JP2021037315A - 薬剤払出し装置 - Google Patents
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Abstract
Description
旧来技術の薬剤払出し装置を使用して散薬を分包する作業は、医師の処方箋に従い、薬剤師が装置を操作して行う。即ち薬剤師は、医師の処方箋を確認し、薬棚から、処方された散薬が入った薬瓶を取り出す。そして天秤等の秤を使用して処方された特定の散薬の総重量を量り出す。
投入ホッパに投入された散薬は、トラフが振動することによって、散薬はゆっくりと先端側に移動し、分配皿の溝に落下する。
特許文献2に開示した薬剤払出し装置は、複数の薬剤容器を収容する容器保管部と、ロボット(容器移動手段)を備えている。また分配皿の周囲には容器載置装置がある。容器載置装置は、薬剤容器を振動させて薬剤容器から散薬を排出する機能と、薬剤容器の重量を監視する機能を備えている。
特許文献2に開示した薬剤払出し装置では、容器保管部に収容された薬剤容器から医師の処方箋に合致した散薬が充填された薬剤容器を選び出し、ロボットで薬剤容器を取り出して容器載置装置に載置する。
そして容器載置装置を振動させて薬剤容器から散薬を排出すると共に、薬剤容器の重量を監視し、間接的に薬剤容器から排出される散薬の重量を監視する。
薬剤容器から所定量の散薬が排出されると、掻出装置を駆動して散薬を分配皿の外に掻き出し、包装装置で包装する。
特許文献2に開示した薬剤払出し装置を使用して散薬の分包を行う場合には、薬剤師は必ずしも装置の動きを常時監視する必要はない。そのため散薬の分包中に、薬剤師が薬剤払出し装置から離れる場合も想定される。
薬剤師が目を離した隙に、思わぬ事態が発生する場合がある。
この散薬が塊状のままで分配皿に落下すると、分配皿上の散薬分布が不均一となり、分配皿上に配分むらができてしまう。
この状態で掻き板によって散薬を分割して包装すると、包装中の薬剤量に多寡が生じてしまう。
また薬剤容器の蓋が外れて、大量の薬剤が分配皿上に投入されたり、蓋の重量を薬剤重量と誤検知してしまう場合がある。
好ましい態様は、散薬の排出量の監視は、当該散薬の単位時間あたりの重量変化を検出して行われる薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段を有し、散薬の排出量の監視は、重量測定手段によって当該散薬の単位時間あたりの重量変化を検出して行われる薬剤払出し装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する薬剤払出し装置において、薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段とを有し、単位時間当たりの重量変化から散薬の単位時間あたりの排出量を検出するものであり、薬剤容器から散薬を排出している間、薬剤フィーダからの散薬の排出量を監視し薬剤フィーダから目標量の散薬を排出することが可能であり、薬剤フィーダからの散薬の過去の単位時間あたりの重量変化量を記憶し、前記記憶した過去の単位時間あたりの重量変化量に対して、現在の単位時間あたりの重量変化量が通常の範囲を超えて増加する場合に、所定の動作を実行する薬剤払出し装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、薬剤容器に充填された散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する分包作業を自動的に実行する薬剤払出し装置において、薬剤容器は、取り外し可能な蓋を有し、薬剤フィーダから排出される散薬の単位時間当たりの排出量を監視し、前記散薬の単位時間当たりの排出量の変化より、薬剤容器から蓋が外れたことを検知する薬剤払出し装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する薬剤払出し装置において、薬剤フィーダからの散薬の排出量を監視し薬剤フィーダから目標量の散薬を排出することが可能であり、薬剤フィーダからの散薬の単位時間あたりの排出量に一定以上のばらつきがあった場合に、所定の動作を実行することを特徴とする薬剤払出し装置である。
本態様の薬剤払出し装置では、散薬の単位時間あたりの排出量に一定以上のばらつきがあった場合に、所定の動作を実行する。そのため、散薬が塊状となって排出された様な事態が発生したことを知ることができる。
上記した各態様において、動力によって回転される分配皿と、分配皿に投入された散薬を掻き出す掻出装置を有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し、分配皿上の散薬を掻出装置で掻き出して薬剤包装装置に投入するものであり、前記分配皿を複数有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し終えた順に、分配皿上の散薬を薬剤包装装置に投入することが可能であることが望ましい。
また、この態様に関連する態様は、散薬を排出する薬剤フィーダと、動力によって回転される分配皿と、分配皿に投入された散薬を掻き出す掻出装置と、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し、分配皿上の散薬を掻出装置で掻き出して薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する薬剤払出し装置において、前記分配皿を複数有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し終えた順に、分配皿上の散薬を薬剤包装装置に投入することが可能であることを特徴とする薬剤払出し装置である。
最初に本実施形態の薬剤払出し装置1の基本構成について説明する。
薬剤払出し装置1は、図1の様に本体部を構成する筐体10と、操作表示部3を備えている。
薬剤払出し装置1には多数の薬剤容器4が収容されている。各薬剤容器4には散薬が充填されている。薬剤払出し装置1は、操作表示部3を操作することにより、所望の薬剤容器4を選び出し、薬剤容器4に収容された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する装置である。
容器保管部23は、直立した姿勢で設置されたドラム部材25を備えた装置である。
薬剤分割領域13には、分配皿方式によって薬剤を所望の個数に分割する機器が配置されている。
本実施形態では、薬剤分割領域13に分配皿35R、35Lが2個、並列して設置されている。
分配皿35R、35Lの数は限定されるものではなく、一個であってもよいが、複数の分配皿35を有することが望ましい。
