支持片の厚みが薄くなり、剛性の低下を招いてしまう。そのため、意図しないタイミングで支持片が破断し、圧電板の脱落等を引き起こしてしまうおそれがあった。
さらに、溝部の位置を考慮しているとはいえ、溝部が圧電板の側面側に開口しているので、溝部がZ’軸に細くなるようなエッチングが発生する場合があり、これをきっかけとして圧電板側にサイドエッチングが進行するおそれがあった。
従って、特許文献1、2に記載の従来の方法では上述した不都合が生じる場合があり、その結果、圧電板の形状不良を招き、振動特性の低下に繋がってしまうものであった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、圧電板の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性を有する圧電振動片を得ることができる圧電ウエハを提供することである。さらに、この圧電ウエハにより製造された圧電振動片及び圧電振動子を提供することである。
(1)本発明に係る圧電ウエハは、水晶の結晶軸であるX軸に沿って延びると共に互いに向かい合う一対の側面と、前記X軸の+側を向いた基端面と、前記X軸の−側を向くと共に前記基端面に対して向かい合う先端面と、を有する圧電板と、前記圧電板よりも前記X軸の+側に配置された支持フレームと、前記圧電板と前記支持フレームとを前記X軸に沿って連結すると共に、前記圧電板を片持ち支持し、且つ切断可能に形成された支持片と、を備え、前記支持片は、前記圧電板の前記側面に対して連設される外側面と、前記外側面に対して向かい合うと共に、前記圧電板の前記基端面に対して連設される内側面と、を備え、前記外側面は、前記側面から前記X軸の+側に向けて、前記側面に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面と、前記第1外側面から前記X軸の+側に向けてさらに延びて前記支持フレームに繋がると共に、前記第1外側面に対して前記圧電板の面内方向に第1角度で傾斜した第2外側面と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る圧電ウエハによれば、支持フレームと圧電板とを連結して該圧電板を片持ち支持する支持片が、圧電板の側面に沿ってX軸の+側に向けて連続的に延びる第1外側面を有している。そのため支持片は、第1外側面を介して圧電板の側面に対して連続的を繋がった状態とされている。従って、圧電ウエハをウェットエッチング加工する際、支持片に、エッチングの入り込みのきっかけとなる部分が生じてしまうことをなくすことができるので、支持片側から圧電板側に向けてサイドエッチングが進行するような不都合を抑制することができる。従って、圧電板を所望の外形形状に形成することができ、形状不良を抑制することができる。従って、圧電板を利用して、安定且つ良好な振動特性する圧電振動片を得ることが可能となる。
さらに、従来のように支持片自体に溝部を形成していないので、溝部をきっかけとしたオーバーエッチングが支持片に発生し難い。そのため、支持片自体の厚みが薄くなることを抑制することができ、剛性が低下することを防止できる。これにより、支持片を利用して圧電板を安定的に片持ち支持することができる。そのため、例えば意図しないタイミングで支持片が破断するような不都合を防止することができ、圧電板の脱落等を招いてしまい難い。
さらに支持片は、第1外側面に対して圧電板の面内方向に第1角度で傾斜した第2外側面を有し、少なくともこれら第1外側面及び第2外側面の2面で外側面が構成されている。そのため、第1外側面と第2外側面との接続部分を切断基点として、支持片を切断することが可能となる。従って、決まった切断位置で支持片を切断することができるうえ、容易且つ安定的に支持片を切断することができる。これにより、支持片の切断によって圧電板の外形形状が左右され難い。従って、この点においても圧電板の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性する圧電振動片を得ることが可能となる。
(2)前記第2外側面は、前記第1角度が鈍角となるように前記第1外側面から前記X軸の+側に向けて延びても良い。
この場合には、第1外側面と第2外側面との間に形成される第1角度が鈍角とされているので、第1外側面と第2外側面との間にエッチング液を適切に入り込ませることができる。そのため、第1外側面と第2外側面との接続部分に、エッチング残りが発生することを効果的に抑制することができる。従って、支持片を切断する際、第1外側面と第2外側面との接続部分を切断起点として確実に利用することができ、より安定した支持片の切断を行うことができる。
(3)前記内側面は、前記基端面から前記X軸の+側に向けて延びるように形成された第1内側面と、前記第1内側面から前記X軸の+側に向けてさらに延びて前記支持フレームに繋がると共に、前記第1内側面に対して前記圧電板の面内方向に第2角度で傾斜した第2内側面と、を備えても良い。
この場合には、支持片を切断する際、第1外側面と第2外側面との接続部分を切断起点として利用できることに加え、第1内側面と第2内側面との接続部分についても切断起点として利用することができる。従って、外側面側の切断起点と内側面側の切断起点とをそれぞれ通過するように支持片を切断することができる。これにより、支持片の切断位置を固定することが可能であり、個片化した圧電板の外形形状にばらつきがさらに生じ難く、高品質な圧電板を得ることができる。
(4)前記第2内側面は、前記第2角度が鈍角となるように前記第1内側面から前記X軸の+側に向けて延びても良い。
この場合には、第1内側面と第2内側面との間に形成される第2角度が鈍角とされているので、第1内側面と第2内側面との間にエッチング液を適切に入り込ませることができる。そのため、第1内側面と第2内側面との接続部分に、エッチング残りが発生することを効果的に抑制することができる。従って、支持片を切断する際、第1内側面と第2内側面との接続部分を切断起点として確実に利用することができ、より安定した支持片の切断を行うことができる。
(5)前記圧電板は、前記結晶軸であるZ軸を前記X軸回りに所定角度回転させたZ’軸と、前記X軸とで形成される面内に沿って配置され、且つ前記結晶軸であるY軸を前記X軸回りに所定角度回転させたZ’軸に互いに向かい合う一対の主面を備えても良い。
この場合には、例えば主振動モードが厚み滑り振動となる圧電板として機能させることができる。これにより、安定且つ良好な厚み滑り振動の振動特性を有する圧電振動片を得ることができる。
(6)本発明に係る圧電振動片は、前記圧電ウエハにおける前記支持フレームから前記支持片の切断によって切り離された前記圧電板と、前記圧電板の外表面に形成され、前記圧電板を振動させる電極膜と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動片によれば、先に述べた圧電ウエハから切り離されて、個片化された圧電板を具備しているので、形状不良が抑制された高品質な圧電板とされている。そのため、安定且つ良好な振動特性を有する圧電振動片とすることができる。
(7)前記圧電板の前記基端面には、前記X軸の+側に向けて突出すると共に、少なくとも前記内側面の一部及び前記第1外側面を有する突起部が形成され、前記突起部には、前記X軸の+側を向くと共に、エッチング加工面とは異なる面とされた切断面が形成されても良い。
