JP2021043712A - 半導体装置、及び電子機器 - Google Patents

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Kosuke Sasaki
宏輔 佐々木
貴彦 石津
Takahiko Ishizu
貴彦 石津
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Takeshi Aoki
健 青木
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Abstract

【課題】ニューラルネットワークの演算が可能な半導体装置を提供する。【解決手段】第1データと第2データの乗算を行う演算セルを有する半導体装置である。演算セルは、第1乃至第3回路と、第1、第2配線と、を有する。第1回路は、第1配線を介して、第3回路に電気的に接続され、第2回路は、第2配線を介して、第3回路に電気的に接続されている。第1回路は、第1データに応じた第1電位を保持する機能を有し、第2回路は、第1データに応じた第2電位を保持する機能を有し、第3回路は、第1、第2配線と、に第3電位をプリチャージする機能を有する。第1回路は、第1電位に応じて、第1配線の電荷を放電し、第2回路は、第2電位に応じて、第2配線の電荷を放電する。第3回路は、第2データに応じて、第1配線を第1出力配線又は第2出力配線の一方に導通させ、かつ第2配線を第1出力配線又は第2出力配線の他方に導通させる機能を有する。【選択図】図3

Description

本発明の一態様は、半導体装置、及び電子機器に関する。
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関するものである。又は、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、蓄電装置、撮像装置、記憶装置、信号処理装置、プロセッサ、電子機器、システム、それらの駆動方法、それらの製造方法、又はそれらの検査方法を一例として挙げることができる。
「ニューロン」と「シナプス」とを有する神経回路網を模した情報処理のモデルは、人工ニューラルネットワーク(ANN)と呼ばれる。従来のノイマン型アーキテクチャの構成において、人工ニューラルネットワークの演算を行うとき、記憶装置から重み係数、入力データなどを読み出して、演算回路にそれらを入力する必要がある。この場合、人工ニューラルネットワークの規模が大きいほど、当該記憶装置へのメモリアクセスが多くなる。メモリアクセスが多くなると、演算回路の性能の低下や、当該演算の際の消費電力の上昇などが起こる場合がある。
一方、人間の脳の仕組みを模した集積回路の開発が盛んに進められている。当該集積回路は、脳の仕組みが電子回路として組み込まれており、人間の脳の「ニューロン」と「シナプス」に相当する回路を有する。そのため、そのような集積回路を、「ニューロモーフィック」や「ブレインモーフィック」や「ブレインインスパイア」と呼ぶこともある。当該集積回路は、非ノイマン型アーキテクチャを有し、処理速度の増加に伴って消費電力が大きくなるノイマン型アーキテクチャと比較して、極めて少ない消費電力で並列処理を行えると期待されている。
例えば、非特許文献1、及び非特許文献2には、SRAM(Static Random Access Memory)を用いて、人工ニューラルネットワークを構成した演算装置について開示されている。
M. Kang et al., "IEEE Journal Of Solid−State Circuits", 2018, Volume 53, No.2, p.642−655. J. Zhang et al., "IEEE Journal Of Solid−State Circuits", 2017, Volume 52, No.4, p.915−924.
人工ニューラルネットワークの演算を行う集積回路は、例えば、SRAMなどの記憶装置と、演算回路などを含むプロセッサと、を有する回路とすることができる。ところで、記憶装置としてSRAMを適用する場合、SRAMとプロセッサとの間の内部バスにおいて、データ転送性能を高くすることができる。更に、SRAMの容量を増やす、SRAMとプロセッサに含まれているレジスタとの間にローカルSRAMを設ける、などを行うことで、効率的にSRAMとプロセッサとの間でのデータ転送を行うことができる。一方、SRAMの容量を増やすこと、ローカルSRAMを設けること、などは、集積回路の面積の増加や消費電力の増大などに繋がる場合がある。
本発明の一態様は、ニューラルネットワークの演算が可能な半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、消費電力が低い半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、回路面積が低減された半導体装置を提供することを課題の一とする。
又は、本発明の一態様は、新規な半導体装置などを提供することを課題の一とする。又は、本発明の一態様は、上記半導体装置を有する電子機器を提供することを課題の一とする。
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。なお、本発明の一態様は、上記列挙した課題、及び他の課題の全てを解決する必要はない。
(1)
本発明の一態様は、第1データと第2データの乗算を行う演算セルを有する半導体装置であって、演算セルは、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第1配線と、第2配線と、第1出力配線と、第2出力配線と、を有する。第1回路は、第1配線を介して、第3回路に電気的に接続され、第2回路は、第2配線を介して、第3回路に電気的に接続され、第1回路は、第1データに応じた第1電位を保持する機能を有し、第2回路は、第1データに応じた第2電位を保持する機能を有し、第3回路は、第1配線と、第2配線と、を第3電位にプリチャージする機能を有する。また、第1回路は、第1配線にプリチャージされた電荷を放電して、第3電位を下げる機能を有し、第2回路は、第2配線にプリチャージされた電荷を放電して、第3電位を下げる機能を有する。また、第3回路は、第3回路に第2データが入力されたとき、第2データに応じて、第1配線を第1出力配線又は第2出力配線の一方に導通させ、かつ第2配線を第1出力配線又は第2出力配線の他方に導通させる機能を有する。
(2)
又は、本発明の一態様は、上記(1)の構成において、第1回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第1容量と、を有し、第2回路は、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第6トランジスタと、第2容量と、を有してもよい。第1トランジスタのゲートは、第2トランジスタの第1端子と、第1容量と、に電気的に接続され、第1トランジスタの第1端子は、第3トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第3トランジスタの第2端子は、第1配線に電気的に接続されていることが好ましい。また、第4トランジスタのゲートは、第5トランジスタの第1端子と、第2容量と、に電気的に接続され、第4トランジスタの第1端子は、第6トランジスタの第1端子に電気的に接続され、第6トランジスタの第2端子は、第2配線に電気的に接続されていることが好ましい。なお、第1回路は、第1電位が第1容量の第1端子に書き込まれる構成とし、第2回路は、第2電位が第2容量の第2端子に書き込まれる構成としている。
(3)
又は、本発明の一態様は、上記(1)、又は(2)の構成において、第3回路は、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、第4スイッチと、を有してもよい。第1スイッチの第1端子は、第2スイッチの第1端子と、第1配線と、に電気的に接続され、第1スイッチの第2端子は、第1出力配線に電気的に接続され、第2スイッチの第2端子は、第2出力配線に電気的に接続され、第3スイッチの第1端子は、第4スイッチの第1端子と、第2配線と、に電気的に接続され、第3スイッチの第2端子は、第2出力配線に電気的に接続され、第4スイッチの第2端子は、第1出力配線に電気的に接続されていることが好ましい。また、第3回路は、第1スイッチの制御端子と、第3スイッチの制御端子と、には、第2データに応じた、第4電位が入力され、第2スイッチの制御端子と、第4スイッチの制御端子と、には、第2データに応じた、第5電位が入力される構成としている。
(4)
又は、本発明の一態様は、上記(1)乃至(3)のいずれか一の構成において、第3回路は、第5スイッチと、第6スイッチと、を有してもよい。第5スイッチの第1端子は、第1配線に電気的に接続され、第6スイッチの第1端子は、第2配線に電気的に接続され、第5スイッチの第2端子と、第6スイッチの第2スイッチと、には、第3電位を供給する配線に電気的に接続されていることが好ましい。
(5)
又は、本発明の一態様は、上記(1)乃至(4)のいずれか一の構成において、第4回路を有してもよい。第4回路は、第1出力配線に電気的に接続され、第4回路は、第2出力配線に電気的に接続され、第4回路は、第3配線に電気的に接続されている。また、第4回路は、第1出力配線の電位と、第2出力配線の電位と、を比較して、比較結果に応じた第6電位を第3配線に出力する機能を有する。
(6)
又は、本発明の一態様は、上記(1)乃至(5)のいずれか一の半導体装置と、筐体と、を有し、半導体装置によって、ニューラルネットワークの演算を行う、電子機器である。
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用した装置であり、半導体素子(トランジスタ、ダイオード、フォトダイオード等)を含む回路、同回路を有する装置等をいう。また、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般をいう。例えば、集積回路、集積回路を備えたチップや、パッケージにチップを収納した電子部品は半導体装置の一例である。また、記憶装置、表示装置、発光装置、照明装置及び電子機器等は、それ自体が半導体装置であり、半導体装置を有している場合がある。
また、本明細書等において、XとYとが接続されていると記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に開示されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層など)であるとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示デバイス、発光デバイス、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(デジタルアナログ変換回路、アナログデジタル変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。
また、例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
また、本明細書等において、「抵抗素子」とは、例えば、0Ωよりも高い抵抗値を有する回路素子、配線などとすることができる。そのため、本明細書等において、「抵抗素子」は、抵抗値を有する配線、ソース−ドレイン間に電流が流れるトランジスタ、ダイオード、コイルなどを含むものとする。そのため、「抵抗素子」という用語は、「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」などの用語に言い換えることができ、逆に「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」という用語は、「抵抗素子」などの用語に言い換えることができる。抵抗値としては、例えば、好ましくは1mΩ以上10Ω以下、より好ましくは5mΩ以上5Ω以下、更に好ましくは10mΩ以上1Ω以下とすることができる。また、例えば、1Ω以上1×10Ω以下としてもよい。
また、本明細書等において、「容量素子」とは、例えば、0Fよりも高い静電容量の値を有する回路素子、静電容量の値を有する配線の領域、寄生容量、トランジスタのゲート容量などとすることができる。そのため、本明細書等において、「容量素子」は、1対の電極と、当該電極の間に含まれている誘電体と、を含む回路素子だけでなく、配線と配線との間に現れる寄生容量、トランジスタのソース又はドレインの一方とゲートとの間に現れるゲート容量などを含むものとする。また、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などという用語は、「容量」などの用語に言い換えることができ、逆に、「容量」という用語は、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などの用語に言い換えることができる。また、「容量」の「1対の電極」という用語は、「一対の導電体」「一対の導電領域」「一対の領域」などに言い換えることができる。なお、静電容量の値としては、例えば、0.05fF以上10pF以下とすることができる。また、例えば、1pF以上10μF以下としてもよい。
また、本明細書等において、トランジスタは、ゲート、ソース、及びドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子である。ソース又はドレインとして機能する2つの端子は、トランジスタの入出力端子である。2つの入出力端子は、トランジスタの導電型(nチャネル型、pチャネル型)及びトランジスタの3つの端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、言い換えることができるものとする。また、本明細書等では、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)という表記を用いる。なお、トランジスタの構造によっては、上述した3つの端子に加えて、バックゲートを有する場合がある。この場合、本明細書等において、トランジスタのゲート又はバックゲートの一方を第1ゲートと呼称し、トランジスタのゲート又はバックゲートの他方を第2ゲートと呼称することがある。更に、同じトランジスタにおいて、「ゲート」と「バックゲート」の用語は互いに入れ換えることができる場合がある。また、トランジスタが、3以上のゲートを有する場合は、本明細書等においては、それぞれのゲートを第1ゲート、第2ゲート、第3ゲートなどと呼称することがある。
また、本明細書等において、ノードは、回路構成やデバイス構造等に応じて、端子、配線、電極、導電層、導電体、不純物領域等と言い換えることが可能である。また、端子、配線等をノードと言い換えることが可能である。
また、本明細書等において、「電圧」と「電位」は、適宜言い換えることができる。「電圧」は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、「電圧」を「電位」に言い換えることができる。なお、グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。また、電位は相対的なものであり、基準となる電位が変わることによって、配線に与えられる電位、回路などに印加される電位、回路などから出力される電位なども変化する。
また、本明細書等において、「高レベル電位」「低レベル電位」という用語は、特定の電位を意味するものではない。例えば、2本の配線において、両方とも「高レベル電位を供給する配線として機能する」と記載されていた場合、両方の配線が与えるそれぞれの高レベル電位は、互いに等しくなくてもよい。また、同様に、2本の配線において、両方とも「低レベル電位を供給する配線として機能する」と記載されていた場合、両方の配線が与えるそれぞれの低レベル電位は、互いに等しくなくてもよい。
「電流」とは、電荷の移動現象(電気伝導)のことであり、例えば、「正の荷電体の電気伝導が起きている」という記載は、「その逆向きに負の荷電体の電気伝導が起きている」と換言することができる。そのため、本明細書等において、「電流」とは、特に断らない限り、キャリアの移動に伴う電荷の移動現象(電気伝導)をいうものとする。ここでいうキャリアとは、電子、正孔、アニオン、カチオン、錯イオン等が挙げられ、電流の流れる系(例えば、半導体、金属、電解液、真空中など)によってキャリアが異なる。また、配線等における「電流の向き」は、正のキャリアが移動する方向とし、正の電流量で記載する。換言すると、負のキャリアが移動する方向は、電流の向きと逆の方向となり、負の電流量で表現される。そのため、本明細書等において、電流の正負(又は電流の向き)について断りがない場合、「素子Aから素子Bに電流が流れる」等の記載は「素子Bから素子Aに電流が流れる」等に言い換えることができるものとする。また、「素子Aに電流が入力される」等の記載は「素子Aから電流が出力される」等に言い換えることができるものとする。
また、本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書等で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転することによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によっては、又は、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において「電極」「配線」「端子」などの用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。また、例えば、「端子」は「配線」や「電極」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。更に、「端子」の用語は、複数の「電極」「配線」「端子」などが一体となって形成されている場合なども含む。そのため、例えば、「電極」は「配線」又は「端子」の一部とすることができ、また、例えば、「端子」は「配線」又は「電極」の一部とすることができる。また、「電極」「配線」「端子」などの用語は、場合によって、「領域」などの用語に置き換える場合がある。
また、本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」などの用語は、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」という用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、「配線」という用語を、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号線」「電源線」などの用語を、「配線」という用語に変更することが可能な場合がある。「電源線」などの用語は、「信号線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」などの用語は、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という用語を、場合によっては、又は、状況に応じて、「信号」などという用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」などの用語は、「電位」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。具体的には、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。又は、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。一例としては、電気的なスイッチ、機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」又は「概略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」又は「概略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
本発明の一態様によって、積和演算が可能な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様によって、消費電力が低い半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様によって、回路面積が低減された半導体装置を提供することができる。
又は、本発明の一態様によって、新規な半導体装置などを提供することができる。又は、本発明の一態様によって、上記半導体装置を有する電子機器を提供することができる。
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。従って本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
