JP2021038476A - 紡績機の管理装置及び管理装置付き紡績機 - Google Patents

紡績機の管理装置及び管理装置付き紡績機 Download PDF

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浩之 須佐見
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Abstract

【課題】ファイバー屑の発生量を効率的かつ正確に算出できる管理装置及び紡績機を提供する。【解決手段】管理装置9は、紡績装置3と、ファイバー屑回収装置83と、を備える精紡機100を管理する。紡績装置3は、紡績糸Yを生成する。ファイバー屑回収装置83は、紡績糸Yの生成中で生じたファイバー屑を回収する。管理装置9は、制御装置90を備える。ファイバー屑回収装置83内の静圧は、ファイバー屑回収装置83によって回収されて溜まったファイバー屑の量に応じて変化する。当該制御装置90は、前記静圧に基づいて、精紡機100のファイバー屑発生量を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、主として、糸を生成して巻き取る紡績機の管理装置に関する。
従来から、原料から糸を生成して巻き取る紡績機が知られている。特許文献1及び2は、この種の紡績機である精紡機及び糸巻取機をそれぞれ開示する。
特許文献1の精紡機では、糸の巻取り中において糸切れが発生すると、作業員が糸継ぎを行う。特許文献1の精紡機は、この糸切れを監視し、糸切れにより生じる生産ロス(糸屑量に相当する)を算出する構成となっている。
特許文献2の糸巻取機は、糸継動作で生じる糸屑を回収する糸屑貯留ボックスを備える構成となっている。作業員が糸屑貯留ボックスから糸屑を回収するときに、生産ロスを管理するために回収した糸屑の重さを測定器で測定することがあった。しかし、測定器で毎回測定するのは煩わしく、測定するのを忘れることもあり、生産ロスの管理精度に改善の余地があった。作業員による糸屑の測定作業は、時間が経ってから行われることもあり、生産ロスの管理にはタイムラグも生じていた。
特公昭62−22908号公報 特開2015−183338号公報
紡績機においては、糸継動作等によって糸屑が生じるのとは別に、糸の生成過程においてファイバー屑が生じ、これも原料ロスの原因となる。糸の生産における原料ロスを把握するために、糸を生成するときに生じるファイバー屑の量を算出する要望が高まっている。
本発明の目的は、ファイバー屑の発生量を効率的かつ正確に算出できる管理装置及び紡績機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の管理装置が提供される。即ち、この管理装置は、紡績装置と、ファイバー屑回収装置と、を備える紡績機の管理装置である。前記紡績装置は、糸を生成する。前記ファイバー屑回収装置は、糸の生成中に生じたファイバー屑を回収する。前記管理装置は、制御装置を備える。前記制御装置は、前記ファイバー屑回収装置によって回収されて溜まった前記ファイバー屑の量に応じて変化する特徴量に基づいて、前記紡績機のファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑の発生量を素早く正確に算出することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることができる。即ち、前記ファイバー屑回収装置は、負圧による吸引空気流を介して前記ファイバー屑を集めて回収する。前記管理装置は、前記ファイバー屑回収装置の内部における静圧を検出する静圧検出装置を備える。前記制御装置は、前記静圧検出装置により検出された前記特徴量である前記静圧に基づいて、前記ファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑回収装置の内部における静圧の検出値を用いて、ファイバー屑発生量を簡単な処理で算出することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることができる。即ち、前記ファイバー屑回収装置は、負圧による吸引空気流を介して前記ファイバー屑を集めて回収する。前記管理装置は、ブロア回転数取得装置を備える。前記ブロア回転数取得装置は、前記ファイバー屑回収装置に負圧を供給するブロアのブロア回転数を取得する。前記制御装置は、前記ブロア回転数取得装置により取得された前記特徴量である前記ブロア回転数に基づいて、前記ファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑回収装置内で溜まったファイバー屑の量に応じてブロア回転数を制御する場合に、このブロア回転数を用いて、ファイバー屑発生量を簡単な処理で算出することができる。
前記の管理装置においては、前記制御装置は、前記静圧検出装置により検出された前記静圧が閾値以下となった場合に、前記ファイバー屑回収装置に溜まった前記ファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力することが好ましい。
これにより、ファイバー屑回収装置内の静圧を所定範囲内に良好に維持することができる。従って、吸引空気流を用いて糸を生成する紡績機において、生成される糸の品質の低下を回避できる。また、回収されたファイバー屑を適切なタイミングで排出させることができる。
前記の管理装置においては、前記制御装置は、前記ブロア回転数取得装置により検出された前記ブロア回転数が閾値以上となった場合に、前記ファイバー屑回収装置に溜まった前記ファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力することが好ましい。
これにより、ファイバー屑回収装置内でファイバー屑が溜まっていくのに伴ってブロア回転数を増加させる制御を行う場合に、回収されたファイバー屑を適切なタイミングで排出させることができる。従って、吸引空気流を用いて糸を生成する紡績機において、生成される糸の品質の低下を回避できる。
前記の管理装置においては、前記ファイバー屑回収装置は、前記制御装置から入力された前記ファイバー屑排出指示に応じて、溜まった前記ファイバー屑の自動排出を行うことが好ましい。
これにより、ファイバー屑の排出に関して省力化を実現できる。また、ファイバー屑を確実に排出することができるため、吸引空気流を用いて糸を生成する紡績機において、生成される糸の品質の低下を回避できる。
前記の管理装置においては、前記ファイバー屑発生量の算出の基準となる基準ファイバー屑量を入力する入力装置を備えることが好ましい。
これにより、ファイバー屑発生量を簡単に算出することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記紡績機は、糸巻取装置と、糸継装置と、を備える。前記糸巻取装置は、前記紡績装置で生成された糸を巻き取る。前記糸継装置は、生成した糸を巻き取る過程で糸切れが発生した場合に、糸継ぎを行う。前記制御装置は、前記ファイバー屑発生量を、所定糸生産量の糸を生成して巻き取る糸生成期間でのファイバー屑の総発生量として算出する。前記制御装置は、前記糸生成期間内において前記糸継装置で行った糸継ぎの回数及び/又は時間に基づいて、当該糸生成期間内での糸屑の総発生量を算出する。前記制御装置は、算出された前記ファイバー屑の総発生量と、前記糸屑の総発生量と、を加算することで、原料ロス量を算出する。
これにより、ファイバー屑と糸屑の両方の観点から、糸生成期間における原料ロス量を算出することができるため、原料ロス量をより正確に管理することができる。
前記の管理装置においては、前記制御装置は、前記所定糸生産量に対する前記原料ロス量の割合を求めることが好ましい。
これにより、糸の生産にあたってどの程度の割合で原料がロスするかを容易に把握することができる。
前記の管理装置においては、前記制御装置により算出された前記原料ロス量を表示する表示部を備えることが好ましい。
