JP2021037484A - ハニカム構造体 - Google Patents

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【課題】 高い機械的強度及び高い触媒機能を有するハニカム構造体を提供する。【解決手段】 排ガスの流路となる複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体からなるハニカム構造体であって、上記ハニカム焼成体は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを含み、上記ハニカム焼成体は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を、0.1〜6.0重量%含有することを特徴とするハニカム構造体。【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等の有害ガス及び粒子状物質(PM)が含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒は三元触媒とも称され、コージェライト等からなるハニカム状のモノリス基材に触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーをウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的であり、PMを除去するためのハニカム状のフィルタとともに使用されている。
一方、特許文献1には、上記有害ガスおよびPMを同時に除去するフィルタとして、セル壁の構成成分に、セリア、ジルコニア、及びセリア−ジルコニア固溶体からなるグループより選ばれる少なくとも1種の助触媒を含有し、隣り合うセル孔を連通する細孔がセル壁に形成された排ガスフィルタが開示されている。
特開2017−115786号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなセリア−ジルコニア固溶体を主成分とするハニカムフィルタは、その強度が低く、ハニカムフィルタとして使用するには強度の改善が必要なものであった。
強度を向上させる方法としては、焼成温度を高くする方法が挙げられるが、焼成温度を高くすると焼結が進行しすぎて、比表面積の低下による触媒活性の低下、及び、気孔径の縮小により、フィルタとして使用した場合にセル隔壁のガス透過性が低下するといった問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高い機械的強度及び高い触媒機能を有するハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明のハニカム構造体は、排ガスの流路となる複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体からなるハニカム構造体であって、上記ハニカム焼成体は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを含み、上記ハニカム焼成体は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を、0.1〜6.0重量%含有することを特徴とする。
本発明では、ハニカム焼成体が、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を0.1〜6.0重量%含有している。
通常、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子(以下、CZ粒子ともいう)及びアルミナ粒子(以下、まとめて原料粒子ともいう)からなるハニカム構造体を作製する方法としては、原料粒子及びアルミナバインダを含む混合物を所定の形状に成形した後、乾燥、脱脂、焼成する方法が挙げられる。ここで、上記混合物中のNb及びCuは、焼成においてアルミナバインダの焼結助剤の役目を果たす。
焼結助剤によってアルミナバインダによる原料粒子の接合強度を高めて、ハニカム構造体の機械的強度を向上させることができる。
さらに、焼結助剤によりアルミナバインダに含まれるアルミナが焼結しやすくなり、アルミナバインダが収縮を伴って原料粒子の接続部(ネック部ともいう)に集まるように移動する。焼成時にアルミナバインダが原料粒子のネック部に集中することで、アルミナバインダによってセル隔壁中で閉気孔となっていた気孔が連通気孔となるため、セル隔壁の排ガス透過性を高めることができる。
なお、ハニカム焼成体のNb及びCuの含有量は、ハニカム焼成体を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析で元素分析することにより測定することができる、ハニカム焼成体を構成する全ての元素の総重量に占めるNb及びCuの合計重量の割合である。
本発明のハニカム構造体では、上記Nb及び上記Cuの少なくとも一部は、上記ハニカム焼成体を構成する上記セリア−ジルコニア複合酸化物粒子の粒子間に存在していることが好ましい。
焼結助剤であるNb及びCuの少なくとも一部がCZ粒子の粒子間に存在していると、CZ粒子同士の接合強度を高め、ハニカム構造体の機械的強度を向上させることができる。
本発明のハニカム構造体では、上記複数のセルは、排ガス入口側の端部が開口され且つ排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セルと、排ガス出口側の端部が開口され且つ排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セルとからなることが好ましい。
