JP2021037622A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】Multi Color Shading(MCS)処理により多次色画像の領域間の色差を低減したとしても、領域毎に形成されたドットの粒状性が異なると、周波数差を色むらとして視認されてしまう。【解決手段】MCS処理において、色の差を低減し、且つ、周波数の差を低減する。そのために画像の粒状性に与える影響の大きい色のインクについてはMCS処理による信号値の変更を制限する。前記画像の粒状性に与える影響の大きい色のインクとはブラックインクである。【選択図】図10

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、詳しくは、インクを吐出する複数のノズル間の吐出量のばらつきに起因した濃度むらを低減するための画像処理に関する。
インクジェット方式の記録装置で用いられる記録ヘッドは、その製造上の誤差などの原因によって各ノズルから吐出される1滴あたりのインク量(以下、吐出量と称する)において、ノズル毎のばらつきを持つことがある。このような吐出量のばらつきにより、記録される画像に濃度むらが生じる可能性がある。従来、このような濃度むらを低減する処理として、特許文献1に記載されるようなヘッドシェーディング(HS)技術が知られている。ヘッドシェーディング技術では、ノズル毎の吐出量に関する情報に応じて、画像データを補正することにより、記録媒体上に付与されるインク滴(ドット)の数を増加または減少させ、記録される画像の濃度を調整することができる。
しかしながら、2種類以上のインクを重ねて多次色を表現しようとする場合、上記のヘッドシェーディング技術を用いても、記録された領域の色が本来記録されるべき色と異なる、いわゆる色ずれを生じることがある。このような色ずれに対し、特許文献2では、Multi Color Shading(MCS)処理と呼ばれる技術が開示されている。HS技術が各インク色を対象とした濃度ムラを補正する処理であるのに対し、MCS処理は多次色の画像における色ムラを低減する処理である。
特開平10−013674号公報 特開2011−245652号公報
しかしながら、特許文献2に記載のMCS処理を用いて多次色の色補正を行ったにもかかわらず、領域間の色ムラが視認されてしまうことがある。記録媒体上の複数の領域に記録された色をそれぞれ測定した値が同じ値であったとしても、領域間の空間周波数が異なると、その空間周波数の差によって、人間の目には異なる色として視認され、色ムラがあると感じてしまう。
このような課題に対し、本発明は、複数種類のインクを用いて画像を記録する場合に、ノズル毎の吐出特性のばらつきに起因して生じる多次色の画像における色差及び周波数差を低減することが可能な画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供する。
本願発明は、第1のインクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列における第1のノズル群と、第2のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列における第2のノズル群と、第3のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第3のノズル列における第3のノズル群と、を用いて記録媒体上の第1の領域に画像を記録し、且つ、前記第1のノズル列の複数のノズルのうち前記第1のノズル群に含まれるノズルを含まない第4のノズル群と、前記第2のノズル列の複数のノズルのうち前記第2のノズル群に含まれるノズルを含まない第5のノズル群と、前記第3のノズル列の複数のノズルのうち前記第3のノズル群に含まれるノズルを含まない第6のノズル群と、を用いて前記第1の領域とは前記所定方向の位置が異なる第2の領域に画像を記録するための画像処理装置であって、入力される前記第1の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換し、且つ、入力される前記第2の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換する変換手段を備え、前記変換手段は、所定の複数の色信号が入力される場合に前記第1のノズル群、前記第2のノズル群及び前記第3のノズル群を用いて前記第1の領域に記録される第1の画像と、前記所定の複数の色信号が入力される場合に前記第4のノズル群、前記第5のノズル群及び前記第6のノズル群を用いて前記第2の領域に記録される第2の画像と、において、前記第1の画像の色と前記第2の画像の色との差を低減し、且つ、前記第1の画像の周波数と前記第2の画像の周波数との差を低減するように変換することを特徴とする。
本発明により、複数種類のインクを用いて画像を記録する場合に、ノズル毎の吐出特性のばらつきに起因して生じる多次色の画像における色差及び周波数差を低減することが可能となる。
インクジェットプリンタの模式図 記録システムを示すブロック図 HS処理後の色ムラを説明するための図 画像処理構成を示すブロック図 テーブルパラメータ生成工程と画像処理工程のフローチャート HS処理後の色ムラを説明するための図 MCS処理による色ムラの低減を説明するための図 従来のMCS処理後の周波数の差を説明するための図 本実施形態のMCS処理に用いる変換テーブルパラメータ MCS処理による周波数の差による色ムラの低減を説明するための図 ルックアップテーブルHを作成するフローチャート 第2実施形態の記録ヘッドの吐出特性を説明するための図 空間周波数の差を説明するための図
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る記録装置であるインクジェットプリンタを模式的に示す構成図である。本実施形態のプリンタはフルラインタイプの記録装置であり、図1に示すように、プリンタ100は、プリンタの構造材をなすフレーム上に記録ヘッド101〜104を備える。記録ヘッド101〜104のそれぞれには、記録媒体106の幅に対応する同じ種類のインクを吐出する複数のノズルが配列したノズル列が、1200dpiのピッチで所定方向(x方向)に配列されている。記録ヘッド101〜104は、インクを記録媒体に付与するための記録ヘッドである。記録ヘッド101は、無彩色のインクであるブラック(K)のインクに対応する記録ヘッドであり、記録ヘッド102〜104は、有彩色のインクであるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクに対応する記録ヘッドである。これらの記録ヘッド101〜104が、図のようにy方向に沿って配列することにより、本実施形態の記録ヘッドが形成されている。
記録媒体106は、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、図のy方向に搬送される。そして、記録媒体106が搬送される間に、記録ヘッド101〜104それぞれの複数のノズルから記録データに応じてインクが吐出されることにより、各記録ヘッドのノズル列に対応する1ラスタ分の画像が順次記録される。また、y方向において記録ヘッド101〜104よりも下流側に、記録ヘッド101〜104と並列するようにスキャナ107が配置されている。スキャナ107には所定のピッチで読み取り素子が配列されており、記録ヘッド101〜104によって記録された画像を読み取り、RGBの多値データとして出力することができる。このように、搬送される記録媒体に対して各記録ヘッドからインクを吐出することにより、例えば、一頁分の画像を記録することができる。なお、本発明を適用可能な記録装置は、以上説明したフルラインタイプの装置に限られない。例えば、記録ヘッドやスキャナを記録媒体が搬送される方向と交差する方向に走査させて画像を記録する、いわゆるシリアルタイプの記録装置であってもよい。また、本実施形態はインク色毎に記録ヘッドを備える例を用いたが、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出する形態であってもよく、1つの吐出基板上に複数色のインクに対応するノズル列を配列した形態であってもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る記録システムを示すブロック図である。同図に示すように、この記録システムは、図1に示したプリンタ100と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)300を有して構成される。
ホストPC300は、主に以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶手段であるHDD303やRAM302に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のストレージであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、後述する本発明特有のMCSデータも、HDD303に記憶される。データ転送I/F(インターフェース)304は、プリンタ100との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHuman Interface Device(HID)を制御するI/Fであり、ユーザは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ100は、主に以下の要素を有して構成される。CPU311は、ROM313やRAM312に保持されているプログラムに従い、後述する各実施形態の処理を実行する。RAM312は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のストレージであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。
データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。ヘッドコントローラ315は、図1に示したそれぞれの記録ヘッド101〜104に対して記録データを供給するとともに、記録ヘッドの吐出動作を制御する。具体的には、ヘッドコントローラ315は、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、ヘッドコントローラ315により処理が起動され、記録ヘッドからのインク吐出が行われる。スキャナコントローラ317は、図1に示したスキャナ107の個々の読み取り素子を制御しつつ、これらから得られたRGBデータをCPU311に出力する。
画像処理アクセラレータ316は、CPU311よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。具体的には、画像処理アクセラレータ316は、RAM312の所定のアドレスから画像処理に必要なパラメータとデータを読み込む構成とする。そして、CPU311が上記パラメータとデータをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、画像処理アクセラレータ316が起動され、上記データに対し所定の画像処理が行われる。本実施形態では、後述されるMCS処理部で用いる補正テーブルのパラメータを作成する処理をCPU311によるソフトウェアで行う。一方、MCS処理部の処理を含む記録の際の画像処理については、画像処理アクセラレータ316によるハードウェア処理で行う。なお、画像処理アクセラレータ316は必須な要素ではく、プリンタの仕様などに応じて、CPU311による処理のみで上記のテーブルパラメータの作成処理および画像処理を実行してもよい。
以上説明した記録システムにおいて、複数種類のインクを用いて画像を記録する場合に、ノズル毎の吐出特性のばらつきに起因して生じる多次色画像において、記録媒体上の領域間に生じる色差及び周波数差を低減するための実施形態を以下に説明する。
図3(a)〜(c)は、従来のHS処理を行った状態で、2色のインクの重ね合わせによって表現される2次色であるブルーの画像を記録した際に発生する色差について説明する図である。ここでは、記録媒体106を、ノズルの配列するx方向(図の左右方向)に複数の領域に分割し、これらの領域に記録された画像間に生じる色差について説明する。
図3(a)は、各記録ヘッドのノズル列を示す図である。図3(b)及び(c)は、図3(a)に示すノズルを用いて、記録媒体106に100%デューティのベタ画像が記録された状態を示す図である。ここでは、1200×1200dpiの1画素にインク滴を1滴付与された場合の記録密度(デューティ)を100%とする。記録媒体106において、図3(a)の左側の4ノズルを用いて記録される領域を第1エリア、図3(a)の右側の4ノズルを用いて記録される領域を第2エリアと称する。なお、本図では、個々のノズルの大きさと各ノズルによって記録されるドットの大きさを、等しい大きさで示しているが、これは説明上両者の対応をとるためであり、実際にこれらの大きさが等しいわけではない。また、各ノズルから吐出されるインクドットの1滴当たりの量(吐出量)は、ノズル径以外の原因によっても異なるものである。すなわち、吐出量が異なる場合にノズル径が異なるとは限らないが、本図では、吐出量が大きなノズルをより大きな円で示して説明する。
図3(a)において、102は第1のインクであるシアンインクを吐出する記録ヘッド、103は第2のインクであるマゼンタインクを吐出する記録ヘッドである。同図では、説明および図示の簡略化のため、各記録ヘッドにおけるノズル列、すなわち、シアンインクを吐出する第1のノズル列とマゼンタインクを吐出する第2のノズル列に配列された複数のノズルのうち、それぞれ8つのノズルのみを示している。ここでは、シアンおよびマゼンタインクによって形成される2次色のブルー画像における色差について説明するため、シアンとマゼンタの2つの記録ヘッドのみを示している。
シアンインクを吐出する記録ヘッド102の8つのノズル10211及び10221は、総て標準的な量のインクを標準的な方向に吐出可能であり、記録媒体上には、一定の間隔で同じ大きさのドットが記録される。一方、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド103の8つのノズル10311及び10321は、標準的な方向に吐出可能であるが、吐出量が異なる。ここで、図中左側の4つのノズル10311からの吐出量は標準、図中右側の4つのノズル10321からの吐出量は標準よりも多いとする。この記録ヘッド103のようにノズル毎の吐出量にばらつきのある記録ヘッドを用いる場合、記録媒体上に同じ色の画像を記録したとしても、領域によって異なる色になる場合がある。本図の場合、図中左側の4つのノズルを用いて記録される領域(第1エリア)には、シアンドットと等しい大きさのマゼンタドットが記録される。一方、図中右側に示された4つノズルを用いて記録される領域(第2エリア)には、シアンドットよりも大きいマゼンタドットが、シアンドットと等しい一定の間隔で記録される。この結果、第1エリアの色と第2エリアの色が異なってしまう。
このような吐出特性を有する記録ヘッド102及び103に対し、HS処理による画像データの補正を行う場合について説明する。上述の例では、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド103に対し、吐出量の大きい右側の4ノズル10321に対応する画像データに対して、濃度が低減するような補正が行われる。具体的には、ノズル10321によって記録されるドットの数が、ノズル10311によって記録されるドットの数よりも少なくなるように、各エリアに対するドットの記録を定めるドットデータが生成される。本実施形態におけるドットデータは、記録(1)或いは非記録(0)が定められた2値のデータである。
図3(b)は、シアンインク及びマゼンタインクをそれぞれ100%デューティで記録するブルーのベタ画像の画像データに対してHS処理が施された場合の、記録媒体106上お各エリアを示した図である。説明のため、シアンドットとマゼンタドットを重複させずに示している。10611は、シアンノズル10211により記録されたドット、10621は、シアンノズル10221により記録されたドットである。10612は、マゼンタノズル10311により記録されたドット、10622は、マゼンタノズル10321により記録されたドットである。例として、マゼンタノズル10321から吐出されたインク滴によるドットの記録媒体上での面積が、マゼンタノズル10311から吐出されたインク滴によるドットの記録媒体上での面積の2倍である場合を示している。この場合、前述のHS処理によって、マゼンタノズル10321からの吐出回数を、マゼンタノズル10311のから吐出回数の約1/2(ここでは4ドット→2ドットに変更)とすることで、各領域におけるマゼンタドットの被覆面積をほぼ同等にすることができる。このように、従来のHS処理では、記録媒体上の領域毎の濃度がほぼ一様になるように、各領域に付与されるインク滴の数(すなわちドット数)を調整する。なお、被覆面積と濃度の関係は必ずしも比例関係ではないが、本実施形態においては、2倍の面積のドットの数を1/2とする例を用いて説明する。
図3(c)は、記録媒体上の各エリアを示しており、図3(b)のシアンドットとマゼンタドットを重複させて示している。第1エリアには、標準サイズのシアンドットと標準サイズのマゼンタドットが同一位置に付与され、各ドットが重なって標準サイズのブルードット10613が形成される。一方、第2エリアには、標準サイズのシアンドットによるシアンドット10621と、標準サイズのシアンドットと標準の2倍サイズのマゼンタドットが重なって形成されるブルードットと、が混在する。この標準サイズのシアンドットと標準の2倍サイズのマゼンタドットが重なって形成されるブルードットは、シアンとマゼンタがほぼ重複するブルーエリア10623とその周囲のマゼンタエリア10624により形成される。
前述したように、従来のHS処理では、シアンエリア(シアンドット)10621の面積の和=ブルーエリア10623の面積の和=マゼンタエリア10624の面積の和となるように、記録されるドットの数が調整される。よって、シアンエリア10621の光吸収特性とマゼンタエリア10624の光吸収特性の和によって観察される色が、ブルーエリア10623の光吸収特性によって観察される色と等しければ、当該領域はブルーエリア10623とほぼ同色に見える。すなわち、第1エリアのブルー画像と、第2エリアのブルー画像とは同じ色に見える。
しかしながら、ブルーエリア10623のように、複数のインクを重ねることにより多次色(混合色)を形成する場合、そのエリアの光吸収特性によって観察される色は、複数のインクそれぞれのエリアの光吸収特性の和によって観察される色とは一致しない。その結果、その領域全体は、目標とする標準の色に対して色差が生じる。すなわち、記録媒体106上をx方向に沿って第1エリアと第2エリアのような複数の単位領域に分割した場合、記録ヘッドのノズルの吐出特性のばらつきに起因した色差として、第1エリアのブルー画像の色と第2エリアのブルー画像の色が異なってしまう。インク色毎に画像データを補正するHS処理を施しても、2色以上のインクを用いて記録を行う画像においては、上述したような単位領域間の色差が生じ、画質の低下に繋がってしまう。
このような単位領域間の色差に対し、本実施形態では、量子化処理が施される前の、複数の色信号の組からなる画像データに対して補正をする、MCS処理を行う。処理の内容は後述するが、MCS処理によって、HS処理では解決できなかった色差を低減することができる。
次に、図8を用いて、従来のMCS処理後に残る単位領域間の周波数の差の課題について説明する。図8(a)は、記録ヘッド101〜104を示す図であり、説明および図示の簡略化のため、各記録ヘッドのノズル列に配列された複数のノズルのうち8つのノズルのみを示している。
ブラックインクを吐出する記録ヘッド101の8つのノズルのうち、ノズル10111から吐出されるインク滴の量及びノズル10121から吐出されるインク滴の量は総て標準の量である。同様に、シアンインクを吐出する記録ヘッド102の8つのノズルである、ノズル10211及びノズル10221、イエローインクを吐出する記録ヘッド104の8つのノズルである、ノズル10411及び10421は、全て吐出量が標準量である。一方、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド103において、8つのノズルのうち、図中左側の4つのノズル10311から吐出されるインク滴の量は標準量であり、図中右側の4つのノズル10321から吐出されるインク滴の量はそれぞれ標準量よりも多い。前述の図3と同様に、説明上、吐出されるインク滴の量が標準量よりも多いノズルを、標準量のノズルよりも大きい円で示しているが、実際のノズル径がこのような関係にあるとは限らない。
