JP2021036286A - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを抑え、画像への影響を軽減することが可能な撮像装置を提供する。【解決手段】撮像素子600を保持する可動枠300を駆動する撮像装置1を設ける。撮像装置1は、撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、第1の領域より狭い第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能である。撮像装置1は、撮像装置1に第2のレンズ装置が装着された場合に、撮像素子が、少なくとも、撮像素子の第1の端部が露光される位置と、撮像素子の第2の端部が露光される位置と、を移動するように、撮像素子を移動する。【選択図】図4
Description
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
撮像素子から出力される画像信号・画像情報等をデータファイルとして記録するデジタルカメラ(以下、撮像装置という)が広く普及している。例えば、撮影レンズ(レンズ装置)が着脱可能な撮像装置を想定する。撮影レンズを介して、被写体光が撮像素子上に結像し、撮像素子が、被写体光を光電変換する。光電変換によって得られた画像データは、例えばJPEG等のファイル形式の画像データに圧縮処理され、記録用メディアに記録される。
撮像装置として、例えば、有効領域が略24mm×36mmである、大型の35mmフルサイズ撮像素子を搭載した撮像装置が提案されている。フルサイズ撮像素子を搭載した撮像装置には、フルサイズ対応レンズを装着することができるし、いわゆるAPS−C対応レンズを装着することもできる。フルサイズ対応レンズは、撮像素子の全有効領域に露光が可能なレンズ装置である。APS−C対応レンズは、露光領域の小さいフォーマットのレンズ装置である。このような撮像装置は、出力される画像に露光外の領域、いわゆるケラレが映りこむことを防止するために、撮像素子の読み出し領域をトリミングする制御を行っている。特許文献1は、撮像素子の読み出し領域をトリミングする撮像装置を開示している。
図12は、撮像素子の読み出し領域をトリミングする制御を説明する図である。撮像素子600は、フルサイズ有効領域700を有している。フルサイズレンズ露光領域750は、フルサイズ対応レンズ90に対応する露光領域である。APS−Cサイズ露光領域760は、APS−C対応レンズ95に対応する露光領域である。撮像装置1にAPS−C対応レンズ95が装着されると、APS−Cサイズ露光領域760の外側に非露光領域800が生じる場合がある。撮像装置は、APS−Cサイズ露光領域760の内側となるAPS−Cサイズ有効領域710にて撮像素子600の読み出しを行い、画像を出力する。この制御により、非露光領域800に対応するケラレが画像として映りこむことを防止している。
しかし、APS−C対応レンズ95を装着した状態で、太陽光等の強い光を長時間露光すると、撮像素子600のAPS−Cサイズ露光領域760の内部は、非露光領域800と比べて劣化が早く進行する。この状態において、撮像装置にフルサイズ対応レンズ90を装着して撮影すると、APS−Cサイズ露光領域760と非露光領域800との間に生じた撮像素子600の劣化の境界が、画像に色ムラとして出力され、画質に影響を及ぼす。本発明は、露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを抑え、画像への影響を軽減することが可能な撮像装置の提供を目的とする。
本発明の一実施形態の撮像装置は、被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を保持する可動部を駆動する制御手段と、を有する。前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より小さい第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、前記制御手段は、前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記撮像素子が、少なくとも、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置と、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置と、を移動するように、前記撮像素子を移動する。
本発明の撮像装置によれば、露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを抑え、画像への影響を軽減することが可能となる。
(実施例1)
図1は、本実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。
図1では、撮像装置として、レンズ交換式のデジタルカメラを例にとって説明する。図1(A)は、撮像装置1を前方向から見た斜視図の一例である。図1(B)は、撮像装置1を後方向から見た斜視図の一例である。
図1は、本実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。
図1では、撮像装置として、レンズ交換式のデジタルカメラを例にとって説明する。図1(A)は、撮像装置1を前方向から見た斜視図の一例である。図1(B)は、撮像装置1を後方向から見た斜視図の一例である。
図1において、表示部2は、画像や各種情報を表示するための、カメラ背面に設けられた表示部である。タッチパネル3は、表示部2の表示面(操作面)に対するタッチ操作を検出する。ファインダー外表示部4は、カメラ上面に設けられた表示部である。ファインダー外表示部4には、シャッタ速度や絞り等に関するカメラの様々な設定値が表示される。
シャッタボタン5は、ユーザが撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ6は、各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー7は、外部機器との接続ケーブルと撮像装置1とを接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル8は、回転操作部材である。メイン電子ダイヤル8を回すことで、シャッタ速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。
電源スイッチ10は、撮像装置1の電源のON/OFFを切り替えるための操作部材である。サブ電子ダイヤル11は、回転操作部材である。ユーザは、サブ電子ダイヤル11を操作して、選択枠の移動や画像送りなどを行うことができる。十字キー12は、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能な十字キー(4方向キー)である。十字キー12の押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン13は、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。動画ボタン14は、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。
