JP2021045726A - 一酸化炭素製造用触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法 - Google Patents

一酸化炭素製造用触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法 Download PDF

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篤史 桶本
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剛一 佐藤
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Yasuhisa Hasegawa
泰久 長谷川
原田 亮
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亮 原田
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Abstract

【課題】二酸化炭素から一酸化炭素への転換反応用触媒であって、転換反応後の触媒再生操作が不要であり転換速度に優れた触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法を提供する。【解決手段】一酸化炭素製造用触媒は、二酸化炭素及び水素に接触して一酸化炭素を生成する触媒であって、取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素の遷移金属酸化物及び遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する還元促進成分と、遷移金属酸化物及び還元促進成分を分散担持する担体と、を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、一酸化炭素製造用触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法に関する。
二酸化炭素は、火力発電所や製鉄所などから大量に発生しており、大気中にそのまま放出されている。この二酸化炭素を回収し、化学工業において有用な物質である一酸化炭素へと転換し、炭素源として再利用することが期待されている。
回収された二酸化炭素を再利用する技術として、例えば、特許文献1には、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物と、高炉ガス又は転炉ガスとを加熱下に直接接触させて、二酸化炭素を還元して一酸化炭素を生成させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、取りうる酸化数が複数ある遷移金属の酸化物が含まれる合成ガス製造用触媒に、水素及び二酸化炭素を含む原料ガスを接触させることにより一酸化炭素を生成する、合成ガスの製造方法が開示されている。
特開2012−36029号公報 特開2018−202333号公報
特許文献1に記載の方法は、酸素欠損状態の遷移金属酸化物を用いて二酸化炭素を一酸化炭素と酸素とに分解し、一酸化炭素のみを回収する技術であるが、二酸化炭素を化学量論反応によって還元して一酸化炭素を生成させるため、反応後に、遷移金属酸化物の酸素欠損を回復させる再生操作が必要である。
また、特許文献2に記載の方法は、酸素欠損を有する遷移金属酸化物が、夾雑ガスを含む二酸化炭素の転換に優れた性能を示したものの、二酸化炭素から一酸化炭素への転換速度が低い。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、二酸化炭素から一酸化炭素への転換反応用触媒であって、転換反応後の触媒再生操作が不要であり転換速度に優れた触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法を提供することである。
本発明の第一の観点に係る一酸化炭素製造用触媒は、二酸化炭素及び水素に接触して一酸化炭素を生成する触媒であって、
取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素の遷移金属酸化物及び前記遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する還元促進成分と、
前記遷移金属酸化物及び前記還元促進成分を分散担持する担体と、
を含有する。
前記一酸化炭素製造用触媒中に前記遷移金属酸化物が、複数の酸化数の酸化物として共存している、と好ましい。
前記遷移金属酸化物の金属元素は、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素である、と好ましい。
前記一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する前記遷移金属酸化物の含有量は、1質量%以上である、と好ましい。
前記担体は、無機多孔体である、と好ましい。
前記担体の比表面積は、20m/g〜800m/gである、と好ましい。なお、本明細書において、X〜Xの表記は、X以上X以下を意味する。
前記還元促進成分は、前記一酸化炭素製造用触媒に含有する前記遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素であって、かつ、鉄(Fe)、コバルト(Co)ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する、と好ましい。
前記一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する前記還元促進成分の含有量は、0.1質量%以上である、と好ましい。
本発明の第二の観点に係る一酸化炭素製造用触媒の製造方法は、前記一酸化炭素製造用触媒の製造方法であって、
前記取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素を含有する前駆体及び前記還元促進成分の前駆体を含む含浸液に、前記担体を浸漬させる浸漬工程と、
浸漬させた前記担体を、前記含浸液から取り出して乾燥させる乾燥工程と、
乾燥した前記担体を、焼成する焼成工程と、
焼成した前記担体を、水素気流中に配置することで活性化処理する活性化工程と、
を含む。
前記含浸液は、酸性溶媒である、と好ましい。
前記酸性溶媒は、塩化水素の水溶液である、と好ましい。
本発明の第三の観点に係る一酸化炭素の製造方法は、二酸化炭素を一酸化炭素製造用触媒に接触させて一酸化炭素を製造する方法であって、
前記一酸化炭素製造用触媒に、二酸化炭素及び水素を含有する混合ガスを接触させることにより、一酸化炭素を生成させる。
前記二酸化炭素を前記一酸化炭素製造用触媒に接触させる温度は、150℃〜900℃である、と好ましい。
本発明によれば、二酸化炭素から一酸化炭素への転換反応用触媒であって、転換反応後の触媒再生操作が不要であり転換速度に優れた触媒、その製造方法、及びそれを用いた一酸化炭素の製造方法を提供することができる。
本発明で用いた、二酸化炭素から一酸化炭素を製造するための装置を示す模式図。 比較例1の触媒AのX線回折スペクトル。 触媒A(焼成処理後)のX線光電子分光スペクトル。 触媒A(活性化処理後)のX線光電子分光スペクトル。 触媒A及び触媒E(活性化処理後)のH−TPRスペクトル。
(一酸化炭素製造用触媒)
本発明の一実施形態に係る一酸化炭素製造用触媒は、二酸化炭素及び水素に接触して一酸化炭素を生成する触媒であって、取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素の遷移金属酸化物及び前記遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する還元促進成分と、前記遷移金属酸化物及び前記還元促進成分を分散担持する担体と、を含有する。
