JP2021047250A - モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム - Google Patents
モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021047250A JP2021047250A JP2019168750A JP2019168750A JP2021047250A JP 2021047250 A JP2021047250 A JP 2021047250A JP 2019168750 A JP2019168750 A JP 2019168750A JP 2019168750 A JP2019168750 A JP 2019168750A JP 2021047250 A JP2021047250 A JP 2021047250A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pattern
- moire
- opening
- image
- moiré
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 19
- 238000002834 transmittance Methods 0.000 claims abstract description 38
- 238000007639 printing Methods 0.000 claims description 7
- 238000013461 design Methods 0.000 abstract description 21
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 44
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 34
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 239000000463 material Substances 0.000 description 6
- 238000012733 comparative method Methods 0.000 description 3
- 238000010017 direct printing Methods 0.000 description 3
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 3
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 3
- 230000010363 phase shift Effects 0.000 description 3
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 3
- NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N acrylic acid group Chemical group C(C=C)(=O)O NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000002457 bidirectional effect Effects 0.000 description 2
- 230000002301 combined effect Effects 0.000 description 2
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 2
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 2
- 241000280258 Dyschoriste linearis Species 0.000 description 1
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- RFHAOTPXVQNOHP-UHFFFAOYSA-N fluconazole Chemical compound C1=NC=NN1CC(C=1C(=CC(F)=CC=1)F)(O)CN1C=NC=N1 RFHAOTPXVQNOHP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Printing Methods (AREA)
Abstract
Description
モアレは、様々な形態で発生するため、モアレを望ましくないものとして取り除く場合もあるが、逆に発生したモアレを有用なものとして利用する場合もある。