この場合には、圧電ウエハにおける支持片を、第1外側面と第2外側面との接続部分を切断起点として切断した際、圧電板側に繋がった支持片の一部を突起部として機能させることができる。そのため、突起部に基づいて、上述した圧電ウエハから個片化された圧電板からなる圧電振動片であるか否かを容易且つ確実に把握することができる。特に、突起部には、支持片の切断による切断面がX軸の+側を向いた状態で形成されるので、この切断面に基づいて、圧電ウエハから個片化された圧電板であるか否かを把握することが可能である。それに加え、切断面はエッチング加工面とは異なる面とされている。従って、切断面の表面状態に基づいて、ウェットエッチング加工等とは異なり、切断によって切断面が形成されたことを容易且つ確実に認識することが可能である。
(8)本発明に係る圧電振動片は、水晶の結晶軸であるX軸に沿って延びると共に互いに向かい合う一対の側面と、前記X軸の+側を向いた基端面と、前記X軸の−側を向くと共に前記基端面に対して向かい合う先端面と、を有する圧電板と、前記基端面から、前記X軸の+側に向けて突出した突起部と、前記圧電板の外表面に形成され、前記圧電板を振動させる電極膜と、を備え、前記突起部は、前記圧電板の前記側面に対して連設されると共に、前記側面から前記X軸の+側に向けて、前記側面に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面と、前記第1外側面に対して向かい合うと共に、前記圧電板の前記基端面に対して連設され、前記基端面から前記X軸の+側に向けて延びるように形成された第1内側面と、前記第1外側面と前記第1内側面とを接続すると共に、前記X軸の+側を向いた切断面と、を備え、前記切断面は、エッチング加工面とは異なる面とされていることを特徴する。
この場合には、突起部に基づいて、先に述べた圧電ウエハから個片化された圧電板からなる圧電振動片であることを容易且つ確実に把握することができる。特に、突起部には、支持片の切断による切断面がX軸の+側を向いた状態で形成されるので、この切断面に基づいて、圧電ウエハから個片化された圧電板であるか否かを把握することが可能である。それに加え、切断面はエッチング加工面とは異なる面とされている。従って、切断面の表面状態に基づいて、ウェットエッチング加工等とは異なり、切断によって切断面が形成されたことを容易且つ確実に認識することが可能である。
(9)本発明に係る圧電振動子は、前記圧電振動片と、実装部材を介して前記圧電振動片が実装され、且つ前記圧電振動片を内部に収容するパッケージと、を備え、前記圧電振動片は、前記電極膜と前記実装部材とが電気的接続された状態で、前記実装部材にマウントされていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動子によれば、上述した圧電振動片を具備しているので、同様に安定且つ良好な振動特性を具備する圧電振動子とすることができる。
本発明によれば、圧電板の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性を有する圧電振動片を得ることができる。
本発明に係る圧電振動子の分解斜視図である。 図1に示す圧電振動片をベース基板に対してマウントした状態を、リッド基板を外した状態で上方から見た圧電振動子の上面図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の縦断面図である。 図1に示す圧電振動片の斜視図である。 図4に示す圧電振動片の上面図である。 図4に示す矢印B方向から見た圧電振動片の側面図である。 図4に示す矢印C方向から見た圧電振動片の側面図である。 図5に示すD−D線に沿った圧電振動子の縦断面図である。 人工水晶とATカット水晶基板との関係を示す図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、圧電ウエハの両面にエッチング保護膜及びフォトレジスト膜を成膜した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図10に示すフォトレジスト膜を利用して外形パターンを形成した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図11に示す外形パターンにより、エッチング保護膜を利用してメサマスクを形成した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図12に示すメサマスクを利用して圧電ウエハをウェットエッチング加工し、第1メサ部及び第2メサ部を形成した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図13に示すエッチング保護膜及びフォトレジスト膜を除去した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図14に示す圧電ウエハの全体を示した平面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図15に示す状態から圧電ウエハをエッチング加工して、一対の支持片を介して支持フレームに片持ち支持された圧電板を複数形成した状態を示す圧電ウエハの平面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図16に示す圧電板の周辺を拡大した平面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図14に示す圧電ウエハの両面にエッチング保護膜及びフォトレジスト膜を成膜した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図18に示すエッチング保護膜を利用して外形マスクを形成した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図19に示す外形マスクを利用して圧電ウエハをウェットエッチング加工し、外形形成した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図20に示すエッチング保護膜及びフォトレジスト膜を除去した状態を示す断面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図16に示す状態から、圧電板に対して電極膜を形成した形成した状態を示す圧電ウエハの平面図である。 図5に示す圧電振動片を製造する際の一工程図であって、図22に示す圧電板の周辺を拡大した平面図である。 本実施形態の変形例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、厚み滑り振動モードで振動する圧電振動片を有する表面実装型の圧電振動子を例に挙げて説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、厚み滑り振動モードで振動する圧電振動片10と、実装部材2を介して圧電振動片10が実装され、且つ圧電振動片10を内部に収容するパッケージ3と、を備えている。
パッケージ3は、圧電振動片10を収容する収容凹部を有する実装基板であるベース基板4と、ベース基板4の収容凹部を閉塞する封口板であるリッド基板5と、を備え、ベース基板4にリッド基板5が積層された状態で接合された箱状に形成されている。リッド基板5によって閉塞された収容凹部内は、圧電振動片10を収容するキャビティ6として機能する。
なお、パッケージ3の詳細な構成については、後に説明する。
本実施形態では、パッケージ3の厚み方向を上下方向L1といい、上下方向L1のうちベース基板4からリッド基板5に向かう方向を上方、その反対を下方という。さらに、パッケージ3の平面視で互いに直交する方向を第1方向L2及び第2方向L3という。