図8(b)は、図8(a)で示したような吐出量特性を有する記録ヘッドを用いて、HS処理を施した後に、記録媒体106上にグレイの画像を記録した図である。ここでは、グレイの画像データを(K,C,M,Y)=(64,192,192,192)とする。図中右側領域(第1エリア)におけるマゼンタドットの数は、HS処理により約1/2(ここでは、12ドット→6ドットに変更)となっている。この第1エリアには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの3色が重なって形成される標準サイズのグレイドット10614と、標準サイズのブラックドット10615が存在する。一方、図中右側の第2エリアには、標準サイズのブラックドット10625と、シアンインクとイエローインクの2色が重なって形成される標準サイズのグリーンドット10626が存在する。さらに、標準サイズのシアンインクと標準サイズのイエローインクと標準サイズの2倍のマゼンタドットの3色が重なったドットが存在する。このドットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが重なって形成されるグレイエリア10627と、その周囲のマゼンタエリア10628とからなる。このとき、図3を用いて説明したように、各エリアの光吸収特性の和によって観察される色が異なる原理により、第1エリアの色と第2エリアの色が異なる場合がある。
図8(c)は、図8(a)の記録ヘッド101〜104を用いて画像を記録するための画像データに対し、色差を考慮してMCS処理を行った場合の記録媒体106上の状態を示す図である。図中左側の第1エリアは図8(b)と同じであるが、図中右側の第2エリアにおいては、MCS処理によってグレイの画像データ(K,C,M,Y)=(64,192,192,192)が、(K,C,M,Y)=(0,255,255,255)に補正されている。第1エリアに対し、第2エリアとの色差を低減するようにドット数を調整した結果、標準サイズのシアンインクと、標準のサイズよりも大きいマゼンタインクと、標準サイズのイエローインクの3色が重なったグレイドットのみが形成される。各グレイドットは、グレイエリア10627とマゼンタエリア10628とからなる。
このとき、左側の第1エリアでは、標準サイズのグレイドット10614と、標準サイズのブラックドット10615との濃度差によって、画像のざらつき(粒状感)が視認される。一方、右側の第2エリアでは、グレイドットが一様に配置されているため、画像のざらつきは視認されにくい。すなわち、MCS処理によって色差を低減したとしても、ざらつきの差が人間の目にはムラとして視認されてしまう場合がある。
このようなざらつきの差は、2つのエリアの空間周波数が異なることによる周波数差として定量化できる。図13は、空間周波数の差を、一般的な粒状性評価値の差として定量的に示した図である。横軸は空間周波数を表し、右側ほど高周波であることを意味する。縦軸は周波数毎の応答値である。粒状性評価値は、ドットパターンの周波数特性に人間の視覚特性(VTF)を乗じることで定量化できる。なお、視覚特性(VTF)については、以下に示すDooleyの近似式を用いた。
VTF=5.05×exp(−0.138×πlf/180)×(1−exp(−0.1×πlf/180))・・・(式1)
ここで、lは観察距離、fは周波数である。図13の点線1301及び実線1302は、図8における2つのエリアの空間周波数を表している。以下の説明では、2つのエリアの周波数差として、周波数毎の差を積分した値を用いる。
本実施形態は、量子化前の、複数の色信号の組からなる画像データに対する補正処理によって、前述したような色の差および周波数の差を低減する。
図4(a)は、本実施形態にかかる、インクジェットプリンタが実行する画像処理の構成を示すブロック図であり、図2に示したプリンタ100の制御、処理のための各要素によって画像処理部を構成する。なお、本発明の適用はこの形態に限られない。例えば、図2に示したPC300において画像処理部が構成されてもよく、あるいは画像処理部の一部がPC300において構成され、その他の部分がプリンタ100において構成されてもよい。
図4(a)において、入力部401は、ホストPC300から受信した画像データを画像処理部402へ出力する。画像処理部402は、入力色変換処理部403、インク色変換処理部404、MCS処理部405、HS処理部406、TRC処理部407、量子化処理部408を有して構成される。
画像処理部402において、先ず、入力色変換処理部403は、入力部401から受信した入力画像データを、プリンタの色再現域に対応する画像データに変換する。本実施形態において、入力画像データは、モニタの表現色であるsRGB等の色空間座標中の色座標(R,G,B)を示す各8ビットのデータである。このR,G,Bの入力画像データを、マトリクス演算処理や三次元LUTを用いた処理等の既知の手法によって、プリンタの色再現域の画像データ(R´,G´,B´)に変換する。本実施形態では、三次元ルックアップテーブル(3DLUT)を用い、これに補間演算を併用して変換処理が行われる。なお、本実施形態において、画像処理部402において扱われる各8ビットの画像データの解像度は600dpiであり、量子化処理部408の量子化処理によって得られる2値データの解像度は後述のように1200dpiである。
インク色変換処理部404は、入力色変換処理部403によって処理されたR、G、B各8ビットの画像データを、プリンタで用いるインクの色信号データによる画像データに変換する。本実施形態のプリンタ100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いることから、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。この色変換も、上述の入力色変換処理部と同様、三次元ルックアップテーブルに補間演算を併用して行われる。なお、他の変換手法として、上述と同様に、マトリクス演算処理等の手法を用いてもよい。
MCS(Multi Color Shading)処理部404は、インク色変換処理部404によって変換されたK、C、M、Y各8ビットの画像データに対し、色味の差を補正する変換処理を行う。詳細は後述するが、MCS処理404も三次元ルックアップテーブルからなる変換テーブル(補正テーブル)を用い、前述した単位領域毎に画像データを変換する。この変換処理を行うことで、HS処理では補正できなかった、記録ヘッドの各ノズルの吐出特性のばらつきに起因する色味の差及び周波数の差を低減することができる。このMCS処理部405で用いられる変換テーブルの具体的な内容およびそれを用いた変換処理については後述する。
HS(Head Shading)処理部406は、インク色信号の画像データを入力して、インク色毎にそれぞれ8ビットデータを、記録ヘッドの各ノズルの吐出特性に応じたインク色信号の画像データに変換する。すなわち、前述した従来のHS処理と同様の処理である。本実施形態では、一次元ルックアップテーブルを用い、インク色毎に対応するインク色信号を、1ノズル毎もしくは所定数のノズル群毎に個別に補正する個別補正手段として機能する。なお、必ずしもHS処理部を設ける必要はない。メモリ容量との関連で、プリンタの仕様によっては、MCS処理部による補正処理の精度が十分な場合がある。そのような場合には、MCS処理部による補正にHS処理部による補正を合せて反映させることができるからである。
TRC(Tone Reproduction Curve)処理部407は、HS処理された各8ビットのインク色信号からなる画像データに対して、インク色毎に、出力部409から付与されるインク滴の数を調整するための補正処理を行う。一般に、記録媒体上に記録されたドットの数と、その数のドットが付与された記録媒体上の光学濃度は線形関係にない。従って、TRC処理部407は、この関係を線形にすべく各8ビットの画像データを補正して記録媒体上の単位領域に付与されるインク滴の数を調整する。
量子化処理部408は、TRC処理部407で処理された各8ビット256値のインク色の画像データに対して量子化処理を行い、インク滴を付与するか否かを示す量子化データを生成する。本実施形態では、まず、「0」〜「4」の3ビット5値のインク色毎のインデックスデータに変換する。この「0」〜「4」のインデックスデータは、1200dpiの解像度の2画素×2画素に、0〜4個のいずれかの個数のインクドットを配置するインデックスパターンにそれぞれ対応する。なお、量子化処理は、8ビットの画像データを、記録「1」または非記録「0」を表す1ビットの2値データ(ドットデータ)に直接変換する方法であってもよい。また、量子化処理方法としては、誤差拡散法を用いてもよく、ディザ法など他の疑似中間調処理を用いてもよい。
出力部409は、量子化処理によって得られた量子化データに基づいて、記録ヘッドを駆動して各色のインクを吐出し、記録媒体上に画像を記録する。本実施形態において、出力部409は、図1に示した記録ヘッド101〜104を備えた記録機構によって構成される。
図5(a)および(b)は、図4(a)に示したMCS処理部405で用いるテーブルのパラメータを生成する工程と、実際の記録時に生成したパラメータを用いて画像処理を行う工程を、それぞれ説明するためのフローチャートである。
図5(a)は、MCS処理部405で用いる三次元ルックテーブルである変換テーブルのパラメータを生成するために、CPU311が実行する各工程を説明するためのフローチャートである。本実施形態において、このようなパラメータ生成処理は、プリンタの製造時やプリンタを所定期間使用したとき、あるいは所定量の記録を行ったときに、強制的あるいは選択的に実行される。当該処理は、例えば、記録を行うたびにその動作前に実行されるようにしてもよく、いわゆるキャリブレーションとして行うことができる。これにより、変換テーブルのテーブルパラメータが更新される。