掻出装置37は、公知のそれと同様であり、掻出用アーム26と掻出用アーム26の先端に設けられた掻出機構27によって構成されている。掻出機構27は、動力によって回転するディスク状の掻寄板57と、掻出板58を有している。
掻出板58は掻出部100と仕切板101によって構成されている。仕切板101は掻出部100を挟んで掻寄板57と平行に配された薄板であり、扇型に近い形状をしている。
分配皿35には、円環状に連続する薬剤投入溝32が設けられている。分配皿35は図示しない回転機構によって、回転可能である。回転機構はモータを含んでいる。
容器載置装置36は、図4の様に、振動台50と、重量測定手段(計量手段)52とを備えている。振動台50には加振手段51が設けられており、加振手段51に通電することによって振動台50が振動する。
重量測定手段(排出量検知手段)52は、薬剤容器4の重量を直接又は間接的に測定するものである。
薬剤包装装置53は、薬剤を一包分ずつ包装するための機械であり、シート供給装置と、シール装置によって形成されている。
また図5(a)の様に蓋73には本体部に蓋部材78が揺動可能に取り付けられており、蓋部材78を開いて一部を開口することができる。蓋部材78を開くことによって形成される開口(薬剤排出部)72から内部の散薬を排出することができる。
また薬剤容器4には、異なる二面にそれぞれ鉄板70、71が取り付けられている。一方の面に設けられた鉄板70は、アーム部30で薬剤容器4を保持する際、アーム部30の磁石に吸着させるための部分である。また、他方の面に設けられた鉄板71は、後述する容器載置装置36に設置するとき、容器載置装置36の電磁石41に吸着させるための部分である。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、処方に関する情報が入力され、その情報に基づいて散薬を一服用分ずつ包装する分包動作を実施することができる。
そして振動台50に内蔵された電磁石41によって薬剤容器4が保持される。薬剤容器4は、電磁石41によって容器載置装置36と一体化され、薬剤フィーダ8が構成される。
続いて加振手段51に一定周波数の電流を通電して振動を発生させ、この振動によって振動台50を振動させる。
また振動開始と前後して分配皿35を回転させる。
振動台50に設置直後の薬剤容器4の重量は、原重量Gとして記憶される。また薬剤容器4の重量は、常時監視される。即ち薬剤容器4の現在の重量は、現重量gとして監視される。
そして散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動台50の振動を停止する。
即ち重量測定手段52が測定する薬剤容器4の現重量gが、重量測定手段52によって測定された振動開始前の原重量Gに対して所望の重量だけ少なくなり、薬剤フィーダ8から目標量の散薬が排出されると、振動台50の振動を停止する。
さらに分配皿35を分配個数に応じた角度だけ回転させて、掻寄板57にかき寄せる(集薬工程)。続いて掻寄板57を回転し、掻出板58で散薬をすくい上げて分配皿35から排出し、薬剤投入口39に薬剤を投入する(掻出工程)。
この動作を順次繰り返し、分配皿35内の薬剤を全て排出し、それぞれ薬剤包装装置53で包装される。
またこれと平行して、容器移動手段28が起動され、薬剤容器4が容器保管部23のドラム部材25に戻される。
(1)分配皿上の散薬分布のばらつき監視及び蓋取れの検知
本実施形態の薬剤払出し装置1では、分配皿35上の散薬分布にばらつきが生じない様に、薬剤容器4(薬剤フィーダ8)からの単位時間当たりの薬剤排出量を監視している。また結果的に薬剤容器4の蓋取れを検知することもできる。
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置1では、散薬が薬剤容器4の開口72から落下中においても、薬剤容器4の現在の重量(現重量g)が重量測定手段52によって監視され続けている。
例えば毎秒2グラムの割合で薬剤容器4の重量が安定して低下している状況の際に、一秒当たり5グラムの重量低下があった様な場合の様に、薬剤フィーダ8からの散薬の排出中に急激な重量変化があった場合、操作表示部3にそれを知らせる表示がなされる。
また変化量が極端に大きい場合には、振動台50の振動を停止し、薬剤容器4からの薬剤の排出を中断する。
分配作業の継続を選択した場合には、分配皿35に既に分布している散薬を活用し、必要に応じて、不足分を薬剤フィーダ8から追加供給する。
分配中止を選択した場合には、既に分配皿35に供給された散薬を回収することとなる。
具体的には、排出量のばらつきを次の様に監視する。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、振動台50を振動させて、薬剤容器4から散薬を排出している最中に、薬剤容器4の現在の重量を重量測定手段52によって監視し、薬剤容器4の単位時間当たりの重量変化から散薬の単位時間あたりの排出量を検出している。そして過去の単位時間あたりの排出量(薬剤容器4の重量変化)を図示しないメモリーに一定時間の間、基準排出量として記憶している。
そして現在の散薬の単位時間あたりの排出量を、記憶した基準排出量と比較する。その結果、両者の間に通常のばらつき範囲を超える差異があった場合には、操作表示部3に所定の表示がなされる。
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置1では、振動台50に設置直後の薬剤容器4の原重量Gと、現重量gとを比較し、散薬の落下量H(Gマイナスg)を常時演算し、散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動台50の振動を停止する。
これに加えて、本実施形態の薬剤払出し装置1では、振動台50の振動を停止した状態における薬剤容器4の現重量gを再計量する。そして再計量した現重量gと、設置直後の薬剤容器4の原重量Gを比較し、実際に薬剤容器4から排出された散薬の落下量H(Gマイナスg)を演算する。
そして実際の散薬の落下量(排出量)Hと、目標量を比較し(排出量比較機能)、比較結果を操作表示部(比較表示手段)3に表示する。
表示は、「多い」「少ない」という様な文字表示や、これを図形化した記号によって行う。また具体的な差を数値や割合で表示してもよい。例えばプラス0.03グラム、マイナス0.02グラムという様な、具体的な重量を表示する。目標値に対して2パーセント多い、という様な割合で表示してもよい。
