JP2021034232A - 解凍機及び解凍機用の電極装置 - Google Patents

解凍機及び解凍機用の電極装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波誘電加熱を利用した解凍機において、被解凍物へ効率的に電界エネルギーを与え、解凍を効率化する。【解決手段】解凍機は、高周波放射源となる電極装置40を備える。電極装置40は、解凍室外の位置である底面の下方に位置するように筐体内に配置され、解凍室に臨むように配置されている。線路状電極41は、長手方向の第1端41Aと、第1端41Aの反対側端である第2端41Bとの間において、複数の直線部分と、複数の折れ曲がり部分と、を有する。折れ曲がり部分は、180°の曲げ角を有する。複数の直線部分は、互いに並行に配置されている。【選択図】図3

Description

本開示は、解凍機及び解凍機用の電極装置に関する。
少子高齢化に伴う食生活の変化、冷凍技術の進歩によって、冷凍食品を目にすることが多くなった。冷凍食品はそのほとんどが、解凍して食しなければならない。従来の解凍方法は、自然解凍、送風解凍、流水解凍など、その食材、調理用途に応じて使い分けられてきた。しかし、これらの解凍方法は、時間を要し、解凍状態にムラやドリップが生じる。
解凍には、マイクロ波加熱方式による電子レンジでの解凍機能が利用されることもある。電子レンジにおけるマイクロ波の周波数は、一般に、2450MHzである。しかし、マイクロ波加熱方式による解凍は、マイクロ波の波長が短いため、表面焼けが生じ易い。
良好な解凍方法として、3MHzから300MHzの高周波が用いられる高周波誘電加熱方式がある。この高周波誘電加熱方式は、マイクロ波加熱方式に比べて、波長が長いため、被解凍物を深く加熱することができる。
特許文献1は、数〜数十MHzの高周波での誘電加熱による解凍を行う高周波解凍装置を開示している。特許文献1の高周波解凍装置は、解凍室内に設置した一対の電極を備える。一対の電極間には高周波電界が生じる。被解凍物は、一対の電極間に配置され、一対の電極間に生じた高周波電界により解凍される。
図11は、従来の高周波誘電加熱のための一対の電極101,102を模式的に示している。一対の電極101,102は、上部電極101と、下部電極102と、を含む。一対の電極101,102に接続された発振器103が、一対の電極101,102間に高周波電界を発生させる。一対の電極101,102間に配置された被解凍物(誘電体)は、高周波電界による誘導加熱により、解凍される。
特開2002−359064号公報
図11に示す電極構造の場合、一対の電極101,102から放出される高周波エネルギーとしては、一対の電極101,102に挟まれた空間内に放出される第1エネルギー110のほか、一対の電極101,102に挟まれた空間外に放出される第2エネルギー111もある。図11に示す電極構造の場合、第2エネルギー111の放出が大きいため、誘電加熱の効率が低下する。
図11に示す電極構造に代えて、図12に示す電極構造を採用することが考えられる。図12に示す電極構造は、パッチアンテナに類似した構造を有する。すなわち、図12に示す電極構造は、高周波を放射する電極121と、電極121からみて被解凍物130とは反対側に配置されたグランド電極122と、を備える。ここでは、図12に示す電極構造を、パッチ型電極構造という。
図12に示すように、パッチ型電極構造の場合、パッチアンテナと同様に、グランド電極122の反対側である電極121の直上の範囲に高周波エネルギーを効率よく放射できるものと考えられる。
しかし、本発明者の実験によれば、図12に示すようなパッチ型電極構造であっても、被解凍物の効率的な解凍は困難であった。したがって、より効率的な解凍が望まれる。効率的な加熱のためには、電界エネルギーを効率的に増大させることが望まれる。本発明者は、鋭意検討の結果、電界エネルギーを効率的に増大させる構造を見出した。
本開示のある側面は、解凍機である。開示の解凍機は、被解凍物の解凍処理が行われる解凍室と、前記解凍室内の被解凍物へ高周波を放射する線路状電極と、を備え、前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる。
本開示の他の側面は、電極装置である。開示の電極装置は、被解凍物へ高周波を放射する線路状電極を備え、前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる。
