JP2021046833A - 内燃機関、及び車両 - Google Patents

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Kazuhiro Suzuki
一弘 鈴木
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Abstract

【課題】ブローバイガス中の水分を除去することを可能とする内燃機関を提供すること。【解決手段】過給器22を有する内燃機関であって、一端が吸気管20の過給器22の上流側に設けられた分岐ポート20bに接続され、他端が当該内燃機関本体10のブローバイガス排出口10aに接続され、当該内燃機関本体0のクランク室10Raから排出されるブローバイガスを吸気管20内に還流させるブローバイガス還流管41と、ブローバイガス還流管41又は吸気管20の過給器22よりも上流側に配設され、ブローバイガスを冷却する冷却装置43と、を備える内燃機関。【選択図】図1

Description

本開示は、内燃機関、及び車両に関する。
従来、内燃機関(以下、「エンジン」とも称する)において、エンジンのクランク室と吸気管とを連通するように配設されたブローバイガス還流管が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この種のブローバイガス還流管は、エンジンから排出されるブローバイガスをエンジンの燃焼室に還流させて燃焼させ、ブローバイガスに含まれるオイルミストが大気中に放出されることを防止する。
尚、エンジンが、過給器を有する場合、過給器下流の吸気管内の圧力が正圧となるため、過給器の下流側にブローパイガスを還流させることが困難となる。そのため、この種の内燃機関においては、ブローバイガス還流管の出口端は、過給器の上流側に設けられた吸気管の分岐ポートに接続されている。
実開昭56−55754号公報
ところで、ブローバイガス中にはオイルミスト以外に水分も含まれていることが知られている。ブローバイガス還流管中には、オイルセパレータが設けられる場合があるが、かかる水分は、オイルセパレータでは除去しきれず、吸気管内に還流してしまう。
かかる水分は、エンジン内で種々の問題を誘起する。例えば、かかる水分は、外気温が低い場合には、凍結して氷となって、過給器のコンプレッサフィンに衝突して、過給器を破損させるおそれがある。又、かかる水分は、過給器の回転軸部分に侵入し、当該部分で潤滑油不足に起因する焼き損を発生させるおそれがある。又、かかる水分は、インタークーラー内で凍結して、インタークーラーのチューブを膨張させてしまうこともある。
ブローバイガス中の水分が液体であれば分離することも比較的容易であるが、かかる水分は、気体として、ブローバイガス還流管から吸気管内に還流するため、従来技術に係るエンジンの構成では、除去するのが困難となっている。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ブローバイガス中の水分を除去することを可能とする内燃機関、及び車両を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
過給器を有する内燃機関であって、
一端が吸気管の前記過給器の上流側に設けられた分岐ポートに接続され、他端が当該内燃機関本体のブローバイガス排出口に接続され、当該内燃機関本体のクランク室から排出されるブローバイガスを前記吸気管内に還流させるブローバイガス還流管と、
前記ブローバイガス還流管又は前記吸気管の前記過給器よりも上流側に配設され、前記ブローバイガスを冷却する冷却装置と、
を備える内燃機関である。
又、上記の内燃機関を備える車両である。
本開示に係る内燃機関によれば、ブローバイガス中の水分を除去することが可能である。
一実施形態に係るエンジンの構成の一例を示す図 一実施形態に係るエンジンに連結されるヒートポンプの冷媒回路の一例を示す図 変形例に係るエンジンの構成の一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下、図1を参照して、一実施形態に係るエンジンの構成の一例について説明する。本実施形態に係るエンジンは、例えば、ディーゼルエンジンであり、ディーゼルエンジン車両に適用されている。
