JP2021035493A - 医用画像処理装置、x線診断装置、および医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置、x線診断装置、および医用画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行うこと。【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、抽出部と、強調処理画像生成部とを備える。取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。抽出部は、動きに関する成分を、複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する。強調処理画像生成部は、抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する。【選択図】 図3

Description

本明細書および図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、X線診断装置、および医用画像処理方法に関する。
近年、被検体にX線を照射し、取得した画像をリアルタイムに時系列順に順次動画的に表示することで、被検体内をリアルタイムに観察可能なX線透視装置やX線アンギオ装置などのX線診断装置が提供されている。また、X線診断装置で取得された時系列的な複数のX線画像は、X線診断装置または他の装置において、事後的にポストプロセスで動画的に観察することも可能とされている。
このようなX線診断装置は、カテーテルを用いた血管造影検査やIVR(Interventional Radiology)に利用されることがある。たとえばカテーテル治療を行う際、ユーザは、X線診断装置によるX線撮像にもとづくX線透視画像をリアルタイムに表示させ、X線画像に描出されるカテーテルの位置やバルーンなどの治療器具の位置(留置位置を含む)を確認しながら手技を行うことがある。また、手技の後にX線画像をバルーンなどの器具が目的の位置に留置されたかをX線画像で確認することがある。
一般に、X線画像に描出された造影剤やカテーテルなどの器具の視認性を向上させるよう、X線画像には背景圧縮、信号強調、階調変換などの画像処理が施される。階調変換などの画像処理を施すことにより、ユーザの確認対象物である造影剤やカテーテルなどの器具の陰影をX線画像中で強調することができる。
しかし、同じX線画像中に描出された骨や横隔膜などの非確認対象物がある場合、階調変換などの画像処理を施すと、これらの非確認対象物の陰影も強調されてしまう。この場合、階調変換などの画像処理を施した結果、非確認対象物の影響で、かえって確認対象物の視認性を悪化させてしまうことがある。
特開2010−119852号公報
本明細書および図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行うことである。ただし、本明細書および図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、抽出部と、強調処理画像生成部とを備える。取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。抽出部は、動きに関する成分を、複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する。強調処理画像生成部は、抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する。
第1の実施形態に係る医用画像処理装置を含む医用画像処理システム1の一構成例を示すブロック図。 造影剤やカテーテルなどの確認対象物を強調するための従来の画像処理について説明するための図。 本実施形態に係る強調処理画像のポストプロセスにおける生成方法の一例を説明するための図。 処理前のX線画像Inと強調処理画像ESInの一例を示す説明図。 X線の照射野が広げられ、次いで照射野の位置が変更された場合における確認対象物の強調処理を説明するための図。 頭部のX線画像に描出された造影剤の強調処理の一例を示す説明図。 X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行う際の手順の一例を示すフローチャート。 X線画像の確認対象物の強調処理とマルチ周波数処理とを組み合わせる場合におけるデータフローの一例を示す説明図。 第2の実施形態に係る医用画像処理装置を含む医用画像処理システムの一構成例を示すブロック図。
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置、X線診断装置、および医用画像処理方法の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置10を含む医用画像処理システム1の一構成例を示すブロック図である。
医用画像処理システム1は、医用画像処理装置10およびX線診断装置101を含む。医用画像処理装置10は、入力インターフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、ネットワーク接続回路14、および処理回路15を有する。医用画像処理装置10は、サーバの一例である。
入力インターフェース11は、たとえばトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を処理回路15に出力する。ディスプレイ12は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。
記憶回路13は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、処理回路15が利用するプログラムやパラメータデータやその他のデータを記憶する。なお、記憶回路13の記録媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は、ネットワーク100を介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路13に与えられてもよい。
ネットワーク接続回路14は、ネットワーク100の形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続回路14は、この各種プロトコルに従ってネットワーク100を介して他の電気機器と接続する。ネットワーク100は、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、病院基幹LAN(Local Area Network)などの無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