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
図1は、第1実施形態に係る解凍機の斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る解凍機の断面図である。 図3は、第1実施形態に係る電極装置の平面図である。 図4は、線路状電極における高周波電圧と高周波電流の説明図である。 図5は、線路状電極によって生じる電界の図である。 図6は、屈曲した線路状電極における電圧の説明図である。 図7は、屈曲した線路状電極によって生じる電界の図である。 図8は、積層構造の線路状電極を示す側面図である。 図9は、変形例に係る線路状電極を示す平面図である。 図10は、線路状電極における高周波電圧と高周波電流の説明図である。 図11は、従来の電極構造を示す斜視図である。 図12は、パッチ型電極構造を示す斜視図である。
<1.解凍機及び解凍機用の電極装置の概要>
(1)実施形態に係る解凍機は、被解凍物の解凍処理が行われる解凍室と、前記解凍室内の被解凍物へ高周波を放射する線路状電極と、を備える。前記線路状電極は、屈曲形成されている。屈曲形成された前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じる。前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる。直線状の線路状電極では、線路に沿って高周波電圧の分布が生じ、線路に沿った高周波電圧の分布による電位差によって第1電界が生じる。しかし、実施形態に係る線路状電極では、線路状電極が屈曲形成されていることによって、第1位置と第2位置との間に漏れ電界である第2電界が生じる。すなわち、線路状電極を屈曲させると、線路状電極における屈曲した線路に沿った第1位置と第2位置との間の第1距離よりも、第1位置と第2位置とを結ぶ最短距離である第2距離の方が短くなる。そして、電界は、2点間の電位差が同じでも、2点間の距離が小さければ、大きくなる。したがって、線路状電極の屈曲により、漏れ電界の電界強度を大きくすることができる。
なお、屈曲形成とは、線路状電極の少なくとも一部に曲がった部分を有し、線路状電極全体が非直線状であることをいう。曲がった部分における曲げ角度は、特に限定されない。曲がった部分は、図3に示すように滑らかに曲がっていてもよいし、折れ曲がっていてもよい。屈曲形成された線路状電極は、部分的に直線状であってもよい。また、「屈曲形成され」とは、線路状電極の製法を限定するものではなく、したがって、線路状電極の作製工程において「曲げる工程」が存在する必要はない。すなわち、「屈曲形成され」とは、屈曲した状態を示す。
実施形態に係る解凍機では、第1電界だけでなく、漏れ電界である第2電界も、被解凍物へ与えられる。しかも、漏れ電界は、強度が高く、線路状電極の近傍に集中しやすいため、線路状電極の近傍に配置された被解凍物に効率的に電界エネルギーを与えることができる。したがって、被解凍物へ与えられる電界エネルギーが増大し、効率的な加熱が可能である。
(2)前記線路状電極は、給電部から延設された第1線路を備えるのが好ましい。
(3)前記第1線路は、ミアンダ形状であるのが好ましい。ミアンダ形状にすることで、少ないスペースにおいて、線路状電極の線路長を大きくするのが容易となる。
(4)前記線路状電極は、前記第1線路とは別に前記給電部から延設された第2線路を更に備えるのが好ましい。
(5)前記第2線路は、ミアンダ形状であるのが好ましい。
(6)前記第2線路は、前記第1線路と同じ線路長を有することができる。
(7)前記第2線路は、前記第1線路とは異なる線路長を有することができる。
(8)前記線路状電極は、前記高周波の周波数に依存した線路長を有するのが好ましい。
(9)前記線路状電極は、単線によって構成されているのが好ましい。
(10)前記線路状電極は、基板に形成された導体パターンによって構成されているのが好ましい。
(11)前記線路状電極は、導体板によって構成されているのが好ましい。
(12)前記線路状電極は、積層された複数の導体層によって構成されているのが好ましい。
(13)解凍機は、前記線路状電極からみて、前記被解凍物とは反対側に配置されたグランド電極を更に備えるのが好ましい。グランド電極を備えることで、被解凍物側へ効率的に電界を与えることができ、線路状電極の入力インピーダンスの最適化も図ることができる。