複数のセルが上記構成であると、排ガス入口側の端部からハニカム構造体内に侵入した排ガスが、セル隔壁を通過して排ガス出口側の端部から排出されることとなるため、PM除去用のフィルタとして用いることができる。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体のマクロ気孔の気孔径分布におけるD50は、5〜20μmであることが好ましい。
ハニカム焼成体のマクロ気孔のD50が上記範囲であると、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタ用途に特に適している。なお、マクロ気孔は、水銀圧入法で測定した気孔径が0.1μm〜500μmの気孔を指す。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体の上記セル隔壁の気孔率は、40〜80%であることが好ましい。
ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率が上記範囲であると、セル隔壁の内部まで排ガスが充分に拡散できるため、触媒活性が高くなる。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A線断面図である。 図2(a)は、本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB−B線断面図である。 図3は、実施例1に係るハニカム構造体の切断面のSEM写真である。 図4は、比較例1に係るハニカム構造体の切断面のSEM写真である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
[ハニカム構造体]
本発明のハニカム構造体について説明する。
本発明のハニカム構造体は、排ガスの流路となる複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体からなる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体は、CZ粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダと、Nb及びCuのうち少なくとも一種の元素とを含む。
後述するように、ハニカム焼成体は、CZ粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダ並びにNb及びCuの少なくとも一種の元素を含む原料組成物を押出成形した後、焼成することにより作製されている。
本発明のハニカム構造体が、CZ及びアルミナの各成分を有しているか否かについては、X線回折(XRD)にて確認できる。Nb及びCuのうち少なくとも一種の元素を有しているか否かについては、ICP発光分析にて確認できる。
本発明のハニカム構造体は、単一のハニカム焼成体を備えていてもよいし、複数個のハニカム焼成体を備えていてもよく、複数個のハニカム焼成体が接着剤により結合されていてもよい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面には、外周コート層が形成されていてもよい。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A線断面図である。
図1(a)に示すハニカム構造体10は、複数のセル12がセル隔壁13を隔てて長手方向に並設された単一の第1のハニカム焼成体11を備えている。第1のハニカム焼成体11は、CZ粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダ並びにNb及びCuの少なくとも一種の元素を含み、押出成形体の形状を有している。
ハニカム構造体10の形状は円柱状である。
図1(b)に示すように、ハニカム構造体10のいずれかのセル12に、一方の端部(排ガス流入側端部)14から流入した排ガスG(図1(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、該セル12を通過する際に、ハニカム構造体のセル隔壁に担持された触媒と接触する。これにより、排ガスG中に含まれるNOx等の有害成分が浄化される。また、浄化された排ガスGは、セル12の他方の端部(排ガス流出側端部)15から排出される。
このように、ハニカム構造体10を用いることにより、排ガス中のNOx等の有害成分を好適に浄化することができる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を、0.1〜6.0重量%含有する。
Nb及びCuは、焼成においてアルミナバインダの焼結助剤の役目を果たす。
焼結助剤によってアルミナバインダによる原料粒子の接合強度を高めて、ハニカム構造体の機械的強度を向上させることができる。
さらに、焼結助剤によりアルミナバインダに含まれるアルミナが焼結しやすくなり、アルミナバインダが収縮を伴って原料粒子の接続部(ネック部ともいう)に集まるように移動する。焼成時にアルミナバインダが原料粒子のネック部に集中することで、アルミナバインダによってセル隔壁中で閉気孔となっていた気孔が連通気孔となるため、セル隔壁の排ガス透過性を高めることができる。
ハニカム焼成体のNb及びCuの含有量の合計が0.1重量%未満の場合、アルミナバインダの焼結助剤として充分に機能しない。一方、ハニカム焼成体のNb及びCuの含有量の合計が6.0重量%を超える場合、ハニカム焼成体に占める焼結助剤の割合が多くなりすぎて、排ガス浄化性能が低下してしまう。
