JP2021035915A - ホウ素クラスター結合化合物 - Google Patents

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佳代 松本
Yoshiyo Matsumoto
佳代 松本
洋 海塩
Hiroshi Umishio
洋 海塩
渉 黒澤
Wataru Kurosawa
渉 黒澤
吏紗 立石
Risa Tateishi
吏紗 立石
吉朗 北原
Yoshiro Kitahara
吉朗 北原
泰世 須賀
Yasuyo Suga
泰世 須賀
淳子 星田
Junko Hoshida
淳子 星田
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Abstract

【課題】本発明は、腫瘍内集積性及び腫瘍滞留性が高く、腫瘍細胞に効率的に取り込まれる新規含ホウ素化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、式(I):

[式中、Xは、2〜5価の有機基を示し、Yは、リンカー構造を示し、Rは、ホウ素クラスターからなる1価の基を示し、nは2、3、4又は5を示す。]で表される化合物又はその塩に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホウ素中性子捕捉療法に有用な新規含ホウ素化合物に関し、特に、一分子内に複数のホウ素クラスターを有する化合物に関する。
中性子捕捉療法(NCT)は、外科手術が困難な固形がんに対して優れた治療効果を示し、且つ患者に負担の少ない低侵襲治療法として注目されている。NCTは、10B、157Gd等のような、中性子との反応断面積が大きい元素を含有する分子を体内に投与した後に、患部に対して低エネルギーの熱中性子線或いは熱外中性子線を照射し、核反応によって発生する細胞障害性の放射線(α線等)により、がん細胞を死滅させる治療法である。中でも、ホウ素化合物を用いるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)において、臨床応用されている化合物としては、例えばホウ素クラスターのBSH(メルカプトウンデカハイドロドデカボレート)およびBPA(ホウ素化フェニルアラニン)が知られている。
BSHおよびBPAは、精密に分子を設計して単一構造として合成できる低分子量化合物のため、不純物管理や品質管理がし易い。しかしながら、これらは体内で速やかに排泄され、腫瘍での滞留性が乏しいために、現状では非常に高濃度の化合物を持続的に体内に投与しながら、患部に熱中性子線或いは熱外中性子線を照射する方法が取られている。この方法では、10Bの腫瘍内濃度が十分ではないためにがん細胞を完全に死滅できない場合があること、薬物の全身暴露により正常組織への傷害が起こりうること、さらには熱中性子線或いは熱外中性子線のピンポイント照射が必要なために適用できる疾患が限定される他、治療準備に時間的制限があることで、患者および技師の負担が増す等の問題があった。
これに対し、これまで、腫瘍内の10B濃度を高めることを目的として、抗体/ホウ素化合物複合体、カチオン性ポリマー/ホウ素化合物複合体、Cell Membrane
Penetrating Peptide (CPP)/ホウ素化合物複合体、ホウ素化合物封入リポソーム、高分子ミセル等の高濃度のホウ素化合物をがん組織に送達できるさまざまなドラッグデリバリーシステム(DDS)が開発されてきた(非特許文献1)。
特に、リポソーム、高分子ミセルのようなナノ粒子の場合には、血中滞留性を上げ、Enhanced Permeability and Retention (EPR)効果(がん組織では腫瘍血管の透過性の亢進と未発達なリンパ系の構築によって高分子物質が集積しやすい環境が形成されている効果)によりがん組織に集積し、さらに腫瘍内で長期に滞留することによって、低分子量のBSHやBPAと比較して高いがん組織/血中10B濃度比が達成された後に、熱中性子線或いは熱外中性子線の照射を行うことができるため、広く研究されてきた。
しかしながら、ナノ粒子型DDS等の高分子化合物は、分子量分布があることで製造方法の規格化や不純物管理が難しい、ナノ粒子化に特別な設備が必要である、必要なホウ素量を送達するのに高用量が必要であるなど、実用化には課題も多い。また、腫瘍滞留性が高い一方で、肝臓や脾臓の細網内皮組織における貪食により蓄積することも知られており(非特許文献2)、ホウ素を腫瘍選択的に送達させるのは容易ではない。
このため、ホウ素中性子捕捉療法のためのホウ素キャリアには、腫瘍以外の臓器からは速やかに消失し、品質管理がし易い低分子化合物でありながら、なお且つ腫瘍での長期滞留性を有することが必要であると考えられるが、そのような素材は未だ見出されていない
これまで報告されているホウ素キャリアには、例えば細胞膜透過ペプチドにBSHを結合させた化合物(特許文献1)や、シクロアルカン含有アミノ酸にBSHを結合させた化合物(特許文献2)、トリアジン環にカルボランを導入した化合物(非特許文献3)などが挙げられる。
特開2013−87098号公報 WO2012/018015
M.J.Luderer et al.,Pharm.Res.,32:2824−2836(2015) 橋田 充,高倉喜信,"生体内薬物送達学",産業図書,1994 Chai−Ho Lee,et al.,Tetrahedron Letters,2008,49,159−164.
本発明の目的は、腫瘍内集積性及び腫瘍滞留性が高く、腫瘍細胞に効率的に取り込まれる新規含ホウ素化合物を提供し、それにより、ホウ素中性子捕捉療法において、効果的な腫瘍疾患の治療を実現することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、環状又は分岐状の母核に複数のホウ素クラスターがリンカー構造を介して結合する化合物が、高い腫瘍内集積性及び腫瘍滞留性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下[1]〜[14]の通りである。
[1] 式(I):
[式中、Xは、2〜5価の有機基を示し、
Yは、リンカー構造を示し、
Rは、ホウ素クラスターからなる1価の基を示し、
nは、2、3、4又は5を示す。]
で表される化合物又はその塩。
[2] Rが、それぞれ独立して、式(B1):
[式中、M2+は、カチオンを示し、●は、BHを示し、*は、Yとの結合部位を示す。]
で表される基である、上記[1]に記載の化合物又はその塩。
[3] Xが、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の炭化水素基、又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の複素環基である、上記[1]又は[2]に記載の化合物又はその塩。
[4] Xが、
[式中、Zは、
を示し、
#はテトラヒドロピラン環との結合部位であり、
は、O又はNHを示し、
は、Oを示し、
は、O又はNHを示し、
pは、2、3、4又は5を示し、
qは、2又は3を示し、
は、それぞれ独立して、Yとの結合部位又はRであり、各化合物において少なくとも2つはYとの結合部位であり、
各Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、置換されていてもよい炭素数が7〜20のアリールアルキル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基、炭素数が2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数が7〜15のアリールカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基、炭素数が7〜20のアリールアルキル基で置換されたカルボキシ基、置換されていてもよい複素環基、又は置換されていてもよい複素環アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子とともに炭素数が3〜6のシクロアル
カン環を形成し、
は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基を示し、
は、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、又は置換されていてもよい複素環基を示し、
mは、2、3、4、5又は6を示す。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、上記[1]又は[2]に記載の化合物又はその塩。
[5] Xが、
[式中、
は、Yとの結合部位であり、
、Z、R、R、R、R、R及びmは、上記[4]で定義した通りである。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、上記[4]に記載の化合物又はその塩。
[6] Xが、
[式中、
は、Yとの結合部位であり、
は、上記[4]で定義した通りである。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、上記[4]に記載の化合物又はその塩。
[7] Yが、それぞれ独立して、式(L1):
[式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、炭素数が6〜14のアリール基、又は炭素数が1〜6のアルキル基を示し;
は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−OCO−、−COO−、−SCO−、−COS−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SS−、−Ph−、−OPhO−、−OPh−、−PhO−、−SPhS−、−SPh−、−PhS−、−NHPhNH−、−NHPh−、−PhNH−、−複素環−、−O−複素環−O−、−O−複素環−、−複素環−O−、−S−複素環−S−、−S−複素環−、−複素環−S−、−NH−複素環−NH−、−NH−複素環−又は−複素環−NH−(ここで、Phは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンを示す。)を示し;
aは、それぞれ独立して、1〜6の整数を示し;
bは、1〜6の整数を示す。]
で表される2価の基である、上記[1]〜[6]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[8] Yが、それぞれ独立して、式(L2):
又は式(L3)
[式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、cは1〜5の整数を示す。]
で表される2価の基である、上記[1]〜[6]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[9] cが2である、上記[8]に記載の化合物又はその塩。
[10] 上記[1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[11] 上記[1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩を含む、腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための医薬。
[12] 腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための上記[1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
[13] 腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための医薬を製造するための上記[
1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩の使用。
[14] 上記[1]〜[9]の何れか1項に記載の化合物又はその塩の必要量を哺乳動物に投与することを特徴とするホウ素中性子捕捉療法による腫瘍疾患の治療方法。
本発明の化合物は、腫瘍内集積性及び腫瘍滞留性が高く、腫瘍細胞に効率的に取り込まれるため、これを用いるホウ素中性子捕捉療法ではより効果的に腫瘍疾患を治療できる。EPR効果で高い腫瘍滞留性を謳っているホウ素含有高分子化合物は、一般的に肝臓への蓄積性が高いと言われているが、本発明の化合物は肝臓への蓄積性が低い点でも優れている。また、本発明の化合物は低分子化合物であることから、高分子化合物と比べて品質管理し易いという利点もある。
マウス生体内分布試験における天然型BPAおよびBSHの結果を示すグラフである(図中、TU:腫瘍、LI:肝臓、KI:腎臓、BL:血液、以下も同様)。 マウス生体内分布試験における比較例1の化合物の結果を示すグラフである。 マウス生体内分布試験における実施例22の化合物の結果を示すグラフである。 マウス生体内分布試験における実施例27の化合物の結果を示すグラフである。 マウス生体内分布試験における実施例28の化合物の結果を示すグラフである。 マウス生体内分布試験における実施例29の化合物の結果を示すグラフである。 投与24時間後マウス生体内分布試験における実施例37の化合物の結果を示すグラフである。 C6がん細胞を用いた細胞内取込試験における実施例29の化合物及びBPAの結果を示すグラフである。縦軸は細胞数当たりのホウ素取り込み値を示す。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに対して、実施例38の化合物又は10B−BPAを投与後、熱外中性子線を1時間照射した場合の相対腫瘍体積の推移を示すグラフである。 CT26がん細胞を皮下移植したマウスに対して、実施例38の化合物又は10B−BPAを投与後、熱外中性子線を1時間照射した場合のマウスの体重推移を示すグラフである。
本発明は、式(I):
[式中、Xは、2〜5価の有機基を示し、
Yは、リンカー構造を示し、
Rは、ホウ素クラスターからなる1価の基を示し、
nは、2、3、4又は5を示す。]
で表される化合物又はその塩(以下、本発明の化合物という)を提供する。
本明細書において「ホウ素クラスター」とは、主にホウ素原子が複数集合して一つに結合して得られる構造を有するイオン性又は非イオン性の物質を意味し、3〜20個のホウ素原子を有するホウ素クラスターであることが好ましく、8〜20個のホウ素原子を有するホウ素クラスターであることがより好ましく、10〜12個のホウ素原子を有するホウ素クラスターであることが特に好ましい。
ホウ素クラスターは、それを構成する骨格原子として、ホウ素原子以外に、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含んでいてもよい。ホウ素クラスターにおいて、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のその他の原子の数は、好ましくは、0〜5であり、より好ましくは0〜2である。
また、ホウ素クラスターは、ニッケルやコバルト等の遷移金属との金属錯体であってもよい。
ホウ素クラスターは、イオン性であることが好ましく、また、水溶性であることが好ましい。
ホウ素クラスターとしては、例えば、[B、[B2−2+、[B2−2+、[B2−2+、[B2−2+、[B10102−2+、[B1013、[B11112−2+、[B1114、[B12122−2+、[B20184−4+(式中、M、M2+及びM4+はそれぞれカチオンを示す。)のような水素化ホウ素化合物、及びそれらの1個以上(好ましくは1〜5個、より好ましくは1又は2個)のホウ素原子がそれぞれ独立して炭素原子又は窒素原子で置換された化合物(例えば、[C11、[CB1112、C1012、NB)、並びにそれらの金属錯体(例えばニッケル錯体、コバルト錯体)(例えば、[(C11Co]、[(C11Ni])が挙げられる。
具体例としては、下記式で表されるホウ素クラスターが挙げられる。
[式中、●はBHを示し、その他の記号は上記定義の通りである。]
中でも好ましくは、下記式で表されるホウ素クラスターである。
[式中、各記号は上記定義の通りである。]
、M2+又はM4+で表されるカチオンは、医薬上許容されるカチオンであればよく、特に限定されるものではない。M、M2+及びM4+は、単一成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよく、それぞれのカチオンは1価であっても多価であってもよい。好ましくは、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、アミン系イオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等)、ポリアミン(例えば、1,4−ジアミノブタン、スペルミン、スペルミジン)の1価又は多価のアンモニウムイオン等から選ばれるカチオンであり、より好ましくは、アルカリ金属イオンであり、特に好ましくは、ナトリウムイオンである。
ホウ素クラスターの10Bの同位体比は、好ましくは、19%以上であり、より好ましくは、50%以上であり、さらに好ましくは、80%以上である。
本明細書において、「ホウ素クラスターからなる1価の基」とは、ホウ素クラスターの1個の任意のHを除いてなる基を意味する。
Rで示されるホウ素クラスターからなる1価の基は、Yで示されるリンカー構造を介して、Xに結合している。
ホウ素クラスターからなる1価の基は、好ましくは、式(B1)〜式(B15):
[式中、*は、リンカー構造Yとの結合部位を示し、その他の記号は上記定義の通りである。]
の何れかで表される基であり、特に好ましくは、式(B1)で表される基である。
本明細書において、「2〜5価の有機基」は、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の炭化水素基、又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の複素環基を意味する。
本明細書において、Xで示される「2〜5価の有機基」としては、例えば、
[式中、Zは、
を示し、
#はテトラヒドロピラン環との結合部位であり、
は、O又はNHを示し、
は、Oを示し、
は、O又はNHを示し、
pは、2、3、4又は5を示し、
qは、2又は3を示し、
は、それぞれ独立して、Yとの結合部位又はRであり、各化合物において少なくとも2つはYとの結合部位であり、
各Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、置換されていてもよい炭素数が7〜20のアリールアルキル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基、炭素数が2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数が7〜15のアリールカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基、炭素数が7〜20のアリールアルキル基で置換されたカルボキシ基、置換されていてもよい複素環基、又は置換されていてもよい複素環アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子とともに炭素数が3〜6のシクロアル
カン環を形成し、
は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基を示し、
は、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、又は置換されていてもよい複素環基を示し、
mは、2、3、4、5又は6を示す。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基が挙げられる。
Xで示される「2〜5価の有機基」の好ましい例としては、
[式中、
は、Yとの結合部位であり、
、Z、R、R、R、R、R及びmは、前記定義の通りである。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基が挙げられる。
ある実施態様では、Xで示される「2〜5価の有機基」の例として、
[式中、
は、Yとの結合部位であり、
は、前記定義の通りである。]
からなる群より選ばれる2〜5価の有機基が挙げられる。
本明細書における「炭素数が1〜6のアルキル基」とは、炭素数が1〜6の直鎖、分枝鎖又は環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が6〜14のアリール基」とは、炭素数が6〜14の環状の芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が7〜20のアリールアルキル基」とは、炭素数が6〜14のアリール基で置換された炭素数が1〜6のアルキル基を意味し、例えば、ベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基」としては、例えば、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が2〜7のアルキルカルボニル基」とは、上記「炭素数が1〜6のアルキル基」がカルボニルを介して結合する基を意味し、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンタノイル、ヘキサノイル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が7〜15のアリールカルボニル基」とは、上記「炭素数が6〜14のアリール基」がカルボニルを介して結合する基を意味し、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が3〜6のシクロアルカン環」とは、炭素数が3〜6の飽和炭化水素環を意味し、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。
本明細書において、「炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数が7〜20のアリールアルキル基で置換されたカルボキシ基」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、1−フェニルエチルオキシカルボニル等が挙げられる。
本明細書における「複素環基」としては、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する環であって、1以上のオキソ基で置換されていてもよい複素環基が挙げられ、具体的には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオピラニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、アゼパニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジオキソピロリジニル
等の3〜8員の非芳香族複素環基;フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル等の5又は6員の芳香族単環式複素環基;ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル等の9又は10員の芳香族縮合複素環基等が挙げられる。
本明細書における「複素環アルキル基」とは、上記「複素環基」で置換された炭素数が1〜6のアルキル基を意味し、例えば、ピリジルメチル等が挙げられる。
前記の「置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基」、「置換されていてもよい炭素数が7〜20のアリールアルキル基」、「置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基」、「置換されていてもよい複素環基」及び「置換されていてもよい複素環アルキル基」の置換基としては、例えば、下記(1)〜(15)からなる置換基群Aが挙げられる。
置換基群A:
(1)炭素数が1〜6のアルキル基、(2)炭素数が2〜6のアルケニル基、(3)炭素数が2〜6のアルキニル基、(4)炭素数が6〜14のアリール基、(5)ホルミル基、(6)炭素数が2〜7のアルキルカルボニル基、(7)炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基、及び炭素数が6〜14のアリール基から選ばれる置換基で置換されていてもよいカルボキシ基、(8)炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基、及び炭素数が6〜14のアリール基から選ばれる置換基で置換されていてもよいカルバモイル基、(9)炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基、及び炭素数が6〜14のアリール基から選ばれる置換基で置換されていてもよいヒドロキシ基、(10)炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基、及び炭素数が6〜14のアリール基から選ばれる置換基で置換されていてもよいメルカプト基、(11)炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基、(12)炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、(13)ハロゲン原子、(14)シアノ基、(15)ニトロ基等が挙げられる。