図1は、半導体装置の構成例を示すブロック図である。 図2(A)乃至図2(C)は、半導体装置に含まれている回路の構成例を示す回路図である。 図3は、半導体装置に含まれている回路の構成例を示す回路図である。 図4は、半導体装置の動作例を示すタイミングチャートである。 図5は、半導体装置に含まれている回路の構成例を示す回路図である。 図6は、AIアクセラレータの構成例を示す模式図である。 図7(A)、及び図7(B)は、AIアクセラレータに含まれている回路の構成例を示す回路図である。 図8(A)、及び図8(B)は、AIアクセラレータに含まれている演算回路の構成例を示す回路図である。 図9は、AIアクセラレータに含まれている演算回路の乗算特性を示すグラフである。 図10は、従来のAIアクセラレータとOSトランジスタを有するAIアクセラレータとの、消費電力及び処理性能の比較を示すグラフである。 図11は、半導体装置の構成例を示す断面模式図である。 図12は、半導体装置の構成例を示す断面模式図である。 図13(A)乃至図13(C)は、トランジスタの構成例を示す断面模式図である。 図14(A)、及び図14(B)は、トランジスタの構成例を示す断面模式図である。 図15は、半導体装置の構成例を示す断面模式図である。 図16(A)、及び図16(B)は、トランジスタの構成例を示す断面模式図である。 図17は、半導体装置の構成例を示す断面模式図である。 図18(A)は容量の構成例を示す上面図であり、図18(B)、及び図18(C)は容量の構成例を示す断面斜視図である。 図19(A)は容量の構成例を示す上面図であり、図19(B)は容量の構成例を示す断面図であり、図19(C)は容量の構成例を示す断面斜視図である。 図20(A)はIGZOの結晶構造の分類を説明する図であり、図20(B)は結晶性IGZOのXRDスペクトルを説明する図であり、図20(C)は結晶性IGZOの極微電子線回折パターンを説明する図である。 図21(A)は半導体ウェハの一例を示す斜視図であり、図21(B)はチップの一例を示す斜視図であり、図21(C)及び図21(D)は電子部品の一例を示す斜視図である。 図22は、電子機器の一例を示す斜視図である。 図23(A)乃至図23(C)は、電子機器の一例を示す斜視図である。
人工ニューラルネットワーク(以後、ニューラルネットワークと呼称する。)において、シナプスの結合強度は、ニューラルネットワークに既存の情報を与えることによって、変化することができる。このように、ニューラルネットワークに既存の情報を与えて、結合強度を決める処理を「学習」と呼称する場合がある。
また、「学習」を行った(結合強度を定めた)ニューラルネットワークに対して、何らかの情報を与えることにより、その結合強度に基づいて新たな情報を出力することができる。このように、ニューラルネットワークにおいて、与えられた情報と結合強度に基づいて新たな情報を出力する処理を「推論」又は「認知」と呼称する場合がある。
ニューラルネットワークのモデルとしては、例えば、ホップフィールド型、階層型などが挙げられる。特に、多層構造としたニューラルネットワークを「ディープニューラルネットワーク」(DNN)と呼称し、ディープニューラルネットワークによる機械学習を「ディープラーニング」と呼称する場合がある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態(又は実施例)において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置である、演算回路の構成例について説明する。
<演算回路の構成例>
図1は、“+1”、“−1”、又は“0”の第1データと、“+1”、“−1”、又は“0”の第2データと、の積和演算を行う演算回路の構成例を示している。図1に示す演算回路MAC1は、各セルに保持した電位に応じた第1データと、入力された第2データと、の積和演算を行い、かつ当該積和演算の結果を用いて活性化関数の演算を行う回路である。なお、第1データは、“+1”、“−1”、又は“0”のようなデジタルデータだけでなく、一例としては、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
演算回路MAC1は、一例として、セルアレイCAと、回路WLDと、回路SLDと、回路PCDと、回路WBDと、回路XCDと、回路OPCと、を有する。
セルアレイCAは、一例として、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m](nは1以上の整数であり、また、mは1以上の整数である。)を有する。セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]は、行方向にm個、列方向にn個のマトリクス状に配置されている。セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]のそれぞれは、第1データに応じた電位を保持する機能を有する。
セルアレイCAには、一例として、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]と、配線SEL[1]乃至配線SEL[n]と、配線PCH[1]乃至配線PCH[n]と、配線AVLp[1]乃至配線AVLp[n]と、配線AVLn[1]乃至配線AVLn[n]と、が行方向に延設されている。また、セルアレイCAには、一例として、配線WBL[1]乃至配線WBL[m]と、配線WBLr[1]乃至配線WBLr[m]と、配線ENp[1]乃至配線ENp[m]と、配線ENn[1]乃至配線ENn[m]と、が列方向に延設されている。
セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]のそれぞれは、一例として、端子IT1と、端子IT1rと、端子IT2と、端子IT2rと、端子IT3と、端子IT3rと、端子IT4と、端子IT4rと、端子PCTと、端子OTと、端子OTrと、を有する。
セルOMC[1,1]において、端子IT1と端子IT1rは、配線WWL[1]に電気的に接続され、端子IT2と端子IT2rは、配線SEL[1]に電気的に接続されている。端子IT3は、配線WBL[1]に電気的に接続され、端子IT3rは、配線WBLr[1]に電気的に接続されている。端子IT4は、配線ENp[1]に電気的に接続され、端子IT4rは、配線ENn[1]に電気的に接続されている。端子PCTは、配線PCH[1]に電気的に接続されている。端子OTは、配線AVLp[1]に電気的に接続され、端子OTrは、配線AVLn[1]に電気的に接続されている。
セルOMC[1,m]において、端子IT1と端子IT1rは、配線WWL[1]に電気的に接続され、端子IT2と端子IT2rは、配線SEL[1]に電気的に接続されている。端子IT3は、配線WBL[m]に電気的に接続され、端子IT3rは、配線WBLr[m]に電気的に接続されている。端子IT4は、配線ENp[m]に電気的に接続され、端子IT4rは、配線ENn[m]に電気的に接続されている。端子PCTは、配線PCH[1]に電気的に接続されている。端子OTは、配線AVLp[1]に電気的に接続され、端子OTrは、配線AVLn[1]に電気的に接続されている。
セルOMC[n,1]において、端子IT1と端子IT1rは、配線WWL[n]に電気的に接続され、端子IT2と端子IT2rは、配線SEL[n]に電気的に接続されている。端子IT3は、配線WBL[1]に電気的に接続され、端子IT3rは、配線WBLr[1]に電気的に接続されている。端子IT4は、配線ENp[1]に電気的に接続され、端子IT4rは、配線ENn[1]に電気的に接続されている。端子PCTは、配線PCH[1]に電気的に接続されている。端子OTは、配線AVLp[n]に電気的に接続され、端子OTrは、配線AVLn[n]に電気的に接続されている。
セルOMC[n,m]において、端子IT1と端子IT1rは、配線WWL[1]に電気的に接続され、端子IT2と端子IT2rは、配線SEL[1]に電気的に接続されている。端子IT3は、配線WBL[m]に電気的に接続され、端子IT3rは、配線WBLr[m]に電気的に接続されている。端子IT4は、配線ENp[m]に電気的に接続され、端子IT4rは、配線ENn[m]に電気的に接続されている。端子PCTは、配線PCH[1]に電気的に接続されている。端子OTは、配線AVLp[1]に電気的に接続され、端子OTrは、配線AVLn[1]に電気的に接続されている。
回路WBDは、配線WBL[1]乃至配線WBL[m]と、配線WBLr[1]乃至配線WBLr[m]と、に電気的に接続されている。また、回路XCDは、配線ENp[1]乃至配線ENp[m]と、配線ENn[1]乃至配線ENn[m]と、に電気的に接続されている。また、回路WLDは、配線WWL[1]乃至配線WWL[n]に電気的に接続されている。また、回路SLDは、配線SEL[1]乃至配線SEL[n]に電気的に接続されている。また、回路PCDは、配線PCH[1]乃至配線PCH[n]に電気的に接続されている。また、回路OPCは、配線AVLp[1]乃至配線AVLp[n]と、配線AVLn[1]乃至配線AVLn[n]と、に電気的に接続されている。
回路WBDは、一例として、配線WBL[1]乃至配線WBL[m]と、配線WBLr[1]乃至配線WBLr[m]と、を介して、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]のそれぞれに対して、第1データを供給する機能を有する。具体的には、例えば、セルOMC[1,i]乃至セルOMC[n,i](iは1以上m以下の整数である。)に対して第1データを供給するとき、回路WBDは、配線WBL[i]及び配線WBLr[i]によって、第1データに応じた情報(例えば、電位、電流値など)を供給する。
回路WLDは、一例として、回路WBDから入力される第1データに応じた情報(例えば、電位、電流値など)の書き込み先となるセルOMCを選択する機能を有する。具体的には、例えば、セルアレイCAのj行目(jは1以上n以下の整数である。)に位置するセルOMC[j,1]乃至セルOMC[j,m]に情報(例えば、電位、電流値など)の書き込みを行う場合、回路WLDは、セルOMC[j,1]乃至セルOMC[j,m]に含まれる書き込み用スイッチング素子をオン状態にするための信号を配線WWL[j]に供給し、j行目以外のセルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]に含まれる書き込み用スイッチング素子をオフ状態にする電位をj行目以外の配線WWL[1]乃至配線[n]に供給すればよい。
回路PCDは、一例として、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]に含まれている所定の配線に定電位をプリチャージする機能を有する。そのため、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]には、定電位を与える配線とプリチャージが行われる配線との間に電気的に接続されているスイッチング素子が含まれているものとする。なお、所定の配線へのプリチャージは、第1データと第2データとの積和演算を実行する前に行われるのが好ましい。
例えば、セルアレイCAにおいて、第1データと第2データとの積和演算を実行する行がj行目であるとき、回路PCDは、配線PCH[j]に高レベル電位又は低レベル電位の一方を与えて、j行目のセルOMC[j,1]乃至セルOMC[j,m]のそれぞれに含まれている当該スイッチング素子をオン状態にする。これによって、所定の配線に定電位をプリチャージすることができる。
回路SLDは、一例として、セルアレイCAにおいて、第1データと第2データとの積和演算を実行する行を選択する機能を有する。具体的には、例えば、セルアレイCAのj行目に位置するセルOMC[j,1]乃至セルOMC[j,m]において、第1データと第2データとの積和演算を実行するとき、回路SLDは、配線SEL[j]に高レベル電位又は低レベル電位の一方を入力し、かつ、j行目以外の配線SEL[1]乃至配線SEL[m]に高レベル電位又は低レベル電位の他方を入力する。
回路XCDは、一例として、配線ENp[1]乃至配線ENp[m]と、配線ENn[1]乃至配線ENn[m]と、を介して、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]のそれぞれに対して、第2データを供給する機能を有する。具体的には、例えば、セルOMC[1,i]乃至セルOMC[n,i]に対して第2データを供給するとき、回路XCDは、配線ENp[j]及び配線ENn[j]によって、第2データに応じた情報(例えば、電位など)を供給する。
回路OPCは、一例として、回路TRC[1]乃至回路TRC[n]を有する。回路TRC[1]は、配線AVLp[1]と、配線AVLn[1]と、に電気的に接続され、回路TRC[n]は、配線AVLp[n]と、配線AVLn[n]と、に電気的に接続されている。また、回路TRC[1]は、配線OL[1]に電気的に接続され、回路TRC[n]は、配線OL[n]に電気的に接続されている。
回路TRC[1]乃至回路TRC[n]のそれぞれは、一例として、セルアレイCAにおいて、積和演算を実行した結果を出力する機能を有する。具体的には、例えば、回路TRC[j]は、配線AVLp[j]、配線AVLn[j]のそれぞれの電位を参照して、配線OL[j]に当該電位に応じた出力電位を出力する構成とすることが好ましい。
なお、図1では、配線OL[1]乃至配線OL[n]はそれぞれ1本のみを図示しているが、回路TRC[1]乃至回路TRC[n]の構成によっては、配線OL[1]乃至配線OL[n]のそれぞれは、複数の配線としてもよい。例えば、配線OL[j]がデジタル信号を出力する場合、配線OL[j]は、ビット数分の配線を有してもよい。
図2(A)に、回路TRC[j]の回路構成の例を示す。図2(A)の回路TRC[j]は、コンパレータCMPを有する。コンパレータCMPの第1端子は、配線AVLp[j]に電気的に接続され、コンパレータCMPの第2端子は、配線AVLn[j]に電気的に接続され、コンパレータCMPの出力端子は、配線OL[j]に電気的に接続されている。図2(A)の回路TRC[j]は、配線AVLp[j]と配線AVLn[j]との電位を比較して、その比較結果に応じて、コンパレータCMPの出力端子から配線OL[j]に高レベル電位又は低レベル電位を出力する機能を有する。図1の回路TRC[1]乃至回路TRC[n]として、図2(A)の回路TRC[j]を適用することによって、セルアレイCAのj行目において、積和演算を実行した結果を2値として出力することができる。
また、本発明の一態様の半導体装置に含まれる回路TRC[1]乃至回路TRC[n]の構成は、図2(A)の回路TRC[j]の構成に限定されない。本発明の一態様の半導体装置に含まれる回路TRC[1]乃至回路TRC[n]は、状況に応じて、回路構成を変更することができる。例えば、図2(A)の回路TRC[j]は、図2(B)の回路TRC[j]に変更してもよい。
図2(A)の回路TRC[j]は、配線AVLp[j]と配線AVLn[j]との電位を比較して、その比較結果を配線OL[j]に出力する構成としたが、図2(B)の回路TRC[j]は、配線AVLp[j]と配線AVLn[j]とのそれぞれの電位と、配線VrefLが与える参照電位と、を比較してその比較結果を配線OLa[j]、及び配線OLb[j]に出力する構成となっている。なお、図2(B)では、配線OL[j]として、配線OLa[j]と配線OLb[j]とを図示している。
図2(B)の回路TRC[j]は、一例として、コンパレータCMPaと、コンパレータCMPbと、を有する。コンパレータCMPaの第1端子は、配線AVLp[j]に電気的に接続され、コンパレータCMPaの第2端子は、配線VrefLに電気的に接続されている。コンパレータCMPbの第1端子は、配線AVLn[j]に電気的に接続され、コンパレータCMPaの第2端子は、配線VrefLに電気的に接続されている。コンパレータCMPaの出力端子は、配線OLa[j]として機能し、及びコンパレータCMPbの出力端子は、配線OLb[j]として機能する。また、配線VrefLは、定電位を与える配線として機能する。図2(B)の回路TRC[j]は、配線AVLp[j]の電位と配線VrefLの電位とを比較し、かつ配線AVLn[j]の電位と配線VrefLの電位とを比較して、配線OLa[j]及び配線OLb[j]に比較結果に応じた電位(デジタル信号)を出力する機能を有する。例えば、配線AVLp[j]の電位と配線AVLn[n]とのそれぞれの電位が配線VrefLの電位よりも高い場合、配線AVLp[j]の電位と配線AVLn[n]とのそれぞれの電位が配線VrefLの電位よりも低い場合、配線VrefLの電位よりも配線AVLp[j]の電位が高く、かつ配線VrefLの電位よりも配線AVLn[n]の電位が低い場合、配線VrefLの電位よりも配線AVLp[j]の電位が低く、かつ配線VrefLの電位よりも配線AVLn[n]の電位が高い場合、のそれぞれで配線OLa[j]及び配線OLb[j]に出力される電位の組み合わせ(デジタル信号)が異なる。
また、図2(B)の回路TRC[j]に、変換回路TRFを設けてもよい。図2(C)の回路TRC[j]は、図2(B)の回路TRC[j]に、変換回路TRFを設けた構成となっている。図2(C)に示すとおり、変換回路TRFを設けることによって、コンパレータCMPa及びコンパレータCMPbの出力端子から出力されたデジタル信号を異なる信号に変換することができる。例えば、変換回路TRFとしては、デジタルアナログ変換回路とすることで、コンパレータCMPa及びコンパレータCMPbの出力端子から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換することができる。
<セルOMCの構成例>
次に、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]の具体的な構成例について、説明する。
図3は、セルOMCの具体的な回路構成の例を示している。
セルOMCは、保持回路AMと、保持回路AMrと、回路LMAVと、を有する。セルOMCは、第1データと、第2データと、の積を計算する回路である。保持回路AMは、保持回路AMrと同様の構成とすることができる。そのため、保持回路AMrは、保持回路AMと区別をするため、符号に「r」を付している。また、保持回路AMrに含まれている、後述する回路素子の符号にも「r」を付している。
保持回路AMは、一例として、トランジスタM1乃至トランジスタM3と、容量C1と、を有する。
特に、保持回路AMに含まれているトランジスタM1と、保持回路AMrに含まれているトランジスタM1rと、のそれぞれのサイズ(例えば、チャネル長、チャネル幅など)、構造などは互いに等しいことが好ましい。また、トランジスタM2と、トランジスタM2rと、のそれぞれのサイズは互いに等しいことが好ましく、トランジスタM3と、トランジスタM3rと、のそれぞれのサイズは互いに等しいことが好ましい。
また、保持回路AMに含まれている容量C1と、保持回路AMrに含まれている容量C1rと、のそれぞれのサイズ、構造などは互いに等しいことが好ましい。特に、容量C1と容量C1rとのそれぞれの静電容量の値は、互いに等しいことが好ましい。
トランジスタのサイズを互いに等しくすることによって、それぞれのトランジスタの電気特性をほぼ等しくすることができる。また、容量のサイズを互いに等しくすることによって、ぞれぞれの容量の電気特性をほぼ等しくすることができる。そのため、保持回路AMに含まれているトランジスタM1乃至トランジスタM3及び容量C1と、保持回路AMrに含まれているトランジスタM1r乃至トランジスタM3r及び容量C1rと、を互いにサイズ、構造を等しくすることによって、保持回路AMと保持回路AMrのそれぞれは、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタM1のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、トランジスタM2のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、トランジスタM3のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、保持回路AM及び保持回路AMrのそれぞれに入力されている電圧などを指す。
なお、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、トランジスタM1r、トランジスタM2r、及びトランジスタM3rは、特に断りの無い場合は、オン状態の場合は飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、飽和領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、トランジスタM1r、トランジスタM2r、及びトランジスタM3rは、オン状態のときは線形領域で動作してもよく、また、線形領域で動作する場合と飽和領域で動作する場合とが混在してもよい。