ハニカム焼成体のNb及びCuの含有量は、ハニカム焼成体をICP発光分析で元素分析することにより測定することができる、ハニカム焼成体を構成する全ての元素の総重量に占めるNb及びCuの合計重量の割合である。
本発明のハニカム構造体において、Nb及びCuの少なくとも一部は、ハニカム焼成体を構成するCZ粒子の粒子間に存在していることが好ましい。
焼結助剤であるNb及びCuの少なくとも一部がCZ粒子の粒子間に存在していると、CZ粒子同士の接合強度を高め、ハニカム構造体の機械的強度を向上させることができる。
Nb及びCuの少なくとも一部がCZ粒子の粒子間に存在しているかどうかは、ハニカム焼成体の切断面をSEM−EDXにより観察することで確認することができる。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率は、40〜80体積%であることが好ましい。
ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率が上記範囲であると、セル隔壁の内部まで排ガスが充分に拡散できるため、触媒活性が高くなる。
ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率は、水銀圧入法により測定することができる。
上記ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率が40体積%未満であると、セル隔壁のうちガス通過に寄与することができる気孔の割合が少なくなり、圧力損失が向上してしまうことがある。一方、上記ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔率が80体積%を超えると、セル隔壁の気孔率が高くなりすぎるため、ハニカム構造体の機械的特性が劣化し、ハニカム構造体の使用中に、クラックや破壊等が発生し易くなる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体には、気孔径が0.1〜100μmのマクロ気孔が含まれていることが好ましい。
マクロ気孔が占める体積の割合は、気孔の総体積の80体積%以上であることが好ましい。
マクロ気孔が占める体積の割合、及び、気孔の総体積は、ハニカム焼成体のセル隔壁の気孔径を水銀圧入法により測定することで得られる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体を構成するマクロ気孔の気孔径分布におけるD50は、5〜20μmであることが好ましい。
マクロ気孔の気孔径分布におけるD50が5〜20μmであると、PMの捕集に適した大きさの気孔(細孔)を多く有することとなり、PMの捕集効率を高くし、圧力損失を低くすることができる。
ハニカム焼成体を構成するマクロ気孔の気孔径分布におけるD50は、水銀圧入法により測定された気孔径分布曲線[横軸:気孔径(μm)、縦軸:log微分細孔容積(mL/g)]から求めることができる。
水銀圧入法による具体的な測定手順としては、ハニカム焼成体を一辺0.8cm程度の立方体に切断し、イオン交換水で超音波洗浄し、充分乾燥して測定用サンプルとして、測定用サンプルの気孔径を水銀圧入法(JISR1655:2003に準じる)によって測定する。すなわち、例えば、得られたサンプルを、島津製作所製、マイクロメリティックス自動ポロシメータオートポアIII9405を用いて気孔径の測定を行う。測定範囲は、0.006〜500μmとし、100〜500μmでは、0.1psiaの圧力毎に測定し、0.006〜100μmでは、0.25psiaの圧力毎に測定し、0.1〜100μmの気孔径をマクロ気孔としてマクロ気孔のD50を算出する。その際、接触角を130°、表面張力を485mN/mとする。
本発明のハニカム構造体を構成するアルミナ粒子は、θ相のアルミナ粒子であることが好ましい。
アルミナ粒子がθ相のアルミナ粒子であると耐熱性が高いため、貴金属を担持させ、長時間使用した後であっても高い排ガス浄化性能を発揮することができる。
本発明のハニカム構造体において、アルミナ粒子の含有割合は、15〜35重量%であることが好ましい。
また、本発明のハニカム構造体において、CZ粒子の含有割合は、35〜65重量%であることが好ましい。
本発明のハニカム構造体には、さらに、アルミナファイバを含んでいることが好ましい。
アルミナファイバを含んでいると、ハニカム構造体の機械的特性を改善することができるからである。
アルミナバインダの含有割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、アルミナファイバの含有割合は、10〜40重量%であることが好ましい。
本発明のハニカム構造体の形状としては、円柱状に限定されず、角柱状、楕円柱状、長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体のセルの形状としては、四角柱状に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面のセルの密度は、31〜155個/cmであることが好ましい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体のセル隔壁の厚さは、0.05〜0.50mmであることが好ましく、0.10〜0.30mmであることがより好ましい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面に外周コート層が形成されている場合、外周コート層の厚さは、0.1〜2.0mmであることが好ましい。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体に貴金属が担持されていることが好ましい。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体に触媒として機能する貴金属が担持されていると、排ガス浄化用のハニカム触媒としても使用することができる。