(遷移金属酸化物)
本明細書において、「取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素」とは、3A族〜7族、8族及び1B族の元素のうち、酸素と結合したときの酸化数が複数あることが知られている元素、すなわち、2つ以上の酸化数をもつ酸化物種をとりうる金属種である。また、「遷移金属酸化物」とは、その取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素と酸素が結合した化合物である。
具体的には、「取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素」としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)の第一遷移元素、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の第二遷移元素、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)の第三遷移元素等が挙げられる。
中でも、「取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素」としては、6A族のクロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)、並びに5A族のバナジウム(V)、ニオブ(Nb)及びタンタル(Ta)が好ましく、6A族のクロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)がより好ましく、モリブデン(Mo)が特に好ましい。
クロム(Cr)は、6、5、4、3、2、1、0、−1、−2の少なくとも9つの酸化数を取りうることが知られている。クロム(Cr)の酸化物としては、例えば、酸化クロム(II)(CrO)、酸化クロム(III)(Cr)、酸化クロム(VI)(CrO)等の酸化クロムが知られている。
モリブデン(Mo)は、6、5、4、3、2、1、0、−1、−2の少なくとも9つの酸化数を取りうることが知られている。モリブデン(Mo)の酸化物としては、例えば、酸化モリブデン(VI)(MoO)、酸化モリブデン(IV)(MoO)の少なくとも2つの酸化モリブデンが知られている。
タングステン(W)は、6、5、4、3、2、1、0、−1、−2の少なくとも9つの酸化数を取りうることが知られている。タングステン(W)の酸化物としては、例えば、酸化タングステン(III)(W)、酸化タングステン(VI)(WO)等の酸化タングステンが知られている。
バナジウム(V)は、5、4、3、2、1、0、−1の少なくとも7つの酸化数を取りうることが知られている。バナジウム(V)の酸化物としては、例えば、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化バナジウム(V)(V)等の酸化バナジウムが知られている。
ニオブ(Nb)は、5、4、3、2、0、−1、−3の少なくとも7つの酸化数を取りうることが知られている。ニオブ(Nb)の酸化物としては、酸化ニオブ(III)(Nb)、酸化ニオブ(IV)(NbO)、酸化ニオブ(V)(Nb)等の酸化ニオブが知られている。
タンタル(Ta)は、5、4、3、2、0、−1、−3の少なくとも7つの酸化数を取りうることが知られている。タンタル(Ta)の酸化物としては、酸化タンタル(IV)(TaO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の酸化タンタルが知られている。
一酸化炭素製造用触媒に含有している遷移金属酸化物を構成する、取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素は、1種でもあってもよく、2種以上であってもよい。
また、一酸化炭素製造用触媒に含有している遷移金属酸化物は、1種でもよいし、2種以上であってもよいが、複数の酸化数の酸化物が共存していると好ましい。遷移金属酸化物が酸化モリブデンである場合には、例えば、酸化モリブデン(VI)(MoO)又は酸化モリブデン(IV)(MoO)の一方が含まれていればよいが、酸化モリブデン(VI)(MoO)及び酸化モリブデン(IV)(MoO)が共存していると好ましい。
一酸化炭素製造用触媒中の遷移金属酸化物の含有率は特に限定されないが、一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する遷移金属酸化物の含有量で、下限が、0.1質量%以上であると好ましく、1質量%以上であるとより好ましく、5質量%以上であると特に好ましく、上限が、99質量%以下であると好ましく、20質量%以下であるとより好ましく、10質量%以下であると特に好ましい。
(還元促進成分)
本実施形態に係る還元促進成分は、前述の遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する成分である。
ここで、本明細書において、部分還元とは、遷移金属酸化物を構成する遷移金属の酸化数を、その遷移金属が取り得る酸化数の最小値未満のいずれの酸化数に還元することをいう。遷移金属酸化物が酸化モリブデンである場合には、例えば、酸化モリブデン(VI)(MoO)を酸化モリブデン(IV)(MoO)に還元する。
還元促進成分としては、例えば、前述の一酸化炭素製造用触媒に含有する遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素を含有する化合物(例えば、遷移金属の金属及び酸化物)であって、前述の遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する成分が挙げられる。
還元促進成分が、前述の遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進するには、例えば、還元促進成分が含有する元素の少なくとも1つが、前述の一酸化炭素製造用触媒に含有する遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素であって、水素分子を解離吸着する能力のある元素を構成元素として含有する化合物(金属又はその金属酸化物)であることが好ましい。
還元促進成分が含有する元素としては、例えば、前述の一酸化炭素製造用触媒に含有する遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素であって、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)の8族元素、コバルト(Co)ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)の9族元素、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)の10族元素、並びに銅(Cu)、銀(Ag)の11族元素などの金属元素が挙げられる。
中でも、前述の一酸化炭素製造用触媒に含有する遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素であって、かつ、鉄(Fe)、コバルト(Co)ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有するものが好ましい。