トランジスタM1乃至トランジスタM3、トランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、一例として、OSトランジスタであることが好ましい。また、OSトランジスタのチャネル形成領域に含まれている金属酸化物としては、例えば、インジウム、元素M(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種の元素)、亜鉛から一又は複数選ばれる材料の酸化物とすることができる。特に、インジウム、ガリウム、亜鉛を有する金属酸化物は、バンドギャップが高く、真性(I型ともいう。)、又は実質的に真性である半導体であって、当該金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm−3以下であることが好ましく、1×1017cm−3未満であることがより好ましく、1×1016cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm−3未満であることがさらに好ましい。また、当該金属酸化物がチャネル形成領域に含まれるOSトランジスタのオフ電流は、チャネル幅1μmあたり10aA(1×10−17A)以下、好ましくはチャネル幅1μmあたり1aA(1×10−18A)以下、さらには好ましくはチャネル幅1μmあたり10zA(1×10−20A)以下、さらに好ましくはチャネル幅1μmあたり1zA(1×10−21A)以下、さらに好ましくはチャネル幅1μmあたり100yA(1×10−22A)以下とすることができる。またOSトランジスタは、金属酸化物のキャリア濃度が低いため、OSトランジスタの温度が変化した場合でも、オフ電流は低いままとなる。例えば、OSトランジスタの温度が150℃であっても、オフ電流を、チャネル幅1μmあたり100zAとすることもできる。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3、トランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、特に実施の形態3に記載するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
トランジスタM1の第1端子は、配線CVE1に電気的に接続され、トランジスタM1の第2端子は、トランジスタM3の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM1のゲートは、容量C1の第1端子と、トランジスタM2の第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタM2の第2端子は、端子IT3を介して配線WBLに電気的に接続され、トランジスタM2のゲートは、端子IT1を介して配線WWLに電気的に接続されている。トランジスタM3の第2端子は、配線BLに電気的に接続され、トランジスタM3のゲートは、端子IT2を介して、配線SELに電気的に接続されている。容量C1の第2端子は、配線CVE2に電気的に接続されている。
特に、トランジスタM1のゲートと、容量C1の第1端子と、トランジスタM2の第1端子と、の電気的な接続点をノードNNと呼称する。
トランジスタM1rの第1端子は、配線CVE1rに電気的に接続されている。トランジスタM2rの第2端子は、端子IT3rを介して配線WBLrに電気的に接続され、トランジスタM2rのゲートは、端子IT1rを介して配線WWLに電気的に接続されている。トランジスタM3rの第2端子は、配線BLrに電気的に接続され、トランジスタM3rのゲートは、端子IT2rを介して配線SELに電気的に接続されている。容量C1rの第2端子は、配線CVE2rに電気的に接続されている。
配線CVE1、及び配線CVE1rは、一例としては、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位、接地電位などとすることができる。なお、配線CVE1が与える定電圧と、配線CVE1rが与える定電圧は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。また、配線CVE1と配線CVE1rとが与える定電圧が互いに等しい場合、セルOMCは、配線CVE1と配線CVE1rとは1本の配線としてまとめた構成としてもよい(図示しない)。
配線CVE2、及び配線CVE2rは、一例としては、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。なお、配線CVE2が与える定電圧と、配線CVE2rが与える定電圧は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。また、配線CVE2と配線CVE2rとが与える定電圧が互いに等しい場合、セルOMCは、配線CVE2と配線CVE2rとは1本の配線としてまとめた構成としてもよい(図示しない)。
また、配線CVE1、配線CVE1r、配線CVE2、及び配線CVE2rのそれぞれが与える電位が互いに等しい場合、セルOMCは、配線CVE1、配線CVE1r、配線CVE2、及び配線CVE2rを1本の配線としてまとめた構成としてもよい(図示しない)。
また、図3において、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rには、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタのゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、又は、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、そのトランジスタのバックゲートと外部回路などとを電気的に接続するための配線を設けて、当該外部回路などによってそのトランジスタのバックゲートに電位を与える構成としてもよい。
また、図3に図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、バックゲートを有しているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、図1に図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、バックゲートを有さないような構成、つまり、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成であり、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成であってもよい。
また、図3に図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、nチャネル型トランジスタとしているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rの一部、又は全部をpチャネル型トランジスタに置き換えてもよい。なお、nチャネル型トランジスタからpチャネル型トランジスタに置き換えた場合、トランジスタがオン状態又はオフ状態となるためのソース電位、ドレイン電位、ゲート電位などが変わる場合がある。その場合、本明細書等に記載のnチャネル型トランジスタがオン状態又はオフ状態となるためのソース電位、ドレイン電位、ゲート電位などを適切に変更すればよい。例えば、ゲート電位が高レベル電位でオン状態となるnチャネル型トランジスタをpチャネル型トランジスタに置き換えた場合、そのpチャネル型トランジスタがオン状態となるゲート電位として、低レベル電位に変更すればよい。
なお、上記のトランジスタの構造、極性に関する変更例は、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rだけに限定されない。例えば、トランジスタM1r乃至トランジスタM3r、後述するトランジスタM5乃至トランジスタM7、トランジスタM5b、トランジスタM6b、更に、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
回路LMAVは、一例として、スイッチSWpと、スイッチSWprと、スイッチSWnと、スイッチSWnrと、スイッチPCpと、スイッチPCnと、を有する。
スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnr、スイッチPCp、及びスイッチPCnとしては、例えば、アナログスイッチやトランジスタなどの電気的なスイッチなどを適用することができる。なお、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnr、スイッチPCp、及びスイッチPCnとして、例えば、トランジスタを適用する場合、当該トランジスタは、トランジスタM1乃至トランジスタM3と同様の構造のトランジスタとすることができる。また、電気的なスイッチ以外では、機械的なスイッチを適用してもよい。
また、図3には、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnr、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれに制御端子を図示している。本明細書等において、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnr、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれは、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオン状態となり、制御端子に低レベル電位が入力されたときにオフ状態をとるものとする。なお、本発明の一態様の演算回路に含まれているスイッチの動作は、これに限定されず、例えば、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnr、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれは、制御端子に低レベル電位が入力されたときにオン状態となり、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオフ状態をとるものとしてもよい。
スイッチSWpの第1端子は、配線BLと、スイッチSWnの第1端子と、スイッチPCpの第1端子と、に電気的に接続されている。スイッチSWprの第1端子は、配線BLrと、スイッチSWnrの第1端子と、スイッチPCnの第1端子と、に電気的に接続されている。スイッチSWpの第2端子は、スイッチSWnrの第2端子と、端子OTを介して配線AVLpと、に電気的に接続されている。スイッチSWprの第2端子は、スイッチSWnの第2端子と、端子OTrを介して配線AVLnと、に電気的に接続されている。
スイッチSWpの制御端子と、スイッチSWprの制御端子と、は、端子IT4を介して配線ENpに電気的に接続されている。スイッチSWnの制御端子と、スイッチSWnrの制御端子と、は、端子IT4rを介して配線ENnに電気的に接続されている。スイッチPCpの制御端子と、スイッチPCnの制御端子と、は、端子PCTを介して配線PCHに電気的に接続されている。
保持回路AM、及び保持回路AMrは、容量C1の第1端子と、容量C1rの第1端子と、のそれぞれに第1データに応じた電位を保持する機能を有する。そのため、保持回路AMに含まれているトランジスタM2、及びトランジスタM2rとして、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、Siトランジスタよりもオフ電流が低い特性を有するため、トランジスタM2、及びトランジスタM2rをオフ状態にすることで、容量C1の第1端子と、容量C1rの第1端子と、のそれぞれに書き込んだ電位を長時間保持することができる。そのため、容量C1の第1端子と、容量C1rの第1端子と、のそれぞれの電位に対するリフレッシュ動作を少なくすることができるため、演算回路MAC1の消費電力を低減することができる。
また、セルOMCの動作については後に詳述するが、演算回路MAC1が演算を行うとき、配線BL、及び配線BLrには、所定の電位がプリチャージされる。配線BL、及び配線BLrにプリチャージされた電位が変化しないようにするため、トランジスタM3、及びトランジスタM3rとしては、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、Siトランジスタよりもオフ電流が低い特性を有するため、トランジスタM3、及びトランジスタM3rをオフ状態にすることで、配線BL、及び配線BLrにプリチャージされた電位を保持することができる。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rのそれぞれに、OSトランジスタを適用することで、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rと同時に作製することができる。そのため、演算回路の作製工程を短縮することができる場合がある。また、トランジスタM1乃至トランジスタM3、及びトランジスタM1r乃至トランジスタM3rは、場合によっては、チャネル形成領域にシリコンを含むトランジスタ(以下、Siトランジスタと呼称する)としてもよい。シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼称する場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることができる。
ところで、半導体装置などをチップなどに高集積化した場合、当該チップには、回路の駆動による熱が発生する場合がある。この発熱により、トランジスタの温度が上がることで、当該トランジスタの特性が変化して、電界効果移動度の変化や動作周波数の低下などが起こることがある。OSトランジスタは、Siトランジスタよりも熱耐性が高いため、温度変化による電界効果移動度の変化が起こりにくく、また動作周波数の低下も起こりにくい。そのため、OSトランジスタを用いることにより、高い温度環境下でも、後述する積和演算を実行しやすい。そのため、駆動による発熱に強い半導体装置を構成する場合、トランジスタとしては、OSトランジスタを適用するのが好ましい。
また、上記では、演算回路MAC1に含まれているトランジスタをOSトランジスタ、又はSiトランジスタとした場合について説明したが、本発明の一態様は、これに限定されない。演算回路MAC1に含まれているトランジスタは、例えば、Geなどを活性層としたトランジスタ、ZnSe、CdS、GaAs、InP、GaN、SiGeなどの化合物半導体を活性層としたトランジスタ、カーボンナノチューブを活性層としたトランジスタ、有機半導体を活性層としたトランジスタ等を用いることができる。
<セルOMCの動作例>
次に、セルOMCの動作例について説明する。
図4にセルOMCの動作例のタイミングチャートを示す。図4のタイミングチャートは、時刻T01から時刻T08までの間、及びそれらの近傍における、配線WWL、配線SEL、配線WBL、配線WBLr、ノードNN、ノードNNr、配線BL、配線BLr、配線PCH、配線ENp、配線ENn、配線AVLp、及び配線AVLnの電位の変動を示している。
なお、本動作例において、配線CVE1、配線CVE1r、配線CVE2、配線CVE2rの電位は接地電位GNDとする。また、時刻T01より前では、初期設定として、ノードNN、及びノードNNrのそれぞれの電位を、低レベル電位(図4では、Lowと表記している)にしているものとする。
配線GRBLには、一例として、電位VDDDが入力されている。なお、電位VDDDは、接地電位よりも高い電位とする。
<<時刻T01より前の時刻>>
一例として、時刻T01より前の時刻において、配線WWLには低レベル電位が入力され、配線SELには低レベル電位が入力されている。また、配線WBL、及び配線WBLrには、高レベル電位(図4では、Highと表記している)が入力されている。また、配線BL、配線BLrには、低レベル電位が入力されている。また、配線PCHには、低レベル電位が入力されている。また、配線ENp、及び配線ENnには、低レベル電位が入力されている。また、配線AVLp、配線AVLnには、低レベル電位が入力されている。
<<時刻T01から時刻T02まで>>
時刻T01から時刻T02までの間において、配線WBLには高レベル電位又は低レベル電位が印加され、配線WBLrには高レベル電位又は低レベル電位が印加されている。
なお、配線WBL、及び配線WBLrは、上述した通り、回路WBDからセルOMCに供給される第1データに応じた情報を送信するための配線として機能する。ここでの情報とは、一例として、電位とする。
また、本動作例における、第1データは、“+1”、“−1”、“0”の3値のうち一をとるものとする。なお、図4では、第1データをWと記載している。ここで、第1データの値と、配線WBL、及び配線WBLrに入力される電位と、の関係を次の通りに定義する。第1データが“+1”であるとき、配線WBLには低レベル電位が入力され、配線WBLrには高レベル電位が入力されるものとする。また、第1データが“−1”であるとき、配線WBLには高レベル電位が入力され、配線WBLrには低レベル電位が入力されるものとする。また、第1データが“0”であるとき、配線WBLには高レベル電位が入力され、配線WBLrには高レベル電位が入力されるものとする。
Figure 2021043712
<<時刻T02から時刻T03まで>>
時刻T02から時刻T03までの間において、配線WWLに高レベル電位が入力されている。これにより、トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれのゲートに高レベル電位が印加されて、トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれがオン状態となる。
トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれがオン状態になることによって、配線WBLとノードNNとの間が導通状態となり、配線WBLrとノードNNrとの間が導通状態となる。このため、ノードNNの電位は配線WBLに入力されている電位に変動し、ノードNNrの電位は配線WBLrに入力されている電位に変動する。
<<時刻T03から時刻T04まで>>
時刻T03から時刻T04までの間において、配線WWLに低レベル電位が入力されている。これにより、トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれのゲートに低レベル電位が印加されて、トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれがオフ状態となる。
トランジスタM2、及びトランジスタM2rのそれぞれがオフ状態になることによって、配線WBLとノードNNとの間が非導通状態となり、配線WBLrとノードNNrとの間が非導通状態となる。これにより、容量C1には、トランジスタM1のゲート(ノードNN)の電位と、配線CVE2の電位と、の電位差が保持され、容量C1rには、トランジスタM1rのゲート(ノードNNr)の電位と、配線CVE2rの電位と、の電位差が保持される。
<<時刻T04から時刻T05まで>>
時刻T04から時刻T05までの間において、配線WBL及び配線WBLrのそれぞれには高レベル電位が印加されている。なお、このとき、トランジスタM2、及びトランジスタM2rがオフ状態になっているため、配線WBLとノードNNとの間、及び配線WBLrとノードNNrとの間は非導通状態となっている。そのため、時刻T04から時刻T05までの間で、配線WBL及び配線WBLrのそれぞれの電位が変化しても、ノードNN、及びノードNNrのそれぞれの電位は変化しない。
<<時刻T05から時刻T06まで>>
時刻T05から時刻T06までの間において、配線PCHに高レベル電位が入力されている。これにより、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれの制御端子に高レベル電位が印加されて、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれがオン状態となる。
スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれがオン状態になることによって、配線BLと配線GRBLとの間が導通状態となり、配線BLrと配線GRBLとの間が導通状態となる。このため、配線BL、及び配線BLrの電位は配線GRBLに入力されている電位VDDDに変動する。
なお、配線PCHに高レベル電位が入力されて、配線BL、配線BLrのそれぞれの電位が変動した後から時刻T06までの間において、配線PCHには、低レベル電位が入力される。これにより、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれの制御端子に低レベル電位が印加されて、スイッチPCp、及びスイッチPCnのそれぞれがオフ状態となる。
上述した時刻T05から時刻T06までの間の動作によって、配線BL、及び配線BLrへの電位VDDDのプリチャージが行われる。
<<時刻T06から時刻T07まで>>
時刻T06から時刻T07までの間において、配線SELに高レベル電位が入力されている。これにより、トランジスタM3、及びトランジスタM3rのそれぞれのゲートに高レベル電位が印加されて、トランジスタM3、及びトランジスタM3rのそれぞれがオン状態となる。
