JP2021047387A - 電子楽器、楽音生成方法、及びプログラム - Google Patents

電子楽器、楽音生成方法、及びプログラム Download PDF

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一貴 春日
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【課題】物理モデル音源を用いて楽音を生成する際のノイズを低減することが可能な電子楽器、楽音生成方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】電子楽器100は、演奏入力を受け付ける入力部と、楽音を示すデータを生成する音源150と、を備える。音源150は、波形データを生成する発振励起部と、波形データを格納し波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、波形データの一部を反射してディレイラインに伝達し、波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、放射信号に基づいてデータを生成する。音源150は、ディレイラインの長さを決定し、ディレイラインに格納されている波形データの一部をディレイラインの延長部分に入力し、ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示すデータを生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、電子楽器、楽音生成方法、及びプログラムに関する。
楽器が楽音を発する際の物理現象をモデル化してリアルタイムに演算することによって発音する楽音を生成する物理モデル音源の技術が知られている。特許文献1には、2個の円筒部の管の継ぎ目の部分にマウスピースを取り付けた管楽器をシミュレートする、管楽器系の物理モデル音源が開示されている。
特開平10−124064号公報
ある実楽器を模した電子楽器から他の実楽器の音を出力することが可能であり、これは電子楽器の特長の一つである。例えばサクソフォンのような音孔を有する管楽器を模した電子楽器から、例えばトロンボーンのような連続的に管の長さが変わる管楽器の楽音を物理モデル音源を用いて生成する場合、入力方法と発音機構との相違から、音程切り替え時にノイズが発生してしまうという課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、物理モデル音源を用いて楽音を生成する際のノイズを低減することが可能な電子楽器、楽音生成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る電子楽器の一態様は、
演奏入力を受け付ける入力部と、
楽音を示すデータを生成する音源と、を備え、
前記音源は、
前記入力部が受け付けた入力に基づいて波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、前記放射部から出力された放射信号に基づいて前記データを生成し、
前記入力部が音程を変更する入力を受け付けると、前記音程を変更する入力に基づいて前記ディレイラインの長さを決定し、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力し、前記ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、物理モデル音源を用いて楽音を生成する際のノイズを低減することが可能な電子楽器、楽音生成方法、及びプログラムを提供できる。
実施の形態に係る電子楽器の正面図である。 実施の形態に係る電子楽器の側面図である。 実施の形態に係る電子楽器の構成を示すブロック図である。 実施の形態のウェーブガイド物理モデルの構成を示す図である。 波動が伝搬する様子を示す図である。 波動をモデル化したウェーブガイド物理モデルを示す図である。 実施の形態の音程テーブルを示すである。 実施の形態に係る電子楽器が実行する音程変更処理のフローチャートである。
実施の形態に係る電子楽器100について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。実施の形態に係る電子楽器100は、奏者の入力に従って楽音を合成して出力する電子楽器である。
図1は、電子楽器100の正面図であり、図2はその側面図である。図1、図2に示すように、電子楽器100は、木管楽器であるサクソフォンを模した外観を有する電子木管楽器である。
図1、図2に示すように、電子楽器100は、管体部110と、操作子120と、マウスピース130と、発音部140と、を備える。
管体部110は、電子楽器100の他の構成要素が搭載される、サクソフォンの筐体の形状を模した外観を有する筐体である。管体部110は、例えば樹脂で形成されるが、これに限られるものではない。
操作子120は、管体部110の外周面に配置され、奏者の指による操作を受け付ける入力装置である。操作子120は、奏者によって押下されたことを検出し、押下されたことを示す信号を出力する。操作子120は、音高を示す入力を受け付けるサクソフォンのキーを模した外観を有する演奏キー121と、電源のオンオフ、音色変更及び音量変更を含む入力を受け付ける設定スイッチ122と、を含む。
