JP2021035919A - 皮膚用化粧料 - Google Patents

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進 山野辺
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晃典 梅山
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照久 高田
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Abstract

【課題】6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を配合した製剤において、保存安定性と使用感の両効果を併せ持つ皮膚用化粧料の提供。【解決手段】[1](A)6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、(B)室温で固形の高級アルコールおよび/又は室温で固形の高級脂肪酸、(C)分岐脂肪酸とアルキレングリコールのエステル油、並びに(D)油脂を含有してなる皮膚用化粧料。〔2〕(C)成分が、イソステアリン酸プロピレングリコールである前記〔1〕に記載の皮膚用化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚用化粧料に関するものである。
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は美白効果などが知られ化粧品材料として有用であるが、不安定で酸化されやすいため、種々のL−アスコルビン酸誘導体の研究開発がなされており、1990年代には安定でかつ体内で分解吸収される誘導体として2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸(L−アスコルビン酸−2−グルコシド)が開発された(特許文献1〜3)。
2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸はL−アスコルビン酸よりも酸化されにくく安定性に優れる一方で、体内では容易に加水分解されL−アスコルビン酸と同等の生理活性を有することが知られており(特許文献2及び3)、化粧品、食品及び医薬品など、広い応用が期待される。また、さらに保湿性を高めたL−アスコルビン酸誘導体として、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸中のL−アスコルビン酸残基の6位の位置のヒドロキシル基にアシル基が導入された、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸が開発された(特許文献4)
特許第2832848号公報 特開平03−135992号公報 特開平03−183492号公報 特開平11−286497号公報
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を製剤に配合した場合には、べたつき感が生じ使用感に劣るといった問題が生じることがある。また、逆にべたつき感を抑え使用感を高めた場合には、粘度上昇が起こり製剤の保存安定性に劣るといった問題が生じることがある。よって、従来の試みでは、優れた製剤の保存安定性と使用感の両効果を併せ持つには至っておらず、未だ十分に満足しうるものではない。
本発明者は鋭意研究の結果、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を配合した皮膚用化粧料が上記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は以下に示すとおりである。
〔1〕(A)6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、(B)室温で固形の高級アルコールおよび/又は室温で固形の高級脂肪酸、(C)分岐脂肪酸とアルキレングリコールのエステル油、並びに(D)油脂を含有してなる皮膚用化粧料、
〔2〕(C)成分が、イソステアリン酸プロピレングリコールである前記〔1〕に記載の皮膚用化粧料、
〔3〕(D)成分が、植物脂、動物油脂、並びに動植物性脂肪油の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕又は〔2〕に記載の皮膚用化粧料、
〔4〕(B)成分、(C)成分および(D)成分の夫々の含有量が、下記含有量比
((C)+(D))/(B)=0.9〜1.8
を満たすことを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の皮膚用化粧料、並びに
〔5〕更に、(E)直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸と、分岐アルコールとのエステル油を含有してなる前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の皮膚用化粧料
に関する。
本発明の皮膚用化粧料は、保存安定性に優れた効果を奏するとともに、塗布後のべたつ
き感がなく使用感にも優れた効果を奏する。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の皮膚用化粧料は、(A)6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、(B)室温で固形の高級アルコールおよび/又は室温で固形の高級脂肪酸、(C)分岐脂肪酸とアルキレングリコールのエステル油、並びに(D)油脂を含有する。
本発明の一つの実施形態において、(A)6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の6位にアシル基を有している下記一般式(1):
Figure 2021035919
(式中、Rは炭化水素基を示す。nは前記と同じ。)
で示される化合物である。
前記一般式(1)中のRで示される炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素基であってよく、好ましくはアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基である。前記炭化水素基の炭素数は、アシル基すなわち−C(=O)R基の炭素数として数えたときに、炭素数が3〜24、4〜20、8〜20、12〜18であることが好ましく、14〜16であることが特に好ましい。
本発明の一つの実施形態において、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、不純物として未アシル化体の2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を含んでいてもよい。6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は90モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、99モル%以上、99.5モル%以上、99.9モル%以上の純度であることが好ましい。不純物としての、未アシル化体である2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は10モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、0.1モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の6位にアシル基を置換させる方法によって製造することができ、6位にアシル基を置換させる方法としては、公知の方法によることができる。