置換基数は特に限定されるものではないが、1〜5であることが好ましい。
本明細書における「炭素数が2〜6のアルケニル基」とは、少なくとも1個以上の二重結合を有する、炭素数が2〜6の直鎖、分枝鎖又は環状の部分不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、4−メチル−2−ペンチニル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が2〜6のアルキニル基」とは、少なくとも1個以上の三重結合を有する、炭素数が2〜6の直鎖、分枝鎖又は環状の部分不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニル等が挙げられる。
本明細書における「炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基」とは、上記「炭素数が1〜6のアルキル基」がスルホニルを介して結合する基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル等が挙げられる。
ある実施態様において、各Rは、好ましくは、それぞれ独立して、
水素原子、
炭素数が1〜6のアルキル基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数が7〜20のアリールアルキル基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基、
炭素数が7〜20のアリールアルキル基で置換されたカルボキシ基、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい複素環基(例、ピリジル)、又は
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい複素環アルキル基(例、ピリジルメチル)を示す。
ある実施態様において、Rは、好ましくは、
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、又は
炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよい複素環基(例、ピリジル)を示す。
本明細書における「リンカー構造」は、ホウ素クラスターからなる1価の基Rと2〜5価の有機基Xとを連結させることができる薬学的に許容される構造であれば特に限定されるものではない。例えば、炭素原子、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる主鎖構成原子(好ましくは、1〜30個、より好ましくは、1〜20個)からなる2価の基が挙げられる。
ある実施形態では、「リンカー構造」は、好ましくは、下記式(L)で表される2価の基である:
[式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、
は、−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−OCO−、−COO−、−SCO−、−COS−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SS−、−NHCOS−、−SCONH−、−NHCHCONH−、−NHCOCHNH−、−NHCHCOO−、−OCOCHNH−、−OCHCONH−、−NHCOCHO−、−OCHCOO−、−OCOCHO−、−SCHCONH−、−NHCOCHS−、−SCHCOO−、−OCOCHS−、−N(−COCH−)(−CO−)CHS−、−SCH(−CHCO−)(−CO−)N−、−N(−N=N−)(−CH=)C−、−C(−N=N−)(=CH−)N −、−NH−N=CH−、−CH=N−NH−、−Ph−、−OP
hO−、−OPh−、−PhO−、−SPhS−、−SPh−、−PhS−、−NHPh
NH−、−NHPh−、−PhNH−、−複素環−、−O−複素環−O−、−O−複素環−、−複素環−O−、−S−複素環−S−、−S−複素環−、−複素環−S−、−NH−複素環−NH−、−NH−複素環−、−複素環−NH−等(ここで、Phは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレン等を示す。)を示し、Lは、エチレングリコール、オリゴエチレングリコール、オリゴエーテル等の2価の鎖状基、鎖状アルキレン基、環状アルキレン基等のアルキレン基等を示す。]。Lで表される2価の鎖状基及びアルキレン基は、それぞれ、その鎖状又は環状構造内に複素環やフェニレン(1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレン等)を含んでいてもよい。
このようなリンカー構造は、ホウ素クラスターからなる1価の基Rと2〜5価の有機基Xを連結させるために、種々の公知反応、公知のリンカー構造を選択して導入することができる。このようなリンカー構造は、広く知られており、例えば、S.Manabe a
nd M.Yokoyama,Drug Delivery System,30−3:247−250(2015)、N.Jain et al.,Pharm Res,32:3256−3540(2015)、J.R.McCombs et al.,The AAPS Journal,17(2):339−351(March 2015)、J
.Khandare et al.,Prog.Polym.Sci.,31:359-397(2006)等の文献に記載されている。
別の実施形態では、「リンカー構造」は、好ましくは、下記式(L1)で表される2価の基である:
[式中、
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、炭素数が6〜14のアリール基、又は炭素数が1〜6のアルキル基を示し;
は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−OCO−、−COO−、−SCO−、−COS−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SS−、−Ph−、−OPhO−、−OPh−、−PhO−、−SPhS−、−SPh−、−PhS−、−NHPhNH−、−NHPh−、−PhNH−、−複素環−、−O−複素環−O−、−O−複素環−、−複素環−O−、−S−複素環−S−、−S−複素環−、−複素環−S−、−NH−複素環−NH−、−NH−複素環−、−複素環−NH−等(ここで、Phは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンを示す。)を示し;
aは、それぞれ独立して、1〜6の整数を示し;
bは、1〜6の整数を示し、その他の記号は上記定義の通りである。]。
このようなリンカー構造は、ホウ素クラスターからなる1価の基Rと2〜5価の有機基Xを連結させるために、種々の公知反応、公知のリンカー構造を選択して導入することができる。
本明細書における「複素環」としては、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する環であって、1以上のオキソ基で置換されていてもよい複素環が挙げられ、具体的には、アゼチジン
、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ジヒドロチオピラン、イミダゾリジン、オキサゾリン、チアゾリン、イミダゾリン、ジオキソール、ジオキソラン、ジヒドロオキサジアゾール、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロフラン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロトリアゾール、アゼパン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジオキソピロリジン等の3〜8員の非芳香族複素環;フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等の5又は6員の芳香族複素環等が挙げられる。
は、それぞれ、好ましくは、水素原子である。
は、好ましくは、それぞれ独立して、−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−SS−又は−複素環−である。
ある実施形態において、「リンカー構造」は、好ましくは、それぞれ独立して、式(L2):
又は式(L3)
[式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、cは1〜5の整数を示す。]
で表される2価の基である。cは、好ましくは2である。
本発明の化合物は塩であってもよい。塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性アミノ酸又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。アンモニウム塩の好適な例としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ポリアミン(例えば、1,4−ジアミノブタン、スペルミン、スペルミジン)の1価又は多価のアンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン(例えば、1,4−ジアミノブタン、スペルミン、スペルミジン)等のアミン類との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例え
ば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。本発明のペプチド化合物の塩は、中でも、好ましくは、薬学的に許容される塩であることが好ましい。
本発明の化合物又はその塩(以下、本発明の化合物という)は、腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いることができる。
本明細書における「腫瘍疾患」としては、悪性黒色腫(メラノーマ)、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌、尿路上皮癌、結腸癌、骨癌、皮膚癌(例えば悪性皮膚癌)、頭頚部癌、直腸癌、肛門部癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚部癌、膣癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児固形癌、膀胱癌、悪性胸膜中皮腫、脳腫瘍(例えば悪性脳腫瘍)、中枢神経系腫瘍等が挙げられる。
本発明の化合物を用いるホウ素中性子捕捉療法は、例えば、腫瘍疾患を患う哺乳動物(例えばヒト)に、化合物が標的部位に蓄積するような任意の適当な投与経路により本発明の化合物を含む薬剤を投与することによって行われる。本発明の化合物は、腫瘍に選択的に蓄積されていることが好ましい。化合物を含む製剤は一度に投与してもよいし、或いは順次投与してもよい。製剤の投与を必要に応じて繰り返してもよい。
腫瘍内に本発明の化合物が到達した後、その部位に有効量の、熱中性子線或いは熱外中性子線のような低エネルギー中性子線を照射する。皮膚を通してその部位を照射してもよいし、或いはその部位を照射前に完全に或いは部分的に暴露して照射してもよい。また、同時に複数の方向から照射してもよい。本発明の化合物の投与とそれに続く熱中性子線或いは熱外中性子線の照射を必要に応じて繰り返してもよい。例えば数か月程度の間隔で、複数回照射してもよい。照射回数の総数は、好ましくは、1〜10回、より好ましくは1〜5回である。
本発明の化合物の投与経路は、好ましくは、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、脊髄内投与、腹腔内投与である。
本発明の化合物は、熱中性子線或いは熱外中性子線の照射前の72時間以内(好ましくは、5分〜48時間前、より好ましくは、30分〜30時間前)に、腫瘍疾患を患う哺乳動物に投与され得る。また、必要に応じて、熱中性子線或いは熱外中性子線の照射中に投与してもよい。本発明の化合物の代表的な用量は、好ましくは、1回の熱中性子線或いは熱外中性子線の照射につき0.01 mg〜50 g/体重kgの範囲内である。ホウ素クラスター換算では、好ましくは、1回の熱中性子線或いは熱外中性子線の照射につき0.005 mg〜25 g/体重kgの範囲内である。1回の熱中性子線或いは熱外中性子線の照射時間は、好ましくは、1分〜5時間、より好ましくは、10分〜2時間である。熱中性子線或いは熱外中性子線の照射量は、特に限定されるものではなく、中性子補捉療法で用いられる一般的な照射量であればよい。
本発明の化合物を用いるホウ素中性子捕捉療法は、単独の治療として適用してもよいし、或いは従来の手術又は化学療法と共に適用してもよい。所望であれば、腫瘍を外科的に可能な程度に除去した後、本発明の化合物を用いるホウ素中性子捕捉療法により残りの腫
瘍を破壊することも可能である。
ホウ素中性子捕捉療法において、本発明の化合物は、BPA(p−ボロノフェニルアラニン)やBSH(メルカプトウンデカハイドロドデカボレート)のような他のホウ素化合物(以下、併用薬物という)と共に用いることもできる。併用薬物を用いる場合、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物及び併用薬物を、腫瘍疾患を患う哺乳動物に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、本発明の化合物、併用薬物の順で投与してもよいし、或いはその逆の順で投与してもよい。
本発明の化合物は、薬学的に許容される溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等の薬学的に許容される担体とともに、注射用溶液、懸濁液、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、吸入剤、坐剤等の非経口剤形に製剤化してもよい。本発明の化合物は、注射用溶液に製剤化することが好ましい。
注射用溶液は、薬学的に受容可能な溶媒中で、本発明の化合物の溶液として製造され得る。それらの溶液はまた、安定化成分及び/又は緩衝化成分を含んでいてもよい。また、注射用溶液は、使用前に適切な溶媒を加えて用いる乾燥製剤であってもよい。
次に、本発明の化合物の製造法について説明する。
本発明の化合物は、式(2a)で表される化合物(以下、化合物(2a)という)と、式(3a)で表される化合物(以下、化合物(3a)という)とを、A及びAの部分で、公知の縮合反応、付加反応及び置換反応によりカップリングさせてAを形成し、それにより、リンカー構造を介して結合させることにより得ることができる。その際、反応基質にカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基のような活性基が存在する場合は、これらの官能基を、予め公知の保護基で保護しておいてもよい。
[式中、波線部分は、結合手であるか、或いはリンカー構造又はその断片構造を示し、Aは、X、それに結合するリンカー構造又はその断片構造における官能基であり、Aは、リンカー構造又はその断片構造における官能基である。]
リンカー構造が、例えば式(L1)で表される基である場合は、Aは、Xの一部、或いはQに相当する構造である。例えば、Aとしては、−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−OCO−、−COO−、−SCO−、−COS−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SS−、−Ph−、−OPhO−、−OPh−、−PhO−、−SPhS−、−SPh−、−PhS−、−NHPhNH−、−NHPh−、−PhNH−、−複素環−、−O−複素環−O−、−O−複素環−、−複素環−O−、−S−複素環−S−、−S−複素環−、−複素環−S−、−NH−複素環−NH−、−NH−複素環−、−複素環−NH−等(ここで、Phは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンを示す。)が挙げられる。以下にAを形成するための方法の一例を挙げる。
Aが、−SS−の場合は、例えば、A及びAの一方が、メルカプト基であり、他方が、ピリジン−2−イルジスルファニル基であればよい。化合物(2a)と化合物(3a)を溶媒(例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、又はそれらの混合物)中で反応させることにより、化合物(1a)を得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
Aが、−NHCO−及び−CONH−の場合は、例えば、A及びAの一方が、カルボキシ基又はその活性基(例えば、4-ニトロフェノールエステル、ペンタフルオロフェ
ノールエステルのような活性エステルや、酸クロリドのような酸ハライド等)であり、他方が、アミノ基であればよい。化合物(2a)と、化合物(3a)を、溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド類、又はそれらの混合物)中、必要に応じて、縮合剤(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド又はその塩のようなカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドのようなトリアジン系縮合剤等)、活性剤(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等)、塩基(例えば、N−メチルモルホリン(NMM)、トリエチルアミンのような有機塩基等)の存在下で反応させることにより、化合物(1a)を得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
Aが、−SCO−及び−COS−の場合は、例えば、A及びAの一方が、カルボキシ基又はその活性基地(例えば、4-ニトロフェノールエステル、ペンタフルオロフェノ
ールエステルのような活性エステルや、酸クロリドのような酸ハライド等)であり、他方が、メルカプト基であればよい。化合物(2a)と、化合物(3a)を、溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド類、又はそれらの混合物)中、必要に応じて、縮合剤(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド又はその塩のようなカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドのようなトリアジン系縮合剤等)、活性剤(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等)、塩基(例えば、N−メチルモルホリン(NMM)、トリエチルアミンのような有機塩基等)の存在下で反応させることにより、化合物(1a)を得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
Aが、−複素環(1,2,3−トリアゾール)−の場合は、例えば、A及びAの一方が、アジド(N)基であり、他方が、エチニル(HC≡C)基であればよい。化合物(2a)と、化合物(3a)を、溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド類;アセトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、tert−ブタノールのようなアルコール類;水(緩衝液を含む);又はそれらの混合物)中、銅触媒(例えば、硫酸銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)等)、必要に応じて、添加剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)等の還元剤等)、配位子(例えば、トリス(ベンジルトリアゾリルメチル)アミン(TBTA)、トリス(ヒドロキシプロピルト
リアゾリルメチル)アミン(THPTA)、バソフェナントロリンジスルホネート(BP
DS)等)、塩基(例えば、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリエチルアミンのような有機塩基等)の存在下で反応させることにより、化合物(1a)を得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
また、Aがリンカー構造又はその断片構造に結合している場合、当該リンカー構造又はその断片構造は、上記のAの構築方法と同様に、或いは公知の方法でXに導入することができる。その際、反応基質にカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基のような活性基が存在する場合は、これらの官能基を、予め公知の保護基で保護しておいてもよい。
また、Aがリンカー構造又はその断片構造に結合している場合、当該リンカー構造又はその断片構造は、上記のAの構築方法と同様に、或いは公知の方法でホウ素クラスターからなる1価の基Rに導入することができる。その際、反応基質にカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基のような活性基が存在する場合は、これらの官能基を、予め公知の保護基で保護しておいてもよい。
例えば、市販されている(BSH等として)、或いは公知の方法で容易に調製できる(WO2017/164334の合成例28参照)、メルカプト基やアミノ基のような活性基を有するホウ素クラスターを用いるのであれば、その活性基に上記のAの構築方法と同様にリンカー構造の断片構造を導入できる。また、活性基を有さないホウ素クラスターにリンカー構造又はその断片構造を直接導入する方法も知られており、例えば、下記スキームで表される方法が挙げられる。
[式中、Nuは、求核付加反応により導入される基を示し、その他の記号は、上記定義の通りである。]
式(2)で表される化合物は、ホウ素クラスター(1)を、式(3)で表される化合物、酸(例えば、塩酸(塩化水素)等)、添加剤(例えば、テトラフルオロホウ酸ナトリウムのようなテトラフルオロホウ酸塩等)、必要に応じて溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミド類、又はそれらの混合物)の存在下で反応させることにより得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
式(4)で表される化合物は、式(2)で表される化合物を、対応する求核試薬、必要に応じて塩基(例えば、トリエチルアミンのような有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、フッ化セシウムのような無機塩基)の存在下で求核付加反応させることにより得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。その際、反応基質にカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基のような活性基が存在する場合は、これらの官能基を、予め公知の保護基で保護しておいてもよい。反応温度は、通常−80から150℃である。
導入基に対応する求核試薬としては、アジド(−N)基やアミノ(−NH)基を導
入する場合は、例えば、テトラブチルアンモニウムアジドが用いられ、中でもアミノ基を導入する場合は、反応後さらに、水素ガスのような還元剤及びパラジウム炭素のような触媒を用いる公知の還元反応に付す。反応温度は、通常−80から150℃である。また、例えば、2−アミノエチルチオ(−S−(CH−NH)基を導入する場合は、HS−(CH−NHBocが用いられ、反応後に、Boc基を酸(例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸等)で脱保護する。反応温度は、通常−80から150℃である。
式(5)で表される化合物は、式(2)で表される化合物を、チオ尿素、及び溶媒(例えば、メタノール、エタノール、tert−ブタノールのようなアルコール類)の存在下で反応させ、その後、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド等)で処理することにより得ることができる。反応温度は、通常−80から150℃である。
化合物(2a)は、市販のものを用いてもよいし、後記の実施例に記載の方法に従って、或いは自体公知の方法に従って製造することもできる。
以下に、合成例、比較例、実施例及び試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