マウスピース130は、管体部110の一端部に設けられ、奏者の口によってくわえられて息の吹き込みによる入力を受け付ける、サクソフォンのマウスピースを模した外観を有する入力装置である。マウスピース130は、図1、図2に図示しない、奏者によって吹き込まれる息を検出するブレスセンサ131を有する。操作子120とマウスピース130とを合わせて入力部ともいう。
発音部140は、管体部110の他端部に設けられ、奏者の操作に応じた楽音を出力する、サクソフォンのベルを模した外観を有する出力装置である。発音部は、図1、図2に図示しない、D/A(Digital-to-Analog)変換器141、アンプ142及びスピーカ143を備え、デジタル楽音信号をD/A変換器141でD/A変換することでアナログ楽音信号を生成し、生成したアナログ楽音信号をアンプ142で増幅し、増幅したアナログ楽音信号をスピーカ143から楽音として出力する。
図3は、電子楽器100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、電子楽器100は、操作子120と、マウスピース130と、発音部140と、に加え、音源150と、制御部160と、RAM(Random Access Memory)170と、ROM(Read Only Memory)180と、を備える。それぞれの構成要素は、バスを介して互いに電気的に接続されている。
操作子120は、奏者によって押下されたことを示す信号をバスを介して制御部160に伝達する。マウスピース130は、ブレスセンサ131の出力信号をバスを介して制御部160に伝達する。
音源150は、操作子120とマウスピース130とを介した奏者の入力に基づき、例えばトロンボーンを含む管の長さを変えることが可能な管楽器の共鳴構造を、ウェーブガイド物理モデル200を用いてシミュレートし、発音部140から発する楽音を示すデジタル信号を生成するウェーブガイド物理モデル音源である。音源150はデジタルシグナルプロセッサを含み得るが、これに限られるものではない。
図4は、ウェーブガイド物理モデル200の構成を示す図である。図4に示すように、ウェーブガイド物理モデル200は、発振励起部201と、ディレイライン202と、放射部203と、を含む。
発振励起部201は、奏者の吹奏圧と反射波とによる自励発振をシミュレートする部分である。発振励起部201は、マウスピース部ともいう。
ディレイライン202は、Z−1で表される遅延器をk個含んでおり、Z−kで表される。ディレイライン202は、格納した波形データを遅延処理することで管内の進行波と後退波とをシミュレートする部分である。ディレイライン202は、進行波を示す波形データを格納するディレイライン202Aと、後退波を示す波形データを格納するディレイライン202Bと、を含む。ディレイライン202は、ボア部ともいう。
放射部203は、管内を進行してきた波動の一部の反射と、一部の放射とをシミュレートする部分である。音源150は、放射部203の放射信号から楽音を生成する。放射部203は、ベル部ともいう。
波動とウェーブガイド物理モデル200との関係について説明する。図5は、波動が伝搬する様子を示す図であり、図6は、波動をモデル化したウェーブガイド物理モデル200を示す図である。図5には、時刻t=nでの波動(正弦波)と、1時間ステップ進んだ時刻t=n+1での波動とが示されている。波動上に記載されている数字は各位置のその時刻における振幅である。
図6には、時刻t=nでのウェーブガイド物理モデル200と、1時間ステップ進んだ時刻t=n+1でのウェーブガイド物理モデル200とが示されている。図6に示すように、ウェーブガイド物理モデル200のディレイライン202Aは、複数の遅延器を含み、それぞれの遅延器に波動の振幅を示す波形データが格納されている。なお、発振励起部201、ディレイライン202B及び放射部203については図示を省略する。
図6に示すように、1時間ステップが経過してt=nからt=n+1に移行すると、波形データがディレイライン202A上を一つ進む。この過程を繰り返すことで、波動の伝搬を表現する。
音源150は、1時間ステップごとにディレイライン202上の波形データの移動と、発振励起部201での自励発振と、放射部203での反射及び放射と、を行って波形データを演算する。
図3に戻り、制御部160は、プログラムを実行することにより電子楽器100を制御する処理装置である。制御部160は、ROM180に記憶されたプログラム及びデータを読み出し、RAM170を作業領域として用いる。制御部160はCPU(Central Processing Unit)を含むが、これに限られるものではない。
RAM170は、制御部160が処理を実行するための作業領域として機能する揮発性メモリである。
ROM180は、制御部160が処理を実行するために用いるプログラム及びデータを記憶する記憶装置である。ROM180は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)を含むが、これに限られるものではない。
制御部160は、マウスピース130のブレスセンサ131から奏者の吹奏圧を示す入力信号を取得し、音源150に伝達する。
制御部160は、操作子120の演奏キー121から入力信号を取得し、入力信号が示す音程を判別し、音程テーブル181を参照して音程に対応するディレイライン長を取得し、音源150に伝達する。
