JP2021034499A - 複数のチップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜付き基板を切削する際に、膜の基板からの剥がれを抑制する。【解決手段】基板の一方の面に酸化物の薄膜を含む膜が形成された膜付き基板を切削して膜付き基板から複数のチップを製造する複数のチップの製造方法であって、円環状の第1の切削ブレードの一面を膜の表面に対して直交する様に位置付けた場合に膜の表面との成す角度が5°以上30°以下となる斜面又は曲面を含む外周側面を有する第1の切削ブレードの下端を、膜付き基板の所定の深さに位置付けた状態で、チャックテーブルと第1の切削ブレードとを相対的に移動させることで膜を部分的に除去し、膜付き基板に加工溝を形成する加工溝形成工程と、加工溝のうち一方の面に形成された幅よりも小さい厚さを有する第2の切削ブレードを用いて、加工溝の底部を切削して、膜付き基板を複数のチップに分割する分割工程と、を備える複数のチップの製造方法を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、基板の一方の面に酸化物の薄膜を含む膜が形成された膜付き基板を切削して、当該膜付き基板から複数のチップを製造する、複数のチップの製造方法に関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子には、固体撮像素子を保護するためのカバーガラスや、特定の波長帯域の光を吸収する光学フィルタ等が設けられる。光学フィルタは、例えば、ガラス基板の一方の面に酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及びフッ化マグネシウム等の薄膜が順次積層された膜付き基板を形成した後、この膜付きガラス基板を分割することで製造される(例えば、特許文献1参照)。
膜付きガラス基板は、例えば、切削装置を用いて分割される。切削装置は、ガラス基板の他方の面側を吸引して保持する保持面を有するチャックテーブルを備える。チャックテーブルの上方には、円柱状のスピンドルと、このスピンドルの一端側に固定された環状の切削ブレード(即ち、切り刃)とを含む切削ユニットが設けられている。
膜付きガラス基板を分割するときには、例えば、ガラス基板の他方の面側にダイシングテープを貼り付ける。そして、ガラス基板の他方の面側を保持面で保持した状態で、スピンドルを回転軸として回転している切削ブレードの下端をガラス基板の他方の面よりも下方且つ保持面よりも上方に位置付ける。そして、チャックテーブルを所定方向に移動させることで、チャックテーブルと切削ブレードとを相対的に移動させる。これにより、チャックテーブルの移動の経路に沿って、積層膜付きガラス基板は切断される。
特開2006−36560号公報
しかし、上述の方法で膜付きガラス基板を切断すると、ガラス基板の縁部において、膜がガラス基板から剥離するという問題がある。
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、膜付き基板を切削する際に、膜の基板からの剥がれを抑制することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板の一方の面に酸化物の薄膜を含む膜が形成された膜付き基板を切削して該膜付き基板から複数のチップを製造する複数のチップの製造方法であって、該膜が露出する様に、該膜付き基板の他方の面側を切削装置のチャックテーブルで保持する保持工程と、円環状の第1の切削ブレードの一面を該膜の表面に対して直交する様に位置付けた場合に該膜の該表面との成す角度が5°以上30°以下となる斜面又は曲面を含む外周側面を有する該第1の切削ブレードの下端を、該膜付き基板の所定の深さに位置付けた状態で、該チャックテーブルと該第1の切削ブレードとを相対的に移動させることで該膜を部分的に除去し、該膜付き基板に加工溝を形成する加工溝形成工程と、該加工溝のうち該一方の面に形成された幅よりも小さい厚さを有する第2の切削ブレードを用いて、該加工溝の底部を切削して、該膜付き基板を複数のチップに分割する分割工程と、を備える複数のチップの製造方法が提供される。
本発明の一態様に係る複数のチップの製造方法は、保持工程と、加工溝形成工程と、分割工程とを備える。加工溝形成工程では、膜の表面から所定の深さに位置付けられた場合に膜の表面との成す角度が5°以上30°以下となる斜面又は曲面の外周側面を有する第1の切削ブレードを、所定の深さ位置に位置付けた状態で、チャックテーブルに対して相対的に移動させる。これにより、膜を部分的に除去しつつ、膜付き基板に加工溝を形成する。