これにより、生産管理者及び/又はオペレータが紡績機の原料ロス量を容易に確認することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御装置は、算出された前記原料ロス量を記憶する記憶部を備える。前記制御装置は、前記紡績機で巻き取った糸の前記所定糸生産量毎に前記原料ロス量を算出する。前記制御装置は、現在原料ロス量と、過去原料ロス量と、の偏差であるロス量偏差を算出する。前記現在原料ロス量は、前記所定糸生産量の糸を生成して巻き取った直近の前記糸生成期間に対して算出された前記原料ロス量である。前記過去原料ロス量は、前記記憶部により記憶され、前記所定糸生産量の糸を生成して巻き取った過去の前記糸生成期間に対して算出された前記原料ロス量のうち、異常がないと判定された前記原料ロス量である。算出された前記ロス量偏差の絶対値が閾値以上である場合、前記原料ロス量に異常があると判定して前記表示部に当該異常を表示する。
これにより、原料ロス量の変化を監視することで、生産管理を良好に行うことができる。また、紡績機に発生する異常等にオペレータが早期に気付くことができる。
前記の管理装置においては、前記ロス量偏差の絶対値が前記閾値より小さい場合、前記記憶部により記憶された前記過去原料ロス量が、前記現在原料ロス量に更新されることが好ましい。
これにより、紡績機の経時変化等を原因とする原料ロス量の緩やかな変化を許容しながら、原料ロス量の異常を判定することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御装置は、前記紡績機とは異なる紡績機を管理する他の管理装置と通信可能に構成される。前記制御装置は、前記過去原料ロス量を、前記他の管理装置から通信により取得する。
これにより、複数の装置間での情報の共有により、原料ロス量における異常を良好に判定することができる。
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御装置は、算出された前記原料ロス量を、生成する糸の種類及び紡績条件と対応付けて記憶する記憶部を備える。前記制御装置は、指定された糸の種類及び前記紡績条件で所定糸生産量の糸を生成して巻き取るために必要となる原料量を、前記記憶部により記憶された前記原料ロス量に基づいて算出する。
これにより、糸の生産のために必要となる原料量を正確に予測することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の管理装置付き紡績機が提供される。即ち、この紡績機は、前記管理装置と、前記紡績機と、を備える。前記紡績機は、前記管理装置により管理される。前記紡績機が備える前記紡績装置は、エアジェット紡績装置である。
これにより、エアジェットにより糸を生成するのに伴って発生するファイバー屑の量を、素早く正確に算出することができる。
本発明の一実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示す正面図。 紡績ユニット及び糸継台車を示す側面図。 ファイバー屑回収ボックスの内部構造を示す模式図。 変形例の精紡機のファイバー屑回収装置の構成を示す図。
次に、本発明の一実施形態に係る精紡機(紡績機)100について、図面を参照して説明する。以下では、精紡機100の紡績動作に関して「上流」及び「下流」というときは、紡績糸(糸)Yの巻取時における、スライバ(原料)S、繊維束F、及び紡績糸Yの走行方向での上流及び下流を意味する。また、精紡機100でのファイバー屑又は糸屑の吸引に関して「上流」及び「下流」というときは、吸引空気流が流れる方向での上流及び下流を意味する。
図1に示す第1実施形態の精紡機100は、ブロアボックス80と、原動機ボックス70と、紡績ユニット1と、糸継台車6と、を備えている。紡績ユニット1は、1列に並べて複数設けられている。
ブロアボックス80内には、負圧源81及び回収装置82等が設けられている。負圧源81は、負圧を生成する。回収装置82は、各紡績ユニット1で生じたファイバー屑及び糸屑を回収する。
本明細書においてファイバー屑とは、繊維が撚られていない状態の屑を意味し、典型的には紡績糸Yの生成過程で生じる。糸屑とは、紡績が完了して紡績糸Yとなっている状態の屑を意味する。ファイバー屑はソフトな屑ということができ、糸屑はハードな屑ということができる。
負圧源81は、図1に示すように、メインブロア(ブロア)81aと、メインモータ81bと、サブブロア81cと、サブモータ81dと、を備える。
メインブロア81aは、回収装置82が備える後述のファイバー屑回収装置83に接続されている。メインブロア81aは、電動モータからなるメインモータ81bによって駆動され、ファイバー屑回収装置83内に負圧(言い換えれば、吸引空気流)を発生させる。
サブブロア81cは、回収装置82が備える後述の糸屑回収装置84に接続されている。サブブロア81cは、電動モータからなるサブモータ81dによって駆動され、糸屑回収装置84内に負圧(言い換えれば、吸引空気流)を発生させる。
回収装置82は、図1に示すように、ファイバー屑を回収するためのファイバー屑回収装置83と、糸屑を回収するための糸屑回収装置84と、を備える。ファイバー屑回収装置83は、ファイバー屑回収ボックス85と、メイン吸引ダクト86と、から構成される。糸屑回収装置84は、糸屑回収ボックス87と、サブ吸引ダクト88と、から構成される。
ファイバー屑回収ボックス85は、メインブロア81aと、メイン吸引ダクト86と、の間に設けられている。ファイバー屑回収ボックス85は、吸気空気流が流れる通路に設けられたフィルタ(図3に示す後述のメインフィルタ73及びサブフィルタ74)を用いて、メイン吸引ダクト86内の吸引空気流に乗って流れてきたファイバー屑を捕捉して回収する。
図3に示すように、ファイバー屑回収ボックス85には、吸引空気流が流れるメイン通路71と、バイパス通路72と、が形成されている。メイン通路71にメインフィルタ73が設けられ、バイパス通路72にサブフィルタ74が設けられている。メインフィルタ73及びサブフィルタ74は、何れもファイバー屑を捕捉することができるメッシュを備える。
精紡機100の通常状態では、図3(a)に示すように、吸引空気流はファイバー屑回収ボックス85内のメイン通路71を通過するように流れる。従って、吸引空気流に乗ってファイバー屑回収ボックス85に流れてきたファイバー屑は、メイン通路71に配置されたメインフィルタ73により捕捉される。
ファイバー屑回収ボックス85には複数の可動部材が設けられており、その位置を図3(b)に示すように変化させることができる。可動部材の位置の切換は、図示しない適宜のアクチュエータにより行うことができる。これにより、精紡機100において、各紡績ユニット1での紡績を継続しながら、ファイバー屑回収ボックス85に溜まったファイバー屑を排出することができる。
図3(b)の状態では、吸引空気流は、ファイバー屑回収ボックス85内のバイパス通路72を通過するように流れる。図3(b)の状態では、メインフィルタ73が設けられた部分の近傍のメイン通路71の底部が開放される。従って、メインフィルタ73によって捕捉されていたファイバー屑は、自重により落下して、ファイバー屑回収ボックス85の外部に排出される。このようにして、ファイバー屑回収ボックス85からファイバー屑を自動的に排出することができる。排出されたファイバー屑は、図略のコンベア等によって適宜の場所に送られ、例えば再利用のために回収される。
図3(b)の状態で、吸引空気流に乗ってファイバー屑回収ボックス85に流れてきたファイバー屑は、バイパス通路72に配置されたサブフィルタ74により捕捉される。しばらくして、ファイバー屑回収ボックス85は、図3(b)の排出状態から図3(a)の通常状態に戻る。バイパス通路72を吸引空気流が通過しなくなるので、サブフィルタ74により捕捉されていたファイバー屑は下方へ落下する。このファイバー屑は、メイン通路71を通過する吸引空気流に乗って流れ、メインフィルタ73によって捕捉される。
メイン吸引ダクト86は、紡績ユニット1が並べられる向きに細長く形成され、複数の紡績ユニット1にわたって設けられている。メインブロア81aの回転によってファイバー屑回収装置83の内部で発生された吸引空気流は、当該メイン吸引ダクト86を介して、各紡績ユニット1が備える後述のドラフト装置2及び紡績装置3に供給される。
