JP2021033342A - 制御装置、制御装置の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱がある場合であっても安定に制御対象を制御する制御装置を提供する。【解決手段】制御対象からの出力信号と目標信号との差に応じた第1誤差信号が入力され第1制御信号を出力する第1補償器と、前記第1制御信号が入力され第1信号を出力する第2補償器と、前記出力信号と前記第1信号との差に応じた第2誤差信号が入力され第2信号を出力する第3補償器と、前記第1制御信号と前記第2信号とを加算して前記制御対象を制御するための第2制御信号として出力する加算器と、を備え、以下の式の条件に基づいて、前記第1〜第3補償器を含む制御系が安定となるよう構成される制御装置。e1=(I-G(F-A))-1((I-GF)r-Gv-d)・・(1)、e2=(I+HK)(I-G(F-A))-1(GAr+Gv+d)-HKr・・(2)、u2=(I-(F-A)G)-1(Ar+v+(F-A)d)・・(3)、A=(I-FH)K・・(4)【選択図】図3

Description

本発明は、制御装置、及び制御装置の設計方法に関する。
制御対象を制御するシステムとしては、例えば、フィードバック制御を用いる閉ループの制御システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−84733号公報
ところで、一般的な閉ループの制御システムにおいては、制御システムへの設定値入力と、出力との間の入出力安定性が保証されるよう、補償器は設計される。しかしながら、実際の制御システムにおいては、様々な外乱が入力されるため、設定値入出力安定性のみを考慮して補償器を設計しても、制御システムの安定性を保てないことがある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、様々な外乱がある場合であっても制御システムの安定性を保つことができる制御装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、制御対象からの出力信号と、目標信号と、の差に応じた第1誤差信号が入力され、第1制御信号を出力する第1補償器と、前記第1制御信号が入力され、第1信号を出力する第2補償器と、前記出力信号と、前記第1信号と、の差に応じた第2誤差信号が入力され、第2信号を出力する第3補償器と、前記第1制御信号と、前記第2信号とを加算して、前記制御対象を制御するための第2制御信号として出力する加算器と、を備え、以下の式(1)〜(4)の条件に基づいて、前記第1〜第3補償器を含む制御系が安定となるよう、前記第1〜第3補償器は構成されていること、を特徴とする制御装置。
e1 = (I - G(F - A))-1((I - GF ) r - Gv - d) ・・・(1)
e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
u2 = (I - (F - A)G)-1(Ar + v + (F-A)d) ・・・(3)
A = (I - FH)K・・・(4)
ここで、eは、前記第1誤差信号であり、eは、前記第2誤差信号であり、uは、第2制御信号であり、Iは、単位行列であり、Gは、前記制御対象であり、Kは、前記第1補償器であり、Hは、前記第2補償器であり、Fは、前記第3補償器であり、rは、前記目標信号であり、dは、前記出力信号に印加される第1外乱であり、vは、前記第2制御信号に印加される2外乱である。
本発明によれば、外乱がある場合であっても安定に制御対象を制御することができる技術を提供することができる。
制御システム10のブロック線図である。 制御システム11のブロック線図である。 制御システム12のブロック線図である。 制御システムのシミュレーション結果の一例を示す図である。 制御システムのシミュレーション結果の一例を示す図である。 制御システムのシミュレーション結果の一例を示す図である。 クレーン50の構成の一例を示す図である。 制御装置62の設計方法の一例を説明するフローチャートである。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===制御システムの安定性について===
<<<制御システム10>>>
図1は、フィードバックループが形成された、一般的な閉ループの制御システム10のブロック線図であり、制御システム10には、プラント20、加算器21、及び補償器22が含まれる。
プラント20は、制御対象となる対象物であり、例えば、位置が制御されるトロリークレーンやサーボ、温度が制御される冷蔵庫、電圧が制御されるインバータである。