図1は、本実施形態に係るエンジンAの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るエンジンAは、エンジン本体10、吸気管20、エアクリーナー21、過給器22、インタークーラー23、排気管30、及び、ブローバイガス処理装置40を備えている。
エンジン本体10は、上面に燃焼室が形成されたピストン、及び当該燃焼室に燃料供給を行う燃料噴射装置を含んで構成される。エンジン本体10は、燃焼室内で、空気の吸気行程、空気の圧縮行程、燃焼ガスの膨張行程、及び燃焼ガスの排気行程を繰り返し行わせることよって、動力を生成する。
エンジン本体10内には、ピストンに連結されたクランクシャフトを収容するクランク室10Ra、ブローバイガス還流管41の一端が接続されるシリンダヘッドカバー内のカバー室10Rc、及び、クランク室10Raとカバー室10Rcとを連通する連絡通路10Rbが設けられている。そして、燃焼室からクランク室10Ra内に漏れ出したブローバイガスは、連絡通路10Rbを通じてカバー室10Rc内へ導かれ、ブローバイガス還流管41に還流する。
尚、カバー室10Rcには、ブローバイガスに含まれるオイルミストを除去するオイルセパレータ11が配設されている。
吸気管20は、吸気口20aから空気(新気)を吸入し、エンジン本体10に当該空気を供給する吸気通路を形成する。吸気管20のエアクリーナー21と過給器22のコンプレッサ22aとの間には、分岐ポート20bが設けられている。そして、分岐ポート20bには、ブローバイガス還流管41の一端が接続され、ブローバイガス還流管41を介してブローバイガスが吸気管20内に還流されるようになっている。
吸気管20には、上流側の吸気口20aからエンジン本体10に向かって、順に、エアクリーナー21、分岐ポート20b、冷却装置43、過給器22のコンプレッサ22a、及び、インタークーラー23が設けられている。
エアクリーナー21は、吸気口20aから吸入された空気を取り込んで、当該空気から不純物質を除去して過給器22側に送り出す。
過給器22は、例えば、吸気管20内に設けられたコンプレッサ22aと、排気管30内に設けられたタービン22bと、を含んで構成される(ターボチャージャとも称される)。過給器22は、排気管30内を通流する排ガスの圧力を利用してタービン22bを回転させる。そして、過給器22は、タービン22bの回転運動によって、当該タービン22bと同軸上に配されたコンプレッサ22aを動作させ、エアクリーナー21から流入する空気を圧縮して、エンジン本体10の燃焼室に送り出す。
インタークーラー23は、過給器22から送り出された圧縮された空気を冷却して、燃焼室側に送出する。
排気管30は、エンジン本体10から排出される燃焼後の排ガスを、エンジンAの外部に排出する排気通路を形成する。排気管30には、エンジン本体10から下流側に向かって、過給器22のタービン22b、及び、排気浄化装置(図示せず)等が設けられている。
ブローバイガス処理装置40は、ブローバイガス還流管41、PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ42、冷却装置43、及び、液体除去装置44を有している。
ブローバイガス還流管41は、一端が吸気管20の分岐ポート20bに接続され、他端がエンジン本体10のカバー室10Rcに形成されたブローバイガス排出口10aに接続され、吸気管20の吸気通路とクランク室10Raとを連通する配管である。ブローバイガス還流管41により、エンジン本体10のクランク室10Raから排出されるブローバイガスは、吸気管20の吸気通路を通って、エンジン本体10の燃焼室に還流する。
PCVバルブ42は、エンジン本体10のカバー室10Rc内のブローバイガス還流管41の入口端の位置に配設され、クランク室10Raからブローバイガス還流管41に通流するブローバイガスの通流状態を制御する。PCVバルブ42は、例えば、エンジンAを制御するECU(図示せず)によって、開弁状態と閉弁状態との切り替えが制御されている。
冷却装置43は、ブローバイガス還流管41、又は、吸気管20の過給器22よりも上流側に配設され、当該位置を通流するブローバイガスを冷却する。本実施形態に係る冷却装置43は、吸気管20の分岐ポート20bと過給器22との間の位置に配設され、当該位置を通流するブローバイガスを冷却する熱交換器を有する。尚、冷却装置43は、例えば、吸気管20内に設けられたフィンによって、ブローバイガスと熱交換して、ブローバイガスを冷却する。