糸屑回収ボックス87は、図1に示すように、サブブロア81cと、サブ吸引ダクト88と、の間に設けられている。糸屑回収ボックス87は、吸気空気流が流れる通路に設けられた図略のフィルタを用いて、サブ吸引ダクト88内の吸引空気流に乗って流れてきた糸屑を捕捉して回収する。
糸屑回収ボックス87内で貯留された糸屑を排出するとき、オペレータは、図略の糸屑排出ボタンを押すことで、糸屑回収ボックス87内における吸引空気流の通路を閉じさせる。その後、オペレータの手作業等によって、糸屑回収ボックス87内に貯留された糸屑が回収される。ただし、例えば糸屑回収ボックス87をファイバー屑回収ボックス85と実質的に同様に構成して、糸屑の自動的な排出を実現することもできる。
サブ吸引ダクト88は、紡績ユニット1が並べられる向きに細長く形成され、複数の紡績ユニット1にわたって設けられている。サブブロア81cの回転によって糸屑回収装置84の内部で発生された吸引空気流は、当該サブ吸引ダクト88を介して、各紡績ユニット1に対して走行する糸継台車6及び図略の玉揚台車等、並びに各紡績ユニット1に設けられた吸引口(ヤーントラップ及び/又は後述の糸吸引装置28等)に供給される。
図1に示すように、原動機ボックス70には管理装置9が設けられている。これにより、管理装置付き紡績機が構成されている。管理装置9は、各紡績ユニット1が備える図略のユニット制御部と通信可能に構成されている。ユニット制御部は、1つの紡績ユニット1毎ではなく、所定数の紡績ユニット1毎に設けられていても良い。管理装置9は、糸継台車6及び玉揚台車がそれぞれ備える図略の台車制御部とも通信することができる。管理装置9は、各ユニット制御部、及び台車制御部と通信することで、各紡績ユニット1、糸継台車6、玉揚台車等の情報を集中管理することができる。
管理装置9は、制御装置90と、ディスプレイ(表示部)91と、入力装置92と、を備える。
制御装置90は、公知のコンピュータとして構成されている。制御装置90は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)等を備える。
ディスプレイ91は、各紡績ユニット1の稼動状況、糸品質、及び原料ロス量(ファイバー屑の総発生量、糸屑の総発生量)等に関する様々な情報を表示する。
入力装置92は、複数の入力キーを備えている。オペレータは、入力装置92を操作することで、ディスプレイ91に表示させる情報を選択したり、精紡機100の紡績条件等を設定したりすることができる。精紡機100の紡績条件は、紡績糸Yの太さ(番手、繊維量)、紡績糸Yの走行速度である糸速、紡績ユニット1が備えるドラフト装置2のドラフト条件のうち少なくとも1つを含む。ディスプレイ91がタッチパネルディスプレイである場合、ディスプレイ91と入力装置92とは一体的に構成されていても良い。
各紡績ユニット1は、図1に示すように、主として、上流から下流へ向かって順に設けられた、ドラフト装置2と、紡績装置3と、糸巻取装置4と、を備えている。
ドラフト装置2は、精紡機100が備えるフレーム10の上端近傍に設けられている。ドラフト装置2は、図2に示すように、上流側から順に設けられた、バックローラ対21、サードローラ対22、ミドルローラ対23、及びフロントローラ対24の4つのドラフトローラ対を備えている。ミドルローラ対23には、エプロンベルト25が各ローラに対して設けられている。
ドラフト装置2は、図略のスライバケースから供給されるスライバSを、ドラフトローラ対に含まれるローラ同士の間で挟み込んで搬送することにより、所定の繊維量(又は太さ)となるまで引き伸ばして(ドラフトして)、繊維束Fを生成する。ドラフト装置2で生成された繊維束Fは、紡績装置3に供給される。
図2に示すように、ドラフト装置2の直ぐ下流側(フロントローラ対24の下方)には、第1ファイバー屑吸引除去装置26が設けられている。第1ファイバー屑吸引除去装置26は、メイン吸引ダクト86に接続された細長い中空の部材を備える。従って、第1ファイバー屑吸引除去装置26の先端部及び内部において吸引空気流が発生する。
ドラフト装置2の周辺では、様々なファイバー屑が発生する。例えば、ドラフト装置2においてスライバSを引き伸ばす際に繊維束Fから繊維が脱落し、これがファイバー屑となる。ドラフト装置2には清掃のための図略のクリーニング装置が設けられており、この清掃の結果としてファイバー屑が発生する。更には、後述するが、紡績装置3のクリーニング動作によって、紡績装置3の内部に付着していたファイバー屑が周囲に飛ばされる。第1ファイバー屑吸引除去装置26は、これらのファイバー屑を吸引して除去する。第1ファイバー屑吸引除去装置26によって吸引されたファイバー屑は、当該第1ファイバー屑吸引除去装置26内の吸引空気流に乗って、メイン吸引ダクト86を介してファイバー屑回収ボックス85へ流れる。
ドラフト装置2で生じたファイバー屑は、第1ファイバー屑吸引除去装置26の代わりに、又はそれに加えて、他の吸引除去装置によって除去されても良い。他の吸引除去装置の例としては、ドラフトローラ対と対面してその外周面を吸引するように構成された吸引装置を挙げることができる。他の吸引除去装置は、前記クリーニング装置の清掃の結果として発生したファイバー屑を取り除くために特別に設けられた吸引装置であっても良い。
紡績装置3は、例えばエアジェット紡績装置から構成される。紡績装置3は、図略の紡績ノズルを備える。紡績装置3は、紡績ノズルから当該紡績装置3の内部に圧縮空気を噴射することにより、旋回空気流を発生させる。この旋回空気流によって、ドラフト装置2から供給された繊維束Fに撚りが加えられ、紡績糸Yが生成される。
紡績装置3の構成は公知であるので、以下、簡単に説明する。図示しないが、紡績装置3は、ノズルブロックと、中空ガイド軸体と、を備える。ノズルブロックは、繊維案内部と、紡績ノズルと、紡績室と、を備える。中空ガイド軸体は、糸通路と、第2ノズルと、を備える。
ノズルブロックが備える繊維案内部は、ドラフトされた繊維束Fを紡績装置3の内部(紡績室)に向けて案内する部材である。紡績装置3は、紡績ノズルから紡績室内に空気を噴射して、紡績室内の繊維束Fに旋回空気流を作用させる。この旋回空気流の作用を受けて、繊維束Fを構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられる。
中空ガイド軸体は、円筒状の部材であり、その内部に糸通路が形成されている。中空ガイド軸体は、紡績糸Yを紡績室内から紡績装置3の外部に案内する。
紡績を開始するにあたって、ドラフト装置2から繊維束Fを紡績装置3に導入する必要がある。このため、紡績装置3は、第2ノズルを用いて糸通路内に空気を噴射することで、糸通路内に、上流から下流に向かって流れる旋回空気流を発生させる。糸通路内において発生する旋回空気流の方向は、紡績室の旋回空気流の方向とは逆になっている。
精紡機100(各紡績ユニット1)は、第2ファイバー屑吸引除去装置27を備える。第2ファイバー屑吸引除去装置27は、細長い中空の部材を備える。第2ファイバー屑吸引除去装置27は、紡績装置3の紡績室(又は紡績室の下流に設けられた排気路)と、メイン吸引ダクト86と、を接続するように設けられている。従って、第2ファイバー屑吸引除去装置27の内部において吸引空気流が発生する。
紡績装置3に供給される繊維束Fにおいては、紡績動作時において一部の繊維が紡績糸Yとして撚り込まれずに離脱する。このようにして、紡績室内においてファイバー屑が発生する。第2ファイバー屑吸引除去装置27は、このファイバー屑を除去することができる。第2ファイバー屑吸引除去装置27によって吸引されたファイバー屑は、当該第2ファイバー屑吸引除去装置27内の吸引空気流に乗って、メイン吸引ダクト86を介してファイバー屑回収ボックス85へ流れる。
