JP2021047383A - 封止構造の形成方法および封止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止構造の形成方法において、被封止物とエッジシールとの間に気泡が入りにくいようにする。【解決手段】封止構造の形成方法は、角部Cを含む多角形状の外形を有する被封止物3と、基板1と、フィルム4と、エッジシール剤15と、を準備することと、基板1上に被封止物3を配置し、延出部4eが形成されるように被封止物3を基板1との間に挟んでフィルム4を配置することと、角部Cから外方に延出する延出部4eCの外周において第1隙間S1が形成されるようにエッジシール剤15を塗布することと、エッジシール剤15が基板1と延出部4eとの間に流入し、毛細管現象によって被封止物3の外周部にエッジシール剤15が充填され、第1隙間S1が周方向において閉じた後、エッジシール剤15を硬化させることと、を含む。【選択図】図14

Description

本発明は、封止構造の形成方法および封止構造に関する。
板状部材の間に被封止物を挟んで被封止物の外周部を封止する場合、液状のエッジシール剤を板状部材間に充填した後、エッジシール剤を硬化させて封止構造を形成することが知られている。
例えば、特許文献1には、TFT基板上にラミネーション接着剤層を介して配置された電子インク層をプロテクトシートで挟み、TFT基板とプロテクトシートとの間に光硬化型樹脂からなるエッジシール(エッジシール剤)を充填した電子インク表示装置が記載されている。電子インク層は、電子インクを封入したマイクロカプセルがバインダーの中に含まれて形成されている。
特許文献1には、エッジシールの充填方法としては、TFT基板とプロテクトシートとの間の空間における毛細管現象を利用してもよいことが開示されている。
特許文献2には、ガスバリア層を表面に有する透明保護膜と基板との間にマイクロカプセル表示層を含む前面板が配置され、透明保護膜と基板との間の前面板の外周部にシール樹脂層(エッジシール剤)が充填されたマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造方法が記載されている。
特表2007−534023号公報 特許第4839617号公報
しかしながら、上述のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1、2に記載の技術のように、被封止物を板状部材の間に挟んでから、被封止物の外周部に液状のエッジシール剤を充填する場合、被封止物とエッジシール剤との間に気泡が入りやすい。例えば、エッジシール剤の充填時に毛細管現象を利用する場合、エッジシール剤の塗布後に、充填速度等の条件が制御しにくいので、エッジシール剤の粘度、塗布速度、塗布量などのバラツキによって、気泡の入り方もばらついてしまう。気泡を低減するため、エッジシール剤の充填速度を遅くすることも考えられるが、その場合エッジシール剤の充填工程に時間がかかるため、製造コストが増大してしまうという問題がある。
エッジシール剤の硬化後、被封止物と、エッジシール剤が硬化したエッジシールとの間に大きな気泡が残ると、気泡内の水分が被封止物に拡散したり、エッジシールの強度が低下したりして、信頼性が低下するおそれがある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、被封止物とエッジシールとの間に気泡が入りにくい封止構造の形成方法および封止構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の封止構造の形成方法は、シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物と、前記被封止物が配置される基板と、前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆うことが可能なフィルムと、硬化可能な液体状のエッジシール剤と、を準備することと、前記基板上に前記被封止物を配置し、前記延出部が形成されるように前記被封止物を前記基板との間に挟んで前記フィルムを配置することと、前記延出部のうち前記平面視において前記第1角部から外方に延出する第1延出部の外周において周方向に第1隙間が形成されるように前記延出部に沿って、前記エッジシール剤を塗布することと、前記エッジシール剤が前記基板と前記延出部との間に流入し、毛細管現象によって前記基板および前記延出部に挟まれた前記被封止物の外周部に前記エッジシール剤が充填され、前記エッジシール剤の塗布時に形成された前記第1隙間が前記エッジシール剤の流動によって周方向において閉じた後、前記被封止物の前記外周部が全周にわたって前記エッジシール剤で囲まれた状態で前記エッジシール剤を硬化させることと、を含む。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記被封止物は、前記第1角部に面取りが施されて準備されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記第1角部の前記面取りは、前記平面視にて円弧状に形成されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記第1角部の前記面取りは、前記第1角部の凸状の頂部から分かれる2つの面によって形成されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記フィルムは、前記第1延出部に円弧状の面取りが施されて準備されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記被封止物は、前記平面視において凹状の第2角部をさらに有する多角形状の外形を有するように準備され、前記エッジシール剤を塗布する際には、前記延出部のうち前記平面視において前記第2角部から外方に延出する第2延出部の外周において周方向に第2隙間が形成されるように前記延出部に沿って、前記エッジシール剤を塗布することをさらに含み、前記エッジシール剤を硬化させる際には、前記第1隙間および前記第2隙間が前記エッジシール剤の流動によって周方向において閉じられた後に、前記エッジシール剤を硬化させてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記被封止物は、前記第2角部に面取りが施されて準備されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記第2角部の前記面取りは、前記平面視にて円弧状に形成されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記第2角部の前記面取りは、前記第2角部の凹状の底部から突出した頂部から分かれる2つの面によって形成されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記フィルムは、前記第2延出部に円弧状の面取りが施されて準備されてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記エッジシール剤を塗布する際には、前記エッジシール剤の粘度を、連続する1回の塗布において、前記基板上に塗布された前記エッジシール剤の少なくとも一部が、前記1回の塗布が終了する前に、前記被封止物の前記外周部に到達可能な大きさに調整しておくことにより、前記エッジシール剤の塗布と、塗布された前記エッジシール剤の前記毛細管現象による充填とが、並行して行われてもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記フィルムが準備される際、前記フィルムの外形が打ち抜き加工によって形成され、前記フィルムを配置する際、前記打ち抜き加工によるバリが前記基板と反対方向に向くように、前記フィルムを配置してもよい。
上記第1の態様の封止構造の形成方法においては、前記被封止物は、電気泳動表示媒体および対向電極を含んでおり、前記基板は、画素電極を含んでおり、前記フィルムは、水蒸気バリア性を有してもよい。
本発明の第2の態様の封止構造は、シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物が封止された封止構造であって、前記被封止物が配置された基板と、前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆っているフィルムと、前記平面視にて前記被封止物の全周に沿って、前記基板と前記延出部との間に充填されたエッジシールと、を備え、前記基板と前記延出部との間の空間領域に面する前記被封止物の外周部と、前記エッジシールとの間に、前記平面視にて前記延出部の延出量の50%以上の直径を有する気泡が含まれない。
本発明の第3の態様の封止構造は、シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物が封止された封止構造であって、前記被封止物が配置された基板と、前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆っているフィルムと、前記平面視にて前記被封止物の全周に沿って、前記基板と前記延出部との間に充填されたエッジシールと、を備え、前記被封止物の前記外形は、前記第1角部を含む複数の角部と、前記複数の角部のうち互いに隣り合う角部に挟まれた辺部と、を有しており、
前記エッジシールは、前記辺部を封止する辺部シールと、前記第1角部を封止する第1角部シールと、を有し、前記辺部シールは、前記平面視において、前記延出部のうち、前記辺部から延出する辺部延出部から外方にはみ出して形成され、前記第1角部シールは、前記平面視において、前記延出部のうち、前記第1角部から延出する第1延出部から外方にはみ出していないか、または前記辺部シールのはみ出し量よりもはみ出し量が少ない。
本発明によれば、被封止物とエッジシールとの間に気泡が入りにくい封止構造の形成方法および封止構造を提供することができる。