一酸化炭素製造用触媒中の還元促進成分の含有率は、遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する範囲であれば特に限定されないが、一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する還元促進成分の含有量で、下限が、0.1質量%以上であると好ましく、1質量%以上であるとより好ましく、上限が、99質量%以下であると好ましく、20質量%以下であるとより好ましく、10質量%以下であると特に好ましい。
また、一酸化炭素製造用触媒に含有する遷移金属酸化物と還元促進成分との割合は、遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する範囲であれば特に限定されないが、還元促進成分が金属元素を構成元素として含有する場合には、遷移金属酸化物の遷移金属元素と還元促進成分の金属元素とのモル比が、(遷移金属酸化物の遷移金属元素):(還元促進成分の金属元素)で、9.9:0.1〜0.1:9.9であると好ましく、9:1〜5:5であるとより好ましく、9:1〜7:3であると特に好ましい。
(担体)
本実施形態に係る担体は、前述の遷移金属酸化物及び前述の還元促進成分を分散担持する。
担体としては、例えば、ゼオライト、シリカ、アルミナ、多孔質カーボン等の粒子が挙げられる。また、担体は、ミクロポーラス材料、メソポーラス材料、マクロポーラス材料などの有機及び/又は無機の多孔体が好ましく、無機多孔体がより好ましい。
担体の比表面積は特に限定されないが、BET法で測定した値で、20m/g〜800m/gであると好ましく、400m/g〜600m/gであるとより好ましい。
一酸化炭素製造用触媒中の担体の含有率は特に限定されないが、一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する担体の含有量で、下限が、50質量%以上であると好ましく、70質量%以上であるとより好ましく、90質量%以上であると特に好ましく、上限が、99.9質量%以下であると好ましく、99質量%以下であるとより好ましく、95質量%以下であると特に好ましい。
担体は、遷移金属酸化物を支持する形態を有しており、例えば、前記遷移金属酸化物は、担体の粒子表面に、被覆した形態をとっている。
また、一酸化炭素製造用触媒に含有する担体との割合は特に限定されないが、遷移金属酸化物及び還元促進成分と、担体との質量比が、(遷移金属酸化物及び還元促進成分):(担体)で、0.1:99.9〜50:50であると好ましく、1:99〜20:80であるとより好ましく、5:95〜10:90であると特に好ましい。
一酸化炭素製造用触媒の形状は特に限定されないが、例えば涙滴状、真球状、回転楕円体状、フレーク状又は不定形状が挙げられる。
一酸化炭素製造用触媒の大きさは特に限定されないが、一酸化炭素製造用触媒が粒子であるときは、粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡で測定した個数基準の長さ平均径の値で、0.01mm〜5.0mmであることが好ましく、0.15mm〜0.30mmであることが特に好ましい。
(一酸化炭素製造用触媒の製造方法)
本実施形態に係る一酸化炭素製造用触媒は、その製造方法によって限定されないが、例えば含浸法、混練法、気相蒸着法、担持錯体分解法、イオン交換法等が挙げられ、含浸法が好ましい。
以下に、含浸法を用いた一酸化炭素製造用触媒の製造方法について説明する。
本実施形態に係る一酸化炭素製造用触媒の製造方法は、浸漬工程と、乾燥工程と、焼成工程と、活性化工程と、を含む。
(浸漬工程)
浸漬工程では、取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素を含有する前駆体及び還元促進成分の前駆体を含む含浸液に、前記担体を浸漬させる。
浸漬は、例えば、担体に含浸液を滴下し撹拌する方法、噴霧して撹拌する方法、もしくは含浸液に担体を浸漬し撹拌する方法等で行う事ができる。
遷移金属元素を含有する前駆体としては、遷移金属元素の、塩酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸塩などが挙げられる。
より具体的には、遷移金属元素を含有する前駆体としては、例えば、遷移金属元素がクロム(Cr)である場合には、塩化クロム(III)六水和物(CrCl・6HO)等が挙げられる。
遷移金属元素がモリブデン(Mo)である場合には、前駆体として、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)、塩化モリブデン(V)(MoCl)等が挙げられる。
遷移金属元素がタングステン(W)である場合には、前駆体として、タングステン酸ナトリウム(NaWO(VI))、塩化タングステン(VI)(WCl)等が挙げられる。
遷移金属元素がバナジウム(V)である場合には、前駆体として、塩化バナジル(V)(VOCl(V))、アセチルアセトナトバナジウム(III)(V(CHCOCHCOCH)等が挙げられる。
遷移金属元素がニオブ(Nb)である場合には、前駆体として、塩化ニオブ(V)(NbCl(V))等が挙げられる。
遷移金属元素がタンタル(Ta)である場合には、前駆体として、塩化タンタル(V)等が挙げられる。
遷移金属元素が鉄(Fe)である場合には、前駆体としては、塩化鉄(III)無水物(FeCl)、硫酸鉄(III)(Fe(SO(II))等が挙げられる。
遷移金属元素がニッケル(Ni)である場合には、前駆体としては、塩化ニッケル(II)六水和物(NiCl・6HO)、硝酸ニッケル(Ni(NO(II))等が挙げられる。
還元促進成分の前駆体としては、例えば、前述の遷移金属元素を含有する前駆体と同様のものが挙げられる。
より具体的には、還元促進成分の前駆体としては、前駆体の金属元素が銅(Cu)である場合には、塩化銅(II)(CuCl)、酢酸銅(II)(Cu(CHCOO)(II))、硝酸銅(II)(Cu(NO(II))等が挙げられる。
還元促進成分の前駆体の金属元素が白金(Pt)である場合には、前駆体としては、ヘキサクロリド白金(IV)酸等が挙げられる。
溶媒は、遷移金属の前駆体及び還元促進成分の前駆体を溶解又は分散しうるものであれば特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸等の酸性水溶液、水等が挙げられるが、遷移金属酸化物及び還元促進成分のクラスター状態を分散させて触媒活性成分を担体上により分散させることができる点で、酸性水溶液であると好ましく、塩酸水溶液であるとより好ましい。
溶媒が塩酸水溶液である場合の塩酸の濃度は特に限定されないが、0.001mol/L〜1mol/Lであると好ましく、0.005mol/L〜0.02mol/Lであるとより好ましく、0.09mol/L〜0.11mol/Lであると更に好ましい。
い。
含浸液中の遷移金属元素を含有する前駆体及び還元促進成分の前駆体の含有量は特に限定されないが、0.001mol/L〜1mol/Lであると好ましく、0.005mol/L〜0.1mol/Lであるとより好ましく、0.01mol/L〜0.05mol/Lであると更に好ましい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、浸漬させた担体を、含浸液から取り出して乾燥させる。乾燥温度は特に限定されないが、例えば、40℃〜80℃であると好ましく、45℃〜70℃であるとより好ましく、50℃〜65℃であると更に好ましい。また、乾燥時間は特に限定されないが、1時間〜24時間であると好ましく、5時間〜15時間であるとより好ましく、9時間〜11時間であると更に好ましい。