(14)前記線路状電極からみて、前記被解凍物側に配置された補助グランド電極を更に備え、前記補助グランド電極は、前記被解凍物を挟んで、前記線路状電極に対向する位置、及び前記線路状電極からみて、前記被解凍物の側方位置の少なくともいずれか1つの位置に配置されてもよい。
(15)実施形態に係る解凍機は、複数の高周波放射源を備えることができる。複数の前記高周波放射源は、それぞれ、線路状電極を備える。前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ放射される。
(16)実施形態に係る電極装置は、被解凍物へ高周波を放射する線路状電極を備える。前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる。
<2.解凍機及び解凍機用の電極装置の例>
<2.1 第1実施形態>
図1及び図2に示す解凍機10は、被解凍物(被加熱物)60の解凍処理が行われる解凍室30が形成された筐体20を備える。図示の解凍室30は、底面31と、天面32と、右側面33、左側面34、背面(奥側面)35と、を備える。食品などの被解凍物60は、解凍のため、解凍室30内に配置される。なお、解凍室30の正面は、図示しないドア部により開閉される。
解凍機10は、高周波放射源となる電極装置40を備える。実施形態の電極装置40は、解凍室30外の位置である底面31の下方に位置するように筐体20内に配置されている。電極装置40は、解凍室30に臨むように配置されている。実施形態の電極装置40は小型化されているため、解凍機10も小型である。実施形態の解凍機10は、例えば、家庭用の電子レンジと同程度の大きさでよい。なお、電極装置40は、底面31以外の面32,33,34,35のいずれかに設けられてもよい。また、解凍室30を構成する複数の面31,32,33,34のうちの2以上の面それぞれに電極装置40が設けられていてもよい。高周波放射源となる電極装置40を多面配置にすることで、効率的に被解凍物60を加熱できる。
電極装置40は、前述のパッチ型電極構造に類似した構造を持つ。すなわち、図2及び図3に示すように、電極装置40は、高周波を放射する電極41と、電極41からみて被解凍物60とは反対側に配置されたグランド電極42と、を備える。実施形態の電極41は、線路状電極である。電極装置40は、パッチ型電極構造と同様の構造を有するため、線路状電極41から被解凍物60へ向けて高周波エネルギーを照射する。したがって、電極装置40は、図11に示す電極構造に比べて、高周波エネルギーの放出効率が良く、効率よく加熱できる。
電極装置40には、給電線50を介して、高周波が給電される。給電線50は、例えば、同軸ケーブルによって構成される。同軸ケーブルの内導体(高周波伝送線)は、線路状電極41に接続され、同軸ケーブルの外導体(グランド)は、グランド電極42に接続される。
電極装置40は、第1面43A及び第2面43Bを有する基板43を備える。第1面43Aは、解凍室30側に向く面であり、図2では、上方を向く面である。第2面43Bは、第1面43Aの反対面であり、図2では、下方を向く面である。
線路状電極41は、第1面43A上に配置されている。線路状電極41は、解凍室30内の被解凍物60へ高周波を照射する。線路状電極41は、導電ケーブル等の線路状導体により構成されている。線路状電極41を構成する導電ケーブルは、例えば、単線ケーブルである。線路状電極41は、基板43に形成された導体パターンによって構成されていてもよい。
線路状電極41は、放射される高周波の周波数に依存した線路長を有する。高周波の周波数は、3MHzから300MHzの範囲内であるのが好ましい。高周波の周波数に依存した線路長は、例えば、高周波の波長λの1/2倍又は1/4倍である。
高周波の波長λが長いため、高周波の周波数に依存して決定される線路状電極41の線路長は長くなりやすい。例えば、高周波の周波数が40MHzである場合、波長λは、7.5mである。線路状電極41の線路長を波長λの1/2に設定する場合、線路長は、約3.7mとなる。