加算器21は、プラント20からの出力信号yと、出力信号yの目標値を示す目標信号rとの差に応じた誤差信号e(第1誤差信号)を出力する。このため、加算器21は、目標信号rから、出力信号yを減算する減算器として動作する。
補償器22は、誤差信号eに基づいて、出力信号yが、目標値となるよう、プラント20を制御するための制御信号uを出力する。この結果、制御システム10において、プラント20の出力を目標値とすることができる。
<<<制御システム11>>>
制御システム10においては、例えば、プラント20の出力に加算される外乱や、プラント20への入力信号に加算される外乱が考慮されていない。
図2の制御システム11は、一般的なフィードバック制御が適用された、制御システム10に対し、外乱d,vを考慮したシステムである。具体的には、制御システム11には、制御システム10に対し、外乱d,vのそれぞれが加算される加算器23,24が設けられている。なお、図1と、図2で同じ符号の付されたブロック、信号は同じである。
加算器24には、制御信号uに対し、外乱vが加えられ、プラント20へ制御信号u2として出力される。
一般的に補償器22は、目標信号rと、外乱d,vの影響がない出力信号yと、の誤差を入力として、制御信号uを出力するよう設計されている。このため、外乱d,vの影響により、システムの制御性能が劣化する、又は安定性が保てない場合がある。
<<<制御システム12>>>
図3は、外乱抑制を考慮したフィードバックループを追加した制御システム12のブロック線図である。
制御システム12は、プラント20、加算器21,23,24,26、補償器22,25,27が含まれる。したがって、制御システム12は、制御システム11の構成に対し、加算器26、補償器25,27が追加された構成である。なお、図2と、図3とでは、同じ符号が付されたブロック、信号は同じであるため、制御システム11との相違点を中心に説明する。また、補償器22は、「第1補償器」に相当し、補償器25は、「第2補償器」に相当し、補償器27は、「第3補償器」に相当する。
加算器24は、補償器22からの制御信号uと、信号a(後述)とを加算する。
補償器25は、制御信号u(第1制御信号)を入力として、信号a(第1信号)を加算器26に出力する。
補償器25は、“ノミナルプラント”と見なして設計しても良い。ここで、“ノミナルプラント”(または、“ノミナルモデル”)とは、制御対象であるプラント20を模擬したモデルである。
加算器26は、外乱dが加えられた出力信号yと、補償器25からの信号aと、の差を示す誤差信号eを出力する。
補償器27は、誤差信号e(第2誤差信号)に基づいて、プラント20の出力を目標値とするための信号a(第2信号)を出力する。
特に、補償器25をノミナルプラントと見なし、外乱と制御対象の変動に対する制御性能と安定性を保証するために補償器27を設計する場合、この補償器27は“ロバスト外乱フィードバック制御器”と呼ばれている。
そして、上述した加算器24は、制御信号u、信号a、外乱vを加算し、制御信号u(第2制御信号)を出力する。
<<<制御システム12の内部安定性の解析>>>
ここで、制御システム12には、目標信号r以外に、外乱d,vが入力されている。このため、制御システム12が安定であるためには、目標信号r、外乱d,vと、制御システム12の内部の誤差信号e,e、制御信号uと、の間で定まる内部安定性が保証される必要がある。
具体的には、制御システム12の内部安定性の条件である以下の式(1)〜(4)に基づいて、制御システム12が安定となるよう、補償器22,25,27を設計する必要がある。
e1 = (I - G(F - A))-1((I - GF ) r - Gv - d) ・・・(1)
e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
u2 = (I - (F - A)G)-1(Ar + v + (F-A)d) ・・・(3)
A = (I - FH)K・・・(4)
ここで、“I”は、単位行列であり、“G”は、制御対象であり、“K”は、補償器22であり、“H”は、補償器25であり、“F”は、補償器27である。
また、本実施形態の制御対象や補償器は、例えば、伝達関数や状態方程式で表される。
<<<外乱d,vの影響>>>
ここで、プラント20、補償器22,25,27を、状態方程式で表現した際に、外乱d,vの影響を検証する。
<<プラント20が安定で、補償器25をノミナルプラントとして設計した例>>
まず、プラント20は、安定な1次遅れ系と設定する。
プラント20は、式(5)〜(7)によって表現される。
dx1(t) / dt = -0.7x1(t) + 0.1u1(t) ・・・(5)
x1(0) = 0.2・・・(6)