乾燥工程の雰囲気は特に限定されないが、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下などで行うことができ、空気雰囲気下で行う事が好ましい。
(焼成工程)
焼成工程では、前述の乾燥工程で乾燥した担体を、焼成する。焼成温度は特に限定されないが、例えば、400℃〜700℃であると好ましく、500℃〜680℃であるとより好ましく、550℃〜650℃であると更に好ましい。また、乾燥時間は特に限定されないが、1時間〜24時間であると好ましく、5時間〜15時間であるとより好ましく、9時間〜11時間であると更に好ましい。
焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、空気雰囲気下で行うことが好ましい。
焼成工程により、遷移金属元素を含有する前駆体は、遷移金属酸化物になる。
例えば、遷移金属元素がモリブデン(Mo)であり、前駆体として七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)を用いた場合には、焼成工程により、遷移金属元素は、例えば、MoOとして存在する。
また、焼成工程により、還元促進成分の前駆体は、例えば、前駆体の金属元素が銅(Cu)であり、前駆体として塩化銅(II)(CuCl)を用いた場合には、焼成工程により、還元促進成分は、CuOとして存在する。
(活性化工程)
活性化工程では、前述の焼成工程で焼成した担体を、水素気流中に配置することで活性化処理する。活性化工程の温度は、特に限定されないが、例えば、400℃〜700℃であると好ましく、500℃〜680℃であるとより好ましく、550℃〜650℃であると更に好ましい。また、乾燥時間は特に限定されないが、1時間〜20時間であると好ましく、5時間〜15時間であるとより好ましく、9時間〜11時間であると更に好ましい。水素気流は、他の成分を含むことができる。例えば、水素及び窒素の混合気体であって、水素の割合が、好ましくは50体積%〜60体積%、より好ましくは54体積%〜56体積%の混合気体を用いることができる。
活性化工程により、例えば遷移金属酸化物がMoOであり還元促進成分がCuOの場合には、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、モリブデン(Mo)が、複数の酸化数の酸化物として共存している。また、2価の酸化物CuOが0価の金属Cuに還元された状態で担持される。
(一酸化炭素の製造)
次に前述の一酸化炭素製造用触媒を用いた一酸化炭素の製造方法について図を用いて説明するが、本発明の一酸化炭素の製造方法はこれに限定されない。
まず、一酸化炭素の触媒反応装置10を図1を用いて説明する。図1に示す触媒反応装置10は、本発明の一酸化炭素製造用触媒を含む触媒層1と、触媒層1を内部に充填した反応管2と、供給ガス20を反応管2に供給するために反応管2に接続された供給管3と、排出ガス21を反応管2から排出するために反応管2に接続された排出管4と、触媒層1の温度を測定し、制御するための温度制御部5と、供給ガス20の流量を制御するための流量制御部6、及び反応管2内の圧力を制御するための圧力制御部7を備える。
触媒層1は、前述の一酸化炭素製造用触媒のみが充填されたものでもよいし、一酸化炭素製造用触媒と希釈材とが充填されたものでもよい。
希釈材としては、触媒作用に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、石英砂、アルミナ粉末などが挙げられる。触媒層1に希釈材を充填する場合、希釈材と一酸化炭素製造用触媒の割合は、(希釈材)/(一酸化炭素製造用触媒)の質量比で、0〜4であると好ましい。
本実施形態の一酸化炭素の製造方法では、二酸化炭素及び水素を含有する混合ガス(供給ガス20)を、一酸化炭素製造用触媒を含有する触媒層1に接触させることで、一酸化炭素を生成させる。
供給ガス20は、二酸化炭素及び水素を含有するものであれば特に限定されないが、二酸化炭素、水素、水、メタン、メタノール、窒素、アルゴン、ヘリウム等を含有する混合ガスであってもよい。供給ガス20の水素と二酸化炭素の割合は、(水素)/(二酸化炭素)の体積比で、1〜10であると好ましく、1〜4であるとより好ましい。
反応管2内の温度は、温度制御部5を用いて、所定の温度に制御する。反応管2内の温度は、特に限定されないが、150〜900℃であると好ましく、250〜800℃であるとより好ましく、400〜600℃であると更に好ましい。反応管2内の温度が高いほど、反応速度が向上する傾向にある。また、副反応のメタン化が起きにくくなるので選択率が向上する傾向にある。
反応管2内の圧力は、圧力制御部7を用いて所定の圧力に調整する。反応管2内の圧力は、特に限定されず、大気圧(常圧)でもよいし、加圧してもよいが、加圧する場合は、0.1MPaG(ゲージ圧)〜10MPaGが好ましい。本反応では、主反応前後で分子数は変化しないので、圧力は平衡に影響しないが、副反応のメタン化が起きると分子数が増えるので、高圧ほど選択率が向上する傾向にある。
供給ガス20の供給速度は、流量制御部6で所定の速度に調整する。供給ガス20の供給速度は特に限定されないが、触媒層1におけるガスの空間速度(単位時間当たりのガスの供給量を触媒量で除した値)が、標準状態換算で100〜100000L/(kg−触媒・h)であることが好ましい。
本発明の一酸化炭素製造用触媒は、酸素欠損状態の金属酸化物ではなく、複数の酸化数を取りうる遷移金属酸化物と無機多孔体から構成される触媒であり、二酸化炭素と水素とを加熱下に直接、一酸化炭素製造用触媒に接触させ、一酸化炭素を生成させる。また、水素による活性化処理により、担体に担持された遷移金属酸化物の酸化数を制御することによって、再生操作が不要であり、一酸化炭素の製造において充分に高い二酸化炭素の転換速度を有する。
本発明により得られる一酸化炭素は、炭化水素、高級アルデヒド、酢酸、アルコール等へと転換できるので、大気放出されている二酸化炭素を、化学工業において有用な物質へと転換することができる。
(実施例)
以下に、実施例を示して本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(比較例1(触媒A))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)0.206gを含む希塩酸水溶液(0.01mol/L)10mLを、粒子径0.15〜0.30mmのゼオライト(東ソー株式会社製、HSZ−330HUA、比表面積600m/g(BET法))1.0gに滴下して含浸させた。これを空気雰囲気下55℃で10時間乾燥させ、さらに空気雰囲気下500℃にて10時間焼成し、触媒Aを得た。次に、水素55体積%/窒素45体積%のガス気流中で600℃にて1時間活性化処理を行った。
触媒Aの金属担持量を、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)によって分析した。ICP−AESは、SII SPS−7800(日立)を用いた。その結果、モリブデン元素の含有率は9.6質量%であった。
モリブデンに由来する結晶構造は、X線回折(XRD)によって同定した。XRDは、X線源としてCuKα線を備えたSmartLab(Rigaku)を用いて測定し、回折パターンは5〜70°(2θ)まで記録した。その結果、触媒Aでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Aでは、MoOに由来するピークの消失と2θ=37.0°にMoOに由来するピークが観察された(図2)。