トランジスタM3、及びトランジスタM3rのそれぞれがオン状態になることによって、配線BLとトランジスタM1の第2端子との間が導通状態となり、配線BLrとトランジスタM1rの第2端子との間が導通状態となる。
ところで、トランジスタM1のゲート(ノードNN)の電位が高レベル電位であるとき、トランジスタM1はオン状態となり、トランジスタM1のソース−ドレイン間に電流が流れる。このため、配線BLと配線CVE1との間が導通状態となる。さらに、配線CVE1には接地電位が入力されているため、配線BLにプリチャージされた電荷は、配線CVE1に流れる。これによって、配線BLの電位VDDDは、所定の電位まで低下する。
同様に、トランジスタM1rのゲート(ノードNNr)の電位が高レベル電位であるとき、トランジスタM1rはオン状態となり、トランジスタM1rのソース−ドレイン間に電流が流れる。このため、配線BLrと配線CVE1rとの間が導通状態となる。さらに、配線CVE1rには接地電位が入力されているため、配線BLrにプリチャージされた電荷は、配線CVE1rに流れる。これによって、配線BLrの電位VDDDは、所定の電位まで低下する。本動作例では、当該所定の電位を接地電位とする。
また、トランジスタM1のゲート(ノードNN)の電位が低レベル電位であるとき、トランジスタM1はオフ状態となるものとする。このため、トランジスタM3がオン状態であっても、配線BLと配線CVE1との間が非導通状態となる。そのため、配線BLにプリチャージされた電位VDDDは、時刻T06から時刻T07までの間の動作によって、変化しない。
同様に、トランジスタM1rのゲート(ノードNNr)の電位が低レベル電位であるとき、トランジスタM1rはオフ状態となるものとする。このため、トランジスタM3rがオン状態であっても、配線BLrと配線CVE1rとの間が非導通状態となる。そのため、配線BLrにプリチャージされた電位VDDDは、時刻T06から時刻T07までの間の動作によって、変化しない。
<<時刻T07から時刻T08まで>>
時刻T07から時刻T08までの間において、配線SELに低レベル電位が入力されている。これにより、トランジスタM3、及びトランジスタM3rのそれぞれのゲートに低レベル電位が印加されて、トランジスタM3、及びトランジスタM3rのそれぞれがオフ状態となる。
時刻T07から時刻T08までの間の動作によって、配線BL、及び配線BLrはフローティング状態となる。
<<時刻T08から時刻T09まで>>
時刻T08から時刻T09までの間において、配線ENpには高レベル電位又は低レベル電位が印加され、配線ENnには高レベル電位又は低レベル電位が印加されている。
なお、配線ENp、及び配線ENnは、上述した通り、回路XCDからセルOMCに供給される第2データに応じた情報を送信するための配線として機能する。ここでの情報とは、一例として、電位とする。
また、本動作例における、第2データは、“+1”、“−1”、“0”の3値のうち一をとるものとする。なお、図4では、第2データをXと記載している。ここで、第2データの値と、配線ENp、及び配線ENnに入力される電位と、の関係を次の通りに定義する。第2データが“+1”であるとき、配線ENpには高レベル電位が入力され、配線ENnには低レベル電位が入力されるものとする。また、第2データが“−1”であるとき、配線ENpには低レベル電位が入力され、配線ENnには高レベル電位が入力されるものとする。また、第2データが“0”であるとき、配線ENpには低レベル電位が入力され、配線ENnには低レベル電位が入力されるものとする。
Figure 2021043712
つまり、第2データが“+1”のとき、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれの制御端子に高レベル電位が入力され、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれの制御端子に低レベル電位が入力される。このため、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれはオン状態となり、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれはオフ状態となる。これにより、配線BLと配線AVLpとの間が導通状態となり、配線BLrと配線AVLnとの間が導通状態となり、配線BLと配線AVLnとの間が非導通状態となり、配線BLrと配線AVLpとの間が非導通状態となる。
また、第2データが“−1”のとき、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれの制御端子に低レベル電位が入力され、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれの制御端子に高レベル電位が入力される。このため、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれはオフ状態となり、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれはオン状態となる。これにより、配線BLと配線AVLnとの間が導通状態となり、配線BLrと配線AVLpとの間が導通状態となり、配線BLと配線AVLpとの間が非導通状態となり、配線BLrと配線AVLnとの間が非導通状態となる。
また、第2データが“0”のとき、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれの制御端子に低レベル電位が入力され、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれの制御端子に低レベル電位が入力される。このため、スイッチSWp及びスイッチSWprのそれぞれはオフ状態となり、スイッチSWn及びスイッチSWnrのそれぞれはオフ状態となる。これにより、配線BLと配線AVLnとの間が非導通状態となり、配線BLrと配線AVLpとの間が非導通状態となり、配線BLと配線AVLpとの間が非導通状態となり、配線BLrと配線AVLnとの間が非導通状態となる。
ここで、第1データが“+1”であり、かつ第2データが“+1”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLpの電位はGND、配線BLの電位はVDDDとなっているため、配線AVLpと配線BLとの間が導通状態になることにより、配線AVLpと配線BLとには、配線BLにプリチャージされていた電荷が分配される。そのため、配線BLの電位はVDDDからΔVに下がるものとし、配線AVLpの電位はGNDからΔV上がるものとする。一方、時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLnの電位はGND、配線BLrの電位はGNDとなっているため、配線AVLnと配線BLrとの間が導通状態になっても、配線AVLnと配線BLrとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。
また、第1データが“+1”であり、かつ第2データが“−1”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLpの電位はGND、配線BLrの電位はGNDとなっているため、配線AVLpと配線BLrとの間が導通状態になっても、配線AVLpと配線BLrとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。一方、時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLnの電位はGND、配線BLの電位はVDDDとなっているため、配線AVLnと配線BLとの間が導通状態になることにより、配線AVLnと配線BLとには、配線BLにプリチャージされていた電荷が分配される。そのため、配線BLの電位はVDDDからΔVに下がるものとし、配線AVLnの電位はGNDからΔV上がるものとする。
また、第1データが“−1”であり、かつ第2データが“+1”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLpの電位はGND、配線BLの電位はGNDとなっているため、配線AVLpと配線BLとの間が導通状態になっても、配線AVLpと配線BLとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。一方、時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLnの電位はGND、配線BLrの電位はVDDDとなっているため、配線AVLnと配線BLrとの間が導通状態になることにより、配線AVLnと配線BLrとには、配線BLrにプリチャージされていた電荷が分配される。そのため、配線BLrの電位はVDDDからΔVに下がるものとし、配線AVLnの電位はGNDからΔV上がるものとする。
また、第1データが“−1”であり、かつ第2データが“−1”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLpの電位はGND、配線BLrの電位はVDDDとなっているため、配線AVLpと配線BLrとの間が導通状態になることにより、配線AVLpと配線BLrとには、配線BLrにプリチャージされていた電荷が分配される。そのため、配線BLrの電位はVDDDからΔVに下がるものとし、配線AVLpの電位はGNDからΔV上がるものとする。一方、時刻T07から時刻T08までの間において、配線AVLnの電位はGND、配線BLの電位はGNDとなっているため、配線AVLnと配線BLとの間が導通状態になっても、配線AVLnと配線BLとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。
また、第1データが“0”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。第1データが“0”であるとき、配線BL、配線BLrの電位はGNDとなっているため、第2データが“+1”、“−1”、“0”のどの値であっても(スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、及びスイッチSWnrがオン状態、又はオフ状態であっても)、配線AVLpと配線AVLnとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。
また、第2データが“0”であるときの配線AVLp、配線AVLnの電位の変化を考える。第2データが“0”であるとき、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、及びスイッチSWnrのそれぞれがオフ状態となっているため、第1データが“+1”、“−1”、“0”のどの値であっても配線AVLpと配線AVLnとのそれぞれの電位はGNDのまま変化しない。
上述した内容を下表にまとめる。
Figure 2021043712
上表のとおり、第1データと第2データの積を、配線AVLpと配線AVLnの電位によって表すことができる。したがって、セルOMCに第1データに応じた電位を保持し、かつセルOMCに第2データを入力することによって、セルOMCは、配線AVLp及び配線AVLnに第1データと第2データの積に応じた電位を出力することができる。
<演算回路MAC1の動作例>
次に、上述したセルOMCを用いた、図1の演算回路MAC1の演算の動作例について説明する。
なお、本動作例では、第1データは“+1”、“−1”、“0”の3値のいずれか一をとるものとし、第2データは“+1”、“−1”の2値のいずれか一をとるものとする。
一例として、図1の演算回路の1行目において、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれに第1データが保持され、その後にセルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれに第2データが入力されたものとする。
ここで、配線AVLp[1]、又は配線AVLn[1]と導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれに含まれている、配線BL及び配線BLrについて着目する。セルOMCには、第2データとして“+1”、“−1”の2値のいずれか一のデータが入力されているため、セルOMCに含まれている配線BLは、配線AVLp[1]又は配線AVLn[1]の一方と導通状態となり、同様に、そのセルOMCに含まれている配線BLrは、配線AVLp[1]又は配線AVLn[1]の他方と導通状態となる。つまり、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれに第2データが入力されることによって、配線AVLp[1]と導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれの配線BL、配線BLrとの組み合わせが定まる。また、同様に、配線AVLn[1]と導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれの配線BL、配線BLrとの組み合わせも定まる。
例えば、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,3]に入力される第2データがそれぞれ“+1”、“−1”、“+1”としたとき、セルOMC[1,1]の配線BLと、セルOMC[1,2]の配線BLrと、セルOMC[1,3]の配線BLと、の組み合わせが、配線AVLp[1]と導通状態となる。一方、セルOMC[1,1]の配線BLrと、セルOMC[1,2]の配線BLと、セルOMC[1,3]の配線BLrと、の組み合わせが、配線AVLn[1]と導通状態となる。
ここで、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]に第2データが入力されたとき、配線AVLpと導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれの配線BL、配線BLrの組み合わせを第1組と呼称し、配線AVLnと導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のそれぞれの配線BL、配線BLrの組み合わせを第2組と呼称する。
なお、セルOMCにおいて、配線BL又は配線BLrの一方は配線AVLp[1]と導通状態となり、配線BL又は配線BLrの他方は配線AVLp[1]と導通状態となるので、配線AVLp[1]と導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]の配線BL、配線BLrの合計の本数はm本となる。また、同様に、配線AVLn[1]と導通状態となる、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]の配線BL、配線BLrの合計の本数はm本となる。
また、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]のうち、第1データと第2データとの積が“+1”となっているセルOMCの個数をp個とし、第1データと第2データとの積が“−1”となっているセルOMCの個数をq個とし、第1データと第2データとの積が“0”となっているセルOMCの個数をr個とする。但し、p、q、rのそれぞれは、m=p+q+rを満たし、かつ0を含む正の整数である。
また、セルOMCに第1データとして、“+1”、又は“−1”が保持されているとき、セルOMCに含まれている配線BL又は配線BLrにプリチャージされている電位に応じた電荷量をQutとする。
ここで、第2データがセルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]に入力されたとき、配線AVLp[1]と、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]の第1組の配線BL、配線BLrと、の間が導通状態となるため、配線AVLp[1]と合計m本の配線BL、配線BLrとのそれぞれの電荷は再分配される。このとき、配線AVLp[1]と、第1組の配線BL、配線BLrと、のそれぞれの電位は、電荷量p×Qutに応じた電位Vとなる。
一方、第2データがセルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]に入力されたとき、配線AVLn[1]と、セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]の第2組の配線BL、配線BLrと、の間が導通状態となるため、配線AVLn[1]と合計m本の配線BL、配線BLrとのそれぞれの電荷は再分配される。このとき、配線AVLn[1]と、第1組の配線BL、配線BLrと、のそれぞれの電位は、電荷量q×Qutに応じた電位Vとなる。
セルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]において、pがqよりも大きいとき、つまり、第1データと第2データとの積が“+1”となるセルOMCの数が、第1データと第2データとの積が“−1”となるセルOMCの数よりも大きいほど、電位Vは、電位Vよりも高くなる。また、pがqよりも小さいとき、つまり、第1データと第2データとの積が“−1”となるセルOMCの数が、第1データと第2データとの積が“+1”となるセルOMCの数よりも大きいほど、電位Vは、電位Vよりも低くなる。
ここで、例えば、図1の演算回路MAC1の回路TRC[1]乃至回路TRC[m]として、図2(A)に示した回路TRC[j]を適用することによって、コンパレータCMPの第1端子に電位Vが入力され、コンパレータCMPの第1端子に電位Vが入力される。そして、コンパレータCMPによって、電位Vと電位Vの比較が行われることで、一例として、電位Vよりも電位Vが低いときに、コンパレータCMPの出力端子から配線OL[j]に高レベル電位が出力され、電位Vよりも電位Vが高いときに、コンパレータCMPの出力端子から配線OL[j]に低レベル電位が出力される。
本動作例では、セルアレイCAの1行目のセルOMC[1,1]乃至セルOMC[1,m]の部分での演算について説明したが、セルアレイCAの2行目乃至n行目についても同様に演算を行うことができる。
上述した通り、セルアレイCAのセルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]に第1データを保持し、後にセルOMC[1,1]乃至セルOMC[n,m]に第2データを入力することによって、演算回路MAC1は、各行における積和演算の結果を配線OLに出力することができる。
なお、本発明の一態様の半導体装置である演算回路に含まれているセルOMCは、図3に示すセルOMCに限定されない。当該演算回路は、状況に応じて、セルOMCの構成を変更したものにしてもよい。例えば、図3のセルOMCは、スイッチPCp、スイッチPCnを設けない構成としてもよい(図示しない)。この場合、図3のセルOMCにおいて、配線BL、及び配線BLrへのプリチャージ動作は、配線GRBLでなく、スイッチSWp、スイッチSWpr、スイッチSWn、スイッチSWnrなどを介して、配線AVLp及び/又は配線AVLnから電位を供給すればよい。
また、例えば、図3のセルOMCに電気的に接続されている配線WWL、配線SEL、配線PCH、配線AVLp、配線AVLn、配線WBL、配線WBLr、配線ENp、及び配線ENnは、それぞれ1本ずつとしてもよいが、セルOMCの構成によっては、それぞれ複数の配線としてもよい。例えば、配線WWLは、保持回路AMに含まれているトランジスタM2と、保持回路AMrに含まれているトランジスタM2rと、のオン状態とオフ状態とを切り替えるための配線として機能するが、トランジスタM2と、トランジスタM2rと、のオン状態とオフ状態の切り替えを独立に行うために、トランジスタM2のゲートと、トランジスタM2rのゲートと、のそれぞれには、別々の配線を電気的に接続する構成としてもよい。このように、セルOMCに電気的に接続されている配線WWL、配線SEL、配線PCH、配線AVLp、配線AVLn、配線WBL、配線WBLr、配線ENp、及び配線ENnは、セルOMCの構成に応じて、その配線の本数を適宜変更することができる。
また、本発明の一態様の半導体装置である演算回路に含まれているセルOMCは、例えば、図5に示すセルOMCのとおり、図3のセルOMCに含まれている配線BL、及び配線BLrにそれぞれ容量C3、及び容量C3rを電気的に接続した構成としてもよい。具体的には、図5のセルOMCにおいて、容量C3の第1端子は配線BLに電気的に接続され、容量C3の第2端子は、配線CVE3に電気的に接続されている。また、容量C3rの第1端子は配線BLrに電気的に接続され、容量C3rの第2端子は、配線CVE3rに電気的に接続されている。