貴金属としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体において、貴金属の担持量は、0.1〜15g/Lであることが好ましく、0.5〜10g/Lであることがより好ましい。
本明細書において、貴金属の担持量とは、ハニカム構造体の見掛けの体積当たりの貴金属の重量をいう。なお、ハニカム構造体の見掛けの体積とは、空隙の体積を含む体積であり、外周コート層及び/又は接着層の体積を含むこととする。
本発明のハニカム構造体においては、複数のセルは、排ガス入口側の端部が開口され且つ排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セルと、排ガス出口側の端部が開口され且つ排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セルとからなることが好ましい。
複数のセルが上記構成であると、排ガス入口側の端部からハニカム構造体内に侵入した排ガスが、セル隔壁を通過して排ガス出口側の端部から排出されることとなるため、PM除去用のフィルタとして用いることができる。
PM除去用のフィルタとして用いることができる本発明のハニカム構造体の構造の一例を、図2(a)及び図2(b)を参照しながら説明する。
図2(a)は、本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB−B線断面図である。
図2(a)に示すハニカム構造体20では、円柱形状のハニカム焼成体21の長手方向(図2(a)中、両矢印aで示す)に排ガス導入セル22aと排ガス排出セル22bが多数形成されており、排ガス導入セル22aと排ガス排出セル22bとは、セル隔壁23を隔てて形成されている。
一方の端部(排ガス導入側端部)24から見ると、排ガス排出セル22bは、端部24が封止部26bにより目封じされており、排ガス導入セル22aは開口している。一方、他方の端部(排ガス排出側端部)25では、排ガス導入セル22aが封止部26aにより目封じされており、排ガス排出セル22bは開口している。
排ガス導入セル22aの端部25は目封じされているため、端部24から排ガス導入セル22aに導入された排ガスGは、多孔質壁であるセル隔壁23を通過した後、排ガス排出セル22bを通って端部25から排出される。この間に排ガス中のパティキュレートマター(以下、PMという)がセル隔壁23で捕集され、排ガスが浄化される。
[ハニカム構造体の製造方法]
本発明のハニカム構造体は、例えば、CZ粒子、アルミナ粒子、アルミナバインダ及び焼結助剤を含む原料組成物を調製する原料組成物調製工程と、上記原料組成物を成形することにより、複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する成形工程と、上記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を得る焼成工程と、によって製造することができる。
(原料組成物調製工程)
原料組成物調製工程では、CZ粒子、アルミナ粒子、アルミナバインダ及び焼結助剤を混合して原料組成物を調製する。
焼結助剤は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を含む。
焼結助剤は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を含んでいれば、その組成は特に限定されない。
焼結助剤としては、例えば、酸化ニオブ、酸化銅(I)、酸化銅(II)等が挙げられる。
原料組成物を調製する際に使用するCZ粒子の平均粒子径は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。また、アルミナ粒子の平均粒子径は、1μm以上30μm以下であることが好ましい。
原料粒子であるアルミナ粒子及びCZ粒子の平均粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、MALVERN社製 MASTERSIZER2000)を用いる。
具体的には、上記測定装置により得られる粒子の累積体積分布曲線において、粒子径の小さい方から累積体積が50体積%にあたる粒子径が平均粒子径である。
原料組成物を調製する際に用いるアルミナ粒子に対するCZ粒子の重量比(CZ粒子/アルミナ粒子)は、1.0〜3.0であることが好ましい。
上記重量比(CZ粒子/アルミナ粒子)が1.0〜3.0であると、CZ粒子の含有率が高く、このCZ粒子は、助触媒として使用されるものであるので、排ガスの浄化性能が向上する。
原料組成物を調製する際に用いるアルミナ粒子としては、θ相のアルミナ粒子が好ましい。
原料組成物を調製する際に用いるアルミナバインダとしては、アルミナゾル、ベーマイト等が挙げられる。
アルミナバインダは二種以上を併用してもよい。
ベーマイトは、AlOOHの組成で示されるアルミナ1水和物であり、水等の媒体に良好に分散するので、原料組成物には、ベーマイトをアルミナバインダとして用いることが好ましい。
原料組成物には、必要に応じて、造孔材を添加してもよい。