医用画像処理装置10は、X線診断装置101および画像サーバ102とネットワーク100を介して互いにデータ送受信可能に接続される。X線診断装置101は、X線アンギオ装置、乳房X線撮像装置(マンモグラフィ装置)、X線TV装置などを含む。X線診断装置101は、クライアントの一例である。
処理回路15は、医用画像処理装置10を統括制御する機能を実現する。また、処理回路15は、記憶回路13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、X線画像に描出された確認対象物の強調処理を適切に行うための処理を実行するプロセッサである。
図2は、造影剤やカテーテルなどの確認対象物を強調するための従来の画像処理について説明するための図である。
X線診断装置101により、カテーテル31が挿入された被検体に関する時系列のNフレームのX線画像In(n=1、2、・・・、N)が撮像された場合を考える。従来、それぞれのX線画像Inに対して背景圧縮、信号強調、階調変換などの画像処理を施した処理画像PInを生成することにより、ユーザの確認対象物であるカテーテル31の陰影をX線画像中で強調することができる。しかし、X線画像Inにカテーテル31以外の骨32や横隔膜33などの非確認対象物が描出されていると、階調変換などの画像処理によって、これらの非確認対象物の陰影も強調されてしまう。この場合、処理画像PInでは、骨32や横隔膜33などの非確認対象物に邪魔されてしまい、カテーテル31が確認しづらくなってしまう。
そこで、処理回路15のプロセッサは、X線画像Inから確認対象物を抽出し、抽出した確認対象物を強調した中間強調画像をX線画像Inと合成することにより、X線画像Inに描出された確認対象物を強調した画像(以下、強調処理画像という)を生成する。
このため、図1に示すように、処理回路15のプロセッサは、取得機能21、動き抑制画像生成機能22、抽出機能23、および強調処理画像生成機能24を実現する。これらの各機能は、それぞれプログラムの形態で記憶回路13に記憶されている。
なお、以下の説明において、本実施形態に係る確認対象物の強調処理の処理対象となるX線画像は、X線透視画像であってもよいし、X線透視画像よりも高線量で撮像されたX線撮影画像であってもよい。
また、本実施形態では、医用画像処理装置10の処理回路15により各機能21−24が実現される場合の例について説明するが、医用画像処理装置10のこれらの機能21−24の一部または全部は、ネットワーク100に接続された院内サーバ、クラウドコンソール、ワークステーション、X線診断装置101などの、医用画像処理装置10とは独立した、プロセッサおよび記憶回路を少なくとも有した外部の装置によって実現されてもよい。また、医用画像処理装置10が互いにネットワーク100を介して接続された複数の情報処理装置により構成され、各機能21−24が複数の情報処理装置によって適宜分散されて実現されてもよい。
次に、これらの機能21−24について図3を参照して説明する。
(ポストプロセス)
まず、ポストプロセスで時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INのすべてが取得され、このうちのX線画像Inの強調処理画像を生成する場合について説明する。
図3は、本実施形態に係る強調処理画像のポストプロセスにおける生成方法の一例を説明するための図である。
ポストプロセスにおいて、取得機能21は、X線診断装置101で実行された被検体に対するX線撮像にもとづいて得られた、被検体に関する時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INを取得する(図3の最左列参照)。取得機能21は、取得部の一例である。これらのX線画像Inは、X線撮像が行われたX線診断装置101から直接、または画像サーバ102を介して間接的に取得される。
ポストプロセスにおいて、動き抑制画像生成機能22は、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INのうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が当該複数のX線画像よりも抑制された動き抑制画像を生成する。動き抑制画像生成機能22は、動き抑制画像生成部および代表値画像生成部の一例である。
ポストプロセスにおいて、動き抑制画像Aは、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INのうちの2つ以上にもとづいて、各画素が当該2つ以上のX線画像における画素値の代表値を有する画像(代表値画像)である。
たとえば、X線画像I1、I2、・・・、INが被検体の心臓を撮像したものであり、ユーザの確認対象物がカテーテル31である場合、カテーテル31は被検体の拍動および呼吸動の少なくとも一方によって画像中を大きく動く。また、被検体の体動があった場合はフレーム間で画像全体にズレが生じる。この点、動き抑制画像Aの各画素を代表値とすることにより、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INの撮像中に動きのある対象物が抑制される。代表値としては、たとえば平均値や中央値を用いることができる。
図3には、動き抑制画像生成機能22がすべてのX線画像I1、I2、・・・、INの平均値画像Aを動き抑制画像Aとして生成する場合の例を示した(図3の左から2列目上段参照)。この場合、動き抑制画像Aの各画素の画素値A(i、j)(ただしiは画素のx座標、jはy座標を表す)と各X線画像Inの画素値In(i、j)との関係は次の式(1)のように書ける。
また、動き抑制画像Aは、たとえば処理対象となるフレームから20フレーム前までの範囲や前後10フレームの範囲など、フレーム範囲およびフレーム総数を固定した移動平均画像としてもよい。この場合、撮像中に大きな状態変化があった特異的なフレームが動き抑制画像Aに与える影響を低減することができる。また、この場合、動き抑制画像Aの生成に用いるフレーム範囲およびフレーム総数は、あらかじめ記憶回路13に記憶された設定値を用いてもよいし、ユーザにより入力インターフェース11を介して設定可能とするとともに設定変更可能としてもよいし、被検体の1心拍、入力インターフェース11を介してユーザから入力された数の心拍又は記憶回路13に記録された予め定められた数の心拍の期間に相当するように設定されてもよい。このとき、後述するリアルタイム処理では、X線照射のオン、オフによらずにユーザによりいつでも設定変更可能とするとよい。
ポストプロセスにおいて、抽出機能23は、X線画像Inからユーザの確認対象物を抽出する。抽出機能23は、抽出部および差分画像生成部の一例である。図3には、確認対象物が心臓に挿入されて拍動とともに動いてしまうカテーテル31である場合の例を示した。この場合、抽出機能23は、X線画像Inと動き抑制画像Aとの差分画像を生成することにより確認対象物画像Mnを生成することになる(図3の左から2列目下段参照)。この場合、確認対象物画像Mnの各画素の画素値Mn(i,j)は次の式(2)のように表せる。