本実施形態のパッケージ3は、第2方向L3に沿った長さよりも第1方向L2に沿った長さの方が長い平面視矩形状に形成されている。ただし、パッケージ3の形状は、この場合に限定されるものではなく、例えば第1方向L2に沿った長さが第2方向L3に沿った長さよりも短い平面視矩形状に形成されていても構わないし、第1方向L2に沿った長さと第2方向L3に沿った長さとが同等とされた平面視正方形状に形成されていても構わない。
(圧電振動片)
図4〜図8に示すように、圧電振動片10は、図9に示すATカット水晶基板20により形成された圧電板30と、圧電板30の外表面に形成され、圧電板30を厚み滑り振動させる電極膜60と、を備えている。なお、各図面では、電極膜60の膜厚を誇張して図示している場合がある。
本実施形態では、圧電板30の中央部を厚く形成したメサ型の圧電振動片10を例に挙げて説明する。ただし、圧電振動片10としてはメサ型構造に限定されるものではなく、厚み滑り振動による振動エネルギーを圧電板30の中央部に効率良く閉じ込めることができれば、その他の構造を適宜採用して構わない。
図9に示すように、ATカット水晶基板20は、ランバード加工によって結晶軸が明確に定義された人工水晶21をATカットすることで得られた基板である。結晶軸は、電気軸であるX軸、機械軸であるY軸、及び光学軸であるZ軸とされている。ATカットとは、これら3つの水晶軸のうち、Z軸に対してX軸回りに35度15分、傾いたZ’軸方向に人工水晶21を切り出す加工方法である。
ATカットによって切り出されたATカット水晶基板20を利用して作製された圧電振動片10は、周波数温度特性が安定していると共に、構造、形状等が単純で加工が容易とされ、CI値が低いという利点を有している。
本実施形態では、圧電振動片10の各構成を説明する際、互いに直交し合うX軸、Y’軸、及びZ’軸からなるXY’Z’座標系を主に利用して説明する。なおY’軸は、X軸及びZ’軸に対して互いに直交する軸である。さらにXY’Z’座標系において、各図面中、矢印方向を+側、矢印とは反対の方向を−側として説明する。
図4〜図8に示すように、圧電板30は、ATカット水晶基板20から形成された圧電ウエハ(図10参照)22をウェットエッチング加工することで外形形成される。この点については、後に詳細に説明する。
圧電板30は、Y’軸が厚さ方向となるように平面視正方形状にされている。具体的には、圧電板30は、外形がZ’軸に沿った長さとX軸に沿った長さとが同等とされた平面視正方形状に形成されている。ただし、圧電板30の外形形状は、この場合に限定されるものではなく、例えばZ’軸に沿った長さの方がX軸に沿った長さの方よりも長い(或いは短い)平面視矩形状に形成されていて構わない。
なお、図1に示すように、圧電振動片10はY’軸が上下方向L1に一致し、X軸が第1方向L2に一致し、且つZ’軸が第2方向L3に一致するようにパッケージ3内に実装される。
図4〜図8に示すように、圧電板30は、該圧電板30の厚さ方向(Y’軸)に対向する一対の主面、すなわち第1主面32及び第2主面33を有する圧電板本体31と、第1主面32及び第2主面33から厚さ方向(Y’軸)にそれぞれ膨出するように形成された第1メサ部40及び第2メサ部50と、を備えている。
第1主面32は、X軸及びZ’軸で画成される面内に形成され、且つY’軸の+側に形成されている。第2主面33は、X軸及びZ’軸で画成される面内に形成され、且つY’軸の−側に形成されている。
さらに圧電板30は、平面視矩形状に形成されているので、圧電板本体31は4つの側面を有している。具体的には、圧電板本体31は、Z’軸(第2方向L3)に沿って延びると共に、X軸(第1方向L2)に互いに対向する基端面34及び先端面35と、X軸(第1方向L2)に沿って延びると共にZ’軸(第2方向L3)に互いに対向する一対の側面36、37と、を備えている。
圧電板30は、先に述べたように圧電ウエハ22をウェットエッチング加工することで外形形成されるが、その際、図16及び図17に示すように、一対の支持片120、130を介して支持フレーム110に片持ち支持された状態となる。
基端面34は、一対の支持片120、130で支持される圧電板30の基端部側に位置する側面であって、X軸の+側を向いている。これに対して先端面35は、一対の支持片120、130で支持される圧電板30の自由端部側に位置する側面であって、X軸の−側を向いている。これにより、基端面34と先端面35とは、X軸に向かい合っている。
なお、一対の側面36、37のうち、Z’軸の+側に位置する側面を一方の側面36といい、Z’軸の−側に位置する側面を他方の側面37という。
第1メサ部40は、第1主面32からY’軸の+側に向けて膨出するように形成されていると共に、外形が平面視正方形に形成されている。
具体的には、第1メサ部40は、圧電板本体31の外形形状に対応して、外形がZ’軸に沿った長さとX軸に沿った長さとが同等とされた平面視正方形に形成されている。第1メサ部40は、圧電板本体31における中央部に配置されている。
第2メサ部50は、第2主面33からY’軸の−側に向けて膨出するように形成されていると共に、外形が平面視正方形状に形成されている。
具体的には、第2メサ部50は、圧電板本体31の外形形状に対応して、外形がZ’軸に沿った長さとX軸に沿った長さとが同等となるように平面視正方形状に形成されている。第2メサ部50は、第1メサ部40と同様に、圧電板本体31における中央部に配置されている。これにより、第1メサ部40及び第2メサ部50は、圧電板30の厚さ方向に互いに向かい合うように形成されている。
上述のように第1メサ部40及び第2メサ部50が形成されているので、第1メサ部40の周囲には第1主面32が第1メサ部40を囲むように枠状に露出していると共に、第2メサ部50の周囲には第2主面33が第2メサ部50を囲むように枠状に露出している。なお、圧電板本体31のうち、第1メサ部40及び第2メサ部50の周囲を囲む部分は、薄肉の外周部として機能する。
第1メサ部40は、平面視正方形の頂面41と、該頂面41に連設され、頂面41の周囲を囲むように配置された4つの側面と、を備えている。
頂面41は、X軸及びZ’軸で画成される面内に形成され、第1主面32に対して平行に配置されている。4つの側面は、頂面41に対してX軸の+側に配置された第1メサ側面42と、頂面41に対してX軸の−側に配置された第2メサ側面43と、頂面41に対してZ’軸の+側に配置された第3メサ側面44と、頂面41に対してZ’軸の−側に配置された第4メサ側面45と、で構成されている。
第1メサ側面42及び第2メサ側面43は、Z’軸(第2方向L3)に沿って延びると共に、X軸(第1方向L2)に互いに対向するように配置されている。第1メサ側面42は、頂面41から第1主面32側に向かう(下方に向かう)にしたがって、圧電板本体31における基端面34に向けて延びる傾斜面とされている。第2メサ側面43は、頂面41から第1主面32側に向かうにしたがって、圧電板本体31における先端面35に向けて延びる傾斜面とされている。
第1メサ側面42及び第2メサ側面43の傾斜角度(第1主面32に対する仰角)は、例えばウェットエッチング加工時におけるエッチング時間、エッチング順番等に応じて変化するが、第1主面32に対してわずかな仰角となるように傾斜している。
なお、第1メサ側面42及び第2メサ側面43は、単一の傾斜面である必要はなく、例えば複数面が多面的に連設した傾斜面とされていても構わないし、湾曲しながら傾斜しても構わない。