さらに作業者の注意を引くように、色分け表示を行ってもよい。例えば、実際の落下量(排出量)Hと目標量との差が無視できない程度に大きい場合には、赤色表示で警告し、許容範囲の差であるならば、黄色表示を行い、誤差の範囲と言える様な場合には青色表示を行う。
音声や光による警告等を伴っていてもよい。
また薬剤容器4に取り付けられたRFID等の情報記憶部材18に重量の履歴等を記憶し、散薬を排出する前の原重量Gと、現重量gを比較してもよい。
容器移動手段28によって薬剤容器4を容器載置装置36に設置し、薬剤容器4の蓋部材78を開いた際、蓋部材78の周囲に付着していた散薬が、飛散して分配皿35の上に落下する場合がある。
この状態から振動台50の振動を開始して、振動開始からの重量変化を監視すると、蓋部材78を開いた際に分配皿35に落下した散薬の重量は計量対象から外れてしまう。そのため分配皿35に分布する散薬量が、演算量よりも多くなってしまう懸念がある。また分配皿35上の散薬分布にばらつきが生じてしまう懸念がある。
例えば、薬剤容器4の蓋部材78を開いて、振動を開始する直前の薬剤容器4内の散薬量を演算し、薬剤容器4に取り付けられた情報記憶部材18に記憶された散薬の残量を比較する。その差が大きい場合には、操作表示部3にそれを知らせる表示がなされる。
また更には、分配作業を継続するか、中止するかを選択する表示を操作表示部3に表示してもよい。
振動を開始する直前の薬剤容器4内の散薬量は、例えば、振動を開始する直前の薬剤容器4の重量から、空状態の薬剤容器4の重量を引くことによって知ることができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、前記した様に分配皿35を2基、備えている。
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置1は、第一の処方に基づく情報入力されると、必要な散薬が充填された薬剤容器4が選択され、容器移動手段28によって必要な薬剤容器4が容器保管部23から容器載置装置36に運搬されて散薬が分配皿35Rに供給される。
一方の分配皿35Rに散薬を供給している最中に、新たに別の処方(第二の処方)に関する情報が入力されると、必要な散薬が充填された薬剤容器4が選択され、他方の分配皿35Lに対して散薬が供給される。
ここで本実施形態では、分配皿35を2基備えているものの、薬剤投入口39や薬剤包装装置53は、一台しかない。そのため、薬剤投入口39に散薬を投入する順番を予め決めておく必要がある。
優先順位の決め方として次のA案、B案が考えられる。
本実施形態では、A案とB案のいずれかを選択することができる。
A案:処方が入力された順に従う方法
B案:分配皿35に対する散薬の供給が完了した順に行う方法
A案を選択すると、第二の処方に基づく分配皿(第二分配皿)35Lへの散薬供給が終了すると、その状態で作業を一時停止し、第一の処方に基づく分配皿(第一分配皿)35Rへの散薬供給の終了を待ち、さらに分配皿(第一分配皿)35Rの散薬が全て薬剤投入口39に投入され終えるのを待つ。そして分配皿(第一分配皿)35Rの散薬が全て薬剤投入口39に投入され終えた後で、第二の処方に基づく分配皿(第二分配皿)35L内の散薬を薬剤投入口39に投入して包装する。
即ちB案によると、薬剤フィーダ8から分配皿35に散薬を供給し終えた順に、分配皿35上の散薬が薬剤包装装置53に投入される。
B案によると、分包の待ち時間が少なく、一日の分包処理数を増加させることができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、前記した様に、処方に関する情報に基づいて、必要な散薬が充填された薬剤容器4が選択され、容器移動手段28によって必要な薬剤容器4が容器保管部23から容器載置装置36に運搬される。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、容器移動手段28に何らかの不具合が生じた場合には、操作表示部3にその旨が表示され、安全を確保するために、容器移動手段28が停止して通常の操作によっては動かない状態となる。
例えば薬剤払出し装置1には、図1に示す様に正面ドア34がある。使用者が手動で正面ドア34を開き、外部から薬剤払出し装置1内に薬剤容器4を挿入して容器載置装置36に装着してもよい。
また図1に示す様に正面ドア34には小扉33があるので、小扉33から薬剤容器4を挿入して容器載置装置36に装着してもよい。
使用者の手によって薬剤容器を容器載置装置36に装着する場合には、図6の様な、開放型の薬剤容器60を使用してもよい。
本実施形態では、振動台50の振動周波数や振幅を変更することができる。
散薬の排出初期は排出量が安定しないという問題や、散薬の種類によって薬剤容器4内での挙動が異なるということから、容器載置装置36の振動台50の振動パターンを薬種や排出時期、総排出量に応じて変更することができる。
また本実施形態では、薬品が薬剤容器4の先端の開口72に到達するまでの間、振動が強められ、薬品が先端の開口72に到達して散薬が落下しはじめると、通常の振動に移行する。
本実施形態では、散薬が落下しはじめたか否かを光学的に確認する排出監視センサーを有している。
本実施形態では、薬剤容器4から散薬が排出されていることを監視する監視カメラ40を有し、当該監視カメラ40を排出監視センサーとして活用している。
本実施形態では、振動開始から排出監視センサーが薬剤の初期排出を検知するまでの初期振動強度を、初期排出を検知した後の通常振動強度よりも強くし、開口72に到達して落下しはじめると、通常の振動に移行する。
その結果、薬剤容器4内の散薬の移動速度が早められ、短時間で開口(薬剤排出部)72に到達する。
本実施形態では、薬剤容器4から目標量の散薬を排出し終えた後、分配皿35を減速し、一定以上の時間を掛けて分配皿をゆっくりと停止する。
即ち目標量の散薬を排出し終えた後、分配皿35を急制動するのではなく、分配皿35を回転するモータの回転数を序々に下げてゆき、停止に至らせる。
本実施形態では、図7に記載した様な集塵手段を有している。集塵手段は、公知のそれと同様、負圧を発生させて空気と共に塵を吸い込み、集塵袋43に塵を集めるものである。集塵手段は、図7の様に、薬剤投入口39のホッパー75に接続されている。また前記した清掃装置38にも接続されている。さらに図示しない手動ノズルを有し、必要に応じて手動で各部を清掃することができる。
負圧を発生させる手段は、バキュームポンプ76であり、具体的にはブロアの様な遠心式の送風機であって、モータによって回転される。また塵を集める集塵袋43が内蔵されている。
本実施形態では、送風機のモータの回転数を検知し、モータの回転数が一定以上になると、集塵袋43の収容余力が少なくなったものと判断して、集塵袋43の取り替えを促す表示を操作表示部3に表示する。