なお、式(2)にはX線画像Inと動き抑制画像Aとの単純な差分をとる場合の例を示したが、X線画像Inと動き抑制画像Aとをログ変換してから差分をとってもよいし、その他のサブトラクション方式であってもよい。
また、確認対象物が心臓に挿入されたカテーテル31や被検体に注入された造影剤などの、被検体内を対象物自身が移動する動きのある対象物である場合は、抽出機能23は、過去のフレーム(たとえば1つ前の直近フレーム)と処理対象フレームの線状陰影を抽出して比較することにより、当該確認対象物のフレーム間の移動量、移動方向などの移動に関する情報を動きに関する成分として抽出してもよい。この場合、動きに関する成分を抽出して確認対象物画像Mnを生成するにあたり動き抑制画像Aは用いる必要はなく、動き抑制画像生成機能22は不要である。
ポストプロセスにおいて、強調処理画像生成機能24は、確認対象物画像Mnにもとづいて、確認対象物をX線画像Inにおいて強調した強調処理画像を生成し、ディスプレイ12に表示させる。
具体的には、まず、強調処理画像生成機能24は、次式(3)に示すように、確認対象物画像Mnの各画素に0より大きい(より好ましくは1以上の)所定の強調係数Ecoef.を乗算することにより、中間強調画像EMnを生成する。強調係数Ecoef.が1より大きい場合、中間強調画像EMnにおいて確認対象物が強調される。強調係数Ecoef.が1未満の場合、中間強調画像EMnにおいては、確認対象物が強調されないが、後述する強調処理画像SInにおいては確認対象物が強調され得る。
図3に示す例では、X線画像Inから抽出されたカテーテル31が強調される(図3の左から3列目参照)。
なお、強調係数Ecoef.は、あらかじめ記憶回路13に記憶された設定値を用いてもよいし、ユーザにより入力インターフェース11を介して設定可能とするとともに設定変更可能としてもよい。このとき、後述するリアルタイム処理では、X線照射のオン、オフによらずにユーザによりいつでも設定変更可能とするとよい。
また、強調係数Ecoef.は、処理対象となるX線画像InのSN比(信号対ノイズ比)、確認対象物のCN比(コントラスト対ノイズ比)、管電圧や管電流、パルス幅などのX線条件、線量設定、画像処理設定などに応じて自動的に設定されてもよい。このように自動的に設定された場合も、ユーザによりさらに設定変更可能としてもよい。
また、この中間強調画像EMnの生成処理は、必須のものではなく、中間強調画像EMnのかわりに確認対象物画像Mnを用いて、以下に説明する強調処理画像SInの生成処理を行ってもよい。中間強調画像EMnのかわりに確認対象物画像Mnを用いることは、強調係数Ecoef.を1として強調を行うことと同等の結果となる。
次に、強調処理画像生成機能24は、中間強調画像EMnまたは確認対象物画像Mnと、中間強調画像EMnまたは確認対象物画像Mnに対応する原画像であるX線画像Inとを合成することにより、強調処理画像SInを生成する。合成は、単純な加算または加算平均であってもよいし、重み付け加算または加重平均であってもよい。図3には、中間強調画像EMnとX線画像Inとを加算することにより強調処理画像SInが生成される場合の例を示した(図3の最右列下段参照)。この場合、強調処理画像SInの各画素の画素値SIn(i,j)は次の式(4)のように表せる。
強調処理画像SInは、X線画像Inに対して確認対象物が強調された中間強調画像EMnが合成された画像である。このため、処理前のX線画像InやX線画像Inに対して従来の画像処理を施した画像に比べ、強調処理画像SInは、確認対象物が強調されるとともに非確認対象物が抑制された画像である。
なお、中間強調画像EMnの生成にあたり、確認対象物の画素値に強調係数Ecoef.を乗じている。このため、確認対象物のコントラストとノイズを原画像と同程度とする場合、強調処理画像SInのウィンドウ処理(階調処理)において、ウィンドウ幅WWpostと原画像のウィンドウ幅WWpreとの関係は次式(5)の条件を満たす。
原画像と同程度のコントラストとノイズであっても、強調処理画像SInでは非確認対象物における画像レベル差が確認対象物に対して相対的に小さい。このため、強調処理画像SInは確認対象物を識別しやすい画像となる。
また、強調処理画像生成機能24は、式(5)に示すWWpostを狭めることで、強調処理画像SInから確認対象物のコントラストをさらに向上させた画像ESInを生成してもよい(図3の最右列上段参照)。
式(6)において、Contupは1以上の値を有する。式(5)に示すWWpostをベースとして狭めていくことで、非確認対象物に大きな変化をもたらすこと無く確認対象物のコントラストのみを向上させることができる。
図4は、処理前のX線画像Inと強調処理画像ESInの一例を示す説明図である。図4に示すように、強調処理画像ESInにおいて、X線画像Inのカテーテル31は強調される一方、非確認対象物である骨32および横隔膜33は抑制される。
なお、WWpostは、狭めるほど確認対象物のコントラストが向上する一方、ノイズも高くなってしまう。このため、Contupの値は、あらかじめ記憶回路13に記憶された設定値を用いてもよいし、ユーザにより入力インターフェース11を介して設定可能とするとともに、ユーザによりコントラストとノイズとを考慮して設定変更可能としてもよい。
なお、非確認対象物の画像レベルには大きな変化がないため、非確認対象物が画像の大部分を占める場合は、ウィンドウセンター(ウィンドウレベル)WCは変更せずともよい。また、最終的な画素値として負の値を使用できないシステムにおいて画素値全体にオフセットを加える場合には、ウィンドウセンターに同様のオフセットを加えてもよい。
(リアルタイム処理)
次に、リアルタイム処理について説明する。以下、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、In−1に続いて新たにX線画像Inが取得され、この新たに取得されたX線画像Inの強調処理画像を生成する場合について説明する。
リアルタイム処理において、取得機能21は、X線診断装置101で実行されている被検体に対するX線撮像にもとづいて得られた、被検体に関する時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、InをX線診断装置101から取得する。
リアルタイム処理において、動き抑制画像生成機能22は、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、Inのうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が抑制された動き抑制画像Anを生成する。動き抑制画像生成機能22が、リアルタイム処理で現時点までで取得されたすべてのX線画像I1、I2、・・・、Inの平均値画像Anを動き抑制画像Anとして生成する場合、動き抑制画像Anの各画素の画素値An(i、j)と各X線画像Inの画素値In(i、j)との関係は次の式(7)のように書ける。