またパターンの透過率の差が開口部と非開口部とで小さかったり、開口部と非開口部の境界部のぼけが大きいと、パターンまたはモアレ表示体全体のコントラストが低くなり、モアレ像が不明瞭になってしまう。
これにより従来技術より明瞭で階調のあるモアレ像およびモアレ像表示体を得ることができ、また、入力画像及びレイヤー情報などのデータを入力し、モアレ像を発現させるパターンの開口部/非開口部比、モアレパターンぼけ度を設定することにより、重ね合わせパターンを効率的に作成することができる。
上記した以外の課題,構成及び効果は,以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本明細書において、「モアレパターン」(単にパターンともいう)とは、モアレを発生させるために、重ね合わせる周期的な模様や構造を意味する。
また、モアレパターンを生成する際、ベースとして利用するパターンを「基本パターン」とする。
パターンの特徴値は、パターン印刷用の画像データより取得したり、印刷されたパターンをスキャナやカメラなどで撮影して変換した画像データより取得したり、また印刷されたパターンにレーザー光を照射して反射光を測定する等によって取得可能である。
パターンは一定周期で繰り返されるものである。このため、パターンの特徴値も周期的に変化することとなる。このように周期的に変化するパターンのうち、特徴値の値が明るさ又は透明感において高い部分を開口部とし、開口部以外の部分を非開口部とすることができる。開口部と非開口部との面積比を、開口部/非開口部比という。
さらに、FFT(高速フーリエ変換)を利用して、開口部/非開口部を定めても良い。
観察者がパターンを観察したとき、コントラストが高い方が、パターンをより明瞭に感じることができる。
パターンの見え方は色差・彩度・明度によっても異なるが、色味にも影響される。また、パターンを重ねた際、手前側にあるパターンを通して透けて見える奥側にあるパターンの見え具合に影響することから、モアレ表示体においては、色差・彩度・明度よりも透過率の影響度が大きい。
パターンの明瞭さはコントラストのほかに、輪郭部分の階調差が大きい方が、パターンをより明瞭に感じ、またパターンにより発現するモアレ像も明瞭なものとなる。
一方、線数の粗さ(線数の数値が小さくなる)は、粗すぎるとぼけを描画できないのと、モアレパターンを重ね合わせた際の、印刷線と印刷線による意図しないモアレが、視認できるピッチで発生してしまう恐れがあり、60線程度までの粗さとするのが望ましい。ただし、デザインの都合上、それ以上の線数を用いたい場合などは、この限りではない。
勾配領域とは、開口部と非開口部の間に存在するパターンの特徴値を縦軸にとり、横軸にパターン上の位置をとって描画される線図に沿って、開口部/非開口部を区切る点を挟み、特徴値の最大値から最小値までわたる領域のことをいう(図4)。
勾配領域によるモアレパターンぼけ度 = 勾配領域/ピッチ …(1)
またこのとき、勾配領域によるモアレパターンぼけ度は0.6以下であると好ましく、更に0.4以下であるとより好ましい。なお、ぼけなし(パターンぼけ度0)でもモアレは成立するので、その下限値は0である。しかし、ぼけなしの場合より、ぼけがあったほうが見た目に良いものが作れるので、勾配領域によるモアレパターンぼけ度が0.2以上だと望ましい。
勾配面積とは、開口部と非開口部との間に存在するパターンの特徴値を縦軸にとり、横軸にパターン上の位置をとって線図を描画したときに、開口部/非開口部を区切る点を境界として、開口部側において特徴値の最大値と線図との差を積分した面積αと、非開口部側において特徴値の最小値と線図との差を積分した面積βとを合計した面積(α+β)をいう。換言すれば、勾配面積は、特徴値によって取り得る最大値・最小値による矩形線図と、パターンの特徴値が作る波形線図の間の面積の合計である(図5)。
勾配面積によるモアレパターンぼけ度 = 勾配面積/ピッチ …(2)
またこのとき、勾配面積によるモアレパターンぼけ度は0.1以下であると好ましく、更に0.07以下であるとより好ましい。ぼけなし(パターンぼけ度0)でもモアレは成立するので、その下限値は0である。しかし、ぼけなしの場合より、ぼけがあったほうが見た目に良いものが作れるので、勾配面積によるモアレパターンぼけ度が0.01以上だと望ましい。
勾配角度とは、開口部と非開口部との間に存在するパターンの特徴値を縦軸にとり、横軸にパターン上の位置をとって、開口部/非開口部を区切る点を通り特徴値の最大値から最小値にわたって線図を描画したときに、かかる線図の持つ傾きをいう(図6)。
勾配角度 = tan-1{(特徴値の最大値−特徴値の最小値)/ 勾配領域} …(3)
勾配角度によるモアレパターンぼけ度 = 90 − 勾配角度 …(4)
またこのとき、勾配角度によるモアレパターンぼけ度は30以下であると好ましく、更に21以下であるとより好ましい。ぼけなし(パターンぼけ度0)でもモアレは成立するので、その下限値は0である。しかし、ぼけなしの場合より、ぼけがあったほうが見た目に良いものが作れるので、勾配角度によるモアレパターンぼけ度は10以上だと望ましい。
