<写真シール作成装置の外観>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりすることで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や店舗に設置される。
写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供する写真作成ゲーム機ということができる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。
撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有し、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離して設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。
撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置される。なお、事前選択部20が、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネルから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、撮影空間の左側面を囲む部材となり、側面パネル41Bと側面パネル52Bは、撮影空間の右側面を囲む部材となる。
撮影空間の床には、板状の部材である床材27が敷かれる。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の天井の一部には、ビニル素材の部材や板状の部材からなる天井シート24が設けられる。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結して設けられる。
図2に示す編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、垂直な面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。
3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ固定される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにするためのカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
編集ユニット12の側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って事前選択作業を行う。例えば、利用者は、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。編集空間A2−1と編集空間A2−2を区別する必要がない場合、適宜、まとめて編集空間A2という。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終わるのを待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、利用者の人数の選択に用いられる画面などが表示される。
タッチパネルモニタ71の下方にはスピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。スピーカ72の隣に、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
<撮影部の構成>
図5および図6は、撮影部21の構成例を示す斜視図である。
撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の略中央には箱状のカメラユニット81が設けられる。カメラユニット81の正面には、カメラ91とタッチパネルモニタ92が設けられる。カメラ91の右側には、スマートフォンホルダ93が設けられる。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有する。カメラ91は、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影を行う撮影部として機能する。
また、カメラ91は、上下方向の首振り機能(角度調整機能)を有する。
図7は、カメラ91の角度調整の例を示す図である。
図7に示すように、カメラ91は、カメラユニット81の内部において姿勢を変えることによって、光軸の向きを上下方向に調整することが可能とされる。図7において、破線矢印はレンズの光軸の向きを表す。
図7A乃至Cに示すように、例えば、写真シール作成装置1の接地面と略水平な方向を上限とし、下限となる所定の下向きの角度までの範囲で、カメラ91の角度を調整することが可能とされる。
このようなカメラ91の角度の調整は、後述するように、撮影を行っている利用者の操作に従って電動で行われる。利用者は、カメラ91の角度を好みの角度に調整して、撮影を行うことができる。
カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて生成されたライブビュー画像は、タッチパネルモニタ92に表示される。所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92はカメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれたライブビュー画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示して利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。
カメラ91の右側には、スマートフォンの置き場となるスマートフォンホルダ93が設けられる。スマートフォンホルダ93は、スマートフォンを横向きで置くのに十分な長さとなるように形成される。
利用者は、自分のスマートフォンをスマートフォンホルダ93に置き、スマートフォンを利用して、ゲーム中の自身の様子を動画像や静止画像として撮影することができる。
カメラユニット81の上方には、カメラユニット81の位置(カメラ91の位置)を基準として左に偏った状態で上ストロボユニット82が設置される。上ストロボユニット82は、カメラユニット81の上方と左上方の略全体を覆うようにして設けられる。
上ストロボユニット82の正面は、斜め下方を向くように前傾したパネルと、その下方に設けられ、略垂直面を構成するパネルとから構成される。上ストロボユニット82の正面が、透光性を有する乳白色の板状の部材を用いた発光面として構成される。上ストロボユニット82は、カメラ91による撮影に合わせて発光し、利用者の正面左上方から、主に利用者の顔と上半身にストロボ光を照射する。
カメラユニット81の下方には、主に利用者の下半身および足元にストロボ光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
足元ストロボユニット83は、正面視において横長長方形となる正面全体が発光面となるように、側面パネル41Aと側面パネル41Bとの間に隙間なく形成される。足元ストロボユニット83の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面であり、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
上ストロボユニット82と足元ストロボユニット83の内部には、常時点灯する電球とストロボ発光管が設けられる。上ストロボユニット82と足元ストロボユニット83は、電球を発光させることによって撮影空間内を常時照らすとともに、撮影タイミングに合わせてストロボ発光管を発光させることによって、被写体となる利用者にストロボ光を照射する。
なお、正面パネル42の天井付近にはスピーカが設けられる。スピーカからは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などが出力される。スピーカが背景部22に設けられるようにしても良い。
図8は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の内側には、緑色などの所定の色のシートが貼り付けられる。撮影された画像に写る緑色の領域を検出することによってクロマキー処理が行われ、人物の領域が検出される。
背面パネル51の左端に取り付けられる側面パネル52Bの内側には操作部53が設けられる。
操作部53は、図9に示すように、カメラ91の向きを上方向または下方向に調整するときに押下される角度調整ボタン53Aと、撮影を停止するときに押下される撮影停止ボタン53Bとから構成される。
カメラ91による撮影は、10秒間隔などの所定の間隔で連続して行われる。撮影停止ボタン53Bは、その連続撮影を一時的に停止させるために押下される。利用者は、連続撮影を一時的に停止させている状態で、角度調整ボタン53Aを押下し、カメラ91の角度を調整することができる。