本明細書中「10B−」又は「(10B)」は、10Bの同位体比が98%以上である化合物を示し、「天然型B−」は、天然の同位体比(80.1%の11Bと19.9%の10B)である化合物を示す。
以下の合成例、比較例、及び実施例において、式
で表される基を
で表す。
合成例1
1−(1,4−ジオキサニウム)−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート テトラブチルアンモニウム塩の合成
(TBA:テトラブチルアンモニウム、以下同様)
WO2017/164334に記載の方法に従い表題化合物を合成した。
合成例2
2−(2−アジドエトキシ)エトキシ−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート 二セシウム塩の合成
WO2017/164334に記載の方法に従い表題化合物を合成した。
合成例3
2−(2−アミノエトキシ)エトキシ−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート 二テトラブチルアンモニウム塩の合成
WO2017/164334に記載の方法に従い表題化合物を合成した。
合成例4
2−(2−アジドエトキシ)エトキシ−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート 二テトラブチルアンモニウム塩の合成
WO2017/164334に記載の方法に従い表題化合物を合成した。
合成例5
10B)2−(2−アジドエトキシ)エトキシ−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート 二セシウム塩の合成
合成例2と同様の操作を、天然型B−ドデカハイドロボレート 二テトラブチルアンモニウム塩の代わりに(10B)ドデカハイドロボレート 二テトラブチルアンモニウム塩
を用いて表題化合物を合成した。
比較例1
[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル β−D−グルコピラノシド 二ナトリウム塩
工程1
プロパ−2−イニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの合成
1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(1.03g,2.64mmol)、プロパルギルアルコール(0.234mL,3.96mmol)をジクロロメタン(8.8mL)に溶解し、氷冷下三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.49mL,4.0mmol)を加えた。室温に昇温して20時間撹拌した後、水(30mL)を慎重に加え、ジクロロメタン(80mL)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL×2)および水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。濾過および濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することで、表題化合物(622mg,1.61mmol,収率
61%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):409[M+Na]
H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.26(t,J=9.6Hz,1H),5.12(t,J=9.6Hz,1H),5.04(dd,J=8.0Hz,9.6Hz,1H),4.80(d,J=8.0Hz,1H),4.39(d,J=2.4Hz,2H),4.30(dd,J=4.4Hz,12.4Hz,1H),4.17(dd,J=2.4Hz,12.4Hz,1H),3.75(m,1H),2.49(m,1H),2.11(s,3H),2.08(s,3H),2.05(s,3H),2.03(s,3H).
工程2
プロパ−2−イニル β−D−グルコピラノシドの合成
工程1で得られたプロパ−2−イニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(300mg,0.78mmol)のメタノール溶液(6mL)に、氷冷下ナトリウムメトキシド(4.3mg,0.078mmol)メタノール溶液を加え、室温で2.5時間撹拌した。さらにナトリウムメトキシド(4.3mg,0.078mmol)メタノール溶液を加え1時間撹拌した後、反応溶液にカウンターカチオンがプロトンである陽イオン交換樹脂を加えてpH3−4に調整した。イオン交換樹脂を濾別し、濾液を濃縮することで表題化合物(166mg,0.76mmol,収率97%)を得た。
MS(ESI,m/z):241[M+Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ4.65(d,J=8.0Hz,1H),4.48(t,J=2.5Hz,2H),3.93(dd,J=2.2Hz,12.3Hz,1H),3.73(dd,J=5.8Hz,12.4Hz,1H),3.52(t,J=9.1Hz,1H),3.40(t,J=9.4Hz,1H),3.30(dd,J=8.0Hz,9.3Hz,1H),2.92(t,J=2.4Hz,1H).
工程3
[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル β−D−グルコピラノシド 二ナトリウム塩の合成
工程2で得られたプロパ−2−イニル β−D−グルコピラノシド(16.3mg,0.075mmol)を、tert−ブチルアルコール/水(1/1,v/v)(1.5mL)に溶解し、合成例2の化合物(40.0mg,0.075mmol)、硫酸銅五水和物(1.9mg,0.0075mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(3.0mg,0.015mmol)を室温で撹拌後、70℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、tert−ブチルアルコール/水(1/1,v/v)(1.5mL)、メタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(200mg)を加えて2時間撹拌した。樹脂を濾別した後、移動相に0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFA)を含む逆相HPLC(水/アセトニトリル)で精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより表題化合物(17.3mg,0.032mmol,収率 43%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.24(s,1H),5.02(d,J=12.7Hz,1H),4.93(d,J=12.7Hz,1H),4.65(t,J=5.0Hz,2H),4.59(d,J=8.0Hz,1H),3.97(t,J=5.0Hz,2H),3.93(dd,J=2.2Hz,12.4Hz,1H),3.75(dd,J=5.5Hz,12.4Hz,1H),3.63(s,4H),3.50(t,J=9.2Hz,1H),3.48−3.51(m,1H),3.41(t,J=9.4Hz,1H),3.30(dd,J=8.0Hz,9.3Hz,1H),0.38−2.01(m,11H).
実施例1
2−ベンジルオキシ−1,3−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロパン
四ナトリウム塩
工程1
1,3−ジトリチルオキシプロパン−2−オールの合成
グリセロール(522mg,5.67mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、塩化トリチル(3.64g,13.0mmol)を加えた。終夜撹拌後、反応液を水(70mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して得られた残渣中のピリジンをトルエンと共沸することにより表題化合物の粗結晶(3.88g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.41−7.36(m,11H),7.32−7.20(m,19H),3.95(h,J=5.5Hz,1H),3.31(dd,J=9.2,5.5Hz,2H),3.24(dd,J=9.2,5.2Hz,2H),2.27(d,J=5.8Hz,1H).
工程2
[(2−ベンジルオキシ−3−トリチルオキシ−プロポキシ)−ジフェニル−メチル]ベンゼンの合成
工程1で得られた1,3−ジトリチルオキシプロパン−2−オールの粗結晶(3.88g)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)(20mL)に溶解し、氷浴を用いて冷却した。アルゴン雰囲気下、55%水素化ナトリウム(349mg,8.00mmol)を加え、撹拌した。30分間撹拌後、ベンジルブロミド(0.95mL,8.00mmol)を加えて2時間撹拌後、氷冷下で水を加えた後、反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して得られた残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解し、メタノール(60mL
)を加えて減圧下濃縮した。更にジクロロメタン(10mL)およびメタノール(20mL)を加えて析出した固体を濾取することにより、表題化合物(3.30g,4.95mmol,87%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.42−7.36(m,12H),7.337.18(m,23H),4.60(s,2H),3.77−3.72(m,1H),3.34−3.25(m,4H).
工程3
2−ベンジルオキシプロパン−1,3−ジオールの合成
工程2で得られた[(2−ベンジルオキシ−3−トリチルオキシ−プロポキシ)−ジフェニル−メチル]ベンゼン(3.30g,4.95mmol)を1,4−ジオキサン(20mL)に溶解し、10%硫酸水溶液(6mL)を加えて一晩加熱還流した。室温に降温し撹拌しながら水(15mL)を加え、析出した固体を濾別した。濾液を濃縮して得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(699mg,3.84mmol,収率 77%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,DO)δ7.40−7.31(m,5H),4.62(s,2H),3.68−3.54(m,5H).
工程4
2−ベンジルオキシ−1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパンの合成
反応容器に55%水素化ナトリウム(419mg,9.60mmol)を計り取り、DMF(5mL)を加え、アルゴン雰囲気下、工程3で得られた2−ベンジルオキシプロパン−1,3−ジオール(699mg,3.84mmol)のDMF溶液(5mL)を加えた。室温で30分間撹拌した後、臭化プロパルギル(0.578mL,7.68mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(142mg,0.384mmol)を加えて35℃で4時間撹拌した。反応液に臭化プロパルギル(0.289mL,3.84mmol)を加えて35℃で一晩撹拌した。反応液を水(60mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(617mg,2.39mmol,収率 62%)を黄色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.40−7.24(m,5H),4.7
0(s,2H),4.18(d,J=2.4Hz,4H),3.82−3.74(m,1H),3.73−3.61(m,4H),2.43(t,J=2.4Hz,2H).
工程5
2−ベンジルオキシ−1,3−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロパン
四ナトリウム塩の合成
工程4で得られた2−ベンジルオキシ−1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパン(77.5mg,0.300mmol)をtert−ブタノール/水(2/1)(6mL)に溶解し、アルゴン置換した。反応液に合成例2の化合物 (322mg,0.60
0mmol)、硫酸銅五水和物(37.5mg,0.150mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(89.1mg,0.450mmol)を加え、再度アルゴン置換後、70℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、メタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(600mg)を加えて1時間撹拌後、樹脂を濾別し濾液を濃縮した。得られた残渣を移動相に0.05%TFAを含む逆相HPLCで精製することにより、表題化合物のフリー体(93.6mg,0.117mmol,収率30%)を白色固体として得た。同様にして得たフリー体との合計(159mg,0.197mmol)を水に溶解し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(157mg,0.179mmol,収率 90%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.14(s,1H),8.13(s,1H),7.36−7.22(m,5H),4.57(s,1H),4.54−4.47(m,8H),3.81−3.67(m,5H),3.61−3.50(m,3H),3.46−3.35(m,10H),1.65−0.13(m,22H).
実施例2
2−ヒドロキシ−1,3−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロパン 四ナトリウム塩
工程1
1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパン−2−オールの合成
アルゴン雰囲気下、グリシジルプロパルギルエーテル(0.976mL,8.92mmol)のジエチルエーテル溶液(10mL)に、氷冷下プロパルギルアルコール(0.526mL,8.92mmol)および三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(0.011mL,0.892mmol)を加えた。一晩撹拌後、反応液を水(50mL)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で粗精製した。更に逆相HPLCで精製し、目的のフラクションを濃縮して有機溶媒を除いた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(105mg,0.624mmol,収率 7.0%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.21(dd,J=2.4,0.5Hz,4H),4.02(tt,J=6.3,4.3Hz,1H),3.65(dd,J=9.7,4.2Hz,2H),3.58(dd,J=9.7,6.3Hz,2H),2.45(t,J=2.4Hz,2H),2.41(s,1H).
工程2
2−ヒドロキシ−1,3−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロパン 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程1で得られた1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパン−2−オール(86.7mg,0.515mmol)に対して行い、表題化合物(186mg,0.244mmol,収率 47%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.01(s,2H),4.54(s,4H),4.47(m,3H),3.89−3.75(m,5H),3.51−3.33(m,12H),2.00−0.02(m,22H).
実施例3
N−フェニルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩
工程1
N−フェニルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピルの合成
実施例2の工程1で得た1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパン−2−オール(49.0mg,0.291mmol)のピリジン溶液(2.6mL)に、イソシアン酸フェニル(0.056mL,0.52mmol)を加えた。100℃で2時間撹拌後、イソシアン酸フェニル(0.028mL,0.26mmol)を追加し、100℃で一晩撹拌した。減圧下反応液を濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で粗精製することにより表題化合物(77.0mg,0.277mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.41−7.34(m,2H),7.34−7.27(m,2H),7.14−7.03(m,1H),6.71(s,1H),5.20−5.12(m,1H),4.21(d,J=2.4Hz,4H),3.84−3.73(m,4H),2.45(t,J=2.4Hz,2H).
工程2
N−フェニルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程1で得られたN−フェニルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピル(77.0mg,0.277mmol)に対して行い、表題化合物(60.3mg,0.0655mmol,収率 24%)を得た。
MS(ESI,m/z):944[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.05(s,2H),7.42−7.23(m,4H),7.16−7.09(m,1H),5.05−4.99(m,1H),4.70−4.61(m,4H),4.46(t,J=5.2Hz,4H),3.82(t,J=5.2Hz,4H),3.78−3.67(m,4H),3.54−3.46(m,8H),1.90−0.40(m,22H).
実施例4
N−エチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩
工程1
N−エチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピルの合成
実施例2の工程1で得た1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)プロパン−2−オール(38.0mg,0.226mmol)のピリジン溶液(2.3mL)に、イソシアン酸エチル(0.035mL,0.45mmol)を加えて50℃で1.5時間撹拌した。反応液にイソシアン酸エチル(0.175mL,2.26mmol)を追加して50℃で5時間撹拌した後、更にイソシアン酸エチル(0.175mL,2.26mmol)を加えて80℃で3時間撹拌した後、イソシアン酸エチル(0.088mL,1.13mmol)を加えて2時間撹拌した。室温に降温し減圧下濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、無色油状の表題化合物(22.5mg,0.0940mmol,収率 42%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.09−5.01(m,1H),4.73(s,1H),4.19(d,J=2.4Hz,4H),3.78−3.65(m,4H),3.28−3.17(m,2H),2.44(t,J=2.4Hz,2H),1.14(t,J=7.3Hz,3H).
工程2
N−エチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程1で得られたN−エチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピル(22.5mg,0.0940mmol)に対して行い、表題化合物(27.4mg,0.0314mmol,収率 33%)を得た。
MS(ESI,m/z):396[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.09(s,2H),4.94−4.87(
m,1H),4.67−4.54(m,8H),3.89(t,J=5.2Hz,4H),3.69−3.60(m,4H),3.53(s,8H),3.05(q,J=7.3Hz,2H),1.90−0.31(m,25H).
実施例5
N−ブチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩
工程1
N−ブチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピルの合成
実施例3の工程1と同様の操作を、イソシアン酸フェニルの代わりにイソシアン酸ブチル(0.167mL,1.40mmol)を用いて行い、無色油状の表題化合物(43.4mg,0.162mmol,収率 81%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.05(p,J=4.9Hz,1H),4.75(s,1H),4.19(d,J=2.4Hz,4H),3.77−3.67(m,4H),3.17(q,J=6.8Hz,2H),2.43(t,J=2.4Hz,2H),1.52−1.42(m,2H),1.39−1.29(m,2H),0.92(t,J=7.3Hz,3H).
工程2
N−ブチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩の合成
工程1で得られたN−ブチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピル(43.4mg,0.162mmol)をtert−ブタノール/水(2/1)(4.8mL)に、溶解し、アルゴン置換した。更に合成例2の化合物 (174
mg,0.324mmol)、硫酸銅五水和物(20.2mg,0.0810mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(48.1mg,0.243mmol)を加え、再度アルゴン置換後、70℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、水(5mL)およびメタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(300mg)を加えて2時間撹拌後、樹脂を濾別し濾液を濃縮した。得られた残渣をメタノール/水(5/6,v/v)(11mL)に溶解し、フッ化セシウム(98.4mg,0.648mmol)のメタノール溶液(1mL)を加えて室温で1時間撹拌した。減圧下濃縮し凍結乾燥して得られた残渣を、メタノール(10mL)およびアセトニトリルで洗浄し表題化合物のセシウム塩の混合物(154mg)を得た。これを更に逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(17.9mg,0.0199mmol,収率 12%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):924[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.09(s,2H),4.91(s,1H),4.65−4.54(m,8H),3.89(dd,J=5.5,4.5Hz,4H),3.70−3.61(m,4H),3.53(s,8H),3.02(t,J=6.8Hz,2H),1.90−0.36(m,29H).
実施例6
N−ペンチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩
工程1
N−ペンチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピルの合成
実施例3の工程1と同様の操作を、イソシアン酸フェニルの代わりにイソシアン酸ペンチル(0.253mL,1.97mmol)を用いて行い、無色油状の表題化合物(66
.0mg,0.235mmol,収率 60%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.05(p,J=4.9Hz,1H),4.76(s,1H),4.19(d,J=2.4Hz,4H),3.77−3.67(m,4H),3.20−3.12(m,2H),2.43(t,J=2.4Hz,2H),1.55−1.44(m,2H),1.37−1.23(m,4H),0.93−0.84(m,3H).