図8は、モアレ表示体を模式的に示す図である。本明細書において、「モアレ表示体」(単に表示体ともいう)とは、モアレ像を発現できる表示体を意味し、一般的には、ポスター、パネル、POP広告体などが想定される。モアレ表示体は、少なくとも一部が光を透過可能な素材から形成される。
基本的には、表現領域6の中央と観察者の目の高さが一致している場合には、観察者とパネルとの間の距離が視認距離となる。
また、表現領域6の中央と観察者の目の高さが一致していない場合や、モアレ像の発生位置の高さが観察者の目の高さと一致していない場合には、「視認距離」をモアレ発生箇所と観察者の目の位置との関係によって補正することが可能である。
モアレ像を発現させるパターンは、重ね合わせることを前提としており、観察者に近い方を手前側パターン、観察者から遠い方を奥側パターンと称呼する。パターン同士が一部重なったとき、少なくとも手前側のパターンの開口部を通して奥側のパターンが透けて見えることにより、モアレ像が発現する。
図9は、表示体の構成例(基本形)の断面を示す図である。図9の例においては、パネルPNの表裏面に、パターン層PL1,PL2がそれぞれ印刷されたフィルムF1,F2が貼りつけられている。ここで、「パターン層」とは印刷などによってパターンが描画されている層を意味する。図9におけるパターン層PL1,PL2は、パターン生成システムによって出力されたモアレ用パターンA及びパターンBをそれぞれ有する。
さらに、パネルPN1とパネルPN2は同一のものであっても異なるものであっても良い。フィルムF1とフィルムF2についても同一のものであっても異なるものであっても良い。
モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)のピッチ、開口部/非開口部比が異なることや、モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)の間にギャップが存在することにより、モアレ像には、以下のような効果が複合的に現れる。
モアレ像は、モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)の開口部/非開口部比が1に近いほど、強く発出する傾向があり、この傾向をモアレ強度という。また同じ開口部/非開口部比であっても、モアレパターンぼけ度が小さければモアレ強度が強くなる傾向がある。
本明細書において、「外観濃度」とは、モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)中の開口部/非開口部比が異なることによる、見かけの濃淡の程度を意味する。そして、パターンの開口部/非開口部比が高いほど、見かけではパターン及びモアレ像が明るく見える傾向がある。また同じ開口部/非開口部比であっても、モアレパターンぼけ度によって外観濃度は異なる場合がある。
モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)がギャップを介して重なっているため、観察者の位置(角度)によってモアレの位相が異なる。このとき、開口部/非開口部比が高いほどモアレ像は明るいまま保たれやすく、開口部/非開口部比が低いほどモアレ像は暗いまま保たれやすい(すなわち変化が少ない)傾向がある。また、開口部/非開口部比が1に近いほどモアレ変化量が大きい傾向がある。
モアレ像の外観を評価する際には、上記の効果等を複合的に観察することになる。また、これらの効果以外にも、モアレ外観の特性としては、視認距離が想定より離れた場合においても、モアレ像がどの程度視認できるかといった「モアレの耐性」の観点でもモアレ外観を評価することがある。
具体的な判断レベルは、比較法や、3段階等の段階別評価に分けて実施している(○△×など)。
また、総合的な評価のほかに、別途外観のモアレ像明暗度やモアレ像移動度など評価を付帯的に実施することがある。ただし、表現したいデザインに応じて何を重要視するか異なるため、評価を実施することもあればしないこともある。
一般的にモアレ像の外観は、用いているパターン、画像の構成、視認環境等条件によって異なるため、総合的な外観評価以外に特定の属性ごとに評価を実施することが望ましい。このため、本明細書においては、以下の属性についても評価を行っている。
「モアレ像明暗度」とは、モアレ像の外観のうち、見かけの明るさ(明暗、濃淡)に関する評価を意味する。このモアレ像明暗度は、主にモアレ強度や外観濃度の効果が複合的にあることによって差が生じる。評価は比較法や、11段階(暗:-5,-4,…,4,5:明)等の段階別評価で実施される。
「モアレ像移動度」とは、モアレ像の外観のうち、モアレ像の動きやちらつきに関する評価を意味する。主にモアレ強度やモアレ移動量の効果が複合的にあることによって差が生じる。評価は比較法や、6段階(小:0,1,…,4,5:大)等の段階別評価で実施される。