配線CVE3、及び配線CVE3rは、一例としては、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。また、配線CVE3、及び配線CVE3rのそれぞれが与える電位が互いに等しい場合、セルOMCは、配線CVE3、及び配線CVE3rを1本の配線としてまとめた構成としてもよい(図示しない)。また、配線CVE3、又は配線CVE3rのそれぞれが与える電位が、配線CVE1、配線CVE1r、配線CVE2、及び配線CVE2rのそれぞれが与える電位のいずれか一と等しい場合、セルOMCは、配線CVE3、又は配線CVE3rと、その等しい電位を与える配線と、を1本の配線としてまとめた構成としてもよい(図示しない)。
配線BL、及び配線BLrにそれぞれ容量C3、及び容量C3rを電気的に接続することにより、配線BL、及び配線BLrがフローティング状態のときにおける、配線BL、及び配線BLrの電位を保持することができる。
図3のセルOMCにおいて、例えば、図4のタイミングチャートの時刻T06から時刻T07までの間で、配線BL又は配線BLrの一方のプリチャージされた電位VDDDを所定の電位にまで低下させたとき、配線BL又は配線BLrの他方のプリチャージされた電位VDDDは、配線BLと配線BLrとの間の寄生容量の影響によって低下する場合がある。一方、図5のセルOMCには、配線BL、及び配線BLrにそれぞれ容量C3、及び容量C3rが電気的に接続されているため、図4のタイミングチャートの時刻T06から時刻T07までの間で、配線BL又は配線BLrの一方のプリチャージされた電位VDDDを所定の電位にまで低下させても、容量C3又は容量C3rによって、配線BL又は配線BLrの他方の電位の変化を防ぐことができる。
また、1個のセルOMCと配線AVLp及び配線AVLnとを導通させたときの配線AVLp及び配線AVLnのそれぞれの電位を考える。図5のセルOMCにおいて、容量C3、及び容量C3rの静電容量の値が、配線AVLp、及び配線AVLnのそれぞれの寄生容量の値よりも十分に大きくすることによって、時刻T08から時刻T09までの間において、配線BLを配線AVLp又は配線AVLnの一方に導通させたときの配線BLの電位の変化を小さくすることができる。また、同様に、配線BLrを配線AVLp又は配線AVLnの他方に導通させたときの配線BLrの電位の変化を小さくすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した演算回路と記憶装置とを有するアクセラレータの構成について説明する。
図6に示すアクセラレータSCPは、一例として、演算回路MACと、プロセッサPRCRと、記憶装置MEDと、を有する。演算回路MACと、プロセッサPRCRと、記憶装置MEDと、は、バス配線BULによって電気的に接続されている。
特に、本明細書では、ニューラルネットワークの演算を行うアクセラレータをAIアクセラレータと呼称する。
演算回路MACは、一例として、実施の形態1で説明した演算回路MAC1を適用することができる。なお、演算回路MACは、例えば、OSトランジスタを有することが好ましい。また、演算回路MACには、演算回路MAC1と異なる演算回路を適用してもよい。演算回路MAC1と異なる演算回路については、後述する。
プロセッサPRCRは、一例として、演算部OCRと、記憶装置CASと、を有する。プロセッサPRCRは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などとして機能する。
記憶装置CASは、一例として、プロセッサPRCRのキャッシュメモリとして機能する。また、記憶装置CASは、例えば、プロセッサPRCRの上方に設けることができる。特に、記憶装置CASをプロセッサPRCRの近くに設けることによって、データ転送にかかる負担を軽減することができる。
更に、記憶装置CASは、一例として、レジスタ、SRAM(Static Random Access Memory)などとすることができる。また、記憶装置CASを有するトランジスタとして、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が非常に低い特性を有するため、OSトランジスタと容量を組み合わせることで、データの長時間の保持が可能な保持部を構成することができる。また、レジスタ、SRAMなどのデータを当該保持部に一時的に保持することで、当該データを保持したまま、レジスタ、SRAMなどへの電源供給を停止することができる。
具体的には、記憶装置CASは、例えば、図7(A)に図示している、メモリセルSMCを有していることが好ましい。メモリセルSMCは、SRAMのメモリセルの回路構成を有する回路MCと、OSトランジスタを有する保持部HCと、を有する。回路MCは、トランジスタM5と、トランジスタM5bと、インバータINV1と、インバータINV2と、を有する。また、保持部HCは、トランジスタM6と、トランジスタM6bと、容量C2と、容量C2bと、を有する。
トランジスタM5の第1端子は、インバータINV1の入力端子と、インバータINV2の出力端子と、トランジスタM6の第1端子と、に電気的に接続され、トランジスタM5の第2端子は、配線SBLに電気的に接続され、トランジスタM5のゲートは、SWLに電気的に接続されている。トランジスタM5bの第1端子は、インバータINV2の入力端子と、インバータINV1の出力端子と、トランジスタM6bの第1端子と、に電気的に接続され、トランジスタM5bの第2端子は、配線SBLbに電気的に接続され、トランジスタM5bのゲートは、SWLに電気的に接続されている。トランジスタM6の第2端子は、容量C2の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM6のゲートは、配線HLに電気的に接続されている。容量C2の第2端子は、配線CNV1に電気的に接続されている。トランジスタM6bの第2端子は、容量C2bの第1端子に電気的に接続され、トランジスタM6bのゲートは、配線HLに電気的に接続されている。容量C2bの第2端子は、配線CNV1に電気的に接続されている。
配線SBLは、メモリセルSMCに書き込むためのデータを送信する配線として機能する。また、配線SBLは、メモリセルDMCから読み出したデータを送信する配線としても機能する。配線SBLbは、配線SBLに送信されているデータの反転信号を送信する配線として機能する。配線SWLは、トランジスタM5、及びトランジスタM5bのオン状態とオフ状態との切り替えるための配線として機能する。また、配線CNV1は、定電圧を与える配線として機能する。配線HLは、トランジスタM6、及びトランジスタM6bのオン状態とオフ状態との切り替えるための配線として機能する。
特に、回路MCにデータが書き込まれたときに、配線HLによって、トランジスタM6、及びトランジスタM6bをオン状態にすることによって、回路MCに保持しているデータを容量C2、及び容量C2bのそれぞれの第1端子に書き込むことができる。その後、配線HLによって、トランジスタM6、及びトランジスタM6bをオフ状態にすることによって、容量C2、及び容量C2bのそれぞれの第1端子に当該データを保持することができる。このとき、例えば、インバータINV1、及びインバータINV2への電源供給を停止しても、保持部HCで当該データを保持することができる。
また、記憶装置CASとしては、例えば、DRAM、又は後述するDOSRAM(Dynamic Oxide Semiconductor Random Access Memory)を適用してもよい。
また、記憶装置CASにデータを長時間保持できることを利用して、プロセッサPRCRの動作を一時的に停止することができる。具体的には、プロセッサPRCRの一部のコアが他のコアの演算待ちをしているとき、一部のコアの演算途中のデータを一時的に記憶装置CASに保持して、一部のコアのみに対して電源供給を停止することができる。このため、動作していないコアのみに電源を遮断する構成とすることで、プロセッサPRCRの消費電力を低減することができる。なお、プロセッサPRCRがCPUであるとき、本明細書などでは、プロセッサPRCRをノーマリーオフCPUと呼称する場合がある。
記憶装置MEDは、一例として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などとすることができる。また、DRAMとしては、図7(B)に図示している、OSトランジスタであるトランジスタM7と、容量C4と、を有するメモリセルDMCを有することが好ましい。なお、本明細書等では、図7(B)のメモリセルDMCを有する記憶装置を、DOSRAMと呼称する。
メモリセルDMCにおいて、トランジスタM7の第1端子は、容量C4の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM7の第2端子は、配線WRBLに電気的に接続され、トランジスタM7のゲートは、配線WRWLに電気的に接続されている。容量C4の第2端子は配線CNV2に電気的に接続されている。
配線WRBLは、メモリセルDMCに書き込むためのデータを送信する配線として機能する。また、配線WRBLは、メモリセルDMCから読み出したデータを送信する配線としても機能する。配線WRWLは、トランジスタM7のオン状態とオフ状態との切り替えるための配線として機能する。また、配線CNV2は、定電圧を与える配線として機能する。
トランジスタM5はOSトランジスタであるため、トランジスタM7のソース−ドレイン間に流れるオフ電流を小さくすることができる。そのため、メモリセルDMCの容量C4の第1端子に書き込んだ電位を長時間保持することができる。このため、メモリセルDMCの容量C4の第1端子に書き込んだ電位のリフレッシュ動作を少なくすることができるため、メモリセルDMCを記憶装置MEDに適用することによって、記憶装置MEDの消費電力を低減することができる。
[演算回路の構成例]
次に、演算回路MACに適用できる、実施の形態1の演算回路MAC1とは別の回路構成について説明する。
図8(A)は、一例として、積和演算が可能な演算回路MAC2を示している。なお、演算回路MAC2は、乗算セルMTCを有しており、図8(A)には、乗算セルMTCがマトリクス状に配置されている構成を示している。また、演算回路MAC2は、一例として、第1データと第2データとの積和演算を行う機能を有する。
乗算セルMTCは、配線IWLと、配線IXLと、配線OYLと、に電気的に接続されている。また、乗算セルMTCは、保持部SWを有する。
配線IWLは、乗算セルMTCの保持部SWに書き込むための第1データを送信する配線として機能する。配線IXLは、乗算セルMTCに第2データを送信するための配線として機能する。配線OYLには、配線OYLに電気的に接続されている複数の乗算セルMTCからの電流が流れる。
次に、乗算セルMTCの具体的な構成例について説明する。図8(B)は、演算回路MAC2に含まれている乗算セルMTCの構成例を示している。
乗算セルMTCは、一例として、トランジスタOM1と、保持部SWと、を有する。保持部SWは、一例として、トランジスタOM2と、容量CNと、を有する。また、トランジスタOM1、及びトランジスタOM2は、例えば、OSトランジスタとすることが好ましい。
トランジスタOM1の第1端子は、配線OYLに電気的に接続され、トランジスタOM1の第2端子は、配線CNV3に電気的に接続され、トランジスタOM1のゲートは、トランジスタOM2の第1端子と、容量CNの第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタOM2の第2端子は、配線IWLに電気的に接続され、トランジスタOM2のゲートは、配線MWLに電気的に接続されている。容量CNの第2端子は、配線IXLに電気的に接続されている。なお、便宜上、配線OYLの両端の一方を端子OYTaと呼称し、配線OYL両端の他方を端子OYTbと呼称する。
保持部SWは、例えば、アナログ電位の保持が可能なアナログメモリとすることが好ましい。また、保持部SWに含まれているトランジスタOM2をOSトランジスタとすることによって、長時間、保持部SWにアナログ電位を保持することができる。このため、保持部SWの保持したアナログ電位のリフレッシュ動作を少なくすることができるため、乗算セルMTCの消費電力を低減することができる。
配線MWLは、トランジスタOM2のオン状態とオフ状態との切り替えるための配線として機能する。また、配線CNV3は、定電圧を与える配線として機能する。当該電圧としては、一例として、接地電位(0V)としている。
なお、トランジスタOM1は、特に断りの無い場合は、オン状態の場合は最終的に飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、飽和領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。このため、トランジスタOM1のゲート電位をVとしたとき、トランジスタOM1のソース−ドレイン間に流れるドレイン電流は、I=(β/2)(V−Vth)となる。なお、βは、トランジスタの構造によって定められる定数である。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。供給される電圧の振幅値を小さくするために、トランジスタOM1は、線形領域で動作してもよい。なお、第1データをアナログ値とする場合には、重み係数の大きさに応じて、例えば、トランジスタOM1は、線形領域で動作する場合と、飽和領域で動作する場合とが混在していてもよい。
次に、演算回路MAC2の動作、及び乗算セルMTCの動作について説明する。
初めに、演算回路MAC2の1列に含まれている複数の乗算セルMTCに、第1データを書き込む。具体的には、配線MWLに高レベル電位を与えてトランジスタOM2をオン状態にして、配線IWLから第1データに相当する電位Vを供給して、容量CNの第1端子に書き込む。次に、配線MWLに低レベル電位を与えてトランジスタOM2をオフ状態にして、容量CNの第1端子に電位Vを保持する。
このとき、トランジスタOM1に流れる電流I(V,0)は、I(V,0)=(β/2)(V−Vth)となる。なお、VthはトランジスタOM1のしきい値電圧である。
次に、配線IXLに、第2データに応じた電位Vを供給する。具体的には、配線IXLの電位をV高くして、容量CNを介した容量結合によって、容量CNの第1端子の電位をV+Vに変化させる。なお、説明を簡易にするために、容量結合係数を1としている。
このとき、トランジスタOM1に流れる電流I(V,V)は、I(V,V)=(β/2)(V+V−Vth)となる。
ここで、端子OYTaから−I(0,V)−I(V,0)+I(0,0)を供給したとき、端子OYTbに流れる電流Iは、I=I(V,V)−I(0,V)−I(V,0)+I(0,0)=β・V・Vとなる。つまり、電流Iは、第1データに応じた電位Vと、第2データに応じた電位Vとの積に応じた電流となる。
図9は、乗算セルMTCの乗算特性を示している。図9は、横軸を、第2データに応じた電位Vとし、縦軸を、出力された電流Iを正規化した値y(W,X)としている。また、図9には、第1データに応じた電位Vが−1.0V、−0.5V、0V、0.5V、1.0Vである場合をそれぞれ記載している。
ここで、演算回路MAC2の1列に含まれている複数の乗算セルにおいて、電流Iの総和をとると、配線OYLに流れる電流は、ΣI=βΣ(V・V)となる。つまり、電流ΣIを検出することによって、演算回路MAC2の1列に含まれている複数の乗算セルに保持されている第1データと、演算回路MAC2の1列に含まれている複数の乗算セルに供給された第2データと、の積和を算出することができる。
[消費電力と処理性能]
上述したアクセラレータSCPのように、演算回路と記憶装置とを一体化にすることによって、消費電力を低減することができる。また、演算回路に、OSトランジスタを用いたアナログメモリを適用することでも、消費電力を低減することができる。
図10は、消費電力(W)と、処理性能(OPS)と、の関係を試算したグラフである。従来のAIアクセラレータ(一例としては、CPU、GPU、FPGAなど)は、領域OLAに含まれており、0.1TOPS/Wを下回っている。一方、OSトランジスタを有する演算回路、記憶装置などによって構成されたアクセラレータSCPは、領域NEAに含まれる試算となり、10TOPS/Wを超える結果となった。このため、アクセラレータSCPを用いることによって、従来のAIアクセラレータよりもエネルギー消費の削減が見込める。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成例、及び半導体装置に適用できるトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図11に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、を有している。図13(A)はトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図13(B)はトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図13(C)はトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しない特性を有する。トランジスタ500を、半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2などに含まれるトランジスタに適用することにより、高温でも動作能力が低下しない半導体装置を実現できる。特に、オフ電流が小さい特性を利用して、トランジスタ500として、トランジスタM2、トランジスタM2rに適用することにより、保持回路AM、保持回路AMrなどに書き込んだ電位を長時間保持することができる。
本実施の形態で説明する半導体装置は、一例として、図11に示すようにトランジスタ300、トランジスタ500、容量素子600を有する。トランジスタ500は、例えば、トランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600は、例えば、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。なお、容量素子600は、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2などに含まれる容量などとすることができる。なお、回路構成によっては、図11に示す容量素子600は必ずしも設けなくてもよい。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2などに含まれるトランジスタなどに適用することができる。具体的には、例えば、図2(A)乃至図2(C)の回路TRCが有するコンパレータCMP、コンパレータCMPa、コンパレータCMPbなどに含まれているトランジスタとすることができる。なお、図11では、トランジスタ300のゲートが、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成を示しているが、演算回路MAC1、演算回路MAC2などの構成によっては、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のゲートに電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300の各端子は、トランジスタ500の各端子、容量素子600の各端子のそれぞれに電気的に接続されない構成としてもよい。
また、基板311としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)を用いることが好ましい。
トランジスタ300は、図13(C)に示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図11に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路とする場合、図12に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm以下、好ましくは5×1015atoms/cm以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体376は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、及び導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体386は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
上記において、導電体356を含む配線層、導電体366を含む配線層、導電体376を含む配線層、及び導電体386を含む配線層、について説明したが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。導電体356を含む配線層と同様の配線層を3層以下にしてもよいし、導電体356を含む配線層と同様の配線層を5層以上にしてもよい。