図5(b)は、プリンタで記録を行う際にその記録データ生成のために、画像処理アクセレータ316が、図4(a)に示した画像処理部402の画像処理の一環として実行する、MCS処理部405の工程を示したフローチャートである。
まず、図5(a)に示すテーブルパラメータを生成するための処理について説明する。本実施形態において、MCS処理部のテーブルパラメータは、HS処理部406のテーブルパラメータが作成されていることを前提に、作成される。このため、本処理が起動されるステップS501の時点では、既にHS処理部406のテーブルパラメータは、既知の方法によって生成(更新)されている。HS処理部のテーブルパラメータの生成では、インク色ごとに、記録媒体上での濃度のばらつきを抑えるための処理がなされる。例えば、吐出されるインク滴の量が多い、すなわち吐出量の大きいノズルは吐出回数を抑えるように、吐出されるインク滴の量が少ない、すなわち吐出量の小さいノズルは吐出回数を増やすように、パラメータが作成される。例えば、図3(a)に示すマゼンタインクを吐出する記録ヘッド103のノズル10321については、図3(b)に示すように、ドット数が約半数に抑えられるようなパラメータが作成される。また、シアンインクを吐出するための記録ヘッド102については、図3(b)に示すように、ドット数が変更されないようなパラメータが作成される。以上のように、本実施形態では、MCS処理部のテーブルパラメータを生成ないし更新するときは、その前にHS処理部のテーブルパラメータを完成させておく。これにより、MCS処理部のパラメータを生成するためのテストパターンは、HS処理がなされたデータに基づいて記録される。この結果、ノズル間の吐出特性のばらつきによる色味の差を、MCS処理部とHS処理部のトータルの処理によって適切に低減することができる。
MCS処理部のテーブルパラメータ生成処理が開始されると、まず、ステップS502で、図1に示した各記録ヘッドの全てのノズルからインクを吐出し、記録媒体に測定用画像(テストパターン)を記録する。MCS処理部に入力される(K,C,M,Y)の組で表される画像データのうち、上述した色ずれの傾向が大きくなる色を表す(K,C,M,Y)の組それぞれについて、各記録ヘッドの全てのノズルからインクを吐出し、測定用画像を記録する。具体的には、インク色空間の(K,C,M,Y)それぞれについて、0〜255の信号値を、例えば17等分し、17×17×17通りの全ての組合せ(格子点)に対応するパッチ画像を記録する。また、メモリ及び作業時間を縮小するため、上記格子点のうち、吐出特性に起因する色ずれが特に大きく変化しやすい格子点を選択し、これらの格子点に対応する(K,C,M,Y)の組についてのみ、パッチ画像を記録してもよい。この色ずれの傾向が大きくなる色の格子点は、例えば、図3にて説明したブルー画像に対応する(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)のように、色差が大きい色を予め求めておくことによってパッチ画像を記録する色を選択することができる。また、色差が所定以上である色についてパッチを記録してもよく、演算負荷やメモリ容量に応じて選択すればよい。
本実施形態では、測定用画像を記録するための測定用画像データ(K,C,M,Y)は、それを構成する複数の画素の解像度が600dpiである。また、それら複数の画素のデータは、その測定用画像データの(K,C,M,Y)値の組合せが同じであることにより一様な色となるデータである。この測定用画像の画像データ(K,C,M,Y)を、8ビットのインク色データC[X]とする。図4(a)において、インク色データC[X]は、入力色変換処理部403、インク色変換処理部404、MCS処理部405の処理を経ず、破線410で示されるバイパス処理経路を介してHS処理部406に入力される。その後、HS処理部406、TRC処理部407、量子化処理部408を経て、図3(b)に示す量子化データとして構成された測定用画像データとなり、出力部409により記録媒体106上に記録される。以下の説明では、説明を簡略化するため、ブルーの測定用画像の画像データを示す格子点に対応するテーブルパラメータのみについて、その作成処理を説明する。
インク色データC[X]において、Xは、600dpiの解像度での測定用画像データにおける所定画素領域を特定する値である。例えば、前述の図3に示した連続する4ノズルに対応する第1エリア及び第2エリアのような画素領域である。そして、Xは、300dpiの1画素を一単位として特定される。ノズルの配列解像度の1200dpiに対応するため、記録媒体上のドットの解像度は1200dpiである。従って、600dpiの解像度のインク色データC[X]に係る画素の2つ分が、1エリアに対応してXで特定される。上述したように、HS処理部406以降の処理が施されたインク色データC[X]に基づき、出力部409によって測定用画像が記録される。
図6(a)および(b)は、上記ステップS502における測定用画像の記録状態を説明するための図である。図6(a)および(b)において、図3(a)〜(c)に示した要素と同様の要素には同じ符号を付してその説明は省略する。
図6(a)は、図3(a)と同様、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド103のノズルのうち、第2エリアに相当する4つのノズルの吐出量が標準より多い場合を示している。従って、ブルーを示す画像データ(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)にHS処理が施されることにより、図6(b)に示すような2次色のブルーの測定用画像が記録される。すなわち、吐出量が標準より多いノズルを含む第2エリアに色差が生じ、第1エリアの標準的なブルーの色とは異なる色が記録される。
再び図5(a)を参照する。ステップS503では、ステップS502において記録媒体106上に記録された測定用画像をスキャナ107で測定し、各エリアXに対応する色情報B[X](RGBデータ)を得る。
なお、本実施形態において、スキャナの解像度すなわちスキャナに配列する読み取り素子の配列ピッチは特に限定されるものではない。記録ヘッドの記録解像度1200dpiより高解像であってもよいし低解像であってもよい。また、スキャナ107は、図1で示したように、必ずしも記録ヘッドと同様のフルラインタイプでなく、図1のx方向に移動しながら所定の周期で測定するシリアルタイプのものであっても良い。また、プリンタとは別体に用意されているスキャナであっても構わない。この場合、例えば、スキャナとプリンタを信号接続しスキャナから測定結果を自動的に入力するようにしてもよい。更に、色情報B[X]は、必ずしもRGB情報でなくてもよく、例えば、測色器で測定したL*a*b*等、いずれの形式であってもよい。どのような形態でどのような解像度で測定を行うにせよ、平均化などの様々な処理を施すことによって、4ノズル分に相当するエリアの測定結果B[X]が適切に得られれば、本実施形態に適用することが出来る。
インク色データC[X]が(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)である格子点のブルーの測定用画像は、図1に示したシアンインクおよびマゼンタインクを吐出する記録ヘッド102および103により記録される。そして、スキャナ107によって、各ノズル群(本実施形態では4ノズル)に対応するエリア毎(単位領域毎)に、色情報B[X]が取得される。
図6(b)は、その一部のエリアを示しており、図中左側を第1エリア(X=1)、図中右側を第2エリア(X=2)とする。そして、第1エリアの色情報をB[1]=(R1,G1,B1)、第2エリアの色情報をB[2]=(R2,G2,B2)とする。なお、図6(b)の右側の第2エリアに示す例は、マゼンタインクを吐出する4つのノズルの吐出量が標準より大きい場合を示している。例えば、4ノズルのうち3ノズルの吐出量が標準より大きく、他の1ノズルの吐出量が標準である場合も当然あり得るものであり、その場合には、取得される第2エリアの色情報B[2]の値も異なることはもちろんである。
次に、ステップS504において、目標色A=(Rt,Gt,Bt)と、ステップS503で取得した色情報B[X]から、各エリア[X]の色差量T[X]を算出する。ここで、目標色Aとは、(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)の信号値に基づき、吐出量が標準量である記録ヘッドを用いて記録された画像を測定することによって得られる測定値である。実際には、標準吐出量のノズルを用いて記録した画像をスキャナ107で測定した結果とすることが出来る。上述のように、本実施形態では、測定した色データの解像度を300dpiとしているため、ステップS504、及び、後述のステップS505、ステップS506においても、画素解像度が300dpiであるデータを処理する。
ここで、色の差を示す色差量Tは、次のように表すことが出来る。
色差量T[1]=B[1]−A=(R1−Rt,G1−Gt,B1−Bt)
色差量T[2]=B[2]−A=(R2−Rt,G2−Gt,B2−Bt)
図6(b)に示す例において、図中左側の第1エリアに吐出されたシアンインク及びマゼンタインクの吐出量は標準量であるため、R1=Rt、G1=Gt、B1=Btである。従って、色差量はT[1]=0である。
一方、第2エリアに吐出されたシアンインクの吐出量は標準量であるが、マゼンタインクの吐出量は標準量よりも多いため、測定される値は、目標色(Rt,Gt,Bt)とは異なる。例えば、ブルーエリア10623とマゼンタエリア10624を合わせて観察されるブルーは、目標のブルー色と比べてマゼンタ色が強いとする。このとき、色差量T[2]は、マゼンタ色が大きくなる色差量となり、例えば、R2=Rt、G2<Gt、B2=Btの関係で表される。
ステップS505では、各エリア[X]の色差量T[X]から、補正値T−1[X]を算出する。本実施形態では簡単に、逆変換式を用い、T−1[X]=−T[X]として変換に用いる補正値を得る。従って、第1エリアおよび第2エリアそれぞれの補正値は、
補正値T−1[1]=−T[1]=A−B[1]=(Rt−R1,Gt−G1,Bt−B1)
補正値T−1[2]=−T[2]=A−B[2]=(Rt−R2,Gt−G2,Bt−B2)