第3メサ側面44及び第4メサ側面45は、X軸(第1方向L2)に沿って延びると共に、Y’軸(第2方向L3)に互いに対向するように配置されている。第3メサ側面44は、頂面41及び第1主面32に対してほぼ垂直或いは僅かに傾斜している。図示の例では、第3メサ側面44は僅かに傾斜している。
第4メサ側面45は、頂面41から第1主面32側に向かうにしたがって、圧電板本体31における他方の側面37に向けて延びる傾斜面とされている。なお、第4メサ側面45の傾斜角度は、第1メサ側面42及び第2メサ側面43の傾斜角度よりも大きい角度とされている。なお、第4メサ側面45は、人工水晶21の自然面であるm面をベースとした面とされている(図9参照)。
第2メサ部50は、第1メサ部40と同様に形成されている。
第2メサ部50は、平面視矩形状の頂面51と、該頂面51に連設され、頂面51の周囲を囲むように配置された4つの側面(第1メサ側面52、第2メサ側面53、第3メサ側面54及び第4メサ側面55)と、を備えている。
従って、第2メサ部50における頂面51、第1メサ側面52、第2メサ側面53、第3メサ側面54及び第4メサ側面55については、詳細な説明は省略する。ただし、第2メサ部50においては、第3メサ側面54が頂面51に対してZ’軸の−側に配置され、第4メサ側面55が頂面51に対してZ’軸の+側に配置されている。
上述のように構成された圧電板30には、基端面34からX軸の+側に向けて突出した一対の突起部70、80が形成されている。一対の突起部70、80は、Z’軸(第2方向L3)に間隔をあけて配置され、圧電板30の角部に配置されている。一対の突起部70、80のうち、一方の突起部70はZ’軸の+側に配置され、他方の突起部80はZ’軸の−側に配置されている。
一対の突起部70、80は、基端面34からX軸の+側に向かうにしたがってZ’軸に沿う横幅が漸次狭くなるように、平面視で先細り形状に形成されている。なお、一対の突起部70、80は、圧電板本体31と同等の厚さで形成されている。
一方の突起部80は、圧電板本体31における一方の側面36からX軸の+側に向けて、一方の側面36に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面71と、圧電板本体31における基端面34からX軸の+側に向けて延びるにしたがって、Z軸の+側に向けて延びた第1内側面72と、第1外側面71と第1内側面72とを接続すると共に、X軸の+側を向いた切断面73と、Y軸’の+側に位置する一方の主面74と、Y’軸の−側に位置する他方の主面75と、を備え、平面視で先細り形状に形成されている。
図示の例では、第1内側面72は、第1外側面71よりもX軸の+側に突出している。そのため、切断面73は、Z軸の+側に僅かに傾斜した状態でX軸の+側を向いている。この切断面73は、圧電ウエハ22から圧電板30を切断することで生じる加工面とされている。従って、例えば切断面73の表面は、例えば第1外側面71及び第1内側面72に比べて粗く形成されているうえ、例えばその表面粗さは不均一とされている。このように、切断面73の表面は、ウェットエッチング加工等によって形成されたエッチング加工面とは異なる面とされている。
一方の主面74及び他方の主面75は、Y’軸に互いに向かい合っている。一方の主面74は、圧電板本体31における第1主面32に対して平行且つ連続的に連設され、他方の主面75は、圧電板本体31における第2主面33に対して平行且つ連続的に連設されている。
他方の突起部80は、上述した一方の突起部70に対してX軸を中心として線対称に形成されている。
すなわち、他方の突起部80は、圧電板本体31における他方の側面37からX軸の+側に向けて、他方の側面37に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面81と、圧電板本体31における基端面34からX軸の+側に向けて延びるにしたがって、Z軸の−側に向けて延びた第1内側面82と、第1外側面81と第1内側面82とを接続すると共に、X軸の+側を向いた切断面83と、Y軸’の+側に位置する一方の主面84と、Y’軸の−側に位置する他方の主面85と、を備え、平面視で先細り形状に形成されている。
また、切断面83は、一方の突起部70側と同様に、圧電ウエハ22から圧電板30を切断することで生じる加工面とされ、Z軸の−側に僅かに傾斜した状態でX軸の+側を向いている。
電極膜60は、第1メサ部40側及び第1主面32側に主に形成された第1電極膜61と、第2メサ部50側及び第2主面33側に主に形成された第2電極膜62と、を備えている。なお、電極膜60としては、例えば金等の単層膜で形成しても構わないし、クロム等の下地層上に金等を積層した積層膜等で形成しても構わない。
第1電極膜61は、第1メサ部40の頂面41上に形成された励振電極90と、圧電板本体31の第1主面32上に形成されると共に、第1メサ部40に対してX軸(第1方向L2)に間隔をあけて配置されたマウント電極91と、励振電極90とマウント電極91とを電気的接続する接続電極92と、を備えている。
励振電極90は、第1メサ部40の形状に対応して、外形が平面視正方形状となるように形成されている。
マウント電極91は、第1主面32上において、圧電板本体31の基端面34と他方の側面37との角部に配置されていると共に、第1メサ部40よりもX軸の+側に配置され、Z軸’に沿って延びるように形成されている。また、マウント電極91は他方の突起部80における一方の主面84上にも形成されている。
さらにマウント電極91は、第2主面33上にも形成されている。第1主面32上に形成されたマウント電極91と、第2主面33上に形成されたマウント電極91とは、互いにY’軸に向かい合うように形成されている。これにより、第2主面33上に形成されたマウント電極91は、圧電板本体31の基端面34と他方の側面37との角部に配置されていると共に、第2メサ部50よりもX軸の+側に配置されている。それに加え、第2主面33上に形成されたマウント電極91は、他方の突起部80における他方の主面85上にも形成されている。
第1主面32上側に形成されたマウント電極91と第2主面33上側に形成されたマウント電極91とは、基端面34上及び他方の側面37上に形成された回り込み電極93を介して電気的接続されている。なお、回り込み電極93は、他方の突起部80における第1外側面81上及び第1内側面82上にも形成されている。ただし、回り込み電極93は他方の突起部80における切断面83上には形成されていない。
接続電極92は、励振電極90からX’軸の+側に向けて引き出され、第1メサ部40の第1メサ側面42上を経由して第1主面32上まで引き出された後、マウント電極91に繋がっている。
第2電極膜62は、上述した第1電極膜61と同等の構成とされていると共に、第2主面33側から見た第2メサ部50に対する位置関係が、第1主面32側から見た第1メサ部40に対する第1電極膜61の位置関係と同等となるように形成されている。従って、第2電極膜62については、詳細な説明は省略する。
第2電極膜62について簡単に説明すると、第2電極膜62は、第2メサ部50の頂面51上に形成された励振電極90と、圧電板本体31の第2主面33上に形成されると共に、第2メサ部50に対してX軸(第1方向L2)に間隔をあけて配置されたマウント電極91と、励振電極90とマウント電極91とを電気的接続する接続電極92と、を備えている。
励振電極90は、第2メサ部50の形状に対応して、外形が平面視正方形状となるように形成されている。