y(t) = x1(t) + d(t)・・・(7)
ここで、x1(t)は、プラント20の状態変数である。
次に、補償器22は比例制御器として、K=10に設計する。このため、補償器22の入出力関係は、式(8)で示される。
u1(t) = 10(r(t) - y(t)) ・・・(8)
補償器25は、“ノミナルプラント”として設計するため、プラント20と同じ一次遅れ系として定義する。このため、補償器25は、式(9)〜(11)によって表現される。
dx2(t) / dt = -0.7x2(t) + 0.1u1(t) ・・・(9)
x2(0) = 0・・・(10)
a1(t) = x2(t) ・・・(11)
次に、補償器27は比例制御器として、F=−5に設計する。このため、補償器27の入出力関係は、式(12)で示される。
a2(t) = -5(y(t) - a1(t)) ・・・(12)
制御システム12を表現する式(5)〜(12)を用いて、内部安定性の条件(式(1)〜(4))を満たすか否かを解析する事で、制御システム12の内部安定性を判別することができる。
図4は、式(5)〜(12)によって表現された制御システム12のシミュレーション結果(一点鎖線)の一例である。なお、図4には、比較対象として、図2に示す制御システム11のシミュレーション結果(実線)も合わせて図示されている。
また、図4の上段は、制御システム11,12のそれぞれの出力信号yの波形であり、図4の下段は、制御システム11,12のそれぞれの制御信号uの波形である。
また、シミュレーション条件として、時刻t=0にステップ状の目標信号r=1を印加、時刻t=5にステップ状の外乱d=1を印加、時刻t=15にステップ状の外乱v=1を印加することで、内部安定性を評価する。
図4の上段に示した出力信号y(一点鎖線、実線)は3つ全ての信号(r、v、d)が入力された場合でも、不安定な状態にならない事が確認できる。これにより、制御システム11及び制御システム12は内部安定性が満たされている事が確認できた。
<<プラント20が不安定で、補償器25をノミナルプラントとして設計した例>>
ところで、補償器25を、“ノミナルプラント”として設計する場合、プラント20と同じモデル定数を用いて設計される。ここで、式(2)を参照すると、式(2)には、“HKr”の項が含まれる。
e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
プラント20が不安定な場合に、補償器25を“ノミナルプラント”として設計すると、結果的に、式(2)の“HKr”の開ループ系が不安定になる。
ここで、プラント20が不安定な場合の制御設計例を以下に示す。実施例として、プラント20は不安定な1次遅れ系と設定する。プラント20は、式(13)〜(15)によって表現される。
dx1(t) / dt = 0.7x1(t) + 0.1u1(t) ・・・(13)
x1(0) = 0.2・・・(14)
y(t) = x1(t) + d(t) ・・・(15)
ここで、x1(t)は、プラント20の状態変数である。
補償器22は比例制御器として、K=10に設計する。このため、補償器22の入出力関係は、式(8)と同一の式で示される。
u1(t) = 10(r(t) - y(t)) ・・・(8)
補償器25は、“ノミナルプラント”として設計されているため、プラント20と同じ、不安定な一次遅れ系である。補償器25は、式(16)〜(18)によって表現される。
dx2(t) / dt = -0.7x2(t) + 0.1u1(t) ・・・(16)
x2(0) = 0・・・(17)
a1(t) = x2(t) ・・・(18)
ここで、x2(t)は、プラント20の状態変数である。
補償器27は、比例制御器として、F=−5に設計する。このため、補償器27の入出力関係は、式(12)と同一の式で示される。
a2(t) = -5(y(t) - a1(t)) ・・・(12)
制御システム12を表現する式(8)、(12)〜(18)を用いて、内部安定性の条件(式(1)〜(4))を満たすか否かを解析する事で、制御システム12の内部安定性を判別することができる。
図5は、式(8),(12)〜(18)によって表現された制御システム12のシミュレーション結果(一点鎖線)の一例である。なお、図5には、比較対象として、図3に示す制御システム11のシミュレーション結果(実線)も合わせて図示されている。
また、図5の上段は、制御システム11,12のそれぞれの出力信号yの波形であり、図5の下段は、制御システム11,12のそれぞれの制御信号uの波形である。