AEロックボタン15は、露出状態を固定するための操作ボタンである。ユーザは、撮影待機状態で押下することにより、露出状態を固定することができる。拡大ボタン16は、撮影モードのライブビュー表示において、拡大モードのON/OFFを行うための操作ボタンである。拡大モードをONとしてからメイン電子ダイヤル8を操作することにより、LV画像の拡大、縮小を行える。拡大ボタン16は、再生モードにおいては、再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための操作ボタンとして機能する。再生ボタン17は、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン17を押下することで、撮像装置1が再生モードに移行し、記録媒体(不図示)に記録された画像のうち最新の画像を表示部2に表示させることができる。
メニューボタン19は、選択されることで、各種の設定可能なメニュー画面を表示部2に表示するための操作ボタンである。ユーザは、表示部2に表示されたメニュー画面と、十字キー12やSETボタン13を用いて、直感的に各種設定を行うことができる。タッチバー26は、タッチ操作を受け付けることが可能なライン状のタッチ操作部材(ラインタッチセンサー)である。タッチバー26は、グリップ部25を握ったユーザの右手の親指で操作可能な位置に配置されている。タッチバー26は、タッチバー26に対するタップ操作(タッチして所定期間以内に移動せずに離す操作)、左右へのスライド操作(タッチした後、タッチしたままタッチ位置を移動する操作)などを受け付け可能である。タッチバー26は、タッチパネル3とは異なる操作部材であり、表示機能は備えていない。
接眼部21は、接眼ファインダー(覗き込み型のファインダー)の接眼部である。ユーザは、接眼部21を介して、内部のEVF22に表示された映像を視認することができる。接眼検知部23は、接眼部21にユーザが接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。
蓋24は、記録媒体(不図示)を格納したスロットの蓋である。グリップ部25は、ユーザが撮像装置1を保持するための保持部である。グリップ部25は、ユーザが撮像装置1を構えた際に右手で握りやすい形状を有する。ユーザがグリップ部25を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッタボタン5、メイン電子ダイヤル8が配置されている。また、ユーザが右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル11、タッチバー26が配置されている。
撮像素子600は、被写体光を光電変換する。撮像素子600は、例えばCMOSセンサーである。本実施形態では、撮像素子600は、略24mm×36mmの有効領域を有する、いわゆる35mmフルサイズ撮像素子である。
取り付け部28は、撮像装置1に着脱可能なレンズ装置(不図示)を取り付ける部分である。取り付け部28より内側には、通信端子20が備えられている。通信端子20は、レンズ装置との間で通信を行う。ロックボタン27は、レンズ装置の着脱に用いられる操作ボタンである。撮像装置1にレンズが装着されると、保持ロック機構(不図示)が機能する。ユーザがロックボタン27を押下することで、保持ロック機構が解除され、レンズ装置を取り外すことが可能になる。
本実施形態では、撮像装置1に、フルサイズ対応レンズ(第1のレンズ装置)と、APS−C対応レンズ(第2のレンズ装置)とが装着可能である。フルサイズ対応レンズは、撮像素子600の第1の領域であるフルサイズ有効領域に露光が可能である。フルサイズ有効領域は、例えば、略24mm×36mmの有効領域である。APS−C対応レンズが露光可能な領域(第2の領域)であるAPS−Cサイズ露光領域は、フルサイズ有効領域より面積が小さい場合がある。
図2は、撮像装置の分解斜視図の一例である。
図2には、本実施形態の説明に必要な構成要素のみを示している。ベース部材30は、マグネシウムダイキャスト若しくはアルミダイキャストなどの金属で形成された部材である。ベース部材30は、高い剛性を有しており、図1に示す取り付け部28を保持固定している。ベース部材30には、ビス穴31a、31b、取り付け穴32a、32b、32cが形成されている。
図2には、本実施形態の説明に必要な構成要素のみを示している。ベース部材30は、マグネシウムダイキャスト若しくはアルミダイキャストなどの金属で形成された部材である。ベース部材30は、高い剛性を有しており、図1に示す取り付け部28を保持固定している。ベース部材30には、ビス穴31a、31b、取り付け穴32a、32b、32cが形成されている。
シャッタ部材40は、シャッタ幕42を走行させることによって、開口、閉口させる機構を備えた部材である。シャッタ幕の開口によって、撮像素子600に所望の時間、被写体が投影される。シャッタ部材40には、穴41a、41bが備えられており、不図示のビスによってベース部材30のビス穴31a、31bにビス固定される。振れ補正機構100は、カメラシステム制御部81(図4)によって制御されて、撮像画像に生じるブレ(像ブレ)を補正する。
メインフレーム50は、高い熱伝導率を有する金属(アルミ、銅など)によって形成された板金部材である。メインフレーム50には、位置決めボス51a、51b、ビス穴52a、52b、52cが設けられている。メインフレーム50は、取り付け部53a、53bによって不図示の本体構成部品にビス固定される。
主基板60は、電子回路を構成した回路基板であり、主基板60の表面には、CPU64、コネクタ65a、65bなどの回路部品が実装されている。主基板60は、メインフレーム50の位置決めボス51a、51bに対応する箇所に、位置決め穴61a、61bを備えている。また、主基板60は、メインフレーム50のビス穴52a、52b、52cに対応する箇所に、穴62a、62b、62cを備えており、ビス23a、23b、23cによって、メインフレーム50に固定される。
図3は、振れ補正機構の構成例を説明する図である。
図3(A)は、振れ補正機構の斜視図の一例を示す。図3(B)は、振れ補正機構の分解斜視図の一例を示す。
振れ補正機構100が備えるフロントヨーク200には、磁石250a、250b、250cが接着固定されている。ボール240a、240b、240cは、後述する可動枠300の受け部303a、303b、303cとの間で挟持される。また、フロントヨーク200には、図2を参照して説明したベース部材30の取り付け穴32a、32b、32cに対応する箇所に、穴201a、201b、201cが形成されている。そして、ロントヨーク200は、フロントヨーク200とベース部材30との間に、バネ210a、210b、210cが配置されて、ベース部材30にビス220a、220b、220cによって固定される。フロントヨーク200とベース部材30との間に、バネ210a、210b、210cを配置することで、ビス220a、220b、220cの締め量によって、振れ補正機構100の傾き調整が容易となる。
図3(A)は、振れ補正機構の斜視図の一例を示す。図3(B)は、振れ補正機構の分解斜視図の一例を示す。