本発明の実施形態の封止構造の一例を示す模式的な平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成途中の一例を示す模式的な平面図である。 図2におけるB1部の拡大図である。 本発明の実施形態の封止構造における被封止物の一例を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の封止構造におけるフィルムの一例を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の封止構造における第1角部の近傍を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の封止構造における第2角部の近傍を示す模式的な平面図である。 図2におけるB2部の拡大図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。 図10におけるF−F断面図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。 図12におけるG−G断面図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法の作用を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の封止構造の形成方法の作用を示す模式的な平面図である。 比較例の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。 比較例の封止構造の形成方法の作用を示す模式的な平面図である。 比較例の封止構造の一例を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の変形例(第1〜第3変形例)の封止構造における角部の近傍を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の変形例(第4変形例)の封止構造における第2角部の近傍を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の変形例(第5変形例)の封止構造における被封止物の模式的な平面図である。
以下では、本発明の実施形態の封止構造の形成方法および封止構造について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の封止構造の一例を示す模式的な平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の実施形態の封止構造における基板の一例を示す模式的な平面図である。
本実施形態の封止構造について、図1、2に示す表示装置50の例で説明する。
図1、2に示すように、表示装置50は、基板1(封止構造)、被封止物3、フィルム4(封止構造)、およびエッジシール5(封止構造)を備える。表示装置50において、基板1、フィルム4、およびエッジシール5は、被封止物3を封止する本実施形態の封止構造を形成している。
図3に示すように、基板1は、基板本体1a、アクティブマトリックス部1b、共通電極接続部1c、ドライバ8、および外部接続部1eを備える。
基板本体1aは、例えば、ガラス板、樹脂フィルムなどの電気絶縁性の板状部材からなる。本実施形態では、基板本体1aの平面視の外形は、辺Xと、辺Yとを有する矩形状である。
アクティブマトリックス部1bは、後述する被封止物3の電気泳動層を画像表示単位である画素ごとにアクティブマトリックス駆動する回路である。アクティブマトリックス部1bは、後述する電気泳動層に電界を印加する画素電極と、画素電極の電界を制御する画素回路と、画素電極および画素回路に電圧を供給する配線、とを備える。
画素電極は、画素に対応してそれぞれ設けられ、画素ごとに電界を印加可能に形成されている。画素電極は、例えば、矩形格子状に配置されている。
アクティブマトリックス部1bは、例えば、アモルファスシリコン膜を用いた半導体プロセスによって製造されている。アクティブマトリックス部1bにおける画素回路は薄膜トランジスタを、配線はソース配線およびゲート配線を、それぞれ含んでいる。
画素電極および薄膜トランジスタは、画素に対応して矩形格子状に形成された複数の画素領域Pにそれぞれ配置されている。
基板本体1a上の画素領域Pの配置は特に限定されない。本実施形態では、画素領域Pは、一例として、基板本体1aの辺Xおよび辺Yにそれぞれ平行な格子状に配置されている。
以下では、基板本体1a上の位置関係について、x1方向、x2方向、y1方向、y2方向を用いて説明する場合がある。
x1方向は、辺Xに沿う方向のうち、図3における図示左側から右側に向かう方向である。x2方向は、辺Xに沿う方向のうち、x1方向と反対方向である。辺Xに沿う2方向を特に区別しない場合には、単にx方向と称する場合がある。
y1方向は、辺Yに沿う方向のうち、図3における図示下側から上側に向かう方向である。y2方向は、辺Yに沿う方向のうち、y1方向と反対方向である。辺Yに沿う2方向を特に区別しない場合には、単にy方向と称する場合がある。
アクティブマトリックス部1bにおいては、基板本体1a上にゲート電極と、容量電極とが形成され、このゲート電極と容量電極とは、ゲート絶縁膜で覆われている。アクティブマトリックス部1bにおける各薄膜トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜の上に、ゲート電極と対向させて、i型アモルファスシリコンからなるi型の半導体膜が形成されている。i型の半導体膜の両側部の上には、n型不純物をドープしたアモルファスシリコンからなるn型の半導体層が形成されている。そして、n型の半導体層の上に、ソース電極とドレイン電極のそれぞれが形成されている。
なお、i型の半導体膜のチャンネル領域の上に、ブロッキング絶縁膜が形成されている。このブロッキング絶縁膜は、薄膜トランジスタの製造工程において、n型の半導体層をi型の半導体膜のチャンネル領域の上で分離する際に、i型半導体膜を保護するために設けられている。
各画素においてデータを記憶(保持)するために構成される容量の一方の電極は、薄膜トランジスタのドレイン電極で構成されている。また、ドレイン電極の領域内のコンタクトホールの位置に開口部を形成するように層間絶縁膜が形成されている。画素におけるドレイン電極と画素電極とは、層間絶縁膜の開口部に形成されたコンタクトホールを介して接続されている。
本実施形態では、共通電極接続部1cは、アクティブマトリックス部1bのx1方向における端部からx1方向に離間した2箇所に形成されている。各共通電極接続部1cは、アクティブマトリックス部1bのx1方向の端部のうちy方向の両端部とそれぞれ対向している。さらに、各共通電極接続部1cは、y方向において互いに対向している。
共通電極接続部1cは、アクティブマトリックス部1bを製造する半導体プロセスによって、アクティブマトリックス部1bと同様にして基板本体1a上に形成されており、共通電極接続部1cは、後述する導電性接着剤2を通して、被封止物3と電気的に接続されている。
ドライバ8は、外部から入力される画像信号をアクティブマトリックス部1bの駆動信号に変換する。ドライバ8は、基板本体1a上に形成された図示略のランド等の接続電極に電気的に接続されている。ドライバ8が接続された接続電極は、基板本体1a上に形成された配線部1fを通して、アクティブマトリックス部1bおよび後述する外部接続部1eに電気的に接続されている。配線部1fは、絶縁層1hに覆われており、被封止物3に対して絶縁されている。
外部接続部1eは、適宜のコネクタからなる。外部接続部1eは、外部から画像信号を入力し、表示装置50に駆動電力を供給するために用いられる。
被封止物3は、平面視において、アクティブマトリックス部1bおよび各共通電極接続部1cの全体と、配線部1fの一部と、を上方から覆い、かつドライバ8、外部接続部1e、およびこれらの近傍の配線部1fを覆わない範囲に形成される。被封止物3の平面視形状の詳細については後述する。
まず、被封止物3の内部構成について説明する。
図4は、図2におけるB1部の拡大図である。
図4に示すように、被封止物3は、接着層3a、電気泳動層3b(電気泳動表示媒体)、透明電極層3c(対向電極)、および絶縁フィルム3dが厚さ方向においてこの順に配置されている。
特に図示しないが、接着層3a、電気泳動層3b、透明電極層3c、および絶縁フィルム3dの外周部の形状は、互いに同一であり、平面視の外周部の各外形線は、互いに面一である。
接着層3aは、アクティブマトリックス部1bの全体を上側から覆うように配置されている。ただし、突出部3B、3Cにおける接着層3aには、それぞれ共通電極接続部1cと接触しないように開口部が設けられている。
接着層3aは、アクティブマトリックス部1bの画素電極と接触している。
電気泳動層3bは、接着層3aと同様、アクティブマトリックス部1bの全体を上側から覆うように、接着層3a上に配置されている。なお接着層3aは若干の導電性を有しており、画素電極に電圧が印加されると、画素電極から電界が電気泳動層3bに印加される。
電気泳動層3bの構成は、電気泳動式の表示が可能であれば、周知の適宜の方式を採用できる。例えば、電気泳動層3bとしては、マイクロカップ方式、マイクロカプセル方式等が用いられてもよい。
例えば、電気泳動層3bとしてマイクロカップ方式が用いられる場合、電気泳動層3bは、平面視で複数の空間に分割する隔壁と、各空間内に配置された電気光学媒体とを有する。隔壁は樹脂で形成されている。表示媒体層に形成される複数の空間は微小であるため、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂で隔壁を形成すると好適である。
電気光学媒体は、電気泳動粒子と、電気泳動粒子を分散させるための液相分散媒とを有する。電気泳動粒子として、分散媒中の電界による電気泳動により移動する性質を有する有機粒子または無機粒子を使用できる。液相分散媒としては、水系、アルコール系、石油系等の各種溶媒を使用できる。
電気光学媒体の他の例としては、ポリマーネットワーク液晶媒体等が挙げられる。
透明電極層3cは、光透過性を有する導電性材料で形成される。例えば、透明電極層3cは、ITO(酸化インジウムスズ)などで形成されてもよい。
透明電極層3cは、アクティブマトリックス部1bの全体および共通電極接続部1cを上方から覆うように電気泳動層3b上に配置される。
透明電極層3cは、表示装置50において、電気泳動層3bと接着層3aを挟んでアクティブマトリックス部1bの画素電極と対向配置される対向電極を構成する。
導電性接着剤2は、各共通電極接続部1cと被封止物3の対向電極とを電気的に接続するものである。導電性接着剤2は、対向電極である透明電極層3cと各共通電極接続部1cとの間に配置されており、透明電極層3cと各共通電極接続部1cとを互いに導通させる。このため、透明電極層3cは、共通電極接続部1cと同電位とされる。
例えば、導電性接着剤2としては、銀ペースト、カーボン・ペーストなどの導電ペーストが用いられてもよい。
絶縁フィルム3dは、透明電極層3cを支持するとともに、透明電極層3cを外部から絶縁するため、被封止物3の上側の表面を覆うように配置された透明なシート部材である。絶縁フィルム3dとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の樹脂フィルムが用いられてもよい。