操作部53が側面パネル52Bに設けられていることにより、カメラ91に顔を向けている利用者の立ち位置は、無意識のうちに、撮影空間A1において右側に僅かに寄った位置となる。撮影空間A1において操作部53の対角となる正面左側の位置に設けられた上ストロボユニット82から立ち位置までの距離を確保することにより、適切な光量の光によって、上ストロボユニット82から利用者を照射することが可能となる。
側面パネル52Bに設けられた操作部53は、利用者の立ち位置を無意識のうちに誘導する機能をも有する。操作部53が側面パネル52A側に設けられるようにしてもよい。
<編集ユニットの構成>
図10は、編集ユニット12の正面側(図3の編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。背面側(図3の編集空間A2−2側)にも同様の構成が設けられる。
斜面62のほぼ中央にはタブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
なお、タッチペン132Aを用いた操作とタッチペン132Bを用いた操作は識別される。適宜、タブレット内蔵モニタ131の左側の表示に対してはタッチペン132Aを用いた操作のみが可能とされ、右側の表示に対してはタッチペン132Bを用いた操作のみが可能とされる。以下、適宜、タッチペン132Aとタッチペン132Bを区別する必要がない場合、まとめてタッチペン132という。
照明装置64の下方であって、照明装置64を支持する柱状の支持部63Aと支持部63Bの間には、アクリルミラー板などにより構成される鏡面部66が設けられる。鏡面部66は略垂直な面を形成する。
図10においては、鏡面となる鏡面部66の範囲が色を付して示されている。鏡面部66の横方向の幅は、タブレット内蔵モニタ131の横方向の幅より広い幅となる。鏡面部66には、編集空間A2−1にいる利用者の顔付近を含めて、編集空間A2−1の内部の様子が写り込むことになる。
図11は、カーテンの取り付け例を示す図である。
図11に示すように、編集ユニット12の上方のカーテンレール26には、編集空間A2が外から見えないようにするためのカーテン取り付けられる。図11の例においては、レール26Cにカーテン111が取り付けられ、編集ユニット12の正面側のレール26Bにカーテン112が取り付けられている。編集ユニット12の背面側のレール26Aにも、カーテン112と同様のカーテンが取り付けられる。
ビニル素材のカーテン111、カーテン112の表面には、写真シール作成装置1が目立つように所定のデザインが施される。また、カーテン111とカーテン112のうち、少なくともカーテン112には、表面だけでなく裏面(編集空間A2−1側の面)にも、所定のデザインが施される。
図12は、カーテン112の裏面のデザイン例を示す図である。
図12に示すように、カーテン112の裏面には、キャラクタや文字がプリントされることによってデザインが施される。
図12の例においては、キャラクタである鳥のイラストと花のイラストからなるデザインが施されている。カーテン112の上方には、花に囲まれた「Happy!」の文字が、左右反転した状態でプリントされている。他のイラストがプリントされたり、風景や人物の写真がプリントされるといったように、カーテン112の裏面のデザインは任意である。
編集空間A2−1にいる利用者は、図12に示すようなデザインが施されたカーテン112に自分の背中を向けて立つことになる。利用者の前方にある鏡面部66には、利用者の背景として、カーテン112のデザインも写り込む。
図13は、鏡面部66の利用例を示す図である。
図13に示すように、編集空間A2−1にいる利用者は、自分のスマートフォンのカメラを鏡面部66に向けて、鏡面部66に写っている自分の様子を撮影することができる。図13の例においては利用者が1人だけ示されているが、2人でゲームを行っている場合、2人で撮影を行うことができる。
すなわち、鏡面部66は、編集空間A2−1にいる利用者が、いわゆる自撮り(自分撮り)を鏡越しで行うために用意されるものである。
カーテン112の裏面には上述したようなデザインが施されているから、利用者は、カーテン112に施されたデザインを自分の背景にして自撮りを行うことができる。また、左右反転の状態でプリントされているカーテン112の文字は、図13に示すように、正転した状態で鏡面部66に写り込む。自撮りによって得られた画像には、カーテン112にプリントされた文字が、正転した状態で写ることになる。
利用者は、編集空間A2−1での自撮りによって撮影した画像を、自分が利用しているSNS(Social Networking Service)のサイトにアップロードし、友達などに見せることができる。
このように、写真シール作成装置1は、撮影空間A1において撮影を行うだけでなく、編集空間A2においても撮影を行うことが可能な装置である。後述するように、編集の開始時、自撮りを行うことが利用者に対して案内される。撮影を終えて編集空間A2に移動した利用者に対しては、編集の前に、自撮りを行う時間が確保される。
なお、編集空間A2−1側に取り付けられるカーテン112の裏面のデザインと、編集空間A2−2側に取り付けられるカーテン112の裏面のデザインが異なるデザインであってもよい。利用者は、いずれのデザインのカーテン112が設置された方の編集空間A2に案内されるのかを楽しむことができる。
カーテン112の裏面のデザインとして、商品やサービスの広告などがプリントされるようにしてもよい。
図14は、編集ユニット12の側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。プリンタにより、編集空間A2−1において編集作業を行った利用者が写る画像、または、編集空間A2−2において編集作業を行った利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
<編集画像のレイヤ構造>
図15は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P1が編集によって生成される画像である。編集画像P1は、基本的に、背景画像P11、人物画像P12、前景画像P13の各レイヤの画像から構成される。各種の画像処理の対象となるレイヤも適宜設定される。
図15の例において、背景画像P11は、単色の画像である。前景画像P13は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、ペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、スタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
このように、編集画像P1は、撮影画像からクロマキー処理によって抽出した人物の領域の画像である人物画像P12を背景画像P11に重ね、その上に前景画像P13を重ねることによって生成される。ペン画像やスタンプ画像を背景画像P11上に入力し、被写体の背景に表示させるようにすることも可能とされる。撮影画像に対しては、前景画像や背景画像が合成されることもあるし、編集処理を経たとしても利用者の操作によっては合成されないこともある。
図15の例においては、人物画像P12として、利用者の略胸付近から上の範囲が大きく写る画像が示されている。撮影処理においては、このように顔が大きく写る撮影画像であるアップ画像が撮影される。アップ画像の撮影は例えば複数回行われる。利用者の全身が写る全身画像の撮影が行われるようにしてもよい。
<写真シール作成装置の内部構成>
図16は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。図16において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図16に示すように、写真シール作成装置1は、PC(Personal Computer)部301に対して、事前選択部302、撮影部304、編集部305A,305B、および印刷部306が外部入出力インタフェース303を介して接続されることによって構成される。情報処理部であるPC部301は、例えば編集ユニット12の筐体内部に搭載される。
PC部301を構成するCPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313は、バス314により相互に接続される。
CPU311は、所定のプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311が実行するプログラムやデータを記憶する。RAM312は、CPU311が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
バス314には、さらに、入出力インタフェース315が接続される。入出力インタフェース315には、記憶部316、通信部317、およびドライブ318が接続される。