図3に示すように、線路状電極41は、平面的に屈曲形成されている。したがって、線路状電極41が、例えば3.7mの長さを有していても、線路状電極41が占める領域は、小さくてよく、電極装置40を小型化できる。この結果、波長の長い高周波を用いても、電極装置40の実装面積を小さくでき、電極装置40を比較的小型の筐体20内に配置することができる。また、図3に示すように、電極装置40の平面視において、線路状電極41は、グランド電極42が形成された領域の範囲内に収まっている。換言すると、平面視において、グランド電極42が形成された領域は、屈曲形成された線路状電極41の周囲(外方)に広がっている。
線路状電極41の線路長は、電極装置40が最適インピーダンスを有するための境界条件を満たすように設定するのが好ましい。電極装置40が最適インピーダンスを有することで、インピーダンス整合が容易となり、効率的に高周波を給電できる。
グランド電極42は、第2面43B上に形成された導電パターンによって構成されている。グランド電極42は、線路状電極41の背後、すなわち、線路状電極41からみて被解凍物60とは反対側、に位置する。グランド電極42は、線路状電極41電極から全方位に放出される電界エネルギーを、被解凍物60側へ反射させる。グランド電極42が線路状電極41の背後に設けられていることで、電界エネルギーを、被加熱物60に効率よく照射することができる。
また、線路状電極41の背後に設けられたグランド電極42は、電極装置40のインピーダンスを最適化する役割も有する。
なお、線路状電極41とグランド電極42との間には、基板43などの誘電体部材が存在していてもよいし、基板43を省略して、空気層が存在していてもよい。
図2に示す解凍機10は、電極装置40以外に、補助グランド電極45,46,47を備える。補助グランド電極45,46,47は、線路状電極41からみて、被解凍物60側に配置されている。図2に示す補助グランド電極45,46,47は、解凍室30を区画する面31,32,33,34,35のうち、電極装置40が設けられた面31以外の1又は複数の面32,33,34,35に設けることができる。図2では、補助グランド電極45,46,47は、天面32と、側面33と、側面34と、に設けられている。天面32は、被解凍物60を挟んで線路状電極41に対向する位置である。側面33及び側面34、及び背面35は、線路状電極からみて、被解凍物の側方位置である。補助グランド電極45,46,47は、解凍室30外の位置であって、解凍室30に臨む位置に存在するように、筐体20内に設けられている。
補助グランド電極45,46,47を設けることで、電極装置40から放射された高周波エネルギーを、効率的に解凍室30内に集中させることができる。なお、補助グランド45,46,47は省略してもよい。
前述のように比較的長い線路長を有する線路状電極41は、第1面43A上において、屈曲形成されている。図3に示す線路状電極は、ミアンダ形状を持つ。図3に示す線路状電極41は、長手方向の第1端41Aと、第1端41Aの反対側端である第2端41Bとの間において、複数の直線部分と、複数の折れ曲がり部分と、を有する。折れ曲がり部分は、180°の曲げ角を有する。複数の直線部分は、互いに並行に配置されている。
連続する線路状電極41を屈曲形成することにより、線路状電極41を線路幅方向にみて、複数の線路部分(例えば、図3における直線部分)が並行する形状が得られる。連続する線路状電極41が、並行する複数の線路部分を有する形状を持つことで、漏れ電界を効率的に発生させることができる。なお、並行する複数の線路部分は、直線状である必要はなく、曲がっていてもよい。また、並行する複数の線路部分の間隔は、ほぼ等しいのが好ましい。
なお、図3では、線路状電極41の直線状の線路部分は、9本設けられ、8個の折れ曲がり部分が設けられている。折れ曲がり部分は、複数の直線状の線路部分の長手方向一端側に4個(複数)設けられ、長手方向他端側に4個(複数)設けられている。直線状の線路部分の数は、さらに多くしてもよい。直線状の線路部分の数は、例えば、10本から50本の範囲内であり、好ましくは、20本から40本の範囲内である。直線状の線路部分の数を適切に設定することで、線路状電極41をコンパクトにできる。
図3において、線路状電極41への給電点(給電部)41Cは、線路状電極41全体の線路長の1/2の位置に設けられている。給電線である同軸ケーブルの内導体は、給電点41Cに接続される。したがって、線路状電極41は、給電点41Cから第1端41Aまで延設された第1線路141Aと、給電点41Cから第2端41Bまで延設された第2線路141Bと、を備える。第1線路141A及び第2線路141Bは、それぞれミアンダ形状を持つ。すなわち、第1線路141A及び第2線路141Bは、それぞれ、並行する複数の線路部分を有する。