である。ここで、第1エリアに対する補正値は、T[1]=0であるため、T−1[1]=0である。一方、第2エリアに対する補正値は、G2<Gtの場合、Gt−G2は正の値となり、マゼンタ色を減少させる補正となる。
ステップS506では、各エリアの補正値T−1[X]から、等価補正値Y−1[X]を算出する。補正値T−1[X]は、測定色空間中のブルー色の補正値であるため、この補正値に基づき、インク色空間のブルー色を補正するための等価補正値Y−1[X]を算出する。第1エリアについては、測定色空間中の補正値がT−1[1]=0であるため、インク色空間における等価補正値も、Y−1[1]=0である。一方、第2エリアについては、等価補正値Y−1[2]は0ではない値となり、本例ではマゼンタ色を減少させる補正値が得られる。
仮に、測定色空間とインク色空間が線形変換可能な場合には、式2及び式3のようなマトリクス変換等の既知の手法を用いて求めることができる。
Figure 2021037622
Figure 2021037622
ここで、a1〜a12は、測定色空間をインク色空間に変換するための変換係数である。
色差量Tが3次元のベクトルであり、等価補正値Y−1[X]が4次元のベクトルであるため、一般に変換係数a1〜a12が一意な解を持つとは限らない。解が一意でないことは、インク色データC[X]が(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)のブルーのように、色再現範囲の最外部の色である場合には問題になることは少ない。一方、インク色データC[X]が(K,C,M,Y)=(64,192,192,192)のグレイのように、色再現範囲の最外部から離れた色である場合には、周波数に起因する色むらの課題が生じる場合がある。例えば、C,M,Yの量を減らしつつ、Kの量を増やすことで、同じグレイの色を表現できるインクの組み合わせを、複数得ることができる。このとき、図8(c)を用いて説明した周波数差の発生原理により、周波数に起因して視認される色むらが生じる可能性がある。
そこで本実施形態では、変換係数a1〜a12について、以下の制約を設ける。
a10=0,a11=0,a12=0
この制約は、Kインクの等価補正値を常に0とすることを意味する。すなわち、Cインク,Mインク,Yインクの3色の値を調整して領域間の色差を補正する。Kインクは、K,C,M,Yのインクの中で最も濃度が高く、且つ、画像の周波数への影響が大きい。このようなKインクについて、ドット数を変化させないという制約を設けることで、周波数に起因して視認される色むらの発生を抑制することができる。
なお、両色空間の間で線形変換が不可能な場合には、三次元ルックアップテーブル方式等の既知の手法を用いて、
−1[1]=H(Rt−R1、Gt−G1、Bt−B1)
−1[2]=H(Rt−R2、Gt−G2、Bt−B2)
と求めることもできる。ここで、Hは測定色空間をインク色空間に変換するための関数であり、ルックアップテーブルの変換関係が、この関数Hに従ったものである。本実施形態では、このルックアップテーブルを作成する際にも、Kの補正量を0とし、C,M,Yの値を調整するように設計する。
また、補正値T−1[X]と等価補正値Y−1[X]の関係が色によって異なる場合には、同様に、三次元ルックアップテーブル方式等の既知の手法を用いて、
−1[1]=H(Rt、Gt、Bt)−H(R1、G1、B1)
−1[2]=H(Rt、Gt、Bt)−H(R2、G2、B2)
と求めることもできる。ここでも、Hは測定色空間をインク色空間に変換するための関数であり、Kの補正量を0とし、C,M,Yの値を調整するように設計する。
以上のような方法により、色味が大きく変化する色として選択された格子点について、1ノズルもしくは連続する所定数のノズルからなるノズル群に対応するエリア[X]毎に、格子点データであるテーブルパラメータを求める。また、上記選択された格子点以外の他の格子点については、上記選択された格子点の間を補間することによりテーブルパラメータを求める。このときの補間方法は既知の方法を用いればよく、その説明は省略する。なお、算出された各格子点のテーブルパラメータである等価補正値Y−1[X]は、エリア[X]毎に、その格子点に対応させて、ホストPCのHDD303もしくはプリンタ本体に用意された不揮発性のメモリに格納される。いずれにおいても、電源OFFしたタイミング等でテーブルパラメータが失われないように取り扱われることが好ましい。
図9(a)及び(b)は、本実施形態のMCS処理に用いる変換テーブルパラメータであり、等価補正値Y−1[1]及びY−1[2]の一例を示す。等価補正値Y−1[X]は、(K,C,M,Y)を入力値とする4次元ルックアップテーブルであり、(K,C,M,Y)の入力値に対する補正量が格納されている。
次に、図5(b)に示すMCS処理部405が実行する処理の工程について説明する。本工程は、通常の記録動作の際に、図4(a)に示す各処理部による一連の画像処理において、画像処理アクセラレータ316が行う工程の一部である。MCS処理部405は、上述のようにして求めた補正値を格子点データとして有するエリアごとの3次元ルックアップテーブルを用いて、画像データを補正する。
まず、ステップS507において、インク色データC[X]に対して、上述のようにして作成した、MCS処理部405のテーブルパラメータである等価補正値Y−1[X]を適用して補正を行う。
ここでは、先ず、画像処理の対象である注目画素が、上述したエリア[X]のうちどのエリアに含まれているか、すなわちXの値を判断する。ここで、画像処理における画素の解像度は600dpiであり、各エリア[X]は1200dpiの配列ピッチの4ノズル分、すなわち300dpiの解像度で特定される。従って、1つのエリア[X]に2つの画素が対応する。
注目画素が含まれるエリア[X]の値X=nを得ると、このエリア[n]に対応して作成された変換テーブルを参照することにより、注目画素のデータが示す(K,C,M,Y)の組から等価補正値Y−1[n]が取得できる。例えば、注目画素の画像データが、(K,C,M,Y)=(0、255、255、0)のブルー画像を示す場合、上述したようにエリア[n]に対応するブルーの等価補正値Y−1[n]が得られる。そして、注目画素の画像データに対して等価補正値Y−1[n]を適用して補正を行う。具体的には、MCS処理部405は、以下の式に従い、注目画素が属するエリア[X]に対応するインク色データC[X]に対して等価補正値Y−1[X]を適用し、補正されたインク色データC’[X]を生成する。
インク色データC’[1]=C[1]+Y−1[1]
インク色データC’[2]=C[2]+Y−1[2]
ここで、図6(b)に示すブルー画像の例では、図中左側の第1エリア[1]に対応する補正値は、Y−1[1]=0である。従って、補正されたインク色データC’[1]は、目標色Aと同じブルーを示す値である。一方、図中右側の第2エリア[2]に対応する補正値Y−1[2]は、シアン色を減少させる補正値である。従って、MCS処理によって補正されたインク色データC’[2]は、目標色Aに対してシアン色が減少したブルーを示す値となる。
次に、ステップS508において、上記のように補正されたインク色データに対し、HS処理部406、TRC処理部407、量子化処理部408による各処理が施され、得られた量子化データが出力部409に出力され、記録媒体106上に画像が記録される。
図7(a)及び(b)は、MCS処理による色ムラの低減を説明するための図であり、ステップS508において記録された(K,C,M,Y)=(0,255,255,0)の画像を説明する。図7(a)は、図6(a)と同様、シアンインクを吐出する記録ヘッド102及びマゼンタインクを吐出する記録ヘッド103の各ノズルの吐出量特性を示す。図7(b)は、これに対してMCS処理による補正が行われた場合の図である。図中右側の第1エリアにおいて、マゼンタドット10622のように、シアンドットと重ならないドットが存在する。マゼンタドット10622は、図6(b)に示すHS処理を施した記録結果においては、シアンドットと重複して付与されていた個所に存在する。従って、本実施形態のMCS処理により、インク色データC’[2]は、目標色Aに対してシアン色を減少させる処理が施され、その結果、シアンドットの数が減少したことを示している。
ここで、図7(b)に示す各エリアにおいて、記録時に吐出量のばらつきなどに起因する色差量T[X]が発生する。ここで、
第1エリアの実際の発色≒C’[1]に対応する記録媒体上の色+色差量T[1]≒目標色A
第2エリアの実際の発色≒C’[2]に対応する記録媒体上の色+色差量T[2]≒目標色A
である。C’[1]は目標色Aと同じブルー色であり、色差量T[1]=0である。また、C’[2]は目標色Aに対して色差量T[2]相当のシアン色が減少したブルー色であり、色差量T[2]はシアン色を増大させる色差量である。このようにして、第1エリアと第2エリアのブルー色は略同じ色となり、色味の差に起因した色ムラが低減される。
図10(a)および(b)は、MCS処理による周波数の差による色ムラの低減を説明するための図であり、ステップS508において記録された(K,C,M,Y)=(64,192,192,192)の画像を説明する。図10(a)は、図8(a)と同様、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの記録ヘッド101〜104におけるノズルの吐出量特性を示している。
前述の本実施形態のMCS処理部405による補正が行われた結果、図10(b)の右側の第2エリアには、ブラックドット10625が存在する。この第2エリアのブラックドット10625の数は、左側の第1エリアのブラックドット10615の数と同じである。また、第2エリアには、マゼンタドット10622のように、他色のドットと重ならないドットや、標準サイズのシアンとイエローとが重なったグリーンドット10626が存在する。これは、濃度が高く、周波数への影響が大きいブラックドットの数を変更せず、濃度が低く、周波数への影響が小さいシアンドット、マゼンタドット、イエロードットの数を調整して色差を低減したことを示している。これにより、第1エリアにおける標準サイズのグレイドット10614と標準サイズのブラックドット10615との濃度差に起因する画像のざらつき(粒状感)と、第2エリアにおける同様の画像のざらつき(粒状感)との差、即ち、周波数差が低減される。従って、第1エリアと第2エリアのグレイ色は略同色となり、且つ、粒状感の程度も略同様となり、色差及び周波数差によって色むらとして視認されることを抑制することができている。