まず、時刻t=0に、ステップ状の目標信号rが入力されると、図5の上段に示した出力信号y(一点鎖線,実線)は、上昇する。さらに、時刻t=5に外乱dが入力されると、制御システム12の出力信号y(一点鎖線)は、低下した後に大きく上昇する。この結果、制御システム12は、外乱dが入力された結果、発振してしまい、内部安定性を満たせていない。
この現象は、例えば、上述した式(2)における“−HKr”の項に含まれる“H”、つまり、補償器25を不安定なノミナルプラントとして設計した事に起因する。
e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
一方、一般的な制御システム11は、補償器25を含まない。この解析結果より、不安定システムにおいては補償器25をノミナルプラントで設計すると、内部安定性を満たせない事を確認した。
<<プラント20が不安定で、補償器25をコントローラとして設計した例>>
上述したように、プラント20が不安定である場合に“ノミナルプラント”を用いると、制御システム12の内部安定性が保証されず、制御システム12が不安定となってしまう。
しかしながら、補償器25は、補償器27と同様に、外乱d,vによる制御システムの制御性能の劣化や、不安定化を抑制する様に設計しても良い。
以下、プラント20が不安定である場合、補償器25を、式(1)〜(4)に基づく制御システム12の内部安定性を保証するための補償器として用いた場合について説明する。
プラント20は、不安定な1次遅れ系に設定するため、プラント20は、上述した式(13)〜(15)によって表現される。
dx1(t) / dt = 0.7x1(t) + 0.1u1(t) ・・・(13)
x1(0) = 0.2・・・(14)
y(t) = x1(t) + d(t) ・・・(15)
補償器22は、比例制御器として、K=10に設計する。このため、補償器22の入出力関係は、式(8)と同一の式で示される。
u1(t) = 10(r(t) - y(t)) ・・・(8)
補償器25は、プラント20が不安定であるため、制御システム12の内部安定性を保証させるべく、例えば、式(9)〜(11)で示した安定な一次遅れ系として設計する。
dx2(t) / dt = -0.7x2(t) + 0.1u1(t) ・・・(9)
x2(0) = 0・・・(10)
a1(t) = x2(t) ・・・(11) 補償器27は、比例制御器として、F=−5に設計する。このため、補償器27の入出力関係は、式(12)と同一の式で示される。
a2(t) = -5(y(t) - a1(t)) ・・・(12)
制御システム12を表現する式(8)〜(15)を用いて、内部安定性の条件(式(1)〜(4))を満たすか否かを解析する事で、制御システム12の内部安定性を判別することができる。
図6は、式(8)〜(15)によって表現された制御システム12のシミュレーション結果(一点鎖線)の一例である。なお、図6には、比較対象として、図2に示す制御システム11のシミュレーション結果(実線)も合わせて図示されている。
また、図6の上段は、制御システム11,12のそれぞれの出力信号yの波形であり、図6の下段は、制御システム11,12のそれぞれの制御信号uの波形である。
また、これまでのシミュレーション条件と同様に、時刻t=0にステップ状の目標信号r=1を印加、時刻t=5にステップ状の外乱d=1を印加、時刻t=15にステップ状の外乱v=1を印加することで、内部安定性を評価する。
図6の上段に示した出力信号y(一点鎖線、実線)は3つ全ての信号(r、v、d)が入力された場合でも、不安定な状態にならない事が確認できる。これにより、制御システム11及び制御システム12は内部安定性が満たされている事が確認できた。 このように、プラント20が不安定である場合、補償器25を“ノミナルプラント”とせず、安定化させる“コントローラ”として設計することで、制御システム12を安定化させることができる。
=====クレーン50の概要=====
図7は、本発明の一実施形態であるクレーン50の概要を示す図である。クレーン50は、駆動装置60、センサ61、及び制御装置62を含んで構成される。
駆動装置60は、クレーン50をレール(不図示)の上を移動させるモータ等であり、センサ61は、クレーン50をレールの上の位置に応じた信号を出力する位置センサである。
制御装置62は、クレーン50のレール上の位置を制御する装置であり、レール上の目標位置を示す目標信号rと、センサ61からの出力信号yと、に基づいて、クレーン50を移動させるための制御信号uを出力する。制御装置62は、加算器21,24,26、補償器22,25,27を含む。
図7の制御装置62と、図3の制御システム12とでは、同じブロックや信号には同じ符号が付されている。ここで、クレーン50は、制御対象である“プラント20”に相当し、センサ61からの出力信号yに印加されるノイズ等が、“外乱d”に相当する。
また、駆動装置60のアクチュエータ(不図示)を動作せる制御信号uに印加されるノイズ等が、“外乱v”に相当する。なお、図3の加算器23は、外乱dを考慮すべく、制御システム12に便宜上設けられたブロックであるため、実際の制御装置62には設けられてはいない。
したがって、クレーン50には、制御システム12が構成されることになる。そして、このような制御システム12では、上述した式(1)〜(4)に基づいて、内部安定性が保証される必要がある。
=====補償器の設計方法=====
図8は、クレーン50の補償器22,25,27の設計方法の一例を示すフローチャートである。
まず、設計者は、一般的なフィードバック制御の制御システム10で用いられる、補償器22を、クレーン50の仕様等に基づいて設計する(S10)。なお、この際、設計者は、3つの補償器22,25,27のうち、まずは、補償器22のみを考慮して、各要素を決定しても良い。
そして、設計者は、クレーン50が安定であるか否かを、例えば、クレーン50を模擬した、伝達関数のモデルの極配置に基づいて判定する(S11)。
クレーン50が安定である場合(S11:Yes)、設計者は、補償器25が、クレーン50の“ノミナルプラント”となるよう、各要素を設計する(S12)。
そして、補償器25が設計されると(S12)、設計者は、式(1)〜(4)を満たすように、補償器27を設計する(S13)
一方、クレーン50が安定でない場合(S11:No)、“ノミナルプラント”を用いると、上述した式(2)における“−HKr”の項に含まれる“H”が不安定となる。この結果、クレーン50を含む制御システム12も不安定となる。
そこで、設計者は、補償器25を“ノミナルプラント”とせず、式(1)〜(4)を満たすように、安定な補償器25,27を設計する(S14)。
そして、設計者は、3つの補償器22,25,27が設計されると、3つの補償器22,25,27を含む制御システム12の安定性を、各種の安定性解析法(例えば、固有値解析法、時間領域における外乱応答シミュレーション等)により評価、確認する(S15)。
制御システム12が安定なシステムを実現できていない場合(S15:No)、設計者は、例えば、再度、ステップS10の設計を実行する。一方、制御システム12の安定性が確認された場合(S15:Yes)、設計者は設計を終了する。この結果、3つの補償器22,25,27を含む制御システム12の内部安定性は保証されることになる。
=====まとめ=====
以上、本発明の一実施形態である制御システム12について説明した。制御システム12が適用された制御装置62の補償器22,25,27は、式(1)〜(4)に基づいて、内部安定性が保証されるよう、構成されている。このため、制御装置62は、外乱d,vがある場合であっても、クレーン50を安定に制御することができる。
また、例えば、プラント20に相当するクレーン50が安定な場合、補償器25を“ノミナルプラント”とすることができる。これにより、より外乱d,vの影響を抑制できる。
また、例えば、クレーン50を制御する制御装置62の補償器22,25,27は、図8に示す設計方法に基づいて設計されている。このため、外乱d,vがある場合であっても、クレーン50を安定に制御することができる。
また、図8では、例えば、プラント20に相当するクレーン50が安定である場合にのみ(例えば、S11:Yes)、補償器25を“ノミナルプラント”としている。
また、例えば、プラント20のクレーン50が不安定である場合に(例えば、S11:No)、補償器25を“ノミナルプラント”とせず、“コントローラ”として設計して、制御システムを安定化させている。
なお、ここでは、制御システム12をクレーン50に適用した実施形態を説明したが、これに限られない。制御システム12は、サーボシステム、冷凍システム、インバータ等の各種装置、機器の制御に用いても良い。
なお、本実施形態において、補償器22,25,27との用語を用いているが、これらは、制御システムを安定化させるためのものであり、例えば、“制御器”と称しても良い。また、制御システム12等は、「制御系」に相当する。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
10〜12 制御システム
20 プラント
21,23,24,26 加算器
22,25,27 補償器
50 クレーン
60 駆動装置
61 センサ
62 制御装置

Claims (7)

  1. 制御対象からの出力信号と、目標信号と、の差に応じた第1誤差信号が入力され、第1制御信号を出力する第1補償器と、
    前記第1制御信号が入力され、第1信号を出力する第2補償器と、