この場合、動き抑制画像Anは、新たなフレームのX線画像が取得されるたびに再計算されて更新される。
また、この場合、抽出機能23は、たとえば次式(8)に従ってX線画像Inと動き抑制画像Anとの差分画像を生成することにより、確認対象物画像Mnを生成する。
なお、強調処理画像生成機能24が中間強調画像EMn、および強調処理画像SIn、ESInを生成する方法はポストプロセスとリアルタイム処理とで異ならないため、説明を省略する。
リアルタイム処理で生成される強調処理画像SIn、ESInによっても、ポストプロセスで生成される強調処理画像SIn、ESInと同様の効果を奏する。
ただし、リアルタイム処理において、処理の開始直後は、動き抑制画像Anの生成に用いるX線画像のフレーム数が少なく、代表値画像中で複数のカテーテル31の残像が描出されてしまう場合があるなど、代表値画像が動き抑制画像(動きが抑制された画像)とはならない場合がある。
このため、リアルタイム処理では、強調処理画像SInやESInと原画像Inとを同時に表示してもよい。また、処理の開始後、所定のフレーム数までは原画像Inのみを表示する一方、所定のフレーム数以降は強調処理画像SInやESInと原画像Inとを同時に表示するか、あるいは強調処理画像SInやESInのみの表示に切り替えてもよい。また、リアルタイム処理でも処理開始直後から強調処理画像SInやESInのみを表示してもよい。これらの表示方法は、ユーザにより選択可能とするとよい。
また、リアルタイム処理の開始直後は、上述の通り、代表値画像中に動きのある成分が残ってしまうことがある。このため、中間強調画像EMnの生成において、リアルタイム処理の開始後のフレーム数に応じて強調係数Ecoef.を徐々に大きくするように変更してもよい。
なお、照射野に変更がなければ、X線照射のオン、オフによらず、動き抑制画像Aを引き継いで処理を継続してもよい。たとえば、X線透視撮像ではX線照射のオン、オフが繰り返される。リアルタイム処理の場合、X線照射のオン、オフによらずに動き抑制画像Anを引き継いで処理を継続することで、X線照射を再度オンにした直後のフレーム数不足による不都合を回避することができる。また、ポストプロセスで作成した動き抑制画像Aを、次のリアルタイム処理に引き継いで処理をしてもよい。
図5は、X線の照射野が広げられて広い視野に変更され、次いで照射野の位置が変更された場合における確認対象物の強調処理を説明するための図である。
照射野が変更された場合であっても、X線診断装置101から変更前後の照射野に関する情報を取得することにより、照射野の変更前に生成した動き抑制画像Aを利用することができる。被検体のX線撮像における照射野が変更されると、変更後の照射野のうち変更前の照射野と重複する部分の動き抑制画像については、変更前の照射野の動き抑制画像を拡大縮小(リサイズ)または座標変換して利用して、変更後の照射野の動き抑制画像を生成することができる。
また、本実施形態に係る確認対象物の強調処理は、拍動または呼吸動の影響を受けない部位のX線画像にも適用可能である。
図6は、頭部のX線画像に描出された造影剤の強調処理の一例を示す説明図である。図6には、ユーザの確認対象物が造影剤である場合の例を示した。
たとえば、ポストプロセスにおいて、動き抑制画像生成機能22が式(1)に従って、すべてのX線画像I1、I2、・・・、INの平均値画像Aを動き抑制画像Aとして生成する場合を考える。この場合も、動き抑制画像Aは代表値画像であるため、体動の影響が抑制された画像となる。このため、抽出機能23によってたとえば式(2)の差分処理によって確認対象物画像Mnが生成される場合であっても、ミスレジストレーションによるアーチファクトが発生しない。
また、この場合、処理対象となるX線画像Inでは造影剤がまだ到達していない血管に既に造影剤が到達しているX線画像In+1以降をも用いて動き抑制画像Aが生成されることになる。一方で、頭部では体動を除き大きな動きは生じないため、体動の影響は抑制されつつ、動き抑制画像Aにおいても造影剤が抑制されることはない。このため、動き抑制画像Aには、造影剤のルート(血管のルート)が広範囲に描出される。したがって、図6に示すように、造影剤の流れが動きとして強調された強調処理画像ESInにも、X線画像Inでは染まっていない血管のルート41が広範囲に描出される。したがって、ユーザは、強調処理画像ESInを確認することにより、血管のルートをあらかじめ視認することができるため、造影剤の流れを容易に把握することができる。
次に、本実施形態に係る医用画像処理装置、X線診断装置、および医用画像処理システムの動作の一例について説明する。
図7は、X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行う際の手順の一例を示すフローチャートである。図7において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。図7には、ポストプロセスにおける処理の一例を示した。
まず、ステップS1において、取得機能21は、X線診断装置101で実行された被検体に対するX線撮像にもとづいて得られた、被検体に関する時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INを取得する。
次に、ステップS2において、動き抑制画像生成機能22は、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INのうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が抑制された動き抑制画像Aを生成する。
次に、ステップS3において、抽出機能23は、X線画像Inからユーザの確認対象物を抽出して確認対象物画像Mnを生成する。
次に、ステップS4において、強調処理画像生成機能24は、確認対象物画像Mnの各画素に0以上の所定の強調係数Ecoef.を乗算することにより、確認対象物を強調した中間強調画像EMnを生成する。
次に、ステップS5において、強調処理画像生成機能24は、中間強調画像EMnと、これに対応する原画像であるX線画像Inと、を合成することにより、強調処理画像SInを生成する。
次に、ステップS6において、強調処理画像生成機能24は、強調処理画像SInのウィンドウ幅WWを式(5)に示すWWpostをベースとして狭めていくことで、強調処理画像SInから確認対象物のコントラストをさらに向上させた強調処理画像ESInを生成する。
以上の手順により、X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行うことができる。
本実施形態に係る医用画像処理装置10を含む医用画像処理システム1によれば、X線画像Inから確認対象物を抽出し、抽出した確認対象物を強調した中間強調画像EMnをX線画像Inと合成することにより、X線画像Inに描出された確認対象物を強調した強調処理画像SInを生成することができる。