以上説明したように、本実施形態は、多次色の色差が大きく変化する色について記録媒体に測定用画像を記録し、その測定結果に基づいてテーブルパラメータを求める。これは、色差の原因である色差量が、その発生原理によって、記録領域毎に記録される色と、記録領域を記録する各インク色の記録特性と、の両方に依存するからである。記録領域は、記録媒体上の記録可能な領域をノズル配列方向に複数に分けて得られる領域である。ここで、各インク色の記録特性としては、インク滴1滴あたりの量(吐出量)の他に、吐出方向、ドットの形状、インクの浸透率、記録媒体の種類など、記録媒体上に形成されるドットの形状や濃度、重複して形成されたドットおける各インクの発色に影響を与える要素が考えられる。
なお、色差量は、その色を記録するのに用いられるインク色の記録特性の組み合わせに依存するものであって、用いられないインク色の記録特性には依存しないことは明らかである。つまり、画素毎に関連するインク色の種類と数が異なり、画素によっては1つのインク色しか関連せず、色差量が0である場合も有り得る。
ところで、記録装置で用いられる各インク色のうち、単色のインクで表現できる色については、既にHS処理によって濃度が調整されているため、色ずれ(色差)は生じない。従って、当該色については、MCS処理部405による色味の差を低減する変換が必要ない。このような状態を、測定色空間とインク色空間がほぼ一致していた場合を例に、以下に具体的に説明する。
測定色空間とインク色空間がほぼ一致していた場合、例えば、(K=0、C=255、M=0、Y=0)を示すシアン色については、既にHS処理によって適切に濃度調整が行われているため、MCS処理部405においては当該シアン色のデータを補正する必要はない。よって、等価補正値は、Y−1[1]=Y−1[2]=0=(0、0、0、0)とすることが望ましい。また、(K=0、C=0、M=255、Y=0)を示すマゼンタ色についても同様に、既にHS処理によって濃度調整がなされており、MCS処理部405においては当該マゼンタ色のデータを補正する必要はない。よって、等価補正値は、Y−1[1]=Y−1[2]=0=(0、0、0、0)とすることが望ましい。
これに対し、(K=0、C=255、M=255、Y=0)を示すブルー色については、図3にて前述したとおり、HS処理を行っても色差が生じる可能性が高い。このため、図6(b)に示す例では、
等価補正値Y−1[1]=0=(0、0、0、0)
等価補正値Y−1[2]=H(Rt、Gt、Bt)−H(R2、G2、B2)
とする。つまり、C=255であっても、他のM値,Y値,K値の組み合わせによっては色差が生じるため、等価補正値としての適切な値が異なる。換言すれば、上述のテーブル作成において、色ずれの傾向が大きく変化する色の格子点として、上述した適切な等価補正値を格子点データとして持つ格子点が選択されることになる。MCS処理部405は、このように適切に選択された格子点の色の測定用画像の測定結果に基づいて求められた3次元ルックアップテーブルを用いる。
なお、MCS処理部405のテーブルパラメータを生成するステップS510においては、他の例として以下のようにすることもできる。
先ず、インク色データ(K,C,M,Y)をそれぞれ独立に変化させて、複数のパッチを含む測定用画像を記録ヘッド101〜104で記録する。このとき、各インク色について0,64、128,192、255の5階調で記録すると、合計5=625個のパッチが記録される。そして、各パッチを測定したパッチ色情報に基づき、インク色データ(Ki,Ci,Mi,Yi)に対応する目標色(Rt,Gt,Bt)に最も近いパッチの色(Rp,Gp,Bp)を推定する。次に、そのパッチ色に対応するインク色データ(Kn,Cn,Mn,Yn)を求める。そして、インク色データ(Ki,Ci,Mi,Yi)を(Kn,Cn,Mn,Yn)に変換するための補正テーブルを作成すればよい。実際には、625個よりも多い数、すなわち細かい階調でパッチを記録することで推定精度を向上させることができ、また、補間演算等の既知の手法を用いて精度を向上させることもできる。
また、MCS処理部405としては、インク色毎の吐出特性に依存する色差量を補正するために、各記録領域に応じて補正データを切り替えられることが必要である。例えば、記録領域の数に対応する3次元ルックアップテーブルを保持し、それを記録領域に応じて切り替えることで対応可能である。
なお、例えば大、中、小の3段階のドットによって記録を行う4値の記録装置など、ドットの大きさを可変とできる多値の記録装置においても、ノズル毎の吐出量のばらつきを生じることがある。この場合においても、上述と同様の理由によって、従来のヘッドシェーディングによる補正を施しても、色むらとして視認される場合がある。従って、記録または非記録を示す2値の記録装置に限らず、3値以上の多値記録装置においても本実施形態を適用することができる。
本実施形態では、変換係数a1〜a12について制約を設けることで、Kの補正量を0とする例について説明したが、Kの補正量は十分に小さければよく、実質的に0であればよい。例えば、ある微小値εを閾値として、
a10≦ε,a11≦ε,a12≦ε
のように、閾値以下になるよう制限した形態であっても、本実施形態の効果を得ることができる。εの適正な値は、インクの濃度やドットサイズによって異なるため、εの決め方としては、上述した粒状性評価値を用いることが好適である。本発明者らの実験により、各領域の粒状性評価値が1.0〜2.0程度である際に、その10分の1、即ち0.1〜0.2程度の粒状性の差がある場合に周波数の差を色ムラとして視認されることを確認した。そこで、(K,C,M,Y)の組み合わせに対する粒状性(粒状度)を測定し、粒状度の差が0.2以下になるεを選択することにより、εの値を設定することができる。このときの粒状度とは、RMS粒状度もしくはウィナースペクトルを用いて算出される粒状度である。
なお、上述の例では、テーブルパラメータの全ての格子点においてKの補正量を実質的に0としたが、必ずしも全格子点においてKインクの補正量を0とする必要はない。例えば、単位面積あたりに付与されるKのインクの量が多く、周波数差があっても色ムラとして視認されないような明度の低い画像においては、周波数差を考慮する必要がない。このような色を示す画像データに対しては、Kインクの等価補正値を0としなくてもよい。
Kインクの等価補正値を実質的に0とした方がよいのは、Kインクに起因する周波数差が色ムラとして視認されやすい、明度の高い色の画像であり、すなわち光学濃度の低い画像である。本実施形態では、Kインクの等価補正値を実質的に0とすべき色の画像データを以下のように規定する。入力されたインク色データ(K,C,M,Y)において、Kの値が0より大きく、C,M,Yのうち少なくとも2つ以上の値が0より大きく、且つ、前述のC,M,Yのうち0より大きな値の和よりもKの値が小さい場合に、Kインクの等価補正値を実質的に0とする。なお、Kの値が、(K,C,M,Y)の値の和の1/2よりも小さい場合に、Kインクの等価補正値を実質的に0としてもよい。このとき、インク色データ(K,C,M,Y)が正規化された値(例えば、各インク色のデータが0〜255の値)であることを前提とする。
また、領域間の周波数の差を低減するための構成として、Kインクの補正量を実質的に0もしくは閾値ε以下とする他に、各インクの等価補正値で規定する構成としてもよい。等価補正値とは、MCS処理による変換を行う前の入力値と、当該入力値に対してMCS処理による変換がなされた出力値との差分に対応する。各インク色の変換前後の値の差分の絶対値で規定してもよい。例えば、Kインクの変換前後の差分の絶対値が、他のインク色の変換前後の差分の絶対値の和よりも小さくなるように変換されるような構成であればよい。さらに、Kインクの変換前後の差分の絶対値が、他のインク色の変換前後の差分の絶対値のいずれよりも小さくなるように変換される構成とすれば、周波数の差を低減する効果をより高めることができる。
また、Kインクの量が大きく異なっていても、色差と周波数差が十分に小さい解が存在する場合には、本実施形態を適用可能である。その場合、(K,C,M,Y)の組み合わせに対する周波数(粒状度)を格納したルックアップテーブルを記録装置内に保持することで、インクの組み合わせ毎の周波数を算出し、エリア間の周波数差を小さくなる組み合わせを選択すればよい。このルックアップテーブルを作成する際には、例えば、インク色データ(K,C,M,Y)をそれぞれ独立に変化させて、複数のパッチを含む測定用画像を図1の記録ヘッド101〜104を用いて記録する。このとき、各インク色について0,64,128,192,255の5階調で記録すると、合計5=625個のパッチが記録される。そして、各パッチの周波数(粒状度)とインク色データ(Ki,Ci,Mi,Yi)とを対応付けたテーブルを作成すればよい。
図11は、上記の周波数ルックアップテーブルを用いて、ルックアップテーブルHを作成するフローチャートである。まずステップS1101において、目標色A=(Rt、Gt、Bt)になる(K,C,M,Y)値の候補を取得する。このとき、ステップS503の測定結果を参照することで、(K,C,M,Y)値とエリア毎の(R,G,B)値との対応関係が取得できる。本実施形態では、(R,G,B)値と目標色A=(Rt、Gt、Bt)との色差が所定の閾値εよりも小さいインク色データ(Ki’,Ci’,Mi’,Yi’)を候補として取得する。
本実施形態では、色差を8ビットのRGB空間のユークリッド距離で規定し、閾値ε=3とする。候補の取得方法は上記方法に限らず、例えば色差が小さいものから順に所定の個数の候補を取得するようにしてもよい。
次に、ステップS1102において、各候補の周波数変化量Δfを算出する。具体的には、まず基準周波数として、インク色データ(Ki,Ci,Mi,Yi)の周波数を周波数ルックアップテーブルから取得する。同様に、複数の候補(Ki’,Ci’,Mi’,Yi’)のそれぞれについても周波数を取得する。これらの周波数と基準周波数との差である周波数変化量Δfを、候補毎に算出する。