図7は、音程テーブル181を示すである。図7に示すように、音程テーブル181には、音程と、音程にそれぞれ対応するディレイライン長とが含まれる。音程を示す指標として、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)のノート番号が含まれても良い。音程テーブル181は、ROM180に記憶される。
音源150は、制御部160から取得したブレスセンサ131の入力信号に基づいて発振励起部201に波形データを生成させ、制御部160から取得したディレイライン長に基づいてディレイライン202の長さを変化させる。
音源150が音程を変更する処理について、ディレイライン202の長さをkからk(k>k)に変化させる場合を例に説明する。ディレイライン202の長さを変化させるに際し、音源150は、時間ステップ数tでディレイライン202の長さをkに変化させる。tはディレイライン202の長さの変化が急激になりすぎない十分に長い時間ステップである。
ディレイライン202の長さを変化させる前の時間を原点とし、ディレイライン202の時間ステップtにおける長さをk(t)とすると、
k(0)=k …(1)
k(t)=k …(2)
である。
音源150は、時間ステップごとにディレイライン202の長さを変化させる。時間ステップtにおけるディレイライン202の長さk(t)は以下の式(3)で表される。
Figure 2021047387
音源150は、ディレイライン202の長さを長くする場合、ディレイライン202の長くなる部分に相当する長さのデータを、ディレイライン202の放射部側からコピーし、ディレイライン202の長くなる部分に挿入する。
音源150は、ディレイライン202に格納されていたデータと、ディレイライン202の長くなった部分に挿入されたデータとに基づいてディレイライン202の長さを変化させ、波形データの演算を行う。波形データの演算は規定回数繰り返される。
音源150は、データの挿入とディレイライン202の長さの変化とを時間ステップがtに達するまで繰り返し、ディレイライン202の長さをkに変化させる。
実施の形態に係る電子楽器100が実行する音程変更処理について、図を参照して説明する。図8は、電子楽器100が実行する音程変更処理のフローチャートである。音程変更処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
電子楽器100の音源150は、制御部160からディレイライン長を取得すると、音程変更処理を開始する。
音程変更処理を開始すると、音源150は、時間ステップをt=1に設定する(ステップS101)。
時間ステップをt=1に設定すると、音源150は、次の時間ステップにおけるディレイライン202の長さを決定する(ステップS102)。ディレイライン202の長さは、式(3)に従って決定する。
ディレイライン202の長さを決定すると、音源150は、ディレイライン202の長くなる部分に相当する長さのデータを、ディレイライン202の放射部側からコピーし、ディレイライン202の長くなる部分に挿入する(ステップS103)。
データをディレイライン202に挿入すると、音源150は、ディレイライン202の長さを延長する(ステップS104)。
ディレイライン202の長さを延長すると、音源150は、ウェーブガイド物理モデル200の波形データの演算を行う(ステップS105)。
波形データの演算を行うと、音源150は、演算を規定回数であるm回行ったかどうかを判断する(ステップS106)。m回行っていないと判断した場合(ステップS106:NO)、ステップS105に戻り、波形データの演算を再度行う。
ここで、規定回数mは、tについて、m>k(t)−k(t−1)を満たす回数である。即ち、音源150は、ディレイライン202の長さを延長する前の楽音信号がk(t−1)からk(t)に到達するまで演算を繰り返す。
m回行ったと判断した場合(ステップS106:YES)、音源150は、時間ステップtをインクリメントし、次の時間ステップに移行する(ステップS107)。
時間ステップtをインクリメントすると、音源150は、既定の時間ステップtに達したかどうか判断する(ステップS108)。時間ステップtに達していないと判断した場合(ステップS108:NO)、ステップS102に戻り、ディレイライン202の長さの決定を再度行う。
時間ステップtに達したと判断した場合(ステップS108:YES)、音程変更処理を終了する。時間ステップtをかけて、ディレイライン202の長さは制御部160から取得した長さに到達し、音程は奏者が操作し120を介して入力した音程に変化する。
以上の構成を備えることで、実施の形態に係る電子楽器100は、物理モデル音源を用いて楽音を生成する際のノイズを低減することができる。
例えばサクソフォンのような音孔を有する管楽器を模した電子楽器は、操作キーによって音程を瞬間的に切り替える。また、例えばトロンボーンのような連続的に管の長さが変わる管楽器の楽音をウェーブガイド物理モデルによって生成する場合、音程は連続的に変化する。
音孔を有する管楽器を模した電子楽器への入力に応じて、連続的に管の長さが変わる管楽器の楽音をウェーブガイド物理モデルによって生成して出力する場合、入力方法は非連続的である一方で発音機構は連続的であるという相違から、音程切り替え時にノイズが発生してしまう。
実施の形態に係る電子楽器100によれば、ディレイライン202の長さを時間ステップごとに変化させ、それを繰り返して奏者の意図する音程に対応する長さまで変化させることで、音程の切り替え時におけるノイズの発生を抑制することが可能になる。