工程2
N−ペンチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程1で得られたN−ペンチルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピル(66.0mg,0.235mmol)に対して行い、表題化合物(78.5mg,0.0858mmol,収率 37%)を得た。
MS(ESI,m/z):938[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.08(s,2H),4.93−4.87(m,1H),4.62(d,J=5.8Hz,4H),4.55(dd,J=5.6,4.4Hz,4H),3.88(dd,J=5.6,4.5Hz,4H),3.68−3.59(m,4H),3.52(s,8H),3.01(t,J=6.8Hz,2H),1.89−0.33(m,31H).
実施例7
N−シクロヘキシルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩
工程1
N−シクロヘキシルカルバミン酸 2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピルの合成
実施例3の工程1と同様の操作を、イソシアン酸フェニルの代わりにイソシアン酸シクロヘキシル(0.311mL,2.47mmol)を用いて行い、無色油状の表題化合物(52.6mg,0.179mmol,収率 87%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ5.03(t,J=4.9Hz,1H),4.69(d,J=8.0Hz,1H),4.19(d,J=2.4Hz,4H),3.77−3.67(m,4H),3.54−3.41(m,1H),2.43(t,J=2.4Hz,2H),1.98−1.89(m,2H),1.75−1.64(m,2H),1.64−1.53(m,1H),1.41−1.26(m,2H),1.22−1.07(m,3H).
工程2
N−シクロヘキシルカルバミン酸 2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロピル 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程1で得られたN−シクロヘキシルカルバミン酸
2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロピル(52.6mg,0.179mmol)に対して行い、表題化合物(29.5mg,0.0318mmol,収率 18%)を得た。
MS(ESI,m/z):950[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.07(s,2H),4.91−4.87(m,1H),4.61(d,J=4.9Hz,4H),4.55(dd,J=5.6,4.5Hz,4H),3.88(dd,J=5.5,4.6Hz,4H),3.66−3.60(m,4H),3.52(s,8H),3.21(s,1H),1.88−0.32(m,32H).
実施例8
4−[2−[1,3−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼン 四ナトリウム塩
工程1
5−(4−メチルフェノキシ)−2−フェニル−1,3−ジオキサンの合成
2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−オール(541mg,3.00mmol)、
p−クレゾール(0.314mL,3.00mmol)およびトリフェニルホスフィン(787mg,3.00mmol)にトルエン(10mL)を加えて溶解し、氷冷下アゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)(703mg,3.00mmol)のトルエン溶液(5mL)を加えて室温で一晩撹拌した。反応液を軽く濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(296mg,1.09mmol,収率 36%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.54−7.46(m,2H),7.42−7.32(m,3H),7.13−7.05(m,2H),6.89−6.82(m,2H),5.49(s,1H),4.61−4.46(m,3H),3.86−3.73(m,2H),2.29(s,3H).
工程2
2−(4−メチルフェノキシ)プロパン−1,3−ジオールの合成
工程1で得られた5−(4−メチルフェノキシ)−2−フェニル−1,3−ジオキサン(294mg,1.09mmol)の酢酸エチル溶液(8mL)に、メタノール(16mL)および触媒量の10%パラジウム/炭素(水分53%)を加えて水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応液に4N 塩酸/酢酸エチル(1mL)を加えて更に水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。不溶物を濾別し、減圧下溶媒を留去することにより油状の粗生成物(213mg)を得た。同様にして得た粗生成物(174mg)と合わせてシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(338mg,1.85mmol,収率 95%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.11−7.08(m,2H),6.91−6.87(m,2H),4.39(quint,J=4.0Hz,1H),3.94−3.86(m,4H),2.29(s,3H).
工程3
4−[2−[1,3−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼン 四ナトリウム塩の合成
アルゴン雰囲気下、工程2で得られた2−(4−メチルフェノキシ)プロパン−1,3−ジオール(117mg,0.640mmol)のアセトニトリル溶液(6.4mL)に、氷冷下55%水素化ナトリウム(84.5mg,1.41mmol)を加え、室温に昇温した。30分間撹拌後、合成例1の化合物(603mg,1.28mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、不溶物を濾別後、減圧下濾液を濃縮した。得られた残渣をメタノール(8mL)に溶解し、フッ化セシウム(389mg,2.56mmol)のメタノール溶液(2mL)を加えて室温で2時間撹拌した。析出した固体をアセトニトリル(35mL)で洗浄することにより、表題化合物のセシウム塩の粗結晶(601mg)を得た。このうちの一部(278mg)を逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(68.6mg,0.0940mmol,収率 32%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):753[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.18−7.13(m,2H),6.97−6.92(m,2H),4.64−4.58(m,1H),3.77−3.49(m,20H),2.22(s,3H),1.90−0.40(m,22H).
実施例9
4−[2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼン 四ナトリウム塩
工程1
4−[2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼンの合成
実施例1の工程4と同様の操作を、実施例8の工程2で得られた2−(4−メチルフェノキシ)プロパン−1,3−ジオール(140mg,0.770mmol)に対して行い、表題化合物(108mg,0.417mmol,収率 54%)を黄色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.10−7.05(m,2H),6.91−6.87(m,2H),4.51(p,J=5.0Hz,1H),4.21(dd,J=2.4,0.4Hz,4H),3.82−3.74(m,4H),2.43(t,J=2.4Hz,2H),2.28(s,3H).
工程2
4−[2−[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼン 四ナトリウム塩の合成
工程1で得られた4−[2−[1,3−ビス(プロパ−2−イノキシ)]プロポキシ]−1−メチル−ベンゼン(108mg,0.417mmol)をtert−ブタノール/水(2/1)(12.3mL)に、溶解し、アルゴン置換した。更に合成例2の化合物(448mg,0.834mmol)、硫酸銅五水和物(20.2mg,0.0810mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(52.1mg,0.209mmol)を加
え、再度アルゴン置換後、70℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、水(5mL)およびメタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(650mg)を加えて2時間撹拌後、樹脂を濾別し濾液を濃縮した。得られた水溶液にフッ化セシウム(253mg,1.67mmol)の水溶液(2mL)を加えて室温で2時間撹拌し、凍結乾燥した。得られた残渣をメタノールおよびアセトニトリルで洗浄し表題化合物のセシウム塩の粗結晶(460mg)を得た。このうちの一部(119mg)を逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(18.2mg,0.0209mmol,収率 19%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):915[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.96(s,2H),7.07(d,J=8.0Hz,2H),6.75(d,J=8.6Hz,2H),4.61(d,J=6.7Hz,4H),4.52(t,J=4.6Hz,1H),4.48(dd,J=5.7,4.4Hz,4H),3.82(td,J=4.9,1.4Hz,4H),3.76−3.64(m,4H),3.48(s,8H),2.20(s,3H),1.90−0.35(m,22H).
実施例10
N1,N1−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−1,1−シクロヘキサンジアセトアミド 四ナトリウム塩
1,1−シクロヘキサン二酢酸(61.4mg,0.307mmol)のメタノール溶液(5mL)に、合成例3の化合物(438mg,0.600mmol)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(以下、DMT−MM)(183mg,0.660mmol)およびN−メチルモルホリン(0.073mL,0.660mmol)を加えて一晩撹拌した。不溶物を濾別し、濾液にフッ化セシウム(182mg,1.20mmol)のメタノール溶液(1mL)を加えて2時間撹拌し、析出した固体を濾取することにより、表題化合物のセシウム塩の粗結晶(314mg)を得た。これを逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(32.8mg,0.0440mmol,収率 14%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):769[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ3.59−3.51(m,12H),3.33(t,J=5.3Hz,4H),2.32(s,4H),1.86−0.40(m,32H).
実施例11
N−[(1S)−1−[[4−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸 tert−ブチル 四ナトリウム塩
工程1
N−[(1S)−1−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸 tert−ブチル テトラブチルアンモニウム塩の合成
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン(231mg,0.822mmol)のメタノール溶液(5.5mL)に、合成例3の化合物(400mg,0.548mmol)、DMT−MM(228mg,0.822mmol)およびN−メチルモルホリン(0.090mL,0.822mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、反応液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(290mg,0.570mmol,収率 69%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.09(d,J=8.1Hz,2H),6.72(d,J=8.8Hz,2H),4.26−4.20(m,1H),4.02(s,8H),3.73(t,J=5.2Hz,2H),3.61−3.58(m,2H),3.39−3.35(m,2H),3.30−3.21(m,2H),3.01(dd,J=13.9,5.8Hz,1H),2.81(dd,J=13.8,8.9Hz,1H),2.01−0.62(m,48H).
工程2
N−[(1S)−1−[[4−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸 tert−ブチル 四ナトリウム塩の合成
工程1で得られたN−[(1S)−1−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−
[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸 tert−ブチル テトラブチルアンモニウム塩(144mg,0.284mmol)のアセトニトリル溶液(2.8mL)に、炭酸カリウム(196mg,1.42mmol)および合成例1の化合物(147mg,0.313mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を濃縮後、再度アセトニトリル(3.0mL)に溶解し、(196mg,1.42mmol)および合成例1の化合物(147mg,0.313mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を濃縮して得られた残渣をメタノール(5.0mL)に溶解し、フッ化セシウム(190mg,1.25mmol)のメタノール溶液(1mL)を加えて室温で1時間半撹拌した。析出した固体を濾取し、アセトニトリルで洗浄することにより、表題化合物のセシウム塩の粗結晶(252mg)を得た。これを逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(34.1mg,0.0412mmol,収率 15%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):851[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.16(d,J=8.6Hz,2H),6.92(d,J=8.4Hz,2H),4.24−4.07(m,3H),3.85−3.76(m,2H),3.61(s,4H),3.58−3.39(m,6H),3.32−3.22(m,2H),3.04−2.95(m,1H),2.78(dd,J=14.0,9.1Hz,1H),1.90−0.35(m,31H).
実施例12
(2S)−2−アミノ−3−[4−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−N−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]プロパンアミド 四ナトリウム塩
実施例11の工程1で得られたN−[(1S)−1−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸 tert−ブチル テトラブチルアンモニウム塩(157mg,0.308mmol)のアセトニトリル溶液(3mL)に、炭酸カリウム(213mg,1.54mmol)および合成例1の化合物(189mg,0.400mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。更にアセトニトリル(2mL)、炭酸カリウム(85.1mg,0.616mmol)および合成例1の化合物(72.6mg,0.154mmol)を追加して80℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、不溶物を濾別した後、濾液を濃縮して得られた残渣をメタノール(4mL)に溶解し、フッ化セシウム(168mg,1.11mmol)のメタノール溶液(1mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。析出した固体濾取した後、水(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3mL)を加えて5時間撹拌した。反応液を濃縮し、凍結乾燥して得られた残渣を逆相HPLCで精製しカウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(37.8mg,0.0519mmol,収率 17
%)を白色固体として得た。
MS (ESI, m/z): 705[M+3Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.18(d,J=8.7Hz,2H),6.97(d,J=8.7Hz,2H),4.19−4.10(m,3H),3.85−3.78(m,2H),3.65−3.44(m,9H),3.43−3.21(m,3H),3.08(d,J=7.3Hz,2H),1.90−0.45(m,22H).
実施例13
4−[(2S)−2,3−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−3−オキソ−プロピル]フェノラート 五ナトリウム塩
工程1
N−[(1S)−1−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸ベンジル テトラブチルアンモニウム塩の合成
実施例11の工程1と同様の操作を、N−ベンジルオキシカルボニル−L−チロシン(505mg,1.60mmol)に対して行い、表題化合物(716mg,0.912mmol, 収率 57%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.40−7.23(m,5H),7.10(d,J=8.5Hz,2H),6.71(d,J=8.5Hz,2H),5.09(d,J=12.6Hz,1H),5.01(d,J=12.6Hz,1H),4.32(dd,J=9.0,5.7Hz,1H),3.80−3.70(m,4H),3.62−3.46(m,4H),3.29−3.22(m,8H),3.05(dd,J=13.8,5.7Hz,1H),2.84(dd,J=13.8,9.0Hz,1H),1.99−0.54(m,39H).
工程2
4−[(2S)−2,3−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−3−オキソ−プロピル]フェノラート 五ナトリウム塩の合成
実施例11の工程2と同様の操作を、工程1で得られたN−[(1S)−1−[(4−
ヒドロキシフェニル)メチル]−2−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]−2−オキソ−エチル]カルバミン酸ベンジル
テトラブチルアンモニウム塩を用いて行い、表題化合物(94.5mg,0.126mmol,収率 28%)を得た。
MS(ESI,m/z):731[M+4Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.06−7.02(m,2H),6.85−6.80(m,2H),4.38(dd,J=5.5,4.6Hz,1H),4.07−4.02(m,2H),3.76−3.70(m,2H),3.53(s,4H),3.44−3.18(m,8H),3.02−2.86(m,2H),1.07(m,22H).
実施例14
N,N−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−ベンジルアミン 四ナトリウム塩
実施例11の工程2と同様の操作を、ベンジルアミン(0.109mL,1.00mmol)を用いて行い、表題化合物(10.2mg,0.0156mmol,収率 12%)を得た。
MS(ESI,m/z):656[M+4Na+H]
H−NMR(400MHz,DO)δ7.56−7.51(m,2H),7.51−7.43(m,3H),4.46(s,2H),3.80(s,4H),3.64−3.52(m,8H),3.42(s,4H),1.97−0.10(m,24H).
実施例15
2−[[ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]アミノ]メチル]ピリジン 四ナトリウム塩
実施例11の工程2と同様の操作を、2−ピコリルアミン(0.050mL,0.500mmol)を用いて行い、表題化合物(80.9mg,0.123mmol,収率 25%)を得た。
MS(ESI,m/z):656[M+4Na+H]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.60−8.56(m,1H),7.91(td,J=7.8,1.8Hz,1H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.45(ddd,J=7.7,5.0,1.1Hz,1H),4.59(s,2H),3.
81(t,J=5.7,4.2Hz,4H),3.63−3.42(m,12H),1.90−0.31(m,22H).
実施例16
(2S)−2−アミノ−3−[1,3−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]イミダゾール−3−イウム−4−イル]プロパン酸 メチル トリフルオロ酢酸 三ナトリウム塩
(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 メチル(28.6mg,0.106mmol)に、アセトニトリル(2.1mL)、炭酸カリウム(147mg,1.06mmol)、合成例1の化合物(100mg,0.212mmol)を室温で加えた後、70℃に昇温して27時間撹拌した。室温に降温した後、不溶物を濾別し溶媒を留去して得られた残渣をジエチルエーテル/メタノール (5/1)で2回スラリー洗浄した後、減圧乾燥することで白色固体
を得た。これをジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.11mL,0.53mmol)を室温で加え、氷冷下トリフルオロ酢酸(1.0mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。析出した固体を濾過し、減圧乾燥して得られた固体(71.5mg,0.096mmol)の一部(20.0mg,0.027mmol)をメタノール/水(1/1)に溶解し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理した溶液を濃縮し凍結乾燥することにより、表題化合物(20.7mg,0.026mmol,収率95%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ8.96(m,1H),7.83(s,0.5H),7.57(m,1H),7.24(s,0.5H),4.44(m,3H),4.22(t,J=5.1Hz,1H),4.12−4.28(m,1H),3.93(m,2H),3.84(s,3H),3.62−3.66(m,10H),3.18−3.39(m,2H),0.44−1.96(m,22H).
実施例17
(2S)−2−アミノ−3−[3,4−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]プロパン酸 トリフルオロ酢酸 四ナトリウム塩
工程1
(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸の合成