マウント電極91は、第2主面33上において、圧電板本体31の基端面34と一方の側面36との角部に配置されていると共に、第2メサ部50よりもX軸の+側に配置され、Z軸’に沿って延びるように形成されている。また、マウント電極91は一方の突起部70における他方の主面75上にも形成されている。
さらにマウント電極91は、第1主面32上にも形成されている。第1主面32上に形成されたマウント電極91と、第2主面33上に形成されたマウント電極91とは、互いにY’軸に向かい合うように形成されている。これにより、第1主面32上に形成されたマウント電極91は、圧電板本体31の基端面34と一方の側面36との角部に配置されていると共に、第1メサ部40よりもX軸の+側に配置されている。それに加え、第1主面32上に形成されたマウント電極91は、一方の突起部70における一方の主面74上にも形成されている。
第2主面33上側に形成されたマウント電極91と第1主面32上側に形成されたマウント電極91とは、基端面34上及び一方の側面36上に形成された回り込み電極93を介して電気的接続されている。なお、回り込み電極93は、一方の突起部70における第1外側面71上及び第1内側面72上にも形成されている。ただし、回り込み電極93は一方の突起部70における切断面73上には形成されていない。
接続電極92は、励振電極90からX’軸の+側に向けて引き出され、第2メサ部50の第1メサ側面52上を経由して第2主面33上まで引き出された後、マウント電極91に繋がっている。
上述のように構成された一対の突起部70、80は、圧電振動片10の製造過程において、圧電ウエハ22と圧電板30とを連結し、該圧電板30を片持ち支持する一対の支持片120、130が切断されることで形成された、支持片120、130の一部である。
そのため、一対の突起部70、80の第1外側面71、81は、一対の支持片120、130としての外側面121、131を構成する一部である。また、一対の突起部70、80の第1内側面72、82は、一対の支持片120、130としての内側面122、132を構成する一部である。そして、突起一対の突起部70、80の切断面73、83は、先に述べたように、一対の支持片120、130を切断することで形成される加工面である。
なお、圧電ウエハ22については、後に詳細に説明する。
(圧電振動子)
上述のように構成された圧電振動片10は、図1〜図3に示すように、実装部材2を介してベース基板4のベース面4a上にマウントされることで、パッケージ3内に収容されている。パッケージ3は、一対の突起部70、80を考慮して、第1方向L2に沿った長さの方が第2方向L3に沿った長さよりも長い直方体状に形成されている。
ベース基板4は、底壁部7と、底壁部7の外周縁部に沿って上方に向けて延びた周壁部8と、を備え、上方に開口した有底筒状に形成されている。周壁部8は、圧電振動片10の周囲を囲む枠部であって、第2方向L3よりも第1方向L2に長い平面視矩形状に形成されている。
底壁部7の上面は、上記ベース面4aとして機能する。このベース面4aには、一対のインナー電極9が第2方向L3に間隔をあけて形成されている。なお、インナー電極9は、例えば底壁部7を上下に貫通する図示しない貫通電極を介して底壁部7の下面側に形成された図示しないアウター電極に電気的に接続されている。
ベース基板4は、例えばソーダ石灰ガラス材料やセラミックス材料等から形成されている。ただしベース基板4の材料は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。さらにベース基板4としては、単層基板からなる単層構造としても構わないし、複数の基板を積層した積層構造としても構わない。
リッド基板5は、周壁部8の形状に対応して、第2方向L3よりも第1方向L2に長い平面視矩形状に形成され、ベース基板4における周壁部8の上端開口縁に重なるように配置されている。リッド基板5は、周壁部8に対して密に接合されている。接合方法としては、特に限定されるものではないが、例えばシーム溶接、レーザ溶接、各種の接着、陽極接合による固着等が挙げられる。
ベース基板4に対するリッド基板5の接合によって、ベース基板4の内部が気密に封止されて、キャビティ6として機能する。
実装部材2は、例えば銀ペースト等の導電性接着剤であって、例えばニードル式のディスペンサ等を利用して、一対のインナー電極9上にバンプ状に塗布されている。圧電振動片10は、一対の突起部70、80が実装部材2に対してそれぞれ重なるように載置されることでマウントされている。
これにより、圧電振動片10は、実装部材2を介してベース基板4のベース面4a上に機械的に保持されると共に、インナー電極9とマウント電極91とがそれぞれ導通した状態となる。
上述のように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板4に形成された一対のアウター電極間に所定の駆動電圧を印加する。これにより、インナー電極9、マウント電極91及び接続電極92を介して、第1メサ部40側の励振電極90と、第2メサ部50側の励振電極90との間に駆動電圧を印加することができる。これにより、圧電板30を、主振動モードである厚み滑り振動させることができ、該振動を例えばMHz帯の発振周波数等として利用することができる。なお、厚み滑り振動時、圧電板30はX軸に沿って主に大きく変位することで、厚み滑り振動する。
(圧電振動片及び圧電振動子の製造方法、並びに圧電ウエハ)
次に、上述のように構成された圧電振動片10及び圧電振動子1を製造する製造方法について簡単に説明する。さらに同時に、圧電ウエハ22についても説明する。
ランバート加工された図9に示す人工水晶21をATカットしてATカット水晶基板20を取り出した後、ATカット水晶基板20に対して鏡面研磨加工等の所定処理を施すことで、図10に示すように所定の厚みに調整された圧電ウエハ22を準備する。
次いで、メサマスクの形成工程を行う。
本工程では、図10に示すように、圧電ウエハ22の両面にエッチング保護膜100を、例えばスパッタリング法や蒸着法等により成膜すると共に、エッチング保護膜100上に、例えばスピンコート法等によりレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜101を成膜する。
エッチング保護膜100としては、例えば厚さが数十nmのクロム(Cr)の金属層と、厚さが数十nmの金(Au)の金属層とが順次積層された積層膜を用いることが可能である。レジスト材料としては、例えば環化イソプレン等の環化ゴムを主体にしたゴム系ネガレジストを用いることが可能である。
次いで、圧電ウエハ22の一方側の面を、第1メサ部40の外形パターンが形成された図示しないフォトマスクを用いて露光する。同様に、圧電ウエハ22の他方側の面を、第2メサ部50の外形パターンが形成された図示しないフォトマスクを用いて露光する。その後、圧電ウエハ22の両面に成膜されたフォトレジスト膜101をそれぞれ現像することで、図11に示すように、圧電ウエハ22の両面に、フォトレジスト膜101を利用して第1メサ部40及び第2メサ部50の外形パターン102を形成することができる。
次いで、外形パターン102をマスクとして、圧電ウエハ22の両面に成膜されたエッチング保護膜100をウェットエッチング加工して、マスクされていないエッチング保護膜100を選択的に除去する。これにより、図12に示すように、圧電ウエハ22の両面に、第1メサ部40及び第2メサ部50の外形パターンのメサマスク103を形成することができる。