冷却装置43は、ブローバイガスを冷却することで、ブローバイガスに含まれる気体状態の水分を液化させる。ここで、冷却装置43は、典型的には、ヒートポンプTの蒸発器により構成された熱交換器である(以下、「ガス冷却用蒸発器43」とも称する)。
図2は、本実施形態に係るエンジンAに連結されるヒートポンプTの冷媒回路の一例を示す図である。ガス冷却用蒸発器43は、ヒートポンプTを有する空調装置の冷媒回路内に配設されている。
本実施形態に係るヒートポンプTの冷媒回路内には、空調用蒸発器T1、ガス冷却用蒸発器T2、圧縮機T3、凝縮器T4、膨張弁T5、及び、冷媒分配器T6が設けられており、当該冷媒回路内を冷媒(例えば、フルオロカーボン類やアンモニア)が還流する。
圧縮機T3は、冷媒を高圧化して凝縮器T4に送出する。凝縮器T4は、冷媒を、放熱凝縮して液化して、膨張弁T5に送出する。膨張弁T5は、冷媒を、減圧膨張させて、冷媒分配器T6に送出する。冷媒分配器T6は、膨張弁T5から送出される冷媒を、適宜な割合で、空調用蒸発器T1及びガス冷却用蒸発器T2に分配する。尚、冷媒分配器T6が冷媒を空調用蒸発器T1とガス冷却用蒸発器T2とに分配する際の割合は、空調の利用状態に応じて、車両ECU(図示せず)により、適宜設定される。
空調用蒸発器T1は、例えば、エンジンAが搭載された車両の運転室内に配設され、冷媒が蒸発する際の気化熱の吸熱を利用して、当該運転室内を冷却する。
ガス冷却用蒸発器T2は、吸気管20が形成する吸気通路内に設けられた冷却装置43の熱交換器(例えば、フィン)と熱結合され、冷媒が蒸発する際の気化熱の吸熱を利用して、冷却装置43の熱交換器を冷却する。即ち、ガス冷却用蒸発器T2は、冷却装置43の熱交換器(即ち、吸気管20の壁面)と熱交換することで、吸気管20内を通流する空気及びブローバイガスを冷却する。
つまり、本実施形態に係るヒートポンプTは、車両の運転室内の冷却の用途と、吸気管20内を通流する空気及びブローバイガスの冷却の用途とで、共用されている。これによって、車両に既設のヒートポンプTを用いて、吸気管20内を通流する空気及びブローバイガスを実現することが可能である。
液体除去装置44は、冷却装置43で液化したブローバイガス中の水分を捕集又は貯留して、過給器22に流入する前段階で、空気から水分を除去する。本実施形態では、液体除去装置44は、吸気管20内を通流する空気中から液化した水が自重により分離されるように、吸気管20に接続された貯留容器によって構成されている。ここでは、液体除去装置44は、吸気管20の冷却装置43の配設位置に接続されている。又、液体除去装置44には、貯留した水を車両の外部に排出するためのバルブ44aが設けられている。
尚、液体除去装置44は、吸気管20内で、ブローバイガス中の液化した水分を捕集するフィルタ等によって、構成されてもよい。
次に、本実施形態に係るブローバイガス処理装置40の動作について説明する。
エンジンAの運転中、過給器22の作動によって、エンジン本体10のクランク室10Ra内の圧力が高くなる。このとき、ECUは、PCVパルプ42を開弁状態となるように制御し、クランク室10Ra内のブローバイガスは、ブローバイガス還流管41を介して、吸気管20内に還流する。吸気管20内に還流したブローバイガスは、冷却装置43にて、冷却され、当該ブローバイガス内に含まれる水分は、液化する。そして、液化した水分は、液体除去装置44に貯留される。
水分を除去されたブローバイガスを含む吸気は、過給器22にて圧縮され、高圧空気となって、インタークーラー23に送出される。そして、当該吸気は、インタークーラー23にて冷却された後、エンジン本体10の燃焼室内に送出される。このようにして、クランク室10Ra内から排出されるブローバイガス(ブローバイガスに含まれるオイルミスト)は、エンジン本体10の燃焼室にて燃焼されることになる。
以上のように、本実施形態に係るエンジンAによれば、ブローバイガス中に含まれる水分を除去することが可能となる。これによって、ブローバイガス中に含まれる水分が過給器22に流れ込み、過給器22が破損することを抑制することができる。又、これによって、インタークーラー23内におけるチューブ膨張の発生の抑制にも資する。
加えて、本実施形態に係るエンジンAによれば、過給器22に流入する吸気の温度、及び、エンジン本体10の燃焼室に流入する吸気の温度を低下させることができる。これによって、過給器22を、ブースト圧が高ブースト化するように動作させることが可能である。又、これによって、エンジンAにおける燃焼効率の向上にも資する。