紡績装置3の上記紡績動作が停止した後、又は上記紡績動作が再開(開始)する前に、紡績装置3のクリーニング動作が行われる。クリーニング動作について説明すると、先ず、紡績装置3の中空ガイド軸体をノズルブロックから離間させて、紡績室を外部に開放した状態とする。次に、この状態で、紡績ノズルから空気を所定時間噴射する。これにより、前の紡績動作において紡績室内に残留していたファイバー屑を外部に吹き飛ばして、紡績装置3から取り除くことができる。ただし、上記のクリーニング動作は一例であって、他の動作によってファイバー屑のクリーニングを行うこともできる。ファイバー屑は、第1ファイバー屑吸引除去装置26又は第2ファイバー屑吸引除去装置27により吸引除去される。
糸巻取装置4は、クレードルアーム41と、巻取ドラム42と、トラバースガイド43と、を備えている。クレードルアーム41は、紡績糸Yを巻き取るためのボビン46(即ちパッケージ45)を回転可能に支持することができる。クレードルアーム41は、支軸44まわりに揺動可能に支持されている。巻取ドラム42は、前記ボビン46又はパッケージ45の外周面に接触した状態で回転することで、パッケージ45を巻取方向に回転駆動する。糸巻取装置4は、トラバースガイド43を図略の駆動手段によって往復動させながら巻取ドラム42を図略の電動モータによって駆動する。これにより、紡績糸Yを綾振りしつつ、紡績糸Yをパッケージ45に巻き取る。
各紡績ユニット1において、紡績装置3と糸巻取装置4との間には、糸貯留装置11と、糸監視装置12と、が設けられている。
糸貯留装置11は、紡績装置3の下流側に設けられている。糸貯留装置11は、図2に示すように、糸貯留ローラ11aと、当該糸貯留ローラ11aを回転駆動するモータ11bと、を備える。
糸貯留ローラ11aは、その外周面に一定量の紡績糸Yを巻き付けて一時的に貯留する。糸貯留ローラ11aは、外周面に紡績糸Yを巻き付けた状態で所定の回転速度で回転することにより、紡績装置3から紡績糸Yを所定の速度で引き出して下流側に搬送する。
図2に示すように、糸貯留ローラ11aの近傍には、糸吸引装置28が設けられている。糸吸引装置28は、中空のパイプにより構成されている。このパイプはサブ吸引ダクト88に接続されている。従って、糸吸引装置28の先端部及び内部で吸引空気流が発生する。
紡績糸Yの巻取り時において、何らかの理由で糸切れが発生した場合であって、糸貯留ローラ11aに紡績糸Yが残留している場合に、糸吸引装置28は、その先端部及び内部で発生する吸引空気流によって、糸貯留ローラ11aに巻かれた残糸を吸引捕捉して除去することができる。ところで、糸切れは、紡績糸Yに過剰なテンションが掛かる等して紡績糸Yが切れる事象と、糸監視装置12により糸欠陥が検出されて紡績糸Yを切断する事象との少なくとも何れかを含む。
糸吸引装置28によって吸引除去された残糸(糸屑)は、当該糸吸引装置28内の吸引空気流に乗って、サブ吸引ダクト88を介して糸屑回収ボックス87へ流れる。糸吸引装置28による当該残糸の除去は、例えば、糸継台車6による後述の糸継作業が開始される前に行われる。
糸監視装置12は、紡績装置3と糸貯留装置11との間に設けられている。紡績装置3で生成された紡績糸Yは、糸貯留装置11で巻き取られる前に当該糸監視装置12を通過する。
糸監視装置12は、走行する紡績糸Yの品質(太さ等)を光透過式のセンサによって監視し、紡績糸Yに含まれる糸欠陥(紡績糸Yの太さ等に異常がある箇所、異物等)を検出する。糸監視装置12は、光透過式のセンサに限定されず、例えば静電容量式センサを用いて紡績糸Yを監視することもできる。糸監視装置12は、紡績糸Yの品質として、紡績糸Yのテンションを検出するように構成されていても良い。
糸監視装置12により糸欠陥が検出された場合、紡績糸Yが切断される。紡績糸Yの切断の方法は様々であり、例えば、紡績装置3における紡績を停止することで、紡績糸Yを切断することができる。紡績ユニット1等がカッタを備えるように構成し、このカッタによって紡績糸Yを切断しても良い。
糸継台車6は、図1に示すように、走行車輪61と、糸継装置62と、サクションパイプ63と、サクションマウス64と、を備えている。
走行車輪61は、図略のモータによって回転駆動可能に構成されている。この走行車輪61を駆動することにより、糸継台車6を複数の紡績ユニット1に対して走行させることができる。
サクションパイプ63は、サブ吸引ダクト88に接続されている。サクションパイプ63は、その先端に吸引空気流を発生させることにより、紡績装置3から送出される紡績糸Yを吸い込んで捕捉することができる。サクションマウス64は、サブ吸引ダクト88に接続されている。サクションマウス64は、その先端に吸引空気流を発生させることにより、糸巻取装置4に支持されたパッケージ45から紡績糸Yを吸い込んで捕捉することができる。サクションパイプ63及びサクションマウス64は、紡績糸Yを捕捉した状態で回動することにより、当該紡績糸Yを糸継装置62に導入できる位置まで案内する。
糸継装置62は、サクションパイプ63によって案内された紡績装置3からの紡績糸Yと、サクションマウス64によって案内されたパッケージ45からの紡績糸Yと、を糸継ぎする。本実施形態において、糸継装置62は、旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置62は上記スプライサ装置に限定せず、例えば種糸を用いるピーサー、紡績糸Yを機械的に継ぐノッタ等を採用することもできる。
糸継装置62は、糸継ぎするための糸端を生成するために、サクションパイプ63及びサクションマウス64により吸引された紡績糸Yを切断する。これにより生じた糸屑は、サクションパイプ63及びサクションマウス64によって吸引除去される。サクションパイプ63及びサクションマウス64によって吸引除去された糸屑は、当該サクションパイプ63及びサクションマウス64内の吸引空気流に乗って、サブ吸引ダクト88を介して糸屑回収ボックス87へ流れる。
本実施形態において、精紡機100の管理装置9は、紡績糸Yを生成してパッケージ45を形成する過程で発生する原料ロス量を、所定糸生産量毎に算出することができる。管理装置9は、算出された原料ロス量を記憶部95に記憶する。算出された原料ロス量は適宜監視され、原料ロス量に不規則的な変化があった場合は異常として検出される。
算出された原料ロス量は、オペレータが入力装置92により指定した紡績条件で、所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取るために必要となるスライバSの量(原料量)を求めるために用いられる。これにより、必要な原料量の予測を正確に行うことができるので、例えば原料の在庫管理が容易になる。
当該原料ロス量は、所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取る期間内で、ファイバー屑回収装置83によるファイバー屑の総回収量と、糸屑回収装置84による糸屑の総回収量と、を加算することで求めることができる。精紡機100で発生するファイバー屑の少なくとも大部分がファイバー屑回収装置83によって回収され、糸屑の少なくとも大部分が糸屑回収装置84によって回収される。従って、ファイバー屑の回収量(総回収量)は、精紡機100でのファイバー屑の発生量(総発生量)とみなすことができる。同様に、糸屑の回収量(総回収量)は、糸屑の発生量(総発生量)とみなすことができる。
続いて、ファイバー屑の総回収量の算出について詳細に説明する。ここで、上記所定糸生産量は、精紡機100が全体として生産する必要がある紡績糸Yの量であって、オペレータにより予め設定されている。所定糸生産量は、例えば、パッケージ45の総重量又は個数によって表現することができる。この所定糸生産量は、精紡機100の機種、生産する紡績糸Yの種類等に基づいて適宜設定される。
ファイバー屑回収ボックス85内において、ファイバー屑を捕捉する上記メインフィルタ73は、図3に示すように、吸引空気流が流れる通路に設けられている。従って、ファイバー屑がメインフィルタ73に貯まるのに伴って、吸引空気流がメインフィルタ73を流れる際の抵抗が増大する。この抵抗による動圧の損失分は、ベルヌーイの定理により、メインフィルタ73より上流側の通路内の静圧が低下する現象となって現れる。
このように、メインフィルタ73より上流側のファイバー屑回収ボックス85内の静圧(特徴量)は、ファイバー屑回収量の増加に従って低下する。この関係を利用して、ファイバー屑回収ボックス85に溜まったファイバー屑の量を取得することができる。