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の製造方法としては2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸に有機酸、酸ハライド、酸無水物、酸エステルなどのアシル化剤を用いて化学反応させる方法が挙げられる。前記アシル化剤としては、炭素数が3〜24、4〜20、8〜20、12〜18、好ましくは14〜16である飽和若しくは不飽和の脂肪酸又はその無水物が好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリシノレイン酸並びにその無水物などが好ましい。
本発明の一実施形態では、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は遊離酸又は塩のいずれであってよく、塩は無機又は有機陽イオンの塩であってよい。無機陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような第一族元素の金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオンのような第二族元素の金属イオン;鉄イオン、銅イオンのような遷移金属イオン;及び亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどのその他の金属イオンからなる群より選ばれる金属イオン又はその組み合わせであってよい。6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を塩とすることにより、pHが中性となり、他の物質と混合したときに他の物質を分解しにくくすることができる。
(A)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、保存安定性の観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
(B)成分の室温で固形の高級アルコールとしては、例えば、炭素数12〜22の直鎖アルコールが挙げられる。具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどを例示することができる。また、室温で固形の高級脂肪酸としては、例えば、炭素数12〜22の直鎖脂肪酸が挙げられる。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などを例示することができる。これら(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
(B)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、べたつき感を抑制する観点から、化粧料中、1重量%以上が好ましく、より好ましくは1.5重量%以上である。また、製剤の保存安定性の観点から、5重量%以下が好ましく、より好ましくは4重量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは1.5〜4重量%である。
(C)成分のエステル油を構成する分岐脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜18の分岐脂肪酸が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などを例示することができる。また、エステル油を構成するアルキレングリコールとしては、例えば、炭素数2〜4のアルキレングリコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどを例示することができる。上記した分岐脂肪酸とアルキレングリコールからなるエステル油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(C)成分としては、製剤の保存安定性の観点から、イソステアリン酸とアルキレングリコールのエステル油を用いることが好ましく、イソステアリン酸とプロピレングリコールのエステル油であるイソステアリン酸プロピレングリコールを用いることがより好ましい。
尚、(C)成分は、市販品をそのまま用いることもできる。イソステアリン酸プロピレングリコールの市販品としては、例えば、イソステアリンサンPG(商品名,青木油脂工業社製)などを例示することができる。
(C)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤の保存安定性の観点から、化粧料中、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、4重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの観点から、(C)成分の含有量は、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
(D)成分の油脂の具体例としては、例えば、大豆油、ククイナッツ油、月見草油、ブドウ種子油、ヒマワリ油などの乾性植物油;トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、ゴマ油、小麦胚芽油などの半乾性植物油;オリブ油、ヒマシ油、落花生油、ツバキ油などの不乾性植物油;カカオ脂、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油などの植物脂;牛脂、豚脂、馬脂、羊脂などの動物油脂;硬化油などの動植物性脂肪油の水素添加物などを例示することができる。これら(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(D)成分としては、製剤の保存安定性の観点から、上記した油脂の中でも、室温で液状、若しくは、融点が50℃以下である、植物脂、動物油脂、動植物性脂肪油の水素添加物を用いることが好ましく、中でも、水素添加により融点を調整することができる動植物性脂肪油の水素添加物である硬化油を用いることがより好ましい。
尚、(D)成分は、市販品をそのまま用いることもできる。硬化油の市販品としては、例えば、ノムコートPHS(商品名,日清オイリオグループ社製)などを例示することができる。
(D)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤の保存安定性の観点から、化粧料中、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、4重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの観点から、(D)成分の含有量は、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
本発明においては、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を安定に含有し、優れた製剤の保存安定性を付与する観点から、上記した(B)成分、(C)成分および(D)成分の夫々の含有量が、下記含有量比
((C)+(D))/(B)=0.9〜1.8
を満たす範囲内で調製されることが好ましい。該含有量比が、0.9未満の場合、経時的に粘度上昇を引き起こし、低温保存時において析出などの問題を生じ易く、また、1.8よりも大きい場合、高温保存時において分離などの問題を生じ易く、何れも場合も製剤の保存安定性に劣るために好ましくない。
また、本発明の皮膚用化粧料には、製剤の保存安定性を更に高める観点から、(E)直鎖又は分岐脂肪酸と分岐アルコールのエステル油を含有させることができる。