L−ドーパ(1.0g,5.1mmol)に、1,4−ジオサン/水(1/1,46mL)を室温で加えた後、氷浴を用いて冷却した。トリエチルアミン(1.1mL,7.6mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.2mL,5.6mmol)を滴下し、氷冷下1.5時間、室温にて2時間撹拌した。濃縮した後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて水層に抽出した。水層を1N塩酸でpH2−3に調整して酢酸エチルで抽出し、有機層を15%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(1.48g,4.97mmol,収率98%)を褐色固体として得た。
MS(ESI,m/z):595[2M+H]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ6.67(d,J=8.0Hz,1H),6.66(s,1H),6.53(dd,J=2.1Hz,8.0Hz,1H),4.27(dd,J=5.2Hz,8.4Hz,1H),2.98(dd,J=5.2Hz,13.9Hz,1H),2.77(dd,J=8.5Hz,13.9Hz,1H),1.40(s,9H).
工程2
(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸 tert−ブチルの合成
工程1で得られた(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(1.45g,4.88mmol)に、トルエン(24.5mL)およびtert−ブチルアルコール(6.6mL)を室温にて加えた後、110℃に昇温し45分間撹拌した。110℃にてジネオペンチルアセタール DMF溶液(4.1mL,14.6mmol)を加え、熱還流して4.5時間撹拌した。室温に戻し、ジクロロメタンで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製することで、表題化合物(775mg,2.19mmol,収率45%)を得た。
MS(ESI,m/z):354[M+H]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ6.68(d,J=8.0Hz,1H),6.64(d,J=2.0Hz,1H),6.52(dd,J=2.1Hz,8.0Hz,1H),4.14(t,J=7.1Hz,1H),2.85(dd,J=6.5Hz,13.8Hz,1H),2.76(dd,J=7.9Hz,13.7Hz,1H),1.41(s,9H),1.40(s,9H).
工程3
(2S)−3−[3,4−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチル 四セシウム塩の合成
工程2で得られた(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸 tert−ブチル(150mg,0.42mmol)に、アセトニトリル(8.5mL)、炭酸カリウム(587mg,4.24mmol)および合成例1の化合物(440mg,0.93mmol)を室温にて加えた後、加熱還流下23時間撹拌した。室温に降温した後、不溶物を濾別し、ろ液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製した。得られた固体をメタノールに溶解し、フッ化セシウム(218mg,1.44mmol)を加えて析出した固体を濾過することにより、表題化合物(204mg,0.15mmol,収率36%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.07(d,J=8.2Hz,1H),6.99(s,1H),6.90(dd,J=1.9Hz,8.3Hz,1H),4.22−4.29m,5H),3.87−3.92(m,4H),3.68−3.70(m,8H),2.92−3.07(m,2H),1.39(s,18H),0.40−1.88(m,22H).
工程4
(2S)−2−アミノ−3−[3,4−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]プロパン酸 トリフルオロ酢酸
四ナトリウム塩の合成
工程3で得られた(2S)−3−[3,4−ビス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチル 四セシウム塩(180mg,0.13mmol)に、ジクロロメタン(1.3mL)およびトリイソプロピルシラン(0.138mL,0.67mmol)を室温にて加えた後、氷冷下トリフルオロ酢酸(1.3mL)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。トルエンを加え減圧下溶媒を留去して得られた残渣をメタノール/水(1/1,v/v)に溶解し、カウンターカチオンがピリジニウムの陽イオン交換樹脂で処理し、溶液を濃縮し凍結乾燥した。得られた固体を更にメタノール/水(1/1,v/v)に溶解し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理し、溶液を濃縮し凍結乾燥することによって表題化合物(170mg,収率 定量的)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.10(d,J=8.3Hz,1H),7.02(s,1H),6.93(d,J= 8.2Hz,1H),4.25(m,4H),
3.91(m,5H),3.26−3.31(m,8H),3.29(dd,J=4.4Hz,14.6Hz,1H),2.99(dd,J=9.1Hz,14.2Hz,1H),0.42−2.02(m,22H).
実施例18
(2S)−2−アミノ−3−[3,4−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロパン酸 トリフルオロ酢酸 四ナトリウム塩
工程1
(2S)−3−[3,4−ビス(プロパ−2−イノキシ)フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチルの合成
実施例17の工程2で得られた(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸 tert−ブチル(200mg,0.57mmol)に対して、アセトン(3.8mL)、プロパルギルブロミド(0.213mL,2.83mmol)、ヨウ化ナトリウム(171mg,1.14mmol)および炭酸カリウム(236mg,1.71mmol)を室温にて加えた後、加熱還流下19.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸水溶液および15%食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することで表題化合物(169mg,0.39mmol,収率69%)を得た。
MS(ESI,m/z):859[2M+H]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.00(d,J=8.2Hz,1H),6.97(d,J=1.9Hz,1H),6.82(dd,J=1.7Hz,8.2Hz,1H),4.74(d,J=2.4Hz,2H),4.73(d,J=2.4Hz,2H),4.21(dd,J=6.5Hz,8.1Hz,1H),2.98(dd,J=6.3Hz,13.8Hz,1H),2.94(t,J=2.4Hz,1H),2.91(t,J=2.4Hz,1H),2.85(dd,J=8.4Hz,13.8Hz,1H),1.41(s,18H).
工程2
(2S)−3−[3,4−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチル
工程1で得られた(2S)−3−[3,4−ビス(プロパ−2−イノキシ)フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチル(150
mg,0.35mmol)に対して行い、tert−ブチルアルコール/水(1/1,3.5mL)、合成例2の化合物(375mg,0.70mmol)、硫酸銅五水和物(17.4mg,0.070mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(27.7mg,0.14mmol)を室温にて加えた後、70℃にて19時間撹拌した。室温に降温し、tert−ブチルアルコール/水(1/1,v/v,3.5mL)、メタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(900mg)を加えて3時間撹拌した。樹脂を濾別し濾液を濃縮後、凍結乾燥した。得られた残渣をメタノールおよび酢酸エチル/メタノール(3/2,v/v)で洗浄した後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製することにより、表題化合物(290mg,0.19mmol,収率 55%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.21(s,1H),8.17(s,1H),7.07(t,J=9.2Hz,2H),6.89(d,J=7.5Hz,1H),5.31(m,4H),4.62(m,4H),4.21−4.23(m,1H),3.93(m,1H),3.51−3.55(m,8H),2.97(m,2H),1.29(s,18H),0.21−2.14(m,22H).
工程3
(2S)−2−アミノ−3−[3,4−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]プロパン酸 トリフルオロ酢酸 四ナトリウム塩の合成
実施例17の工程4と同様の操作を、工程2で得られた(2S)−3−[3,4−ビス[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]フェニル]−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 tert−ブチル(280mg,0.19mmol)に対して行い、表題化合物(218mg,0.21mmol,収率 定量的)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.17(s,1H),8.13(s,1H),7.10−7.14(m,2H),6.95(d,J=7.8Hz,1H),5.29−5.30(m,4H),4.62−4.64(m,4H),3.93(m,5H),3.51−3.54(m,8H),3.28−3.32(m,1H),2.98−3.04(m,1H),0.31−2.08(m,22H).
実施例19
メチル 2,3−ビス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 四ナトリウム塩
工程1
メチル 4,6−ベンジリデン−2,3−ビス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
実施例1の工程4と同様の操作を、メチル 4,6−O−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド(501mg,1.77mmol)を用いて行い、表題化合物(638mg,1.78mmol,収率 定量的)を黄色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.51−7.46(m,2H),7.40−7.33(m,3H),5.54(s,1H),4.88(d,J=3.8Hz,1H),4.51−4.37(m,4H),4.29(dd,J=9.9,4.5Hz,1H),3.99(t,J=9.2Hz,1H),3.88−3.79(m,1H),3.77−3.69(m,2H),3.60(t,J=9.3Hz,1H),3.45(s,3H),2.46(t,J=2.4Hz,1H),2.43(t,J=2.4Hz,1H).
工程2
メチル 2,3−ビス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
工程1で得られたメチル 4,6−ベンジリデン−2,3−ビス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシド(138mg,0.386mmol)に70%酢酸(4mL)を加えて70℃で2時間撹拌した。反応液を室温に降温し、減圧下濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。更に水層を酢酸エチルで抽出後、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製することにより、表題化合物(72.8mg,0.269mmol,収率 70%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.93(d,J=3.5Hz,1H),4.52(dd,J=15.9,2.4Hz,1H),4.42−4.27(m,3H),3.92−3.75(m,3H),3.71−3.65(m,1H),3.63−3.52(m,2H),3.44(s,3H),2.60(d,J=2.3Hz,1H),2.50(t,J=2.4Hz,1H),2.47(t,J=2.4Hz,1H),1.92(dd,J=7.2,5.6Hz,1H).
工程3
メチル 2,3−ビス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 四ナトリウム塩の合成
実施例1の工程5と同様の操作を、工程2で得られたメチル 2,3−ビス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシド(72.8mg,0.269mmol)を用いて行い、表題化合物(52.5mg,0.0553mmol,収率 21%)を得た。
MS(ESI,m/z):927[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.10(s,1H),8.02(s,1H),4.88−4.78(m,3H),4.74(s,2H),4.55(dd,J=5.6,4.4Hz,4H),3.90−3.84(m,4H),3.78(dd,J=12.3,2.3Hz,1H),3.70−3.60(m,2H),3.58−3.47(m,10H),3.42(dd,J=10.1,8.8Hz,1H),3.31(s,3H),1.88−0.32(m,33H).
実施例20
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−β−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−β−D−グルコピラノシドの合成
メチル β−D−グルコピラノシド(642mg,3.31mmol)のDMF溶液(0.58mL)にイミダゾール(270mg,3.97mmol)を室温で加えた後、氷
冷下tert−ブチルジフェニルクロロシラン(1.0g,3.64mmol)を加え、室温にて19時間撹拌した。反応溶液にジエチルエーテルおよび水を加えて有機層に抽出し、更に水、10%クエン酸水溶液および15%食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製することで表題化合物(846mg,1.96mmol,収率 59%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.73−7.76(m,4H),7.36−7.43(m,6H),4.18(d,J=7.8Hz,1H),4.01(dd,J=1.6Hz,11.0Hz,1H),3.87(dd,J=5.1Hz,11.1Hz,1H),3.54(s,3H),3.34−3.42(m,3H),3.19(t,J=8.4Hz,1H),1.04(s,9H).
工程2
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−グルコピラノシドの合成
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(302.0mg,6.91mmol)にDMF(1.5mL)を加えて懸濁させ、氷冷下工程1で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−β−D−グルコピラノシド(830mg,1.92mmol)のDMF溶液(2.3mL)を加えて室温で20分間撹拌した。氷冷下プロパルギルブロミド(0.65mL,8.64mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(70.9mg,0.19mmol)を加え室温にて一晩撹拌した。反応液を氷冷し、水およびジエチルエーテルを加えて有機層に抽出し、有機層を10%クエン酸水溶液および15%食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(475mg,0.87mmol,収率 45%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.72−7.76(m,4H),7.37−7.45(m,6H),4.35−4.55(m,6H),4.25(d,J=7.8Hz,1H),3.99(dd,J=1.8Hz,11.3Hz,1H),3.88(dd,J=4.7Hz,11.4Hz,1H),3.55(t,J=8.7Hz,1H),3.49(d,J=8.6Hz,1H),3.33−3.36(m,1H),3.27(d,J=8.5Hz,1H),2.84(t,J=2.4Hz,1H),2.83(t,J=2.4Hz,1H),2.73(t,J=2.4Hz,1H),1.05(s,9H).
工程3
メチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−グルコピラノシドの合成
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−グルコピラノシド(450mg,0.82mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4.2mL)に、氷冷下1M フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム テトラヒドロフラン溶液(1.64mL,1.64mmol)を加え、
室温にて6時間撹拌した。水およびジクロロメタンを加えて有機層に抽出し、更に水および15%食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製することで表題化合物(239mg,0.77mmol,収率 94%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ4.50(d,J=2.4Hz,1H),4.48(d,J=2.4Hz,1H),4.45(d,J=2.4Hz,1H),4.43(d,J=2.4Hz,1H),4.39(d,J=2.4Hz,1H),4.37(d,J=2.4Hz,1H),4.24(d,J=7.8Hz,1H),3.89(dd,J=2.1Hz,12.0Hz,1H),3.65(dd,J=5.6Hz,12.0Hz,1H),3.55(t,J=8.8Hz,1H),3.52(s,3H),3.35(t,J=9.2Hz,1H),3.25−3.30(m,1H),3.26(dd,J=7.8Hz,9.0Hz,1H),2.84(t,J=2.4Hz,1H),2.83(t,J=2.2Hz,1H),2.83(t,J=2.2Hz,1H).
工程4
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−β−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩の合成
工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−グルコピラノシド(60.0mg,0.20mmol)をtert−ブタノール/水(2/1)(10mL)に溶解し、アルゴン置換した。反応液に合成例2の化合物 (31
3mg,0.590mmol)、硫酸銅五水和物(14.6mg,0.059mmol)およびL−アスコルビン酸ナトリウム(23.0mg,0.117mmol)を加え、再度アルゴン置換後、70℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、メタルスカベンジャー担持樹脂QuadraPureTM IDA(650mg)を加えて3時間撹拌後、樹脂を濾別し濾液を濃縮した。得られた残渣を逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(99.3mg,0.079mmol,収率 40%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.12(s,1H),8.10(s,1H),8.10(s,1H),4.83−4.95(m,6H),4.61−4.65(m,4H),4.58(t,J=5.0Hz,2H),4.49(d,J=7.9Hz,1H),3.94−3.97(m,4H),3.90(t,J=5.1Hz,2H),3.79(d,J=11.2Hz,1H),3.74(t,J=9.1Hz,1H),3.62(m,1H),3.59(s,4H),3.58(s,4H),3.56(s,3H),3.52(s,4H),3.50(d,J=1.9Hz,2H),3.39(dd,J=
8.0Hz,9.2Hz,1H),0.21−2.07(m,33H).
実施例21
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
実施例20の工程1と同様の操作を、メチル α−D−グルコピラノシド(5.0g,25.7mmol)を用いて行い、表題化合物(7.87g,18.2mmol,収率 71%)を得た。
MS(ESI,m/z):865[2M+H]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.71−7.75(m,4H),7.37−7.43(m,6H),4.70(d,J=3.8Hz,1H),3.95(dd,J=2.0Hz,10.9Hz,1H),3.84(dd,J=5.6Hz,11.0Hz,1H),3.62(t,J=9.3Hz,1H),3.61−3.65(m,1H),3.42(s,3H),3.39−3.42(m,1H),3.36(dd,J=8.9Hz,9.8Hz,1H),1.04(s,9H).
工程2
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、工程1で得られた6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−グルコピラノシド(1.44mg,3.33mmol)を用いて行い、表題化合物(1.49g,2.72mmol,収率 82%)を得た。
MS(ESI,m/z):569[M+Na]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ7.70−7.73(m,4H),7.37−7.44(m,6H),4.90(d,J=3.6Hz,1H),4.48−4.42(m,3H),4.37(d,J=2.4Hz,1H),4.33−4.34(m,2H),3.97(dd,J=1.8Hz,11.3Hz,1H),3.86(dd,J=4.9Hz,11.3Hz,1H),3.76(t,J=9.1Hz,1H),3.56−3.59(m,1H),3.53(dd,J=3.6Hz,9.6Hz,1H),3.47(dd,J=8.7Hz,10.0Hz,1H),3.38(s,3H),2.93(t,J=2.4Hz,1H),2.83(t,J=2.4Hz,1H),2.70(t,J=2.4Hz,1H),1.06(s,9H).
工程3
メチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
実施例20の工程3と同様の操作を、工程2で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシド(400mg,0.732mmol)を用いて行い、表題化合物(136mg,0.441mmol,収率 60%)を得た。
MS(ESI,m/z):331[M+Na]
H−NMR(400MHz,CDOD)δ4.41−4.48(m,4H),4.32(t,J=2.3Hz,2H),3.84(dd,J=2.1Hz,12.0Hz,1H),3.76(t,J=9.5Hz,1H),3.66(dd,J=5.5Hz,12.0Hz,1H),3.53(dd,J=3.6Hz,9.6Hz,1H),3.48−3.52(m,1H),3.40(s,3H),3.37(dd,J=8.7Hz,10
.0Hz,1H),2.91(t,J=2.4Hz,1H),2.85(t,J=2.4Hz,1H),2.83(t,J=2.4Hz,1H).
工程4
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシド(60.1mg,0.195mmol)を用いて行い、表題化合物(90.4mg,0.0718mmol,収率 37%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.18(s,1H),8.10(s,1H),8.10(s,1H),4.82−4.91(m,7H),4.59−4.65(m,6H),3.92−3.97(m,6H),3.83(t,J=9.3Hz,1H),3.65−3.72(m,2H),3.59(m,10H),3.53(m,4H),3.49(d,J=9.5Hz,1H),3.37(s,3H),0.36−1.98(m,33H).
