JP2021039185A - 画像形成装置 - Google Patents

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真人 吉岡
斎藤 益朗
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益朗 斎藤
恵 斎藤
Megumi Saito
恵 斎藤
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Abstract

【課題】より測定が容易なニップ画像を形成可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】制御部は、検査モードにおいて、複数のトナー層が積層されて形成された検査用画像をシートに転写すると共に定着させる検査用画像形成処理と、前記検査用画像が定着ニップによって挟持された状態で定着部によるシートの搬送を停止させることで、前記定着ニップの形状に対応したニップ画像をシートに形成するニップ画像形成処理と、を実行し、転写部によってシートに転写された前記複数のトナー層は、第1の色のトナーによって形成される最上層の第1トナー層と、前記第1トナー層に隣接すると共に第1の色とは異なる第2の色のトナーによって形成される第2トナー層と、を有し、前記第1の色は、有彩色である。【選択図】図8

Description

本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式のプリンタ等の画像形成装置には、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着装置が設けられている。定着装置は、定着ローラと加圧ローラとを有しており、これら定着ローラ及び加圧ローラによって形成される定着ニップにおいてシートに熱及び圧力が加えられることで、トナー像がシートに定着される。加圧ローラは、耐久劣化によって硬度が低下し、これによって定着ニップの幅が大きくなる。
トナー像のシートへの定着性は、トナー像が定着ニップ内で受ける温度や圧力並びにトナー像が定着ニップを通過する時間等に影響される。定着ニップの幅が大きくなると、トナー像が定着ニップを通過する時間が延び、画像不良等の原因となる。このため、定着ニップの幅を測定するための画像を形成した測定シートを形成する技術が知られている。測定シートには、まず黒色画像が形成され、定着ニップが黒色画像を挟持した状態で一定時間定着装置を停止することで、黒色画像の定着ニップによって挟持された部分のみ光沢度の異なるニップ跡が形成される。そして、ユーザがノギス等によってニップ跡を測定することで、定着ニップの幅が得られる。
従来、黒色画像が形成された測定シートの後端が定着ニップを抜けた後に、シートの搬送方向を変更して再び定着ニップに黒色画像が挟持させる画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。また、黒色画像が形成された測定シートの表裏を反転させるように定着ニップに測定シートを搬送し、黒色画像が加圧ローラに押圧されることで黒色画像上にニップ跡を形成する画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平7−104604号公報 特開2003−167458号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の画像形成装置では、いずれも単色の黒色画像にニップ跡を形成する。この場合、測定シートに形成されたニップ跡は、測定シートに用いるトナーの特性やシートの表面性によっては、その境界が曖昧で測定が困難となり、定着ニップの幅を測定する際の精度が低下してしまう虞があった。
そこで、本発明は、より測定が容易なニップ画像を形成可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置において、未定着トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と共に転写ニップを形成し、前記像担持体に担持された前記未定着トナー像を前記転写ニップにおいてシートに転写する転写部と、複数色のトナーを格納する格納部と、を有する画像形成部と、第1回転体と、前記第1回転体と共に定着ニップを形成する第2回転体と、前記第1回転体を加熱する加熱部と、を有し、シートに転写された前記未定着トナー像を、前記定着ニップにおいて熱及び圧力によって定着トナー像としてシートに定着させる定着部と、前記定着ニップの形状測定に用いる測定シートを作成する検査モードを実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記検査モードにおいて、複数のトナー層が積層されて形成された検査用画像をシートに転写すると共に定着させる検査用画像形成処理と、前記検査用画像が前記定着ニップによって挟持された状態で前記定着部によるシートの搬送を停止させることで、前記定着ニップの形状に対応したニップ画像をシートに形成するニップ画像形成処理と、を実行し、前記転写部によってシートに転写された前記複数のトナー層は、第1の色のトナーによって形成される最上層の第1トナー層と、前記第1トナー層に隣接すると共に第1の色とは異なる第2の色のトナーによって形成される第2トナー層と、を有し、前記第1の色は、有彩色である、ことを特徴とする。
本発明によると、測定が容易なニップ画像を形成することができる。
実施例1に係るプリンタを示す全体概略図。 定着装置を示す断面図。 実施例1に係る制御系を示すブロック図。 検査モードの動作を示すフローチャート。 測定シートを示す平面図。 各例におけるニップ画像内外の色差を示すグラフ。 第2トナー層の印字率と、ニップ画像内外の色差と、の関係を示すグラフ。 トナー色間の色差と、ニップ画像内外のと、の関係を示すグラフ。 実施例1の未定着の検査用画像を定着する際の定着ヒータの目標温度と、ニップ画像内外の色差と、の関係を示すグラフ。 定着ニップ幅と、定着ヒータの目標温度と、の関係を示すグラフ。 実施例2に係るプリンタを示す全体概略図。 読取部によるニップ画像の読取り例を説明するための図。 シート搬送方向の各位置における色差を示すグラフ。 各例における、シート搬送方向の各位置での色差を示すグラフ。 (a)は参考例1〜3におけるニップ画像内外の色差を示すグラフ、(b)は参考例1〜3におけるニップ画像内外の光沢度差を示すグラフ。
<実施例1>
〔全体構成〕
まず、本発明の実施例1について説明する。画像形成装置としてのプリンタ100は、電子写真方式のフルカラーレーザビームプリンタである。プリンタ100は、図1に示すように、シートPに画像を形成する画像形成部50と、定着装置30と、給送部80と、排出ローラ対20と、再搬送部90と、を有している。また、プリンタ100は、プリンタ100を制御する制御部200と、画像形成用の画像信号を形成するビデオコントローラ201と、を有している。