図1,8、14、15は、モアレ像を発現させるパターンの生成システムにおける入力情報の概要を説明する図である。生成システムへの入力情報としては、入力画像(図14)の特徴値、レイヤー情報(図15)、表示体に関する情報(図8)、基本パターン情報(図1)がある。
図14は、モアレ像を生成したい入力画像の例を模式的に示した図である。本明細書において、「入力画像」とは、デザイン図案などのモアレ化したい画像のデータを意味する。図14においては、入力画像を分かりやすく説明するために、三角形、円、四角形の3つのパーツからなる図案を用いて示し、それぞれのパーツに前後感を持たせて表記している。しかし、入力画像はこれらに限られるものではなく、どのような画像であってもよい。また、入力画像はカラーでもモノクロでもよい。
図15は、図14のデザイン図案をレイヤー(層)ごとに分け、レイヤー情報を模式的に示す図である。
本明細書において「レイヤー情報」とは、入力画像の図柄やパーツの前後感を指定する情報であり、レイヤー情報は、具体的な前後の距離感を数値で定めて表記しても良いし、前後の順序のみを示すものであっても良い。
また、レイヤーの前後の距離感は、観察者側から見て、モアレ表示体から観察者側に向けて飛び出したように見える設定でも可能であるし、モアレ表示体から奥側にあるように見える設定も可能である。
<モアレ用パターンの生成の実施例>
以下においては、ストライプパターンを用いた場合を例として取り上げ、実施例の入力画像に応じたモアレ用パターンの生成方法とそのシステムについて説明する。
図16は、本実施例で用いるストライプパターンの基本パターンおよび開口部/非開口部比を変化させたパターンの例を示した図である。
基本パターン(a)は、開口部/非開口部比が1.0となっており、(b)〜(e)については、開口部/非開口部比をそれぞれ1.9から9.0まで変化させたパターンを示している。
またモアレパターンぼけ度は特徴値をグレースケール輝度としたとき、勾配領域によって規定され、いずれのパターンも0.4である。
図17は、本実施例における入力画像の例を示す図である。図17の入力画像は、図形ごとにグレースケール値が異なっており、それぞれのグレースケール値は、図中に示すとおりである。これらの個々のグレースケール値が、入力画像の特徴値となる。
なお、図中の破線は対象画像を見易く表記するために付したものである。
モアレ用パターンの生成手順としては、まず、1)パターンの開口部/非開口部比を変更する領域を定め、次に、2)パターンの開口部/非開口部比を、パターンの特徴値に応じて設定する。
なお、本実施例においては、説明を簡略化するため、図17に記載されているとおり、丸と三角と四角の図形をそれぞれ開口部/非開口部比を変更する領域として定めている。
モアレ用パターンのぼけ度は入力画像のどの位置でも一定でも良く、入力画像の特徴値に応じて変更してもよい。またデザイン図柄に合わせて領域ごとに分けてもよい。例えば、モアレの位相の変動が小さい部分のぼけ度を小さく、モアレの位相の変動が大きい部分のぼけ度を大きくすることもできる。位相の変動が小さい部分は0でもよい。一方、位相の変動が大きい部分は、モアレパターンぼけ度の望ましい範囲だと綺麗なものが作れる。以下のモアレパターンぼけ度を使用できる。つまり、低ボケ領域、中ボケ領域、高ボケ領域のいずれか2つ以上の領域を有することができる。言い換えれば、低ボケ領域、中ボケ領域、高ボケ領域の領域を有してもよい。または、低ボケ領域、中ボケ領域、高ボケ領域の領域のいずれか2つの領域を有してもよい。
(1)低ボケ領域:勾配領域によるモアレパターンぼけ度は、0〜0.2
:勾配面積によるモアレパターンぼけ度は、0〜0.05
:勾配角度によるモアレパターンぼけ度は、0〜12
(2)中ボケ領域:勾配領域によるモアレパターンぼけ度は、0.2〜0.5
:勾配面積によるモアレパターンぼけ度は、0.05〜0.08
:勾配角度によるモアレパターンぼけ度は、12〜25
(3)高ボケ領域:勾配領域によるモアレパターンぼけ度は、0.5〜0.6
:勾配面積によるモアレパターンぼけ度は、0.08〜1
:勾配角度によるモアレパターンぼけ度は、25〜30
上記の変形例として、それぞれの比率を維持したまま、全体のボケ度を下げるまたは上げることができる。また、同様の外観を有するようにモアレパターンぼけ度を調整することもできる。また上記のうち、2つのみを使用することもできる。
このように、当該技術分野の者が技術常識において、変形、調整できるものも本発明に含めることはできる。そのため、以上のモアレパターンぼけ度にのみ限定して解釈されるべきではない。