絶縁体384上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板311、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図13(A)、及び図13(B)に示すように、トランジスタ500は、絶縁体514及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。
また、図13(A)、及び図13(B)に示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図13(A)、及び図13(B)に示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図13(A)、及び図13(B)に示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図11、図13(A)、及び図13(B)に示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、半導体装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S−channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。なお、トランジスタ500では、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。その場合、導電体505は、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、及び絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm以上、又は3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、上記過剰酸素領域を有する絶縁体と、酸化物530と、を接して加熱処理、マイクロ波処理、またはRF処理のいずれか一または複数の処理を行っても良い。当該処理を行うことで、酸化物530中の水、または水素を除去することができる。例えば、酸化物530において、VoHの結合が切断される反応が起きる、別言すると「VH→V+H」という反応が起きて、脱水素化することができる。このとき発生した水素の一部は、酸素と結合してHOとして、酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体から除去される場合がある。また、水素の一部は、導電体542a、及び導電体542bに拡散または捕獲(ゲッタリングともいう)される場合がある。
また、上記マイクロ波処理は、例えば、高密度プラズマを発生させる電源を有する装置、または、基板側にRFを印加する電源を有する装置を用いると好適である。例えば、酸素を含むガスを用い、且つ高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを、効率よく酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体中に導入することができる。また、上記マイクロ波処理は、圧力を133Pa以上、好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、マイクロ波処理を行う装置内に導入するガスとしては、例えば、酸素と、アルゴンとを用い、酸素流量比(O/(O+Ar))が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(V)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「V+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をHOとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVHが形成されるのを抑制することができる。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素や不純物の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524や、酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、又は(Ba,Sr)TiO(BST)などのいわゆるhigh−k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh−k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出や、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、好適である。また、high−k材料の絶縁体と、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、を組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造の絶縁体520を得ることができる。
なお、図13(A)、及び図13(B)のトランジスタ500では、3層の積層構造からなる第2のゲート絶縁膜として、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が図示されているが、第2のゲート絶縁膜は、単層、2層、又は4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In−M−Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn−M−Zn酸化物は、CAAC−OS(C−Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、CAC−OS(Cloud−Aligned Composite Oxide Semiconductor)であることが好ましい。また、酸化物530として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In酸化物などを用いてもよい。
また、トランジスタ500には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。また、酸化物530中の酸素欠損に水素が入った場合、酸素欠損と水素とが結合しVHを形成する場合がある。VHはドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。また、金属酸化物中の水素は、熱、電界などのストレスによって動きやすいため、金属酸化物に多くの水素が含まれると、トランジスタの信頼性が悪化する恐れもある。本発明の一態様においては、酸化物530中のVHをできる限り低減し、高純度真性または実質的に高純度真性にすることが好ましい。このように、VHが十分低減された金属酸化物を得るには、金属酸化物中の水分、水素などの不純物を除去すること(脱水、脱水素化処理と記載する場合がある。)と、金属酸化物に酸素を供給して酸素欠損を補填すること(加酸素化処理と記載する場合がある。)が重要である。VHなどの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物を酸化物530に用いる場合、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物は、バンドギャップが高く、真性(I型ともいう。)、又は実質的に真性である半導体であって、かつチャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm−3未満であることが好ましく、1×1017cm−3未満であることがより好ましく、1×1016cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm−3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10−9cm−3とすることができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、導電体542a及び導電体542bと酸化物530とが接することで、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散し、導電体542a及び導電体542bが酸化する場合がある。導電体542a及び導電体542bが酸化することで、導電体542a及び導電体542bの導電率が低下する蓋然性が高い。なお、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することを、導電体542a及び導電体542bが酸化物530中の酸素を吸収する、と言い換えることができる。
また、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することで、導電体542aと酸化物530bとの間、および、導電体542bと酸化物530bとの間に異層が形成される場合がある。当該異層は、導電体542a及び導電体542bよりも酸素を多く含むため、当該異層は絶縁性を有すると推定される。このとき、導電体542a又は導電体542bと、当該異層と、酸化物530bとの3層構造は、金属−絶縁体−半導体からなる3層構造とみなすことができ、MIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造と呼称する、またはMIS構造を主としたダイオード接合構造と呼称する場合がある。
なお、上記異層は、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間に形成されることに限られず、例えば、異層が、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合や、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合がある。
酸化物530においてチャネル形成領域にとして機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
具体的には、酸化物530aとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、または1:1:0.5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3、または1:1:1の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1、またはGa:Zn=2:5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cを積層構造とする場合の具体例としては、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3と、In:Ga:Zn=1:3:4との積層構造、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、GaとZnの原子数比がGa:Zn=2:5と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、酸化ガリウムと、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造などが挙げられる。
また、例えば、酸化物530aに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比より小さい場合、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍、In:Ga:Zn=5:1:3またはその近傍、In:Ga:Zn=10:1:3またはその近傍などの組成であるIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。
また、上述した以外の組成としては、酸化物530bには、例えば、In:Zn=2:1の組成、In:Zn=5:1の組成、In:Zn=10:1の組成、これらのいずれか一の近傍の組成などを有する金属酸化物を用いることができる。
これらの酸化物530a、酸化物530b、酸化物530cを上記の原子数比の関係を満たして組み合わせることが好ましい。例えば、酸化物530a、および酸化物530cを、In:Ga:Zn=1:3:4の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物、酸化物530bを、In:Ga:Zn=4:2:3から4.1の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物とすることが好ましい。なお、上記組成は、基体上に形成された酸化物中の原子数比、またはスパッタターゲットにおける原子数比を示す。また、酸化物530bの組成として、Inの比率を高めることで、トランジスタのオン電流、または電界効果移動度などを高めることが出来るため好適である。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
また、図13(A)、及び図13(B)では、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、図13(A)に示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530の側面を覆い、絶縁体524と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high−k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図13(A)、及び図13(B)では2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼称することができる。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540a及び導電体540bは、後述する導電体546、及び導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体546、及び導電体548等が埋め込まれている。
導電体546、及び導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体546、及び導電体548は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、トランジスタ500の形成後、トランジスタ500を囲むように開口を形成し、当該開口を覆うように、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体を形成してもよい。上述のバリア性の高い絶縁体でトランジスタ500を包み込むことで、外部から水分、および水素が侵入するのを防止することができる。または、複数のトランジスタ500をまとめて、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体で包み込んでもよい。なお、トランジスタ500を囲むように開口を形成する場合、例えば、絶縁体514または絶縁体522に達する開口を形成し、絶縁体514または絶縁体522に接するように上述のバリア性の高い絶縁体を形成すると、トランジスタ500の作製工程の一部を兼ねられるため、好適である。なお、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体としては、例えば、絶縁体522と同様の材料を用いればよい。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
また、導電体546、及び導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図11では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
本構造を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。又は、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化又は高集積化を図ることができる。
次に、図11、図12に図示している、OSトランジスタの別の構成例について説明する。
図14(A)、及び図14(B)は、図13(A)、及び図13(B)に示すトランジスタ500の変形例であって、図14(A)は、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図14(B)はトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図である。なお、図14(A)、及び図14(B)に示す構成は、トランジスタ300等、本発明の一態様の半導体装置が有する他のトランジスタにも適用することができる。
図14(A)、及び図14(B)に示す構成のトランジスタ500は、絶縁体402及び絶縁体404を有する点が、図13(A)、及び図13(B)に示す構成のトランジスタ500と異なる。また、導電体540aの側面に接して絶縁体552が設けられ、導電体540bの側面に接して絶縁体552が設けられる点が、図13(A)、及び図13(B)に示す構成のトランジスタ500と異なる。さらに、絶縁体520を有さない点が、図13(A)、及び図13(B)に示す構成のトランジスタ500と異なる。
図14(A)、及び図14(B)に示す構成のトランジスタ500は、絶縁体512上に絶縁体402が設けられている。また、絶縁体574上、及び絶縁体402上に絶縁体404が設けられている。
図14(A)、及び図14(B)に示す構成のトランジスタ500では、絶縁体514、絶縁体516、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、及び絶縁体574が設けられており、絶縁体404がこれらを覆う構造になっている。つまり、絶縁体404は、絶縁体574の上面、絶縁体574の側面、絶縁体580の側面、絶縁体544の側面、絶縁体524の側面、絶縁体522の側面、絶縁体516の側面、絶縁体514の側面、絶縁体402の上面とそれぞれ接する。これにより、酸化物530等は、絶縁体404と絶縁体402によって外部から隔離される。
絶縁体402及び絶縁体404は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)又は水分子の拡散を抑制する機能が高いことが好ましい。例えば、絶縁体402及び絶縁体404として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを用いることが好ましい。これにより、酸化物530に水素等が拡散することを抑制することができるので、トランジスタ500の特性が低下することを抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
絶縁体552は、絶縁体581、絶縁体404、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に接して設けられる。絶縁体552は、水素又は水分子の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。たとえば、絶縁体552として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いることが好ましい。特に、窒化シリコンは水素バリア性が高い材料であるので、絶縁体552として用いると好適である。絶縁体552として水素バリア性が高い材料を用いることにより、水又は水素等の不純物が、絶縁体580等から導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540a及び導電体540bに吸収されることを抑制することができる。以上により、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
図15は、トランジスタ500及びトランジスタ300を図14(A)、及び図14(B)に示す構成とした場合における、半導体装置の構成例を示す断面図である。導電体546の側面に、絶縁体552が設けられている。
また、図14(A)、及び図14(B)に示すトランジスタ500は、状況に応じて、トランジスタの構成を変更してもよい。例えば、図14(A)、及び図14(B)のトランジスタ500は、変更例として、図16(A)、及び図16(B)に示すトランジスタにすることができる。図16(A)はトランジスタのチャネル長方向の断面図であり、図16(B)はトランジスタのチャネル幅方向の断面図である。図16(A)、及び図16(B)に示すトランジスタは、酸化物530cが酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造である点で、図14(A)、及び図14(B)に示すトランジスタと異なる。