振れ補正機構100が備えるフロントヨーク200には、磁石250a、250b、250cが接着固定されている。ボール240a、240b、240cは、後述する可動枠300の受け部303a、303b、303cとの間で挟持される。また、フロントヨーク200には、図2を参照して説明したベース部材30の取り付け穴32a、32b、32cに対応する箇所に、穴201a、201b、201cが形成されている。そして、ロントヨーク200は、フロントヨーク200とベース部材30との間に、バネ210a、210b、210cが配置されて、ベース部材30にビス220a、220b、220cによって固定される。フロントヨーク200とベース部材30との間に、バネ210a、210b、210cを配置することで、ビス220a、220b、220cの締め量によって、振れ補正機構100の傾き調整が容易となる。
ベース板410には、磁石420a、420b、420cが接着固定されている。磁石420a、420b、420cの片側面を覆う位置に、リアヨーク400が接着固定される。フロントヨーク200、磁石250a、250b、250c及び、リアヨーク400、磁石420a、420b、420cは、磁気回路(閉磁路)を形成している。磁石250a、250b、250cと、磁石420a、420b、420cは、それぞれ光軸方向(図3(B)の分解方向)に磁束密度が生じるように着磁されている。フロントヨーク200とベース板410の間には、強い吸引力が生じるので、スペーサー230a、230b、230cで一定の間隔が保たれるようにしている。
ベース板410には穴411a、411b、411cが設けられている。また、フロントヨーク200には、ビス穴202a、202b、202cが設けられている。スペーサー230a、230b、230cは、穴411a、411b、411cとビス穴202a、202b、202cの間に位置され、不図示のビスによって固定される。スペーサー230a、230b、230cの胴部には、ゴムが配置されており、可動枠300の機械的端部、いわゆるストッパーを形成している。
可動枠300は、マグネシウムダイキャスト若しくはアルミダイキャストで形成されており、軽量で剛性が高い。可動枠300は、フロントヨーク200とベース板410との間に位置する。可動枠300には、位置決めボス301a、301bが形成されており、さらにビス穴302a、302bが形成されている。また、可動枠300には、前述したボール240a、240b、240cの転動面を形成する受け部303a、303b、303cが形成されている。
また、磁石250a、250b、250cと磁石420a、420b、420cに対向する位置に、コイル350a、350b、350cを接着固定し、フレキシブル基板670にはんだ付けすることで、電気的導通が確保されている。フレキシブル基板670は、不図示の位置検出素子を備えている。位置検出素子には、前述した磁気回路を利用して位置を検出するホール素子が用いられている。ホール素子は小型であるので、コイル350a、350b、350cの巻線の内側に位置するように配置することが可能である。フレキシブル基板670には、接続部671が備えられており、前述した主基板60に実装されるコネクタ65bに接続する。
可動基板610の片側の面には撮像素子600が実装されている。可動基板610の、撮像素子600が実装される面と反対側の面には、回路素子として温度検出素子670が実装されている。本実施形態では、温度検出素子670としてサーミスタを用いる。可動基板610には、不図示のコネクタが実装されており、フレキシブル基板650が接続される。フレキシブル基板650の他端には、接続部651が設けられており、前述した主基板60に実装されるコネクタ65aに接続する。
センサープレート500は、高い熱伝導率を有する金属(アルミ、銅など)によって形成された板金部材である。センサープレート500には、開口部503が形成されており、開口部503に可動基板610の撮像素子600が配置されUV接着固定される。センサープレート500には、可動枠300の位置決めボス301a、301bに対応する箇所に、位置決め穴501a、501bが形成されている。さらに、センサープレート500は、可動枠300のビス穴302a、302bに対応する箇所に、穴502a、502bが形成されており、ビス550a、550bによって、可動枠300に固定される。これにより、可動枠300によって撮像素子600が保持される。上述した振れ補正機構100において、コイル350に電流を流すことで、フレミング左手の法則に従った力が発生し、可動枠300が駆動される。これにより、撮像素子600が光軸方向に対して直交する方向に移動する。
図4は、撮像装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
撮像装置1の一例として、装置本体部にレンズ装置70を装着して使用する交換レンズ式カメラを説明する。レンズ装置70は、複数のレンズや絞りを有する撮像光学系74を備える。撮像光学系74の光軸を光軸99で示す。また、レンズ装置70は、レンズシステム制御部(以下、レンズ制御部という)72、レンズ駆動部73を備える。レンズ制御部72は、レンズ装置70全体を制御する。レンズ装置70は、電気接点71を介して撮像装置1の装置本体部内の制御部と通信可能である。レンズ駆動部73は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り等の駆動制御を行う。
撮像装置1の一例として、装置本体部にレンズ装置70を装着して使用する交換レンズ式カメラを説明する。レンズ装置70は、複数のレンズや絞りを有する撮像光学系74を備える。撮像光学系74の光軸を光軸99で示す。また、レンズ装置70は、レンズシステム制御部(以下、レンズ制御部という)72、レンズ駆動部73を備える。レンズ制御部72は、レンズ装置70全体を制御する。レンズ装置70は、電気接点71を介して撮像装置1の装置本体部内の制御部と通信可能である。レンズ駆動部73は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り等の駆動制御を行う。
撮像装置1の装置本体部は、カメラシステム制御部(以下、カメラ制御部という)81乃至撮像素子600を備える。カメラ制御部81は、撮像装置1全体を制御する。撮像素子600は、撮像光学系74、シャッタ機構部89を介して被写体からの光を受光し、光電変換により電気信号を出力する。撮像素子600は、図3(B)の撮像素子600に対応する。画像処理部83は、撮像素子600が出力する画像信号を取得して現像処理等を実行する。画像処理後の画像データは記憶部84に記憶される。
ブレ補正部88は、撮像された画像の像ブレを補正する。ブレ補正部88は、図3の振れ補正機構100に対応する。ブレ検出部87は、手振れ等による装置の振れを検出する。シャッタ機構部89は撮像素子600に対して被写体側に配置され、露光時間の制御に用いられる。
ブレ検出部87は光軸99を中心軸とする回転を検出可能であり、ピッチ方向、ヨー方向、ロール方向における撮像装置の回転ブレを検出する。例えばジャイロセンサ等を用いて振れ検出が行われ、振れ検出信号はカメラ制御部81に出力される。
カメラ制御部81は、操作検出部86により検出される操作信号にしたがって、撮像装置1およびレンズ装置70の制御を統括する。カメラ制御部81はCPU(中央演算処理装置)を備え、CPUは所定のプログラムを実行して撮像システムにおける各種の処理を行う。
ブレ補正部88は、カメラ制御部81からの制御指令にしたがって像ブレ補正を行う。ブレ補正部88は、光軸99に直交する平面内にて撮像素子600を保持する可動部である可動枠300(図3)を移動(駆動)させる。カメラ制御部81は、可動枠300を駆動することで像ブレ補正を制御することが可能である。