ぼけ度の分布は数値で実施してもよいし、上記のようなボケ領域の分類で実施しても良い。低ボケ領域と中ボケ領域は、隣接してもよい。また、中ボケ領域と高ボケ領域は、隣接してもよい。低ボケ領域を、中ボケ領域で囲ってもよい。これにより、高精細さと自然さを両立しやすい。さらに、中ボケ領域の周囲に高ボケ領域を配置してもよい。この高ボケ領域は、背景とすることができ、絵柄を引き立てやすい。また、高ボケ領域を低ボケ領域で囲ってもよい。これにより高ボケ領域と低ボケ領域による奥行き感の違いを感じられるような効果を持たせることができる。
図18は手前側の出力パターン例を示す図である。また、図19は、奥側の出力パターン例を示す図である。
本実施例では、出力する手前側パターンについて入力画像の特徴値に応じて開口部/非開口部比を変更し、奥側パターンについては、開口部/非開口部比は一定としている。
入力画像の特徴値に応じて選択する開口部/非開口部比は、モアレ表示体を利用する状況と同条件におけるモアレ外観評価と、モアレ明暗評価とを組み合わせて選択することができる。
例えば、モアレ明暗評価のうち最も明るいと評価された開口部/非開口部比と、最も暗いと評価された開口部/非開口部比を、選択する開口部/非開口部比の上限/下限とし、入力画像の特徴値に対応させることができる。
さらに、上限から下限への当てはめ方は、線形的であっても、指数的、対数的であってもよく、また幾つかの階調を定めてもよく、任意に選択してもよい。
上記の外観評価の手法に基づき、本実施例においては、以下の要件の下で外観評価を実施している。
パターンの種類:ストライプパターンを適用する。
ピッチ:パターンは手前側パターンと奥側パターンでピッチが等しいものとする。
手前側パターンの開口部/非開口部比:1(1/1)〜9(9/1)とする。
奥側パターンの開口部/非開口部比:1(1/1)で固定とする。
構成:図9に示すものと同様に、パターンを透明フィルム2枚に印刷し、5mm厚のアクリル板の両面に貼り合わせる。基本視認距離は1mとする。パターンと観察者の目の高さは一致する。
評価は観察者2名によるものであり、モアレ外観評価を3段階評価(悪:×、並:△、良:○)、モアレ明暗度を6段階評価(最も暗い場合を0とし、最も明るい場合を5として、その間の数で表現)とした。
そして、上限値と下限値の間の開口部/非開口部比は線形に変化するとし、グレースケールレベル45%では開口部/非開口部比が1.8、グレースケールレベル75%では開口部/非開口部比が3.0として、図18に示す出力パターンを得ている。
パターンの重ね合わせによってモアレ像を発現させるためには、入力画像の特徴値と一方のパターンの位相の位相変動量を対応させることが必要となる。最も単純には、入力画像の特徴値をグレースケールレベルとした場合、グレースケールレベルが高いほど(画像が白っぽいほど)位相の位相変動量を小さくし、グレースケールレベルが低いほど(画像が黒っぽいほど)位相の位相変動量を大きくすればよい。
なお、以下の説明は、手前側のパターンが開口部/非開口部比が1(開口部と非開口部の割合が1:1)であることを前提としている。
グレースケールレベル50%の場合:パターンの位相を1/4周期(π/2)ずらす(開口部の50%分に相当し、重ね状態の非開口部と開口部の割合は3:1となる)、すなわち移相変動量=π/2。
グレースケールレベル100%の場合:パターンの位相は変化させず、非開口部と開口部はパターンのまま1:1とする、すなわち移相変動量=0。
上記の例では、開口部に対する位相変動量は線形であるが、指数的/対数的などの非線形や、階調を設定してもよい。
モアレ用パターンA(手前側)及びモアレ用パターンB(奥側)がギャップを挟んで設置された場合、両眼視差によって、発生するモアレ像は立体的に感じられる。
手前側パターンに比べ奥側パターンの方がピッチが大きいとき、モアレ像は手前側に浮いているように見え、奥側パターンの方がピッチが小さいとき、モアレ像は奥側に沈んでいるように見える。
パターンの奥行き感(パターンよりも奥に見えること)や飛び出し感(パターンよりも手前に見えること)の程度は、手前側パターンと奥側パターンの比率、パターン設置条件(基材や貼り合わせるパネルの厚み、屈折率)等条件により異なる。
また100.3〜105.0%のとき飛び出し感を感じ、100.3〜102.0%の範囲で飛び出しをより感じることができる。ピッチの比率が100%から変化した量を、ピッチ位相変動量という。
図23は、モアレ像を発現させるパターンの生成システムSYSの概略図である。生成システムSYSは、上述のモアレ像を発現させるパターンの生成方法や手法を実現することができ、具体的には、画像データ及び情報を入力してモアレ用パターンのデータ(たとえば印刷用データ)を出力できる。生成システムSYSは、入力された画像データを読み取る入力画像の読取部RD、入力された画像データから特徴値を抽出する入力画像の特徴値抽出部PK、レイヤー情報の入力設定を行うレイヤー情報の入力設定部LI,モアレ表示体情報の入力設定を行うモアレ表示体情報の入力設定部MI,基本パターン情報の入力設定を行う基本パターン情報の入力設定部SIとを有している。