また、音程を変化させるためにウェーブガイド物理モデルのディレイラインの長さを長くする場合、それまで使用していなかったディレイラインのデータは不定である。この不定のデータがディレイライン上を進行すると、意図していないデータが波形データとして表れ、ノイズの原因となってしまう。
実施の形態に係る電子楽器100によれば、ディレイライン202の長さを長くする場合に、ディレイライン202の放射部203側の波形データをディレイライン202の長くなる部分に挿入することで、意図しないデータが波形データとして表れることを防ぎ、音程の切り替え時におけるノイズの発生を抑制することが可能になる。
(変形例)
以上に本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施の形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
電子楽器100は、木管楽器であるサクソフォンを模した外観を有する電子木管楽器であるとしたが、これに限られるものではない。サクソフォンでない木管楽器を模した電子木管楽器であっても良く、金管楽器、打楽器、弦楽器又は鍵盤楽器を模した電子楽器であっても良く、楽器を模していなくても良い。
発音部140は、奏者の操作に応じた楽音を出力するとしたが、これに限られるものではない。外部の機器に対して楽音を示すデータを出力しても良い。
音源150が生成する楽音の例としてトロンボーンを挙げたが、これに限られるものではない。音源150は共鳴構造の長さを連続的に変化させるものであれば任意の楽音を生成することができ、例えばギターであっても良いし、発する楽器が実在しない楽音であっても良い。
時間ステップtにおけるディレイライン202の長さk(t)は式(3)で表されるとしたが、これに限られるものではない。ディレイライン202の長さの変化が連続かつ滑らかであれば、ディレイライン202の長さはどのように変化させても良い。
ディレイライン202の長さを時間ステップtで変化させるとしたが、これに限られるものではない。ディレイライン202の長さの変化が急激になりすぎなければ、任意の時間であって良い。遷移する二つの音程の差、即ちディレイライン202の差によって時間ステップを変化させても良い。こうすることで、音程の遷移をより自然にすることが可能になる。
規定回数mは、tについて、m>k(t)−k(t−1)を満たす回数であるとしたが、これに限られるものではない。規定回数mはm≦k(t)−k(t−1)を満たしても良く、例えば1回であっても良い。規定回数mがより長いとディレイライン202内の信号が安定してノイズが出にくくなるが、長すぎると音程の変化が遅すぎて演奏に支障ることもある。
また上記実施例のように木管楽器型電子楽器で木管楽器の音色を実現する以外でも本発明を適用すると有効な例として、鍵盤電子楽器をモノモード(音源信号発生器が一つで、和音が鳴らないモード)で使用し、金管楽器のレガート奏法を実現するときは、本特許を利用することにより、弾いている音の音高から次に弾く音の音高へのつながりが良好になり、より本物の楽器の発音の再現が可能となる。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた電子楽器として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の電子楽器を、本発明に係る電子楽器として機能させることもできる。すなわち、実施の形態及び変形例で例示した電子楽器による機能を実現させるためのプログラムを、既存の電子楽器を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る電子楽器として機能させることができる。また、本発明に係る方法は、電子楽器を用いて実施できる。
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信しても良い。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成しても良い。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
演奏入力を受け付ける入力部と、
楽音を示すデータを生成する音源と、を備え、
前記音源は、
前記入力部が受け付けた入力に基づいて波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、前記放射部から出力された放射信号に基づいて前記データを生成し、
前記入力部が音程を変更する入力を受け付けると、前記音程を変更する入力に基づいて前記ディレイラインの長さを決定し、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力し、前記ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成する、
電子楽器。
(付記2)
前記音源は、前記ディレイラインの延長部分に相当する長さの前記波形データを、前記ディレイラインに格納された前記波形データの前記放射部側からコピーし、前記ディレイラインの延長部分に挿入する、
付記1に記載の電子楽器。
(付記3)
前記音源は、前記音程を変更する入力に基づく前記ディレイラインの長さの決定と、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部の前記ディレイラインの延長部分への挿入と、前記ディレイラインの延長とを、前記ディレイラインの長さが前記入力部の受け付けた入力が示す音程に対応する長さになるまで繰り返す、