本実施形態の精紡機100には、第1静圧検出装置(静圧検出装置)93が設けられている。第1静圧検出装置93は、例えば、図3に示すように、ファイバー屑回収ボックス85内に形成されたバイパス通路72に設けられている。この第1静圧検出装置93は、メイン通路71のメインフィルタ73より上流側のファイバー屑回収ボックス85内の静圧を検出する。
第1静圧検出装置93は、図3に示すバイパス通路72において、サブフィルタ74より下流側に設けられることが好ましい。これにより、第1静圧検出装置93が、ファイバー屑等の影響を受けずに、ファイバー屑回収ボックス85内の静圧を精度良く検出することができる。
第1静圧検出装置93は、例えば微差圧センサから構成されている。第1静圧検出装置93は、検出したファイバー屑回収ボックス85内の静圧を制御装置90に出力する。
制御装置90は、上記のROM、RAM、HDDからなる記憶部95を用いて、第1静圧検出装置93により検出された静圧を記憶する。記憶部95には、ファイバー屑回収装置83内の静圧と、ファイバー屑回収ボックス85により回収されたファイバー屑の回収量と、の対応関係を示す静圧−ファイバー屑回収量データが記憶されている。
静圧とファイバー屑回収量との関係は、例えば、精紡機100により生産する紡績糸Yの種類、設定された紡績条件等に基づいて、様々に異なる。この事実を考慮して、上記の静圧−ファイバー屑回収量データは、紡績糸Yの種類及び紡績条件に対応付けられて記憶される。静圧−ファイバー屑回収量データは、テーブルの形で記憶部95に記憶されても良いし、計算式のパラメータの形で記憶部95に記憶されても良い。
これにより、制御装置90は、第1静圧検出装置93により検出された静圧に基づいて、ファイバー屑回収ボックス85に溜まったファイバー屑の量を容易に算出することができる。
制御装置90は、第1静圧検出装置93を用いて、ファイバー屑回収装置83内の静圧を監視している。具体的には、第1静圧検出装置93により検出された静圧が所定の閾値以下になった場合、制御装置90は、ファイバー屑回収ボックス85における上記ファイバー屑の自動排出を実行させるように、ファイバー屑回収装置83にファイバー屑排出指示を出力する。ファイバー屑回収装置83は、制御装置90からのファイバー屑排出指示に応じて、上述の自動排出を行う。
制御装置90は、自動排出が行われる毎に、ファイバー屑回収装置83から排出されるファイバー屑の量をファイバー屑排出量Qとして算出する。当該ファイバー屑排出量Qは、自動排出を行う直前までにファイバー屑回収ボックス85に回収されたファイバー屑の量に相当する。従って、ファイバー屑排出量Qは、互いに隣接する2回の自動排出の間の期間で発生するファイバー屑発生量に相当する。ファイバー屑排出量Qは、自動排出が行われる直前に第1静圧検出装置93が検出した静圧に基づいて、上述の静圧−ファイバー屑回収量データを参照して算出される。算出されたファイバー屑排出量Qは、記憶部95により記憶される。
精紡機100の紡績糸Yの生産量が所定糸生産量に到達するには、ある程度の時間が掛かる。以下、所定糸生産量に対応する糸生成期間を特定期間Pと呼ぶ。特定期間Pは、紡績糸Yの種類及び紡績条件が同一であっても、不確定な要因(例えば、糸監視装置12によって糸欠陥が実際に検出される回数等)によって長くなったり短くなったりする。この特定期間Pは、上記に限定されず、例えば、1つのシフト時間単位に設定しても良い。
この特定期間Pにおいて、ファイバー屑回収装置83におけるファイバー屑の自動排出が複数回行われる場合がある。この場合、本実施形態の制御装置90は、ファイバー屑の自動排出が実行される毎にファイバー屑排出量Qを算出し、算出された複数のファイバー屑排出量Qの総和を求める。これにより、特定期間P内においてファイバー屑回収装置83により回収されたファイバー屑の総回収量を算出することができる。ファイバー屑の総回収量は、特定期間P内で発生したファイバー屑発生量に相当する。
特定期間Pの終期は、ファイバー屑回収装置83におけるファイバー屑の自動排出のタイミングと一致しない場合が殆どである。この事実を考慮して、制御装置90は、特定期間Pが完了する時点で、第1静圧検出装置93により検出された静圧に基づいて、ファイバー屑回収ボックス85内に溜まったファイバー屑の量を算出することが好ましい。この場合、制御装置90は、算出された当該ファイバー屑の量を、当該特定期間P内で、それまでに算出していたファイバー屑排出量Qの総和と加算し、上記ファイバー屑の総回収量を算出する。
特定期間Pが終了した時点でファイバー屑の自動排出を強制的に行うことにより、次の特定期間Pでの総回収量を簡単かつ正確に算出することができる。特定期間Pの途中の任意のタイミングで、オペレータによりファイバー屑回収装置83の清掃が行われることがある。この場合、制御装置90は、清掃の直前で第1静圧検出装置93により検出された静圧に基づいて、ファイバー屑回収ボックス85内に溜まっていたファイバー屑の量を算出し、当該算出結果を、当該特定期間Pにおけるファイバー屑の総回収量を算出するために用いる。
何らかの理由(例えば、機械のメンテナンス等)で、特定期間Pが中断され、オペレータによりファイバー屑回収装置83の清掃が行われた場合、又は、特定期間Pがオペレータの操作によってリセットされた場合、制御装置90は、特定期間Pの再開又は開始に伴い、それまでの算出処理を一旦リセットし、新たに一連の算出を開始しても良い。
続いて、本実施形態の精紡機100における糸屑の総回収量の算出について、詳細に説明する。本実施形態では、管理装置9の制御装置90は、特定期間Pにおいて、算出された糸継糸屑量と、玉揚糸屑量と、を加算することにより、糸屑の総回収量を算出している。
糸継糸屑量は、例えば、下記のように算出される。即ち、制御装置90は、糸継台車6が特定期間P内で行った糸継ぎの回数をカウントし、得られた糸継回数と、1回の糸継ぎで生じる単位糸継糸屑量と、を乗じることにより、糸継糸屑量を算出する。単位糸継糸屑量は、予め制御装置90に設定されるパラメータである。単位糸継糸屑量は、例えば、試運転又は実際の運転で実際に発生した糸継糸屑量を実際に計測し、計測値の平均値を求めることにより得ることができる。
単位糸継糸屑量は、一定値とすることに限定されない。例えば、長糸欠陥及び短糸欠陥のそれぞれに対する糸継ぎを分けてカウントし、長糸欠陥の場合の単位糸継糸屑量、及び、短糸欠陥の場合の単位糸継糸屑量をそれぞれ乗じて加算することで、糸継糸屑量を求めることもできる。
玉揚糸屑量は、例えば、特定期間P内で巻き取る予定の所定糸生産量、糸種類、糸太さ、パッケージ45の形状等によって算出される玉揚作業の回数と、糸走行速度等に基づいて算出される1回の玉揚作業で生じる単位玉揚糸屑量と、を乗じることにより算出される。
上記ファイバー屑の総回収量の算出と同じように、何らかの理由(例えば、機械のメンテナンス等)で、特定期間Pが中断された場合、又は、特定期間Pがオペレータの操作によってリセットされた場合、制御装置90は、特定期間Pの再開又は開始に伴い、それまでの算出処理をいったんリセットし、新たに一連の算出を開始しても良い。
しかし、本実施形態は当該例に限定されず、例えば、糸継糸屑量の算出と同様に、特定期間P内で玉揚作業が実際に行われた回数をカウントして、上記玉揚糸屑量を算出しても良い。
糸継作業及び玉揚作業は必ず成功するとは限らず、ミスが発生する場合もある。ミスが生じると、糸屑量はその分増加する。この事実を考慮して、上記のように算出された糸継糸屑量及び玉揚糸屑量が、例えば、糸継作業ミス、及び玉揚作業ミスの回数のそれぞれに基づいて補正されてもよい。
本実施形態の精紡機100において、制御装置90は、上記のように算出されたファイバー屑の総回収量(総発生量)と、糸屑の総回収量(総発生量)と、を加算することにより、上記原料ロス量を算出する。制御装置90により算出された原料ロス量は、記憶部95により記憶される。記憶部95は、得られた原料ロス量を、当該原料ロス量に対応する特定期間P内で生成された紡績糸Yの種類、及び設定された紡績条件等と対応付けて記憶する。