実施例22
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程1と同様の操作を、メチル α−D−マンノピラノシド(5.00g,25.8mmol)を用いて行い、表題化合物(12.5g,29.0mmol,収率
定量的)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.74−7.67(m,4H),7.49−7.38(m,6H),4.70(d,J=1.6Hz,1H),4.00−3.89(m,3H),3.85−3.78(m,2H),3.64(dt,J=10.1Hz,5.3Hz,1H),3.33(s,3H),1.09(s,9H).
工程2
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−マンノピラノシド(3.00g,6.94mmol)を用いて行い、表題化合物(2.60g,4.75mmol,収率 68%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.75−7.71(m,4H),7.44−7.33(m,6H),4.81(d,J=1.8Hz,1H),4.46−4.24(m,6H),4.04(dd,J=3.2Hz,1.9Hz,1H),4.00−3.89(m,3H),3.75(t,J=9.5Hz,1H),3.61(ddd,J=10.0Hz,5.2Hz,2.0Hz,1H),3.36(s,3H),2.47−2.44(m,2H),2.26(t,J=2.4Hz,1H),1.05(s,9H).
工程3
メチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程3と同様の操作を、工程2で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(2.58g,4.72mmol)を用いて行い、表題化合物(1.32g,4.29mmol,収率 91%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.81(d,J=1.9Hz,1H),4.51−4.32(m,6H),4.07(dd,J=3.1Hz,1.9Hz,1H),3.98−3.82(m,3H),3.78(t,J=9.5Hz,1H),3.58(ddd,J=9.6Hz,4.6Hz,3.1Hz,1H),3.39(s,3H),2.52−2.46(m,3H).
工程4
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(160mg,0.519mmol)を用いて行い、表題化合物(226mg,0.179mmol,収率 34%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.15(s,1H),8.10(s,1H),8.03(s,1H),4.84−4.75(m,4H),4.66−4.62(m,2H),4.61−4.54(m,6H),3.95−3.85(m,7H),3.80(dd,J=9.3Hz,3.3Hz,1H),3.73−3.43(m,17H),3.33(s,3H),1.90−0.39(m,33H).
実施例23
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−β−D−ガラクトピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−β−D−ガラクトピラノシドの合成
実施例20の工程1と同様の操作を、メチル β−D−ガラクトピラノシド(5.00g,25.8mmol)を用いて行い、表題化合物(6.14g,14.2mmol,収率 55%)を得た。
工程2
メチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−ガラクトピラノシドの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−β−D−ガラクトピラノシド(6.00mg,13.9mmol)用いて行い、表題化合物(2.81g,5.13mmol,収率 37%)を得た。
工程3
メチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−ガラクトピラノシドの合成
実施例20の工程3と同様の操作を、工程2で得られたメチル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−ガラクトピラノシド(1.26g,2.3mmol)を用いて行い、表題化合物(600mg,1.95mmol,収率 85%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.58−4.30(m,6H),4.24(d,J=7.2Hz,1H),4.06(s,1H),3.86−3.82(m,2H),3.60−3.58(m,2H),3.54−3.48(m,4H),2.48−2.44(m,3H),2.07(br s,1H).
工程4
メチル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−β−D−ガラクトピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−β−D−ガラクトピラノシド(40.4mg,0.130mmol)に対して行い、表題化合物(60.9mg,0.0484mmol,収率 52%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.21(s,1H),8.18(s,1H),8.06(s,1H),4.82−4.91(m,6H),4.61−4.67(m,6H),4.40(d,J=7.8Hz,1H),4.05−4.06(m,1H),3.98(t,J=5.1Hz,4H),3.91−3.94(m,2H),3.75−3.79(m,2H),3.68−3.71(m,1H),3.60(m,9H),3.56(s,4H),3.54(s,3H),3.43(dd,J=3.7Hz,11.5Hz,1H),0.38−1.96(m,33H).
実施例24
N2,N4,N6−トリス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン 六ナトリウム塩
塩化シアヌル(57.6mg,0.312mmol)のDMF溶液(3mL)に、合成例3の化合物(730mg,0.900mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.230mL,1.35mmol)を加えた。50℃で一晩撹拌後、フッ化セシウム(273mg,1.80mmol)のメタノール溶液(2mL)を加えて1.5時間撹拌後、反応液を濃縮した。得られた残渣にメタノール(7mL)を加えて固体を濾取することにより、表題化合物のセシウム塩粗結晶(436mg)を得た。これを逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(46.0mg,0.0485mmol,収率 16%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ3.69−3.40(m,24H),1.91−0.23(m,33H).
実施例25
1,2,3−トリス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシプロパン 六ナトリウム塩
工程1
1,2,3−トリス(プロパ−2−イノキシ)プロパンの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、グリセリン(0.248mL,3.39mmol)を用いて行い、表題化合物(101mg,0.487mmol,収率 14%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.37(d,J=2.4Hz,2H),4.22(d,J=2.4Hz,4H),3.96(tt,J=5.5Hz,4.4Hz,1H),3.76−3.65(m,4H),2.46(q,J=2.2Hz,3H).
工程2
1,2,3−トリス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシプロパン 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られた1,2,3−トリス(プロパ−2−イノキシ)プロパン(67.3g,0.0585mmol)を用いて行い、表題化合物(57.6mg,0.447mmol,収率 76%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.81(s,2H),7.80(s,1H),4.45−4.42(m,2H),4.36−4.27(m,9H),3.63(m,J=6.5Hz,5.8Hz,6H),3.56(t,J=4.8Hz,1H),3.40−
3.23(m,17H),1.61−0.06(m,22H).
実施例26
3,4,5−トリス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]安息香酸メチル 六セシウム塩
3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル(10mg,0.054mmol)に対して、アセトニトリル(1.1mL)、炭酸カリウム(112mg,0.81mmol)および合成例1の化合物(89.6mg,0.19mmol)を室温にて加えた後、80℃で5時間撹拌した。室温に降温した後、不溶物を濾別し、減圧下溶媒を留去して得られた粗生成物をメタノール(10mL)に溶解し、撹拌しながらフッ化セシウム(49.2mg,0.32mmol)を加え、生じた固体を濾過することで表題化合物(34.8mg,0.040mmol,収率 74%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.32(s,2H),4.24(m,6H),3.86(m,6H),3.84(s,3H),3.50−3.70(m,12H),0.20−1.96(m,33H).
実施例27
1,3,5−トリス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシベンゼン 六ナトリウム塩
工程1
1,3,5−トリス(プロパ−2−イノキシ)ベンゼンの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、フロログルシノール(37.8mg,0.300mmol)を用いて行い、表題化合物(29.8mg,0.124mmol,収率 41%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ6.27(s,3H),4.65(d,J=2.4Hz,6H),2.53(t,J=2.4Hz,3H).
工程2
1,3,5−トリス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシベンゼン 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られた1,3,5−トリス(プロパ−2−イノキシ)ベンゼン(74.9mg,0.312mmol)を用いて行い、表題化合物(92.2mg,0.0774mmol,収率 25%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.12(s,3H),6.35(s,3H),5.19(s,6H),4.56(t,J=5.3Hz,6H),3.87(t,J=5.1Hz,6H),3.49−3.42(m,12H),1.85−0.39(m,33H).
実施例28
1,3,5−トリス[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゼン 六ナトリウム塩
アルゴン雰囲気下、フロログルシノール(25.0mg,0.198mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)に、炭酸カリウム(411mg,2.97mmol)および合成例1の化合物(280mg,0.595mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、不溶物を濾別後、濾液を濃縮して得られた残渣にメタノール(5mL)を加えた後、フッ化セシウム(181mg,1.19mmol)のメタノール溶液(1mL)を加えた。室温で2時間撹拌後、固体を濾取することで表題化合物のセシウム塩粗結晶(152mg)を茶色固体として得た。これを逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(81.9mg,0.0864mmol,収率 44%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ6.24(s,3H),4.15−4.10(m,6H),3.84−3.80(m,6H),3.63(s,12H),1.88−0.41(m,33H).
実施例29
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
アルゴン雰囲気下、実施例22の工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(150mg,0.486mmol)のDMF溶液(2.4mL)に、氷冷下、水素化ナトリウム(35.0mg,0.583mmol)を加えた。室温で30分間撹拌後、臭化ベンジル(0.087mL,0.73mmol)加えて3時間撹拌した。反応液に少量のメタノールを加え、水(20mL)に注ぎ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(102mg,0.255mmol,収率 53%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.40−7.27(m,5H),4.81(d,J=1.9Hz,1H),4.65(d,J=12.1Hz,1H),4.57(d,J=12.0Hz,1H),4.47−4.21(m,6H),4.04(dd,J=3.3Hz,1.9Hz,1H),3.92(dd,J=8.7Hz,3.3Hz,1H),3.84−3.67(m,4H),3.37(s,3H),2.46(t,J=2.4Hz,1H),2.44(t,J=2.4Hz,1H),2.37(t,J=2.4Hz,1H).
工程2
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(102mg,0.255mmol)を用いて行い、表題化合物(85.9mg,0.0637mmol,収率 25%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1372[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.11(s,1H),8.07(s,1H),7.68(s,1H),7.33−7.24(m,5H),4.79−4.73(m,4H),4.63−4.56(m,1H),4.56−4.49(m,5H),4.44−4.30(m,4H),3.94−3.73(m,8H),3.68−3.38(m,17H),3.32(s,3H),1.88−0.34(m,33H).
実施例30
1,4−ビス[[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]−2−プロポキシ]ベンゼン 八ナトリウム塩
工程1
1,4−ビス[2−ベンジルオキシ−1−(ベンジルオキシメチル)エトキシ]ベンゼンの合成
1,3−ビス(ベンジルオキシ)−2−プロパノール(0.743mL,3.00mmol)およびトリフェニルホスフィン(787mg,3.00mmol)のトルエン溶液(10mL)に、氷冷下40%アゾジカルボン酸ジイソプロピル トルエン溶液(1.6mL,3.04mmol)を滴下し、室温でヒドロキノン(110mg,1.00mmol)のTHF溶液(5mL)を加えて室温で一晩撹拌した。減圧下溶媒を軽く濃縮し、酢酸エチルで希釈後、水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(68mg,0.110mmol,収率
11%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.37−7.22(m,20H),6.88(s,4H),4.56(s,8H),4.45(quint,2H),3.81−3.64(m,8H).
工程2
1,4−ビス[2−プロパ−2−イノキシ−1−(プロパ−2−イノキシメチル)エトキシ]ベンゼンの合成
アルゴン雰囲気下、工程1で得られた1,4−ビス[2−ベンジルオキシ−1−(ベンジルオキシメチル)エトキシ]ベンゼン(150mg,0.242mmol)にエタノール(15mL)および触媒量の10%パラジウム−炭素を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応液に4N 塩酸/酢酸エチル(1mL)を加えて水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した後、不溶物を濾別した。濾液を濃縮して得られた残渣をDMF(4mL)に溶解し、DMF(2mL)に懸濁した55%水素化ナトリウム(65.0mg,1.5mmol)に加えて室温で30分間撹拌した。反応液に臭化プロパルギル(0.090mL,1.20mmol)を加えて室温で4時間撹拌した後、臭化プロパルギル(0.023mL,0.300mmol)を追加して室温で1時間撹拌した。氷冷下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を滴下し、水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(73.0mg,0.178mmol,収率 73%)を淡黄色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ6.92(s,4H),4.43(p,J=5.0Hz,2H),4.26−4.13(m,8H),3.84−3.66(m,8H),2.49−2.35(m,4H).
工程3
1,4−ビス[[1,3−ビス[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メトキシ]−2−プロポキシ]ベンゼン 八ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程2で得られた1,4−ビス[2−プロパ−2−イノキシ−1−(プロパ−2−イノキシメチル)エトキシ]ベンゼン(52.8mg,0.129mmol)を用いて行い、表題化合物(34.6mg,0.026mmol,収率 16%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.97(s,4H),6.80(s,4H),4.64−4.59(m,8H),4.53−4.44(m,10H),3.91−3.77(m,8H),3.77−3.61(m,8H),3.53−3.44(m,16H),1.95−0.16(m,44H).
実施例31
メチル 2,3,4−トリス−O−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−トリチル−α−D−マンノピラノシドの合成
メチル α−D−マンノピラノシド(300mg,1.54mmol)をピリジン(8mL)に溶解し、塩化トリチル(517mg,1.85mmol)を加えて室温で一晩撹拌した。反応液に塩化トリチル(215mg,0.770mmol)を追加して室温で一晩撹拌後、反応液を濃縮した。析出した固体を濾別し、減圧下濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(601mg,1.38mmol,収率 89%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.47−7.43(m,6H),7.35−7.29(m,6H),7.28−7.22(m,3H),4.72(d,J=1.6Hz,1H),3.94−3.90(m,1H),3.83−3.63(m,3H),3.50−3.39(m,2H),3.37(s,3H),2.78−2.75(m,1H),2.62−2.57(m,1H),2.37−2.33(m,1H).
工程2
メチル 6−O−トリチル−2,3,4−トリス−O−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−α−D−マンノピラノシド 六アンモニウム塩の合成
アルゴン雰囲気下、工程1で得られたメチル 6−O−トリチル−α−D−マンノピラノシド(172mg,0.393mmol)のアセトニトリル溶液(8mL)に、氷冷下55%水素化ナトリウム(77.8mg,1.30mmol)を加えて室温で30分間撹
拌した。反応液に合成例1の化合物(556mg,1.18mmol)を加えて80℃で一晩撹拌した。反応液を室温に降温し、反応液を濃縮して得られた残渣にメタノール(7mL)およびフッ化セシウム(358mg,2.36mmol)のメタノール溶液(1mL)を加えて室温で2時間撹拌した。析出した固体を濾取することで表題化合物のセシウム塩粗結晶(733mg)を得た。これを、添加剤として20mM 炭酸アンモニウムを含む逆相HPLCで精製することにより、表題化合物(80.4mg,0.065mmol,収率 17%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ7.53−7.48(m,6H),7.42−7.36(m,6H),7.35−7.30(m,3H),4.90(d,J=1.8Hz,1H),3.87−3.49(m,22H),3.47(s,3H),3.45−3.18(m,8H),1.89−0.40(m,33H).
工程3
メチル 2,3,4−トリス−O−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
工程2で得られたメチル 6−O−トリチル−2,3,4−トリス−O−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]−α−D−マンノピラノシド 六アンモニウム塩(80.4mg,0.065mmol)を水/メタノール(4/3,v/v)(7mL)に溶解し、触媒量の10%パラジウム−炭素および1N
塩酸(0.1mL)を加えて水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応液に1N 塩酸(0.1mL)を追加し水素雰囲気下で1時間撹拌した後、不溶物を濾別した。濾液を凍結乾燥して得られた残渣を逆相HPLCで精製し、カウンターカチオンがNaの陽イオン交換樹脂で処理後、凍結乾燥することにより、表題化合物(23.1mg,0.0226mmol,収率 35%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1039[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ4.85(d,J=1.8Hz,1H),3.99−3.91(m,1H),3.88−3.49(m,29H),3.37(s,3H),1.91−0.41(m,33H).
実施例32
ベンジル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
ベンジル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程1と同様の操作を、ベンジル α−D−マンノピラノシド(300mg,1.11mmol)を用いて行い、表題化合物(385mg,0.756mmol,収率 68%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.72−7.66(m,4H),7.48−7.27(m,11H),4.89(d,J=1.6Hz,1H),4.66(d,J=11.9Hz,1H),4.46(d,J=11.9Hz,1H),3.99−3.82(m,5H),3.75−3.68(m,1H),2.93(d,J=2.2Hz,1H),2.55(d,J=5.1Hz,1H),2.26 (d,J=4.5Hz,1
H), 1.08(s,9H).
工程2
ベンジル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、工程1で得られたベンジル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−α−D−マンノピラノシド(385mg,0.756mmol)を用いて行い、表題化合物(242mg,0.389mmol,収率 51%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.77−7.70(m,4H),7.44−7.28(m,11H),5.00(d,J=1.8Hz,1H),4.72(d,