次に、撮像装置1の動作について説明する。被写体からの光は、撮像光学系74を介して撮像素子600の撮像面に結像する。撮像素子600の出力信号からピント評価量や露光量が得られ、これらの情報に基づいて撮像光学系74の光学調整処理が実行される。すなわち、撮像素子600が適正に露光され、被写体像に対応する撮像信号が撮像素子600から出力される。
シャッタ機構部89はシャッタ幕を走行させることで撮像素子600に対する遮光制御を行う。シャッタ機構部89は遮光部材(メカ後幕)を備えており、撮像素子600への露光の完了はシャッタ機構部89によって行われる。撮像素子600では、シャッタ機構部89の後幕走行に先だって電子先幕の処理が行われる。これは、ラインごとに電荷をリセットすることによって露光開始のタイミングを制御する処理である。電子先幕のモードでは、撮像素子600の電荷のリセット動作とシャッタ機構部89の後幕の移動とを同期させて露光制御が行われる。電子先幕の技術は公知であるため、その詳細な説明は割愛する。
画像処理部83は、A/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、補間演算回路等を有する。例えば、画像処理部83は、撮像素子600から取得したベイヤ配列の信号から色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像データを生成し、記録用画像データを記憶部84に出力する。また画像処理部83は静止画像、動画像、音声等のデータ圧縮を行う。記憶部84は不揮発性メモリを備え、画像データを含む各種データ等を記憶する。カメラ制御部81は記憶部84へのデータの記憶処理や、記憶部84から読み出したデータを表示部85に出力してユーザに提示する処理を行う。なお、図4中の表示部85は、図1の表示部2とファインダー外表示部4に対応する。
カメラ制御部81は、ユーザ操作信号に応じて、撮像処理、画像処理、記録再生処理等の制御を行う。例えば、操作検出部86はシャッタレリーズ釦の押下を検出する。シャッタレリーズ釦の半押し操作によって第1スイッチがオンし、以下ではS1操作という。さらにシャッタレリーズ釦の全押し操作によりユーザが釦を最後まで押し切ると第2スイッチがオンし、以下ではS2操作という。カメラ制御部81は操作検出部86からS2操作による撮影指示を受け付けると、撮像素子600の駆動制御や、画像処理、圧縮処理等を行い、さらに表示部2の画面上に画像情報等を表示する制御を行う。また操作検出部86は、例えばカメラ背面に設けられたタッチパネル3(図1(B))の操作を検出して、ユーザの操作指示をカメラ制御部81に伝達する。
カメラ制御部81は、画像処理部83と接続され、撮像素子600からの信号に基づいて適切な焦点位置、絞り値を算出する。つまり、カメラ制御部81は撮像素子600の出力信号により、測光および焦点状態検出を行い、露光条件(F値、シャッタ速度等)を決定する。カメラ制御部81は絞り制御やシャッタ制御によって撮像素子600の露光制御を行う。カメラ制御部81は、電気接点71を介してレンズ制御部72に指令信号を送信する。レンズ制御部72は、カメラ制御部81からの指令信号にしたがってレンズ駆動部73を制御する。
ユーザ操作に応じて撮像装置1の各部の動作を制御することで、静止画および動画の撮影が可能である。ユーザが撮像装置1の操作部材を用いて静止画や動画の撮影を指示すると、カメラ制御部81は操作検出部86からの操作信号にしたがって撮影動作の制御を行う。カメラ制御部81は、ブレ検出部87からの検出信号に基づいて目標値を算出し、ブレ補正部88の駆動制御を行う。つまり、ブレ検出部87の検出信号に基づく目標値の生成およびブレ補正部88の駆動制御は、カメラ制御部81が担っている。その際にカメラ制御部81は、撮影条件や露光条件等に応じて像ブレ補正動作の制御を行う。
ブレ補正部88の駆動制御の流れを簡単に説明すると、ユーザによるS1操作が行われ、これを操作検出部86が検出して撮影準備動作が開始される。いわゆる構図を定めるエイミング動作中にユーザの構図決めを容易にするために、ブレ補正部88による像ブレ補正が行われる。すなわち、ブレ検出部87の検出信号に基づくブレ補正部88の制御により撮像素子600が駆動(移動または回転)される。その後、ユーザによるS2操作が行われ、これを操作検出部86が検出して撮影動作(画像記録動作)が開始される。この時、露光動作により取得される被写体像の像ブレを抑制するために、ブレ検出部87の検出信号に基づくブレ補正部88つまり振れ補正機構100の制御により、撮像素子600が駆動される。露光後に一定時間が経過すると、像ブレ補正動作が停止される。
図5は、実施例1の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。また、図6乃至図8は、振れ補正機構の動作例を説明する図である。なお、図6乃至図8では、説明の簡略化のために、必要な構成要素のみを表している。
まず、図6を参照して、撮像装置1に装着されるレンズ装置に応じた露光領域に関して説明する。
図6(A)は、振れ補正機構100の中心保持位置を示す。振れ補正制御がなされていない状態では、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへ通電して可動枠300を駆動することで、撮像素子600は、撮像素子600の中心が光軸99に一致する位置で保持される。
図6(A)は、振れ補正機構100の中心保持位置を示す。振れ補正制御がなされていない状態では、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへ通電して可動枠300を駆動することで、撮像素子600は、撮像素子600の中心が光軸99に一致する位置で保持される。
撮像装置1は、フルサイズ対応レンズ90と、APS−C対応レンズ95を装着することが可能であり、撮影者は用途に応じて使い分けることができる。撮像素子600は、フルサイズ有効領域700を有している。フルサイズレンズ露光領域750は、フルサイズ対応レンズ90に対応する露光領域である。撮像装置1にフルサイズ対応レンズ90を装着した場合は、撮像素子600上のフルサイズ有効領域700の全域(第1の領域)に、露光が可能となる。APS−Cサイズ露光領域760は、APS−C対応レンズ95に対応する露光領域(第2の露光領域)である。図6(A)に示す例では、撮像装置1にAPS−C対応レンズ95を装着した状態では、撮像素子600は、フルサイズレンズ露光領域750より面積の小さいAPS−Cサイズ露光領域760にて露光される。撮像素子600の隅部(図6では4個の隅部)には、非露光領域800が形成される。したがって撮像装置1にAPS−C対応レンズ95を装着した状態では、非露光領域800が画像に影響しないように、例えば、APS−Cサイズ有効領域710をトリミングして画像信号を取得する制御が行われる。
図5を参照して、撮像装置の動作例を説明する。S100において、カメラ制御部81が、撮像装置1にレンズ装置が装着されたことを検知する。撮像装置1にレンズ装置が装着されたことが検知されると、処理がS101に進む。S101において、カメラ制御部81が、レンズ情報の読み込みを行う。レンズ情報とは、例えば、撮像装置1に装着されたレンズ装置の種類、レンズ装置の露光領域の情報を含む。レンズ情報が、レンズの焦点距離や絞りなどレンズ装置の仕様に関する情報を含んでいてもよい。