次に、ステップS1103において、周波数変化量Δfが最小である(K,C,M,Y)値の候補を選択する。選択された候補である(Ki’,Ci’,Mi’,Yi’)と、(Ki,Ci,Mi,Yi)との差分が3次元ルックアップテーブルに格納される。
なお、ルックアップテーブルを用いずに、公知の簡易的なシミュレーションによってインクの組み合わせ毎の周波数を予測する形態をとることもできる。
(第2の実施形態)
前述の実施形態では、マゼンタインクの記録ヘッド102のノズル群10321の吐出量が標準よりも多い例を用いて説明した。本実施形態では、ブラックインクの記録ヘッド101のノズル群10121の吐出量が標準よりも多い例を用いて説明する。なお、前述の実施形態と共通の部分については説明を省略または簡易化する。
図12は、本実施形態の記録ヘッドの吐出量と記録媒体上のドットの状態を説明するための図である。図12(a)は、記録ヘッド101〜104のノズルを示しており、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出する。ここで、ブラックインクの記録ヘッド101において、図に示した8ノズルのうち図中右側の4つのノズル10121からなるノズル群の吐出量が標準よりも多い量である。他のノズル群の吐出量は標準量である。
図12(b)は、このような吐出特性を有する記録ヘッドを用いて画像を記録する場合に、HS処理が施された画像データに基づいて記録媒体106上に記録されたグレイ画像を示している。ここでは、HS処理が施される前のグレイの画像データを(K,C,M,Y)=(64,192,192,192)とする。
図中左側の第1エリアには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが重複して形成される標準サイズのグレイドット10614と、ブラックインクによる標準サイズのブラックドット10615が記録されている。一方、図中右側の第2エリアには、HS処理により、ブラックドットの数は約1/2(4ドット→2ドット)に変更されている。標準よりも大きいサイズのブラックドット10629と、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが重なって形成される標準サイズのグレイドット10630が記録されている。
第1の実施形態の図8の例と同様に、本図においても、第1エリアの周波数と第2エリアの周波数は異なるため、MCS処理部405は、この周波数差を低減するように画像データを補正する。本実施形態の例では、等価補正値Y−1[X]におけるブラックの補正量を0にしても、周波数の差が低減できない。その理由は、MCS処理部405の後のHS処理部がブラックインクに対応する値を補正し、ドット数が変わってしまうためである。そこで、本実施形態では、HS処理部406において、Cインク、Mインク及びYインクに対してはHS処理を行い、Kインクに対してはHS処理を行わない。すなわち、HS処理部406に対して入力された色信号の値と同じ値が出力される。
図12(c)は、本実施形態のMCS処理及びHS処理が行われた場合の図である。右側の第2エリアには、標準サイズよりも大きいブラックドット10629が形成されている。ブラックドット10629の数は、左側の第1エリアにおける標準サイズのブラックドット10615の数と同じである。また、右側の第2エリアには、他のインクと重ならずに形成されたマゼンタドット10622、標準サイズのシアンドットとイエロードットとが重なって形成されたグリーンドット10626、標準サイズのシアンドットとマゼンタドットとが重なって形成されたブルードット10631、標準サイズのマゼンタドットとイエロードットとが重なって形成されたレッドドット106210が存在する。これは、ブラックドットの数を変えずに、シアンドット、マゼンタドット、イエロードットの数を調整することで、色差を低減したことによる。この結果、画像の周波数に影響を及ぼしやすいブラックインクを吐出するノズルの吐出特性を補正する必要がある場合にも、MCS処理によりエリア間の色味の差を低減しつつ、MCS処理による周波数の差の発生を抑制することができる。
(その他の実施形態)
図4(b)は、記録装置における画像処理部の構成の変形例を示すブロック図である。同図に示すように、符号401、406〜409で示す各部は、図4(a)において同じ符号で示すそれぞれの部と同じであるためそれらの説明を省略する。本変形例において、MCS処理部405のテーブルパラメータの生成およびMCS処理部405の処理は、第1の実施形態に係る図5(a)および(b)と同じであり、図4(a)に示す構成と異なる点は、HS処理部406でのHS処理を実施しない点である。
前述の第2の実施形態では、ブラックインクに対してはHS処理を行わない形態としたが、本変形例では全てのインクに対してHS補正を行わない。そして、MCS処理部405でのMCS処理については、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、ブラックインクについての補正を行わない。HS処理を実施しないことにより、処理速度の向上、HS処理用のテーブル等のメモリ容量の低減、HS処理におけるテストパターンの記録及び測定、補正パラメータ生成処理等の工程を行わずに済むという効果がある。一方で、HS処理でブラックインクの吐出特性の差を補正せず、MCS処理でもブラックインクに対応する画像データを補正しないため、MCS処理を行っても色差が補正しきれない場合がある。例えば、ブラックインクを多く使用する画像の暗部において、ブラックインクの付与量を変えずにシアン、マゼンタ、イエローのインクの付与量を増やしても、所望の濃度が得られない可能性がある。その場合には、上述の閾値εを調整する等の方法によってMCS処理におけるブラックインクの付与量の変化量が最小となるインクの組み合わせを選択することで、色差の低減を図る。
なお、上述の実施形態におけるそれぞれの処理内容についてはあくまで一例であり、本発明の効果である色差と周波数差の低減が実現できる構成であれば、どのような構成をも用いることができる。例えば、図4(a)に記載の各処理のうち、連続する少なくとも2つの処理を合成して1回の処理とすることにより、処理の高速化を図ることも可能である。図4(c)はその一例であり、インク色変換処理部とMCS処理部による処理を一体の処理部411として構成している。
また、K、C、M、Yの4色のインクを用いて記録を行う形態に限られず、例えば、淡シアン、淡マゼンタ、グレイなどの低濃度インクや、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレットなどの特色インクを用いてもよい。図4(d)はその一例であり、MCS処理部405の後に濃淡分解処理部412を備え、公知の方法で、K,C,M,Yのデータに対し、シアンインクに対応するデータを、シアンインクと淡シアンインクとの組み合わせに対応するデータに変換し、マゼンタインクに対応するデータを、マゼンタインクと淡マゼンタインクの組み合わせに対応するデータに変換する。
また、図5に示したMCS処理部405のテーブルパラメータ生成処理において、先に色差量を測定してから補正値を算出する方法を用いたが、他の方法を用いてもよい。また、色差を低減する際に、目標色Aを設定することは必ずしも必要ではない。例えば、各エリアの色差を取得し、当該色差に基づいて各エリアの補正値を設定してもよい。
また、連続する4ノズルを含むノズル群に対応する領域を1単位のエリアとしたが、これに限定されず、より多くのノズル数を1ノズル群と設定してもよい。また、1ノズルを1単位としてもよい。また、各エリアに対応するノズル群のノズル数は必ずしも同一である必要は無く、記録デバイスの特性に応じて適宜設定してもよい。複数のインクを吐出する複数のノズル列において、記録媒体上の同じ領域を記録するノズル群の組みごとにそれぞれ変換テーブルが対応していればよい。
また、前述の実施形態では、MCS処理を行う際に、ブラックインクのデータの補正を行わないもしくは補正量を微小とし、主にシアン、マゼンタ、イエローのインクのデータを補正する例について説明した。5色以上のインクを備える形態においてはその限りではなく、所望の色相を再現するためには少なくとも3色のインクを用いて調整すればよい。シアン、マゼンタ、イエローに限らず、淡シアン、淡マゼンタ、イエローの組み合わせや、オレンジ、グリーン、バイオレットの組み合わせであってもよい。これらの例を一般化すると、色空間上で無彩色を内包する三角形を構成する色であればよい。
また、補正を行わないもしくは補正量を微小とするインク色についても、ブラックに限られない。上記の補正に用いる3色以外を全て補正しない処理としてもよく、一部の色のみを補正しない処理としてもよい。ただし、周波数の差を抑制するためには、光学濃度が高く、視認されやすいインクの補正量を小さく制限することが望ましい。
また、上記実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。上述した機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。そのプログラムは、コンピュータに読み取られることにより、そのコンピュータを上述した画像処理装置として機能させる。
また、上記実施形態では、三原色の色信号であるRGB形式で入力された画像データに対し、インク色変換処理によりK,C,M,Yに変換したデータに対してMCS処理を行う例で説明した。しかし、記録装置に直接上記K,C,M,Yの画像データを入力する構成であってもよい。その場合は、画像処理部402において、入力色変換処理部403とインク色変換処理部404の処理が不要となる。
100 プリンタ
101〜104 記録ヘッド
106 記録媒体
300 ホストPC

Claims (18)

  1. 第1のインクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列における第1のノズル群と、第2のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列における第2のノズル群と、第3のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第3のノズル列における第3のノズル群と、を用いて記録媒体上の第1の領域に画像を記録し、且つ、前記第1のノズル列の複数のノズルのうち前記第1のノズル群に含まれるノズルを含まない第4のノズル群と、前記第2のノズル列の複数のノズルのうち前記第2のノズル群に含まれるノズルを含まない第5のノズル群と、前記第3のノズル列の複数のノズルのうち前記第3のノズル群に含まれるノズルを含まない第6のノズル群と、を用いて前記第1の領域とは前記所定方向の位置が異なる第2の領域に画像を記録するための画像処理装置であって、