第1線路141A及び第2線路141Bは、給電点41Cを中心として点対称である。第1線路141A及び第2線路141Bは、給電点41Cを通る線に対して線対称であってもよい。第1線路141A及び第2線路141Bが対称配置であることで、発生する電界を均一化できる。また、第1線路141A及び第2線路141Bが点対称であることで、発生する電界をより均一化できる。なお、対称配置は、厳密な対称配置である必要はなく、実質的な対称配置であれば足りる。例えば、線路状電極41の作製上の都合又は取り付けの都合等によって、わずかに非対称性が発生しても、実質的な対称配置であるとみなせる。
なお、図3に示す線路状電極41において、第1線路141A及び第2線路141Bの長さは、同じである。ただし、第1線路141A及び第2線路141Bの長さは、異なってもよい。例えば、線路状電極41全体の線路長をLとした場合、第1線路141Aの線路長を(5/8)Lとし、第2線路141Bの線路長を(3/8)Lとしてもよい。
図4は、線路状電極41において生じる高周波電圧及び高周波電流を示している。図4に示す線路状電極41は、直線状である。また、図4に示す線路状電極41は、第1端41Aから第2端41Bまでの線路長Lが高周波の波長λの1/2である。図4において、給電点41Cは、線路長Lの1/2の位置に設定されている。図4に示すように、高周波電流は、給電点41C付近において最大となり、両端41A,41Bに近づくほど小さくなる。また、高周波電圧は、給電点41C付近においてほぼゼロとなり、両端41A,41Bにおいて絶対値が最大となる。例えば、第1端41A側の高周波電圧は、+Vr_maxとなり、第2端41B側の高周波電圧は、-Vr_maxとなる。
図4に示す直線状の線路状電極41の場合、図5に示すような電界(第1電界)E1が発生する。ここで、距離d[m]の間隔を持つ2点間の電位差がV[V]であるときの電界E[V/m]の強さは、E=V/dとなる。例えば、電位差Vは、両端41A,41B間において最大となるが、距離dも大きくなるため、電界Eの強さはさほど大きくならない。また、線路状電極41の近接する2点に着目した場合、距離dは小さくなるが、近接する2点間においては電位差Vも小さくなるため、やはり電界(第1電界)E1の強さはさほど大きくならない。電界E1の強さが小さいと、十分な電界エネルギーが被解凍物に与えられない。
これに対して、線路状電極41を図3に示すように屈曲させると、比較的強い漏れ電界(第2電界)を生じさせることができる。図6は、図3に示す屈曲した線路状電極41において、給電点41Cを通る線路幅方向の直線上に存在する複数の位置41C,101,102,103,104,105,106,107,108それぞれにおける電位V1,V2,V3,V4,V5を示している。図6では、線路幅方向において隣接する位置間の電位差ΔV1,ΔV2,ΔV3,ΔV4も示されている。
図6において、位置(第1位置)41Cと位置(第2位置)101との間には、位置41Cと位置101との間の線路長L1に応じた大きさの電位差ΔV1(V2−V1)が生じる。
位置(第1位置)101と位置(第2位置)102との間には、位置101と位置102との間の線路長L1(図3参照)の大きさに応じた電位差ΔV2(=V3−V2)が生じる。
位置(第1位置)102と位置(第2位置)103との間には、位置102と位置103との間の線路長L1の大きさに応じた電位差ΔV3(=V4−V3)が生じる。
位置(第1位置)103と位置(第2位置)104との間には、位置103と位置104との間の線路長L1の大きさに応じた電位差ΔV4(=V5−V4)が生じる。
また、位置(第1位置)41Cと位置(第2位置)105との間には、位置41Cと位置105との間の線路長L1に応じた大きさの電位差ΔV1(V2−V1)が生じる。
位置(第1位置)105と位置(第2位置)106との間には、位置105と位置106との間の線路長L1の大きさに応じた電位差ΔV2(=V3−V2)が生じる。
位置(第1位置)106と位置(第2位置)107との間には、位置106と位置107との間の線路長L1の大きさに応じた電位差ΔV3(=V4−V3)が生じる。
位置(第1位置)107と位置(第2位置)108との間には、位置107と位置108との間の線路長L1の大きさに応じた電位差ΔV4(=V5−V4)が生じる。