続いて、メサ形成工程を行う。
本工程では、図13に示すように、メサマスク103でマスクされた圧電ウエハ22をウェットエッチング加工して、マスクされていない圧電ウエハ22を選択的に除去する。なお、このときの薬液としては、例えばフッ酸を好適に用いることができる。これにより、圧電ウエハ22の両面に、第1メサ部40及び第2メサ部50の外形パターンを形成することができる。このとき、人工水晶21における結晶軸の異方性の関係により、第1メサ部40及び第2メサ部50には、自然結晶面であるm面が現れる。このm面が形成された部分が第4メサ側面45、55となる。
ウェットエッチング加工後、図14に示すように、マスクとして利用していたエッチング保護膜100及びフォトレジスト膜101を除去する。これにより、圧電ウエハ22の両面に、第1メサ部40及び第2メサ部50をそれぞれ形成することができる。
なお、本実施形態では、1枚の圧電ウエハ22から複数個の圧電振動片10を一度に製造する。そのため、図15に示すように、第1メサ部40及び第2メサ部50が、X軸及びZ’軸に一定の間隔をあけて整列し、アレイ状に配置されるように形成する。
続いて、外形マスク形成工程及び外形形成工程を行って、図16及び図17に示すように、圧電板30を外形形成すると共に、X軸及びZ’軸に一定の間隔をあけて複数の圧電板30が整列するように、圧電ウエハ22をエッチング加工する。
具体的には、複数の支持フレーム110のそれぞれに、複数の圧電板30がそれぞれ一対の支持片120、130を介して片持ち支持されるように圧電ウエハ22をエッチング加工する。
支持フレーム110は、Z‘軸に沿って延びる長尺な帯状に形成され、X軸に沿って一定の間隔をあけて複数形成されている。これら複数の支持フレーム110の両端部は、支持枠部111に連結されている。なお、支持枠部111の外形は、圧電ウエハ22としての外形となる。
複数の支持フレーム110のそれぞれには、複数の圧電板30がそれぞれ支持片120、130を介して片持ち支持されている。このとき、各支持フレーム110に対して、複数の圧電板30がZ’軸に沿って一定の間隔をあけて一例に並ぶように形成されている。
支持フレーム110と圧電板30との関係について、詳細に説明する。
図17に示すように、支持フレーム110は、圧電板30よりもX軸の+側に配置され、先に述べたようにZ’軸に沿って延びている。圧電板30と支持フレーム110との間には、Z軸に沿って一定の間隔をあけて配置された一対の支持片120、130が形成されている。一対の支持片120、130は、圧電板30と支持フレーム110とをX軸に沿って連結すると共に、圧電板30を片持ち支持し、且つ切断可能に形成されている。
一対の支持片120、130が切断され、圧電板30側に残った一部が、先に述べたように、圧電振動片10における一対の突起部70、80として機能する。つまり、一方の支持片120の一部が一方の突起部70として機能し、他方の支持片130の一部が他方の突起部80として機能する。
従って、一対の突起部70、80は、圧電振動片10を構成する構成部品であると共に、一対の支持片120、130を構成する構成部品としても機能する兼用部品とされている。
一方の支持片120は、圧電板本体31における一方の側面36に対して連設される外側面121と、外側面121に対してZ’軸に向かい合うと共に、圧電板本体31における基端面34に対して連設される内側面122と、を備えている。
外側面121は、先に述べた第1外側面71と、第1外側面71からX軸の+側に向けてさらに延びて支持フレーム110に繋がると共に、第1外側面71に対して圧電板30の面内方向に第1角度θ1で傾斜した第2外側面123と、を備えている。
第2外側面123は、第1外側面71からX軸の+側に向けて延びるにしたがって、Z軸の+側に向けて延びるように傾斜している。これにより、第2外側面123は、第1角度θ1が90度より大きく、180度より小さい鈍角となるように、第1外側面71からX軸の+側に向けて延びている。図示の例では、第1角度θ1は120度〜135度程度の鈍角とされている。
内側面122は、先に述べた第1内側面72と、第1内側面72からX軸の+側に向けてさらに延びて支持フレーム110に繋がると共に、第1内側面72に対して圧電板30の面内方向に第2角度θ2で傾斜した第2内側面124と、を備えている。
第2内側面124は、傾斜した第1内側面72からX軸の+側に沿って真っすぐ延びるように形成されている。これにより、第2内側面124は、第2角度θ2が90度より大きく、180度より小さい鈍角となるように、第1内側面72からX軸の+側に向けて延びている。図示の例では、第2角度θ2は、第1角度θ1と同様に120度〜135度程度の鈍角とされている。
他方の支持片130は、上述した一方の支持片120に対してX軸を中心として線対称に形成されている。
すなわち、他方の支持片130は、圧電板本体31における他方の側面37に対して連設される外側面131と、外側面131に対してZ’軸に向かい合うと共に、圧電板本体31における基端面34に対して連設される内側面132と、を備えている。
外側面131は、先に述べた第1外側面81と、第1外側面81からX軸の+側に向けてさらに延びて支持フレーム110に繋がると共に、第1外側面81に対して圧電板30の面内方向に第1角度θ1で傾斜した第2外側面133と、を備えている。第2外側面133は、第1外側面81からX軸の+側に向けて延びるにしたがって、Z軸の−側に向けて延びるように傾斜している。これにより、第2外側面133は第1角度θ1が鈍角となるように第1外側面81からX軸の+側に向けて延びている。
内側面132は、先に述べた第1内側面82と、第1内側面82からX軸の+側に向けてさらに延びて支持フレーム110に繋がると共に、第1内側面82に対して圧電板30の面内方向に第2角度θ2で傾斜した第2内側面134と、を備えている。第2内側面134は、傾斜した第1内側面82からX軸の+側に沿って真っすぐ延びるように形成されている。これにより、第2内側面134は、第2角度θ2が鈍角となるように第1内側面82からX軸の+側に向けて延びている。
上述した圧電ウエハ22となるように、図15に示す状態から、外形マスク形成工程及び外形形成工程を行う。
外形マスク形成工程では、図18に示すように、複数の第1メサ部40及び第2メサ部50を形成した圧電ウエハ22の両面に、再びエッチング保護膜105を成膜すると共に、エッチング保護膜105上にフォトレジスト膜106を成膜する。なお、エッチング保護膜105及びフォトレジスト膜106の材質及び形成方法等は、メサマスク形成工程におけるエッチング保護膜100及びフォトレジスト膜101と同様である。
次いで、圧電ウエハ22の両面を、複数の圧電板30の外形パターン、複数の支持フレーム110の外形パターン及び複数の支持片120、130の外形パターンが形成された図示しないフォトマスクを用いてそれぞれ露光する。その後、圧電ウエハ22の両面に成膜されたフォトレジスト膜106をそれぞれ現像することにより、圧電ウエハ22の両面に成膜されたフォトレジスト膜106に、複数の圧電板30の外形パターン、複数の支持フレーム110の外形パターン及び複数の支持片120、130の外形パターンを形成することができる。
次いで、これらの外形パターンをマスクとして、圧電ウエハ22の両面に成膜されたエッチング保護膜105をウェットエッチング加工して、マスクされていないエッチング保護膜105を選択的に除去する。これにより、図19に示すように、圧電ウエハ22の両面に、複数の圧電板30の外形パターンの外形マスク107を形成することができると共に、複数の支持フレーム110の図示しない外形パターン及び複数の支持片120、130の外形パターンの図示しない外形マスクを形成することができる。