次に、被封止物3の平面視の詳細形状について説明する。
図5は、本発明の実施形態の封止構造における被封止物の一例を示す模式的な平面図である。
図5に示すように、被封止物3は、本体部3Aおよび突出部3B、3Cからなる。図5に記載の矢印x1、x2、y1、y2は、それぞれ被封止物3を表示装置50に取り付けたときのx1方向、x2方向、y1方向、y2方向を示す。
図3に示すように、本体部3Aは、アクティブマトリックス部1bの外周部よりもわずかに外側に膨出した平面視略矩形状の部位である。
突出部3B、3Cは、本体部3Aのx1方向の端部からさらにx1方向に突出し、それぞれ共通電極接続部1cを覆う平面視略矩形状の部位である。突出部3Bおよび本体部3Aのy1方向の側面は面一である。突出部3Cおよび本体部3Aのx2方向の側面は面一である。
y方向において、突出部3B、3Cの間には、ドライバ8を上方から配置可能な領域が設けられている。
これにより、図5に示すように、被封止物3の平面視の外形は、6つの凸状の角部C1、C2、C3、C4、C5、C6(第1角部)と、2つの凹状の角部D1、D2(第2角部)を備える凹八角形状である。ここで、多角形における凸状の角部とは内角が凸角(0°を超え180°未満の角度)の角部を、凹状の角部とは多角形の内角が凹角(180°を超え360°未満の角度)の角部を意味する。
以下、角部C1〜C6を区別する必要がない場合には、角部C、各角部Cなどと略記する。角部D1、D2を区別する必要がない場合には、角部D、各角部Dなどと略記する。
角部C1は、x方向に延びる直線状の辺部E8と、y方向に延びる直線状の辺部E1に挟まれて形成されている。辺部E8は、本体部3Aおよび突出部3Cのy1方向の外形を形成している。辺部E1は、本体部3Aのx2方向の外形を形成している。なお、辺部E8、E1は平面視では直線状であるが、被封止物3の側面の一部を構成する平面である(以下の他の辺部も同様)。
角部C1において辺部E8、E1のなす角(内角)は90°である。以下、角部を形成する辺部のなす角に関しては、特に断らない限り、辺部による多角形の内角で表す。
角部C2は、辺部E1と、x方向に延びる直線状の辺部E2と、に挟まれて形成されている。辺部E2は、本体部3Aおよび突出部3Bのy2方向の外形を形成している。角部C2において辺部E1、E2のなす角は90°である。
角部C3は、辺部E2と、y方向に延びる直線状の辺部E3と、に挟まれて形成される。辺部E3は、突出部3Bのy2方向の外形を形成している。角部C3において辺部E2、E3のなす角は90°である。
角部C4は、辺部E3と、x方向に延びる直線状の辺部E4と、に挟まれて形成されている。辺部E4は、突出部3Bのy1方向の外形を形成している。角部C4において辺部E3、E4のなす角は90°である。
角部D1は、辺部E4と、y方向に延びる直線状の辺部E5と、に挟まれて形成されている。辺部E5は、本体部3Aのx1方向の外形を形成している。角部D1において辺部E4、E5のなす角は270°である。
角部D2は、辺部E5と、x方向に延びる直線状の辺部E6と、に挟まれて形成されている。辺部E6は、突出部3Cのy2方向の外形を形成している。角部D2において辺部E5、E6のなす角は270°である。
角部C5は、辺部E6と、y方向に延びる直線状の辺部E7と、に挟まれて形成される。辺部E7は、突出部3Cのx1方向の外形を形成している。角部C5において辺部E6、E7のなす角は90°である。
角部C6は、辺部E7、E8に挟まれて形成される。角部C6において辺部E7、E8のなす角は90°である。
以下、辺部E1〜E8を区別する必要がない場合には、辺部E、各辺部Eなどと略記する。
各角部Cには、各凸端部の突出量を低減する面取りMCが形成されている。
面取りMCは、角部Cにおける各辺部Eを構成する各側面に跨がってそれぞれの側面と異なる方向に延びて形成される平面または曲面である。面取りMCの平面視形状は特に限定されず、例えば、各辺部Eの端点を結ぶ直線状でもよいし、各辺部Eの端点を結ぶ円弧状などの曲線状でもよい。直線状の面取りの場合、面取り角度が45°の面取りでもよいし、45°以外の面取り角度の面取りでもよい。
図5に示す例では、各角部Cには、平面視において外側に凸の円弧状の面取りMCが形成されている。各面取りMCの半径は、アクティブマトリックス部1bを上方から覆うことができれば特に限定されない。以下では、一例として、各角部Cの面取りMCの半径は一定値RCとして説明する。ただし、各面取りMCの半径は、角部Cの位置によって異なっていてもよい。
例えば、RCの値は、0.1mm以上、5.0mm以下であってもよい。RCの値は、0.2mm以上、2.0mm以下であることがより好ましい。
各角部Dには、各凹端部におけるへこみ量を低減する面取りMDが形成されている。
面取りMDは、角部Dにおける各辺部Eを構成する各側面に跨がってそれぞれの側面と異なる方向に延びて形成される平面または曲面である。面取りMDの平面視形状は特に限定されず、例えば、各辺部Eの端点を結ぶ直線状でもよいし、各辺部Eの端点を結ぶ円弧状などの曲線状でもよい。直線状の面取りの場合、45°の面取りでもよいし、45°以外の面取り角度の面取りでもよい。
図5に示す例では、各角部Dには、平面視において凹状(内側に凸)の円弧状の面取りMDが形成されている。各面取りMDの半径は、特に限定されない。以下では、一例として、各角部Dの面取りMDの半径は一定値RDとして説明する。ただし、各角部Dの面取りMDの半径は、角部Dの位置によって異なっていてもよい。
例えば、RDの値は、0.1mm以上、5.0mm以下であってもよい。RDの値は、0.2mm以上、3.0mm以下であることがより好ましい。
このような被封止物3を製造するには、例えば、シート状の絶縁フィルム3dの上に透明電極層3cを作製し、その上に電気泳動層3bと接着層3aを作製して被封止物3を形成する。例えば、電気泳動層3bがマイクロカップ型電気泳動層の場合には、電気泳動層3bは隔壁とそれに囲まれた電気泳動媒体とから構成されており、電気泳動媒体は帯電した種々の色粒子と溶媒から構成されている。この後、積層体の外形を例えば、レーザー或いはトムソン刃によって切断する。
また開口部である共通電極接続部1cへの接続部は、化学的処理及び研磨により電気泳動層3bと接着層3aを除去して透明電極層3cを露出させる。
図2に示すように、フィルム4は、表示装置50において、基板1とは反対側の表面を形成する透明なシート部材である。
フィルム4は、被封止物3の上面に重ね合わされる下面4a(基板に向かい合う表面)と、表示装置50の表面を形成する上面4bとを備える。フィルム4の側面4cは、下面4aおよび上面4bと直交する方向に延びている。フィルム4の側面4cは、フィルム4の平面視における外形を形成している。
フィルム4としては、被封止物3の信頼性を向上するため、水蒸気バリア性フィルムが用いられることがより好ましい。例えば、フィルム4としては、シリカ等の無機材料または金属層からなるバリア層を、PETフィルム等の樹脂フィルムで挟んだ積層フィルムが用いられてもよい。
図1に示すように、フィルム4は、平面視にて被封止物3の外周部からさらに外側に延出するように重ね合わせることができる形状および大きさを有する。
表示装置50において、フィルム4の外周部には、平面視にて被封止物3の外形の全周にわたって、被封止物3の外形の外方に延出する延出部4eが形成されている。延出部4eの延出量は、周方向において変化していてもよいが、全周にわたって略一定であることがより好ましい。延出部4eの延出量が周方向において変化する場合、各角部C、Dの近傍で変化し、各角部C、Dから離れた各辺部Eからの延出量は一定であることがより好ましい。
このため、フィルム4の平面視の外形は、被封止物3よりも大きな凹八角形状であることがより好ましい。フィルム4の平面視の外形は、被封止物3の平面視の外形と相似形または略相似形であることがさらに好ましい。
以下、フィルム4の平面視の外形について、図6に示す例で説明する。
図6は、本発明の実施形態の封止構造におけるフィルムの一例を示す模式的な平面図である。図7は、本発明の実施形態の封止構造における第1角部の近傍を示す模式的な平面図である。図8は、本発明の実施形態の封止構造における第2角部の近傍を示す模式的な平面図である。図9は、図2におけるB2部の拡大図である。
図6に示すように、フィルム4は、本体部4Aおよび突出部4B、4Cからなる。図6に記載の矢印x1、x2、y1、y2は、それぞれフィルム4を表示装置50に取り付けたときのx1方向、x2方向、y1方向、y2方向を示す。
本体部4Aは、被封止物3の本体部3Aを覆う平面視略矩形状の部位である。
突出部4B、4Cは、被封止物3の突出部3B、3C覆う平面視略矩形状の部位である。
図1に示すように、y方向において、突出部4B、4Cの間には、ドライバ8を上方から配置可能な領域が設けられている。
これにより、図6に示すように、フィルム4の平面視の外形は、6つの凸状の角部c1、c2、c3、c4、c5、c6と、2つの凹状の角部d1、d2を備える凹八角形状である。
以下、角部c1〜c6を区別する必要がない場合には、角部c、各角部cなどと略記する。角部d1、d2を区別する必要がない場合には、角部d、各角部dなどと略記する。
角部c1は、x方向に延びる直線状の辺部e8と、y方向に延びる直線状の辺部e1に挟まれて形成されている。辺部e8は、本体部4Aおよび突出部4Cのy1方向の外形を形成している。辺部e1は、本体部4Aのx2方向の外形を形成している。なお、辺部e8、e1は平面視では直線状であるが、フィルム4の側面の一部を構成する平面である(以下の他の辺部も同様)。
角部c1において辺部e8、e1のなす角は90°である。
角部c2は、辺部e1と、x方向に延びる直線状の辺部e2と、に挟まれて形成されている。辺部e2は、本体部4Aおよび突出部4Bのy2方向の外形を形成している。角部c2において辺部e1、e2のなす角は90°である。
角部c3は、辺部e2と、y方向に延びる直線状の辺部e3と、に挟まれて形成される。辺部e3は、突出部4Bのy2方向の外形を形成している。角部c3において辺部e2、e3のなす角は90°である。
角部c4は、辺部e3と、x方向に延びる直線状の辺部e4と、に挟まれて形成されている。辺部e4は、突出部4Bのy1方向の外形を形成している。角部c4において辺部e3、e4のなす角は90°である。
角部d1は、辺部e4と、y方向に延びる直線状の辺部e5と、に挟まれて形成されている。辺部e5は、本体部4Aのx1方向の外形を形成している。角部d1において辺部e4、e5のなす角は270°である。