また,位相変動量、ピッチ比率の設定についても、様々な変更が可能であることはいうまでもない。
4:モアレ表示体、5:パネルの厚み、6:表現領域
Claims (6)
- 開口部と非開口部から成るパターンが複数形成されたモアレ表示体において、
前記開口部の平均透過率は、前記非開口部の平均透過率より高く、
前記開口部の最大透過率と前記非開口部の最小透過率の差が1%以上であり、
複数の前記パターンが一部重なったとき、少なくとも手前側のパターンの前記開口部を通して奥側のパターンが透けて見えることにより、モアレ像が発現し、
前記パターンは、表示面内でモアレパターンぼけ度を変更可能であり、
前記モアレパターンぼけ度は、勾配領域、勾配面積、勾配角度のうち少なくとも一つにより規定される、
ことを特徴とするモアレ表示体。 - 前記パターンを印刷で形成する場合、モアレパターンのぼけを、網点の大きさの差、網点の密度の差のうち少なくとも一方を調整して形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモアレ表示体。 - 前記手前側のパターンと前記奥側のパターンとの間には、ギャップが形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモアレ表示体。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモアレ表示体に形成されるパターンであって、前記表示面内で変更された前記モアレパターンぼけ度をもつ、
ことを特徴とするパターン。 - 請求項4に記載のパターンを生成するパターン生成方法であって、
入力画像を読取り、前記入力画像の特徴値を抽出し、レイヤー情報の入力設定を行い、モアレ表示体情報の入力設定を行い、基本パターン情報の入力設定を行った後、
前記入力画像の特徴値から画像のエリアごとの開口部/非開口部比を設定し、位相変動量、ピッチの比率、モアレパターンぼけ度を算出して、モアレ像を発現させる手前側パターン及び奥側パターンのデータを出力する、
ことを特徴とするパターン生成方法。 - 請求項4に記載のパターンを生成するパターン生成システムであって、
入力画像を読取る入力画像読取部と、前記入力画像の特徴値を抽出する入力画像特徴値抽出部と、レイヤー情報の入力設定を行うレイヤー情報入力設定部と、モアレ表示体情報の入力設定を行うモアレ表示体情報入力設定部と、基本パターン情報の入力設定を行う基本パターン情報入力設定部と、演算部とを有しており、
前記演算部は、前記入力画像の特徴値から画像のエリアごとの開口部/非開口部比を設定し、位相変動量、ピッチの比率、モアレパターンぼけ度を算出して、モアレ像を発現させる手前側パターン及び奥側パターンのデータを出力する、
ことを特徴とするパターン生成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019168750A JP7306181B2 (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019168750A JP7306181B2 (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021047250A true JP2021047250A (ja) | 2021-03-25 |
JP7306181B2 JP7306181B2 (ja) | 2023-07-11 |
Family
ID=74878351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019168750A Active JP7306181B2 (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7306181B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006072168A (ja) * | 2004-09-06 | 2006-03-16 | The Pack Corp | 変化するモアレにより立体的視覚効果の得られるシート体及びその製造方法並びに袋体 |
JP2007128075A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-24 | Xerox Corp | 像生成体と像を提供する方法 |
JP2016102910A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 凸版印刷株式会社 | 表示装置 |
-
2019