S102において、カメラ制御部81が、装着されたレンズ装置がAPS−C対応レンズ95であるかを判断する。装着されたレンズ装置がAPS−C対応レンズ95でなく、フルサイズ対応レンズ90である場合は、処理がS109に進む。S109において、撮像装置1が撮影待機状態となる。装着されたレンズ装置がAPS−C対応レンズ95である場合は、処理がS103に進む。
S103において、カメラ制御部81が、装着されたAPS−C対応レンズの露光領域が、フルサイズ有効領域700より小さいかを判断する。APS−C対応レンズの種類によっては、フルサイズ有効領域700より大きい露光領域を有するレンズがあるからである。装着されたAPS−C対応レンズの露光領域が、フルサイズ有効領域700より小さくない場合は、処理がS109に進む。装着されたAPS−C対応レンズの露光領域が、フルサイズ有効領域700より小さい場合は、処理がS104に進む。なお、S103の判断処理を省略してもよい。
S104において、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへの通電制御を行うことで、振れ補正機構100の可動枠300を駆動(移動)する。そして、処理がS105に進む。
図6(B)は、可動枠300の駆動の一例を示す。コイル350a、350b、350cへ通電することにより、可動枠300を駆動させる。このとき、可動枠300は、図6(B)の矢印A方向(XY斜め右上方向)へ移動するように制御される。XY斜め方向は、撮像装置の水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)の両成分を有する方向である。
可動枠300が矢印A方向に移動すると、可動枠300に保持された撮像素子600も同時に移動する。撮像素子600上の撮像領域は、APS−Cサイズ有効領域710にトリミングされ、さらにAPS−Cサイズ有効領域710の中心は、光軸99と略一致するように制御される。
撮像素子600が矢印A方向に移動することによって、撮像素子600とAPS−Cサイズ露光領域760で形成される非露光領域800aが縮小された状態となる。つまりAPS−C対応レンズ95の通常使用では非露光となる領域である、撮像素子600の左下の隅部が露光領域として使用される。そして、可動枠300は、移動後の図6(B)の位置で保持される。すなわち、図6(B)に示す例では、カメラ制御部81は、撮像素子600のフルサイズ有効領域700のうち、撮像素子600が移動する前のAPS−Cサイズレンズ95の露光領域外(第2の領域外)が露光される位置に撮像素子600を移動する。なお、以下の説明において、撮像素子600の移動によって露光領域として使用される隅部は、撮像素子600の端部の一例である。撮像素子600の移動によって、撮像素子の任意の端部が露光領域として使用されるようにしてもよい。
図5の説明に戻る。本実施形態では、カメラ制御部81は、以下に説明するS105およびS106の処理によって、撮像素子600における露光領域の偏りを軽減するように、可動枠300の駆動を制御する。具体的には、カメラ制御部81は、撮像素子600が、少なくとも、撮像素子600の第1の端部が露光される位置と、撮像素子600の第2の端部が露光される位置と、を移動するように、撮像素子600を移動する。例えば、カメラ制御部81は、撮像素子600の複数の隅部(例えば、矩形の撮像素子600の4個の頂点の近傍の4個の隅部)のそれぞれが順次露光されるように可動枠300を駆動して撮像素子600を移動する。
S105において、カメラ制御部81が、可動枠300が移動した状態で、一定時間(予め設定された時間)が経過したかを判断する。カメラ制御部81は、S104において可動枠300を移動すると同時にカウントを開始する。一定時間が経過していない場合は、処理がS107に進む。そして、S107において、撮像装置1が、撮影待機状態となる。一定時間が経過した場合は、処理がS106に進む。
S106において、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへ通電することで、振れ補正機構100の可動枠300の駆動(別端への移動)を行う。可動枠300の別端への移動とは、可動枠300を現在の位置から他の位置に移動させることである。これにより、カメラ制御部81は、第2の領域が撮像素子上で移動するように撮像素子600を移動させる。例えば、カメラ制御部81は、S104での可動枠300の駆動で露光されるようになった撮像素子600の隅部とは異なる隅部が露光されるように、可動枠300を駆動する。
図7(A)は、図5のS106における可動枠300の駆動の一例を示す。撮像装置1が、コイル350a、350b、350cへ通電することにより、可動枠300が駆動する。このとき、可動枠300は、図7(A)の矢印B方向(XY斜め右下方向)へ移動するように制御駆動される。可動枠300が矢印B方向に移動すると、可動枠300に保持された撮像素子600も同時に移動する。撮像素子600上の撮像領域は、APS−Cサイズ有効領域710にトリミングされ、さらにAPS−Cサイズ有効領域710の中心が、光軸99と略一致するように制御される。撮像素子600が矢印B方向に移動することによって、撮像素子600とAPS−Cサイズ露光領域760で形成される非露光領域800bが縮小し、撮像素子600の左上の隅部が露光領域として使用される状態となる。つまりAPS−C対応レンズ95の通常使用では非露光となる領域が、露光領域として使用される。そして、可動枠300は、移動後の図7(A)の位置で保持される。S106における処理による可動枠300の移動後、処理がS105に戻る。
以下、同様に、可動枠300が移動した状態で、一定時間が経過する度に、カメラ制御部81が、可動枠300を別端に移動する。例えば、カメラ制御部81は、可動枠300を図7(B)の矢印C方向(XY斜め左下方向)に移動する。これにより、撮像素子600の右上の隅部が露光領域として使用されるようになる。カメラ制御部81が可動枠300を矢印C方向に移動した後、一定時間が経過すると、カメラ制御部81は、例えば、可動枠300を図8の矢印D方向(XY斜め左上方向)に移動する。これにより、撮像素子600の右下の隅部が露光領域として使用されるようになる。
図5乃至図8を参照した説明では、S105とS106の処理が繰り返し実行される場合、可動枠300が上述の順番で移動する制御が行われるが、可動枠300の移動の順番については、上述の順番に限定されない。
S107において撮影待機状態となった後、撮影が行われると、処理がS108に進む。S108において、カメラ制御部81が、撮影が続行されるかを判断する。例えば、撮影者が撮像装置1の操作を継続して行っており、撮像素子600が露光される状態である場合、カメラ制御部81は、撮影が続行されると判断する。撮像素子600が露光されない状態となった場合、カメラ制御部81は、撮影が続行されないと判断する。例えば、撮影者が撮像装置1の電源を切るなどの動作を行い、シャッタ部材40(図2)のシャッタ幕42が閉口すると、撮像素子600が露光されない状態となる。