角部d2は、辺部e5と、x方向に延びる直線状の辺部e6と、に挟まれて形成されている。辺部e6は、突出部4Cのy2方向の外形を形成している。角部d2において辺部e5、e6のなす角は270°である。
角部c5は、辺部e6と、y方向に延びる直線状の辺部e7と、に挟まれて形成される。辺部e7は、突出部4Cのx1方向の外形を形成している。角部c5において辺部e6、e7のなす角は90°である。
角部c6は、辺部e7、e8に挟まれて形成される。角部c6において辺部e7、e8のなす角は90°である。
以下、辺部e1〜e8を区別する必要がない場合には、辺部e、各辺部eなどと略記する。
各角部cには、各凸端部に突出量を低減する面取りMcが形成されている。面取りMCと同様、面取りMcの平面視形状は特に限定されず、例えば、直線状でもよいし、円弧状などの曲線状でもよい。
図6に示す例では、各角部cには、平面視において外側に凸の円弧状の面取りMcが形成されている。各面取りMcの半径は、延出部4eを形成するように被封止物3を上方から覆うことができれば特に限定されない。
各角部Cから延出する延出部4eの延出量は、後述するエッジシール剤の充填時の気泡形成を抑制する観点では、長くなりすぎないことが好ましい。例えば、各角部Cからの延出部4eの延出量は、各角部Cから離れた辺部Eから延出する延出部4eの延出量の√2倍以下であることが好ましく、各角部Cから離れた辺部Eから延出する延出部4eの延出量以下であることがより好ましい。
以下では、一例として、各角部cの面取りMcの半径は一定値Rcとして説明する。ただし、各角部cの面取りMcの半径は、角部cの位置によって異なっていてもよい。
例えば、図7に角部c1の例を示すように、延出部4eのうち、辺部E1と辺部e1とで挟まれた延出部4e1および辺部E8と辺部e8とで挟まれた延出部4e8の延出量が、それぞれLEeに等しいとする。この場合、延出部4eのうち、角部C1の先端から外方に延出する延出部4ec1(第1延出部)の延出量の最大値は、角部c1の角を二等分する中心線(図示一点鎖線参照)に沿う方向において、面取りMCと面取りMcとに挟まれた幅LCcに等しい。
この場合、LCc≦LEe×√2となる条件は、Rc≧RCである。
特に、Rc>RC+LEeの場合、LCcは、LEeよりも小さくなる。この場合、延出部4eの延出量は、角部C1を辺部E1から辺部E8に向かって曲がるにつれて、LEeからLCcに向かって漸次減少し、角部c1の先端で最小値LCcとなり、LCcからLEeに向かって漸次増大する。
Rc=RC+LEeの場合、LCcは、LEeに等しい。すなわち、延出部4eの延出量は、角部C1を辺部E1から辺部E8に向かって曲がっても一定である。
Rc<RC+LEeの場合、LCcは、LEeよりも大きい。この場合、延出部4eの延出量は、角部C1を辺部E1から辺部E8に向かって曲がるにつれて、LEeからLCcに向かって漸次増大し、角部c1の先端で最大値LCcとなり、LCcからLEeに向かって漸次減少する。
以上から、図7に示す例では、Rc≧RCであることがより好ましく、Rc=RC+LEeであることがさらに好ましく、Rc>RC+LEeであることが特に好ましい。
角部c1以外の角部cにおけるRcとRCとの好ましい関係も同様である。
各角部dには、各凹端部にへこみ量を低減する面取りMdが形成されている。面取りMDと同様、面取りMdの平面視形状は特に限定されず、例えば、直線状でもよいし、円弧状などの曲線状でもよい。
図6に示す例では、各角部dには、平面視において凹状(内側に凸)の円弧状の面取りMdが形成されている。各面取りMdの半径は、延出部4eを形成するように被封止物3を上方から覆うことができれば特に限定されない。
各角部Dから延出する延出部4eの延出量は、後述するエッジシール剤の充填時の気泡形成を抑制する観点では、長くなりすぎないことが好ましい。例えば、各角部Dからの延出部4eの延出量は、各角部Dから離れた辺部Eから延出する延出部4eの延出量の√2倍以下であることが好ましく、各角部dから離れた辺部Eから延出する延出部4eの延出量以下であることがより好ましい。
以下では、一例として、各角部dの面取りMdの半径は一定値Rdとして説明する。ただし、各面取りMdの半径は、角部dの位置によって異なっていてもよい。
例えば、図8に角部d2の例を示すように、延出部4eのうち、辺部E5と辺部e5とで挟まれた延出部4e5および辺部E6と辺部e6とで挟まれた延出部4e6の延出量が、それぞれLEeに等しいとする。この場合、延出部4eのうち、角部D1の凹端部(最奥部)から外方に延出する延出部4ed2(第2延出部)の延出量は、角部d2の角を二等分する中心線(図示一点鎖線参照)に沿う方向において、面取りMDと面取りMdとに挟まれた幅LDdに等しい。
この場合、LDd≦LEe×√2となる条件は、Rd≦RDである。
特にRd<RD−LEeの場合、LDdは、LEeよりも小さい。この場合、延出部4eの延出量は、角部D2を辺部E5から辺部E6に向かって曲がるにつれて、LEeからLDdに向かって漸次減少し、角部c1の先端で最小値LCcとなり、LCcからLEeに向かって漸次増大する。
Rd=RD−LEeの場合、LDdは、LEeに等しい。すなわち、延出部4eの延出量は、角部D2を辺部E5から辺部E6に向かって曲がっても一定である。
Rd>RD−LEeの場合、LDdは、LEeよりも大きい。この場合、延出部4eの延出量は、角部D2を辺部E5から辺部E6に向かって曲がるにつれて、LEeからLDdに向かって漸次増大し、角部d2の最奥部で最大値LDdとなり、LDdからLEeに向かって漸次減少する。
以上から、図8に示す例では、Rd≦RDであることがより好ましく、Rd=RD−LEeであることがさらに好ましく、Rd<RD−LEeであることが特に好ましい。
角部d1におけるRdとRDとの好ましい関係も同様である。
このようなフィルム4は、フィルム4の材料となる単体フィルムまたは積層フィルムをトムソン刃による打ち抜き加工によってフィルム4の外形に切断することによって製造できる。この場合、フィルム4の外周部には、加工上のバリが生じる。
フィルム4の外周部に生じるバリは、後述するエッジシール剤の流動の支障になるおそれがあるので、突出方向が基板1と反対側になるようにフィルム4を配置することがより好ましい。
例えば、図9に示すように、下面4aから上面4bに向かう方向が打ち抜き加工の打ち抜き方向の場合、バリ4dは、打ち抜き方向に突出するように、上面4bの外周部に形成される。このため、本実施形態では、表示装置50において、バリ4dが、図示略の基板1とは反対側を向くように、フィルム4が配置されている。
図2に示すように、エッジシール5は、基板1と延出部4eとの間に充填されている。平面視では、図1に示すように、エッジシール5は、被封止物3の全周に沿って充填されている。
エッジシール5としては、例えば、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂などのエッジシール剤の硬化物が用いられる。エッジシール5の樹脂の種類は、必要な封止性能が得られれば、特に限定されない。例えば、エッジシール5の樹脂の種類としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂などが用いられてもよい。
エッジシール5は、後述する本実施形態の封止構造の形成方法によって形成される。これにより、エッジシール5と被封止物3との間に封止性を損なうおそれがある気泡が形成されない。
ここで、封止性を損なう気泡としては、例えば、被封止物3から外部への連通路を形成する気泡、経時的に連通路が形成されるおそれがある気泡など、が挙げられる。
例えば、気泡と外部との間のエッジシール5の厚みが薄すぎると、エッジシール5の経時劣化によって、外部から気泡までの連通路が形成されやすくなる。このため、気泡の直径の最大値(以下、単に、気泡の直径)が、延出部4eの延出量に対して十分小さいことが必要である。例えば、気泡の直径は、気泡を覆う部位の延出部4eの延出量の50%以下であることが必要である。気泡の直径は、小さいほどより好ましく、例えば、延出量の25%以下であることがより好ましく、延出量の10%以下であることがさらに好ましい。
後述する本実施形態の封止構造の形成方法によれば、気泡はまったく形成されないか、または、図1に模式的に示すように、気泡6が形成されても、その直径は、延出部4eの延出量の50%以下である。気泡6が形成される場合、気泡6は、被封止物3の角部の近傍に形成される事が多い。
後述する本実施形態の封止構造の形成方法によれば、エッジシール5は、辺部シールSE、第1角部シールSC、第2角部シールSDに分類される。
辺部シールSEは、各辺部Eにおいて被封止物3を封止する部位である。辺部シールSEは、平面視では各辺部Eに沿って直線状に形成されており、延出部4eのうち各辺部Eから延出する延出部4eE(辺部延出部)よりも外方にはみ出して形成されている。
辺部シールSEの長さは、後述する本実施形態の封止構造の形成方法におけるエッジシール剤の塗布長さに依存する。
第1角部シールSCは、各角部Cにおいて被封止物3を封止する部位であり、各角部Cを形成する各辺部Eにおける各辺部シールSEと周方向に接続している。
第1角部シールSCは、平面視では各角部Cに沿って形成されており、延出部4eのうち各角部Cから延出する延出部4eC(第1延出部)からはみ出していないか、外方にはみ出している場合でも第1角部シールSCのはみ出し量よりもはみ出し量が少ない。このため、第1角部シールSCにおいては、辺部シールSEとの接続部から漸次はみ出し量が減少し、少なくとも角部Cの凸端部に対向する部位ではみ出し量が略最小になっている。
なお、図1に示す例では、辺部シールSEは、基板1の外縁まで形成されているが、必ずしも基板1の外縁まで覆う必要はない。
第2角部シールSDは、各角部Dにおいて被封止物3を封止する部位であり、各角部Dを形成する各辺部Eにおける各辺部シールSEと周方向に接続している。
第2角部シールSDは、平面視では各角部Dに沿って形成されており、延出部4eのうち各角部Dから延出する延出部4eD(第2延出部)からはみ出していないか、外方にはみ出している場合でも第2角部シールSDのはみ出し量よりもはみ出し量が少ない。
図2に示すように、延出部4eから外方にはみ出しているエッジシール5は、基板1の上面1gとフィルム4の側面4cと密着することによって、フィルム4の外周部を全周にわたって封止している。図9に示す例では、エッジシール5は、フィルム4のバリ4dと同高さまで形成されているが、エッジシール5の上面は、バリ4dまたは上面4bよりも低くてもよい。