画像形成部50は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジ5Y,5M,5C,5Kと、スキャナユニット7Y,7M,7C,7Kと、を備えている。スキャナユニット7Y,7M,7C,7Kは、レーザダイオードを用いたポリゴンスキャナである。
なお、4つのプロセスカートリッジ5Y,5M,5C,5Kは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成である。そのため、プロセスカートリッジ5Yの構成及び画像形成プロセスのみを説明し、プロセスカートリッジ5M,5C,5Kの説明は省略する。
プロセスカートリッジ5Yは、感光ドラム1と、帯電ローラ2及びクリーニングブレード4を収容する廃トナー容器24と、現像ローラ3を収容するトナー容器23と、を有している。感光ドラム1は、アルミシリンダの外周に有機光導電層を塗布して構成され、不図示の駆動モータによって回転する。トナー容器23内のトナーは、負帯電の非磁性一成分トナーである。
なお、画像形成部50は、複数色のトナーを格納する格納部26を有している。本実施例1では、格納部26は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーをそれぞれ格納する各プロセスカートリッジのトナー容器23によって構成されている。また、プロセスカートリッジとは別に、プリンタ本体から着脱可能に設けられたトナーボトルを設けた場合には、このトナーボトルによって格納部26を構成してもよい。
また、画像形成部50には、駆動ローラ9及び二次転写対向ローラ10に巻き掛けられた中間転写ベルト8が設けられ、中間転写ベルト8の内側には、一次転写ローラ6Y,6M,6C,6Kが設けられている。駆動ローラ9の近傍には、中間転写ベルト8に残ったトナーを掻き取るクリーニングブレード21が設けられており、クリーニングブレード21によって掻き取られたトナーは、廃トナー容器22に回収される。また、中間転写ベルト8を挟むように、二次転写対向ローラ10に対向して転写部としての二次転写ローラ11が設けられており、中間転写ベルト8及び二次転写ローラ11は、搬送されるシートPに画像を転写する転写ニップN1を形成している。定着装置30については後述する。
給送部80は、プリンタ100の下部に設けられ、シートPを支持するカセット13と、カセット13に支持されたシートPを給送するピックアップローラ14と、を有している。また、給送部80は、ピックアップローラ14によって給送されたシートPを1枚ずつに分離する分離ローラ対15を有している。
ここで、プリンタ100に設けられる各搬送路及びシートを搬送するための構成要素について説明する。プリンタ100は、給送搬送路R1と、給送搬送路R1のシート搬送方向における下流端である分岐点BP1において分岐する排出搬送路R2と、分岐点BP1から延び、合流点BP2において給送搬送路R1に合流する両面搬送路R3と、を有する。
給送搬送路R1には、レジストレーションローラ対16が設けられている。分岐点BP1には、給送搬送路R1から来たシートPを排出搬送路R2に案内すると共に、排出搬送路R2から来たシートPを両面搬送路R3に案内する案内部材40が設けられている。
排出搬送路R2には、正逆転可能に構成され、シートPをスイッチバックして反転搬送可能な排出ローラ対20が設けられている。また、両面搬送路R3には、シートを搬送する搬送ローラ対41,43が設けられている。これら両面搬送路R3及び搬送ローラ対41,43は、定着装置30を通過したシートPを再び定着装置30に向けて搬送する再搬送部90を構成している。
次に、このように構成されたプリンタ100の画像形成動作について説明する。不図示のパソコン等から画像信号がスキャナユニット7Yに入力されると、スキャナユニット7Yから、画像信号に対応したレーザ光がプロセスカートリッジ5Yの感光ドラム1上に照射される。
この時、感光ドラム1は、帯電ローラ2により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナユニット7Yからレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像ローラ3により現像され、感光ドラム1上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
同様にして、プロセスカートリッジ5M,5C,5Kの各感光ドラムにもスキャナユニット7M,7C,7Kからレーザ光が照射され、各感光ドラムにマゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ6Y,6M,6C,6Kにより中間転写ベルト8に転写され、駆動ローラ9によって矢印E方向に回転する中間転写ベルト8により転写ニップN1まで搬送される。すなわち、像担持体としての中間転写ベルト8は、未定着トナー像を担持する。なお、各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト8上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。また、トナー像の転写後に感光ドラム1に残ったトナーは、クリーニングブレード4によって回収される。
この画像形成プロセスに並行して、給送部80のカセット13に収容されたシートPは、ピックアップローラ14により送り出され、分離ローラ対15により1枚ずつに分離される。そして、シートPは、レジストレーションローラ対16により斜行が補正され、転写ニップN1での画像の転写タイミングに合わせて所定の搬送タイミングで搬送される。
シートPには、二次転写ローラ11に印加された二次転写バイアスによって、転写ニップN1において中間転写ベルト8上のフルカラーの未定着トナー像が転写される。未定着トナー像が転写されたシートPは、定着装置30によって所定の熱及び圧力が付与されて、未定着トナー像が定着トナー像として溶融固着(定着)される。定着装置30を通過したシートPは、案内部材40によって排出搬送路R2に案内され、排出ローラ対20によって排出トレイ45に排出される。
シートの両面に画像を形成する両面印刷ジョブが入力された際には、第1面に画像を形成され定着装置30を通過したシートPは、案内部材40によって排出搬送路R2に案内される。排出搬送路R2に案内されたシートPは、排出ローラ対20によってまず機外に向けて搬送される。そして、シートPの後端が分岐点BP1を通過すると、排出ローラ対20は逆転し、排出ローラ対20によって反転されたシートPは、両面搬送路R3を搬送される。
シートPは、搬送ローラ対41によって搬送されて合流点BP2において給送搬送路R1に合流する。給送搬送路R1に合流したシートPは、第1面と同様に第2面に画像が形成され、排出トレイ45に排出される。
なお、本実施例1では、プリンタ100の最大通紙幅はA4サイズであり、A4サイズのシートPを縦方向に搬送して、毎分40ページプリントする。画像形成時におけるプリンタ100内でのシートPの搬送速度は、240[mm/s]である。
〔定着装置〕
次に、定着部としての定着装置30について詳述する。図2は、定着装置30を示す拡大断面図であり、図1に示された定着装置30を右方向に90度回転させた状態で表されている。定着装置30は、図2に示すように、第1回転体としての定着フィルム31と、第2回転体としての加圧ローラ32と、加熱部としての定着ヒータ33と、ヒータホルダ34と、加圧ステー35と、入口ガイド36と、を有している。
定着フィルム31は、基層311の外周面上に弾性層312と表層313が設けられた無端状フィルムによって形成されている。弾性層312は、定着性の向上や光沢度の均一化を目的として、シリコンゴムなどの耐熱性を有する弾性材料によって構成される。表層313は、シートPとの分離性の向上、トナー像Tのオフセット抑制を目的として、フッ素樹脂等の耐熱性を有する離型性の良い材料で構成される。
加圧ローラ32は、芯軸部321と、少なくとも1層以上の弾性層322と、表層323とを有する。弾性層322は、定着ニップN2のシート搬送方向における幅を確保するために、シリコンゴム或いはフッ素ゴムなど耐熱性を有する弾性材料で構成される。表層323は、トナーや紙粉による汚れを防止するために、フッ素樹脂等の耐熱性を有する離型性の良い材料で構成される。
定着ヒータ33は、定着フィルム31の内周面と接触しながら定着フィルム31を急速加熱する板状発熱体である。定着ヒータ33の温度は、基板の裏面に設けられているサーミスタ331により検知される。そして、サーミスタ331の検知信号に基づいて定着ヒータ33が所定の目標温度になるように通電発熱抵抗層への通電が制御される。本実施例1では、目標温度Ttgを200℃とした。
ヒータホルダ34は、定着ヒータ33を保持している。加圧ステー35は、剛性を有する部材で構成され、不図示の加圧手段から受けた加圧力を、ヒータホルダ34を介して加圧ローラ32に付与する。この加圧力により、定着フィルム31と加圧ローラ32との間に所定幅の定着ニップN2が形成される。本実施例1における定着ニップN2のシート搬送方向Dにおける幅は、例えば8±1[mm]に設定される。
加圧ローラ32は、不図示の定着モータによって、矢印RD1方向に回転される。そして、定着フィルム31は、加圧ローラ32の回転に伴い、矢印RD2方向に従動回転する。定着ヒータ33は、急速昇温して定着フィルム31を加熱する。定着ヒータ33が目標温度Ttg=200℃に制御された状態において、シートPが入口ガイド36に沿って定着ニップN2に案内され、定着フィルム31と加圧ローラ32とによりシート搬送方向Dに挟持搬送される。その搬送過程において、シートPには熱と圧力が付与され、未定着のトナー像TがシートPに定着される。
〔制御系〕
次に、プリンタ100の制御系について説明する。図3に示すように、プリンタ100は、制御部200を有しており、制御部200は、プリンタ100全体を制御するCPU202と、ワークメモリであるRAM203と、各プログラムが格納されたROM204と、を有している。ROM204には、シートに画像形成を行うための画像形成制御シーケンスと、定着装置30の定着ニップN2を測定するための測定シートを作成するための検査モードシーケンスと、が記憶されている。また、ROM204には、測定シートに形成する検査用画像等が記憶されている。
制御部200には、操作部210と、ビデオコントローラ201と、が接続されている。操作部210は、各種設定を行うための物理ボタンや液晶画面を有しており、ユーザは、使用するシートの属性等の様々な情報を、操作部210を介して入力することができる。ビデオコントローラ201は、ホストコンピュータなどの外部装置から画像データを受信すると、制御部200にプリント信号を送信するとともに受信した画像データをビットマップデータに変換するように構成されている。
制御部200の入力側には、サーミスタ331が接続されている。また、制御部200の出力側には、転写モータ220、定着モータ230及び定着ヒータ33が接続されている。定着ヒータ33は、サーミスタ331の検知結果に基づいて、所定の目標温度に制御される。
転写モータ220は、駆動ローラ9を駆動し、駆動ローラ9を駆動することで転写ニップN1においてシートPを搬送することができる。定着モータ230は、加圧ローラ32を駆動し、加圧ローラ32を駆動することで定着ニップN2においてシートPを搬送することができる。
なお、駆動ローラ9ではなく、二次転写対向ローラ10を転写モータ220によって駆動してもよい。また、転写モータ220及び定着モータ230の2つの駆動源ではなく、1つの駆動源によって転写ニップN1及び定着ニップN2におけるシートの搬送を制御してもよい。
〔定着温度の耐久補正〕
次に、耐久起因の画像不良の未然予防を目的とした定着温度の耐久補正について説明する。定着装置30は耐久に伴い、加圧ローラ32の弾性層322が劣化して定着ニップN2のシート搬送方向Dにおけるニップ幅が広がる。定着ニップ幅が広がると、定着ヒータ33の温度が一定に保たれていても、定着フィルム31からシートPへの供給熱量が増加してしまう。その結果、未定着トナー像の定着時にトナー像Tに過剰な熱量が付与され、トナー像Tの一部が定着フィルム31に付着してしまう。定着フィルム31に付着したトナーは、定着フィルム31の1回転後にシートPに定着され、一周前の画像がオフセットしたような画像不良(以降、ホットオフセットと称する)を発生させる。
このホットオフセットを防止するには、定着ニップ幅の変化に応じて定着温度を補正し、シートPへの供給熱量を一定に保つ必要がある。このためには、定着ニップ幅を正確に把握することが重要である。
そこで、本実施例1では、定着ニップN2の形状測定に用いる測定シートを作成する検査モードを実行可能である。測定シートには、定着ニップN2の形状に対応したニップ画像が形成され、ニップ画像から、ユーザはノギス等を用いて、定着ニップN2のシート搬送方向Dにおける幅である定着ニップ幅L3(図5参照)を測定可能である。検査モードは、ホストコンピュータなどの外部装置やプリンタ100の操作部210からの明示的な指示により実行される。
〔検査モード〕
次に、図4のフローチャートを参照して、検査モードの動作について説明する。検査モードがスタートすると、制御部200は、給送部80によってカセット13内のシートPを給送する(ステップS1)。次に、制御部200は、ROM204に記憶されている検査用画像300(図5参照)を、上述したプリンタ100の画像形成動作と同様にシートに未定着トナー像として形成する(ステップS2)。
次に、制御部200は、未定着の検査用画像300を定着装置30によってシートに定着させる(ステップS3)。これらステップS2,S3は、検査用画像300をシートに転写するとともに定着させる検査用画像形成処理を構成する。そして、制御部200は、両面印刷時と同様に、シートを両面搬送路R3に搬送し、給送搬送路R1に合流させる(ステップS4,S5)。なお、シートは、両面搬送路R3を通過する際に表裏が反転する為に、給送搬送路R1を通過する際には検査用画像は加圧ローラ32に対向することとなる。
次に、制御部200は、シートを定着ニップN2へ再導入させる(ステップS6)。なお、給送搬送路R1をこのシートが通過する際には、シートの搬送の為に中間転写ベルト8及び二次転写ローラ11は回転させるものの、二次転写ローラ11へのバイアス印加は行われない。また、中間転写ベルト8の回転に伴って、感光ドラム1は帯電ローラ2に帯電されながら帯電ローラ2と共に回転するものの、現像ローラ3はバイアス印加されず回転するのみである。また、スキャナユニット7Yによる感光ドラム1への露光も行われない。よって、シートに対するトナー像の形成は行われない。また、これらの回転動作については、プロセスカートリッジ5Yに限らず、プロセスカートリッジ5M,5C,5Kについても同様である。
なお、画像形成部50に離間機構を設け、離間機構によって感光ドラム1を中間転写ベルト8から離間させ、プロセスカートリッジ5Yの感光ドラム1、帯電ローラ2及び現像ローラ3の回転を停止してもよい。
次に、制御部200は、定着ニップN2へ再導入されたシートを、検査用画像300が定着ニップN2によって挟持された状態で停止させることで、定着ニップN2の形状に対応したニップ画像IM(図5参照)をシートに形成する(ステップS7)。例えば、本実施例1では、シートを30秒間一時停止する。なお、この時、加圧ローラ32は、検査用画像300に接触した状態で停止する。ステップS7は、ニップ画像形成処理を構成する。
この時、安全のために定着ヒータ33への通電を停止されるが、それまでの定着動作によって定着フィルム31及び加圧ローラ32は昇温しており、その余熱によって定着ニップN2において検査用画像300が加熱される。プリンタ100の通常画像形成時のシートPの定着ニップN2を通過する際の時間は、定着ニップ幅÷シートPの搬送速度で求められる。本実施例1では、例えば、定着ニップ幅=8[mm]、シートPの搬送速度=240[mm/s]に設定され、上記時間は0.033[s]となる。
これに対して、検査モードにおけるシートの一時停止時間は30秒と著しく長いため、定着装置30の余熱のみでシート上の検査用画像300を溶融可能となる。なお、定着ニップN2におけるシートの停止は、制御部200が定着モータ230を停止させることで行われるが、シートの搬送にかかわる全てのローラが停止される。例えば、シートが転写ニップN1にも挟持されていれば、転写ニップN1も停止される。
ステップS7において一定時間(例えば30秒)シートが停止された後、制御部200は、シートを再搬送し、排出ローラ対20によって排出トレイ45に排出させる(ステップS8)。これにより、ニップ画像IM(図5参照)が形成された測定シートPmが得られ、以上で検査モードの動作が終了する。
〔測定シート〕
測定シートPmについて、図5にその一例を示す。測定シートPmには、検査用画像300が形成されており、検査用画像300の内部において定着ニップN2のニップ跡であるニップ画像IMが形成されている。検査用画像300内において、ニップ画像IMは、それ以外のエリアと異なる色味となっている。
本実施例1において、測定シートPmに用いるシートPのサイズはA4サイズである。上述したように、プリンタ100の最大通紙幅はA4サイズであり、検査用画像300をシート搬送方向Dに直交する幅方向Wにおいてより長大に形成する為に、A4サイズのシートPが使用される。検査用画像300を幅方向Wにおいて長大に形成することで、より幅方向Wの広い範囲で定着ニップ幅に関する情報を得ることができる。
本実施例では、検査用画像300の幅方向における長さL1=200[mm]、シート搬送方向Dにおける長さL2=60[mm]に設定されている。なお、測定シートPmに使用されるシートPや検査用画像300のサイズは、この限りではない。検査用画像300は、シート搬送方向Dにおいて、シートの先端から118.5[mm]の位置から画像形成されている。
また、検査用画像300の長さL2は、当然ながら定着ニップ幅L3よりも大きい(L2>L3)。また、図4のステップS7で説明したシートの一時停止タイミングは、検査用画像300が定着ニップN2に挟持されるように、シートの搬送と同期して実行される。また、測定シートPmには、RedLabel紙(80g/m)が用いられている。
〔測定シートに用いるトナー及びシートの種類と色差並びに光沢度差の関係〕
ここで、測定シートに用いるトナー及びシートの種類と、ニップ画像の境界における色差並びに光沢度差の関係について、図15(a)(b)を用いて説明する。図15(a)は、参考例1〜3におけるニップ画像内外の色差ΔEを示し、図15(b)は、参考例1〜3におけるニップ画像内外の光沢度差を示している。なお、図15(a)(b)の参考例では、いずれも測定シートに検査用画像として、トナーA又はトナーBのみの単色のベタ塗り画像を形成している。
参考例1は、測定シートにトナーAとRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。参考例2は、測定シートにトナーAとCanon GF−C081紙(81.4g/m)を用いた例である。参考例3は、測定シートにトナーBとRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。トナーA及びトナーBは、それぞれブラックトナーであって、いずれもポリスチレンを母体とするトナーであるが、トナーBに用いるポリスチレンのガラス転移点Tgは、トナーAのポリスチレンに比べ10℃程度高い。
また、ニップ画像内外の色差ΔEとは、ニップ画像と、ニップ画像IM以外の検査用画像300の領域と、の間の、Lab色空間の明度(L)と補色次元(a及びb)より算出される色差である。具体的には、色差ΔEは、測定シート上のベタ黒画像の中で、ニップ画像内の領域における画像部のLi,ai,bi測定値と、ニップ画像外の領域における画像部のLj,aj,bj測定値から求められる。ここでは、CIE1976色差計算式である以下の式(1)から色差ΔEを求める。
Figure 2021039185
なお、それぞれのL,a,b値は、分光光度計spectrolino(GretagMacbeth社製)により測定した。
また、図15(b)に示す光沢度差とは、測定シート上のベタ黒画像の中で、ニップ画像内の領域における画像部の光沢度と、ニップ画像外の領域における画像部の光沢度の差である。なお、それぞれの光沢度は、光沢計PG−1(75°、日本電色社製)により測定した。
図15(a)(b)から分かるように、参考例3のトナーとシートの組み合わせが最も色差ΔE及び光沢度差が大きく、ニップ画像から定着ニップ幅を測定しやすい。また、参考例3に比較してトナーAを使用した参考例1は、参考例3よりも色差ΔE及び光沢度差の両方が低い。参考例1に比較してGF−C081紙を使用した参考例2は、参考例1よりも色差ΔEは大きいが光沢度差は低くなる。
このように、色差ΔEや光沢度差は、使用するトナーの溶融特性や使用するシートの表面性に影響される。よって、使用するトナーやシートの種類によっては、ニップ画像の測定が困難となる場合があり、予め色差ΔEや光沢度差が大きい組み合わせのトナーやシートを準備する必要が出てきてしまう。そこで、本実施例1では、以下のような条件で検査用画像300を形成することで、より測定が容易なニップ画像を形成可能にした。
〔検査用画像の形成条件〕
本実施例1の測定シートPmに形成される検査用画像300は、複数のトナー層を有しており、測定シートPmに転写された状態において、最上層の第1トナー層と、第1トナー層に隣接する第2トナー層を有している。言い換えれば、第1トナー層は、複数のトナー層の内、シートの表面に対して最も離れたトナー層であり、第2トナー層は、第1トナー層の次にシートの表面に対して離れたトナー層である。
第1トナー層は、第1の色のトナーによって形成され、第2トナー層は、第1の色とは異なる第2の色のトナーによって形成される。すなわち、検査用画像300は、2色以上のトナー色からなる。本実施例1では、第1の色は、ブラックやホワイトを除く有彩色である。
以下では、シートのトナー印字範囲における、単位面積当たりのトナー被覆割合を、印字率と定義して説明する。例えば、測定シートPm上に、最上層である第1トナー層にイエロートナー(印字率100%)、その下層の第2トナー層にブラックトナー(印字率100%)の検査用画像300を形成した場合を考える。この場合、検査用画像300は、黒みがかったイエロー色となる。
このような検査用画像300を定着ニップN2で挟持した状態で測定シートPmの搬送を停止すると、第1トナー層が溶融して透明度が高くなるため、外観上、第2トナー層のトナー色を発色する。例えば、上記の例では、定着ニップN2に挟持された領域であるニップ画像IMは、その他の検査用画像300の領域に比して黒みの濃い色となる。従って、単色トナーで形成した検査用画像に比べ、ニップ画像IM内外の色差ΔEを大きくすることができ、より測定が容易なニップ画像IMを形成することができる。
また、この時、最上層の第1トナー層は、ブラックトナー以外のトナー色から選択される。ブラックは、入射光の吸収色であるため、測定シートPmの一時停止工程で溶融を進めても第2層のトナー色を発色し難く、ニップ画像IM内外の色差ΔEを大きくできない。また本実施例1のプリンタ100には備えないが、ホワイトトナーも第1トナー層として好ましくない。一般的にホワイトトナーは、白色を実現するため、入射光の屈折や散乱を大きくし隠蔽性の高い特性を備えるので、溶融による第2層のトナー色の発色を大きくできず、本発明のような使用方法には不向きである。
なお必ずしも必須要件ではないが、第1トナー層のトナー色を第2トナー層のトナー色に対して、Lab色空間における明度(L)の大きいトナー色を選択することが望ましい。理由としては、ブラックトナーを第1トナー層に使用しないことと同様で、シートの一時停止工程での溶融時に、第2トナー層のトナー色の発色阻害を回避するためである。
以上の説明について、具体例を図6に示す。図6は、比較例1〜3及び実施例1におけるニップ画像内外の色差ΔEを示しており、色差ΔEの算出方法は、図15において説明した方法と同一である。
比較例1は、測定シートPmにブラックトナー(印字率100%)とRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。比較例2は、測定シートPmにブラックトナー(印字率100%)とCanon GF−C081紙(81.4g/m)を用いた例である。実施例1は、イエロートナー(印字率100%)を用いた第1トナー層と、ブラックトナー(印字率100%)を用いた第2トナー層と、によって検査用画像300を構成し、かつ測定シートPmにRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。比較例3は、ブラックトナー(印字率100%)を用いた第1トナー層と、イエロートナー(印字率100%)を用いた第2トナー層と、によって検査用画像300を構成し、かつ測定シートPmにRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。
比較例1及び比較例2は、図15(a)で説明した参考例1及び参考例2とそれぞれ同一である。図6に示すように、比較例1に比べ実施例1の場合には、色差ΔEが著しく大きくなっており、よりニップ画像IMの境界が明瞭で、ニップ画像IMの測定が容易となっている。また、実施例1は、比較例2と比べても、同じRedLabel紙を使用したままで色差ΔEを大きくすることができ、優れた視認性を得ることができる。一方で、実施例1に対して第1トナー層と第2トナー層の積層順を入れ替えた比較例3は、比較例1の色差ΔEと大差なかった。
次に、測定シートPmに形成する検査用画像300を複数のトナー色で形成するにあたり、最適条件を説明する。
まず、測定シートPmの検査用画像300は、必ずしも実施例1のように印字率100%同士のトナー像の組み合わせである必要はなく、低印字率のトナー像を用いても構わないが、トナーの印字率は20%以上が好適である。これは、20%未満の印字率の場合、トナー像としての濃度が低くなり、シートの一時停止工程(図4のステップS7参照)を経ても色差ΔEを大きくできないためである。
図7は、第2トナー層(下層)の印字率とニップ画像IM内外の色差ΔEとの関係を示すグラフである。本例では、第1トナー層にイエロートナー(印字率100%)を用い、第2トナー層にブラックトナーを用いており、かつ測定シートPmにCanon RedLabel紙(80g/m)を用いている。また、図7には、目安として比較例1の色差ΔEを破線で示す。
図7に示すように、イエロートナーとブラックトナーの組み合わせでは、ブラックトナーの印字率を20%以上100%以下とするとき、ブラックトナーのみで検査用画像300を形成する比較例1に対し、明らかに色差ΔEを大きくすることができる。一方で、ブラックトナーの印字率を10%とするとき、比較例1と色差ΔEは同等である。従って、イエロートナーとブラックトナーの組み合わせにおいては、第2トナー層のブラックトナーの印字率を20%以上とすることが好ましく、より好ましくは、第2トナー層の印字率を50%以上とすることが望ましい。
また、第1トナー層の印字率は、第2トナー層の印字率と同等以上に設定される。より好適には、検査用画像300が形成される領域内において、第1トナー層の単位面積当たりの印字率は、第2トナー層の単位面積当たりの印字率よりも大きい。これは、測定シートPmの検査用画像300においてニップ画像IMの領域以外では、第2トナー層の発色を第1トナー層で隠蔽する必要があるためである。
次に、検査用画像300を複数のトナー色で形成するにあたり、第1トナー層と第2トナー層のトナー色の組み合わせは、格納部26(図1参照)が格納するトナー色の内、Lab色空間でトナー色間の色差ΔE’が最も大きい組み合わせである。
図8は、トナー色間の色差ΔE’と、ニップ画像IM内外の色差ΔEと、の関係を示すグラフである。なお、図8に示す例では、測定シートPmにCanon RedLabel紙(80g/m)を用い、かつ検査用画像300を2色のトナーで構成している。図8中には、第1トナー層と第2トナー層を、それぞれイエロートナー及びブラックトナー、マゼンダトナー及びシアントナー、シアントナー及びブラックトナー、イエロートナー及びシアントナーで形成した場合の点がプロットされている。なお、これらのトナーは印字率100%で検査用画像300に用いられている。
図8から明らかなように、ニップ画像IM内外の色差ΔEは、単色トナー間の色差ΔE’に正比例している。よって、本実施例のプリンタ100においては、第1トナー層にイエロートナーを、第2トナー層にシアントナーを用いることが好ましい。ただし、このようなトナー特性は、トナー毎に異なるため、事前に単色トナー間の色差ΔE’を把握しておく必要がある。
次に、図4のステップS3の工程での定着ヒータ33の目標温度を、検査モードとは異なるモードにおいて未定着トナー像が定着ニップN2を通過する際の定着ヒータ33の目標温度よりも低く設定する。言い換えれば、検査モードとは異なるモードにおいて、未定着トナー像が定着ニップN2を通過する際の定着ヒータ33の温度を第1温度に設定する。そして、検査モードにおいて、未定着の検査用画像300が定着ニップN2を通過する際の定着ヒータ33の温度を第1温度よりも低い第2温度に設定する。
なお、定着ヒータ33の目標温度を変更せずとも、図4のステップS3において、定着装置30から測定シートPm及び未定着トナー像(検査用画像300)が与えられる熱量が、通常印刷時に定着装置30から与えられる熱量よりも低くなっていればよい。例えば、加圧ステー35の加圧力を調整する調整機構を備え、定着ニップN2の挟持圧を、図4のステップS3において通常印刷時よりも低く設定してもよい。
図9は、実施例1の未定着の検査用画像300を定着する際の定着ヒータ33の目標温度Ttgと、ニップ画像IM内外の色差ΔEと、の関係を示すグラフである。図9から明らかなように、色差ΔEは、目標温度Ttgが低いほど大きくなる。これは、未定着トナー像を低い温度で定着させると、トナーの溶融が進まず第1トナー層の透明度が低くなるので、第1トナー層による第2トナー層の隠蔽性を高くできるためである。すなわち、検査用画像300内にニップ画像IMが形成された状態で、ニップ画像IMの領域外での検査用画像300は、第1トナー層の発色がより強いものとなる。一方で、ニップ画像IMの領域は、図4のステップS7において第1トナー層が十分に溶融するため、ニップ画像IM内外での色差ΔEを大きくすることができ、より測定が容易なニップ画像IMを形成することができる。
また、検査用画像300はニップ画像IMを計測するためのものであるので、通常画像のように、引掻き、折り曲げ、テープの貼り剥がしなどの外的ストレスに、耐性を備える必要がない。また検査用画像300は、長期保存時の画像品質の安定性を備える必要もない。従って、測定シートPmの検査用画像300は、プリンタ100の搬送路を、トナー像で汚さない程度に定着性を確保していればよいので、目標温度Ttgを下げることを可能とする。本実施例では、上述したように通常画像形成時の定着ヒータ33の目標温度Ttgを200℃とするが、図4のステップS3における、定着ヒータ33の目標温度Ttgは185℃としている。
以上のような構成及び工程で作成した測定シートPmを用い、ニップ画像IMが定規やノギス等の測長手段によって測定される。測定内容は、定着ニップ幅L3である。また、ニップ画像IMの幅方向Wにおける中央位置と端部位置における定着ニップ幅の差なども測定される。本実施例においては、ニップ画像IM内外の色差ΔEが大きく、定着ニップ幅L3の測定が容易であるため、測定者毎の測長ばらつきを低減できる。
こうして得られた定着ニップ幅L3の情報は、プリンタ100の操作部210を介して入力され、制御部200のRAM203又はROM204に記憶される。そして、制御部200は、記憶された定着ニップ幅L3、特にニップ画像IMの幅方向Wにおける中央位置での定着ニップ幅L3に基づき、定着ヒータ33の目標温度Ttgを変更する。
図10は、本実施例における定着ニップ幅L3と、定着ヒータ33の目標温度Ttgと、の関係を示すグラフである。図10に示すように、制御部200は、定着ニップ幅L3が大きくなるほど定着ヒータ33の目標温度Ttgを低くし、定着ニップ幅L3が小さくなるほど定着ヒータ33の目標温度Ttgを大きくする。言い換えれば、定着ニップ幅L3が第1の幅の時には、目標温度Ttgを第1の温度に設定し、定着ニップ幅L3が第1の幅よりも大きい第2の幅の時には、目標温度Ttgを第1の温度よりも低い第2の温度に設定する。
このような目標温度Ttgの制御により、定着装置30の性能ばらつきを抑制できる。また、定期的に検査モードを実行して目標温度Ttgを変更することにより、定着装置30の耐久による特性変化に対応でき、より安定的な定着性能が得られる。
なお、本実施例のプリンタ100は、定着ニップ幅L3に応じて目標温度Ttgを変更したが、例えば、加圧ステー35の加圧力を調整する調整機構を備え、定着ニップ幅L3に応じて定着ニップN2の挟持圧を変更してもよい。更に、定着ニップ幅L3が大きいほど、定着装置30のシートPに対する搬送力が高くなるので、定着ニップ幅L3に応じて加圧ローラ32を駆動する定着モータ230の回転速度を変更してもよい。
また、プリンタ100の初期状態に計測された定着ニップ幅L3に対し、使用途中に計測された定着ニップ幅L3が、あらかじめ設定した規定値を超えて変化した場合、ユーザに定着装置30の寿命に関する情報を報知してもよい。この寿命に関する情報は、寿命を迎えたことの通知及び寿命の予告を含み、プリンタ100の操作部210やホストコンピュータ等を介して行われる。また、プリンタ100をインターネット接続し、ネットワーク経由でプリンタ100の外部管理者、例えばサービスマンに定着装置30の寿命に関する情報を伝達してもよい。このような定着装置30の寿命報知により、定着装置30の寿命を超える範囲で使用することによる画像不良の発生を低減できる。また、定着ニップ幅L3を用いたこれらの制御は、複数を同時に行っても構わない。
以上説明したように、プリンタ100は、検査モードにおいて、測定シートPmに複数のトナー層が積層された検査用画像300を形成する。そして、測定シートPm上の検査用画像300は、最上層の第1トナー層を有彩色とすることで、ニップ画像IM内外の色差ΔEを大きくすることができ、よりニップ画像IMの測定を容易にすることができる。
<実施例2>
次いで、本発明の実施例2について説明するが、実施例2は、実施例1のプリンタに読取部44を追加して構成したものである。このため、実施例1と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
図11に示すように、実施例2に係るプリンタ101は、シートP上の画像を読取る読取部44を有している。読取部44は、定着ニップN2と排出部としての排出ローラ対20の間の搬送路である排出搬送路R2に沿って配置されている。また、読取部44は、定着ニップN2を通過する際に加圧ローラ32に対向する側のシートの面に対向するように配置されている。
読取部44は、不図示の発光素子とCIS(Contact Image Sensor)を有しており、シートPの幅方向における全域を読取り可能に構成されている。読取部44は、搬送される測定シートPmの検査用画像300を画素信号として光電読取りし、それをRGBデジタル画像データに変換した上で、制御部200のRAM203に画像データとして保存する。また、CISは、シート搬送方向へ300dpiの解像度で読取ることができる。なお、CISに代えて、CMOSセンサやCCDセンサを適用してもよい。
また、読取部44の読取位置を通過する測定シートPmの搬送速度を遅くすると、読取部44の読取り精度を向上できるので、プリンタ101における図4のステップS8における搬送速度は、通常画像形成時よりも低下させる。より具体的には、通常画像形成時のシートの搬送速度が240[mm/s]なのに対し、検査モードでは読取部44の読取位置を通過時にシートの搬送速度を80[mm/s]にする。
図12は、読取部44によるニップ画像IMの読取り例を説明するための図である。なお、本実施例2では、説明の便宜上、定着ニップ幅L3の計測は、ニップ画像IMの幅方向Wにおける中央位置L1cにて行うが、これに限定されない。例えば、ニップ画像IMの幅方向Wにおける複数の位置で定着ニップ幅L3を計測し、これらを平均化処理してもよい。
読取部44は、測定シートPmのシート搬送方向Dに300dpiのピッチで読取りを行う。ここで、読取部44は、検査用画像300の先端位置L2aから後端位置L2eまで読取りを行い、読取データをRGBデータとして、制御部200のRAM203に保存する。
続いて、制御部200は、RAM203に保存された読取データを用いて、定着ニップ幅L3を検出する。まず、制御部200は、RGBデータをLabデータに変換した後、図12中の位置L2bから位置L2cの範囲の1pixel毎のLabデータを平均化しLab(av)として算出する。先端位置L2aからの範囲を計算範囲としないのは、測定シートPmの搬送精度や検査用画像300の書出し位置などのばらつきに対するマージンを持たせるためである。本実施例2において、先端位置L2aから位置L2bまでの長さは6mm(71pixel)であり、同様に先端位置L2aから位置L2cまでの長さは16mm(189pixel)である。
次に、制御部200は、位置L2cから位置L2dの範囲の1pixelのLabデータについて、上記Lab(av)の対する色差ΔE’’を算出する。位置L2cから位置L2dの範囲は、ニップ画像IMを含むように設定され、本実施例2では、先端位置L2aから位置L2dまでの長さは44mm(519pixel)である。なお、色差ΔE’’の算出方法は、実施例1で説明した方法と同一である。その結果を図13に示す。
図13は、シート搬送方向Dの各位置における色差ΔE’’を示すグラフである。検査用画像300におけるニップ画像IMの領域外の位置でのLab値は、Lab(av)と大差ないため、色差ΔE’’はほとんど0付近となる。一方で、ニップ画像IMの領域内のLab値はLab(av)との差を生じ、色差ΔE’’は大きくなる。
次に、制御部200は、色差ΔE’’のばらつきやニップ画像IMの不明瞭範囲を除去する為に、色差ΔE’’に閾値を設定する。例えば、制御部200は、図13に示すように、色差ΔE’’=6を閾値と設定し、この閾値以上の範囲に対応するシート搬送方向Dにおける長さを定着ニップ幅L3として取得する。以上のような工程を行うことで、プリンタ101は、測定シートPm上のニップ画像IMを自動的に計測し、定着ニップ幅L3の測定をプリンタ101内で完結することができる。
図14は、実施例2及び比較例4,5において、シート搬送方向Dの各位置における色差ΔE’’を示すグラフである。これら実施例2及び比較例4,5においても、上述のようなニップ画像IMの読取りが行われた。実施例2は、イエロートナー(印字率100%)を用いた第1トナー層と、ブラックトナー(印字率100%)を用いた第2トナー層と、によって検査用画像300を構成し、かつ測定シートPmにRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。比較例4は、測定シートPmにブラックトナー(印字率100%)とRedLabel紙(80g/m)を用いた例である。比較例5は、測定シートPmにブラックトナー(印字率100%)とCanon GF−C081紙(81.4g/m)を用いた例である。実施例2の結果は、図13に示した結果と同一である。
図14に示すように、比較例4の色差ΔE’’の最大値は1前後と小さく、読取部44を用いたニップ画像IMの読取りが困難である。また、比較例4に対して測定シートPmをGF−C081紙に変更した比較例5の色差ΔE’’の最大値も、2前後と小さく、読取部44によるニップ画像IMの読取りが困難である。
一方、実施例2では、色差ΔE’’の最大値が12〜14程度と大きく、ニップ画像IMと検査用画像300のニップ画像IM外の領域とを明確に峻別することができ、ニップ画像IMを容易に読取ることができる。なお、比較例1及び2と実施例1の色差よりも、比較例4及び5と実施例2の色差の方が大きいのは、一般的なCISの画像濃度の読取り特性は、spectrolinoのような分光光度計と異なるためである。
以上のように、検査用画像300を複数色のトナー層を積層して形成すると共に、シート上の最上層の第1トナー層を有彩色とすることで、読取部44によってニップ画像IMを読取る場合においても、ニップ画像IMを容易に読取ることができる。このため、より正確な定着ニップ幅L3を得ることができる。
本実施例2においても、得られた定着ニップ幅L3に基づいて、定着ヒータ33の目標温度Ttg、加圧ステー35の加圧力、及び定着モータ230の回転速度等を変更してもよい。また、定着装置30の寿命に関する情報を報知してもよい。本実施例2では、検査モードを実行して測定シートPmを排出トレイ45に排出する過程で読取部44によってニップ画像IMが自動的に読取られるので、プリンタ101のユーザや管理者による作業を必要としない。また、人手を介すことなく自動的に定着ニップ幅L3の測定が行われるので、途切れのない定期的な定着ニップ幅L3の測定を行うことができ、定着装置30の性能を安定化させ、また正確な定着装置30の寿命管理を行うことができる。