造孔材としては、アクリル樹脂、でんぷん、カーボン等が挙げられ、これらのなかでは、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
原料組成物を調製する際に用いる他の原料としては、無機ファイバ、有機バインダ、成形助剤、分散媒等が挙げられる。
上記無機ファイバを構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらのなかでは、アルミナファイバが好ましい。
上記無機ファイバのアスペクト比は、5〜300であることが好ましく、10〜200であることがより好ましく、10〜100であることがさらに好ましい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
上記した原料としてCZ粒子、アルミナ粒子、アルミナファイバ、ベーマイト及び焼結助剤を使用した際、これらの配合割合は、原料中の焼成工程後に残存する全固形分に対し、CZ粒子:40〜60重量%、アルミナ粒子:15〜35重量%、アルミナファイバ:10〜40重量%、ベーマイト:0.1〜10重量%、焼結助剤:0.1〜10重量%が好ましい。
原料組成物を調製する際には、混合混練することが好ましく、ミキサー、アトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。
(成形工程)
成形工程では、原料組成物を成形することにより、複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する。
具体的には、所定の形状の金型を通過させることにより、所定の形状のセルを有するハニカム成形体の連続体を形成し、所定の長さにカットすることにより、ハニカム成形体とする。
続いて、上記成形工程により成形された成形体を乾燥する。
この際、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥し、ハニカム乾燥体を作製することが好ましい。
本明細書においては、焼成工程を行う前のハニカム成形体及びハニカム乾燥体をまとめてハニカム成形体とも呼ぶ。
(焼成工程)
焼成工程では、乾燥工程により乾燥された成形体を焼成することにより、ハニカム焼成体を作製する。なお、この工程は、ハニカム成形体の脱脂及び焼成が行われるため、「脱脂・焼成工程」ということもできるが、便宜上「焼成工程」という。
焼成工程の温度は、800〜1300℃であることが好ましく、900〜1200℃であることがより好ましい。また、焼成工程の時間は、1〜24時間であることが好ましく、
3〜18時間であることがより好ましい。焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1〜20%であることが好ましい。
以上の工程により、本発明のハニカム構造体を製造することができる。
(その他の工程)
上記製造方法では、必要に応じて、上記ハニカム成形体を構成するセルのいずれかの端部を目封止する封止工程や、上記ハニカム焼成体に貴金属を担持させる担持工程をさらに含んでいてもよい。
(封止工程)
封止工程では、ハニカム乾燥体を構成するセルのいずれかの端部に、封止材ペーストを所定量充填して、セルを目封止する。セルを目封止する際には、例えば、ハニカム成形体の端面(すなわち両端を切断した後の切断面)にセル封止用のマスクを当てて、封止の必要なセルにのみ封止材ペーストを充填し、封止材ペーストを乾燥させる。このような工程を経て、セルの一端部が目封止されたハニカム乾燥体を作製することができる。
封止材ペーストとしては、上記原料組成物を用いることができる。
なお、封止工程は、焼成工程の後に行ってもよく、封止工程後に再焼成を行ってもよい。
(担持工程)
担持工程では、例えば、貴金属粒子もしくは錯体を含む溶液にハニカム焼成体又はハニカム構造体を浸漬した後、引き上げて加熱する。
ハニカム構造体が外周コート層を備える場合、外周コート層を形成する前のハニカム焼成体に貴金属を担持してもよいし、外周コート層を形成した後のハニカム焼成体又はハニカム構造体に貴金属を担持してもよい。
上記担持工程で担持した貴金属の担持量は、0.1〜15g/Lであることが好ましく、0.5〜10g/Lであることがより好ましい。
ハニカム焼成体の外周面に外周コート層を形成する場合、外周コート層は、ハニカム焼成体の両端面を除く外周面に外周コート層用ペーストを塗布した後、乾燥固化することにより形成することができる。外周コート層用ペーストとしては、原料組成物と同じ組成のものが挙げられる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
[評価用サンプルの作製]
(実施例1)
CZ粒子(平均粒子径:8μm)を16.9重量%、アルミナ粒子(平均粒子径:20μm)を8.5重量%、アルミナバインダとしてベーマイトを0.9重量%、平均繊維径が3μm、平均繊維長が100μmのアルミナファイバを10.6重量%、有機バインダとしてメチルセルロースを3.9重量%、造孔材として、アクリル粒子を28.6重量%、アルミナバインダの焼結助剤として、酸化ニオブを0.1重量%、成形助剤として界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルを2.9重量%及びイオン交換水を27.5重量%を混合混練して、原料組成物を調製した。