記憶部316は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部316は、CPU311から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部316に記憶されている情報はCPU311により適宜読み出される。
通信部317は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部317は、CPU311による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部317は、利用者により選択された画像を、例えば写真シール作成装置1のメーカーが管理する画像管理サーバに送信する。通信部317から送信された画像は、所定の記憶領域が割り当てられて保存され、画像管理サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、携帯端末にダウンロードされたりする。
ドライブ318には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319が適宜装着される。ドライブ318によりリムーバブルメディア319から読み出されたプログラムやデータは、CPU311に供給され、記憶部316に記憶されたり、インストールされたりする。
入出力インタフェース315には外部入出力インタフェース303が接続される。PC部301による各部の制御が、外部入出力インタフェース303を介して行われる。
事前選択部302は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を行う。事前選択部302は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部321から構成される。
タッチパネルモニタ71は、PC部301による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部321は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部321は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号をPC部301に出力する。
撮影部304は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を行う。撮影部304は、操作部53、カメラ91、カメラ駆動部91A、タッチパネルモニタ92、照明装置331、およびスピーカ332から構成される。
操作部53は、角度調整ボタン53A、撮影停止ボタン53Bに対する利用者の操作に応じて、利用者の操作を表す信号をPC部301に出力する。
カメラ91は、PC部301によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)をPC部301に出力する。
カメラ駆動部91Aは、PC部301による制御に従って、カメラ91の上下方向の角度を調整する。
照明装置331は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、PC部301から供給される照明制御信号に従って発光する。照明装置331には、上ストロボユニット82と足元ストロボユニット83が含まれる。
スピーカ332は、撮影空間A1の各位置に設けられたスピーカにより構成される。
編集部305Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を行う。編集部305Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ341から構成される。編集部305Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を行い、編集部305Aと同一の構成を有する。以下、適宜、編集部305A,305Bをまとめて編集部305という。
タブレット内蔵モニタ131は、PC部301による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部306は、プリンタ351を含むように構成される。プリンタ351にはシール紙ユニット352が装着される。
プリンタ351は、内蔵するヘッド361を駆動し、PC部301から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット352に収納されているロール状のシール紙363に画像を印刷する。また、プリンタ351は、画像を印刷したシール紙363をカッター362によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口161に排出する。
<写真シール作成装置の機能構成例>
図17は、写真シール作成装置1の機能構成例を示すブロック図である。図17に示す機能部のうちの少なくとも一部は、CPU311により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
写真シール作成装置1においては、事前選択処理部401、撮影処理部402、編集処理部403、および印刷処理部404が実現される。
事前選択処理部401は、事前選択部302の各部を制御することで、事前選択処理を実行する。事前選択処理により、利用者の人数の選択などが行われる。利用者による選択内容を表す情報は撮影処理部402に供給される。
撮影処理部402は、撮影部304の各部を制御することで撮影処理を行う。撮影処理部402は、撮影処理を行うことによって得られた撮影画像のデータを編集処理部403に出力する。撮影処理部402から編集処理部403に対しては、撮影を複数回行うことによって得られた複数枚の撮影画像のデータが供給される。
編集処理部403は、編集部305の各部を制御することで編集処理を行う。編集処理には、撮影画像に写る利用者の目の大きさを調整するための画像処理、撮影画像に対して編集を施すための画像処理などが含まれる。
撮影画像の編集後、編集処理部403は、分割数の選択に用いられる画面、画像管理サーバに送信する画像の選択に用いられる画面などの各種の画面をタブレット内蔵モニタ131に表示する。編集処理部403は、利用者により選択された分割数に従って各編集画像を配置することによって印刷データを生成し、印刷処理部404に出力する。また、編集処理部403は、利用者により選択された編集画像を画像管理サーバに送信する。
印刷処理部404は、プリンタ351に印刷データを出力し、編集画像の印刷を行う。
<撮影処理部の詳細構成>
図18は、撮影処理部402の構成例を示すブロック図である。
撮影処理部402は、撮影制御部411、画像処理部412、表示制御部413、および画像記憶部414から構成される。
撮影制御部411は、カメラ91を制御することによって動画像の撮影を行い、撮影を行うことによって得られた画像を画像処理部412に出力する。撮影制御部411から出力された動画像はライブビュー画像の生成に用いられる。
また、撮影制御部411は、カウントダウンに合わせて静止画像の撮影を行い、撮影を行うことによって得られた静止画像を画像処理部412に出力する。撮影制御部411から出力された静止画像は撮影画像の生成に用いられる。
画像処理部412は、撮影制御部411から供給された動画像の各フレームから矩形領域をトリミングにより切り出し、切り出した画像からなる動画像を生成する。画像処理部412により生成された動画像は、ライブビュー画面に表示するライブビュー画像として用いられる。
また、画像処理部412は、撮影制御部411から供給された静止画像から矩形領域をトリミングにより切り出すことによって、所定の画角の撮影画像を生成する。画像処理部412により生成された撮影画像は、画像記憶部414に供給され、記憶される。
表示制御部413は、ライブビュー画面などの、タッチパネルモニタ92の各種の画面の表示を制御する。
画像記憶部414は、画像処理部412により生成された撮影画像を記憶する。撮影処理が終了した場合、画像記憶部414に記憶された撮影画像は編集処理部403に供給される。
<編集処理部の詳細構成>
図19は、図17の編集処理部403の構成例を示すブロック図である。
編集処理部403は、選択受付部431、編集用画像生成部432、編集制御部433、表示制御部434、印刷データ生成部435、および通信制御部436から構成される。編集制御部433には黒目処理部433Aと輪郭調整部433Bが含まれる。
選択受付部431は、タブレット内蔵モニタ131に表示された画面に対する利用者の操作を受け付ける。選択受付部431により受け付けられた利用者の操作の内容を表す情報は、編集制御部433と表示制御部434に供給される。
編集用画像生成部432は、撮影処理部402から供給された撮影画像に基づいて、編集用の撮影画像を生成する。例えば、画像処理部412(図18)によるトリミング後のそれぞれの画像を原画として、レタッチ処理などの各種の処理を原画に対して施して得られた画像が、編集用の撮影画像となる。編集用画像生成部432により生成された編集用の撮影画像は、編集制御部433と表示制御部434に供給される。