触媒Aと活性化処理後の触媒Aの担持モリブデン表面の化学状態をX線光電分光(XPS)によって分析した。XPSは、AlKα線源(1486.6eV)を備えたPHI5000VersaProbeII(ULVAC−PHI)を用いて測定した。チャージシフトは、C 1sのピーク位置(284.5eV)で補正し、Gaussian−Lorentzian関数を用いてピーク分離した。その結果、触媒Aでは、232.4eVと235.6eVのピーク位置にMo(VI)に帰属されるピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Aでは、Mo(VI)に帰属されるピークの強度の減少と、229.3eVと232.7eVのピーク位置にMo(IV)に帰属されるピークが観測された(図3、図4)。Mo(IV)とMo(VI)のピークエリア比は、Mo(IV)/Mo(VI)=0.34であった。
これらの結果から、触媒Aでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Aでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持されていることが確認された。
活性化処理後の触媒Aに含まれる金属酸化物の還元挙動を、触媒分析装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、BEL−CAT)を用いて水素昇温還元法(H−TPR)によって分析した。その結果、530℃にピークトップをもつ還元スペクトルが得られた(図5上)。
図1の触媒反応装置10を用いて、触媒反応を行った。触媒A0.2gを石英砂1gで希釈した粉末を、内径12mm、長さ600mmのアルミナ製円筒型反応器に充填して触媒層1(厚み10mm)とし、石英砂1g(厚み10mm)を触媒層の上下に充填した。反応開始前に、前記活性化処理を行った後、触媒層1の温度を500℃に降温し、水素35.7体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素28.6体積%の供給ガス20を35.0mL/minで供給し、排出ガス21の組成を、ガスクロマトグラフを用いて分析した。その結果、二酸化炭素の転化率は14.3%、一酸化炭素の選択率は99.5%、メタンの選択率は0.5%であった(表1)。ここで、二酸化炭素の転化率は、(1−排出ガス21中のCO量/供給ガス20中のCO量)×100で表される比率である。一酸化炭素の選択率は、排出ガス21中のCO量/(供給ガス20中のCO量−排出ガス中のCO量)×100で表される比率であり、メタンの選択率は、排出ガス21中のCH量/(供給ガス20中のCO量−排出ガス中のCO量)×100で表される比率である。
(比較例2(触媒B))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、塩化クロム(III)六水和物(CrCl・6HO)0.212gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Bを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Bの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、クロム元素の含有率は5.2質量%であった。
触媒Aの代わりに触媒Bを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は13.1%、一酸化炭素の選択率は96.5%、メタンの選択率は6.5%であった。
(比較例3(触媒C))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、塩化銅(II)(CuCl)0.146gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Cを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Cの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、銅元素の含有率は6.4質量%であった。
触媒Cと活性化処理後の触媒Cの結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Cでは、2θ=38.4°にCuOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Cでは、CuOに由来するピークの消失と2θ=43.3°に金属Cuに由来するピークが観察された。
触媒Cと活性化処理後の触媒Cの担持銅表面の化学状態を比較例1と同様の手順で分析した結果、触媒Cでは、934.0eVと953.5eVのピーク位置にCu(II)に帰属されるピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Cでは、Cu(II)に帰属されるピークの消失と、933.0eVと952.0eVのピーク位置にCu(I)、もしくはCu(0)に帰属されるピークが観測された。
これらの結果から、触媒Cでは、銅は2価の酸化物CuOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Cでは、2価の酸化物CuOが0価の金属Cuに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Cを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は6.8%、一酸化炭素の選択率は99.2%、メタンの選択率は0.8%であった。
(比較例4(触媒D))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、塩化鉄(III)無水物(FeCl)0.176gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Dを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Dの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、鉄元素の含有率は5.6質量%であった。
触媒Dと活性化処理後の触媒Dの鉄に由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Dでは、2θ=24.0°、30.2°、33.0°、35.5°、40.9°、49.3°にFeに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Dでは、Feに由来するピークの消失と2θ=44.7°に金属Feに由来するピークが観察された。
これらの結果から、触媒Dでは、鉄は3価の酸化物Feとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Dでは、3価の酸化物Feが0価の金属Feに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Dを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は5.9%、一酸化炭素の選択率は97.9%、メタンの選択率は2.1%であった。
(比較例5(触媒E))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、塩化ニッケル(II)六水和物(NiCl・6HO)0.257gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Eを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Eの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、ニッケル元素の含有率は5.9質量%であった。