酸化物530c1は、絶縁体524の上面、酸化物530aの側面、酸化物530bの上面及び側面、導電体542a及び導電体542bの側面、絶縁体544の側面、及び絶縁体580の側面と接する。酸化物530c2は、絶縁体550と接する。
酸化物530c1として、例えばIn−Zn酸化物を用いることができる。また、酸化物530c2として、酸化物530cが1層構造である場合に酸化物530cに用いることができる材料と同様の材料を用いることができる。例えば、酸化物530c2として、n:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、Ga:Zn=2:1[原子数比]、またはGa:Zn=2:5[原子数比]の金属酸化物を用いることができる。
酸化物530cを酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造とすることにより、酸化物530cを1層構造とする場合より、トランジスタのオン電流を高めることができる。そのため、トランジスタは、例えばパワーMOSトランジスタとして適用することができる。なお、図13(A)、及び図13(B)に示す構成のトランジスタが有する酸化物530cも、酸化物530c1と酸化物530c2の2層構造とすることができる。
図16(A)、及び図16(B)に示す構成のトランジスタは、例えば、図11、図12に示すトランジスタ300に適用することができる。また、例えば、トランジスタ300は、前述のとおり、上記実施の形態で説明した半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2に含まれるトランジスタなどに適用することができる。なお図16(A)、及び図16(B)に示すトランジスタは、本発明の一態様の半導体装置が有する、トランジスタ300、500以外のトランジスタにも適用することができる。
図17は、トランジスタ500を図13(A)に示すトランジスタの構成とし、トランジスタ300を図16(A)に示すトランジスタ構成とした場合における、半導体装置の構成例を示す断面図である。なお、図15と同様に、導電体546の側面に絶縁体552を設ける構成としている。図17に示すように、本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ300とトランジスタ500を両方ともOSトランジスタとしつつ、トランジスタ300とトランジスタ500のそれぞれを異なる構成にすることができる。
次に、図11、図12、図15、及び図17の半導体装置に適用できる容量素子について説明する。
図18では、図11、図12、図15、及び図17に示す半導体装置に適用できる容量素子600の一例として容量素子600Aについて示している。図18(A)は容量素子600Aの上面図であり、図18(B)は容量素子600Aの一点鎖線L3−L4における断面を示した斜視図であり、図18(C)は容量素子600Aの一点鎖線W3−L4における断面を示した斜視図である。
導電体610は、容量素子600Aの一対の電極の一方として機能し、導電体620は、容量素子600Aの一対の電極の他方として機能する。また、絶縁体630は、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウム、酸化ジルコニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
また、例えば、絶縁体630には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料と、高誘電率(high−k)材料との積層構造を用いてもよい。当該構成により、容量素子600Aは、高誘電率(high−k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子600Aの静電破壊を抑制することができる。
なお、高誘電率(high−k)材料(高い比誘電率の材料)の絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
または、絶縁体630は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba、Sr)TiO(BST)などのhigh−k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。例えば、絶縁体630を積層とする場合、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、が順に形成された3層積層や、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、が順に形成された4層積層などを用いれば良い。また、絶縁体630としては、ハフニウムと、ジルコニウムとが含まれる化合物などを用いても良い。半導体装置の微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体の薄膜化により、トランジスタや容量素子のリーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体として機能する絶縁体にhigh−k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減、および容量素子の容量の確保が可能となる。
容量素子600は、導電体610の下部において、導電体546と、導電体548とに電気的に接続されている。導電体546と、導電体548は、別の回路素子と接続するためのプラグ、又は配線として機能する。また図18(A)乃至図18(C)では、導電体546と、導電体548と、をまとめて導電体540と記載している。
また、図18では、図を明瞭に示すために、導電体546及び導電体548が埋め込まれている絶縁体586と、導電体620及び絶縁体630を覆っている絶縁体650と、を省略している。
なお、図11、図12、図15、図17、図18(A)、図18(B)、及び図18(C)に示す容量素子600はプレーナ型であるが、容量素子の形状はこれに限定されない。例えば、容量素子600は、図19(A)乃至図19(C)に示すシリンダ型の容量素子600Bとしてもよい。
図19(A)は容量素子600Bの上面図であり、図19(B)は容量素子600Bの一点鎖線L3−L4における断面図であり、図19(C)は容量素子600Bの一点鎖線W3−L4における断面を示した斜視図である。
図19(B)において、容量素子600Bは、導電体540が埋め込まれている絶縁体586上の絶縁体631と、開口部を有する絶縁体651と、一対の電極の一方として機能する導電体610と、一対の電極の他方として機能する導電体620と、を有する。
また、図19(C)では、図を明瞭に示すために、絶縁体586と、絶縁体650と、絶縁体651と、を省略している。
絶縁体631としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体631には、導電体540に電気的に接続されるように導電体611が埋め込まれている。導電体611は、例えば、導電体330、導電体518と同様の材料を用いることができる。
絶縁体651としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体651は、前述の通り、開口部を有し、当該開口部は導電体611に重畳している。
導電体610は、当該開口部の底部と、側面と、に形成されている。つまり、導電体621は、導電体611に重畳し、かつ導電体611に電気的に接続されている。
なお、導電体610の形成方法としては、エッチング法などによって絶縁体651に開口部を形成し、次に、スパッタリング法、ALD法などによって導電体610を成膜する。その後、CMP(Chemichal Mechanical Polishing)法などによって、開口部に成膜された導電体610を残して、絶縁体651上に成膜された導電体610を除去すればよい。
絶縁体630は、絶縁体651上と、導電体610の形成面上と、に位置する。なお、絶縁体630は、容量素子において、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
導電体620は、絶縁体651の開口部が埋まるように、絶縁体630上に形成されている。
絶縁体650は、絶縁体630と、導電体620と、を覆うように形成されている。
図19に示すシリンダ型の容量素子600Bは、プレーナ型の容量素子600Aよりも静電容量の値を高くすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図20(A)を用いて説明を行う。図20(A)は、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図20(A)に示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c−axis−aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(cloud−aligned composite)が含まれる。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図20(A)に示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」や、「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC−IGZO膜のGIXD(Grazing−Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図20(B)に示す。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann−Bohlin法ともいう。以降、図20(B)に示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す。なお、図20(B)に示すCAAC−IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図20(B)に示すCAAC−IGZO膜の厚さは、500nmである。
図20(B)に示すように、CAAC−IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC−IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図20(B)に示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC−IGZO膜の回折パターンを、図20(C)に示す。図20(C)は、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図20(C)に示すCAAC−IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図20(C)に示すように、CAAC−IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図20(A)とは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC−OS、及びnc−OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC−OS、nc−OS、及びa−like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC−OS]
CAAC−OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC−OS膜の厚さ方向、CAAC−OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC−OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC−OSは、a−b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC−OSは、c軸配向し、a−b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In−M−Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC−OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC−OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut−of−plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC−OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC−OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC−OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC−OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In−Zn酸化物、及びIn−Ga−Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC−OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC−OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC−OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC−OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc−OS]
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc−OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut−of−plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a−like OS]
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。また、a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC−OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC−OSは材料構成に関する。
[CAC−OS]
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC−OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC−OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC−OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC−OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSに付与することができる。つまり、CAC−OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC−OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a−like OS、CAC−OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下、さらに好ましくは1×1013cm−3以下、より好ましくは1×1011cm−3以下、さらに好ましくは1×1010cm−3未満であり、1×10−9cm−3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体を呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す半導体装置などが形成された半導体ウェハ、及び当該半導体装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、半導体装置などが形成された半導体ウェハの例を、図21(A)を用いて説明する。
図21(A)に示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801の薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼称する場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けることが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図21(B)に示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにすることが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図21(A)に図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図21(C)に電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図21(C)に示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図21(C)に示すとおり、チップ4800aは、回路部4802が積層された構成としてもよい。図21(C)は、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図21(D)に電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730では、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼称する場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiPやMCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図21(D)では、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J−leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non−leaded package)などの実装方法を用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図22には、当該半導体装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図22に示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、会話を認識してその会話内容を表示部5511に表示するアプリケーション、表示部5511に備えるタッチパネルに対してユーザが入力した文字、図形などを認識して、表示部5511に表示するアプリケーション、指紋や声紋などの生体認証を行うアプリケーションなどが挙げられる。
[ウェアラブル端末]
また、図22には、ウェアラブル端末の一例である情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、ウェアラブル端末を装着した人の健康状態を管理するアプリケーション、目的地を入力することで最適な道を選択して誘導するナビゲーションシステムなどが挙げられる。
[情報端末]