付記1又は2に記載の電子楽器。
(付記4)
前記音源が生成した前記データを取得し、前記データに基づいて楽音を出力する発音部をさらに備える、
付記1から3の何れか一つに記載の電子楽器。
(付記5)
波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、前記放射部から出力された放射信号に基づいて楽音を示すデータを生成し、
前記ディレイラインの長さを決定し、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力し、前記ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成する、
楽音生成方法。
(付記6)
コンピュータに、
波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算させ、前記放射部から出力された放射信号に基づいて楽音を示すデータを生成させ、
前記ディレイラインの長さを決定させ、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力させ、前記ディレイラインを延長させることで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成させる、
プログラム。
100…電子楽器、110…管体部、120…操作子、121…演奏キー、122…設定スイッチ、130…マウスピース、131…ブレスセンサ、140…発音部、141…D/A変換器、142…アンプ、143…スピーカ、150…音源、160…制御部、170…RAM、180…ROM、181…音程テーブル、200…ウェーブガイド物理モデル、201…発振励起部、202,202A,202B…ディレイライン、203…放射部。

Claims (6)

  1. 演奏入力を受け付ける入力部と、
    楽音を示すデータを生成する音源と、を備え、
    前記音源は、
    前記入力部が受け付けた入力に基づいて波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、前記放射部から出力された放射信号に基づいて前記データを生成し、
    前記入力部が音程を変更する入力を受け付けると、前記音程を変更する入力に基づいて前記ディレイラインの長さを決定し、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力し、前記ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成する、
    電子楽器。
  2. 前記音源は、前記ディレイラインの延長部分に相当する長さの前記波形データを、前記ディレイラインに格納された前記波形データの前記放射部側からコピーし、前記ディレイラインの延長部分に挿入する、
    請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記音源は、前記音程を変更する入力に基づく前記ディレイラインの長さの決定と、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部の前記ディレイラインの延長部分への挿入と、前記ディレイラインの延長とを、前記ディレイラインの長さが前記入力部の受け付けた入力が示す音程に対応する長さになるまで繰り返す、
    請求項1又は2に記載の電子楽器。
  4. 前記音源が生成した前記データを取得し、前記データに基づいて楽音を出力する発音部をさらに備える、
    請求項1から3の何れか1項に記載の電子楽器。
  5. 波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算し、前記放射部から出力された放射信号に基づいて楽音を示すデータを生成し、
    前記ディレイラインの長さを決定し、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力し、前記ディレイラインを延長することで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成する、
    楽音生成方法。
  6. コンピュータに、
    波形データを生成する発振励起部と、前記発振励起部から伝達された前記波形データを格納し前記波形データに遅延処理を実行して音の進行波と後退波との伝搬をシミュレートするディレイラインと、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を反射して前記ディレイラインに伝達し、前記ディレイラインから伝達された前記波形データの一部を放射信号として出力する放射部と、を含むウェーブガイド物理モデルを演算させ、前記放射部から出力された放射信号に基づいて楽音を示すデータを生成させ、
    前記ディレイラインの長さを決定させ、前記ディレイラインに格納されている前記波形データの一部を前記ディレイラインの延長部分に入力させ、前記ディレイラインを延長させることで、音程が変更された楽音を示す前記データを生成させる、
    プログラム。
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