この様に、膜の表面との成す角度が5°以上30°以下となる斜面又は曲面の外周側面を有する第1の切削ブレードを用いることで、外周側面に斜面又は曲面を有さない他の切削ブレードで切削する場合に比べて、膜に作用する外力の垂直方向の成分を大きくできる。それゆえ、加工溝形成工程では、膜15を上方から押さえ付けることにより、膜の基板からの剥がれを抑制できる。加工溝形成工程後の分割工程では、加工溝の幅よりも厚さの小さい第2の切削ブレードを用いて、加工溝の底部を切削するので、膜剥がれが生じることなく、基板を切削できる。
図1(A)は膜付き基板の斜視図であり、図1(B)は膜付き基板の断面図である。 フレームユニットの斜視図である。 切削装置の斜視図である。 図4(A)は第1の切削ブレードの側面図であり、図4(B)は加工溝形成工程での第1の切削ブレード等の一部断面側面図である。 図5(A)は分割工程での第2の切削ブレード等の一部断面側面図であり、図5(B)は1つのチップの斜視図である。 複数のチップの製造方法のフロー図である。 比較例に係る他の切削ブレードを用いた加工溝形成工程を示す図である。 図8(A)は膜の表面と曲面との成す角が30°であるときの加工溝形成工程を示す図であり、図8(B)は膜の表面と曲面との成す角が45°であるときの加工溝形成工程を示す図であり、図8(C)は膜の表面と曲面との成す角が60°であるときの加工溝形成工程を示す図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、第1実施形態の加工対象である膜付き基板11について説明する。図1(A)は、膜付き基板11の斜視図であり、図1(B)は、膜付き基板11の断面図である。
膜付き基板11は、矩形状のガラス基板(基板)13を有する。ガラス基板13は、ショット日本株式会社製の光学ガラスの基板であり、縦25mmから30mm、横15mmから20mm、厚さ3mmから5mmの大きさを有する。
但し、ガラス基板13は、上述の光学ガラスの基板に限定されず、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、アルミノケイ酸ガラス等の各種ガラスで形成されてもよい。また、膜付き基板11の基板は、ガラスに限定されず、シリコン基板、金属基板等の可視光を透過しない性質を有する基板であってもよい。
ガラス基板13の一面(一方の面13a)は、デバイス、素子等が形成されていない略平坦な面であり、この一方の面13aには、膜15が形成されている。膜15は、例えば、6μmから7μm程度の厚さを有する。
膜15は、各々プラズマCVDで形成した二酸化シリコン(SiO)及び五酸化タンタル(Ta)等の酸化物の薄膜を含む。本実施形態の膜15は、SiOの薄膜とTaの薄膜とが交互に積層された積層膜である。
但し、酸化物の種類は、SiO及びTaに限定されない。他の種類の酸化物の薄膜を2層以上積層することにより膜15を形成してもよい。また、1つの種類の酸化物の薄膜で膜15を形成してもよい。酸化物以外の材料で形成された薄膜と、酸化物の薄膜との積層膜で膜15を形成してもよい。
膜付き基板11を切削する場合には、事前に、膜付き基板11、金属製のフレーム17及びダイシングテープ19から成るフレームユニット21を形成する。図2は、フレームユニット21の斜視図である。
フレーム17は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属で形成されており、ガラス基板13の対角線よりも大きな径の開口を有する。ダイシングテープ19は、伸縮性を有する樹脂製のシートであり、フレーム17の開口よりも大きな径を有する。
ダイシングテープ19は、例えば、基材層及び粘着層(糊層)の積層構造を有する。基材層は、例えば、ポリオレフィン(PO)で形成されている。基材層の一面の全体又は一部には、紫外線(UV)硬化型樹脂等の粘着性の樹脂で形成された粘着層が形成されている。
フレーム17の一面と、膜付き基板11の他面(他方の面13b)とにダイシングテープ19を貼り付けることで、膜付き基板11は、ダイシングテープ19を介してフレーム17に固定される。これにより、フレームユニット21が形成される。
膜付き基板11は、フレームユニット21の状態で切削装置10を用いて切削される。図3は、切削装置10の斜視図である。切削装置10は、フレームユニット21を吸引して保持するためのチャックテーブル12を有する。
チャックテーブル12は、金属製の枠体を有する。枠体の上部側には、円盤状の空間から成る凹部(不図示)が形成されており、この凹部には、気体等を吸引するための流路の一端が接続されている。流路の他端にはエジェクタ等の吸引源(不図示)が接続されている。