以上説明したように、表示装置50においては、被封止物3は、基板1、フィルム4、およびエッジシール5からなる本実施形態の封止構造によって、封止される。
次に、表示装置50の製造方法について、本実施形態の封止構造の形成方法を中心に説明する。
図10〜15は、本発明の実施形態の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。ただし、図11、13は、それぞれ、図10、12におけるF−F断面図およびG−G断面図である。
表示装置50を製造するには、上述した被封止物3、基板1、およびフィルム4を準備する。さらに、硬化することによってエッジシール5が形成可能な液体状のエッジシール剤を準備する。ただし、エッジシール剤は、後述する塗布工程を行うまでに準備すればよい。
まず、図10、11に示すように、準備した基板1上に被封止物3を配置して、積層体61を形成する。
具体的には、各共通電極接続部1c上に導電性接着剤2をそれぞれ塗布した後、被封止物3を載置する。図10に示すように、被封止物3は、本体部3Aがアクティブマトリックス部1bの全体を覆い、突出部3B、3Cがそれぞれ共通電極接続部1cの全体を覆うように位置合わせされる。
導電性接着剤2の塗布高さは、被封止物3の接着層3aおよび電気泳動層3bの合計厚さよりも高くしておく。また導電性接着剤2は、被封止物3に設けられた開口部を経由して透明電極層3cの下面に接触するように位置合わせされる。
この後、図11に示すように、加熱状態にて貼合することによって、接着層3aがアクティブマトリックス部1bに接触し、被封止物3は基板1に固定される。それと略同時に導電性接着剤2は、加熱加圧状態にて貼合することによって固化され、共通電極接続部1cと透明電極層3cとが電気的に接続される。
以上で、積層体61が形成される。
この後、図12、13に示すように、積層体61の被封止物3上に下面4aを向けた状態でフィルム4を配置して積層体62を形成する。このとき、フィルム4の図示略のバリ4dは、基板1と反対側に位置する上面4bの上側に突出している。
フィルム4の下面4aは、被封止物3上に配置する前に、荒し処理されてもよい。荒し処理は少なくとも延出部4eを形成する外周部に施されればよいが、下面4aの全面に施されてもよい。
荒し処理としては、例えば、プラズマ処理が用いられる。
フィルム4は、必要な延出量を有する延出部4eが形成されるように被封止物3に対して位置合わせされる。例えば、辺部延出部である延出部4eEの延出量が、各辺においていずれもLEeになるように、フィルム4が位置合わせされる。
この後、貼合することによって、被封止物3の上面(絶縁フィルム3d)に固定される。
以上で、積層体62が形成される。
積層体62において、基板本体1aの上面1gと、延出部4eの下面4aとの間には、高さ方向の幅がhの空間領域Sが形成される。
hは、アクティブマトリックス部1bと被封止物3との合計の厚さに等しい。
hは、毛細管現象によって準備されたエッジシール剤が空間領域Sに良好に浸透できる大きさとする。例えば、hは、0.05mm以上、0.5mm以下であってもよい。
この後、図14に示すように、準備されたエッジシール剤15を塗布する。
エッジシール剤15は、図示略のディスペンサなどによって、フィルム4の各辺部eに沿って、平面視で、フィルム4よりも外方の基板本体1a上に塗布される。ただし、エッジシール剤15は、被封止物3の各角部Cから延出される各延出部4eCの外周では、周方向において第1隙間S1を空けて塗布される。
例えば、角部C2から延出する延出部4eCの外周では、辺部e1に沿って延びる塗布体5Aのy2方向における端部5aと、辺部e2に沿って延びる塗布体5Aのx2方向における端部5bと、の間に第1隙間S1が形成される。他の延出部4eCの外周でも同様の第1隙間S1が形成される。
第1隙間S1は、少なくとも角部CからRcの距離に塗布時にエッジシール剤15が無い事が好ましく、Rcの10倍まで塗布時シール剤が無いような長さでもよい。
例えば、第1隙間S1は、角部Cにおいて2つの辺部Eで形成される頂角の二等分する中心線に関して線対称に形成することがより好ましい。あるいは、第1隙間S1は、第1隙間S1を空けて周方向に隣り合うエッジシール剤15が毛細管現象によって移動することによって、角部Cにおいて互いに接することができるように形成されることがより好ましい。
このような第1隙間S1が形成される場合、角部Cの近傍の空気が、各エッジシール剤15の移動に伴って漸次狭まる第1隙間S1を通して、角部Cから外方に逃げやすくなるので、角部Cの近傍に気泡が閉じ込められにくくなる。
エッジシール剤15は、被封止物3の各角部Dから延出される各延出部4eDの外周では、周方向において第2隙間S2を空けて塗布される。
例えば、角部D1から延出する延出部4eDの外周では、辺部e4に沿って延びる塗布体5Aのx2方向における端部5cと、辺部e5に沿って延びる塗布体5Aのy2方向における端部5dと、の間に第2隙間S2が形成される。他の延出部4eDの外周でも同様の第2隙間S2が形成される。
第2隙間S2は、少なくとも角部DからRdの距離には塗布時にエッジシール剤15が無い事が好ましく、Rdの10倍まで塗布時シール剤が無くてもよい。
例えば、第2隙間S2は、角部Dにおいて2つの辺部Eで形成される頂角の二等分する中心線に関して線対称に形成することがより好ましい。あるいは、第2隙間S2は、第2隙間S2を空けて周方向に隣り合うエッジシール剤15が毛細管現象によって移動することによって、角部Dにおいて互いに接することができるように形成されることがより好ましい。
このような第2隙間S2が形成される場合、角部Dの近傍の空気が、各エッジシール剤15の移動に伴って漸次狭まる第2隙間S2を通して、角部Dから外方に逃げやすくなるので、角部Dの近傍に気泡が閉じ込められにくくなる。
この結果、エッジシール剤15は、各辺部eに沿う8本の塗布体5Aに分けて塗布される。
なお、塗布体5Aは、1つのディスペンサで1つずつ塗布してもよいし、複数のディスペンサを用いて、2本以上を同時並行的に塗布してもよい。
第1隙間S1、第2隙間S2の広さは、エッジシール剤15の粘度、延出部4eの延出量などに応じて設定される。具体的には、第1隙間S1、第2隙間S2の広さは、後述する毛細管現象によって塗布体5Aが対応する被封止物3の辺部Eまで充填されるまでは、互いに周方向に隣り合う塗布体5Aの端部同士が互いに接触できない大きさに設定される。
各塗布体5Aは、例えば、図15(a)に示すように、ディスペンサ63からエッジシール剤15を下方に吐出させるとともに、ディスペンサ63を辺部eに沿って移動させることによって形成される。基板本体1aの上面1gに形成された塗布体5Aは、その自重と粘度に応じて上面1g上に広がる(図示左右矢印参照)。
図15(b)に示す塗布体5Bのように、一部が、下面4aと上面1gとの間の空間領域Sに進入すると、毛細管現象によって塗布体5Bが流動し被封止物3に向かって引き込まれる。
このとき、フィルム4のバリ4d(図示略)が上面4bから突出していても、下面4aと辺部eとのなす角部は滑らかである。このため、塗布体5Bが円滑に引き込まれる。
空間領域Sにおける被封止物3の辺部Eと塗布体5Bとの間の空気は、塗布体5Bの移動に伴って、塗布体5Bの長手方向に押し出される。この結果、図15(c)に示すように空間領域Sは塞がれる。塗布体5Cは辺部E、上面1g、および下面4aと密着する。このようにして、空間領域Sにエッジシール剤15が充填される。
以上、塗布後の塗布体5Aを放置することによって毛細管現象による塗布体5Cの形成が進む場合の例で説明した。しかし、エッジシール剤15が硬化する前に、以下のようにして、エッジシール剤15の流動を促進してもよい。
例えば、適宜の加熱手段を用いて塗布体5A、基板本体1a等を加熱してもよい。この場合、塗布体5Aを構成するエッジシール剤15の粘度が低下するので、より迅速に塗布体5Cを形成できる。
例えば、塗布体5Aの形成時または形成後に、塗布体5Aに対応する辺部Eが塗布体5Aの下方に位置するように積層体62を配置してもよい。この場合、塗布体5Aに作用する重力によって塗布体5Aの移動が促進される。この結果、より迅速に塗布体5Cを形成できる。
以上、エッジシール剤15が毛細管現象によって空間領域Sに充填される充填過程を一断面において説明した。このような充填過程は、塗布体5Aの塗布開始端から塗布終了端に向かう長手方向において時間差をもって進行する。このため、図15(b)に示すような空気は、塗布方向における先端側に向かって円滑に押し出される。これにより、毛細管現象が良好に作用する場合には、塗布体5Cと辺部Eとの間には、ほとんど気泡が生じることはない。
塗布体5Aが形成されたとき、それぞれの長手方向の端部に第1隙間S1が形成されている。このため、図16(a)に示すように、角部Cを挟んで塗布体5Cが形成されるとき、各塗布体5Cの長手方向の端部f1、f2の間には、第1隙間S1よりわずかに狭い第1隙間S1’が形成されている。
第1隙間S1’を隔てて、角部Cの周方向に隣り合う各塗布体5Cの端部f1、f2は、延出部4eCと上面1gとの間の空間領域Sの毛細管現象によって、角部Cおよび延出部4eCに沿って移動する。
塗布体5Aが角部Cの近くで被封止物3と接触すると毛細速度が速くなり、図16(b)に示すように、端部f1、f2は、角部Cにおける面取りMCに沿って互いに周方向に接近する。このため、端部f1、f2の間には、角部Cの外方に向かうにつれて開口量が大きくなる平面視V字状の第1隙間S1’’が形成される。
この後、端部f1、f2は、面取りMCに近い方から漸次外方に向かって互いに会合し周方向に連続する塗布体5Dが形成される。この過程で、第1隙間S1’’は、面取りMCに近い方から漸次閉じていくので、端部f1、f2の間には、気泡が挟まれにくい。
端部f1、f2の会合時における面形状のばらつきなどによっては、面取りMCと塗布体5Dとの間に気泡6が形成されるおそれがあるが、後述する比較例に比べると気泡6の直径は格段に小さい。
第1隙間S1は、周方向に互いに隣り合う塗布体5Cの端部f1、f2が周方向に移動することによって閉じられるため、塗布体5Cにおいて延出部4eCの外方へのはみ出し量は、角部Cから離れた塗布体5Cのはみ出し量に比べて減少する。
なお、図16(c)に示す例では、塗布体5Dが面取りMcから外方に、はみ出しているが、第1隙間S1の大きさによっては、塗布体5Dが面取りMcから外方に、はみ出ないようにすることも可能である。
塗布体5Cが角部Dを挟んで隣り合う場合には、上述と同様な毛細管現象によって、第2隙間S2が閉じられて塗布体5Dが形成される。