ここで、電位差ΔV1,ΔV2,ΔV3,ΔV4を生じさせる各2点間の直線距離をそれぞれd(図3参照)とする。この場合、図7に示すように、位置41Cと位置101との間には、ΔV1/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置101と位置102との間には、ΔV2/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置102と位置103との間には、ΔV3/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置103と位置104との間には、ΔV4/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。
同様に、位置41Cと位置105との間には、ΔV1/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置105と位置106との間には、ΔV2/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置106と位置107との間には、ΔV3/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。位置107と位置108との間には、ΔV4/dの強さを持つ漏れ電界(第2電界)E2が生じる。
各2点間の直線距離dは、2点間の線路長L1よりも小さいため、漏れ電界(第2電界)は、前述の電界(第1電界)E1よりも強くなる。強い漏れ電界(第2電界)によって、十分な電界エネルギーが被解凍物60に与えられ、効率的な加熱が行える。しかも、各2点間は、近接しているため、発生する電界を、線路状電極41の近傍に集中させることができ、線路状電極41の近傍に配置される被解凍物60を効率的に加熱することができる。
漏れ電界(第2電界)E2を十分大きくするため、線路状電極41は、以下の条件を満たす2点が存在するように屈曲形成されているのが好ましい。
条件:線路上の2点間の直線距離dが、その2点間の線路長L1の1/10以下、より好ましくは1/50以下、さらに好ましくは1/100以下である。
なお、被解凍物60へ照射される第1電界E1の照射量は、線路状電極41とグランド電極42との距離に応じて変化する。線路状電極41とグランド電極42との距離を大きくすると、電界照射量が大きくなり解凍性能が向上する。一方、線路状電極41とグランド電極42との距離を小さくすると、被解凍物60の物量の違いや状態の変化等による電極インピーダンスの変動を抑えることができる。
<2.2 第2実施形態:積層型の線路状電極>
図8は、第2実施形態に係る電極装置40を示している。第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態と同様である。第1実施形態の線路状電極41は、導電ケーブルを屈曲させて構成されていたが、第2実施形態の線路状電極41は、ミアンダ形状に加工された導体板によって構成されている。ミアンダ形状への加工は、例えば、切削又はプレス加工によって行われる。線路状電極が、予めミアンダ形状に加工されていることで、ミアンダ形状にするための曲げ工程が不要となる。
図8に示す線路状電極41は、複数(4枚)の導体板を積層した積層構造を有する。すなわち、線路状電極41は、複数の導体層241,242,243,244を有する。複数の導体層241,242,243,244それぞれが表面を有するため、積層構造の線路状電極41は、単一材により構成された線路状電極よりも表面積が大きくなる。表面積が大きくなることで、表皮効果による高周波伝送効率が上昇し、高周波の伝送ロスを小さくできる。したがって、より効率的に被解凍物60を加熱できる。
<2.3 第3実施形態>
図9及び図10は、第3実施形態に係る電極装置40を示している。第3実施形態において特に説明しない点については、第1及び第2実施形態と同様である。第1実施形態の線路状電極41において、給電点41Cは、線路長の1/2の位置に設けられていたが、第3実施形態では、第1端41Aに設けられている。なお、線路状電極41の線路長は、高周波の波長λの1/2である。図10に示すように、第3実施形態の場合も、第1実施形態と同様の高周波電圧及び高周波電流の分布を有する。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、漏れ電界(第2電界)を利用した加熱が可能である。