枠体の凹部には、円盤状の多孔質プレート(不図示)が固定される。吸引源を動作させると、多孔質プレートの上面には負圧が発生するので、多孔質プレートの上面は、フレームユニット21を吸引して保持する保持面として機能する。
チャックテーブル12の下方には、チャックテーブル12を所定の軸の周りに回転させるθテーブル(不図示)が設けられている。θテーブルの下方には、θテーブルをX軸方向に沿って移動させるためのX軸移動機構(不図示)が設けられている。
チャックテーブル12の上方には、2つの切削ユニット14が設けられている。なお、図3では、1つの切削ユニット14が示されている。各切削ユニット14は、円筒形状のスピンドルハウジング16を有する。スピンドルハウジング16には、円柱状のスピンドル(不図示)の一部が回転可能な態様で収容されている。
スピンドルの一端には、スピンドルを回転させるための回転駆動源(不図示)が連結されている。スピンドルの他端には、ハブレス型(即ち、ワッシャー型)の切削ブレードが装着されている。
図4(A)を用いて、片方の切削ユニット14のスピンドルに装着される円環状の第1の切削ブレード18について説明する。図4(A)は、第1の切削ブレード18の側面図である。なお、図4(A)では、第1の切削ブレード18の一部を省略している。
第1の切削ブレード18としては、砥粒及び金属粉末等を焼成して形成したメタルボンドブレード、砥粒及び熱硬化性樹脂等を焼成して形成したレジンボンドブレード等が用いられる。
第1の切削ブレード18は、円環状の一面18aと、一面18aとは反対側に位置する円環状の他面18bとを有する。第1の切削ブレード18は、更に、一面18a及び他面18bに接続する外周側面18cを有する。
外周側面18cは、第1の切削ブレード18の厚さ方向の略中央に設けられている平面18dを含む。平面18dは、一面18a及び他面18bに略直交する平坦な面であり、第1の切削ブレード18の回転中心から最も離れた位置にある。
なお、図4(A)では、理解を容易にするために、平面18dに平行な平面Aを、第1の切削ブレード18と共に示す。平面18d及び一面18aは、斜面18eにより接続されており、斜面18eは、平面18d(平面A)に対して30°傾いている。
同様に、平面18d及び他面18bは、斜面18fにより接続されており、斜面18fは、平面18d(平面A)に対して30°傾いている。平面18d、斜面18e及び斜面18fは、一面18a及び他面18bの最外周から所定の長さL1だけ突出した凸部を構成している。
但し、斜面18e及び斜面18fの平面18dに対する傾きは、30°に限定されない。斜面18e及び斜面18fは、それぞれ平面18dに対して、5°以上30°以下の所定角度傾いてよい。
下限の角度である5°は、膜15のガラス基板13からの剥がれを抑制できると考えられる最小の角度である。なお、5°以上30°以下の範囲であれば、斜面18eの平面18dに対する傾き角度と、斜面18fの平面18dに対する傾き角度とは同じでなくてもよい。
図3に戻り、切削ユニット14の他の構成要素について説明する。第1の切削ブレード18の略上半分は、ブレードカバー20で覆われている。ブレードカバー20には、第1の切削ブレード18の一面18a及び他面18bを挟む様に、一対のクーラーノズル22が設けられている。なお、図3では、1つのクーラーノズル22が示されている。
次に、第1実施形態に係る複数のチップの製造方法について説明する。第1実施形態では、切削装置10を用いて膜付き基板11を切削することにより、膜付き基板11から複数のチップを製造する。図6は、複数のチップの製造方法のフロー図である。
まず、膜付き基板11の一方の面13a側を上に向けた態様で、膜付き基板11をチャックテーブル12の保持面に載置する。そして、吸引源を動作させて、膜付き基板11の他方の面13b側をチャックテーブル12で保持する(保持工程(S10))。これにより、膜15の表面15aが露出する態様で、膜付き基板11は保持面で保持される。
保持工程(S10)の後、膜付き基板11に加工溝23を形成する(加工溝形成工程(S20))。加工溝形成工程(S20)では、まず、膜付き基板11の加工予定ライン(不図示)と、第1の切削ブレード18の一面18a及び他面18bとが平行になる様に、θテーブルで膜付き基板11の向きを調整する。