そのためモータの回転数や電流を監視することにより、集塵袋43の収容余力を推定することができ、取り替え時期の到来を知ることができる。
本実施形態で採用する薬剤容器4には、RFID等の情報記憶部材18が取り付けられ、薬剤容器4に内蔵された薬剤の情報が情報記憶部材18に記憶されている。
例えば、錠剤等の固形薬剤を粉砕し、散薬状にして服用させる場合がある。そして粉砕した薬剤を薬剤容器4に収容し、本実施形態の薬剤払出し装置1で分包することもできる。
ここで、固形薬剤を粉砕して散薬状に再加工した薬剤の使用期限についての決まりは無いが、固形状態の薬剤に比べると、早期に消費するべきである。
そこで本実施形態では、情報記憶部材18に固形剤を粉砕した日や本来の使用期限に関する情報を記憶させている。
あるいは、別途のデータベースに、当該薬剤容器4に収容された薬剤の使用すべき期限に関連する情報が記憶されている。
そして薬剤容器4に収容された薬剤を使用する際には、使用期限に関する注意を促す表示が、操作表示部3に表示される。
また始業時等の様に、薬剤払出し装置1を起動した際や、該当する処方が発行されて入力された場合に、操作表示部3に表示する。
また操作表示部3にメッセージを表示し、薬剤師が確認した上で、当該散薬を使用するか否かを判断できる様にする。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、図8の様に、筐体10内に薬剤容器仮置部80、81が設けられている。
一方の薬剤容器仮置部80は、図8の様に扉部16に設けられており、扉部16を開くことによって筐体10の外に突出する。扉部16が閉じている場合には、薬剤容器仮置部80は、筐体10内に収納される。
もう一つの薬剤容器仮置部81は、筐体10の内壁に設置されている。
薬剤容器仮置部80、81は、載置台82と、係合レバー83と、保持部材85によって構成されている。
載置台82は、背もたれ部86と、台座部87によって構成されている。
載置台82には薬剤容器4の重量を測定する重量測定手段(図示せず)が設けられている。
薬剤容器仮置部80に容器本体6を設置して容器本体6の初期重量が検知される。また蓋確認センサー93によって、容器本体6に蓋73が正確に装着されているか否かを検知することができる。
前記した様に薬剤容器4は、人の手や容器移動手段28のハンド部47を利用して、薬剤容器仮置部81に取り付けられるが、容器移動手段28を利用して、薬剤容器仮置部81に取り付ける際には、掻き落とし部材90で薬剤容器4の側面を拭ってから容器載置装置36に取り付けることが望ましい。
清掃作業は、図9、図10の様に、容器移動手段28で薬剤容器4の側面を掻き落とし部材90の凹部91(容器接触部)に押し当て、薬剤容器4を下方又は上方にスライドさせる。また同時に図示しない吸引装置を起動させる。
このとき図の様に、蓋部材78は開いた状態とすることが推奨される。蓋部材78を開いた状態で清掃することにより、蓋部材78の裏面(薬剤容器4の内側に向く面)等に残った散薬の残渣を除去することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、容器移動手段28によって薬剤容器4を移動させる。例えば容器移動手段28によって必要な薬剤容器4が容器保管部23から容器載置装置36に運搬される。
ここで薬剤容器4の移動経路は任意である。
一つの方策として、例えば最初の位置から目的位置に直線的に移動させることが考えられる。この方策は、移動に要する時間が短いという点で推奨される。
例えば、容器保管部23から容器載置装置36に向かって薬剤容器4を直線移動させると、多くの場合、薬剤容器4が分配皿35の上を通過することとなる。ここで仮に、薬剤容器4の外面に散薬が付着していたり、蓋部材78の可動部に散薬が付着していると、薬剤容器4が分配皿35の上を通過する際に、散薬が分配皿35上に落下する懸念がある。 この問題を解決する方策として、分配皿35の上を迂回して目的地に移動させる方法が考えられる。
本実施形態では、分配皿35の上を迂回して目的地に移動させる方法が採用されている。
本実施形態では、薬剤容器4を容器載置装置36a、36b、36cの上を通過させて移動し、いずれかの容器載置装置36a、36b、36cに設置することにより、散薬が分配皿35上に落下することを防いでいる。薬剤容器4を容器載置装置36a、36b、36cから容器保管部23に戻す場合も同様であり、分配皿35の上を迂回して運搬する。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、筐体10に図示しないファンが設けられている。ファンは正面ドア34が開いている場合と、散薬を分配皿35に供給したり、分割する等の場合を除いて、原則的に常時運転される。
ただし、筐体10内の図示しない温度検知手段の検知温度と、図示しない外気温度検知手段の検出値の差が小さい場合には、ファンを停止させる。
また筐体10内の温度を調節するヒータが省エネ運転されている場合にも。ファンを停止させる。
ファンを停止することによって、騒音の逓減効果と、消費電力の抑制効果が期待できる。
筐体10の扉部16や小扉33が開かれると、安全を確保するために、容器移動手段28への通電が停止して通常の操作によっては動かない状態となる。
扉部16や小扉33を閉じると、容器移動手段28に電源が投入されて容器移動手段28は待機位置に戻る。即ち容器移動手段28は原点確認の動作を行う。
ここで本実施形態の薬剤払出し装置1では、待機位置(原点)が複数ある。本実施形態では、扉部16等が閉じられて容器移動手段28が待機位置に戻る際、現状位置から近い待機位置に移動する。
そのため本実施形態の薬剤払出し装置1は、初期化動作に要する時間が短い。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、図3の様に分配皿35の上部に残薬検知センサー48が設けられている。残薬検知センサー48は、清掃後の分配皿35に、散薬が残留していないことを確認するためのセンサーである。
残薬検知センサー48は光学センサーであり、投光部と受光部が一体化されたものである。
残薬検知センサー48では、投光部から分配皿35に光を照射する。分配皿35に汚れや残薬が無い場合は、投光部から照射された光は、分配皿35の表面で正反射し、受光部には戻らない。
これに対して分配皿35に汚れや残薬があれば、投光部から照射された光は、残薬等に当たって乱反射し、一部が残薬検知センサー48の受光部に入光する。
そのため照射部に汚れや残薬が有るか否かを検知することができる。