編集制御部433は、選択受付部431から出力された情報に基づいて、編集用画像生成部432から供給された編集用の撮影画像の編集を行う。編集は、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を、編集対象となっている撮影画像に合成する画像処理である。
編集用画像生成部432により行われるレタッチ処理が、利用者による選択内容に応じた画像処理を複数の撮影画像のそれぞれに一括して施す処理であるのに対して、編集は、利用者による選択内容に応じた画像処理を、そのとき編集対象となっている1枚の撮影画像に施す処理である。レタッチ処理時、目の大きさなどを撮影画像毎に選択することができるようにしてもよい。
編集制御部433は、編集結果を表す情報を表示制御部434に出力し、編集画面の表示に反映させる。
編集制御部433は、編集が終了した場合、編集を施して得られた撮影画像である編集画像を印刷データ生成部435と通信制御部436に出力する。
編集制御部433の黒目処理部433Aは、編集画面に対する利用者の操作に応じて、撮影画像に写るそれぞれの利用者の黒目の色を変更する処理である黒目処理を行う。
編集制御部433の輪郭調整部433Bは、編集画面に対する利用者の操作に応じて画像処理を行い、編集用の撮影画像に写る利用者の特定の部位を強調させる。例えば、目全体、または、黒目部分などの目の一部を強調させるための画像処理が輪郭調整部433Bにより行われる。
表示制御部434は、利用者による操作に用いられる操作画面をタブレット内蔵モニタ131に表示し、利用者の操作に応じて操作画面の表示を制御する。表示制御部434には、編集用画像生成部432から出力された撮影画像、編集制御部433から出力された編集画像などが供給される。表示制御部434に供給された各種の画像は操作画面の表示に用いられる。
印刷データ生成部435は、編集制御部433から供給された編集画像を所定のレイアウトで配置することによって印刷データを生成する。印刷データ生成部435は、印刷データを印刷処理部404に出力し、シール紙363に印刷させる。
通信制御部436は、通信部317を制御し、編集制御部433から供給された編集画像を画像管理サーバに送信する。
図20は、編集用画像生成部432の構成例を示すブロック図である。
編集用画像生成部432は、領域検出部451、レタッチ処理部452、性別判定部453、まつげ処理部454、および縮小部455により構成される。
撮影処理部402から供給された撮影画像は、領域検出部451、レタッチ処理部452、および性別判定部453に入力される。編集用画像生成部432の各部による処理は、それぞれの撮影画像を対象として行われる。
領域検出部451は、撮影画像に写る人物である利用者の領域を検出するとともに、利用者の各部位の領域を検出する。例えば、利用者の顔の領域、顔を構成する部位としての目、まぶた、鼻、唇、頬の領域、髪の毛の領域などが領域検出部451により検出される。
図21は、領域の検出の例を示す図である。
2人の女性が写る撮影画像P101が供給された場合、それぞれの利用者を対象として、顔や、顔の各部位の領域の検出が行われる。例えば左側に写る利用者からは、左右のそれぞれの目の領域を含む各領域が検出される。
左側に写る利用者の右目の領域に注目した場合、図21の左側に拡大して示すように、黒目領域A11と、黒目領域A11の左右の白目領域A12,A13がそれぞれ検出される。
白目領域A12は、鼻に近い方の白目の領域であり、白目領域A13は、耳に近い方の白目の領域である。位置p1は目頭の位置を表し、位置p2は目尻の位置を表す。黒目領域A11には、上ストロボユニット82と足元ストロボユニット83の発光により、それぞれの形状や大きさに応じたキャッチライトが写り込む。
黒目領域と白目領域の検出は、例えば、ニューラルネットワークなどにより構成される予測モデルに基づいて行われる。領域検出部451に対しては、機械学習によってあらかじめ生成された、目の各領域を検出するための予測モデルが用意されている。
領域検出部451に用意される予測モデルは、例えば、撮影画像を入力とし、目の各領域のマスク画像、目の周りの肌の領域のマスク画像を出力とするモデルである。予測モデルから出力されたマスク画像により、黒目領域と白目領域の各領域の位置、大きさ、形状などが表される。
黒目領域と白目領域の検出が、予測モデルを用いるのではなく、画像を解析することによって抽出された各領域の特徴量に基づくマッチングにより行われるようにしてもよい。この場合、黒目領域と白目領域の各領域の特徴量を表すデータが領域検出部451には用意される。
目の各領域だけでなく、顔全体や、顔の他の各部の領域についても、機械学習によって生成された予測モデルを用いて検出されるようにしてもよい。また、特徴量に基づくマッチングにより検出されるようにしてもよい。
図20の領域検出部451は、以上のようにして検出した各領域の情報をレタッチ処理部452とまつげ処理部454に出力する。領域検出部451から出力される情報により、撮影画像に写るそれぞれの利用者の左右の目の黒目領域と白目領域の位置、大きさ、形状などが表される。領域検出部451による検出結果を表す情報は、後段の編集制御部433にも供給される。
レタッチ処理部452は、撮影画像に対してレタッチ処理を施す。レタッチ処理は、顔の輪郭の調整、目の大きさの調整などの、撮影画像に写る利用者の特定の部位に対する画像処理である。画像処理の対象となる各領域が、領域検出部451から供給される情報により特定される。レタッチ処理が施された撮影画像は、まつげ処理部454に供給される。
肌の明るさの調整などの他の処理がレタッチ処理として行われるようにしてもよい。特定の部位に対する処理ではなく、画像全体を対象としたフィルタ処理などの他の画像処理が行われるようにしてもよい。
性別判定部453は、撮影画像に写るそれぞれの利用者の性別を判定し、判定結果を表す情報をまつげ処理部454に出力する。性別判定部453による判定についても、機械学習によって生成された予測モデルに基づいて行われるようにしてもよいし、画像を解析することによって抽出された各領域の特徴量に基づくマッチングにより行われるようにしてもよい。
まつげ処理部454は、レタッチ処理部452から供給された撮影画像に写るそれぞれの利用者のまつげ(睫毛)を強調する画像処理であるまつげ処理を行う。まつげ処理は、性別判定部453による判定結果に基づいて、例えば女性だけを対象として行われる。まつげ処理が施されることによってまつげが強調された撮影画像は、縮小部455に供給される。まつげ処理部454により行われるまつげ処理については後に詳述する。
縮小部455は、まつげ処理部454から供給された撮影画像を縮小することによって、編集用の撮影画像を生成する。撮影画像の縮小は、例えば画素を間引き、撮影画像を構成する画素数を減らすことによって行われる。縮小部455により生成された編集用の撮影画像は、編集制御部433などに供給される。
このように、編集用画像生成部432においては、レタッチ処理とまつげ処理は、縮小前の原画に対して施されることになる。データ量の多い撮影画像を対象として、精細な処理を施すことが可能となる。
図22は、図20のまつげ処理部454の構成例を示すブロック図である。
まつげ処理部454は、逆さまつげ除去部461、変形部462、合成部463、およびまつげ強調処理部464により構成される。
レタッチ処理部452から供給されたレタッチ処理後の撮影画像は逆さまつげ除去部461に入力される。また、領域検出部451により検出された各領域の情報は、まつげ処理部454の各部に入力される。性別判定部453による性別の判定結果を表す情報は、変形部462と合成部463に入力される。
逆さまつげ除去部461は、撮影画像に写る利用者の目に逆さまつげがある場合、逆さまつげを画像処理によって除去する。逆さまつげは、上まつげのうち、下向きになって生えていて白目領域にかかっているまつげ、および、下まつげのうち、上向きになって生えていて白目領域にかかっているまつげである。白目領域の位置などについては、領域検出部451から供給された情報に基づいて特定される。
図23は、逆さまつげの除去の例を示す図である。
図23の左側に破線の円C1で囲んで示すように白目領域A13にまつげがかかって写っている場合、逆さまつげ除去部461は、まつげを構成する画素を、周りの白目領域A13の画素で置き換える(補間する)ことによって、図23の右側に示すように逆さまつげを除去する。
白目領域A13にまつげがかかって写っていることは、白目領域の標準の色として設定された白色以外の色の画素が白目領域A13内にある場合に、その画素を異常画素として検出することによって特定される。逆さまつげ除去部461には、白目領域の標準の色を表す情報があらかじめ設定されている。
逆さまつげ除去部461においては、標準の色以外の色の画素である異常画素を、周りにある白色の画素で補間することによって、逆さまつげの除去が行われる。
白色以外の色の画素を異常画素として検出し、白色の画素で補間する処理が逆さまつげ除去部461において行われるため、結果的に、充血して赤くなっている部分なども除去されることになる。