上記の原料ロス量を、特定期間P内で巻き取られた紡績糸Yの総量である所定糸生産量で除することにより、原料ロス率を得ることができる。制御装置90は、原料ロス率を算出して、記憶部95に記憶させる。原料ロス率は、特定期間P内で生成された紡績糸Yの種類及び設定された紡績条件と対応付けて、記憶部95に記憶される。
本実施形態の精紡機100においては、制御装置90は、算出された特定期間P内の原料ロス量に基づいて、精紡機100に異常(原料ロスに関する異常)が発生しているか否かを判定する。制御装置90は、原料ロスに関する異常として、原料であるスライバS自体の異常を検出しても良い。
具体的には、制御装置90は、所定糸生産量の紡績糸Yを巻き取った後、上記のように、当該特定期間P内の原料ロス量を算出する。制御装置90は、直近の特定期間Pに対して算出された原料ロス量である現在原料ロス量と、記憶部95により記憶された同じ紡績条件下での過去の特定期間Pに対して算出された原料ロス量である過去原料ロス量と、の偏差であるロス量偏差を算出する。
ロス量偏差の絶対値が、予め設定された閾値以上である場合、即ち、今回の特定期間Pでの原料ロス量が、過去の特定期間Pの原料ロス量に対して所定程度以上乖離している場合、制御装置90は、原料ロス量に関して異常が発生していると判定し、オペレータに知らせる。この異常をオペレータに知らせる方法は様々であるが、例えばディスプレイ91に警告を表示しても良い。
ロス量偏差の絶対値が前記閾値より小さい場合、制御装置90は、今回得られた特定期間Pでの原料ロス量で、同じ紡績糸Yの種類かつ同じ紡績条件に対応して記憶部95に記憶されていた過去原料ロス量を更新する。これにより、精紡機100の経年変化等を原因とする原料ロス量の緩やかな変化を許容しながら、原料ロス量の異常を検出することができる。
本実施形態の精紡機100において、記憶部95に過去原料ロス量が記憶されていない場合、制御装置90は、他の精紡機である他精紡機(他紡績機)を管理する他の管理装置が同様に算出して記憶している過去原料ロス量を用いて、上記の判定を行う。制御装置90は他の管理装置と通信可能に構成されており、過去原料ロス量を公知の通信により取得することができる。これにより、例えば未知の種類の紡績糸Yを紡績する場合でも、他の管理装置から情報を取得することにより、原料ロス量に関する異常判定を問題なく行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態の管理装置9は、紡績装置3と、ファイバー屑回収装置83と、を備える精紡機100の管理装置である。紡績装置3は、紡績糸Yを生成する。ファイバー屑回収装置83は、紡績糸Yの生成中に生じたファイバー屑を回収する。管理装置9は、制御装置90を備える。制御装置90は、ファイバー屑回収装置83によって回収されて溜まったファイバー屑の量に応じて変化する特徴量(具体的には、ファイバー屑回収装置83の内部における静圧)に基づいて、精紡機100のファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑発生量を素早く正確に算出することができる。
本実施形態において、ファイバー屑回収装置83は、負圧による吸引空気流を介してファイバー屑を集めて回収する。管理装置9は、第1静圧検出装置93を備える。第1静圧検出装置93は、ファイバー屑回収装置83の内部における静圧を検出する。制御装置90は、第1静圧検出装置93により検出された特徴量である静圧に基づいて、ファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑回収装置83内部における静圧の検出値を用いて、ファイバー屑発生量を簡単な処理で算出することができる。
本実施形態において、制御装置90は、第1静圧検出装置93により検出された静圧が閾値以下となった場合に、ファイバー屑回収装置83に溜まったファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力する。
これにより、ファイバー屑回収装置83内の静圧を適宜の範囲内に良好に維持することができる。従って、吸引空気流を用いて紡績糸Yを生成する精紡機100において、生成される紡績糸Yの品質の低下を回避できる。また、回収されたファイバー屑を適切なタイミングで排出させることができる。
本実施形態において、ファイバー屑回収装置83は、制御装置90から入力されたファイバー屑排出指示に応じて、溜まったファイバー屑の自動排出を行う。
これにより、ファイバー屑の排出に関して省力化を実現できる。また、ファイバー屑を確実に排出することができるため、吸引空気流を用いて紡績糸Yを生成する精紡機100において、生成される紡績糸Yの品質の低下を回避できる。
本実施形態の管理装置9が管理する精紡機100は、糸巻取装置4と、糸継装置62と、を備える。糸巻取装置4は、紡績装置3で生成された紡績糸Yを巻き取る。糸継装置62は、生成した紡績糸Yを巻き取る過程で糸切れが発生した場合に、糸継ぎを行う。制御装置90は、ファイバー屑発生量を、所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取る特定期間Pでのファイバー屑の総発生量として算出する。制御装置90は、特定期間P内において糸継装置62で行った糸継ぎの回数及び/又は時間に基づいて、当該特定期間P内での糸屑の総発生量を算出する。制御装置90は、算出されたファイバー屑の総発生量と、糸屑の総発生量と、を加算することで、原料ロス量を算出する。
これにより、ファイバー屑と糸屑の両方の観点から、特定期間Pにおける原料ロス量を算出することができるため、原料ロス量をより正確に管理することができる。
本実施形態において、制御装置90は、所定糸生産量に対する原料ロス量の割合を原料ロス率として求める。
これにより、紡績糸Yの生産にあたってどの程度の割合で原料がロスするかを容易に把握することができる。
本実施形態の管理装置9は、ディスプレイ91を備える。ディスプレイ91は、制御装置90により算出された原料ロス量を表示する。
これにより、生産管理者及び/又はオペレータが精紡機100の原料ロス量を容易に確認することができる。
本実施形態において、制御装置90は、記憶部95を備える。記憶部95は、制御装置90により算出された原料ロス量を記憶する。制御装置90は、精紡機100で巻き取った紡績糸Yの所定糸生産量毎に原料ロス量を算出する。制御装置90は、現在原料ロス量と、過去原料ロス量と、の偏差であるロス量偏差を算出する。現在原料ロス量とは、所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取った直近の特定期間Pに対して算出された原料ロス量である。過去原料ロス量とは、記憶部95により記憶され、所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取った過去の特定期間Pに対して算出された原料ロス量のうち、異常がないと判定された原料ロス量である。制御装置90は、算出されたロス量偏差の絶対値が閾値以上である場合、原料ロス量に異常が発生していると判定して当該異常をディスプレイ91に表示する。
これにより、原料ロス量の変化を監視することで、生産管理を良好に行うことができる。また、精紡機100に発生する異常等にオペレータが早期に気付くことができる。
本実施形態の管理装置9において、ロス量偏差の絶対値が前記閾値より小さい場合に、記憶部95により記憶された過去原料ロス量が、前記現在原料ロス量に更新される。
これにより、精紡機100の経時変化等を原因とする原料ロス量の緩やかな変化を許容しながら、原料ロス量の異常を判定することができる。
本実施形態において、制御装置90は、精紡機100とは異なる紡績機を管理する他の管理装置と通信可能である。制御装置90は、前記過去原料ロス量を、他の管理装置から通信により取得する。
これにより、情報の共有により、原料ロス量における異常を良好に判定することができる。
本実施形態において、制御装置90は、記憶部95を備える。記憶部95は、算出された原料ロス量を、生成する糸の種類及び紡績条件と対応付けて記憶する。制御装置90は、指定された糸の種類及び紡績条件で所定糸生産量の紡績糸Yを生成して巻き取るために必要となる原料量を、記憶部95により記憶された原料ロス量に基づいて算出する。