強調処理画像SInおよびこれをさらに階調変換した強調処理画像ESInでは、確認対象物が強調されるとともに非確認対象物が抑制される(図4参照)。このため、ユーザは、心臓に挿入されて拍動により常に動いているカテーテル31や造影剤などが確認対象物であっても、正確かつ短時間に確認することができる。たとえば、強調処理画像では造影剤を強調することができるため、少量の造影剤であっても強調処理画像ではしっかりと確認することができる。このため、被検体に投与される造影剤の量を少なくすることができる。また、リアルタイム処理の場合は、X線撮像時間を短縮することが可能となり、被検体の被ばく線量を低減することができる。
また、強調処理画像生成機能24は、X線画像の確認対象物の強調処理に対し、空間周波数を利用した処理を組み合わせてもよい。空間周波数を利用した処理としては、たとえばマルチ周波数処理(Multi-objective Frequency Processing)やウェーブレット変換などが挙げられる。
図8は、X線画像の確認対象物の強調処理とマルチ周波数処理とを組み合わせる場合におけるデータフローの一例を示す説明図である。
X線画像の確認対象物の強調処理とマルチ周波数処理とを組み合わせる場合、処理回路15のプロセッサはさらに、周波数帯域データ生成機能25と、強調処理機能26と、周波数帯域データ合成機能27とを含む。これらの構成25−27は、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアのみまたはハードウェアとソフトウェアの混合によって実現されてもよい。なお、周波数帯域データ合成機能27は、強調処理画像生成機能24に含まれてもよい。
周波数帯域データ生成機能25は、X線画像Inを複数の周波数帯域データに変換する。具体的には、周波数帯域データ生成機能25は、X線画像Inからそれぞれ所定の周波数帯域が含まれる複数の周波数帯域データと背景データ(たとえば、一つの背景データ)を生成する。たとえば、周波数帯域データ生成機能25は、図8に示すように、段階的にLPF(Low Pass Filter)処理を行い、1段階前のLPF処理画像と差分することで、互いに異なる周波数帯域が含まれる複数の周波数帯域データを生成する。
たとえば、周波数帯域データ生成機能25は、まず、1段目のLP↓において、X線画像Inに対してLPF処理をかけることで低周波データを抽出する。ここで、周波数帯域データ生成機能25は、以後の処理を高速化するために、LP↓において、ダウンサンプリング処理を実行してもよい。この場合、周波数帯域データ生成機能25は、LPF処理後の低周波データから、まず横方向の1画素おきに画素を間引き、次に縦方向の1画素おきに画素を間引くことで、画像サイズを1/4に縮小させた低解像度画像データg1を生成する。
そして、周波数帯域データ生成機能25は、低解像度画像データg1を2段目に送るとともに、LP↑において、アップサンプリング処理及びLPF処理を実行することで、X線画像Inと同一のサイズでLPF処理後の低周波データを生成する。たとえば、周波数帯域データ生成機能25は、低解像度画像データg1に対して、まず横方向の1画素おきに「0」を補完し、次に縦方向の1画素おきに「0」を補完し、最初のLPFの各要素を4倍したLPF処理を実行する。その後、周波数帯域データ生成機能25は、加算器によってX線画像Inと低周波データとを画素ごとに差分することで、周波数帯域データb0を生成する。なお、周波数帯域データ生成機能25によるLPF処置は、5×5程度のガウシアンフィルタを用いることができる。
周波数帯域データ生成機能25は、上述した1段目の処理と同様に2段目以降の処理を実行する。ここで、各段の処理対象となる画像データは、前段で生成された低解像度画像データとなる。すなわち、2段目の処理対象となる画像データは、低解像度画像データg1となり、その後、各段で生成された低解像度画像データg2〜g5がそれぞれ後段の処理対象の画像データとなる。そして、周波数帯域データ生成機能25は、各段において、低解像度画像データg2〜g5を用いて、1段目と同様に周波数帯域データb1〜b5を生成する。このように、周波数帯域データ生成機能25は、X線画像Inの段階的な周波数帯域データと、含まれる情報が背景のみとなった背景データg6を生成する。
また、周波数帯域データ生成機能25は、動き抑制画像Aについても、X線画像Inと同様の処理を行うことにより、動き抑制画像Aの段階的な周波数帯域データを生成する。なお、背景データg6は、X線画像Inと動き抑制画像Aのいずれか一方については生成せずともよい。
なお、図8においては、周波数帯域データ生成機能25が、6段の処理を実行する場合について示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、任意の段数で処理することが可能である。
強調処理機能26は、抽出機能23を制御して、対応する周波数帯域どうしでX線画像Inの周波数帯域データと動き抑制画像Aの周波数帯域データとの差分を取ることにより、周波数帯域ごとの差分画像データ(以下、帯域差分画像データという)を生成する。
関心のある信号が入ってくる割合(確認対象物である動きのある成分の信号が入ってくる割合)は、空間周波数の帯域ごとに異なると考えられる。そこで、また、強調処理機能26は、複数の帯域差分画像データのそれぞれに含まれる確認対象物の割合を求め、確認対象物の割合にもとづいて、複数の帯域差分画像データのそれぞれに対し、互いに独立に強調係数Ecoef.を割り当てる。
また、強調処理機能26は、強調処理画像生成機能24を制御して、複数の帯域差分画像データのそれぞれに割り当てた強調係数Ecoef.を用いて、複数の周波数帯域ごとの中間強調画像データ(以下、帯域中間強調画像データという)を生成する。また、強調処理機能26は、対応する周波数帯域どうしで帯域中間強調画像データとX線画像Inの周波数帯域データとを加算することにより、周波数帯域ごとの強調処理画像データ(以下、帯域強調処理画像データという)を生成する。また、帯域強調処理画像データのそれぞれに対してさらに背景圧縮、信号強調、階調変換などの画像処理を施してもよい。
周波数帯域データ合成機能27は、複数の帯域強調処理画像データを合成して強調処理画像SInを生成する。具体的には、周波数帯域データ合成機能27は、背景データg6と、帯域強調処理画像データb0’〜b5’を順次合成することで、X線画像Inと同一サイズの強調処理画像SInを生成する。たとえば、周波数帯域データ合成機能27は、1段目(図中最下段)のLP↑において、背景データg6に対してアップサンプリング処理(まず横方向の1画素おきに「0」を補完し、次に縦方向の1画素おきに「0」を補完)を実行して、周波数帯域データ生成機能25のアップサンプリング処理と同じLPF処理を実行することで、背景データg6を帯域強調処理画像データb5’と同一サイズにする。そして、周波数帯域データ合成機能27は、同一サイズにした帯域強調処理画像データb5’と背景データg6とを加算器によって画素ごとに足し合わせることで、加算データg5’を生成する。