以上のようにして逆さまつげが除去された撮影画像が逆さまつげ除去部461から出力される。撮影画像に写る利用者の目に逆さまつげがない場合、逆さまつげ除去部461に入力された撮影画像はそのまま出力される。
変形部462は、逆さまつげ除去部461から供給された撮影画像に写る利用者が女性である場合、その利用者の目の上側の輪郭の形状に合わせて、まつげ画像を変形させる。変形部462には、まつげを表現したテクスチャ画像であるまつげ画像があらかじめ記憶されている。変形部462による変形後のまつげ画像が、撮影画像に写る利用者の目の部分に対する合成に用いられる。
図24は、まつげ画像の変形の例を示す図である。
変形部462は、図24の左上に示すような、デフォルトの形状のまつげ画像P111を有している。撮影画像に写る利用者の例えば右目ERの上側の輪郭の形状が、図24の左下に示す位置p1から位置p2までの曲線で表される場合、変形部462は、まつげ画像P111を位置p1−位置p2間の曲線の特定の区間の形状に合わせて変形させ、図24の右側に示す、変形後のまつげ画像P111’を生成する。位置p1−位置p2間の曲線は、領域検出部451から供給された情報に基づいて特定される。
変形部462は、以上のようにして変形したまつげ画像を合成部463に出力する。デフォルトのまつげ画像が複数用意されており、変形に用いられるまつげ画像が選択されるようにしてもよい。まつげ画像の選択が、利用者により行われるようにしてもよいし、まつげ処理部454において自動的に行われるようにしてもよい。
図22の合成部463は、逆さまつげ除去部461から供給された撮影画像に写る女性の利用者の目の上側の輪郭に沿って、変形部462により変形されたまつげ画像を合成する。
図25は、まつげ画像の合成の例を示す図である。
図25の左上に示すような変形後のまつげ画像P111’が供給された場合、合成部463は、図25の右側に示すように、まつげ画像P111’を右目ERの上側の輪郭に沿って合成する。右目ERの上側の輪郭の位置は、領域検出部451から供給された情報に基づいて特定される。
以上のようなまつげ画像の合成が左目についても同様にして行われる。左目に対するまつげ画像の合成は、例えば、右目用として用意されたまつげ画像P111を用いて行われる。
この場合、変形部462は、まつげ画像P111の左右を反転させ、左右反転後のまつげ画像P111の形状を、左目の上側の形状に合わせて変形させる。合成部463は、変形部462による変形後のまつげ画像P111を左目の上側の輪郭に沿って合成する。
このように、左目に対するまつげ画像の合成には、右目用として用意されたまつげ画像の左右を反転させた画像が用いられる。左目に対する処理が右目用の画像を用いて行われるため、用意しておく必要があるまつげ画像の数を減らすことができる。反対に、左目用のまつげ画像が用意されており、右目に対する処理が、左目用の画像を用いて行われるようにしてもよい。当然、右目用と左目用のそれぞれのまつげ画像が用意されるようにしてもよい。
以上のようなまつげ画像の合成は、撮影画像に写るそれぞれの女性を対象として行われる。合成部463は、まつげ画像の合成後の撮影画像を図22のまつげ強調処理部464に出力する。
まつげ強調処理部464は、合成部463から供給された撮影画像に写るまつげを画像処理によって強調させる。例えば、上まつげと下まつげの1本1本を太くする処理や、色を濃くする処理が行われる。まつげ強調処理部464は、まつげを強調した撮影画像を出力する。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図26のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図26の処理は、例えば、所定の金額分の硬貨が投入されたときに開始される。
ステップS1において、事前選択処理部401は、事前選択部302を制御することで事前選択処理を行う。事前選択処理により、例えば、利用者の人数の選択、撮影コースの選択などが行われる。いずれの選択も、タッチパネルモニタ71に表示される選択画面を用いて行われる。
ステップS2において、撮影処理部402は、撮影部304を制御することで撮影処理を行う。
例えば、撮影処理部402は、立ち位置の誘導を行った後、カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて、ライブビュー画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。また、撮影処理部402は、ライブビュー画面を表示させた後、撮影空間A1にいる利用者を被写体として静止画像の連続撮影を行う。
ステップS3において、編集処理部403は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部305を制御することで編集処理を行う。
例えば、編集処理部403は、タブレット内蔵モニタ131に編集画面を表示させ、撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせる。編集画面には、編集対象の撮影画像とともに、撮影画像に合成する合成用画像を選択するときに操作されるボタンなどが表示される。編集処理の詳細については図27のフローチャートを参照して後述する。
ステップS4において、印刷処理部404は、プリンタ351を制御することで、印刷処理を行う。印刷処理部404は、編集処理部403により生成された印刷データをプリンタ351に出力してシール紙363に印刷させる。
印刷が終了した場合、ステップS5において、プリンタ351は、カッター362で切り離したシール紙363をシール紙排出口161に排出する。
写真シール作成装置1の利用者の各グループに対しては、以上のような一連の処理からなる写真作成ゲームが提供される。あるグループの利用者に続けて他のグループの利用者が写真シール作成装置1の利用を開始した場合、写真シール作成装置1の利用を先に始めた利用者の写真シール作成ゲームと、後から始めた利用者の写真シール作成ゲームとが適宜並行して行われることになる。適宜、写真シール作成ゲームを単にゲームともいう。
<編集処理>
次に、図27のフローチャートを参照して、図26のステップS3において行われる編集処理について説明する。
ステップS41において、編集処理部403の表示制御部434(図19)は、落書き前自撮りの案内画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。ここでいう落書きは、撮影画像の編集のことを意味する。編集は、タッチペン132を用いて、撮影画像を落書きするようにして行われる。
図28は、落書き前自撮りの案内画面の表示例を示す図である。
図28に示すように、落書き前自撮りの案内画面の左側には、モデルの人物が鏡面部66越しに自撮りを行っている様子を表す画像が表示される。案内画面の右側には、自撮りによって得られた画像のサンプル画像が表示される。それぞれの画像の下には、画像の内容を説明するメッセージが表示される。
このような案内画面を表示させることにより、鏡面部66を用いてどのような自撮りを行うことができるのかを利用者に分かりやすく伝えることができる。
編集空間A2に移動してきた利用者は、案内画面に従って、自分のスマートフォンを用意し、鏡面部66越しに自撮りを行う。
図27の説明に戻り、ステップS42において、編集用画像生成部432は編集用画像生成処理を行う。編集用画像生成処理により、それぞれの撮影画像を元にして編集用の撮影画像が生成される。
撮影処理においては、例えば最大8枚の撮影画像の撮影が行われる。撮影画像の枚数が多いため、それぞれの撮影画像に基づいて行われる編集用の撮影画像の生成には一定の時間が必要になる。編集用の撮影画像の生成は、編集前の自撮り用に確保された時間を利用して行われる。利用者は、編集用の撮影画像の生成が行われている間も、退屈せずに待つことができる。
利用者が自撮りを行っている間に行われる編集用画像生成処理の詳細については図30のフローチャートを参照して後述する。
ステップS43において、表示制御部434は、キープ画像の選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。図28の案内画面に代えてキープ画像の選択画面がタブレット内蔵モニタ131に表示されることにより、利用者は自撮りを終え、タブレット内蔵モニタ131の表示に従ってキープ画像の選択を行う。
キープ画像は、実際に編集する撮影画像である。キープ画像として選択可能な撮影画像の枚数は例えば4枚として設定されている。キープ画像の選択画面には、レタッチ処理が施された撮影画像が並べて表示される。選択画面を用いて行われる選択は、最大8枚の撮影画像の中から4枚の撮影画像を選択するようにして行われる。
4枚などの所定の枚数のキープ画像が選択された場合、ステップS44において、表示制御部434は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。編集画面には、編集対象となる撮影画像とともに、編集に用いられるスタンプ画像やペン画像などの各種の編集ツール(合成用画像)を選択するときに押下されるボタンなどが表示される。