    前記出力信号と、前記第1信号と、の差に応じた第2誤差信号が入力され、第2信号を出力する第3補償器と、
    前記第1制御信号と、前記第2信号とを加算して、前記制御対象を制御するための第2制御信号として出力する加算器と、
    を備え、
    以下の式(1)〜(4)の条件に基づいて、前記第1〜第3補償器を含む制御系が安定となるよう、前記第1〜第3補償器は構成されていること、を特徴とする制御装置。

    e1 = (I - G(F - A))-1((I - GF ) r - Gv - d) ・・・(1)
    e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
    u2 = (I - (F - A)G)-1(Ar + v + (F-A)d) ・・・(3)
    A = (I - FH)K・・・(4)

    ここで、eは、前記第1誤差信号であり、eは、前記第2誤差信号であり、uは、第2制御信号であり、Iは、単位行列であり、Gは、前記制御対象であり、Kは、前記第1補償器であり、Hは、前記第2補償器であり、Fは、前記第3補償器であり、rは、前記目標信号であり、dは、前記出力信号に印加される第1外乱であり、vは、前記第2制御信号に印加される第2外乱である。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記制御対象が安定である場合、前記第2補償器は、前記制御対象を模擬するよう構成されること、
    を特徴とする制御装置。
  3. 制御対象からの出力信号と、目標信号と、の差に応じた第1誤差信号が入力され、第1制御信号を出力する第1補償器と、
    前記第1制御信号が入力され、第1信号を出力する第2補償器と、
    前記出力信号と、前記第1信号と、の差に応じた第2誤差信号が入力され、第2信号を出力する第3補償器と、
    前記第1制御信号と、前記第2信号とを加算して、前記制御対象を制御するための第2制御信号として出力する加算器と、
    を備える制御装置の設計方法であって、
    以下の式(1)〜(4)の条件に基づいて、前記第1〜第3補償器を含む制御系が安定となるよう、前記第1〜第3補償器を設計すること、
    を特徴とする制御装置の設計方法。

    e1 = (I - G(F - A))-1((I - GF ) r - Gv - d) ・・・(1)
    e2 = (I + HK)(I - G(F - A))-1(GAr + Gv + d) - HKr・・・(2)
    u2 = (I - (F - A)G)-1(Ar + v + (F-A)d) ・・・(3)
    A = (I - FH)K・・・(4)

    ここで、eは、前記第1誤差信号であり、eは、前記第2誤差信号であり、uは、第2制御信号であり、Iは、単位行列であり、Gは、前記制御対象であり、Kは、前記第1補償器であり、Hは、前記第2補償器であり、Fは、前記第3補償器であり、rは、前記目標信号であり、dは、前記出力信号に印加される第1外乱であり、vは、前記第2制御信号に印加される第2外乱である。
  4. 請求項3に記載の制御装置の設計方法であって、
    前記制御対象が安定であるか否かを判定し、
    前記制御対象が安定であると判定された場合に、前記第2補償器が前記制御対象を模擬するよう、前記第2補償器を設計し、
    前記式(1)〜(4)の条件に基づいて、前記制御系が安定となるよう前記第3補償器を設計すること、
    を特徴とする制御装置の設計方法。
  5. 請求項3に記載の制御装置の設計方法であって、
    前記制御対象が安定であるか否かを判定し、
    前記制御対象が不安定であると判定された場合に、前記式(1)〜(4)の条件に基づいて、前記制御系が安定となるよう、前記第2補償器と、前記第3補償器と、を設計すること、
    を特徴とする制御装置の設計方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の制御装置の設計方法であって、
    前記第2及び第3補償器を設計する前に、前記第1補償器を設計すること、
    を特徴とする制御装置の設計方法。
  7. 請求項6に記載の制御装置の設計方法であって、
    前記第1〜第3補償器を含む制御システムの安定性を、安定性解析法により評価し、
    前記制御システムが安定でない場合、再度、前記第1補償器を設計した後、前記第2及び第3補償器を設計すること
    を特徴とする制御装置の設計方法。




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