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
10 :解凍機
20 :筐体
30 :解凍室
31 :底面
32 :天面
33 :右側面
34 :左側面
35 :背面
40 :電極装置
41 :線路状電極
41A :第1端
41B :第2端
41C :給電点(給電部)
42 :グランド電極
43 :基板
43A :第1面
43B :第2面
45 :補助グランド電極
46 :補助グランド電極
47 :補助グランド電極
50 :給電線
60 :被解凍物
101 :上部電極
102 :下部電極
103 :発振器
110 :第1エネルギー
111 :第2エネルギー
121 :電極
122 :グランド電極
130 :被解凍物
141A :第1線路
141B :第2線路
241 :導体層
242 :導体層
243 :導体層
244 :導体層

Claims (16)

  1. 被解凍物の解凍処理が行われる解凍室と、
    前記解凍室内の被解凍物へ高周波を放射する線路状電極と、
    を備え、
    前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる
    解凍機。
  2. 前記線路状電極は、給電部から延設された第1線路を備える
    請求項1に記載の解凍機。
  3. 前記第1線路は、ミアンダ形状である
    請求項2に記載の解凍機。
  4. 前記線路状電極は、前記第1線路とは別に前記給電部から延設された第2線路を更に備える
    請求項2又は3に記載の解凍機。
  5. 前記第2線路は、ミアンダ形状である
    請求項4に記載の解凍機。
  6. 前記第2線路は、前記第1線路と同じ線路長を有する
    請求項4又は5に記載の解凍機。
  7. 前記第2線路は、前記第1線路とは異なる線路長を有する
    請求項4又は5に記載の解凍機。
  8. 前記線路状電極は、前記高周波の周波数に依存した線路長を有する
    請求項1から7のいずれか1項に記載の解凍機。
  9. 前記線路状電極は、単線によって構成されている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の解凍機。
  10. 前記線路状電極は、基板に形成された導体パターンによって構成されている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の解凍機。
  11. 前記線路状電極は、導体板によって構成されている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の解凍機。
  12. 前記線路状電極は、積層された複数の導体層によって構成されている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の解凍機。
  13. 前記線路状電極からみて、前記被解凍物とは反対側に配置されたグランド電極を更に備える
    請求項1から12のいずれか1項に記載の解凍機。
  14. 前記線路状電極からみて、前記被解凍物側に配置された補助グランド電極を更に備え、
    前記補助グランド電極は、
    前記被解凍物を挟んで、前記線路状電極に対向する位置、及び
    前記線路状電極からみて、前記被解凍物の側方位置
    の少なくともいずれか1つの位置に配置されている
    請求項13に記載の解凍機。
  15. 複数の高周波放射源を備えた解凍機であって、
    複数の前記高周波放射源は、それぞれ、線路状電極を備え、
    前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ放射される
    解凍機。
  16. 被解凍物へ高周波を放射する線路状電極を備え、
    前記線路状電極は、前記線路状電極における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置との間で漏れ電界が生じるように屈曲形成され、前記漏れ電界が前記被解凍物へ与えられる
    解凍機用の電極装置。
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