図29は、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面の例を示す図である。
編集画面には、編集領域501L,501Rがそれぞれ左右に並べて設けられる。編集領域501L,501Rの間には、キープ画像として選択された撮影画像のサムネイルが表示されるサムネイル表示領域502が設けられる。
また、編集領域501L,501Rそれぞれの下方には、編集パレット503L,503Rが設けられる。編集パレット503L,503Rの間には、編集パレット503L,503Rに表示される編集ツールのカテゴリを選択するためのカテゴリ選択ボタン群504が設けられる。
このような構成により、編集画面においては、編集対象として選択された撮影画像の編集入力が2人の利用者によって個別に受け付けられる。
以下において、編集領域501L,501R、編集パレット503L,503Rをそれぞれ区別しない場合には、単に、編集領域501、編集パレット503という。
編集領域501は、編集入力を行う対象として選択されたキープ画像(編集対象画像)の表示領域である。利用者は、タッチペン132を用いて編集ツールを選択し、編集領域501に表示されたキープ画像の編集を行う。
サムネイル表示領域502は、キープ画像を表すサムネイルの表示領域である。利用者は、サムネイル表示領域502に表示されているサムネイルを選択することによって、編集入力を行うキープ画像を選択する。
編集パレット503は、ペンツール、くっつきツール、スタンプツール、メイクツールなどの各種の編集ツールの選択に用いられるアイコンなどが表示される領域である。なお、くっつきツールは、顔の認識結果に基づいた位置に所定の画像を合成するときに用いられる編集ツールである。また、メイクツールは、目、唇、頬などを対象として、メイクを模した画像処理を施すときに用いられる編集ツールである。
カテゴリ選択ボタン群504は、編集パレット503に表示させる編集ツールのカテゴリを切り替えるときに押下されるボタンから構成される。
図29の例においては、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側の利用者によりカテゴリ選択ボタン群504のペンボタンが選択されている。編集パレット503Lには、ペンツールを選択するためのアイコンなどが表示される。
また、右側の利用者によりカテゴリ選択ボタン群504のメイクボタンが選択されている。編集パレット503Rには、メイクツールを選択するためのボタンなどが表示される。
サムネイル表示領域502の下には、スマートフォンの外観を模した2つの携帯おまけボタン505L,505Rが並べて表示される。携帯おまけボタン505L,505Rが操作された場合、携帯おまけの作成を行うときに用いられるボタンなどが表示される。なお、携帯おまけは、携帯端末の待ち受け画面に表示されたり、SNSにアップロードされたりする画像など、携帯端末上で用いられることを前提とした画像である。作成された携帯おまけは、携帯端末への送信専用の画像として画像管理サーバに送信される。
サムネイル表示領域502の上にはBGM選択領域506が表示される。BGM選択領域506は、編集作業中のBGMの選曲や音量の調整を行うときに操作される。
図27の説明に戻り、ステップS45において、編集制御部433は、編集画面に対する利用者の操作に応じて、編集対象となる撮影画像に編集を施す。編集が施されることによって生成された編集画像は印刷データ生成部435に供給される。
終了ボタンが操作されるなどして編集が終了した場合、ステップS46において、表示制御部434は、分割数選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
分割数選択画面は、シールレイアウトの選択に用いられる画面である。シールレイアウトは、1枚のシール紙363に配置される編集画像の枚数や位置、大きさを決定するレイアウト(配置パターン)である。シール紙363には、利用者により選択されたシールレイアウトに従って配置された編集画像が印刷される。
ステップS47において、表示制御部434は、送信画像選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
利用者は、画像管理サービスを利用するためには会員登録を行う必要があり、会員には有料会員と無料会員がある。有料会員は画像管理サーバに送信された全ての画像を取得して自分の携帯端末にダウンロードしたりすることができるのに対して、無料会員は1枚の画像だけを取得することができる。送信画像選択画面は、無料会員が取得する1枚の画像を選択するのに用いられる画面である。なお、画像管理サービスは、ゲームにおいて作成され、写真シール作成装置1から画像管理サーバに送信された画像を利用者に提供するサービスである。
ステップS48において、編集処理部403は、メールアドレス入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
メールアドレス入力画面は、利用者のメールアドレスの入力に用いられる画面である。メールアドレス入力画面には、メールアドレスに用いることが可能なアルファベットや記号、スマートフォンなどの携帯電話機のキャリアを選択するためのボタンなどが表示される。
ステップS49において、通信制御部436は、編集画像を画像管理サーバに送信する。画像管理サーバに対しては、適宜、撮影画像も送信される。すなわち、編集画像だけでなく、編集画像の元になった撮影画像も画像管理サーバに対して送信される。
また、画像管理サーバに対しては、写真シール作成装置1の機器ID、撮影日時、送信画像選択画面からどの画像が選択されたのかを表す情報なども送信される。
ステップS50において、印刷データ生成部435は、利用者により選択されたレイアウトで編集画像を配置することによって印刷データを生成する。印刷データは印刷処理部404に供給され、編集画像の印刷に用いられる(図26のステップS4)。
ステップS51において、表示制御部434は、案内画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させることによって、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、スピーカ341から音声を出力することによっても行われる。
その後、図26のステップS3に戻り、それ以降の処理が行われる。
以上のように、写真シール作成装置1のゲームにおいては、撮影空間A1だけでなく、編集空間A2においても撮影を行うことが可能とされる。利用者は、編集空間A2にいてゲームを行っている自分達の様子を自撮りによって残しておくことができる。
<編集用画像生成処理>
次に、図30のフローチャートを参照して、図27のステップS42において行われる編集用画像生成処理について説明する。
ステップS61において、性別判定部453は、撮影画像に写るそれぞれの利用者の性別を判定する。
ステップS62において、レタッチ処理部452は、撮影画像に対してレタッチ処理を施す。レタッチ処理部452によるレタッチ処理は、撮影処理時にタッチパネルモニタ92に表示されたレタッチ画面を用いて選択された内容に従って行われる。
例えば、レタッチ処理部452は、撮影画像に写る利用者の目を検出し、検出した目の大きさを調整する処理をそれぞれの撮影画像を対象として行う。レタッチ処理部452は、目の大きさの調整以外の複数種類の画像処理を、それぞれの撮影画像を対象として行う。
ステップS63において、領域検出部451は、撮影画像に写る利用者の目の領域を検出する。
ステップS64において、まつげ処理部454は、撮影画像に写っているまつげを強調する画像処理であるまつげ処理を行う。まつげ処理の詳細については図31のフローチャートを参照して後述する。
ステップS65において、縮小部455は、まつげ処理部454から供給された撮影画像を縮小して編集用の撮影画像を生成する。
ステップS66において、編集用画像生成部432は、全ての撮影画像の処理が終わったか否かを判定し、まだ処理が終わっていない撮影画像があると判定した場合、ステップS61以降の処理を繰り返し実行する。
全ての撮影画像の処理が終わったとステップS66において判定した場合、図27のステップS42に戻り、それ以降の処理が行われる。
<まつげ処理>
次に、図31のフローチャートを参照して、図30のステップS64において行われるまつげ処理について説明する。
ステップS81において、まつげ処理部454は、性別判定部453による性別の判定結果に基づいて、処理対象になっている撮影画像に女性が写っているか否かを判定する。
上述したように、まつげを強調する画像処理であるまつげ処理は、女性だけを対象として行われ、男性を対象としては行われない。処理対象になっている撮影画像に女性が写っていない、すなわち、撮影画像に写っている利用者全員が男性であるとステップS81において判定された場合、図31のステップS82以降の処理はスキップされる。