即ち薬剤払出し装置1の筐体10は透明であり、透光性を有している。そのため室内に設置されたLED等の照明光が、筐体10を透過して筐体10内に入り、内部で乱反射して残薬検知センサー48の受光部に入光し、チャタリングや誤検知が生じる場合がある。
紫色のアクリル板は、LED照明等から発せられる波長の光を効率遮断することができ、LED照明等から発せられる光が残薬検知センサー48に入光することを防ぐことができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、一服用分の散薬を複数回のすくい上げ(掻出工程)に分けて薬剤投入口39に薬剤を投入することができる。
本実施形態では、その際に特別の動作を行わせることができる。
ここで本実施形態では、三回に分けて実施する集薬工程で、一回に集める散薬量は同一ではなく、後の工程に行く程、少量となる様に設定されている。即ち後の工程に行く程、分配皿35の回転方向の移動量(回転角度)が小さい。
また本実施形態では、一回目の集薬工程に先立って、掻出機構27の掻寄板57を分配皿35の薬剤投入溝32内に入れ、分配皿35を回転することなく、掻出板58を回転して掻出板58の近傍にある散薬をすくい上げて薬剤投入口39に投入する初期投入工程を行う。
本実施形態では、分配皿35の角度をエンコーダでパルス制御している。
仮に一服用分の散薬量に相当する回転方向の移動量が5000パルスであるとすると、例えば図13(a)の様に、3500パルス分の集薬、900パルス分の集薬、600パルス分の集薬に分けて集め、それぞれ排出する。
そして図13(c)の様に分配皿35を回転することなく、掻出板58を回転して掻出板58の近傍にある散薬をすくい上げて薬剤投入口39に投入する。即ち初期投入工程として一回目の掻出工程を行う。
続いて一回目の集薬工程と二回目の掻出工程を行う。
一回目の集薬工程においては、図13(d)の様に分配皿35を3500パルス回転して掻寄板57の前に散薬をかき寄せ、図14(e)の様に掻出板58を回転して散薬をすくい上げて分配皿35から排出し、薬剤投入口39に薬剤を投入する。
続く二回目の集薬工程においては、図14(f)分配皿35を900パルス回転して掻寄板57の前に散薬をかき寄せ、三回目の掻出工程として図14(g)の様に掻出板58を回転して散薬をすくい上げて分配皿35から排出し、薬剤投入口39に薬剤を投入する。
最後の回の集薬工程(三回目)においては、図14(h)分配皿35を600パルス回転して掻寄板57の前に散薬をかき寄せ、四回目の掻出工程として図14(i)掻出板58を回転して散薬をすくい上げて分配皿35から排出し、薬剤投入口39に薬剤を投入する。
以下、二包目、三包目も同様の手順によって一服用分の散薬を複数回に分けて薬剤包装装置53に送り、それぞれ一包みに包装される。
本方法は、一服用分の散薬を薬剤投入口39に薬剤を投入する一連の工程を、四回の掻出工程と三回の集薬工程に分けて実行するものであり、分割掻き出しによって一服用分の散薬を分配皿35から排出するものである。
本実施形態の方法(分割掻き出し)によると、掻き出しの際に散薬が零れ落ちることが少なく、一包装に含まれる散薬量のばらつきが少ない。
また二包目以降については、初期投入工程を省略してもよい。
本実施形態では、一服用分の散薬を3.5対0.9対0.6に分けて掻き寄せたが、掻き寄せ量の割合は任意である。ただし、最終回の掻き寄せ量は、他の回に比べて少なくすることが推奨される。
あるいは最終回の掻出工程においては、掻寄板57を通常よりもゆっくりと回転することも推奨される。
分割掻き出しは、少なくとも一回の集薬工程によって散薬を掻寄板57の前に寄せ集める必要があるから、分配皿36上における一服用分に相当する散薬の分布領域が過度に少ない場合に適用しにくい。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、分割皿35の散薬を排出する方法として、次の方法を選択することができる。
A:通常排出モード
B:全分割掻き出しモード
C:一部分割掻き出しモード
通常排出モードは、分配皿35上の散薬を全て排出するのに要する時間が短く、スピード重視の排出モードである。
全分割掻き出しモードは、一服用分の散薬の量が多い場合や、散薬をより精密に分包したい場合に選択される排出モードである。
全分割掻き出しモードは、一服用分に対応する分配皿の移動量(回転量)がある程度多い場合に推奨される掻き出しモードであり、この様な場合に実施すると、より高精度の散薬分配を実行することができる。
限って行われる。
「全分割掻き出しモード」は、一服用分として掻き出されるべき散薬の分配皿35の分布領域が、掻出部100の幅に相当する掻き出し幅の2倍以上であることを条件の一つとして選択可能となる。
例えば一包目の散薬を分割掻き出しによって分配皿35から排出し、二包目以降は、一服用分の散薬を一回の集薬工程と一回の掻出工程によって分配皿35から排出する。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、分配皿35の回転速度を変更することができる。特に本実施形態の薬剤払出し装置1では、散薬の性状に応じて散薬落下時における分配皿35の回転速度が自動的に変更される。また分配皿35を分配個数に応じた角度だけ回転させて、掻寄板57にかき寄せる(集薬工程)際における分配皿35の回転速度を散薬の性状に応じて自動的に変更することも推奨される。さらに掻出装置37の掻寄板57の回転速度を散薬の性状に応じて自動的に変更してもよい。
散薬の性状は、例えば外部の記憶手段に記憶され、処方に関する情報の一つとして薬剤払出し装置1に入力される。
変形例として、処方される散薬の粒径を判別する粒径判別手段を設け、当該粒径判別手段の判定に応じて、分配皿35の回転速度が自動的に設定されるものとすることも考えられる。
上記した散薬落下センサーは、薬剤容器4から分配皿35に散薬が落下中であるか否かを検知するものであり、例えば、透光型の光センサーや反射型の光センサーを採用することができる。
散薬落下センサーは、散薬の落下経路に光を当て、光の透過状態や反射状態によって散薬が落下しているか否かを判断する。
ここで本発明者らの研究によると、薬剤容器4から散薬が落下する初期においては、散薬の粒径によって散薬落下センサーの検知状態が異なる。即ち散薬の排出初期は排出量が安定しない場合が多いが、散薬の粒径によって不安定さが異なる傾向がある。
散薬の粒径が大きい場合には、散薬の検知と不検知が小刻みに繰り返される。即ち散薬の粒径が大きい場合には、散薬を検知しているON状態と、検知していないOFF状態が小刻みに変わる。