- 2019-09-17 JP JP2019168750A patent/JP7306181B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006072168A (ja) * | 2004-09-06 | 2006-03-16 | The Pack Corp | 変化するモアレにより立体的視覚効果の得られるシート体及びその製造方法並びに袋体 |
JP2007128075A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-24 | Xerox Corp | 像生成体と像を提供する方法 |
JP2016102910A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 凸版印刷株式会社 | 表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7306181B2 (ja) | 2023-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5090337B2 (ja) | 平面パススルーを有する自動立体ディスプレイ | |
KR101361290B1 (ko) | 마이크로렌즈를 포함하는 다층 요소 | |
JP6042805B2 (ja) | 映像表示装置 | |
JP4881871B2 (ja) | 3次元表示装置 | |
JP6042102B2 (ja) | 映像表示装置 | |
JP2007510178A (ja) | ハーフトーンイメージを備える回折セキュリティエレメント | |
US20140225362A1 (en) | Multiple shade latent images | |
KR20080003828A (ko) | 입체 영상 디스플레이 장치 | |
JP5558001B2 (ja) | 減衰フィルタを均質化する機能を持つ表示デバイス | |
CN101529310A (zh) | 自动立体视觉系统 | |
JP4243633B2 (ja) | 離散パターン生成方法、プログラム、記録媒体および離散パターン生成システム | |
JP4043018B2 (ja) | 離散パターン、該離散パターンを用いた光学部材、導光板、サイドライト装置および透過型液晶表示装置 | |
WO2009129473A2 (en) | Multiple-display systems and methods of generating multiple-display images | |
CN108431671A (zh) | 3d显示装置 | |
US20210327081A1 (en) | Methods for generating moiré-producing pattern, apparatuses for generating moiré-producing pattern, and systems for generating moiré-producing pattern | |
KR20200132967A (ko) | 컬러 이미지를 생성할 수 있는 다큐먼트 | |
JP4535954B2 (ja) | 2眼式立体表示装置およびプログラム | |
US8159492B2 (en) | Method for simulating optical components for the stereoscopic production of spatial impressions | |
JP7306181B2 (ja) | モアレ表示体、モアレ像を発現させるパターン、パターン生成方法、及びパターン生成システム | |
US5806218A (en) | Border for an image | |
JP2013231873A (ja) | 映像表示装置 | |
CN111624785A (zh) | 基于背光立体显示装置的提高背光照明均匀度的方法 | |
JP4905677B2 (ja) | 体積型ホログラム、その作成方法及びそれを用いたホログラム表示装置 | |
KR101807820B1 (ko) | 컬러 모아레 인식강도 정량화 방법 및 장치 | |
JP2016196103A (ja) | 画質調整情報を作成する装置、方法、及びプログラム並びに画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230519 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230530 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230612 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7306181 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |