JP2021038927A - 部分放電判定装置及び方法 - Google Patents

部分放電判定装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021038927A
JP2021038927A JP2019158281A JP2019158281A JP2021038927A JP 2021038927 A JP2021038927 A JP 2021038927A JP 2019158281 A JP2019158281 A JP 2019158281A JP 2019158281 A JP2019158281 A JP 2019158281A JP 2021038927 A JP2021038927 A JP 2021038927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partial discharge
phase angle
charge amount
distribution pattern
standardized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019158281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7282000B2 (ja
Inventor
山田 弘道
Hiromichi Yamada
弘道 山田
丸山 龍也
Tatsuya Maruyama
龍也 丸山
城戸 三安
Mitsuyasu Kido
三安 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2019158281A priority Critical patent/JP7282000B2/ja
Priority to US17/600,151 priority patent/US20220128614A1/en
Priority to SG11202111087QA priority patent/SG11202111087QA/en
Priority to EP20855986.4A priority patent/EP4024061A4/en
Priority to PCT/JP2020/017567 priority patent/WO2021038960A1/ja
Publication of JP2021038927A publication Critical patent/JP2021038927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7282000B2 publication Critical patent/JP7282000B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • G01R31/1227Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials
    • G01R31/1263Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials of solid or fluid materials, e.g. insulation films, bulk material; of semiconductors or LV electronic components or parts; of cable, line or wire insulation
    • G01R31/1272Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials of solid or fluid materials, e.g. insulation films, bulk material; of semiconductors or LV electronic components or parts; of cable, line or wire insulation of cable, line or wire insulation, e.g. using partial discharge measurements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

【課題】精度高く部分放電の進行度合いを判定し得る部分放電判定装置及び方法を提案する。【解決手段】送電ケーブルの印加電圧の1又は複数サイクル期間に発生した各部分放電の電荷量及び発生位相角の組合せの分布パターンを生成し、直近の2つ以上の分布パターンにおける電荷量及び発生位相角の組合せごとの部分放電の発生数の差分からなる差分データを生成し、直近の分布パターンのデータと、差分データとに基づいて、部分放電の進行度合いを判定するようにした。【選択図】 図3

Description

本発明は、部分放電判定装置及び方法に関し、例えば、地中送電ケーブルの劣化を監視するケーブル劣化監視システムに適用して好適なものである。
都市部では、地中に巨大な送電網が張り巡らされ、発電所で作られた電力がこの送電網を経由して各電力需要家にそれぞれ送電されている。地中送電設備は、高度経済成長期に増大し、現在では運転開始から40年を迎えるものが多くなったため、その経年劣化の診断技術が重要になってきている。
地中送電ケーブルの劣化診断技術の一つに部分放電測定法がある。地中送電ケーブルは、電流が流れる導体を絶縁体で覆った構造となっている。経年劣化により絶縁体に空隙が生じた場合、その部分に部分放電が発生するようになり、最終的には絶縁破壊に至ってしまう。部分放電測定法は、このような部分放電を観測し、その観測結果に基づいて地中送電ケーブルの絶縁劣化の度合いを診断するものであり、これまで様々な企業や研究機関において、部分放電発生メカニズムの解明や、部分放電特性から絶縁劣化度合を推定するための研究が進められてきた。
例えば、非特許文献1には、実験用電極を使っての課電開始から絶縁破壊までの部分放電パルスの位相角特性の測定結果と、パターン認識の手法を応用した劣化診断推定手法について記載されている。部分放電パルスの位相角特性とは、印加電圧の複数サイクル間における部分放電パルスの電荷量と発生位相角の分布パターンである。課電開始から絶縁破壊までの5つの時間において、部分放電が発生する位相角領域と発生電荷量の範囲の変化が示されている。劣化診断推定手法は、部分放電の位相角特性を規格化電荷量・規格化位相角・発生頻度にパターン化し、このパターンと、予め作成した劣化度に応じた標準パターンとの類似性比較を行うものである。
また特許文献1には、ニューラルネットワークを使用して部分放電の有無を判断することができる部分放電測定方法について記載されている。ここで用いられるパターンは、非特許文献1のパターンと異なり、tサイクル毎に時系列的に羅列させた規格化電荷量・規格化位相角となっている。非特許文献1の手法では電荷量と位相角を複数サイクル(600サイクル)分まとめて発生頻度としてパターン化しているため、発生位相角の時間情報が失われてしまい、部分放電の有無の判断を誤る場合があるという問題がある。
さらに特許文献2には、隠れマルコフモデルを適用することにより、診断精度を高めることが可能な絶縁診断システムについて記載されている。従来の絶縁診断システムに用いられるニューラルネットワークは、時間経過とともに確率的に変化する特徴量の時間的な因果関係を含めることができないため、部分放電による絶縁状態の診断に適用した場合には精度が低いという問題があるとしている。隠れマルコフモデルでは、時系列的に変動するデータを確率的なモデルで表現する。
特開平10−78471号公報 特開2005−331415号公報
古森郁尊、外3名、「部分放電発生位相角分布によるパターン認識を応用した絶縁劣化診断および余寿命推定」、社団法人電気学会、1993年、Vol.113-A、No.8、p.586−593
非特許文献1に開示された技術は、複数のサイクル(例えば600)における部分放電パルスの電荷量・位相角・発生頻度という分布パターンを使用するため、全体としてのパターンの特徴が表れて識別しやすいという利点がある一方で、部分放電の時間的な変化についての情報を含めることができないという欠点がある。
また特許文献1に開示された技術は、tサイクルにおける部分放電パルスの電荷量・位相角・時間という分布パターンを使用するため、部分放電の時間的な変化についての情報を含めることができるという利点がある一方で、測定サイクル数であるtを非特許文献1のように大きくすることができないという問題がある。ニューラルネットワークの規模が増大するからである。そのため、全体としてのパターンの特徴が表れ難く、判断が難しくなる可能性がある。
さらに特許文献2に開示された技術によれば、絶縁体の正常状態と各絶縁劣化状態を持ち、それぞれの状態において、絶縁に関する特徴量をパターン化してパラメータとして持つため、診断精度を高められる可能性がある。一方で、特許文献2の図1には、絶縁体の正常状態S1、次の絶縁劣化状態S2、さらに次の絶縁劣化状態S3、最終状態S4が一方向の状態遷移確率しかなく、状態遷移を誤った場合には、実際より悪化した絶縁劣化状態となってしまうという問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、部分放電パルスの電荷量・位相角・発生頻度という分布パターンに、部分放電の時間的な情報を含めて特徴量を増やし、部分放電判定の精度を向上させ得る部分放電判定装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、送電ケーブルに発生する部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定装置において、前記送電ケーブルの印加電圧の1又は複数サイクル期間に発生した各前記部分放電の電荷量及び発生位相角の組合せの分布パターンを生成する分布パターン生成部と、前記分布パターン生成部によりそれぞれ生成された直近の2つ以上の前記分布パターンにおける前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分からなる差分データを生成する差分データ生成部と、直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて、前記部分放電の進行度合いを判定する判定部とを設けるようにした。
また本発明においては、送電ケーブルに発生する部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定装置において実行される部分放電判定方法であって、前記送電ケーブルの印加電圧の1又は複数サイクル期間に発生した各前記部分放電の電荷量及び発生位相角の組合せの分布パターンを生成する第1のステップと、直近の2つ以上の前記分布パターンにおける前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分からなる差分データを生成する第2のステップと、直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて、前記部分放電の進行度合いを判定する第3のステップとを設けるようにした。
本発明の部分放電装置及び方法によれば、部分放電の時間的な情報をも含めた部分放電の進行度合いの判定を行うことできる。
本発明によれば、精度高く部分放電の進行度合いを判定し得る部分放電判定装置及び方法を実現できる。
本実施の形態による地中送電ケーブル劣化監視システムの全体構成を示すブロック図である。 部分放電判定装置の概略構成を示すブロック図である。 部分放電判定処理の流れを示すブロック図である。 部分放電パルス信号及び印加電圧信号の説明に供する図である。 (A)は部分放電開始時における部分放電電荷量位相角分布パターン、(B)は部分放電中期における部分放電電荷量位相角分布パターン、(C)は絶縁崩壊直前における部分放電電荷量位相角分布パターンの様子を示す図である。 (A)及び(B)は、規格化部分放電電荷量位相角分布パターンの説明に供する図である。 (A)及び(B)は、部分放電パルスの規格化の説明に供する図である。 第1の実施の形態による差分データ生成部の説明に供する図である。 第1の実施の形態によるニューラルネットワークの説明に供する図である。 部分放電パルス情報登録処理の処理手順を示すフローチャートである。 部分放電パルス電荷量規格化処理の処理手順を示すフローチャートである。 カウンタ初期化処理の処理手順を示すフローチャートである。 規格化部分放電パルス数カウント処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による差分データ生成部の説明に供する図である。 第3の実施の形態による差分データ生成部の説明に供する図である。 第3の実施の形態によるニューラルネットワークの説明に供する図である。 第4の実施の形態によるニューラルネットワークの説明に供する図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)本実施の形態による地中送電ケーブル劣化監視システムの構成
図1において、1は全体として本発明を適用した地中送電ケーブル劣化監視システムを示す。この地中送電ケーブル劣化監視システム1は、地中送電ケーブル2の劣化を監視するシステムであり、分割型高周波CT(Current Transformer)3、部分放電判定装置4及びケーブル劣化監視装置5を備えて構成される。
地中送電ケーブル2は、クラフト紙及び油で絶縁を保つOF(Oil Filled)ケーブルの場合、電気が流れる導体10上に、絶縁油に浸したクラフト紙からなる絶縁体11と、油を封入するための金属シース12と、腐食防止のための防食層13とが順次積層されて構成される。そして金属シース12は、金属シース接地線14を介して接地されており、これにより地中送電ケーブル2内で部分放電が発生したときに、その部分放電パルスを金属シース接地線14を介して大地に放出し得るようになされている。
分割型高周波CT3は、クランプ型の高周波電流センサから構成され、金属シース接地線14を流れる各部分放電パルスPLの電荷量に応じた電圧レベルにそれぞれ立ち上がるパルスを含む部分放電パルス信号を部分放電判定装置4に出力する。なお、以下においては、理解の容易化のため、部分放電パルス信号に含まれるパルスを部分放電パルスPLと呼ぶものとする。
部分放電判定装置4には、分割型高周波CT3から与えられる部分放電パルス信号に基づいて対象とする地中送電ケーブル(以下、これを対象地中送電ケーブルと呼ぶ)2における部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定機能が搭載されている。部分放電判定装置4は、この部分放電判定機能に基づいてかかる部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定処理を実行し、処理結果を部分放電判定信号としてネットワーク6を介してケーブル劣化監視装置5に送信する。
ケーブル劣化監視装置5は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ装置から構成され、部分放電判定装置4から与えられた部分放電判定信号に含まれる必要な情報を記録すると共に、部分放電の判定結果を時間変化と組み合わせるなどして地中送電ケーブル2の劣化度合いを推定し、推定結果を表示する。
図2は、部分放電判定装置4の概略構成を示す。この図2に示すように、部分放電判定装置4は、CPU(Central Processing Unit)20、メモリ21、記憶装置22、A/D(Analog/Digital)変換器23、データ登録部24及び送信器25を備えたコンピュータ装置から構成される。
CPU20は、部分放電判定装置4全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ21は、揮発性の半導体メモリなどから構成され、CPU20のワークメモリとして利用される。後述する分布パターン生成プログラム30、差分データ生成プログラム31、AI(Artificial Intelligence)プログラム32及び送信フレーム生成プログラム33などのプログラムは、記憶装置22からロードされてこのメモリ21に保持される。
記憶装置22は、ハードディスク装置やSDD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどの不揮発性の大容量の記憶装置から構成され、各種プログラムや長期間保存すべきデータなどが格納される。後述の部分放電データ34、規格化分布パターンデータ35及びニューラルネットワーク36のデータもこの記憶装置22に格納されて保持される。
A/D変換器23は、汎用のA/D変換器から構成される。またデータ登録部24は、FPGA(Field Programmable Gate Array)から構成される。データ登録部24の機能については後述する。送信器25は、例えばNIC(Network Interface Card)などから構成され、部分放電判定装置4による上述の部分放電判定の判定結果を、ネットワーク6(図1)を介してケーブル劣化監視装置5(図1)に送信する。
(1−2)部分放電判定処理
図3は、部分放電判定装置4において実行される上述の部分放電判定処理の流れを示す。図中、分布パターン生成部40、差分データ生成部41、AI部42及び送信フレーム生成部43は、それぞれ記憶装置22からメモリ21にロードした図2について上述した分布パターン生成プログラム30、差分データ生成プログラム31、AIプログラム32又は送信フレーム生成プログラム33をCPU20が実行することにより具現化される機能部である。
この図3に示すように、部分放電判定装置4では、地中送電ケーブル2(図1)を流れる電気の電圧(以下、これを印加電圧と呼ぶ)を5V程度にまで降圧してなる図4の2段目に示すような印加電圧信号SG1がA/D変換器23に与えられる。そしてA/D変換器23は、この印加電圧信号SG1をA/D変換し、かくして得られた印加電圧信号SG1のディジタルデータをデータ登録部24に出力する。
またA/D変換器23には、分割型高周波CT3(図1)から与えられた、図4の最上段に示すような地中送電ケーブル2内に発生した各部分放電パルスPLを含む部分放電パルス信号SG2が入力される。そしてA/D変換器23は、この部分放電パルス信号SG2をA/D変換し、かくして得られた部分放電パルス信号SG2のディジタルデータをデータ登録部24に出力する。
データ登録部24は、部分放電パルス信号SG2に含まれる各部分放電パルスPLをそれぞれ抽出し、これら部分放電パルスPLのディジタル値をその部分放電パルスPLの電荷量としてそれぞれ取得する。またデータ登録部24は、部分放電パルスPLごとに、その部分放電パルスPLが発生した時点における印加電圧信号SG1の位相角(以下、これを部分放電パルスPLの位相角又は発生位相角と呼ぶ)をそれぞれ取得する。なお、後述のように、このときデータ登録部24が取得する部分放電パルスPLの位相角は、0度〜360度を0〜15の整数値に規格化した位相角(以下、これを規格化位相角と呼ぶ)である。そしてデータ登録部24は、このようにして取得した各部分放電パルスPLの電荷量及び規格化位相角をそれぞれ部分放電データ34として記憶装置22(図1)に格納する。
分布パターン生成部40は、記憶装置22に格納された各部分放電パルスPLの部分放電データ34に基づいて、図6(A)について後述する印加電圧信号SG1の数サイクル期間に発生した各部分放電パルスPLの電荷量及び規格化位相角の組合せの分布パターン(以下、これを部分放電電荷量位相角分布パターンと呼ぶ)Tを規格化した図6(B)について後述する規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´を順次生成し、生成した規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´のデータを規格化分布パターンデータ35として記憶装置22に順次格納する。
この記憶装置22に格納された今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の規格化分布パターンデータ35は、この後、AI部42により読み出される。また、このとき差分データ生成部41は、記憶装置22に格納されている今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の規格化分布パターンデータ35と、前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の規格化分布パターンデータ35とを読み出し、これら2つの規格化分布パターンデータ35に基づいて、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の差分を表す差分データを生成し、生成した差分データをAI部42に出力する。
AI部42は、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の規格化分布パターンデータ35と、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の差分データとに基づいて、現在の対象地中送電ケーブル2の部分放電の進行度合いが部分放電開始時、部分放電中期及び絶縁破壊直前のいずれのカテゴリに属するかを機械学習する。
ここで、図5(A)〜(C)は、縦軸に部分放電パルスPLの電荷量をとり、横軸に印加電圧の位相角をとった座標平面上に印加電圧の複数サイクル(例えば50サイクル)期間に発生した各部分放電パルスPLをそれぞれ表す点をプロットした部分放電電荷量位相角分布パターンTの一例を示す。
図5(A)は、部分放電開始時の部分放電電荷量位相角分布パターンTの一例である。この例では、印加電圧の負から正へのゼロクロス点付近から正の部分放電パルスが発生し、印加電圧の正から負へのゼロクロス点付近から負の部分放電パルスが発生している。具体的には、印加電圧の位相角が−30度から90度の範囲で正の電荷量の部分放電パルスが発生し、印加電圧の位相角が150度から270度の範囲で負の電荷量の部分放電パルスが発生していることが示されている。
また図5(B)は、部分放電中期の部分放電電荷量位相角分布パターンTの一例を示す。部分放電中期になると、図5(A)の分布パターンと比べて、部分放電パルスの電荷量が大きくなり、さらに部分放電パルスが発生する位相角の範囲も拡大する。
さらに図5(C)は、部分放電後期であり、絶縁破壊直前の部分放電電荷量位相角分布パターンTの一例を示す。図5(C)では、印加電圧のすべての位相角において部分放電パルスが発生し、その電荷量が+数万pCから−数万pCの範囲にまで及ぶことが示されている。
このように、部分放電電荷量位相角分布パターンTは、部分放電初期時から絶縁破壊直前までの間に徐々に変化していく。具体的には、部分放電による地中送電ケーブル2の劣化が進むにつれて、上述のように部分放電の発生箇所が増加し、その部分放電の電荷量も大きくなる。
従って、時間的に連続して取得された複数の部分放電電荷量位相角分布パターンT間の差分に基づいて対象地中送電ケーブル2内で発生している部分放電の時間的な変動を検出することができ、この変動量を部分放電の進行度合いの判定要素の1つとして利用することにより部分放電判定の判定精度を向上させ得るものと考えられる。
そこで、本実施の形態において、上述のように今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の規格化分布パターンデータ35と、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の差分データとに基づいて現在の対象地中送電ケーブル2の部分放電の進行度合いを機械学習する。またAI部42は、この機械学習により得られたニューラルネットワーク36を用いて、対象としている地中送電ケーブル2における部分放電の進行度合いを判定し、判定結果を送信フレーム生成部43に出力する。
送信フレーム生成部43は、AI部42から与えられたかかる判定結果を格納した所定フォーマットの送信フレームを生成し、生成したフレームを送信器25に出力する。かくして、送信器25は、送信フレーム生成部43から与えられた送信フレームを部分放電判定信号としてネットワーク6(図1)を介してケーブル劣化監視装置5(図1)に送信する。
図6(B)は、図6(A)に示す部分放電電荷量位相角分布パターンTを規格化した上述の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´を示す。分布パターン生成部40(図3)は、AI部42(図3)がニューラルネットワーク36(図3)を用いて部分放電パルスPLの分布パターンを部分放電の進行度合いに応じたカテゴリ(部分放電開始時、部分放電中期又は絶縁破壊直前)に分類し易くするため、記憶装置22に格納された部分放電データ34に基づく図6(A)のような部分放電電荷量位相角分布パターンTを規格化し、規格化した電荷量及び規格化位相角の組合せごとの部分放電の発生数をそれぞれ集計した図6(B)に示す規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´を生成する。
具体的に、分布パターン生成部40は、まず、図6(A)において部分放電パルスPLを表す点のすべてを中に含む範囲(以下、これをウインドと呼ぶ)50を図6(A)の部分放電電荷量位相角分布パターンT上に設定する。このとき部分放電の放電電荷量を表すウインド50の縦の長さは、電荷量0から上と、電荷量0から下とが同じになるように設定する。つまり、部分放電電荷量の正の最大値と、負の最大値のうちの大きいほうの絶対値がウインド50の0から上及び0から下のそれぞれの長さとなる。
次に、分布パターン生成部40は、図6(A)のウインド50の縦方向及び横方向をそれぞれ所定数に等分し、ウインド50内を図6(B)のような複数の小領域(以下、これをセルと呼ぶ)51に分割し、これら各セル51に対応する部分放電パルスの数をカウントするためのカウンタ(以下、これを部分放電パルスカウンタと呼ぶ)をそれぞれ設定する。
なお、図6(B)は、ウインド50の縦方向及び横方向ともにそれぞれ16個に等分した例である。図6(B)の縦方向において、セル51の1つ分は規格化した電荷量(以下、これを規格化電荷量と呼ぶ)sqを表す。図6(A)ではウインド50の縦方向の範囲は−2000pC〜+2000pCであるため、図6(B)において、sq=0は−2000pC以上で−1750pC未満の範囲、sq=1は−1750pC以上で−1500pC未満の範囲にそれぞれ対応する。sq=2からsq=6も同様である。またsq=7は−250pC以上で0pC未満の範囲、sq=8は0pCよりも大きく250pC以下の範囲、sq=9は250pCより大きく500pC以下の範囲にそれぞれ対応する。sq=10からsq=14も同様である。sq=15は1750より大きく2000pC以下の範囲に対応する。
また図6(B)の横方向において、セル51の1つ分は1つの規格化位相角sdを表す。従って、図6(B)において、sd=0は0度以上22.5度未満の範囲、sd=1は22.5度以上45度未満の範囲にそれぞれ対応する。sd=2からsd=15も同様である。
次いで、分布パターン生成部40は、対象とする各部分放電パルスPLの電荷量を0〜15の整数値にそれぞれ規格化する。そして分布パターン生成部40は、部分放電パルスPLごとに、その規格化された電荷量(規格化電荷量)と、分布パターン生成部40により生成されたその規格化位相角との組合せに対応するセル51の部分放電パルスカウンタをそれぞれカウントアップする。これによりセル51ごとに対応する部分放電パルスPLの数(以下、これを部分放電パルス数と呼ぶ)sqcがカウントされる。
なお図6(B)では、理解の容易化のため、各セル51を、そのセル51の部分放電パルスカウンタによりカウントされた部分放電パルス数sqcに応じた濃度で着色している。具体的に、図6(B)では、無色は規格化部分放電パルス数sqcが0であることを表し、規格化部分放電パルス数sqcの値が大きくなるにつれて薄い灰色、濃い灰色及び黒の順番で濃度が濃くなるように各セル51が着色されている。
部分放電パルスPLの電荷量の規格化は、以下のようにして行うことができる。図7(A)は、印加電圧2サイクル期間分の部分放電パルスPLを表す。図中、PL1は印加電圧1サイクル目の最初の部分放電パルスであり、PL2は印加電圧1サイクル目の最初の負の部分放電パルスである。またPL3は、今回測定した部分放電パルスの中で最も絶対値が大きな負の電荷量の部分放電パルスであり、PL4は、今回測定した部分放電パルスの中で最も絶対値が大きな正の部分放電パルスPL3である。ここでは、この部分放電パルスPL3の電荷量をnqmaxとし、部分放電パルスPL4の電荷量をpqmaxとする。
図7(B)は、図6(A)に対応した印加電圧2サイクル期間分の各部分放電パルスPLの電荷量をそれぞれ規格化した様子を表す。図中PL1´〜PL4´は、それぞれ図7(A)の部分放電パルスPL1〜PL4に対応している。各部分放電パルスPLの規格化電荷量sqは、次式
Figure 2021038927
及び次式
Figure 2021038927
により計算することができる。
なお(1)式は、部分放電パルスPLの正の電荷量の最大値pqmaxと、負の電荷量の最大値nqmaxの絶対値のうち大きい方をqmaxとすることを表す。また(2)式は、部分放電パルスPLの電荷量qにqmaxを加算して常に正の値になるように電荷量qを変換した後、その加算結果をqmaxの2倍(つまり図5(A)のウインドの縦の長さ)で割り、さらに縦の規格化数(ここでは16)を乗算した後に、乗算結果から小数値部分を切り捨てて整数値化(「int()」)するようにして規格化電荷量sqを求めることを表す。
一方、図8は、差分データ生成部41の具体的な処理内容を示す。上述のように差分データ生成部41は、前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´と、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT2´とを記憶装置22から取得し、これら2つの規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´における部分放電パルスPLの発生数の差分の絶対値(以下、これを部分放電発生数差分絶対値と呼ぶ)をセル51ごとにそれぞれ算出する。
このようにして算出された前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(以下、これを部分放電発生数差分絶対値分布と呼ぶ)52は、前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´と、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT2´との差を表している。これら2つの部分放電電荷量位相角分布パターンTにおける電荷量の差分は、上下方向のセル53の値に反映され、位相角の差分は左右方向のセル53の値に反映される。これにより部分放電パルスPLの電荷量の変動の度合いと、その発生位相角の変動の度合いとをかかる規格化部分放電発生数差分絶対値分布パターンT1´,T2´に基づいて認識することができる。
図9は、AI部42が利用するニューラルネットワーク36の構成例を示す。この図9は、ニューラルネットワーク36が入力層、隠れ層及び出力層からなるパーセプトロンから構成される場合の一例である。
このニューラルネットワーク36では、図6(B)について上述した規格化部分放電発生数差分絶対値分布パターンT´の各セル51にそれぞれ対応させた第1のユニット60Aが入力層に設けられており、これらの第1のユニット60Aに、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT2´における対応するセル51の部分放電パルスカウンタのカウント値sqc[sq][sd]がそれぞれ入力される。
またニューラルネットワーク36では、図8について上述した部分放電発生数差分絶対値分布52の各セル53(図8参照)にそれぞれ対応させた第1のユニット60Bも入力層に設けられており、これら第1のユニット60Bに、それぞれ差分データ生成部41により算出された、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´における対応するセル51の部分放電発生数差分絶対値が入力される。
隠れ層には、入力層の第1のユニット60A,60Bの総数よりも少ない数の第2のユニット61が設けられる。入力層の各第1のユニット60A,60Bに入力された値は、それぞれその第1のユニット60A,60B及び各第2のユニット61間にそれぞれ設定された重み分だけ重み付けされて各第2のユニット61にそれぞれ出力される。各第2のユニット61は、それぞれ各第1のユニット60A,60Bからの入力値の総和を計算する。
出力層には、第2のユニット61の総数よりも少ない数の第3のユニット62が設けられる。隠れ層の各第2のユニット61でそれぞれ計算されたその第2のユニットへの入力値の総和は、その第2のユニット61及び各第3のユニット62間にそれぞれ設定された重み分だけ重み付けされて各第3のユニット62にそれぞれ出力される。各第3のユニット62は、それぞれ各第2のユニット61からの入力値の総和を計算し、計算結果を出力する。
なお本実施の形態においては、出力層の第3のユニット62は3つ設けられており、これにより入力層への入力が3つのカテゴリに分類されてニューラルネットワーク36から出力される。そして、このニューラルネットワーク36の出力が、部分放電の進み具合の判定結果として送信フレーム生成部43(図3)及び送信器25(図3)を経由して部分放電判定信号としてケーブル劣化監視装置5(図1)に送信される。
(1−3)部分放電判定機能に基づく各種処理
次に、かかる部分放電判定機能に基づいて部分放電判定装置4において実行される各種処理の具体的な処理内容について説明する。
(1−3−1)データ登録部の処理
図10は、データ登録部24(図3)により実行される部分放電パルス情報登録処理の処理手順を示す。データ登録部24は、この図10に示す処理手順に従って、部分放電パルス信号SG2に含まれる各部分放電パルスPLの電荷量及び規格化位相角をそれぞれ検出し、これらを記憶装置22に登録する。なお、以下においては、印加電圧50サイクル期間に発生した各部分放電パルスの電荷量及び規格化位相角を記憶装置22に格納するものとする。
データ登録部24は、部分放電判定装置4が起動されるとこの図10に示す部分放電パルス情報登録処理を開始し、まず、地中送電ケーブル2(図1)を流れる印加電圧のサイクルをカウントするためのサイクルカウンタのカウント値ccをリセット(0にセット)すると共に、検出した部分放電パルスPLの数をカウントするための部分放電パルスカウンタのカウント値qcをリセットする(S1)。
続いて、データ登録部24は、印加電圧信号SG1(図3)に基づいて、地中送電ケーブル2を流れる電気の印加電圧が負から正に変化したか否かを判断する(S2)。そしてデータ登録部24は、この判断で否定結果を得ると、ステップS5に進む。
これに対して、データ登録部24は、ステップS2の判断で肯定結果を得ると、サイクルカウンタのカウント値ccが50未満であるか否かを判断する(S3)。そしてデータ登録部24は、この判断で肯定結果を得るとサイクルカウンタのカウンタ値ccをインクリメント(1だけ増加)すると共に、部分放電パルスPLの発生位相角のカウンタ(以下、これを位相角カウンタと呼ぶ)として用いる、1MHzのクロックをカウントする図示しないタイマをクリア(リセット)する(S4)。
次いで、データ登録部24は、分割型高周波CT3(図1)から与えられる部分放電パルス信号SG2(図3)を監視し、部分放電パルスPLを検出するのを待ち受ける(S5)。そしてデータ登録部24は、やがて部分放電パルス信号SG2に含まれる部分放電パルスPLを検出すると、その部分放電パルスPLの電荷量と、その発生位相角を規格化した規格化位相角とをそれぞれ取得し、これらをその部分放電パルスPLと対応付けて記憶装置22に格納する(S6)。
具体的に、データ登録部24は、ステップS6において、まず、その部分放電パルスPLを検出した瞬間における上述のタイマの値を位相角カウンタのカウント値dcとして取得すると共に、部分放電パルスカウンタのカウント値qcをインクリメントする。またデータ登録部24は、この後、そのときA/D変換器23(図3)から与えられた部分放電パルス信号SG2のディジタル値をその部分放電パルスPLの電荷量q[qc]として取得する。さらにデータ登録部24は、そのときの位相角カウンタのカウント値dcを1250(図6(B)のように部分放電パルス電荷量を16等分する場合)で除算し、さらに除算結果から小数値部分を切り捨てた値を、その部分放電パルスPLの規格化位相角として算出する。
そしてデータ登録部24は、この後ステップS1に戻り、この後、ステップS1以降の処理を上述と同様に繰り返す。
(1−3−2)分布パターン生成部の処理
(1−3−2−1)部分放電パルス電荷量規格化処理
図11は、分布パターン生成部40(図3)により実行される部分放電パルス電荷量規格化処理の処理手順を示す。分布パターン生成部40は、この図11に示す処理手順に従って、印加電圧50サイクル期間に発生した各部分放電パルスPLの電荷量をそれぞれ規格する。
実際上、分布パターン生成部40は、この部分放電パルス電荷量規格化処理を図10のステップS3で否定結果が得られたタイミングで開始し、まず、記憶している部分放電パルスPLの電荷量の最大絶対値(以下、これを電荷量最大絶対値と呼ぶ)qmaxをリセット(0にセット)すると共に、後述するループカウンタのカウント値iをリセットする(S10)。
続いて、分布パターン生成部40は、ループカウンタのカウント値iをインクリメントすると共に、そのとき対象としている部分放電パルス群(直前の部分放電パルス情報登録処理で検出された各部分放電パルスの集合体であり、以下、これを対象部分放電パルス群と呼ぶ)のうちのi番目に検出した部分放電パルスPLの電荷量q[i]の絶対値を電荷量q0に代入し(S11)、このときの電荷量q0の値が現在の電荷量最大絶対値qmaxよりも大きいか否かを判断する(S12)。
分布パターン生成部40は、この判断で否定結果を得るとステップS14に進む。これに対して、分布パターン生成部40は、ステップS12の判断で肯定結果を得ると、電荷量最大絶対値の値を電荷量q0の値に更新する(S13)。
この後、分布パターン生成部40は、ループカウンタのカウント値iの値が、その対象部分放電パルス群について図10のステップS6で最終的に得られた部分放電パルスカウンタのカウント値qc(つまり対象部分放電パルス群を構成する部分放電パルスPLの数)となったか否かを判断する(S14)。
そして分布パターン生成部40は、この判断で否定結果を得るとステップS12に戻り、この後、ステップS14で肯定結果を得るまでステップS12〜ステップS14の処理を繰り返す。この繰り返し処理により、対象部分放電パルス群を構成する各部分放電パルスPLのうちの電荷量の絶対値が最も大きい部分放電パルスPLの電荷量が電荷量最大絶対値qmaxの値に設定されることになる。
そして分布パターン生成部40は、やがて対象部分放電パルス群を構成するすべての部分放電パルスPLについてステップS12〜ステップS13の処理を実行し終えることによりステップS14で肯定結果を得ると、ループカウンタのカウント値iをリセットする(S15)。
続いて、分布パターン生成部40は、ループカウンタのカウント値iをインクリメントした後、対象部分放電パルス群のうちのi番目に検出した部分放電パルスPLの電荷量q[i]を規格化した規格化電荷量sq[i]を上述の(2)式により算出する(S16)。
次いで、分布パターン生成部40は、ステップS14と同様に、ループカウンタのカウント値iが、その対象部分放電パルス群について図10のステップS6で最終的に得られた部分放電パルスカウンタのカウント値qcとなったか否かを判断する(S17)。
分布パターン生成部40は、この判断で否定結果を得るとステップS16に戻り、この後、ステップS17で肯定結果を得るまでステップS16−ステップS17−ステップS16のループを繰り返す。この繰り返し処理により対象部分放電パルス群を構成する各部分放電パルスPLの規格化電荷量sqがそれぞれ算出される。
そして分布パターン生成部40は、やがて対象部分放電パルス群を構成するすべての部分放電パルスPLの規格化電荷量sqを算出し終えることによりステップS17で肯定結果を得ると、この部分放電パルス電荷量規格化処理を終了する。
(1−3−2−2)カウンタ初期化処理
図12は、分布パターン生成部40により実行されるカウンタ初期化処理の処理手順を示す。分布パターン生成部40は、この図12に示す処理手順に従って、図6(B)について上述した規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´における各セル51の部分放電パルスカウンタをそれぞれ初期化する。
実際上、分布パターン生成部40は、このカウンタ初期化処理を開始すると、まず、規格化された電荷量(規格化電荷量sq)と対応付けた第1のループカウンタのカウント値iをリセット(0にセット)すると共に(S20)、規格化された位相角(規格化位相角sd)と対応付けた第2のループカウンタのカウント値jをリセットする(S21)。
続いて、分布パターン生成部40は、規格化電荷量sqの値がそのときの第1のループカウンタのカウント値iと一致し、かつ、規格化位相角sdの値がそのときの第2のループカウンタのカウント値jと一致するセル51の部分放電パルスカウンタのカウント値sqcの値を0にリセットすると共に、第2のループカウンタのカウント値jをインクリメントする(S22)。
次いで、分布パターン生成部40は、第2のループカウンタのカウント値jの値が15未満であるか否かを判断する(S23)。そして分布パターン生成部40は、この判断で肯定結果を得るとステップS22に戻り、この後ステップS22−ステップS23−ステップS22のループを繰り返す。
分布パターン生成部40は、やがて規格化位相角sdの値が0であるすべてのセル51の部分放電パルスカウンタのカウント値sqcをリセットし終えることによりステップS23で否定結果を得ると、第1のループカウンタのカウント値iをインクリメントし(S24)、この後、当該カウント値iが15未満であるか否かを判断する(S25)。
分布パターン生成部40は、この判断で肯定結果を得るとステップS21に戻り、この後ステップS21〜ステップS25の処理を繰り返す。そして分布パターン生成部50は、やがてすべのセル51の部分放電パルスカウンタのカウント値sqcをリセットし終えることによりステップS25で否定結果を得ると、このカウンタ初期化処理を終了する。
(1−3−2−3)部分放電パルス集計処理
図13は、上述のカウンタ初期化処理(図12)の終了後に分布パターン生成部40により実行される部分放電パルス集計処理の処理手順を示す。分布パターン生成部40は、この図13に示す処理手順に従って、図6(B)に示す規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´のセル51ごとに対応する部分放電パルスの数を集計する。
実際上、分布パターン生成部40は、まず、ループカウンタのカウント値iの値をリセットし(S30)、この後、カウント値iの値をインクリメントすると共に、対象部分放電パルス群を構成する部分放電パルスPLのうちのi番目に検出した部分放電パルスPLの規格化電荷量sq[i]を規格化電荷量sq0に代入する(S31)。
続いて、分布パターン生成部40は、規格化電荷量sq0の値が16であるか否かを判断する(S32)。そして分布パターン生成部40は、この判断で否定結果を得るとステップS34に進む。これに対して、分布パターン生成部40は、ステップS32の判断で肯定結果を得た場合には、規格化電荷量sq0の値を15に変更する(S33)。
次いで、分布パターン生成部40は、対象部分放電パルス群を構成する部分放電パルスPLのうちのi番目に検出した部分放電パルスPLの規格化位相角sd[i]を規格化位相角sd0に代入すると共に、規格化電荷量がsq0かつ規格化位相角がsd0のセル51(図6(B))の部分放電パルスカウンタのカウント値sqc[sq0][sd0]をインクリメントする(S34)。
次いで、分布パターン生成部40は、ループカウンタのカウント値iが、その対象部分放電パルス群について図10のステップS6で最終的に得られた部分放電パルスカウンタのカウント値qc、すなわち対象部分放電パルス群を構成する部分放電パルスPLの総数と一致するか否かを判断する(S35)。
分布パターン生成部40は、この判断で否定結果を得るとステップS31に戻り、この後、ステップS35で肯定結果を得るまでステップS31〜ステップS35の処理を繰り返す。この繰り返し処理により対象部分放電パルス群を構成する各部分放電パルスPLに対するセル51の規格化部分放電パルス数カウンタのカウント値sqcがそれぞれカウントアップされる。
そして分布パターン生成部40は、やがて対象部分放電パルス群を構成するすべての部分放電パルスPLについてステップS34の処理を実行し終えることによりステップS35で肯定結果を得ると、この部分放電パルス集計処理を終了する。
(1−4)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の部分放電判定装置4では、今回の部分放電電荷量位相角分布パターンTのデータに加えて、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´の差分データを用いて、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´を地中送電ケーブル2における部分放電の進行度合いに応じたカテゴリに分類する。
従って、本部分放電判定装置4によれば、部分放電の電荷量及び発生位相角の変動を表す情報を判定要素として含めて、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´を地中送電ケーブル2の部分放電の進行度合いに応じたカテゴリに分類することができ、これに基づいて地中送電ケーブル2の劣化診断を行うことができるため、部分放電パルスPLの電荷量及び位相角の分布パターンのみに基づいてかかる診断を行う場合と比べて、より精度高くかかる診断を行うことができる。
(2)第2の実施の形態
図14において、符号70は、図3の差分データ生成部41に代えて部分放電判定装置4に適用される第2の実施の形態による差分データ生成部を示す。
本実施の形態の差分データ生成部70は、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´に加えて、前々回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´をも利用して差分データを算出する点が第1の実施の形態の差分データ生成部41と相違する。
実際上、本実施の形態の差分データ生成部70は、前々回及び前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´,T1´におけるセル51ごとの部分放電発生数差分絶対値をそれぞれ算出することにより、前々回及び前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´,T1´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(以下、これを第1の部分放電発生数差分絶対値分布と呼ぶ)71Aを取得する。
また差分データ生成部70は、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´におけるセル51ごとの規格化部分放電発生数差分絶対値をそれぞれ算出することにより、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(以下、これを第2の部分放電発生数差分絶対値分布と呼ぶ)71Bを取得する。
そして差分データ生成部70は、上述のようにして取得した第1の部分放電発生数差分絶対値分布71Aにおける各セル72Aの部分放電発生数差分絶対値と、第2の規格化部分放電発生数差分絶対値分布71Bにおける各セル72Bの部分放電発生数差分絶対値とを対応するセル72A,72Bごとにそれぞれ加算することにより1つの部分放電発生数差分絶対値分布73を生成し、生成した部分放電発生数差分絶対値分布73のデータを差分データとして図9について上述したニューラルネットワーク36に出力する。
このような本実施の形態の差分データ生成部70を利用することによって、図8について上述した第1の実施の形態の部分放電発生数差分絶対値分布52と比べて、部分放電の時間的な変動をより強調した部分放電発生数差分絶対値分布73を得ることができ、この結果として第1の実施の形態と比べてより精度良く対象地中送電ケーブル2の部分放電の進行度合いを判定することができる。
(3)第3の実施の形態
図8との対応部分に同一符号を付して示す図15において、符号80は、図3の差分データ生成部41に代えて部分放電判定装置4に適用される第3の実施の形態による差分データ生成部を示す。
この差分データ生成部80は、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´に基づき得られた部分放電発生数差分絶対値分布52の規格化電荷量ごと及び規格化位相角ごとの部分放電発生数の総和をそれぞれ算出する点が第1の実施の形態の差分データ生成部41と相違する。
実際上、本実施の形態の差分データ生成部80は、第1の実施の形態の差分データ生成部41と同様に、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間におけるセル51ごとの部分放電発生数差分絶対値をそれぞれ算出することにより、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(規格化部分放電発生数差分絶対値分布)52を取得する。
そして差分データ生成部80は、部分放電発生数差分絶対値分布52の同じ規格化電荷量ごと(つまり同じ行ごと)にその規格化電荷量の各セル53(その行のすべてのセル53)の部分放電発生数差分絶対値をすべて加算する和計算を行い(図15の「電荷量別和計算」のブロック)、かくして得られた規格化電荷量ごとの計算結果をそれぞれ電荷量別部分放電発生数差分絶対値和SUM1としてAI部42が保持するニューラルネットワークに出力する。
また差分データ生成部80は、部分放電発生数差分絶対値分布52の同じ規格化位相角ごと(つまり同じ列ごと)にその規格化位相角の各セル53(その列のすべてのセル53)の部分放電発生数差分絶対値をすべて加算する和計算を行い(図15の「位相角別和計算」のブロック)、かくして得られた規格化位相角ごとの計算結果をそれぞれ位相角別部分放電発生数差分絶対値和SUM2としてAI部42が保持するニューラルネットワークに出力する。
一方、図16は、本実施の形態のニューラルネットワーク81の構成例を示す。この図16は、ニューラルネットワーク81が入力層、隠れ層及び出力層からなるパーセプトロンから構成される場合の一例である。
このニューラルネットワーク81では、今回の部分放電電荷量位相角分布52(図15)の各セル53(図15)にそれぞれ対応させた第1のユニット82Aが入力層に設けられており、これらの第1のユニット82Aに、今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT2´における対応するセル51の部分放電パルスカウンタのカウント値sqc[sq][sd]がそれぞれ入力される。
またニューラルネットワーク81の入力層には、規格化電荷量にそれぞれ対応させた第1のユニット82Bも入力層に設けられており、これらの第1のユニット82Bに、対応する規格化電荷量の電荷量別部分放電発生数差分絶対値和SUM1がそれぞれ入力される。さらにニューラルネットワーク81の入力層には、規格化位相角にそれぞれ対応させた第1のユニット82Cも入力層に設けられており、これらの第1のユニット82Cに、対応する規格化位相角の位相角別部分放電発生数差分絶対値和SUM2がそれぞれ入力される。
隠れ層には、入力層の第1のユニット82A〜82Cの総数よりも少ない数の第2のユニット83が設けられる。入力層の各第1のユニット82A〜82Cにそれぞれ入力された値は、それぞれその第1のユニット82A〜82Cと、隠れ層の対応する第2のユニット83との間を結ぶ線に予め設定された重み分だけ重み付けされてその第2のユニット83に出力される。各第2のユニット83は、それぞれ各第1のユニット82A〜82Cからの入力値の総和を計算する。
出力層には、第2のユニット83の総数よりも少ない数の第3のユニット84が設けられる。隠れ層の各第2のユニット83でそれぞれ計算されたその第2のユニット83への入力値の総和は、その第2のユニット83と、出力層の対応する第3のユニット84との間を結ぶ線に予め設定された重み分だけ重み付けされてその第3のユニット84に出力される。各第3のユニット84は、それぞれ各第2のユニット83からの入力値の総和を計算し、計算結果を出力する。
なお本実施の形態においては、出力層の第3のユニット84は3つ設けられており、これにより入力層への入力が3つのカテゴリに分類されてニューラルネットワーク81から出力される。そして、このニューラルネットワーク81の出力が、部分放電の進み具合の判定結果として送信フレーム生成部43(図3)及び送信器25(図3)を経由して部分放電判定信号としてケーブル劣化監視装置5(図1)に送信される。
以上の差分データ生成部70及びニューラルネットワーク81を用いた本実施の形態の部分放電判定装置によれば、第1の実施の形態による部分放電判定装置4と比べて差分データ生成部70の演算量を減らすことができる。従って、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、処理時間の短縮化を図ることができるという効果をも得ることができる。
(4)第4の実施の形態
図14との対応部分に同一符号を付して示す図17において、符号90は、図3の差分データ生成部41に代えて部分放電判定装置4に適用される第4の実施の形態による差分データ生成部を示す。
この差分データ生成部90は、前々回、前回及び今回の3つの規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´〜T2´に基づき得られた部分放電発生数差分絶対値分布73の規格化した電荷量(規格化電荷量)ごと及び規格化した位相角(規格化位相角)ごとの部分放電発生数の総和を算出する点が第2の実施の形態の差分データ生成部70と相違する。
実際上、本実施の形態の差分データ生成部90は、前々回及び前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´,T1´間におけるセル51ごとの部分放電発生数差分絶対値をそれぞれ算出することにより、前々回及び前回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT0´,T1´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(第1の規格化部分放電発生数差分絶対値分布)71Aを取得する。
また差分データ生成部90は、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間におけるセル51ごとの部分放電発生数差分絶対値をそれぞれ算出することにより、前回及び今回の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT1´,T2´間の部分放電発生数差分絶対値の分布(第2の規格化部分放電発生数差分絶対値分布)71Bを取得する。
そして差分データ生成部90は、上述のようにして取得した第1の部分放電発生数差分絶対値分布71Aにおける各セル72Aの部分放電発生数差分絶対値と、第2の部分放電発生数差分絶対値分布71Bにおける各セル72Bの部分放電発生数差分絶対値とを対応するセル72A,72Bごとにそれぞれ加算することにより1つの部分放電発生数差分絶対値分布73を生成する。
また差分データ生成部80は、部分放電発生数差分絶対値分布52の同じ規格化電荷量ごと(つまり同じ行ごと)にその規格化電荷量の各セル53(その行のすべてのセル53)の部分放電発生数差分絶対値をすべて加算する和計算を行い(図17の「電荷量別和計算」のブロック)、かくして得られた規格化電荷量ごとの計算結果をそれぞれ電荷量別部分放電発生数差分絶対値和SUM10としてAI部42が保持するニューラルネットワークに出力する。
さらに差分データ生成部80は、部分放電発生数差分絶対値分布52の同じ規格化位相角ごと(つまり同じ列ごと)にその規格化位相角の各セル53(その列のすべてのセル53)の部分放電発生数差分絶対値をすべて加算する和計算を行い(図17の「位相角別和計算」のブロック)、かくして得られた規格化位相角ごとの計算結果をそれぞれ位相角別部分放電発生数差分絶対値和SUM11としてAI部42が保持するニューラルネットワークに出力する。
なお本実施の形態におけるニューラルネットワークの構成は、図16について上述した第3の実施の形態のニューラルネットワーク81と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以上の差分データ生成部90及びニューラルネットワーク81を用いた本実施の形態の部分放電判定装置によれば、第1及び第2の実施の形態により得られる効果に加えて、第3の実施の形態と同様に、処理時間の短縮化を図るという効果をも得ることができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の第1〜第4の実施の形態においては、本発明を、部分放電の進行度合いの判定対象が地中送電ケーブル2である部分放電判定装置4に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、地中送電ケーブル2以外の送電ケーブルの部分放電の進行度合いを判定する種々お部分判定装置に広く適用することができる。
また上述の第1〜第4の実施の形態においては、データ登録部24をFPGAにより構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、データ登録部24を、CPU20が対応するプログラムを実行することにより具現化されるソフトウェア構成の機能部として構成するようにしてもよい。
さらに上述の第1〜第4の実施の形態においては、対象地中送電ケーブル2の印加電圧の50サイクル期間に発生した部分放電パルスPLのデータを一塊として電荷量及び発生位相角を規格化するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、50サイクル期間以外の1又は複数サイクル期間に発生した部分放電パルスPLのデータを一塊として電荷量及び発生位相角を規格化するようにしてもよい。
さらに上述の第1〜第4の実施の形態においては、直近の2つ又は3つの規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´に基づいて部分放電発生数差分絶対値分布52,73を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、直近の4つ以上の規格化部分放電電荷量位相角分布パターンT´に基づいて部分放電発生数差分絶対値分布52,73を生成するようにしてもよい。
さらに上述の第1〜第4の実施の形態においては、AI部42が、現在の対象地中送電ケーブル2の部分放電の進行度合いが部分放電開始時、部分放電中期及び絶縁破壊直前のいずれのカテゴリに属するかを機械学習し、学習により得られたニューラルネットワーク36,81を利用して、対象地中送電ケーブル2における部分放電の進行度合いを判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、機械学習により既に作成されたニューラルネットワーク36,81をAI部42に与え、AI部42がこのニューラルネットワーク36,81を利用して、対象地中送電ケーブル2における部分放電の進行度合いを判定するようにしてもよい。
本発明は、送電ケーブルに発生する部分放電の進行度合いを判定する種々の部分放電判定装置に広く適用することができる。
1……地中送電ケーブル劣化監視システム、2……地中送電ケーブル、3……分割型高周波CT、4……部分放電判定装置、5……ケーブル劣化監視装置、20……CPU、224……データ登録部、30……分布パターン生成プログラム、31,70,80,90……差分データ生成プログラム、32……AIプログラム、34……部分放電データ、35……規格化分布パターンデータ、36,81……ニューラルネットワーク、40……分布パターン生成部、41……差分データ生成部、42……AI部、52,72A,72B,73……部分放電発生数差分絶対値分布、PL,PL1〜PL4……部分放電パルス、SG1……印加電圧信号、SG2……部分放電パルス信号、T……部分放電電荷量位相角分布パターン、T´,T0´〜T2´……規格化部分放電電荷量位相角分布パターン。

Claims (10)

  1. 送電ケーブルに発生する部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定装置において、
    前記送電ケーブルの印加電圧の1又は複数サイクル期間に発生した各前記部分放電の電荷量及び発生位相角の組合せの分布パターンを生成する分布パターン生成部と、
    前記分布パターン生成部によりそれぞれ生成された直近の2つ以上の前記分布パターンにおける前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分からなる差分データを生成する差分データ生成部と、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて、前記部分放電の進行度合いを判定する判定部と
    を備えることを特徴とする部分放電判定装置。
  2. 前記分布パターン生成部は、
    各前記部分放電の前記電荷量及び前記発生位相角をそれぞれ規格化し、規格化した前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数をそれぞれ集計した前記分布パターンを生成し、
    前記判定部は、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとを入力として、前記部分放電の進行度合いを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の部分放電判定装置。
  3. 前記判定部は、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて前記部分放電の進行度合いを学習し、学習により得られたニューラルネットワークを利用して、前記部分放電の進行度合いを判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の部分放電判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記部分放電の進行度合いが、前記部分放電が部分放電開始時、部分放電中期及び放電破壊直前のいずれの状態であるかを判定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の部分放電判定装置。
  5. 前記差分データ生成部は、
    直近の2つ以上の前記分布パターンにおける規格化した前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分を規格化した前記電荷量ごとにそれぞれ加算した電荷量別和計算結果と、当該組合せごとの前記部分放電の発生数の差分を規格化した前記発生位相角ごとにそれぞれ加算した位相角別和計算結果とをそれぞれ前記差分データとして生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の部分放電判定装置。
  6. 送電ケーブルに発生する部分放電の進行度合いを判定する部分放電判定装置において実行される部分放電判定方法であって、
    前記送電ケーブルの印加電圧の1又は複数サイクル期間に発生した各前記部分放電の電荷量及び発生位相角の組合せの分布パターンを生成する第1のステップと、
    直近の2つ以上の前記分布パターンにおける前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分からなる差分データを生成する第2のステップと、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて、前記部分放電の進行度合いを判定する第3のステップと
    を備えることを特徴とする部分放電判定方法。
  7. 前記第1のステップでは、
    各前記部分放電の前記電荷量及び前記発生位相角をそれぞれ規格化し、規格化した前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数をそれぞれ集計した前記分布パターンを生成し、
    前記第3のステップでは、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとを入力として、前記部分放電の進行度合いを判定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の部分放電判定方法。
  8. 前記第3のステップでは、
    直近の前記分布パターンのデータと、前記差分データとに基づいて前記部分放電の進行度合いを学習し、学習により得られたニューラルネットワークを利用して、前記部分放電の進行度合いを判定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の部分放電判定方法。
  9. 前記第3のステップでは、
    前記部分放電の進行度合いが、前記部分放電が部分放電開始時、部分放電中期及び放電破壊直前のいずれの状態であるかを判定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の部分放電判定方法。
  10. 前記第2のステップでは、
    直近の2つ以上の前記分布パターンにおける規格化した前記電荷量及び前記発生位相角の組合せごとの前記部分放電の発生数の差分を規格化した前記電荷量ごとにそれぞれ加算した電荷量別和計算結果と、当該組合せごとの前記部分放電の発生数の差分を規格化した前記発生位相角ごとにそれぞれ加算した位相角別和計算結果とをそれぞれ前記差分データとして生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の部分放電判定方法。
JP2019158281A 2019-08-30 2019-08-30 部分放電判定装置及び方法 Active JP7282000B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019158281A JP7282000B2 (ja) 2019-08-30 2019-08-30 部分放電判定装置及び方法
US17/600,151 US20220128614A1 (en) 2019-08-30 2020-04-23 Partial discharge determination apparatus and partial discharge determination method
SG11202111087QA SG11202111087QA (en) 2019-08-30 2020-04-23 Partial discharge determination apparatus and partial discharge determination method
EP20855986.4A EP4024061A4 (en) 2019-08-30 2020-04-23 DEVICE AND METHOD FOR DETERMINING PARTIAL DISCHARGE
PCT/JP2020/017567 WO2021038960A1 (ja) 2019-08-30 2020-04-23 部分放電判定装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019158281A JP7282000B2 (ja) 2019-08-30 2019-08-30 部分放電判定装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021038927A true JP2021038927A (ja) 2021-03-11
JP7282000B2 JP7282000B2 (ja) 2023-05-26

Family

ID=74685424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019158281A Active JP7282000B2 (ja) 2019-08-30 2019-08-30 部分放電判定装置及び方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220128614A1 (ja)
EP (1) EP4024061A4 (ja)
JP (1) JP7282000B2 (ja)
SG (1) SG11202111087QA (ja)
WO (1) WO2021038960A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220160400A (ko) * 2021-05-27 2022-12-06 한국전력공사 송전케이블의 부분방전 Pulse를 이용한 자동 판정 방법
WO2023013236A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 株式会社日立製作所 部分放電判定装置及び方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3916402B1 (en) * 2020-05-25 2024-03-20 ABB Schweiz AG A method for monitoring the electric insulation status of a piece of equipment for mv or hv electric systems
EP4257993A1 (en) * 2020-12-04 2023-10-11 Nitto Kogyo Corporation Discharge detection device
US11808800B2 (en) * 2021-11-18 2023-11-07 National Technology & Engineering Solutions Of Sandia, Llc Radioimaging for real-time tracking of high-voltage breakdown
JP2023172087A (ja) * 2022-05-23 2023-12-06 日東工業株式会社 放電検出システム
WO2023228619A1 (ja) * 2022-05-23 2023-11-30 日東工業株式会社 放電検出システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0580112A (ja) * 1991-09-24 1993-04-02 Fujikura Ltd 電力ケーブルの異常診断装置
JPH08166421A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Hitachi Cable Ltd 部分放電測定方法
JPH1078471A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Furukawa Electric Co Ltd:The 部分放電測定方法
JP2000214211A (ja) * 1999-01-26 2000-08-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 部分放電判定方法
JP2005331415A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Toenec Corp 絶縁診断システム
JP2016223821A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社日立パワーソリューションズ 電気機器の診断装置、電気機器の診断システム、電気機器の診断方法およびプログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2791622C (en) * 2010-03-05 2018-04-03 Ambient Corporation Evaluating noise and excess current on a power line
ES2760617T3 (es) * 2013-05-10 2020-05-14 Prysmian Spa Procedimiento de procesamiento de señales de descarga parcial y aparato que emplea una red neuronal
KR101574615B1 (ko) * 2015-06-18 2015-12-11 지투파워(주) 통계적 위상패턴 기반의 신호검출 방법을 이용한 전력설비 부분 방전 감시진단 시스템

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0580112A (ja) * 1991-09-24 1993-04-02 Fujikura Ltd 電力ケーブルの異常診断装置
JPH08166421A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Hitachi Cable Ltd 部分放電測定方法
JPH1078471A (ja) * 1996-09-03 1998-03-24 Furukawa Electric Co Ltd:The 部分放電測定方法
JP2000214211A (ja) * 1999-01-26 2000-08-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 部分放電判定方法
JP2005331415A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Toenec Corp 絶縁診断システム
JP2016223821A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社日立パワーソリューションズ 電気機器の診断装置、電気機器の診断システム、電気機器の診断方法およびプログラム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
穂積直裕、他: "ニューラルネットワークによる部分放電パターン認識を利用したトリー発生の判別", 電気学会論文誌B, vol. 第111巻、第7号, JPN6022049982, 20 July 1991 (1991-07-20), pages 743 - 748, ISSN: 0004931404 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220160400A (ko) * 2021-05-27 2022-12-06 한국전력공사 송전케이블의 부분방전 Pulse를 이용한 자동 판정 방법
KR102592309B1 (ko) * 2021-05-27 2023-10-23 한국전력공사 송전케이블의 부분방전 Pulse를 이용한 자동 판정 방법
WO2023013236A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 株式会社日立製作所 部分放電判定装置及び方法
JP2023024076A (ja) * 2021-08-06 2023-02-16 株式会社日立製作所 部分放電判定装置及び方法
JP7412392B2 (ja) 2021-08-06 2024-01-12 株式会社日立製作所 部分放電判定装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP4024061A1 (en) 2022-07-06
EP4024061A4 (en) 2023-09-27
SG11202111087QA (en) 2021-11-29
US20220128614A1 (en) 2022-04-28
JP7282000B2 (ja) 2023-05-26
WO2021038960A1 (ja) 2021-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2021038960A1 (ja) 部分放電判定装置及び方法
CN110221225B (zh) 一种航天器锂离子电池循环寿命预测方法
CN107506868B (zh) 一种短时电力负荷预测的方法及装置
JP5005814B2 (ja) バッテリーの長期特性予測システム及び方法
Strange et al. Prediction of future capacity and internal resistance of Li-ion cells from one cycle of input data
JP5313250B2 (ja) バッテリーの長期特性予測システム及び方法
WO2021208079A1 (zh) 获取动力电池寿命数据的方法、装置、计算机设备及介质
CN106055775B (zh) 一种粒子滤波与机理模型相结合的二次电池寿命预测方法
CN106598822B (zh) 一种用于容量评估的异常数据检测方法及装置
CN113743651A (zh) 基于机器学习和svm算法的电子式电压互感器误差状态预测方法
CN113987294A (zh) 一种基于遗传优化gru神经网络的cvt在线故障诊断方法
CN109633448A (zh) 识别电池健康状态的方法、装置和终端设备
CN115587527A (zh) 电池寿命预测方法、系统、终端设备及计算机可读介质
JP7280209B2 (ja) 部分放電判定装置及び方法
Li et al. Reliability assessment based on time waveform characteristics with small sample: A practice inspired by few-shot learnings in metric space
CN115856641A (zh) 一种电池剩余充电时间预测方法、装置及电子设备
CN115795360A (zh) 基于人工神经网络的电缆故障检测方法
CN115392715A (zh) 一种用电数据风险评估方法、装置、设备及存储介质
JP2016126891A (ja) 蓄電池評価装置、蓄電池評価方法およびプログラム
CN115409317A (zh) 基于特征选择和机器学习的台区线损检测方法及装置
CN115144647A (zh) 一种过电压智能识别方法及系统
CN115389954A (zh) 一种电池容量的估算方法、电子设备及可读存储介质
CN115062533A (zh) 多元回归预测模型的构建、预测方法及介质
KR102667861B1 (ko) 딥러닝 기반의 고장 예측 모델을 이용한 중전기기 고장 진단 장치 및 그 방법
KR102513271B1 (ko) 부분방전 위험도 예측 장치 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7282000

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150