触媒Eと活性化処理後の触媒Eのニッケルに由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Eでは、2θ=37.3°、43.2°にNiOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Eでは、NiOに由来するピークの消失と2θ=44.3°、51.7°に金属Niに由来するピークが観察された。
これらの結果から、触媒Eでは、ニッケルは2価の酸化物NiOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Eでは、2価の酸化物NiOが0価の金属Niに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Eを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は21.6%、一酸化炭素の選択率は45.3%、メタンの選択率は54.7%であった。
(実施例1(触媒F))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.155gと塩化銅(II)0.030gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Fを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Fの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、モリブデン元素と銅元素の含有率はそれぞれ7.7質量%と1.3質量%であった。
触媒Fと活性化処理後の触媒Fのモリブデンと銅に由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Fでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Fでは、MoOに由来するピークの消失と2θ=37.0°にMoOに由来するピークが観察された。
触媒Fと活性化処理後の触媒Fの担持モリブデン表面と担持銅表面の化学状態を、比較例1と同様の手順で分析した結果、触媒Fでは、232.5eVと235.5eVのピーク位置にMo(VI)に帰属されるピークが観測された。また、934.2eVと954.0eVのピーク位置にCu(II)に帰属されるピークが観測された。活性化処理後の触媒Fでは、Mo(VI)に帰属されるピークの強度の減少と、229.3eVと232.5eVのピーク位置にMo(IV)に帰属されるピークが観測された。Mo(VI)とMo(VI)のピークエリア比は、Mo(IV)/Mo(VI)=0.83であった。また、Cu(II)に帰属されるピークの消失と、933.3eVと952.2eVのピーク位置にCu(I)、もしくはCu(0)に帰属されるピークが観測された。
これらの結果から、触媒Fでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持され、銅は2価の酸化物CuOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Fでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、また、2価の酸化物CuOが0価の金属Cuに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Fに含まれる金属酸化物の還元挙動を、比較例1と同様の手順で分析した結果、420℃にピークトップをもつ還元スペクトルが得られた(図5下)。
触媒Aの代わりに触媒Fを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は18.5%、一酸化炭素の選択率は98.8%、メタンの選択率は1.2%であった。
(実施例2(触媒G))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.155gと塩化鉄(III)無水物0.036gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Gを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Gの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、モリブデン元素と鉄元素の含有率はそれぞれ7.7質量%と1.1質量%であった。
触媒Gと活性化処理後の触媒Gのモリブデンと鉄に由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Gでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Gでは、MoOに由来するピークの消失、2θ=37.0°にMoOに由来するピークと2θ=44.7°に金属Feに由来するピークが観察された。
これらの結果から、触媒Gでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持され、鉄は3価の酸化物Feとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Gでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、また、3価の酸化物Feが0価の金属Feに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は7.9%、一酸化炭素の選択率は98.1%、メタンの選択率は1.9%であった。
(実施例3(触媒H))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.155gと塩化ニッケル(II)六水和物0.052gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Hを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Hの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、モリブデン元素とニッケル元素の含有率はそれぞれ7.7質量%と1.2質量%であった。
触媒Hと活性化処理後の触媒Hのモリブデンとニッケルに由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Hでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークと43.2°にNiOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Hでは、MoOに由来するピークの消失と2θ=37.0°にMoOに由来するピーク及びNiOに由来するピークの消失と2θ=44.3°に金属Niに由来するピークが観察された。
これらの結果から、触媒Hでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持され、ニッケルは2価の酸化物NiOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Hでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、また、2価の酸化物NiOが0価の金属Niに還元された状態で担持されていることが確認された。
表1に比較例1〜比較例5、実施例1〜実施例3の反応結果をまとめる。