(E)成分のエステル油を構成する直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜22の直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘニン酸などの直鎖脂肪酸;2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソベヘン酸などの分岐脂肪酸を例示することができる。また、エステル油を構成する分岐アルコールとしては、例えば、炭素数8〜22の分岐アルコールが挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコールなどを例示することができる。上記した直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸と分岐アルコールからなるエステル油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(E)成分としては、製剤の保存安定性の観点から、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニルを用いることが好ましい。
(E)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤の保存安定性の観点から、化粧料中、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、8重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらの観点から、(E)成分の含有量は、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
本発明の皮膚用化粧料は、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を安定に含有させ、製剤の保存安定性を優れたものとするために、乳化剤型として調製することが好ましい。用いられる乳化剤は、通常化粧品に用いられる乳化剤であれば特に限定されないが、非イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。
用いられる非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのソルビット脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油;ポリオキシエチレンラノリン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な非イオン性界面活性剤としては、製剤の保存安定性の観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。
非イオン性界面活性剤の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤の保存安定性の観点から、化粧料中、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、使用感の観点から、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらの観点から、非イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
更に、本発明の皮膚用化粧料には、製剤の保存安定性を向上させ、優れた使用感とする観点から、増粘性高分子を含有させることができる。増粘性高分子としては、例えば、水溶性を有する天然高分子、半合成高分子、合成高分子などが挙げられる。具体的には、アラビアゴム、トラガントガム、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼインなどの天然高分子;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどの半合成高分子;アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸・ポリオキシエチレンアルキルイタコン酸共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、アクリル酸・アクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、アクリル酸・メタクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー、アクリル酸・ネオデカン酸ビニルクロスポリマーなどのアクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルセルロース、ポリアミド樹脂などの合成高分子などを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
尚、増粘性高分子としてアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などのアクリル酸アルキル共重合体やカルボキシビニルポリマーを用いる場合は、通常、塩基性物質で中和して用いられる。塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、アルギニンなどの塩基性アミノ酸などが例示される。また、塩基性物質の添加量は、アクリル酸アルキル共重合体やカルボキシビニルポリマーを中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜配合すればよい。
増粘性高分子の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤の保存安定性の観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上である。また、使用感の観点から、1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.8重量%以下である。これらの観点から、増粘性高分子の含有量は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%である。
尚、本発明の皮膚用化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に通常化粧品に用いられる成分、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール;スクワラン、ワセリンなどの炭化水素油;ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩などの酸化防止剤;フェノキエタノール、オクトキシグリセリン、パラベンなどの防腐成分;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤;無機顔料、パール化剤、植物抽出エキス、香料、pH調整剤などを目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の皮膚用化粧料を乳化剤型とするには、前記各構成成分を混合し、公知の方法、例えばホモミキサーを用いた転相乳化法などにより乳化することにより製造することができる。また、混合と乳化は別々に行っても同時に行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「重量%」を表す。また、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
(試験例1:保存安定性の評価)