続いて、外形形成工程を行う。
本工程では、図20に示すように、圧電板30の外形マスク107、支持フレーム110の外形マスク及び支持片120、130の外形マスクを介して圧電ウエハ22をウェットエッチング加工する。この際、メサ形成工程と同様に、例えば薬液としてフッ酸を好適に用いることができる。これにより、複数の支持フレーム110のそれぞれに、支持片120、130を介して片持ち支持された複数の圧電板30を形成することができる。
次いで、図21に示すように、マスクとして利用していたエッチング保護膜105及びフォトレジスト膜106を除去する。その結果、図16及び図17に示す圧電ウエハ22とすることができる。
次いで、複数の圧電板30の外表面上に、励振電極90等の各電極を含む第1電極膜61及び第2電極膜62からなる電極膜60を形成する電極膜形成工程を行う。
なお、電極膜形成工程としては、例えば圧電ウエハ22の全体に金属膜を成膜した後、電極膜60のパターンが形成された図示しない電極パターンをマスクとして、金属膜を選択的にエッチング加工(メタルエッチング)する。これにより、図22及び図23に示すように、複数の圧電板30のそれぞれに対して、電極膜60を形成することができる。なお、このときのエッチング加工としては、例えばドライエッチングでも構わない。
このとき、支持フレーム110の両面に、第1電極膜61に電気的接続された第1測定電極140を形成すると共に、第2電極膜62に電気的接続された第2測定電極141を形成する。
第1測定電極140は、他方の支持片130の外表面上にも形成され、第1電極膜61における第1主面32側のマウント電極91と電気的接続されている。第2測定電極141は、一方の支持片120の外表面上にも形成され、第2電極膜62における第2主面33側のマウント電極91と電気的接続されている。
上述した電極膜形成工程を行うことで、支持フレーム110に対して支持片120、130を介して片持ち支持された圧電振動片10を得ることができる。
なお、支持フレーム110に第1測定電極140及び第2測定電極141が形成されているので、第1測定電極140と第2測定電極141との間に駆動電圧を印加することで、圧電振動片10が適切に厚み滑り振動するか否か等の作動確認等を行うことが可能である。
そして最後に一対の支持片120、130を切断して、複数の支持フレーム110のそれぞれから、複数の圧電振動片10を切り離して個片化する切断工程を行う。これにより、図4〜図8に示す圧電振動片10を作製することができる。
次いで、上述のように製造した圧電振動片10を、パッケージ3内に実装する工程を行う。本工程では、図1に示すように、ベース基板4のベース面4aに形成された一対のインナー電極9上に、例えばニードル式のディスペンサ等を利用して実装部材2をバンプ状に塗布する。次いで、一対の突起部70、80が実装部材2に対してそれぞれ重なるように圧電振動片10を載置する。これにより、実装部材2を介して圧電振動片10をベース面4a上にマウントすることができる。
圧電振動片10のマウント後、例えば実装部材2の形成位置が適切であるか否かの確認や、圧電振動片10が適切に厚み滑り振動するか否かの最終的な作動確認等を行った後、例えば所定の圧力環境下でベース基板4に対してリッド基板5を接合する工程を行う。これにより、図1〜図3に示す圧電振動子1を製造することができる。
特に本実施形態によれば、圧電振動片10の製造過程において、図17及び図23に示すように、圧電板30を片持ち支持する一対の支持片120、130が、圧電板30の側面36、37に沿ってX軸の+側に向けて連続的に延びる第1外側面71、81を有している。そのため一対の支持片120、130は、第1外側面71、81を介して圧電板30の側面36、37に対して連続的を繋がった状態とされている。
従って、圧電ウエハ22をウェットエッチング加工する際、一対の支持片120、130に、エッチングの入り込みのきっかけとなる部分が生じてしまうことをなくすことができるので、一対の支持片120、130側から圧電板30側に向けてサイドエッチングが進行するような不都合を抑制することができる。従って、圧電板30を所望の外形形状に形成することができ、形状不良を抑制することができる。従って、圧電板30を利用して、安定且つ良好な振動特性する圧電振動片10を得ることが可能となる。
さらに、従来のように一対の支持片120、130自体に溝部を形成していないので、溝部をきっかけとしたオーバーエッチングが一対の支持片120、130に発生し難い。そのため、支持片120、130自体の厚みが薄くなることを抑制することができ、剛性が低下することを防止できる。これにより、一対の支持片120、130を利用して圧電板30を安定的に片持ち支持することができる。そのため、例えば意図しないタイミングで一対の支持片120、130が破断するような不都合を防止することができ、圧電板30の脱落等を招いてしまい難い。
さらに一対の支持片120、130は、図23に示すように、第1外側面71、81に対して第1角度θ1で傾斜した第2外側面123、133を有し、これら第1外側面71、81及び第2外側面123、133の2面で外側面121、131が構成されている。そのため、第1外側面71、81と第2外側面123、133との接続部分を切断起点P1として、一対の支持片120、130を切断することが可能となる。
従って、決まった切断位置で一対の支持片120、130を切断することができるうえ、容易且つ安定的に支持片120、130を切断することができる。これにより、支持片120、130の切断によって圧電板30の外形形状が左右され難い。従って、この点においても圧電板30の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性する圧電振動片10を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の圧電ウエハ22を利用することで、圧電板30の形状不良を抑制することができ、安定且つ良好な振動特性を有する圧電振動片10及び圧電振動子1を得ることができる。
さらに本実施形態では、一対の支持片120、130を切断する際、第1外側面71、81と第2外側面123、133との接続部分を切断起点P1として利用できることに加え、第1内側面72、82と第2内側面124,134との接続部分についても切断起点P2として利用することができる。従って、外側面121、131側の切断起点P1と内側面122、132側の切断起点P2とをそれぞれ通過するような切断線K(図23参照)に沿って支持片120、130を切断することができる。
これにより、支持片120、130の切断位置を固定することが可能であり、個片化した圧電板30の外形形状にばらつきがさらに生じ難く、高品質な圧電板30を得ることができる。
また、第1外側面71、81と第2外側面123、133との間に形成される第1角度θ1が鈍角とされているので、第1外側面71、81と第2外側面123、133との間にエッチング液を適切に入り込ませることができる。そのため、第1外側面71、81と第2外側面123、133との接続部分に、エッチング残りが発生することを効果的に抑制することができる。従って、支持片120、130を切断する際、第1外側面71、81と第2外側面123、133との接続部分を切断起点P1として確実に利用することができ、より安定した支持片120、130の切断を行うことができる。