また、図22には、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、ディスプレイ5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、設計支援ソフトウェア、文章添削ソフトウェア、献立自動生成ソフトウェアなどが挙げられる。また、デスクトップ型情報端末5300を用いることで、新規の人工知能の開発を行うことができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、及びデスクトップ用情報端末を例として、それぞれ図22に図示したが、スマートフォン、及びデスクトップ用情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、及びデスクトップ用情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図22には、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する電気冷凍冷蔵庫5800を実現することができる。人工知能を利用することによって電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などを基に献立を自動生成する機能や、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材に合わせた温度に自動的に調節する機能などを有することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH(Induction Heating)調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図22には、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図22には、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機7500が図示されている。据え置き型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図22に示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネルやスティック、回転式つまみ、スライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図22に示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する携帯ゲーム機5200を実現することができる。
本来、ゲームの進行、ゲーム上に登場する生物の言動、ゲーム上で発生する現象などの表現は、そのゲームが有するプログラムによって定められているが、携帯ゲーム機5200に人工知能を適用することにより、ゲームのプログラムに限定されない表現が可能になる。例えば、プレイヤーが問いかける内容、ゲームの進行状況、時刻、ゲーム上に登場する人物の言動が変化するといった表現が可能となる。
また、携帯ゲーム機5200で複数のプレイヤーが必要なゲームを行う場合、人工知能によって擬人的にゲームプレイヤーを構成することができるため、対戦相手を人工知能によるゲームプレイヤーとすることによって、1人でもゲームを行うことができる。
図22では、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、家庭用の据え置き型ゲーム機、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図22には移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーターやタコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することができるインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを運転手に提供することができる。すなわち、自動車5700の外側に設けられた撮像装置からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置は人工知能の構成要素として適用できるため、例えば、当該コンピュータを自動車5700の自動運転システムに用いることができる。また、当該コンピュータを道路案内、危険予測などを行うシステムに用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測などの情報を表示する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体に本発明の一態様のコンピュータを適用して、人工知能を利用したシステムを付与することができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、カメラに適用することができる。
図22には、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置や、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有するデジタルカメラ6240を実現することができる。人工知能を利用することによって、デジタルカメラ6240は、顔、物体など被写体を自動的に認識する機能、又は当該被写体に合わせたピント調節、環境に合わせて自動的にフラッシュを焚く機能、撮像した画像を調色する機能などを有することができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図22には、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作キー6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作キー6304及びレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。人工知能を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に、人工知能によるパターン認識を行うことができる。このパターン認識によって、連続する撮像画像データに含まれる人、動物、物体などの差分データを算出して、データの圧縮を行うことができる。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図23(A)は、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、演算処理が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる演算処理を行うことができる。なお、図23(A)は、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した半導体装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、チップ6105(例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、電子部品4700、メモリチップなど。)、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
拡張デバイス6100をPCなど用いることにより、当該PCの演算処理能力を高くすることができる。これにより、処理能力の足りないPCでも、例えば、人工知能、動画処理などの演算を行うことができる。
[放送システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、放送システムに適用することができる。
図23(B)は、放送システムにおけるデータ伝送を模式的に示している。具体的には、図23(B)は、放送局5680から送信された電波(放送信号)が、各家庭のテレビジョン受信装置(TV)5600に届くまでの経路を示している。TV5600は、受信装置を備え(図示しない。)、アンテナ5650で受信された放送信号は、当該受信装置を介して、TV5600に送信される。
図23(B)では、アンテナ5650は、UHF(Ultra High Frequency)アンテナを図示しているが、アンテナ5650としては、BS・110°CSアンテナ、CSアンテナなども適用できる。
電波5675A、電波5675Bは地上波放送用の放送信号であり、電波塔5670は受信した電波5675Aを増幅して、電波5675Bの送信を行う。各家庭では、アンテナ5650で電波5675Bを受信することで、TV5600で地上波放送を視聴することができる。なお、放送システムは、図23(B)に示す地上波放送に限定せず、人工衛星を用いた衛星放送、光回線によるデータ放送などとしてもよい。
上述した放送システムは、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用して、人工知能を利用した放送システムとしてもよい。放送局5680から各家庭のTV5600に放送データを送信するとき、エンコーダによって放送データの圧縮が行われ、アンテナ5650が当該放送データを受信したとき、TV5600に含まれる受信装置のデコーダによって当該放送データの復元が行われる。人工知能を利用することによって、例えば、エンコーダの圧縮方法の一である動き補償予測において、表示画像に含まれる表示パターンの認識を行うことができる。また、人工知能を利用したフレーム内予測などを行うこともできる。また、例えば、解像度の低い放送データを受信して、解像度の高いTV5600で当該放送データの表示を行うとき、デコーダによる放送データの復元において、アップコンバートなどの画像の補間処理を行うことができる。
上述した人工知能を利用した放送システムは、放送データの量が増大する超高精細度テレビジョン(UHDTV:4K、8K)放送に対して好適である。
また、TV5600側における人工知能の応用として、例えば、TV5600に人工知能を有する録画装置を設けてもよい。このような構成にすることによって、当該録画装置にユーザの好みを人工知能に学習させることで、ユーザの好みにあった番組を自動的に録画することができる。
[認証システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、認証システムに適用することができる。
図23(C)は、掌紋認証装置を示しており、筐体6431、表示部6432、掌紋読み取り部6433、配線6434を有している。
図23(C)には、掌紋認証装置が手6435の掌紋を取得する様子を示している。取得した掌紋は、人工知能を利用したパターン認識の処理が行われ、当該掌紋が本人のものであるかどうかの判別を行うことができる。これにより、セキュリティの高い認証を行うシステムを構築することができる。また、本発明の一態様に係る認証システムは、掌紋認証装置に限定されず、指紋、静脈、顔、虹彩、声紋、遺伝子、体格などの生体情報を取得して生体認証を行う装置であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
MAC:演算回路、MAC1:演算回路、MAC2:演算回路、SCP:アクセラレータ、PRCR:プロセッサ、OCR:演算部、CAS:記憶装置、MED:記憶装置、WLD:回路、SLD:回路、PCD:回路、WBD:回路、XCD:回路、OPC:回路、TRC:回路、TRC[1]:回路、TRC[j]:回路、TRC[n]:回路、TRF:変換回路、CA:セルアレイ、OMC:セル、OMC[1,1]:セル、OMC[1,m]:セル、OMC[n,1]:セル、OMC[n,m]:セル、AM:保持回路、AMr:保持回路、LMAV:回路、SMC:メモリセル、MC:回路、HC:保持部、DMC:メモリセル、MTC:乗算セル、SW:保持部、M1:トランジスタ、M1r:トランジスタ、M2:トランジスタ、M2r:トランジスタ、M3:トランジスタ、M3r:トランジスタ、M5:トランジスタ、M5b:トランジスタ、M6:トランジスタ、M6b:トランジスタ、M7:トランジスタ、OM1:トランジスタ、OM2:トランジスタ、C1:容量、C1r:容量、C2:容量、C2b:容量、C3:容量、C3r:容量、C4:容量、CN:容量、SWp:スイッチ、SWpr:スイッチ、SWn:スイッチ、SWnr:スイッチ、PCp:スイッチ、PCn:スイッチ、CMP:コンパレータ、CMPa:コンパレータ、CMPb:コンパレータ、INV1:インバータ、INV2:インバータ、NN:ノード、NNr:ノード、WWL:配線、WWL[1]:配線、WWL[n]:配線、SEL:配線、SEL[1]:配線、SEL[n]:配線、WBL:配線、WBL[1]:配線、WBL[m]:配線、WBLr:配線、WBLr[1]:配線、WBLr[m]:配線、BL:配線、BLr:配線、PCH:配線、PCH[1]:配線、PCH[n]:配線、ENp:配線、ENp[1]:配線、ENp[m]:配線、ENn:配線、ENn[1]:配線、ENn[m]:配線、AVLp:配線、AVLp[1]:配線、AVLp[j]:配線、AVLp[n]:配線、AVLn:配線、AVLn[1]:配線、AVLn[j]:配線、AVLn[n]:配線、OL[1]:配線、OL[j]:配線、OL[n]:配線、OLa[j]:配線、OLb[j]:配線、VrefL:配線、CVE1:配線、CVE2:配線、CVE1r:配線、CVE2r:配線、CVE3:配線、CVE3r:配線、GRBL:配線、BUL:バス配線、SBL:配線、SBLb:配線、SWL:配線、HL:配線、WRBL:配線、WRWL:配線、CNV1:配線、CNV2:配線、CNV3:配線、IXL:配線、MWL:配線、IWL:配線、OYL:配線、IT1:端子、IT1r:端子、IT2:端子、IT2r:端子、IT3:端子、IT3r:端子、IT4:端子、IT4r:端子、OT:端子、OTr:端子、PCT:端子、OYTa:端子、OYTb:端子、NEA:領域、OLA:領域、SCL1:スクライブライン、SCL2:スクライブライン、300:トランジスタ、311:基板、313:半導体領域、314a:低抵抗領域、314b:低抵抗領域、315:絶縁体、316:導電体、320:絶縁体、322:絶縁体、324:絶縁体、326:絶縁体、328:導電体、330:導電体、350:絶縁体、352:絶縁体、354:絶縁体、356:導電体、360:絶縁体、362:絶縁体、364:絶縁体、366:導電体、370:絶縁体、372:絶縁体、374:絶縁体、376:導電体、380:絶縁体、382:絶縁体、384:絶縁体、386:導電体、402:絶縁体、404:絶縁体、500:トランジスタ、503:導電体、503a:導電体、503b:導電体、505:導電体、510:絶縁体、512:絶縁体、514:絶縁体、516:絶縁体、518:導電体、520:絶縁体、522:絶縁体、524:絶縁体、530:酸化物、530a:酸化物、530b:酸化物、530c:酸化物、530c1:酸化物、530c2:酸化物、540:導電体、540a:導電体、540b:導電体、542a:導電体、542b:導電体、543a:領域、543b:領域、544:絶縁体、546:導電体、548:導電体、550:絶縁体、552:絶縁体、560:導電体、560a:導電体、560b:導電体、574:絶縁体、580:絶縁体、581:絶縁体、582:絶縁体、586:絶縁体、600:容量素子、600A:容量素子、600B:容量素子、610:導電体、611:導電体、612:導電体、620:導電体、621:導電体、630:絶縁体、631:絶縁体、650:絶縁体、651:絶縁体、4700:電子部品、4702:プリント基板、4704:実装基板、4710:半導体装置、4711:モールド、4712:ランド、4713:電極パッド、4714:ワイヤ、4730:電子部品、4731:インターポーザ、4732:パッケージ基板、4733:電極、4735:半導体装置、4800:半導体ウェハ、4800a:チップ、4801:ウェハ、4801a:ウェハ、4802:回路部、4803:スペーシング、4803a:スペーシング、5200:携帯ゲーム機、5201:筐体、5202:表示部、5203:ボタン、5300:デスクトップ型情報端末、5301:本体、5302:ディスプレイ、5303:キーボード、5500:情報端末、5510:筐体、5511:表示部、5600:TV、5650:アンテナ、5670:電波塔、5675A:電波、5675B:電波、5680:放送局、5700:自動車、5800:電気冷凍冷蔵庫、5801:筐体、5802:冷蔵室用扉、5803:冷凍室用扉、5900:情報端末、5901:筐体、5902:表示部、5903:操作ボタン、5904:操作子、5905:バンド、6100:拡張デバイス、6101:筐体、6102:キャップ、6103:USBコネクタ、6104:基板、6105:チップ、6106:コントローラチップ、6240:デジタルカメラ、6241:筐体、6242:表示部、6243:操作ボタン、6244:シャッターボタン、6246:レンズ、6300:ビデオカメラ、6301:筐体、6302:筐体、6303:表示部、6304:操作キー、6305:レンズ、6306:接続部、6431:筐体、6432:表示部、6433:掌紋読み取り部、6434:配線、6435:手、7500:型ゲーム機、7520:本体、7522:コントローラ

Claims (6)

  1. 第1データと第2データの乗算を行う演算セルを有し、
    前記演算セルは、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第1配線と、第2配線と、第1出力配線と、第2出力配線と、を有し、
    前記第1回路は、前記第1配線を介して、前記第3回路に電気的に接続され、
    前記第2回路は、前記第2配線を介して、前記第3回路に電気的に接続され、
    前記第1回路は、前記第1データに応じた第1電位を保持する機能を有し、
    前記第2回路は、前記第1データに応じた第2電位を保持する機能を有し、
    前記第3回路は、前記第1配線と、前記第2配線と、を第3電位にプリチャージする機能を有し、
    前記第1回路は、前記第1配線にプリチャージされた電荷を放電して、前記第3電位を下げる機能を有し、
    前記第2回路は、前記第2配線にプリチャージされた電荷を放電して、前記第3電位を下げる機能を有し、
    前記第3回路は、前記第3回路に第2データが入力されたとき、前記第2データに応じて、前記第1配線を前記第1出力配線又は前記第2出力配線の一方に導通させ、かつ前記第2配線を前記第1出力配線又は前記第2出力配線の他方に導通させる機能を有する、
    半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第1容量と、を有し、
    前記第2回路は、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第6トランジスタと、第2容量と、を有し、
    前記第1トランジスタのゲートは、前記第2トランジスタの第1端子と、前記第1容量と、に電気的に接続され、
    前記第1トランジスタの第1端子は、前記第3トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
    前記第3トランジスタの第2端子は、前記第1配線に電気的に接続され、
    前記第4トランジスタのゲートは、前記第5トランジスタの第1端子と、前記第2容量と、に電気的に接続され、
    前記第4トランジスタの第1端子は、前記第6トランジスタの第1端子に電気的に接続され、
    前記第6トランジスタの第2端子は、前記第2配線に電気的に接続され、
    前記第1電位は、前記第1容量の第1端子に書き込まれ、
    前記第2電位は、前記第2容量の第2端子に書き込まれる、
    半導体装置。
  3. 請求項1、又は請求項2において、
    前記第3回路は、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、第4スイッチと、を有し、
    前記第1スイッチの第1端子は、前記第2スイッチの第1端子と、前記第1配線と、に電気的に接続され、
    前記第1スイッチの第2端子は、前記第1出力配線に電気的に接続され、
    前記第2スイッチの第2端子は、前記第2出力配線に電気的に接続され、
    前記第3スイッチの第1端子は、前記第4スイッチの第1端子と、前記第2配線と、に電気的に接続され、
    前記第3スイッチの第2端子は、前記第2出力配線に電気的に接続され、
    前記第4スイッチの第2端子は、前記第1出力配線に電気的に接続され、
    前記第1スイッチの制御端子と、前記第3スイッチの制御端子と、には、前記第2データに応じた、第4電位が入力され、
    前記第2スイッチの制御端子と、前記第4スイッチの制御端子と、には、前記第2データに応じた、第5電位が入力される、
    半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記第3回路は、第5スイッチと、第6スイッチと、を有し、
    前記第5スイッチの第1端子は、前記第1配線に電気的に接続され、
    前記第6スイッチの第1端子は、前記第2配線に電気的に接続され、
    前記第5スイッチの第2端子と、前記第6スイッチの第2スイッチと、には、前記第3電位を供給する配線に電気的に接続されている、
    半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    第4回路を有し、
    前記第4回路は、前記第1出力配線に電気的に接続され、
    前記第4回路は、前記第2出力配線に電気的に接続され、
    前記第4回路は、第3配線に電気的に接続され、
    前記第4回路は、前記第1出力配線の電位と、前記第2出力配線の電位と、を比較して、比較結果に応じた第6電位を前記第3配線に出力する機能を有する、
    半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一の半導体装置と、筐体と、を有し、
    前記半導体装置によって、ニューラルネットワークの演算を行う、
    電子機器。
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