これにより、男性のまつげを強調するような画像処理が行われるのを防ぐことが可能となる。
ステップS82以降の処理のうちの少なくとも一部の処理が、男性を対象として行われるようにしてもよい。
処理対象になっている撮影画像に女性が写っているとステップS81において判定された場合、処理はステップS82に進む。複数の女性が写っている場合、1人ずつ注目してステップS82以降の処理が行われる。
ステップS82において、逆さまつげ除去部461は、目の領域のうちの白目領域に含まれる異常画素を検出し、周辺画素で補間することによって逆さまつげを除去する。
ステップS83において、変形部462は、図24を参照して説明したようにして、目の上側の輪郭の形状に合わせて、まつげ画像を変形させる。
ステップS84において、合成部463は、変形部462により変形されたまつげ画像を、撮影画像に写る、処理対象の女性の目の上側の輪郭に沿って合成する。
ここで、処理対象の女性の両方の目が開いている場合、両目に対してまつげ画像の合成が行われる。例えば、閾値となる度合いより目の開きの度合いが低い場合(閉じている場合)、まつげ画像の合成を含むまつげを強調する処理が、その閉じている目を対象としては行われないようにしてもよい。
ウインクなどをして閉じている目を対象としてまつげの強調が行われるとした場合、不自然な見栄えになる可能性があるが、そのようなことを防ぐことが可能となる。
ステップS85において、まつげ強調処理部464は、まつげを画像処理によって強調させる。例えば、上まつげと下まつげを検出し、その1本1本を太くしたり、濃くしたりすることによって、まつげの強調が行われる。まつげの1本1本を太くしたり、濃くしたりする処理は、上まつげとして合成されたまつげ画像を構成するまつげの1本1本に対しても施される。
すなわち、この例においては、上まつげに対しては、まつげ画像の合成に加えて、さらに、1本1本を太くしたりする処理が施されることになる。また、上まつげと下まつげは、それぞれ異なる処理によって強調されることになる。
その後、図30のステップS64に戻り、それ以降の処理が行われる。
以上のように、撮影画像に写る女性に対するまつげの強調は、テンプレートとして用意されたまつげ画像をそのまま合成するのではなく、目の輪郭の形状に合わせて変形させたまつげ画像を合成するようにして行われる。
撮影時の表情などにより、それぞれの利用者の目の形状は異なるものとなる。それぞれの利用者の目の形状に合わせて変形させたまつげ画像を合成することにより、より自然な形でまつげを強調させ、目を大きく見せることが可能となる。
また、まつげ画像の合成後、上まつげと下まつげの1本1本を強調することにより、まつげ画像として合成されたまつげを、利用者の自分のまつげに馴染ませることが可能となる。
<メイクツール機能>
・アイカラーツール
ここで、編集画面に用意されるメイクツールを用いた編集について説明する。
図32は、メイクツール選択中の、図29の編集パレット503Rを拡大して示す図である。
編集パレット503Rの上には、メイクツールの選択に用いられる選択ボタン511−1乃至511−5が並べて表示される。
選択ボタン511−1は、小顔に見えるためのメイクを行う小顔ツールを選択するときに押下されるボタンである。
選択ボタン511−2は、黒目部分の色を変えるアイカラーツールを選択するときに押下されるボタンである。利用者は、アイカラーツールを使うことにより、カラーコンタクトレンズを装着しているかのようなメイクをすることができる。図32の例においては、選択ボタン511−2が押下され、アイカラーツールが選択されている。
選択ボタン511−3は、目の輪郭の濃さを調整する輪郭濃度調整ツールを選択するときに押下されるボタンである。
選択ボタン511−4は、唇の色を変えるリップツールを選択するときに押下されるボタンである。選択ボタン511−5は、チークの色を変えるチークツールを選択するときに押下されるボタンである。
アイカラーツールが選択されている場合、図32に示すように、編集パレット503Rの左側には顔画像領域512が表示される。顔画像領域512は、顔認識を行うことによって切り出された、撮影画像に写る利用者の顔の画像の表示領域である。
顔画像領域512に顔が表示されている利用者を対象として、黒目の色を変更する処理である黒目処理が黒目処理部433A(図19)により行われる。図32の例においては、図29において編集領域501Rに表示されている撮影画像に写る2人の利用者のうちの右側の利用者がアイカラーツールの対象の利用者として表示されている。
顔画像領域512の下には、アイカラーツールの対象とする利用者を切り替えるときに押下される切り替えボタン513が表示される。
顔画像領域512の右側には、アイカラーの選択に用いられるボタンであるカラー選択ボタン514−1乃至514−4が表示される。円形のボタンであるカラー選択ボタン514−1乃至514−4には、それぞれ、ブラウン、ショコラ、グレー、ブラックの色が割り当てられている。
例えばカラー選択ボタン514−1が押下された場合、編集領域501Rに表示されている撮影画像に写る利用者のうち、アイカラーツールの対象として選択されている利用者の黒目領域の色がブラウンに変更される。
また、カラー選択ボタン514−2が押下された場合、編集領域501Rに表示されている撮影画像に写る利用者のうち、アイカラーツールの対象として選択されている利用者の黒目領域の色がショコラに変更される。
図33は、アイカラーツールによって生成される画像の例を示す図である。
撮影画像P101が編集対象として選択され、右側の利用者がアイカラーツールの対象として選択されている場合、カラー選択ボタン514−1乃至514−4が押下されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、枠Fで囲んで示す右側の利用者の黒目領域の色が変更された撮影画像P101−1乃至P101−4に切り替えられる。
図33の例においては同じ画像として示されているが、撮影画像P101−1は、右側の利用者の黒目領域の色がブラウンに変更された画像であり、撮影画像P101−2は、右側の利用者の黒目領域の色がショコラに変更された画像である。撮影画像P101−3は、右側の利用者の黒目領域の色がグレーに変更された画像であり、撮影画像P101−4は、右側の利用者の黒目領域の色がブラックに変更された画像である。
切り替えボタン513が押下される毎に、左側に写る利用者、右側に写る利用者、2人の利用者の順に、アイカラーツールの対象とする利用者が切り替えられる。
例えば、アイカラーツールの対象とする利用者が左側に写る利用者として選択されている場合、カラー選択ボタン514−1乃至514−4が押下されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、左側の利用者の黒目領域の色が変更された撮影画像に切り替えられる。
また、アイカラーツールの対象とする利用者が全員である2人の利用者として選択されている場合、カラー選択ボタン514−1乃至514−4が押下されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、左側と右側の2人の利用者の黒目領域の色が変更された撮影画像に切り替えられる。
このように、アイカラーツールを利用することにより、利用者は、1枚の撮影画像毎に、かつ、撮影画像に写っている利用者毎に、黒目の色を変えることができる。また、利用者は、2人の利用者の目の色を同時に変えることもできる。
図32のカラー選択ボタン514−4の右下には、アイカラーツールの機能をオフにするときに押下されるオフボタン515が表示される。オフボタン515が押下された場合、編集領域501Rには、黒目処理が施されていない撮影画像が表示される。
図34は、アイカラーツール選択時の画像処理に用いられるマスク画像の例を示す図である。
編集用の撮影画像の生成時、図34Aに示す撮影画像P101に基づいて、図34Bに示すような、目の各領域を表すマスク画像が生成される。上述したように、編集用の撮影画像の生成時、編集用画像生成部432の領域検出部451(図20)においては、機械学習により生成された予測モデルを用いて、目の各領域などを表すマスク画像Mが生成される。
図34Bの例においては、マスク画像Mを構成する画素のうち、2人の利用者のそれぞれの目の輪郭、目の黒目の輪郭、およびまつげを表す画素が白色の画素によって表されている。このようなマスク画像Mを用いて、黒目処理部433Aにより黒目処理が行われる。
図35は、黒目領域の色の変更の例を示す図である。
アイカラーツールによって黒目の色を変更することが選択された場合、黒目処理部433Aは、マスク画像Mを用いて、アイカラーツールの対象とする利用者の黒目領域を抽出する。図35の上段の例においては、右目ERの黒目領域A11Rと、左目ELの黒目領域A11Lがマスク画像Mに基づいて抽出されている。
また、黒目処理部433Aは、抽出した黒目領域である黒目領域A11R,A11Lを構成する画素の色を、ブラウン、ショコラ、グレー、ブラックの中から利用者により選択された色に変更する。図35の下段において黒目領域A11R,A11Lにハッチを付して示していることは、黒目領域A11R,A11Lの画素の色が変更されていることを表す。