撮影が続行されると判断された場合は、処理がS105に戻る。撮影が続行されないと判断された場合は、処理が終了する。本実施例では、S105において、可動枠300を移動させると同時にカウントを開始する制御が行われるが、このカウントは、例えば、撮像装置1が電源OFFであっても有効になるように設定される。S105乃至S108の処理の間において、オートパワーオフなどの制御によって、シャッタ部材40のシャッタ幕42が開口した状態で撮像装置1の電源がOFFとなった場合は、カウントが続行された状態となる。そして、次回撮像装置1の電源がONとなった状態において、処理がS106に進み、可動枠300の駆動が行われる。本実施例の撮像装置によれば、フルサイズ撮像素子を有する撮像装置に、APS−C対応レンズを装着した際においても、露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを減少し、画像への影響を軽減することができる。
(実施例2)
図9は、実施例2の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例2の撮像装置の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図9のS100乃至S102は、図5のS100乃至S102と同様である。なお、実施例2においても、図9のS102の判断処理でYESの場合に、図5のS103の判断処理を実行した上で、S113の処理を実行するようにしてもよい。また、図9のS104乃至S109は、図5のS104乃至S109と同様である。図9のS102において、撮像装置1に装着されたレンズ装置がAPS−C対応レンズ95であると判断された場合は、処理がS113に進む。
図9は、実施例2の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例2の撮像装置の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図9のS100乃至S102は、図5のS100乃至S102と同様である。なお、実施例2においても、図9のS102の判断処理でYESの場合に、図5のS103の判断処理を実行した上で、S113の処理を実行するようにしてもよい。また、図9のS104乃至S109は、図5のS104乃至S109と同様である。図9のS102において、撮像装置1に装着されたレンズ装置がAPS−C対応レンズ95であると判断された場合は、処理がS113に進む。
S113において、カメラ制御部81が、撮像装置1の像ブレ補正に関する設定が、OFFに設定されているかを判断する。像ブレ補正に関する設定が、OFFに設定されていることは、撮像装置1が像ブレ補正をしない状態であることを意味する。したがって、像ブレ補正に関する設定が、OFFに設定されている場合は、処理がS117に進む。像ブレ補正に関する設定が、ONに設定されていることは、撮像装置1が像ブレ補正をする状態であることを意味する。像ブレ補正に関する設定が、ONに設定されている場合は、処理がS104に進む。
S117において、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへ通電することで、振れ補正機構100の可動枠300を可動端に移動させる。そして、処理がS118に進む。可動枠300の移動に関して、図6乃至図8を参照して説明する。なお、実施例2では、可動枠300を可動端に移動させることで、APS−Cサイズレンズ95の露光領域外(第2の領域外)が露光される位置(例えば、第1の端部が露光される位置)に撮像素子600を移動する。これにより、撮像素子600とAPS−Cサイズ露光領域760で形成される非露光領域は、最小となる。
カメラ制御部81は、例えば、可動枠300を、図6(B)の矢印A方向(XY斜め右上方向)に、可動端まで移動する。つまり可動枠300の移動後においては、像ブレ補正正としての可動量が無い状態となる。この状態では、非露光領域800aが最小となり、撮像素子600の左下の隅部の領域が露光領域として使用されるようになる。
S118において、カメラ制御部81が、可動枠300が移動した状態で、一定時間(予め設定された時間)が経過したかを判断する。カメラ制御部81は、S117において可動枠300を移動すると同時にカウントを開始する。一定時間が経過していない場合は、処理がS107に進む。一定時間が経過した場合は、処理がS119に進む。S119において、カメラ制御部81が、コイル350a、350b、350cへ通電することで、振れ補正機構100の可動枠300を他の可動端に移動する。
可動枠300の他の可動端への移動例を説明する。撮像装置1が、コイル350a、350b、350cへ通電することにより、可動枠300が駆動する。このとき、可動枠300は、図7(A)の矢印B方向(XY斜め右下方向)に可動端まで移動するように駆動制御される。可動枠300が矢印B方向の可動端まで移動すると、非露光領域800bが最小となり、撮像素子600の左上の隅部が露光領域として使用されるようになる。
以下、同様に、可動枠300が移動した状態で、一定時間が経過する度に、カメラ制御部81が、可動枠300を他の可動端に移動する。例えば、カメラ制御部81は、可動枠300を図7(B)の矢印C方向(XY斜め左下方向)に可動端まで移動する。このとき、非露光領域800cが最小となり、撮像素子600の右上の隅部の領域が露光領域として使用されるようになる。また、可動枠300を矢印C方向の可動端に移動した後、一定時間が経過すると、カメラ制御部81は、可動枠300を図8の矢印D方向(XY斜め左上方向)に可動端まで移動する。このとき、非露光領域800dが最小となり、撮像素子600の右下の隅部の領域が露光領域として使用されるようになる。
上述した例では、S118とS119の処理が繰り返し実行される場合、可動枠300が上述の順番で可動端まで移動する制御が行われるが、可動枠300の可動端への移動の順番については、上述の順番に限定されない。また、可動枠300の移動によって露光されることになる領域は、撮像素子600の隅部に限定されない。
なお、本実施例では、像ブレ補正に関する設定に基づいて、S113の判断処理が行われるが、本発明は、カメラ制御部81が、像ブレ補正に関する設定に基づいてS113の判断処理を行う実施形態に限定されない。カメラ制御部81は、撮像装置1が像ブレ補正を行う状態であるか否かを示す情報に基づいてS113の判断処理を行えばよい。例えば、カメラ制御部81が、撮影に三脚が使用されることを検知し、当該検知結果に基づいて、撮像装置1が像ブレ補正を行わない状態であると判断して(S113でYES)、S117の処理を実行するようにしてもよい。実施例2の撮像装置によれば、可動枠300を振れ補正機構100の可動端まで移動させることによって、露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを減少させ、画像への影響を軽減することができる。
(実施例3)
図10は、実施例3の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例3の撮像装置1の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図10のS100、S101、S102、S104は、図5のS100、S101、S102、S104と同様である。なお、実施例3においても、図10のS102の判断処理でYESの場合に、図5のS103の判断処理を実行した上で、S104の処理を実行するようにしてもよい。また、図10のS106乃至S109は、図5のS106乃至S109と同様である。