押出成形機を用いて、原料組成物を押出成形して、円柱状のハニカム成形体を作製した。そして、減圧マイクロ波乾燥機を用いて、ハニカム成形体を出力1.74kW、減圧6.7kPaで12分間乾燥させた後、ハニカム成形体を構成するセルのいずれか一方の端部に封止材ペーストが充填されるように、ハニカム成形体を作製するのに用いられた原料組成物と同様の組成の封止材ペーストをハニカム成形体の所定のセルに充填し、さらに大気圧下120℃で10分間乾燥させた。その後、1150℃で10時間脱脂・焼成することにより、ハニカム焼成体(ハニカム構造体)を作製した。ハニカム焼成体は、直径が118mm、長さが122mmの円柱状であり、セルの密度が46.5個/cm(300cpsi)、セル隔壁の厚さが0.203mm(8mil)であった。
(実施例2〜4)
原料組成物の配合を表1の通りに変更したほかは、実施例1と同様の手順で、実施例2〜4に係るハニカム構造体を作製した。実施例3においては、焼結助剤として酸化銅を用い、実施例4においては、焼結助剤として、酸化ニオブと酸化銅をモル比で1:1にして用いた。
(比較例1)
原料組成物の配合を表1の通りに変更したほかは、実施例1と同様の手順でハニカム構造体を製造した。
[Nb及びCuの含有量の測定]
実施例1〜4及び比較例1に係るハニカム構造体について、ICP発光分析によってNb及びCuの含有量を求めた。結果を表2に示す。
[破壊強度の測定]
ハニカム構造体の機械的強度として、以下の方法により、曲げ強度を測定した。
まず、3点曲げ強度測定用サンプルとして、断面を4セル×4セル、長さ40mmに切り出した部材を10本準備した。3点曲げ強度測定用サンプルの主面(サンプルの外周面のうち広い方の面)に対して垂直な方向に荷重を印加し、破壊荷重(サンプルが破壊した荷重)を測定した。10本の3点曲げ強度測定用サンプルについて破壊荷重を測定し、その平均値を曲げ強度とした。3点曲げ強度試験は、JIS R 1601を参考に、インストロン5582を用い、スパン間距離:30mm、スピード1mm/minで行った結果を表2に示す。
表2の結果より、実施例1〜4に係るハニカム構造体は、比較例1に係るハニカム構造体と同じ焼成温度にもかかわらず、機械的強度が向上していることがわかる。
(SEMによるセル隔壁の断面の観察)
SEMを用いて、実施例で作製したハニカム構造体及び比較例で作製したハニカム構造体のセル隔壁の断面を、SEMを用いて観察した。結果を図3及び図4に示す。
図3は、実施例1に係るハニカム構造体の切断面のSEM写真であり、図4は、比較例1に係るハニカム構造体の切断面のSEM写真である。
図3から、実施例で作製したハニカム構造体では、原料粒子(CZ粒子及びアルミナ粒子)同士の境界であるネック部にアルミナバインダが集まっている様子が観察される。一方、図4では、気孔部にアルミナバインダが存在しており、原料粒子同士の境界であるネック部にアルミナバインダが充分に集まっていない。
なお、図3に示すハニカム構造体の切断面においては、SEM−EDXによってCZ粒子の粒子間にNbが存在していることを確認できた。
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、充分な機械的強度を備え、高い触媒機能を有していることがわかる。
[水銀圧入法によるセル隔壁のD50の測定]
実施例1〜4及び比較例1に係るハニカム構造体について、上述した水銀圧入法によってセル隔壁のD50を求めた。結果を表2に示す。
実施例1〜4に係るハニカム構造体では、D50が5μm以上となっており、PM捕集に適し、かつ圧力損失が低くなる気孔構造であるのに対して、比較例1に係るハニカム構造体では、D50が1.8μmと小さいため、圧力損失が高くなる気孔構造である。
以上の結果より、本発明のハニカム構造体は、圧力損失を低くすることができ、PMの捕集に適当な、マクロ気孔のD50が5〜20μmであることから、セルのいずれか一方の端部を封止してPM除去用のフィルタとして用いる場合に、優れたフィルタ性能を発揮することがわかる。
10、20 ハニカム構造体
11、21 ハニカム焼成体
12、22 セル
13、23 セル隔壁
14、24 一方の端部
15、25 他方の端部
22a 排ガス導入セル
22b 排ガス排出セル
26a、26b 封止部

Claims (5)

  1. 排ガスの流路となる複数のセルがセル隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体からなるハニカム構造体であって、
    前記ハニカム焼成体は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを含み、
    前記ハニカム焼成体は、Nb及びCuの少なくとも一種の元素を、0.1〜6.0重量%含有することを特徴とする、ハニカム構造体。
  2. 前記Nb及び前記Cuの少なくとも一部は、前記ハニカム焼成体を構成する前記セリア−ジルコニア複合酸化物粒子の粒子間に存在している請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記複数のセルは、排ガス入口側の端部が開口され且つ排ガス出口側の端部が目封止された排ガス導入セルと、排ガス出口側の端部が開口され且つ排ガス入口側の端部が目封止された排ガス排出セルとからなる、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカム焼成体のマクロ気孔の気孔径分布におけるD50は、5〜20μmである請求項3に記載のハニカム構造体。
  5. 前記ハニカム焼成体の前記セル隔壁の気孔率は、40〜80%である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
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