即ち、図17(a)に示すように、角部Dを挟んで塗布体5Cが形成されるとき、各塗布体5Cの長手方向の端部f3、f4の間には、第2隙間S2よりわずかに狭い第2隙間S2’が形成されている。
各塗布体5Cの端部f3、f4は、延出部4eDと上面1gとの間の空間領域の毛細管現象によって、角部Dおよび延出部4eCに沿って移動する。
塗布体5Aが角部Dの近くで被封止物3と接触すると、図17(b)に示すように、端部f3、f4は、角部Dにおける面取りMDに沿って互いに周方向に急速に接近する。このため、端部f3、f4の間には、角部Dの外方に向かうにつれて開口量が大きくなる平面視V字状の第2隙間S2’’が形成される。
この後、端部f3、f4は、面取りMDに近い方から漸次外方に向かって互いに会合し周方向に連続する塗布体5Dが形成される。この過程で、第2隙間S2’’は、面取りMCに近い方から漸次閉じていくので、端部f3、f4の間には、気泡が挟まれにくい。
ただし、端部f3、f4の会合時における面形状のばらつきなどによっては、面取りMDと塗布体5Dとの間に気泡6が形成されるおそれがあるが、後述する比較例に比べると気泡6の直径は格段に小さい。
第2隙間S2は、周方向に互いに隣り合う塗布体5Cの端部f3、f4が周方向に移動することによって閉じられるため、塗布体5Cにおいて延出部4eDの外方へのはみ出し量は、角部Dから離れた塗布体5Cのはみ出し量に比べて減少する。
なお、図17(c)に示す例では、塗布体5Dが面取りMdから外方に、はみ出しているが、第2隙間S2の大きさによっては、塗布体5Dが面取りMdから外方に、はみ出ないようにすることも可能である。
以上、角部C、Dの近傍の充填過程について、周方向に隣り合う端部がそれぞれ周方向に略同時に移動する場合の例で説明した。この場合、各端部の会合位置は、角部C、Dの中心線(図示一点鎖線参照)に略一致する。このため、気泡6は、角部C、Dの各中心線の近傍に形成される。
しかし、互いに隣り合う塗布体5Cの形成タイミングが異なる場合には、各端部の移動は時間差を持つ。この場合、会合位置は角部C、Dの中心線に略一致するとは限らないので、気泡6の位置も周方向にずれる可能性がある。
上述のように、エッジシール剤15を塗布して塗布体5Aを形成すると、エッジシール剤15が空間領域Sに流入し、毛細管現象によって基板本体1aおよび延出部4eに挟まれた被封止物3の外周部にエッジシール剤15が充填される。さらに、第1隙間S1、第2隙間S2がエッジシール剤15の流動によって周方向に閉じる。これにより、被封止物3の外周部が全周にわたってエッジシール剤15で囲まれた状態が形成される。
この後、エッジシール剤15を硬化させる。硬化方法は、エッジシール剤15の種類に応じて適宜の硬化方法が用いられる。例えば、エッジシール剤15が熱硬化性樹脂の場合には、エッジシール剤15を加熱して硬化させる。例えば、エッジシール剤15がUV硬化性樹脂の場合には、エッジシール剤15にUV光を照射して硬化させる。
エッジシール剤15が硬化すると、図1、2に示すようなエッジシール5が形成される。これにより、被封止物3が、基板1、フィルム4、およびエッジシール5からなる本実施形態の封止構造によって封止された表示装置50が製造される。
次に、本実施形態の形成方法の作用について、比較例の封止構造の形成方法と対比して説明する。
図18は、比較例の封止構造の形成方法を示す工程説明図である。図19は、比較例の封止構造の形成方法の作用を示す模式的な平面図である。図20は、比較例の封止構造の一例を示す模式的な平面図である。
図18に示すように、比較例の封止構造は、被封止物3、フィルム4に代えて、被封止物103、フィルム104を備える。以下では、本実施形態における部材と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
被封止物103は、面取りMC、MDが削除された以外は被封止物3と同様に構成される。フィルム104は、面取りMc、Mdが削除された以外は被封止物3と同様に構成される。このため、被封止物103の平面視形状は、6個の凸状の角部と、2個の凹状の角部と、を有する凹八角形である。
この比較例の封止構造の形成方法では、図18に示すように、積層体62の被封止物3、フィルム4に代えて、被封止物103、フィルム104を用いることにより、積層体162を形成する。
この後、フィルム104の外周部104cに沿って、平面視でフィルム104の外方となる基板本体1a上に、エッジシール剤15を平面視閉ループ状に塗布する。これにより塗布体105Aを形成する。
具体的には、図示略のディスペンサ63を外周部104cに沿って移動させながらエッジシール剤15を基板本体1a上に連続的に吐出することによって、塗布体105Aが形成される。このため、塗布体105Aは塗布開始位置と塗布終了位置とが一致する一筆書き塗布によって形成される。図18には、塗布体105Aの塗布が終了するまで、エッジシール剤15が基板本体1aとフィルム104の延出部との間に進入しない場合の例が記載されている。
しかし、エッジシール剤15の粘度等によっては、塗布体105Aの形成途中でも、エッジシール剤15が基板本体1aとフィルム104の延出部との間に進入し始める場合がある。
塗布体105Aの塗布方向に直交する断面における充填過程は、図15(a)、(b)に示すように実施形態と同様である。すなわち、塗布体105Aは、実施形態における塗布体5Bに対応して塗布体105Bのように移動する。
さらに空間領域Sからの空気の排気が可能であれば、図15(c)に示すように、エッジシール剤15は空間領域Sを塞ぐように移動し、塗布体105Cを形成する。
まず、塗布体105Aが形成されるまで、エッジシール剤15が空間領域Sに進入しない場合を考察する。この場合、塗布体105Aは平面視閉ループ状であるため、塗布体105Aから、塗布体105Bが形成される過程で、被封止物103の外周の全周に気泡が閉じ込められるおそれがある。充填速度の差によって、一部に塗布体105Cが形成される場合、押し出される空気は閉ループのいずれかの位置で塗布体105Bによって封止される。この結果、被封止物103の外周に直径の大きな気泡が形成される。
これに対して、本実施形態では、図14に示す塗布体5Aの配置では、周方向に隣り合う塗布体5A同士の間に、第1隙間S1、第2隙間S2のいずれかが形成されるので、各塗布体5Aが同時に被封止物3の外周部に向かって略移動しても外周部との間に挟まれる空気が第1隙間S1、第2隙間S2のいずれかから排気される。このため、比較例のような直径の大きな気泡は形成されない。
次に、塗布体105Aの形成途中において、塗布開始端から順次、塗布体105C、105Bが形成される場合を考察する。
この場合、被封止物103の辺部においては、本実施形態と同様、塗布体105Bと被封止物103との間に閉じ込められた空気が塗布方向の先端側から抜ける。
図19(a)、(b)、(c)は、平面視における凸状の角部における充填過程を模式的に示している。
図19(a)に示すように、塗布方向の基端側における被封止物103の辺部103aには、基端側から塗布方向の先端に向かって、塗布体105C、105B、105Aがこの順に形成されている。
図19(b)に示すように、塗布体105Aがフィルム4の角部を直角に曲がると、塗布体105Bも曲がって形成される。このため、辺部103aに隣接する辺部103cとのなす角103bの周りに扇状に空気が囲い込まれ、排気出口が狭められる。特に、角103bは面取りされていないので排気方向が直角に変化する点でも、空気が閉じ込められやすい。
図19(c)に示すように、さらに辺部103cに沿って、塗布体105Aが形成されると、角103b周りの空気が排出される前に、辺部103c上に、塗布体105Cが形成される。これにより、角103bの周囲に気泡106が閉じ込められる。
このような気泡106は、エッジシール剤15の塗布速度を上げるほど、大きな直径になりやすい。
エッジシール剤15の粘度、塗布速度などにもよるが、気泡106の直径は、気泡106が形成された延出部の延出量の50%以上になる場合がある。
この後、エッジシール剤15を本実施形態と同様に硬化させることによって比較例の封止構造が形成される。
図20に、比較例の封止構造の形成方法によって製造された表示装置150の一例を模式的に示す。表示装置150では、被封止物103の角部の近傍に、延出部の延出量の50%以上の直径を有する気泡106が形成されていた。
これに対して、本実施形態では、図16、17等を参照して上述したように、塗布体5Aの端部に押し出された空気は、各角部C、Dにおける塗布体5Aの端部が互いに会合する間に円滑に外方に押し出される。その際、各角部C、Dの凸端部および凹端部には、面取りMC、Mdが形成されているため、排気がさらに円滑に行われる。
このため、各角部C、Dの近傍には気泡が閉じ込められないか、閉じ込められるとしても、直径が小さい。本発明者が実験等によって鋭意検討したところ、気泡6の直径を、気泡6が形成された延出部4eの延出量の50%未満に抑えることが可能である。
以上説明したように、本実施形態の封止構造の形成方法および封止構造によれば、被封止物とエッジシールとの間に気泡が入りにくい。
特に、本実施形態の封止構造の形成方法によれば、エッジシール剤の塗布速度を上げても気泡が入りにくいため、封止構造の形成時間を短縮できる。これにより、表示装置50の製造コストを低減できる。
本実施形態の封止構造の形成方法によって製造された封止構造によれば、大きな気泡が含まれることによって、エッジシールの強度が低下したり、信頼性が低下したりすることを抑制できる。これにより、表示装置50の耐久性、信頼性を向上できる。
[第1〜第3変形例]
次に、本実施形態の第1〜第3変形例について説明する。第1〜第3変形例は、被封止物3の角部が複数の面によって面取りされた例である。以下、実施形態と異なる点を中心に説明する。
図21(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の変形例(第1〜第3変形例)の封止構造における角部の近傍を示す模式的な平面図である。
図21(a)に示すように、第1変形例の封止構造では、実施形態における被封止物3に代えて、被封止物13を備える。被封止物13は、被封止物3の角部Cの面取りMCに代えて、面取りMCa、MCbを備える。面取りMCa、MCbは、各角部Cのすべてに設けられてもよいし、一部の角部Cのみに設けられてもよい。
面取りMCaは、角部Cを構成する一方の辺部Eaから角部Cの中心線に向かって屈曲する平面からなる。
面取りMCbは、角部Cを構成する他方の辺部Ebから角部Cの中心線に向かって屈曲し、面取りMCaに接続する平面からなる。