これにより、紡績糸Yの生産のために必要となる原料量を正確に予測することができる。
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態の精紡機100において、管理装置9は、予め設定された基準ファイバー屑量と、特定期間P内においてファイバー屑回収ボックス85が行ったファイバー屑の自動排出の回数と、に基づいて、ファイバー屑の総回収量を算出している。
基準ファイバー屑量は、ファイバー屑回収ボックス85から自動排出される1回当たりのファイバー屑の量を意味する。基準ファイバー屑量は、例えば、試運転又は実際の運転で実際に排出されたファイバー屑の総量を、自動排出回数で除することにより、平均的な値として得ることができる。基準ファイバー屑量は、オペレータが入力装置92を操作することにより、管理装置9に入力される。
管理装置9の制御装置90は、特定期間P内において、ファイバー屑回収ボックス85が行ったファイバー屑の自動排出の回数をカウントする。制御装置90は、得られた自動排出の回数に、基準ファイバー屑量を乗じることで、ファイバー屑の総回収量(言い換えれば、総発生量)を算出する。これにより、ファイバー屑の総発生量を簡単に算出することができる。
以上に説明したように、本実施形態の管理装置9は、ファイバー屑の発生量の算出の基準となる基準ファイバー屑量を入力する入力装置92を備える。
これにより、ファイバー屑の総発生量を簡単に算出することができる。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。図4は、変形例の精紡機100のファイバー屑回収装置83の構成を示す図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本変形例の精紡機100においては、ファイバー屑回収装置83内の静圧が常に所定の範囲内に維持されるように、メインブロア81aの回転数が制御される。具体的には、第1静圧検出装置93により検出された静圧が、上記の範囲の下限値を下回ると、制御装置90はメインブロア81aの回転数を増加させる。以下、メインブロア81aの回転数を単にブロア回転数と呼ぶことがある。ファイバー屑回収ボックス85内で溜まったファイバー屑の量が大きくなる程、ブロア回転数が大きくなる。
本実施形態の管理装置9においては、記憶部95には、メインブロア81aの回転数と、ファイバー屑回収ボックス85によるファイバー屑の回収量と、の対応関係を示す回転数−ファイバー屑回収量データが記憶される。
本実施形態の精紡機100においては、図4に示すように、メインブロア81aの回転数を検出するブロア回転数センサ(ブロア回転数取得装置)94が設けられている。ブロア回転数センサ94は、例えば、光電式回転センサ、又は磁気式回転センサ等から構成される。ブロア回転数センサ94は、検出したメインブロア81aの回転数を制御装置90に出力する。
本実施形態の管理装置9は、上述の第1実施形態における静圧の代わりに、ブロア回転数センサ94により検出されたメインブロア81aの回転数(特徴量)に基づいて、上記ファイバー屑の量を算出する。これにより、ファイバー屑回収ボックス85に溜まったファイバー屑の量を精度良く算出することができる。
本実施形態の管理装置9は、第1静圧検出装置93を用いて、ファイバー屑回収装置83内の静圧を監視している。管理装置9は、ブロア回転数センサ94を用いて、ファイバー屑回収ボックス85内に貯まったファイバー屑の回収量も監視している。
ブロア回転数センサ94により検出されたメインブロア81aの回転数が所定の閾値以上になった場合、制御装置90は、ファイバー屑回収装置83に対して、ファイバー屑排出指示を出力する。制御装置90は、ファイバー屑の自動排出が開始される直前に検出されたメインブロア81aの回転数に基づいて、ファイバー屑排出量Qを算出する。
ブロア回転数をセンサにより検出する構成に代えて、制御装置90が、メインモータ81bに出力する回転速度指令値に基づいて、ブロア回転数を取得することができる。この場合、制御装置90が、ブロア回転数取得装置として実質的に機能する。
以上に説明したように、本実施形態の管理装置9は、ブロア回転数センサ94を備える。ブロア回転数センサ94は、ファイバー屑回収装置83に負圧を供給するメインブロア81aの回転数を取得する。制御装置90は、ブロア回転数センサ94により取得された回転数に基づいて、ファイバー屑発生量を算出する。
これにより、ファイバー屑回収装置83内で溜まったファイバー屑の量に応じてブロア回転数を制御する場合に、このブロア回転数を用いて、ファイバー屑発生量を簡単な処理で算出することができる。
本実施形態の管理装置9において、制御装置90は、ブロア回転数センサ94により検出された回転数が閾値を上回ったとき、ファイバー屑回収装置83によって回収されたファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力する。
これにより、ファイバー屑回収装置83内でファイバー屑が溜まっていくのに伴ってブロア回転数を増加させる制御を行う場合に、回収されたファイバー屑を適切なタイミングで排出させることができる。従って、吸引空気流を用いて紡績糸Yを生成する精紡機100において、生成される紡績糸Yの品質の低下を回避できる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。以下の変更例は適宜組み合わせ可能である。
第1静圧検出装置93は、メイン吸引ダクト86内に設けられても良いし、メインフィルタ73より下流側の通路内に設けられても良い。
制御装置90は、ファイバー屑排出量Qを、ファイバー屑の自動排出が1回行われる毎に算出しなくても良い。例えば、制御装置90は、所定糸生産量の糸を巻き取った後(即ち特定期間Pを経過した後)に、特定期間P内での静圧の上昇及び/又は下降の推移に基づいて、当該特定期間P内のファイバー屑排出量Qをまとめて算出しても良い。
糸屑の総回収量は、ファイバー屑の総回収量と同じように算出されても良い。具体的には、糸屑回収ボックス87内において、糸屑を捕捉する図略のフィルタより上流側であって、当該フィルタの近傍に図略の第2静圧検出装置が設けられる。特定期間P内において、糸屑の排出動作が行われる毎に、検出された糸屑回収ボックス87内の静圧に基づいて糸屑回収量を算出し、特定期間Pの終了時にそれぞれの糸屑回収量を加算することで糸屑の総回収量を求めることができる。
制御装置90は、特定期間P毎に算出された原料ロス量を、別途に設けられた図略の管理システムに送信可能に構成されても良い。この場合、管理システムは、制御装置90から受信したそれぞれの原料ロス量を、精紡機100の性能分析、メインテナンス時期の判断等に用いることができる。
制御装置90は、特定期間P毎に算出された原料ロス量を、過去の複数回分記憶しても良い。この場合、ロス量偏差は、例えば、複数回分の過去原料ロス量の平均値に対する、現在原料ロス量の偏差として求めることができる。
原料ロス量の異常が検出された場合、制御装置90は、ファイバー屑の総発生量に異常があるのか、糸屑の総発生量に異常があるのか、両方に異常があるのか、を判定して、ディスプレイ91に判定結果を表示しても良い。この場合、異常の原因の特定が容易になる。
精紡機100で発生するファイバー屑の全てが、ファイバー屑回収装置83に回収される訳ではない。精紡機100で発生する糸屑の全てが、糸屑回収装置84に回収される訳ではない。この事実を考慮して、制御装置90は、ファイバー屑及び糸屑の回収量をそのまま発生量として算出するのではなく、回収率を考慮した補正を行っても良い。
各紡績ユニット1においては、高さ方向において、下側から供給された紡績糸Yが上側で巻き取られるように各装置が設けられても良い。
糸継台車6の代わりに、各紡績ユニット1において、糸継装置62、サクションパイプ63、及びサクションマウス64が設けられても良い。