J=11.9Hz,1H),4.49(d,J=11.9Hz,1H),4.46−4.25(m,6H),4.06(dd,J=3.3,1.8Hz,1H),4.00−3.89(m,3H),3.78(t,J=9.5Hz,1H),3.70(ddd,J=9.9Hz,4.7Hz,2.3Hz,1H),2.46(t,J=2.4Hz,1H),2.37(t,J=2.4Hz,1H),2.27(t,J=2.4Hz,1H),1.06(s,9H).
工程3
ベンジル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例20の工程3と同様の操作を、工程2で得られたベンジル 6−O−(tert−ブチル−ジフェニルシラニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(242mg,0.389mmol)を用いて行い、表題化合物(132mg,0.343mmol,収率 88%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.39−7.28(m,5H),5.00(d,J=1.8Hz,1H),4.71(d,J=11.9Hz,1H),4.54−4.31(m,7H),4.06(dd,J=3.2Hz,1.9Hz,1H),3.98(dd,J=9.3Hz,3.2Hz,1H),3.90−3.75(m,3H),3.64(dt,J=9.7Hz,3.7Hz,1H),2.47(q,J=2.3Hz,2H),2.37(t,J=2.4Hz,1H),2.02(dd,J=7.2Hz,6.4Hz,1H).
工程4
ベンジル 2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程3で得られたベンジル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(81.8mg,0.213mmol)を用いて行い、表題化合物(85.2mg,0.0638mmol,収率 30%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1358[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.08(s,1H),8.07(s,1H),8.02(s,1H),7.42−7.31(m,5H),4.83−4.76(m,2H),4.74−4.73(m,1H),4.68−4.62(m,4H),4.58−4.46(m,7H),3.92−3.80(m,8H),3.73−3.55(m,5H),3.51(d,J=4.8Hz,8H),3.45−3.40(m,4H),1.14(m,33H).
実施例33
メチル 6−O−(N−フェニルカルバモイル)−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(N−フェニルカルバモイル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例3の工程1と同様の操作を、実施例22の工程3で得られたメチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(50.7mg,0.164mmol)を用いて行い、表題化合物(55.4mg,0.130mmol,収率 80%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.42−7.28(m,4H),7.08−7.03(m,1H),6.73(s,1H),4.81(d,J=1.8Hz,1H),4.51−4.32(m,8H),4.07(dd,J=3.2Hz,1.9Hz,1H),3.95(dd,J=8.7Hz,3.2Hz,1H),3.83−3.72(m,2H),3.38(s,3H),2.48(t,J=2.4Hz,1H),2.45(t,J=2.4Hz,1H),2.39(t,J=2.4Hz,1H).
工程2
メチル 6−O−(N−フェニルカルバモイル)−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリ
アゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−(N−フェニルカルボニル)−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(55.4mg,0.130mmol)を用いて行い、表題化合物(48.3mg,0.0358mmol,収率 26%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1401[M+7Na]+
H−NMR(400MHz,DO)δ8.07−8.00(m,2H),7.90(s,1H),7.33−6.98(m,5H),4.73−4.64(m,8H),4.49(q,J=4.3Hz,3.5Hz,2H),4.43(s,2H),4.21−3.91(m,4H),3.88−3.57(m,10H),3.45−3.30(m,11H),3.25(s,3H),1.77−0.31(m,33H).
実施例34
メチル 6−O−(4−ブチルフェニル)メチル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−(4−ブチルフェニル)メチル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例29の工程1と同様の操作を、臭化ベンジルの代わりに臭化4−ブチルベンジル(0.036mL,0.195mmol)を用いて行い、表題化合物(12.5mg,0.0275mmol,収率 17%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.26(d,J=8.1Hz,2H),
7.14(d,J=8.1Hz,2H),4.80(d,J=1.8Hz,1H),4.62(d,J=11.8Hz,1H),4.52(d,J=11.8Hz,1H),4.44−4.30(m,5H),4.22(dd,J=15.4Hz,2.4Hz,1H),4.04(dd,J=3.3Hz,1.9Hz,1H),3.91(dd,J=8.5Hz,3.3Hz,1H),3.81−3.65(m,4H),3.37(s,3H),2.61−2.57(m,2H),2.46(t,J=2.4Hz,1H),2.43(t,J=2.4Hz,1H),2.36(t,J=2.4Hz,1H),1.63−1.56(m,2H),1.35(dq,J=14.6Hz,7.4Hz,2H),0.92(t,J=7.3Hz,3H).
工程2
メチル 6−O−(4−ブチルフェニル)メチル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−(4−ブチルフェニル)メチル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(53.0mg,0.117mmol)を用いて行い、表題化合物(53.8mg,0.0383mmol,収率 33%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1428[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.12(s,1H),8.04(s,1H),7.67(s,1H),7.22(d,J=8.0Hz,2H),7.14(d,J=7.9Hz,2H),4.79−4.73(m,3H),4.62−4.46(m,8H),4.40(t,J=5.1Hz,2H),4.26(d,J=12.0Hz,1H),4.13(d,J=12.1Hz,1H),3.90−3.67(m,8H),3.65−3.41(m,16H),3.32(s,3H),2.47(t,J=7.7Hz,2H),1.90−0.34(m,40H).
実施例35
ベンジル 6−O−メチル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
ベンジル 6−O−メチル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D
−マンノピラノシドの合成
実施例29の工程1と同様の操作を、メチル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの代わりに実施例32の工程3で得られたベンジル 2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(64.7mg,0.168mmol)を、臭化ベンジルの代わりにヨウ化メチル(0.013mL,0.20mmol)を用いて行い、表題化合物(30.5mg,0.0765mmol,収率 36%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.38−7.28(m,5H),5.00(d,J=1.8Hz,1H),4.74(d,J=11.9Hz,1H),4.54−4.27(m,7H),4.06(dd,J=3.3Hz,1.9Hz,1H),3.99−3.95(m,1H),3.79−3.69(m,2H),3.68−3.61(m,2H),3.41(s,3H),2.47−2.42(m,2H),2.35(t,J=2.4Hz,1H).
工程2
ベンジル 6−O−メチル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られたベンジル 6−O−メチル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(30.5mg,0.0765mmol)を用いて行い、表題化合物(30.2mg,0.0224mmol,収率 29%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1326[M+5Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.08(s,1H),8.06(s,12H),8.03(s,1H),7.42−7.31(m,5H),4.77−4.61(m,9H),4.59−4.45(m,7H),3.91−3.79(m,8H),3.63(d,J=5.5Hz,2H),3.51(d,J=3.9Hz,8H),3.46−3.39(m,5H),3.21(s,3H),1.90−0.35(m,33H).
実施例36
ベンジル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
ベンジル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシドの合成
実施例35の工程1と同様の操作を、ヨウ化メチルの代わりに臭化ベンジル(0.046mL,0.38mmol)を用いて行い、表題化合物(41.7mg,0.0879mmol,収率 55%)を無色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.39−7.24(m,10H),5.01(d,J=1.9Hz,1H),4.74(d,J=11.9Hz,1H),4.66(d,J=12.1Hz,1H),4.58(d,J=12.1Hz,1H),4.50(d,J=11.8Hz,1H),4.46−4.22(m,6H),4.07(dd,J=3.3Hz,1.9Hz,1H),4.00−3.95(m,1H),3.82−3.72(m,4H),2.45(t,J=2.4Hz,1H),2.38−2.35(m,2H).
工程2
ベンジル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程1で得られたベンジル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−マンノピラノシド(24.
6mg,0.0518mmol)を用いて行い、表題化合物(8.8mg,0.0062mmol,収率 12%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1448[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.09(s,1H),8.08(s,1H),7.71(s,1H),7.45−7.25(m,10H),4.83(d,J=1.8Hz,1H),4.68−4.61(m,2H),4.58−4.31(m,11H),3.91−3.75(m,9H),3.72−3.46(m,14H),3.46−3.37(m,4H),1.91−0.27(m,33H).
実施例37
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩
工程1
メチル 6−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシドの合成
メチル 4,6−O−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド(84.9mg,0.301mmol)をジクロロメタン(2.3mL)に溶解し、−78℃に冷却した。続いて塩化アルミニウム(60.0mg,0.450mmol)および1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(0.0800mL,0.450mmol)を加えて30分間撹拌後、室温で一晩撹拌した。反応液を0.1M 塩酸水溶液(20mL)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製することにより、表題化合物(9.3mg,0.032mmol,収率 11%)を無色油状として得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.38−7.24(m,5H),4
.98(d,J=5.8Hz,1H),4.78(d,J=5.0Hz,1H),4.72(d,J=6.4Hz,1H),4.53(d,J=3.6Hz,1H),4.50(s,2H),3.71−3.64(m,1H),3.55−3.47(m,2H),3.38(ddd,J=9.6Hz,8.6Hz,4.9Hz,1H),3.27(s,3H),3.19(ddd,J=9.8Hz,6.4Hz,3.7Hz,1H),3.10−3.00(m,1H).
工程2
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシドの合成
実施例20の工程2と同様の操作を、工程1で得られたメチル 6−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシド(60.6mg,0.213mmol)を用いて行い、表題化合物(81.0mg,0.203mmol,収率 91%)を黄色油状として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.37−7.27(m,5H),4.91(d,J=3.6Hz,1H),4.63(d,J=12.0Hz,1H),4.57(d,J=12.0Hz,1H),4.50−4.26(m,6H),3.83(dd,J=9.6Hz,8.7Hz,1H),3.76−3.67(m,3H),3.62(dd,J=9.6Hz,3.6Hz,1H),3.54(dd,J=9.7Hz,8.8Hz,1H),3.41(s,3H),2.46−2.43(m,2H),2.40(t,J=2.4Hz,1H).
工程3
メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−グルコピラノシド 六ナトリウム塩の合成
実施例20の工程4と同様の操作を、工程2で得られたメチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−(プロパ−2−イニル)−α−D−グルコピラノシド(81.0mg,0.203mmol)を用いて行い、表題化合物(82.5mg,0.0625mmol,収率 31%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,DO)δ8.11(s,1H),8.01(s,1H),7.67(s,1H),7.33−7.23(m,5H),4.83(d,J=12.5Hz,1H),4.78−4.73(m,4H),4.61−4.45(m,6H),4.42(dd,J=5.9Hz,4.4Hz,2H),4.35(dd,J=12.3Hz,2.9Hz,2H),3.91−3.75(m,6H),3.72(t,J=9.3Hz,1H),3.63(dt,J=10.2Hz,3.2Hz,1H),3.57(dd,J=9.7Hz,3.6Hz,1H),3.54−3.36(m,15H),3.30(s,3H),1.85−0.37(m,33H).
実施例38
10B)メチル 6−O−ベンジル−2,3,4−トリス−O−[[1−[2−[2−(ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボラニルオキシ)エトキシ]エチル]トリアゾール−4−イル]メチル]−α−D−マンノピラノシド 六ナトリウム塩
実施例29の工程2と同様の操作を、2−(2−アジドエトキシ)エトキシ−ウンデカヒドロ−クロソ−ドデカボレート 二テトラブチルアンモニウム塩の代わりに合成例5の化合物を用いて行い、表題化合物(93.4mg,0.0724mmol,収率 23%)を白色固体として得た。
MS(ESI,m/z):1343[M+7Na]
H−NMR(400MHz,DO)δ8.11(s,1H),8.07(s,1H),7.68(s,1H),7.32−7.24(m,5H),4.79−4.52(m,10H),4.43−4.33(m,4H),3.91−3.72(m,8H),3.68−3.44(m,17H),3.32(s,3H),1.75−0.34(m,33H).
試験例1 CT26がん細胞を用いた細胞内取込試験
ホウ素クラスター含有化合物のがん細胞内取り込み能は、以下のようにして評価した。RPMI1640培地を用いて培養したCT26がん細胞(マウス大腸がん細胞、ATCC CRL−2638)を、24ウェルプレートの各ウェルに、10個ずつ播種した。被験化合物およびBPA(2.6当量のフルクトースを含む)を、それぞれイオン交換水に溶解し1M 水酸化ナトリウム水溶液および1N 塩酸を用いてpH7.2〜7.4に調整し30mM(実施例30の化合物は9.7mM)とした後、上記培地で10倍に希釈した3mM溶液を各ウェルに添加した(n=3)。24時間培養した後、培地を除去し、PBS(−)(0.5mL)で2回洗浄し、トリプシン(0.2mL)を用いてプレートから細胞を剥離し、培地(0.2mL)を用いて1.5mL容チューブに回収した。14,000rpmで5分間遠心して上清を除いた後、培地(1mL)で懸濁し、0.01mLをトリパンブルーで染色して細胞数を計測した。残りの細胞懸濁液を14,000rpmで5分間遠心して上清を除いた後、60%硝酸(0.2mL)を用いて14mL容ラウンドチューブに回収した。室温で30分静置した後、50℃で30分、さらに90℃で2時間加熱することにより灰化した。この溶液をイオン交換水で4倍または15倍に希釈し、ICP−MSにて細胞内のホウ素量を定量し、細胞数当たりのホウ素取り込み値とした。各化合物のホウ素取り込み値をBPAのホウ素取り込み値で割ることにより、対BPA取り込み比とした。
結果を表1に示す。
表1に示す通り、ホウ素クラスターを複数有する本発明化合物は、BPAおよびホウ素クラスターを1つのみ有する比較例化合物に比べて明らかに多くCT26細胞に取り込まれたことが分かる。
試験例2−1 マウス生体内分布試験
天然型ホウ素含有のBPA、BSHおよび比較例1、実施例22、27、28および29の化合物について、各化合物の生理食塩水溶液をマウスに尾静脈内投与し、腫瘍および組織蓄積性を調べた。CT26細胞を腰背部に皮下移植したBALB/cマウスに対し、被験化合物を天然型B−BSH換算で100mg/kgとなるように調製した。BPAは500mg/kgを2.6当量のフルクトースと混合しpH7.2に調整した。マウス体重25gに対して投与液を0.25mL尾静脈内投与し、肝臓、腎臓、腫瘍および血液を1、3、6および24時間後に経時的に採取した。採取した血液以外の各組織サンプルは、凍結破砕後20〜50mgを秤量し、血液は0.1mLをそれぞれ60%硝酸水溶液中、50℃で1時間、続いて90℃で2時間加熱し灰化処理を行った。不溶物を濾別した後、イオン交換水で20倍に希釈し、ICP−MSにて天然型B量を定量した。
試験例2−2 マウス生体内分布試験
CT26細胞を腰背部に皮下移植したBALB/cマウスに対し、実施例37の化合物を天然型B−BSH換算で100mg/kgとなるように調製した。マウス体重25gに対して投与液を0.25mL尾静脈内投与し、24時間後に肝臓、腎臓、腫瘍および血液を採取した。採取した血液以外の各組織サンプルは、凍結破砕後20〜50mgを秤量し、血液は0.1mLをそれぞれ60%硝酸水溶液中、50℃で1時間、続いて90℃で2時間加熱し灰化処理を行った。不溶物を濾別した後、イオン交換水で20倍に希釈し、ICP−MSにて天然型B量を定量した。
図1〜図4に示すように、BPA、BSHおよび比較例1の化合物が投与後腫瘍を含め全ての臓器から速やかに消失したのに対し、実施例22、27、28、29および37の化合物は24時間まで腫瘍内に蓄積していることが明らかである。また、表2に示すように24時間後の各組織の蓄積量を比較したところ、実施例22、27、28、29および37の化合物は24時間後も腫瘍内ホウ素濃度が10ppm以上滞留し続けており、また24時間後におけるホウ素濃度の腫瘍組織内と血液内の比(腫瘍/血液比)が2.5以上あることが分かった。
試験例3 脳腫瘍細胞を用いた細胞内取込試験
ホウ素クラスター含有化合物の脳腫瘍細胞内取り込み能は、以下のようにして評価した。F−12K培地(ウシ胎児血清およびウマ血清含有)を用いて培養したC6がん細胞(ラット脳腫瘍細胞、ATCC CCL−107)を、24ウェルプレートの各ウェルに、10個ずつ播種した。実施例29の化合物およびBPA(2.6当量のフルクトースを含む)を、それぞれイオン交換水に溶解し1M 水酸化ナトリウム水溶液および1N 塩
酸を用いてpH7.2〜7.4に調整し30mMとした後、上記培地で希釈し1mMおよび3mM溶液を調製し各ウェルに添加した(n=3)。24時間培養した後、培地を除去し、PBS(−)(0.5mL)で2回洗浄し、トリプシン(0.2mL)を用いてプレートから細胞を剥離し、培地(0.2mL)を用いて1.5mL容チューブに回収した。14,000rpmで5分間遠心して上清を除いた後、培地(1mL)で懸濁し、0.01mLをトリパンブルーで染色して細胞数を計測した。残りの細胞懸濁液を14,000rpmで5分間遠心して上清を除いた後、60%硝酸(0.2mL)を用いて14mL容ラウンドチューブに回収した。室温で30分静置した後、50℃で30分、さらに90℃で2時間加熱することにより灰化した。この溶液をイオン交換水で4倍または15倍に希釈し、ICP−MSにて細胞内のホウ素量を定量し、細胞数当たりのホウ素取り込み値とした。
図5に示すように、BPAに比べて実施例29の化合物は、明らかに多くのホウ素をC6細胞に取り込ませたことが分かる。
試験例4 抗腫瘍効果
CT26がん細胞を右大腿部に皮下移植した雌性BALB/cマウスに対して、実施例38の化合物を88.8mg/kgおよび250mg/kgとなるように、それぞれ8.88mg/mLおよび25mg/mLの生理食塩水溶液を、或いは陽性対照として10B−BPAを500mg/kgとなるように、2.6当量のフルクトースと混合しpH7.1に調整した生理食塩水溶液50mg/mLを、マウス体重25gに対して0.25mLを尾静脈より投与した。10B−BPA投与群は投与2時間後に、実施例38の化合物投与群は投与24時間後に1.8−4.0x1012 neutron/cmの量の熱外中性子線を1時間局所照射し、照射前後の腫瘍の大きさを計測することにより抗がん効果
について調べた。腫瘍の大きさ(V)はV=(axb)/2(mm)の式により算出した(aおよびbは、それぞれ腫瘍の長径および短径)。コントロールとして、CT26がん細胞を右大腿部に皮下移植した雌性BALB/cマウスに対して、熱外中性子線を照射、或いは照射せずに、同様に腫瘍の大きさを算出した。
図6に示すように、実施例38の化合物を投与し、24時間後に熱外中性子線を照射した群は、無処置および照射のみ行った群に対して、腫瘍の増大を大きく抑制した。また、実施例38の化合物を250mg/kgを投与したマウスは、陽性対照として照射の2時間前に500mg/kgを投与した10B−BPA投与群とほぼ同等の抗腫瘍効果を発揮した。このことから、本発明の化合物は、腫瘍内での高い滞留性により、ホウ素中性子捕捉療法において、投与後に十分な時間をおいても高い抗腫瘍効果を有することが分かった。
さらに、マウスの全身毒性の指標として、本実験で用いた担がんマウスの体重を測定したところ、図7に示すように、実施例38の化合物或いは10B−BPA投与群および非投与群の全てにおいて明らかな体重の増減は見られず、本発明の化合物を用いたホウ素中性子捕捉療法は高い安全性を有することが分かった。
本発明の化合物は、腫瘍内集積性及び腫瘍滞留性が高く、腫瘍細胞に効率的に取り込まれるため、ホウ素中性子捕捉療法における医薬として有用である。