面取りMCa、MCbの接続部p1は、角部Cにおける凸状の頂部を形成しており、面取りMCa、MCbは、接続部p1から分かれる2つの面になっている。
平面視における面取りMCa、MCbの交差角θ1は、角部Cにおける辺部Ea、Ebのなす角φ1よりも大きい。例えば、φ1が90°の場合、θ1は鈍角である。面取りMCa、MCbの交線は、角部Cの中心線上にあることがより好ましい。面取りMCa、MCbは、角部Cの中心線に関して互いに線対称であることがさらに好ましい。
第1変形例の封止構造の形成方法は、被封止物3に代えて被封止物13を準備する以外は、実施形態と同様である。
図21(b)に示すように、第2変形例の封止構造では、実施形態における被封止物3に代えて、被封止物23を備える。被封止物23は、被封止物3の角部Cの面取りMCに代えて、面取りMCc、MCdを備える。面取りMCc、MCdは、各角部Cのすべてに設けられてもよいし、一部の角部Cのみに設けられてもよい。
面取りMCcは、第1変形例の面取りMCaを被封止物23の内方に凹ませたような曲面からなる。
面取りMCdは、第1変形例の面取りMCbを被封止物23の内方に凹ませたような曲面からなる。
面取りMCc、MCdの接続部p2は、角部Cにおける凸状の頂部を形成しており、面取りMCc、MCdは、接続部p2から分かれる2つの面になっている。
平面視における面取りMCc、MCdの交差角θ2は、180°未満であれば、特に限定されない。面取りMCc、MCdの交線は、角部Cの中心線上にあることがより好ましい。面取りMCc、MCdは、角部Cの中心線に関して互いに線対称であることがさらに好ましい。
面取りMCc、MCdの平面視形状は、円弧でもよいし、円弧以外の曲線でもよい。
第2変形例の封止構造の形成方法は、被封止物3に代えて被封止物23を準備する以外は、実施形態と同様である。
図21(c)に示すように、第3変形例の封止構造では、実施形態における被封止物3に代えて、被封止物33を備える。被封止物33は、被封止物3の実施形態における被封止物3の角部Dの面取りMDに代えて、面取りMDc、MDdを備える。面取りMDc、MDdは、各角部Dのすべてに設けられてもよいし、一部の角部Dのみに設けられてもよい。
面取りMDcは、角部Dを構成する一方の辺部Ecから角部Dの中心線に向かって延び、被封止物3の内方に凹む曲面からなる。面取りMDcと辺部Ecとは滑らかに接続することがより好ましい。
面取りMDdは、角部Dを構成する他方の辺部Edから角部Cの中心線に向かって延び、被封止物33の内方に凹む曲面からなる。面取りMDdの端部は、面取りMDcに接続している。面取りMDdと辺部Edとは滑らかに接続することがより好ましい。
面取りMDc、MDdは、接続部p3において接続している。接続部p3は、凹状の角部Dの底部から突出した頂部を構成しており、面取りMDc、MDdは、接続部p3から分かれる2つの面になっている。
平面視における面取りMDc、MDdの交差角θ3は、180°未満であれば、特に限定されない。面取りMDc、MDdの交線は、角部Dの中心線上にあることがより好ましい。面取りMDc、MDdは、角部Dの中心線に関して互いに線対称であることがさらに好ましい。
第1〜第3変形例のように、各辺部Eから延びる2面が交差して頂部を形成する面取りが形成される場合、各辺部Eから面取りに沿って移動するエッジシール剤15が、各面取りに沿って流れた後、面取り同士が接続する頂部において、角部の外方に向かう斜め方向に沿って会合する。
このため、エッジシール剤15同士が同一直線上で、真正面から会合する場合に比べて、面取りの外方への移動が円滑になる。これにより、角部において、より気泡が生じにくくなる。
例えば、第1変形例では、平面視で直線状に延びる1面からなる面取り(θ1=180°の場合に相当)に比べると、エッジシール剤15が互いに傾斜した状態で会合するため、流れの乱れが低減される。この結果より気泡が生じにくくなる。
例えば、第2変形例では、面取りMCc、MCdが凹面状であるため、エッジシール剤15の流れ方向を滑らかに変えることができる。さらに、本変形例によれば、凹面同士が交差しているため、第1変形例に比べて交差角を低減することが可能である。これにより、気泡がより生じにくくなる。
例えば、第3変形例は、第2変形例を角部Dに適用した例であり、第2変形例と同様の作用を備える。
[第4変形例]
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。第4変形例は、被封止物3の角部が複数の面によって面取りされた場合に、フィルム4の角部の面取りを被封止物3の面取りに対応して変更した例である。以下、実施形態と異なる点を中心に説明する。
図22は、本発明の実施形態の変形例(第4変形例)の封止構造における第2角部の近傍を示す模式的な平面図である。
図22に示すように、第4変形例の封止構造では、実施形態における被封止物3、フィルム4に代えて、被封止物43、フィルム44(封止構造)を備える。
被封止物43は、被封止物3の角部Dの面取りMDに代えて、面取りMDe、MDfを備える。面取りMDe、MDfは、各角部Dのすべてに設けられてもよいし、一部の角部Dのみに設けられてもよい。
面取りMDeは、角部Dを構成する一方の辺部Eeから角部Dの中心線に向かって屈曲する平面からなる。
面取りMDfは、角部Dを構成する他方の辺部Efから角部Dの中心線に向かって屈曲し、面取りMDfに接続する平面からなる。
平面視における面取りMDe、MDfの交差角θ4は、角部Dにおける辺部Ee、Efのなす角φ4よりも小さい。例えば、φ4が270°の場合、θ4は180°よりも大きく270°より小さい。面取りMDe、MDfの交線は、角部Dの中心線上にあることがより好ましい。面取りMDe、MDfは、角部Dの中心線に関して互いに線対称であることがさらに好ましい。
フィルム44は、フィルム4の角部dの面取りMdに代えて、面取りMde、Mdfを備える。面取りMde、Mdfは、各角部dのすべてに設けられてもよいし、一部の角部dのみに設けられてもよい。
面取りMdeは、角部dを構成する一方の辺部eeから角部dの中心線に向かって屈曲する平面からなる。
面取りMdfは、角部dを構成する他方の辺部efから角部dの中心線に向かって屈曲し、接続部p4において面取りMdfに接続する平面からなる。
面取りMde、Mdfの辺部ee、efに対する角度は、角部Dの凹端部から延出する延出部4eの延出量LDdが上述の適宜値になるように設定される。
第4変形例の封止構造の形成方法は、被封止物3、フィルム4に代えて、被封止物43、フィルム44を準備する以外は、実施形態と同様である。
第4変形例における被封止物43は、第1変形例の凸状の角部Cにおける面取りMCa、MCbを、凹状の角部Dに適用した例になっている。
第4変形例におけるフィルム44は、被封止物43の面取りMDe、MDfの形状に対応して、面取りMde、Mdfを形成するため、角部Dにおける延出部4eの延出量を適宜量に調整しやすい。このため、角部Dにおけるエッジシール剤15の会合時の気泡をより低減しやすい。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例について説明する。
図23は、本発明の実施形態の変形例(第5変形例)の封止構造における被封止物の模式的な平面図である。
図23に示すように、第5形例の封止構造では、実施形態における被封止物3に代えて、被封止物53を備える。以下、実施形態と異なる点を中心に説明する。
本変形例の被封止物53は、被封止物3の突出部3B、3Cに代えて、突出部53B、53Cを備える。突出部53B、53Cは、平面視形状が本体部3Aと接続する基端部から、x1方向に向かうにつれて縮幅する略等脚台形状である以外は、突出部3B、3Cと同様である。
このため、被封止物53の平面視形状は、凹十角形である。具体的には、被封止物53は、被封止物3の角部C3、C4、C5、C6に代えて、凸状の角部C53、C54、C55、C56(第1角部)を備え、さらに、凸状の角部C57、C58(第1角部)を備える。さらに、被封止物53は、被封止物3の角部D1、D2に代えて、凹状の角部D51、D52(第2角部)を備える。
角部C57は、辺部E2と、突出部53Bにおいてy2方向の外形を形成する辺部E59に挟まれて形成されている。辺部E59は、x1方向に向かうにつれてy1方向に向かう傾斜を有する。辺部E2、E59のなす角は鈍角である。
角部C53は、辺部E59、E3に挟まれて形成されている。辺部E59、E3のなす角は鈍角である。
角部C54は、辺部E3と、突出部53Bにおいてy1方向の外形を形成する辺部E54に挟まれて形成されている。辺部E54は、x2方向に向かうにつれてy1方向に向かう傾斜を有する。辺部E3、E54のなす角は鈍角である。
角部D51は、辺部E54、E5に挟まれて形成されている。辺部E54、E5のなす角は、180°より大きく270°未満である。
角部D52は、辺部E5と、突出部53Cにおいてy2方向の外形を形成する辺部E56に挟まれて形成されている。辺部E56は、x1方向に向かうにつれてy1方向に向かう傾斜を有する。辺部E5、E56のなす角は、180°より大きく270°未満である。
角部C55は、辺部E56、E7に挟まれて形成されている。辺部E56、E7のなす角は鈍角である。
角部C56は、辺部E7と、突出部53Cにおいてy1方向の外形を形成する辺部E60に挟まれて形成されている。辺部E60は、x2方向に向かうにつれてy1方向に向かう傾斜を有する。辺部E7、E60のなす角は鈍角である。
角部C58は、辺部E60、E8に挟まれて形成されている。辺部E60、E8のなす角は鈍角である。
角部C1、C2、C53〜C58の凸端部には、実施形態におけると同様の面取りが形成されている。角部D1、D2の凹端部には、実施形態におけると同様の面取りが形成されている。
本変形例は、第1角部、第2角部の内角が、90°、270°以外の角度であってもよい例になっている。例えば、第1角部における内角は角部C1、C2を除いて鈍角である。第2角部である角部D51、D52はいずれも鈍角である。
第5変形例の封止構造の形成方法は、被封止物3に代えて、被封止物53を準備する以外は、実施形態と同様である。
本変形例によれば、被封止物53の平面視形状が、被封止物3と異なるのみであり、実施形態と同様の封止構造の形成方法によって、本実施形態の封止構造を形成できる。このため、本変形例の封止構造も被封止物とエッジシールとの間に気泡が入りにくい。
なお、上記実施形態および各変形例の説明では、被封止物が第2角部を有するとして説明した。しかし、被封止物の平面視形状は凸多角形状でもよく、この場合には第2角部を有しなくてもよい。