これに対して、散薬の粒径が小さい場合には、粒径が小さい場合に比べて、散薬を検知しているON状態の時間が比較的長い。
上記した薬剤払出し装置1は、容器保管部23から薬剤容器4を取り出す動作、取り出した薬剤容器4を分配皿35の近傍に移動させる動作、薬剤容器4を容器載置装置36に載置して薬剤フィーダ8を構成させる動作、所定量の薬剤を分配皿35に供給する動作、分配皿35から薬剤を一服用分ずつ薬剤包装装置53に供給する動作、薬剤容器4を容器保管部23に戻す動作を自動的に行うことができる。以下、この一連の動作を密閉型の薬剤容器4を使用する完全自動分包動作と称する。
また薬剤払出し装置1は、図6に示す様な開放型の薬剤容器60を使用することもできる。薬剤容器60を使用する場合には、外部で所定量の散薬を秤量して薬剤容器60に投入し、小扉33を開いて筐体10内の容器載置装置36に薬剤容器60を載置する。そして振動台50を振動させて薬剤容器60から分配皿35に薬剤容器60内の散薬を全て散薬を落下させる。
散薬を排出し終えた薬剤容器60は、筐体10から取り出す。
薬剤容器60を容器載置装置36に載置する作業及び薬剤容器60を筐体10から取り出す作業は、いずれも手作業によって行われる。以下、薬剤容器60を使用する場合の一連の動作を開放型の薬剤容器60を使用する半自動分包動作と称する。
この様に、薬剤払出し装置1に入力された順に分包動作を実施すると、開放型の薬剤容器60を使用して、薬剤容器60から分配皿35に散薬を供給し終えた場合、筐体10から使用済みの薬剤容器60を取り出すまで、次の処方に基づく処理を行うことができないという不満がある。
第一の処方
A薬剤(半自動分包 開放型の薬剤容器60を使用)
B薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
第二の処方
B薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
C薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
D薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
第三の処方
B薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
C薬剤(完全自動分包可能 密閉型の薬剤容器4を使用)
上記した設例では、第一の処方では、A薬剤とB薬剤が処方されており、容器載置装置36を2台使用する。第二の処方では、B薬剤とC薬剤とD薬剤が処方されており、容器載置装置36を3台使用する。第三の処方では、B薬剤とC薬剤が処方されており、容器載置装置36を2台使用する。
即ち上記した薬剤払出し装置1は、1つの分配皿35に対して、容器載置装置36が3台設置されており、3個の薬剤容器4から分配皿35に散薬を供給することができる。しかしながら、第一の処方の処理が終了した段階で、一台の容器載置装置36に開放型の薬剤容器60が残っている。
これに対して第二の処方は、A薬剤、B薬剤、C薬剤が処方されているので、容器載置装置36を3台使用する必要があるが、1台の容器載置装置36に開放型の薬剤容器60が残っているため、容器載置装置36を2台しか使用することができず、第二の処方を処理することができない。
即ち、通常の場合は、薬剤払出し装置1に入力された順に分包動作を実施する。
途中に開放型の薬剤容器60を使用する半自動分包動作が実施され、且つ容器載置装置36に開放型の薬剤容器60が残っている場合には、第二の処方の処理を後回しにして第三の処方の処理を実施する。
即ち、容器載置装置36に薬剤容器4、60があるか否かを検知する。言い換えると、使用可能な容器載置装置36の数を検知し、使用可能な容器載置装置36だけで必要な散薬を分配皿35に供給できる処方情報を選択して分包処理を行う。
この制御方法を採用すれば、薬剤払出し装置1の停止時間を短縮することができ、一日の処理件数を増加させることができる。
前記した様に、薬剤払出し装置1は、1つの分配皿35に対して、容器載置装置36が3台設置されており、3個の薬剤容器4から分配皿35に散薬を落下させることができる。例えば容器保管部23からE薬剤が充填された薬剤容器4を取り出し、当該薬剤容器4を一つの容器載置装置36に載置して振動台50を振動させ、薬剤容器4から分配皿35にE薬剤を落下させる。
この間に、容器保管部23からF薬剤が充填された薬剤容器4を取り出し、当該薬剤容器4を空いている容器載置装置36に載置しF薬剤の落下を開始する。
さらにこの間に、容器保管部23からG薬剤が充填された薬剤容器4を取り出し、当該薬剤容器4を空いている容器載置装置36に載置しG薬剤の落下を開始する。
そのため落下させる総量が少なくても、必要量の散薬を落下させるのに長い時間を有する散薬もある。この様な散薬に対して柔軟に対応できる様に、薬剤容器4の容器載置装置36への載置順を、使用者が任意に設定できる様にしてもよい。
また散薬別に係数を付け、当該係数と処方される散薬の総量を加味して薬剤容器の容器載置装置への載置順を自動設定する構成を採用してもよい。また単に、散薬別や、薬剤容器4別に優先順位を設定し、優先順位が高いものから順番に薬剤容器4を容器載置装置36に設置してもよい。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、所定の操作をすることによって、操作表示部3に薬剤容器4内の散薬の残量を表示することができる。
例えば、操作表示部3を操作して、特定の薬剤容器4の情報を呼び出す。薬剤容器4の情報には、内部の散薬の残量が含まれている。
また本実施形態の薬剤払出し装置1では、操作表示部3を操作して残量が少くなった薬剤容器4を検索することができる。
例えば、各薬剤容器4内の残量に閾値を設定し、当該閾値以下となった薬剤容器4だけを選択して操作表示部3に表示させることができる。
さらに操作表示部3を操作することなく、散薬の残量が閾値以下となった薬剤容器4の番号等を操作表示部3に表示させてもよい。即ち一つの処方に対する処理が終了した後、薬剤容器4内の散薬の残量が閾値以下となった場合、特段の操作をせずとも自動的に操作表示部3に報知され、残量が少なくなってしまった薬剤容器4が特定される。
例えば幼児に対する処方では、処方される散薬の量が少ない場合がある。これに対して、薬剤払出し装置1では、分配皿35に供給する個々の散薬の量に下限がある。そのため、処方箋に記載された散薬の中に、総量が下限未満の散薬が含まれている場合には、原則として分包を行うことができない。
即ち薬剤払出し装置1では、分配皿35を回転しつつ、分配皿35に散薬を落下させ、薬剤投入溝32に散薬を均等に分散させるものであるが、薬剤の量が過度に少ない場合には、薬剤投入溝32に散薬を均等に分散させることが困難である。