周波数帯域データ合成機能27は、生成した加算データg5’に対して上記したアップサンプリング処理及びLPF処理を実行することで、加算データg5’を帯域強調処理画像データb4’と同一サイズにし、帯域強調処理画像データb4’と加算して加算データg4’を生成する。同様に、周波数帯域データ合成機能27は、加算データのサイズアップと帯域強調処理画像データとの加算を順次実行することで、確認対象物を強調した強調処理画像SInを、X線画像Inと同一サイズで生成する。周波数帯域データ合成機能27は、強調処理画像生成機能24の一機能であってもよい。
このように、図7に示した強調処理とマルチ周波数処理とを組み合わせることで、周波数帯域データごとに適切な強調係数Ecoef.を適用することができる。強調係数Ecoef.は、それぞれの周波数帯域で適切な値が異なる。このため、強調処理とマルチ周波数処理とを組み合わせることで、強調処理画像SInおよびこれをさらに階調変換した強調処理画像ESInにおいて、関心のある信号をより選択的に強調することができる。したがって、強調処理のみの場合に比べ、さらに確認対象物を強調しつつ非確認対象物を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置10を含む医用画像処理システム1の一構成例を示すブロック図である。
X線診断装置80は、被検体に関する時系列のNフレームのX線画像I1、I2、・・・、INを撮像する撮像を行う撮像装置81と、医用画像処理装置10の一例としてのコンソール装置82とを備える。この第2実施形態に示すX線診断装置80は、自身で被検体に対するX線撮像により生成した時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INを利用可能な点で第1実施形態に示す医用画像処理装置10と異なる。他の構成および作用については図1に示す医用画像処理装置10と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
撮像装置81は、たとえばX線アンギオ装置の撮影系により構成され、天板に載置された被検体をX線撮像するためのX線管、X線検出器等の撮像系を有し、撮像により得た被検体に関する時系列の複数の投影データをコンソール装置82に与える。
処理回路15xの取得機能21xは、再構成機能20から被検体に関する時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INを取得する。動き抑制画像生成機能22xは、時系列の複数のX線画像I1、I2、・・・、INのうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が抑制された動き抑制画像Aを生成する。抽出機能23xは、X線画像Inからユーザの確認対象物を抽出して確認対象物画像Mnを生成する。強調処理画像生成機能24xは、確認対象物画像Mnにもとづいて、確認対象物をX線画像Inにおいて強調した強調処理画像SInまたはESInを生成し、コンソール装置82のディスプレイに表示させる。
第2実施形態に係るX線診断装置80を含む医用画像処理システム1によっても、第1実施形態に係る医用画像処理システム1と同様に、X線画像Inから確認対象物を抽出し、抽出した確認対象物を強調した中間強調画像EMnをX線画像Inと合成することにより、X線画像Inに描出された確認対象物を強調した強調処理画像SInを生成することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、X線画像の確認対象物の強調処理を適切に行うことができる。
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、たとえば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびFPGA)等の回路を意味するものとする。プロセッサは、記憶媒体に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶媒体は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶媒体が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態のどうしの組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(付記1)
たとえば、一実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、抽出部と、強調処理画像生成部とを備える。取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。抽出部は、動きに関する成分を、複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する。強調処理画像生成部は、抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する。
(付記2)
強調処理画像生成部は、X線画像と抽出した動きに関する成分とを合成することにより強調処理画像を生成してもよい。
(付記3)
また、一実施形態に係る医用画像処理装置は、複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が複数のX線画像よりも抑制された動き抑制画像を生成する動き抑制画像生成部をさらに備えてもよい。この場合、抽出部は、複数のX線画像の各々から動き抑制画像を差分することにより、複数のX線画像のそれぞれにおいて動きに関する成分を抽出するとよい。
(付記4)
動き抑制画像生成部は、動き抑制画像として、複数のX線画像のうちの2つ以上の平均値画像または中央値画像を生成してもよい。
(付記5)
動き抑制画像生成部は、X線照射がオンからオフになり、またオンに復帰した場合、オフになる前に生成された動き抑制画像とオンに復帰した後に撮像されたX線画像とにもとづいて動き抑制画像を更新してもよい。
(付記6)
動き抑制画像生成部は、被検体のX線撮像における照射野が変更されると、変更後の照射野のうち変更前の照射野と重複する部分については、変更前の照射野でX線撮像された複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづく動き抑制画像を利用して、変更後の照射野の動き抑制画像を生成するとよい。
(付記7)
強調処理画像生成部は、抽出した動きに関する成分に対して係数を乗算して中間強調画像を生成し、中間強調画像とX線画像とを合成することにより強調処理画像を生成してもよい。
(付記8)
一実施形態に係る医用画像処理装置はさらに、X線画像を複数の周波数帯域データに変換する強調処理部を備えてもよい。強調処理部は、抽出部と強調処理画像生成部と協調することにより、複数の周波数帯域データのそれぞれに対し、抽出した動きに関する成分の割合に応じて強調係数を割り当てるとよい。また、強調処理部は、割り当てた強調係数にもとづいて複数の周波数帯域ごとに中間強調画像の画像データを生成するとよい。この場合、強調処理画像生成部は、複数の周波数帯域ごとの中間強調画像の画像データにもとづいて、強調処理画像を生成するとよい。