Figure 2021045726
比較例1〜比較例5を比較すると、遷移金属元素がモリブデンである遷移金属酸化物の触媒AがCO転化率とCO選択率共に優れた結果を示した。触媒Aでは、活性化処理後に酸化数の異なる複数のモリブデン酸化物種が共存していることが確認されている一方で、触媒B〜Eでは、0価の金属種が存在していることが確認されていることから、酸化数の異なる複数の酸化物種の形成が、高選択的な一酸化炭素の生成に有効であった。
比較例1〜比較例5、実施例1〜実施例3を比較すると、触媒Aよりも、触媒Fがさらに優れたCO転化率と高いCO選択率を示した。これは、MoOの部分還元が効率よく進行し、触媒中にMoOとMoOが共存した状態となることによって、二酸化炭素の転換が効率的に進行したためである。XPS分析の結果から、Mo(IV)/Mo(VI)存在比を比較すると、活性化処理後の触媒Aと触媒FのMo(IV)/Mo(VI)は、それぞれ0.34、0.83と見積もられ、触媒Fの方が、MoOの部分還元が進行した。また、触媒Aと触媒FのH−TPRによる還元スペクトルを比較すると、MoOの還元のピークトップはそれぞれ530℃、420℃であり、触媒Fの方が、より低温でMoOの還元が進行することが確認された。これらの結果から、モリブデン/銅がモル比4/1で共担持された触媒Fは、触媒反応中に容易にMoOとMoOが共存した状態となることによって、優れた触媒性能を示した。
触媒Aの代わりに触媒Hを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は16.8%、一酸化炭素の選択率は81.7%、メタンの選択率は18.3%であった。
(実施例4(触媒I))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.096gと塩化銅(II)0.073gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Iを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Iの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、モリブデン元素と銅元素の含有率はそれぞれ4.8質量%と3.2質量%であった。
触媒Iと活性化処理後の触媒Iのモリブデンと銅に由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Iでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Iでは、MoOに由来するピークの消失と2θ=37.0°にMoOに由来するピークが観察された。
触媒Iと活性化処理後の触媒Iの担持モリブデン表面と担持銅表面の化学状態を、比較例1と同様の手順で分析した結果、触媒Iでは、232.3eVと235.6eVのピーク位置にMo(VI)に帰属されるピークが観測され、934.2eVと953.7eVのピーク位置にCu(II)に帰属されるピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Iでは、Mo(VI)に帰属されるピークの強度の減少と、229.0eVと232.5eVのピーク位置にMo(IV)に帰属されるピークが観測された。さらに、Cu(II)に帰属されるピークの消失と、933.1eVと953.0eVのピーク位置にCu(I)、もしくはCu(0)に帰属されるピークが観測された。
これらの結果から、触媒Iでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持され、銅は2価の酸化物CuOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Iでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、また、2価の酸化物CuOが0価の金属Cuに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Iを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は10.3%、一酸化炭素の選択率は99.5%、メタンの選択率は0.5%であった。
(実施例5(触媒J))
七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.206gの代わりに、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.038gと塩化銅(II)0.116gを用いたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Jを得た。さらに、比較例1と同様の手順で活性化処理を行った。
触媒Jの金属担持量を、比較例1と同様の手順で分析した結果、モリブデン元素と銅元素の含有率はそれぞれ1.9質量%と5.1質量%であった。
触媒Jと活性化処理後の触媒Jのモリブデンと銅に由来する結晶構造を、比較例1と同様の手順で同定した結果、触媒Jでは、2θ=23.5°にMoOに由来するピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Jでは、MoOに由来するピークの消失と2θ=37.0°にMoOに由来するピークが観察された。
触媒Jと活性化処理後の触媒Jの担持モリブデン表面と担持銅表面の化学状態を、比較例1と同様の手順で分析した結果、触媒Jでは、232.4eVと235.7eVのピーク位置にMo(VI)に帰属されるピークが観測され、933.9eVと953.4eVのピーク位置にCu(II)に帰属されるピークが観測された。また、活性化処理後の触媒Jでは、Mo(VI)に帰属されるピークの強度の減少と、229.2eVと232.6eVのピーク位置にMo(IV)に帰属されるピークが観測された。さらに、Cu(II)に帰属されるピークの消失と、933.2eVと952.2eVのピーク位置にCu(I)、もしくはCu(0)に帰属されるピークが観測された。
これらの結果から、触媒Jでは、モリブデンは6価の酸化物MoOとして担持され、銅は2価の酸化物CuOとして担持されていることが確認された。また、活性化処理後の触媒Jでは、MoOの一部がMoOに還元された状態で担持され、また、2価の酸化物CuOが0価の金属Cuに還元された状態で担持されていることが確認された。
触媒Aの代わりに触媒Jを用いることを除いて、比較例1と同様の手順で触媒反応を行った。その結果、二酸化炭素の転化率は7.8%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。
表2に、モリブデンと銅の担持率が異なる触媒を用いて触媒反応を行った、比較例1、実施例1、実施例4及び実施例5の反応結果をまとめる。
Figure 2021045726
モリブデンと銅がMo/Cuモル比=4/1で担持された触媒Fが最も高いCO転化率を示した。
(比較例6〜比較例8)
反応温度500℃を、550℃(比較例6)、450℃(比較例7)、又は400℃(比較例8)としたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒Aの触媒反応を行った。反応温度が550℃のとき、二酸化炭素の転化率は19.0%、一酸化炭素の選択率は99.5%、メタンの選択率は0.5%であった。反応温度が450℃のとき、二酸化炭素の転化率は10.8%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。反応温度が400℃のとき、二酸化炭素の転化率は6.1%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。