例えば、H薬剤を一包中に0.1グラム包装し、これを3包作る必要があると仮定する。一方、分包可能な散薬の下限が0.5グラムであると仮定する。
この様な場合であるならば、薬剤容器4から散薬を0.5グラム落下させ、分配皿35に分散させる。
そして患者に対して、3包装を手渡す。残る2包装は、廃棄又は、包装を破って散薬を取り出し、元の薬剤容器4に戻す。
以下、必要以上に作られた薬剤包装を「捨て包」と称する。
(A)調剤記録用紙に捨て包の数を表示
薬剤払出し装置1又は薬剤払出し装置1に繋がる制御装置から、調剤記録用紙がプリントアウトされる。この調剤記録用紙に、患者に手渡すべき薬剤包装の数と、捨て包の数が表示される。
(B)薬剤包装に「捨て包」である旨の印字
薬剤払出し装置1の薬剤包装領域14には、前記した様に印字手段が設けられている
。そして印字手段によって、個々の薬剤包装に患者名等が印字される。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、捨て包の薬剤包装に「捨て包」であることを示す文字や記号等が印刷される。
例えば図示しないが、従来から薬剤払い出し装置には、薬剤包装にペンで自動でラインを引く装置が搭載されており、当該自動ライン引き装置によって、単一の種類の薬品か、複数の薬剤が混合された薬剤であるかが判別できるよう、異なる色のラインを薬剤分包に施しても良い。
また例えば元の薬剤容器4や、薬剤瓶を特定するバーコード等の読み取り可能なコードが薬剤包装に印字される。
捨て包内に複数の散薬が混在している場合には、再利用不能であるから廃棄することとなる。捨て包内の散薬が一種類であるならば、再利用不能であるから必要に応じて散薬を特定の薬剤容器4等に戻す。この場合、コードリーダで薬剤包装のコードを読み取る。そして読み取られたコードを利用して薬剤容器4を特定し、当該薬剤容器4に捨て包内の散薬を戻す。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、内部に容器保管部23があり、当該容器保管部23に薬剤容器4が多数保持されている。
薬剤払出し装置1では原則として薬剤払出し装置1に収容されている薬剤容器4を容器移動手段28によって容器載置装置36に移動し、当該薬剤容器4から分配皿35に散薬が供給される。
その一方、本実施形態の薬剤払出し装置1は外部に保管された薬剤容器4を手動又は容器移動手段28よって容器載置装置36に移動し、外部に保管されていた薬剤容器4から分配皿35に散薬を落下させることもできる。
例えば、一定期間内における消費量が多い順に並べて表示することができる。あるいは処方された回数の多い順に並べて表示することもできる。さらに当該薬剤がどの薬剤容器4に収容されているのかを表示することもできる。このとき、当該薬剤容器4の居場所を表示することもできる。
即ち薬剤払出し装置1では、原則として薬剤払出し装置1に収容されている薬剤容器4から分配皿35に散薬を落下させるが、外部の棚等に保管された薬剤容器4を手動又は容器移動手段28によって容器載置装置36に移動し、外部に保管されていた薬剤容器4から分配皿35に散薬が落下させることもできる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、所定の条件で並べ替えられた薬剤が、どの薬剤容器4に収容されたものであり、さらに当該薬剤容器4が、薬剤払出し装置1内の容器保管部23に保持されているのか、或いは外部の棚等に保管されているのかを表示することができる。
具体的には、残量が低下した薬剤容器4と、薬剤容器4に収容すべき散薬の名称等が充填案内として表示される。
具体的には、一つの処方に基づいて分包動作が実施された後、操作表示部3に欠品予告が表示されると、使用者がそれを手動で解除するまで次の処方に基づく分包動作が始まらない。
(A)「欠品予告」が表示された場合、使用者がそれを手動で解除することにより、次の処方に基づく分包動作が可能となる。
(B)「欠品予告」が表示された場合、「欠品予告」の対象となった薬剤容器4に所定の散薬を充填し、容器保管部23に薬剤容器4を戻したことを条件として次の処方に基づく分包動作が可能となる。
(C)「欠品予告」を一定時間表示し、その間に使用者が「欠品予告」を手動で解除しなかった場合には、次の処方に基づく分包動作が可能となる。ただし「欠品予告」の対象となった薬剤容器4を使用する処方情報は、特定のメモリ領域に「欠品処方一覧」として移動され、通常の処理順序から外される。
(D)「欠品予告」が表示された場合であっても、充填案内を表示することなく次の処方に基づく分包動作が可能となる。ただし「欠品予告」の対象となった薬剤容器4を使用する処方情報は、特定のメモリ領域に「欠品処方一覧」として移動され、通常の処理順序から外される。
即ちAの様に「欠品予告」が表示された場合に使用者がそれを手動で解除することを条件として次の処方に基づく分包動作が可能となったり、Bの様に「欠品予告」の対象となった薬剤容器4に所定の散薬を追加充填したことを条件として次の処方に基づく分包動作が可能とする設定にすると、使用者が「欠品予告」に気づかなければ、分包動作の中断時間が長くなってしまう場合がある。
これに対してC以下の設定を採用した場合には、使用者が「欠品予告」に気づかなくても、次の処方に基づく分包動作を開始することができるから、分包動作の中断時間が過度に長くなることを防ぐことができる。
(A)「欠品予告」の対象となった薬剤容器4に所定の散薬を充填し、容器保管部23に薬剤容器4を戻したことを契機として当該処方に基づく情報が「欠品処方一覧」から元のメモリ領域に戻され、処方の受信時間が早い順に分包動作が開始される。
(B)所定の操作によって「欠品処方一覧」を表示し、使用者の選択によって分包動作が開始される。
また容器移動手段28を設けず、作業者の手によって薬剤容器4を容器載置装置36に装着してもよい。
3 操作表示部
4 薬剤容器
8 薬剤フィーダ
28 容器移動手段
35R、35L 分配皿
36 容器載置装置
37 掻出装置
40 監視カメラ(排出監視センサー)
43 集塵袋
50 振動台
52 重量測定手段
53 薬剤包装装置
72 開口(薬剤排出部)
73 蓋
76 バキュームポンプ
Claims (13)
- 散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する分包作業を自動的に実行する薬剤払出し装置において、
薬剤容器から散薬を排出している間、薬剤フィーダからの散薬の排出量を監視し薬剤フィーダから目標量の散薬を排出することが可能であり、