紡績ユニット1は、上記のようなスプライシング又はノッティングにより糸継ぎを行う構成に代えて、パッケージ45から紡績糸Yを紡績装置3へ逆送させた後、ドラフト装置2によるドラフトと紡績装置3による紡績を再開することにより、分断されていた紡績糸Yを連続状態にしても良い(ピーシング)。この場合、例えば、紡績装置3へ紡績糸Yを逆送する前に紡績糸Yの糸端を切断することがあり、当該切断した糸端が糸屑に相当する。
ドラフト装置2におけるドラフトローラの数は4つに限定されず、2つ、3つ、及び5つ以上に変更することもできる。
管理装置9は、糸貯留ローラ11aの残糸を除去するためにモータ11bにより糸貯留ローラ11aを逆回転させた累積時間に基づいて貯留糸屑の発生量を算出し、上述の糸屑の総発生量に加算しても良い。
精紡機100の管理装置9が回収装置82の制御のみを行うように構成し、精紡機100とは別に設けられた管理装置(例えば、ポータブル端末、精紡機100が配置された繊維工場内に設けられたコンピュータ)によりファイバー屑及び又は糸屑の発生量の算出を行うようにしても良い。この場合、当該管理装置は、精紡機100の管理装置9から必要なデータを受信する。
紡績ユニット1は、糸貯留ローラ11aに代えて、公知のデリベリローラ対により紡績糸Yを紡績装置3から引き出すように構成されていても良い。この場合、デリベリローラ対の下流に、糸貯留装置11、吸引空気流を用いたスラックチューブ、及び機械式のコンペンセータの少なくとも何れかが配置されていても良い。
精紡機100は、エアジェット精紡機ではなく、オープンエンド精紡機であっても良い。
3 紡績装置
9 管理装置
83 ファイバー屑回収装置
100 精紡機(紡績機)
S スライバ(ファイバー)
Y 紡績糸(糸)

Claims (15)

  1. 糸を生成する紡績装置と、糸の生成中に生じたファイバー屑を回収するファイバー屑回収装置と、を備える紡績機の管理装置であって、
    前記ファイバー屑回収装置によって回収されて溜まった前記ファイバー屑の量に応じて変化する特徴量に基づいて、前記紡績機のファイバー屑発生量を算出する制御装置を備えることを特徴とする管理装置。
  2. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記ファイバー屑回収装置は、負圧による吸引空気流を介して前記ファイバー屑を集めて回収し、
    前記ファイバー屑回収装置の内部における静圧を検出する静圧検出装置を備え、
    前記制御装置は、前記静圧検出装置により検出された前記特徴量である前記静圧に基づいて、前記ファイバー屑発生量を算出することを特徴とする管理装置。
  3. 請求項1に記載の管理装置であって、
    前記ファイバー屑回収装置は、負圧による吸引空気流を介して前記ファイバー屑を集めて回収し、
    前記ファイバー屑回収装置に負圧を供給するブロアのブロア回転数を取得するブロア回転数取得装置を備え、
    前記制御装置は、前記ブロア回転数取得装置により取得された前記特徴量である前記ブロア回転数に基づいて、前記ファイバー屑発生量を算出することを特徴とする管理装置。
  4. 請求項2に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、前記静圧検出装置により検出された前記静圧が閾値以下となった場合に、前記ファイバー屑回収装置に溜まった前記ファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力することを特徴とする管理装置。
  5. 請求項3に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、前記ブロア回転数取得装置により検出された前記ブロア回転数が閾値以上となった場合に、前記ファイバー屑回収装置に溜まった前記ファイバー屑を排出させるファイバー屑排出指示を出力することを特徴とする管理装置。
  6. 請求項4又は5に記載の管理装置であって、
    前記ファイバー屑回収装置は、前記制御装置から入力された前記ファイバー屑排出指示に応じて、溜まった前記ファイバー屑の自動排出を行うことを特徴とする管理装置。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の管理装置であって、
    前記ファイバー屑発生量の算出の基準となる基準ファイバー屑量を入力する入力装置を備えることを特徴とする管理装置。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の管理装置であって、
    前記紡績機は、
    前記紡績装置で生成された糸を巻き取る糸巻取装置と、
    生成した糸を巻き取る過程で糸切れが発生した場合に、糸継ぎを行う糸継装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記ファイバー屑発生量を、所定糸生産量の糸を生成して巻き取る糸生成期間でのファイバー屑の総発生量として算出し、
    前記糸生成期間内において前記糸継装置で行った糸継ぎの回数及び/又は時間に基づいて、当該糸生成期間内での糸屑の総発生量を算出し、
    算出された前記ファイバー屑の総発生量と、前記糸屑の総発生量と、を加算することで、原料ロス量を算出することを特徴とする管理装置。
  9. 請求項8に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、前記所定糸生産量に対する前記原料ロス量の割合を求めることを特徴とする管理装置。
  10. 請求項8又は9に記載の管理装置であって、
    前記制御装置により算出された前記原料ロス量を表示する表示部を備えることを特徴とする管理装置。
  11. 請求項10に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、算出された前記原料ロス量を記憶する記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記紡績機で巻き取った糸の前記所定糸生産量毎に前記原料ロス量を算出し、
    前記制御装置は、
    前記所定糸生産量の糸を生成して巻き取った直近の前記糸生成期間に対して算出された前記原料ロス量である現在原料ロス量と、
    前記記憶部により記憶され、前記所定糸生産量の糸を生成して巻き取った過去の前記糸生成期間に対して算出された前記原料ロス量のうち、異常がないと判定された前記原料ロス量である過去原料ロス量と、
    の偏差であるロス量偏差を算出し、
    算出された前記ロス量偏差の絶対値が閾値以上である場合、前記原料ロス量に異常があると判定して前記表示部に当該異常を表示することを特徴とする管理装置。
  12. 請求項11に記載の管理装置であって、
    前記ロス量偏差の絶対値が前記閾値より小さい場合、前記記憶部により記憶された前記過去原料ロス量が、前記現在原料ロス量に更新されることを特徴とする管理装置。
  13. 請求項11又は12に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、前記紡績機とは異なる紡績機を管理する他の管理装置と通信可能に構成され、
    前記制御装置は、前記過去原料ロス量を、前記他の管理装置から通信により取得することを特徴とする管理装置。
  14. 請求項9から13までの何れか一項に記載の管理装置であって、
    前記制御装置は、算出された前記原料ロス量を、生成する糸の種類及び紡績条件と対応付けて記憶する記憶部を備え、
    前記制御装置は、指定された糸の種類及び前記紡績条件で所定糸生産量の糸を生成して巻き取るために必要となる原料量を、前記記憶部により記憶された前記原料ロス量に基づいて算出することを特徴とする管理装置。
  15. 請求項1から14までの何れか一項に記載の管理装置と、
    前記管理装置により管理される前記紡績機と、
    を備え、
    前記紡績機が備える前記紡績装置は、エアジェット紡績装置であることを特徴とする管理装置付き紡績機。
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