向きの調整と共に、回転駆動源を動作させて、第1の切削ブレード18を、例えば、30000rpmで所定の回転方向Rに回転させる。そして、回転する第1の切削ブレード18をZ軸方向(高さ方向、垂直方向)に沿って動かし、第1の切削ブレード18の下端を、膜15の表面15aから膜15の厚さよりも深い所定の深さ(例えば、表面15aから15μmの深さ)に位置付ける(図4(B)参照)。
このとき、第1の切削ブレード18の一面18a及び他面18bは、膜15の表面15aに対して直交する。また、外周側面18cの平面18dは、表面15aと略平行であり、斜面18e及び斜面18fと表面15aとの成す角度は、30°である。
次に、X軸移動機構を用いてθテーブル及びチャックテーブル12をX軸方向に沿って加工送りする(図3の矢印X1参照)。加工送り速度は、0.1mm/s以上5.0mm/s以下の範囲の所定値(本実施形態では1.0mm/s)とする。
なお、加工送り速度が大きくなるほど、膜15がガラス基板13から剥がれ易くなる。それゆえ、加工送り速度は、比較的小さい方が好ましい。加工送り速度は、好ましくは、0.1mm/s以上1.0mm/s以下であり、より好ましくは、0.1mm/s以上0.5mm/s以下である。
チャックテーブル12をX軸方向に沿って加工送りを行うことにより、チャックテーブル12と第1の切削ブレード18とがX軸方向に相対的に移動し、膜15とガラス基板13の一部とは加工予定ラインに沿って除去される。
なお、第1の切削ブレード18を膜付き基板11に切り込む際には、回転する第1の切削ブレード18をガラス基板13の一方の面13a側から他方の面13b側へ切り込む様に、第1の切削ブレード18の回転方向Rに対して加工送り方向を固定する(ダウンカット)。
加工溝形成工程(S20)では、例えば、表面15aから膜15の厚さの1倍以上3倍以下の深さ(本実施形態では、15μm)、第1の切削ブレード18を膜付き基板11に切り込み、加工予定ラインに沿って膜付き基板11に加工溝23を形成する。図4(B)は、加工溝形成工程(S20)での第1の切削ブレード18等の一部断面側面図である。
1つの加工予定ラインに沿って膜付き基板11を切削した後、Y軸方向に沿って所定の長さ(例えば5mm)だけ切削ユニット14を割り出し送りする。そして、チャックテーブル12と第1の切削ブレード18とをX軸方向に相対的に移動させて、加工溝23を形成する。
同様にして、X軸方向への加工送りとY軸方向への割り出し送りとを繰り返して、複数の加工溝23を形成した後、θテーブルをXY平面上で90°回転させる。そして、再び、X軸方向への加工送りとY軸方向への割り出し送りとを繰り返し、複数の加工溝23を形成する。これにより、ガラス基板13の一方の面13a側には、複数の加工溝23が格子状に形成される。
本実施形態では、平面18d(即ち、平面A、表面15a)との成す角度が5°以上30°以下である斜面18e及び18fを有する第1の切削ブレード18で、膜15を切削する。それゆえ、外周側面18cが平坦である他の切削ブレードで膜15を切削する場合(図7参照)に比べて、加工溝23に隣接する膜15に作用する外力F1の垂直方向の成分を大きくできる。従って、膜15を上方から押さえ付けることができ、膜15のガラス基板13からの剥がれを抑制できると考えられる。
特に、ガラス基板13に酸化物の薄膜から成る膜15が形成されている場合に、膜15とガラス基板13との密着性は、膜15とシリコン基板との密着性に比べて低い。それゆえ、膜15のガラス基板13からの剥がれを抑制するためには、本実施形態の様に加工溝形成工程(S20)を行うことが好ましい。
加工溝形成工程(S20)の後、もう片方の切削ユニット14のスピンドルに装着された第2の切削ブレード24を用いて、加工溝23の底部23aを切削する。これにより、膜付き基板11を複数のチップ25に分割する(分割工程(S30))。図5(A)は、分割工程(S30)での第2の切削ブレード24等の一部断面側面図である。
第2の切削ブレード24は、第1の切削ブレード18と同様に円環状であり、各々円環状の一面24a及び他面24bを有する。但し、一面24a及び他面24bに接続する外周側面は、一面24a及び他面24bに略直交する平面24cから成る。
第2の切削ブレード24は、加工溝23のうちガラス基板13の一方の面13aに形成された幅23bよりも小さい厚さ24dを有する。なお、厚さ24dが幅23bよりも小さければ、第2の切削ブレード24の外周側面の形状は、平面24cではなく他の形状であってもよい。
分割工程(S30)では、第2の切削ブレード24の一面24a及び他面24bを、ガラス基板13の他方の面13bに対して直交させた状態で、チャックテーブル12と第2の切削ブレード24とをX軸方向に相対的に移動させる。なお、加工送り速度を0.1mm/s以上5.0mm/s以下の範囲の所定値(本実施形態では1.0mm/s)とし、ダウンカットによりガラス基板13を切削する。