この点は、第1内側面72、82及び第2内側面124、134についても同様であるので、支持片120、130を切断する際、第1内側面72、82と第2内側面124、134との接続部分を切断起点P2として確実に利用することができる。
なお、本実施形態では、圧電ウエハ22における支持片120、130を切断した際、圧電板30側に繋がった支持片120、130の一部を突起部70、80として機能させることができる。そのため、突起部70、80に基づいて、図22に示す圧電ウエハ22から個片化された圧電板30からなる圧電振動片10であるか否かを容易且つ確実に把握することができる。
特に、突起部70、80には、支持片120、130の切断による切断面73、83がX軸の+側を向いた状態で形成されるので、この切断面73、83に基づいて、圧電ウエハ22から個片化された圧電板30であるか否かを把握することが可能である。それに加え、切断面73、83はエッチング加工面とは異なる面とされている。従って、切断面73、83の表面状態に基づいて、ウェットエッチング加工等とは異なり、切断によって切断面73、83が形成されたことを容易且つ確実に認識することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記実施形態では、厚み滑り振動する圧電振動片を例に挙げて説明したが、他の振動モードで主振動する圧電振動片としても構わない。具体的には、水晶の結晶軸であるX軸に沿って延びる一対の側面を有する圧電板からなる圧電振動片であれば、本発明に係る圧電ウエハを利用して作製することが可能である。
また、上記実施形態では、図23に示すように、支持片120、130における内側面122、132を、第1内側面72、82及び第2内側面124、134の2面で形成したが、この場合に限定されるものではない。
例えば、図24に示すように、圧電板本体31の基端面34からX軸の+側に向けて、X軸に沿って真っすぐ延びるように内側面151を形成した圧電ウエハ150としても構わない。
この場合であっても、第1外側面71、81と第2外側面123、133との接続部分を切断起点P1として利用することができるので、支持片120、130の切断を容易且つ確実に行うことができる。
θ1…第1角度
θ2…第2角度
1…圧電振動子
2…実装部材
3…パッケージ
10…圧電振動片
22、150…圧電ウエハ
30…圧電板
32、33…圧電板の主面
34…圧電板の基端面
35…圧電板の先端面
36、37…圧電板の側面
60…電極膜
70、80…突起部
71、81…第1外側面
72、82…第1内側面
73、83…切断面
110…支持フレーム
120、130…支持片
121、131…支持片の外側面
122、132…支持片の内側面
123、133…第2外側面
124、134…第2内側面

Claims (9)

  1. 水晶の結晶軸であるX軸に沿って延びると共に互いに向かい合う一対の側面と、前記X軸の+側を向いた基端面と、前記X軸の−側を向くと共に前記基端面に対して向かい合う先端面と、を有する圧電板と、
    前記圧電板よりも前記X軸の+側に配置された支持フレームと、
    前記圧電板と前記支持フレームとを前記X軸に沿って連結すると共に、前記圧電板を片持ち支持し、且つ切断可能に形成された支持片と、を備え、
    前記支持片は、
    前記圧電板の前記側面に対して連設される外側面と、
    前記外側面に対して向かい合うと共に、前記圧電板の前記基端面に対して連設される内側面と、を備え、
    前記外側面は、
    前記側面から前記X軸の+側に向けて、前記側面に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面と、
    前記第1外側面から前記X軸の+側に向けてさらに延びて前記支持フレームに繋がると共に、前記第1外側面に対して前記圧電板の面内方向に第1角度で傾斜した第2外側面と、を備えていることを特徴とする圧電ウエハ。
  2. 請求項1に記載の圧電ウエハであって、
    前記第2外側面は、前記第1角度が鈍角となるように前記第1外側面から前記X軸の+側に向けて延びている、圧電ウエハ。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電ウエハであって、
    前記内側面は、
    前記基端面から前記X軸の+側に向けて延びるように形成された第1内側面と、
    前記第1内側面から前記X軸の+側に向けてさらに延びて前記支持フレームに繋がると共に、前記第1内側面に対して前記圧電板の面内方向に第2角度で傾斜した第2内側面と、を備えている、圧電ウエハ。
  4. 請求項3に記載の圧電ウエハであって、
    前記第2内側面は、前記第2角度が鈍角となるように前記第1内側面から前記X軸の+側に向けて延びている、圧電ウエハ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電ウエハであって、
    前記圧電板は、前記結晶軸であるZ軸を前記X軸回りに所定角度回転させたZ’軸と、前記X軸とで形成される面内に沿って配置され、且つ前記結晶軸であるY軸を前記X軸回りに所定角度回転させたZ’軸に互いに向かい合う一対の主面を備えている、圧電ウエハ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電ウエハにおける前記支持フレームから前記支持片の切断によって切り離された前記圧電板と、
    前記圧電板の外表面に形成され、前記圧電板を振動させる電極膜と、を備えていることを特徴とする圧電振動片。
  7. 請求項6に記載の圧電振動片において、
    前記圧電板の前記基端面には、前記X軸の+側に向けて突出すると共に、少なくとも前記内側面の一部及び前記第1外側面を有する突起部が形成され、
    前記突起部には、前記X軸の+側を向くと共に、エッチング加工面とは異なる面とされた切断面が形成されている、圧電振動片。
  8. 水晶の結晶軸であるX軸に沿って延びると共に互いに向かい合う一対の側面と、前記X軸の+側を向いた基端面と、前記X軸の−側を向くと共に前記基端面に対して向かい合う先端面と、を有する圧電板と、
    前記基端面から、前記X軸の+側に向けて突出した突起部と、
    前記圧電板の外表面に形成され、前記圧電板を振動させる電極膜と、を備え、
    前記突起部は、
    前記圧電板の前記側面に対して連設されると共に、前記側面から前記X軸の+側に向けて、前記側面に沿って連続的に延びるように形成された第1外側面と、
    前記第1外側面に対して向かい合うと共に、前記圧電板の前記基端面に対して連設され、前記基端面から前記X軸の+側に向けて延びるように形成された第1内側面と、
    前記第1外側面と前記第1内側面とを接続すると共に、前記X軸の+側を向いた切断面と、を備え、
    前記切断面は、エッチング加工面とは異なる面とされていることを特徴する圧電振動片。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の圧電振動片と、
    実装部材を介して前記圧電振動片が実装され、且つ前記圧電振動片を内部に収容するパッケージと、を備え、
    前記圧電振動片は、前記電極膜と前記実装部材とが電気的接続された状態で、前記実装部材にマウントされていることを特徴とする圧電振動子。
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