図10は、実施例3の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例3の撮像装置1の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図10のS100、S101、S102、S104は、図5のS100、S101、S102、S104と同様である。なお、実施例3においても、図10のS102の判断処理でYESの場合に、図5のS103の判断処理を実行した上で、S104の処理を実行するようにしてもよい。また、図10のS106乃至S109は、図5のS106乃至S109と同様である。
実施例3の撮像装置1は、可動枠300の移動の後、撮像素子600を露光する光の強度に応じて、S106の処理(可動枠300の別端への移動)を実行するか否かの判断に用いる閾値となる時間を異ならせる。カメラ制御部81が、撮像素子600の第1の端部が露光される位置に撮像素子600を移動した場合を想定する。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値未満のときは、第1の時間の経過後に、撮像素子600の第2の端部が露光される位置に撮像素子600を移動する。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値以上のときは、第1の時間より短い第2の時間の経過後に、上記第2の端部が露光される位置に撮像素子600を移動する。以下に、S120乃至S122の処理を説明する。
S120において、カメラ制御部81が、撮像素子600が強い光で露光されている状態であるかを判断する。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値以上である場合に、撮像素子600が強い光で露光されている状態であると判断して、処理がS121に進む。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値未満である場合に、撮像素子600が強い光で露光されている状態でないと判断して、処理がS122に進む。本実施例では、S120の判断処理で用いる閾値を、太陽光の直射に対応する100000ルクス程度とする。
S104において、撮像素子600の第1の端部(例えば、図6(B)の撮像素子600の左下の隅部)が露光される位置に可動枠300が移動したものとする。S122において、カメラ制御部81が、可動枠300が移動した状態で、時間A(第1の時間)が経過したかを判断する。時間Aが経過した場合は、処理がS106に進む。そして、S106において、カメラ制御部81が、可動枠300を駆動して、撮像素子600の第2の端部(例えば、図7(A)の撮像素子600の左上の隅部)が露光される位置に撮像素子600を移動する。時間Aが経過していない場合は、処理がS107に進む。
また、S121において、カメラ制御部81が、可動枠300が移動した状態で、時間B(第2の時間)が経過したかを判断する。時間Bは、時間Aより短い時間に予め設定されている。時間Bが経過した場合は、処理がS106に進む。そして、S106において、カメラ制御部81が、可動枠300を移動して、撮像素子600の第2の端部(例えば、図7(A)の撮像素子600の左上の隅部)が露光される位置に撮像素子600を移動する。時間Bが経過していない場合は、処理がS107に進む。なお、本実施例の変形例として、撮像素子600が弱い光で露光されている状態である場合に、所定時間より遅い経過時間で可動枠300を移動するようにしてもよい。
(実施例4)
図11は、実施例4の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例4の撮像装置1の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図11のS100乃至S104は、図5のS100乃至S104と同様である。また、図11のS108、S109は、図5のS108、S109と同様である。
図11は、実施例4の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
実施例4の撮像装置1の動作について、実施例1の撮像装置の動作との差異を中心に説明する。図11のS100乃至S104は、図5のS100乃至S104と同様である。また、図11のS108、S109は、図5のS108、S109と同様である。
図11のS104において、可動枠300が移動した後、処理が、S107に進む。S107において、撮像装置1が撮影待機状態となる。次に、S130において、カメラ制御部81が、可動枠300が移動した状態で、撮影枚数が所定値になったかを判断する。この判断を行うために、撮像装置1は、撮影待機状態での撮影枚数をS104の処理と同時にカウントを開始する。撮影枚数が所定値になっていない場合は、処理がS108に進む。撮影枚数が所定値になった場合は、処理がS131に進む。S131の処理は、図5のS106の処理と同様である。すなわち、カメラ制御部81は、所定の撮影枚数が撮影されると、第2の領域が撮像素子上で移動するように撮像素子600を移動する。
以上説明した各実施例によれば、フルサイズ撮像素子を有する撮像装置に、APS−C対応レンズを装着した際においても、露光によって生じる撮像素子の露光焼けの偏りを減少し、画像への影響を軽減することができる。
上述した実施例1乃至4は、一例であって、本発明は、各実施例の構成に限定されない。例えば、実施例4と実施例3とを組み合わせてもよい。カメラ制御部81が、撮像素子600の第1の端部が露光される位置に撮像素子600を移動した場合を想定する。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値未満のときは、撮影枚数が第1の値になった後に、第2の端部が露光される位置に撮像素子600を移動する。カメラ制御部81は、撮像素子600を露光する光の強度が閾値以上のときは、撮影枚数が第1の値より小さい第2の値となった後に、第2の端部が露光される位置に撮像素子600を移動する。
また、例えば、実施例2と実施例3とを組み合わせて、撮像素子600を露光する光の強度に応じて、可動枠300を第1の可動端から第2の可動端へ移動させるタイミングを制御するようにしてもよい。また、実施例2と実施例4とを組み合わせて、例えば、図11のS103でYESの場合、像ブレ補正に関する設定がOFFであるときは、図9のS117乃至S119の処理のように、可動枠300を可動端まで移動させる制御を行うようにしてもよい。
また、実施例2と実施例3と実施例4とを組み合わせて、撮像素子600を露光する光の強度に応じて、可動枠300を第1の可動端から第2の可動端へ移動させるタイミングの制御に、撮像枚数を用いるようにしてもよい。このように、各実施例を任意に組み合わせて得られる構成も本発明の適用範囲とすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 撮像装置
81 カメラシステム制御部
81 カメラシステム制御部
Claims (13)