(比較例9〜比較例11)
触媒Aの代わりに触媒Cを用いたこと、及び反応温度500℃を、550℃(比較例9)、450℃(比較例10)、又は400℃(比較例11)としたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒反応を行った。反応温度が550℃のとき、二酸化炭素の転化率は8.7%、一酸化炭素の選択率は99.1%、メタンの選択率は0.9%であった。反応温度が450℃のとき、二酸化炭素の転化率は4.5%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。反応温度が400℃のとき、二酸化炭素の転化率は3.6%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。
(実施例6〜実施例8)
触媒Aの代わりに触媒Fを用いたこと、及び反応温度500℃を、550℃(実施例6)、450℃(実施例7)、又は400℃(実施例8)としたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒反応を行った。反応温度が550℃のとき、二酸化炭素の転化率は23.3%、一酸化炭素の選択率は98・7%、メタンの選択率は1.3%であった。反応温度が450℃のとき、二酸化炭素の転化率は14.7%、一酸化炭素の選択率は99.3%、メタンの選択率は0.7%であった。反応温度が400℃のとき、二酸化炭素の転化率は6.9%、一酸化炭素の選択率は100%、メタンの選択率は0%であった。
表3に、450〜550℃の反応温度において触媒反応を行った比較例1、比較例3、比較例6〜比較例11、実施例1及び実施例6〜実施例8の結果をまとめる。
Figure 2021045726
いずれの反応温度においても触媒Fが最も高いCO転化率を示した。
(実施例9〜実施例10)
触媒Aの代わりに触媒Fを用いたこと、及び供給するガスの組成(水素35.7体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素28.6体積%)を、水素50体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素14.3体積%(H/CO=1.4)(実施例9)、又は水素62.8体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素1.5体積%(H/CO=1.8)(実施例10)としたことを除いて、比較例1と同様の手順で、触媒反応を行った。水素62.8体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素1.5体積%のガスを供給したとき、二酸化炭素の転化率は15.5%、一酸化炭素の選択率は99・1%、メタンの選択率は0.9%であった。水素50体積%/二酸化炭素35.7体積%/窒素14.3体積%のガスを供給したとき、二酸化炭素の転化率は14.7%、一酸化炭素の選択率は99.3%、メタンの選択率は0.7%であった。
表4に、水素の供給量が異なる触媒反応を行った実施例1、実施例9、実施例10の反応結果をまとめる。
Figure 2021045726
水素によって二酸化炭素から一酸化炭素が生成する反応の化学量論比(H/CO=1)よりも過剰に水素を供給した場合でも、触媒Fは高いCO選択率を示すことが確認された。
酸化数の異なる複数の酸化物が共存することのできる遷移金属酸化物を含む触媒を、水素気流中での活性化処理により部分的に還元することで、特に一酸化炭素製造のために優れた触媒機能を有する触媒を製造することができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
1 :触媒層
2 :反応管
3 :供給管
4 :排出管
5 :温度制御部
6 :流量制御部
7 :圧力制御部
10:触媒反応装置
20:供給ガス
21:排出ガス

Claims (13)

  1. 二酸化炭素及び水素に接触して一酸化炭素を生成する触媒であって、
    取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素の遷移金属酸化物及び前記遷移金属酸化物の水素による部分還元を促進する還元促進成分と、
    前記遷移金属酸化物及び前記還元促進成分を分散担持する担体と、
    を含有する、一酸化炭素製造用触媒。
  2. 前記一酸化炭素製造用触媒中に前記遷移金属酸化物が、複数の酸化数の酸化物として共存している、請求項1に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  3. 前記遷移金属酸化物の金属元素は、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素である、請求項1又は2に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  4. 前記一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する前記遷移金属酸化物の含有量は、1質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  5. 前記担体は、無機多孔体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  6. 前記担体の比表面積は、20m/g〜800m/gである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  7. 前記還元促進成分は、前記一酸化炭素製造用触媒に含有する前記遷移金属酸化物の金属元素と異なる元素であって、かつ、鉄(Fe)、コバルト(Co)ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  8. 前記一酸化炭素製造用触媒の総質量に対する前記還元促進成分の含有量は、0.1質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒の製造方法であって、
    前記取りうる酸化数が複数ある遷移金属元素を含有する前駆体及び前記還元促進成分の前駆体を含む含浸液に、前記担体を浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた前記担体を、前記含浸液から取り出して乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥した前記担体を、焼成する焼成工程と、
    焼成した前記担体を、水素気流中に配置することで活性化処理する活性化工程と、
    を含む、一酸化炭素製造用触媒の製造方法。
  10. 前記含浸液は、酸性溶媒である、請求項9に記載の一酸化炭素製造用触媒の製造方法。
  11. 前記酸性溶媒は、塩化水素の水溶液である、請求項10に記載の一酸化炭素製造用触媒の製造方法。
  12. 二酸化炭素を一酸化炭素製造用触媒に接触させて一酸化炭素を製造する方法であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の一酸化炭素製造用触媒に、二酸化炭素及び水素を含有する混合ガスを接触させることにより、一酸化炭素を生成させる、一酸化炭素の製造方法。
  13. 前記二酸化炭素を前記一酸化炭素製造用触媒に接触させる温度は、150℃〜900℃である、請求項12に記載の一酸化炭素の製造方法。
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