各実施例で得られた皮膚用化粧料を、50mL容のジャー容器にそれぞれ封入し、5℃の恒温槽、45℃の恒温槽、並びに、5℃から45℃を24時間サイクルで変温する恒温槽に夫々4週間保存したときの乳化系の状態を目視観察して以下の評価基準に従って評価した。
<保存安定性の評価基準>
◎:製造直後と全く変化が認められない
○:製造直後とほとんど変化が認められない
△:僅かな析出・分離が認められる
×:明らかな析出・分離が認められる
(試験例2:使用感の評価)
女性専門パネル20名により、各実施例で得られた皮膚用化粧料を顔面へ塗布して使用試験を行い、塗布5分後の「べたつき感のなさ」に関し、以下の5段階の評価基準に従って官能評価した。尚、評価は、下記評価基準により算出された平均点から下記判定基準にしたがって判定を行った。
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<使用感の判定基準>
◎:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
以下、本発明に係る皮膚用化粧料の実施例を示す。尚、含有量は重量%である。
(実施例1)
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.0
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.4
水酸化カリウム 適 量
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリン酸 1.0
イソステアリン酸プロピレングリコール 1.5
硬化油 1.0
イソノナン酸イソトリデシル 0.5
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
ステアリン酸グリセリル 0.5
防腐剤 適 量
金属キレート剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
(実施例2)
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,2−ペンタンジオール 2.0
オクトキシグリセリン 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.0
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.4
水酸化カリウム 適 量
ベヘニルアルコール 1.5
ステアリン酸 0.5
イソステアリン酸プロピレングリコール 1.0
硬化油 0.8
イソノナン酸イソトリデシル 3.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
ステアリン酸グリセリル 0.5
金属キレート剤 適 量
dl−α−トコフェロール 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
(実施例3)
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリメチルグリシン 3.0
1,2−オクタンジオール 0.2
オクトキシグリセリン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸 2.0
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.4
水酸化カリウム 適 量
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリン酸 1.0
イソステアリン酸プロピレングリコール 1.5
硬化油 2.0
イソノナン酸イソトリデシル 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
ステアリン酸グリセリル 0.5
金属キレート剤 適 量
dl−α−トコフェロール 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
(実施例4)
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,2−ペンタンジオール 2.0
オクトキシグリセリン 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸 1.0
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.4
水酸化カリウム 適 量
ベヘニルアルコール 0.5
ステアリン酸 0.5
イソステアリン酸プロピレングリコール 0.5
硬化油 1.0
イソノナン酸イソトリデシル 3.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
ステアリン酸グリセリル 0.5
金属キレート剤 適 量
dl−α−トコフェロール 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
(実施例5)
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリメチルグリシン 3.0
1,2−オクタンジオール 0.2
オクトキシグリセリン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸 3.0
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.4
水酸化カリウム 適 量
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリン酸 1.5
イソステアリン酸プロピレングリコール 1.5
硬化油 2.0
イソノナン酸イソトリデシル 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
ステアリン酸グリセリル 0.5
金属キレート剤 適 量
dl−α−トコフェロール 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
評価結果は以下の通りである。
Figure 2021035919
表1に示された結果から、各実施例で得られた皮膚用化粧料は、製剤の保存安定性に優れた効果を奏していることが分かる。また、塗布後のべたつき感がなく、使用感においても優れた効果を奏していることが分かる。

Claims (5)

  1. (A)6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、(B)室温で固形の高級アルコールおよび/又は室温で固形の高級脂肪酸、(C)分岐脂肪酸とアルキレングリコールのエステル油、並びに(D)油脂を含有してなる皮膚用化粧料。
  2. (C)成分が、イソステアリン酸プロピレングリコールである請求項1に記載の皮膚用化粧料。
  3. (D)成分が、植物脂、動物油脂、並びに動植物性脂肪油の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の皮膚用化粧料。
  4. (B)成分、(C)成分および(D)成分の夫々の含有量が、下記含有量比
    ((C)+(D))/(B)=0.9〜1.8
    を満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の皮膚用化粧料。
  5. 更に、(E)直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸と、分岐アルコールとのエステル油を含有してなる請求項1〜4の何れかに記載の皮膚用化粧料。
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