薬剤フィーダからの散薬の過去の単位時間あたりの重量変化量を記憶し、
前記記憶した過去の単位時間あたりの重量変化量に対して、現在の単位時間あたりの重量変化量が通常の範囲を超えて増加する場合に、所定の動作を実行することを特徴とする薬剤払出し装置。 - 散薬の排出量の監視は、当該散薬の単位時間あたりの重量変化を検出して行われることを特徴とする請求項1に記載の薬剤払出し装置。
- 薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段を有し、
散薬の排出量の監視は、重量測定手段によって当該散薬の単位時間あたりの重量変化を検出して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。 - 散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する薬剤払出し装置において、
薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段とを有し、
単位時間当たりの重量変化から散薬の単位時間あたりの排出量を検出するものであり、
薬剤容器から散薬を排出している間、薬剤フィーダからの散薬の排出量を監視し薬剤フィーダから目標量の散薬を排出することが可能であり、
薬剤フィーダからの散薬の過去の単位時間あたりの重量変化量を記憶し、
前記記憶した過去の単位時間あたりの重量変化量に対して、現在の単位時間あたりの重量変化量が通常の範囲を超えて増加する場合に、所定の動作を実行することを特徴とする薬剤払出し装置。 - 薬剤フィーダから排出された実際の散薬量と、目標量とを比較する排出量比較機能を有し、比較結果を表示する比較表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薬剤払出し装置。
- 動力によって回転される分配皿と、分配皿に投入された散薬を掻き出す掻出装置を有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し、分配皿上の散薬を掻出装置で掻き出して薬剤包装装置に投入するものであり、
前記分配皿を複数有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し終えた順に、分配皿上の散薬を薬剤包装装置に投入することが可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薬剤払出し装置。 - 薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、前記薬剤容器は、容器載置装置に対して着脱自在であり、
複数の薬剤容器を設置して保管する容器保管部と、容器移動手段を有し、
薬剤容器は、前記容器移動手段によって容器保管部から容器載置装置に搬送されて容器載置装置に固定され、
容器移動手段に不具合がある場合には、作業者の手によって外部から薬剤容器を搬入して容器載置装置に装着することが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤払出し装置。 - 薬剤フィーダは、薬剤容器と容器載置装置によって構成され、薬剤容器から薬剤が排出されていることを光学的に確認する排出監視センサーを有し、容器載置装置は振動手段を備え、薬剤容器を振動させて薬剤排出部から薬剤を少量ずつ排出するものであり、
振動開始から排出監視センサーが薬剤の初期排出を検知するまでの初期振動強度と、初期排出を検知した後の通常振動強度を異ならせることが可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤払出し装置。 - 薬剤投入溝を有し動力によって回転される分配皿と、分配皿に投入された散薬を掻き出す掻出装置を有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し、
掻出装置を分配皿の薬剤投入溝に入れた状態で分配皿を回転して一定範囲の薬剤投入溝に分布する散薬を寄せ集める集薬工程と、
散薬を掻き出す掻出工程を行い、
分配皿上の散薬を掻出装置で掻き出して薬剤包装装置に投入するものであり、
掻出装置を分配皿の薬剤投入溝に入れて集薬工程を経ることなく掻出工程を実施し、その後で集薬工程と掻出工程を一回又は複数回実施して一服用分の散薬を薬剤包装装置に投入する分割掻き出しを行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の薬剤払出し装置。 - 薬剤投入溝を有し動力によって回転される分配皿と、分配皿に投入された散薬を掻き出す掻出装置を有し、薬剤フィーダから分配皿に散薬を供給し、
掻出装置を分配皿の薬剤投入溝に入れた状態で分配皿を回転して一定範囲の薬剤投入溝に分布する散薬を寄せ集める集薬工程と、
散薬を掻き出す掻出工程を行い、
分配皿上の散薬を掻出装置で掻き出して薬剤包装装置に投入するものであり、
一服用分の散薬を薬剤包装装置に投入するのに際して前記集薬工程と掻出工程を複数回行うことが可能であり、
掻出装置を分配皿の薬剤投入溝に入れて集薬工程を経ることなく掻出工程を実施し、その後で集薬工程と掻出工程を複数回実施して一服用分の散薬を薬剤包装装置に投入する分割掻き出しを行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の薬剤払出し装置。 - 一服用分の散薬を薬剤包装装置に投入するのに際して前記集薬工程と掻出工程を複数回行う場合、最終回の集薬工程においては、分配皿の回転方向の移動量が他の回の集薬工程よりも小さいことを特徴とする請求項9又は10に記載の薬剤払出し装置。
- 掻出装置は薬剤投入溝内で回転し、薬剤投入溝内に分布する散薬の内、一定の掻き出し幅内にある散薬を掻き出すものであり、一服用分として掻き出されるべき散薬の分配皿の分布領域が、前記掻き出し幅の2倍以上であることを条件の一つとして、分割掻き出しが行われることを特徴とする請求項9乃至11に記載の薬剤払出し装置。
- 薬剤容器に充填された散薬を排出する薬剤フィーダと、薬剤包装装置とを有し、薬剤フィーダから排出された散薬を一服用分ずつ薬剤包装装置に投入し、散薬を一服用分ずつ包装する分包作業を自動的に実行する薬剤払出し装置において、
薬剤容器は、取り外し可能な蓋を有し、
薬剤フィーダから排出される散薬の単位時間当たりの排出量を監視し、
前記散薬の単位時間当たりの排出量の変化より、薬剤容器から蓋が外れたことを検知することを特徴とする薬剤払出し装置。
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