(変形例)
図3は、変形例に係るエンジンAの構成の一例を示す図である。本変形例に係るエンジンAは、冷却装置43が、ブローバイガス還流管41に配設されている点で、上記実施形態と相違する。
上記実施形態に係るエンジンAにおいては、冷却装置43が吸気管20に配設されているため、ブローバイガスに加えて、吸気管20内を通流する吸気をも冷却することができる点で、有用である。つまり、上記実施形態に係るエンジンAは、外気の温度が高い場合に、冷却装置43が吸気管20内を通流する吸気自体を冷却することによって、過給器22の高ブースト化及びエンジンAにおける燃焼効率の向上に資する点で、有用である。
但し、上記実施形態に係るエンジンAにおいては、外気の温度が低い場合においては、ブローバイガス還流管41を通流するブローバイガス中の水分は、吸気管20の分岐ポート20bに流入する際に、当該分岐ポート20bの位置で凍結してしまうおそれがある。
本変形例に係るエンジンAにおいては、かかる観点から、冷却装置43をブローバイガス還流管41に配設し、且つ、液体除去装置44をブローバイガス還流管41に配設した構成が採用されている。これによって、吸気管20内に還流する前段階で、ブローバイガス中の水分を、除去することが可能となる。
以上のように、本変形例に係るエンジンAにおいても、ブローバイガス中に含まれる水分を除去することが可能である。
尚、上記実施形態では、本発明に係るエンジンAの適用対象の一例として、ディーゼルエンジン車両を示した。但し、本発明に係るエンジンAは、ガソリンンジン車両にも適用し得る。又、車両に限らず、船舶等にも適用することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る内燃機関によれば、ブローバイガス中の水分を除去することが可能である。
A エンジン(内燃機関)
10 エンジン本体(内燃機関本体)
10Ra クランク室
10Rb 連絡通路
10Rc カバー室
10a ブローバイガス排出口
20 吸気管
20a 吸気口
20b 分岐ポート
21 エアクリーナー
22 過給器
23 インタークーラー
30 排気管
40 ブローバイガス処理装置
41 ブローバイガス還流管
42 PCVバルブ
43 冷却装置
44 液体除去装置
44a バルブ

Claims (7)

  1. 過給器を有する内燃機関であって、
    一端が吸気管の前記過給器の上流側に設けられた分岐ポートに接続され、他端が当該内燃機関本体のブローバイガス排出口に接続され、当該内燃機関本体のクランク室から排出されるブローバイガスを前記吸気管内に還流させるブローバイガス還流管と、
    前記ブローバイガス還流管又は前記吸気管の前記過給器よりも上流側に配設され、前記ブローバイガスを冷却する冷却装置と、
    を備える内燃機関。
  2. 前記冷却装置は、前記吸気管の前記過給器よりも上流側で且つ前記分岐ポートよりも下流側において、前記吸気管内に設けられた熱交換器を有する、
    請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記冷却装置は、前記ブローバイガス還流管内に設けられた熱交換器を有する、
    請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記冷却装置は、ヒートポンプの蒸発器を有する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記ヒートポンプは、空調装置のヒートポンプであり、
    前記蒸発器は、前記空調装置の冷媒回路内に配設される、
    請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記ブローバイガス還流管又は前記吸気管の前記過給器よりも上流側に配設され、前記冷却装置に冷却されて液体となった前記ブローバイガス中の水分を捕集又は貯留する液体除去装置を更に備える、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の内燃機関を有する車両。

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