分割工程(S30)では、第2の切削ブレード24を用いて、膜15を切削することなくガラス基板13のみを切削するので、膜15のガラス基板13からの剥がれは生じない。格子状に形成された各加工溝23の底部23aを切削することにより、膜付き基板11を切断して、複数のチップ25を製造する。図5(B)は、1つのチップ25の斜視図である。
第1実施形態の様に、加工溝形成工程(S20)において、斜面18e及び18fと表面15aとの成す角度を30°とした場合、膜15がガラス基板13から剥がれないことが実験により確認された。
これに対して、加工溝形成工程(S20)において、斜面18e及び18fと表面15aとの成す角度を45°及び60°とした場合には、それぞれ加工溝23の縁部で膜15がガラス基板13から剥がれることが実験により確認された。
また、外周側面に斜面を有しない第3の切削ブレード26を用いて加工溝形成工程(S20)を行った場合も、加工溝23の縁部で膜15がガラス基板13から剥がれることが実験により確認された。図7は、比較例に係る第3の切削ブレード26を用いた加工溝形成工程(S20)を示す図である。
第3の切削ブレード26は、第2の切削ブレード24と同様に、各々円環状の一面26a及び他面26bと、一面26a及び他面26bに略直交する平面26cとを有する。第3の切削ブレード26を用いて加工溝形成工程(S20)を行う場合、加工溝23の縁部で膜15に作用する外力F2は、水平方向の成分のみであり、垂直方向の成分は存在しない。
つまり、加工溝23の縁部分に位置する膜15は、垂直方向の成分の外力を受けないので、第3の切削ブレード26から押さえ付けられない。一面26a及び他面26bからの水平方向の成分の外力F2が膜15に作用して、膜15のガラス基板13からの剥がれが生じると考えられる。
次に、第2実施形態に係る第1の切削ブレード28について説明する。第1の切削ブレード28は、円環状であり、各々円環状の一面28a及び他面28bと、一面28a及び他面28bに接続する外周側面28cとを有する。
外周側面28cは、第1の切削ブレード18の厚さ方向の略中央に設けられている平面28dを含む。平面28dは、一面28a及び他面28bに略直交する平坦な面であり、第1の切削ブレード28の回転中心から最も離れた位置にある。
平面28d及び一面28aは凸型の曲面28eにより接続されており、同様に、平面28d及び他面28bは凸型の曲面28fにより接続されている。平面28d、曲面28e及び曲面28fは、一面28a及び他面28bの最外周から所定の長さL2だけ突出した凸部を構成している。
第1の切削ブレード28を用いて加工溝形成工程(S20)を行う場合、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角度が5°以上30°以下の場合、第1実施形態と同様に、膜15のガラス基板13からの剥がれを抑制できる。
第2実施形態において、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角度は、第1の切削ブレード28を膜付き基板11に切り込むときの切り込み深さによって異なる。例えば、第1の切削ブレード28の切り込み深さを比較的浅い第1の深さとすると、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角度は30°となる。
図8(A)は、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が30°であるときの加工溝形成工程(S20)での第1の切削ブレード28等の一部断面側面図である。図8(A)では、表面15aと曲面28eとの接点B1を通り、曲面28eに接する直線を破線で示す。
表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が30°の場合、膜15に作用する外力の垂直方向の成分が比較的大きいので、膜15を上方から押さえ付けることができる。それゆえ、第1実施形態と同様に、膜15のガラス基板13からの剥がれを抑制できると考えられる。
図8(B)は、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が45°であるときの加工溝形成工程(S20)を示す図である。図8(B)では、表面15aと曲面28eとの接点B2を通り、曲面28eに接する直線を破線で示す。例えば、第1の切削ブレード28の切り込み深さを第1の深さよりも深い第2の深さとすることで、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が45°となる。