黒目領域を構成する画素の色の変更は、例えば、オリジナルの色の色相を、選択された色に応じた量だけ変更するようにして行われる。ブラウン、ショコラ、グレー、ブラックのそれぞれの色に対しては、変更の程度(量)を含む、色相の変更の仕方があらかじめ設定されている。
すなわち、選択された色に変更するのではなく、オリジナルの黒目の色を基準にして、その基準の色を、選択された色に応じて調整するようにして色の変更が行われる。
色相ではなく、明度、彩度などの他のパラメータを変更することによって、または、複数のパラメータの組み合わせを変更することによって、黒目領域の色が変更されるようにしてもよい。
黒目領域を構成する各画素に対してフィルタ処理を施したり、所定のトーンカーブを用いて輝度を調整したりするようにして色の変更が行われるようにしてもよい。
このように、黒目領域の色の変更は、黒目領域の形状と同じ形状を有する略円形の画像を撮影画像の上に合成するのではなく、撮影画像の画素の色自体を変更するようにして行われる。また、人ごとに微妙に異なるオリジナルの色を元にして、オリジナルの色を変更するようにして黒目領域の色の変更が行われる。
ブラウン、ショコラ、グレー、ブラックの中から同じ色を選択したとしても人ごとに微妙に異なる色となるため、黒目領域の印象を、違和感なく、自然な見映えがする状態で変更することが可能となる。
仮に、所定の色の円形の画像を黒目領域に合成する形で黒目領域の色の変更が行われるとした場合、人によっては、黒目領域の色が大きく変わってしまったり、目の向きやストロボ光の当たり方などに応じた見え方の違いが損なわれてしまったりすることがあるが、そのような不自然な色の変更が行われるのを防ぐことが可能となる。
・輪郭濃度調整ツール
次に、輪郭濃度調整ツールを用いて行われる目の輪郭の濃さの調整について説明する。
選択ボタン511−3が押下された場合、編集パレット503Rには、例えば、目の輪郭の濃さの調整に用いられるスライドバーが表示される。編集パレット503Rの左側には顔画像領域512が表示される。
顔画像領域512に顔が表示されている利用者を対象として、目の輪郭の濃さを変更する処理である輪郭濃度調整処理が輪郭調整部433B(図19)により行われる。輪郭濃度調整処理も、領域検出部451により生成されたマスク画像Mを用いて行われる。
図36は、目の輪郭の濃さの調整の例を示す図である。
目の輪郭を濃くすることが輪郭濃度調整ツールによって選択された場合、輪郭調整部433Bは、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげを、マスク画像Mを用いて抽出する。
また、輪郭調整部433Bは、抽出したそれぞれの部分が濃くなるように、画素の色を調整する。例えば、抽出したそれぞれの部分を太くすることによって、または、色を濃くすることによって、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげの調整が行われる。図36の下段の例においては、目の輪郭、目の黒目の輪郭(左右の縁)、および、まつげが、図36の上段の状態より濃い状態で示されている。
図37は、目の輪郭の濃さの調整の他の例を示す図である。
目の輪郭を薄くすることが輪郭濃度調整ツールによって選択された場合、輪郭調整部433Bは、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげを、マスク画像Mを用いて抽出する。
また、輪郭調整部433Bは、抽出したそれぞれの部分が薄くなるように、画素の色を調整する。例えば、抽出したそれぞれの部分を細くすることによって、または、色を薄くすることによって、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげの調整が行われる。
このように、目の輪郭の調整は、マスク画像Mに基づいて、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげを一体として調整するようにして行われる。スライドバーが複数表示され、目の輪郭、目の黒目の輪郭、および、まつげの濃さのそれぞれを調整することができるようにしてもよい。
このような輪郭濃度調整処理が、輪郭濃度調整ツールの対象とする利用者を選択して行われる。
例えば、図32を参照して説明したように、輪郭濃度調整ツールの対象とする利用者が右側に写る利用者として選択されている場合、スライドバーが操作されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、右側の利用者の目の輪郭の濃さが変更された撮影画像に切り替えられる。
同様に、輪郭濃度調整ツールの対象とする利用者が左側に写る利用者として選択されている場合、スライドバーが操作されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、左側の利用者の目の輪郭の濃さが変更された撮影画像に切り替えられる。
また、輪郭濃度調整ツールの対象とする利用者が2人の利用者として選択されている場合、スライドバーが操作されることに応じて、編集領域501Rの撮影画像が、左側と右側の2人の利用者の目の輪郭の濃さが変更された撮影画像に切り替えられる。
このように、輪郭濃度調整ツールを利用することにより、利用者は、1枚の撮影画像毎に、かつ、撮影画像に写っている利用者毎に、目の輪郭の濃さを変えることができる。また、利用者は、2人の利用者の目の輪郭の濃さを同時に変えることもできる。
アイカラーツールと輪郭濃度調整ツールを合わせて利用することにより、利用者は、黒目の色については利用者毎に個別に調整し、目の輪郭などの濃さについては2人まとめて調整するといったことが可能となる。また、利用者は、黒目の色については2人まとめて調整し、目の輪郭などの濃さについては利用者毎に個別に調整するといったことが可能となる。
<変形例>
・他のメイクツールの例
メイクツールとして用意されるリップツール、チークツールを用いた処理が、アイカラーツールと同様にして行われるようにしてもよい。
例えば選択ボタン511−4が押下され、リップツールが選択された場合、リップツールの対象として選択された利用者の唇の色が、編集パレット503Rに表示されたボタンを用いて選択された色に応じて変更される。マスク画像を用いて抽出された唇領域を構成する画素の色の変更が、オリジナルの唇の色を基準にして、その基準の色を、選択された色に応じて調整するようにして行われる。
・出力先に応じた処理の切り替え
アイカラーツールによって色が変更される黒目領域は、画像全体に対して狭い領域である。仮に、黒目領域の色を変更した複数枚の画像を並べてシール紙に印刷した場合、それぞれの画像に写る黒目が小さいために、レイアウトによっては、黒目領域の色の違いを表現できないことがある。また、黒目全体が不自然な色に見えてしまうことがある。
アイカラーツールによる黒目領域の色の変更が、編集画面に表示する画像には反映され、シール紙に印刷する画像には反映されないようにしてもよい。この場合、それぞれの撮影画像を対象として、編集画面に表示する画像を生成するための処理と、シール紙に印刷する画像を生成するための処理とが、利用者の操作に応じて行われることになる。
すなわち、撮影画像P101が編集対象として選択されている場合において、アイカラーツールによる黒目領域の色の変更が利用者により指示された場合、黒目領域の色を変更した撮影画像P101が、編集画面に表示する画像として生成されるとともに、黒目領域の色を変更していない撮影画像P101が、シール紙に印刷する画像として生成される。
これにより、画像の出力先に応じて適切な画像を生成することができ、不自然な見え方の画像がシール紙に印刷されてしまうといったことを防ぐことが可能となる。
なお、黒目領域の色を変更した状態で編集画面に表示された撮影画像P101に対しては、各種の編集ツールを用いた編集が利用者の操作に応じて施される。編集については施され、黒目領域の色については変更されていない画像がシール紙には印刷されることになる。
画像の出力先が編集画面(タブレット内蔵モニタ131)またはシール紙であるものとしたが、他の出力先に応じて処理が切り替えられるようにしてもよい。出力先には、タッチパネルモニタ92などの写真シール作成装置1に設けられる構成だけでなく、利用者のスマートフォンのモニタ、画像管理サーバが含まれる。
なお、画像の印刷媒体がシール紙である場合について説明したが、印刷用紙、樹脂製のカード、布などの各種の媒体がシール紙に代えて用いられるようにしてもよい。
・プログラムについて
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図16に示されるリムーバブルメディア319に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM312や記憶部316に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。