Claims (14)

  1. 式(I):

    [式中、Xは、2〜5価の有機基を示し、
    Yは、リンカー構造を示し、
    Rは、ホウ素クラスターからなる1価の基を示し、
    nは、2、3、4又は5を示す。]
    で表される化合物又はその塩。
  2. Rが、それぞれ独立して、式(B1):

    [式中、M2+は、カチオンを示し、●は、BHを示し、*は、Yとの結合部位を示す。]
    で表される基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. Xが、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の炭化水素基、又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を介してYに結合する、置換されていてもよい2〜5価の複素環基である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. Xが、


    [式中、Zは、

    を示し、
    #はテトラヒドロピラン環との結合部位であり、
    は、O又はNHを示し、
    は、Oを示し、
    は、O又はNHを示し、
    pは、2、3、4又は5を示し、
    qは、2又は3を示し、

    は、それぞれ独立して、Yとの結合部位又はRであり、各化合物において少なくとも2つはYとの結合部位であり、
    各Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、置換されていてもよい炭素数が7〜20のアリールアルキル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基で置換されたカルバモイル基、炭素数が2〜7のアルキルカルボニル基、炭素数が7〜15のアリールカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボキシ基、炭素数が7〜20のアリールアルキル基で置換されたカルボキシ基、置換されていてもよい複素環基、又は置換されていてもよい複素環アルキル基を示し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子とともに炭素数が3〜6のシクロアルカン環を形成し、
    は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数が1〜6のアルキル基で置換されたカルボ
    キシ基を示し、
    は、置換されていてもよい炭素数が6〜14のアリール基、又は置換されていてもよい複素環基を示し、
    mは、2、3、4、5又は6を示す。]
    からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  5. Xが、



    [式中、

    は、Yとの結合部位であり、
    、Z、R、R、R、R、R及びmは、請求項4で定義した通りである。]
    からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、請求項4に記載の化合物又はその塩。
  6. Xが、

    [式中、

    は、Yとの結合部位であり、
    は、請求項4で定義した通りである。]
    からなる群より選ばれる2〜5価の有機基である、請求項4に記載の化合物又はその塩。
  7. Yが、それぞれ独立して、式(L1):

    [式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、
    は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、炭素数が1〜6のアルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、炭素数が6〜14のアリール基、又は炭素数が1〜6のアルキル基を示し;
    は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−CONH−、−OCO−、−COO−、−SCO−、−COS−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−OCONH−、−NHCOO−、−SS−、−Ph−、−OPhO−、−OPh−、−PhO−、−SPhS−、−SPh−、−PhS−、−NHPhNH−、−NHPh−、−PhNH−、−複素環−、−O−複素環−O−、−O−複素環−、−複素環−O−、−S−複素環−S−、−S−複素環−、−複素環−S−、−NH−複素環−NH−、−NH−複素環−又は−複素環−NH−(ここで、Phは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンを示す。)を示し;
    aは、それぞれ独立して、1〜6の整数を示し;
    bは、1〜6の整数を示す。]
    で表される2価の基である、請求項1〜6の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  8. Yが、それぞれ独立して、式(L2):

    又は式(L3)

    [式中、*1はXとの結合部位であり、*2はRとの結合部位であり、cは1〜5の整数を示す。]
    で表される2価の基である、請求項1〜6の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  9. cが2である、請求項8に記載の化合物又はその塩。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  11. 請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩を含む、腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための医薬。
  12. 腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩。
  13. 腫瘍疾患のホウ素中性子捕捉療法に用いるための医薬を製造するための請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩の使用。
  14. 請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物又はその塩の必要量を哺乳動物に投与することを特徴とするホウ素中性子捕捉療法による腫瘍疾患の治療方法。
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