図8(C)は、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が60°であるときの加工溝形成工程(S20)を示す図である。図8(C)では、表面15aと曲面28eとの接点B3を通り、曲面28eに接する直線を破線で示す。例えば、第1の切削ブレード28の切り込み深さを第2の深さよりも深い第3の深さとすることで、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が60°となる。
成す角が45°及び60°の場合には、膜15がガラス基板13から剥がれることが実験により確認された。成す角が45°及び60°の場合には、成す角が30°の場合に比べて、膜15に作用する外力の垂直方向の成分が小さくなることが原因として考えられる。
従って、第1の切削ブレード28を用いて加工溝形成工程(S20)を行う場合には、膜15の表面15aと曲面28e及び28fとの成す角が5°以上30°以下となる様に、切り込み深さを調整することが好ましい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。例えば、膜付き基板11において、ガラス基板13の一方の面13a及び他方の面13bの両面に、膜15を設けてもよい。
ガラス基板13の両面に膜15が設けられている場合、加工溝形成工程(S20)では、まず、一方の面13a及び他方の面13bの一方側に加工溝23を形成し、次いで、一方の面13a及び他方の面13bの他方側に加工溝23を形成する。その後、分割工程(S30)を行う。
なお、第1実施形態に係る第1の切削ブレード18は、斜面18e及び18fと平面18dとを有する。しかし、第1の切削ブレード18は、平面18dを有さずに、斜面18e及び18fから成る略V字形状の外周側面18cを有してもよい。
また、第2実施形態に係る第1の切削ブレード28は、曲面28e及び28fと平面28dとを有する。しかし、第1の切削ブレード28は、平面28dを有さずに、曲面28e及び28fから成る略U字形状の外周側面28cを有してもよい。
更に、第1の切削ブレード18,28及び第2の切削ブレード24は、ハブレス型(即ち、ワッシャー型)の切削ブレードに限定されず、アルミニウム等の金属で形成された円盤状の基台の外周部分に切り刃が形成されたハブ型の切削ブレードであってもよい。
10 切削装置
11 膜付き基板
12 チャックテーブル
13 ガラス基板
13a 一方の面
13b 他方の面
14 切削ユニット
15 膜
15a 表面
16 スピンドルハウジング
17 フレーム
18 第1の切削ブレード
18a 一面
18b 他面
18c 外周側面
18d 平面
18e 斜面
18f 斜面
19 ダイシングテープ
20 ブレードカバー
21 フレームユニット
22 クーラーノズル
23 加工溝
23a 底部
23b 幅
24 第2の切削ブレード
24a 一面
24b 他面
24c 平面
24d 厚さ
25 チップ
26 第3の切削ブレード
26a 一面
26b 他面
26c 平面
28 第1の切削ブレード
28a 一面
28b 他面
28c 外周側面
28d 平面
28e 曲面
28f 曲面
A 平面
B1,B2,B3 接点
F1 外力
F2 外力
L1 長さ
L2 長さ
R 回転方向
X1 矢印

Claims (1)

  1. 基板の一方の面に酸化物の薄膜を含む膜が形成された膜付き基板を切削して該膜付き基板から複数のチップを製造する複数のチップの製造方法であって、
    該膜が露出する様に、該膜付き基板の他方の面側を切削装置のチャックテーブルで保持する保持工程と、
    円環状の第1の切削ブレードの一面を該膜の表面に対して直交する様に位置付けた場合に該膜の該表面との成す角度が5°以上30°以下となる斜面又は曲面を含む外周側面を有する該第1の切削ブレードの下端を、該膜付き基板の所定の深さに位置付けた状態で、該チャックテーブルと該第1の切削ブレードとを相対的に移動させることで該膜を部分的に除去し、該膜付き基板に加工溝を形成する加工溝形成工程と、
    該加工溝のうち該一方の面に形成された幅よりも小さい厚さを有する第2の切削ブレードを用いて、該加工溝の底部を切削して、該膜付き基板を複数のチップに分割する分割工程と、を備えることを特徴とする複数のチップの製造方法。
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