    入力される前記第1の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換し、且つ、入力される前記第2の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換する変換手段を備え、
    前記変換手段は、所定の複数の色信号が入力される場合に前記第1のノズル群、前記第2のノズル群及び前記第3のノズル群を用いて前記第1の領域に記録される第1の画像と、前記所定の複数の色信号が入力される場合に前記第4のノズル群、前記第5のノズル群及び前記第6のノズル群を用いて前記第2の領域に記録される第2の画像と、において、前記第1の画像の色と前記第2の画像の色との差を低減し、且つ、前記第1の画像の周波数と前記第2の画像の周波数との差を低減するように変換することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記所定の複数の色信号において、第1のインクに対応する色信号の値、第2のインクに対応する色信号の値及び第3のインクに対応する色信号の値はいずれも0より大きく、且つ、第1のインクに対応する色信号の値が、第2のインクに対応する色信号の値及び第3のインクに対応する色信号の値の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記変換手段に入力される第1のインクに対応する色信号の値と、当該第1のインクに対応する色信号を前記変換手段により変換した値と、の差の絶対値を第1の値とし、
    前記変換手段に入力される第2のインクに対応する色信号の値と、当該第2のインクに対応する色信号を前記変換手段により変換した値と、の差の絶対値を第2の値とし、
    前記変換手段に入力される第3のインクに対応する色信号の値と、当該第3のインクに対応する色信号を前記変換手段により変換した値と、の差の絶対値を第3の値とした場合に、
    前記所定の複数の色信号が入力された場合に、前記第1の値は、前記第2の値及び前記第3の値の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記所定の複数の色信号が入力された場合に、前記第1の値は、前記第2の値よりも小さく、且つ、前記第3の値よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の値は、所定の閾値以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の値は、実質的に0であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 記録媒体上に形成される第1のインクのドットの光学濃度は、記録媒体上に形成される第2のインクのドットの光学濃度よりも高く、且つ、記録媒体上に形成される第3のインクのドットの光学濃度よりも高いことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 第1のインクの明度は、第2のインクの明度よりも低く、且つ、第3のインクの明度よりも低いことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 第1のインクは無彩色のインクであり、前記第2のインク及び前記第3のインクは有彩色のインクであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1のインクはブラックのインクであることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記第2のインク及び前記第3のインクは、それぞれシアンのインク、マゼンタのインク、イエローのインクのいずれかであることを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1の画像の周波数と前記第2の画像の周波数との差は、前記第1の画像のRMS粒状度と前記第2の画像のRMS粒状度との差、もしくは、ウィナースペクトルを用いて算出される前記第1の画像の粒状度と前記第2の画像の粒状度との差であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 第1のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第1のノズル群のみを用いて第1のインクを吐出することにより前記第1の領域に記録される画像の濃度と、当該第1のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第4のノズル群のみを用いて第1のインクを吐出することにより前記第2の領域に記録される画像の濃度と、の差を低減するように、前記変換手段により変換された前記第1の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号及び前記変換手段により変換された前記第2の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号を変換し、
    第2のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第2のノズル群のみを用いて第2のインクを吐出することにより前記第1の領域に記録される画像の濃度と、当該第2のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第5のノズル群のみを用いて第2のインクを吐出することにより前記第2の領域に記録される画像の濃度と、の差を低減するように、前記変換手段により変換された前記第1の領域に記録すべき第2のインクに対応する色信号及び前記変換手段により変換された前記第2の領域に記録すべき第2のインクに対応する色信号を変換し、
    第3のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第3のノズル群のみを用いて第3のインクを吐出することにより前記第1の領域に記録される画像の濃度と、当該第3のインクに対応する所定の色信号が入力される場合に前記第6のノズル群のみを用いて第3のインクを吐出することにより前記第2の領域に記録される画像の濃度と、の差を低減するように、前記変換手段により変換された前記第1の領域に記録すべき第3のインクに対応する色信号及び前記変換手段により変換された前記第2の領域に記録すべき第3のインクに対応する色信号を変換する第2の変換手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記第2の変換手段は、前記第1のインクに対応する所定の色信号の入力に対し、同じ値を出力することを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記変換手段は、前記第2の変換手段による変換がなされた色信号に基づいて記録されたテストパターンに基づいて生成されたパラメータを用いて、入力された複数の色信号を変換することを特徴とする請求項13または14に記載の画像処理装置。
  16. 前記第1のノズル群、前記第2のノズル群、前記第3のノズル群、前記第4のノズル群前記第5のノズル群及び前記第6のノズル群のそれぞれは、1ノズル、もしくは、前記所定方向に連続する2以上のノズルを含むことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 第1のインクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列における少なくとも1つのノズルを含む第1のノズル群と、第2のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列における少なくとも1つのノズルを含む第2のノズル群と、第3のインクを吐出する複数のノズルが前記所定方向に配列された第3のノズル列における少なくとも1つのノズルを含む第3のノズル群と、を用いて記録媒体上の第1の領域に画像を記録し、且つ、前記第1のノズル列の複数のノズルのうち前記第1のノズル群に含まれるノズルを含まない第4のノズル群と、前記第2のノズル列の複数のノズルのうち前記第2のノズル群に含まれるノズルを含まない第5のノズル群と、前記第3のノズル列の複数のノズルのうち前記第3のノズル群に含まれるノズルを含まない第6のノズル群と、を用いて前記第1の領域とは前記所定方向の位置が異なる第2の領域に画像を記録するための画像処理方法であって、
    入力される前記第1の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換する工程と、
    入力される前記第2の領域に記録すべき第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号を、第1のインクに対応する色信号、第2のインクに対応する色信号及び第3のインクに対応する色信号を含む複数の色信号に変換する工程と、
    を備え、
    所定の複数の色信号が入力される場合に前記第1のノズル群、前記第2のノズル群及び前記第3のノズル群を用いて前記第1の領域に記録される第1の画像と、前記所定の複数の色信号が入力される場合に前記第4のノズル群、前記第5のノズル群及び前記第6のノズル群を用いて前記第2の領域に記録される第2の画像と、において、前記第1の画像の色と前記第2の画像の色との差を低減し、且つ、前記第1の画像の周波数と前記第2の画像の周波数との差を低減するように変換されることを特徴とする画像処理方法。
  18. 請求項17に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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