(付記9)
また、強調処理画像生成部は、対象物が強調されるよう強調処理画像のウィンドウ幅を狭めてもよい。
(付記10)
動きは、たとえば、被検体の拍動および呼吸動の少なくとも一方に由来する動き、ならびに、対象物が被検体内を移動する場合は当該対象物の移動に由来する動き、の少なくとも一方を含む。
(付記11)
一実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、動き抑制画像生成部と、差分画像生成部と、強調処理画像生成部と、を備える。取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。動き抑制画像生成部は、時系列の複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が抑制された動き抑制画像を生成する。差分画像生成部は、時系列の複数のX線画像の少なくとも1つと動き抑制画像との差分処理により差分画像を生成する。強調処理画像生成部は、生成された差分画像と差分画像に対応するX線画像とを加算することにより差分画像に描出された対象物の強調処理画像を生成する。
(付記12)
一実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、代表値画像生成部と、差分画像生成部と、強調処理画像生成部と、を備える。取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。代表値画像生成部は、時系列の複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、各画素が当該2つ以上のX線画像における画素値の代表値である代表値画像を生成する。差分画像生成部は、時系列の複数のX線画像の少なくとも1つと代表値画像との差分処理により差分画像を生成する。強調処理画像生成部は、生成された差分画像と差分画像に対応するX線画像とを加算することにより差分画像に描出された対象物の強調処理画像を生成する。
(付記13)
このとき、強調処理画像生成部は、係数を乗算した差分画像と、差分画像に対応するX線画像とを加算することにより、強調処理画像を生成してもよい。
(付記14)
また、強調処理画像生成部は、対象物が強調されるよう強調処理画像のウィンドウ幅を狭めてもよい。
(付記15)
一実施形態に係るX線診断装置は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する取得部と、動きに関する成分を、複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する抽出部と、抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する強調処理画像生成部と、を備える。
(付記16)
一実施形態に係る医用画像処理方法は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得するステップと、動きに関する成分を、複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する抽出ステップと、抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成するステップと、を有する。
(付記17)
この方法は、クライアントと、サーバとを備えた医用画像処理システムに適用することができる。この場合、上記医用画像処理方法の各ステップは、クライアントおよびサーバのいずれかにより実行される。
(付記18)
一実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、代表値画像生成部と、差分画像生成部と、強調画像生成部とを備える。前記取得部は、被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する。前記代表値画像生成部は、各画素が前記複数のX線画像の対応する画素における画素値の代表値を有する代表値画像を生成する。前記差分画像生成部は、前記複数のX線画像の各々から代表値画像を減算することにより時系列の複数の差分画像を生成する。前記強調処理画像生成部は、前記複数のX線画像の各々に対して前記複数の差分画像のうちの対応する画像を加算することにより、前記複数の差分画像の各々において描出された対象物が強調された時系列の複数の強調処理画像を生成する。
(付記19)
一実施形態に係る医用画像処理装置は、代表値画像生成部と、取得部と、差分画像生成部と、強調画像生成部とを備える。前記代表値画像生成部は、各画素が、収集済みの時系列の複数のX線画像の対応する画素における画素値の代表値を有する代表値画像を生成する。前記取得部は、被検体に関するX線画像を順次取得する。前記差分画像生成部は、新たに取得されたX線画像から代表値画像を減算することにより差分画像を順次生成する。前記強調処理画像生成部は、新たに生成された差分画像を対応するX線画像に加算することにより、対応する差分画像において描出された対象物が強調された強調処理画像を順次生成する。
1 医用画像処理システム
10 医用画像処理装置
15、15x 処理回路
21、21x 取得機能
22、22x 動き抑制画像生成機能
23、23x 抽出機能
24、24x 強調処理画像生成機能
25 周波数帯域データ生成機能
26 強調処理機能
27 周波数帯域データ合成機能
31 カテーテル
32 骨
33 横隔膜
41 ルート
80 X線診断装置
101 X線診断装置
A 動き抑制画像
EMn 中間強調画像
In X線画像
Mn 確認対象物画像
PIn 処理画像
SIn、ESIn 強調処理画像

Claims (17)

  1. 被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する取得部と、
    動きに関する成分を、前記複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する抽出部と、
    前記抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を前記複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する強調処理画像生成部と、
    を備えた医用画像処理装置。
  2. 前記強調処理画像生成部は、
    前記X線画像と前記抽出した動きに関する成分とを合成することにより前記強調処理画像を生成する、
    請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 前記複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が前記複数のX線画像よりも抑制された動き抑制画像を生成する動き抑制画像生成部、