また、多角形の角数は特に限定されず、上述した八角形、十角形以外の凹多角形または凸多角形も採用できる。
上記実施形態および各変形例の説明では、被封止物の角部に面取りが施されているとして説明した。しかし、被封止物の角部には面取りが施されなくてもよい。この場合でも、塗布体は、角部の先端を横切るように配置されないので、上述の比較例とは異なり、気泡が生じにくくなる。
上記実施形態および各変形例の説明では、被封止物が電気泳動層を含んでいるとして説明した。しかし、被封止物は、基板、フィルム、およびエッジシールによって封止可能であれば特に限定されない。例えば、被封止物は、電気泳動層を含まないシート体でもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、被封止物と封止構造とによって表示装置が形成されるとして説明した。しかし、本発明の封止構造の形成方法および封止構造を適用できる装置は表示装置には限定されない。例えば、本発明の封止構造の形成方法および封止構造は、撮像素子の封止、有機ELの封止、食品の封止などに用いられてもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、基板が表面にアクティブマトリックス部1bのような電子回路が形成されている場合の例で説明した。しかし、電子回路、電気回路等は被封止物に含まれていてもよい。さらに、基板および被封止物の少なくとも一方には、電子回路、電気回路等が含まれてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態および各実施例を説明したが、本発明はこの実施形態および各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、第1〜第4変形例における面取りは、適宜組み合わせて実施形態の封止構造に適用できる。
例えば、第4変形例を第1変形例と組み合わせる場合、フィルム4の角部cに、面取りMCa、MCbと同様、2平面からなる平面視山形の面取りを形成してもよい。これと同様の角部cの面取りは、第2変形例の被封止物23に重ねるフィルムの角部cに用いてもよい。このように、第4変形例を第2変形例と組み合わせる場合、面取りMCc、MCdと同様な凹面を組合せた面取りでなくてもよい。
同様に第3変形例の被封止物33に重ねるフィルムの角部dには、例えば、フィルム44を用いたり、単に45°の面取りを形成したフィルムを用いたりしてもよい。
1 基板(封止構造)
1a 基板本体
1g 上面
3、13、23、33、43、53 被封止物
3b 電気泳動層(電気泳動表示媒体)
3c 透明電極層(対向電極)
4、44 フィルム(封止構造)
4a 下面(基板に向かい合う表面)
4d バリ
4e、4e1、4e5、4e6、4e8、4eD、4eE 延出部
4eC、4ec1 延出部(第1延出部)
4eE 延出部(辺部延出部)
4eD、4ed2 延出部(第2延出部)
5 エッジシール(封止構造)
5A、5B、5C 塗布体
SC 第1角部シール
SD 第2角部シール
SE 辺部シール
6 気泡
15 エッジシール剤
50 表示装置
63 ディスペンサ
c、c1、c2、c3、c4、c5、c6 角部
C、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C53、C54、C55、C56、C57、C58 角部(第1角部)
d、d1、d2 角部
D、D1、D2、D51、D52 角部(第2角部)
e、e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8、ee、ef 辺部
E、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E54、E56、E59、
E60、Ea、Eb、Ec、Ed、Ee、Ef 辺部
Mc、MC、MCa、MCb、MCc、MCd、Md、MD、MDc、MDd、Mde、MDe、Mdf、MDf 面取り
p1、p2、p3 接続部(頂部)
S 空間領域
S1、S1’、S1’’ 第1隙間
S2、S2’、S2’’ 第2隙間

Claims (15)

  1. シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物と、前記被封止物が配置される基板と、前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆うことが可能なフィルムと、硬化可能な液体状のエッジシール剤と、を準備することと、
    前記基板上に前記被封止物を配置し、前記延出部が形成されるように前記被封止物を前記基板との間に挟んで前記フィルムを配置することと、
    前記延出部のうち前記平面視において前記第1角部から外方に延出する第1延出部の外周において周方向に第1隙間が形成されるように前記延出部に沿って、前記エッジシール剤を塗布することと、
    前記エッジシール剤が前記基板と前記延出部との間に流入し、毛細管現象によって前記基板および前記延出部に挟まれた前記被封止物の外周部に前記エッジシール剤が充填され、前記エッジシール剤の塗布時に形成された前記第1隙間が前記エッジシール剤の流動によって周方向において閉じた後、前記被封止物の前記外周部が全周にわたって前記エッジシール剤で囲まれた状態で前記エッジシール剤を硬化させることと、
    を含む、
    封止構造の形成方法。
  2. 前記被封止物は、前記第1角部に面取りが施されて準備される、
    請求項1に記載の封止構造の形成方法。
  3. 前記第1角部の前記面取りは、前記平面視にて円弧状に形成される、
    請求項2に記載の封止構造の形成方法。
  4. 前記第1角部の前記面取りは、前記第1角部の凸状の頂部から分かれる2つの面によって形成される、
    請求項2に記載の封止構造の形成方法。
  5. 前記フィルムは、前記第1延出部に円弧状の面取りが施されて準備される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  6. 前記被封止物は、前記平面視において凹状の第2角部をさらに有する多角形状の外形を有するように準備され、
    前記エッジシール剤を塗布する際には、前記延出部のうち前記平面視において前記第2角部から外方に延出する第2延出部の外周において周方向に第2隙間が形成されるように前記延出部に沿って、前記エッジシール剤を塗布することをさらに含み、
    前記エッジシール剤を硬化させる際には、前記第1隙間および前記第2隙間が前記エッジシール剤の流動によって周方向において閉じられた後に、前記エッジシール剤を硬化させる、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  7. 前記被封止物は、前記第2角部に面取りが施されて準備される、
    請求項6に記載の封止構造の形成方法。
  8. 前記第2角部の前記面取りは、前記平面視にて円弧状に形成される、
    請求項7に記載の封止構造の形成方法。
  9. 前記第2角部の前記面取りは、前記第2角部の凹状の底部から突出した頂部から分かれる2つの面によって形成される、
    請求項7に記載の封止構造の形成方法。
  10. 前記フィルムは、前記第2延出部に円弧状の面取りが施されて準備される、
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  11. 前記エッジシール剤を塗布する際には、前記エッジシール剤の粘度を、連続する1回の塗布において、前記基板上に塗布された前記エッジシール剤の少なくとも一部が、前記1回の塗布が終了する前に、前記被封止物の前記外周部に到達可能な大きさに調整しておくことにより、前記エッジシール剤の塗布と、塗布された前記エッジシール剤の前記毛細管現象による充填とが、並行して行われる、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  12. 前記フィルムが準備される際、前記フィルムの外形が打ち抜き加工によって形成され、
    前記フィルムを配置する際、前記打ち抜き加工によるバリが前記基板と反対方向に向くように、前記フィルムを配置する、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  13. 前記被封止物は、電気泳動表示媒体および対向電極を含んでおり、
    前記基板は、画素電極を含んでおり、
    前記フィルムは、水蒸気バリア性を有する、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の封止構造の形成方法。
  14. シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物が封止された封止構造であって、
    前記被封止物が配置された基板と、
    前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆っているフィルムと、
    前記平面視にて前記被封止物の全周に沿って、前記基板と前記延出部との間に充填されたエッジシールと、
    を備え、
    前記基板と前記延出部との間の空間領域に面する前記被封止物の外周部と、前記エッジシールとの間に、前記平面視にて前記延出部の延出量の50%以上の直径を有する気泡が含まれない、
    封止構造。
  15. シート状に形成されており平面視において凸状の第1角部を含む多角形状の外形を有する被封止物が封止された封止構造であって、
    前記被封止物が配置された基板と、
    前記平面視において前記外形よりも大きく、前記外形の全周にわたって前記外形から外方に延出する延出部を形成して前記被封止物を覆っているフィルムと、
    前記平面視にて前記被封止物の全周に沿って、前記基板と前記延出部との間に充填されたエッジシールと、
    を備え、
    前記被封止物の前記外形は、前記第1角部を含む複数の角部と、前記複数の角部のうち互いに隣り合う角部に挟まれた辺部と、を有しており、
    前記エッジシールは、前記辺部を封止する辺部シールと、前記第1角部を封止する第1角部シールと、を有し、
    前記辺部シールは、前記平面視において、前記延出部のうち、前記辺部から延出する辺部延出部から外方にはみ出して形成され、
    前記第1角部シールは、前記平面視において、前記延出部のうち、前記第1角部から延出する第1延出部から外方にはみ出していないか、または前記辺部シールのはみ出し量よりもはみ出し量が少ない、
    封止構造。
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