<その他の実施例>
なお、実施例2のプリンタ101は、排出搬送路R2に沿って読取部44を配置したが、これに限定されない。例えば、排出搬送路R2以外の他の搬送路に沿って読取部44を配置してもよく、例えば両面搬送路R3に沿って読取部44を配置してもよい。また、フラットベッドスキャナなどの読取装置を備える画像形成装置では、測定シートPmをフラットベッドスキャナで読み取ってもよい。
なお、既述のいずれの形態においても、第1トナー層は有彩色のトナーが用いられるが、第2トナー層に用いられるトナーの色は限定されない。但し、第2トナー層に用いられるトナーの色は、第1トナー層に用いられるトナーの色よりも明度が低いと好適である。
また、既述のいずれの形態においても、プリンタはイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの4色のトナーを用いているが、これに限定されない。これら4色のトナー以外のトナーを使用するプリンタにおいても、第1トナー層に用いられるトナーの色と第2トナー層に用いられるトナーの色の組み合わせは、Lab色空間で最も色差が大きい組み合わせであると好適である。
また、既述のいずれの形態においても、検査モードは、ユーザの指示により実行したが、これに限定するものではなく、予め設定したタイミングで、自動で実行させても良い。また、ユーザの指示により検査モードを実行する場合、プリンタ側から、ユーザに実行を促す報知をさせても良い。
また、既述のいずれの形態においても、定着装置30は定着フィルム31を有していたが、これに限定されない。例えば、定着フィルム31に代えて、IHヒータやセラミックヒータを内蔵した定着ローラを適用してもよい。
本発明は上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
8:像担持体(中間転写ベルト)/11:転写部(二次転写ローラ)/20:排出部(排出ローラ対)/26:格納部/30:定着部(定着装置)/31:第1回転体(定着フィルム)/32:第2回転体(加圧ローラ)/33:加熱部(定着ヒータ)/44:読取部/200:制御部/300:検査用画像/D:シート搬送方向/L3:幅(定着ニップ幅)/IM:ニップ画像/N1:転写ニップ/N2:定着ニップ/R2:搬送路(排出搬送路)

Claims (11)

  1. 未定着トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と共に転写ニップを形成し、前記像担持体に担持された前記未定着トナー像を前記転写ニップにおいてシートに転写する転写部と、複数色のトナーを格納する格納部と、を有する画像形成部と、
    第1回転体と、前記第1回転体と共に定着ニップを形成する第2回転体と、前記第1回転体を加熱する加熱部と、を有し、シートに転写された前記未定着トナー像を、前記定着ニップにおいて熱及び圧力によって定着トナー像としてシートに定着させる定着部と、
    前記定着ニップの形状測定に用いる測定シートを作成する検査モードを実行可能な制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記検査モードにおいて、複数のトナー層が積層されて形成された検査用画像をシートに転写すると共に定着させる検査用画像形成処理と、前記検査用画像が前記定着ニップによって挟持された状態で前記定着部によるシートの搬送を停止させることで、前記定着ニップの形状に対応したニップ画像をシートに形成するニップ画像形成処理と、を実行し、
    前記転写部によってシートに転写された前記複数のトナー層は、第1の色のトナーによって形成される最上層の第1トナー層と、前記第1トナー層に隣接すると共に第1の色とは異なる第2の色のトナーによって形成される第2トナー層と、を有し、
    前記第1の色は、有彩色である、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2の色は、前記第1の色よりも明度が低い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の色と前記第2の色の組み合わせは、前記格納部が格納するトナーの色の内、Lab色空間で最も色差が大きい組み合わせである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の色は、イエローであり、
    前記第2の色は、シアンである、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記検査用画像が形成される領域内において、前記第1トナー層及び前記第2トナー層の単位面積当たりの印字率は、それぞれ20%以上かつ100%以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記検査用画像が形成される領域内において、前記第1トナー層の単位面積当たりの印字率は、前記第2トナー層の単位面積当たりの印字率よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記検査モードとは異なるモードにおいて、前記未定着トナー像が前記定着ニップを通過する際の前記加熱部の温度を第1温度に設定し、前記検査モードにおいて、未定着の前記検査用画像が前記定着ニップを通過する際の前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い第2温度に設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2回転体は、前記ニップ画像形成処理において、前記定着トナー像に接触した状態で停止する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記ニップ画像を読取る読取部を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. シートを機外に排出する排出部を備え、
    前記読取部は、前記定着ニップと前記排出部の間の搬送路に沿って配置される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記読取部によって読み取られた前記ニップ画像に基づいてシート搬送方向における前記定着ニップの幅を求め、前記幅に基づいて前記加熱部を制御する、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
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