    をさらに備え、
    前記抽出部は、前記複数のX線画像の各々から前記動き抑制画像を差分することにより、前記複数のX線画像のそれぞれにおいて前記動きに関する成分を抽出する、
    請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記動き抑制画像生成部は、
    前記動き抑制画像として、前記複数のX線画像のうちの2つ以上の平均値画像または中央値画像を生成する、
    請求項3記載の医用画像処理装置。
  5. 前記動き抑制画像生成部は、
    X線照射がオンからオフになり、またオンに復帰した場合、オフになる前に生成された前記動き抑制画像とオンに復帰した後に撮像されたX線画像とにもとづいて前記動き抑制画像を更新する、
    請求項3または4に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記動き抑制画像生成部は、
    前記被検体のX線撮像における照射野が変更されると、変更後の照射野のうち変更前の照射野と重複する部分については、変更前の照射野でX線撮像された前記複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづく前記動き抑制画像を利用して、変更後の照射野の動き抑制画像を生成する、
    請求項3ないし5のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記強調処理画像生成部は、
    前記抽出した動きに関する成分に対して係数を乗算して中間強調画像を生成し、前記中間強調画像と前記X線画像とを合成することにより前記強調処理画像を生成する、
    請求項2に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記X線画像を複数の周波数帯域データに変換し、
    前記抽出部と前記強調処理画像生成部と協調することにより、前記複数の周波数帯域データのそれぞれに対し、前記抽出した動きに関する成分の割合に応じて前記係数を割り当て、
    割り当てた前記係数にもとづいて複数の周波数帯域ごとに前記中間強調画像の画像データを生成する、
    強調処理部、
    をさらに備え、
    強調処理画像生成部は、
    前記複数の周波数帯域ごとの前記中間強調画像の画像データにもとづいて、前記強調処理画像を生成する、
    請求項7記載の医用画像処理装置。
  9. 前記強調処理画像生成部は、
    前記対象物が強調されるよう前記強調処理画像のウィンドウ幅を狭める、
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  10. 前記動きは、前記被検体の拍動および呼吸動の少なくとも一方に由来する動き、ならびに、前記対象物が前記被検体内を移動する場合は当該対象物の移動に由来する動き、の少なくとも一方を含む、
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  11. 被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する取得部と、
    前記時系列の複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、動きに関する成分が抑制された動き抑制画像を生成する動き抑制画像生成部と、
    前記時系列の複数のX線画像の少なくとも1つと前記動き抑制画像との差分処理により差分画像を生成する差分画像生成部と、
    生成された前記差分画像と前記差分画像に対応する前記X線画像とを加算することにより前記差分画像に描出された対象物の強調処理画像を生成する強調処理画像生成部と、
    を備えた医用画像処理装置。
  12. 被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する取得部と、
    前記時系列の複数のX線画像のうちの2つ以上にもとづいて、各画素が当該2つ以上のX線画像における画素値の代表値である代表値画像を生成する代表値画像生成部と、
    前記時系列の複数のX線画像の少なくとも1つと前記代表値画像との差分処理により差分画像を生成する差分画像生成部と、
    生成された前記差分画像と前記差分画像に対応する前記X線画像とを加算することにより前記差分画像に描出された対象物の強調処理画像を生成する強調処理画像生成部と、
    を備えた医用画像処理装置。
  13. 前記強調処理画像生成部は、
    係数を乗算した前記差分画像と、前記差分画像に対応する前記X線画像とを加算することにより、前記強調処理画像を生成する、
    請求項11または12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記強調処理画像生成部は、
    前記対象物が強調されるよう前記強調処理画像のウィンドウ幅を狭める、
    請求項11ないし13のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  15. 被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得する取得部と、
    動きに関する成分を、前記複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する抽出部と、
    前記抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を前記複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成する強調処理画像生成部と、
    を備えたX線診断装置。
  16. 被検体に関する時系列の複数のX線画像を取得するステップと、
    動きに関する成分を、前記複数のX線画像のそれぞれにおいて抽出する抽出ステップと、
    前記抽出した動きに関する成分にもとづいて、動きのある対象物を前記複数のX線画像のそれぞれにおいて強調した強調処理画像を生成するステップと、
    を有する医用画像処理方法。
  17. 前記複数のX線画像を取得するステップは、
    クライアントと、サーバとを備えた医用画像処理システムの前記クライアントおよび前記サーバのいずれかにより実行され、
    前記動きに関する成分を抽出するステップは、
    前記クライアントおよび前記サーバのいずれかにより実行され、
    前記強調処理画像を生成するステップは、
    前記クライアントおよび前記サーバのいずれかにより実行される、
    請求項16記載の医用画像処理方法。
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