- 被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を保持する可動部を駆動する制御手段と、を有する撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より小さい第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記制御手段は、前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記撮像素子が、少なくとも、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置と、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置と、を移動するように、前記撮像素子を移動する
ことを特徴とする撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を保持する可動部を駆動する制御手段と、を有する撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より小さい第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記制御手段は、前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、予め決められた時間が経過すると前記第2の領域が前記撮像素子上で移動するように前記撮像素子を移動することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動してから予め決められた時間が経過した場合に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動した場合、
前記撮像素子を露光する光の強度が閾値未満のときは、第1の時間の経過後に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動し、
前記撮像素子を露光する光の強度が閾値以上のときは、前記第1の時間より短い第2の時間の経過後に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動する
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を保持する可動部を駆動する制御手段と、を有する撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より小さい第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記制御手段は、前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、所定の撮影枚数が撮影されると、前記第2の領域が前記撮像素子上で移動するように前記撮像素子を移動することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動してから、撮影枚数が所定値となった場合に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を駆動する
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動した場合、
前記撮像素子を露光する光の強度が閾値未満のときは、撮影枚数が第1の値となった後に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動し、
前記撮像素子を露光する光の強度が閾値以上のときは、撮影枚数が前記第1の値より少ない第2の値となった後に、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子における露光領域の偏りを軽減するように、前記可動部の駆動を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像素子の複数の端部のそれぞれが順次露光されるように前記可動部の駆動を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、
前記可動部を駆動することで像ブレ補正を制御することが可能であり、
前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記撮像装置が前記像ブレ補正を行わない状態であるときは、前記可動部を当該可動部の可動端に駆動することで、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置に前記撮像素子を移動する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を保持する可動部とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より狭い第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記可動部を駆動して、前記撮像素子が少なくとも、前記撮像素子の第1の端部が露光される位置と、前記撮像素子の第2の端部が露光される位置と、を移動するように、前記撮像素子を移動する工程を有する
ことを特徴とする制御方法。 - 被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を保持する可動部とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より狭い第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記可動部を駆動して、予め決められた時間が経過すると前記第2の領域が前記撮像素子上で移動するように前記撮像素子を移動する工程を有する
ことを特徴とする制御方法。 - 被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を保持する可動部とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、前記撮像素子の第1の領域への露光が可能な第1のレンズ装置と、前記第1の領域より狭い第2の領域への露光が可能な第2のレンズ装置とが着脱可能であり、
前記撮像装置に前記第2のレンズが装着された場合に、前記可動部を駆動して、所定の撮影枚数が撮影されると、前記第2の領域が前記撮像素子上で移動するように前記撮像素子を移動する工程を有する
ことを特徴とする制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019157910A JP2021036286A (ja) | 2019-08-30 | 2019-08-30 | 撮像装置およびその制御方法 |
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JP2019157910A JP2021036286A (ja) | 2019-08-30 | 2019-08-30 | 撮像装置およびその制御方法 |
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- 2019-08-30 JP JP2019157910A patent/JP2021036286A/ja active Pending
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